JP7498932B1 - 原子力プラント - Google Patents

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Abstract

【課題】鉄筋コンクリート製の二重殻原子炉格納容器において外殻の子午線鉄筋の密度が低下し外殻の構造強度が低下することを防止し外殻の子午線鉄筋の密度を増やし外殻の構造強度を強化できる基礎スラブの放射状鉄筋の構造を提供する。【解決手段】実施形態による原子力プラントは、二重殻原子炉格納容器20の基礎スラブ26の内部に少なくとも一部が設けられ、前記基礎スラブの中心線を放射角の中心として放射状に多数配筋され内殻基底部21aを貫通する内殻放射状鉄筋27と、前記基礎スラブ26の中心線を放射角の中心として放射状に多数配筋され外殻基底部22aを貫通する外殻放射状鉄筋28と、内殻基底部21aと外殻基底部22aの両方を貫通し内殻放射状鉄筋27の一部であり外殻放射状鉄筋28の一部でもある共通放射状鉄筋29と、を有し、外殻放射状鉄筋28の数は内殻放射状鉄筋27の数よりも多く、共通放射状鉄筋29の数は内殻放射状鉄筋27の数と外殻放射状鉄筋28の数の最大公約数であることを特徴とする。【選択図】図4

Description

本発明は、鉄筋コンクリート製の二重殻原子炉格納容器を有する原子力プラントに関するものである。
従来の原子力プラントの鉄筋コンクリート製原子炉格納容器について図8から図17によりその概要を説明する。
(図8:従来の第1の原子力プラントの説明)
図8は、従来の第1の原子力プラントの原子炉格納容器まわりの構成の例を示す立断面図である。図8において、炉心1は原子炉圧力容器2の内部に収納されている。原子炉圧力容器2は、原子炉格納容器3内に収納されている。原子炉格納容器3は円筒形状をしている(図9を参照。)。この原子炉格納容器3は新型BWR(ABWR)で採用されているものである。原子炉格納容器3は、鉄筋コンクリート製であり鉄筋コンクリート製原子炉格納容器(RCCV)12とも呼ばれている。RCCV12の内面には鋼製ライナー(図示せず)が張られている。原子炉格納容器3(RCCV12)の底部には鉄筋コンクリート製の基礎スラブ13が設けられている。基礎スラブ13は原子炉格納容器3の一部を構成している。基礎スラブ13の上面には鋼製ライナー(図示せず)が張られている。基礎スラブ13の周囲には原子炉建屋(図示せず)の基礎マット64があり、基礎スラブ13は基礎マット64と接続している。基礎マット64も鉄筋コンクリート製である。
原子炉格納容器3の内部は、原子炉圧力容器2を収納するドライウェル4と、ウェットウェル5とに区分けされており、ドライウェル4とウェットウェル5とは原子炉格納容器3の一部を構成する。ウェットウェル5は内部に圧力抑制プール6を形成している。圧力抑制プール6の上方にはウェットウェル気相部7が形成されている。ドライウェル4とウェットウェル5の外壁は一体化して原子炉格納容器3の外壁(円筒壁)3aを構成している(図9を参照)。円筒壁3aの内径は約29mである。円筒壁3aの厚さは約2mである。円筒壁3aは円筒壁基底部3bで基礎スラブ13に接続している(図11を参照)。ドライウェル4の天井部は平板になっておりこの部分をドライウェル4のトップスラブ4aと呼ぶ。
原子炉圧力容器2は、RPVスカート62およびRPVサポート63を介して、円筒状のペデスタル61により支持されている。ペデスタル61は、鋼板とコンクリートの複合構造である。ドライウェル4のうち原子炉圧力容器2の下方であって、ペデスタル61の円筒状の壁により囲まれるペデスタル61の内側の空間を、ペデスタルキャビティ61aという。ABWRのRCCV12の場合はペデスタル61の円筒状の壁はウェットウェル5とドライウェル4の境界の壁を形成していて特にこの空間を下部ドライウェル61aと呼んでいる。ペデスタル61の中心線61cと原子炉格納容器3の中心線は同じで図に示すように平面図では同心円状になっている。
ABWRのRCCV12の場合はドライウェル4のRPVサポート62よりも上の空間を上部ドライウェル4cと呼んでいる。ウェットウェル5の天井は平板になっていて上部ドライウェル4cとの境界を形成している。この部分は上部ドライウェル4cの床を構成しておりダイアフラム床5bと呼んでいる。
原子炉圧力容器2の上方に原子炉格納容器上蓋10が配置されている。原子炉格納容器上蓋10は鋼製で燃料交換時に取り外し可能な構造になっている。
ドライウェル4と圧力抑制プール6はLOCAベント管8により連結されている。LOCAベント管8はたとえば10本など複数個設置されるが図8では2本のみを表示している(図9を参照)。LOCAベント管8は圧力抑制プール6のプール水に水没している部分に水平ベント管8aがありプール水中に開口している。RCCV12の場合は、水平ベント管8aは一つのLOCAベント管8に縦方向に3本設置されている。また、RCCV12の場合はLOCAベント管8はペデスタル61の円筒状の壁の内部を通って設置されている。そのためRCCV12の場合は、このペデスタル61の円筒状の壁をベント壁とも言う。ベント壁は厚さは約1.7mの鋼板コンクリート製で内側と外側の表面は鋼製である。LOCAベント管8とペデスタル61は原子炉格納容器3の一部を構成する。
図8に示すように円筒壁3aの内部には垂直方向に子午線鉄筋14が配筋されている。子午線鉄筋14の直径は約0.051mである。子午線鉄筋は多数設けられているが図8では1本のみを示している。子午線鉄筋14の数が多いほど円筒壁3aの構造強度が大きくなる。本従来例では、子午線鉄筋14は半径方向に5段設けられていて各段には円周方向に最大320本設けられている。即ち、子午線鉄筋14の最大の本数は1600である(図12を参照)。最大と言っているのは必ずしもすべての個所に子午線鉄筋14を設けるわけでないからである。必要に応じて最大1600本設置可能ということである。
図10および図11を参照して、従来の第1の原子力プラントの原子炉格納容器の鉄筋コンクリート製格納容器の基礎スラブの構成についてその概要を説明する。
(図10:RCCVの基礎スラブの説明)
図10は、従来の第1の原子力プラント(ABWR)の鉄筋コンクリート製原子炉格納容器(RCCV)12の基礎スラブ13の構成の例を示す平面図である。図10において、基礎マット64の内部に基礎スラブ13が設けられている。基礎スラブ13も鉄筋コンクリート製である。図10において、基礎スラブ13は円形で外径は約33mである。中心部にはペデスタル61(図8を参照)が接続されている。図10では幅約1.7mのペデスタル基底部61bのみを示す。ペデスタル61の中心線61cを基礎スラブ13内に延長した直線が基礎スラブ13の中心線13aになっている(図11を参照)。図10では中心線13cの位置を+で示している。外周部には厚さ約2mの鉄筋コンクリート製の円筒壁3a(図8を参照)が接続されている。図10では幅約2mの円筒壁基底部3bのみを示す。基礎スラブ13には少なくとも一部が基礎スラブ13内にあり基礎スラブ13の中心線13aを放射角の中心として放射状に延びて円筒壁基底部3bを貫通する多数本の放射状鉄筋16が配筋されている。図10では放射状鉄筋16を細線で示している。放射状鉄筋16の直径は約0.038mである。本従来例では、放射状鉄筋16の本数は320本である。320本の放射状鉄筋16は1.125度の均一の角度で配置されている。320本の放射状鉄筋16をすべて描くと多すぎて判別しにくくなるので、図10ではこのうち1/10の32本のみを示している。また、放射状鉄筋16の一部は本数を減じながらより中心線23aに近いところまで配筋されているが図10ではこの部分は表示していない。図10では放射状鉄筋16が320本配筋されている部分のみを表示している。放射状鉄筋16は円周方向に320本あり全体で放射状鉄筋群16aを構成している。
図11は、従来の第1の原子力プラント(ABWR)の鉄筋コンクリート製原子炉格納容器(RCCV)12の基礎スラブ13の構成の例を示す立断面図である。図11では右側の半分を示している。左側も対称になっている。基礎スラブ13の厚さは約3mから約6.5mである。但し、この範囲には限定されない。図11では約5.5mの例を示している。放射状鉄筋16は中心線13a側から水平に伸びて円筒壁基底部3bを斜め上方に貫通し再び水平に伸びている。基礎スラブ13の周囲には原子炉建屋(図示せず)の基礎マット64があり放射状鉄筋16は基礎マット64の内部に伸びている。放射状鉄筋16は円周方向に320本あり全体で放射状鉄筋群16aを構成している。基礎スラブ13の構造強度を増すために放射状鉄筋群16aは高さを変えて多重に設けられている。図11では5段の放射状鉄筋群16aが設けられている。各段の放射状鉄筋群16aの平面図上の形は同じである。即ち、全く同一形状の放射状鉄筋群16aを5段重ねている。
図12は従来の第1の原子力プラント(ABWR)の鉄筋コンクリート製原子炉格納容器(RCCV)12の円筒壁基底部3bにおける子午線鉄筋14と放射状鉄筋16の構成を示す平面図である。図12において円筒壁3aの内側(中心側)を向いている方を内側35、その反対の方を外側36と呼ぶ。放射状鉄筋16は円筒壁基底部3bの円周に沿って320本配置されている。図12ではそのうちの2本(列)の放射状鉄筋16の部分を示している。放射状鉄筋16の太さは約0.038mである。放射状鉄筋16には子午線鉄筋14が接続されている。鉄筋同志が接続するためには実際には鉄筋同志が横にずれて接しているが、図12では見やすさのため鉄筋同志が交差しているように示している。子午線鉄筋14の太さは約0.051mである。子午線鉄筋14の円周に沿った並びを段と呼ぶ。本従来例では、子午線鉄筋14は内側に2段、外側に3段、合計5段設置されている。子午線鉄筋の各段は互いに約0.2mの芯間の間隔で配筋されている。各段の子午線鉄筋14の円周1周分の最大数は放射状鉄筋16の数と等しく320である。5段あるので子午線鉄筋14の最大の総数は1600である。
図12において2本の放射状鉄筋16の芯間の間隔約は0.3mである。放射状鉄筋16の芯間の間隔が0.3mになるように放射状鉄筋16の本数が320になっている。子午線鉄筋14の直径は約0.051mである。機器ハッチ等の開口(図示せず)の周辺では追加の子午線鉄筋として開口補強筋15を2本の子午線鉄筋14の間に追加で設ける。開口補強筋15の直径も約0.051mである。そのため、約0.3mの間隔の中に直径約0.051mの鉄筋を3本配筋する必要がある。約0.3mは子午線鉄筋14をできるだけ稠密にすることと、開口補強筋15を設けるスペースを確保することの両方の条件を満たすことができる最適の間隔になっている。これよりも広げると子午線鉄筋14の円周方向の密度が低下し円筒壁3aの構造強度が低下する。一方、これ以上狭くすると開口補強筋15が設置できなくなる。開口補強筋15が設置できないと円筒壁3aの開口部周辺での構造強度が低下してしまう。
(図13:従来の第2の原子力プラントの説明)
図13から図17に基づき従来の第2の原子力プラントの説明を行う。
図13は、従来の第2の原子力プラントの原子炉格納容器まわりの構成の例を示す立断面図である。本従来例については特許文献1の図1および図2に掲載されている。また、特許文献2の図1に掲載されている。本従来例は、Severe Accident Tolerant and Optimized Reactor (SATOR,ICONE19-43342)に採用されている。図13において、炉心1は原子炉圧力容器2の内部に収納されている。原子炉圧力容器2は、原子炉格納容器3内に収納されている。原子炉格納容器3は円筒形状をしている(図14を参照。)。図13において炉心1、原子炉圧力容器2および原子炉格納容器3の構成は図8に示す従来の第1の原子力プラントの構成と同じである。以下では、重複を避けるため、従来の第2の原子力プラントが従来の第1の原子力プラントと異なる構成についてのみ説明する。
(外部ウェルの説明)
従来の第2の原子力プラントにおいては、さらに、ドライウェル4とウェットウェル5の外部に外部ウェル32が設けられている。外部ウェル32はドライウェル共通部壁4bを介してドライウェル4と隣接し、ウェットウェル共通部壁5aを介してウェットウェル5と隣接している。外部ウェル32の天井部は平板でこの部分を外部ウェル32のトップスラブ32aと呼ぶ。外部ウェル32の外壁を外部ウェル32の外壁32bと呼ぶ。トップスラブ32aと外壁32bは鉄筋コンクリート製である。外部ウェル32はドライウェル4およびウェットウェル5と同等の耐圧性と気密性を有している。
外部ウェル32の材質も、鉄筋コンクリート製ある。原子炉格納容器3と同様に内面にライナー(図示せず)が張られている。本従来例における外部ウェル32の外壁32bは原子炉格納容器3の外壁3aを囲むように構成されている(図14を参照)。原子炉格納容器3の外壁(円筒壁)3aとアウターウェル32の外壁32bは二重の壁を構成している。原子炉格納容器3の円筒壁3aの上部とアウターウェル32の外壁32bの上部はトップスラブ32aで接合している。原子炉格納容器3とアウターウェル32は一体化して二重殻原子炉格納容器20を構成している。原子炉格納容器3の外壁(円筒壁)3aを二重殻原子炉格納容器20の第1の殻(内殻)21と呼び、アウターウェル32の外壁32bを二重殻原子炉格納容器20の第2の殻(外殻)22と呼んでいる。内殻21は円筒形である。内殻21の壁厚は約2mである。外殻22は円筒形には限定されず平面形状は楕円形などの場合もあり得る。外殻22の壁厚は約2mである。外殻22が円筒形の場合は、二重殻原子炉格納容器20を二重円筒原子炉格納容器とも呼ぶ。二重殻原子炉格納容器20の底部には鉄筋コンクリート製の基礎スラブ23が設けられている。基礎スラブ23は二重殻原子炉格納容器20の一部を構成している。基礎スラブ23の上面には鋼製ライナー(図示せず)が張られている。基礎スラブ23の周囲には原子炉建屋(図示せず)の基礎マット65があり、基礎スラブ23は基礎マット65と接続している。基礎マット65も鉄筋コンクリート製である。
図13に示すように外殻22には垂直方向に外殻子午線鉄筋24が設けられている。外殻子午線鉄筋24の直径は約0.051mである。外殻子午線24は多数設けられているが図13では1本のみを示している。外殻子午線鉄筋24の数が多いほど外殻22の構造強度が大きくなる。本従来例では、外殻子午線鉄筋24は半径方向に6段設けられていて各段には円周方向に最大320本設けられている。即ち、外殻子午線鉄筋24の最大の本数は1920である(図17を参照)。最大と言っているのは必ずしもすべての個所に外殻子午線鉄筋24を設けるわけでないからである。必要に応じて最大1920本設置可能ということである。また、内殻21には内殻子午線鉄筋14が設けられている。これは従来の第1の原子力プラントの円筒壁3aに設けられている子午線鉄筋14と同じものである(図8を参照)。従来の第2の原子力プラントでは円筒壁3aを内殻21と呼んでいるのでこれに合わせて名称を内殻子午線鉄筋14と呼び変えたものである。
図15は従来の第2の原子力プラントの二重殻原子炉格納容器20の基礎スラブ23の構成を示す平面図である。図15において、基礎マット65の内部に基礎スラブ23が設けられている。基礎スラブ23は円形で外径は約45mである。中心部にはペデスタル61(図13を参照)が接続されている。図15では幅約1.7mのペデスタル基底部61bのみを示す。ペデスタル61の中心線61cを基礎スラブ23内に延長した直線が基礎スラブ23の中心線23aになっている(図16を参照)。図15では中心線23aの位置を+で示している。中間部には厚さ約2mの内殻21(図13を参照)が接続されている。図15では幅約2mの内殻基底部21aのみを示す。最外周部には厚さ約2mの外殻22(図13を参照)が接続されている。図15では幅約2mの外殻基底部22aのみを示す。
図15において少なくとも一部が基礎スラブ23内に設置され基礎スラブ23の中心線23aを放射角の中心として放射状に延びて内殻基底部21aと外殻基底部22aの両方を貫通する延長放射状鉄筋25が配筋されている。延長放射状鉄筋25の数は320である。図15では見やすさのためこのうち1/10の32本を細線で示している。延長放射状鉄筋25は円周方向に最大320本あり全体で放射状鉄筋群25aを構成している。延長放射状鉄筋25の直径は約0.038mである。1本の延長放射状鉄筋25に外殻基底部22a内で6段の外殻子午線鉄筋24が接続されている(図17を参照)。この延長放射線状鉄筋25は従来の第1の原子力プラントの基礎スラブ13の320本の放射状鉄筋16(図10を参照)を外殻基底部22aを貫通するように延長したものである。その結果、延長放射状鉄筋25の間隔は放射状に拡大し外殻基底部22aにおける延長放射状鉄筋25の芯間の間隔は約0.45mに拡大してしまっている。内殻基底部21aにおける延長放射状鉄筋25の芯間の間隔は最適値の0.3mになっている。そのため外殻子午線鉄筋24の円周方向の密度が内殻子午線鉄筋14の密度よりも0.3/0.45だけ低下してしまう。このように延長放射状鉄筋25を用いた設計を行うと外殻22の構造強度は内殻21の構造強度よりも両者の外径の比に応じて必ず低下してしまうということが発生する。なお、延長放射状鉄筋25の一部は本数を減じながらより中心線23aに近いところまで配筋されているが図15ではこの部分は表示していない。図15では延長放射状鉄筋25が320本配筋されている部分のみを表示している。
図16は従来の第2の原子力プラント(SATOR)の二重殻原子炉格納容器の基礎スラブの構成の例を示す立断面図である。図16では右側の半分を示している。左側も対称になっている。基礎スラブ23の厚さは約3mから約6.5mである。但し、この範囲には限定されない。図16では約5.5mの例を示している。延長放射状鉄筋25は中心線23a側から水平に伸びて内殻基底部21aを斜め上方に貫通し再び水平に伸びて外殻基底部22aを貫通している。基礎スラブ23の周囲には原子炉建屋(図示せず)の基礎マット65があり延長放射状鉄筋25は基礎マット65の内部に伸びている。延長放射状鉄筋25は円周方向に320本あり全体で放射状鉄筋群25aを構成している。基礎スラブ23の構造強度を増すために延長放射状鉄筋群25aは高さを変えて多重に設けられている。図16では5段の放射状鉄筋群25aが設けられている。各段の延長放射状鉄筋群25aの平面図上の形は同じである。即ち、全く同一形状の延長放射状鉄筋群25aを5段重ねている。なお、延長放射状鉄筋25の一部は本数を減じながらより中心線23aに近いところまで配筋されているが図16ではこの部分は表示していない。図16では延長放射状鉄筋25が320本配筋されている部分のみを表示している。
図17は従来の第2の原子力プラント(SATOR)の外殻基底部22aにおける外殻子午線鉄筋24と延長放射状鉄筋25の構成を示す平面図である。図17において外殻22aの内側(中心側)を向いている方を内側35、その反対の方を外側36と呼ぶ。延長放射状鉄筋25は外殻基底部22aの円周に沿って320本配置されている。図17ではそのうちの2本(列)の延長放射状鉄筋25の部分を示している。延長放射状鉄筋25の太さは約0.038mである。延長放射状鉄筋25には外殻子午線鉄筋24が接続されている。鉄筋同志が接続するためには実際には鉄筋同志が横にずれて接しているが、図17では見やすさのため鉄筋同志が交差しているように示している。外殻子午線鉄筋24の太さは約0.051mである。外殻子午線鉄筋24の円周に沿った並びを段と呼ぶ。本従来例では、外殻子午線鉄筋24は内側に3段、外側に3段、合計6段設置されている。子午線鉄筋の各段は互いに約0.2mの芯間の間隔で配筋されている。各段の外殻子午線鉄筋24の円周1周分の最大数は延長放射状鉄筋25の数と等しく320である。6段あるので外殻子午線鉄筋24の最大の総数は1920である。
図17において2本の延長放射状鉄筋25の外殻基底部22aにおける芯間の間隔は約0.45mである。一方、延長放射状鉄筋25の内殻基底部21aにおける芯間の間隔は約0.3mである。そのため外殻子午線鉄筋24の円周方向の密度は内殻子午線鉄筋14の密度の2/3に低下してしまっている。延長放射状鉄筋25の数が320のまま一定なので外殻基底部22aでは延長放射状鉄筋25の間隔が放射状に拡大してしまっている。外殻子午線鉄筋24の直径は約0.051mである。機器ハッチ等の開口(図示せず)の周辺では追加の外殻子午線鉄筋として外殻開口補強筋24aを2本の外殻子午線鉄筋24の間に追加で設ける。外殻開口補強筋24aの直径も約0.051mである。そのため、約0.45mの間隔の中に直径約0.051mの鉄筋を3本配筋することは余裕で実施できる。しかし、外殻子午線鉄筋24と外殻開口補強筋24aの間隔も本来の最適値に比べて1.5倍に拡大しているため外殻開口補強筋24aを設置した効果が十分に得られなくなっている。
特開2021-67509号公報(US 2023/0070817 A1) 特開2012-117821号公報(US 2013/0259184 A1)
原子炉格納容器3の外壁(円筒壁)3aを第1の殻(内殻)21としてその外部にさらに第2の殻(外殻)22を設けて二重殻原子炉格納容器20を建設する場合、基礎スラブ13の320本の放射状鉄筋16(図10を参照)を外殻基底部22aまで延長して延長放射状鉄筋25とすると、内殻21と外殻22の間隔が大きくなると延長放射状鉄筋25の外殻基底部22aにおける間隔が放射状に拡大し延長放射状鉄筋25に接続されている外殻子午線鉄筋24の円周方向の密度が低下して外殻22の構造強度が低下してしまう。例えば、内殻21の外径を約33mとし内殻21と外殻22の間隔を約4mとして外殻22の壁厚を約2.6mとした場合には、外殻22の外径は約46.2mとなり、延長放射状鉄筋25の外殻基底部22aにおける間隔は約0.45mに拡大してしまう(図15を参照)。これは延長放射状鉄筋25の間隔の最適値約0.3mを大きく超えている。これでは外殻22の外殻子午線鉄筋24の円周方向の密度が約2/3に低下して外殻22の構造強度が約2/3に低下してしまう問題がある。
外殻22の構造強度を増すためには、外殻子午線鉄筋24が接続する延長放射状鉄筋25の数を増やす必要がある。しかし、延長放射状鉄筋25は均等の間隔で配筋される必要がある。延長放射状鉄筋25が320本あり既に均等の間隔で配筋されているため延長放射状鉄筋25の間に追加の放射状鉄筋をランダムに追加することは不可能である。均等な間隔を維持して追加の放射状鉄筋を追加するためには延長放射状鉄筋25の数を倍にして620本にするしか方法がない。しかし、延長放射状鉄筋25の数を2倍にして640本にすると延長放射状鉄筋25の外殻基底部22aにおける間隔は約0.23mに縮小してしまう。これでは延長放射状鉄筋25の間隔の最適値約0.3mを大きく下回り開口部周辺で外殻開口補強筋24aを設置することができなくなってしまう。
さらに、基礎スラブ23自体の構造強度が周辺に行くほど低下するという問題もある。延長放射状鉄筋25の数は320本で一定であるが、放射状に広がっているため、周辺部に行くほど延長放射状鉄筋25の密度が低下してしまう。このため、アウターウェル32の部分の基礎スラブ32cの構造強度が低下してしまうという問題がある。
本発明の実施形態による原子力プラントは、二重殻原子炉格納容器20の基礎スラブ26の内部に少なくとも一部が設けられ、前記基礎スラブの中心線を放射角の中心として放射状に多数配筋され内殻基底部21aを貫通する内殻放射状鉄筋27と、前記基礎スラブ26の中心線を放射角の中心として放射状に多数配筋され外殻基底部22aを貫通する外殻放射状鉄筋28と、内殻基底部21aと外殻基底部22aの両方を貫通し内殻放射状鉄筋27の一部であり外殻放射状鉄筋28の一部でもある共通放射状鉄筋29と、を有し、外殻放射状鉄筋28の数は内殻放射状鉄筋27の数よりも多く、共通放射状鉄筋29の数は内殻放射状鉄筋27の数と外殻放射状鉄筋28の数の最大公約数であることを特徴とする。
共通放射状鉄筋29の数が内殻放射状鉄筋27の数と外殻放射状鉄筋28の数の最大公約数である理由は以下のとおりである。内殻放射状鉄筋27の数をN、外殻放射状鉄筋28の数をMとして、両者の最大公約数をGとする。それぞれの数をGで割った数をnとmとする。そうするとN=nG、M=mGとなる。それぞれの1本当たりの放射角は内殻放射状鉄筋27では360度/nG、外殻放射状鉄筋28では360度/mGとなる。放射角度が異なるので両者は一致しない。しかし、内殻放射状鉄筋27のn本目の角度は360度/nG x n=360度/Gとなる。一方、外殻放射状鉄筋28のm本目の角度は360度/mG x m=360度/Gとなり両者は一致して重なり共通放射状鉄筋29になる。その結果、共通放射状鉄筋29は360度/Gの角度ごとに出現する。その総数は360度全周では、360度 / 360度/G=G本となる。その結果、共通放射状鉄筋29の総数CはC=Gとなる。
本発明の実施形態によれば、二重殻原子炉格納容器20の第2の殻(外殻)22の外殻子午線鉄筋24の円周方向の密度が増加し外殻22の構造強度を強化することができる。また、基礎スラブ26のアウターウェル32の下の基礎スラブ32cの放射状鉄筋の数が増加することによって構造強度が大幅に強化される。
図1は本発明の第1の実施形態に係わる原子力プラントの二重殻原子炉格納容器まわりの構成を示す立断面図である。 図2は本発明の第1の実施形態に係わる原子力プラントの二重殻原子炉格納容器まわりの構成を示す平面図である。 図3は本発明の第1の実施形態に係わる二重殻原子炉格納容器の基礎スラブの構成を示す平面図である。 図4は本発明の第1の実施形態に係わる二重殻原子炉格納容器の基礎スラブの詳細の構成を示す平面図である。 図5は本発明の第2の実施形態に係わる二重殻原子炉格納容器の基礎スラブの詳細の構成を示す平面図である。 図6は本発明の第3の実施形態に係わる二重殻原子炉格納容器の基礎スラブの構成を示す立断面図である。 図7は本発明の第4の実施形態に係わる二重殻原子炉格納容器の外殻基底部における外殻放射状鉄筋と外殻子午線鉄筋の構成を示す平面図である。 図8は従来の第1の原子力プラント(ABWR)の原子炉格納容器まわりの構成を示す立断面図である。 図9は従来の第1の原子力プラント(ABWR)の原子炉格納容器まわりの構成を示す平面図である。 図10は、従来の第1の原子力プラント(ABWR)の鉄筋コンクリート製原子炉格納容器(RCCV)の基礎スラブの構成の例を示す平面図である。 図11は、従来の第1の原子力プラント(ABWR)の鉄筋コンクリート製原子炉格納容器(RCCV)の基礎スラブの構成の例を示す立断面図である。 図12は従来の第1の原子力プラント(ABWR)の鉄筋コンクリート製原子炉格納容器(RCCV)の円筒壁基底部における子午線鉄筋と放射状鉄筋の構成を示す平面図である。 図13は従来の第2の原子力プラント(SATOR)の二重殻原子炉格納容器まわりの構成を示す立断面図である。 図14は従来の第2の原子力プラント(SATOR)の原子炉格納容器まわりの構成を示す平面図である。 図15は従来の第2の原子力プラント(SATOR)の二重殻原子炉格納容器の基礎スラブの構成を示す平面図である。 図16は従来の第2の原子力プラント(SATOR)の二重殻原子炉格納容器の基礎スラブの構成の例を示す立断面図である。 図17は従来の第2の原子力プラント(SATOR)の外殻壁基底部における外殻子午線鉄筋と延長放射状鉄筋の構成を示す平面図である。
以下、図1から図7を参照して本発明の実施形態に係る鉄筋コンクリート製の二重殻原子炉格納容器20の構成について説明する。ここで、前述の従来技術と同一または類似の部分について、また下記の実施形態どうしで同一または類似の部分については、共通の符号を付して、重複説明は省略し要部のみを説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係わる二重殻原子炉格納容器20の構成を示す立段面図である。本実施形態では、第1の殻(内殻)21の外側に第2の殻(外殻)22を設ける。内殻21は鉄筋コンクリート製の円筒壁である。外殻22も鉄筋コンクリート製の円筒壁である(図2を参照)。内殻21の内径は約29mである。但し、内殻21の内径は29mに限定されない。内殻21の厚さは約2mである。但し、内殻21の厚さは2mに限定されない。外殻22の内径は例えば約41mである。但し、外殻22の内径は41mに限定されない。外殻底部22bの厚さは、例えば、2.6mである。但し、外殻底部22bの厚さは2.6mに限定されない。2.0m、2.5m、3.0mなど適切な厚さにすることができる。外殻上部22cの壁厚は例えば2mである。但し、外殻上部22cの壁厚は2mに限定されない。外殻低部22bと外殻上部22cの境界は例えばダイアフラム床5bの高さとする。但し、外殻低部22bと外殻上部22cの境界はダイアフラム床5bの高さに限定されない。外殻上部22cと外殻底部22bの内径は同じである。内殻21と外殻22の間隔は例えば4mである。但し、4mには限定されない。二重殻原子炉格納容器20の底部には鉄筋コンクリート製の基礎スラブ26が設けられている。基礎スラブ26は二重殻原子炉格納容器20の一部を構成している。基礎スラブ26の上面には鋼製ライナー(図示せず)が張られている。基礎スラブ26の周囲には原子炉建屋(図示せず)の基礎マット65があり、基礎スラブ26は基礎マット65と接続している。基礎マット65も鉄筋コンクリート製である。
図1に示すように外殻22には垂直方向に外殻子午線鉄筋24が設けられている。外殻子午線鉄筋24の直径は約0.051mである。外殻子午線鉄筋24は多数設けられているが図1では1本のみを示している。外殻子午線鉄筋24の数が多いほど外殻22の構造強度が大きくなる。本実施形態では、外殻子午線鉄筋24は半径方向に6段設けられていて(図7を参照)各段には円周方向に最大320本設けられている。即ち、外殻子午線鉄筋24の最大の本数は1920である。最大と言っているのは必ずしもすべての個所に外殻子午線鉄筋24を設けるわけでないからである。必要に応じて最大1920本設置可能ということである。
さらに、図1に示すように、本実施形態では、外殻底部22bの壁厚が約2.6mあり、追加の外殻子午線鉄筋34が設けられている。追加の外殻子午線鉄筋34の直径は約0.051mである。追加の外殻外殻子午線34は多数設けられているが図1では1本のみを示している。追加の外殻子午線鉄筋34の数が多いほど外殻底部22bの構造強度が大きくなる。図1におけるその他の構成は図13における従来の二重殻原子炉格納容器容器20の構成と同じである。
図3は、本発明の第1の実施形態に係わる二重殻原子炉格納容器20の基礎スラブ26の構成を示す平面図である。図3において、基礎スラブ26は基礎マット65の内部に設けられている。基礎スラブ26は円形で外径は約46.2mである。中心部にはペデスタル61が接続されている(図1を参照)。図3では厚さ約1.7mのペデスタル基底部61bのみを示す。ペデスタル61の中心線61cを基礎スラブ26内に延長した直線が基礎スラブ26の中心線26aになっている(図6を参照)。図3では中心線26aの位置を+で示している。中間部には厚さ約2mの内殻21(図1を参照)が接続されている。図3では幅約2mの内殻基底部21aのみを示す。最外周部には厚さ約2.6mの外殻底部22b(図1を参照)が接続されている。図3では幅約2.6mの外殻基底部22aのみを示す。
本実施形態では、少なくとも一部が基礎スラブ26内にあり基礎スラブ26の中心線26aを放射角の中心として放射状に延びて内殻基底部21aを貫通する内殻放射状筋27を設ける。内殻放射状鉄筋27の数は320である。図3では見やすさのため1/10に減じて32本の内殻放射状鉄筋27を示している。また、少なくとも一部が基礎スラブ26内にあり基礎スラブ26の中心線26aを放射角の中心として放射状に延びて外殻基底部22aを貫通する外殻放射状筋28を設ける。外殻放射状鉄筋28の数は480である。図3では見やすさのため1/10に減じて48本の外殻放射状鉄筋28を示している。さらに、少なくとも一部が基礎スラブ26内にあり基礎スラブ26の中心線26aを放射角の中心として放射状に延びて内殻基底部21aと外殻基底部22aの両方を貫通する共通放射状鉄筋29を設ける。図3では共通放射状鉄筋29を太線で示している。共通放射状鉄筋29は内殻放射状鉄筋27の一部であり外殻放射状鉄筋28の一部でもある。内殻放射状鉄筋27のうち共通放射状鉄筋29以外の鉄筋を内部放射状鉄筋30と呼ぶ。図3では内部放射状鉄筋30を細線で示している。内部放射状鉄筋30は内殻基底部21aを貫通し外殻基底部22aの手前まで伸びているが外殻基底部22aは貫通しない。内殻放射状鉄筋27の数は内殻基底部21aにおける芯間の間隔が約0.3mとなるように決められ320である。外殻放射状鉄筋28のうち共通放射状鉄筋29以外の鉄筋を外部放射状鉄筋31と呼ぶ。図3では外部放射状鉄筋31を細線で示している。外部放射状鉄筋31は外殻基底部22aを貫通し内殻基底部21aの手前まで伸びているが内殻基底部21aは貫通しない。外殻放射状鉄筋28の数は外殻基底部22aにおける芯間の間隔が約0.3mとなるように決められ480である。
共通放射状鉄筋29の数は内殻放射状鉄筋27の数320と外殻放射状鉄筋28の数480の最大公約数の160である。図3では1/10に減じて16本の共通放射状鉄筋29を太線で示している。内部放射状鉄筋30の数は内殻放射状鉄筋27の数320から共通放射状鉄筋29の数160を差し引いた160になる。図3では1/10に減じて16本の内部放射状鉄筋30を細線で示している。外部放射状鉄筋31の数は外殻放射状鉄筋28の数480から共通放射状鉄筋29の数160を差し引いた320になる。図3では1/10に減じて32本の外部放射状鉄筋31を細線で示している。内殻放射状鉄筋27と外殻放射状鉄筋28と共通放射状鉄筋29は多数の放射状鉄筋からなる放射状鉄筋群33を構成している。
図4は本発明の第1の実施形態に係わる二重殻原子炉格納容器の基礎スラブの詳細の構成を示す平面図である。図4では基礎スラブ26の1/20のセクションを示しているが鉄筋の数は実際の数を示している。共通放射状鉄筋29の数は160で2.25度の放射角度で均一に配筋されている。図4では9本の共通放射状鉄筋29を示している。隣接する2本の共通放射状鉄筋29の間に等間隔で2本の外部放射状鉄筋31を配筋する。その結果、外殻基底部22aを貫通する480本の外殻放射状鉄筋28は0.75度(2.25度/3)の放射角で均一に配筋される。外殻底部22aの外径は46.2mである。外殻基底部22aを貫通する外殻放射状鉄筋28の480本の芯間の間隔は最適値の約0.302mとなる。図15に示す従来の実施例の場合、外殻基底部22aを貫通する延長放射状鉄筋25の数は320であり延長放射状鉄筋25の芯間の間隔は約0.45mにまで拡大してしまう。そのため延長放射状鉄筋25に接続する外殻子午線鉄筋24の数が不足して外殻22の構造強度が不足する問題があった。本実施例では外殻基底部22aを貫通する外殻放射状鉄筋28の本数は480本に増加し外殻子午線鉄筋24を稠密に配筋できるので外殻22の構造強度を十分に確保することが可能になる。内殻放射状鉄筋27と外殻放射状鉄筋28と共通放射状鉄筋29は多数の放射状鉄筋からなる放射状鉄筋群33を構成している。
図5は本発明の第2の実施形態に係わる二重殻原子炉格納容器の基礎スラブの詳細の構成を示す平面図である。図5では基礎スラブ26の3/64のセクションを示しているが鉄筋の数は実際の数を示している。内殻21の外径は約33mである。外殻22の外径は約46.2mである。内殻放射状鉄筋27の数は320であり直径の比に応じて外殻放射状鉄筋28の数を求めると448になる。それで、本実施形態では、外殻放射状鉄筋28の数を448とする。外殻基底部22aにおける外殻放射状鉄筋28の芯間の間隔は約0.32mとなる。内殻放射状鉄筋27の数は320である。448と320の最大公約数は64である。つまり、外殻放射状鉄筋28の数を448とすると64本を共通放射状鉄筋29として使用することができる。そのため内殻放射状鉄筋27のうちの64本は外殻基底部22aを貫通させることができる。そのため内殻21と外殻22の一体性をある程度確保することができる。448の近傍の数値で320と64を超える最大公約数を持つ数はない。320との最大公約数は、440では40、441では1、442では2、443では1、444では4、445では5、446では2、447では1、448では64、449では1、450では5、451では1、452では4、少し離れて480では160である。448の64はこの中で突出して大きいのである。さらに、480の160は奇跡的に大きいのである。内殻放射状鉄筋27と外殻放射状鉄筋28と共通放射状鉄筋29は多数の放射状鉄筋からなる放射状鉄筋群33を構成している。
図6は本発明の第3の実施形態に係わる二重殻原子炉格納容器20の基礎スラブ26の構成を示す立断面図である。図6では右側の半分を示している。左側も対称になっている。基礎スラブ26の厚さは約3mから約6.5mである。但し、この範囲には限定されない。図6では約5.5mの例を示している。内殻放射状鉄筋27と外殻放射状鉄筋28と共通放射状鉄筋29は多数の放射状鉄筋からなる放射状鉄筋群33を構成している。基礎スラブ26の周囲には原子炉建屋(図示せず)の基礎マット65があり放射状鉄筋群33は基礎マットの内部に伸びている。本実施形態では、基礎スラブ26の構造強度をさらに強化するため同じ配筋構造を有する放射状鉄筋群33を高さを変えて多重に設ける。その数は例えば5段とする。各段の放射状鉄筋群33の平面図上の形は同じである。即ち、全く同一形状の放射状鉄筋群33を5段重ねている。
図7は本発明の第4の実施形態に係わる外殻基底部22aにおける外殻放射状鉄筋28と外殻子午線鉄筋24の構成を示す平面図である。図7において、本実施形態では、第1から第3の実施形態に基づき2本の外殻放射状鉄筋28の芯間の間隔は約0.3mである。また、図7では外殻底部22bの厚さは約2.0mから約3.0mの6ケースa~fを示している。外殻基底部22aの厚さは外殻底部22bの厚さと同じである。外殻上部22cの壁厚は約2.0mで一定である。ケースaでは外殻底部22bの壁厚と外殻上部22cの壁厚は約2.0mで同じである。図7において外殻22aの内側(中心側)を向いている方を内側35、その反対の方を外側36と呼ぶ。外殻放射状鉄筋28は外殻基底部22aの円周に沿って480本配置されている。図7ではそのうちの2本(列)の外殻放射状鉄筋28の部分を示している。外殻放射状鉄筋28の太さは約0.038mである。ケースaにおいて外殻放射状鉄筋28には内側に3段の外殻子午線鉄筋24が接続されている。これら内側3段の外殻子午線鉄筋24の芯間の間隔は約0.2mである。また、外側にも3段の外殻子午線鉄筋24が接続されている。これら外側3段の外殻子午線鉄筋24の芯間の間隔も約0.2mである。子午線鉄筋24の半径方向の芯間の間隔(段の間隔)は約0.2mとなっている。なお、鉄筋同志が接続するためには実際には鉄筋同志が横にずれて接しているが、図7では見やすさのため鉄筋同志が交差しているように示している。
外殻底部22bには地震時の荷重が外殻上部22cの荷重よりも大きくなる傾向がある。そのため外殻底部22bの壁厚を外殻上部22cの壁厚よりも大きくして外殻底部22b内に追加の外殻子午線鉄筋34を追加する(図1を参照)。ケースbにおいて、外殻底部22bの壁厚は約2.2mである。外殻基底部22aの厚さも約2.2mである。外殻底部22bには追加の外殻子午線鉄筋34が外側に1段追加されている。ケースcにおいて、外殻底部22bの壁厚は約2.4mである。外殻基底部22aの厚さも約2.4mである。外殻底部22bには追加の外殻子午線鉄筋34が外側に2段追加されている。ケースdにおいて、外殻底部22bの壁厚は約2.6mである。外殻基底部22aの厚さも約2.6mである。外殻底部22bには追加の外殻子午線鉄筋34が外側に3段追加されている。ケースeにおいて、外殻底部22bの壁厚は約2.8mである。外殻基底部22aの厚さも約2.8mである。外殻底部22bには追加の外殻子午線鉄筋34が外側に4段追加されている。ケースfにおいて、外殻底部22bの壁厚は約3.0mである。外殻基底部22aの厚さも約3.0mである。外殻底部22bには追加の外殻子午線鉄筋34が外側に5段追加されている。以上を一般化すると、追加の外殻子午線鉄筋34を1段追加するためには段の間隔は約0.2mであるため外殻底部の壁厚は約0.2m以上増やす必要がある。従って、追加の外殻子午線鉄筋34をn段追加するためには、外殻底部の壁厚を0.2n m以上外殻上部の壁厚よりも増やせばよい。このようにして、地震荷重の大きさに応じて、外殻底部の壁厚を増やし追加の外殻子午線鉄筋34の段数を追加することによって柔軟な耐震設計を行うことが可能になる。その際、外殻放射状鉄筋28の間隔を実施例1~3に基づき約0.3mに維持することが重要である。そうしないと外殻子午線鉄筋24の円周方向の密度が低下したり外殻開口補強筋24aを設置することができなくなったりする(図17を参照)。なお、図7では、見やすさのため外殻子午線鉄筋24と追加の外殻子午線鉄筋34の太さは実際の2倍の大きさで示している。
1…炉心、2…原子炉圧力容器、3…原子炉格納容器、3a…外壁(円筒壁)、3b…円筒壁基底部、4…ドライウェル、4a…トップスラブ、4b…ドライウェル共通部壁、4c…上部ドライウェル、5…ウェットウェル、5a…ウェットウェル共通部壁、5b…ダイアフラム床、6…圧力抑制プール、7…ウェットウェル気相部、8…LOCAベント管、8a…水平ベント管、10…原子炉格納容器上蓋、12…鉄筋コンクリート製原子炉格納容器(RCCV)、13…基礎スラブ、13a…中心線、14…子午線鉄筋(内殻子午線鉄筋)、15…開口補強筋、16…放射状鉄筋(放射筋)、16a…放射状鉄筋群、20…二重殻原子炉格納容器、21…第1の殻(内殻)、21a…内殻基底部、22…第2の殻(外殻)、22a…外殻基底部、22b…外殻底部、22c…外殻上部、23…基礎スラブ、23a…中心線、24…外殻子午線鉄筋、24a…外殻開口補強筋、25…延長放射状鉄筋、25a…延長放射状鉄筋群、26…基礎スラブ、26a…中心線、27…内殻放射状鉄筋、28…外殻放射状鉄筋、29…共通放射状鉄筋、30…内部放射状鉄筋、31…外部放射状鉄筋、32…外部ウェル、32a…トップスラブ、32b…外壁、32c…外部ウェルの部分の基礎スラブ、33…放射状鉄筋群、34…追加の外殻子午線鉄筋、35…内側、36…外側、61…ペデスタル、61a…ペデスタルキャビティ(下部ドライウェル)、61b…ペデスタル基底部、61c…ペデスタルの中心線、62…RPVスカート(ベッセル・スカート)、63…RPVサポート(ベッセル・サポート)、64…基礎マット、65…基礎マット

Claims (5)

  1. 炉心と、
    前記炉心を収容する原子炉圧力容器と、
    前記原子炉圧力容器を収納するドライウェルと、前記ドライウェルとLOCAベント管を介して連結された圧力抑制プールを下部に収納し上部にウェットウェル気相部を有するウェットウェルと、を有する鉄筋コンクリート製の原子炉格納容器と、
    前記原子炉格納容器の外壁と、
    前記原子炉格納容器内で前記原子炉圧力容器をRPVスカートを介して支えてその内部にペデスタルキャビティを形成する円筒状のペデスタルと、
    前記ドライウェルと前記ウェットウェルの外部に設けられ前記ドライウェルとドライウェル共通部壁を介して隣接し前記ウェットウェルとウェットウェル共通部壁を介して隣接し前記ドライウェル共通部壁とウェットウェル共通部壁の周囲を完全に取り囲み前記ドライウェルおよび前記ウェットウェルと同等の耐圧性と気密性を有する鉄筋コンクリート製の外部ウェルと、
    前記外部ウェルの外壁と、
    前記原子炉格納容器と前記外部ウェルとからなり前記原子炉格納容器の外壁を第1の殻(内殻)とし前記外部ウェルの外壁を第2の殻(外殻)として有する鉄筋コンクリート製の二重殻原子炉格納容器と、
    前記外殻の内部に設けられた多数の外殻子午線鉄筋と、
    前記二重殻原子炉格納容器の底部を構成し、前記ペデスタルとペデスタル基底部で接続し、前記第1の殻(内殻)と内殻基底部で接続し、前記第2の殻(外殻)と外殻基底部で接続し、前記ペデスタルの中心線から下降する直線を中心線とする鉄筋コンクリート製の基礎スラブと、
    前記基礎スラブ内に少なくとも一部が設けられ前記基礎スラブの中心線を放射角の中心として放射状に配筋され前記内殻基底部を貫通する多数の内殻放射状鉄筋と、
    前記基礎スラブ内に少なくとも一部が設けられ前記基礎スラブの中心線を放射角の中心として放射状に配筋され前記外殻基底部を貫通する多数の外殻放射状鉄筋と、
    前記内殻基底部と前記外殻基底部の両方を貫通し前記内殻放射状鉄筋の一部であり前記外殻放射状鉄筋の一部でもある共通放射状鉄筋と、
    を備え、前記外殻放射状鉄筋の数は前記内殻放射状鉄筋の数よりも多く、前記共通放射状鉄筋の数は前記内殻放射状鉄筋の数と前記外殻放射状鉄筋の数の最大公約数に等しいことを特徴とする原子力プラント。
  2. 前記内殻放射状鉄筋の数は320であり、前記外殻放射状鉄筋の数は480であることを特徴とする請求項1に記載の原子力プラント。
  3. 前記内殻放射状鉄筋の数は320であり、前記外殻放射状鉄筋の数は448であることを特徴とする請求項1に記載の原子力プラント。
  4. 前記内殻放射状鉄筋と前記外殻放射状鉄筋と前記共通放射状鉄筋とからなる放射状鉄筋群を異なる高さに平面図が同じになるように多重に設けたことを特徴とする請求項1からに記載の原子力プラント。
  5. 前記外殻は外殻上部と外殻底部とからなり、前記外殻上部と前記外殻底部の内径は等しく、nを任意の自然数として前記外殻子午線鉄筋の外殻底部内の半径方向の本数(段数)はn段だけ前記外殻子午線鉄筋の外殻上部内の半径方向の本数(段数)よりも多く、前記外殻底部の外径は前記外殻上部の外径よりも0.2n m以上大きい、ことを特徴とする請求項1からに記載の原子力プラント。
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