JP7497544B1 - 膜厚計測装置及び膜厚計測方法 - Google Patents

膜厚計測装置及び膜厚計測方法 Download PDF

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Abstract

膜厚計測装置1では、第1の画素領域21Aによって計測光Lの分光像Pを第1の露光時間T1で受光し、第2の画素領域21Bによって計測光Lの分光像Pを第1の露光時間T1よりも長い第2の露光時間T2で受光し、第1の画素領域21Aから得られた第1の計測スペクトルデータS1における長波長領域のデータと、第2の画素領域21Bから得られた第2の計測スペクトルデータS2における短波長領域のデータとを結合し、解析用スペクトルデータDsを生成する。

Description

本開示は、膜厚計測装置及び膜厚計測方法に関する。
インライン膜厚モニタなどへの適用を鑑み、分光を利用した膜厚計測装置の開発が進められている。多層膜の膜厚に対する反射率スペクトルの変化量は、可視域に比べて紫外域のほうが大きくなる傾向を有している。このため、デバイスの多層化及び薄膜化が進んでいる現状では、測定精度の向上の観点から、紫外域の光を用いた分光を行うことが有効であると考えられる。しかしながら、紫外域の光を扱う場合、迷光、分散、散乱、輝度、耐久性、コストといった様々な技術的課題が存在する。特に、紫外域の光に対して可視域の光の強度が大幅に上回る場合、検出系において可視域の光の感度が飽和しない範囲に露光時間が制限され、必要とする紫外域の光の感度が得られ難くなるおそれがある。
このような課題に対し、例えば特許文献1に記載の膜厚測定装置は、紫外域から可視域にわたる波長の光が入力される入力部と、色収差を生じさせた状態で光を集光する光学系と、色収差が生じた光のうち、可視域の波長の光が結像せず、紫外域の波長の光が結像する開口部とを有する光学ユニットを備えている。この光学ユニットでは、開口部から出力する光の紫外域のスペクトル強度を可視域のスペクトル強度に対して相対的に増大させることが可能となっている。
国際特開第2021/106299号公報
上述した特許文献1のような膜厚計測装置では、検出系において必要とされる紫外域の光の感度が得られ易くなり、膜厚計測に最適なスペクトルを構成できる点で有意である。一方、このような装置をインライン膜厚測定に適用する際には、計測光に対する反射強度(反射率)が計測対象となる試料によって様々であることを考慮する必要がある。例えば計測した試料の反射率データにカーブフィッティング法を適用して膜厚を算出する場合、紫外域だけでなく、可視域を含む長波長域のスペクトル強度を加味したフィッティングを行うことで、膜厚算出の精度が高まると考えられる。これを前提とし、膜厚のインライン測定の汎用性を高める観点からは、相対的にスペクトル強度を増大させる波長域や、各波長域での計測光の検出強度のバランスなどを任意に調整できる技術が必要となる。
本開示は、上記課題の解決のためになされたものであり、膜厚のインライン測定の汎用性を高めることができる膜厚計測装置及び膜厚計測方法を提供することを目的とする。
本開示の一側面に係る膜厚計測装置は、光源から出力して試料で反射した計測光を分光する分光部と、分光部によって分光された計測光の分光像を検出する検出する検出部と、計測光の分光像の検出結果から得られたスペクトルデータを用いて解析用スペクトルデータを生成する生成部と、解析用スペクトルデータに基づいて試料の膜厚を解析する解析部と、を備え、分光部は、計測光を第1の方向に波長分解すると共に、第1の方向に交差する第2の方向に波長毎の分光像を結像させ、検出部は、第2の方向に分割された第1の画素領域及び第2の画素領域を有し、第1の画素領域によって計測光の分光像を第1の露光時間で受光し、第2の画素領域によって計測光の分光像を第1の露光時間よりも長い第2の露光時間で受光し、生成部は、第1の画素領域から得られた第1の計測スペクトルデータにおける長波長領域のデータと、第2の画素領域から得られた第2の計測スペクトルデータにおける短波長領域のデータとを結合し、解析用スペクトルデータを生成する。
この膜厚計測装置では、第1の画素領域において第1の露光時間で取得した第1の計測スペクトルデータの長波長領域のデータと、第2の画素領域において第1の露光時間よりも長い第2の露光時間で取得した第2の計測スペクトルデータの短波長領域のデータと結合し、試料の膜厚の解析に用いる解析用スペクトルデータを生成する。生成された解析用スペクトルデータには、短波長領域における計測光の感度を十分に高めた状態で短波長領域のデータが含まれる。このような解析用スペクトルデータを用い、紫外域及び可視域を含むスペクトルデータに対してカーブフィッティングを行うことで、膜厚の計測精度を高めることができる。また、この膜厚計測装置では、第1の画素領域及び第2の画素領域によって第1の計測スペクトルデータと第2の計測スペクトルデータとを独立して取得するため、解析用スペクトルデータの生成にあたって、第1の計測スペクトルデータと第2の計測スペクトルデータとの結合の境界波長を任意に設定でき、その結果、長波長領域のデータと短波長領域のデータとの間の強度バランスも任意に調整できる。したがって、計測光に対する反射強度(反射率)が試料によって異なる場合でも、試料のスペクトルデータの取得条件の最適化が可能となり、膜厚のインライン測定の汎用性を高めることができる。
検出部は、第1の画素領域の各列で生成された電荷が転送される第1の水平シフトレジスタと、第2の画素領域の各列で生成された電荷が転送される第2の水平シフトレジスタと、を有するCCD光検出器であってもよい。このような構成により、第1の画素領域で受光した計測光の分光像に対応する各画素の電荷の読み出しと、第2の画素領域で受光した計測光の分光像に対応する各画素の電荷の読み出しとを並行して実施できる。また、CCD光検出器を用いることで、各列の画素で生じた電荷を読み出す際の読出ノイズの増加を回避できる。
検出部は、第1の画素領域の各列で生成された電荷が蓄積される第1の蓄積部と、第2の画素領域の各列で生成された電荷が蓄積される第2の蓄積部と、第1の蓄積部で蓄積された電荷の大きさに応じた各列の電気信号を出力する第1の読出部と、第2の蓄積部で蓄積された電荷の大きさに応じた各列の電気信号を出力する第2の読出部と、を有するCCD光検出器であってもよい。このような構成においても、第1の画素領域で受光した計測光の分光像に対応する各画素の電荷の読み出しと、第2の画素領域で受光した計測光の分光像に対応する各画素の電荷の読み出しとを並行して実施できる。また、CCD光検出器を用いることで、各列の画素で生じた電荷を読み出す際の読出ノイズの増加を回避できる。
検出部は、第1の画素領域の各列で生成された電荷を出力する第1の読出部と、第2の画素領域の各列で生成された電荷を出力する第2の読出部と、を有するCMOS光検出器であってもよい。このような構成においても、第1の画素領域で受光した計測光の分光像に対応する各画素の電荷の読み出しと、第2の画素領域で受光した計測光の分光像に対応する各画素の電荷の読み出しとを並行して実施できる。
生成部は、第1の画素領域と第2の画素領域との間の露光時間比と、試料における反射スペクトルデータの見積もり値とに基づいて、解析用スペクトルデータを生成する際の第1の計測スペクトルデータにおける長波長領域のデータと第2の計測スペクトルデータにおける短波長領域のデータとの境界波長を設定してもよい。第1の画素領域と第2の画素領域との間の露光時間比と、試料における反射スペクトルデータの見積もり値とを指標とすることで、第1の計測スペクトルデータと第2の計測スペクトルデータとの間の強度バランスを最適化した状態で、第1の計測スペクトルデータの長波長領域のデータと、第2の計測スペクトルデータの短波長領域のデータとを結合できる。このような解析用スペクトルデータに対してカーブフィッティングを行うことで、膜厚の計測精度を一層高めることができる。
生成部は、短波長領域のデータに含まれる計測光のピーク強度が飽和強度の80%以上100%未満となる波長から境界波長を設定してもよい。これにより、第1の計測スペクトルデータと第2の計測スペクトルデータとの間の強度バランスの一層の最適化が図られる。
本開示の一実施形態に係る膜厚計測方法は、光源から出力して試料で反射した計測光を分光する分光ステップと、分光ステップによって分光された計測光の分光像を検出する検出する検出ステップと、計測光の分光像の検出結果から得られたスペクトルデータを用いて解析用スペクトルデータを生成する生成ステップと、解析用スペクトルデータに基づいて試料の膜厚を解析する解析ステップと、を備え、分光ステップでは、計測光を第1の方向に波長分解すると共に、第1の方向に交差する第2の方向に波長毎の分光像を結像させ、検出ステップでは、第2の方向に分割された第1の画素領域及び第2の画素領域を用い、第1の画素領域によって計測光の分光像を第1の露光時間で受光し、第2の画素領域によって計測光の分光像第1の露光時間よりも長い第2の露光時間で受光し、生成ステップでは、第1の画素領域から得られた第1の計測スペクトルデータにおける長波長領域のデータと、第2の画素領域から得られた第2の計測スペクトルデータにおける短波長領域のデータとを結合し、解析用スペクトルデータを生成する。
この膜厚計測方法では、第1の画素領域において第1の露光時間で取得した第1の計測スペクトルデータの長波長領域のデータと、第2の画素領域において第1の露光時間よりも長い第2の露光時間で取得した第2の計測スペクトルデータの短波長領域のデータと結合し、試料の膜厚の解析に用いる解析用スペクトルデータを生成する。生成された解析用スペクトルデータには、短波長領域における計測光の感度を十分に高めた状態で短波長領域のデータが含まれる。このような解析用スペクトルデータを用い、紫外域及び可視域を含むスペクトルデータに対してカーブフィッティングを行うことで、膜厚の計測精度を高めることができる。また、この膜厚計測方法では、第1の画素領域及び第2の画素領域によって第1の計測スペクトルデータと第2の計測スペクトルデータとを独立して取得するため、解析用スペクトルデータの生成にあたって、第1の計測スペクトルデータと第2の計測スペクトルデータとの結合の境界波長を任意に設定でき、その結果、長波長領域のデータと短波長領域のデータとの間の強度バランスも任意に調整できる。。したがって、計測光に対する反射強度(反射率)が試料によって異なる場合でも、試料のスペクトルデータの取得条件の最適化が可能となり、膜厚のインライン測定の汎用性を高めることができる。
本開示によれば、膜厚のインライン測定の汎用性を高めることができる。
本開示の一実施形態に係る膜厚計測装置を示す概略図である。 検出部における計測光の分光像の結像の様子を示す模式的な図である。 検出部を構成するCCD光検出器の一例を示す図である。 検出部を構成するCCD光検出器の別例を示す図である。 検出部を構成するCCD光検出器の別例を示す図である。 検出部を構成するCMOS光検出器の一例を示す図である。 本開示の一実施形態に係る膜厚測定方法を示すフローチャートである。 (a)は、第1の計測スペクトルデータの一例を示す図であり、(b)は、第2の計測スペクトルデータの一例を示す図である。 (a)は、第1の基準スペクトルデータの一例を示す図であり、(b)は、第2の基準スペクトルデータの一例を示す図である。 (a)は、解析用スペクトルデータの一例を示す図であり、(b)は、解析用基準スペクトルデータの一例を示す図である。 (a)は、比較例に係る手法で得られた反射率スペクトルデータの一例を示す図であり、(b)は、実施例に係る手法で得られた反射率スペクトルデータの一例を示す図である。 (a)は、基準試料に対する反射スペクトルデータを示す模式的な図であり、(b)は、試料の大まかな反射率スペクトルデータを示す模式的な図であり、(c)は、試料の反射スペクトルデータの見積もり値を示す模式的な図であり、(d)は、試料の反射スペクトルデータの見積もり値に対する飽和強度の関係を示す模式的な図である。 境界波長の設定の一例を示す模式的な図である。 比較例における膜厚計測の再現性の評価結果を示す図である。 実施例における膜厚計測の再現性の評価結果を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本開示の一側面に係る膜厚計測装置及び膜厚計測方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は、本開示の一実施形態に係る膜厚計測装置を示す概略図である。図1に示す膜厚計測装置1は、例えば成膜チャンバを用いた試料Mの成膜工程において、当該試料Mの膜厚のインライン測定を行う装置として構成されている。試料Mとしては、例えば光学フィルム、ディプレイパネル向け薄膜、半導体ウェハ向け薄膜などが挙げられる。膜厚計測装置1は、光源2と、光学系3と、計測ヘッド4と、分光部5と、検出部6と、生成部7と、解析部8とを備えている。
光源2は、試料Mに向けて計測光Lを出力する装置である。光源2としては、例えば185nm以上2000nm以下の波長域を含む光を出力する白色光源が用いられる。光源2としては、例えば繰返周波数が1kHz以上のパルス光を出力する光源(例えばキセノンフラッシュランプ)が用いられる。
光学系3は、光源2と計測ヘッド4と分光部5との間で計測光Lを導光する系である。本実施形態では、光学系3は、第1の光ファイバ9Aと、第2の光ファイバ9Bとを有している。第1の光ファイバ9Aは、計測光Lを光源2から計測ヘッド4に導光する光ファイバである。第2の光ファイバ9Bは、計測光Lを計測ヘッド4から分光部5に導光する光ファイバである。
計測ヘッド4は、試料Mへの計測光Lの照射を行う部分である。計測ヘッド4は、例えばハーフミラー及び集光レンズを含んで構成されている。第1の光ファイバ9Aを介して光源2から計測ヘッド4の入力端に入力された計測光Lは、ハーフミラー及び集光レンズを経て試料Mに照射される。試料Mで反射した計測光Lは、集光レンズ及びハーフミラーを経て計測ヘッド4の出力端から出力し、第2の光ファイバ9Bを介して分光部5に入力される。
分光部5は、光源2から出力して試料Mで反射した計測光Lを分光する部分である。分光部5としては、結像性の良好な分光器が用いられる。分光部5を構成する分光器としては、例えば非点収差補正が可能なツェルニターナ型分光器、ダイソン型分光器、オフナー型分光器などが挙げられる。
分光部5は、例えば図2に示すように、計測光Lを第1の方向D1に波長分解すると共に、第1の方向D1に交差する第2の方向D2に波長毎の分光像Pを結像させる。ここでは、第1の方向D1と第2の方向D2とは、互いに直交する方向となっている。図2の例では、第1の方向D1は、検出部6を構成する画素領域21の行方向に沿っており、第2の方向D2は、当該画素領域21の列方向に沿っている。
検出部6は、分光部5によって分光された計測光Lの分光像Pを検出する部分である。検出部6は、図2に示すように、分光像Pを撮像する画素領域21を有している。画素領域21では、複数の画素22が行方向及び列方向に配列されている。図2の例では、第1の方向D1に対応する行方向は、分光部5による分光像Pの波長分解方向に沿っており、第2の方向D2に対応する列方向は、各画素22の電荷転送方向に沿っている。各画素22は、波長分解された分光像Pを受光し、光の強度に応じた電荷を発生及び蓄積する。
図2の例では、画素領域21は、行方向の画素数が列方向の画素数よりも多い横長の長方形状の領域をなしている。画素領域21は、第2の方向D2に分割された第1の画素領域21A及び第2の画素領域21Bを有している。ここでは、第1の画素領域21Aと第2の画素領域21Bとは、列方向の中央にて区分されている。すなわち、画素領域21において、列方向の中央よりも一方側の画素22は、第1の画素領域21Aに属し、列方向の中央よりも他方側の画素22は、第2の画素領域21Bに属している。
分光像Pは、画素22の列方向に直線状に延在し、行方向に互いに離間した状態で第1の画素領域21A及び第2の画素領域21Bにそれぞれ結像する。図2の例では、分光部5で波長分解された計測光Lの5つの分光像Pのそれぞれにおける第2の方向D2の一方の半分部分は、第1の画素領域21Aに結像する。また、分光部5で波長分解された計測光Lの5つの分光像Pのそれぞれにおける第2の方向D2の他方の半分部分は、第1の画素領域21Aにおける分光像Pの結像と同じタイミングで第2の画素領域21Bに結像する。検出部6は、第1の画素領域21Aでの検出結果に基づくデータ(第1の計測スペクトルデータS1)と、第2の画素領域21Bでの検出結果に基づくデータ(第2の計測スペクトルデータS2)とを解析部8に出力する。
第1の画素領域21Aにおける各画素22の第1の露光時間T1と、第2の画素領域21Bにおける各画素22の第2の露光時間T2とは、互いに独立して設定可能となっている。第1の画素領域21Aと第2の画素領域21Bとの間の露光時間比T2/T1は、試料Mにおける膜の種類などに応じて設定される。第1の画素領域21Aの第1の露光時間T1を一定とし、試料Mにおける膜の種類などに応じて、第2の画素領域21Bの第2の露光時間T2を調整してもよい。
検出部6は、例えばCCD光検出或いはCMOS光検出器によって構成することができる。図3は、検出部を構成するCCD光検出器の一例を示す図である。図3に示すCCD光検出器V1は、上述した第1の画素領域21A及び第2の画素領域21Bを含む画素領域21と、第1の画素領域21Aに対応する第1の水平シフトレジスタ32Aと、第2の画素領域21Bに対応する第2の水平シフトレジスタ32Bと、複数のダミー画素33とを含んで構成されている。
第1の画素領域21Aの各画素22で生成及び蓄積される電荷は、第1の水平シフトレジスタ32Aに転送される。転送にあたって、各列の画素22の電荷が第1の水平シフトレジスタ32Aにおいて列毎に足し合わされ(縦転送)、列毎に足し合わされた電荷が第1の水平シフトレジスタ32Aから順次読み出される(横転送)。第1の水平シフトレジスタ32Aから読み出された電荷の量に応じた電圧値は、アンプ34Aから出力される。アンプ34Aから出力された電圧値は、AD変換器によってデジタル値に変換される。
第2の画素領域21Bの各画素22で生成及び蓄積される電荷は、第2の水平シフトレジスタ32Bに転送される。転送にあたって、各列の画素22の電荷が第2の水平シフトレジスタ32Bにおいて列毎に足し合わされ(縦転送)、列毎に足し合わされた電荷が第2の水平シフトレジスタ32Bから順次読み出される(横転送)。第2の水平シフトレジスタ32Bから読み出された電荷の量に応じた電圧値は、アンプ34Bから出力される。アンプ34Bから出力された電圧値は、AD変換器によってデジタル値に変換される。
CCD光検出器V1では、第1の画素領域21Aの第1の露光時間T1及び第2の画素領域21Bの第2の露光時間T2は、例えば電子シャッタによって設定することができる。電子シャッタは、例えばアンチブルーミングゲートを利用することで実現できる。第1の画素領域21Aからの信号の出力動作と第2の画素領域21Bからの信号の出力動作とは、独立して制御されるが、互いに同期していることが好ましい。この場合、一方の出力動作を指示する信号が他方の出力動作を出力信号に対してノイズとして重複してしまうことを防止できる。
図4及び図5は、検出部を構成するCCD光検出器の別例を示す図である。図4及び図5に示すCCD光検出器V2は、変換基板40と、第1の画素領域21Aの各列で生成された電荷が蓄積される第1の蓄積部41Aと、第2の画素領域21Bの各列で生成された電荷が蓄積される第2の蓄積部41Bと、第1の蓄積部41Aで蓄積された電荷の大きさに応じた各列の電気信号を出力する第1の読出部42Aと、第2の蓄積部41Bで蓄積された電荷の大きさに応じた各列の電気信号を出力する第2の読出部42Bとを有している。
変換基板40は、画素領域21の脇に列方向に沿って配置されている。変換基板40には、画素22の電荷の転送を制御するための電圧信号(ドライブ信号)が供給される。第1の画素領域21Aに属する各列の画素22の電荷は、変換基板40に供給される電圧信号に基づいて、各列の第1の蓄積部41Aに転送される。第2の画素領域21Bに属する各列の画素22の電荷は、変換基板40に供給される電圧信号に基づいて、各列の第2の蓄積部41Bに転送される。
第1の蓄積部41Aは、第1の画素領域21Aの列方向の端部に列毎に配置され、第1の画素領域21Aの各列の画素22で生じた電荷を蓄積する。第2の蓄積部41Bは、第2の画素領域21Bの列方向の端部に列毎に配置され、第2の画素領域21Bの各列の画素22で生じた電荷を蓄積する。第1の読出部42Aは、第1の画素領域21Aの列方向の端部において、第1の蓄積部41Aの後段に配置され、第2の読出部42Bは、第2の画素領域21Bの列方向の端部において、第2の蓄積部41Bの後段に配置されている。
第1の読出部42Aは、図4に示すように、例えばトランジスタ43Aと、信号出力用のボンディングパッド44Aとを有している。トランジスタ43Aの制御端子(ゲート)は、第1の蓄積部41Aに電気的に接続されている。トランジスタ43Aの一方の電流端子(ドレイン)は、第1の画素領域21Aの各列にわたって共通に設けられた配線45Aを介してボンディングパッド46Aに電気的に接続されている。ボンディングパッド46Aには、所定の大きさの電圧が常に印加される。
トランジスタ43Aの他方の電流端子(ソース)は、信号出力用のボンディングパッド44Aに電気的に接続されている。トランジスタ43Aの制御端子には、第1の蓄積部41Aから出力される第1の電気信号に応じた電圧が印加される。トランジスタ43Aの他方の電流端子からは、印加電圧に応じた電流が出力され、信号出力用のボンディングパッド44Aを介して外部に取り出される。
第2の読出部42Bは、図5に示すように、例えばトランジスタ43Bと、信号出力用のボンディングパッド44Bとを有している。トランジスタ43Bの制御端子(ゲート)は、第2の蓄積部41Bに電気的に接続されている。トランジスタ43Bの一方の電流端子(ドレイン)は、第2の画素領域21Bの各列にわたって共通に設けられた配線45Bを介してボンディングパッド46Bに電気的に接続されている。ボンディングパッド46Bには、所定の大きさの電圧が常に印加される。
トランジスタ43Bの他方の電流端子(ソース)は、信号出力用のボンディングパッド44Bに電気的に接続されている。トランジスタ43Bの制御端子には、第2の蓄積部41Bから出力される第2の電気信号に応じた電圧が印加される。トランジスタ43Bの他方の電流端子からは、印加電圧に応じた電流が出力され、信号出力用のボンディングパッド44Bを介して外部に取り出される。
図6は、検出部を構成するCMOS光検出器の一例を示す図である。同図に示すCMOS光検出器V3では、画素領域21を構成する各画素22は、フォトダイオード51と、アンプ52とを有している。フォトダイオード51は、光の入力によって生成された電子(光電子)を電荷として蓄積する。アンプ52は、フォトダイオード51に蓄積された電荷を電気信号に変換し、変換後の信号を増幅する。
アンプ52によって増幅された電気信号は、各画素22の選択スイッチ53の切り替えによって、行方向の画素22同士を接続する垂直信号線54に転送される。垂直信号線54のそれぞれには、CDS(correlated double sampling)回路55が配置されている。CDS回路55は、各画素22間の読み出しノイズを軽減すると共に、垂直信号線54に転送された電気信号を一時的に保管する。CDS回路55は、変換部56に電気的に接続されている。変換部56は、各画素22のそれぞれのアンプ52から出力される電圧値をデジタル値に変換する。本実施形態では、変換部56は、A/Dコンバータによって構成されている。A/Dコンバータは、CDS回路55に保管された電圧値をデジタル値(画素値)に変換する。
CMOS光検出器V3は、第1の画素領域21Aの各列で生成された電荷を出力する第1の読出部57Aと、第2の画素領域21Bの各列で生成された電荷を出力する第2の読出部57Bとを有している。第1の読出部57Aは、第1の画素領域21Aに属する各画素22の垂直信号線54に対応するA/Dコンバータに接続されている。第1の読出部57Aは、第1の画素領域21Aに属する各画素22の画素値を出力する。第2の読出部57Bは、第2の画素領域21Bに属する各画素22の垂直信号線54に対応するA/Dコンバータに接続されている。第2の読出部57Bは、第2の画素領域21Bに属する各画素22の画素値を出力する。
図1に戻り、生成部7及び解析部8について説明する。生成部7及び解析部8は、物理的には、例えばCPU等のプロセッサ、RAM、ROM等の記憶媒体を備えるコンピュータ9によって構成されている。コンピュータ9は、表示部や入力部を一体に備えたスマートフォン或いはタブレット端末であってもよい。コンピュータ9は、マイコンやFPGA(Field-Programmable Gate Array)で構成されていてもよい。
生成部7は、計測光Lの分光像Pの検出結果から得られたスペクトルデータを用いて解析用スペクトルデータを生成する部分である。生成部7は、第1の画素領域21Aから得られた第1の計測スペクトルデータS1における長波長領域のデータS1Lと、第2の画素領域21Bから得られた第2の計測スペクトルデータS2における短波長領域のデータS2Sとを結合し、解析用スペクトルデータDsを生成する(図10(a)参照)。生成部7は、生成した解析用スペクトルデータDsを解析部8に出力する。
また、生成部7は、例えば分光反射率データが既知である基準試料(不図示)に対する計測光Lのスペクトルデータ(基準スペクトルデータ)を予め保有している。生成部7は、第1の画素領域21Aから得られた第1の基準スペクトルデータR1における長波長領域のデータR1Lと、第2の画素領域21Bから得られた第2の基準スペクトルデータR2における短波長領域のデータR2Sとを結合し、解析用基準スペクトルデータDrを生成する(図10(b)参照)。生成部7は、生成した解析用基準スペクトルデータDrを解析部8に出力する。
解析部8は、解析用スペクトルデータDsに基づいて試料Mの膜厚を解析する部分である。解析部8は、基準試料の反射率に関するスペクトルデータ(基準用反射率スペクトルデータHr)を予め保有している。解析部8は、生成部7から受け取った解析用スペクトルデータDs及び解析用基準スペクトルデータDrと、基準用反射率スペクトルデータHrとに基づいて、計測対象である試料Mの反射率に関するスペクトルデータ(解析用反射率スペクトルデータHs)を算出する。解析部8は、算出した解析用反射率スペクトルデータHsと理論反射率スペクトルデータとのカーブフィッティングにより、試料Mの膜厚を解析する。
次に、本開示の一実施形態に係る膜厚計測方法について説明する。図7は、本開示の一実施形態に係る膜厚測定方法を示すフローチャートである。図7に示すように、この膜厚測定方法は、分光ステップS01と、検出ステップS02と、生成ステップS03と、解析ステップS04とを含んで構成されている。上述した膜厚計測装置1を用いてステップS01~ステップS04を含む膜厚測定方法を実施する。
分光ステップS01は、光源2から出力して試料Mで反射した計測光Lを分光するステップである。分光ステップS01では、まず、膜厚の計測対象となる試料Mに対して計測ヘッド4をセットする。計測ヘッド4のセットの後、第1の画素領域21Aの第1の露光時間T1、及び第2の画素領域21Bの第2の露光時間T2をそれぞれ設定する。露光時間の設定の後、光源2をONとし、光源2から計測光Lを出力する。試料Mで反射した計測光Lを分光部5によって波長分解する。
検出ステップS02は、分光ステップS01によって分光された計測光Lの分光像Pを検出する検出するステップである。検出ステップS02では、波長分解方向(第1の方向D1)に波長分解された計測光Lの分光像Pを検出部6の第1の画素領域21A及び第2の画素領域21Bでそれぞれ検出する。検出ステップS02では、第1の画素領域21Aによって計測光Lの分光像Pを第1の露光時間T1で受光し、第2の画素領域21Bによって計測光Lの分光像Pを第1の露光時間T1よりも長い第2の露光時間T2で受光する。これにより、第1の画素領域21Aからの第1の計測スペクトルデータS1と、第2の画素領域21Bからの第2の計測スペクトルデータS2とをそれぞれ取得する。
生成ステップS03は、計測光Lの分光像Pの検出結果から得られたスペクトルデータを用いて解析用スペクトルデータDsを生成するステップである。より具体的には、生成ステップS03では、第1の画素領域21Aから得られた第1の計測スペクトルデータS1における長波長領域のデータS1Lと、第2の画素領域21Bから得られた第2の計測スペクトルデータS2における短波長領域のデータS2Sとを結合(繋ぎ合わせ)し、解析用スペクトルデータDsを生成する。また、生成ステップS03では、第1の基準スペクトルデータR1における長波長領域のデータR1Lと、第2の基準スペクトルデータR2における短波長領域のデータR2Sとを結合(繋ぎ合わせ)し、解析用基準スペクトルデータDrを生成する。
図8(a)は、第1の計測スペクトルデータS1の一例を示す図である。図8(b)は、第2の計測スペクトルデータS2の一例を示す図である。図8(a)及び図8(b)は、SiO膜が形成されたシリコンウェハを計測対象の試料Mとした場合の第1の計測スペクトルデータS1及び第2の計測スペクトルデータS2の一例である。この場合、試料Mを反射した計測光Lは、紫外域よりも長波長側では一定の強度を有するが、紫外域では長波長側に比べて強度が弱くなる傾向がある。
第1の計測スペクトルデータS1は、第1の画素領域21Aにおいて、相対的に短い第1の露光時間T1で計測光Lの分光像Pを受光することによって得られるデータである。図8(a)に示す第1の計測スペクトルデータS1の例においては、長波長側(例えば300nm以上)では一定の感度で計測光Lの強度が検出されているが、短波長側(例えば300nm未満)では、長波長側に比べて微弱な強度が検出されている。
第2の計測スペクトルデータS2は、第2の画素領域21Bにおいて、相対的に長い第2の露光時間T2で計測光Lの分光像Pを受光することによって得られるデータである。このため、図8(b)に示す第2の計測スペクトルデータS2の例においては、長波長側(例えば300nm以上)では、その大部分で計測光Lの強度が飽和しており、短波長側(例えば300nm未満)では、第1の計測スペクトルデータS1の短波長側の強度と比べて十分な強度が検出されている。
図9(a)は、第1の基準スペクトルデータR1の一例を示す図である。図9(b)は、第2の基準スペクトルデータR2の一例を示す図である。基準スペクトルデータは、上述したように、分光反射率データが既知である基準試料(不図示)に対する計測光Lのスペクトルデータである。ここでは、基準試料は、SiO膜が形成されていないベアシリコンウェハである。本実施形態では、基準試料で反射した計測光Lを分光部5で分光し、その分光像を検出部6の第1の画素領域21A及び第2の画素領域21Bでそれぞれ検出することで、第1の基準スペクトルデータR1及び第2の基準スペクトルデータR2が予め取得されている。
第1の基準スペクトルデータR1の波形及び第2の基準スペクトルデータR2の波形は、第1の計測スペクトルデータS1及び第2の計測スペクトルデータS2の波形に準じている。すなわち、図9(a)に示す第1の基準スペクトルデータR1の例においては、長波長側(例えば300nm以上)では一定の感度で計測光Lの強度が検出されているが、短波長側(例えば300nm未満)では、長波長側に比べて微弱な強度が検出されている。図9(b)に示す第2の基準スペクトルデータR2の例においては、長波長側(例えば300nm以上)では、その大部分で計測光Lの強度が飽和しており、短波長側(例えば300nm未満)では、第1の基準スペクトルデータR1の短波長側の強度と比べて十分な強度が検出されている。
図10(a)は、解析用スペクトルデータの一例を示す図であり、図10(b)は、解析用基準スペクトルデータの一例を示す図である。図10(a)の例では、境界波長λrを280nmとして、第1の計測スペクトルデータS1における長波長領域のデータS1Lと、第2の計測スペクトルデータS2における短波長領域のデータS2Sとが結合されることにより、解析用スペクトルデータDsが生成されている。解析用スペクトルデータDsでは、長波長側の計測光Lの強度が飽和せず、短波長側でも計測光Lの強度が十分に得られた状態となっている。
解析用基準スペクトルデータDrにおいても、同一の境界波長λrが用いられる。図10(b)の例では、境界波長λrを280nmとして、第1の基準スペクトルデータR1における長波長領域のデータR1Lと、第2の基準スペクトルデータR2における短波長領域のデータR2Sとが結合されることにより、解析用基準スペクトルデータDrが生成されている。解析用基準スペクトルデータDrにおいても、長波長側の計測光Lの強度が飽和せず、短波長側でも計測光Lの強度が十分に得られた状態となっている。
境界波長λrは、試料Mの種類、計測光Lに対する反射強度(反射率)などに応じて、膜厚計測装置1のユーザが任意に設定できる。境界波長λrは、試料MとしてSiO膜が形成されたシリコンウェハを想定する場合には、例えば200nm以上500nm以下の範囲、特に300nm及びその近傍の波長から選択される。
解析ステップS04は、解析用スペクトルデータDsに基づいて試料Mの膜厚を解析するステップである。一般的な膜厚の算出手法では、まず、下記の式(1)によって試料Mの反射率スペクトルデータを算出する。そして、算出した試料Mの反射率に関するスペクトルデータと理論反射率スペクトルデータとのカーブフィッティングにより、試料Mの膜厚を解析する。
試料の反射率に関するスペクトルデータ=(試料の反射スペクトルデータ/基準試料の反射スペクトルデータ)×基準試料の反射率に関するスペクトルデータ…(1)
上記式(1)を用いた一般的な試料の反射率に関するスペクトルデータの算出は、本実施形態では、例えば図8(a)に示した第1の計測スペクトルデータS1を図9(a)に示した第1の基準スペクトルデータR1で除算し、これに基準用反射率スペクトルデータHrを乗算したものに相当する。このような手法で得られた反射率スペクトルデータHs’は、図11(a)に示すように、計測波長域の全体にわたってS/N比が低く、特に短波長側でのS/N比が得られにくい傾向がある。
これに対し、本実施形態では、下記の式(2)によって試料Mの解析用反射率スペクトルデータHsを算出する。そして、算出した解析用反射率スペクトルデータと理論反射率スペクトルデータとのカーブフィッティングにより、試料Mの膜厚を解析する。
解析用反射率スペクトルデータ=(解析用スペクトルデータ/解析用基準スペクトルデータ)×基準試料の反射率に関するスペクトルデータ…(2)
上記式(2)を用いた本実施形態の解析用反射率スペクトルデータの算出は、図10(a)に示した解析用スペクトルデータDs(すなわち、第1の計測スペクトルデータS1における長波長領域のデータS1Lと、第2の計測スペクトルデータS2における短波長領域のデータS2Sとを結合して生成したデータ)を、図10(b)に示した解析用基準スペクトルデータDr(すなわち、第1の基準スペクトルデータR1における長波長領域のデータR1Lと、第2の基準スペクトルデータR2における短波長領域のデータR2Sとを結合して生成したデータ)で除算し、これに基準用反射率スペクトルデータHrを乗算したものに相当する。このような手法で得られた解析用反射率スペクトルデータHsは、図11(b)に示すように、計測波長域の全体にわたって図11(a)に示した反射率スペクトルデータHs’よりもS/N比が良好となり、短波長側でのS/N比も向上する。
上述した生成ステップS03において、第1の計測スペクトルデータS1における長波長領域のデータS1Lと、第2の計測スペクトルデータS2における短波長領域のデータS2Sとの結合に用いる境界波長λrは、第1の画素領域21Aと第2の画素領域21Bとの間の露光時間比T2/T1と、試料Mにおける反射スペクトルデータの見積もり値Fとに基づいて設定してもよい。
試料Mにおいては、層構造、各層の光学特性、各層の大まかな厚さが分かれば、その大まかな反射率スペクトルデータを算出できる。このため、基準試料に対する反射スペクトルデータP1(図12(a)参照)に、試料Mの大まかな反射率スペクトルデータQ1(図12(b)参照)を乗算することにより、試料Mの反射スペクトルデータの見積もり値Fを算出できる(図12(c)参照)。さらに、算出した試料Mの反射スペクトルデータの見積もり値に露光時間比T2/T1を乗算することにより、試料Mの反射スペクトルデータの見積もり値Fに対する飽和強度の関係を取得できる(図12(d)参照)。
次に、図13に示すように、試料Mの反射スペクトルデータの見積もり値Fに対する飽和強度の関係に基づいて、短波長領域のデータに含まれる計測光Lのピーク強度が飽和強度の80%以上100%未満となる波長範囲λwを算出し、λwの範囲から境界波長λrを設定する。図13の例では、短波長領域のデータに含まれる計測光Lのピーク強度が飽和強度の80%となる波長が境界波長λrとして設定されている。
境界波長λrの設定は、上述の方法に限られず、膜厚計測装置1のユーザが任意の値に設定してもよい。この場合、例えば第2の計測スペクトルデータS2をモニタに表示し、表示された第2の計測スペクトルデータS2のうち、計測光Lの強度が飽和していない波長範囲において、膜厚計測装置1のユーザが境界波長λrを設定してもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る膜厚計測装置1及び膜厚計測方法では、第1の画素領域21Aにおいて第1の露光時間T1で取得した第1の計測スペクトルデータS1の長波長領域のデータS1Lと、第2の画素領域21Bにおいて第1の露光時間T1よりも長い第2の露光時間T2で取得した第2の計測スペクトルデータS2の短波長領域のデータS2Sとを結合し、試料Mの膜厚の解析に用いる解析用スペクトルデータDsを生成する。生成された解析用スペクトルデータDsには、短波長領域における計測光の感度を十分に高めた状態で短波長領域のデータが含まれる。このような解析用スペクトルデータDsを用い、紫外域及び可視域を含むスペクトルデータに対してカーブフィッティングを行うことで、膜厚の計測精度を高めることができる。
また、本実施形態に係る膜厚計測装置1及び膜発計測方法では、第1の画素領域21A及び第2の画素領域21Bによって第1の計測スペクトルデータS1と第2の計測スペクトルデータS2とを独立して取得するため、解析用スペクトルデータDsの生成にあたって、第1の計測スペクトルデータS1と第2の計測スペクトルデータS2との結合の境界波長λrを任意に設定でき、その結果、長波長領域のデータS1Lと短波長領域のデータS2Sとの間の強度バランスも任意に調整できる。したがって、計測光Lに対する反射強度(反射率)が試料Mによって異なる場合でも、試料Mのスペクトルデータの取得条件の最適化が可能となり、膜厚のインライン測定の汎用性を高めることができる。
本実施形態では、検出部6は、第1の画素領域21Aの各列で生成された電荷が転送される第1の水平シフトレジスタ32Aと、第2の画素領域21Bの各列で生成された電荷が転送される第2の水平シフトレジスタ32Bと、を有するCCD光検出器V1によって構成され得る。このような構成により、第1の画素領域21Aで受光した計測光Lの分光像Pに対応する各画素22の電荷の読み出しと、第2の画素領域21Bで受光した計測光Lの分光像Pに対応する各画素22の電荷の読み出しとを並行して実施できる。また、CCD光検出器V1を用いることで、各列の画素22で生じた電荷を読み出す際の読出ノイズの増加を回避できる。
本実施形態では、検出部6は、第1の画素領域21Aの各列で生成された電荷が蓄積される第1の蓄積部41Aと、第2の画素領域21Bの各列で生成された電荷が蓄積される第2の蓄積部41Bと、第1の蓄積部41Aで蓄積された電荷の大きさに応じた各列の電気信号を出力する第1の読出部42Aと、第2の蓄積部41Bで蓄積された電荷の大きさに応じた各列の電気信号を出力する第2の読出部42Bと、を有するCCD光検出器V2によって構成され得る。このような構成においても、第1の画素領域21Aで受光した計測光Lの分光像Pに対応する各画素22の電荷の読み出しと、第2の画素領域21Bで受光した計測光Lの分光像Pに対応する各画素22の電荷の読み出しとを並行して実施できる。また、CCD光検出器V2を用いることで、各列の画素で生じた電荷を読み出す際の読出ノイズの増加を回避できる。
本実施形態では、検出部6は、第1の画素領域21Aの各列で生成された電荷を出力する第1の読出部57Aと、第2の画素領域21Bの各列で生成された電荷を出力する第2の読出部57Bと、を有するCMOS光検出器V3によって構成され得る。このような構成においても、第1の画素領域21Aで受光した計測光Lの分光像Pに対応する各画素22の電荷の読み出しと、第2の画素領域21Bで受光した計測光Lの分光像Pに対応する各画素22の電荷の読み出しとを並行して実施できる。
本実施形態では、生成部7は、第1の画素領域21Aと第2の画素領域21Bとの間の露光時間比T2/T1と、試料Mにおける反射スペクトルデータの見積もり値Fとに基づいて、解析用スペクトルデータDsを生成する際の第1の計測スペクトルデータS1における長波長領域のデータS1Lと第2の計測スペクトルデータS2における短波長領域のデータS2Sとの境界波長λrを設定する。第1の画素領域21Aと第2の画素領域21Bとの間の露光時間比T2/T1と、試料Mにおける反射スペクトルデータの見積もり値Fとを指標とすることで、第1の計測スペクトルデータS1と第2の計測スペクトルデータS2との間の強度バランスを最適化した状態で、第1の計測スペクトルデータS1の長波長領域のデータS1Lと、第2の計測スペクトルデータS2の短波長領域のデータS2Sとを結合できる。このような解析用スペクトルデータDsに対してカーブフィッティングを行うことで、膜厚の計測精度を一層高めることができる。
本実施形態では、生成部7は、短波長領域のデータに含まれる計測光Lのピーク強度が飽和強度の80%以上100%未満となる波長から境界波長λrを設定する。これにより、第1の計測スペクトルデータS1と第2の計測スペクトルデータS2との間の強度バランスの一層の最適化が図られる。
本開示に係る膜厚計測装置及び膜厚計測方法の評価試験結果について説明する。図14は、比較例における膜厚計測の再現性の評価結果を示す図である。また、図15は、実施例における膜厚計測の再現性の評価結果を示す図である。この評価試験では、SiO膜が形成されたシリコンウェハをサンプルとし、SiO膜の膜厚の計測を10回にわたって実施した後、計測結果の平均値及び標準偏差を算出した。サンプルにおけるSiO膜の膜厚は、1nm、5nm、10nmの3種類とした。
比較例では、一般的な算出手法で得られた反射率スペクトルデータ(図11(a)参照)を用いて、サンプルの反射率スペクトルデータと理論反射率スペクトルデータとのカーブフィッティングを行った。実施例では、本実施形態の算出手法(図11(b)参照)で得られた反射率スペクトルデータを用いて、サンプルの反射率スペクトルデータと理論反射率スペクトルデータとのカーブフィッティングを行った。
図14に示すように、比較例では、膜厚が1nmのサンプルに対する計測結果の平均値は0.57、標準偏差は0.25であった。膜厚が5nmのサンプルに対する計測結果の平均値は2.33、標準偏差は0.21であった。膜厚が10nmのサンプルに対する計測結果の平均値は4.9、標準偏差は0.2であった。
これに対し、図15に示すように、実施例では、膜厚が1nmのサンプルに対する計測結果の平均値は1.29、標準偏差は0.09であった。膜厚が5nmのサンプルに対する計測結果の平均値は4.95、標準偏差は0.10であった。膜厚が10nmのサンプルに対する計測結果の平均値は9.85、標準偏差は0.05であった。この結果から、本実施形態に係る手法が膜厚の計測精度を高め、更に再現性の向上にも寄与することが確認できた。
1…膜厚計測装置、2…光源、5…分光部、6…検出部、7…生成部、8…解析部、21A…第1の画素領域、21B…第2の画素領域、32A…第1の水平シフトレジスタ、32B…第2の水平シフトレジスタ、41A…第1の蓄積部、41B…第2の蓄積部、42A…第1の読出部、42B…第2の読出部、57A…第1の読出部、57B…第2の読出部、L…計測光、D1…第1の方向、D2…第2の方向、M…試料、P…分光像、V1,V2…CCD光検出器、V3…CMOS光検出器、λr…境界波長。

Claims (7)

  1. 光源から出力して試料で反射した計測光を分光する分光部と、
    前記分光部によって分光された前記計測光の分光像を検出する検出する検出部と、
    前記計測光の分光像の検出結果から得られたスペクトルデータを用いて解析用スペクトルデータを生成する生成部と、
    前記解析用スペクトルデータに基づいて前記試料の膜厚を解析する解析部と、を備え、
    前記分光部は、前記計測光を第1の方向に波長分解すると共に、前記第1の方向に交差する第2の方向に波長毎の分光像を結像させ、
    前記検出部は、前記第2の方向に分割された第1の画素領域及び第2の画素領域を有し、前記第1の画素領域によって前記計測光の分光像を第1の露光時間で受光し、前記第2の画素領域によって前記計測光の分光像を第1の露光時間よりも長い第2の露光時間で受光し、
    前記生成部は、前記第1の画素領域から得られた第1の計測スペクトルデータにおける長波長領域のデータと、前記第2の画素領域から得られた第2の計測スペクトルデータにおける短波長領域のデータとを結合し、前記解析用スペクトルデータを生成する膜厚計測装置。
  2. 前記検出部は、
    前記第1の画素領域の各列で生成された電荷が転送される第1の水平シフトレジスタと、
    前記第2の画素領域の各列で生成された電荷が転送される第2の水平シフトレジスタと、を有するCCD光検出器である請求項1記載の膜厚計測装置。
  3. 前記検出部は、
    前記第1の画素領域の各列で生成された電荷が蓄積される第1の蓄積部と、
    前記第2の画素領域の各列で生成された電荷が蓄積される第2の蓄積部と、
    前記第1の蓄積部で蓄積された電荷の大きさに応じた各列の電気信号を出力する第1の読出部と、
    前記第2の蓄積部で蓄積された電荷の大きさに応じた各列の電気信号を出力する第2の読出部と、を有するCCD光検出器である請求項1記載の膜厚計測装置。
  4. 前記検出部は、
    前記第1の画素領域の各列で生成された電荷を出力する第1の読出部と、
    前記第2の画素領域の各列で生成された電荷を出力する第2の読出部と、を有するCMOS光検出器である請求項1記載の膜厚計測装置。
  5. 前記生成部は、前記第1の画素領域と前記第2の画素領域との間の露光時間比と、前記試料における反射スペクトルデータの見積もり値とに基づいて、前記解析用スペクトルデータを生成する際の第1の計測スペクトルデータにおける長波長領域のデータと前記第2の計測スペクトルデータにおける前記短波長領域のデータとの境界波長を設定する請求項1~4のいずれか一項記載の膜厚計測装置。
  6. 前記生成部は、前記短波長領域のデータに含まれる前記計測光のピーク強度が飽和強度の80%以上100%未満となる波長から前記境界波長を設定する請求項5記載の膜厚計測装置。
  7. 光源から出力して試料で反射した計測光を分光する分光ステップと、
    前記分光ステップによって分光された前記計測光の分光像を検出する検出する検出ステップと、
    前記計測光の分光像の検出結果から得られたスペクトルデータを用いて解析用スペクトルデータを生成する生成ステップと、
    前記解析用スペクトルデータに基づいて前記試料の膜厚を解析する解析ステップと、を備え、
    前記分光ステップでは、前記計測光を第1の方向に波長分解すると共に、前記第1の方向に交差する第2の方向に波長毎の分光像を結像させ、
    前記検出ステップでは、前記第2の方向に分割された第1の画素領域及び第2の画素領域を用い、前記第1の画素領域によって前記計測光の分光像を第1の露光時間で受光し、前記第2の画素領域によって前記計測光の分光像を第1の露光時間よりも長い第2の露光時間で受光し、
    前記生成ステップでは、前記第1の画素領域から得られた第1の計測スペクトルデータにおける長波長領域のデータと、前記第2の画素領域から得られた第2の計測スペクトルデータにおける短波長領域のデータとを結合し、前記解析用スペクトルデータを生成する膜厚計測方法。
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