JP7494466B2 - クーラント孔付きスロッティングカッターの取付部材 - Google Patents

クーラント孔付きスロッティングカッターの取付部材 Download PDF

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Description

本発明は、軸線回りにカッター回転方向に回転させられる軸線を中心とした円板状のカッター本体の外周部に、この軸線方向の切刃長がカッター本体の外周部の厚さよりも大きい切刃が設けられるとともに、カッター本体には、カッター本体の2つの側面のうち一方の側面の内周部からカッター本体内を外周側に延びて開口するクーラント孔と、上記一方の側面におけるクーラント孔の開口部よりも内周側に貫通孔とが形成されたクーラント孔付きスロッティングカッターをアーバー等に取り付けるためのクーラント孔付きスロッティングカッターの取付部材に関するものである。
このようにカッター本体の外周部の厚さよりも軸線方向の切刃長が大きい切刃が上記外周部に設けられたスロッティングカッターは、この切刃が設けられたカッター本体の外周部を被削材に切り込ませることによって被削材に細幅の溝入れ加工を行うのに用いられたり、あるいは被削材の突っ切り加工や切断加工に用いられたりする。カッター本体の外周部の厚さよりも切刃の軸線方向の切刃長が大きいので、切刃によって形成された溝にカッター本体の外周部が干渉することがない。
このようなスロッティングカッターとして、例えば特許文献1には、中心軸を有するスロットミーリングディスクであって、多数の切れ刃を備えた外周面と、中心軸の周りに支持面を有する第1の側面と、第1の側面とは反対側の第2の側面と、回転可能な取付け用シャフトの相手側取付け手段と相互作用して、取付け用シャフトに対してスロットミーリングディスクを回転不能な形で取付け、かつ取付け用シャフトの端面にある取付け用表面に対して支持面を押付けることができるように適応された取付け手段とを含むものが記載されている。
さらに、この特許文献1に記載されたスロッティングカッターにおいては、密閉された断面を有し、スロットミーリングディスクの内部でその支持面内の入口開口部からその外周面内の少なくとも1つの出口開口部まで延在する、少なくとも1つの噴射供給用流体通路(クーラント孔)を備え、支持面は、スロットミーリングディスクの第1の側面上の平面であり、中心軸に対し直交して延在しており、入口開口部は、平坦な支持面内に止まり孔を形成し、スロットミーリングディスクの外周面に向かう方向に延在する上記噴射供給用流体通路を伴っている。
また、この特許文献1には、このようなクーラント穴付きスロッティングカッターを工作機械の主軸に装着されるアーバー等に取り付ける上記取付け用シャフト(クーラント穴付きスロッティングカッターの取付部材)として、工作機械に対し回転可能な形で取付けるための回転可能な取付け用シャフトであって、当該回転可能な取付け用シャフトは、中心軸を中心として回転可能とされたものが記載されている。
そして、この特許文献1に記載された取付部材では、スロットミーリングディスクの相手側取付け手段と相互作用して、スロットミーリングディスクの第1の側面にある支持面を当該回転可能な取付け用シャフトの端面で中心軸に直交する取付け用表面に対して押付けるように適応された取付け手段、および当該回転可能な取付け用シャフトの内部で流体通路と流体連通状態にあり、かつ流体通路からスロットミーリングディスクの入口開口部までの噴射供給用流体の供給を可能にするように整形され位置づけされた、取付け用表面内の供給用開口部を含んでいる。
一方、特許文献2にも、同じくクーラント孔付きスロッティングカッターとして、いくつかの切れ刃を設けられている外周面と、回転可能な取付けシャフトへの溝穴フライス加工ディスクの回転防止取付けを可能にするように構成されている手段と、限定的な横断面を有し、ディスクの中心部に配置されかつフラッシング流体源に接続されるように構成されている入口開口部から、ディスクの外周面にある少なくとも1つの出口開口部まで、フライス加工ディスクの内部に延在している少なくとも1つのフラッシング流体チャネル(クーラント孔)とを含む、溝穴フライス加工ディスクが記載されている。
さらに、この特許文献2に記載されたクーラント穴付きスロッティングカッターでは、少なくとも1つのフラッシング流体チャネルは、入口開口部から外周面に向かって延在しており、かつこれに到達する前に終端している内部チャネル部分と、切れ刃に向かう方向に傾けられる方法で、フラッシング流体チャネルの方向を変えながら内部チャネル部分から延在しており、かつ少なくとも1つの出口開口部へ延在している少なくとも1つの外部チャネル部分とを含んでいる。
そして、この特許文献2にも、クーラント穴付きスロッティングカッターの取付部材として、上位溝穴フライス加工ディスクに回転防止取付けされている回転可能な取付けシャフトであって、このシャフトは、シャフトの内部の流体チャネルと流体連通しており、かつ溝穴フライス加工ディスクの入口開口部への流体チャネルからのフラッシング流体の供給を可能にするように成形されており、配置されている、シャフトの端面内にある供給開口部を含むものが記載されている。
特許第6526987号公報 特表2018-534158号公報
ところで、これら特許文献1、2に記載されたクーラント穴付きスロッティングカッターでは、特許文献1の図3~図6、図8や特許文献2の図3~図5に示されるように、カッター本体の軸線から上記入口開口部までの半径が、カッター本体の軸線を中心としてカッター本体を取付部材に取り付けるためのネジ孔に内接する円と外接する円の半径の範囲内にあり、これによって入口開口部が複数に分割されている。
そして、これに合わせて、これら特許文献1、2に記載されたクーラント孔付きスロッティングカッターの取付部材では、カッター本体の複数に分割された入口開口部にクーラントを供給する流路(クーラント供給孔)も複数に分岐している。しかしながら、このように複数に分岐した流路と入口開口部とを周方向に精度よく一致させてクーラントを供給するには、高い加工精度や接続精度が要求される。
しかも、これら特許文献1、2に記載されたクーラント孔付きスロッティングカッターの取付部材における流路は、先端側に向かうに従い外周側に向かうように軸線に対して傾斜している。ところが、このような傾斜した流路を取付部材に形成するには、多くの時間と労力、コストが必要となる。
また、これら特許文献1、2に記載されたクーラント孔付きスロッティングカッターにおいて、入口開口部が溝状に形成されたものでは、これら分割された入口開口部から分岐するクーラント孔の数も異なるものとされている。このため、各クーラント孔から噴出させられるクーラントの圧力に偏りを生じてしまい、確実な切屑の除去や切刃の冷却、潤滑を図ることが困難となるおそれがある。
本発明は、このような背景の下になされたもので、高い加工精度や接続精度、多くの時間や労力、コストを要することなくカッター本体のクーラント孔にクーラント供給孔を連通させるとともに、クーラント孔から噴出させられるクーラントの圧力に偏りが生じるのを防いで確実な切屑の除去や切刃の冷却、潤滑を図ることが可能なクーラント孔付きスロッティングカッターの取付部材を提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、軸線回りにカッター回転方向に回転させられる上記軸線を中心とした円板状のカッター本体の外周部にチップポケットが形成されており、このチップポケットのカッター回転方向を向く壁面の外周端に、上記軸線方向の切刃長が上記カッター本体の外周部の上記軸線方向の厚さよりも大きい切刃が設けられるとともに、上記カッター本体には、該カッター本体の2つの側面のうち一方の側面の内周部から上記カッター本体内を外周側に延びて開口するクーラント孔と、上記一方の側面における上記クーラント孔の開口部よりも内周側に貫通孔とが形成されたクーラント孔付きスロッティングカッターが、上記一方の側面を先端側に向けて取り付けられるクーラント孔付きスロッティングカッターの取付部材であって、上記軸線を中心とする円筒状に形成されて、この軸線を同軸とした状態で、内周部に上記貫通孔と連通するクーラント供給孔が形成された取付部材本体と、上記軸線を中心とする円板状に形成されて、この軸線を同軸とした状態で上記カッター本体を上記取付部材本体の先端面との間に挟み込むようにして取り付けるフランジ部材とを備え、上記フランジ部材の上記取付部材本体側を向く後端面には、内周部が上記貫通孔に連通するとともに外周部は上記カッター本体の内周部における上記クーラント孔の開口部と連通する上記後端面から凹んだ凹部が形成されていることを特徴とする。
このように構成されたクーラント孔付きスロッティングカッターの取付部材において、取付部材本体の内周部のクーラント供給孔に供給されたクーラントは、カッター本体の貫通孔を通って一旦フランジ部材の取付部材側を向く後端面に形成された凹部に流れ込む。そして、この凹部に流れ込んだクーラントは、凹部の外周部からカッター本体の一方の側面の内周部におけるクーラント孔の開口部に流れ込んで外周側に供給され、カッター本体の外周部に噴出させられることにより切屑の除去や切刃の冷却、潤滑を行う。
従って、上記構成のクーラント孔付きスロッティングカッターの取付部材においては、このフランジ部材の凹部がカッター本体の一方の側面の内周部におけるクーラント孔の開口部に開口していれば、クーラントをカッター本体のクーラント孔に供給することができる。このため、凹部とクーラント孔の開口部との周方向の位置合わせのために高い加工精度や接続精度が必要とされることがない。
また、取付部材本体は円筒状であればよいので、クーラント供給孔を傾斜して形成する必要もなく、このような傾斜したクーラント供給孔を形成するのに多くの時間や労力、コストを要することもない。しかも、フランジ部材の凹部にクーラントが一旦保持されることによって、カッター本体のクーラント孔から噴出させられるクーラントの圧力に偏りが生じるのを防ぐことができるので、クーラントの噴出圧を均一化して、確実な切屑の除去や切刃の冷却、潤滑を図ることも可能となる。なお、本発明のクーラント孔付きスロッティングカッターの取付部材は、取付部材本体がアーバーを介して工作機械の主軸に取り付けられるシェル型の取付部材や、取付部材本体が直接工作機械の主軸に取り付けられるシャンク型の取付部材に適用可能である。
ここで、上記カッター本体の内周部における上記クーラント孔の開口部が上記一方の側面から凹む溝状に形成されたクーラント溝とされている場合には、上記軸線方向に上記後端面に対向する方向から見たときの上記フランジ部材の内周側を向く上記凹部の壁面を、上記軸線方向に上記一方の側面に対向する方向から見たときの上記カッター本体の内周側を向く上記クーラント溝の壁面と合同、または上記軸線方向に上記一方の側面に対向する方向から見たときの上記カッター本体の内周側を向く上記クーラント溝の壁面よりも大きな相似形とすることにより、凹部からクーラント溝およびクーラント孔へのクーラントの効率的な供給を図ることができる。
また、上記取付部材本体の先端面に、この先端面から突出して上記カッター本体の貫通孔に嵌め入れられる円環状壁部を上記クーラント供給孔の開口部の外周に形成することにより、カッター本体を軸線に対する半径方向に確実に位置決めすることができて、高精度の溝入れ加工を行うことが可能となる。
さらに、こうして取付部材本体の先端面に円環状壁部を形成した場合には、同じく上記取付部材本体の先端面に、この先端面から凹む円環状溝部を上記円環状壁部の外周側に隣接して形成することにより、取付部材本体の先端面と円環状壁部の外周面とが交差する隅角部が、この先端面に当接することになるカッター本体の他方の側面に干渉するのを避けることができるので、カッター本体を安定して取付部材本体に取り付けることが可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、高い加工精度やクーラント孔付きスロッティングカッターとの接続精度を必要とすることがなく、しかも製造に要する時間や労力、コストを削減して、カッター本体のクーラント孔に確実にクーラント供給孔を連通させてクーラントを供給することが可能となるとともに、クーラントの噴出圧の均一化を図ることができるので、確実な切屑の除去や切刃の冷却、潤滑が可能となる。
本発明のクーラント孔付きスロッティングカッターの取付部材の一実施形態に取り付けられるクーラント孔付きスロッティングカッターの一例を示すカッター本体の一方の側面側から見た斜視図である。 図1に示すクーラント孔付きスロッティングカッターにおけるカッター本体の他方の側面側から見た斜視図である。 図1に示すクーラント孔付きスロッティングカッターを軸線方向にカッター本体の一方の側面に対向する方向から見た側面図である。 図1に示すクーラント孔付きスロッティングカッターを軸線方向にカッター本体の他方の側面に対向する方向から見た側面図である。 本発明のクーラント孔付きスロッティングカッターの取付部材の一実施形態における取付部材本体を示す斜視図である。 図6に示す取付部材本体の側面図である。 図6に示す取付部材本体を軸線方向先端側から見た底面図である。 図6に示す取付部材本体を軸線方向後端側から見た平面図である。 本発明のクーラント孔付きスロッティングカッターの取付部材の一実施形態におけるフランジ部材を示す斜視図である。 図9に示すフランジ部材の側面図である。 図9に示すフランジ部材を軸線方向先端側から見た底面図である。 図6に示すフランジ部材を軸線方向後端側から見た平面図である。 図1~図4に示したクーラント孔付きスロッティングカッターを図5~図13に示した取付部材に取り付けた状態を示すカッター本体の一方の側面側から見た斜視図である。 図13に示した状態をカッター本体の一方の側面側から見た他の斜視図である。 図13に示した状態をカッター本体の他方の側面側から見た斜視図である。 図13に示した状態を軸線方向にカッター本体の一方の側面に対向する方向から見た側面図である。 図13に示した状態を軸線方向にカッター本体の他方の側面に対向する方向から見た側面図である。 図16における矢線V方向視の平面図である。 図16における矢線W方向視の正面図である。 図13に示した状態のカッター本体、取付部材本体、フランジ部材、クランプボルト、および取付ネジの分解斜視図である。 図15に示した状態のカッター本体、取付部材本体、フランジ部材、クランプボルト、および取付ネジの分解斜視図である。 図16におけるXX断面図である。 図16におけるYY断面図である。 図16におけるZZZ断面図である。
図1~図4は、図5~図12に示す本発明のクーラント孔付きスロッティングカッターの取付部材の一実施形態に取り付けられるクーラント孔付きスロッティングカッターの一例を示すものであり、図5~図12は、本発明のクーラント孔付きスロッティングカッターの取付部材の一実施形態を示すものである。また、図13~図24は、図1~図4に示したクーラント孔付きスロッティングカッターを図5~図12に示した実施形態の取付部材に取り付けた状態、およびその分解図を示すものである。
このうち上記一例のクーラント孔付きスロッティングカッターは、鋼材等の金属材料により軸線Oを中心とした円板状のカッター本体1を備えている。このカッター本体1の外周部には、軸線O方向から見て概略V字状に外周側に開口してカッター本体1を軸線O方向に貫通する複数(本実施形態では11)のチップポケット2が、周方向に等間隔をあけて形成されている。カッター本体1の外周側を向くチップポケット2の底面は、カッター本体1の内周側に凹曲するように形成されている。
このような一例のクーラント孔付きスロッティングカッターは、後述する実施形態の取付部材に取り付けられた状態で、この取付部材を介して工作機械の主軸に装着される図示されないアーバーに取り付けられ、軸線O回りにカッター回転方向Tに回転させられつつ軸線Oに交差する方向に送り出されることにより、チップポケット2のカッター回転方向Tを向く壁面2aの外周端に設けられた切刃3aによって被削材に細幅の溝入れ加工を行ったり、被削材の突っ切り加工や切断加工を行ったりする。切刃3aの軸線O方向の切刃長は、カッター本体1の外周部の軸線O方向の厚さよりも大きくされており、切刃3aによって被削材に形成された溝にカッター本体1の外周部が干渉することはない。
ここで、これらのチップポケット2のカッター回転方向Tを向く壁面2aの外周端部には、この外周端部のカッター回転方向T側に、カッター本体1を軸線O方向に貫通してカッター本体1の内周側に延びる凹溝状のインサート取付座4が形成されており、上記切刃3aは、このインサート取付座4に着脱可能に取り付けられる超硬合金等のカッター本体1よりも高硬度な切削インサート3に形成されている。すなわち、この一例のクーラント孔付きスロッティングカッターは刃先交換式のクーラント孔付きスロッティングカッターである。
インサート取付座4の内周側には、インサート取付座4からさらにカッター本体1の内周側に延びる第1のスリット4aが形成されるとともに、この第1のスリット4aには、該第1のスリット4aが延びる方向に長軸を有する長円状または楕円状の孔部4bが形成されている。また、この第1のスリット4aのカッター回転方向T側には、カッター本体1の外周側を向くチップポケット2の底面から内周側に延びる第2のスリット4cが形成されている。
このようなインサート取付座4は、図示されないL字状のレンチ等の作業用工具の上記孔部4bに嵌め入れ可能な長円状または楕円状の断面の軸部を上記孔部4bに合わせて嵌め入れた上で、軸部の長軸を孔部4bの短軸と重なるように回転させることにより、周方向に隣接するチップポケット2の間のカッター本体1の外周部のうち、インサート取付座4の第1、第2のスリット4a、4cの間のカッター回転方向T側の部分(上顎部)がカッター回転方向T側に傾くように弾性変形し、インサート取付座4のカッター回転方向Tとは反対側の部分(下顎部)との間隔が拡げられる。
そこで、こうしてインサート取付座4が拡げられた状態において、切刃3aを外周側に向けて切削インサート3をカッター本体1の外周側からインサート取付座4に差し込み、次いで作業用工具の軸部の長軸が孔部4bの長軸と重なるように作業用工具を回転させると、インサート取付座4の上記カッター回転方向T側が元の状態に戻り、その弾性力によって切削インサート3はインサート取付座4の上記カッター回転方向Tと反対側の部分との間に挟み込まれるようにして、インサート取付座4に着脱可能に固定されて取り付けられる。
このようなカッター本体1の内周部には、カッター本体1を軸線O方向に貫通する同径の円形の複数(本実施形態では4つ)の取付孔1aが、軸線Oから外周側に等しい距離で離れた位置に周方向に等間隔をあけて形成されている。また、これらの取付孔1aのさらに内周側には軸線Oを中心とする取付孔1aよりも大径の貫通孔1bが形成されており、この貫通孔1bの外周部には貫通孔1bに連通するキー溝1cが形成されている。この一例のクーラント孔付きスロッティングカッターでは2つのキー溝1cが軸線O方向から見て周方向に隣接する2つの取付孔1aの間を軸線Oに直交する方向に延びている。
さらに、カッター本体1内には、この一例のクーラント孔付きスロッティングカッターでは、上記チップポケット2と同数のクーラント孔5が、軸線O方向から見て図3や図4に示すようにカッター本体1の内周部から放射直線状に外周側に延びて開口するように形成されている。これらのクーラント孔5は、断面が円形で、カッター本体1の外周部においてはインサート取付座4のカッター回転方向T側の上記第1、第2のスリット4a、4cの間のカッター本体1の外周側を向くチップポケット2の上記底面に、上記切削インサート3の切刃3aに向かう方向に延びるように開口している。
さらにまた、カッター本体1の2つの側面1A、1Bのうち一方の側面1Aには、これらのクーラント孔5に連通するクーラント溝6が形成されている。このクーラント溝6は図3に示すように、両端部が上記取付孔1aと間隔をあけるようにしてカッター本体1の周方向に延びてクーラント孔5と連通する第1のクーラント溝部6Aと、軸線O方向に一方の側面1Aに対向する方向から見て取付孔1aの周りをカッター本体1の内周側に凹むように形成されて第1のクーラント溝部6Aの上記両端部を結ぶ、取付孔1aと間隔をあけた第2のクーラント溝部6Bとを備えている。
従って、このように第2のクーラント溝部6Bによって第1のクーラント溝部6Aの両端部が結ばれることにより、この一例のクーラント孔付きスロッティングカッターでは、クーラント溝6は、取付孔1aや貫通孔1b、キー溝1cには開口することなく、軸線O回りにカッター本体1の内周部を全周に渡って連続するように形成される。
ここで、第1のクーラント溝部6Aは軸線Oを中心とする円弧状に形成されていて、取付孔1aの周辺の部分で4つに分割されている。また、軸線Oからカッター本体1の内周側を向く第1のクーラント溝部6Aの壁面6aまでの半径は、軸線Oを中心として取付孔1aに外接する円の半径以下とされており、特に軸線Oから取付孔1aの中心線Cまでの半径以下とされていて、この一例のクーラント孔付きスロッティングカッターでは、軸線Oから取付孔1aの中心線Cまでの半径と略等しくされている。
さらに、第2のクーラント溝部6Bは、軸線O方向にカッター本体1の上記一方の側面1Aに対向する方向から見て取付孔1aの中心線Cを中心とした円弧状に形成された円弧状部を備えている。特に、この一例のクーラント孔付きスロッティングカッターでは、第2のクーラント溝部6Bは、その全体がこのような円弧状部とされている。なお、第1、第2のクーラント溝部6A、6Bは、溝幅と深さが略等しく、断面が方形状に形成されて上記一方の側面1Aから凹むように形成されている。
このようなクーラント孔付きスロッティングカッターが取り付けられる本実施形態の取付部材は、図5~図8に示すように円筒状の取付部材本体11と、この取付部材本体11の先端側(図5および図6において下側)に取り付けられる図9~図12に示すような円板状のフランジ部材12とを備えている。
これら取付部材本体11とフランジ部材12とは、カッター本体1と同じく鋼材等の金属材料により軸線Oを中心として、外径(直径)が互いに略等しく形成されており、この取付部材本体11とフランジ部材12の外径(直径)は、軸線Oを中心としてカッター本体1の取付孔1aに外接する上記円の直径よりも僅かに大きくされている。
取付部材本体11の内周部はクーラント供給孔11Aとされており、このクーラント供給孔11Aは、後端部の内径が最も大きく形成され、この後端部が上述したアーバーの先端部に形成された円柱状の凸部に嵌め入れられる嵌合孔11aとされている。また、この嵌合孔11aの先端側には図21~図23に示すようにクランプボルト13のネジ軸部13aが挿通される内径が最も小さな挿通孔11bが形成されている。
さらにまた、この挿通孔11bのさらに先端側には取付部材本体11の先端面に開口してクランプボルト13の頭部13bが収容される収容孔11cが形成されている。収容孔11cの内径は、挿通孔11bよりも大きく、嵌合孔11aよりは小さい。なお、これら嵌合孔11a、挿通孔11b、および収容孔11cの内径は、それぞれ一定の大きさとされている。
図22~図24に示すように、クランプボルト13の頭部13bの先端面には、六角レンチ等の作業用工具と係合する断面正六角形の係合孔部13cが形成されるとともに、この係合孔部13cの先端側を向く底面からネジ軸部13aの後端面にかけては、係合孔部13cに内接する円よりも直径の小さな円形断面のクーラントが流通する流通孔13dが形成されている。また、取付部材本体11の後端面には、軸線Oに対する直径方向に延びて嵌合孔11aと連通する、アーバーの先端部に形成されたキーと嵌合するキー溝11Bが形成されている。
このような取付部材本体11は、カッター本体1およびフランジ部材12が取り外された状態で、クーラント供給孔11Aの上記嵌合孔11aにアーバーの先端部の円柱状の上記凸部が嵌め入れられるとともにキー溝11Bに上記キーが嵌め入れられ、収容孔11cから挿通孔11bに挿通されたクランプボルト13のネジ軸部13aが上記凸部の中央に形成されたクランプネジ孔にねじ込まれることによってアーバーの先端部に装着される。さらにクランプボルト13をねじ込むことにより、クランプボルト13の頭部13bが収容孔11cの先端側を向く底面を押圧して取付部材本体11はアーバーの先端部に固定される。
なお、取付部材本体11の先端面には、この先端面から突出してカッター本体1の貫通孔1bに嵌め入れられる円環状壁部11dがクーラント供給孔11Aの収容孔11cの開口部の外周に形成されている。また、この円環状壁部11dのさらに外周側には、取付部材本体11の先端面から凹む円環状溝部11eが円環状壁部11dに隣接して形成されている。
ここで、この円環状壁部11dの取付部材本体11の先端面からの突出高さは、カッター本体1の内周部の軸線O方向の厚さよりも小さくされている。また、円環状溝部11eの外周側には、カッター本体1の取付孔1aと同数(4つ)の取付ネジ孔11fが、軸線Oを一致させた状態でそれぞれ取付孔1aの中心線Cと同軸に連通するように周方向に等間隔に形成されている。
なお、これら円環状壁部11dと円環状溝部11eおよび取付ネジ孔11fの開口部以外の取付部材本体11の先端面の外周部は、軸線Oに垂直な平面状に形成されている。また、カッター本体1の貫通孔1bに連通するキー溝1cに嵌まり込むキーが取付部材本体11の先端面の円環状溝部11eの外周側に形成されていてもよいが、カッター本体1は後述する取付ネジ14によって回り止めされるため、本実施形態ではこのようなキーは形成されていない。
さらに、フランジ部材12にも、カッター本体1の取付孔1aと同数(4つ)の取付ネジ挿通孔12aが、それぞれ取付孔1aの中心線Cと同軸に連通するように周方向に等間隔に形成されている。そして、このフランジ部材12の後端面には、内周部がカッター本体1の上記貫通孔1bに連通するとともに外周部はクーラント溝6と連通する凹部12bが、取付ネジ挿通孔12aを避けるようにしてフランジ部材12の後端面から凹むように形成されている。なお、この凹部12bと取付ネジ挿通孔12aの開口部以外のフランジ部材12の後端面と、フランジ部材12の先端面とは、軸線Oに垂直な平面状に形成されている。
ここで、軸線O方向にフランジ部材12の後端面に対向する方向から見たときのフランジ部材12の内周側を向く上記凹部12bの壁面12cは、本実施形態では図12に示すように、軸線O方向に上記一方の側面1Aに対向する方向から見たときのクーラント溝6の第1、第2のクーラント溝部6A、6Bのカッター本体1内周側を向く壁面6a、6bと合同な寸法および形状に形成されている。
このようなフランジ部材12とカッター本体1とは、カッター本体1が上記一方の側面1Aを先端側に向けた状態で、上述のようにアーバーの先端部に固定された取付部材本体11の上記円環状壁部11dが貫通孔1bに嵌め入れられてカッター本体1の他方の側面1Bが取付部材本体11の先端面に当接させられた上で取付孔1aが取付ネジ孔11fと同軸となるように配置され、さらに取付ネジ挿通孔12aが取付孔1aおよび取付ネジ孔11fと同軸となるようにカッター本体の一方の側面1Aの内周部にフランジ部材12が配置される。
そして、このようにカッター本体1とフランジ部材12とが取付部材本体11の先端部に配置された状態から、図17および図20に示すように取付ネジ14を、取付ネジ挿通孔12aおよび取付孔1aを通して取付ネジ孔11fにねじ込むことにより、カッター本体1がフランジ部材12と取付部材本体11の先端部との間に挟み込まれるように固定されて取り付けられる。
上述のようにアーバーの先端部に取り付けられた取付部材本体11の先端部に、こうしてカッター本体1とフランジ部材12とが取り付けられた状態で、カッター本体1が軸線O回りに回転させられつつ、切刃3aによって被削材の溝入れ加工や突っ切り加工、切断加工を行う際には、工作機械からアーバーの上記クランプネジ孔にクーラントが供給される。このクーラントは、圧縮空気のような気体であってもよく、切削油剤のような液体であってもよい。
こうしてクランプネジ孔に供給されたクーラントは、クランプボルト13の流通孔13dおよび係合孔部13cを通って取付部材本体11のクーラント供給孔11Aの収容孔11cに供給される。さらに、このクーラント供給孔11Aの収容孔11cに供給されたクーラントは、カッター本体1の貫通孔1bを通ってフランジ部材12の凹部12bに流れ込み、次いで凹部12bの外周部に流れて軸線O方向後端側に向けてクーラント溝6に供給され、このクーラント溝6からクーラント孔5に供給されてカッター本体1の外周部から噴出させられる。
ここで、上述のように構成されたクーラント孔付きスロッティングカッターの取付部材は、内周部にカッター本体1の貫通孔1bと連通するクーラント供給孔11Aが形成された取付部材本体11と、上記一方の側面1Aを先端側に向けたカッター本体1を取付部材本体11の先端面との間に挟み込むようにして取り付けるフランジ部材12とを備えており、このフランジ部材12の後端面には、内周部が貫通孔1bに連通するとともに外周部はクーラント溝6を介してクーラント孔5と連通する凹部12bが該後端面から凹むように形成されている。
このため、上記構成の取付部材によれば、フランジ部材12の凹部12bのいずれかの部分が、クーラント孔5に連通するクーラント溝6に開口していれば、クーラントをカッター本体1のクーラント溝6からクーラント孔5に供給することができる。このため、カッター本体1と取付部材の取付部材本体11やフランジ部材12との周方向の位置合わせのために高い加工精度や接続精度が必要とされることがない。
さらに、取付部材の取付部材本体11は上述のように円筒状であればよいので、クーラント供給孔11Aを傾斜して形成する場合のように、クーラント供給孔11Aを形成するのに多くの時間や労力、コストを要することもない。しかも、フランジ部材12の凹部12bにクーラントが一旦保持されることにより、カッター本体1のクーラント溝6を介してクーラント孔5から噴出させられるクーラントの噴出圧に偏りが生じるのを防いで均一化を図ることができ、切刃3aによって生成された切屑の確実な除去や、切刃3aの効率的な冷却、潤滑を図ることが可能となる。
また、本実施形態の取付部材では、軸線O方向に上記後端面に対向する方向から見たときのフランジ部材12の内周側を向く凹部12bの壁面12cが、軸線O方向に一方の側面1Aに対向する方向から見たときのカッター本体1の内周側を向くクーラント溝6の第1、第2のクーラント溝部6A、6Bの壁面6a、6bと合同な形状および寸法に形成されている。従って、この凹部12bからクーラント溝6にクーラントが流れ込む際にも、クーラントの圧力に偏りが生じるのを防ぐことができ、クーラント溝6およびクーラント孔5への効率的なクーラント供給を図ることができる。
ただし、本実施形態ではこのように、軸線O方向に上記後端面に対向する方向から見たときのフランジ部材12の内周側を向く凹部12bの壁面12cが、軸線O方向に一方の側面1Aに対向する方向から見たときのカッター本体1の内周側を向くクーラント溝6の第1、第2のクーラント溝部6A、6Bの壁面6a、6bと合同な形状および寸法に形成されているが、軸線O方向に一方の側面1Aに対向する方向から見たときのカッター本体1の内周側を向くクーラント溝6の壁面6a、6bよりも大きな相似形とされていてもよい。
さらに、本実施形態では、取付部材本体11の先端面に、この先端面から突出してカッター本体1の貫通孔1bに嵌め入れられる円環状壁部11dがクーラント供給孔11Aの収容孔11cの開口部の外周に形成されている。このため、カッター本体1を軸線Oに対する半径方向に確実に位置決めすることが可能となるので、高精度の溝入れ加工を行うことができる。
しかも、本実施形態では、この取付部材本体11の先端面に形成された円環状壁部11dの外周側に隣接して、同じく取付部材本体11の先端面に、この先端面から凹む円環状溝部11eが形成されている。このため、取付部材本体11の先端面と円環状壁部11dの外周面とが交差する隅角部が、この取付部材本体11の先端面に当接するカッター本体1の他方の側面1Bに干渉するのを避けることができるので、安定してカッター本体1を取付部材本体11に取り付けることが可能となる。
一方、上記一例のクーラント孔付きスロッティングカッターにおいては、カッター本体1に形成されるクーラント溝6が、両端部が取付孔1aと間隔をあけるようにカッター本体1の周方向に延びてクーラント孔5と連通する第1のクーラント溝部6Aと、この第1のクーラント溝部6Aの両端部を結ぶ、やはり取付孔1aと間隔をあけた第2のクーラント溝部6Bとを備えていて、上述のようにカッター本体1の内周部を全周に渡って連続するように形成されている。
このため、第1のクーラント溝部6Aは取付孔1aによってカッター本体1の周方向に分割されていても、クーラント溝6へのクーラントの供給量を確保することができるとともに、クーラント溝6からクーラント孔5に供給されるクーラントの圧力に偏りが生じるのを防ぐことができる。
従って、上述のように構成された一例のクーラント孔付きスロッティングカッターによれば、取付部材におけるフランジ部材12の凹部12bにクーラントが一旦保持されることとも相俟って、十分なクーラントを均一な噴出圧でクーラント孔5から噴出させることができるので、切刃3aによって生成された切屑の一層確実な除去や、切刃3aのさらなる効率的な冷却、潤滑を図ることが可能となる。
さらに、上記一例のクーラント孔付きスロッティングカッターでは、第2のクーラント溝部6Bが、軸線O方向にカッター本体1の一方の側面1Aに対向する方向から見て取付孔1aの周りをカッター本体1の内周側に凹むように形成されている。このため、クーラント溝6がカッター本体1の軸線Oを中心として取付孔1aに外接する円よりも外周側にはみ出るのを避けることができるので、カッター本体1が取り付けられる取付部材の取付部材本体11先端部やフランジ部材12の外径が大きくなるのを防ぐことができ、カッター本体1の外周端に設けられる切刃3aに十分な切り込み深さを確保することが可能となる。
また、上記一例のクーラント孔付きスロッティングカッターでは、第2のクーラント溝部6Bに、軸線O方向に一方の側面1Aに対向する方向から見て取付孔1aの中心線Cを中心とした円弧状に形成された円弧状部が備えられている。従って、この円弧状部では取付孔1aとの間隔を一定とすることができるので、カッター本体1の強度を維持することが可能となる。特に、上記一例のクーラント孔付きスロッティングカッターでは、この第2のクーラント溝部6Bの全体が取付孔1aの中心線Cを中心とした円弧状部とされているので、第2のクーラント溝部6Bの全体で取付孔1aとの間隔を一定として強度を維持することができる。
さらにまた、上記一例のクーラント孔付きスロッティングカッターでは、クーラント溝6の第1のクーラント溝部6Aは軸線Oを中心とする円弧状に形成されていて、軸線Oからカッター本体1の内周側を向く第1のクーラント溝部6Aの壁面6aまでの半径が、軸線Oを中心として取付孔1aに外接する円の半径以下とされている。
このため、切刃3aの切り込み深さが損なわれない範囲で第1のクーラント溝部6Aの周方向の長さをより大きく確保することができ、一層安定したクーラントのクーラント孔5への供給を図ることができる。なお、このような効果を確実に奏するには、第1のクーラント溝部6Aは、軸線Oを中心として取付孔1aに外接する円と内接する円との間に延びていることが望ましい。
さらに、上記一例のクーラント孔付きスロッティングカッターでは、上述のように第2のクーラント溝部6Bの全体が上記円弧状部とされるとともに、軸線Oからカッター本体1の内周側を向く第1のクーラント溝部6Aの壁面6aまでの半径が、軸線Oから取付孔1aの中心線Cまでの半径以下とされ、特にこの中心線Cまでの半径と略等しくされている。
従って、第1のクーラント溝部6Aの周方向の長さは確保しつつ、第1、第2のクーラント溝部6A、6Bの接続部において、これら第1、第2のクーラント溝部6A、6Bが鋭角に交差することがなくなるので、このような鋭角の接続部においてクーラントの圧力に偏りが生じるのも防止することが可能となる。
なお、第2のクーラント溝部6Bは、このように全体が中心線Cを中心とした円弧状部とされるほかに、上記一方の側面1Aに対向する方向から見てU字状であったり、第1のクーラント溝部6Aに接続される接続部が取付孔1aに向けて凸となる凸円弧のような凸曲線状に形成されていてもよい。
また、上記一例のクーラント孔付きスロッティングカッターでは、カッター本体1の外周部に形成されたインサート取付座4に切刃3aが形成された切削インサート3が着脱可能に取り付けられる刃先交換式のクーラント孔付きスロッティングカッターとされているが、例えばこのような切削インサート3がカッター本体の外周部にろう付け等によって接合されたろう付け式のクーラント孔付きスロッティングカッターや、カッター本体1の外周部に切刃が直接形成されたソリッド式のクーラント孔付きスロッティングカッターを取り付ける取付部材に本発明を適用することも可能である。
なお、上記実施形態のクーラント孔付きスロッティングカッターの取付部材は、特許文献1、2に記載されたクーラント孔付きスロッティングカッターに対しても、上記入口開口部の位置がフランジ部材12の凹部12bと連通していれば、この入口開口部が開口したカッター本体の側面を先端側(フランジ部材12側)に向けて取り付けることが可能である。この場合には、カッター回転方向を上記実施形態のカッター回転方向Tとは反対向きとすればよい。
すなわち、上記一例のクーラント孔付きスロッティングカッターのように、第1のクーラント溝部6Aの両端部を結ぶ第2のクーラント溝部6Bが形成されていなくて、第1のクーラント溝部6Aがフランジ部材12の凹部12bと連通していたり、第1のクーラント溝部6Aも含めたクーラント溝6自体が形成されていなくて、クーラント孔5がカッター本体1の内周部においてカッター本体1の一方の側面1Aに開口して凹部12bと連通していたりしてもよい。
また、これとは逆に、上記一例のクーラント孔付きスロッティングカッターのカッター本体1も、第1のクーラント溝部6Aの位置がクーラント供給孔と一致していれば、例えば特許文献1、2に記載された取付部材に、一方の側面1Aを取付部材側に向けて取り付けることが可能である。この場合にも、カッター回転方向を上記実施形態における上記一例のクーラント孔付きスロッティングカッターのカッター回転方向Tとは反対向きとすればよい。
さらに、上記実施形態では、本発明のクーラント孔付きスロッティングカッターの取付部材を、工作機械の主軸に装着されるアーバーに取付部材本体11がクランプボルト13によって取り付けられるシェル型の取付部材に適用した場合について説明したが、このシェル型の取付部材と同じく円筒状の取付部材本体を備えた取付部材であっても、例えば小径のクーラント孔付きスロッティングカッターに用いられるように、この取付部材本体がアーバーを介することなく工作機械の主軸に直接装着されるシャンク型の取付部材に本発明を適用することも可能である。
1 カッター本体
1A カッター本体1の一方の側面
1B カッター本体1の他方の側面
1a 取付孔
1b 貫通孔
2 チップポケット
2a チップポケット2のカッター回転方向Tを向く壁面
3 切削インサート
3a 切刃
4 インサート取付座
5 クーラント孔
6 クーラント溝
6A 第1のクーラント溝部
6B 第2のクーラント溝部
6a カッター本体1の内周側を向く第1のクーラント溝部6Aの壁面
6b カッター本体1の内周側を向く第2のクーラント溝部6Bの壁面
11 取付部材本体
11A クーラント供給孔
11a 嵌合孔
11b 挿通孔
11c 収容孔
11d 円環状壁部
11e 円環状溝部
11f 取付ネジ孔
12 フランジ部材
12a 取付ネジ挿通孔
12b 凹部
12c フランジ部材12の内周側を向く凹部12bの壁面
13 クランプボルト
13a クランプボルト13のネジ軸部
13b クランプボルト13の頭部
13c 係合孔部
13d 流通孔
14 取付ネジ
O カッタ本体1の軸線
T カッター回転方向
C 取付孔1aの中心線

Claims (4)

  1. 軸線回りにカッター回転方向に回転させられる上記軸線を中心とした円板状のカッター本体の外周部にチップポケットが形成されており、このチップポケットのカッター回転方向を向く壁面の外周端に、上記軸線方向の切刃長が上記カッター本体の外周部の上記軸線方向の厚さよりも大きい切刃が設けられるとともに、上記カッター本体には、該カッター本体の2つの側面のうち一方の側面の内周部から上記カッター本体内を外周側に延びて開口するクーラント孔と、上記一方の側面における上記クーラント孔の開口部よりも内周側に貫通孔とが形成されたクーラント孔付きスロッティングカッターが、上記一方の側面を先端側に向けて取り付けられるクーラント孔付きスロッティングカッターの取付部材であって、
    上記軸線を中心とする円筒状に形成されて、この軸線を同軸とした状態で、内周部に上記貫通孔と連通するクーラント供給孔が形成された取付部材本体と、
    上記軸線を中心とする円板状に形成されて、この軸線を同軸とした状態で上記カッター本体を上記取付部材本体の先端面との間に挟み込むようにして取り付けるフランジ部材とを備え、
    上記フランジ部材の上記取付部材本体側を向く後端面には、内周部が上記貫通孔に連通するとともに外周部は上記カッター本体の内周部における上記クーラント孔の開口部と連通する上記後端面から凹んだ凹部が形成されており、
    上記カッター本体の内周部における上記クーラント孔の開口部は上記一方の側面から凹む溝状に形成されたクーラント溝とされるとともに、
    上記軸線方向に上記後端面に対向する方向から見たときの上記フランジ部材の内周側を向く上記凹部の壁面は、上記軸線方向に上記一方の側面に対向する方向から見たときの上記カッター本体の内周側を向く上記クーラント溝の壁面と合同、または上記軸線方向に上記一方の側面に対向する方向から見たときの上記カッター本体の内周側を向く上記クーラント溝の壁面よりも大きな相似形である、クーラント孔付きスロッティングカッターの取付部材。
  2. 上記取付部材本体の先端面には、この先端面から突出して上記カッター本体の貫通孔に嵌め入れられる円環状壁部が上記クーラント供給孔の開口部の外周に形成されていることを特徴とする請求項に記載のクーラント孔付きスロッティングカッターの取付部材。
  3. 上記取付部材本体の先端面には、この先端面から凹む円環状溝部が上記円環状壁部の外周側に隣接して形成されていることを特徴とする請求項に記載のクーラント孔付きスロッティングカッターの取付部材。
  4. 軸線回りにカッター回転方向に回転させられる上記軸線を中心とした円板状のカッター本体の外周部にチップポケットが形成されており、このチップポケットのカッター回転方向を向く壁面の外周端に、上記軸線方向の切刃長が上記カッター本体の外周部の上記軸線方向の厚さよりも大きい切刃が設けられるとともに、上記カッター本体には、該カッター本体の2つの側面のうち一方の側面の内周部から上記カッター本体内を外周側に延びて開口するクーラント孔と、上記一方の側面における上記クーラント孔の開口部よりも内周側に貫通孔とが形成されたクーラント孔付きスロッティングカッターが、上記一方の側面を先端側に向けて取り付けられるクーラント孔付きスロッティングカッターの取付部材であって、
    上記軸線を中心とする円筒状に形成されて、この軸線を同軸とした状態で、内周部に上記貫通孔と連通するクーラント供給孔が形成された取付部材本体と、
    上記軸線を中心とする円板状に形成されて、この軸線を同軸とした状態で上記カッター本体を上記取付部材本体の先端面との間に挟み込むようにして取り付けるフランジ部材とを備え、
    上記フランジ部材の上記取付部材本体側を向く後端面には、内周部が上記貫通孔に連通するとともに外周部は上記カッター本体の内周部における上記クーラント孔の開口部と連通する上記後端面から凹んだ凹部が形成されており、
    上記取付部材本体の先端面には、この先端面から突出して上記カッター本体の貫通孔に嵌め入れられる円環状壁部が上記クーラント供給孔の開口部の外周に形成され、
    上記取付部材本体の先端面には、この先端面から凹む円環状溝部が上記円環状壁部の外周側に隣接して形成されている、クーラント孔付きスロッティングカッターの取付部材。
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