JP7493723B2 - 認知機能評価プログラム、認知機能評価装置、認知機能評価システム、及び認知機能評価方法 - Google Patents

認知機能評価プログラム、認知機能評価装置、認知機能評価システム、及び認知機能評価方法 Download PDF

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特許法第30条第2項適用 (1)2020年5月27日に発行された「ロボティクス・メカトロニクス講演会2020」の予稿集にて公開 (2)2020年5月29日にオンラインで開催された「ロボティクス・メカトロニクス講演会2020」にて発表
本発明は、認知機能評価プログラム、認知機能評価装置、認知機能評価システム、及び認知機能評価方法に関するものである。
世界には認知機能の低下した人が多くいる。認知機能の低下が比較的大きい重度認知症患者が存在する一方で、認知機能の低下が比較的軽度である軽度認知症患者も存在する。軽度認知症患者は早期に適切な予防対策を行うことにより認知機能が比較的高いいわゆる健常者に戻る場合がある一方で、放置した場合には認知機能が更に低下する場合があることが知られている。そのため、例えば認知機能の低下の予防といった観点から、認知機能を評価することが求められている。
特開2019-103617
特許文献1の背景技術には、握力と認知症の重症度との間に有意な相関が存在することが知られていることが記載されている。しかしながら、特許文献1の発明が解決しようとする課題に記載のように、従来の手法では、直立した状態で腕を下し、握力計を力いっぱい握りしめるといった行動をとる必要があり、被験者によってはこうした行動を行えないという理由から、握力に基づいて認知症の重症度を評価する技術は実現が困難であると考えるのが技術常識であった。こうした技術常識に基づいて、特許文献1では握力に関する情報を用いずに、腕の運動範囲に基づいて認知症の重症度を評価しようとしている。
一方で、病院及びリハビリテーションの現場では、被験者、医療従事者、及び療法士といった関係者の負担が少ない形態で認知機能を評価する手法の開発が求められている。本発明者らは、手指の動きの調節を測定することが関係者に対する負担の少ないこと、及び認知機能に関連性があることに着目して、認知機能の高低によらずに実行しやすい手指の力に基づいた手法により認知機能を評価するという、従来にない手法を模索してきた。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、認知機能の高低によらずに実行しやすい手法により認知機能の評価をすることができる認知機能評価プログラム、認知機能評価装置、認知機能評価システム、及び認知機能評価方法を提供することにある。
第1の発明の認知機能評価プログラムは、認知機能評価プログラムであって、認知機能評価プログラムが、プロセッサにより実行されたときに、プロセッサに、運動学習度推移データに基づいて被験者の認知機能を評価する評価工程を実行させるように構成されており、運動学習度推移データが、力測定装置に加える手指の力を指示するための経時的に変化する目標値を被験者に対して表示装置により表示することと、目標値に追従するように被験者により調節される手指の力の測定値を力測定装置により測定することと、測定値を目標値に重ねてリアルタイムで被験者に対して表示装置により表示することとを含む力調節試験を複数回数実行することにより取得された、各力調節試験における経時的な測定値と目標値との変化を表す測定データから導出されたものである、認知機能評価プログラムである。
第2の発明の認知機能評価装置は、認知機能評価装置であって、認知機能評価装置が、認知機能評価プログラムを記憶した記憶装置と、プロセッサと、を備え、認知機能評価プログラムが、プロセッサにより実行されたときに、プロセッサに、運動学習度推移データに基づいて被験者の認知機能を評価する評価工程を実行させるように構成されており、運動学習度推移データが、力測定装置に加える手指の力を指示するための経時的に変化する目標値を被験者に対して表示装置により表示することと、目標値に追従するように被験者により調節される手指の力の測定値を力測定装置により測定することと、測定値を目標値に重ねてリアルタイムで被験者に対して表示装置により表示することとを含む力調節試験を複数回数実行することにより取得された、各力調節試験における経時的な測定値と目標値との変化を表す測定データから導出されたものである、認知機能評価装置である。
第3の発明の認知機能評価システムは、認知機能評価システムであって、認知機能評価システムが、認知機能評価装置と、力測定装置と、を備え、認知機能評価装置が、認知機能評価プログラムを記憶した記憶装置と、プロセッサと、表示装置と、を備え、認知機能評価プログラムが、プロセッサにより実行されたときに、プロセッサに、力測定装置に加える手指の力を指示するための経時的に変化する目標値を被験者に対して表示装置により表示することと、目標値に追従するように被験者により調節される手指の力の測定値を力測定装置により測定することと、測定値を目標値に重ねてリアルタイムで被験者に対して表示装置により表示することとを含む力調節試験を複数回数実行させることにより、各力調節試験における経時的な測定値と目標値との変化を表す測定データを取得させる測定データ取得工程と、測定データから導出された運動学習度推移データに基づいて被験者の認知機能を評価する評価工程と、を実行させる、認知機能評価システムである。
第4の発明の認知機能評価方法は、コンピュータにより実行される認知機能評価方法であって、認知機能評価方法が、運動学習度推移データに基づいて被験者の認知機能を評価する評価工程を含み、運動学習度推移データが、力測定装置に加える手指の力を指示するための経時的に変化する目標値を被験者に対して表示装置により表示することと、目標値に追従するように被験者により調節される手指の力の測定値を力測定装置により測定することと、測定値を目標値に重ねてリアルタイムで被験者に対して表示装置により表示することとを含む力調節試験を複数回数実行することにより取得された、各力調節試験における経時的な測定値と目標値との変化を表す測定データから導出されたものである、認知機能評価方法である。
この構成によれば、複数回の力調節試験により取得された測定データに基づいて認知機能を評価するので、力調節試験の進行に伴う力調節試験に対する運動学習度の推移を反映して認知機能を評価することができる。力調節試験の反復は、握力計を力いっぱい握る握力測定に比べると、手指の力の調節という繊細な動作を伴うので、詳細な認知機能の評価に適している。力調節試験は表示された目標値に従って手指を動かすだけであるので、認知機能の高低によらずに実行しやすい。つまり、この構成によれば、認知機能の高低によらずに実行しやすい手法により認知機能の評価をすることができる。
本発明によれば、認知機能の高低によらずに実行しやすい手法により認知機能の評価をすることができる認知機能評価プログラム、認知機能評価装置、認知機能評価システム、及び認知機能評価方法を提供することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る認知機能評価システムの概略構成図である。 図2は、第1実施形態の認知機能評価方法のフローチャートである。 図3は、第1実施形態の力調節試験において表示装置に表示される目標値グラフ及び測定値グラフの例である。 図4は、認知機能が比較的高い被験者に対するブロック番号とブロック内平均値との関係を表す棒グラフ、及び、試験ブロックの進行に伴うブロック内平均値の変化の近似式に対応した学習曲線を示す。 図5は、認知機能が比較的低い被験者に対するブロック番号とブロック内平均値との関係を表す棒グラフ、及び、試験ブロックの進行に伴うブロック内平均値の変化の近似式に対応した学習曲線を示す。 図6は、実験により複数の被験者に対して取得された特徴値cと決定係数Rとの関係を表す例示的なグラフである。 図7は、実験により複数の被験者に対して取得された特徴値cと特徴値bとの関係を表す例示的なグラフである。 図8は、第3実施形態の認知機能評価方法のフローチャートである。 図9は、第4実施形態の認知機能評価方法のフローチャートである。 図10は、第5実施形態の認知機能評価方法のフローチャートである。 図11は、第6実施形態の認知機能評価方法のフローチャートである。 図12は、第7実施形態の認知機能評価方法のフローチャートである。 図13は、第8実施形態の認知機能評価方法のフローチャートである。
<第1実施形態>
(概要)
以下、本発明の実施形態に係る認知機能評価プログラム、認知機能評価装置、認知機能評価システム、及び認知機能評価方法について説明する。本実施形態では手指とは手の5本の指の1つ以上を意味する。
図1は、認知機能評価システム100の概略構成図である。認知機能評価システム100は、力測定装置110と認知機能評価装置120とを備える。
(力測定装置)
力測定装置110は、被験者の手指101の力を測定するための装置であり、把握部111と信号制御装置112とを備える。把握部111は、対向する2つの筐体113とヒンジ114と板バネ115とを備える。各筐体113は、円筒の一部を切り取ったような形状をもち、円筒の長軸に直交する断面が扇の弧状となっている。長軸に直交する断面で見たときの2つの筐体113のそれぞれの一端がヒンジ114で結合されている。2つの筐体113は、ヒンジ114を中心として互いに近づくように及び離れるように開閉可能に構成されている。
2つの筐体113には複数の板バネ115が結合されている。1つ以上の板バネ115が、一方の筐体113におけるヒンジ114に近い方の端部から、他方の筐体113におけるヒンジ114から遠い方の端部まで延びている。別の1つ以上の板バネ115が、他方の筐体113におけるヒンジ114に近い方の端部から、一方の筐体113におけるヒンジ114から遠い方の端部まで延びている。初期状態では2つの筐体113がある程度開いた状態にあり、板バネ115は無負荷の状態にある。
2つの筐体113を近づける方向において、手指101により印加される力が大きくなると板バネ115の変形が大きくなり、2つの筐体113を元に戻そうとする弾性力が大きくなる。2つの筐体113を近づける方向における手指101により印加される力が小さくなると板バネ115の変形が小さくなり、2つの筐体113を元に戻そうとする弾性力が弱くなる。各板バネ115に取り付けられた歪みセンサー116が板バネ115の歪みを検出して歪みに応じた信号を出力する。
信号制御装置112は歪みセンサー116からの信号を増幅して認知機能評価装置120に送信する。信号制御装置112からの出力は、筐体113を近づける方向における手指101により印加される力の大きさを表す。本実施形態では、一方の筐体113が親指で押され、他方の筐体113を残りの4つの指のうちの1つ以上で押される。手のひらは把握部111に触れない状態であることが好ましい。本実施形態では、2本以上の手指101を相互に近づける及び遠ざけるように動かされたときに、弾性体がどのように変形するかにより手指101の力の大きさが測定される。
図1に示す力測定装置110は例示であり、他の構成を備えてもよい。筐体113は円筒以外の形状であってもよく、例えば平板その他の形状であってもよい。力の測定に使用される弾性体はコイルバネやゴムといった板バネ115以外の弾性体であってもよい。力測定装置110は、手指101の力の大きさを測定可能な様々な構成を備えるものであってよい。
(認知機能評価装置)
認知機能評価装置120は、表示装置121と通信装置122と記憶装置123とプロセッサ124とを備える。認知機能評価装置120の一部又は全部を1つのコンピュータと捉えることもできる。認知機能評価装置120の複数の構成要素が別々の装置により実現されてもよい。
表示装置121は、プロセッサ124により制御されて種々の情報を表示する。表示装置121は、限定されないが、例えば、タッチパネル式ディスプレイ、表示専用ディスプレイ、テレビを包含する。
通信装置122は、プロセッサ124により制御されて、プロセッサ124と力測定装置110の信号制御装置112との間の通信を可能にする。通信装置122の通信方式は、限定されないが、例えば、有線(例えば、光ファイバ、電話回線、電力線)、無線(例えば、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、移動体通信回線、赤外線通信、近距離無線通信)、及びこれらの組み合わせを包含する。
記憶装置123は、認知機能評価プログラム131と評価モデル132と目標データ133と運動学習度推移データ134とを記憶している。記憶内容については認知機能評価方法の説明で詳細に説明する。記憶装置123は、限定されないが、例えば、読み出し専用メモリ、読み書き可能なメモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、有形の非一時的記録媒体、及びこれらの組み合わせを包含する。
プロセッサ124は、表示装置121、通信装置122、記憶装置123、及び視線データ取得装置125を制御するとともに、記憶装置123から認知機能評価プログラム131を読み出して実行することにより、認知機能評価部141として機能する。認知機能評価部141は、後述の認知機能評価方法を実施する。
本実施形態の認知機能評価装置120は、タブレット型のコンピュータである。認知機能評価装置120は、限定されないが、例えば、分散型コンピュータ、サーバー用コンピュータ、デスクトップパソコン、スマートフォン、携帯情報端末、ラップトップパソコン、タブレットパソコン、テレビ、及びこれらの組み合わせであってもよい。
視線データ取得装置125は、被験者の眼球の動き、視線といった目に関する情報を取得することが可能な装置である。視線データ取得装置125は、例えば限定されないが、撮像装置である。撮像装置は、例えば、静止画像撮影カメラ、動画像撮影カメラ、赤外線カメラである。視線データ取得装置125は、一例において視線データを取得する専用装置である。視線データ取得装置125を使用した実施形態については、後述の第8実施形態として説明する。
(認知機能評価方法)
以下、認知機能評価方法を説明する。
図2は、認知機能評価方法のフローチャートである。
ステップST11:
認知機能評価部141は、ステップST11において測定データ取得工程を実行することにより測定データ151を取得する。測定データ151は力調節試験を複数回数実行することにより取得される。各力調節試験は、力測定装置110に加える手指101の力を指示するための経時的に変化する目標値を被験者に対して表示装置121により表示することと、目標値に追従するように被験者により調節される手指101の力の測定値を力測定装置110により測定することと、測定値を目標値に重ねてリアルタイムで被験者に対して表示装置121により表示することとを含む。測定データ151は、各力調節試験における経時的な測定値と目標値との変化を表す。
測定データ取得工程の詳細について説明する。測定データ取得工程では、力調節試験は複数回(例えば10回)の試験ブロックにわたって実行される。1回の試験ブロックは1回以上の力調節試験により構成される。例えば1回の試験ブロックは連続した1回以上(例えば5回)の力調節試験を含む。連続したというのは、順序が連続していることを意味するのであって、力調節試験間に時間的に間隔が設けられてもよい。本例では各力調節試験はいずれか1つの試験ブロックに割り当てられる。
図3は1回の力調節試験において表示装置121により表示される目標値グラフ161(一点破線)及び測定値グラフ162(実線)の例である。縦軸は力(単位:グラム)を表し、横軸は時間(単位:秒)を表す。認知機能評価部141は、力調節試験の開始前に目標データ133(図1)を読み出して目標値グラフ161の全体を表示しておく。認知機能評価部141は、測定の開始(0秒)から終了(23秒)まで、力測定装置110により検出された力の測定値を測定値グラフ162としてリアルタイムに描画する。なお、リアルタイムとは、測定から表示までいくらかの時間差が生じる場合も包含する。本実施形態では全ての力調節試験において同じ目標値が使用されるが、他の例において異なる目標値が使用されてもよい。
被験者は表示装置121を見ながら、測定値グラフ162により示される実際の力の測定値が、目標値グラフ161により示される目標値に一致するように、手指101の力を調節する。認知機能評価部141は、各力調節試験における経時的な測定値及び目標値の変化を測定データ151として取得する。1回の試験ブロック内の力調節試験の間に休止期間が設けられてもよい。試験ブロック間に休止期間が設けられてもよい。
力調節試験には、複数の試験ブロックにわたって、時間的に早いほうから昇順に1から始まる連続した整数の試験番号が割り当てられる。例えば、各試験ブロックに5回の力調節試験が行われ、10回の試験ブロックが行われる場合、50回の力調節試験にそれぞれ1~50のいずれかの試験番号が割り当てられる。試験ブロックには、時間的に早いほうから昇順に(すなわち、早いほうから順に1、2、3、…など)ブロック番号と呼ばれる番号が割り当てられる。
ステップST12:
次に、認知機能評価部141は、ステップST12において試験内平均値算出工程を実行することにより、複数の試験内平均値を算出する。各試験内平均値は、1つの力調節試験に対応する。各試験内平均値は、対応する1つの力調節試験における目標値と測定値との差の絶対値の平均値である。算出された複数の試験内平均値は、試験内平均値データ152として記憶される。
例えば、試験内平均値は式1により算出される。
mは試験番号である。AGFは、試験番号mの力調節試験における試験内平均値である。各力調節試験において、測定値が測定されたタイミングでの測定値と目標値との組み合わせに対して、時間的に早いほうから昇順に1から始まる測定番号が割り当てられる。Nは測定番号の最終値である。kは1からNまでの測定番号をとる。f(k)は測定番号kに対応した目標値である。f(k)は測定番号kに対応した測定値である。
ステップST13:
次に、認知機能評価部141は、ステップST13においてブロック内平均値算出工程を実行することにより、複数のブロック内平均値を算出する。各ブロック内平均値は、1つの試験ブロックに対応する。各ブロック内平均値は、対応する1つの試験ブロックに含まれる力調節試験に対応した試験内平均値の平均値である。算出された複数のブロック内平均値は、ブロック内平均値データ153として記憶される。
例えば、ブロック内平均値は式2により算出される。
AGF(n)はブロック番号nの試験ブロックにおけるブロック内平均値である。Dは1回の試験ブロックにおける力調節試験の総数である。kは1からDまでの値をとる。AGFD(n-1)+kは試験番号D(n-1)+kの力調節試験における試験内平均値である。例えば、D=5の場合、AGF(1)は試験番号1~5の力調節試験における試験内平均値の平均値であり、AGF(2)は試験番号6~10の力調節試験における試験内平均値の平均値である。
図4の棒グラフは、認知機能が比較的高い被験者(本例では健常者とも呼ばれる)に対するブロック番号とブロック内平均値との関係を表す。ブロック内平均値は、AGF(Adjustability for Grasping Force)とも呼ばれる。図5は認知機能が比較的低い被験者(例えば重度認知症患者又は軽度認知症患者)に対するブロック番号とブロック内平均値との関係を表す。認知機能評価部141は、医師、看護師などの医療従事者といった認知機能評価システム100のユーザーの参考のために、表示装置121に図4及び図5の棒グラフを表示してもよく、表示しなくてもよい。
ステップST14:
次に、認知機能評価部141は、ステップST14において近似式の特徴値を算出する第1近似工程を実行する。近似式は、試験ブロックの進行に伴うブロック内平均値の変化を表す。特徴値は、近似式の特徴を表す。算出された特徴値は、ブロック特徴値データ154として記憶される。
近似式は、例えば式3により表される。
yはブロック番号nの関数であり、AGF(n)の近似式である。すなわち、yはnに代入されたブロック番号に対応した試験ブロックのブロック内平均値の近似値を与える。eはネイピア数を表す。特徴値a、特徴値b、特徴値cが式3で表される近似式の特徴値である。近似式は種々の手法により算出可能である。さらに、近似式に対する決定係数Rが算出されてもよい。yはa+cからcに向かって、bに応じた速度で減少する。
他の例において、近似式は他の形式により表されてもよい。例えば、近似式はnを変数とする多項式で表され、多項式の各項の係数が特徴値とされてもよい。
図4の学習曲線は、実験例における、認知機能が比較的高い被験者に対する、試験ブロックの進行に伴うブロック内平均値の変化の近似式に対応する。図5の学習曲線は、実験例における、認知機能が比較的低い被験者に対する、試験ブロックの進行に伴うブロック内平均値の変化の近似式に対応する。図5の被験者に比べると図4の被験者の方が、式3によってより近く近似されており(例えば決定係数により判別される)、ブロック内平均値がより速く減衰しており、最終的にブロック内平均値がより低く減衰している。このように、認知機能の評価と近似式に相関が見られる。
ステップST15:
次に、認知機能評価部141は、ステップST15において評価工程を実行する。認知機能評価部141は、評価工程において、運動学習度推移データ134に基づいて被験者の認知機能を評価する。運動学習度推移データ134は、測定データ151から導出されたものである。本明細書において測定データ151から導出されるということは、測定データ151そのものを使用することを包含する。本実施形態では、運動学習度推移データ134が、試験ブロックの進行に伴うブロック内平均値の変化の近似式の特徴を表す特徴値を含む。
認知機能評価部141は、評価モデル132を使用して認知機能を評価する。評価モデル132は、認知機能の評価の知られた複数の人に対する運動学習度推移データ134に基づいて機械学習により作成されている。評価モデル132は、運動学習度推移データ134を含む入力に基づいて認知機能を評価するように構成されている。運動学習度とは被験者が力調節試験をどの程度学習したかを表す。
図6は、実験により複数の被験者に対して取得された特徴値c(横軸)と決定係数R(縦軸)との関係を表す例示的なグラフである。グラフ上の各点は異なる被験者に対応する。丸印で囲まれている点は、認知機能が比較的軽度に低下している軽度認知症の被験者のデータである。四角で囲まれている点は、認知機能が比較的重度に低下している認知症の被験者のデータである。囲まれていない点は、認知機能が比較的高い健常者である被験者のデータである。認知機能の低い被験者の特徴値cは大きく、認知機能の高い被験者の特徴値cは小さいという傾向が見られる。認知機能の高い被験者に対応する点は左上に多く見られる。認知機能の評価とグラフで点が配置される領域とに関係性があることが見られる。
図7は、実験により複数の被験者に対して取得された特徴値c(横軸)と特徴値b(縦軸)との関係を表す例示的なグラフである。グラフ上の各点は異なる被験者に対応する。丸印で囲まれている点は、認知機能が比較的軽度に低下している軽度認知症の被験者のデータである。四角で囲まれている点は、認知機能が比較的重度に低下している認知症の被験者のデータである。囲まれていない点は、認知機能が比較的高い健常者である被験者のデータである。認知機能の低い被験者の特徴値cは大きく、認知機能の高い被験者の特徴値cは小さいという傾向が見られる。認知機能の高い被験者に対応する点は左上に多く見られる。認知機能の評価とグラフで点が配置される領域とに関係性があることが見られる。
図6及び図7では、例えば多項式関数その他の直線又は曲線で領域を分けることにより、新たな被験者のデータが取得されたときに、取得されたデータがどの領域に入るかによって認知機能の違いを評価することが可能である。例えば、図6及び図7において、丸印又は四角により囲まれている認知機能の比較的低い被験者と、丸印及び四角により囲まれていない認知機能の比較的高い被験者との二段階に分ける場合を例に挙げる。その例において、例えば、機械学習により境界となる直線を決定し、その結果を評価モデルに使用することにより、新たな被験者がどの直線のどちら側に入るかによって認知機能の高低を評価することができる。これは一例に過ぎず、例えば複雑な曲線、ドーナツ型の領域などを用いて、評価モデルの作成のための教師データを厳密に分類する境界を決定してもよい。また、複数の領域に区切ることにより多段階に認知機能を評価してもよい。また、他の手法により分類してもよい。
本実施形態では、取得された特徴値に基づいて認知機能を評価するために、機械学習により作成された評価モデル132が使用される。評価モデル132の機械学習には、例えば、人工ニューラルネットワーク(ANN)などが使用される。機械学習の教師データとして、運動学習度推移データ134と対応する認知機能の評価とが使用される。
評価モデル132は認知機能の評価を出力する。認知機能の評価として、種々の認知機能検査の結果が利用可能である。認知機能検査は、改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)、ミニメンタルステート検査(MMSE)、日本語版MoCA(MoCA-J)、臨床認知症評価尺度(CDR)を包含するが、これらに限定されない。認知機能の評価の切り分けとしては、例えば、健常者と認知症患者とを数値により切り分ける方法、健常者と軽度認知症患者と重度認知症患者とを数値により切り分ける方法、認知機能の程度に応じてさらに細かく数値により切り分ける方法などが挙げられる。
評価モデル132は、更に認知機能の評価の知られた複数の人に対する基礎データに基づいて機械学習により作成されてもよい。その場合、評価モデル132は、基礎データと運動学習度推移データ134とを含む入力に基づいて認知機能を評価するように構成される。基礎データは、例えば、性別、年齢、利き手を包含するが、これらに限定されない。基礎データを利用することにより、更に詳細に認知機能を評価することができる。
ステップST16:
次に、認知機能評価部141は、ステップST16において表示工程を実行する。表示工程では、認知機能評価部141は、表示装置121に認知機能の評価結果を表示させる。なお、認知機能の評価結果は、記憶装置123に記憶されるなど、別の手法により出力されてもよい。
(まとめ)
本実施形態によれば、複数回の力調節試験により取得された測定データ151に基づいて認知機能を評価するので、力調節試験の進行に伴う力調節試験に対する運動学習度の推移を反映して認知機能を評価することができる。力調節試験の反復は、握力計を力いっぱい握る握力測定に比べると、手指101の力の調節という繊細な動作を伴うので、詳細な認知機能の評価に適している。力調節試験は表示された目標値に従って手指101を動かすだけであるので、認知機能の高低によらずに実行しやすい。つまり、この構成によれば、認知機能の高低によらずに実行しやすい手法により認知機能の評価をすることができる。
この構成によれば、認知機能の評価の知られた複数の人に対する運動学習度推移データ134に基づいて機械学習により作成された評価モデル132が使用されるので、複数の人の情報を反映して認知機能を評価することができる。
この構成によれば、試験ブロックの進行に伴うブロック内平均値の変化の近似式に基づいて、力調節試験に対する運動学習度の推移を反映して認知機能を評価することができる
この構成によれば、運動学習度推移データ134が、指数関数を含む近似式を特徴付ける特徴値aと特徴値bと特徴値cとのうちの少なくとも1つを含むので、指数関数を含む近似式に基づいて、力調節試験に対する運動学習度の推移を反映して認知機能の程度を評価することができる。
この構成によれば、試験内平均値算出工程とブロック内平均値算出工程と第1近似工程とを含むので、試験ブロックの進行に伴うブロック内平均値の変化の近似式に基づいて、力調節試験に対する運動学習度の推移を反映して認知機能を評価することができる。
<第2実施形態>
本実施形態では、評価モデル132は、認知機能の評価の知られた複数の人に対する運動学習度推移データ134に基づいて多変量解析により作成されたものである。多変量解析の例として、回帰分析、回帰木を使用する手法が挙げられるが、これらに限定されない。本実施形態は、他の点において、第1実施形態と同様である。なお、機械学習と多変量解析とに共通して包含される手法が存在してもよい。
(まとめ)
この構成によれば、認知機能の評価の知られた複数の人に対する運動学習度推移データ134に基づいて多変量解析により作成された評価モデル132が使用されるので、複数の人の情報を反映して認知機能を評価することができる。
<第3実施形態>
第1実施形態(図1)との相違点を中心として第3実施形態について説明する。本実施形態は、認知機能評価プログラム131により実行される認知機能評価方法が第1実施形態の場合と異なる。図8は本実施形態の認知機能評価方法のフローチャートである。
ステップST21:
認知機能評価部141は、ステップST21において、第1実施形態と同様に測定データ取得工程を実行することにより測定データ151を取得する。
ステップST22:
次に、認知機能評価部141は、ステップST22において、第1実施形態と同様に試験内平均値算出工程を実行することにより、複数の試験内平均値を算出する。
ステップST23:
次に、認知機能評価部141は、ステップST23において、第1実施形態と同様にブロック内平均値算出工程を実行することにより、複数のブロック内平均値を算出する。
ステップST24:
次に、認知機能評価部141は、ステップST24において評価工程を実行する。本実施形態では、第1実施形態と同様の評価モデル132が使用されるが、運動学習度推移データ134の内容が第1実施形態の場合と異なる。本実施形態では、評価モデル132に入力される運動学習度推移データ134は、ステップST23において算出された複数のブロック内平均値を含む。これに対応して、評価モデル132の作成に使用される運動学習度推移データ134も複数のブロック内平均値を含む。
ステップST25:
次に、認知機能評価部141は、ステップST25において、第1実施形態と同様に表示工程を実行する。
本実施形態によると、例えば第1実施形態といった他の実施形態とは異なる視点から認知機能を評価することができる。例えば本実施形態において第1近似工程を含まない場合、第1実施形態に比べて測定データに近い情報から認知機能を評価することができ、更に、処理時間を短くすることができる。
(まとめ)
この構成によれば、複数のブロック内平均値に基づいて、力調節試験に対する運動学習度の推移を反映して認知機能を評価することができる。
<第4実施形態>
第1実施形態(図1)との相違点を中心として第4実施形態について説明する。本実施形態は、認知機能評価プログラム131により実行される認知機能評価方法が第1実施形態の場合と異なる。図9は本実施形態の認知機能評価方法のフローチャートである。
ステップST31:
認知機能評価部141は、ステップST31において、第1実施形態と同様に測定データ取得工程を実行することにより測定データ151を取得する。
ステップST32:
次に、認知機能評価部141は、ステップST32において、第1実施形態と同様に試験内平均値算出工程を実行することにより、複数の試験内平均値を算出する。
ステップST33:
次に、認知機能評価部141は、ステップST33において近似式の特徴値を算出する第2近似工程を実行する。近似式は、力調節試験の進行に伴う試験内平均値の変化を表す。特徴値は、近似式の特徴を表す。算出された特徴値は、試験特徴値データ155として記憶される。
近似式は、例えば式4により表される。
yは試験番号mの関数であり、mに応じたAGFの変化を近似する。すなわち、yはmに代入された試験番号に対応した力調節試験の試験内平均値の近似値を与える。eはネイピア数を表す。特徴値a、特徴値b、特徴値cが式4で表される近似式の特徴値である。近似式は種々の手法により算出可能である。さらに、近似式に対する決定係数Rが算出されてもよい。yはa+cからcに向かって、bに応じた速度で減少する。
他の例において、近似式は他の形式により表されてもよい。例えば、近似式はnを変数とする多項式で表され、多項式の各項の係数が特徴値とされてもよい。本実施形態の近似式に対応した学習曲線は、第1実施形態の図4及び図5における学習曲線に類似した傾向を示す。第1実施形態のようにブロック内平均値に基づいて近似式を導出した場合には、本実施形態に比べて学習曲線が平滑化される。本実施形態のように試験内平均値に基づいて近似式を導出した場合には第1実施形態に比べて試験内平均値の細かい変化が近似式に反映される。
ステップST34:
次に、認知機能評価部141は、ステップST34において評価工程を実行する。本実施形態では、第1実施形態と同様の評価モデル132が使用されるが、運動学習度推移データ134の内容が第1実施形態の場合と異なる。本実施形態では、評価モデル132に入力される運動学習度推移データ134は、ステップST33において算出された近似式の特徴値を含む。これに対応して、評価モデル132の作成に使用される運動学習度推移データ134も、力調節試験の進行に伴う試験内平均値の変化の近似式の特徴を表す特徴値を含む。
ステップST35:
次に、認知機能評価部141は、ステップST35において、第1実施形態と同様に表示工程を実行する。
本実施形態によると、例えば第1実施形態といった他の実施形態とは異なる視点から認知機能を評価することができる。例えば本実施形態においてブロック内平均値算出工程を含まない場合、第1実施形態に比べて測定データに近い情報から認知機能を評価することができ、更に、処理時間を短くすることができる。
(まとめ)
本実施形態によれば、力調節試験の進行に伴う試験内平均値の変化の近似式に基づいて、力調節試験に対する運動学習度の推移を反映して認知機能を評価することができる。
本実施形態によれば、運動学習度推移データ134が、指数関数を含む近似式を特徴付ける特徴値aと特徴値bと特徴値cとのうちの少なくとも1つを含むので、指数関数を含む近似式に基づいて、力調節試験に対する運動学習度の推移を反映して認知機能の程度を評価することができる。
<第5実施形態>
第1実施形態(図1)との相違点を中心として第5実施形態について説明する。本実施形態は、認知機能評価プログラム131により実行される認知機能評価方法が第1実施形態の場合と異なる。図10は本実施形態の認知機能評価方法のフローチャートである。
ステップST41:
認知機能評価部141は、ステップST41において、第1実施形態と同様に測定データ取得工程を実行することにより測定データ151を取得する。
ステップST42:
次に、認知機能評価部141は、ステップST42において、第1実施形態と同様に試験内平均値算出工程を実行することにより、複数の試験内平均値を算出する。
ステップST43:
次に、認知機能評価部141は、ステップST43において評価工程を実行する。本実施形態では、第1実施形態と同様の評価モデル132が使用されるが、運動学習度推移データ134の内容が第1実施形態の場合と異なる。本実施形態では、評価モデル132に入力される運動学習度推移データ134は、ステップST42において算出された複数の試験内平均値を含む。これに対応して、評価モデル132の作成に使用される運動学習度推移データ134も複数の試験内平均値を含む。
ステップST44:
次に、認知機能評価部141は、ステップST44において、第1実施形態と同様に表示工程を実行する。
本実施形態によると、例えば第1実施形態及び第4実施形態といった他の実施形態とは異なる視点から認知機能を評価することができる。例えば本実施形態においてブロック内平均値算出工程、第1近似工程、及び第2近似工程を含まない場合、第1実施形態及び第4実施形態に比べて測定データに近い情報から認知機能を評価することができ、更に、処理時間を短くすることができる。
(まとめ)
この構成によれば、複数の試験内平均値に基づいて、力調節試験に対する運動学習度の推移を反映して認知機能を評価することができる。
<第6実施形態>
第1実施形態(図1)との相違点を中心として第6実施形態について説明する。本実施形態は、認知機能評価プログラム131により実行される認知機能評価方法が第1実施形態の場合と異なる。図11は本実施形態の認知機能評価方法のフローチャートである。
ステップST51:
認知機能評価部141は、ステップST51において、第1実施形態と同様に測定データ取得工程を実行することにより測定データ151を取得する。
ステップST52:
次に、認知機能評価部141は、ステップST52において評価工程を実行する。本実施形態では、第1実施形態と同様の評価モデル132が使用されるが、運動学習度推移データ134の内容が第1実施形態の場合と異なる。本実施形態では、評価モデル132に入力される運動学習度推移データ134は、ステップST51において取得された測定データ151を含む。これに対応して、評価モデル132の作成に使用される運動学習度推移データ134も測定データ151を含む。
ステップST53:
次に、認知機能評価部141は、ステップST53において、第1実施形態と同様に表示工程を実行する。
本実施形態によると、例えば第1実施形態といった他の実施形態とは異なる視点から認知機能を評価することができる。例えば本実施形態において試験内平均値算出工程、ブロック内平均値算出工程、第1近似工程、及び第2近似工程を含まない場合、第1実施形態に比べて測定データに近い情報から認知機能を評価することができ、更に、処理時間を短くすることができる。
(まとめ)
この構成によれば、測定データ151に基づいて、力調節試験に対する運動学習度の推移を反映して認知機能を評価することができる。
<第7実施形態>
第1実施形態(図1)との相違点を中心として第7実施形態について説明する。本実施形態は、認知機能評価プログラム131により実行される認知機能評価方法が第1実施形態の場合と異なる。図12は本実施形態の認知機能評価方法のフローチャートである。
ステップST61:
認知機能評価部141は、ステップST61において、第1実施形態と同様に測定データ取得工程を実行することにより測定データ151を取得する。
ステップST62:
次に、認知機能評価部141は、ステップST62において、第1実施形態と同様に試験内平均値算出工程を実行することにより、複数の試験内平均値を算出する。
ステップST63:
次に、認知機能評価部141は、ステップST63において、第1実施形態と同様にブロック内平均値算出工程を実行することにより、複数のブロック内平均値を算出する。
ステップST64:
次に、認知機能評価部141は、ステップST64において、差分値、分散値、及び平均値算出工程を実行することにより、種々の差分値、分散値、及び平均値を算出する。算出される差分値、分散値、及び平均値は、第1分散値、1つ以上の第1差分値、第2分散値、第3分散値、1つ以上の第2差分値、第4分散値、最終平均値、及び第3差分値のうちの少なくとも1つを含む。算出された差分値、分散値、及び平均値は、差分値、分散値、及び平均値データ156として記憶される。
第1分散値は、複数の試験内平均値(一例において全ての試験内平均値)の分散値である。各第1差分値は、2つの試験内平均値の差である。一例において連続した2つの試験内平均値のすべての組み合わせに対して第1差分値が算出される。第2分散値は、複数の第1差分値(一例において全ての第1差分値)の分散値である。第3分散値は、複数のブロック内平均値(一例において全てのブロック内平均値)の分散値である。各第2差分値は、2つのブロック内平均値の差である。一例において連続した2つのブロック内平均値のすべての組み合わせに対して第2差分値が算出される。第4分散値は、複数の第2差分値(一例において全ての第2差分値)の分散値である。最終平均値は、最後の試験ブロックのブロック内平均値である。第3差分値は、最初の試験ブロックのブロック内平均値と最後の試験ブロックのブロック内平均値との差である。
ステップST65:
次に、認知機能評価部141は、ステップST65において評価工程を実行する。本実施形態では、第1実施形態と同様の評価モデル132が使用されるが、運動学習度推移データ134の内容が第1実施形態の場合と異なる。本実施形態では、評価モデル132に入力される運動学習度推移データ134は、ステップST64において算出された差分値、分散値、及び平均値を含む。これに対応して、評価モデル132の作成に使用される運動学習度推移データ134も差分値、分散値、及び平均値を含む。
ステップST66:
次に、認知機能評価部141は、ステップST66において、第1実施形態と同様に表示工程を実行する。
(まとめ)
この構成によれば、第1分散値と、1つ以上の第1差分値と、第2分散値と、第3分散値と、1つ以上の第2差分値と、第4分散値と、最終平均値と、第3差分値とのうちの少なくとも1つに基づいて、力調節試験に対する運動学習度の推移を反映して認知機能を評価することができる。
<第8実施形態>
第1実施形態(図1)との相違点を中心として第8実施形態について説明する。本実施形態は、認知機能評価プログラム131により実行される認知機能評価方法が第1実施形態の場合と異なる。図13は本実施形態の認知機能評価方法のフローチャートである。
ステップST71:
認知機能評価部141は、ステップST71において、第1実施形態と同様に測定データ取得工程を実行することにより測定データ151を取得するとともに、更に視線データを取得する。視線データは、力調節試験中に測定された視線に関するデータである。認知機能評価部141は、視線データ取得装置125(図1)を制御することにより視線データを取得する。
視線データは、例えば、眼球運動、表示装置121(図1)に表示された現時刻の目標値の表示位置と注視点の位置誤差、現時刻の測定値の表示位置と注視点の位置誤差、及び瞳孔径の大きさの変化を包含するが、これらに限定されない。
ステップST72:
次に、認知機能評価部141は、ステップST72において、第1実施形態と同様に試験内平均値算出工程を実行することにより、複数の試験内平均値を算出する。
ステップST73:
次に、認知機能評価部141は、ステップST73において、第1実施形態と同様にブロック内平均値算出工程を実行することにより、複数のブロック内平均値を算出する。
ステップST74:
次に、認知機能評価部141は、ステップST74において、第1実施形態と同様に第1近似工程を実行することにより、近似式の特徴値を算出する。
ステップST75:
次に、認知機能評価部141は、ステップST75において評価工程を実行する。本実施形態では、第1実施形態と同様の評価モデル132が使用されるが、入力の内容が第1実施形態の場合と異なる。本実施形態では、評価モデル132の入力は運動学習度推移データ134に加えて、ステップST71において取得された視線データを含む。これに対応して、評価モデル132の作成においても運動学習度推移データ134に加えて視線データが使用される。
ステップST76:
次に、認知機能評価部141は、ステップST76において、第1実施形態と同様に表示工程を実行する。
(まとめ)
この構成によれば、眼球運動と認知機能(例えば認知症)に相関があることが知られていることから、運動学習度推移データ134に加えて視線データを利用することにより、更に詳細に、力調節試験に対する運動学習度の推移を反映して認知機能を評価することができる。
他の例において、視線データが、第2実施形態から第7実施形態の運動学習度推移データ134と組み合わされてもよい。
<補足>
以上の説明において別々の実施形態において運動学習度推移データ134に含まれるとして説明されている情報は、組み合わされて認知機能の評価に使用されてもよい。例えば、近似式の特徴値と測定データ151との両方が評価モデル132の入力として使用されてもよい。
本発明の種々の実施態様を付記項として下記の通り例示する。
[付記項1]
認知機能評価プログラムであって、認知機能評価プログラムが、プロセッサにより実行されたときに、プロセッサに、運動学習度推移データに基づいて被験者の認知機能を評価する評価工程を実行させるように構成されており、運動学習度推移データが、力測定装置に加える手指の力を指示するための経時的に変化する目標値を被験者に対して表示装置により表示することと、目標値に追従するように被験者により調節される手指の力の測定値を力測定装置により測定することと、測定値を目標値に重ねてリアルタイムで被験者に対して表示装置により表示することとを含む力調節試験を複数回数実行することにより取得された、各力調節試験における経時的な測定値と目標値との変化を表す測定データから導出されたものである、認知機能評価プログラム。
この構成によれば、複数回の力調節試験により取得された測定データに基づいて認知機能を評価するので、力調節試験の進行に伴う力調節試験に対する運動学習度の推移を反映して認知機能を評価することができる。力調節試験の反復は、握力計を力いっぱい握る握力測定に比べると、手指の力の調節という繊細な動作を伴うので、詳細な認知機能の評価に適している。力調節試験は表示された目標値に従って手指を動かすだけであるので、認知機能の高低によらずに実行しやすい。つまり、この構成によれば、認知機能の高低によらずに実行しやすい手法により認知機能の評価をすることができる。
[付記項2]
評価工程が、認知機能の評価の知られた複数の人に対する運動学習度推移データに基づいて機械学習により作成された評価モデルであって、運動学習度推移データを含む入力に基づいて認知機能を評価するように構成された評価モデルを使用して、認知機能を評価することを含む、付記項1に記載の認知機能評価プログラム。
この構成によれば、認知機能の評価の知られた複数の人に対する運動学習度推移データに基づいて機械学習により作成された評価モデルが使用されるので、複数の人の情報を反映して認知機能を評価することができる。
[付記項3]
評価工程が、認知機能の評価の知られた複数の人に対する運動学習度推移データに基づいて多変量解析により作成された評価モデルであって、運動学習度推移データを含む入力に基づいて認知機能を評価するように構成された評価モデルを使用して、認知機能を評価することを含む、付記項1に記載の認知機能評価プログラム。
この構成によれば、認知機能の評価の知られた複数の人に対する運動学習度推移データに基づいて多変量解析により作成された評価モデルが使用されるので、複数の人の情報を反映して認知機能を評価することができる。
[付記項4]
運動学習度推移データが、試験ブロックの進行に伴うブロック内平均値の変化の近似式の特徴を表す特徴値を含み、各ブロック内平均値が、1つの試験ブロックに対応し各試験ブロックが、1つ以上の連続した力調節試験を含み、各ブロック内平均値が、対応する1つの試験ブロックに含まれる力調節試験に対応した試験内平均値の平均値であり、各試験内平均値が、1つの力調節試験に対応し、各試験内平均値が、対応する1つの力調節試験における目標値と測定値との差の絶対値の平均値である、付記項2又は付記項3に記載の認知機能評価プログラム。
この構成によれば、試験ブロックの進行に伴うブロック内平均値の変化の近似式に基づいて、力調節試験に対する運動学習度の推移を反映して認知機能を評価することができる。
[付記項5]
近似式が、
y=a×e(-b(n-1))+c
と表され、試験ブロックに時間的に早いほうから昇順に1から始まる連続した整数のブロック番号が割り当てられており、nはブロック番号を表し、yはnに代入されたブロック番号に対応した試験ブロックのブロック内平均値の近似値を与え、運動学習度推移データが、特徴値aと特徴値bと特徴値cとのうちの少なくとも1つを含む、付記項4に記載の認知機能評価プログラム。
この構成によれば、運動学習度推移データが、指数関数を含む近似式を特徴付ける特徴値aと特徴値bと特徴値cとのうちの少なくとも1つを含むので、指数関数を含む近似式に基づいて、力調節試験に対する運動学習度の推移を反映して認知機能の程度を評価することができる。
[付記項6]
認知機能評価プログラムが、プロセッサにより実行されたときに、プロセッサに、試験内平均値を算出する試験内平均値算出工程と、ブロック内平均値を算出するブロック内平均値算出工程と、近似式の特徴値を算出する第1近似工程と、を実行させるように構成されている、付記項4又は付記項5に記載の認知機能評価プログラム。
この構成によれば、試験内平均値算出工程とブロック内平均値算出工程と第1近似工程とを含むので、試験ブロックの進行に伴うブロック内平均値の変化の近似式に基づいて、力調節試験に対する運動学習度の推移を反映して認知機能を評価することができる。
[付記項7]
運動学習度推移データが、複数のブロック内平均値を含み、各ブロック内平均値が、1つの試験ブロックに対応し各試験ブロックが、1つ以上の連続した力調節試験を含み、各ブロック内平均値が、対応する1つの試験ブロックに含まれる力調節試験に対応した試験内平均値の平均値であり、各試験内平均値が、1つの力調節試験に対応し、各試験内平均値が、対応する1つの力調節試験における目標値と測定値との差の絶対値の平均値である、付記項2又は付記項3に記載の認知機能評価プログラム。
この構成によれば、複数のブロック内平均値に基づいて、力調節試験に対する運動学習度の推移を反映して認知機能を評価することができる。
[付記項8]
認知機能評価プログラムが、プロセッサにより実行されたときに、プロセッサに、試験内平均値を算出する試験内平均値算出工程と、ブロック内平均値を算出するブロック内平均値算出工程と、を実行させるように構成されている、付記項7に記載の認知機能評価プログラム。
この構成によれば、複数のブロック内平均値に基づいて、力調節試験に対する運動学習度の推移を反映して認知機能を評価することができる。
[付記項9]
運動学習度推移データが、力調節試験の進行に伴う試験内平均値の変化の近似式の特徴を表す特徴値を含み、各試験内平均値が、1つの力調節試験に対応し、各試験内平均値が、対応する1つの力調節試験における目標値と測定値との差の絶対値の平均値である、付記項2又は付記項3に記載の認知機能評価プログラム。
この構成によれば、力調節試験の進行に伴う試験内平均値の変化の近似式に基づいて、力調節試験に対する運動学習度の推移を反映して認知機能を評価することができる。
[付記項10]
近似式が、
y=a×e(-b(m-1))+c
と表され、力調節試験に時間的に早いほうから昇順に1から始まる連続した整数の試験番号が割り当てられており、mは試験番号を表し、yはmに代入された試験番号に対応した力調節試験の試験内平均値の近似値を与え、運動学習度推移データが、特徴値aと特徴値bと特徴値cとのうちの少なくとも1つを含む、付記項9に記載の認知機能評価プログラム。
この構成によれば、運動学習度推移データが、指数関数を含む近似式を特徴付ける特徴値aと特徴値bと特徴値cとのうちの少なくとも1つを含むので、指数関数を含む近似式に基づいて、力調節試験に対する運動学習度の推移を反映して認知機能の程度を評価することができる。
[付記項11]
認知機能評価プログラムが、プロセッサにより実行されたときに、プロセッサに、試験内平均値を算出する試験内平均値算出工程と、近似式の特徴値を算出する第2近似工程と、を実行させるように構成されている、付記項9又は付記項10に記載の認知機能評価プログラム。
この構成によれば、力調節試験の進行に伴う試験内平均値の変化の近似式に基づいて、力調節試験に対する運動学習度の推移を反映して認知機能を評価することができる。
[付記項12]
運動学習度推移データが、複数の試験内平均値を含み、各試験内平均値が、1つの力調節試験に対応し、各試験内平均値が、対応する1つの力調節試験における目標値と測定値との差の絶対値の平均値である、付記項2又は付記項3に記載の認知機能評価プログラム。
この構成によれば、複数の試験内平均値に基づいて、力調節試験に対する運動学習度の推移を反映して認知機能を評価することができる。
[付記項13]
認知機能評価プログラムが、プロセッサにより実行されたときに、プロセッサに、試験内平均値を算出する試験内平均値算出工程を実行させるように構成されている、付記項12に記載の認知機能評価プログラム。
この構成によれば、複数の試験内平均値に基づいて、力調節試験に対する運動学習度の推移を反映して認知機能を評価することができる。
[付記項14]
運動学習度推移データが、測定データを含む、付記項2又は付記項3に記載の認知機能評価プログラム。
この構成によれば、測定データに基づいて、力調節試験に対する運動学習度の推移を反映して認知機能を評価することができる。
[付記項15]
運動学習度推移データが、第1分散値と、1つ以上の第1差分値と、第2分散値と、第3分散値と、1つ以上の第2差分値と、第4分散値と、最終平均値と、第3差分値と、のうちの少なくとも1つを含み、第1分散値が、複数の試験内平均値の分散値であり、各第1差分値が、2つの試験内平均値の差であり、第2分散値が、複数の第1差分値の分散値であり、第3分散値が、複数のブロック内平均値の分散値であり、各第2差分値が、2つのブロック内平均値の差であり、第4分散値が、複数の第2差分値の分散値であり、最終平均値が、最後の試験ブロックのブロック内平均値であり、第3差分値が、最初の試験ブロックのブロック内平均値と最後の試験ブロックのブロック内平均値との差であり、各ブロック内平均値が、1つの試験ブロックに対応し各試験ブロックが、1つ以上の連続した力調節試験を含み、各ブロック内平均値が、対応する1つの試験ブロックに含まれる力調節試験に対応した試験内平均値の平均値であり、各試験内平均値が、1つの力調節試験に対応し、各試験内平均値が、対応する1つの力調節試験における目標値と測定値との差の絶対値の平均値である、付記項2又は付記項3に記載の認知機能評価プログラム。
この構成によれば、第1分散値と、1つ以上の第1差分値と、第2分散値と、第3分散値と、1つ以上の第2差分値と、第4分散値と、最終平均値と、第3差分値とのうちの少なくとも1つに基づいて、力調節試験に対する運動学習度の推移を反映して認知機能を評価することができる。
[付記項16]
第1分散値と、1つ以上の第1差分値と、第2分散値と、第3分散値と、1つ以上の第2差分値と、第4分散値と、最終平均値と、第3差分値とのうちの運動学習度推移データに含まれるものを算出する差分値、分散値、及び平均値算出工程を含む、付記項15に記載の認知機能評価プログラム。
この構成によれば、第1分散値と、1つ以上の第1差分値と、第2分散値と、第3分散値と、1つ以上の第2差分値と、第4分散値と、最終平均値と、第3差分値とのうちの少なくとも1つに基づいて、力調節試験に対する運動学習度の推移を反映して認知機能を評価することができる。
[付記項17]
評価モデルが、運動学習度推移データと力調節試験中に測定された視線に関する視線データとを含む入力に基づいて認知機能を評価するように構成され、評価モデルが、認知機能の評価の知られた複数の人に対する運動学習度推移データと視線データとに基づいて作成され、評価工程が、被験者の運動学習度推移データと被験者の視線データとを評価モデルに入力することにより、被験者の認知機能を評価することを含む、付記項2から付記項16のいずれか一項に記載の認知機能評価プログラム。
この構成によれば、眼球運動と認知機能(例えば認知症)に相関があることが知られていることから、運動学習度推移データに加えて視線データを利用することにより、更に詳細に、力調節試験に対する運動学習度の推移を反映して認知機能を評価することができる。
[付記項18]
認知機能評価プログラムが、プロセッサにより実行されたときに、プロセッサに、力調節試験を複数回数実行させることにより、各力調節試験における経時的な測定値と目標値との変化を表す測定データを取得させる測定データ取得工程を実行させるように構成されている、付記項1から付記項17のいずれか一項に記載の認知機能評価プログラム。
[付記項19]
認知機能評価装置であって、認知機能評価装置が、認知機能評価プログラムを記憶した記憶装置と、プロセッサと、を備え、認知機能評価プログラムが、プロセッサにより実行されたときに、プロセッサに、運動学習度推移データに基づいて被験者の認知機能を評価する評価工程を実行させるように構成されており、運動学習度推移データが、力測定装置に加える手指の力を指示するための経時的に変化する目標値を被験者に対して表示装置により表示することと、目標値に追従するように被験者により調節される手指の力の測定値を力測定装置により測定することと、測定値を目標値に重ねてリアルタイムで被験者に対して表示装置により表示することとを含む力調節試験を複数回数実行することにより取得された、各力調節試験における経時的な測定値と目標値との変化を表す測定データから導出されたものである、認知機能評価装置。
[付記項20]
認知機能評価システムであって、認知機能評価システムが、認知機能評価装置と、力測定装置と、を備え、認知機能評価装置が、認知機能評価プログラムを記憶した記憶装置と、プロセッサと、表示装置と、を備え、認知機能評価プログラムが、プロセッサにより実行されたときに、プロセッサに、力測定装置に加える手指の力を指示するための経時的に変化する目標値を被験者に対して表示装置により表示することと、目標値に追従するように被験者により調節される手指の力の測定値を力測定装置により測定することと、測定値を目標値に重ねてリアルタイムで被験者に対して表示装置により表示することとを含む力調節試験を複数回数実行させることにより、各力調節試験における経時的な測定値と目標値との変化を表す測定データを取得させる測定データ取得工程と、測定データから導出された運動学習度推移データに基づいて被験者の認知機能を評価する評価工程と、を実行させる、認知機能評価システム。
[付記項21]
コンピュータにより実行される認知機能評価方法であって、認知機能評価方法が、運動学習度推移データに基づいて被験者の認知機能を評価する評価工程を含み、運動学習度推移データが、力測定装置に加える手指の力を指示するための経時的に変化する目標値を被験者に対して表示装置により表示することと、目標値に追従するように被験者により調節される手指の力の測定値を力測定装置により測定することと、測定値を目標値に重ねてリアルタイムで被験者に対して表示装置により表示することとを含む力調節試験を複数回数実行することにより取得された、各力調節試験における経時的な測定値と目標値との変化を表す測定データから導出されたものである、認知機能評価方法。
本発明は上述した実施形態には限定されない。
すなわち、当業者は、本発明の技術的範囲又はその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し、様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
本発明は、認知機能を評価するための種々のプログラム、装置、システム、及び方法に適用可能である。
100… 認知機能評価システム
101… 手指
110… 力測定装置
111… 把握部
112… 信号制御装置
113… 筐体
114… ヒンジ
115… 板バネ
116… 歪みセンサー
120… 認知機能評価装置
121… 表示装置
122… 通信装置
123… 記憶装置
124… プロセッサ
125… 視線データ取得装置
131… 認知機能評価プログラム
132… 評価モデル
133… 目標データ
134… 運動学習度推移データ
141… 認知機能評価部
151… 測定データ
152… 試験内平均値データ
153… ブロック内平均値データ
154… ブロック特徴値データ
155… 試験特徴値データ
156… 差分値、分散値、及び平均値データ
161… 目標値グラフ
162… 測定値グラフ

Claims (21)

  1. 認知機能評価プログラムであって、
    前記認知機能評価プログラムが、プロセッサにより実行されたときに、前記プロセッサに、運動学習度推移データに基づいて被験者の認知機能を評価する評価工程を実行させるように構成されており、
    前記運動学習度推移データが、力測定装置に加える手指の力を指示するための経時的に変化する目標値を前記被験者に対して表示装置により表示することと、前記目標値に追従するように前記被験者により調節される手指の力の測定値を前記力測定装置により測定することと、前記測定値を前記目標値に重ねてリアルタイムで前記被験者に対して前記表示装置により表示することとを含む力調節試験を複数回数実行することにより取得された、各前記力調節試験における経時的な前記測定値と前記目標値との変化を表す測定データから導出されたものである、
    認知機能評価プログラム。
  2. 前記評価工程が、前記認知機能の評価の知られた複数の人に対する前記運動学習度推移データに基づいて機械学習により作成された評価モデルであって、前記運動学習度推移データを含む入力に基づいて前記認知機能を評価するように構成された前記評価モデルを使用して、前記認知機能を評価することを含む、
    請求項1に記載の認知機能評価プログラム。
  3. 前記評価工程が、前記認知機能の評価の知られた複数の人に対する前記運動学習度推移データに基づいて多変量解析により作成された評価モデルであって、前記運動学習度推移データを含む入力に基づいて前記認知機能を評価するように構成された前記評価モデルを使用して、前記認知機能を評価することを含む、
    請求項1に記載の認知機能評価プログラム。
  4. 前記運動学習度推移データが、試験ブロックの進行に伴うブロック内平均値の変化の近似式の特徴を表す特徴値を含み、
    各前記ブロック内平均値が、1つの前記試験ブロックに対応し
    各前記試験ブロックが、1つ以上の連続した前記力調節試験を含み、
    各前記ブロック内平均値が、対応する1つの前記試験ブロックに含まれる前記力調節試験に対応した試験内平均値の平均値であり、
    各前記試験内平均値が、1つの前記力調節試験に対応し、
    各前記試験内平均値が、対応する1つの前記力調節試験における前記目標値と前記測定値との差の絶対値の平均値である、
    請求項2又は請求項3に記載の認知機能評価プログラム。
  5. 前記近似式が、
    y=a×e(-b(n-1))+c
    と表され、前記試験ブロックに時間的に早いほうから昇順に1から始まる連続した整数のブロック番号が割り当てられており、nは前記ブロック番号を表し、yはnに代入された前記ブロック番号に対応した前記試験ブロックの前記ブロック内平均値の近似値を与え、
    前記運動学習度推移データが、特徴値aと特徴値bと特徴値cとのうちの少なくとも1つを含む、
    請求項4に記載の認知機能評価プログラム。
  6. 前記認知機能評価プログラムが、プロセッサにより実行されたときに、前記プロセッサに、
    前記試験内平均値を算出する試験内平均値算出工程と、
    前記ブロック内平均値を算出するブロック内平均値算出工程と、
    前記近似式の前記特徴値を算出する第1近似工程と、
    を実行させるように構成されている、
    請求項4又は請求項5に記載の認知機能評価プログラム。
  7. 前記運動学習度推移データが、複数のブロック内平均値を含み、
    各前記ブロック内平均値が、1つの試験ブロックに対応し
    各前記試験ブロックが、1つ以上の連続した前記力調節試験を含み、
    各前記ブロック内平均値が、対応する1つの前記試験ブロックに含まれる前記力調節試験に対応した試験内平均値の平均値であり、
    各前記試験内平均値が、1つの前記力調節試験に対応し、
    各前記試験内平均値が、対応する1つの前記力調節試験における前記目標値と前記測定値との差の絶対値の平均値である、
    請求項2又は請求項3に記載の認知機能評価プログラム。
  8. 前記認知機能評価プログラムが、プロセッサにより実行されたときに、前記プロセッサに、
    前記試験内平均値を算出する試験内平均値算出工程と、
    前記ブロック内平均値を算出するブロック内平均値算出工程と、
    を実行させるように構成されている、
    請求項7に記載の認知機能評価プログラム。
  9. 前記運動学習度推移データが、力調節試験の進行に伴う試験内平均値の変化の近似式の特徴を表す特徴値を含み、
    各前記試験内平均値が、1つの前記力調節試験に対応し、
    各前記試験内平均値が、対応する1つの前記力調節試験における前記目標値と前記測定値との差の絶対値の平均値である、
    請求項2又は請求項3に記載の認知機能評価プログラム。
  10. 前記近似式が、
    y=a×e(-b(m-1))+c
    と表され、前記力調節試験に時間的に早いほうから昇順に1から始まる連続した整数の試験番号が割り当てられており、mは前記試験番号を表し、yはmに代入された前記試験番号に対応した前記力調節試験の前記試験内平均値の近似値を与え、
    前記運動学習度推移データが、特徴値aと特徴値bと特徴値cとのうちの少なくとも1つを含む、
    請求項9に記載の認知機能評価プログラム。
  11. 前記認知機能評価プログラムが、プロセッサにより実行されたときに、前記プロセッサに、
    前記試験内平均値を算出する試験内平均値算出工程と、
    前記近似式の前記特徴値を算出する第2近似工程と、
    を実行させるように構成されている、
    請求項9又は請求項10に記載の認知機能評価プログラム。
  12. 前記運動学習度推移データが、複数の試験内平均値を含み、
    各前記試験内平均値が、1つの前記力調節試験に対応し、
    各前記試験内平均値が、対応する1つの前記力調節試験における前記目標値と前記測定値との差の絶対値の平均値である、
    請求項2又は請求項3に記載の認知機能評価プログラム。
  13. 前記認知機能評価プログラムが、プロセッサにより実行されたときに、前記プロセッサに、前記試験内平均値を算出する試験内平均値算出工程を実行させるように構成されている、
    請求項12に記載の認知機能評価プログラム。
  14. 前記運動学習度推移データが、前記測定データを含む、
    請求項2又は請求項3に記載の認知機能評価プログラム。
  15. 前記運動学習度推移データが、
    第1分散値と、
    1つ以上の第1差分値と、
    第2分散値と、
    第3分散値と、
    1つ以上の第2差分値と、
    第4分散値と、
    最終平均値と、
    第3差分値と、
    のうちの少なくとも1つを含み、
    前記第1分散値が、複数の試験内平均値の分散値であり、
    各前記第1差分値が、2つの前記試験内平均値の差であり、
    前記第2分散値が、複数の前記第1差分値の分散値であり、
    前記第3分散値が、複数のブロック内平均値の分散値であり、
    各前記第2差分値が、2つの前記ブロック内平均値の差であり、
    前記第4分散値が、複数の前記第2差分値の分散値であり、
    前記最終平均値が、最後の前記試験ブロックの前記ブロック内平均値であり、
    前記第3差分値が、最初の前記試験ブロックの前記ブロック内平均値と最後の前記試験ブロックの前記ブロック内平均値との差であり、
    各前記ブロック内平均値が、1つの試験ブロックに対応し
    各前記試験ブロックが、1つ以上の連続した前記力調節試験を含み、
    各前記ブロック内平均値が、対応する1つの前記試験ブロックに含まれる前記力調節試験に対応した試験内平均値の平均値であり、
    各前記試験内平均値が、1つの前記力調節試験に対応し、
    各前記試験内平均値が、対応する1つの前記力調節試験における前記目標値と前記測定値との差の絶対値の平均値である、
    請求項2又は請求項3に記載の認知機能評価プログラム。
  16. 前記第1分散値と、1つ以上の前記第1差分値と、前記第2分散値と、前記第3分散値と、1つ以上の前記第2差分値と、前記第4分散値と、前記最終平均値と、前記第3差分値とのうちの前記運動学習度推移データに含まれるものを算出する差分値、分散値、及び平均値算出工程を含む、
    請求項15に記載の認知機能評価プログラム。
  17. 前記評価モデルが、前記運動学習度推移データと前記力調節試験中に測定された視線に関する視線データとを含む前記入力に基づいて前記認知機能を評価するように構成され、
    前記評価モデルが、前記認知機能の評価の知られた複数の人に対する前記運動学習度推移データと前記視線データとに基づいて作成され、
    前記評価工程が、前記被験者の前記運動学習度推移データと前記被験者の前記視線データとを前記評価モデルに入力することにより、前記被験者の前記認知機能を評価することを含む、
    請求項2から請求項16のいずれか一項に記載の認知機能評価プログラム。
  18. 前記認知機能評価プログラムが、前記プロセッサにより実行されたときに、前記プロセッサに、前記力調節試験を複数回数実行させることにより、各前記力調節試験における経時的な前記測定値と前記目標値との変化を表す前記測定データを取得させる測定データ取得工程を実行させるように構成されている、
    請求項1から請求項17のいずれか一項に記載の認知機能評価プログラム。
  19. 認知機能評価装置であって、
    前記認知機能評価装置が、
    認知機能評価プログラムを記憶した記憶装置と、
    プロセッサと、
    を備え、
    前記認知機能評価プログラムが、前記プロセッサにより実行されたときに、前記プロセッサに、運動学習度推移データに基づいて被験者の認知機能を評価する評価工程を実行させるように構成されており、
    前記運動学習度推移データが、力測定装置に加える手指の力を指示するための経時的に変化する目標値を前記被験者に対して表示装置により表示することと、前記目標値に追従するように前記被験者により調節される手指の力の測定値を前記力測定装置により測定することと、前記測定値を前記目標値に重ねてリアルタイムで前記被験者に対して前記表示装置により表示することとを含む力調節試験を複数回数実行することにより取得された、各前記力調節試験における経時的な前記測定値と前記目標値との変化を表す測定データから導出されたものである、
    認知機能評価装置。
  20. 認知機能評価システムであって、前記認知機能評価システムが、
    認知機能評価装置と、
    力測定装置と、
    を備え、
    前記認知機能評価装置が、
    認知機能評価プログラムを記憶した記憶装置と、
    プロセッサと、
    表示装置と、
    を備え、
    前記認知機能評価プログラムが、前記プロセッサにより実行されたときに、前記プロセッサに、
    前記力測定装置に加える手指の力を指示するための経時的に変化する目標値を被験者に対して前記表示装置により表示することと、前記目標値に追従するように前記被験者により調節される手指の力の測定値を前記力測定装置により測定することと、前記測定値を前記目標値に重ねてリアルタイムで前記被験者に対して前記表示装置により表示することとを含む力調節試験を複数回数実行させることにより、各前記力調節試験における経時的な前記測定値と前記目標値との変化を表す測定データを取得させる測定データ取得工程と、
    前記測定データから導出された運動学習度推移データに基づいて前記被験者の認知機能を評価する評価工程と、
    を実行させる、
    認知機能評価システム。
  21. コンピュータにより実行される認知機能評価方法であって、前記認知機能評価方法が、
    運動学習度推移データに基づいて被験者の認知機能を評価する評価工程を含み、
    前記運動学習度推移データが、力測定装置に加える手指の力を指示するための経時的に変化する目標値を前記被験者に対して表示装置により表示することと、前記目標値に追従するように前記被験者により調節される手指の力の測定値を前記力測定装置により測定することと、前記測定値を前記目標値に重ねてリアルタイムで前記被験者に対して前記表示装置により表示することとを含む力調節試験を複数回数実行することにより取得された、各前記力調節試験における経時的な前記測定値と前記目標値との変化を表す測定データから導出されたものである、
    認知機能評価方法。
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