JP7493690B2 - 熱硬化性樹脂組成物、及び、硬化物 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物、及び、硬化物 Download PDF

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Description

本開示は、熱硬化性樹脂組成物、及び、硬化物に関する。
従来、熱硬化性樹脂組成物が硬化された硬化物の靭性を高めるという観点等から、熱硬化性樹脂と、ポリアミド樹脂を含む樹脂粒子とを有する熱硬化性樹脂組成物が用いられている(例えば、特許文献1)。
国際公開第2015/019965号
ところで、樹脂粒子に含まれるポリアミド樹脂は、比較的水分を吸収しやすい樹脂である。
ここで、前記熱硬化性樹脂組成物に前記樹脂粒子を含ませる際には、硬化物に含まれるボイドを抑制するためや、樹脂粒子と熱硬化性樹脂とを混合しやすくするために、樹脂粒子に含まれる水分を抑制することが求められ得る。
すなわち、水分を吸収し難い樹脂粒子が求められ得る。
また、靭性がより一層高い硬化物が求められ得る。
そこで、本開示は、硬化物の靭性が高く、且つ、樹脂粒子が水分を吸収し難い、熱硬化性樹脂組成物を提供することを第1の課題とし、該熱硬化性樹脂組成物が熱硬化された、硬化物を提供することを第2の課題とする。
本開示の第1は、熱硬化性樹脂、及び、樹脂粒子を含む、熱硬化性樹脂組成物であって、
前記樹脂粒子が、ポリアミド樹脂、及び、ポリオレフィン樹脂を含有し、
前記樹脂粒子における前記ポリアミド樹脂の含有量が、50重量%以上である、熱硬化性樹脂組成物に関する。
また、本開示の第2は、前記熱硬化性樹脂組成物が熱硬化された、硬化物に関する。
本開示によれば、硬化物の靭性が高く、且つ、樹脂粒子が水分を吸収し難い、熱硬化性樹脂組成物を提供し得る。また、本開示によれば、該熱硬化性樹脂組成物が熱硬化された、硬化物を提供し得る。
実施例C-1における樹脂粒子の断面のSEM写真(断面において樹脂粒子がトルエンでエッチングされており、穴が開いている部分は、ポリオレフィン樹脂があった部分である。)。
以下、本開示の一実施形態について説明する。
なお、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は、一例であって、本開示の主旨から逸脱しない範囲内で、適宜、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本開示は、実施形態によって限定されることはなく、クレームの範囲によってのみ限定される。
また、本明細書に開示された各々の態様は、本明細書に開示された他のいかなる特徴とも組み合わせることができる。
まず、本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物について説明する。
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂、及び、樹脂粒子を含む。
前記樹脂粒子は、ポリアミド樹脂、及び、ポリオレフィン樹脂を含有する。
前記樹脂粒子における前記ポリアミド樹脂の含有量が、50重量%以上である。
(熱硬化性樹脂)
前記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アニリン樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂などが挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
前記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂が好ましく、エポキシ樹脂が特に好ましい。
エポキシ樹脂とポリアミド樹脂とは相溶性に優れることから、前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂を含むことにより、前記ポリアミド樹脂を含む樹脂粒子が前記エポキシ樹脂中に分散されやすくなり、前記樹脂粒子による靭性の向上の効果が発揮されやすくなる。
エポキシ樹脂としては、例えば、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、アルケンオキシド類(例えば、ビニルシクロヘキセンジオキシドなど)、トリグリシジルイソシアヌレートなどが挙げられる。
前記グリシジルエーテル型エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノール型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、芳香族骨格を有するエポキシ樹脂(ポリグリシジルエーテル)、アルカンジオールジグリシジルエーテル、ポリアルカンジオールジグリシジルエーテル、脂肪族骨格を有するエポキシ樹脂(ポリグリシジルエーテル)等が挙げられる。
前記ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノール類とエピクロロヒドリンとの反応物、ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加体とエピクロロヒドリンとの反応物等が挙げられる。
前記ビスフェノール類としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノール型エポキシ樹脂などが挙げられる。
前記ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加体においては、ビスフェノール類のヒドロキシル基1モルに対するアルキレンオキシドの付加モル数は、例えば1モル以上(例えば1~20モル)、好ましくは1~15モル、さらに好ましくは1~10モルである。
前記フェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル骨格含有フェノールノボラック樹脂、キシリレン骨格含有フェノールノボラック樹脂などが挙げられる。
前記芳香族骨格を有するエポキシ樹脂(ポリグリシジルエーテル)としては、例えば、ナフタレン骨格を有するグリシジルエーテル等が挙げられる。
前記ナフタレン骨格を有するグリシジルエーテルとしては、例えば、ジ(グリシジルオキシ)ナフタレン、ビス[2,7-ジ(グリシジルオキシ)ナフチル]メタン等が挙げられる。
前記ジ(グリシジルオキシ)ナフタレンとしては、例えば、1,5-ジ(グリシジルオキシ)ナフタレンなどが挙げられる。
前記アルカンジオールジグリシジルエーテルとしては、例えば、C2-10アルカンジオールジグリシジルエーテル等が挙げられる。
前記C2-10アルカンジオールジグリシジルエーテルとしては、例えば、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等が挙げられる。
前記ポリアルカンジオールジグリシジルエーテルとしては、例えば、ポリC2-4アルカンジオールジグリシジルエーテル等が挙げられる。
前記ポリC2-4アルカンジオールジグリシジルエーテルとしては、例えば、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等が挙げられる。
前記脂肪族骨格を有するエポキシ樹脂(ポリグリシジルエーテル)としては、ポリオールのグリシジルポリエーテル等が挙げられる。
前記ポリオールとしては、例えば、アルカントリオール、アルカンテトラオール、アルカンペンタオール、アルカンヘキサオール等が挙げられる。前記アルカントリオールとしては、C3-10アルカントリオール等が挙げられる。前記アルカンテトラオールとしては、C3-10アルカンテトラオール等が挙げられる。
前記グリシジルポリエーテルとしては、ジグリシジルエーテル、トリグリシジルエーテル、テトラグリシジルエーテル、ペンタグリシジルエーテル、ヘキサグリシジルエーテル等が挙げられる。
前記ポリオールのグリシジルポリエーテルとしては、例えば、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル等が挙げられる。
前記グリシジルアミン型エポキシ樹脂としては、例えば、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジル-p-アミノフェノール、トリグリシジルアミノクレゾール、ジグリシジルアニリン、N,N-ジグリシジル-4-グリシジルオキシアニリン等が挙げられる。
前記グリシジルエステル型エポキシ樹脂としては、例えば、ジカルボン酸のジグリシジルエステル等が挙げられる。
前記ジカルボン酸としては、例えば、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸の水添物等が挙げられる。
前記芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸等が挙げられる。
これらのエポキシ樹脂は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
これらのエポキシ樹脂のうち、強度などの点で、芳香族骨格を有するエポキシ樹脂が好ましく、ビスフェノール型エポキシ樹脂が特に好ましい。
前記フェノール樹脂としては、例えば、1分子中にフェノール性水酸基を、1個以上、好ましくは2個以上有する樹脂が挙げられる。
前記フェノール樹脂としては、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、ポリオキシスチレン樹脂などが挙げられる。
前記ノボラック型フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類と縮合物である。前記ノボラック型フェノール樹脂は、例えば、フェノール類とアルデヒド類とを酸性触媒の存在下で縮合重合させることで得られる。
前記レゾール型フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類と縮合物である。前記レゾール型フェノール樹脂は、例えば、フェノール類とアルデヒド類とをアルカリ性触媒の存在下で縮合重合させることで得られる。
前記フェノール類としては、例えば、フェノール、クレゾール、トリメチルフェノール、キシレノール、レゾルシノール、カテコール、ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、フェニルフェノール、ジヒドロキシベンゼン、ビスフェノールA、ナフトール等が挙げられる。
前記クレゾールとしては、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾールが挙げられる。
前記トリメチルフェノールとしては、2,3,5-トリメチルフェノール等が挙げられる。
前記キシレノールとしては、2,3-キシレノール、2,4-キシレノール、2,5-キシレノール、3,4-キシレノール、3,5-キシレノール等が挙げられる。
前記アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、グリオキサール、グルタルアルデヒド、テレフタルアルデヒド、イソフタルアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、3-メチルブチルアルデヒド、p-トリルアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド等が挙げられる。
前記ヒドロキシベンズアルデヒドとしては、o-ヒドロキシベンズアルデヒド、m-ヒドロキシベンズアルデヒド、p-ヒドロキシベンズアルデヒドが挙げられる。
前記ノボラック型フェノール樹脂としては、例えば、ノボラック樹脂(フェノールとホルムアルデヒドとの縮合物)、クレゾールノボラック樹脂(クレゾールとホルムアルデヒドとの縮合物)等が挙げられる。
前記フェノール樹脂は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記フェノール樹脂の水酸基当量は、好ましくは50~500g/eq.より好ましくは100~350g/eq.である。
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂を、好ましくは40~99重量%、より好ましくは80~97重量%有する。
(樹脂粒子)
前記樹脂粒子は、ポリアミド樹脂、及び、ポリオレフィン樹脂を含有する樹脂粒子用樹脂組成物で形成されている。
前記ポリアミド樹脂としては、脂肪族ポリアミド樹脂、脂環式ポリアミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂などが挙げられる。
前記ポリアミド樹脂は、ホモポリアミド樹脂又はコポリアミド樹脂であってもよい。
前記ポリアミド樹脂は、第1の官能基を有してもよい。
該第1の官能基としては、アミノ基、カルボキシ基、酸無水物基、エポキシ基、イソシアネート基、カルボジイミド基等が挙げられる。
前記アミノ基としては、「-NH」、「-NHR」が挙げられる。
Rは、アルキル基である。Rとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基などが挙げられる。
前記酸無水物基としては、カルボン酸無水物基などが挙げられる。
前記脂肪族ポリアミド樹脂としては、脂肪族ジアミン成分と脂肪族ジカルボン酸成分とのポリアミド樹脂、ラクタムのポリアミド樹脂、アミノカルボン酸のポリアミド樹脂、脂肪族ジアミン成分と脂肪族ジカルボン酸成分とラクタム及び/又はアミノカルボン酸とのポリアミド樹脂等が挙げられる。
前記脂肪族ジアミン成分としては、例えば、C4-16アルキレンジアミン(例えば、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ドデカンジアミン等)等が挙げられる。前記脂肪族ジアミン成分は、好ましくはC6-14アルキレンジアミン、さらに好ましくはC6-12アルキレンジアミンである。
前記脂肪族ジカルボン酸成分としては、例えば、C4-20アルカンジカルボン酸(例えば、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等)等が挙げられる。前記脂肪族ジカルボン酸成分は、好ましくはC5-16アルカンジカルボン酸、さらに好ましくはC6-14アルカンジカルボン酸である。
前記ラクタムとしては、例えば、炭素数4~20のラクタム(例えば、ε-カプロラクタム、ω-ラウロラクタム等)等が挙げられる。前記ラクタムは、好ましくは炭素数4~16のラクタムである。
前記アミノカルボン酸としては、例えば、C4-20アミノカルボン酸(例えば、ω-アミノウンデカン酸等)等が挙げられる。前記アミノカルボン酸は、好ましくはC4-16アミノカルボン酸、さらに好ましくはC6-14アミノカルボン酸である。
前記脂肪族ポリアミド樹脂としては、例えば、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド46、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド611、ポリアミド612、ポリアミド613、ポリアミド1010、ポリアミド66/11、ポリアミド66/12、ポリアミド6/12/612などが挙げられる。
前記脂環式ポリアミド樹脂としては、少なくとも脂環式ジアミン成分及び脂環式ジカルボン酸成分から選択された少なくとも一種を構成成分とするポリアミド樹脂などが挙げられる。
前記脂環式ポリアミド樹脂としては、ジアミン成分及びジカルボン酸成分として、脂環式ジアミン成分及び/又は脂環式ジカルボン酸成分と共に、前記例示の脂肪族ジアミン成分及び/又は脂肪族ジカルボン酸成分を含む脂環式ポリアミド樹脂が好ましい。このような脂環式ポリアミド樹脂は、透明性が高く、いわゆる透明ポリアミド樹脂として知られている。
前記脂環式ジアミン成分としては、例えば、ジアミノシクロアルカン、ビス(アミノシクロアルキル)アルカン、水添キシリレンジアミン等が挙げられる。
前記ジアミノシクロアルカンとしては、例えば、ジアミノシクロヘキサン等が挙げられる。前記ジアミノシクロアルカンは、ジアミノC5-10シクロアルカンが好ましい。
前記ビス(アミノシクロアルキル)アルカンとしては、例えば、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)メタン、2,2-ビス(4’-アミノシクロヘキシル)プロパン等が挙げられる。前記ビス(アミノシクロアルキル)アルカンは、ビス(アミノC5-8シクロアルキル)C1-3アルカンが好ましい。
前記脂環式ジアミン成分は、例えば、アルキル基などの置換基を有していてもよい。
該アルキル基は、好ましくはC1-6アルキル基、より好ましくはC1-4アルキル基、さらに好ましくはC1-2アルキル基(メチル基、エチル基等)である。
前記脂環式ジカルボン酸としては、例えば、シクロアルカンジカルボン酸(例えば、シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸、シクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸等)等が挙げられる。
代表的な脂環式ポリアミド樹脂としては、例えば、脂環式ジアミン成分[例えば、ビス(アミノシクロヘキシル)アルカンなど]と脂肪族ジカルボン酸成分[例えば、アルカンジカルボン酸(例えば、C4-20アルカンジカルボン酸成分など)など]との縮合物などが挙げられる。
前記芳香族ポリアミド樹脂は、構成単位として、芳香族ジアミン成分及び芳香族ジカルボン酸成分の少なくとも何れか一方を含むポリアミド樹脂を含む概念である。
前記芳香族ポリアミド樹脂としては、構成単位のジアミン成分及び構成単位のジカルボン酸成分の両方が芳香族成分であるポリアミド樹脂(「全芳香族ポリアミド樹脂」や「アラミド」等とも呼ばれる。)等が挙げられる。
前記芳香族ポリアミド樹脂は、変性ポリアミド樹脂であってもよい。変性ポリアミド樹脂としては、分岐鎖構造を有するポリアミド樹脂等が挙げられる。
前記芳香族ジアミン成分としては、メタキシリレンジアミン等が挙げられる。
前記芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸等が挙げられる。また、前記芳香族ジカルボン酸成分は、ダイマー酸等であってもよい。
ポリアミド樹脂は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
前記ポリアミド樹脂としては、補強効果が大きい点から、半結晶性ポリアミド樹脂(例えば、脂環式ポリアミド樹脂、脂肪族ポリアミド樹脂等)が好ましい。
前記ポリアミド樹脂の数平均分子量は、例えば8000~200000、好ましくは9000~150000、さらに好ましくは10000~100000である。
なお、本実施形態において、数平均分子量は、ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、ポリメチルメタクリレート(PMMA)換算分子量分布より測定されたものをいう。当該GPCにおけるカラムとしては、前記分子量を測定するのに適切なカラムを使用すればよい。
前記ポリアミド樹脂の融点は、例えば150℃以上(例えば155~350℃)、好ましくは160℃以上(例えば165~300℃)、さらに好ましくは170℃以上(例えば175~270℃)である。
本実施形態において、融点は、例えば、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定することができる。
より具体的には、まず、融点を測定するための試料を約5mg用意するとともに、同じ形状で同じ重量の金属(例えば、アルミニウム)製の容器を2つ用意する。
次に、2つの前記容器のうち一方の容器に試料を入れ、他方の容器を空のままとする。
そして、試料を入れた容器と、リファレンスとしての空の容器とをDSCにセットし、窒素ガスを流しながら10℃/minの昇温速度で前記試料を昇温させた際に得られるDSC曲線から融点を求めることができる。
なお、融点は、同一試料に対して2回の示差走査熱量分析を実施して求めることができ、2回目のDSC曲線のピーク値として求められる。
前記ポリアミド樹脂のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは30℃~160℃である。
なお、本実施形態において、ガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定した中間点ガラス転移温度を意味する。
中間点ガラス転移温度は、JIS K7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」に記載されている方法に基づいて求めることができる。
すなわち、まず、中間点ガラス転移温度を測定するための試料を約5mg用意するとともに、同じ形状で同じ重量の金属(例えば、アルミニウム)製の容器を2つ用意する。
次に、2つの前記容器のうち一方の容器に試料を入れ、他方の容器を空のままとする。
そして、試料を入れた容器と、リファレンスとしての空の容器とをDSCにセットし、窒素ガスを流しながら10℃/minの昇温速度で前記試料を昇温させた際に得られるDSC曲線から中間点ガラス転移温度を求めることができる。
ポリアミド樹脂の結晶化度は、好ましくは80%以下(例えば1~75%)、より好ましくは50%以下(例えば10~50%)である。
本実施形態において、結晶化度は、広角X線回折(WAXD)に基づいて測定できる。
例えば、粉末X線解析ソフトウェア(リガク社製「PDXL Ver2.3.1.0」)を用いて、広角X線回折で得られた回折曲線にフィッティング(方法:FP法、ピーク形状:対数正規分布、バックグラウンド精密化:なし)を行うことにより、結晶回折ピーク、非晶質ハローを分離し、下記式から結晶化度(%)を求めることができる。
結晶化度 = [結晶回折ピークの積分強度総和(cps・deg)]/[結晶回折ピーク及び非晶質ハローの積分強度総和(cps・deg)]×100%
前記樹脂粒子は、ポリアミド樹脂を、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60~99重量%、さらにより好ましくは70~95重量%含有する。
前記ポリオレフィン樹脂は、オレフィンを構成単位として含む樹脂である。
前記オレフィンとしては、α-オレフィン、エチレン、2-ブテン、イソプレン、2-ペンテンなどが挙げられる。
前記α-オレフィンとしては、炭素原子数が3~20であるα-オレフィンが挙げられ、具体的には、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-オクタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセン、9-メチル-1-デセン、11-メチル-1-ドデセン、12-エチル-1-テトラデセン等が挙げられる。
前記ポリオレフィン樹脂は、単独重合体であってもよく、また、共重合体であってもよい。
前記ポリオレフィン樹脂は、前記ポリアミド樹脂の前記第1の官能基と反応可能な第2の官能基を有することが好ましい。
前記第2の官能基としては、カルボキシ基、アミノ基、カルボン酸無水物基、エポキシ基、イソシアネート基、カルボジイミド基などが挙げられる。
前記ポリオレフィン樹脂は、グリシジル基を有することにより前記エポキシ基を有してもよい。
前記ポリオレフィン樹脂の融点は、例えば30~200℃、好ましくは35~175℃、さらに好ましくは40~160℃である。
前記樹脂粒子は、前記ポリアミド樹脂及び前記ポリオレフィン樹脂を合計で、好ましくは80~100重量%、より好ましくは90~100重量%、更に好ましくは95~100重量%含有する。
前記樹脂粒子は、前記ポリオレフィン樹脂を、好ましくは0.5~50重量%、より好ましくは1~40重量%、更に好ましくは5~30重量%含有する。
また、前記樹脂粒子は、添加剤を更に含んでもよい。言い換えれば、前記樹脂粒子用樹脂組成物は、添加剤を更に含んでもよい。
前記添加剤としては、例えば、安定剤、着色剤、分散剤、防腐剤、抗酸化剤、消泡剤などが挙げられる。
前記添加剤は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
前記添加剤の含有割合の合計は、前記ポリアミド樹脂と前記ポリオレフィン樹脂との合計100重量部に対して、例えば10重量部以下(例えば0.01~10重量部)である。
前記樹脂粒子のメジアン径は、例えば2μm以上(例えば3~40μm)の範囲から選択でき、好ましくは4μm以上(例えば5~40μm)、より好ましくは6μm以上(例えば7~35μm)、さらに好ましくは8μm以上(例えば9~30μm)、特に好ましくは10μm以上(例えば11~30μm)である。
前記樹脂粒子のメジアン径は、樹脂粒子を水に分散させて、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置によって測定した値を意味する。また、前記樹脂粒子のメジアン径は、樹脂粒子の体積基準のメジアン径を意味する。
さらに、前記樹脂粒子のメジアン径は、1次粒子の樹脂粒子のメジアン径を意味する。
前記樹脂粒子は、マトリックス及びドメインを含むマトリックス-ドメイン構造(「海島構造」とも呼ばれる。)を有し、前記マトリックスは、前記ポリアミド樹脂を含有し、前記ドメインは、前記ポリオレフィン樹脂を含有することが好ましい。
前記マトリックス-ドメイン構造を有する樹脂粒子では、複数個の前記ドメインが前記マトリックスに分散している。
前記樹脂粒子において前記マトリックスが前記ポリアミド樹脂を含有することにより、ポリアミド樹脂を含む樹脂粒子による硬化物の靭性の向上効果を十分に発揮しやすくなる。
また、ポリオレフィン樹脂を含むドメインが前記マトリックスに分散していることにより、ポリオレフィン樹脂を樹脂粒子に多く含ませやすくなる。
「前記マトリックスは、前記第1の樹脂を含有する」とは、「前記第1の樹脂が前記ドメインよりも前記マトリックスに多く含まれる」ことを意味する。また、「前記ドメインは、前記第2の樹脂を含有する」とは、「前記第2の樹脂が前記マトリックスよりも前記ドメインに多く含まれる」ことを意味する。
なお、前記樹脂粒子は、マトリックス及びドメインを含むマトリックス-ドメイン構造を有し、前記マトリックスは、前記第1の樹脂を含有し、前記ドメインは、前記第2の樹脂を含有することは、以下のようにして確認することができる。
まず、樹脂粒子を切断して断面を得る。
次に、該断面をトルエンでエッチングする。
そして、エッチングした断面を走査電子顕微鏡(SEM)で観察し、マトリックス-ドメイン構造(マトリックス:前記第1の樹脂、ドメイン:前記第2の樹脂)の有無を確認する。
なお、断面において樹脂粒子がトルエンでエッチングされて穴が開いている部分は、ポリオレフィン樹脂があった部分である。
前記ドメインの平均粒子径は、前記樹脂粒子の平均粒子径の1/3以下であることが好ましく、前記樹脂粒子の平均粒子径の1/4以下がより好ましく、前記樹脂粒子の平均粒子径の1/5以下がより一層好ましく、前記樹脂粒子の平均粒子径の1/8以下が更に好ましく、前記樹脂粒子の平均粒子径の1/10以下が特に好ましい。また、前記ドメインの平均粒子径は、例えば、前記樹脂粒子の平均粒子径の1/2000である。
前記樹脂粒子用樹脂組成物の比重は、好ましくは1.3未満、より好ましくは0.80~1.25、更により好ましくは0.85~1.20である。
前記樹脂粒子用樹脂組成物の比重は、以下のようにして求めることができる。
まず、前記樹脂粒子用樹脂組成物から射出成形によりISOに規定されているダンベル試験片を作製する。
そして、該ダンベル試験片を用いて、JIS K7112:1999のA法(水中置換法)に準拠して、前記樹脂粒子用樹脂組成物の比重を測定する。
前記樹脂粒子の真球度は、好ましくは95%以上100%以下、より好ましくは97%以上100%以下、さらに好ましくは99%以上100%以下である。
なお、本実施形態において、粒子の真球度は、次の方法により測定できる。すなわち、走査型電子顕微鏡(SEM)で粒子を観察し、無作為に選択した30個の粒子の長径と短径を測定し、各粒子の短径/長径比を求める。そして、短径/長径比の算術平均値を求め、この算術平均値を粒子の真球度とする。なお、粒子の真球度が100%に近いほど、粒子が真球であると判断できる。
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、前記熱硬化性樹脂及び前記樹脂粒子を合計で、好ましくは50~99重量%、より好ましくは80~97重量%有する。
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、前記熱硬化性樹脂100重量部に対して、前記樹脂粒子を、好ましくは1~30重量部、より好ましくは3~25重量部、より好ましくは5~20重量部含む。
(樹脂粒子の製造方法)
樹脂粒子の製造方法としては、冷凍粉砕法、化学粉砕法、重合法、強制乳化法、レーザー法等が挙げられる。
樹脂粒子の製造方法としては、強制乳化法が好ましい。
前記強制乳化法では、前記ポリアミド樹脂と、前記ポリオレフィン樹脂と、前記ポリアミド樹脂及び前記ポリオレフィン樹脂に非相溶な水性媒体とを加熱により溶融混練することにより、溶融混練物を得る工程(A)と、該溶融混練物を冷却する工程(B)と、冷却された該溶融混練物から親水性溶媒又は水で前記水性媒体を除去する工程(C)とを実施することにより、前記樹脂粒子を得る。
前記強制乳化法では、必要に応じて、前記工程(C)後に、前記溶融混練物を除湿乾燥機等で乾燥させる工程(D)を実施することにより、前記樹脂粒子を得てもよい。
また、所望の粒径の樹脂粒子を得るために、前記強制乳化法では、前記工程(C)後に(前記工程(D)を実施する場合には、前記工程(D)後又は前記工程(D)前に)、前記溶融混練物を分級する工程(E)を実施することにより、前記樹脂粒子を得てもよい。
前記工程(A)で用いる前記水性媒体は、前記ポリアミド樹脂及び前記ポリオレフィン樹脂の種類に応じて選択する。
前記水性媒体としては、例えば、熱溶融性の糖類、水溶性高分子などが挙げられる。
前記熱溶融性の糖類としては、例えば、オリゴ糖(例えば、スクロース、マルトトリオースなど)、糖アルコール(例えば、キシリトール、エリスリトール、ソルビトール、マンニトールなど)などが挙げられる。
前記水溶性高分子としては、例えば、水溶性合成高分子(例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミドなど)、多糖類(例えば、デンプン、メチルセルロースなど)などが挙げられる。
これらの水性媒体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
前記水性媒体としては、樹脂粒子を適度な粒径に調整し易いという観点から、ポリエチレングリコールが好ましい。
水性媒体の重量割合については、前記ポリアミド樹脂と前記ポリオレフィン樹脂との合計100重量部に対して、水性媒体が、例えば10~100重量部、好ましくは20~100重量部、さらに好ましくは30~100重量部である。
水性媒体の体積割合は、水性媒体、前記ポリアミド樹脂、及び、前記ポリオレフィン樹脂の総体積に対して、例えば50体積%以上(例えば50~90体積%)である。
前記工程(A)で溶融混練する際の温度は、ポリアミド樹脂の融点又は軟化点以上の温度で、且つ、ポリオレフィン樹脂の融点又は軟化点以上の温度であればよく、例えば190℃以上(例えば190~350℃)、好ましくは200~320℃、さらに好ましくは210~300℃である。
前記工程(B)では、溶融混練物を自然冷却してもよく、溶融混練物を強制冷却してもよいが、生産性の観点から、溶融混練物を強制冷却することが好ましい。
溶融混練物の冷却速度は、例えば、1℃/分以上(例えば1~10℃/分)が好ましい。
前記工程(C)で用いる親水性溶媒としては、例えば、アルコール(エタノールなど)、水溶性ケトン(アセトンなど)などが挙げられる。
(強化繊維)
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、強化繊維を含んでもよい。すなわち、本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物が熱硬化された硬化物は、繊維強化プラスチック(FRP)であってもよい。
前記強化繊維としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、ポリパラフェニレン・ベンゾビス・オキサゾール(PBO)繊維、ポリエチレン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維などが挙げられる。
前記強化繊維としては、炭素繊維が好ましい。すなわち、前記硬化物は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)であることが好ましい。
前記強化繊維は、モノフィラメントであってもよく、マルチフィラメントであってもよい。
前記強化繊維の単繊維の繊度は、好ましくは0.2~2.0dtex、より好ましくは0.4~1.8dtexである。
前記強化繊維がマルチフィラメントである場合、前記繊維におけるフィラメント数は、2500~50000本であることが好ましい。
前記強化繊維は、連続繊維となっていてもよく、また、不連続の形態となっていてもよい。
より高い力学特性が硬化物に求められる場合には、前記強化繊維としては、連続繊維が好ましい。
連続繊維は、例えば、一方向基材、編み物、織物、トウ、又は、ロービング等となって、本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物に含まれていてもよい。
不連続の形態の強化繊維は、例えば、不織布、又は、チョップド糸等となって、本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物に含まれていてもよい。
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、前記熱硬化性樹脂100重量部に対して、前記強化繊維を、好ましくは1~50重量部、より好ましくは5~30重量部含む。
(単官能性のエポキシ化合物)
前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂を含む場合には、本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、単官能性のエポキシ化合物を含んでもよい。
前記単官能性のエポキシ化合物としては、モノグリシジルエーテル、アルケンオキシド(例えば、オクチレンオキシド、スチレンオキシドなど)等が挙げられる。
前記モノグリシジルエーテルとしては、例えば、アルキルグリシジルエーテル(例えば、2-エチルへキシルグリシジルエーテルなど)、アルケニルグリシジルエーテル(例えば、アリルグリシジルエーテルなど)、アリールグリシジルエーテル(例えば、フェニルグリシジルエーテルなど)等が挙げられる。
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物において、前記単官能性のエポキシ化合物の重量に対する前記エポキシ樹脂の重量の比は、例えば99/1~50/50、好ましくは97/3~60/40、さらに好ましくは95/5~70/30である。
(硬化剤)
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、硬化剤を含んでもよい。
前記硬化剤としては、前記熱硬化性樹脂の種類に応じて適宜選択できる。
熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である場合の硬化剤としては、例えば、アミン系硬化剤、フェノール樹脂系硬化剤、酸無水物系硬化剤、ポリメルカプタン系硬化剤、潜在性硬化剤などが挙げられる。
前記アミン系硬化剤としては、例えば、芳香族アミン系硬化剤、脂肪族アミン系硬化剤、イミダゾール類、イミダゾール類の塩、脂環式アミン系硬化剤などが挙げられる。
前記芳香族アミン系硬化剤としては、例えば、ポリアミノアレーン、ポリアミノ-アルキルアレーン、ポリ(アミノアルキル)アレーン、ポリ(アミノアリール)アルカン、ポリ(アミノ-アルキルアリール)アルカン、ビス(アミノアリールアルキル)アレーン、ジ(アミノアリール)エーテル(例えば、ジアミノジフェニルエーテルなど)、ジ(アミノアリールオキシ)アレーン(例えば、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼンなど)、ジ(アミノアリール)スルホン(例えば、ジアミノジフェニルスルホンなど)等が挙げられる。
前記ポリアミノアレーンとしては、例えば、ジアミノアレーン(例えば、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン等)等が挙げられる。
前記ポリアミノ-アルキルアレーンとしては、例えば、ジアミノ-アルキルアレーン(例えば、ジエチルトルエンジアミン等)等が挙げられる。
前記ポリ(アミノアルキル)アレーンとしては、例えば、ジ(アミノアルキル)アレーン(例えば、キシリレンジアミン等)等が挙げられる。
前記ポリ(アミノアリール)アルカンとしては、例えば、ジ(アミノアリール)アルカン(例えば、ジアミノジフェニルメタン等)等が挙げられる。
前記ポリ(アミノ-アルキルアリール)アルカンとしては、例えば、ジ(アミノ-アルキルアリール)アルカン(例えば、4,4’-メチレンビス(2-エチル-6-メチルアニリン)等)等が挙げられる。
前記ビス(アミノアリールアルキル)アレーンとしては、例えば、1,3-ビス[2-(4-アミノフェニル)-2-プロピル)]ベンゼン、1,4-ビス[2-(4-アミノフェニル)-2-プロピル)]ベンゼン等が挙げられる。
前記脂肪族アミン系硬化剤としては、例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン等が挙げられる。
前記脂環式アミン系硬化剤としては、例えば、メンセンジアミン、イソホロンジアミン、ビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)メタン、3,9-ビス(3-アミノプロピル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、ノルボルナンジアミン等が挙げられる。
前記イミダゾール類としては、例えば、アルキルイミダゾール、アリールイミダゾール等が挙げられる。
前記アルキルイミダゾールとしては、例えば、2-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-へプタデシルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール等が挙げられる。
前記アリールイミダゾールとしては、例えば、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール等が挙げられる。
前記イミダゾール類の塩としては、例えば、イミダゾール類とギ酸との塩、イミダゾール類とフェノールとの塩、イミダゾール類とフェノールノボラックとの塩、イミダゾール類と炭酸との塩などが挙げられる。
前記フェノール樹脂系硬化剤としては、例えば、ノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等が挙げられる。
前記酸無水物系硬化剤としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸無水物、脂環式ジカルボン酸無水物、芳香族ジカルボン酸無水物などが挙げられる。
前記脂肪族ジカルボン酸無水物としては、例えば、ドデセニル無水コハク酸などが挙げられる。
前記脂環式ジカルボン酸無水物としては、例えば、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸などが挙げられる。
前記芳香族ジカルボン酸無水物としては、例えば、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物などが挙げられる。
前記潜在性硬化剤としては、例えば、三フッ化ホウ素-アミン錯体、ジシアンジアミド、カルボン酸ヒドラジド等が挙げられる。
硬化剤は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。なお、硬化剤は、硬化促進剤として作用する場合もある。
前記硬化剤としては、アミン系硬化剤(例えば、芳香族アミン系硬化剤)が好ましい。
前記硬化剤の含有割合は、熱硬化性樹脂の種類(エポキシ当量など)や硬化剤の種類などに応じて適宜選択できるが、例えば、熱硬化性樹脂100重量部に対して0.1~300重量部、好ましくは1~250重量部、さらに好ましくは3~200重量部(例えば、4~150重量部)、特に好ましくは5~100重量部である。
(硬化促進剤)
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、硬化促進剤を含んでもよい。
前記硬化促進剤としては、前記熱硬化性樹脂の種類に応じて適宜選択できる。
熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である場合の硬化促進剤としては、例えば、ホスフィン類、アミン類、アミン類の塩などが挙げられる。
前記ホスフィン類としては、例えば、エチルホスフィン、プロピルホスフィン、トリアルキルホスフィン、フェニルホスフィン、トリフェニルホスフィンなどが挙げられる。
前記アミン類としては、例えば、第2~3級アミン類等が挙げられる。
第2~3級アミン類としては、例えば、トリエチルアミン、ピペリジン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリエチレンジアミン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N,N-ジメチルピペラジン等が挙げられる。
硬化促進剤は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
前記硬化促進剤の含有割合は、例えば、熱硬化性樹脂100重量部に対して0.01~100重量部、好ましくは0.05~50重量部、さらに好ましくは1~30重量部である。
(他の成分)
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、他の成分として、熱可塑性樹脂及び添加剤の少なくとも何れか一をさらに含んでいてもよい。
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂(例えば、ポリプロピレンなど)、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂などが挙げられる。
前記ポリエステル樹脂としては、例えば、芳香族ポリエステル樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレートなど)などが挙げられる。
前記添加剤としては、例えば、非繊維状充填剤、安定剤、着色剤、分散剤、防腐剤、抗酸化剤、消泡剤などが挙げられる。
他の成分の含有割合は、熱硬化性樹脂100重量部に対して、例えば10重量部以下(例えば0.01~10重量部)である。
本実施形態に係る硬化物は、本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物が熱硬化された硬化物である。
本実施形態に係る硬化物の形状は、一次元的形状(棒状など)、二次元的形状(シート状など)、又は、三次元的形状であってもよい。
〔開示項目〕
以下の項目のそれぞれは、好ましい実施形態の開示である。
〔項目1〕
熱硬化性樹脂、及び、樹脂粒子を含む、熱硬化性樹脂組成物であって、
前記樹脂粒子が、ポリアミド樹脂、及び、ポリオレフィン樹脂を含有し、
前記樹脂粒子における前記ポリアミド樹脂の含有量が、50重量%以上である、熱硬化性樹脂組成物。
項目1によれば、硬化物の靭性が高く、且つ、樹脂粒子が水分を吸収し難い、熱硬化性樹脂組成物を提供し得る。
このメカニズムは、以下によるものと考えられる。
すなわち、ポリオレフィン樹脂は柔軟性に優れる樹脂であることから、樹脂粒子がポリオレフィン樹脂を含有することにより樹脂粒子の柔軟性が高まり、硬化物に外部から力が掛かった際に、樹脂粒子により力が分散されやすくなり、その結果、硬化物の靭性が高くなると考えられる。
また、ポリオレフィン樹脂は水分を吸収し難い樹脂であることから、樹脂粒子は、ポリオレフィン樹脂を含有することにより水分を吸収し難い粒子になると考えられる。
〔項目2〕
前記ポリアミド樹脂は、第1の官能基を有し、
前記ポリオレフィン樹脂は、前記第1の官能基と反応可能な第2の官能基を有する、項目1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
項目2によれば、前記樹脂粒子における前記ポリオレフィン樹脂の分散性が優れる。
〔項目3〕
前記第2の官能基は、カルボキシ基、アミノ基、カルボン酸無水物基、エポキシ基、イソシアネート基、及び、カルボジイミド基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する、項目2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
〔項目4〕
前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂を含む、項目1~3の何れかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
〔項目5〕
前記熱硬化性樹脂100重量部に対して、前記樹脂粒子を1~30重量部含む、項目1~4の何れかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
〔項目6〕
前記樹脂粒子は、前記ポリアミド樹脂、及び、前記ポリオレフィン樹脂を含有する樹脂粒子用樹脂組成物で形成されており、
該樹脂粒子用樹脂組成物の比重が1.3未満である、項目1~5の何れかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
〔項目7〕
前記ポリアミド樹脂が脂環式ポリアミド樹脂を含む、項目1~6の何れかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
〔項目8〕
項目1~7の何れかに記載の熱硬化性樹脂組成物が熱硬化された、硬化物。
次に、実施例および比較例を挙げて本開示についてさらに具体的に説明する。なお、本開示はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
下記材料を用意した。
(ポリアミド樹脂)
ポリアミド12(PA12):ダイセル・エボニック社製の「L1901」
ポリアミド1010(PA1010):ダイセル・エボニック社製の「DS22」
脂環式ポリアミド樹脂(脂環式PA):ダイセル・エボニック社製の「トロガミド(登録商標)CX7323」
脂環式ポリアミド樹脂(脂環式PA):ダイセル・エボニック社製の「トロガミド(登録商標)CX9704」
(ポリオレフィン樹脂)
エチレンと1-ブテンとの共重合体を無水マレイン酸で変性したポリオレフィン樹脂:三井化学社製の「タフマー(登録商標)MH5010」
エチレンと1-ブテンとの共重合体を無水マレイン酸で変性したポリオレフィン樹脂:三井化学社製の「タフマー(登録商標)MH5040」
ポリプロピレンを無水マレイン酸で変性したポリオレフィン樹脂:三井化学社製の「アドマー(登録商標)GF500」
(シリカフィラー)
ヘキサメチルジシラザンで表面処理されたフュームドシリカ(疎水性フュームドシリカ):アエロジル社製の「RX50」
(エラストマー)
ポリアミドエラストマー:ダイセル・エボニック社製の「ベスタミド(登録商標)EX9200」
(熱硬化性樹脂)
エポキシ樹脂:三菱化学社製の「jER828」
(硬化剤)
アミン系硬化剤:三菱化学社製の「jERキュアW」
(実施例A-1)
95重量部のポリアミド12と、5重量部のポリオレフィン樹脂(MH5010)と、水性溶媒たるポリエチレングリコールとを押出機で加熱により溶融混練し、押出機のダイから押し出し、溶融混練物を得た。
次に、スポットクーラーを用いて前記溶融混練物を強制的に冷却した。
そして、アスピレーターとグラスフィルターとを用いて、前記溶融混練物を濾過しつつ、グラスフィルターに留まった前駆体粒子を水で洗浄した。
次に、除湿乾燥機を用いて前駆体粒子を90℃で24時間乾燥させ、樹脂粒子を得た。
次に、ホットスターラーを用いて、80℃、300rpmの条件下で、前記エポキシ樹脂及び前記樹脂粒子を6時間撹拌することにより混合物を得た。
そして、該混合物を真空容器中で1時間放置することにより、該混合物を脱泡させた。
次に、脱泡した混合物に硬化剤を加えて撹拌および脱泡を行うことにより、熱硬化性樹脂組成物(樹脂粒子:14.4重量%)を得た。
(実施例A-1以外の実施例、及び、比較例)
樹脂粒子の配合割合を下記表1のようにしたこと以外は、実施例A-1と同様にして熱硬化性樹脂組成物(樹脂粒子:20重量%)を得た。
実施例C-1における樹脂粒子の断面のSEM写真(断面において樹脂粒子がトルエンでエッチングされており、穴が開いている部分は、ポリオレフィン樹脂があった部分である。)を図1に示す。
(樹脂粒子を構成する樹脂粒子用樹脂組成物の比重)
樹脂粒子を構成する樹脂粒子用樹脂組成物の比重は、上述した方法で測定した。
樹脂粒子用樹脂組成物の比重を下記表1に示す。
(樹脂粒子を構成する樹脂粒子用樹脂組成物の飽和水分量)
前記樹脂粒子を構成する樹脂粒子用樹脂組成物の飽和水分量は、以下の方法で測定した。
まず、前記樹脂粒子を構成する樹脂粒子用樹脂組成物から射出成形により正方形状試験片(100mm×100mm×2mm)を用意した。
そして、JIS K7209:2000(ISO62:1999)「プラスチック-吸水率の求め方」のA法(23℃の水に浸漬)で正方形状試験片に水分を吸収させ、飽和水分量を測定した。
下記表1に結果を示す。
(硬化物の平面ひずみ破壊靭性(KIC))
まず、熱硬化性樹脂組成物を金型(47mm(長さ)×12mm(幅)×4mm(厚み))に流し込んだ。
次に、熱硬化性樹脂組成物が十分に熱硬化するまで熱硬化性樹脂組成物を175℃で加熱し、予亀裂を有する硬化物を得た。なお、該硬化物に予亀裂を設けるべく、前記金型の内面には、前記予亀裂に対応する凸部が形成されていた。
そして、予亀裂を有する硬化物を用いて、硬化物の平面ひずみ破壊靭性(KIC)をASTM D5045に準拠して求めた。
下記表1に結果を示す。
Figure 0007493690000001
<ポリアミド樹脂としてポリアミド12(PA12)を用いた実施例及び比較例の結果>
表1に示すように、本開示の範囲内であり、且つ、ポリアミド樹脂がポリアミド12(PA12)である実施例A-1~A-6では、樹脂粒子がポリアミド12(PA12)のみからなる比較例A-1に比べて、樹脂粒子を構成する樹脂粒子用樹脂組成物の飽和吸水率が低く、且つ、硬化物の平面ひずみ破壊靭性(KIC)が高かった。
また、表1に示すように、前記実施例A-1~A-6では、ポリオレフィン樹脂の代わりにポリアミドエラストマーを用いた比較例A-2に比べて、硬化物の平面ひずみ破壊靭性(KIC)が高かった。
<ポリアミド樹脂としてポリアミド1010(PA1010)を用いた実施例及び比較例の結果>
表1に示すように、本開示の範囲内であり、且つ、ポリアミド樹脂がポリアミド1010(PA1010)である実施例B-1では、樹脂粒子がポリアミド1010(PA1010)のみからなる比較例B-1に比べて、樹脂粒子を構成する樹脂粒子用樹脂組成物の飽和吸水率が低く、且つ、硬化物の平面ひずみ破壊靭性(KIC)が高かった。
<ポリアミド樹脂として脂環式ポリアミド樹脂(脂環式PA)(CX7323)を用いた実施例及び比較例の結果>
また、表1に示すように、本開示の範囲内であり、且つ、ポリアミド樹脂が脂環式ポリアミド樹脂(脂環式PA)(CX7323)である実施例C-1では、樹脂粒子が脂環式ポリアミド樹脂(脂環式PA)(CX7323)のみからなる比較例C-1に比べて、樹脂粒子を構成する樹脂粒子用樹脂組成物の飽和吸水率が低く、且つ、硬化物の平面ひずみ破壊靭性(KIC)が高かった。
<ポリアミド樹脂として脂環式ポリアミド樹脂(脂環式PA)(CX9704)を用いた実施例及び比較例の結果>
さらに、表1に示すように、本開示の範囲内であり、且つ、ポリアミド樹脂が脂環式ポリアミド樹脂(脂環式PA)(CX9704)である実施例D-1では、樹脂粒子が脂環式ポリアミド樹脂(脂環式PA)(CX9704)のみからなる比較例D-1に比べて、樹脂粒子を構成する樹脂粒子用樹脂組成物の飽和吸水率が低く、且つ、硬化物の平面ひずみ破壊靭性(KIC)が高かった。
また、表1に示すように、前記実施例D-1では、ポリオレフィン樹脂の代わりにシリカフィラーを用いた比較例D-2に比べて、硬化物の平面ひずみ破壊靭性(KIC)が高かった。
以上より、本開示によれば、硬化物の靭性が高く、且つ、樹脂粒子が水分を吸収し難い、熱硬化性樹脂組成物を提供し得ることがわかる。

Claims (6)

  1. 熱硬化性樹脂、及び、樹脂粒子を含む、熱硬化性樹脂組成物であって、
    前記樹脂粒子が、ポリアミド樹脂、及び、ポリオレフィン樹脂を含有し、
    前記樹脂粒子における前記ポリアミド樹脂の含有量が、50重量%以上であり、
    前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂を含み、
    前記熱硬化性樹脂100重量部に対して、前記樹脂粒子を1~30重量部含み、
    前記樹脂粒子のメジアン径が2~40μmである、熱硬化性樹脂組成物。
  2. 前記ポリアミド樹脂は、第1の官能基を有し、
    前記ポリオレフィン樹脂は、前記第1の官能基と反応可能な第2の官能基を有する、請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 前記第2の官能基は、カルボキシ基、アミノ基、カルボン酸無水物基、エポキシ基、イソシアネート基、及び、カルボジイミド基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する、請求項2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 前記樹脂粒子は、前記ポリアミド樹脂、及び、前記ポリオレフィン樹脂を含有する樹脂粒子用樹脂組成物で形成されており、
    該樹脂粒子用樹脂組成物の比重が1.3未満である、請求項1~3の何れか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  5. 前記ポリアミド樹脂が脂環式ポリアミド樹脂を含む、請求項1~3の何れか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. 請求項1~3の何れか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物が熱硬化された、硬化物。
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