JP7492417B2 - ガスタービンの車室の冷却装置、ガスタービン及びガスタービンの車室の冷却方法 - Google Patents

ガスタービンの車室の冷却装置、ガスタービン及びガスタービンの車室の冷却方法 Download PDF

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Description

本開示は、ガスタービンの車室の冷却装置、ガスタービン及びガスタービンの車室の冷却方法に関する。
ガスタービンの運転を停止すると車室内に高温の気体が滞留し、車室内の上部と下部とにメタル温度差が生じる。この結果、温度の高い車室上部が温度の低い車室下部に対して相対的に膨張し、車室が猫の背中のように変形する、いわゆるキャットバック現象が発生するおそれがある。
このキャットバック現象が発生すると、ロータと静止体との間の隙間が部分的に狭まり、ロータと静止体とが接触するおそれがある。
そこで、このキャットバック現象を防ぐため、例えば、ガスタービン運転停止後に車室の上方に配置した冷却ファンで空気を車室の上半部に向けて送風することで上半部の温度上昇を抑制することが考えられている(例えば特許文献1参照)。
特開平6-26364号公報
しかし、特許文献1に記載の変形防止装置では、複数の冷却ファンや冷却ファンの制御装置を新たに設ける必要があり、コスト増を招く。また、特許文献1に記載の変形防止装置では、冷却風を冷却ファン2によりケーシング1へ向かって下方に流すことによりケーシング上半部を冷却するが、冷却風の供給に圧力差を利用することを考慮しないため、冷却効果を十分に得ることができない。
本開示の少なくとも一実施形態は、上述の事情に鑑みて、コスト増を抑制しつつキャットバック現象の発生を抑制できる装置を提供することを目的とする。
(1)本開示の少なくとも一実施形態に係るガスタービンの車室の冷却装置は、
ガスタービンの車室を収容するエンクロージャの内部の空気を吸引して前記エンクロージャの外部に排出するための排気装置と、
前記車室の外表面に前記エンクロージャの外部から冷却空気を供給するための冷却通路形成部と、
を備え、
前記冷却通路形成部の出口側開口は、前記エンクロージャの内部で開口している。
(2)本開示の少なくとも一実施形態に係るガスタービンは、上記(1)の構成のガスタービンの車室の冷却装置を備える。
(3)本開示の少なくとも一実施形態に係るガスタービンの車室の冷却方法は、
ガスタービンの車室を収容するエンクロージャの内部の空気を前記エンクロージャの外部に排気するステップと、
前記排気するステップによる排気によって前記エンクロージャの内部に取り込まれる空気を通路を介して前記車室の外表面に導くステップと、
を備える。
本開示の少なくとも一実施形態によれば、コスト増を抑制しつつキャットバック現象の発生を抑制できる。
一実施形態のガスタービンの車室の冷却装置を備えるガスタービンプラントの概略を模式的に示す図である。 図1のII-II矢視図である。 図1のIIIa-IIIa矢視図である。 図1のIIIb-IIIb矢視図である。 一実施形態のパージシステムについて説明するための図である。 通常のガスタービン運転停止後の車室上下メタル温度差の推移の傾向を示すグラフである。 電源喪失時におけるガスタービン運転停止後の車室上下メタル温度差の推移の傾向を示すグラフである。 一実施形態のガスタービンの構成を概略的に示す図である。 一実施形態のガスタービンの車室の冷却装置による冷却の手順を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して本開示の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本開示の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
(ガスタービンプラント10の概要)
一実施形態に係るガスタービンプラント10は、ガスタービン1と、ガスタービン1の車室7を収容するエンクロージャ30と、車室7の冷却装置100とを備えている。一実施形態に係るガスタービンプラント10は、エンクロージャ30内を換気するための排気装置11を備えている。
一実施形態に係るガスタービン1は、産業用ガスタービンである。ガスタービン1の運転に伴い、吸気音、燃焼音、排気音、または回転音等を含む騒音が発生するため、一実施形態に係るガスタービンプラント10では、ガスタービン1の周囲を覆うエンクロージャ30を設けて、騒音の周辺への拡散を低減するようにしている。そして、一実施形態に係るガスタービンプラント10では、エンクロージャ30内の温度上昇を抑制するため、排気装置11によってエンクロージャ30の内部の空気をエンクロージャ30の外部に排出することでエンクロージャ30内を換気するようにしている。一実施形態に係るガスタービンプラント10では、排気装置11は、例えば排気ファン11a及び排気ファン11aを駆動する電動機11bである。一実施形態に係るガスタービンプラント10では、図2に示すように例えば3基の排気装置11によってエンクロージャ30内を換気するように構成されている。なお、一実施形態に係るガスタービンプラント10では、エンクロージャ30の上部には、一端がエンクロージャ30の開口部35に接続されていて内部に連通するとともに、他端が排気ファン11aの吸気口に連通された、3本の吸込ダクト13が取り付けられている。
一実施形態に係るガスタービンプラント10では、エンクロージャ30外の空気をエンクロージャ30内に導入するための開口部31が複数箇所に設けられている。排気ファン11aによってエンクロージャ30の内部の空気を吸引することでエンクロージャ30内の圧力が負圧になると、エンクロージャ30外の空気は、複数箇所の開口部31からエンクロージャ30の内部に流入する。
(ガスタービン1の概要)
図7に示すように、一実施形態に係るガスタービン1は、圧縮機2、燃焼器3、及び、タービン4を備えており、例えば発電機G等の外部機器を駆動するものである。発電用のガスタービン1の場合、ロータ5には発電機Gが連結される。
圧縮機2は、外部の空気である大気を吸入して圧縮し、圧縮された空気を1つ以上の燃焼器3に供給するものである。
一実施形態に係るガスタービン1では、ガスタービン1の車室7は、ロータ5の中心軸AXを含む水平面で分割されている。一実施形態に係るガスタービン1では、車室7は、該水平面よりも上側の車室7の上半部7aと、該水平面よりも下側の車室7の下半部7bとに、水平面で2分割されている。一実施形態に係るガスタービン1では、車室7は、タービン4の車室(タービン車室)6と、圧縮機2の車室(圧縮機車室)21とを含んでいる。一実施形態に係るガスタービン1では、タービン車室6の軸方向上流側は、圧縮機2の圧縮機車室21と接続されている。
燃焼器3は、圧縮機2により圧縮された空気を用いて、外部から供給された燃料を燃焼させることにより、高温ガス(燃焼ガス)を生成するものである。一実施形態に係るガスタービン1では、複数の燃焼器3がロータ5の周囲に環状に配置されている。
タービン4は、燃焼器3により生成された高温燃焼ガスの供給を受けて回転駆動力を発生させ、発生した回転駆動力を圧縮機2及び外部機器に出力するものである。
タービン車室6内には、燃焼器3の設置スペースとして内部空間8が設けられている。内部空間8は、軸方向上流側の圧縮機2の出口と軸方向下流側のタービン4の入口との間に位置している。燃焼器3は、内部空間8に配置され、圧縮空気が燃焼器3の一端側から燃焼器3内に流入する。一方、燃焼器3には、外部から燃料が供給され、燃料と空気を混合させ高温の燃焼ガスを発生させ、燃焼ガスにより下流側のタービン4を回転駆動させる。
ガスタービン1の運転を停止して、燃焼器3への燃料供給が停止された状態では、燃焼器3を収容するタービン車室6内、すなわち内部空間8に高温の気体が滞留し、タービン車室6の上部と下部とにメタル温度差が生じる。この結果、温度の高いタービン車室6の上部が温度の低いタービン車室6の下部に対して相対的に膨張し、車室7が猫の背中のように変形する、いわゆるキャットバック現象が発生するおそれがある。
このキャットバック現象が発生すると、ロータ5と静止体との間の隙間が部分的に狭まり、ロータ5と静止体とが接触するおそれがある。
そこで、一実施形態のガスタービンプラント10では、このキャットバック現象を防ぐため、後述するように、車室7の冷却装置100を設けている。
(冷却装置100について)
一実施形態の冷却装置100は、ガスタービン1の車室7を収容するエンクロージャ30の内部の空気を吸引してエンクロージャ30の外部に排出するための排気装置11と、車室7の外表面71にエンクロージャ30の外部から冷却空気を供給するための冷却通路形成部110と、を備える。一実施形態の冷却装置100では、冷却通路形成部110の出口側開口115は、エンクロージャ30の内部で開口している。
一実施形態の冷却通路形成部110は、エンクロージャ30の天井33から車室7の上半部7aに向かって延在する導入部111と、車室7の外表面71で周方向に延在する車室冷却部113とを含んでいる。
一実施形態の冷却通路形成部110は、車室7の外表面71にエンクロージャ30の外部から大気を導くための導入通路101及び冷却通路103を形成する。すなわち、一実施形態の冷却通路形成部110では、導入部111は、導入通路101を形成し、車室冷却部113は、冷却通路103を形成する。
導入部111は、上流側の端部がエンクロージャ30の天井33からエンクロージャ30の外部に突出している。導入部111は、下流側で車室冷却部113と接続されている。
一実施形態の冷却通路形成部110の入口側開口112は、導入部111の上流側の端部に形成されていて、エンクロージャ30の外部に位置している。
上述したように、車室冷却部113は、冷却通路103を形成する。冷却通路103は、車室7の外表面71で周方向に延在する冷却空気の通路である。
一実施形態の冷却通路形成部110では、車室冷却部113は、車室7の外表面71からガスタービン1の径方向外側に立設していて周方向に延在する複数の側壁部131と、外表面71からから径方向外側に離間していて周方向に延在する天井壁部133とを有する。
複数の側壁部131のそれぞれは、互いにガスタービン1の軸方向に離間している。一実施形態の冷却通路形成部110では、冷却通路103は、軸方向で隣り合う2つの側壁部131と、天井壁部133とで囲まれる空間であり、軸方向に複数並べられている。図1、図3A及び図3Bに示す例では、車室冷却部113は、例えば軸方向に離間して配置された4つの側壁部131と、天井壁部133とによって、軸方向に並んだ3つの冷却通路103を形成している。すなわち、一実施形態の冷却通路形成部110では、冷却通路形成部110は、車室冷却部113において周方向に延在し且つ軸方向に並んだ複数の冷却通路103を形成するように分岐している。
一実施形態の冷却通路形成部110では、車室冷却部113は、それぞれの冷却通路103が車室7の頂部から周方向の一方側及び他方側に向かって延在し、車室7の上半部7aを冷却するように形成されている。
一実施形態に係る車室7の外表面71は、車室冷却部113の配置範囲内において、各冷却通路103に面している。すなわち、後述するように車室冷却部113内に導入された冷却空気は、一実施形態に係る車室7の外表面71に接触しつつ各冷却通路103を流れることとなる。
車室冷却部113には、それぞれの冷却通路103を通過した冷却空気の出口である出口側開口115が形成されている。出口側開口115は、車室冷却部113の下流側の端部、すなわち周方向に沿って車室7の頂部から遠い方の端部、及び、周方向に沿って該端部に至る途中の位置において、それぞれの冷却通路103に対応して形成されている。なお、出口側開口115は、少なくとも周方向に沿って車室7の頂部から遠い方の端部において、それぞれの冷却通路103に対応して形成されていればよいが、図1及び図2に示すように、それぞれの冷却通路103に2カ所以上ずつ設けられていてもよい。
一実施形態に係るガスタービンプラント10では、冷却通路形成部110は、車室7のうちタービン車室6又は圧縮機車室21の少なくとも何れか一方に設けられるとよい。
これにより、タービン車室6又は圧縮機車室21の少なくとも何れか一方の外表面71をエンクロージャ30の外部からの冷却空気で冷却できる。
図1に示す例では、冷却通路形成部110は、タービン車室6及び圧縮機車室21に設けられている。なお、タービン車室6に設けられた冷却通路形成部110の車室冷却部113は、軸方向の範囲の内、ガスタービン1の燃焼器3の配置位置からタービン4の第1段落又は第2段落までの範囲に配置されているとよい。また、圧縮機車室21に設けられた冷却通路形成部110の車室冷却部113は、軸方向の範囲の内、圧縮機2の最終段落を含む範囲に配置されているとよい。
一実施形態に係るガスタービンプラント10では、冷却通路形成部110は、車室7の上半部7aの外表面71にエンクロージャ30の外部から冷却空気を供給するように構成されているとよい。
これにより、ガスタービン1の運転停止後に車室7内の上部に滞留する高温の気体によって車室7の上半部7aの温度が上昇することを効果的に抑制できる。
一実施形態に係るガスタービンプラント10では、冷却通路形成部110は、エンクロージャ30の天井33から上半部7aに向かって延在する導入部111を有するとよい。
これにより、車室7の上半部7aの内、最も温度が高くなる傾向にある頂部付近にエンクロージャ30の外部から冷却空気を供給するにあたって、導入部111の配置が合理的となる。
一実施形態に係るガスタービンプラント10では、冷却通路形成部110は、車室7の外表面71で周方向に延在する車室冷却部113を含むとよい。
これにより、冷却空気を車室7の外表面71で周方向に沿って流すことができるので、エンクロージャ30の外部からの冷却空気による冷却範囲を周方向に沿って確保できる。
一実施形態に係るガスタービンプラント10では、冷却通路形成部110は、車室冷却部113において周方向に延在し且つ軸方向に並んだ複数の冷却通路103を形成するように分岐しているとよい。
これにより、周方向及び軸方向に沿って比較的広い範囲に車室冷却部113を設けた場合であっても、車室7の外表面71の冷却にムラが生じるのを抑制できる。
(ダンパ120について)
一実施形態の冷却装置100は、エンクロージャ30の外部と冷却通路形成部110の出口側開口115との連通状態を切り替えるためのダンパ120を備えている。一実施形態の冷却装置100では、ダンパ120は、入口側開口112を開閉するための弁体121と、弁体121を駆動するアクチュエータ123とを有する。一実施形態の冷却装置100では、アクチュエータ123は、例えば電磁式のアクチュエータであるが、空気作動式のアクチュエータであってもよい。一実施形態の冷却装置100では、ダンパ120は、いわゆるノーマリーオープンタイプのダンパであり、アクチュエータ123の駆動用電源が断たれると弁体121が入口側開口112を開くように構成されている。一実施形態の冷却装置100では、ダンパ120は、エンクロージャ30の外部に配置されている。
(冷却空気の流れについて)
上述したように、一般的に、エンクロージャ30の換気を行う場合、エンクロージャ30内の空気が意図しない場所からエンクロージャ30の外部に排出されるのを抑制するため、一実施形態のガスタービンプラント10のように、例えば排気ファン11aによってエンクロージャ30の内部の空気を吸引することでエンクロージャ30内の圧力を負圧にしている。
すなわち、図1及び図2に示すように、排気ファン11aによってエンクロージャ30の内部の空気が矢印aで示すように吸引されて、矢印bで示すようにエンクロージャ30の外部に排気されると、エンクロージャ30内の圧力が負圧になり、矢印cで示すようにエンクロージャ30の外部の空気がエンクロージャ30内に流入する。
なお、一実施形態のガスタービンプラント10では、各排気ファン11aは、ガスタービン1の運転中及び運転停止後の何れの期間にも駆動されるように構成されている。また、一実施形態のガスタービンプラント10では、各排気ファン11aは、例えばガスタービンプラント10の電源喪失時(ブラックアウト発生時)には、非常用の不図示の電源装置からの非常用電源によって、少なくとも1基の排気ファン11aが駆動されるように構成されている。
ここで、ダンパ120が入口側開口112を開いていて、エンクロージャ30の外部と冷却通路形成部110の出口側開口115とが連通している状態では、エンクロージャ30の外部の空気は、矢印dで示すように入口側開口112から冷却通路形成部110内に流入する。入口側開口112から冷却通路形成部110内に流入した空気(冷却空気)は、導入部111内の導入通路101を流通して、図2の矢印eで示すように、車室冷却部113における各冷却通路103に流入する。各冷却通路103に流入した冷却空気は、車室7の外表面71に接触しつつ周方向に沿って流れ、図1の矢印f及び図2の矢印eで示すように、出口側開口115からエンクロージャ30内に流出する。
一実施形態の冷却装置100では、ダンパ120は、ガスタービン1の運転停止後に入口側開口112を開くように制御される。
また、一実施形態の冷却装置100では、ダンパ120は、上述したようにアクチュエータ123の駆動用電源が断たれると弁体121が入口側開口112を開くように構成されているので、例えば電源喪失時には、入口側開口112を開くように動作する。上述したように、電源喪失時には、非常用の不図示の電源装置からの非常用電源によって、少なくとも1基の排気ファン11aが駆動されるように構成されている。したがって、電源喪失時に入口側開口112が開くことで、エンクロージャ30の外部の空気を各冷却通路103に流すことができ、車室7の上半部7aの外表面71を冷却できる。
なお、一実施形態の冷却装置100では、ガスタービン1の運転中は、ダンパ120によって入口側開口112が閉じられる。そのため、エンクロージャ30の外部と冷却通路形成部110の出口側開口115とが連通しなくなり、エンクロージャ30の外部の空気は、冷却通路形成部110内に流入しない。また、ガスタービン1の運転中にダンパ120によって入口側開口112が閉じられるため、各冷却通路103において車室7の外表面71からの熱伝達によって加熱された空気は、入口側開口112からエンクロージャ30の外部に流出することが防止される。
一実施形態の冷却装置100によれば、エンクロージャ30の内部の空気を吸引してエンクロージャ30の外部に排出するための排気装置として従来から存在している排気ファン11aを用いることができる。したがって、一実施形態の冷却装置100によれば、冷却通路形成部110を新たに設け、排気装置11を稼働させてエンクロージャ30内の圧力を負圧にすることで、車室7の外表面71にエンクロージャ30の外部から冷却空気を導くことができる。これにより、簡素な構成でコスト増を抑制しつつ、冷却を必要とする箇所を効果的に冷却でき、キャットバック現象の発生を抑制できる。
一実施形態のガスタービン1では、一実施形態の冷却装置100を備えるので、簡素な構成でコスト増を抑制しつつ、冷却を必要とする箇所を効果的に冷却でき、キャットバック現象の発生を抑制できる。
なお、ガスタービン1の運転中等、車室7の外表面71にエンクロージャ30の外部から冷却空気を供給する必要がない場合には、ダンパ120を閉じておくことで、車室7周りの高温の空気が冷却通路形成部110を介してエンクロージャ30の外部に流出することを抑制できる。また、一実施形態の冷却装置100によれば、ガスタービン1の運転停止後等、車室7の外表面71の冷却が必要な場合には、ダンパ120を開くことで、車室7の外表面71にエンクロージャ30の外部から冷却空気を供給して車室7の外表面71を冷却できる。
一実施形態の冷却装置100では、上述したように、ダンパ120は、ダンパ120の駆動用電源のダンパ120への供給が断たれるとエンクロージャ30の外部と冷却通路形成部110の出口側開口115とを連通させるように構成されている。なお、ダンパ120のアクチュエータ123が空気作動式のアクチュエータであった場合、ダンパ120は、ダンパ120の駆動用気体のダンパ120への供給が断たれるとエンクロージャ30の外部と冷却通路形成部110の出口側開口115とを連通させるように構成されているとよい。
一実施形態の冷却装置100によれば、例えば電源喪失時のような非常時であっても、エンクロージャ30の外部と冷却通路形成部110の出口側開口115とを連通させることができる。そのため、例えば非常用電源によって排気ファン11aの少なくとも一部が稼働すれば、車室7の外表面71にエンクロージャ30の外部から冷却空気を供給できる。
(パージシステムについて)
なお、一実施形態の冷却装置100は、図4に示すように、パージシステム200を備えている。一実施形態に係るパージシステム200は、エンクロージャ30の外部の空気を冷却空気として車室7内に供給するためのものであり、冷却用送風機201と、空気通路形成部203と、開閉弁205と、を有する。
冷却用送風機201は、エンクロージャ30の外部の空気を車室7の内部に供給するための送風機である。
空気通路形成部203は、例えば冷却用送風機201と車室7とを接続する配管である。
開閉弁205は、空気通路形成部203を介したエンクロージャ30の外部と車室7の内部との連通状態を切り替えるための開閉弁である。なお、図4に示す例では、開閉弁205は、空気通路形成部203において直列に2つ配置されているが、空気通路形成部203において少なくとも1つ配置されいてればよい。
一実施形態に係るパージシステム200では、各開閉弁205は、不図示の弁体を駆動するアクチュエータ205aは、例えば空気作動式のアクチュエータであるが、電磁式のアクチュエータであってもよい。
一実施形態の冷却装置100によれば、パージシステム200によって車室7の内部からも車室7を冷却できる。
なお、一実施形態に係るパージシステム200では、図4に示すように、エンクロージャ30の外部の空気をろ過して車室7の内部に供給するためのフィルタ装置207を有していてもよい。
一実施形態に係るパージシステム200は、エンクロージャ30の内部に配置されていてもよく、エンクロージャ30の外部に配置されていてもよい。なお、一実施形態に係るパージシステム200は、エンクロージャ30の内部に配置されていている場合、空気の取り込み口、すなわちフィルタ装置207の不図示の吸気口は、エンクロージャ30の内部に配置されていてもよく、エンクロージャ30の外部に配置されていてもよい。
一実施形態の冷却装置100では、冷却用送風機201は、ガスタービン1の運転中は停止するように制御され、ガスタービン1の運転停止後に駆動するように制御される。また、一実施形態の冷却装置100では、各開閉弁205は、ガスタービン1の運転中は閉じるように制御され、ガスタービン1の運転停止後に開くように制御される。
したがって、一実施形態の冷却装置100では、ガスタービン1の運転停止後には、冷却用送風機201が駆動され、各開閉弁205が開くので、エンクロージャ30の外部の空気を車室7の内部に供給できる。
なお、一実施形態の冷却装置100では、冷却用送風機201は、例えば電源喪失時には、上述した非常用の不図示の電源装置からの非常用電源によって駆動可能に構成されている。一実施形態の冷却装置100では、各開閉弁205は、例えば電源喪失時には、作業員の作業によって不図示の窒素ガスボンベからの窒素ガスがアクチュエータ205aに供給可能に構成されている。したがって、一実施形態の冷却装置100では、例えば電源喪失時には、冷却用送風機201を駆動でき、各開閉弁205を開くことができるので、エンクロージャ30の外部の空気を車室7の内部に供給できる。
(冷却装置100による冷却効果について)
上述したように図5は、通常のガスタービン運転停止後の車室上下メタル温度差ΔTの推移の傾向を示すグラフである。仮に、ガスタービン運転停止後に上述したような冷却通路形成部110に冷却空気を流通させることによる車室7の冷却、及び、パージシステム200による車室7の冷却を行わなかった場合、図5における破線のグラフ線51で示すように、ガスタービン運転停止後、時間の経過に連れて車室上下メタル温度差ΔTが増大する。なお、車室上下メタル温度差ΔTは、車室7の上半部7aにおける頂部近傍のメタル温度と、車室7の下半部7bにおける底部近傍のメタル温度との差である。
ガスタービン運転停止後に冷却通路形成部110に冷却空気を流通させることによる車室7の冷却は行わず、パージシステム200による車室7の冷却を行った場合、図5における細い実線のグラフ線52で示すように、パージシステム200による車室7の冷却を行わなかった場合と比べてガスタービン運転停止後の車室上下メタル温度差ΔTの増大を抑制できる。
ガスタービン運転停止後に冷却通路形成部110に冷却空気を流通させることによる車室7の冷却、及び、パージシステム200による車室7の冷却を行った場合、図5における太い実線のグラフ線52で示すように、ガスタービン運転停止後の車室上下メタル温度差ΔTの増大をさらに抑制できる。
上述したように図6は、電源喪失時におけるガスタービン運転停止後の車室上下メタル温度差ΔTの推移の傾向を示すグラフである。仮に、ガスタービン運転停止後に冷却通路形成部110に冷却空気を流通させることによる車室7の冷却、及び、パージシステム200による車室7の冷却を行わなかった場合、図6における破線のグラフ線51(すなわち図5における破線のグラフ線51)で示すように、ガスタービン運転停止後、時間の経過に連れて車室上下メタル温度差ΔTが増大する。
一実施形態の冷却装置100では、ダンパ120は、例えば電源喪失時には、入口側開口112を開くように動作する。また、例えば電源喪失時には、非常用の不図示の電源装置からの非常用電源によって、少なくとも1基の排気ファン11aが駆動されるように構成されている。そのため、例えば電源喪失時には、冷却通路形成部110に冷却空気を流通させることによる車室7の冷却が電源喪失後、比較的短時間で開始される。
ここで、仮に上述したような各開閉弁205のアクチュエータ205aの駆動源を窒素ガスボンベからの窒素ガスに切り替える作業に遅れが生じた場合であっても、図6における実線のグラフ線54で示すように、ガスタービン運転停止後の車室上下メタル温度差ΔTの増大を抑制できる。すなわち、パージシステム200による車室7の冷却の開始に遅れが生じた場合であっても、ガスタービン運転停止後の車室上下メタル温度差ΔTの増大を抑制できる。
(フローチャート)
図8のフローチャートを参照して、一実施形態の冷却装置100による車室7の冷却手順について説明する。
幾つかの実施形態に係るガスタービンの車室の冷却方法は、ガスタービン1の車室7を収容するエンクロージャ30の内部の空気をエンクロージャ30の外部に排気するステップS10と、排気するステップS10による排気によってエンクロージャ30の内部に取り込まれる空気を通路(導入通路101及び冷却通路103)を介して車室7の外表面71に導くステップS30と、を備える。
幾つかの実施形態に係るガスタービンの車室の冷却方法は、上述したパージシステム200によって車室7に冷却空気を供給するステップS20を備える。
以下の説明では、エンクロージャ30の内部の空気をエンクロージャ30の外部に排気するステップS10のことを、排気するステップS10とも称する。同様に、エンクロージャ30の内部に取り込まれる空気を通路を介して車室7の外表面71に導くステップS30のことを、導くステップS30とも称する。パージシステム200によって車室7に冷却空気を供給するステップS20のことを、供給するステップS20とも称する。
幾つかの実施形態に係るガスタービンの車室の冷却方法では、排気するステップS10、導くステップS30、及び、供給するステップS20は、ガスタービン1の運転停止時に実施される。
(排気するステップS10)
ガスタービン1の通常の運転停止時には、排気するステップS10では、ガスタービンプラント10を制御する制御装置300(図1、4参照)は、排気装置11の各電動機11bの駆動が継続されるように制御信号を出力する。これにより、排気ファン11aの駆動が継続され、排気ファン11aによってエンクロージャ30の内部の空気がエンクロージャ30の外部に排気される。その結果、エンクロージャ30の内の圧力が負圧に保たれる。
例えば、ガスタービンプラント10の電源喪失時には、ガスタービン1の運転を継続できないため、ガスタービン1の運転が強制的に停止させられる。
例えば、ガスタービンプラント10の電源喪失時には、排気するステップS10では、制御装置300は、非常用の不図示の電源装置からの非常用電源の電力を、少なくとも1基の電動機11bに給電するようにガスタービンプラント10の各部に制御信号を出力する。これにより、少なくとも1基の排気ファン11aが駆動され、該少なくとも1基の排気ファン11aによってエンクロージャ30の内部の空気がエンクロージャ30の外部に排気される。その結果、エンクロージャ30の内の圧力が負圧に保たれる。
(導くステップS30)
ガスタービン1の通常の運転停止時には、導くステップS30では、制御装置300は、ダンパ120を開くように制御信号を出力する。具体的には、制御装置300は、ダンパ120のアクチュエータ123の駆動用電源を断つ。これにより、入口側開口112が開く。そのため、エンクロージャ30の内部と外部との圧力差によってエンクロージャ30の外部の空気が入口側開口112を介して冷却通路形成部110内に流入する。これにより、上述したように、エンクロージャ30の外部の空気によって車室7の外表面71を冷却できる。
例えば、ガスタービンプラント10の電源喪失時には、アクチュエータ123の駆動用電源が断たれるため、上述したように、入口側開口112が開く。そのため、エンクロージャ30の内部と外部との圧力差によってエンクロージャ30の外部の空気が入口側開口112を介して冷却通路形成部110内に流入する。これにより、上述したように、エンクロージャ30の外部の空気によって車室7の外表面71を冷却できる。
なお、排気するステップS10、導くステップS30及び供給するステップS20は、何れのステップが先に実施されてもよく、同時に実施されてもよい。
(供給するステップS20)
ガスタービン1の通常の運転停止時には、供給するステップS20では、制御装置300は、冷却用送風機201の起動信号、及び、各開閉弁205の開弁信号を出力する。これにより、冷却用送風機201が起動され、各開閉弁205が開くので、エンクロージャ30の外部の空気を車室7の内部に供給できる。
例えば、ガスタービンプラント10の電源喪失時には、供給するステップS20では、制御装置300は、非常用の不図示の電源装置からの非常用電源の電力を、冷却用送風機201の不図示の電動機に給電するようにガスタービンプラント10の各部に制御信号を出力する。これにより、冷却用送風機201が起動される。
また、ガスタービンプラント10の電源喪失時には、供給するステップS20では、作業員は、不図示の窒素ガスボンベからの窒素ガスをアクチュエータ205aに供給してアクチュエータ205aを駆動させ、各開閉弁205を開弁させる。これにより、冷却用送風機201からの空気を各開閉弁205を介して車室7の内部に供給できる。
なお、排気するステップS10、導くステップS30及び供給するステップS20は、実施順序は特に問わない。したがって、何れのステップが先に実施されてもよく、2つ又は3つのステップが同時に実施されてもよい。
幾つかの実施形態に係るガスタービンの車室の冷却方法によれば、排気するステップS10において、例えば排気ファン11aによってエンクロージャ30の内部の空気を排出させることができる。そして、導くステップS30において、エンクロージャ30の内部に取り込まれる空気を通路(導入通路101及び冷却通路103)を介して車室7の外表面71に導くことができる。したがって、幾つかの実施形態に係るガスタービンの車室の冷却方法によれば、車室7の外表面71にエンクロージャ30の外部から冷却空気を容易に導くことができる。これにより、コスト増を抑制しつつ、冷却を必要とする箇所を効果的に冷却でき、キャットバック現象の発生を抑制できる。
幾つかの実施形態に係るガスタービンの車室の冷却方法において、排気するステップS10、及び、導くステップS30は、少なくとも電源喪失時に実施されるとよい。
電源喪失時には、平時の運転停止後に行われるガスタービン1の冷却工程が実施できずに上述したキャットバック現象が発生するおそれがある。
幾つかの実施形態に係るガスタービンの車室の冷却方法によれば、排気するステップS10、及び、導くステップS30が電源喪失時に実施されることで、電源喪失時におけるキャットバック現象の発生を抑制できる。
幾つかの実施形態に係るガスタービンの車室の冷却方法において、排気するステップS10、及び、導くステップS30は、ガスタービン1の運転停止後に実施されるとよい。
これにより、平時の運転停止後のキャットバック現象の発生を抑制できる。
幾つかの実施形態に係るガスタービンの車室の冷却方法において、導くステップS30では、上記通路(導入通路101及び冷却通路103)上に配置されたダンパ120を開くことでエンクロージャ30の内部に取り込まれる空気を車室7の外表面71に導くとよい。
これにより、導くステップS30を実施しない場合には、ダンパ120を閉じておくことで、例えばガスタービン1の運転中に車室7周りの高温の空気が上記通路を介してエンクロージャ30の外部に流出することを抑制できる。また、導くステップS30を実施する場合には、ダンパ120を開くことで、車室7の外表面71にエンクロージャの外部から冷却空気を供給して車室7の外表面71を冷却できる。
本開示は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
例えば、上述した一実施形態の冷却装置100では、車室冷却部113内に導入された冷却空気が車室7の外表面71に直接接触するように冷却通路形成部110が形成されている。しかし、車室冷却部113内に導入された冷却空気が車室7の外表面71に直接接触せず、冷却通路103を形成する壁面を介して車室7の外表面71から熱を奪うようにしてもよい。
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
(1)本開示の少なくとも一実施形態に係るガスタービン1の車室7の冷却装置100は、ガスタービン1の車室7を収容するエンクロージャ30の内部の空気を吸引してエンクロージャ30の外部に排出するための排気装置11と、車室7の外表面71にエンクロージャ30の外部から冷却空気を供給するための冷却通路形成部110と、を備える。冷却通路形成部110の出口側開口115は、エンクロージャ30の内部で開口している。
上記(1)の構成によれば、エンクロージャ30の内部の空気を吸引してエンクロージャ30の外部に排出するための排気装置として従来から存在している排気ファン11aを用いることができる。したがって、上記(1)の構成によれば、冷却通路形成部110を新たに設け、排気装置11を稼働させてエンクロージャ30内の圧力を負圧にすることで、車室7の外表面71にエンクロージャ30の外部から冷却空気を導くことができる。これにより、簡素な構成でコスト増を抑制しつつ、冷却を必要とする箇所を効果的に冷却でき、キャットバック現象の発生を抑制できる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、エンクロージャ30の外部と冷却通路形成部110の出口側開口115との連通状態を切り替えるためのダンパ120をさらに備えているとよい。
上記(2)の構成によれば、ガスタービン1の運転中等、車室7の外表面71にエンクロージャ30の外部から冷却空気を供給する必要がない場合には、ダンパ120を閉じておくことで、車室7周りの高温の空気が冷却通路形成部110を介してエンクロージャ30の外部に流出することを抑制できる。また、上記(2)の構成によれば、ガスタービン1の運転停止後等、車室7の外表面71の冷却が必要な場合には、ダンパ120を開くことで、車室7の外表面71にエンクロージャの外部から冷却空気を供給して車室7の外表面71を冷却できる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、ダンパ120は、ダンパ120の駆動用電源又はダンパ120の駆動用気体のダンパ120への供給が断たれるとエンクロージャ30の外部と冷却通路形成部110の出口側開口115とを連通させるように構成されているとよい。
上記(3)の構成によれば、例えば電源喪失時のような非常時であっても、エンクロージャ30の外部と冷却通路形成部110の出口側開口115とを連通させることができる。そのため、例えば非常用電源によって排気装置11の少なくとも一部が稼働すれば、車室7の外表面71にエンクロージャ30の外部から冷却空気を供給できる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れかの構成において、冷却通路形成部110は、車室7のうちタービン4の車室(タービン車室)6又は圧縮機の車室(圧縮機車室)21の少なくとも何れか一方に設けられるとよい。
上記(4)の構成によれば、車室7のうちタービン車室6又は圧縮機車室21の少なくとも何れか一方の外表面71をエンクロージャ30の外部からの冷却空気で冷却できる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(4)の何れかの構成において、冷却通路形成部110は、車室7の外表面71で周方向に延在する車室冷却部113を含むとよい。
上記(5)の構成によれば、冷却空気を車室7の外表面71で周方向に沿って流すことができるので、エンクロージャ30の外部からの冷却空気による冷却範囲を周方向に沿って確保できる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(5)の構成において、冷却通路形成部110は、車室冷却部113において周方向に延在し且つ軸方向に並んだ複数の冷却通路103を形成するように分岐しているとよい。
上記(6)の構成によれば、周方向及び軸方向に沿って比較的広い範囲に車室冷却部113を設けた場合であっても、車室7の外表面71の冷却にムラが生じるのを抑制できる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(5)又は(6)の構成において、冷却通路形成部110は、エンクロージャ30の天井33から車室7の上半部7aに向かって延在する導入部111を有するとよい。
上記(7)の構成によれば、車室7の上半部7aの内、最も温度が高くなる傾向にある頂部付近にエンクロージャ30の外部から冷却空気を供給するにあたって、導入部111の配置が合理的となる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(7)の何れかの構成において、冷却通路形成部110は、車室7の上半部7aの外表面71にエンクロージャ30の外部から冷却空気を供給するように構成されているとよい。
上記(8)の構成によれば、ガスタービン1の運転停止後に車室7内の上部に滞留する高温の気体によって車室7の上半部7aの温度が上昇することを効果的に抑制できる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(8)の何れかの構成において、エンクロージャ30の外部の空気を車室7の内部に供給するための冷却用送風機201と、冷却用送風機201と車室7とを接続する空気通路形成部203と、空気通路形成部203を介したエンクロージャ30の外部と車室7の内部との連通状態を切り替えるための開閉弁205と、を有するパージシステム200をさらに備えるとよい。
上記(9)の構成によれば、車室7の内部からも車室7を冷却できる。
(10)本開示の少なくとも一実施形態に係るガスタービン1は、上記(1)乃至(9)の何れかの構成のガスタービン1の車室7の冷却装置100を備える。
上記(10)の構成によれば、簡素な構成でコスト増を抑制しつつ、冷却を必要とする箇所を効果的に冷却でき、キャットバック現象の発生を抑制できる。
(11)本開示の少なくとも一実施形態に係るガスタービン1の車室7の冷却方法は、ガスタービン1の車室7を収容するエンクロージャ30の内部の空気をエンクロージャ30の外部に排気するステップS10と、排気するステップS10による排気によってエンクロージャ30の内部に取り込まれる空気を通路(導入通路101及び冷却通路103)を介して車室7の外表面71に導くステップとS30、を備える。
上記(11)の構成によれば、排気するステップS10において、例えば上記排気ファン11aによってエンクロージャ30の内部の空気を排出させることができる。そして、導くステップS30において、エンクロージャ30の内部に取り込まれる空気を通路(導入通路101及び冷却通路103)を介して車室7の外表面71に導くことができる。したがって、上記(11)の構成によれば、車室7の外表面71にエンクロージャ30の外部から冷却空気を容易に導くことができる。これにより、コスト増を抑制しつつ、冷却を必要とする箇所を効果的に冷却でき、キャットバック現象の発生を抑制できる。
(12)幾つかの実施形態では、上記(11)の方法において、排気するステップS10、及び、導くステップS30は、少なくとも電源喪失時に実施されるとよい。
電源喪失時には、平時の運転停止後に行われるガスタービン1の冷却工程が実施できずに上述したキャットバック現象が発生するおそれがある。
上記(12)の方法によれば、排気するステップS10、及び、導くステップS30が電源喪失時に実施されることで、電源喪失時におけるキャットバック現象の発生を抑制できる。
(13)幾つかの実施形態では、上記(11)又は(12)の方法において、排気するステップS10、及び、導くステップS30は、ガスタービン1の運転停止後に実施されるとよい。
上記(13)の方法によれば、運転停止後のキャットバック現象の発生を抑制できる。
(14)幾つかの実施形態では、上記(11)乃至(13)の何れかの方法において、導くステップS30では、通路(導入通路101及び冷却通路103)上に配置されたダンパ120を開くことでエンクロージャ30の内部に取り込まれる空気を車室7の外表面71に導くとよい。
上記(14)の方法によれば、導くステップS30を実施しない場合には、ダンパ120を閉じておくことで、例えばガスタービン1の運転中に車室7周りの高温の空気が通路(導入通路101及び冷却通路103)を介してエンクロージャ30の外部に流出することを抑制できる。また、上記(14)の方法によれば、導くステップS30を実施する場合には、ダンパ120を開くことで、車室7の外表面71にエンクロージャ30の外部から冷却空気を供給して車室7の外表面71を冷却できる。
1 ガスタービン
6 車室(タービン車室)
7 車室
7a 上半部
10 ガスタービンプラント
11 排気装置
21 車室(圧縮機車室)
30 エンクロージャ
71 外表面
100 冷却装置
101 導入通路
103 冷却通路
110 冷却通路形成部
111 導入部
112 入口側開口
113 車室冷却部
115 出口側開口
120 ダンパ
200 パージシステム
201 冷却用送風機
203 空気通路形成部
205 開閉弁

Claims (14)

  1. ガスタービンの車室を収容するエンクロージャの内部の空気を吸引して前記エンクロージャの外部に排出するための排気装置と、
    前記車室の外表面に前記エンクロージャの外部から冷却空気を供給するための冷却通路形成部と、
    を備え、
    前記冷却通路形成部の出口側開口は、前記エンクロージャの内部で開口しており、
    前記冷却通路形成部は、
    前記エンクロージャの天井から前記車室の上半部に向かって延在する導入部と、
    前記導入部の下流端に接続され、前記車室の前記上半部の外表面上を周方向に延在する車室冷却部と、
    を含み、
    前記車室冷却部は、前記導入部と前記車室冷却部との接続部から前記周方向にずれた位置に前記出口側開口を有し、
    前記車室冷却部は、前記導入部を介して前記車室冷却部に導かれる前記冷却空気を前記車室の前記上半部の前記外表面に沿って導いた後、前記出口側開口から前記エンクロージャの内部に流出させるように構成された
    ガスタービンの車室の冷却装置。
  2. 前記エンクロージャの外部と前記冷却通路形成部の前記出口側開口との連通状態を切り替えるためのダンパ
    をさらに備える
    請求項1に記載のガスタービンの車室の冷却装置。
  3. ガスタービンの車室を収容するエンクロージャの内部の空気を吸引して前記エンクロージャの外部に排出するための排気装置と、
    前記車室の外表面に前記エンクロージャの外部から冷却空気を供給するための冷却通路形成部と、
    を備え、
    前記冷却通路形成部の出口側開口は、前記エンクロージャの内部で開口し
    前記エンクロージャの外部と前記冷却通路形成部の前記出口側開口との連通状態を切り替えるためのダンパ
    をさらに備え、
    前記ダンパは、前記ダンパの駆動用電源又は前記ダンパの駆動用気体の前記ダンパへの供給が断たれると前記エンクロージャの外部と前記冷却通路形成部の前記出口側開口とを連通させるように構成されてい
    スタービンの車室の冷却装置。
  4. 前記冷却通路形成部は、前記車室のうちタービンの車室又は圧縮機の車室の少なくとも何れか一方に設けられる
    請求項1乃至3の何れか一項に記載のガスタービンの車室の冷却装置。
  5. 前記冷却通路形成部は、前記車室の外表面で周方向に延在する車室冷却部を含む
    請求項に記載のガスタービンの車室の冷却装置。
  6. 前記冷却通路形成部は、前記車室冷却部において周方向に延在し且つ軸方向に並んだ複数の冷却通路を形成するように分岐している
    請求項5に記載のガスタービンの車室の冷却装置。
  7. 前記冷却通路形成部は、前記エンクロージャの天井から前記車室の上半部に向かって延在する導入部を有する
    請求項5又は請求項6に記載のガスタービンの車室の冷却装置。
  8. 前記冷却通路形成部は、前記車室の上半部の外表面に前記エンクロージャの外部から冷却空気を供給するように構成されている
    請求項1乃至7の何れか一項に記載のガスタービンの車室の冷却装置。
  9. 前記エンクロージャの外部の空気を前記車室の内部に供給するための冷却用送風機と、前記冷却用送風機と前記車室とを接続する空気通路形成部と、前記空気通路形成部を介した前記エンクロージャの外部と前記車室の内部との連通状態を切り替えるための開閉弁と、を有するパージシステム
    をさらに備える
    請求項1乃至8の何れか一項に記載のガスタービンの車室の冷却装置。
  10. 請求項1乃至9の何れか一項に記載のガスタービンの車室の冷却装置
    を備える
    ガスタービン。
  11. ガスタービンの車室を収容するエンクロージャの内部の空気を前記エンクロージャの外部に排気するステップと、
    前記排気するステップによる排気によって前記エンクロージャの内部に取り込まれる空気を通路を介して前記車室の外表面に導くステップと、
    を備え
    前記空気を前記車室の前記外表面に導くステップでは、
    前記エンクロージャの天井から前記車室の上半部に向かって延在する導入部、および、前記導入部の下流端に接続され、前記車室の前記上半部の外表面上を周方向に延在する車室冷却部を含む冷却通路形成部によって形成される前記通路を介して、前記導入部によって前記エンクロージャの外部から取り込まれた前記空気を前記車室冷却部において前記車室の前記上半部の前記外表面に沿って導き、
    前記車室冷却部に設けられた出口側開口から前記空気を前記エンクロージャの内部に流出させる
    ガスタービンの車室の冷却方法。
  12. 前記排気するステップ、及び、前記導くステップは、少なくとも電源喪失時に実施される
    請求項11に記載のガスタービンの車室の冷却方法。
  13. 前記排気するステップ、及び、前記導くステップは、前記ガスタービンの運転停止後に実施される
    請求項11又は12に記載のガスタービンの車室の冷却方法。
  14. 前記導くステップでは、前記通路上に配置されたダンパを開くことで前記エンクロージャの内部に取り込まれる空気を前記車室の前記外表面に導く
    請求項11乃至13の何れか一項に記載のガスタービンの車室の冷却方法。
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