JP7492022B2 - 電動機のモデルのパラメータを設定するパラメータ設定装置 - Google Patents

電動機のモデルのパラメータを設定するパラメータ設定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7492022B2
JP7492022B2 JP2022557056A JP2022557056A JP7492022B2 JP 7492022 B2 JP7492022 B2 JP 7492022B2 JP 2022557056 A JP2022557056 A JP 2022557056A JP 2022557056 A JP2022557056 A JP 2022557056A JP 7492022 B2 JP7492022 B2 JP 7492022B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
model
electric motor
temperature detector
motor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2022557056A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2022085543A1 (ja
Inventor
洋平 神谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fanuc Corp
Original Assignee
Fanuc Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fanuc Corp filed Critical Fanuc Corp
Publication of JPWO2022085543A1 publication Critical patent/JPWO2022085543A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7492022B2 publication Critical patent/JP7492022B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P29/00Arrangements for regulating or controlling electric motors, appropriate for both AC and DC motors
    • H02P29/60Controlling or determining the temperature of the motor or of the drive
    • H02P29/64Controlling or determining the temperature of the winding
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P29/00Arrangements for regulating or controlling electric motors, appropriate for both AC and DC motors
    • H02P29/60Controlling or determining the temperature of the motor or of the drive
    • H02P29/66Controlling or determining the temperature of the rotor
    • H02P29/662Controlling or determining the temperature of the rotor the rotor having permanent magnets
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P23/00Arrangements or methods for the control of AC motors characterised by a control method other than vector control
    • H02P23/14Estimation or adaptation of motor parameters, e.g. rotor time constant, flux, speed, current or voltage
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P6/00Arrangements for controlling synchronous motors or other dynamo-electric motors using electronic commutation dependent on the rotor position; Electronic commutators therefor
    • H02P6/34Modelling or simulation for control purposes

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Control Of Electric Motors In General (AREA)
  • Control Of Ac Motors In General (AREA)

Description

本発明は、電動機のモデルのパラメータを設定するパラメータ設定装置に関する。
一般的に、電動機は駆動することにより温度が上昇することが知られている。電動機の温度が高くなり過ぎると、電動機が正確に作動しなかったり、構成部材が損傷したりする場合が有る。
電動機を駆動した時の実際の温度は、構成部材に取り付けた温度検出器により検出することができる。または、従来の技術においては、機械の温度を推定するシミュレーション装置が知られている。作業者は、機械のCAD(Computer Aided Design)モデルを生成し、構成部材に対して材料の特性または熱移動の特性等を設定する。そして、装置の微小な領域毎に計算を行う有限要素法等の計算により、それぞれの構成部材の温度を推定することができる(例えば、特開2020-12654号公報を参照)。
ところが、構成部材の材料の特性および熱移動の特性は、構成部材の表面の特性等に依存する。このために、作業者が正確な値を入力することが難しいという問題がある。また、十分な精度にて温度を予測することは難しいという問題がある。また、有限要素法では、温度を推定する精度を向上するために構成部材を分割する領域を小さくすることができる。しかしながら、構成部材を分割する領域を小さくすると、熱移動を計算するための計算量が多くなる。
機械の温度を推定するために、構成部材の熱容量および構成部材同士の間の熱伝達を考慮した熱モデルを使用する方法が知られている(例えば、特開2014-36475号公報、特開2016-55657号公報、および特表2018-527019号公報)。熱モデルでは、それぞれの構成部材同士の間に熱伝達係数または熱抵抗を設定して、構成部材同士の間の熱伝達を計算することにより、それぞれの構成部材の温度を算出することができる。
電動機においても、ステータコア、コイル、およびロータコアなどを含む熱モデルを用いて、電動機を駆動した時の温度を推定する装置が知られている(例えば、特開2008-109816号公報)。
特開2020-12654号公報 特開2014-36475号公報 特開2016-55657号公報 特表2018-527019号公報 特開2008-109816号公報
電動機が駆動すると、ステータコア、ステータコアに固定されたコイル、軸受などで発熱する。これらのうち、ステータコアに巻回された巻線により構成されるコイルの温度が最も高くなる場合が有る。電動機の温度を検出するための温度検出器は、例えば、コイルの温度を検出するように配置されることができる。
電動機の制御装置は、温度検出器にて出力される温度が温度判定値を超えると、電動機にオーバーヒートが生じていると判定することができる。この場合に、電動機の運転状態を維持することはできなくなる。制御装置は、電動機を停止したり、電動機の回転速度を低下させたりする制御を実施する。
電動機を含む機械では、所望の運転パターンにて機械を駆動したシミュレーションを実施して、運転パターンが許容されるか否かを推定できることが好ましい。運転パターンに応じて電動機の温度の変化を推定することにより、電動機の運転状態を判定することができる。または、作業者は、電動機の温度が過温になる場合には、機械の運転パターンを変更することができる。作業者は、電動機にオーバーヒートが生じないように機械の運転パターンを生成することができる。このように、作業者は、実際に機械を駆動しなくても、電動機が正常に運転できるか否かを判定できることが好ましい。
本開示の態様のパラメータ設定装置は、電動機を構成する1つの構成部分の温度を検出する温度検出器の温度を推定するための電動機のモデルに含まれるパラメータを設定する。パラメータ設定装置は、電動機を実際に駆動して生成される電動機の動作指令と、温度検出器から出力される温度とを取得する状態取得部を備える。パラメータ設定装置は、電動機のモデルにより算出される温度検出器のモデルの温度の変化が実際の温度の変化に対応するようにパラメータを算出するパラメータ算出部を備える。電動機のモデルは、電動機の構成部分のモデルとして、ロータのモデルと、ステータコアのモデルと、コイルのモデルと、温度検出器のモデルとを含む。温度検出器のモデルは、電動機のモデルに1個のみが定められている。パラメータは、構成部分のモデルに設定される熱容量と、構成部分のモデル同士の間の熱伝達に関する係数とを含む。パラメータ算出部は、動作指令に基づいて、コイルの一次銅損による発熱量およびステータコアの鉄損による発熱量を算出する損失算出部を含む。パラメータ算出部は、コイルの発熱量およびステータコアの発熱量に基づいて、電動機のモデルを用いて温度検出器のモデルの温度を推定する温度算出部を含む。パラメータ算出部は、温度検出器のモデルの温度を状態取得部により取得された温度検出器の温度と比較することにより、温度検出器のモデルの温度を評価する評価部を含む。パラメータ算出部は、評価部の評価結果に基づいてパラメータの値を変更するパラメータ変更部を含む。評価部は、温度検出器のモデルの温度以外の変数を評価せずに、温度検出器のモデルの温度を評価する。パラメータ算出部は、複数の熱容量および複数の熱伝達に関する係数のうち一部のパラメータを、実際の熱容量または実際の熱伝達に関する係数と異なる値に設定し、一部のパラメータ以外の他のパラメータを、実際の熱容量または実際の熱伝達に関する係数に対応する値に設定する。
本開示の態様によれば、電動機の構成部材の温度を推定するための電動機のモデルのパラメータを設定するパラメータ設定装置を提供することができる。
実施の形態における機械および温度推定装置のブロック図である。 実施の形態における第1の電動機の概略断面図である。 実施の形態における第1の電動機のモデルである。 電動機のモデルにおけるパラメータを設定する時の電動機の第1の運転パターンを説明するグラフである。 電動機のモデルにおけるパラメータを設定する時の電動機の第2の運転パターンを説明するグラフである。 実施の形態における第2の電動機のモデルである。 第2の電動機に流れる電流を説明する第1のグラフである。 第2の電動機に流れる電流を説明する第2のグラフである。 パラメータ設定部にて設定したパラメータを用いたシミュレーションの結果のグラフである。 ロータの温度と鉄損を補正するための係数との関係を示すグラフである。 コイルの温度と一次抵抗との関係を示すグラフである。 構成部分同士の間の温度差と熱伝達に関する係数を補正するための定数との関係を示すグラフである。 構成部分の温度と熱容量を補正するための定数との関係を示すグラフである。
図1から図13を参照して、実施の形態における温度推定装置に使用される電動機のモデルのパラメータを設定するパラメータ設定装置について説明する。電動機が駆動すると、電動機を構成する構成部分の温度が上昇する。本実施の形態の温度推定装置は、電動機に含まれる1つの構成部分に取り付けられた温度検出器が出力する温度を推定する。本実施の形態では、電動機の1つの構成部分であるステータのコイルの温度を検出する温度検出器が出力する温度を推定する例を説明する。この場合に、温度検出器は、ステータコアに固定されたコイルに取り付けられる。
温度推定装置は、電動機のモデルを用いて温度検出器の温度を推定する。本実施の形態の電動機のモデルは、構成部分同士の熱の移動を表現した熱モデルである。本実施の形態のパラメータ設定装置は、電動機のモデルにおける構成部分の熱容量および構成部分同士の間の熱伝達に関する係数等のパラメータを設定する。熱伝達に関する係数としては、熱伝達係数または熱伝達係数に構成部分同士の接触面積を乗じた係数等を採用することができる。
図1は、本実施の形態における機械と、電動機の温度検出器から出力される温度を推定する温度推定装置とのブロック図である。本実施の形態の機械1は、機械1の構成部材を駆動する電動機10と、電動機10を制御する制御装置41とを備える。本実施の形態の制御装置41は、演算処理装置(コンピュータ)にて構成されている。制御装置41は、プロセッサとしてのCPU(Central Processing Unit)を含む。制御装置41は、CPUにバスを介して接続されたRAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)等を有する。
本実施の形態の機械1は、数値制御式の機械である。機械1は、動作プログラム45に記載された指令文に基づいて駆動する。動作プログラム45は、作業者にて予め生成されている。制御装置41は、動作プログラム45を記憶する記憶部42と、動作プログラム45に基づいて電動機10の動作指令を生成する動作制御部43とを含む。機械1は、動作制御部43にて生成された動作指令に基づいて電動機10に電気を供給する電気回路を含む駆動装置44を含む。駆動装置44が電気を供給することにより、電動機10が駆動する。
記憶部42は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、またはハードディスク等の情報を記憶することができる非一時的な記憶媒体にて構成されることができる。動作制御部43は、動作プログラム45に従って駆動するプロセッサに相当する。プロセッサが動作プログラム45を読み込んで、動作プログラム45に定められた制御を実施することにより、動作制御部43として機能する。
このような機械1としては、電動機10を備える任意の機械を採用することができる。例えば、機械1としては、ワークを加工する工作機械を例示することができる。電動機10としては、工具またはワークを回転させる主軸モータ、または、テーブルまたは主軸ヘッドを予め定められた座標軸に沿って移動するための送り軸モータを例示することができる。
図2は、本実施の形態の第1の電動機の断面図である。図1および図2を参照して、第1の電動機10は、ロータ11が磁石18を有する同期電動機である。電動機10は、ロータ11と、ステータ12とを備える。ステータ12は、磁性を有する材質にて形成されたステータコア20と、ステータコア20に固定されたコイル16とを含む。ステータコア20は、例えば、軸方向に積層された複数の磁性鋼板にて形成されている。コイル16は、例えば、ステータコア20に巻回された巻線と巻線を固定する樹脂部とを含む。
ロータ11は、棒状に形成されたシャフト13に固定されている。ロータ11は、シャフト13の外周面に固定され、磁性を有する材質にて形成されたロータコア17と、ロータコア17に固定された複数の磁石18とを含む。本実施の形態の磁石18は、永久磁石である。
シャフト13は、回転力を伝達するために他の部材に連結される。シャフト13は、回転軸RAの周りに回転する。本実施の形態の軸方向とは、シャフト13の回転軸RAが延びる方向を示す。本実施の形態では、電動機10において、シャフト13が他の部材に連結される側を前側と称する。また、前側と反対側を後側と称する。図2に示す例では、矢印81が電動機10の前側を示す。
電動機10は、筐体として、前側のハウジング21および後側のハウジング22を含む。ロータ11は、筐体の内部に配置されている。ステータ12のステータコア20は、ハウジング21,22に支持されている。ハウジング21は、ベアリング14を支持している。ハウジング22には、ベアリング15を支持するベアリング支持部材26が固定されている。ハウジング21,22は、ベアリング14,15を介してシャフト13を回転可能に支持する。ハウジング22の後側の端部には、ハウジング22の内部の空間を閉止するリヤカバー23が固定されている。このように、電動機10の構成部分としては、ロータ11、ロータコア17、磁石18、ステータ12、ステータコア20、コイル16、ハウジング21,22、シャフト13、リヤカバー23、ベアリング支持部材26、ベアリング14,15、温度検出器31、および回転位置検出器32などを例示することができる。電動機10の構成部分としては、この形態に限られず、電動機10を構成する任意の部分を採用することができる。例えば、ステータを覆うケースを採用しても構わない。
シャフト13の後側の端部には、シャフト13の回転位置または回転速度を検出するための回転位置検出器32が配置されている。本実施の形態の回転位置検出器32は、エンコーダにて構成されている。ステータ12のコイル16には、コイル16の温度を検出する温度検出器31が固定されている。本実施の形態の温度検出器31は、サーミスタにより構成されている。温度検出器31および回転位置検出器32の出力は、制御装置41に入力される。
制御装置41は、温度検出器31にて検出される温度が予め定められた温度判定値よりも高い場合に、電動機10にオーバーヒートが生じていると判定することができる。この場合に、制御装置41は、電動機10に供給する電流値を低下させたり、電動機10を停止したりすることができる。また、制御装置41は、回転位置検出器32の出力に基づいてフィードバック制御を実施することができる。例えば、電動機10のシャフト13の回転位置を制御する位置フィードバック制御またはシャフト13の回転速度を制御する速度フィードバック制御を実施することができる。
本実施の形態の温度推定装置2は、ステータ12のコイル16に配置された温度検出器31が出力する温度を推定する。特に、本実施の形態では、温度推定装置2は、温度検出器31の温度を推定する。また、温度推定装置2は、時間の経過に対する温度検出器31の温度の変化を推定する。
温度推定装置2は、プロセッサとしてのCPUを含む演算処理装置(コンピュータ)にて構成されている。温度推定装置2は、電動機10の温度の推定に関する情報を記憶する記憶部51を含む。記憶部51は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、またはハードディスク等の情報を記憶することができる非一時的な記憶媒体にて構成されることができる。温度推定装置2は、電動機10の温度に関する情報を表示する表示部52を含む。表示部52は、液晶表示パネル等の任意の表示パネルにて構成されることができる。
温度推定装置2は、温度検出器31の温度を推定する推定部53を含む。推定部53は、電動機のモデル(熱モデル)に従って計算を行うことにより、温度検出器31の温度を推定する。推定部53は、電動機10の動作指令に基づいて、コイル16の一次銅損による発熱量およびステータコア20の鉄損による発熱量を算出する損失算出部54を含む。推定部53は、電動機のモデルにて温度検出器31の温度を算出する温度算出部55を含む。温度算出部55は、一次銅損および鉄損による発熱量、それぞれの構成部分のモデルの熱容量、および構成部分のモデル同士の間の熱伝達に関する係数に基づいて、温度検出器31の温度を算出する。
本実施の形態における温度推定装置2は、電動機のモデルに含まれるパラメータを設定するパラメータ設定装置の機能を有する。温度推定装置2のパラメータ設定部61は、パラメータ設定装置として機能する。パラメータ設定部61は、電動機10の構成部分における熱容量および構成部分同士の間の熱伝達に関する係数を含むパラメータを設定する。
パラメータ設定部61は、実際に電動機10を駆動したときの電動機10の状態を取得する状態取得部62を含む。状態取得部62は、電動機10を実際に駆動して生成される電動機10の動作指令と、回転位置検出器32から出力される回転速度と、温度検出器31から出力される温度とを取得する。電動機10の動作指令は、動作制御部43にて生成されるために、動作制御部43から取得することができる。また、状態取得部62は、機械1が配置されている環境の温度を検出する外気温度検出器33から外気の温度を取得することができる。
パラメータ設定部61は、電動機のモデルに含まれるパラメータを算出するパラメータ算出部63を含む。パラメータ算出部63は、動作制御部43が生成する動作指令と、回転位置検出器32にて検出される回転速度とに基づいて、コイル16およびステータコア20の発熱量を算出する。更に、パラメータ算出部63は、コイル16およびステータコア20の発熱量に基づいて温度検出器のモデル31aの温度を推定する。パラメータ算出部63は、温度検出器のモデル31aの温度と、温度検出器31から出力される温度とに基づいて、電動機のモデルのパラメータを算出する。
本実施の形態のパラメータ算出部63は、電動機のモデルにより算出される温度検出器のモデルの温度の変化が実際の温度の変化に対応するようにパラメータを算出する。パラメータ算出部63は、機械学習により電動機のモデルのパラメータを設定することができる。パラメータ算出部63は、推定部53を用いることにより、電動機のモデルを用いて温度検出器の温度を推定する。パラメータ算出部63は、温度検出器のモデル31aの温度を状態取得部62により取得された温度検出器31の温度と比較することにより、温度検出器のモデル31aの温度を評価する評価部66を含む。パラメータ算出部63は、評価部66の評価結果に基づいてパラメータの値を変更するパラメータ変更部67を含む。
上記の推定部53、損失算出部54、および温度算出部55のそれぞれのユニットは、プログラムに従って駆動するプロセッサに相当する。パラメータ設定部61、状態取得部62、およびパラメータ算出部63のそれぞれのユニットは、プログラムに従って駆動するプロセッサに相当する。また、パラメータ算出部63に含まれる評価部66およびパラメータ変更部67のそれぞれのユニットは、プログラムに従って駆動するプロセッサに相当する。プロセッサがプログラムに定められた制御を実施することにより、それぞれのユニットとして機能する。
図3に、本実施の形態における第1の電動機の熱の移動をモデル化した電動機のモデルを示す。電動機のモデル10aには、第1の電動機10を構成する主要な構成部分のモデルが含まれる。電動機のモデル10aは、ロータのモデル11aと、ステータコアのモデル20aと、ステータコアに巻回されるコイルのモデル16aとを含む。また、電動機のモデル10aは、コイル16の温度を検出するための温度検出器のモデル31aを含む。
また、図2を参照して、ロータ11とステータコア20との間には、空気層が介在する。更に、ロータ11とコイル16との間には、空気層が介在する。本実施の形態における電動機のモデル10aは、空気層のモデル35aを含む。また、電動機のモデル10aは、電動機10の周りの空気のモデルとして、外気のモデル36aを含む。このように、本実施の形態の電動機のモデルでは、空気層および外気が電動機の構成部分のモデルとして生成されている。
温度検出器31にて検出される温度は、コイル16の温度とほぼ等しくなる。ところが、発明者は、所定の条件下では、温度検出器31の小さな熱容量のために、温度検出器31にて検出される温度がコイル16の温度と異なる場合があることを見出した。より厳密には、温度検出器31にて検出される温度は、温度検出器31の本体部の温度である。このために、本実施の形態では、温度検出器31についても、構成部分の一つのモデルとして温度検出器のモデル31aを生成している。なお、温度検出器31の熱容量は考慮せずに、温度検出器のモデル31aの温度は、温度検出器31を取り付ける構成部分のモデルの温度と同一であるとして計算しても構わない。ここでの例では、温度検出器のモデル31aの温度は、コイルのモデル16aの温度と同一であるとして計算しても構わない。
電動機のモデル10aでは、熱容量および熱伝達に関する係数を含む複数のパラメータが設定されている。それぞれの構成部分のモデルには、熱容量が設定されている。コイルのモデル16a、ステータコアのモデル20a、空気層のモデル35a、ロータのモデル11a、および温度検出器のモデル31aのそれぞれのモデルには、変数としての温度T1,T2,T3,T4,T5および定数としての熱容量C1,C2,C3,C4,C5が設定されている。また、外気のモデル36aには、変数としての温度Trが設定されている。
電動機10の一つの構成部分の熱は他の構成部分に伝達される。電動機のモデル10aでは構成部分同士の間の熱移動を計算する。電動機10のそれぞれの構成部分のモデル同士の間には、熱伝達に関する係数が設定されている。ここでの例では、熱伝達係数に接触面積を乗じた係数が定められている。
ステータコアのモデル20aとコイルのモデル16aとの間には、熱伝達に関する係数haが設定されている。空気層のモデル35aとコイルのモデル16aとの間には、熱伝達に関する係数hc1が設定されている。空気層のモデル35aとステータコアのモデル20aとの間には熱伝達に関する係数hc2が設定されている。空気層のモデル35aとロータのモデル11aとの間には、熱伝達に関する係数hc3が設定されている。コイルのモデル16aと温度検出器のモデル31aとの間には熱伝達に関する係数hdが設定されている。更に、ステータコア20から外気への熱の放出を模擬するために、ステータコアのモデル20aと外気のモデル36aとの間には、熱伝達に関する係数hbが設定されている。
本実施の形態における電動機のモデル10aでは、構成部分が発生する熱として、ステータ12のコイル16にて発生する一次銅損Pc1が考慮される。コイルのモデル16aには、一次銅損に起因する発熱量が入力される。また、ロータ11の磁石18の磁力によって生じるステータコア20の鉄損Piが考慮される。ステータコアのモデル20aには、鉄損に起因する発熱量が入力される。
コイルおよびステータコアなどのそれぞれの構成部分同士の間では、熱伝達に関する係数の大きさに依存して熱が移動する。また、それぞれの構成部分は、入熱量と出熱量との差に基づいて温度が上昇したり下降したりする。図3に示される電動機のモデル10aのそれぞれの構成部分の温度変化率は、次の式(1)から式(5)にて表すことができる。それぞれの構成部分において、入熱量と出熱量との差を熱容量にて除算することにより、温度変化率を算出することができる。
Figure 0007492022000001
構成部分の熱容量C1,C2,C3,C4,C5は定数であり、予め定めておくことができる。熱伝達に関する係数ha,hb,hc1,hc2,hc3,hdは、熱伝達係数に接触面積を乗じた係数である。係数ha,hb,hc1,hc2,hc3,hdは定数であり、予め定めておくことができる。推定部53の損失算出部54は、コイル16における一次銅損Pc1と、ステータコアにおける鉄損Piとを後述するように算出する。推定部53の温度算出部55は、上記の式(1)から(5)の式に基づいて、微小時間dtにおける温度の変化量を算出することができる。
次に、式(1)および式(2)に含まれる一次銅損Pc1および鉄損Piの算出方法について説明する。電動機10の回転速度および電動機10の負荷率(最大負荷に対する割合)は、機械が行う作業に応じて作業者が予め設定することができる。推定部53の損失算出部54は、一次銅損Pc1と、鉄損Piとを算出する。表1に、損失を算出するための損失マップを示す。
Figure 0007492022000002
表1には、電動機10の回転速度(回転数)に対する最大出力時の損失と、無負荷時の損失と、最大出力時の電流とが示されている。最大出力時の損失Pmは、電動機の負荷率が100%の時の損失であり、電動機の回転速度により定まる値である。無負荷時の損失Pnは、電動機の負荷率が零のときの損失であり、電動機の回転速度に依存する。最大出力時の電流Imは、それぞれの回転速度において、負荷率が100%の時の電流値である。表1に示す損失マップは、電動機を実際に駆動して作成することができる。この損失マップは、例えば温度推定装置2の記憶部51に記憶させておくことができる。
損失算出部54は、一次銅損Pc1と鉄損Piを含む全損失Ptを算出する。全損失Ptは、次の式(6)および式(7)により算出することができる。
Figure 0007492022000003
全損失Ptは、最大出力時の損失Pm、無負荷時の損失Pn、および電動機の負荷率LFにより算出することができる。電動機の回転速度および負荷率は定められているために、表1から最大出力時の損失Pmおよび無負荷時の損失Pnが分かる。定数k1,k2は、作業者が予め定めておくことができる。次に、一次銅損Pc1は、次の式(8)および式(9)により算出することができる。
Figure 0007492022000004
一次銅損Pc1は、コイル16を流れる電流のジュール熱に相当する。また、コイル16を流れる電流Iは、最大出力時の電流Imに電動機の負荷率LFを乗じることにより算出することができる。最大出力時の電流Imは、表1から取得することができる。ここで、コイル16の一次抵抗r1は、予め測定されている。次に、鉄損Piは、次の式(10)により算出することができる。鉄損Piは、全損失Ptから一次銅損Pc1を減算することにより算出することができる。
Figure 0007492022000005
作業者は、機械1を駆動するための回転速度および負荷率を含む電動機の動作パターンを入力する。推定部53の温度算出部55は、始めに、それぞれの構成部分の温度T1~T5を任意の温度に設定することができる。例えば、温度算出部55は、構成部分の温度T1~T5を通常の外気の温度Trに設定する。外気の温度Trは、機械1を配置する場所に応じて予め定めておくことができる。
推定部53の損失算出部54は、動作パターンにおける回転速度および電動機の負荷率に基づいて、一次銅損および鉄損を算出する。次に、温度算出部55は、上記の式(1)~(5)を解くことにより、微小時間dtにおける温度検出器31の温度T5の変化量を算出することができる。このように、作業者は、電動機の運転パターンを定めて、電動機を運転パターンにて運転した時の温度検出器の温度の時間の経過に伴う変化を推定することができる。作業者は、温度検出器31の温度の変化に応じて、回転速度および電動機の負荷率を含む電動機の運転パターンを調整することができる。すなわち、作業者は、電動機を含む機械の運転パターンを調整することができる。
ところで、本実施の形態の電動機のモデル10aでは、電動機の複数の構成部分のうち1つの構成部分の温度が精度よく推定できれば良い。一つの構成部分以外の構成部分の温度は、実際の温度から離れていても構わない。すなわち、一つの構成部分以外の構成部分の温度は、実際の温度と異なる温度であり、実際の温度に対応していなくても構わない。ここでの例では、温度検出器のモデル31aの温度T5が精度良く推定できれば良く、コイルのモデル16aの温度T1,ステータコアのモデル20aの温度T2、空気層のモデル35aの温度T3、およびロータのモデル11aの温度T4は、実際の温度から大きく離れていても構わない。
更に、電動機のモデル10aに設定される熱容量C1~C5と、構成部分同士の間に設定される熱伝達に関する係数ha,hb,hc1~hc3,hdは、構成部分の材質、形状、および配置等に依存して、固有の値が存在する。しかしながら、本実施の形態における電動機のモデル10aでは、複数の熱容量および複数の熱伝達に関する係数のうち、少なくとも一部のパラメータは、実際の熱容量または実際の熱伝達に関する係数から離れた値に設定されている。換言すると、少なくとも一部のパラメータは、実際の熱容量または実際の熱伝達に関する係数とは異なる値に設定されている。
それぞれのパラメータは、温度検出器のモデル31aの温度T5の変化が実際の温度の変化に対応するように設定されている。本実施の形態の電動機のモデル10aでは、構成部分のモデル同士の間の熱伝達の計算を行うことにより、温度検出器31の温度の変化が実際の温度の変化に対応する。例えば、コイルおよびステータコア等の温度が実際の温度よりも離れていても、温度検出器の温度が実際の温度に近い値を示すように、電動機のモデルのパラメータが設定されている。なお、後述するパラメータ設定装置にて、熱容量および熱伝達に関する係数を設定した結果、構成部分の全ての熱容量および全ての熱伝達に関する係数が、実際の熱容量および実際の熱伝達に関する係数と同じ値になっても構わない。そして、推定部が構成部分の温度を推定した時に、全ての構成部分の温度が実際の構成部分の温度と同じになっても構わない。
このように、本実施の形態における電動機のモデルは、1つの電動機の構成部分としてのステータのコイルに取り付けられた温度検出器にて出力される温度を推定するために生成されている。次に、熱伝達に関する係数および熱容量を含むパラメータを設定するパラメータ設定装置について説明する。
図1を参照して、本実施の形態のパラメータ設定部61は、電動機のモデル10aに含まれる熱容量、熱伝達に関する係数、および式(6),(7)における定数k1,k2を設定する。作業者は、予め定められた運転パターンに従って実際に電動機10を駆動する。状態取得部62は、電動機10の状態として、電動機10の負荷率、電動機10の回転速度、および温度検出器31から出力される温度を取得する。更に、状態取得部62は、外気温度検出器33から外気の温度を取得する。
図4に、本実施の形態の電動機のモデルに含まれるパラメータを設定する為に電動機を駆動するときの第1の運転パターンのグラフを示す。図4には、無負荷時の運転パターンが示されている。この運転パターンでは、電動機10に負荷をかけずに、電動機10の回転速度を徐々に上昇させている。予め定められた時間間隔ごとに電動機の負荷率を一時的に上昇させることにより、電動機10の回転速度を増加させている。
温度検出器31にて検出される温度は、徐々に増加している。時刻t1~t7において、電動機10の負荷率を一時的に上昇することにより、電動機10の回転速度を上昇させている。状態取得部62は、電動機10の回転速度を徐々に上昇している期間中に電動機10の運転状態および温度検出器31から出力される温度を取得する。より詳細には、状態取得部62は、予め定められた微小時間ごとに、電動機10の負荷率、電動機10の回転速度、および温度検出器31から出力される温度を取得して、記憶部51に記憶する。本実施の形態では、一定の外気の温度を採用しているが、この形態に限られない。状態取得部62は、外気温度検出器33から微小時間ごとに外気の温度を検出しても構わない。
図1を参照して、状態取得部62は、制御装置41の動作制御部43にて生成される動作指令に含まれるトルク指令を取得する。状態取得部62は、トルク指令から電動機10の負荷率を算出することができる。例えば、動作制御部43は、位置制御器、および速度制御器を有する。位置制御器は、動作プログラムに基づく位置指令から速度指令を算出する。速度制御器は、速度指令に基づいてトルク指令を算出する。電動機10に供給される電流は、トルク指令に基づいて定められる。動作制御部43は、トルク指令または電流指令を駆動装置44に送出することにより、電動機10に電気が供給される。トルク指令は電動機10の負荷率に対応するために、状態取得部62は、トルク指令から負荷率を算出することができる。
パラメータ算出部63は、状態取得部62にて取得された変数に基づいて、電動機のモデル10aのパラメータを算出する。本実施の形態のパラメータ算出部63は、コイル16およびステータコア20における発熱量、温度検出器31にて検出される温度に基づいて、熱容量C1,C2,C3,C4,C5および熱伝達に関する係数ha,hb,hc1,hc2,hc3,hdを含むパラメータを算出する。また、パラメータ算出部63は、式(6)および式(7)における定数k1,k2をパラメータとして算出する。パラメータ算出部63は、シミュレーションを行った時の温度検出器のモデル31aの温度の変化が、実際の温度の変化に近づくようにパラメータを算出する。
パラメータ算出部63は、それぞれのパラメータの初期値を設定する。パラメータの初期値は、任意の方法にて設定することができる。パラメータ算出部63は、コイル16の一次銅損による発熱量およびステータコア20の鉄損による発熱量を算出する損失算出部を含む。パラメータ算出部63の損失算出部の機能は、推定部53の損失算出部54の機能と同じである。このために、パラメータ算出部63は、発熱量の算出に推定部53の損失算出部54を使用する。損失算出部54は、状態取得部62にて取得された電動機10の回転速度および電動機10の負荷率に基づいて、表1および式(6)から式(10)を用いて、一次銅損Pc1および鉄損Piを算出する。一次銅損Pc1および鉄損Piを算出する式(6)および式(7)には、定数k1,k2が含まれる。更に、損失算出部54は、予め定められた微小時間dtにおける損失、すなわち微小時間における発熱量を算出する。このように、損失算出部54は、電動機の動作指令(負荷率)および回転位置検出器32の出力を含む実測値に基づいて、式(1)および式(2)における一次銅損Pc1および鉄損Piを算出する。
パラメータ算出部63は、電動機のモデルを用いて温度検出器の温度を推定する温度算出部を含む。パラメータ算出部63の温度算出部の機能は、推定部53の温度算出部55の機能と同じである。このために、パラメータ算出部63は、構成部分の温度の推定に推定部53の温度算出部55を使用する。温度算出部55は、それぞれのパラメータおよび損失算出部54にて算出された損失を用いて、電動機のモデル10aに基づいて、温度検出器31の温度を推定する。すなわち、シミュレーションにより温度検出器のモデル31aの温度を推定する。
温度算出部55は、仮に設定したパラメータに基づいて、電動機10の駆動を開始した後における温度検出器31にて検出される時間の経過に伴う温度の変化を推定することができる。電動機10のそれぞれの構成部分のモデルの温度は、上記の式(1)から式(5)の微分方程式を用いて算出することができる。それぞれの構成部分のモデルの温度の初期値は、例えば、電動機10の駆動を開始したときの外気の温度、すなわち室温に設定することができる。
パラメータ算出部63の評価部66は、温度算出部55にて算出された温度検出器のモデル31aの温度と、温度検出器31にて実際に計測された温度とを比較することにより、温度検出器のモデル31aの温度の評価を行う。評価部66は、電動機のモデル10aにおいて仮に設定されたパラメータの評価を行う。本実施の形態の評価部66は、温度検出器のモデル31aの温度以外の変数を評価せずに、温度検出器のモデル31aの温度のみを評価する。例えば、温度検出器31に加えて、コイル16以外の構成部分に更に温度検出器を取り付けて、実際の温度を検出することができる。複数の温度検出器の温度をシミュレーションの温度と比較することが可能である。しかしながら、ここでの例では、温度検出器のモデル31aの温度の変化が実際の温度の変化に近ければ良く、他の構成部分の温度のうち少なくとも一部の温度を評価しない。
次に、パラメータ算出部63のパラメータ変更部67は、評価部66の評価の結果に基づいてパラメータを変更する。そして、変更されたパラメータに基づいて、上記と同様の計算により、損失算出部54による損失の算出、温度算出部55による温度検出器のモデルの温度の算出、評価部66による評価、および、パラメータ変更部67によるパラメータの変更を繰り返す。評価部による評価が予め定められた条件を満たしている時に、最終的なパラメータに定めることができる。
ここで、電動機のモデル10aにおける複数のパラメータの組み合わせの個数は、非常に多い。複数のパラメータは、機械学習の方法により定めることができる。例えば、複数のパラメータは、ベイズ最適化の方法により設定することができる。
ベイズ最適化では、入力となるパラメータを含む説明変数に対して、評価の対象となる目的関数を生成する。そして、目的関数が最小または最大と予測されるパラメータを探索して設定する。このパラメータの探索を繰り返すことにより、パラメータの最適な値を設定することができる。また、それぞれのパラメータが設定される範囲は、予め定めておくことができる。
ここでは、温度検出器31の温度に関して、電動機のモデル10aにより推定された温度検出器のモデル31aの温度と実際の温度検出器31にて検出された温度との差分を目的関数に設定する。すなわち、目的関数は、温度検出器31の温度に関して、仮に設定されたパラメータに基づいて式(1)から式(5)から算出された予測値と、実際に温度検出器31にて検出された実測値との差を用いることができる。目的関数としては、例えば、微小時間内の差の平均値等を採用することができる。そして、目的関数が小さくなるように、次のパラメータを探索する。
ベイズ最適化では、パラメータの探索およびパラメータの評価を繰り返すことができる。評価部66は、目的関数が予め定められた判定範囲内であれば、その時のパラメータの値を採用することができる。一方で、目的関数が予め定められた判定範囲を逸脱する場合に、次のパラメータの探索を行うことができる。ベイズ最適化の方法では、解が存在する領域を予測しながら探索を行うために、計算の処理量を抑制することができる。
または、ベイズ最適化によるパラメータの設定の他に、それぞれのパラメータが設定される範囲を予め定めておくことができる。パラメータ算出部63のパラメータ変更部67は、パラメータの範囲内でランダムに複数のパラメータを設定する。温度算出部55は、設定されたパラメータに基づいて温度検出器のモデル31aの温度を推定する。評価部66は、温度検出器31から取得される温度の実測値に基づいて、設定されたパラメータを評価することができる。このようなパラメータの設定方法は、ランダムサーチ法と称される。
または、パラメータ変更部67は、パラメータが設定される範囲の内部において、予め定められた間隔ごとにパラメータを設定することができる。温度算出部55は、設定されたパラメータを用いて温度検出器のモデル31aの温度を推定する。評価部66は、離散的に設定されたパラメータの全ての組み合わせについて評価を行う。この方法は、グリットサーチ法と称される。
ランダムサーチ法またはグリッドサーチ法においても、ベイズ最適化の方法と同様に、評価部66は、温度検出器31の温度を評価の対象にすることができる。評価部66は、目的関数が予め定められた判定範囲内であれば、その時のパラメータの値を採用することができる。または、評価部66は、目的関数が最も優れたパラメータを採用することができる。評価部66は、実際の温度検出器31にて検出される温度に良く一致するパラメータを、電動機のモデル10aにおけるパラメータに決定することができる。
本実施の形態においては、仮のパラメータの設定と、電動機のモデルによる温度検出器の温度の推定と、仮のパラメータの評価とを繰り返す制御を実施する。温度検出器31にて検出される温度の変化が精度よく推定できるようにパラメータを設定する。本実施の形態では、温度検出器以外の温度は実際の温度から離れていても構わないために、パラメータの評価では、コイルの温度を検出する温度検出器の温度のみを評価することができる。このために、少ない計算量で短時間にパラメータを設定することができる。
図4においては、実際に電動機10を駆動する運転パターンとして、無負荷時の運転を示したが、この形態に限られない。電動機のモデル10aのパラメータを定める時には、様々な運転状態にて電動機10を運転して、電動機10の運転状態を取得することが好ましい。
図5に、電動機のモデルのパラメータを設定するために、実際に電動機を駆動する第2の運転パターンを示す。第2の運転パターンにおいては、電動機10の負荷率の上昇および下降を繰り返している。電動機10の負荷率を大きく変化させて、電動機の回転速度を変化させている。温度検出器31にて検出される温度は、急激に上昇または下降する。すなわち、第2の運転パターンでは、電動機の急峻な温度変化が含まれる運転パターンである。
図5に示す例では、時刻t11から時刻t20までのそれぞれの時刻において、電動機10の負荷率を0%から100%まで増加している。電動機の回転速度は増加し、温度検出器31にて検出される温度は上昇する。所定の時間の経過後に、電動機10の負荷率を0%まで減少している。電動機10の回転速度は減少し、温度検出器31にて検出される温度は下降する。状態取得部62は、電動機10の負荷率の上昇および下降を繰り返す運転を実施している期間中に、動作指令、回転速度、および温度検出器31から出力される温度を取得することができる。
図4に示すような無負荷時の第1の運転パターンまたは図5に示すような急激に温度が変化する第2の運転パターンでは、推定部53にて推定される温度に誤差が生じやすくなる。第1の運転パターンまたは第2の運転パターンにて電動機を駆動して、電動機のモデルのパラメータを設定することにより、様々な負荷の状況に応じてパラメータの調整を行うことができる。この結果、様々な運転パターンにおいて温度検出器の温度を精度良く推定するパラメータを算出することができる。
上記の実施の形態においては、温度を推定するための電動機の1つの構成部分として、巻線を含むコイルを例に取り上げて説明したが、この形態に限られない。温度を推定する構成部分としては、電動機の任意の構成部分を採用することができる。図3を参照して、例えば、温度を推定する構成部分として、ステータコア、ロータ、または空気層を選定しても構わない。この場合に、温度検出器は、温度推定装置にて温度を推定する構成部分の実際の温度を検出するように配置する。例えば、温度推定装置がステータコアの温度を推定する場合には、ステータコアの温度を検出するように、ステータコアに温度検出器を取り付けることができる。
本実施の形態の温度推定装置では、1つの構成部分の温度が精度よく推定できれば良い。このために、複数の熱容量および複数の熱伝達に関する係数のうち少なくとも一部のパラメータは、実際の熱容量および実際の熱伝達に関する係数とは異なる値に設定しても構わない。作業者は、電動機の1つの構成部分を選定して、この構成部分に温度検出器を取り付ける。パラメータ設定装置は、前述のコイルの温度を検出するためのパラメータの設定と同様の方法により、熱伝達に関する係数等のパラメータを設定することができる。パラメータ算出部の評価部は、温度検出器のモデルの温度を、実際の温度検出器にて取得された温度と比較することにより、温度検出器のモデルの温度を評価する。そして、パラメータ変更部は、評価部の結果に基づいて、パラメータを変更することができる。また、評価部は、パラメータが予め定められた条件を満たしている時に、最終的なパラメータに決定することができる。
上記の実施の形態においては、ロータが永久磁石を有する同期電動機について説明したが、この形態に限られない。ロータが永久磁石を有しない誘導電動機にも、本実施の形態における電動機のモデルを適用することができる。
図6に、本実施の形態における第2の電動機のモデルを示す。第2の電動機は、誘導電動機である。誘導電動機のロータは、ステンレスまたは銅等で形成された籠型の導体を含む。誘導電動機のロータは、永久磁石を含まない。籠型の導体は、シャフトに固定されており、シャフトと一体的に回転する。誘導電動機では、ステータのコイルによって生成される磁力により、籠型の導体の内部に誘導電流が流れる。籠型の導体の周りにて磁界が発生してロータが回転する。
誘導電動機においては、籠型の導体に電流が流れるために、二次損失としての二次銅損Pc2が生じる。二次損失は籠型の導体に流れる電流によるジュール熱に相当する。第2の電動機のモデル27aでは、ロータに二次銅損による発熱が生じる。第2の電動機の構成部分における熱容量および構成部分同士の間の熱伝達に関する係数は、第1の電動機のモデル10aと同様である。
第2の電動機のモデル27aにおけるそれぞれの構成部分の温度の微分方程式は、ロータの温度を算出する微分方程式が第1の電動機のモデル10aと異なる。ロータの温度の変化を表現する微分方程式は、次の式(11)になる。
Figure 0007492022000006
式(11)では、第1の電動機のロータのモデル11aの式(4)に、二次銅損Pc2の発熱量が加算されている。その他のコイル、ステータコア、空気層、温度検出器の温度変化を表す微分方程式は、第1の電動機の熱モデルにおける微分方程式と同一である。
ここで、二次銅損による発熱量の算出方法について説明する。ロータの導体に生じる二次銅損を算出するためには、導体に流れる電流を推定する必要がある。
図7に、誘導電動機のベクトル制御を行うときのd軸の電流およびq軸の電流のグラフを示す。図7では、ステータに流すd軸の電流およびq軸の電流を矢印にて示している。d軸は、コイルを励磁する為の電流を示し、q軸は、電動機のトルクを発生する電流を示す。ステータコアに流す全体の電流Iは、d軸の電流I1dとq軸の電流I1qをベクトルにて加算することにより算出される。ここで、励磁電流が小さい場合に、電流Iとd軸の電流I1dとの間の角度θは45°になる。
図8に、励磁電流が大きくなったときのd軸の電流およびq軸の電流のグラフを示す。図8は、励磁電流が最大電流を超えたときのグラフである。励磁電流が大きくなると、d軸の電流I1dに対する電流Iの角度θは、45°よりも大きくなる。本実施の形態では、d軸の電流の大きさに応じて、一次側のコイルのq軸の電流を算出する式を変更する。式(12)および式(13)に示すように、予め定められた励磁電流Ieに基づいてq軸の電流I1qを算出する。
Figure 0007492022000007
ここで、電流Iは、最大出力時の電流Imに電動機の負荷率を乗じることにより算出する。次に、二次銅損Pc2は、1次側のコイルのq軸の電流I1qに基づいて、次の式(14)により算出することができる。
Figure 0007492022000008
ここで、インダクタンスL2は籠型の導体のインダクタンスであり、相互インダクタンスMは、籠型の導体とステータのコイルとの間の相互インダクタンスである。これらのインダクタンスL2、相互インダクタンスM、および導体の二次抵抗r2は、予め定めておくことができる。誘導電動機における全損失Ptおよび一次銅損Pc1は、同期電動機における全損失および一次銅損と同様に算出することができる。そして、鉄損Piは、次の式(15)にて算出することができる。
Figure 0007492022000009
このように、第2の電動機においても、一次銅損、鉄損、および二次銅損を算出することができる。また、第2の電動機のモデル27aを用いて、ステータのコイル等の構成部分の温度を検出するための温度検出器の温度を推定することができる。更に、パラメータ設定部61は、第2の電動機のモデルに含まれる熱容量等のパラメータの値を、第1の電動機のモデルに含まれるパラメータの値の設定と同様に設定することができる。
図9に、本実施の形態のパラメータ設定部にて設定したパラメータを用いて、推定部にて推定した温度検出器の温度のグラフを示す。図9には、互いに値が異なるパラメータ群Aおよびパラメータ群Bにてシミュレーションを実施したときのグラフが示されている。ここでは、第2の電動機の例を示している。パラメータ群Aおよびパラメータ群Bは、パラメータ設定部61にて設定されている。パラメータ群Aおよびパラメータ群Bに含まれるパラメータを表2に示す。
Figure 0007492022000010
パラメータ群Aおよびパラメータ群Bは、互いに異なる運転パターンにて第2の電動機を駆動することにより得られている。表2では、電動機のそれぞれの構成部分同士の間の熱伝達係数に接触面積が乗じられた熱伝達に関する係数が示されている。また、熱容量は、それぞれの構成部分の材料の比熱に質量を乗算して算出される。それぞれの材料の比熱は予め定めることができるので、表2では、熱容量を算出するための構成部分の質量mを示している。パラメータ群Aとパラメータ群Bとを比較すると、熱伝達に関する係数hc2,hdおよびロータの質量m4等の一部のパラメータは、2つのパラメータ群A,Bの間で値が大きく異なっていることが分かる。
一方で、図9を参照すると、パラメータ群Bを用いて推定された温度検出器の温度は、パラメータ群Aを用いて推定された温度検出器の温度と良く一致していることが分かる。特に、温度が上昇する期間中および温度が所定の範囲内で変動している期間中の両方において、温度の変化が良く一致している。更に、推定部53にて推定された図9に示す温度の変化は、実際に電動機10を駆動したときに温度検出器31にて検出される温度の変化と良く一致する。
パラメータ群Aとパラメータ群Bとの間で値が大きく異なるパラメータが存在する。このために、パラメータ群Aおよびパラメータ群Bのうち少なくとも一方のパラメータ群は、実際の電動機におけるパラメータ群と値が異なっていることが分かる。特に、複数の熱容量および複数の熱伝達に関する係数のうち少なくとも一部のパラメータは、実際の熱容量または実際の熱伝達に関する係数と異なる値に設定されていることが分かる。例えば、パラメータ群Aの係数hc2およびパラメータ群Bの係数hc2のうち、少なくとも一方の熱伝達に関する係数は、実際の熱伝達に関する係数から離れていることが分かる。
このように、本実施の形態の温度推定装置では、複数のパラメータのうち少なくとも一部のパラメータが実際の値とは異なっていても、精度よく温度検出器の温度を推定することができる。また、本実施の形態のパラメータ設定装置は、このような電動機のモデルのパラメータを設定することができる。なお、前述したように、パラメータ設定装置が熱容量および熱伝達に関する係数を算出した結果、全ての熱容量および全ての熱伝達に関する係数が、実際の熱容量および実際の熱伝達に関する係数と同一になっても構わない。そして、推定部にて構成部分の温度を推定した時に、全ての構成部分の温度が実際の構成部分の温度と精度良く対応しても構わない。
上記の実施の形態における電動機のモデルは、コイルのモデル、ステータコアのモデル、温度検出器のモデル、空気層のモデル、ロータのモデル、および外気のモデルにより構成されているが、この形態に限られない。電動機のモデルは、他の構成部分のモデルを含んでいても構わない。例えば、電動機のモデルは、ステータおよびロータを支持する筐体のモデル、軸受けのモデル、およびロータを支持するシャフトのモデル等を含んでいても構わない。または、電動機のモデルは、一部のモデルを含んでいなくても構わない。例えば、電動機のモデルは、空気層のモデルを含んでいなくても構わない。
電動機のモデルから筐体のモデルおよびシャフトのモデル等を除外することにより、温度検出器の温度を推定するための計算量またはパラメータを設定するための計算量を少なくすることができる。本実施の形態の電動機のモデルは、比較的に熱容量が大きな筐体のモデルおよびシャフトのモデルを含んでいないが、図9に示すように、高い精度で温度検出器の温度のシミュレーションを実施することができる。
ところで、前述の温度推定装置において、推定部が電動機のモデルを用いて温度検出器の温度を推定する時に、銅損、鉄損、熱伝達に関する係数、および熱容量は、電動機の構成部分の温度に依存せずに一定の値が採用されている。ところが、これらの損失およびパラメータは、電動機の構成部分の温度の変化に伴って値が変化する場合がある。次に、電動機の構成部分の温度に基づいて、電動機のモデルにおける銅損、鉄損、熱伝達に関する係数、および熱容量のうち少なくとも一つを補正する実施例について説明する。それぞれのパラメータの補正は、補正値に基づいて行う。ここでは、第1の電動機のモデル10a(図3を参照)および第2の電動機のモデル27a(図6を参照)のうち、第1の電動機のモデル10aを例に取り上げて説明する。
始めに、ステータコアに生じる鉄損の補正について説明する。電動機の無負荷時の損失は、ステータコアにおける鉄損に起因して生じる。鉄損は、ステータコアに発生する磁束が変化することにより発生する。ここで、電動機のロータの温度が上昇すると、ロータに含まれる磁石の温度が上昇する。磁石は、温度が上昇すると磁力が弱くなるという特性を有する。このために、磁石の温度が上昇すると、ステータコアに発生する磁束が小さくなる。すなわち、ロータの温度が上昇すると鉄損が小さくなる。
図10に、ロータの温度に対する無負荷時の損失を補正するための補正値のグラフを示す。鉄損の補正では、ロータの温度が高くなるほど鉄損が小さくなるように補正する。本実施の形態では、ロータの温度に依存して無負荷時の損失を補正する。図1を参照して、推定部53の損失算出部54は、ロータの温度が高くなるほどを電動機の無負荷時の損失が小さくなるように補正する。損失算出部54は、ロータの温度に基づいて係数snを決定する。そして、損失算出部54は、係数snを無負荷時の損失に乗じる。
図10に示す例では、ロータの温度T4が室温である20℃から最大値である130℃まで示されている。ロータの温度が20℃の時の係数snは100%であり、ロータの温度が最大値の時の係数snはsnx%である。係数snxは、ロータの温度が高くなるほど鉄損が小さくなるように補正するための補正値に相当する。ロータの温度が最大である時の係数snxの大きさは、ロータコアおよび磁石において、形状および材質等の特性に依存する。係数snxは、作業者が予め定めておくことができる。または、ロータの温度が最大の時の係数snxは、後述するように、パラメータ設定装置により設定することができる。
図1、図3、および図10を参照して、推定部53の損失算出部54は、電動機のモデル10aにおいて算出されたロータの温度T4に基づいて係数snを算出する。表1は、基準となる損失および電流を示した損失マップである。表1は、例えば、ロータの温度が20℃であり、係数snが100%の時の損失マップである。
損失算出部54は、表1の損失マップから取得される無負荷時の損失Pnに係数snを乗じた値を補正後の無負荷時の損失として算出することができる。損失算出部54は、補正後の無負荷時の損失を用いて、鉄損を算出する。式(6)により、ロータの温度が上昇すると無負荷時の損失Pnが小さくなり、全損失Ptが小さくなる。この結果、式(10)により、鉄損Piが小さくなる。温度算出部55は、補正された鉄損に基づいて、温度検出器を含む構成部分の温度を算出することができる。このように、ロータの温度に基づいて変化する鉄損の大きさを考慮することができる。
なお、ステータコアに生じる鉄損の補正は、上記の形態に限られない。任意の方法によりロータの温度に基づいて鉄損を補正することができる。例えば、ロータの基準となる温度にて算出した鉄損に、ロータの温度に基づく係数を乗じる補正を行っても構わない。
次に、コイルに生じる一次銅損の補正について説明する。電動機の一次銅損はステータのコイルの巻線に生じるジュール熱に相当する。一次銅損は、式(8)に示されるように、ステータのコイルにおける一次抵抗r1と電流Iの2乗との積にて計算される。ここで、コイルの巻線は、温度が上昇すると抵抗が大きくなるという特性を有する。このために、コイルの温度が上昇すると一次銅損が大きくなる。
図11に、コイルの温度に対する一次抵抗の値のグラフを示す。図1、図3、および図11を参照して、一次銅損の補正では、コイルの温度が高くなるほど一次銅損が大きくなるように補正する。本実施の形態では、コイルの温度に依存して一次抵抗を補正する。損失算出部54は、コイルの温度に基づいて一次抵抗r1を定める。そして、損失算出部54は、一次抵抗に基づいて一次銅損を算出する。
図11に示す例では、コイルの温度T1は、室温である20℃から最大値である130℃まで示されている。コイルの温度が室温の時の一次抵抗r1aは、予め計測して定めておくことができる。また、コイルの温度が最大値の時の一次抵抗r1bは、予め測定して定めておくことができる。一次抵抗r1a,r1bは、コイルの巻線の材質、形状、および長さ等に依存する。または、一次抵抗r1a,r1bは、後述するように、パラメータ設定装置により設定することができる。一次抵抗r1a,r1bは、コイルの温度が高くなるほど一次銅損が大きくなるように補正するための補正値に相当する。
推定部53の損失算出部54は、電動機のモデル10aにおいて算出されたコイルの温度T1に基づいて、補正後の一次抵抗r1を算出する。損失算出部54は、補正後の一次抵抗r1を用いて、式(8)に基づいて一次銅損を算出する。コイルの温度が上昇すると、一次抵抗r1が大きくなるために、一次銅損が大きくなる。温度算出部55は、補正された一次銅損に基づいて、温度検出器を含む構成部分の温度を算出することができる。
なお、コイルに生じる一次銅損の補正は、上記の形態に限られない。コイルの温度に基づいて一次銅損を補正する任意の補正方法を採用することができる。例えば、算出した銅損に、コイルの温度に基づく係数を乗じる補正を行っても構わない。
次に、構成部分同士の間に設定される熱伝達に関する係数の補正について説明する。熱伝達係数は、一般的に構成部分同士の間の温度差が大きくなるほど大きくなるという特性を有する。また、構成部分同士の接触面積は一定である。このために、熱伝達に関する係数の補正では、構成部分同士の間の温度差が大きくなるほど、熱伝達に関する係数が大きくなるように補正することができる。
図12に、電動機の構成部分同士の間の温度差に対して熱伝達に関する係数を補正するための定数のグラフを示す。横軸には、電動機の構成部分同士の間の温度差として最小値の0℃から最大値の130℃までが示されている。縦軸には、基準となる熱伝達に関する係数を補正するための定数shが示されている。基準となる熱伝達に関する係数は、予め定めておくことができる。ここでは、構成部分同士の間の温度差が0℃の時の熱伝達に関する係数を基準の熱伝達に関する係数に定めている。構成部分同士の間の温度差が0℃の時の定数shは1である。構成部分同士の間の温度差が最大のときには、定数shは、shxである。
図1、図3、および図12を参照して、推定部53の温度算出部55は、次の式(16)に示すように、基準の熱伝達に関する係数hに定数shに基づく係数を乗じることにより、補正後の熱伝達に関する係数h’を算出する。
Figure 0007492022000011
式(16)により、構成部分同士の間の温度差が0℃のときに、補正後の熱伝達に関する係数は基準の熱伝達に関する係数に設定される。構成部分同士の間の温度差が最大の時の定数shxは、構成部分同士の間の温度差に応じて熱伝達に関する係数を変化させる補正値に相当する。図12に示す例では、定数shxは1よりも大きく、構成部分同士の間の温度差が大きくなるほど、基準の熱伝達に関する係数に乗じる係数は大きくなる。すなわち、図12に示す定数shxは、構成部分同士の間の温度差が大きくなるほど熱伝達に関する係数が大きくなるように補正するための補正値に相当する。定数shxは、例えば、0よりも大きく約3よりも小さい値である。定数shxは、予め定めておくことができる。または、定数shxは、後述するように、パラメータ設定装置により設定することができる。
推定部53の温度算出部55は、それぞれの構成部分同士の温度差を算出する。温度算出部55は、構成部分同士の間における基準の熱伝達に関する係数を取得する。温度算出部55は、式(16)に基づいて補正後の熱伝達に関する係数を算出する。温度算出部55は、補正後の熱伝達に関する係数を用いて、それぞれの構成部分の温度を算出する。
例えば、温度算出部55は、電動機のモデル10aにおいて、現在のコイルのモデルの温度T1とステータコアのモデルの温度T2との間の温度差を算出する。コイルとステータコアとの間の基準の熱伝達に関する係数は予め定められている。温度算出部55は、式(16)に基づいて、補正後の熱伝達に関する係数を算出する。そして、温度算出部55は、前述の式(1)および式(2)において、補正後の熱伝達に関する係数を用いて、コイルのモデルの温度T1の微小時間における変化量およびステータコアのモデルの温度T2の微小時間における変化量を算出する。このように、構成部分同士の間の温度差にて変化する熱伝達に関する係数を考慮して、構成部分の温度を算出することができる。
なお、上記の熱伝達に関する係数を補正する形態では、構成部分同士の間の温度差が大きくなるほど熱伝達に関する係数が大きくなるように補正をしているが、この形態に限られない。後述するパラメータ設定装置にて、補正値としての定数shxを算出したときに、構成部分同士の間の温度差が大きくなるほど熱伝達に関する係数が小さくなる場合が有る。すなわち、定数shxが1よりも小さくなる場合が有る。この場合に、推定部は、構成部分同士の間の温度差が大きくなるほど熱伝達に関する係数が小さくなるように熱伝達に関する係数を補正することができる。このように、推定部は、構成部分同士の間の温度差に応じて熱伝達に関する係数を変化させる補正を行うことができる。
次に、構成部分の熱容量の補正について説明する。熱容量は、一般的に構成部分の温度が高くなるほど大きくなるという特性を有する。このために、構成部分の熱容量の補正では、構成部分の温度が高くなるほど熱容量が大きくなるように補正することができる。
図13に、構成部分の温度に対して熱容量を補正するための定数のグラフを示す。横軸には、電動機の構成部分の温度として最小値の0℃から最大値の130℃までが示されている。縦軸には、基準となる熱容量を補正するための定数scが示されている。基準となる熱容量は、予め定めておくことができる。ここでの例では、構成部分の温度が0℃の時の熱容量が基準の熱容量である。構成部分の温度が0℃の時の定数scは、1である。構成部分の温度が最大の時の定数scは、scxである。
図1、図3、および図13を参照して、推定部53の温度算出部55は、次の式(17)に示すように、基準の熱容量Cに定数scに基づく係数を乗じることにより、補正後の熱容量C’を算出する。
Figure 0007492022000012
式(17)により、構成部分の温度が0℃のときに、補正後の熱容量は基準の熱容量に設定される。構成部分の温度が最大の時の定数scxは、構成部分の温度に応じて熱容量を変化させる補正値に相当する。図13に示す例では、定数scxは1よりも大きく、構成部分の温度が高くなるほど、基準の熱容量に乗じる係数は大きくなる。すなわち、図13に示す定数scxは、構成部分の温度が高くなるほど熱容量が大きくなるように補正するための補正値に相当する。定数scxは、例えば、0よりも大きく約3よりも小さい値である。定数scxは、予め定めておくことができる。または、定数scxは、後述するように、パラメータ設定装置により設定することができる。
推定部53の温度算出部55は、構成部分の温度および基準の熱容量を取得する。温度算出部55は、式(17)に基づいて、それぞれの構成部分の補正後の熱容量を算出する。温度算出部55は、補正後の熱容量を用いて、前述の式(1)から(5)を用いて、それぞれの構成部分の温度を算出することができる。このように、構成部分の温度にて変化する熱容量を考慮して、構成部分の温度を推定することができる。
なお、上記の熱容量を補正する形態では、構成部分の温度が高くなるほど熱容量が大きくなるように補正をしているが、この形態に限られない。後述するパラメータ設定装置にて、補正値としての定数scxを算出したときに、構成部分の温度が高くなるほど熱容量が小さくなる場合が有る。すなわち、定数scxが1よりも小さくなる場合が有る。この場合に、推定部は、構成部分の温度が高くなるほど熱容量が小さくなるように熱容量を補正することができる。このように、推定部は、構成部分の温度に応じて熱容量を変化させる補正を行うことができる。
上記の鉄損の補正、銅損の補正、熱伝達に関する係数の補正、および熱容量の補正は、互いに組み合わせて実施することができる。または、いずれか一つの補正を実施することができる。それぞれの構成部分の温度に応じて、鉄損、一次銅損、熱伝達に関する係数、および熱容量のうち少なくとも一つを補正することができる。この結果、より正確に温度検出器の温度を推定することができる。
なお、図6に示す第2の電動機のモデル27aにおける二次銅損の補正については、一次銅損の補正と同様に補正することができる。そして、補正後の二次銅損を用いて、任意の構成部分に取り付けられた温度検出器の温度を算出することができる。
このように、電動機のモデルにおいて、熱容量、熱伝達に関する係数、鉄損、および銅損のうち少なくとも一つを、補正値に基づいて補正することができる。熱容量等の補正を行うための補正値は、熱容量および熱伝達に関する係数等のパラメータの設定と同様に、前述のパラメータ設定装置にて設定することができる。熱容量および熱伝達に関する係数と同様に、補正値を未知のパラメータとして扱うことにより、前述のパラメータ設定装置にて設定することができる。
図1を参照して、温度推定装置2のパラメータ設定部61は、例えば、ベイズの最適化等の方法により、補正値を設定することができる。パラメータ設定部61は、熱伝達に関する係数および熱容量の設定と同様に、それぞれの補正値を算出することができる。例えば、パラメータ設定部61は、熱伝達に関する係数等のパラメータおよび補正値を仮の初期の値に設定する。状態取得部62は、電動機の駆動状態を取得する。推定部53の損失算出部54は、状態取得部62にて取得された電動機10の回転速度等の駆動状態に基づいて損失を算出する。推定部53の温度算出部55は、損失算出部54にて算出された損失に基づいて、電動機のモデルを用いて温度検出器のモデル31aの温度を推定する。この場合に、補正値に基づいて補正された損失および熱容量等が使用される。
パラメータ算出部63の評価部66は、仮に設定されたパラメータおよび補正値にて算出された温度検出器のモデル31aの温度の評価を行う。評価部66は、温度検出器のモデル31aの温度以外の変数を評価せずに、温度検出器のモデル31aの温度を評価する。パラメータ算出部63は、温度検出器のモデル31aの温度が予め定められた判定範囲内であれば、その時のパラメータおよび補正値を採用することができる。例えば、パラメータ算出部63は、温度検出器のモデル31aの温度と実際の温度検出器31から出力される温度の差が小さい場合に、その時のパラメータおよび補正値を採用することができる。一方で、温度検出器のモデル31aの温度が予め定められた判定範囲を逸脱する場合に、パラメータ変更部67は、評価部66の評価結果に基づいてパラメータおよび補正値を変更する。このように、パラメータおよび補正値の設定と、温度検出器のモデルの温度の評価とを繰り返して実施することができる。
パラメータ算出部63は、複数の熱容量および複数の熱伝達に関する係数を設定すると共に、補正値を設定することができる。パラメータ算出部63は、熱容量および熱伝達に関する係数の設定方法と同様に、補正値を設定することができる。パラメータ算出部63にて設定される補正値は、実際の補正値と同じ値が設定されても、実際の補正値と異なる値が設定されても構わない。すなわち、パラメータ算出部63にて設定される補正値は、実際の補正値から離れた値でも構わない。例えば、図11を参照して、コイルの温度に依存して変化する一次抵抗を算出するための補正値としての一次抵抗r1a,r1bは、実際の一次抵抗の値と異なる値が設定されていても、同じ値が設定されていても構わない。補正値についても、温度検出器の温度が精度良く推定できれば良い。
上記の実施の形態は、適宜組み合わせることができる。上述のそれぞれの図において、同一または相等する部分には同一の符号を付している。なお、上記の実施の形態は例示であり発明を限定するものではない。また、実施の形態においては、請求の範囲に示される実施の形態の変更が含まれている。
2 温度推定装置
10 電動機
10a 電動機のモデル
11 ロータ
11a ロータのモデル
12 ステータ
16 コイル
16a コイルのモデル
20 ステータコア
20a ステータコアのモデル
27a 電動機のモデル
31 温度検出器
31a 温度検出器のモデル
32 回転位置検出器
35a 空気層のモデル
43 動作制御部
54 損失算出部
55 温度算出部
61 パラメータ設定部
62 状態取得部
63 パラメータ算出部
66 評価部
67 パラメータ変更部

Claims (5)

  1. 電動機を構成する1つの構成部分の温度を検出する温度検出器の温度を推定するための電動機のモデルに含まれるパラメータを設定するパラメータ設定装置であって、
    電動機を実際に駆動して生成される電動機の動作指令と、温度検出器から出力される温度とを取得する状態取得部と、
    電動機のモデルにより算出される温度検出器のモデルの温度の変化が実際の温度の変化に対応するようにパラメータを算出するパラメータ算出部と、を備え、
    電動機のモデルは、電動機の構成部分のモデルとして、ロータのモデルと、ステータコアのモデルと、コイルのモデルと、温度検出器のモデルとを含み、
    温度検出器のモデルは、電動機のモデルに1個のみが定められており、
    パラメータは、前記構成部分のモデルに設定される熱容量と、前記構成部分のモデル同士の間の熱伝達に関する係数とを含み、
    前記パラメータ算出部は、前記動作指令に基づいて、コイルの一次銅損による発熱量およびステータコアの鉄損による発熱量を算出する損失算出部と、
    コイルの発熱量およびステータコアの発熱量に基づいて、電動機のモデルを用いて温度検出器のモデルの温度を算出する温度算出部と、
    温度検出器のモデルの温度を前記状態取得部により取得された温度検出器の温度と比較することにより、温度検出器のモデルの温度を評価する評価部と、
    前記評価部の評価結果に基づいてパラメータの値を変更するパラメータ変更部と、を含み、
    前記評価部は、温度検出器のモデルの温度以外の変数を評価せずに、温度検出器のモデルの温度を評価し、
    前記パラメータ算出部は、複数の熱容量および複数の熱伝達に関する係数のうち一部のパラメータを、実際の熱容量または実際の熱伝達に関する係数と異なる値に設定し、前記一部のパラメータ以外の他のパラメータを、実際の熱容量または実際の熱伝達に関する係数に対応する値に設定する、パラメータ設定装置。
  2. 前記状態取得部は、電動機の負荷率の上昇および下降を繰り返す運転を実施している期間中に、前記動作指令および温度検出器から出力される温度を取得する、請求項1に記載のパラメータ設定装置。
  3. 前記状態取得部は、無負荷の状態で電動機の回転速度を徐々に上昇させる運転を実施している期間中に、前記動作指令および温度検出器から出力される温度を取得する、請求項1または2に記載のパラメータ設定装置。
  4. 前記パラメータ算出部は、電動機のモデルにより推定された温度検出器のモデルの温度と実際の温度検出器にて検出された温度との差分を目的関数に設定した機械学習により、パラメータを算出する、請求項1から3のいずれか一項に記載のパラメータ設定装置。
  5. 電動機のモデルは、熱容量、熱伝達に関する係数、ステータコアの鉄損、およびコイルの一次銅損のうち少なくとも一つが、補正値に基づいて補正されるように形成されており、
    補正値は、ロータの温度が高くなるほど鉄損が小さくなるように補正するための補正値、コイルの温度が高くなるほど一次銅損が大きくなるように補正するための補正値、前記構成部分同士の間の温度差に応じて熱伝達に関する係数が変化するように補正するための補正値、前記構成部分の温度に応じて熱容量が変化するように補正するための補正値のうち少なくとも一つを含み、
    パラメータ変更部は、前記評価部の評価結果に基づいて補正値を変更する、請求項1に記載のパラメータ設定装置。
JP2022557056A 2020-10-20 2021-10-13 電動機のモデルのパラメータを設定するパラメータ設定装置 Active JP7492022B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020176294 2020-10-20
JP2020176294 2020-10-20
PCT/JP2021/037952 WO2022085543A1 (ja) 2020-10-20 2021-10-13 電動機のモデルのパラメータを設定するパラメータ設定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2022085543A1 JPWO2022085543A1 (ja) 2022-04-28
JP7492022B2 true JP7492022B2 (ja) 2024-05-28

Family

ID=81290820

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022557056A Active JP7492022B2 (ja) 2020-10-20 2021-10-13 電動機のモデルのパラメータを設定するパラメータ設定装置

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20240014765A1 (ja)
JP (1) JP7492022B2 (ja)
CN (1) CN116349130A (ja)
DE (1) DE112021004269T5 (ja)
WO (1) WO2022085543A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024034027A1 (ja) * 2022-08-09 2024-02-15 ファナック株式会社 電動機の監視装置
WO2024034030A1 (ja) * 2022-08-09 2024-02-15 ファナック株式会社 電動機の監視装置

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002252995A (ja) 2001-02-23 2002-09-06 Honda Motor Co Ltd ブラシレスdcモータの制御装置
US20060250154A1 (en) 2005-05-09 2006-11-09 Square D Company Electronic overload relay for mains-fed induction motors
JP2015116021A (ja) 2013-12-11 2015-06-22 日立オートモティブシステムズ株式会社 永久磁石同期モータの制御装置
JP2017022858A (ja) 2015-07-09 2017-01-26 ファナック株式会社 巻線の温度を推定するモータ制御装置、および機械の許容デューティサイクル時間算出方法
JP2020010432A (ja) 2018-07-03 2020-01-16 オムロン株式会社 処理装置
WO2020137219A1 (ja) 2018-12-28 2020-07-02 株式会社日立製作所 回転電機の駆動装置および駆動方法
WO2020188650A1 (ja) 2019-03-15 2020-09-24 三菱電機株式会社 制御装置および制御システム

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4910634B2 (ja) 2006-10-27 2012-04-04 日産自動車株式会社 モータの温度保護装置、およびモータ温度保護方法
JP2014036475A (ja) 2012-08-08 2014-02-24 Hitachi Automotive Systems Ltd 電動パワートレインシステム
JP6404041B2 (ja) 2014-09-05 2018-10-10 Ntn株式会社 ブレーキ装置システム
CN114740213A (zh) 2015-07-24 2022-07-12 塞弗德公司 分子诊断化验***
JP6996440B2 (ja) 2018-07-13 2022-01-17 日本軽金属株式会社 ダイスの温度計算方法及びダイスの温度計算システム

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002252995A (ja) 2001-02-23 2002-09-06 Honda Motor Co Ltd ブラシレスdcモータの制御装置
US20060250154A1 (en) 2005-05-09 2006-11-09 Square D Company Electronic overload relay for mains-fed induction motors
JP2015116021A (ja) 2013-12-11 2015-06-22 日立オートモティブシステムズ株式会社 永久磁石同期モータの制御装置
JP2017022858A (ja) 2015-07-09 2017-01-26 ファナック株式会社 巻線の温度を推定するモータ制御装置、および機械の許容デューティサイクル時間算出方法
JP2020010432A (ja) 2018-07-03 2020-01-16 オムロン株式会社 処理装置
WO2020137219A1 (ja) 2018-12-28 2020-07-02 株式会社日立製作所 回転電機の駆動装置および駆動方法
WO2020188650A1 (ja) 2019-03-15 2020-09-24 三菱電機株式会社 制御装置および制御システム

Also Published As

Publication number Publication date
DE112021004269T5 (de) 2023-10-12
JPWO2022085543A1 (ja) 2022-04-28
WO2022085543A1 (ja) 2022-04-28
CN116349130A (zh) 2023-06-27
US20240014765A1 (en) 2024-01-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7492022B2 (ja) 電動機のモデルのパラメータを設定するパラメータ設定装置
US11408839B2 (en) Processing device
EP1959532A1 (en) Sensor-free temperature monitoring of an industrial robot motor
CN109861172B (zh) 电机过热保护方法及装置
CN105302058A (zh) 机床的控制装置
WO2021106430A1 (ja) 処理装置、及び巻線温度算出モデルの決定方法
JP7513740B2 (ja) 電動機の温度検出器の温度を推定する温度推定装置
WO2020188650A1 (ja) 制御装置および制御システム
CN106341073B (zh) 电动机控制装置以及机械的容许工作循环时间计算方法
Qi et al. Model predictive control of a switched reluctance machine for guaranteed overload torque
Qi et al. Model predictive overload control of induction motors
JPWO2020136765A1 (ja) 制御装置
Qi et al. Model predictive overload control of an automotive switched reluctance motor for frequent rapid accelerations
JP6038399B1 (ja) 消費電力量推定装置
JP2008187862A (ja) モータ制御装置、及びモータ制御方法
WO2024034030A1 (ja) 電動機の監視装置
Braslavskiy et al. Evaluation of dynamic properties of the TEFC induction motors thermal models
JP6767414B2 (ja) モータ冷却制御システム
WO2024034027A1 (ja) 電動機の監視装置
JP6402701B2 (ja) モータ温度推定装置
Breitenbach et al. Thermal monitoring of electrical machines by linear differential equations and numerical calibration procedure
JP6886603B2 (ja) 電動機の制御装置
JP2017063539A (ja) モータ温度推定装置
CN114726271A (zh) 电动机控制

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230512

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231212

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240205

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240416

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240516

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7492022

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150