JP7490193B2 - ロボット、移動経路生成装置及びそのプログラム、並びに、移動予測装置 - Google Patents

ロボット、移動経路生成装置及びそのプログラム、並びに、移動予測装置 Download PDF

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Description

本発明は、多数の人間や物体等の障害物が存在する混雑環境下においても、適切な自律移動を可能にするロボットと、当該ロボットの移動経路を生成するための移動経路生成装置及びそのプログラム、並びに、移動予測装置に関する。
近時において、人間との共存環境下で自律的に移動可能となるロボットが出現している。当該ロボットとしては、所定のスタート地点からゴール地点まで自律移動する際に、周囲の人間を含む障害物の状況をセンシングし、当該障害物との将来的な干渉を回避しながら移動するものがある。このようなロボットにおいては、単に一方的に人間を避けるだけではなく、人間の動きや他の障害物等に配慮し、干渉を効果的に避けるための人間との協調的な動作が要求される。すなわち、当該環境下での移動時には、干渉回避動作や停止動作等、人間の動作に対して受動的な動作に加え、当該動作を通じてロボットの行動意図を人間に伝達し、人間自身の干渉回避行動を能動的に働きかけることが必要となる。例えば、ロボットの移動経路上に、ロボットがすり抜けられない程の隙間を介して多くの人間が密集しているような場合に、当該隙間に向ってロボットを移動させつつも、ロボットの通路を確保するために、前記隙間の周囲の人間に移動を促す必要が生じる。
そこで、本発明者らは、自身の研究成果として、前述の働きかけを踏まえた経路を計画して移動するロボットを種々提案している(特許文献1、2等参照)。特に、特許文献2においては、人間との干渉が予測される場合に、人間からある程度の空間を隔ててすれ違う移動のみならず、状況に応じて人間に接近若しくは接触しながら移動する協調移動手法が開示されている。
また、特許文献3には、人間とすれ違う際に人間に与える不安感を低減しつつ、より短い移動距離で目的地に移動する自律移動装置が開示されている。この自律移動装置では、周囲の環境に応じて複数の移動経路を計算し、各移動経路について、それらの長さに対応する動作効率の順位付けを行う移動経路計算部と、動作効率の順位に従って移動候補を選択する移動候補選択部と、移動候補選択部で選択された移動候補について周囲の人間に不安感を与えるか否かを判断する斥力判定部と、人間に不安感を与えない最も動作効率の良い順位の移動候補を移動経路とする誘導動作指示部とを備えている。前記斥力判定部では、自律移動装置から人間に与える仮想的な斥力を算出し、当該斥力が大きい程、人間に不安感を与えるとして、予め設定された斥力の閾値を基準に不安感の有無が判定される。ここでの斥力の算出には、公知のSFM(Social Force Model)が用いられる。このSFMは、歩行者等の移動可能なエージェントが複数存在する環境中に仮想的な力を導入し、エージェントに対する目的地からの引力と、静止状態の壁等の障害物であるオブジェクトや他のエージェントからの斥力とをそれぞれ合成することにより、エージェントの移動を予測するモデルである。
特開2019-84641号公報 特開2020-46759号公報 特許第5539596号公報
人間が多く存在する混雑環境下でロボットを自律的に移動させる場合、密接した多くの人間に接近した状態となることから、ロボットの移動に伴って移動する人間と、当該人間の移動に伴って移動する別の人間の行動を配慮したロボットの移動計画が必要となる。前記各特許文献では、前記混雑環境下において、予め定めた経路に従ってロボットが移動した際に、影響を及ぼす周囲の複数の人間への移動伝播は考慮されていない。当該移動伝播の考慮に際して、各人間の移動予測が必要になるが、当該移動予測としては、前述のSFMを用いた手法がある。しかしながら、従来のSFMでは、モデル内で移動可能なエージェントの認知状態について考慮されていない。例えば、対象エージェントの後方から接近する他のエージェントからの斥力も対象エージェントの移動予測に影響してしまうが、実空間では、人間が後方の人間を認知して避ける行動は不自然である等、エージェントの移動予測をより正確に行えない。また、従来のSFMでは、特許文献2に開示されているようにロボットが人間に接触しながら人間の移動を促すような場合について、その接触力が考慮されないため、当該接触力の影響を反映したエージェントの移動シミュレーションができない。
本発明は、このような課題を解決するために案出されたものであり、その目的は、混雑環境下で自律移動するロボットの経路生成に適した周囲の人間等を含む移動予測モデルを構築し、ロボットの移動効率と周囲の人間等に与える負担を考慮しながら、最適な移動経路を生成することができるロボット、移動経路生成装置及びそのプログラム、並びに、移動予測装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明は、主として、周囲に存在する障害物を避けながら自律移動するロボットにおいて、前記障害物の位置情報及び速度情報を検出する検出装置と、当該検出装置の検出結果から、前記障害物の状況を考慮しながら前記自律移動を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記障害物の位置情報及び速度情報に基づいて、前記ロボットと前記障害物のうち移動可能な移動障害物とからなるエージェントのうち対象となる対象エージェントが移動する経路の候補となる候補経路を複数生成する候補経路探索手段と、前記各候補経路の中から最適となる最適経路を抽出する最適経路抽出手段と、当該最適経路に基づいて前記自律移動の動作指令をする動作指令手段とを備え、前記最適経路抽出手段は、前記各候補経路について、前記ロボットと前記障害物の相互作用により、前記各エージェントの移動状態をシミュレーションする移動予測シミュレーション部と、当該移動予測シミュレーション部でのシミュレーション結果から、前記対象エージェントの移動効率及び前記移動障害物に与える影響に基づいて前記最適経路を決定する最終決定部とを備え、前記移動予測シミュレーション部では、前記各エージェント間や当該各エージェントと常時静止状態の前記障害物であるオブジェクトとの間で相互に作用する仮想的な力を利用して、前記各エージェントの位置及び速度の変化が経時的に予測され、前記最終決定部では、前記各候補経路について、予め記憶された数式により、前記移動効率に関する第1の指標値と、前記移動障害物に与える負荷に関する第2の指標値とが求められ、これら各指標値を総合して得られる経路コストの最も少ない前記候補経路が前記最適経路として選択される、という構成を採っている。
本発明によれば、混雑環境下で自律移動するロボットの経路生成に適した周囲の人間等を含む移動予測モデルに基づき、ロボットの移動効率と、周囲の人間等に与える物理的負担及び心理的負担からなる移動負荷とを総合的に判断することにより、ロボットと周囲の人間との相互作用をより正確に考慮した最適な移動経路を生成可能となる。つまり、ロボットの移動効率と、ロボットの移動に伴う人間の回避行動時の移動負荷とのバランスを取りながら、複数の候補経路から最適経路を選択することができる。例えば、周囲の人間等の移動負荷が多少高くても、ロボットの移動効率が格段に良ければ、その際の候補経路が最適経路として選択され、逆に、ロボットの移動効率が多少高くても、人間等の移動負荷が格段に低ければ、その際の候補経路が最適経路として選択され得ることになる。
また、本発明における移動予測モデルは、ロボットが人間に接触しながら移動する際に、その接触力が考慮されるとともに、ロボットの周囲の人間等の認知範囲を考慮して斥力の作用状態を変化させることができるため、ロボットが周囲の人間に接触しながら混雑環境下を移動する場合に、ロボットや人間等の各エージェントについて、より適切な移動予測が可能になる。
本実施形態に係るロボット10の移動に関連する構成のみを概略的に表したブロック図である。 候補経路探索手段での候補経路の生成を説明するための概念図である。 (A)~(F)は。移動予測シミュレーション部での各エージェントの移動予測シミュレーションを時系列で説明するための概念図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1には、本実施形態に係るロボット10の移動に関連する構成のみを概略的に表したブロック図が示されている。この図において、前記ロボット10は、予め設定された移動開始地点(スタート地点)から所定の目標地点(ゴール地点)まで自律的に移動する移動体として機能する。このロボット10では、移動途中で壁等の物体や人間等からなる障害物との将来的な干渉が予想される場合に、これら障害物を避けながら進行する移動経路として、周囲の人間等への影響を軽減して効率良く移動可能な移動経路を探索し、当該移動経路に沿った動作制御がなされる。
ここでの障害物としては、ロボット10の移動経路の周辺に存在する壁等、環境中で常時静止した状態の固定障害物と、人間や移動体等、環境中で移動可能となる移動障害物とがある。なお、以下においては、複数の人間を移動障害物として説明するが、他の移動体に対しても後述と同様の処理により、移動経路の生成が可能となる。
また、特に限定されるものではないが、本実施形態では、障害物を避けながら進行する移動経路として、次の3種の経路が対象となる。すなわち、ここでの移動経路としては、ロボット10と人間の離間距離が所定値以上の状態を保持したまま人間との干渉を回避する回避経路と、ロボット10と人間の離間距離が前記所定値未満であるものの、それらが接触しない接近状態ですれ違い可能にする接近経路と、ロボット10が人間とすれ違う際に、当該人間に接触しながらロボット10の通路を確保する働きかけを行うことを前提とした接触経路とがある。
前記ロボット10には、図1に示されるように、各種動作を可能に構成された機構や機器からなる動作部11と、ロボット10の周囲の環境情報を検出する検出装置12と、検出装置12の検出結果に基づき、前記障害物の状況を考慮しながらロボット10の自律移動制御を行う制御装置13とが設けられている。
前記動作部11は、所定範囲内を自律移動させるための機構やその動力源からなる移動装置14と、所定空間内を動作するための機構やその動力源からなるアーム15とを含む。これら移動装置14及びアーム15等の動作部11については、全て公知の部材、機構、装置類等から構成されており、本発明の本質部分でないため、各構成についての詳細な図示説明を省略する。
前記検出装置12は、ロボット10の周囲に存在する人間その他の障害物の位置情報及び速度情報を検出する周囲環境検出部18と、人間の向きを検出するための向き検出部19とからなり、各検出部18,19での検出結果は、制御装置13に逐次送信される。
前記周囲環境検出部18としては、特に限定されるものではないが、ロボット10の周囲へのレーザ光の照射による人間を含む物体の反射状態に基づいて、ロボット10の周囲の障害物の各表面部分の位置を検出する公知のレーザレンジファインダ等の測距センサが用いられる。つまり、この周囲環境検出部18では、各種障害物の表面部分を構成する点群における各点の平面視での2次元位置が、ロボット10を基準として測定され、当該測定値に基づいて、前記移動障害物の速度情報が算出される。
なお、周囲環境検出部18としては、ロボット10の周囲に存在する各種障害物の位置検出等が可能な限りにおいて、GPS等を利用したセンサ等、他のセンサや装置類を適用することも可能である。
前記向き検出部19としては、特に限定されるものではないが、KINECT(登録商標)等の公知のデプスセンサが用いられ、骨格認識によって人間の顔面部分が特定されるとともに、周囲環境検出部18の検出結果から取得した人間の位置情報を利用して、ロボット10に対する人間の顔面部分の向きが検出される。
なお、向き検出部19としては、同様の検出が可能な他のセンサや装置類を利用しても良い。また、周囲環境検出部18及び向き検出部19は、前述の各種情報を取得できる限りにおいて、一体化された装置やシステムにより構成することもできる。
前記制御装置13では、予め設定されたスタート地点から所定のゴール地点まで、障害物への影響を極力低減しながらロボット10が自律移動可能となるように、最適となる移動経路を探索し、動作部11への動作指令が行われる。
この制御装置13は、ロボット10に一体的に或いは別体として設けられており、CPU等の演算処理装置及びメモリやハードディスク等の記憶装置等からなるコンピュータによって構成されている。当該コンピュータには、以下の各手段として機能させるためのプログラムがインストールされている。
次に、前記制御装置13の具体的構成について説明する。
前記制御装置13は、周囲環境検出部18での検出結果を用いて、将来的に人間がロボット10に干渉する可能性を推定する干渉予測手段21と、向き検出部19での検出結果を用いて、当該検出時点でのロボット10に対する人間の認知状況を推定する認知状況推定手段22と、干渉予測手段21及び認知状況推定手段22での推定結果に応じて所定の情報を記憶する記憶手段23と、ロボット10がゴール地点に向かって移動する際に、障害物の状況に応じて、ロボット10の移動経路の候補となる候補経路を複数生成する候補経路探索手段24と、これら各候補経路の中から最適となる最適経路を抽出する最適経路抽出手段25と、最適経路に沿ったロボット10の自律移動が可能となるように、動作部11に動作指令する動作指令手段26とを備えている。
前記干渉予測手段21では、本発明者らが既に提案した特開2020-46759号公報等に開示されているように、周囲環境検出部18での検出結果から人間の現在の移動状況を取得し、ロボット10が将来的に人間に干渉する可能性の有無が判定される。すなわち、ここでは、ロボット10と人間の周囲に所定のサイズのパーソナルエリアが設定され、将来的に、これらパーソナルエリア同士が少なくとも一部でも重なり合うと予測される場合には、干渉の可能性が有ると判定され、そうでない場合には、干渉の可能性が無いと判定される。具体的には、周囲環境検出部18での検出結果による人間の速度ベクトルに基づいて、ロボット10と人間が横並びになった位置から、ロボット10と人間の各体幹中心の間の距離を計算する。そして、当該距離が各パーソナルエリアの離間距離よりも短いときに、干渉の可能性が有る「干渉度有」と判定され、そうでないときに、干渉の可能性が無い「干渉可能性無」と判定される。
前記認知状況推定手段22では、向き検出部19で検知した人間の顔の向きに基づき、次のようにして、ロボット10に対する人間の認知状況を推定するようになっている。すなわち、先ず、周囲の人間や物体を認知可能となる視野範囲が認知可能範囲として特定される。ここで、人間の認知可能範囲は、人間の視野角(例えば、200度)の範囲として予め設定される。なお、ロボット10の認知可能範囲は、検出装置12での障害物の検知範囲とされる。そして、ロボット10と人間の相対距離が予め設定された距離以下になったときに、ロボット10を視認する目が存在する人間の顔の向きから、人間の認知可能範囲内にロボット10が存在する場合には、人間がロボット10を認知している「認知度有」と判定される。一方、そうでない場合には、人間がロボット10を認知していない「認知度無」と判定される。
前記記憶手段23では、ロボット10の周囲の各人間について、干渉予測手段21により干渉度有と判定されたときに、当該人間の位置情報や速度情報と、認知状況推定手段22で推定された当該人間の認知状況とが記憶される。
前記候補経路探索手段24では、本発明者らが既に提案した特開2020-46759号公報等に開示された手法等を用い、ロボット10の候補経路を複数生成するようになっている。すなわち、ここでは、図2に示されるように、現在のロボット10の位置をスタート地点SPとし、当該スタート地点SPとゴール地点GPとを直線で結んだ直線経路(同図中破線)が設定される。そして、当該直線経路において、干渉予測手段21での判定により人間Hとの間での干渉が将来的に生じ得る場合、人間Hの左右両側となる横に、人間Hとの干渉を回避する経路の通過点(Way Point:以下、「WP」と称する)が設定される。更に、当該WPとゴール地点GPとを直線で結んだ別の直線経路上において、他の人間Hとの間での干渉が将来的に生じ得る場合に、当該他の人間Hの左右両側となる横に同様にして次のWPが設定され、この処理が繰り返し行われる。最後に、このような手順で設定された各WPを順に通過する候補経路PT(図2の例では4通り)が生成される。
以上のように複数生成される候補経路としては、ロボット10が人間Hのパーソナルエリアに侵入しない回避経路と、ロボット10が人間Hのパーソナルエリアに侵入するが、ロボット10と人間H同士の体幹が接触しない接近経路と、ロボット10のアーム15を使って人間に接触しながら人間を避ける接触経路とがある。本実施形態において、当該接触経路は、後述する移動予測シミュレーション部28でのシミュレーション結果により、後述するデッドロック状態がロボット10に発生し得る場合にのみ生成されるが、当該条件に限定されるものではない。
前記最適軌道抽出手段25は、候補経路探索手段24で探索された各候補経路について、その経路に沿ってロボット10が移動するときに、その周囲に存在する人間とロボット10の相互作用によるこれらの移動を経時的にシミュレーションする移動予測シミュレーション部28と、移動予測シミュレーション部28でのシミュレーション結果から、ロボット10の移動効率及び周囲の人間に与える影響を考慮して各候補経路の中から最適経路を決定する最終決定部25とを備えている。
前記移動予測シミュレーション部28では、運動方程式に基づく移動予測モデルである従来のSFM(Social Force Model)をベースにして本発明者らが拡張した新たな移動予測モデルにより、ゴール地点にロボット10が移動するまでの間において、ロボット10の移動とその周囲の障害物の相互作用を考慮したロボット10及び人間の経時的な移動状態をシミュレーションするようになっている。
前記SFMは、人間やロボット等の移動可能な各エージェントに作用する仮想的な力ベクトルの方向に各エージェントが移動するとして、当該各エージェントの移動を予測するモデルである。このSFMでは、対象エージェントにおける目的地からの仮想的な引力と、壁等の固定障害物のように静止環境下にあるオブジェクトや他のエージェントからの仮想的な斥力とを合成した合力ベクトルが求められ、当該合力ベクトルに従って対象エージェントが移動すると推定される。ところが、ロボット10の移動に伴う周囲の人間に与える物理的負担や心理的負担を考慮して最適経路を生成するに際し、従来のSFMを単に利用してロボット10の周囲の人間の移動予測を行うと、次の理由により、最適となる移動経路の抽出を必ずしも十分に行えない。先ず、第1の理由として、従来のSFMでは、対象となるエージェントの後方から接近する他の人間等のエージェントからの斥力も考慮されてしまうが、実空間においては、人間が後方の人間を認知して避ける行動は不自然である。また、第2の理由として、従来のSFMでは、ロボット10が移動している際に、他のエージェントの状態や目的地の位置により、前記斥力と前記引力が釣り合ってしまうデッドロック状態が生じてしまう。このような場合に、ロボット10が最も斥力を受ける他のエージェントに対して接触を用いた働きかけを行う接触経路が候補経路として生成されるが、この際の接触力は従来のSFMで考慮されていない。
そこで、本発明者らが新たに創出した拡張モデルでは、認知状況推定手段22での認知度と、候補経路探索手段24で求めた接触経路において対象の人間に作用する接触力とを更に考慮し、ロボット10の移動過程において、各エージェント、すなわち、ロボット10及びその周囲に存在する人間の移動予測がなされる。
ここでの移動予測シミュレーションは、各候補経路について、それぞれ設定されたWP間で時系列に沿ってそれぞれ順に行われる。つまり、スタート地点から最初のWPをロボット10の目的地とした区間で最初のシミュレーションが行われた後、その状態から次のWPにロボット10の目的地を変更した次の区間で同様のシミュレーションが行われ、当該シミュレーションがロボット10のゴール地点までのWP間の各区間において経時的に行われる。
具体的に、ここでは、各区間でのシミュレーション毎に、各エージェントの移動予測を行うに際し、予測対象となる対象エージェント毎に、それぞれ作用する合力ベクトルFが計算される。当該合力ベクトルFは、ロボット10の仮想移動の際の所定のタイミング毎(例えば、0.5秒毎)に計算され、当該タイミング毎において、各エージェントが対応する合力ベクトルFに従って移動するものと予測される。なお、シミュレーション上、各人間に設定される目的地については、検出装置12での検出結果に基づき算出された移動方向に沿って仮想的に設定された所定地点とされる。
前記合力ベクトルFは、対象エージェントにおける目的地からの引力ベクトルFと、対象エージェントの周囲に存在する他のエージェントiからの斥力ベクトルF の合計と、対象エージェントの周囲に存在する壁等の静止障害物であるオブジェクトjからの斥力ベクトルF の合計と、接触経路においてロボット10が人間に付加する接触力ベクトルF との合計となり、次式によって算出される。
Figure 0007490193000001
上式(2)において、mは、対象エージェントの重量であり、v(t)は、対象エージェントの希望速度ベクトルであり、これらは、ロボット10や人間等のエージェントの種類に応じて予め所定値が設定される。また、v(t)は、対象エージェントの現在速度ベクトルであり、ロボット10であれば把握されており、人間であれば検出装置12での検出結果から推定される。更に、τは、シミュレーションを行う前記タイミングの間隔に相当する予め設定された時定数である。
上式(3)、(4)において、fp 、fp は、他のエージェントi、オブジェクトjへの衝突時に発生する力ベクトルと定義され、fs 、fs は、他のエージェントi、オブジェクトjに対する心理的要素に影響する心理的な斥力ベクトルと定義され、次式で算出される。
Figure 0007490193000002
ここで、kp、ksは、斥力の大きさに関する係数であり、事前になされた実験等の結果に基づいて、エージェントの動きが自然になる所定の一定値に設定される。また、d、dは、斥力を発する他のエージェントiやオブジェクトjと対象エージェントとの離間距離であり、v、vは、これらの間の単位方向速度ベクトルであり、それぞれ、検出装置12での検出結果から特定される。更に、rは、ロボット10や人間のすれ違いに必要となる円形の最小領域の半径であり、sは、対象エージェントに斥力が及ぼされる範囲に相当するパーソナルエリアの半径である。これらr、sは、例えば、r=0.6m、s=1m等の一定値に予め設定される。更に、θは、従来のSFMにおけるランプ関数である。
また、上式(3)、(4)での各斥力ベクトルF 、F の算出においては、認知状況推定手段22での認知度が考慮される。すなわち、上式(5)の通り、対象エージェントが認知していない他のエージェントやオブジェクトから心理的な斥力を受けないように、認知度awがゼロ、すなわち、「認知度無」の場合には、心理的な斥力ベクトルfs 、fs をゼロとして、各斥力ベクトルF 、F が求められる。換言すれば、「認知度有」の場合にのみ心理的な斥力ベクトルfs 、fs が加味され、作用することになる。
以上の移動予測シミュレーション部28では、例えば、図3に示されるように、ロボット10及び周囲の人間A~Dの移動予測シミュレーションが行われる。つまり、ロボット10及び周囲の人間A~Dの各エージェントについて、認知状況推定手段22で特定されたそれぞれの認知可能範囲Rに応じて、一定タイミング毎に合力ベクトルFがそれぞれ算出される。そして、当該合力ベクトルFから、各エージェントの移動状態が推定される。
先ず、候補経路内に設定されたWPがロボット10の目的地Pとして設定され、その後、各エージェントの移動予測シミュレーションが行われる。図3(A)のタイミングでは、ロボット10が壁Wから斥力(同図中破線矢印)を受け、その影響により、目的地Pとの直線経路よりもやや内側方向にロボット10が移動する。そして、ロボット10が目的地Pに向かって更に進んだ同図(B)のタイミングでのロボット10の移動は、人間Bからの斥力(同図中一点鎖線矢印)にも影響を受ける。その後、同図(C)のようにロボット10が更に進むと、同図(D)に示されるように、ロボット10に接近状態となる人間Aが、ロボット10からの接触力(同図中太線矢印)により同図中右側に移動し、人間Aの移動により、人間B,Cに斥力(同図中一点鎖線矢印)が伝播して、同図(E)に示されるように、人間B,Cも移動することになる。そして、同図(F)に示されるように、ロボット10が目的地Pに達したら、次のWPが目的地として設定され、同様にして移動予測シミュレーションが行われる。
前記最終決定部29では、各候補経路について、予め記憶された数式により、ロボット10及びその周囲の人間の移動負荷に対応する次の2種の指標値が算出され、これら指標値を総合した経路コストにより、各候補経路の中から最も適切となる最適経路が選択される。
当該最終決定部29での具体的な処理内容を以下に説明する。
先ず、前記指標値として、ロボット10の移動効率に関する第1の指標値と、移動予測シミュレーション部28での移動予測結果に基づくロボット10の周囲に存在する人間に与える負荷に関する第2の指標値とが求められる。
前記第1の指標値は、移動シミュレーションにおける目的地に対するロボット10の進行方向に係る第1のパラメータと、当該進行方向に直交し、ロボット10が人間や物体を回避するためのロボット10の回避方向に係る第2のパラメータとを合計した移動コストEに対応する。
前記第1のパラメータでは、ロボット10が一定速度で直進し続ける行動を最もコストの低い行動とし、ロボット10の進行方向への加減速度をコストの増減パラメータとしている。
前記第2のパラメータでは、ロボット10が干渉回避を行う際の回避幅が大きくなる程、ロボット10の移動効率が悪くなることから、ロボット10の進行方向に直交する回避方向の移動をコストの増減パラメータとしている。
つまり、前記移動コストEは、スタート地点からゴール地点までの間において、移動予測シミュレーション部28でシミュレーションされた各WP間でのロボット10の移動状態の変化を総合して、次式により算出される。
Figure 0007490193000003
上式において、vytは、時刻tにおけるロボット10の進行方向の速度であり、vy0は、同進行方向の基準速度であり、vxtは、同回避方向の速度であり、vxt-1は、1ステップ前の同回避方向の速度である。また、Aは、前記進行方向の重み係数であり、Bは、前記回避方向の重み係数であり、所定値(例えば、A=1、B=1)が予め設定される。
前記第2の指標値は、スタート地点からゴール地点までのロボット10の移動時に、周囲の人間の移動及び心理的な影響をより与えない経路を選択する必要があることから、移動予測シミュレーション部28でのシミュレーション結果により求められた各エージェントの斥力ベクトルF 、F の総和と、ロボット10が人間に接触する際の接触力ベクトルF を総合した影響度Dである。この影響度Dは、次式により求められる。
Figure 0007490193000004
上式において、nはロボット10が認識した人数に相当する。
次に、次式のように、移動コストE及び影響度Dに重み係数a、bを乗じた上で加算することにより、各候補経路について経路コストCがそれぞれ求められる。なお、重み係数a、bは、事前の実験結果により一定値に設定され、例えば、a=1.7、b=0.3としている。
Figure 0007490193000005
そして、経路コストCの最も小さい候補経路が最適経路として決定され、この最適経路に沿ったロボット10の移動経路が生成されることになる。ここで、当該最適経路における各WP間のロボット10の移動は、前記シミュレーション結果による移動軌跡に沿って行われる。
次に、本実施形態の変形例について説明する。なお、以下の説明において、前記実施形態と同一若しくは同等の構成部分については同一符号を用いるものとし、前記実施形態と相違する事項を除き、説明を省略若しくは簡略にする。
本変形例では、制御装置13により、移動障害物のうちロボット10の周囲から接近する人間(接近者)を対象エージェントとし、当該接近者が将来的に移動し得る複数の経路を候補経路として予測し、その中で最適となる最適経路を特定し、当該最適経路での接近者の移動に合わせて接近者を避けることができるように、ロボット10の移動経路を決定するようになっている。
すなわち、本変形例に係る候補経路探索手段24では、前記実施形態においてロボット10に対して行ったのと同様の手順により、ロボット10や他の人間等の他のエージェントを避けて通る接近者の将来的な経路を候補経路として予測するようになっており、当該候補経路は、接近者が他のエージェントに接触する前述の接触経路を含め、複数通り導出される。
また、本変形例に係る最適経路抽出手段25では、先ず、移動予測シミュレーション部28において、前記実施形態と同様の手順により、接近者の各候補経路について、当該接近者の移動に伴うロボット10の移動及び各障害物の相互作用により、各エージェントの経時的な移動状態がシミュレーションされる。そして、最終決定部29では、前記実施形態に対しロボット10を対象エージェントとなる接近者に代えた接近者の移動効率に関する第1の指標値である移動コストEと、前記実施形態と同様の人間に与える負荷に関する第2の指標値である影響度Dとが求められる。その後は、前記実施形態と同様にして、対象となる接近者の移動コストCが求められ、当該移動コストCが最小となる候補経路が当該接近者の最適経路となる。
そして、最終決定部29では、移動予測シミュレーション部28によるシミュレーション結果により、対象の接近者が最適経路を移動するときのロボット10の経路がロボット10の移動経路として特定される。すなわち、当該移動経路は、対象の接近者が最適経路を移動する条件でシミュレーションされたロボット10の経路である。更に、動作指令手段26では、ロボット10が決定された移動経路に沿って自律移動するように、動作部11への動作指令がなされる。
以上の変形例によれば、ロボット10が人混みを避けて目標地点に移動する前記実施形態での動作制御態様に加え、又は、当該制御態様と選択的に、既に人混みにいるロボット10が、その横を通り抜けようとする接近者を除けるように動作させる制御態様が可能になる。
以上で説明した制御装置13には、エージェントにおける周囲の認知状況を推定する認知状態推定手段22と、エージェントの経時的な移動をシミュレーションする移動予測シミュレーション部28(移動予測シミュレーション手段)とが含まれている。従って、制御装置13は、所定のエージェントが移動する過程で、その周囲に移動可能な他のエージェントと、常時静止状態となるオブジェクトとが存在する際に、各エージェントの経時的な移動を予測する移動予測装置としても機能する。
また、制御装置13は、前記候補経路探索手段24と前記最適経路抽出手段25とを有しており、周囲に存在する障害物を避けながら自律移動する自律移動するロボット10の移動経路を生成する移動経路生成装置としても機能する。
なお、本発明に係るロボットとしては、前記実施形態で説明した自律移動型のロボット10に限定されるものではなく、自動車両、船舶、飛行体等、所定の空間内を自律的に移動可能な移動体の他に、所定範囲の空間内で移動するロボットアーム等のマニピュレータであってもよく、これら移動時における前記最適経路の生成を前述と同様の構成及び手順により行うことができる。
その他、本発明における装置各部の構成は図示構成例に限定されるものではなく、実質的に同様の作用を奏する限りにおいて、種々の変更が可能である。
10 ロボット
11 動作部
12 検出装置
13 制御装置(移動経路生成装置、移動予測装置)
22 認知状態推定手段
24 候補経路探索手段
25 最適経路抽出手段
26 動作指令手段
28 移動予測シミュレーション部(移動予測シミュレーション手段)
29 最終決定部

Claims (7)

  1. 周囲に存在する障害物を避けながら自律移動するロボットにおいて、
    前記障害物の位置情報及び速度情報を検出する検出装置と、当該検出装置の検出結果から、前記障害物の状況を考慮しながら前記自律移動を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、前記障害物の位置情報及び速度情報に基づいて、前記ロボットと前記障害物のうち移動可能な移動障害物とからなるエージェントのうち対象となる対象エージェントが移動する経路の候補となる候補経路を複数生成する候補経路探索手段と、前記各候補経路の中から最適となる最適経路を抽出する最適経路抽出手段と、当該最適経路に基づいて前記自律移動の動作指令をする動作指令手段とを備え、
    前記最適経路抽出手段は、前記各候補経路について、前記ロボットと前記障害物の相互作用により、前記各エージェントの移動状態をシミュレーションする移動予測シミュレーション部と、当該移動予測シミュレーション部でのシミュレーション結果から、前記対象エージェントの移動効率及び前記移動障害物に与える影響に基づいて前記最適経路を決定する最終決定部とを備え、
    前記移動予測シミュレーション部では、前記各エージェント間や当該各エージェントと常時静止状態の前記障害物であるオブジェクトとの間で相互に作用する仮想的な力を利用して、前記各エージェントの位置及び速度の変化が経時的に予測され、
    前記最終決定部では、前記各候補経路について、予め記憶された数式により、前記移動効率に関する第1の指標値と、前記移動障害物に与える負荷に関する第2の指標値とが求められ、これら各指標値を総合して得られる経路コストの最も少ない前記候補経路が前記最適経路として選択され
    前記動作指令手段では、前記ロボット自身が前記対象エージェントである場合に、前記最適経路を当該ロボットの移動経路として前記動作指令がなされる一方、前記ロボットに接近する前記移動障害物が前記対象エージェントである場合に、前記移動予測シミュレーション部により、前記移動障害物が前記最適経路を移動する条件でシミュレーションされた前記ロボットの移動経路に沿って当該ロボットを移動させるように前記動作指令がなされることを特徴とするロボット。
  2. 周囲に存在する障害物を避けながら自律移動するロボットにおいて、
    前記障害物の位置情報及び速度情報を検出する検出装置と、当該検出装置の検出結果から、前記障害物の状況を考慮しながら前記自律移動を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、前記障害物の位置情報及び速度情報に基づいて、前記ロボットと前記障害物のうち移動可能な移動障害物とからなるエージェントのうち対象となる対象エージェントが移動する経路の候補となる候補経路を複数生成する候補経路探索手段と、前記各候補経路の中から最適となる最適経路を抽出する最適経路抽出手段と、当該最適経路に基づいて前記自律移動の動作指令をする動作指令手段とを備え、
    前記候補経路探索手段では、前記対象エージェントが他の前記エージェントに接触しながら当該移動障害物を避ける接触経路を含めた前記候補経路が生成され、
    前記最適経路抽出手段は、前記各候補経路について、前記ロボットと前記障害物の相互作用により、前記各エージェントの移動状態をシミュレーションする移動予測シミュレーション部と、当該移動予測シミュレーション部でのシミュレーション結果から、前記対象エージェントの移動効率及び前記移動障害物に与える影響に基づいて前記最適経路を決定する最終決定部とを備え、
    前記移動予測シミュレーション部では、前記各エージェント間や当該各エージェントと常時静止状態の前記障害物であるオブジェクトとの間で相互に作用する仮想的な力を利用して、前記各エージェントの位置及び速度の変化が経時的に予測され、前記各エージェントの目的地からの仮想的な引力と、前記オブジェクトや前記各エージェントとの間に作用する仮想的な斥力と、前記接触時の接触力とを合成した合力ベクトルが算出され、当該合力ベクトルに従って前記各エージェントが移動すると推定され、
    前記最終決定部では、前記各候補経路について、予め記憶された数式により、前記移動効率に関する第1の指標値と、前記移動障害物に与える負荷に関する第2の指標値とが求められ、これら各指標値を総合して得られる経路コストの最も少ない前記候補経路が前記最適経路として選択されると推定されることを特徴とするロボット。
  3. 前記最終決定部では、前記第1の指標値として、前記対象エージェントの進行方向に係る第1のパラメータと、当該進行方向に直交し、前記障害物を回避するための前記対象エージェントの回避方向に係る第2のパラメータとを合計した移動コストが求められ、前記第2の指標値として、前記斥力及び前記接触力を総合した影響度が求められ、これら移動コスト及び影響度に重み係数を乗じた上で加算することにより、前記経路コストが前記候補経路毎に求められ、前記経路コストが最も少ない前記候補経路が前記最適経路として選択されることを特徴とする請求項記載のロボット。
  4. 前記検出装置は、前記移動障害物の向きをも検出可能に設けられ、
    前記制御装置は、前記検出装置での検出結果により、前記各エージェントにおける周囲の認知状況を推定する認知状態推定手段を更に備え、
    前記認知状態推定手段では、前記各エージェントについて、その周囲の人間や物体を認知可能となる視野範囲を認知可能範囲として特定し、
    前記移動予測シミュレーション部では、前記斥力として、予め記憶された数式により、衝突時に発生する力ベクトルと心理的要素として定義された心理的な力ベクトルとがそれぞれ算出された上で、それら力ベクトルを合計することにより求められ、
    前記心理的な力ベクトルは、前記オブジェクトや他の前記エージェントが前記認知可能範囲内にあるときにのみ作用すると定義されることを特徴とする請求項記載のロボット。
  5. 周囲に存在する障害物を避けながら自律移動するロボットの移動経路を生成する移動経路生成装置において、
    前記障害物の位置情報及び速度情報に基づいて、前記ロボットと前記障害物のうち移動可能な移動障害物とからなるエージェントのうち対象となる対象エージェントが移動する経路の候補となる候補経路を複数生成する候補経路探索手段と、前記各候補経路の中から最適となる最適経路を抽出する最適経路抽出手段とを備え、
    前記最適経路抽出手段は、前記各候補経路について、前記ロボットと前記障害物の相互作用により、前記各エージェントの移動状態をシミュレーションする移動予測シミュレーション部と、当該移動予測シミュレーション部でのシミュレーション結果から、前記対象エージェントの移動効率及び前記移動障害物に与える影響に基づいて前記最適経路を決定する最終決定部とを備え、
    前記移動予測シミュレーション部では、前記各エージェント間や当該各エージェントと常時静止状態の前記障害物であるオブジェクトとの間で相互に作用する仮想的な力を利用して、前記各エージェントの位置及び速度の変化が経時的に予測され、
    前記最終決定部では、前記各候補経路について、予め記憶された数式により、前記移動効率に関する第1の指標値と、前記移動障害物に与える負荷に関する第2の指標値とが求められ、これら各指標値を総合して得られる経路コストの最も少ない前記候補経路が前記最適経路として選択され、前記ロボット自身が前記対象エージェントである場合に、前記最適経路を前記移動経路とする一方、前記ロボットに接近する前記移動障害物が前記対象エージェントである場合に、前記移動予測シミュレーション部により、前記移動障害物が前記最適経路を移動する条件でシミュレーションされた前記ロボットの経路を前記移動経路とすることを特徴とする移動経路生成装置。
  6. 周囲に存在する障害物を避けながら自律移動するロボットの移動経路を生成する移動経路生成装置のコンピュータを機能させるプロクラムにおいて、
    前記障害物の位置情報及び速度情報に基づいて、前記ロボットと前記障害物のうち移動可能な移動障害物とからなるエージェントのうち対象となる対象エージェントが移動する経路の候補となる候補経路を複数生成する候補経路探索手段と、前記各候補経路の中から最適となる最適経路を抽出する最適経路抽出手段として前記コンピュータを機能させ、
    前記最適経路抽出手段は、前記各候補経路について、前記ロボットと前記障害物の相互作用により、前記各エージェントの移動状態をシミュレーションする移動予測シミュレーション部と、当該移動予測シミュレーション部でのシミュレーション結果から、前記対象エージェントの移動効率及び前記移動障害物に与える影響に基づいて前記最適経路を決定する最終決定部とを備え、
    前記移動予測シミュレーション部では、前記各エージェント間や当該各エージェントと常時静止状態の前記障害物であるオブジェクトとの間で相互に作用する仮想的な力を利用して、前記各エージェントの位置及び速度の変化が経時的に予測され、
    前記最終決定部では、前記各候補経路について、予め記憶された数式により、前記移動効率に関する第1の指標値と、前記移動障害物に与える負荷に関する第2の指標値とが求められ、これら各指標値を総合して得られる経路コストの最も少ない前記候補経路が前記最適経路として選択され、前記ロボット自身が前記対象エージェントである場合に、前記最適経路を前記移動経路とする一方、前記ロボットに接近する前記移動障害物が前記対象エージェントである場合に、前記移動予測シミュレーション部により、前記移動障害物が前記最適経路を移動する条件でシミュレーションされた前記ロボットの経路を前記移動経路とすることを特徴とする移動経路生成装置のプログラム。
  7. 所定のエージェントが移動する過程で、その周囲に移動可能な他のエージェントと、常時静止状態となるオブジェクトとが存在する際に、前記各エージェントの経時的な移動を予測する移動予測装置において、
    別途取得した前記各エージェントの位置及び向きにより、当該各エージェントにおける周囲の認知状況を推定する認知状態推定手段と、所定の前記エージェントが移動した際に、前記各エージェント及び前記オブジェクトの相互作用により、前記各エージェントの経時的な移動状態をシミュレーションする移動予測シミュレーション手段とを備え、
    前記認知状態推定手段では、前記各エージェントについて、その周囲の人間や物体を認知可能となる視野範囲を認知可能範囲として特定し、
    前記移動予測シミュレーション手段では、予め記憶された数式と別途取得した前記各エージェントの位置情報及び速度情報とを用い、前記各エージェントの目的地からの仮想的な引力と、前記オブジェクトや前記各エージェントの間に作用する仮想的な斥力と、所定の前記エージェントが他の前記エージェントに接触する際の接触力との合力ベクトルが算出され、当該合力ベクトルに従って前記各エージェントが移動すると推定されるとともに、前記斥力として、衝突時に発生する力ベクトルと心理的要素として定義された心理的な力ベクトルとがそれぞれ算出された上で、それら力ベクトルを合計することにより求められ、前記心理的な力ベクトルは、前記オブジェクトや他の前記エージェントが前記認知可能範囲内にあるときにのみ作用すると定義されることを特徴とする移動予測装置。
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