JP7486098B2 - プラズマ殺菌装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プラズマを用いて殺菌を行うプラズマ殺菌装置に関し、特に、粒状や粉末状のような小さな対象物、さらには単純な球状形状のみならず、扁平形状、金平糖形状、および紡錘形状などの複雑な形状のものや、様々な大きさのものに対しても、確実に殺菌を行えるプラズマ殺菌装置に関する。
プラズマを用いて対象物の殺菌を行うプラズマ殺菌は、その用途が多岐にわたっており、その適用分野は拡大の一途を辿っている。その適用分野として期待されているものとして、農業分野における農産物の殺菌がある。
農産物は長距離輸送されることが多く、その際に微生物繁殖が問題となっている。これは、農産物に、土壌や生育環境に由来する各種細菌、糸状菌等が付着しているためであり、これらが農産物の劣化に大きく影響している。
このような農産物として、特に種子が挙げられる。種子は、単純な球状形状のみならず、人参やトマトのような扁平形状の種子などの複雑な形状も多数存在する。このような種子に対して、細菌、糸状菌、及びウィルス等が表面に付着した状態で播種した場合には、播種後に増殖して生育に悪影響を与え、発育不良や枯れの原因となる。種子の他にも、食品材料として用いる穀物等の粒状(顆粒状)又は粉末状の農産物でも同様に、付着した汚染微生物が、食品加工によって商品に混入することにより、商品の劣化を引き起こしている。
このような問題に対処するための技術として、これまでのところでは、種子に付着した微生物を殺菌消毒する目的で、温湯殺菌、乾熱殺菌、及び薬剤による殺菌が主に行われている。
例えば、温湯殺菌では、数十分程度、50-60℃程度の温湯内に種子を浸漬させて消毒を行う。また、乾熱殺菌では、70~80℃程度の乾燥空気の雰囲気下に種子を数日間置き、殺菌消毒を行う。薬剤による殺菌では、対象物表面に存在する菌類等に適合する薬剤を添加、噴霧することで殺菌を行う。
しかし、上記の温湯殺菌では、数十分程度、種子を温湯に浸けるため、高温や水分によって種子の劣化及び発芽率の低下を引き起こす虞がある。
また、上記の乾熱殺菌では、数日程度、種子が高温の乾燥空気雰囲気に曝されるため、温湯殺菌と同様に、長時間高温環境に曝されることにより、種子の劣化が生じ、発芽率の低下を引き起こす虞がある。
また、上記の薬剤を用いる殺菌では、高温による劣化は避けられるが、殺菌対象の菌類に適合した薬剤を選択する必要がある。また、同じ薬剤を長期間にわたって使用することによって薬剤耐性菌が生じ、これが種子を汚染した場合には、種子の消毒において薬剤が効かなくなる虞がある。
種子以外の粒状及び粉末状の農産物に対しても、種子と同様に加熱殺菌や蒸気殺菌が主に用いられている。しかし、殺菌によって、温度や水分による色や味、食感等の農産物の劣化が避けられないというデメリットがある。また、農産物は水分を嫌うものが多いことから、利用できる殺菌技術は限られている。また、このような農産物に薬剤を用いて殺菌する場合には、薬剤による色や味、食感等の劣化に加え、農産物内の薬剤の残留問題も生じる。また、利用できる薬剤の種類も、食品添加物に認可されているものに限られている。
このような状況の中、粒状及び粉末状の農産物に対しても、安全性及び殺菌性を両立できる殺菌方法として、対象物を水などで直接濡らさず薬剤を必要としないプラズマを用いた殺菌の実現が望まれている。
このような粒状及び粉末状の農産物を殺菌対象とできる従来のプラズマ殺菌装置としては、例えば、サイクロン内を周回する水分の少ない粉体又は粒状物を、大気プラズマ(即ち、その原料ガスとしては、一般的には、大気中の空気をそのまま用いることができ、また一般的には、酸素ガスやアルゴンガスや窒素ガス等も含まれる(後述の特許文献3の明細書段落[0032]参照))によって、低温で殺菌又は改質させるものがある(特許文献1参照)。
また、農産物を殺菌するという目的とは異なるが、微粒子(微粉末)を表面改質するという目的の微粒子処理方法があり、例えば、ガスをプラズマ処理装置に供給する工程と、前記ガスのプラズマ処理装置への供給経路に粒子を供給し、ガスの流れとともにプラズマ処理装置内へ粒子を供給する工程と、前記供給経路のプラズマ処理装置内出口に対向して配された一対の電極間において、該出口を囲むようにプラズマを生じさせる工程からなる微粒子処理方法もある(特許文献2参照)。

また、上下方向に隙間を隔てて対向する上部電極及び下部電極から成る対向電極と、前記上部又は下部の電極の中心部から前記隙間に向かって、前記対象物を供給する供給手段と、前記下部電極の中心部から外周辺に沿って、前記対象物を外部に排出する排出手段とを備えるプラズマ殺菌装置もある(特許文献3参照)。
特開2014-68号公報 特開2006-68589号公報 国際公開WO2016/190436
しかし、従来のプラズマ殺菌装置は、例えば、特許文献1では、対象物である粉体又は粒状物が、サイクロン内でランダムに周回する状況下で、プラズマを照射されることから、確率的に、実際にプラズマが照射される対象物と照射されない対象物とが共存し、プラズマ照射の度合いに偏りが生じ、全ての対象物に対して均一で十分な殺菌が安定して行えないという課題があった。
また、例えば、特許文献2では、農産物を殺菌するという目的とは異なるものであるが、前記供給経路のプラズマ処理装置内出口に対向して配された一対の電極間において、該出口を囲むようにプラズマを生じさせて、微粒子(微粉末)を表面改質するものであり、即ち、一対の電極間のうちの該出口の両端のみに局所的にプラズマを生じさせて微粒子(微粉末)を表面改質するものであることから、仮に微粒子として農作物を用いたとしても、この局所的なプラズマによって、農作物によっては殺菌されるものと殺菌されないものが混在し、農作物がまばらに殺菌される結果となり、不均一且つ不十分な殺菌にとどまってしまうという課題がある。
また、例えば、特許文献3では、種子のような小さい農産物を殺菌することを目的とするが、特に、扁平形状の種子に対しては、種子の移動が不規則となるために、プラズマにより、農作物によっては殺菌されるものと殺菌されないものが混在し、農作物がまばらに殺菌される結果となり、不均一且つ不十分な殺菌にとどまってしまうという課題がある。
殺菌対象となる農作物のうち、特に種子については、単純な球状形状のみならず扁平形状、金平糖形状、および紡錘形状などの複雑な形状のものや、様々な大きさのものも多く存在するが、特にこのような扁平形状、金平糖形状、および紡錘形状などの複雑な形状のものや、様々な大きさの種子の一つ一つに対しても、一律に均質的な殺菌を行える技術は現在のところ知られていない。
本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、粒状(顆粒状)や粉末状の農産物のような小さな対象物、さらには単純な球状形状のみならず、扁平形状、金平糖形状、および紡錘形状などの複雑な形状のものや、様々な大きさのものに対しても、緩和な条件で品質を劣化させずに連続的かつ安定的にプラズマ殺菌を行えるプラズマ殺菌装置の提供を目的とする。
本願に開示するプラズマ殺菌装置は、原料ガス雰囲気下で電極間で電圧印加により生成されるプラズマによって、対象物を殺菌するプラズマ殺菌装置において、上下方向に隙間を隔てて対向する板状の上部電極及び下部電極から成る対向電極と、底面を板状の絶縁材または前記下部電極で形成され、外周辺に隔壁体を備えて成る収納部からなり、当該収納部が前記対向電極間に配設され、前記収納部に対象物を収納した状態で軸支される収納手段と、前記隙間に向かって、前記対象物を供給する供給手段と、前記収納手段を軸支する軸心を変化させて前記対象物の前記収納手段内の滞留と排出を制御する制御手段と、を備えるものである。
このように、本願に開示するプラズマ殺菌装置は、上下方向に隙間を隔てて対向する板状の上部電極及び下部電極から成る対向電極と、底面を板状の絶縁材または前記下部電極で形成され、外周辺に隔壁体を備えて成る収納部からなり、当該収納部が前記対向電極間に配設され、前記収納部に対象物を収納した状態で軸支される収納手段と、前記隙間に向かって、前記対象物を供給する供給手段と、前記収納手段を軸支する軸心を変化させて前記対象物の前記収納手段内の滞留と排出を制御する制御手段と、を備えることから、制御手段により、前記対象物が、前記収納手段内で一定の滞留時間が維持され、プラズマ殺菌により十分に殺菌された後に、外部への排出が促進されることとなり、前記対象物が粉末状等の微細なものであっても、さらには単純な球状形状のみならず、扁平形状、金平糖形状、および紡錘形状などの複雑な形状のものや、様々な大きさのものに対しても、全ての前記対象物に対して、緩和な条件で品質を劣化させずに連続的かつ安定的にプラズマ殺菌を行うことができる。
本願に開示するプラズマ殺菌装置は、必要に応じて、前記収納手段が、前記隔壁体として放射状に載置された案内フィンを備え、前記収納手段が、前記対向電極に対して揺動すると共に、前記制御手段が、前記軸心を変化させて、前記揺動の進行方向を制御するものである。このように、前記収納手段が、前記隔壁体として放射状に載置された案内フィンを備え、前記収納手段が、前記対向電極に対して揺動すると共に、前記制御手段が、前記軸心を変化させて、前記揺動の進行方向を制御することから、制御手段による前記揺動の進行方向の制御により、一の進行方向では、案内フィンが障壁として機能し、前記対象物が前記収納手段から排出されず滞留する作用を呈すると共に、他の進行方向では、案内フィンが開放口として機能し、前記対象物が前記収納手段から排出する作用を呈することとなり、前記対象物が粉末状等の微細なものであっても、さらには単純な球状形状のみならず、扁平形状や立方体形状などの複雑な形状のものに対しても、簡素な構成によって、全ての前記対象物に対して、緩和な条件で品質を劣化させずに連続的かつ安定的にプラズマ殺菌を行うことができる。
また、本願に開示するプラズマ殺菌装置は、必要に応じて、前記収納手段が、前記隔壁体として絶縁材の外側端部に配設される枠体部と、当該枠体部の一部に開口状の排出口とを備え、 前記制御手段が、前記軸心を変化させて、前記収納手段の傾斜角度を制御するものである。このように、前記収納手段が、前記隔壁体として絶縁材の外側端部に配設される枠体部と、当該枠体部の一部に開口状の排出口とを備え、前記制御手段が、前記軸心を変化させて、前記収納手段の傾斜角度を制御することから、前記制御手段により、前記軸心を変化させた一の軸心状態、例えば、前記収納手段が水平方向に傾斜無く維持される場合には、前記対象物が前記枠体部内で滞留する作用を呈すると共に、他の軸心状態、例えば、前記収納手段が水平方向から傾斜された場合には、前記対象物が前記排出口から排出する作用を呈することとなり、前記対象物が粉末状等の微細なものであっても、さらには単純な球状形状のみならず、扁平形状や立方体形状などの複雑な形状のものに対しても、簡素な構成によって、全ての前記対象物に対して、緩和な条件で品質を劣化させずに連続的かつ安定的にプラズマ殺菌を行うことができる。
また、本願に開示するプラズマ殺菌装置は、必要に応じて、前記供給手段が、前記対象物と共に前記原料ガスを供給するものである。このように、前記供給手段によって供給される前記原料ガスの濃度が、前記対象物の存在する上部及び下部電極の間で高められることから、全ての対象物が高濃度のプラズマ発生領域を通過することとなり、対象物が粉末状等の微細なものであっても、さらには単純な球状形状のみならず、扁平形状や立方体形状などの複雑な形状のものに対しても、全ての対象物に対して、簡素な構成によって、確実に殺菌を行うことができる。
また、本願に開示するプラズマ殺菌装置は、必要に応じて、前記対向電極間に、液体状の誘電体が封止されて形成される放電位置制御部を備えるものである。このように、液体状の誘電体の作用によって、対向電極間にプラズマが発生した位置では、誘電率が低下し、次回のプラズマ発生位置が誘電率の高い他の隣接位置に順次移行していくように放電が制御されることから、アーク放電の発生が抑制され、安定的で穏やかな放電が対向電極間に継続的に発生することとなり、前記対象物に損傷を与えない程度の穏やかな放電状態でプラズマ殺菌を維持することができる。
本発明の第1の実施形態に係るプラズマ殺菌装置の構成図を示す。 本発明の第1の実施形態に係るプラズマ殺菌装置の構成図を示す。 本発明の第1の実施形態に係るプラズマ殺菌装置の揺動動作の説明図を示す。 本発明の第1の実施形態に係るプラズマ殺菌装置の構成図を示す。 本発明の第1の実施形態に係るプラズマ殺菌装置のメッシュ電極を含む構成図を示す。 本発明の第1の実施形態に係るプラズマ殺菌装置のメッシュ電極を含む構成図を示す。 本発明の第2の実施形態に係るプラズマ殺菌装置の収納手段の構成図を示す。 本発明の第2の実施形態に係るプラズマ殺菌装置の揺動動作の説明図を示す。 本発明の第2の実施形態に係るプラズマ殺菌装置の揺動動作の説明図を示す。 本発明の第2の実施形態に係るプラズマ殺菌装置の積層スタック型の構成図を示す。 本発明の第3の実施形態に係るプラズマ殺菌装置の構成図を示す。
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態に係るプラズマ殺菌装置を、図1~図6に基づいて説明する。
本実施形態に係るプラズマ殺菌装置は、図1に示すように、原料ガス雰囲気下で電極間で電圧印加により生成されるプラズマによって、対象物100を殺菌するプラズマ殺菌装置であって、上下方向に隙間Aを隔てて対向する板状の上部電極11及び下部電極12から成る対向電極1と、底面21を板状の絶縁材または下部電極12で形成され、外周辺に隔壁体22を備えて成る収納部23からなり、当該収納部23がこの対向電極1間に配設され、この収納部23に対象物100を収納した状態で軸支される収納手段2と、この隙間Aに向かって、この対象物100を供給する供給手段3と、この収納手段2を軸支する軸心41を変化させてこの対象物100の収納手段2内の滞留と排出を制御する制御手段4と、を備える構成である。また、この対向電極1に交流電圧を印加する手段として、交流電源200と、この収納手段2から排出された対象物100をこの下部電極12の下部で蓄積して回収する回収部300を備える構成である。
この対向電極1を構成する上部電極11及び下部電極12の形状は、板状であればその形状は特に限定されず、例えば、円板形状や多角形形状とすることができる。この対向電極1の材質としては、通常用いられている金属電極であれば特に限定されず、例えば、アルミ電極を用いることができる。
この対向電極1に電源を供給する交流電源200は、印加電圧が交流であれば特に限定されず、低周波電源や高周波電源(RF)を用いることができる。例えば、周波数帯域:数十Hz~数百MHz及び電圧:1~10kVの交流電源を用いることができる。また、この回収部300としては、樹脂製のプラスチックトレー等の受け皿を利用することができ、種子等の対象物100を損傷させること無く貯蔵して回収することができる。
この収納手段2は、この対向電極1と同じサイズでもよいし、異なるサイズでもよい。すなわち、この対向電極1に対して表面積が小さくてもよいし大きくてもよい。この収納手段2の配置位置は、特に限定されないが、図1(a)に示すように、下部電極12上に載置させることができる。この他にも、図1(b)に示すように、この上部電極11と下部電極12とも接触すること無く当該電極間に設置することもできる。
この収納手段2を構成する収納部23は、底面21を、板状の絶縁材で形成することができる。この板状の絶縁材は、特にその形状は限定されないが、メッシュシートを用いることができる。このメッシュシートを用いることにより、特にプラズマを均一に照射することが難しい扁平形状、金平糖形状、および紡錘形状などの複雑な形状のものや、様々な大きさの対象物100に対しても、メッシュ地に配された空隙によって、上部電極11及び下部電極12からのプラズマ照射を効率的に与えることができる。
なお、この収納手段2を構成する収納部23は、底面21について、図1に示す板状の絶縁材で形成することの他にも、図2(a)に示すように、この板状の絶縁材を用いることなく、下部電極12の上面部として形成することも可能であり、用途に応じて、より簡素な構成とすることができる。
この供給手段3は、この隙間Aに向かって対象物100を供給するものであり、その供給方法は、特に限定されないが、例えば、各種の噴射機やポンプによる加圧等を用いて、この対象物100をこの隙間Aに向かって供給することができる。
この他にも、この供給手段3は、この上部電極11をメッシュ構造とする構成により、この上部電極11の網目の空隙から、この隙間Aに向かって対象物100を供給することもできる。また、この供給手段3は、この上部電極11が中心が窪んだテーパー状として形成される構成により、その中心部分に空隙を設けることで、この上部電極11の中心部分の空隙から、この隙間Aに向かって対象物100を供給することもできる。
この制御手段4は、この収納手段2を軸支する軸心41を変化させてこの対象物100の収納手段2内の滞留と排出を制御する。この軸心41を変化させる態様としては、特に限定されないが、例えば、前記収納手段2が対向電極11に対して揺動すると共に、この揺動の進行方向を、この軸心41を変化させて制御することができる。
例えば、図2(b)に示すように、この収納手段2が、この隔壁体22として放射状に載置された案内フィン22aを備え、この収納手段2が、この対向電極11に対して揺動すると共に、この制御手段4が、この軸心41を変化させて、この揺動の進行方向である順方向と逆方向を制御する構成が挙げられる。
この収納手段2が、この対向電極11に対して揺動するとは、特に限定されないが、 この収納手段2が、この対向電極11とは動きや方向が異なって揺動することや、この対向電極11と同様な動きや方向で揺動することが含まれる。
この案内フィン22aは、図3(a)に示すように、この隔壁体22として放射状に載置されるものであり、その材質としては、対象物100としての農産物の種子が衝突した際にダメージとならない樹脂等が好適である。
また、この収納手段2の中心B’(円形状であれば円中心)は、この下部電極12(上部電極11)の中心B(円形状であれば円中心)と偏心されて構成される。
この収納手段2は、この対向電極1に対して行う揺動動作としては、この収納手段2は、平面上の2方向(xy方向、縦横方向)に振動し、この制御手段4は、この2方向の振動の位相を制御する。この2方向の振動は、回転ではない振動動作としてもよいし、回転となる振動動作となってもよく、この平面上の2方向に振動が起きていれば特に限定はされない。例えば、この収納手段2は、図3(a)に示すように、この下部電極12(上部電極11)の中心Bを回転中心として、回転することができる。すなわち、この収納手段2の中心B’の軌跡は、下部電極12(上部電極11)の中心Bを中心とする同心円に沿って形成される。
また、この制御手段4は、この収納手段2が回転する際に、この回転方向を軸心41によって、順方向または逆方向のいずれかとなるように変化させて、この揺動の進行方向を制御することができる。
例えば、この制御手段4は、図3(b)に示すように、この収納手段2を順方向Rに回転する制御を行うことにより、この案内フィン22aが、回転方向に対して仰角となることから、この収納手段2の内部からは案内フィン22aの隙間が見えない向きとなり、この収納手段2の外周辺が遮蔽されて、対象物100の排出が抑制され、対象物100を収納手段2の内部に推し進める作用が働くこととなり、対象物100が、収納手段2の内部に掻き集められ、十分なプラズマ照射時間で均一的な殺菌を行うことができる。
さらに、この制御手段4は、図3(c)に示すように、この収納手段2を逆方向Lに回転する制御を行うことにより、この案内フィン22aが、回転方向に対して俯角となることから、この収納手段2の内部から案内フィン22aの隙間が見える向きとなり、この収納手段2の外周辺が開放されて、この対象物100の排出が促進され、この対象物100を収納手段2の外部に排出する作用が働くこととなり、対象物100が、上述のように収納手段2の内部で十分なプラズマ照射時間で均一的な殺菌を行った後に、外部に排出することができる。
このように、この制御手段4は、上記の一連の制御動作により、この収納手段2を順方向Rに回転させる制御を行うことにより、上部電極11及び下部電極12の電極間の中心B周辺に対象物100を集合させて、十分なプラズマ照射時間のもとで均一的な殺菌を集中的に行い、その後に、この収納手段2を逆方向Lに回転させる制御を行うことにより、均一に殺菌された対象物100を外部に排出することができる。
なお、この制御手段4が行う制御は、上述した順方向Rと逆方向Lに関する制御方向に限定されるものではなく、対象物100の形状や大きさに応じて、自在に制御方向を設計することが可能である。例えば、対象物100が球状種子の場合と扁平形状の場合とで、先に順方向Rに回転させるか、または、先に逆方向Lに回転させるか、を対象物100の種類に応じて個別に設定することが可能である。
この制御手段4の制御によって、この案内フィン22aは、この対象物100をこの収納手段2に一旦貯留する作用と、この収納手段2から外部に排出させる作用を併せ持つこととなり、粒状や粉末状のような小さな対象物100、さらには単純な球状形状のみならず、扁平形状、金平糖形状、および紡錘形状などの複雑な形状のものや、様々な大きさのものに対しても、その形状の如何を問わず、この対象物100の1個1個の隅々まで確実に殺菌を行うことが簡便な操作によって可能となる。
この制御手段4によるこの収納手段2の揺動の進行方向の制御により、一の進行方向(順方向R)では、案内フィン22aが障壁として機能し、この対象物100がこの収納手段2から排出されず滞留する作用を呈し、その滞留期間中にこの対象物100が十分にプラズマ照射されて均一的な殺菌が行われると共に、他の進行方向(逆方向L)では、案内フィン22aが開放口として機能し、この対象物100がこの収納手段2から排出する作用を呈することとなり、この対象物100が粉末状等の微細なものであっても、さらには単純な球状形状のみならず、扁平形状、金平糖形状、および紡錘形状などの複雑な形状のものや、様々な大きさのものに対しても、簡素な構成によって、全てのこの対象物100に対して、緩和な条件で品質を劣化させずに連続的かつ安定的にプラズマ殺菌を行うことができる。
さらに、図4に示すように、上述した対向電極1を複数段として、1つの軸心41に複数連結させる構成(積層スタック型)として、複数の対向電極1を直列に配置することも可能である。この積層スタック型の構成により、この対象物100が、順次、最上段の対向電極1から供給され、この対向電極1と収納手段2の各段を連続的に移動することとなり、実質的な殺菌処理時間を確保すると共に、迅速且つ効率的な殺菌を行うことができる。
また、図5(a)に示すように、上部電極11及び下部電極12の電極間において、上部電極11に対向する上部メッシュ電極11aを配設し、上部電極11と上部メッシュ電極11aの電極間に電圧を印加する上部交流電源200aを配設することができる。
同様に、図5(a)に示すように、上部電極11及び下部電極12の電極間において、下部電極12に対向する下部メッシュ電極12aを配設し、下部電極12と下部メッシュ電極12aの電極間に電圧を印加する下部交流電源200bを配設することができる。
上部メッシュ電極11a及び下部メッシュ電極12aの接地の有無は、特に限定されないが、各々またはいずれか一方が、グラウンド接地されていてもよい。
前記収納手段2は、図5(a)に示すように、上部メッシュ電極11aと下部メッシュ電極12aの電極間に配設される。この収納手段2の底面21は、この構成においては、上述した板状の絶縁材で形成されるメッシュシートを用いることが好適である。
上部交流電源200aに電圧を印加することにより、上部電極11と上部メッシュ電極11aの電極間に放電が生じプラズマPが発生する。また、下部交流電源200bに電圧を印加することにより、下部電極12と下部メッシュ電極12aの電極間に放電が生じプラズマPが発生する。
図5(b)に示すように、この上部電極11の近傍で発生したプラズマPは、上部メッシュ電極11aのメッシュの網目の空隙から漏れ出すように通過し、この収納手段2の底面21の上面に向かって流れ込む。また、図5(b)に示すように、この下部電極12の近傍で発生したプラズマPは、下部メッシュ電極12aのメッシュの網目の空隙から漏れ出すように通過し、この収納手段2の下面に向かって流れ込み、さらに、この収納手段2の底面21が板状の絶縁材で形成されるメッシュシートから構成されることから、この収納手段2の底面21のメッシュの網目の空隙からも漏れ出すように通過して上昇する。
このように、これら上部電極11及び下部電極12の各近傍で発生したプラズマPは、上部メッシュ電極11a及び下部メッシュ電極12aのメッシュの網目の空隙から漏れ出すように通過し、この収納手段2の底面21の上面に向かって上下方向から流れ込むこととなる。その結果、図5(c)に示すように、この収納手段2の内部に転がり込んでくる対象物100を、プラズマPが上下方向から確実に照射することとなり、対象物100が、この収納手段2の内部で十分なプラズマ照射時間で均一的な殺菌を行った後に、外部に排出することができる。
特に、対象物100のサイズが大きい場合等に、対象物100を収容するスペースを確保するために、上部電極11及び下部電極12の間隔である隙間Aが長く設定されて、上部電極11及び下部電極12間の放電距離が長くなる場合であっても、上部メッシュ電極11a及び下部メッシュ電極12aによって、上部電極11及び下部電極12の各近傍で安定的にプラズマPを発生させることができることとなり、上部電極11及び下部電極12の間隔である隙間Aが長い場合であっても、この収納手段2の内部で十分なプラズマ照射時間で均一的な殺菌を行った後に、外部に排出することができる。
さらに、上述した上部メッシュ電極11aと下部メッシュ電極12aの電極間に、さらに電圧を印加することも可能である。
例えば、図6(a)に示すように、上述した上部メッシュ電極11aと下部メッシュ電極12aの電極間に電圧を印加する中部電源200cを配設することができる。中部電源200cは、直流、交流、あるいはこれら双方が重畳された電圧を印加する電源である。図6では説明の便宜上、一例として、中部電源200cは交流電源として説明している。中部電源200cの印加電圧は、特に限定されるものではないが、上部交流電源200a及び下部交流電源200bの印加電圧よりも低く設定し、放電が生じない程度の電圧に設定することが望ましい。これにより、殺菌処理の際に、対象物100に与えるダメージをさらに抑制し、より高品質な殺菌を行うことができる。
この構成により、図6(a)に示すように、上部交流電源200aに電圧を印加することにより、上部電極11と上部メッシュ電極11aの電極間に放電が生じプラズマPが発生する。また、下部交流電源200bに電圧を印加することにより、下部電極12と下部メッシュ電極12aの電極間に放電が生じプラズマPが発生する。
さらに、これら上部電極11及び下部電極12の各近傍で発生したプラズマPは、図6(b)に示すように、中部電源200cに電圧を印加することにより、上部メッシュ電極11a及び下部メッシュ電極12aのメッシュの網目の空隙から漏れ出すように通過することが促進され、この収納手段2の底面21の上面に向かって高密度に上下方向から流れ込むこととなる。
その結果、図6(c)に示すように、この収納手段2の内部に転がり込んでくる対象物100を、プラズマPが上下方向から高密度に照射することとなり、対象物100が、この収納手段2の内部で十分なプラズマ照射時間で高密度で均一的な殺菌を行った後に、外部に排出することができる。
第1の実施形態に係るプラズマ殺菌装置の殺菌対象となる対象物100は、その種類は特に限定されず、単純な球状形状のみならず、扁平形状、金平糖形状、および紡錘形状などの複雑な形状のものや、様々な大きさのものを対象とすることができる。このような複雑な形状のさらなる例としては、釣鐘形状、船形状、腕形状、曲玉形状、円柱形状、楕円形状、ヒトの心臓形状、凸レンズ形状、線形状、棍棒形状、結晶形状、球形状、低円錐形状、乳頭形状、小板形状、小刺形状、直刺形状、剥離形状、疣形状・低丘形状、卵形状、腎形状、円腎形状、渦巻き形状、四角形状、ゆがんだ球形状(直径はどこでもほぼ等しいが凹凸がある形状)等が挙げられる。
以上の各構成から、第1の実施形態に係るプラズマ殺菌装置は、この制御手段4により、この対象物100が、この収納手段2内で一定の滞留時間が維持されると共に、プラズマ照射により十分に殺菌された後に、外部への排出が促進されることとなり、この対象物100が粉末状等の微細なものであっても、さらには単純な球状形状のみならず、扁平形状、金平糖形状、および紡錘形状などの複雑な形状のものや、様々な大きさのものに対しても、全てのこの対象物に対して、緩和な条件で品質を劣化させずに連続的かつ安定的にプラズマ殺菌を行うことができる。
また、本プラズマ殺菌装置は、この供給手段3が、この対象物100の供給と共に原料ガスを供給することができる。この場合には、この供給手段3によって供給される原料ガスの濃度が、この対象物100の存在する上部電極11及び下部電極12の間で充満されることから、全ての対象物100がより確実に濃度が高いプラズマ発生領域を通過することとなり、この対象物100が粉末状等の微細なものであっても、さらには単純な球状形状のみならず、扁平形状、金平糖形状、および紡錘形状などの複雑な形状のものや、様々な大きさのものに対しても、全ての対象物100に対して、簡素な構成によって、確実に殺菌を行うことができる。
すなわち、この供給手段2によって供給される原料ガスの濃度が、上部電極11及び下部電極12の各々の中央部との間で局所的に高められることから、全ての対象物100が高濃度のプラズマ発生領域を通過することとなり、この対象物100が粉末状等の微細なものであっても形状を問わず、全ての対象物100を確実に殺菌することができる。
また、この供給手段3が、この対象物100の供給と共に冷気または微細な氷を供給することも可能である。この場合には、この対象物100が、殺菌時のプラズマ放電から受ける熱ストレスを可及的に抑制できることとなり、殺菌後にさらに高品質な対象物100を得ることが可能となる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態に係るプラズマ殺菌装置を図7~図10に基づいて説明する。
第2の実施形態では、上述した第1の実施形態と同じく、前記対向電極1と、前記収納手段2と、前記供給手段3と、前記制御手段4と、を備え、さらに、図7に示すように、前記収納手段2が、前記隔壁体22として絶縁材の外側端部に配設される枠体部22bと、この枠体部22bの一部に開口状の排出口22cとを備え、前記制御手段4が、前記軸心41を変化させて、前記収納手段2の傾斜角度を制御する構成である。
この軸心41を変化させることについては、前記収納手段2を傾斜させるものであれば特に限定されず、例えば、軸心41をそのまま傾斜させることでもよいし、軸心41を振動させることや伸縮させることでもよい。
前記収納手段2は、図7に示すように、絶縁材の外側端部に配設される枠体部22bを備える。この枠体部22bは、前記収納手段2の外側端部に配設されるものであれば、その形状は特に限定されない。例えば、図7に示すように、前記収納手段2の底部21が長方形または正方形で形成される場合には、この枠体部22bは、この収納手段2の外側端部の長方形または正方形の外縁上に配設される。この他にも、図8(a)に示すように、前記収納手段2の底部21が円形上または楕円形上で形成される場合には、この枠体部22bは、この収納手段2の外側端部の円形上または楕円形上の外周円上に配設される。
この排出口22cは、この枠体部22bの一部に配設されれば、その位置は特に限定されない。図8(a)に示すように、前記収納手段2の底部21が円形、長方形または正方形で形成されると共に、上部電極11をメッシュ構造とする構成とすることができ、この供給手段3は、この上部電極11の網目の空隙から、この対象物100を上部電極11及び下部電極12の電極間に供給することができる。
この制御手段4が、この収納手段2を揺動させることで、この対象物100に対して、一定時間プラズマ殺菌を行う。この揺動は、縦横方向の振動動作でもよいし、回転動作でもよい。その後、一定時間プラズマ殺菌を行った後に、この制御手段4は、図8(b)に示すように、この軸心41を傾斜させる制御を行い、この排出口22cから、この対象物100を外部に排出する。
このように、この収納手段2が、この隔壁体22として絶縁材の外側端部に配設される枠体部22cと、当該枠体部22cの一部に開口状の排出口22cとを備え、この制御手段が、この軸心を変化させて、この収納手段2の傾斜角度を制御することから、この制御手段により、この軸心を変化させた一の軸心状態、例えば、この収納手段2が水平方向に傾斜無く維持される場合には、この対象物100がこの枠体部22c内で滞留する作用を呈すると共に、他の軸心状態、例えば、この収納手段2が水平方向から傾斜された場合には、この対象物100がこの排出口22cから排出する作用を呈することとなり、この対象物100が粉末状等の微細なものであっても、さらには単純な球状形状のみならず、扁平形状、金平糖形状、および紡錘形状などの複雑な形状のものや、様々な大きさのものに対しても、簡素な構成によって、全てのこの対象物100に対して、緩和な条件で品質を劣化させずに連続的かつ安定的にプラズマ殺菌を行うことができる。
なお、上記構成では、この供給手段3は、この上部電極11の網目の空隙から、この対象物100を上部電極11及び下部電極12の電極間に供給するとしたが、これに限定されず、例えば、図9に示すように、上記実施形態1と同様に、この供給手段3は、この上部電極11の網目の空隙を経由することなく、直接電極間にこの対象物100を供給することも可能である。
図9(b)に示すように、この制御手段4が、その傾斜方向(順方向R及び逆方向L)を制御することによって、逆方向Lにより固定された水平位置では、プラズマ殺菌が集中的に行われ、順方向Rにより傾斜された位置では、殺菌後の対象物100が排出される。
また、図10に示すように、上述した対向電極1を複数段として、1つの軸心41に複数連結させる構成(積層スタック型)として、複数の対向電極1を直列に配置することも可能である。図10に示すように、円筒状容器に本実施形態に係るプラズマ殺菌装置の全体を収容することも可能であり、各段の外周部にこの供給手段3を配設することができる。
このように、本実施形態に係るプラズマ殺菌装置は、この多段式の積層スタック型の構成により、この対象物100が、順次、最上段の対向電極1から供給され、上段で殺菌されたこの対象物100が、連続する下段の対向電極11へ移動して、同様に殺菌及び排出が繰り返され、この対象物100が、この対向電極1と収納手段2の各段を連続的に移動することとなり、実質的な殺菌処理時間を確保すると共に、迅速且つ効率的な殺菌を簡易に行うことができる。
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態に係るプラズマ殺菌装置を図11に基づいて説明する。
第3の実施形態では、上述した第1の実施形態と同じく、前記対向電極1と、前記収納手段2と、前記供給手段3と、前記制御手段4と、を備え、さらに、図11に示すように、この上部電極11と下部電極12から構成される対向電極1間に、液体状の液体誘電体Cが、誘電体材(例えばガラス等)から形成される誘導体ケースにより封止されて形成される放電位置制御部5を備える構成である。
この液体誘電体Cを構成する液体としては、特に限定されないが、溶媒誘電率の温度依存特性が良好であるという点から、水、ニトロベンゼン、メチルアルコール、アセトン等の分極性液体を用いることが好ましく、特に、取扱いが容易であるという点から、水を用いることがより好ましい。
また、液体状の液体誘電体Cは、後述のアーク放電の発生抑制効果をより効率的に得るという点から、誘導体ケースに隙間なく充填させておくことが好ましい。
このように、この放電位置制御部5の作用によって、この対向電極1間にプラズマが発生した位置では、誘電率が低下し、次回のプラズマ発生位置が誘電率の高い他の隣接位置に順次移行していくことから、アーク放電の発生が抑制され、安定的で穏やかな放電が対向電極1間(上部電極11と下部電極12間)に継続的に発生することとなり、この対象物100に損傷を与えない程度の穏やかな放電状態でプラズマ殺菌を維持することができる。
すなわち、この放電位置制御部5を備える構成により、放電からみると異物と扱われる対象物100が電極間に存在している状況という不均一な電界分布であっても、プラズマ生成を均一化且つ安定化させることができる。
なお、本実施形態で構成される放電位置制御部5は、第1、第2の実施形態に係るプラズマ殺菌装置に対して適用することも可能である。
1 対向電極
11 上部電極
11a 上部メッシュ電極
12 下部電極
12a 下部メッシュ電極
2 収納手段
21 底面
22 隔壁体
22a 案内フィン
22b 枠体部
22c 排出口
23 収納部
3 供給手段
4 制御手段
41 軸心
5 放電位置制御部
100 対象物
200 交流電源
200a 上部交流電源
200b 下部交流電源
200c 中部電源
300 回収部

Claims (5)

  1. 大気中の空気を原料とするガスの原料ガス雰囲気下で電極間で電圧印加により生成される大気プラズマによって、対象物を殺菌するプラズマ殺菌装置において、
    上下方向に隙間を隔てて対向する板状の上部電極及び下部電極から成る対向電極と、
    xy方向を有する平面として設けられ、底面を板状の絶縁材または前記下部電極で形成され、外周辺に放射状に載置された案内フィンから構成される隔壁体を備えて成る収納部から構成され、当該収納部が前記対向電極間に配設されると共に、前記平面の中央部が前記上部電極及び/又は下部電極の中心位置から偏心されて構成され、当該中心位置を回転中心とする回転により偏心して揺動すると共に、前記収納部に対象物を収納する収納手段と、
    前記隙間に向かって、前記対象物を供給する供給手段と、
    前記収納手段を前回転方向ついて変化させ、前記対象物を前記収納手段内の中央部分に滞留させると共に、外周辺に移動した前記対象物を複数の前記案内フィンの隙間から外部に排出するように制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする
    プラズマ殺菌装置。
  2. 請求項1に記載のプラズマ殺菌装置において、
    前記制御手段が、前記収納手段前記回転方向ついて順方向及び逆方向に変化させて、当該回転方向に応じて、前記対象物の前記収納手段内の滞留と排出を制御することを特徴とする
    プラズマ殺菌装置。
  3. 大気中の空気を原料とするガスの原料ガス雰囲気下で電極間で電圧印加により生成される大気プラズマによって、対象物を殺菌するプラズマ殺菌装置において、
    上下方向に隙間を隔てて対向する板状の上部電極及び下部電極から成る対向電極と、
    xy方向を有する平面として設けられ、底面を板状の絶縁材または前記下部電極で形成され、外周辺に一部に開口状の排出口を有して絶縁材の外側端部に配設された枠体部から構成される隔壁体を備えて成る収納部から構成され、当該収納部が前記対向電極間に配設されると共に、前記平面の中央部が軸心にて軸支され、前記軸心を回転させつつ傾斜させるように揺動し、前記収納部に対象物を収納した状態で軸支される収納手段と、
    前記隙間に向かって、前記対象物を供給する供給手段と、
    前記収納手段の前記軸心を回転方向及び傾斜角度について変化させて前記対象物の前記収納手段内の滞留と排出を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする
    プラズマ殺菌装置。
  4. 請求項1~3のいずれかに記載のプラズマ殺菌装置において、
    前記供給手段が、前記対象物と共に前記原料ガスを供給することを特徴とする
    プラズマ殺菌装置。
  5. 請求項1~3のいずれかに記載のプラズマ殺菌装置において、
    前記対向電極間に、液体状の誘電体が封止されて形成される放電位置制御部を備えることを特徴とする
    プラズマ殺菌装置。
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