JP7486085B2 - スクロール圧縮機及び機器 - Google Patents

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Description

本開示は、空気調和機、給湯器又は冷蔵庫等の冷凍機に用いられる、スクロール圧縮機及びこの圧縮機を用いた機器に関する。
特許文献1は、空気調和機等に用いられているスクロール圧縮機を開示する。このスクロール圧縮機においては、固定スクロールの吐出ポートまたは旋回スクロールのサブ吐出ポートと、スクロール鏡板ラップ側の端面で形成されるエッジ部にバリ・カエリが発生する。そのバリ・カエリを回避するために、ラップ先端側に傾斜または微小な段差を設け、ラップ先端とエッジ部に発生するバリ・カエリの接触による損傷を防ぎ、圧縮機の信頼性を向上させている。
しかしこの構成では、圧縮された冷媒が、ラップ先端とスクロール鏡板のラップ側の端面の間に形成される隙間から逆流する。そのため、圧縮比が低下するという課題があった。
特許第3046486号公報
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、スクロール圧縮機は、固定スクロールの吐出ポートまたは旋回スクロールのサブ吐出ポートのエッジ部に発生するバリ・カエリに対し、相対するラップ先端の当該部位に傾斜または微小な段差を設ける。そうすることで、ラップ先端とエッジ部に発生するバリとの接触による損傷を防ぎ、圧縮機の信頼性を向上させていた。
しかしながら、このような構成では、回転軸のすべての回転角においてラップ先端とバリの接触を避けるために、ラップ先端の傾斜または段差を設ける範囲が大きくなる。したがって、ラップ先端の傾斜または段差と、スクロール鏡板ラップ面の間に形成される隙間から、圧縮冷媒が高圧側から低圧側へ向かって逆流する。そのため、圧縮比が低下する、または圧縮機の性能が低下する、という課題があった。
発明者らはこのような課題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
本開示は、固定スクロールの吐出ポートまたは旋回スクロールのサブ吐出ポート周りに発生するバリ・カエリを回避しつつ、圧縮機の圧縮比の低下を抑制することができ、より高効率で高圧縮比での運転に対応できるスクロール圧縮機を提供する。
本開示のスクロール圧縮機は、固定スクロール鏡板のラップ側の端面または、旋回スクロール鏡板のラップ側の端面の少なくとも一方の、圧縮室として使用しない領域内に、スクロール鏡板のラップ側の端面に対して角度をもった斜面を設けた構成としてある。
本開示のスクロール圧縮機は、上記構成により、固定スクロールの吐出ポートまたは旋回スクロールのサブ吐出ポート周りに発生するバリ・カエリを回避しつつ、圧縮機の圧縮比の低下を抑制できる。よって、より高効率で高圧縮比での運転に対応できるスクロール圧縮機とすることができる。
実施の形態1におけるスクロール圧縮機の縦断面図 図2は、同スクロール圧縮機の圧縮機構部を示す要部の拡大断面図 実施の形態1におけるスクロール圧縮機の旋回運動に伴う、圧縮室の容積変化を示す図 実施の形態1におけるスクロール圧縮機の旋回運動に伴う、圧縮室の容積変化を示す他の図 実施の形態1におけるスクロール圧縮機の旋回運動に伴う、圧縮室の容積変化を示すさらに他の図 実施の形態1におけるスクロール圧縮機の旋回運動に伴う、圧縮室の容積変化を示すさらに他の図 実施の形態1における固定スクロールの圧縮室として使用しない範囲を示す図 実施の形態1における旋回スクロールの圧縮室として使用しない範囲を示す図 実施の形態1における斜面開始部(S)と、ラップ上の斜面の斜面開始点(E)の範囲(F)を示す図 図5Bの斜面の断面図を示す図 実施の形態1におけるラップ内壁の円弧の端点(G)およびラップ外壁のインボリュート曲線の端点(H)の回転の軌跡を示す図
以下、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
(実施の形態1)
以下、図1~図6を用いて、実施の形態1を説明する。
[1-1.構成]
図1に示すように、スクロール圧縮機100は、密閉容器1内に、冷媒を圧縮する圧縮機構部10と、圧縮機構部10を駆動する電動機構部20と、が配置されて構成されている。
密閉容器1は、胴部1aと下蓋1bと上蓋1cとで構成されている。胴部1aは、上下方向に沿って延びる円筒状に形成される。下蓋1bは、胴部1aの下部開口を塞ぐ。上蓋1cは、胴部1aの上部開口を塞ぐ。密閉容器1は、底部に潤滑油を貯留する貯油部4が形成されている。
密閉容器1には、圧縮機構部10に冷媒を導入する冷媒吸込管2と、圧縮機構部10にて圧縮された冷媒を密閉容器1の外に吐出する冷媒吐出管3と、が設けられている。
圧縮機構部10は、固定スクロール11と、旋回スクロール12と、旋回スクロール12を旋回駆動する回転軸13と、を有している。
電動機構部20は、密閉容器1に固定されたステータ21と、ステータ21の内側に配置されたロータ22と、を備える。ロータ22には上記回転軸13が固定されている。
回転軸13の上端には、回転軸13に対して偏心した偏心軸13aが形成されており、回転軸13の中心線と偏心軸13aの中心線の距離が旋回半径εとなっている。偏心軸13aには、偏心軸13aの上面に開口する凹部13fによってオイル溜まりが形成されている。
固定スクロール11及び旋回スクロール12の下方には、固定スクロール11及び旋回スクロール12を支持する主軸受30が設けられている。
主軸受30には、回転軸13を軸支する軸受部31と、ボス収容部32と、が構成されている。主軸受30は、その外周部を溶接又は焼き嵌め等によって密閉容器1に固定されている。
図2に圧縮機構部を拡大して示す。固定スクロール11は、円板状の固定スクロール鏡板11aと、固定スクロール鏡板11aから立設された渦巻状の固定渦巻きラップ11bと、固定渦巻きラップ11bの周囲を取り囲むように立設された外周壁部11cと、を備える。固定スクロール鏡板11aの略中心部に吐出ポート14が形成されている。
旋回スクロール12は、円板状の旋回スクロール鏡板12aと、旋回スクロール鏡板12aの一方の面(ラップ側端面)から立設された旋回渦巻きラップ12bと、旋回スクロール鏡板12aの他方の面(反ラップ側端面)に形成された円筒状のボス部12cと、を備えている。旋回スクロール鏡板12aの他方の面は、旋回スクロール鏡板12aのラップ側の端面12aa(図5A参照)と反対側の面である。旋回スクロール鏡板12aの略中心部にサブ吐出ポート14aが形成されている。
旋回軸受け13dは、円筒状のボス部12cに嵌合されている。旋回軸受け13dのラップ側は、旋回スクロール鏡板12aによって閉塞され、反ラップ側は開放されている。旋回軸受け13dの開放されている側から、回転軸13の偏心軸13aが挿入されている。
固定スクロール11の固定渦巻きラップ11bと旋回スクロール12の旋回渦巻きラップ12bとは相互に噛み合わされ、固定渦巻きラップ11bと旋回渦巻きラップ12bとの間に複数の圧縮室15が形成される。
ボス部12cは、旋回スクロール鏡板12aの略中央に形成されている。そして、当該ボス部12cは、偏心軸13aがボス部12cに挿入された状態でボス収容部32に収容されている。
固定スクロール11は、外周壁部11cで複数本のボルト(図示せず)を用いて主軸受30に固定される。一方、旋回スクロール12は、オルダムリングなどの自転拘束部材17によって、固定スクロール11に対する動きが規制される。旋回スクロール12の自転を拘束する自転拘束部材17は、固定スクロール11と主軸受30との間に設けられている。これにより、旋回スクロール12は、回転軸13の偏心軸13aがクランク回転するのに伴い、固定スクロール11に対して自転しないで旋回運動をする。
回転軸13は、図1に示すように、その下端部13bが密閉容器1の下部に配置された副軸受18に軸支されており、その下端には容積型のオイルポンプ5が設けられている。オイルポンプ5は、オイルポンプ5の吸い込み口が貯油部4内に存在するように配置されている。オイルポンプ5は、回転軸13によって駆動され、密閉容器1の底部に設けられた貯油部4にある潤滑油を、圧力条件や運転速度に関係なく確実に吸い上げるので、オイル切れの心配が解消される。
回転軸13には、回転軸オイル供給孔13cが形成されている。回転軸オイル供給孔13cは、回転軸13の下端部13bから偏心軸13aに至る。オイルポンプ5で吸い上げられた潤滑油は、回転軸13内に形成されている回転軸オイル供給孔13cを通じて、副軸受18の軸受、軸受部31、ボス部12c内に供給される。
冷媒吸込管2から吸入された冷媒は、吸入ポート15aから圧縮室15に導かれる。圧縮室15は、外周側から中央部に向かって容積を縮めながら移動し、冷媒を圧縮する。圧縮室15で所定の圧力に到達した冷媒は、固定スクロール11の中央部に設けられた吐出ポート14から吐出室6に吐出される。吐出ポート14には吐出リード弁(図示せず)が設けられている。圧縮室15で所定の圧力に到達した冷媒が吐出リード弁を押し開くことで、冷媒が吐出室6に吐出される。吐出室6に吐出された冷媒は、密閉容器1内上部に導出され、冷媒吐出管3から吐出される。
本実施の形態による機器は、スクロール圧縮機100、凝縮器42、減圧装置43、及び蒸発器44が配管によって環状に接続されている。凝縮器42では冷媒吐出管3から吐出される冷媒を凝縮し、減圧装置43では凝縮器42で凝縮された冷媒を減圧し、蒸発器44では減圧装置43で減圧された冷媒を蒸発させる。
蒸発器44で蒸発された冷媒は、冷媒吸入管2からスクロール圧縮機100に戻される。
本実施の形態のスクロール圧縮機100は、図2の要部の拡大断面図に示すように、ボス収容部32を高圧領域Aとし、自転拘束部材17の配置された旋回スクロール12の外周部を中間圧領域Bとしている。旋回スクロール12は、固定スクロール11に押しつけられている。以下、その構成を説明していく。
偏心軸13aは、旋回軸受け13dを介して、ボス部12cに旋回駆動可能に挿入されている。偏心軸13aの外周面にはオイル溝13eが形成されている。
旋回スクロール鏡板12aからのスラスト力を受ける主軸受30のスラスト面には、リング状のシール部材33が設けられている。シール部材33はボス収容部32の外周に配置されている。
密閉容器1内は、吐出室6に吐出される冷媒と同じ高圧の冷媒で満たされている。回転軸オイル供給孔13cは、偏心軸13aの上端に開口している。このため、ボス部12cの内部は吐出冷媒と同等の高圧領域Aとなる。
潤滑油は、回転軸オイル供給孔13cを通ってボス部12c内に導入される。そして、潤滑油は、偏心軸13aの外周面に形成されたオイル溝13eによって旋回軸受け13d及びボス収容部32に供給される。ボス収容部32の外周にはシール部材33が設けられているので、ボス収容部32の内部は高圧領域Aとなる。
旋回スクロール鏡板12aには、第1オイル導入孔51と第1オイル導出孔52と第1鏡板オイル連通路53と、が設けられている。第1オイル導入孔51は、ボス部12c内に向かって形成される。第1オイル導出孔52は、ラップ側の端面の外周部に開口する。第1鏡板オイル連通路53は、第1オイル導入孔51と第1オイル導出孔52とを連通する。
旋回スクロール鏡板12aには、第2オイル導入孔61と第2オイル導出孔62と第2鏡板オイル連通路63と、が設けられている。第2オイル導入孔61は、旋回スクロール12の外周部における中間圧領域Bに開口する。第2オイル導出孔62は、圧縮室15に開口する。第2鏡板オイル連通路63は、第2オイル導入孔61と第2オイル導出孔62とを連通する。これにより本実施の形態の例では、第2オイル導入孔61は、第2鏡板オイル連通路63を介して旋回スクロール鏡板12aの上面に開口することになる。
このような構成により、旋回スクロール12の第2オイル導出孔62によって、中間圧領域Bと圧縮室15とが間欠的に連通される。これにより、圧縮室15の中間圧が中間圧領域Bに導かれ、様々な運転条件でも、必要最小限の荷重で旋回スクロール12を固定スクロール11に押し付けることができる。よって、圧縮機の摩擦損失を低減しつつ、旋回スクロール12が固定スクロール11から離反することを防止できる。よって、圧縮室15の気密性を高めることができる。
なお、本実施の形態では旋回スクロール12を固定スクロール11に押し付ける構成とした場合について述べた。しかしながら、中間圧領域Bを固定スクロール背面側に配置し、固定スクロール11を旋回スクロール12に押し付ける構成であってもよい。
図3A~図3Dは、本実施の形態のスクロール圧縮機において、旋回運動に伴う圧縮室の容積変化を示す図であり、固定スクロール11に旋回スクロール12が噛み合わされた状態を、旋回スクロール12の背面から見た図である。図3Bは、図3Aから90度回転が進んだ状態、図3Cは、図3Bから更に90度回転が進んだ状態、図3Dは、図3Cから更に90度回転が進んだ状態を示している。
固定スクロール11と旋回スクロール12とにより複数の圧縮室15が形成される。図3Aに示すように、旋回渦巻きラップ12bの外壁側には第1圧縮室15Aが形成され、図3Cに示すように旋回渦巻きラップ12bの内壁側には第2圧縮室15Bが形成される。
固定スクロール11と旋回スクロール12とが噛み合わされた状態で、固定渦巻きラップ11bの外周端部11beと旋回渦巻きラップ12bの外周端部12beとが同等の位置となるように、固定渦巻きラップ11bの外周端部11beを延設させている。これにより、第1圧縮室15Aの冷媒を閉じ込める位置と第2圧縮室15Bの冷媒を閉じ込める位置とが、略180度ずれた位置になるようにしている。第1圧縮室15Aの吸入容積は、第2圧縮室15Bの吸入容積よりも大きくなるように構成されている。
ここで、本実施形態のスクロール圧縮機100において、固定スクロール鏡板11aのラップ側の端面11aaまたは、旋回スクロール鏡板12aのラップ側の端面12aaの少なくとも一方の、圧縮室15として使用しないスクロール鏡板のラップ側の端面範囲内に、斜面を有する。斜面は、スクロール鏡板のラップ側の端面に対して反ラップ立設方向に角度を有する。
圧縮室15として使用しない領域とは、固定スクロール11においては、図4Aで示すように、第1圧縮室15Aが吐出領域と連通する直前の回転角における旋回渦巻きラップ12b(1)のラップ外壁と、第2圧縮室15Bが吐出領域と連通する直前の回転角における旋回渦巻きラップ12b(2)のラップ内壁と、固定渦巻きラップ11bのラップ内壁と、固定渦巻ラップのインボリュート終端同士を結ぶ曲線または直線、または曲線と直線の組合せに囲まれた範囲(C部)である。旋回スクロールにおいては、図4Bで示すように、旋回渦巻ラップに対する固定渦巻ラップの相対位置関係において、第1圧縮室15Aが吐出領域と連通する回転角における固定渦巻きラップ11b(2)のラップ外壁と、第1圧縮室15Aが吐出領域と連通する回転角における固定渦巻きラップ11b(1)のラップ内壁と、旋回渦巻きラップ12bのラップ内壁と、旋回渦巻ラップのインボリュート終端同士を結ぶ曲線または直線、または曲線と直線の組合せに囲まれた範囲(D部)である。図5A,図5Bに示す固定スクロール鏡板11aのラップ側の端面11aaに対して角度をもった固定スクロール鏡板斜面11aa(s)の斜面開始点、および、旋回スクロール鏡板12aのラップ側の端面12aaに対して角度をもった旋回スクロール鏡板斜面12aa(s)の斜面開始点の少なくとも一部は、C部またはD部範囲内に存在する。また、斜面は、ラップを加工する刃具の軌跡によって形成される。
斜面開始部(S)は、図5Aに示すように、ラップに接する2つの円弧のつなぎ合わせの形状となる。エッジ線(P)は、吐出ポート14またはサブ吐出ポート14(b)とスクロール鏡板のラップ側の端面で形成される。斜面のラップ上の斜面開始点(E)は、エッジ線(P)を外側に旋回半径ε分オフセットさせた範囲(F)内に存在する。
また、本実施の形態では、斜面とスクロール鏡板のラップ側の端面とのなす角度は、加工する刃具の進行方向の断面において、2°~20°としている。
また、本実施の形態では、図6に示すように、ラップ内壁の円弧の端点(G)およびラップ外壁のインボリュート曲線の端点(H)は、回転軸のすべての回転角において、斜面開始部(S)よりも吐出ポート14またはサブ吐出ポート14a側に収まるように設定されている。
また本実施の形態では、固定スクロール11と、旋回スクロール12の少なくとも1つは、母材が軽金属を主成分とする材料で構成される。
[1-2.動作]
以上のように構成されたスクロール圧縮機100の固定スクロール11と旋回スクロール12とは、圧縮室15として使用しないスクロール鏡板のラップ側領域(C部、D部)内に、スクロール鏡板のラップ側の端面に対して角度をもった斜面(11aa(s)、12aa(s))を設けた。そうすることにより、ラップ先端と、固定スクロール11の吐出ポート14または旋回スクロール12のサブ吐出ポート14a周りのエッジ部に存在しているバリ・カエリとが接触することなく圧縮動作を行うようになる。
[1-3.効果等]
以上のように、本実施の形態におけるスクロール圧縮機は、冷媒を圧縮する圧縮機構部10と、圧縮機構部10を駆動する電動機構部20と、圧縮機構部10及び電動機構部20を収容した密閉容器1とを備える。圧縮機構部10は、固定スクロール11と、旋回スクロール12と、旋回スクロール12を旋回駆動する回転軸13とを有する。固定スクロール11は、円板状の固定スクロール鏡板11aと、固定スクロール鏡板11aに立設された固定渦巻きラップ11bとを備える。旋回スクロール12は、円板状の旋回スクロール鏡板12aと、旋回スクロール鏡板12aのラップ側の端面12aaに立設された旋回渦巻きラップ12bとを備える。固定渦巻きラップ11bと旋回渦巻きラップ12bとが相互に噛み合わされ、固定渦巻きラップ11bと旋回渦巻きラップ12bとの間に複数の圧縮室15が形成されている。圧縮室15は、旋回渦巻きラップの外壁側に第1圧縮室15A、旋回渦巻きラップ12bの内壁側に第2圧縮室15Bが形成されている。旋回スクロール鏡板12aの反ラップ面側に形成される背圧により、旋回スクロール12が固定スクロール11に押しつけられている。旋回スクロール12の旋回軸受け13dのラップ側は旋回スクロール鏡板12aにより閉塞されており、回転軸13の偏心軸13a側は解放されている。
スクロール圧縮機100は、固定スクロール鏡板11aのラップ側の端面11aaまたは、旋回スクロール鏡板12aのラップ側の端面12aaの少なくとも一方の、図4A,図4Bに示す圧縮室15として使用しない領域(C部)または(D部)内に、図5A,図5Bに示すスクロール鏡板のラップ側の端面に対して角度をもった斜面11aa(s)、12aa(s)を設けてある。
この形態によれば、図5Bに示すように、固定スクロール11の略中心にある吐出ポート14、あるいは旋回スクロール12の略中心にあるサブ吐出ポート14aのエッジ部に発生するバリ・カエリと相対するラップ先端の接触を避けることができる。したがって、旋回スクロール12の挙動が安定し、より高効率で高い信頼性のスクロール圧縮機とすることができる。
本実施の形態の例では、斜面11aa(s)、12aa(s)はラップ側面を加工する刃具の軌跡によって形成されている。
これによりラップ面を加工すると同時に刃具の軸方向のオフセットによって斜面11aa(s)、12aa(s)を製作できるため、制作が容易でありコストを抑えることができる。
また、本実施の形態の例では、スクロール鏡板11aまたは12aのラップ側の端面11aaまたは12aa上の斜面11aa(s)、12aa(s)の斜面開始部(S)は、ラップに接する2つの円弧のつなぎ合わせによって形成される。円弧の半径は加工する刃具の半径となる。また、斜面11aa(s)、12aa(s)のラップ上の斜面開始点(E)は、エッジ線(P)を旋回半径ε分外側にオフセットさせた範囲(F)内に存在する。エッジ線(P)は、吐出ポート14またはサブ吐出ポート14aと、スクロール鏡板11a、12aのラップ側の端面11aa、12aaで形成される。
これにより、バリ・カエリを回避するために、ラップ先端に傾斜または微小な段差を設けた場合に比べ、圧縮室15に隙間が生じない。そのため、より高効率な圧縮機とすることができる。
本実施の形態の例では、斜面11aa(s)、12aa(s)とスクロール鏡板11a、12aのラップ側の端面11aa、12aaとのなす角度は、加工する刃具の進行方向の断面において、2°~20°としている。
これにより斜面11aa(s)、12aa(s)加工時にスクロール鏡板11aまたは12aのラップ側の端面11aaまたは12aaに、斜面加工によるバリ・カエリが発生する事を抑制できる。そのため、高い信頼性の圧縮機15とすることができる、
また、本実施の形態の例では、ラップ外壁インボリュートの巻始めの終点(H)とラップ内壁の円弧の終点(G)が、回転軸13のすべての回転角において、斜面開始部(S)より吐出ポート14またはサブ吐出ポート14a側の範囲内に収まるように構成されている。
これにより、温度や圧力により変形量が最も大きくなるラップ上端面(T部)と、相対するスクロール鏡板のラップ側の端面とが点接触で摺動することがなくなり、高い信頼性の圧縮機とする事ができる。
また、本実施の形態の例では、固定スクロールまたは旋回スクロールの少なくとも一方の母材は、比重5以下の軽金属で構成される。軟材質の軽金属は加工により比較的大きなバリが発生しやすく、また、温度や圧力の影響を受け、前記(H)、(G)部の変形量が比較的大きくなる。そのため、ラップ先端中心部がスクロール鏡板のラップ側の端面に干渉しやすく、スクロール鏡板のラップ側の端面に発生するバリ・カエリは信頼性を著しく低下させる要因となる可能性が高い。
本実施の形態であれば、それらを解消でき、軽量化された高信頼性の圧縮機を提供できる。
以上、本開示について上記実施の形態を用いて説明したが、上記実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、又は省略などを行うことができる。
本開示にかかるスクロール圧縮機は、高効率化を実現できるため、エアーコンディショナー、除湿機、ヒートポンプ式給湯機、温水暖房装置、冷蔵庫(家庭用冷蔵庫、業務用冷蔵庫)、製氷機、ショーケース、ヒートポンプ式洗濯乾燥機、自動販売機、等の機器に使用される。
1 密閉容器
1a 胴部
1b 下蓋
1c 上蓋
2 冷媒吸込管
3 冷媒吐出管
4 貯油部
5 オイルポンプ
6 吐出室
10 圧縮機構部
11 固定スクロール
11a 固定スクロール鏡板
11aa 固定スクロール鏡板のラップ側の端面
11aa(s)固定スクロール鏡板斜面
11b 固定渦巻きラップ
11b(1)第1圧縮室が吐出領域と連通する直前の回転角における固定渦巻ラップ
11b(2)第2圧縮室が吐出領域と連通する直前の回転角における固定渦巻ラップ
11be 外周端部
11c 外周壁部
12 旋回スクロール
12a 旋回スクロール鏡板
12aa 旋回スクロール鏡板のラップ側の端面
12aa(s)旋回スクロール鏡板斜面
12b 旋回渦巻きラップ
12b(1)第1圧縮室が吐出領域と連通する直前の回転角における旋回渦巻ラップ
12b(2)第2圧縮室が吐出領域と連通する直前の回転角における旋回渦巻ラップ
12be 外周端部
12c ボス部
13 回転軸
13a 偏心軸
13b 下端部
13c 回転軸オイル供給孔
13d 旋回軸受け
13e オイル溝
13f 凹部
14 吐出ポート
14a サブ吐出ポート
15 圧縮室
15A 第1圧縮室
15B 第2圧縮室
15a 吸入ポート
17 自転拘束部材
18 副軸受
20 電動機構部
21 ステータ
22 ロータ
30 主軸受
31 軸受部
32 ボス収容部
33 シール部材
42 凝縮器
43 減圧装置
44 蒸発器
51 第1オイル導入孔
52 第1オイル導出孔
53 第1鏡板オイル連通路
61 第2オイル導入孔
62 第2オイル導出孔
63 第2鏡板オイル連通路
100 スクロール圧縮機

Claims (6)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮機構部と、前記圧縮機構部を駆動する電動機構部と、前記圧縮機構部と前記電動機構部を収容した密閉容器とを備え、前記圧縮機構部は、固定スクロールと、旋回スクロールと、前記旋回スクロールを旋回駆動する回転軸とを有し、前記固定スクロールは、円板状の固定スクロール鏡板と、前記固定スクロール鏡板に立設した固定渦巻きラップとを備え、前記旋回スクロールは、円板状の旋回スクロール鏡板と、前記旋回スクロール鏡板のラップ側の端面に立設した旋回渦巻きラップとを備え、前記固定渦巻きラップと前記旋回渦巻きラップとを相互に噛み合わせて、前記固定渦巻きラップと前記旋回渦巻きラップとの間に複数の圧縮室が形成され、
    前記固定スクロール鏡板のラップ側の端面または、前記旋回スクロール鏡板の前記ラップ側の前記端面の少なくとも一方の、前記圧縮室として使用しない領域内に、前記固定スクロール鏡板または前記旋回スクロール鏡板の前記ラップ側の前記端面に対して角度をもった斜面を設け
    前記斜面の斜面開始部(S)は、前記ラップに接する2つの円弧のつなぎ合わせによって形成され、前記ラップ上の前記斜面の斜面開始点は、前記圧縮室に開口している吐出ポートまたはサブ吐出ポートと、前記固定スクロール鏡板または前記旋回スクロール鏡板の前記ラップ側の前記端面で形成されるエッジ線を、旋回半径分外側にオフセットさせた範囲内に存在するように構成されていることを特徴とする、
    スクロール圧縮機。
  2. 前記斜面は前記ラップを加工する刃具の軌跡によって形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  3. 前記斜面と前記固定スクロール鏡板または前記旋回スクロール鏡板の前記ラップ側の前記端面とのなす角度は、加工する刃具の進行方向の断面において、2°~20°としていることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のスクロール圧縮機。
  4. 冷媒を圧縮する圧縮機構部と、前記圧縮機構部を駆動する電動機構部と、前記圧縮機構部と前記電動機構部を収容した密閉容器とを備え、前記圧縮機構部は、固定スクロールと、旋回スクロールと、前記旋回スクロールを旋回駆動する回転軸とを有し、前記固定スクロールは、円板状の固定スクロール鏡板と、前記固定スクロール鏡板に立設した固定渦巻きラップとを備え、前記旋回スクロールは、円板状の旋回スクロール鏡板と、前記旋回スクロール鏡板のラップ側の端面に立設した旋回渦巻きラップとを備え、前記固定渦巻きラップと前記旋回渦巻きラップとを相互に噛み合わせて、前記固定渦巻きラップと前記旋回渦巻きラップとの間に複数の圧縮室が形成され、
    前記固定スクロール鏡板のラップ側の端面または、前記旋回スクロール鏡板の前記ラップ側の前記端面の少なくとも一方の、前記圧縮室として使用しない領域内に、前記固定スクロール鏡板または前記旋回スクロール鏡板の前記ラップ側の前記端面に対して角度をもった斜面を設け、
    ラップ外壁インボリュートの巻始めの終点(H)とラップ内壁の円弧の終点(G)とが、回転軸のすべての回転角において、斜面開始部(S)より吐出ポートまたはサブ吐出ポート側の範囲内に収まるように構成されていることを特徴とする
    クロール圧縮機。
  5. 前記固定スクロールまたは前記旋回スクロールの少なくとも一方の母材は、比重5以下の軽金属で構成されることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機、凝縮器、減圧装置、及び蒸発器を配管によって環状に接続したことを特徴とする、機器。
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