JP7484034B2 - 上位制御装置、電力システムおよび下位制御装置 - Google Patents

上位制御装置、電力システムおよび下位制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、上位制御装置、電力システムおよび下位制御装置に関する。
電力需給の調整サービスの1つに電気機器を制御するデマンドレスポンスがある。デマンドレスポンスでは、電力の需要量を要求量だけ増加または減少させるように電気機器の電力消費量(=電力の需要量)の調整が行われる。
デマンドレスポンスに関連して、例えば特許文献1には、デマンドレスポンスを行うためのエネルギー制御システムが記載されている。特許文献1に記載のエネルギー制御システムでは、下位情報処理装置が、電気機器の電力消費量を推定して上位情報処理装置へ送信する。上位情報処理装置は、所定の電力網における電力需給能力と、電気機器の電力消費量の推定値とに基づいて、電気機器の電力の需給調整分担の割当を決定し、決定した割り当てを下位情報処理装置へ送信する。下位情報処理装置は、上位情報処理装置が決定した割り当てに基づいて、電気機器の動作を制御する。
再公表WO2015/166758号公報
デマンドレスポンスでは、デマンドレスポンスの要求量は、デマンドレスポンス実施時における需要家の施設(=デマンドレスポンスで制御する電気機器が設置されている施設)単位の電力の需要予測を示すベースラインに対する増減の要求量として示される。このとき、ベースラインには、複数の電気機器の電力消費量が含まれているが、ベースラインと実績(デマンドレスポンスを実施しない状態での実際の電力需要量)との間に誤差が生じた場合、デマンドレスポンスの要求量に従って電気機器の電力消費量を増減させても、ベースラインと実績との間の誤差が、デマンドレスポンスの要求に対する実績の誤差となる。
このデマンドレスポンスの要求に対する実績の誤差を軽減できることが好ましい。
本発明は、上述の課題を解決することのできる上位制御装置、電力システムおよび下位制御装置を提供することを目的としている。
本発明の第1の態様によれば、上位制御装置は、電力の需要家が使用する機器で構成され、前記需要家において電力の受給およびその制御を行うシステムであるデマンドレスポンス実施対象システムの各々への、デマンドレスポンスのベースラインの割り当て分である需要家別ベースラインを算出する需要家別ベースライン算出手段と、前記デマンドレスポンスにおける要求電力量の、前記デマンドレスポンス実施対象システムの各々への割り当て分である需要家別要求電力量を算出する需要家別要求電力量算出手段と、前記デマンドレスポンス実施対象システムの各々と通信をおこなって、そのデマンドレスポンス実施対象システムに、前記需要家別ベースラインおよび前記需要家別要求電力量に従って、そのデマンドレスポンス実施対象システムの充放電可能機器の充放電を制御させる送信手段と、を備え、前記需要家別要求電力量算出手段は、仮にデマンドレスポンス実施対象システムの充放電可能機器が前記デマンドレスポンスのための充放電を行わないと想定した場合の、デマンドレスポンス実施時間における当該デマンドレスポンス実施対象システムの需要電力量予測値であって、前記ベースラインの算出時よりも後の時点における当該デマンドレスポンス実施対象システムの状態に基づく需要電力量予測値と、当該デマンドレスポンス実施対象システムにおける前記需要家別ベースラインに前記需要家別要求電力量を反映させた需要家別需要電力量目標値との関係に基づいて、前記需要家別要求電力量を再計算する。
本発明の第2の態様によれば、上位制御装置は、電力の需要家が使用する機器で構成され、前記需要家において電力の受給およびその制御を行うシステムであるデマンドレスポンス実施対象システムの各々への、デマンドレスポンスのベースラインの割り当て分である需要家別ベースラインを算出する需要家別ベースライン算出手段と、前記デマンドレスポンスにおける要求電力量の、前記デマンドレスポンス実施対象システムの各々への割り当て分を、前記需要家別ベースラインに反映させた需要家別需要電力量目標値と、仮にデマンドレスポンス実施対象システムの充放電可能機器が前記デマンドレスポンスのための充放電を行わないと想定した場合の、デマンドレスポンス実施時間における当該デマンドレスポンス実施対象システムの需要電力量予測値であって、前記ベースラインの算出時よりも後の時点における当該デマンドレスポンス実施対象システムの状態に基づく需要電力量予測値との関係が所定の関係であるデマンドレスポンス実施対象システムの需要家別要求電力量を0にし、前記需要家別需要電力量目標値と前記需要電力量予測値との差の電力量に応じて、少なくとも1つの他のデマンドレスポンス実施対象システムの需要家別要求電力量を、当該デマンドレスポンス実施対象システムにおける前記需要家別需要電力量目標値と前記需要電力量予測値との差の電力量よりも小さく算出する需要家別要求電力量算出手段と、前記需要家別要求電力量算出手段が算出した、少なくとも1つの前記デマンドレスポンス実施対象システムに対する前記需要家別要求電力量の値が0である前記需要家別要求電力量を、前記デマンドレスポンス実施対象システムへ送信して、そのデマンドレスポンス実施対象システムに、前記需要家別要求電力量に従って、そのデマンドレスポンス実施対象システムの充放電可能機器の充放電を制御させる送信手段と、を備える。
本発明の第3の態様によれば、電力システムは、上位制御装置と、下位制御装置を備える複数のデマンドレスポンス実施対象システムとを備え、前記上位制御装置は、デマンドレスポンスのベースラインの、前記デマンドレスポンス実施対象システムの各々への割り当て分である需要家別ベースラインを算出する需要家別ベースライン算出手段と、前記デマンドレスポンスにおける要求電力量の、前記デマンドレスポンス実施対象システムの各々への割り当て分である需要家別要求電力量を算出する需要家別要求電力量算出手段と、を備え、前記需要家別要求電力量算出手段は、仮にデマンドレスポンス実施対象システムの充放電可能機器が前記デマンドレスポンスのための充放電を行わないと想定した場合の、デマンドレスポンス実施時間における当該デマンドレスポンス実施対象システムの需要電力量予測値であって、前記ベースラインの算出時よりも後の時点における当該デマンドレスポンス実施対象システムの状態に基づく需要電力量予測値と、当該デマンドレスポンス実施対象システムにおける前記需要家別ベースラインに前記需要家別要求電力量を反映させた需要家別需要電力量目標値との関係に基づいて、前記需要家別要求電力量を再計算し、前記下位制御装置は、前記デマンドレスポンスの実施時間における前記デマンドレスポンス実施対象システムの需要電力量が、前記需要家別要求電力量が前記需要家別ベースラインの電力量に反映された需要家別需要電力量目標値となるように、前記充放電可能機器の充放電を制御する充放電制御手段を備える。
本発明の第4の態様によれば、下位制御装置は、電力の需要家が使用する機器で構成され、前記需要家において電力の受給およびその制御を行うシステムであり、下位制御装置自らを含むデマンドレスポンス実施対象システムへの、デマンドレスポンスにおける要求電力量の割り当て分である需要家別要求電力量と、前記デマンドレスポンスのベースラインの前記デマンドレスポンス実施対象システムへの割り当て分である需要家別ベースラインとを取得する取得手段と、前記需要家別要求電力量が、前記需要家別ベースラインの電力量に反映された、需要家別需要電力量目標値を算出する需要家別目標値取得手段と、前記デマンドレスポンスの実施時間における前記デマンドレスポンス実施対象システムの需要電力量が、前記需要家別需要電力量目標値となるように、前記デマンドレスポンス実施対象システムの充放電可能機器の充放電を制御する充放電制御手段と、を備える。
この発明によれば、デマンドレスポンスの要求に対してデマンドレスポンスの実績の誤差を軽減できる。
実施形態に係る電力システムの装置構成の例を示す図である。 実施形態に係る需要家における機器構成の例を示す図である。 実施形態に係るデマンドレスポンスにおける単位時間の設定例を示す図である。 実施形態に係る上位制御装置の機能構成の例を示す概略ブロック図である。 実施形態に係る下位制御装置の機能構成の例を示す概略ブロック図である。 実施形態に係る上位制御装置がベースライン算出用のデータを取得するタイミングの例を示す図である。 実施形態に係る電力システムがベースラインを算出する処理手順の例を示す図である。 実施形態に係る電力システムがデマンドレスポンス可能量を算出する処理手順の例を示す図である。 実施形態に係る電力システムにおけるベースライン、デマンドレスポンス可能量およびデマンドレスポンス指令の通知タイミングの例を示す図である。 実施形態に係る電力システムが、外部機関制御装置からの総デマンドレスポンス指令値に基づいて、需要家設置システム毎の目標電力量を算出する処理手順の例を示す図である。 実施形態に係るデマンドレスポンスにおける需要家別需要電力量の増減目標の第一の例を示す図である。 実施形態に係るデマンドレスポンスにおける需要家別需要電力量の増減目標の第二の例を示す図である。 実施形態に係るデマンドレスポンスにおける需要家別需要電力量の増減目標の第三の例を示す図である。 実施形態に係るデマンドレスポンスにおける需要家別需要電力量の増減目標の第四の例を示す図である。 実施形態に係るデマンドレスポンスにおける需要家別需要電力量の増減目標の第五の例を示す図である。 実施形態に係るデマンドレスポンスにおける需要家別需要電力量の増減目標の第六の例を示す図である。 実施形態に係るデマンドレスポンスにおける需要家別需要電力量の増減目標の第七の例を示す図である。 実施形態に係るデマンドレスポンスにおける需要家別需要電力量の増減目標の第八の例を示す図である。 実施形態に係るデマンドレスポンスにおける需要家別需要電力量の増減目標の第九の例を示す図である。 実施形態に係るデマンドレスポンスにおける需要家別需要電力量の増減目標の第十の例を示す図である。 実施形態に係る電力システムが個々の充放電可能機器の充放電電力目標値を再設定する処理手順の例を示す図である。 実施形態に係る需要家設置システムがピークシフトとデマンドレスポンスとを同時に行う場合の、デマンドレスポンスのための余力の例を示す図である。 実施形態に係る上位制御装置の構成の例を示す図である。 実施形態に係る上位制御装置の構成の、もう1つの例を示す図である。 実施形態に係る電力システムの構成の例を示す図である。 実施形態に係る下位制御装置の構成の例を示す図である。 少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
以下、本発明の実施形態を説明するが、以下の実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、実施形態に係る電力システムの装置構成の例を示す図である。図1に示す構成で、電力システム1は、上位制御装置100と、複数の需要家設置システム300とを備える。需要家設置システム300の各々は、下位制御装置200を備える。上位制御装置100と下位制御装置200とは通信を行う。また、上位制御装置100は、外部機関制御装置910とも通信を行う。外部機関制御装置910が、電力システム1の一部として構成されていてもよいし、電力システム1の外部の装置として構成されていてもよい。
電力システム1は、デマンドレスポンス(Demand Response;DR)を計画し実施する。電力システム1が、さらに、デマンドレスポンス以外のサービスも実施するようにしてもよい。電力システム1が、複数のサービスを同時に実施するようにしてもよい。
ここでいうサービスは、電力需給調整により、ある目的を実行することである。ここでいう電力需給調整は、電力の需給調整であってもよいし、電力量の需給調整であってもよい。
また、以下では、上位制御装置100、下位制御装置200、および、外部機関制御装置910が、電力需給に関する量の通知をワット時(Wh)など電力量の単位にて行う場合を例に説明する。ただし、上位制御装置100、下位制御装置200、および、外部機関制御装置910が、電力需給に関する量の通知をワット(W)など電力の単位にて行うようにしてもよい。また、上位制御装置100、下位制御装置200、または、外部機関制御装置910の少なくとも何れかが、電力の単位と電力量の単位との換算を行うようにしてもよい。
下位制御装置200は、電力需要家の機器を制御する装置であり、電力需要家の機器の状態情報を上位制御装置100へ通知する。また、下位制御装置200は、上位制御装置100からの指示に従ってデマンドレスポンスなどのサービス実施のために機器の制御を行う。電力需要家を単に需要家とも称する。
下位制御装置200は、例えば、需要家の機器を制御するパワーコンディショニングシステム(Power Conditioning System;PCS)と、パワーコンディショニングシステムの制御部として機能するコンピュータとを含んで構成される。あるいは、パワーコンディショニングシステムが制御対象の機器毎に設けられるなど、パワーコンディショニングシステムが下位制御装置200の外部の装置として構成されていてもよい。
需要家設置システム300は、需要家が使用する機器が構成するシステムである。個々の需要家設置システム300は、一需要家において電力の需給およびその制御を行うシステムとして構成される。ただし、需要家設置システム300の構成は、特定の構成に限定されない。また、需要家によって需要家設置システム300の構成が異なっていてもよい。
需要家設置システム300は、デマンドレスポンスにおける電力需要の増減を実施するシステムとして機能する。需要家設置システム300を、デマンドレスポンス実施対象システムとも称する。
電力システム1が備える需要家設置システム300の個数は、1つ以上であればよい。
上位制御装置100は、下位制御装置200からの需要家の機器の状態情報を集約して、サービス実施可能量を計算し、外部機関制御装置910へ通知する。そして、上位制御装置100は、外部機関制御装置910からのサービス実施要求に応じて各需要家に対するサービス実施割当量を決定し、各需要家の下位制御装置200に対してサービスの実施を指示する。
特に、上位制御装置100は、デマンドレスポンスの実施可能量を計算し、計算した実施可能量を外部機関制御装置910へ通知する。
上位制御装置100は、デマンドレスポンスの実施可能量として、デマンドレスポンスのために増減可能な需要電力量を算出する。デマンドレスポンスの実施可能量を、デマンドレスポンスのための余力、または単に余力とも称する。上げデマンドレスポンス(電力需要を増加させるデマンドレスポンス)のための余力を上げ余力とも称する。下げデマンドレスポンス(電力需要を減少させるデマンドレスポンス)のための余力を下げ余力とも称する。
また、上位制御装置100は、外部機関制御装置910から指示されるデマンドレスポンスの要求量(指令値)に基づいて、需要家設置システム300毎のデマンドレスポンスの要求量を決定し、下位制御装置200へ指示する。このように、上位制御装置100は、外部機関制御装置910から要求されるデマンドレスポンスを下位制御装置200に割り当てて実施させる。
上位制御装置100は、例えばEWS(Engineering Work Station)などのコンピュータを用いて構成される。
上位制御装置100は、例えばリソースアグリゲータ(Resource Aggregator;RA)が使用する装置として設けられる。
リソースアグリゲータは、需要家側にある電力設備を統合制御してサービスを提供する事業者である。リソースアグリゲータは、需要家による電力需給の調整量を統合して、デマンドレスポンスサービスを提供する。さらに、リソースアグリゲータが、電力系統に対する個々の需要家の周波数調整力を統合して周波数調整サービスを提供するなど、デマンドレスポンス以外のサービスを提供するようにしてもよい。
外部機関制御装置910は、上位制御装置100からのサービス実施可能量の通知を受けて、サービス実施要求量を上位制御装置100へ通知する。特に、外部機関制御装置910は、上位制御装置100からデマンドレスポンスの実施可能量およびベースラインの通知を受けてデマンドレスポンスの要求量を決定し、決定した要求量を含むデマンドレスポンス実施要求を上位制御装置100へ通知する。
外部機関制御装置910は、例えばEWSなどのコンピュータを用いて構成される。
図1では、外部機関制御装置910が送配電事業者の中央給電指令所に設置される場合の例が示されている。この場合、リソースアグリゲータは、リソースアグリゲータとアグリゲーションコーディネータ(Aggregation Cordinator;AC)とを合わせたアグリゲータとして活動する。
ただし、外部機関制御装置910の使用者は電力システム1によるサービスの提供対象者であればよく、送配電事業者に限定されない。例えば、リソースアグリゲータとは別にアグリゲーションコーディネータが存在する場合、アグリゲーションコーディネータが外部機関制御装置910を使用するようにしてもよい。
以下では、電力システム1全体に関することと、個々の需要家設置システム300に関することとを、「総」の文言または「需要家別」の文言にて区別する場合がある。具体的には、電力システム1全体に関することを示す名称には「総」の文言を付す。個々の需要家設置システム300に関することを示す名称には「需要家別」の文言を付す。
上位制御装置100が外部機関制御装置910から指示されるデマンドレスポンス、すなわち、リソースアグリゲータがサービス提供対象者に提供するデマンドレスポンスを、総デマンドレスポンス、電力システム1のデマンドレスポンス、または、単にデマンドレスポンスとも称する。
総デマンドレスポンスにおけるベースラインを、総ベースライン、電力システム1のベースライン、または、単にベースラインとも称する。
総デマンドレスポンスの実施可能量を、総デマンドレスポンス実施可能量、または、総実施可能量、もしくは、単にデマンドレスポンス実施可能量、または、実施可能量とも称する。総デマンドレスポンス実施可能量が電力量で示される場合、総デマンドレスポンス実施可能電力量、または、総実施可能電力量、もしくは、単にデマンドレスポンス実施可能電力量、または、実施可能電力量とも称する。
総デマンドレスポンスの要求量を、総デマンドレスポンス要求量、または、総要求量、もしくは、単にデマンドレスポンス要求量、または、要求量とも称する。総デマンドレスポンス要求量が電力量で示される場合、総デマンドレスポンス要求電力量、または、総要求電力量、もしくは、単にデマンドレスポンス要求電力量、または、要求電力量とも称する。
また、電力システム1としての需要電力量を、総需要電力量、または、単に需要電力量とも称する。
一方、上位制御装置100が個々の下位制御装置200に割り当てるデマンドレスポンス、すなわち、下位制御装置200がデマンドレスポンスのために需要家設置システム300の電力需要を調整することを、需要家別デマンドレスポンス、または、需要家設置システム300のデマンドレスポンスとも称する。
需要家別デマンドレスポンスにおけるベースラインを、需要家別ベースライン、または、需要家設置システム300のベースラインとも称する。
需要家別デマンドレスポンスの実施可能量を、需要家別デマンドレスポンス実施可能量、または、需要家別実施可能量、もしくは、需要家設置システム300のデマンドレスポンス実施可能量、または、需要家設置システム300の実施可能量とも称する。需要家別デマンドレスポンス実施可能量が電力量で示される場合、需要家別デマンドレスポンス実施可能電力量、または、需要家別実施可能電力量、もしくは、需要家設置システム300のデマンドレスポンス実施可能電力量、または、需要家設置システム300の実施可能電力量とも称する。
需要家別デマンドレスポンスの要求量を、需要家別デマンドレスポンス要求量、または、需要家別要求量、もしくは、需要家設置システム300のデマンドレスポンス要求量、または、需要家設置システム300の要求量とも称する。需要家別デマンドレスポンス要求量が電力量で示される場合、需要家別デマンドレスポンス要求電力量、または、需要家別要求電力量、もしくは、需要家設置システム300のデマンドレスポンス要求電力量、または、需要家設置システム300の要求電力量とも称する。
また、1つの需要家設置システム300の需要電力量を、需要家別需要電力量、または、需要家設置システム300の需要電力量とも称する。
図2は、需要家における機器構成の例を示す図である。
図2の例で、需要家設置システム300は、下位制御装置200と、充放電可能機器311と、太陽光発電システム312と、負荷313と、XEMS321とを備える。XEMSは、HEMS(Home Energy Management System)、BEMS(Building Energy Management System)、FEMS(Factory Energy Management System)などのエネルギーマネジメントシステム(Energy Management System)の総称である。
また、図2の例で、送配電事業者の電力系統である電力系統920と、需要家設置システム300との連系点に、スマートメータ930が設けられている。スマートメータ930が、需要家設置システム300の一部として構成されていてもよいし、需要家設置システム300の外部の装置として構成されていてもよい。
充放電可能機器311は、例えば蓄電池群を含んで構成されるなど、蓄電および放電を行うことができる機器である。充放電可能機器311は、分散電源(Distributed Energy Resource;DER)の例に該当する。ここでいう分散電源は、個々の需要家設置システム300が備える電源である。リソースアグリゲータが分散電源による電力需給を集約することで、サービス提供対象者に対して比較的大規模な電力需給調整サービスを提供することができる。
以下では、デマンドレスポンスに参加する需要家の需要家設置システム300が、それぞれ充放電可能機器311を備えているものとする。需要家が充放電可能機器311を備えていることで、デマンドレスポンスの計画時の電力需要予測(需要家別ベースライン)と実際の電力需要(需要家別需要電力量)との間に差が生じる場合に、充放電可能機器311を用いて電力需給を調整することができる。
また、充放電可能機器311の充電電力、放電電力、充電電力量および放電電力量について、パワーコンディショニングシステムとしての下位制御装置200での、交流電力または交流電力量への換算値を用いて説明する。充放電可能機器311の充電では、交流/直流変換時に損失が生じる。このため、交流/直流変換後の直流の充電電力および充電電力量は、変換前の交流の充電電力および充電電力量よりも小さくなる。また、充放電可能機器311の放電では、直流/交流変換時に損失が生じる。このため、直流/交流変換後の交流の放電電力および放電電力量は、変換前の直流の放電電力および放電電力量よりも小さくなる。
太陽光発電システム312は、電力を生成する機器の例として示されており、太陽電池を備えて太陽光を電力に変換する。
ただし、電力を生成する機器は、需要家設置システム300に必須ではない。また、需要家設置システム300が電力を生成する機器を備える場合、その機器は、太陽光発電システム312に限定されない。例えば、需要家設置システム300が、太陽光発電システム312に加えて、あるいは代えて、燃料電池、コジェネ(Cogeneration または Combined Heat And Power)等の自家発電機を備えるようにしてもよい。
負荷313は、電力を消費する。負荷313が1つの機器で構成されていてもよい。あるいは、複数の機器が負荷313に含まれていてもよい。また、負荷313を構成する機器の種類は、特定の種類に限定されない。
充放電可能機器311と、太陽光発電システム312と、負荷313とを総称して、需要家機器群310と表記する。
XEMS321は、需要家向けのエネルギーマネージメントサービスを実施する機器である。例えば、XEMS321は、下位制御装置200のパワーコンディショニングシステムに対して、エネルギーマネージメントサービス実施のための機器の制御を指示する。
また、XEMS321は、需要家設置システム300における端末装置として機能する。例えば、XEMS321は、サービス実施に関する情報を表示し、サービス実施に関する設定操作などのユーザ操作を受け付ける。XEMS321の全部または一部が、スマートフォンに設けられるなど携帯可能に構成されていてもよい。あるいは、XEMS321とは別に端末装置が設けられていてもよい。その場合も、端末装置が、スマートフォンに設けられるなど携帯可能に構成されていてもよい。
XEMS321と下位制御装置200とが連動して需要家機器群310を制御することで、デマンドレスポンス(需要家別デマンドレスポンス)のための需要家機器群310の制御と、エネルギーマネージメントサービスなどデマンドレスポンス以外のサービスのための需要家機器群310の制御とを同時に実施できる。
XEMS321と下位制御装置200とが1つの装置として構成されていてもよいし、別々の装置として構成されていてもよい。
スマートメータ930は、スマートメータ930自らが設置された位置における電力を測定する。例えば、スマートメータ930が測定する電力は、需要家の課金に用いられる。ただし、スマートメータの配置は、図2に示される位置に限定されない。サービスの実施のために電力の測定が必要な個所にスマートメータを配置することができる。
図3は、デマンドレスポンスにおける単位時間の設定例を示す図である。以下では、デマンドレスポンス開始時刻(需給調整開始時刻)が、正時(毎時0分)および毎時30分と定められている場合を例に説明する。
この場合、時間を正時および毎時30分で区切った30分間の各々が、デマンドレスポンスにおける単位時間となる。各単位時間をコマとも称する。また、デマンドレスポンス実施対象のコマを「コマ(i)」と表記し、コマ(i)からさかのぼって「コマ(i-1)」、「コマ(i-2)」、・・・、「コマ(i-m)」(mは正の整数)と表記する。
例えば、13時0分から13時30分までが実施対象のデマンドレスポンスの場合、13時0分から13時30分までの30分間がコマ(i)、12時30分から13時までの30分間がコマ(i-1)、12時0分から12時30分までの30分間がコマ(i-2)、11時30分から12時0分までの30分間がコマ(i-3)、・・・となる。
また、図3の例では、デマンドレスポンス実施のコマの開始時刻の1時間前(2コマ前の開始時刻)がゲートクローズ(Gate Close;GC)に設定されている。
デマンドレスポンスのサービス提供者(リソースアグリゲータ)は、ゲートクローズよりも前に、ベースライン、および、デマンドレスポンス実施可能量をサービス提供対象者(例えば、送配電事業者、または、アグリゲーションコーディネータ)に通知する。サービス提供対象者は、通知されたベースラインに対するデマンドレスポンスの要求量を、デマンドレスポンス実施可能量の範囲内で決定する。サービス提供対象者は、決定した要求量をサービス提供者に通知してデマンドレスポンスの実施を要求する。
例えば、図1の構成で、ゲートクローズよりも前に上位制御装置100から外部機関制御装置910へベースラインおよびデマンドレスポンス実施可能量の情報を送信する。また、外部機関制御装置910は、ゲートクローズまでにデマンドレスポンスの要求量を送信する。
ベースラインおよび実施可能量の通知期限以降は、ベースラインおよびデマンドレスポンス実施可能量の設定を変更することはできない。また、ゲートクローズ以降は、デマンドレスポンスの要求量を変更することはできない。したがって、ゲートクローズ後は、ベースライン、および、デマンドレスポンスの要求量の何れも変更できない。
電力システム1におけるデマンドレスポンスの単位時間は、図3に示す30分間に限定されず、一定の時間で定められていればよい。デマンドレスポンス開始時刻は、正時および毎時30分に限定されず、デマンドレスポンスの単位時間に応じて定められていればよい。
1コマ当たりの時間の長さをコマ長とも称する。図3の例では、コマ長は30分である。
また、ゲートクローズからデマンドレスポンス実施開始までの時間は1時間に限定されず、所定の時間であればよい。
なお、ゲートクローズは、「系統利用者(発電事業者または小売電気事業者)から系統運用者への需給計画の提出締切」 のことであり、卸電力市場における取引が停止される時刻を意味する。以下の説明では、デマンドレスポンスで利用するベースラインを変更できなくなる時刻という意味でもゲートクローズとの用語を用いている。
図4は、上位制御装置100の機能構成の例を示す概略ブロック図である。図4に示す構成で、上位制御装置100は、第一通信部110と、第一記憶部180と、第一制御部190とを備える。第一制御部190は、需要家別情報取得部191と、全体情報算出部192と、需要家別ベースライン算出部193と、総要求電力量取得部194と、需要家別要求電力量算出部195とを備える。
第一通信部110は、他の装置と通信を行う。特に、第一通信部110は、下位制御装置200の各々から、その下位制御装置200を備える需要家設置システム300の状態に関する情報を受信する。また、第一通信部110は、下位制御装置200に対して、その下位制御装置200を備える需要家設置システム300に対する需要家別デマンドレスポンスの実施要求を送信する。
第一通信部110が送信する需要家別デマンドレスポンスの実施要求の中に、需要家別要求電力量の値が0となっているものが含まれていてもよい。需要家別要求電力量の値を0にすることで、需要家設置システム300に、デマンドレスポンスのための充放電を中止させることができる。
さらに、第一通信部110が送信する需要家別デマンドレスポンスの実施要求の中に、ある需要家設置システム300に対して、デマンドレスポンスのための充放電を中止させた分の電力量を、他の需要家設置システム300に対する需要家別要求電力量に反映させたものが含まれていてもよい。これにより、ある需要家設置システム300におけるデマンドレスポンスのための充放電中止分を、他の需要家設置システム300の充放電電力に反映させることができる。したがって、電力システム1全体の需要電力量を変化させずに、ある需要家設置システム300におけるデマンドレスポンスのための充放電を中止させることができる。
また、第一通信部110は、外部機関制御装置910対してデマンドレスポンス実施可能量およびベースラインの情報を送信する。また、第一通信部110は、外部機関制御装置910からデマンドレスポンスの実施要求を受信する。
第一通信部110は、送信手段の例に該当する。
第一記憶部180は、各種情報を記憶する。第一記憶部180は、上位制御装置100が備える記憶デバイスを用いて構成される。
第一制御部190は、上位制御装置100の各部を制御して各種処理を行う。第一制御部190の機能は、上位制御装置100が備えるCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)が、第一記憶部180からプログラムを読み出して実行することで実行される。
需要家別情報取得部191は、需要家設置システム300の需要電力量、需要家設置システム300が備える充放電可能機器311の蓄電電力量や空き容量、および、その充放電可能機器311の充放電計測値など、需要家設置システム300の状態に関する情報を取得する。具体的には、需要家別情報取得部191は、第一通信部110が下位制御装置200から受信する信号から、その下位制御装置200を備える需要家設置システム300の状態に関する情報を抽出する。
ここでいう充放電可能機器311の空き容量は、充放電可能機器311が満充電となるまでに充電可能な電力量である。例えば、需要家別情報取得部191が、充放電可能機器311の定格容量から蓄電電力量を差し引いた値を空き容量として算出するようにしてもよい。
全体情報算出部192は、需要家別情報取得部191が取得する個々の需要家設置システム300の状態に関する情報に基づいて、電力システム1全体の状態に関する情報を算出する。特に、全体情報算出部192は、個々の需要家設置システム300の需要電力量の実績値に基づいて、デマンドレスポンス実施時における電力システム1に含まれる全ての需要家設置システム300全体の需要電力量の予測値であるベースライン(総ベースライン)を算出する。また、全体情報算出部192は、個々の充放電可能機器311の充放電可能量に基づいて、デマンドレスポンス実施における電力システム1全体としてのデマンドレスポンス実施可能量を算出する。
ここで、所定時間(例えば1コマ)における充放電可能機器311の放電可能量(放電可能な電力量)は、蓄電電力量、および、充放電可能機器311の定格放電電力の両方の制約を受ける。具体的には、所定時間における充放電可能機器311の放電可能量は、充放電可能機器311の蓄電電力量、または、充放電可能機器311の定格放電電力に所定時間の長さ(例えば、コマ長)を乗算した電力量のうち、いずれか小さい方となる。
さらに、需要家設置システム300から電力系統920への逆潮流が認められない場合、所定時間における充放電可能機器311の放電可能量は、充放電可能機器311が充放電を行わないと仮定した場合の所定時間における需要家別需要電力量の制約も受ける。この場合、所定時間における充放電可能機器311の放電可能量は、充放電可能機器311の蓄電電力量、充放電可能機器311の定格放電電力に所定時間の長さを乗算した電力量、または、充放電可能機器311が充放電を行わないと仮定した場合の所定時間における需要家別需要電力量のうち、いずれか小さい方となる。
また、所定時間における充放電可能機器311の充電可能量(充電可能な電力量)は、空き容量、および、充放電可能機器311の定格充電電力の両方の制約を受ける。具体的には、所定時間における充放電可能機器311の充電可能量は、充放電可能機器311の空き容量、または、充放電可能機器311の定格充電電力に所定時間の長さを乗算した電力量のうち、いずれか小さい方となる。
一方、充放電可能機器311が充電を行うことでは、需要家設置システム300から電力系統920への逆潮流は生じない。したがって、所定時間における充放電可能機器311の充電可能量に対しては、需要家別需要電力量の制約は生じない。
また、需要家別情報取得部191は、需要家別需要電力量の実績データに基づいて、需要家別需要電力量の予測値を算出する。特に、需要家別情報取得部191は、需要家設置システム300の各々について、仮に充放電可能機器311がデマンドレスポンスのための充放電を行わないと想定した場合の、デマンドレスポンス実施時間(デマンドレスポンス実施時間帯)における需要家別需要電力量の予測値を算出する。仮に充放電可能機器311がデマンドレスポンスのための充放電を行わないと想定した場合の、デマンドレスポンス実施時間における需要家別需要電力量の予測値を、デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値とも称する。
需要家別情報取得部191は、ベースラインの算出時よりも後の時点(例えば、ゲートクローズ後)における需要家設置システム300の状態に基づいて、デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値を算出する。需要家別情報取得部191が、例えば1分毎など繰り返し、デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値を算出するようにしてもよい。
以下の説明では、特に断らない限り、上位制御装置100がデマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値を用いる場合、その時点で得られる最新のものを用いるものとする。
需要家別情報取得部191が、デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値として、充放電可能機器311が充電も放電も全く行わないと仮に想定した場合の需要家別需要電力量を算出するようにしてもよい。
例えば図2の構成の場合、需要家別情報取得部191が、負荷313の需要電力量計測値と太陽光発電システム312の供給電力量計測値との合計値を、デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値として算出するようにしてもよい。
あるいは、需要家別情報取得部191が、充放電可能機器311がデマンドレスポンスのための充放電を行っていないコマのみの需要電力量実績値を用いてデマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値を算出するようにしても、デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値を算出することができる。
あるいは、需要家別情報取得部191が、充放電可能機器311がデマンドレスポンスのための充放電を行っているコマの需要家別需要電力量実績値に対して、デマンドレスポンスのための充放電分の電力量を増減して(キャンセルして)用いるようにしてもよい。
需要家別ベースライン算出部193は、需要家別ベースラインを算出する。需要家別ベースラインは、全体情報算出部192が算出する総ベースラインの、需要家設置システム300の各々への割り当て分に相当する内訳である。
需要家別ベースライン算出部193は、需要家別ベースライン算出手段の例に該当する。
総要求電力量取得部194は、総要求電力量を取得する。総要求電力量は、電力システム1に含まれる全ての需要家設置システム300全体の需要電力量の予測値である総ベースラインに対する電力量増減の要求量である。ここでいう要求電力量は、デマンドレスポンスにおける需要電力量増減の要求量である。上げデマンドレスポンスの場合、要求電力量は、需要電力量の増加量である。下げデマンドレスポンスの場合、要求電力量は、需要電力量の減少量である。
総要求電力量取得部194は、第一通信部110が外部機関制御装置910から受信する信号から、総要求電力量を示す情報を抽出する。ただし、厳密には、需要家の契約アンペア(いわゆるブレーカが落ちる電力)の制約は受ける。
需要家別要求電力量算出部195は、需要家別要求電力量を算出する。需要家別要求電力量は、総要求電力量が需要家設置システム300の各々に割り当てられた割り当て分である。総要求電力量取得部194が総要求電力量を取得すると、需要家別要求電力量算出部195が、総要求電力量を需要家設置システム300の各々に割り当てる。
需要家別要求電力量算出部195は、需要家別要求電力量算出手段の例に該当する。
需要家別要求電力量算出部195が、総電力需要量を需要家設置システム300の各々に割り当てる手法は、特定のものに限定されない。例えば、需要家別要求電力量算出部195が、需要家設置システム300の各々の契約アンペアに基づいて、需要家別要求電力量を算出するようにしてもよい(対象需要家の契約アンペアを需要家全体の契約アンペアの合計値で除算した割合を用いた比例配分など)。あるいは需要家別要求電力量算出部195が、需要家設置システム300の各々が備える充放電可能機器311の定格容量または蓄電電力量や空き容量に基づいて、需要家別要求電力量を算出するようにしてもよい(空き容量等の値が大きいほど、需要家別要求電力量を大きく割り当てるなど)。あるいは需要家別要求電力量算出部195が、さらに需要家別ベースラインに基づいて、需要家別要求電力量を算出するようにしてもよい(需要家別ベースラインの値が大きいほど、需要家別要求電力量を大きく割り当てるなど)。
需要家別要求電力量算出部195が、需要家別要求電力量を更新するようにしてもよい。ゲートクローズ後は総要求電力量を変えることはできないので、需要家別要求電力量算出部195は、電力システム1に含まれる全ての需要家設置システム300についての需要家別要求電力量の合計値が総要求電力量のまま一定となるように、個々の需要家別要求電力量を増減させる。
ここで、需要家設置システム300の各々は、需要家別ベースラインと、仮に需要家別デマンドレスポンスを実施しないと想定した場合(充放電可能機器311が、デマンドレスポンス以外の用途を目的とした充電や放電を継続しているものとする)の、デマンドレスポンス実施時間(コマ(i))における需要家別需要電力量とに差が生じる場合、デマンドレスポンス実施時間において、差を無くすように充放電可能機器311を充放電させる。
仮に需要家別デマンドレスポンスを実施しないと想定した場合の需要家別需要電力量は、例えば図2の構成の場合、負荷313の消費電力量から、太陽光発電システム312の発電電力量を減算し、充放電可能機器311の充放電電力量のうち需要家別デマンドレスポンス以外の用途による充放電電力量を加算または減算することで算出される。充放電可能機器311の充放電電力量のうち需要家別デマンドレスポンス以外の用途による充放電電力量が充電の場合は加算し、放電の場合は減算する。
需要家別ベースラインは、仮に需要家別デマンドレスポンスを実施しないと想定した場合の、コマ(i)における需要家別需要電力量をゲートクローズ前に予測した予測値に相当する。これに対し、負荷313の使用状況の変化による消費電力量の変化や、天候の変化による太陽光発電システム312の発電電力量の変化等により、仮に需要家別デマンドレスポンスを実施しないと想定した場合の、コマ(i)における需要家別需要電力量は変化し得る。これにより、需要家別ベースラインと、仮に需要家別デマンドレスポンスを実施しないと想定した場合の、デマンドレスポンス実施時間における需要家別需要電力量との間に差が生じ得る。
需要家別ベースラインと、仮に需要家別デマンドレスポンスを実施しないと想定した場合の、デマンドレスポンス実施時間における需要家別需要電力量との差を、需要家別ベースラインの予測誤差とも称する。需要家別デマンドレスポンスにおける需要家別ベースラインと、仮にデマンドレスポンスを実施しないと想定した場合の、デマンドレスポンス実施時間における需要家別需要電力量との差を無くすことを、需要家別ベースラインの予測誤差を補填するとも称する。
具体的には、充放電可能機器311の充放電によって需要家別ベースラインの予測誤差を補填する。誤差の補填は、充放電可能機器311が、需要家別デマンドレスポンスにおける要求(需要家別ベースライン+需要家別要求電力量に相当する)と実績との誤差を無くすために充放電を行うことといえる。誤差補填前の需要電力量は、仮に、充放電可能機器311が誤差補填のための充電も放電も行わないと想定した場合(ただし、充放電可能機器311は、デマンドレスポンス以外の用途向けの充放電は継続しているものとする)の、需要家別需要電力量である。
需要家設置システム300の各々が、デマンドレスポンス実施時間(iコマ)における需要家別需要電力量が需要家別需要電力量目標値になるように充放電可能機器311を充放電させるようにしてもよい。ここでいう需要家別需要電力量目標値は、需要家別ベースラインに需要家別要求電力量を反映させた電力量である。
ここでいう、要求電力量をベースラインの電力量に反映させることは、電力量としてベースラインから、要求電力量の分だけ増減することである。下げデマンドレスポンスの場合、ベースラインから要求電力量を減算することで、需要電力量目標値を得られる。例えば、需要家別デマンドレスポンスが上げデマンドレスポンスの場合は、需要家別ベースラインに需要家別要求電力量を加算する。
一方、上げデマンドレスポンスの場合、ベースラインに要求電力量を加算することで、需要電力量目標値を得られる。例えば、需要家別デマンドレスポンスが下げデマンドレスポンスの場合は、需要家別ベースラインから需要家別要求電力量を減算する。
このように、需要家設置システム300の各々が、デマンドレスポンス実施時間における需要家別需要電力量が需要家別需要電力量目標値になるように充放電可能機器311を充放電させることで、需要家別ベースラインの予測誤差を補填するように充放電可能機器311を充放電させることができる。
この場合の、充放電可能機器311の充放電電力量のうちデマンドレスポンスのための充放電電力量は、需要家別要求電力量を達成するための充放電電力量と、需要家別ベースラインの予測誤差を補填するための充放電電力量との合計の電力量であるといえる。
一方、充放電可能機器311が充放電可能な電力量には限界がある。需要家別ベースラインの予測誤差を、充放電可能機器311の充放電で埋めきれない場合、埋め切れない分は、その需要家設置システム300の需要家別デマンドレスポンスにおける要求量と実績値との誤差となる。
これに対し、需要家別要求電力量算出部195が需要家別要求電力量をその需要家設置システム300の需要電力量の予測値(デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値)に近付けるように更新することで、その需要家設置システム300の需要家別デマンドレスポンスにおける要求量と実績値との誤差を軽減できる。需要家別デマンドレスポンスにおける要求量と実績値との誤差を軽減することで、総デマンドレスポンスにおける要求量と実績値との誤差を軽減することができる。
また、充放電可能機器311が需要家別デマンドレスポンスのための充電を行う場合、充電時の交流/直流変換、充電した電力の放電時の直流/交流変換のそれぞれで損失が生じる。充放電可能機器311が充放電を行う電力量を減少させることが出来れば、かかる損失を減少させることができる。
ここで、需要家別デマンドレスポンスのために充放電可能機器311が行う充放電が、総デマンドレスポンスにおける総需要電力量の増減と逆向きのものになる場合がある。例えば、総デマンドレスポンスが下げデマンドレスポンスであるのに対し、充放電可能機器311が需要家別デマンドレスポンスのために充電を行う場合がある。かかる充電を停止させ、その分だけ、放電を行う他の充放電可能機器311の放電電力量を減少させれば、総需要電力量に影響を及ぼさずに、電力システム1全体として充放電電力量を減少させることができる。
そこで、需要家別要求電力量算出部195は、総デマンドレスポンスが下げデマンドレスポンスの場合に、充放電可能機器311が需要家別デマンドレスポンスのために充電を行うことを中止させる。デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値が需要家別需要電力量目標値よりも小さい場合が、充放電可能機器311が需要家別デマンドレスポンスのために充電を行う場合に該当する。
需要家別要求電力量算出部195が、かかる需要家設置システム300の需要家別要求電力量を更新する際に、需要家別需要電力量目標値が、デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値になるように、需要家別要求電力量を算出するようにしてもよい。具体的には、需要家別要求電力量算出部195が、該当する需要家設置システム300に対する需要家別要求電力量を0にするようにしてもよい。
これにより、需要家別要求電力量算出部195は、デマンドレスポンス実施時間における需要家別需要電力量を需要家別需要電力量目標値とするための、下位制御装置200による充放電可能機器311の充放電制御を中止させる。
また、需要家別要求電力量算出部195は、総デマンドレスポンスが下げデマンドレスポンスの場合に、充放電可能機器311が需要家別デマンドレスポンスのために充電を行うことを中止させた分、デマンドレスポンスのために放電を行う充放電可能機器311の放電電力量を減少させる。そのために、需要家別要求電力量算出部195は、デマンドレスポンスのために放電を行う充放電可能機器311を備える需要家設置システム300のうち少なくとも1つの需要家別要求電力量を減少させる。
その際、需要家別要求電力量算出部195が、デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値が需要家別ベースラインよりも大きい需要家設置システム300のうち少なくとも1つの需要家別要求電力量を減少させるようにしてもよい。
デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値が需要家別ベースラインよりも大きい需要家設置システム300では、需要家別需要電力量を需要家別需要電力量目標値に合わせるために必要な放電電力量が大きいと考えられる。このことから、デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値が需要家別ベースラインよりも大きい需要家設置システム300では、放電可能量が、需要家別デマンドレスポンスとしての下げデマンドレスポンスに必要な放電電力量に対して不足する可能性が比較的高い。上述したように、この不足分は需要家設置システム300のデマンドレスポンスにおける要求量と実績値との誤差となる。
これに対し、需要家別要求電力量算出部195が需要家別要求電力量を減少させることで、需要家別電力量目標値をその需要家設置システム300の需要電力量の予測値(デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値)に近付けることができる。これにより、上記のように、電力システム1全体のデマンドレスポンスにおける要求量と実績値との誤差を軽減することができる。
また、需要家別要求電力量算出部195は、総デマンドレスポンスが上げデマンドレスポンスの場合に、充放電可能機器311が需要家別デマンドレスポンスのために放電を行うことを中止させる。デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値が需要家別ベースラインよりも大きい場合が、充放電可能機器311が需要家別デマンドレスポンスのために放電を行う場合に該当する。
この場合も、需要家別要求電力量算出部195が、かかる需要家設置システム300の需要家別要求電力量を更新する際に、需要家別需要電力量目標値が、デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値になるように、需要家別要求電力量を算出するようにしてもよい。具体的には、需要家別要求電力量算出部195が、該当する需要家設置システム300に対する需要家別要求電力量を0にするようにしてもよい。
また、需要家別要求電力量算出部195は、総デマンドレスポンスが上げデマンドレスポンスの場合に、充放電可能機器311が需要家別デマンドレスポンスのために放電を行うことを中止させた分、デマンドレスポンスのために充電を行う充放電可能機器311の充電電力量を減少させる。そのために、需要家別要求電力量算出部195は、デマンドレスポンスのために充電を行う充放電可能機器311を備える需要家設置システム300のうち少なくとも1つの需要家別要求電力量を減少させる。
その際、需要家別要求電力量算出部195が、デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値が需要家別ベースラインよりも小さい需要家設置システム300のうち少なくとも1つの需要家別要求電力量を減少させるようにしてもよい。
デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値が需要家別ベースラインよりも小さい需要家設置システム300では、需要家別需要電力量を需要家別需要電力量目標値に合わせるために必要な充電電力量が大きいと考えられる。このことから、デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値が需要家別ベースラインよりも小さい需要家設置システム300では、充電可能量が、需要家別デマンドレスポンスとしての上げデマンドレスポンスに必要な充電電力量に対して不足する可能性が比較的高い。上述したように、この不足分は需要家設置システム300のデマンドレスポンスにおける要求量と実績値との誤差となる。
これに対し、需要家別要求電力量算出部195が需要家別要求電力量を減少させることで、需要家別電力量目標値をその需要家設置システム300の需要電力量の予測値(デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値)に近付けることができる。これにより、上記のように、電力システム1全体のデマンドレスポンスにおける要求量と実績値との誤差を軽減することができる。
図5は、下位制御装置200の機能構成の例を示す概略ブロック図である。図5に示す構成で、下位制御装置200は、第二通信部210と、第二記憶部280と、第二制御部290とを備える。第二制御部290は、電力需要情報取得部291と、充放電情報取得部292と、充放電予測部293と、需要家別目標値取得部294と、充放電制御部295とを備える。
第二通信部210は、他の装置と通信を行う。特に第二通信部210は、第二通信部210自らを備える需要家設置システム300の状態に関する情報を上位制御装置100へ送信する。また、第二通信部210は、上位制御装置100から、第二通信部210自らを備える需要家設置システム300に対するデマンドレスポンスの実施要求を受信する。
例えば、第二通信部210は、需要家別要求電力量と、前記需要家別ベースラインとを含むデマンドレスポンス実施要求を受信する。第二通信部210が、デマンドレスポンスが上げデマンドレスポンス、下げデマンドレスポンスの何れであるかを示す情報をさらに含むデマンドレスポンス実施要求を受信するようにしてもよい。
第二通信部210は、取得手段の例に該当する。
第二記憶部280は、各種情報を記憶する。第二記憶部280は、下位制御装置200が備える記憶デバイスを用いて構成される。
第二制御部290は、下位制御装置200の各部を制御して各種処理を行う。第二制御部290の機能は、下位制御装置200が備えるCPUが、第二記憶部280からプログラムを読み出して実行することで実行される。
電力需要情報取得部291は、電力需要情報取得部291自らを備える需要家設置システム300の需要家別需要電力量を取得する。例えば、電力需要情報取得部291が、スマートメータ930が計測する連系点における需要電力を積算して需要家別需要電力量計測値を算出するようにしてもよい。
充放電情報取得部292は、充放電可能機器311の状態に関する情報を取得する。例えば、充放電情報取得部292が、充放電可能機器311の充放電電力の計測値を充電、放電それぞれについて積算して充電電力量および放電電力量を算出するようにしてもよい。また、充放電情報取得部292が、充放電可能機器311の蓄電電力量の情報を取得するようにしてもよい。
充放電予測部293は、時間帯毎の電力料金の情報に基づいて、例えばピークシフトにおける充放電可能機器311の充放電の状態を予測する。具体的には充放電予測部293は、充放電可能機器311が、電力料金が安い時間帯にピークシフトのための充電を行い、電気料金が高い時間帯にピークシフトのための放電を行うと予測する。
これにより、充放電予測部293が、充放電可能機器311の充放電状態を比較的高精度に予測できると期待される。
デマンドレスポンスの提供対象者が、充放電予測部293による充放電可能機器311の充放電の状態の予測結果に基づいてデマンドレスポンスにおける要求電力量を決定するようにしてもよい。例えば、全体情報算出部192が、充放電予測部293による充放電可能機器311の充放電の状態の予測結果に基づいてデマンドレスポンス実施時におけるデマンドレスポンス実施可能量を予測するようにしてもよい。そして、デマンドレスポンスの提供対象者が、デマンドレスポンス実施可能量の範囲内で、デマンドレスポンスにおける要求電力量を決定するようにしてもよい。
需要家別目標値取得部294は、需要家別需要電力量目標値を取得する。上記のように、需要家別需要電力量目標値は、需要家別のデマンドレスポンス実施時における需要家別需要電力量の目標値である。需要家別目標値取得部294は、需要家別要求電力量を、需要家別ベースラインの電力量に反映させることで需要家別需要電力量目標値を算出する。
需要家別目標値取得部294は、需要家別目標値取得手段の例に該当する。
充放電制御部295は、充放電可能機器311の充放電を制御する。特に、充放電制御部295は、デマンドレスポンス実施時間における需要家別需要電力量を、需要家別需要電力量目標値に合わせるように、充放電可能機器311の充放電を制御する。具体的には、充放電制御部295は、デマンドレスポンス実施時間における需要家別需要電力量と需要家別需要電力量目標値との差に相当する電力量を充放電可能機器311に充放電させる。これにより、充放電制御部295は、充放電可能機器311の充放電電力量を含めた需要家別需要電力量が、需要家別需要電力量目標値となるようにする。
充放電制御部295は、充放電制御手段の例に該当する。
また、充放電制御部295が、総デマンドレスポンスが下げデマンドレスポンスの場合に、充放電可能機器311に需要家別デマンドレスポンスのために充電を行なわせる充放電制御を中止するようにしてもよい。そのために、需要家別目標値取得部294が、上述した需要家別要求電力量算出部195による更新後の需要家別要求電力量に基づいて、需要家別ベースラインの電力量を考慮して需要家別需要電力量目標値を算出し、充放電制御部295が、需要家別需要電力量目標値に基づいて充放電可能機器311の充放電を制御するようにしてもよい。
また、充放電制御部295が、総デマンドレスポンスが下げデマンドレスポンスの場合に、他の需要家設置システム300における需要家別デマンドレスポンスのための充電の中止に応じて、充放電可能機器311の放電電力量を減少させるようにしてもよい。この点についても、需要家別目標値取得部294が、上述した需要家別要求電力量算出部195による更新後の需要家別要求電力量に基づいて、需要家別ベースラインの電力量を考慮して需要家別需要電力量目標値を算出し、充放電制御部295が、需要家別需要電力量目標値に基づいて充放電可能機器311の充放電を制御するようにしてもよい。
特に、充放電可能機器311が放電を行い、かつ、デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値が需要家別ベースラインよりも大きい場合に、充放電制御部295が、充放電可能機器311の放電電力量を減少させるようにしてもよい。この点についても、需要家別目標値取得部294が、上述した需要家別要求電力量算出部195による更新後の需要家別要求電力量に基づいて、需要家別ベースラインの電力量を考慮して需要家別需要電力量目標値を算出し、充放電制御部295が、需要家別需要電力量目標値に基づいて充放電可能機器311の充放電を制御するようにしてもよい。
また、充放電制御部295が、総デマンドレスポンスが上げデマンドレスポンスの場合に、充放電可能機器311に需要家別デマンドレスポンスのために放電を行なわせる充放電制御を中止するようにしてもよい。この点についても、需要家別目標値取得部294が、上述した需要家別要求電力量算出部195による更新後の需要家別要求電力量に基づいて、需要家別ベースラインの電力量を考慮して需要家別需要電力量目標値を算出し、充放電制御部295が、需要家別需要電力量目標値に基づいて充放電可能機器311の充放電を制御するようにしてもよい。
また、充放電制御部295が、総デマンドレスポンスが上げデマンドレスポンスの場合に、他の需要家設置システム300における需要家別デマンドレスポンスのための放電の中止に応じて、充放電可能機器311の充電電力量を減少させるようにしてもよい。この点についても、需要家別目標値取得部294が、上述した需要家別要求電力量算出部195による更新後の需要家別要求電力量に基づいて、需要家別ベースラインの電力量を考慮して需要家別需要電力量目標値を算出し、充放電制御部295が、需要家別需要電力量目標値に基づいて充放電可能機器311の充放電を制御するようにしてもよい。
特に、充放電可能機器311が充電を行い、かつ、デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値が需要家別ベースラインよりも小さい場合に、充放電制御部295が、充放電可能機器311の充電電力量を減少させるようにしてもよい。この点についても、需要家別目標値取得部294が、上述した需要家別要求電力量算出部195による更新後の需要家別要求電力量に基づいて、需要家別ベースラインの電力量を考慮して需要家別需要電力量目標値を算出し、充放電制御部295が、需要家別需要電力量目標値に基づいて充放電可能機器311の充放電を制御するようにしてもよい。
また、充放電制御部295が、ピークシフトとデマンドレスポンスとの同時実施において、ピークシフトのための充電電力、または、ピークシフトのための放電電力のうち少なくとも何れか一方について設定された上限値に基づいて、充放電可能機器311の充放電を制御するようにしてもよい。
これにより、充放電可能機器311がピークシフトのための充放電を行っている場合に、さらに需要家別デマンドレスポンスのために充放電を行う余力を残すことができる。
需要家別デマンドレスポンスのために充放電可能機器311が行う充放電が、総デマンドレスポンスにおける総需要電力量の増減と逆向きか否かの判定を、上位制御装置100、下位制御装置200の何れが行うようにしてもよい。
上位制御装置100が当該判定を行う場合は、需要家別要求電力量算出部195が、需要家別デマンドレスポンスのために充放電可能機器311が行う充放電が、総デマンドレスポンスにおける総需要電力量の増減と逆向きであると判定した需要家設置システム300に対する需要家別要求電力量の値を0に設定する。そして、第一通信部110が、需要家設置システム300の各々に需要家別要求電力量を送信する。
下位制御装置200では、充放電制御部295が、0に設定された需要家別要求電力量に従って充放電可能機器311の充放電を制御することで、充放電可能機器311にデマンドレスポンスのための充放電を中止させることができる。
下位制御装置200が、需要家別デマンドレスポンスのために充放電可能機器311が行う充放電が、総デマンドレスポンスにおける総需要電力量の増減と逆向きか否かの判定を、行う場合は、上位制御装置100が、総デマンドレスポンスが上げデマンドレスポンス、下げデマンドレスポンスの何れであるかを示す情報を、下位制御装置200の各々に送信する。下位制御装置では、第二通信部210が、総デマンドレスポンスが上げデマンドレスポンス、下げデマンドレスポンスの何れであるかを示す情報を受信する。
そして、下位制御装置200では、例えば充放電制御部295が、需要家別デマンドレスポンスのために充放電可能機器311が行う充放電が、総デマンドレスポンスにおける総需要電力量の増減と逆向きか否かを判定する。需要家別デマンドレスポンスのために充放電可能機器311が行う充放電が、総デマンドレスポンスにおける総需要電力量の増減と逆向きであると判定した場合、デマンドレスポンスのための充放電を中止させるように、充放電可能機器311の充放電を制御する。
さらに、第二通信部210が、デマンドレスポンスのための充放電を中止したことを示す情報を、上位制御装置100に送信する。これにより、上位制御装置100の需要家別要求電力量算出部195は、充放電中止分の電力量を、他の需要家設置システム300に対する需要家別要求電力量に反映させるように、需要家別要求電力量を再計算することができる。
そして、これら、上位制御装置100または下位制御装置200の何れかが行う、「需要家別デマンドレスポンスのために充放電可能機器311が行う充放電が、総デマンドレスポンスにおける総需要電力量の増減と逆向きか否かの判定」は、デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値を用いて、ベースラインの算出時刻以後、実際のデマンドレスポンス実施時間が始まる前、に実施されることが望ましい。ただし、上位制御装置100または下位制御装置200の何れかが、デマンドレスポンス実施時間に入った後の、需要家設置システム300の状態に基づいて、この判定を行うようにしてもよい。
例えば、下位制御装置200が、需要家別デマンドレスポンスの実施のために、デマンドレスポンス実施時間における需要家別需要電力量予測値(デマンドレスポンス開始時から終了時までの積算の需要家別需要電力量予測値)を、需要家別需要電力量目標値に近付けるフィードバック制御にて、充放電可能機器311の充放電を制御するようにしてもよい。
そして、下位制御装置200が、充放電可能機器311に行わせる充放電による需要家別需要電力量の増減と、総デマンドレスポンスにおける総需要電力量の増加が逆向きか否かを判定するようにしてもよい。すなわち、下位制御装置200が、充放電可能機器311に行わせる充放電による需要家別需要電力量の増加または減少の区別と、総デマンドレスポンスにおける総需要電力量の増加または減少の区別とが、反対か否かを判定するようにしてもよい。
次に、図6および図7を参照して、ベースラインの算出について説明する。
図6は、上位制御装置100がベースライン算出用のデータを取得するタイミングの例を示す図である。上位制御装置100の全体情報算出部192は、電力需要の実績に基づいてデマンドレスポンス実施時間(コマ(i))における電力システム1に含まれる全ての需要家設置システム300全体の電力需要の予測値を算出し、総ベースラインとして設定する。
電力需要の実績に関して、下位制御装置200の電力需要情報取得部291は、連系点における電力需要量を、例えば1分毎など繰り返しスマートメータ930から取得する。そして、電力需要情報取得部291は、コマが終わる毎(正時または毎時30分を経過する毎)に、終わったコマのコマ長の30分間について連系点における電力需要量積算値[Wh]を算出する。なお、単位を[]で示している。
電力需要情報取得部291が算出する、連系点における電力需要量積算値は、1つの需要家設置システム300の該当コマにおける需要家別需要電力量の計測値に該当する。電力需要情報取得部291は、算出した需要家別需要電力量を、第二通信部210を介して上位制御装置100へ送信する。
上位制御装置100の需要家別情報取得部191は、下位制御装置200から取得した需要家別需要電力量の計測値について、現在時刻から3時間前までの直近6コマの平均を求めるなど、需要家別需要電力量のコマ当たりの平均値を算出する。
需要家別情報取得部191が、需要家別需要電力量の平均値を需要予測に用いることで、需要家別需要電力量の計測値が偶発的に変化した場合に、その影響を軽減することができる。これにより、全体情報算出部192が需要家別需要電力量に基づいて求める総需要電力量に対するベースライン(総ベースライン)の予測が、比較的高精度になると期待される。
需要家別情報取得部191が、例えば、直近6コマのうち、計算対象の需要家設置システム300の充放電可能機器311の充放電状態が、現在の充放電状態と同じ状態であったコマの電力需要量のみ、平均値算出の対象として用いるようにしてもよい。すなわち、需要家別情報取得部191が、充放電可能機器311が充電のみを行っているコマにおける電力需要量の平均値、または、充放電可能機器311が放電のみを行っているコマにおける電力需要量の平均値の何れか一方を算出するようにしてもよい。
これにより、充放電可能機器311が現在の充放電状態を継続する場合の、電力需要量を比較的高精度に予測することができる。
あるいは、需要家別情報取得部191が、充放電可能機器311が充電を行っている時間および放電を行っている時間の両方を含めて、直近の所定コマ数における需要家設置システム300の電力需要量の、1コマ当たりの平均値を算出するようにしてもよい。これにより、現在時刻からデマンドレスポンス開始時刻までの間に充放電可能機器311が充放電の切り替えを繰り返すと想定される場合に対応することができる。
また、上位制御装置100が、平均値算出のためのデータを用いる時間は3時間に限らず、所定のコマ数(所定の時間)とすることができる。
上位制御装置100の全体情報算出部192は、需要家別需要電力量の平均値を、電力システム1に含まれる全ての需要家設置システム300について合計して、コマ毎の総需要電力量を算出する。
図6は、上位制御装置100が、直近6コマの全ての電力需要量の平均値を算出する場合の例を示している。図6の例で、上位制御装置100の第一通信部110は、直近過去のコマであるコマ(i-3)における需要家設置システム300の電力需要量を、その需要家設置システム300の下位制御装置200から受信する。それ以前のコマにおける電力需要量については、第一記憶部180が既に受信して記憶している。そして、需要家別情報取得部191は、コマ(i-8)からコマ(i-3)までの直近過去6コマにおける、その需要家設置システム300の電力需要量の平均値を算出する。
上位制御装置100は、算出した平均値を、現在時刻から1時間後(2コマ後)に発動可能なデマンドレスポンスにおける需要家設置システム300毎の需要家別ベースラインとする。
また、全体情報算出部192は、算出した需要家設置システム300毎のベースラインを電力システム1に含まれる全ての需要家設置システム300について合計して、電力システム1全体のベースライン(総ベースライン)を算出する。
図6は、ゲートクローズがデマンドレスポンス開始時刻の30分前(1コマ前)に設定される場合の例を示している。上位制御装置100は、例えばデマンドレスポンスの開始2コマ前に、総ベースラインを算出し、外部機関制御装置910へ送信する。
ただし、上位制御装置100が総ベースラインを算出する方法は、上記の方法に限定されない。例えば、上位制御装置100が、公知のベースライン算出方法を用いて総ベースラインを算出するようにしてもよい。そして、上位制御装置100が、総ベースラインを需要家設置システム300の各々に割り当てて、需要家別ベースラインを算出するようにしてもよい。この場合、総ベースラインを需要家設置システム300の各々に割り当てる基準として、各需要家の契約アンペア数、または、充放電可能機器311の定格容量など、いろいろな基準を用いることができる。
図7は、電力システム1がベースラインを算出する処理手順の例を示す図である。下位制御装置200および上位制御装置100は、例えばコマ(i-3)などゲートクローズよりも前に、図7の処理を行う。
図7の処理で、スマートメータ930は、例えば1分毎など繰り返し、連系点における需要家設置システム300の需要電力を計測して下位制御装置200へ送信する(シーケンスS111)。
下位制御装置200では、電力需要情報取得部291が、需要家設置システム300の需要電力を積算して、1コマ分の需要家別需要電力量(例えば、30分積算値)を算出する(シーケンスS112)。電力需要情報取得部291は、コマ毎に需要電力量を算出する。
第二通信部210は、コマが終わる毎に、電力需要情報取得部291が算出した1コマ分の需要電力量を上位制御装置100へ送信する(シーケンスS121)。
なおスマートメータが継続的に積算電力量の値のみ出力する場合には、該当コマ開始時刻(例えば11時30分)の積算電力量(例えば10235[kWh])を、該当コマ終了時刻(例えば12時00分)積算電力量(例えば10500[kWh])から差し引くことで、該当コマの需要家別需要電力量(例えば265[kWh])が算出できる。
上位制御装置100では、需要家別ベースライン算出部193が、需要家別ベースラインを算出する(シーケンスS131)。例えば需要家別情報取得部191は、図6を参照して説明したように、需要家別ベースラインとして需要家別需要電力量の1コマ当たりの平均値を需要家設置システム300毎に算出する。
次に、上位制御装置100の全体情報算出部192が総ベースラインを算出し、得られた総ベースラインを第一通信部110が外部機関制御装置910へ送信する(シーケンスS132)。例えば、全体情報算出部192は、電力システム1に含まれる全ての需要家設置システム300についての需要家別ベースラインの合計を、総ベースラインとして算出する。
シーケンスS132の後、電力システム1は、図7の処理を終了する。
次に、図8を参照して、デマンドレスポンス可能量の算出について説明する。
図8は、電力システム1がデマンドレスポンス可能量を算出する処理手順の例を示す図である。電力システム1は、ゲートクローズよりも前に、図7の処理と共に図8の処理も行う。
図8の処理で、充放電可能機器311は、例えば1分毎など繰り返し、充放電可能機器311自らの蓄電電力量などの状態情報と、充放電可能機器311自らの充放電電力の計測値(または、充放電電力量の計測値でもよい)とを下位制御装置200へ送信する(シーケンスS211)。
下位制御装置200では、充放電情報取得部292が、充放電可能機器311からの情報に基づいて、蓄電電力量および空き容量情報を取得し、また、充電電力および放電電力を積算する(シーケンスS212)。充放電電力量の計測値が送られる場合には、充放電情報取得部292が、計測された充電電力量及び放電電力量を取得する。
なお、充放電可能機器311の蓄電電力量および空き容量が、サービス毎に割り当てられていてもよい。この場合、充放電情報取得部292が、充放電可能機器311の蓄電電力量および空き容量から、需要家別デマンドレスポンス以外の用途への割り当て分の蓄電電力量および空き容量を減算した、需要家別デマンドレスポンスに利用可能な蓄電電力量および空き容量を算出するようにしてもよい。
充放電情報取得部292が、充放電可能機器311の蓄電電力量から、BCP(Business Continuity Plan)など需要家別デマンドレスポンス以外の用途への割り当て分の電力量を減算した、需要家別デマンドレスポンスに利用可能な蓄電電力量を算出するようにしてもよい。
充放電情報取得部292は、コマが終わる毎に、その時点での蓄電電力量および空き容量の情報を取得する。なお、充放電情報取得部292が、蓄電電力量および空き容量の情報を、より高頻度な情報にて取得するようにしてもよい。
また、充放電情報取得部292は、充放電可能機器311の充放電電力のうち充電電力を積算して、1コマ分の充電電力量を算出する。充放電情報取得部292は、充放電可能機器311の充放電電力のうち放電電力を積算して、1コマ分の放電電力量を算出する。充放電電力量の計測値が送られる場合には、充放電情報取得部292は、計測された1コマ分の充電電力量及び放電電力量を用いて算出値とする。
第二通信部210は、コマが終わる毎に、充放電可能機器311の蓄電電力量、空き容量、1コマ分の充電電力量、および1コマ分の放電電力量の各情報を上位制御装置100へ送信する(シーケンスS221)。
上位制御装置100では、需要家別情報取得部191が、需要家設置システム300毎に、1コマ当たりの充電電力量平均値および1コマ当たりの放電電力量平均値を算出する(シーケンスS231)。需要家別情報取得部191は、下位制御装置200から取得したコマ毎の充電電力量および放電電力量に基づいて、例えば現在時刻から3時間前までの直近6コマなど、直近の所定コマにおける充電電力量平均値および放電電力量平均値を算出する。
そして、需要家別情報取得部191は、需要家設置システム300毎に、現在時刻からデマンドレスポンス開始時刻までの充電電力量予測値および放電電力量予測値を算出する(シーケンスS232)。例えば、現在時刻からデマンドレスポンス開始時刻までのコマ数が2コマである場合、需要家別情報取得部191が、1コマ当たりの充電電力量平均値を2倍した値を充電電力量予測値として算出するようにしてもよい。同様に、需要家別情報取得部191が、1コマ当たりの放電電力量平均値を2倍した値を放電電力量予測値として算出するようにしてもよい。
次に、需要家別情報取得部191は、デマンドレスポンス開始時刻における充放電可能機器311の充電可能量および放電可能量を、需要家設置システム300毎に算出する。
上述したように、充放電可能機器311の充電可能量および放電可能量は、充放電可能機器311の蓄電電力量に依存する。充放電可能機器311が充電可能な電力量は、定格容量から蓄電電力量を減算した空き容量以下に制約される。また、充放電可能機器311が放電可能な電力量は、蓄電量以下に制約される。
充放電可能機器311の蓄電電力量に依存する充電可能量を、蓄電量に基づく充電可能量、または、充電可能量(蓄電量)とも称する。充放電可能機器311の蓄電電力量に依存する放電可能量を、蓄電量に基づく放電可能量、または、放電可能量(蓄電量)とも称する。
また、上述したように、充放電可能機器311の充電可能量および放電可能量は、充放電可能機器311の定格充電電力および定格放電電力にも依存する。充放電可能機器311が1コマで充電可能な電力量[Wh]は、充放電可能機器311の定格充電電力[W]にコマ長[h]を乗算した電力量以下に制約される。また、充放電可能機器311が1コマで放電可能な電力量[Wh]は、充放電可能機器311の定格放電電力[W]にコマ長[h]を乗算した電力量以下に制約される。
充放電可能機器311の定格充電電力に依存する充電可能量を、定格に基づく充電可能量、または、充電可能量(定格)とも称する。充放電可能機器311の定格放電電力に依存する放電可能量を、定格に基づく放電可能量、または、放電可能量(定格)とも称する。
また、蓄電量に基づく充電可能量、および、定格に基づく充電可能量の両方を考慮した充電可能量を、総合的な充電可能量、または、充電可能量(総合)とも称する。蓄電量に基づく放電可能量、および、定格に基づく放電可能量の両方を考慮した放電可能量を、総合的な放電可能量、または、放電可能量(総合)とも称する。
図8の例では、需要家別情報取得部191は、需要家設置システム300毎に、充放電可能機器311の蓄電量に基づく充電可能量および蓄電量に基づく放電可能量を推定する(シーケンスS233)。また、需要家別情報取得部191は、需要家設置システム300毎に、充放電可能機器311の定格に基づく充電可能量および定格に基づく放電可能量を推定する(シーケンスS234)。そして、需要家別情報取得部191は、需要家設置システム300毎に、充放電可能機器311の総合的な充電可能量および総合的な放電可能量を推定する(シーケンスS235)。
ただし、需要家別情報取得部191が、シーケンスS233の処理の前に、シーケンスS234の処理を行うようにしてもよい。
充電可能量(蓄電量)の推定(シーケンスS233)について、需要家別情報取得部191は、現在時刻における充放電可能機器311の充電可能量(蓄電量)から、現在時刻からデマンドレスポンス開始時刻までの充電電力量予測値を減算した残りの電力量を、デマンドレスポンス開始時刻における充電可能量(蓄電量)と推定する。
需要家別情報取得部191が、シーケンスS221で下位制御装置200が送信する空き容量を、現在時刻における充放電可能機器311の充電可能量(蓄電量)として用いて、デマンドレスポンス開始時刻における充電可能量(蓄電量)を推定するようにしてもよい。シーケンスS221で下位制御装置200が、需要家別デマンドレスポンスに利用可能な空き容量を送信する場合、需要家別情報取得部191が、デマンドレスポンス開始時刻における需要家別デマンドレスポンスに利用可能な空き容量を、充電可能量(蓄電量)として推定するようにしてもよい。
放電可能量(蓄電量)の推定(シーケンスS233)について、需要家別情報取得部191は、現在時刻における充放電可能機器311の放電可能量(蓄電量)から、現在時刻からデマンドレスポンス開始時刻までの放電電力量予測値を減算した残りの電力量を、デマンドレスポンス開始時刻における放電可能量(蓄電量)と推定する。
需要家別情報取得部191が、シーケンスS221で下位制御装置200が送信する蓄電電力量を、現在時刻における充放電可能機器311の放電可能量(蓄電量)として用いて、デマンドレスポンス開始時刻における放電可能量(蓄電量)を推定するようにしてもよい。シーケンスS221で下位制御装置200が、需要家別デマンドレスポンスに利用可能な蓄電電力量を送信する場合、需要家別情報取得部191が、デマンドレスポンス開始時刻における需要家別デマンドレスポンスに利用可能な蓄電電力量を、放電可能量(蓄電量)として推定するようにしてもよい。
このように、需要家別情報取得部191は、現在時刻からデマンドレスポンス開始時刻までの充電電力量予測値と放電電力量予測値とを分けて算出する。そして、需要家別情報取得部191は、充電可能量の推定には、充電電力量の推定値を使用し、放電可能量の推定には、放電電力量の推定値を使用する。これにより、充電可能量、および、放電可能量の何れも、充電と放電とを区別しない充放電電力量の推定値を用いる場合よりも小さい値に算出される。需要家別情報取得部191は、この点で、充電可能量および放電可能量を安全側に推定することができる。
定格に基づく放電可能量の推定(シーケンスS234)について、需要家別情報取得部191は、式(1)に基づいて、充放電可能機器311の定格に基づく放電可能量を推定する。
Figure 0007484034000001
定格に基づく充電可能量の推定(シーケンスS234)について、需要家別情報取得部191は、式(2)に基づいて、充放電可能機器311の定格に基づく充電可能量を推定する。
Figure 0007484034000002
総合的な放電可能量の推定(シーケンスS235)について、需要家別情報取得部191は、シーケンスS233で推定した蓄電量に基づく放電可能量推定値と、シーケンスS234で推定した定格に基づく放電可能量推定値(式1に基づく)とを比較する。そして、需要家別情報取得部191は、蓄電量に基づく放電可能量推定値および定格に基づく放電可能量推定値のうち、何れか小さい方をデマンドレスポンス開始時刻における総合的な放電可能量と推定する。
総合的な充電可能量の推定(シーケンスS235)について、需要家別情報取得部191は、シーケンスS233で推定した蓄電量に基づく充電可能量推定値と、シーケンスS234で推定した定格に基づく充電可能量推定値(式2に基づく)とを比較する。そして、需要家別情報取得部191は、蓄電量に基づく充電可能量推定値および定格に基づく充電可能量推定値のうち、何れか小さい方をデマンドレスポンス開始時刻における総合的な充電可能量と推定する。
次に、需要家別情報取得部191は、需要家設置システム300毎の下げデマンドレスポンス可能量(需要家別下げデマンドレスポンス可能量)および上げデマンドレスポンス可能量(需要家別上げデマンドレスポンス可能量)を取得する。
具体的には、需要家別情報取得部191は、需要家設置システム300毎に、デマンドレスポンス開始時刻における充放電可能機器311の総合的な放電可能量[Wh]と、コマ(i)における需要家別ベースライン[Wh]とを比較する。そして、需要家別情報取得部191は、総合的な放電可能量または需要家別ベースラインの何れか小さい方の値を、その需要家設置システム300のデマンドレスポンス実施時間(コマ(i))における下げデマンドレスポンス可能量[Wh](需要家別下げデマンドレスポンス可能量)として算出する。上述したように、需要家設置システム300が電力系統920に逆潮流できないという制約の下では、電力需要量の予測値である需要家別ベースライン以上には、電力需要量を低減させられないからである。
一方、充放電可能機器311が充電を行うことでは、需要家設置システム300から電力系統920への逆潮流は生じない。このため、需要家別情報取得部191は、デマンドレスポンス開始時刻における需要家設置システム300毎の総合的な充電可能量を、そのまま、その需要家設置システム300のデマンドレスポンス実施時間における上げデマンドレスポンス可能量(需要家別上げデマンドレスポンス可能量)として用いる。
次に、全体情報算出部192が、電力システム1全体の上げデマンドレスポンス可能量および下げデマンドレスポンス可能量を算出し、第一通信部110を介して外部機関制御装置910へ送信する(シーケンスS237)。
全体情報算出部192は、需要家設置システム300毎の上げデマンドレスポンス可能量を、電力システム1に含まれる全ての需要家設置システム300について合計した電力量を、コマ(i)における電力システム1全体での上げデマンドレスポンス可能量、即ち総上げデマンドレスポンス可能量として算出する。また、全体情報算出部192は、需要家設置システム300毎の下げデマンドレスポンス可能量を、電力システム1が備える全ての需要家設置システム300について合計した電力量を、コマ(i)における電力システム1全体での下げデマンドレスポンス可能量、即ち総下げデマンドレスポンス可能量として算出する。
シーケンスS237の後、電力システム1は、図8の処理を終了する。
図9は、電力システム1におけるベースライン、デマンドレスポンス可能量およびデマンドレスポンス指令の通知タイミングの例を示す図である。
図9の例でも、図8の場合と同様、デマンドレスポンス開始時刻の30分前が、ゲートクローズとなっている。上位制御装置100は、例えばデマンドレスポンス開始時刻の45分前までなど、ゲートクローズよりも前に、総ベースライン、総上げデマンドレスポンス可能量、および、総下げデマンドレスポンス可能量を外部機関制御装置910に通知する。
サービス提供対象者(またはサービス提供対象システム)は、上位制御装置100が通知するデマンドレスポンス可能量の範囲内でデマンドレスポンス要求量を決定する。サービス提供対象者(またはサービス提供対象システム)は、決定したデマンドレスポンス要求量を、ベースラインから増減する電力量として外部機関制御装置910へ入力する。外部機関制御装置910は、入力されたデマンドレスポンス要求量を含むデマンドレスポンス指令を、デマンドレスポンス開始時刻の1コマ前(図9の例におけるゲートクローズ時)までに上位制御装置100へ通知する。
下げデマンドレスポンスの場合、上位制御装置100は、外部機関制御装置910から、デマンドレスポンス開始時刻(デマンドレスポンス発動想定時刻)と、総ベースラインに対する総下げデマンドレスポンス要求量とを受信する。このとき、外部機関制御装置910は、総下げデマンドレスポンス要求量としてのデマンドレスポンス実施時間1コマ(0.5時間)分の電力量として、上位制御装置100が外部機関制御装置910へ通知する総下げデマンドレスポンス可能量以下の値を上位制御装置100へ送信する。
図10は、電力システム1が、外部機関制御装置910からの総デマンドレスポンス指令値に基づいて、需要家設置システム300毎の目標電力量を算出する処理手順の例を示す図である。
図10の処理で、外部機関制御装置910は、デマンドレスポンス指令を上位制御装置100へ送信する(シーケンスS311)。外部機関制御装置910は、総下げデマンドレスポンス要求量を含む下げデマンドレスポンス指令、または、総上げデマンドレスポンス要求量を含む上げデマンドレスポンス指令の何れか一方を送信する。
デマンドレスポンス指令を受信した上位制御装置100では、需要家別要求電力量算出部195が、需要家設置システム300の各々の、その時点で最新の状態情報に基づいて、各需要家設置システム300に対する需要家別要求電力量を決定する(シーケンスS321)。
外部機関制御装置910が要求するデマンドレスポンスが下げデマンドレスポンスである場合、需要家別要求電力量算出部195は、外部機関制御装置910からの総下げデマンドレスポンス要求量を需要家設置システム300の各々に割り当てる。これにより、需要家別要求電力量算出部195は、需要家設置システム300の各々に対して需要家別要求電力量(下げデマンドレスポンスの要求量)を決定する。
外部機関制御装置910が要求するデマンドレスポンスが上げデマンドレスポンスである場合、需要家別要求電力量算出部195は、外部機関制御装置910からの総上げデマンドレスポンス要求量を需要家設置システム300の各々に割り当てる。これにより、需要家別要求電力量算出部195は、需要家設置システム300の各々に対して需要家別要求電力量(上げデマンドレスポンスの要求量)を決定する。
次に、上位制御装置100の第一通信部110は、デマンドレスポンス開始時刻と、需要家別ベースラインと、需要家別ベースラインに対する需要家別要求電力量とを、各需要家設置システム300の下位制御装置200へ送信する(シーケンスS322)。
上位制御装置100が、需要家別ベースラインと需要家別ベースラインに対する需要家別要求電力量とを下位制御装置200に送信することで、下位制御装置200は、需要家別デマンドレスポンスにて目標とする需要家別需要電力量目標値を算出することができる。これにより、下位制御装置200は、デマンドレスポンス実施時間における需要家設置システム300の需要電力量が需要家別ベースラインから変動した場合でも、需要電力量目標値に基づいて電力需給を調整することで、要求される需要家別デマンドレスポンスをより高精度に行うことができる。
あるいは、上位制御装置100が、需要家設置システム300のベースラインを送信せず、デマンドレスポンス開始時刻と、需要家別要求電力量とを下位制御装置200へ送信するようにしてもよい。
外部機関制御装置910が要求するデマンドレスポンスが下げデマンドレスポンスである場合、上位制御装置100が、デマンドレスポンス開始時刻と、需要家別ベースラインと、式(3)で算出される充放電可能機器311の放電電力量設定値とを下位制御装置200へ送信するようにしてもよい(式(3)は、デマンドレスポンス直前の、デマンドレスポンス以外の用途での充放電可能機器311の動作状態が放電のケースを表している)。
Figure 0007484034000003
なお、上位制御装置100が下位制御装置200へ、放電電力平均値×コマ長の値、および、需要家別要求電力量(ここでは、需要家別ベースラインに対する下げデマンドレスポンス量)等の値を送信するようにしてもよい。そして、下位制御装置200が、上位制御装置100から受信した値を用いて、充放電可能機器311の放電電力量設定値を算出するようにしてもよい。
あるいは、下位制御装置200の記憶容量が十分大きい場合は、下位制御装置200が充放電可能機器311の放電電力の履歴データを記憶しておき、式(3)の「放電電力量平均値[W]×コマ長[h]」の値を算出し、その値を用いて、充放電可能機器311の放電電力量設定値を算出するようにしてもよい。
外部機関制御装置910が要求するデマンドレスポンスが上げデマンドレスポンスである場合、上位制御装置100が、デマンドレスポンス開始時刻と、需要家別ベースラインと、式(4)で算出される充放電可能機器311の充電電力量設定値とを下位制御装置200へ送信するようにしてもよい(式(4)は、デマンドレスポンス直前の、デマンドレスポンス以外の用途での充放電可能機器311の動作状態が充電のケースを表している)。
Figure 0007484034000004
この場合も、上位制御装置100が下位制御装置200へ、充電電力平均値×コマ長の値、および、需要家別要求電力量(ここでは、需要家別ベースラインに対する上げデマンドレスポンス量)等の値を送信するようにしてもよい。そして、下位制御装置200が、上位制御装置100から受信した値を用いて、充放電可能機器311の充電電力量設定値を算出するようにしてもよい。
あるいは、下位制御装置200の記憶容量が十分大きい場合は、下位制御装置200が充放電可能機器311の充電電力の履歴データを記憶しておき、式(4)の「充電電力量平均値[W]×コマ長[h]」の値を算出し、その値を用いて、充放電可能機器311の充電電力量設定値を算出するようにしてもよい。
上位制御装置100がシーケンスS322でデマンドレスポンス開始時刻、需要家別ベースライン、および需要家別要求電力量を送信した場合、下位制御装置200の需要家別目標値取得部294は、需要家別需要電力量目標値を算出する(シーケンスS331)。需要家別目標値取得部294は、需要家別要求電力量を需要家別ベースラインの電力量に反映させることで、需要家別需要電力量目標値を算出する。
シーケンスS331の後、電力システム1は、図10の処理を終了する。
需要家設置システム300の各々は、デマンドレスポンス開始時刻が到来すると、需要家別デマンドレスポンスを実施する。
デマンドレスポンス開始前に需要家設置システム300がエネルギーマネージメントサービスを実施している場合、デマンドレスポンス開始時刻までは、エネルギーマネージメントサービスの実施を継続する。このように、需要家設置システム300がデマンドレスポンス開始時刻までサービスの実施を継続するか否かを予め定めておくことで、上位制御装置100の需要家別情報取得部191は、デマンドレスポンス開始時刻における充放電可能機器311の蓄電容量および空き容量をより高精度に予測することができる。
デマンドレスポンス実施中(コマ(i))については、上位制御装置100が、エネルギーマネージメントサービスを停止する運用と、エネルギーマネージメントサービスの実施を継続する運用との何れも可能である。
需要家別デマンドレスポンスが下げデマンドレスポンスの場合、需要家設置システム300の充放電可能機器311は、下位制御装置200およびXEMS321の制御に従って、電力系統920へ逆潮流しない範囲で放電を行う。一方、需要家別デマンドレスポンスが上げデマンドレスポンスの場合、充放電可能機器311が充電を行うことで、電力系統920への逆潮流は生じない。
次に、総デマンドレスポンスの要求が下げデマンドレスポンスである場合、上げデマンドレスポンスである場合のそれぞれについて、個々の需要家設置システム300における充放電について説明する。
<下げデマンドレスポンスの場合の需要家設置システム300の状態>
下げデマンドレスポンスの場合、需要家別需要電力量目標値は、需要家別ベースラインよりも小さい値となる。これらの値と、デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値との関係は、
(ケース1d) デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値 ≦ 需要家別需要電力量目標値
(ケース2d) 需要家別需要電力量目標値 < デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値 ≦需要家別ベースライン
(ケース3d) 需要家別ベースライン < デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値
の3つのケースに分類可能である。
<下げデマンドレスポンスの実施手法1>
下げデマンドレスポンスの実施手法1では、需要家設置システム300毎に、上記の3つのケースの何れに該当するかに応じて以下のように需要家別需要電力量目標値を達成する。
(ケース1dの場合)
需要家設置システム300は、需要家別デマンドレスポンスとして上げデマンドレスポンスを実施する。
この場合、充放電制御部295は、充放電可能機器311を制御して需要家別需要電力量の目標値と予測値(デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値)との差の電力量を充電させることで、需要家別需要電力量の実際の値を目標値に合わせる。
図11は、デマンドレスポンスにおける需要家別需要電力量の増減目標の第一の例を示す図である。図11のグラフの横軸は時刻を示し、縦軸は電力量を示す。
図11では、ケース1dの場合の、デマンドレスポンス開始時刻の1時間前から1時間後までの各コマにおける、1つの需要家設置システム300の需要家別需要電力量の例が示されている。
図11は、デマンドレスポンス実施中の場合の例を示している。以下の説明で用いるコマ(i-2)および(i-1)は過去のコマ、コマ(i)は現在のコマ(現在時刻を含むコマ)、コマ(i+1)は未来のコマを意味する。
線L111は、コマ(i-2)からコマ(i+1)までの需要家別ベースラインを示す。
線L112は、コマ(i-2)および(i-1)の各々における、需要家別需要電力量の実績値を示す。
線L113は、需要家別デマンドレスポンスにおける需要家別需要電力量目標値を示す。需要家別需要電力量目標値は、需要家別デマンドレスポンスにおける要求量を需要家別ベースラインに反映させた値である。
線L114は、最新の需要家別需要電力量予測値を示す。線L114が示す最新の需要家別需要電力量予測値は、デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値に該当する。図11の例では、デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値が、需要家別需要電力量目標値以下になっている。
矢印B111は、デマンドレスポンスにおける要求量を示す。
矢印B112は、需要家別電力需要量の増減目標値を示す。
充放電可能機器311が矢印B112で示される電力量を充電することで、需要家別電力需要量を需要家別電力需要量目標値に合わせることができる。
(ケース2dの場合)
需要家設置システム300は、需要家別デマンドレスポンスとして下げデマンドレスポンスを実施する。
この場合、充放電制御部295は、充放電可能機器311を制御して需要家別需要電力量の目標値と予測値(デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値)との差の電力量を放電させることで、需要家別需要電力量の実際値を目標値に合わせる。
図12は、デマンドレスポンスにおける需要家別需要電力量の増減目標の第二の例を示す図である。図12のグラフの横軸は時刻を示し、縦軸は電力量を示す。
図12では、ケース2dの場合の、デマンドレスポンス開始時刻の1時間前から1時間後までの各コマにおける、1つの需要家設置システム300の需要電力量の例が示されている。
図12は、デマンドレスポンス実施中の場合の例を示している。コマ(i-2)および(i-1)は過去のコマ、コマ(i)は現在のコマ(現在時刻を含むコマ)、コマ(i+1)は未来のコマである。
図12の線L111からL113、および矢印B111は、図11の場合と同様である。また、線L124が示す最新の需要電力量予測値が、デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値に該当する点も、図11の場合と同様である。
図12では、デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値(線L124)が、需要家別需要電力量目標値(線L113)よりも大きく、需要家別ベースライン(線L111)以下である点で、図11の場合と異なる。これに伴い、矢印B122が示す需要家別電力需要量の増減目標値は、電力量の減少となっている。
充放電可能機器311が矢印B122で示される電力量を放電することで、需要家別電力需要量を需要家別電力需要量目標値に合わせることができる。
(ケース3dの場合)
需要家設置システム300は、需要家別デマンドレスポンスとして下げデマンドレスポンスを実施する。
ケース2dの場合と同様、充放電制御部295は、充放電可能機器311を制御して需要家別需要電力量の目標値と予測値(デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値)との差の電力量を放電させることで、需要家別需要電力量の実際値を目標値に合わせる。
図13は、デマンドレスポンスにおける需要家別需要電力量の増減目標の第三の例を示す図である。図13のグラフの横軸は時刻を示し、縦軸は電力量を示す。
図13では、ケース3dの場合の、デマンドレスポンス開始時刻の1時間前から1時間後までの各コマにおける、1つの需要家設置システム300の需要家別需要電力量の例が示されている。
図13は、デマンドレスポンス実施中の場合の例を示している。コマ(i-2)および(i-1)は過去のコマ、コマ(i)は現在のコマ(現在時刻を含むコマ)、コマ(i+1)は未来のコマである。
図13の線L111からL113、および矢印B111は、図11の場合と同様である。また、線L134が示す最新の需要家別需要電力量予測値が、デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値に該当する点も、図11の場合と同様である。
図13では、デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値(線L134)が、ベースライン(線L111)よりも大きい点で、図11の場合と異なる。これに伴い、矢印B132が示す需要家別電力需要量の増減目標値は、電力量の減少となっている。
充放電可能機器311が矢印B132で示される電力量を放電することで、需要家別電力需要量を需要家別電力需要量目標値に合わせることができる。
ただし、充放電可能機器311が下げデマンドレスポンスのために放電可能な電力量は、上述した総合的な放電可能量[Wh]以下の電力量に制限される。総合的な放電可能量は、蓄電量に基づく放電可能量または定格に基づく放電可能量のうち何れか小さい方の電力量である。
総合的な放電可能量が、下げデマンドレスポンスに必要な放電電力量に対して不足する場合、不足分の電力量は、デマンドレスポンスの要求量に対する実施量の誤差となる。
下げデマンドレスポンスを行うケース2dとケース3dとでは、一般的には、デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値が需要家別ベースラインよりも大きいケース3dのほうが、下げデマンドレスポンスに必要な放電電力量が大きいと考えられる。このことからすると、ケース3dに該当する需要家設置システム300で、総合的な放電可能量が、下げデマンドレスポンスに必要な放電電力量に対して不足する可能性が比較的高い。
<下げデマンドレスポンスの実施手法2>
下げデマンドレスポンスの実施手法2では、需要家設置システム300毎に、上記の3つのケースの何れに該当するかに応じて以下のように充放電可能機器311の充放電を行うことで、電力システム1の需要家設置システム300全体として需要電力量目標値を達成する。
(ケース1dの場合)
需要家設置システム300は、需要家別デマンドレスポンスを実施しない。
図14は、デマンドレスポンスにおける需要家別需要電力量の増減目標の第四の例を示す図である。図14のグラフの横軸は時刻を示し、縦軸は電力量を示す。
図14では、ケース1dの場合の、デマンドレスポンス開始時刻の1時間前から1時間後までの各コマにおける、1つの需要家設置システム300の需要家別需要電力量の例が示されている。
図14は、デマンドレスポンス実施中の場合の例を示している。コマ(i-2)および(i-1)は過去のコマ、コマ(i)は現在のコマ(現在時刻を含むコマ)、コマ(i+1)は未来のコマである。
図14の線L111、L112、L114および矢印B111は、図11の場合と同様である。
図14では、需要家別需要電力量目標値が再設定されている点で、図11の場合と異なる。需要家別需要電力量目標値は、線L143で示される電力量から、線L114で示される電力量(最新のデマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値)に再設定されている。
図14の例では、再設定後の需要家別需要電力量目標値が、最新のデマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値に設定されているため、需要家別要求電力量は0になっている。
このため、充放電可能機器311は、需要家別デマンドレスポンスにおける需要家別需要電力量を需要電力量目標値に合わせるための充電は行わない。
上述した実施手法1におけるケース1dの需要家設置システム300のように、充放電可能機器311が上げデマンドレスポンスのための充電を行う場合、充電時の交流/直流変換、充電した電力の放電時の直流/交流変換のそれぞれで損失が生じる。これに対して、実施手法2におけるケース1dの場合、需要家設置システム300の充放電可能機器311は、上げデマンドレスポンスのための充電、および、充電した電力量の放電を行う必要がない。この点で、需要家設置システム300は電力の損失を回避することができる。
(ケース2dの場合)
下げデマンドレスポンスを実施する。この場合、充放電制御部295は、上述した実施手法1におけるケース2dの場合と同様、充放電可能機器311を制御して需要家別需要電力量の目標値と予測値(デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値)との差の電力量を放電させることで、需要家別需要電力量の実際値を目標値に合わせる。
(ケース3dの場合)
上位制御装置100が需要家別需要電力目標値を再設定したうえで、需要家設置システム300が需要家別デマンドレスポンスとして下げデマンドレスポンスを実施する。
実施手法2では、ケース1dに該当する需要家設置システム300の充放電可能機器311が充電を行わない分だけ、電力システム1の需要家設置システム300全体の需要電力量が減少する。上位制御装置100は、需要電力量の減少分をケース3dに該当する需要家設置システム300の需要家別需要電力量目標値に割り当てることで、ケース3dに該当する需要家設置システム300の需要家別需要電力量目標値を、より大きい値(すなわち、下げデマンドレスポンス量を少なくすることができる)に再設定する。
図15は、デマンドレスポンスにおける需要家別需要電力量の増減目標の第五の例を示す図である。図15のグラフの横軸は時刻を示し、縦軸は電力量を示す。
図15では、ケース3dの場合の、デマンドレスポンス開始時刻の1時間前から1時間後までの各コマにおける、1つの需要家設置システム300の需要家別需要電力量の例が示されている。
図15は、デマンドレスポンス実施中の場合の例を示している。コマ(i-2)および(i-1)は過去のコマ、コマ(i)は現在のコマ(現在時刻を含むコマ)、コマ(i+1)は未来のコマである。
図15の線L111、L112、L114および矢印B111は、図13の場合と同様である。
図15では、需要家別需要電力量目標値が再設定されている点で、図13の場合と異なる。需要家別需要電力量目標値は、線L153で示される電力量から、線L155で示される電力量に再設定されている。線L155で示される再設定後の需要家別需要電力量目標値は、ケース1dに該当する需要家設置システム300が、デマンドレスポンスにおける需要家別需要電力量を需要家別需要電力量目標値に合わせるための充電を行わないことに応じて、線L153で示される再設定前の需要家別需要電力量目標値よりも大きい値になっている。これにより、矢印B152で示される電力需要量の増減目標値は、図13の矢印B132で示される需要家別需要電力量目標値再設定前の電力需要量の増減目標値よりも、電力量の減少幅が小さくなっている。
ケース3dに該当する需要家設置システム300が、再設定された目標値に基づいて下げデマンドレスポンスを行うことで、充放電可能機器311が放電すべき電力量が再設定前よりも小さくなる。これにより、総合的な放電可能量が、下げデマンドレスポンスに必要な放電電力量に対して不足する可能性が低くなる。実施手法2によれば、この点で、デマンドレスポンスの要求量に対する実施量の誤差を小さくすることができる。
なお、ここでは、ケース1dに該当する需要家設置システム300、ケース3dに該当する需要家設置システム300の何れも1つである場合を例に説明したが、ケース1dに該当する需要家設置システム300、および、ケース3dに該当する需要家設置システム300のうち少なくとも何れかが複数個ある場合も、同様の手法を適用可能である。この場合も、ケース1dに該当する需要家設置システム300の充電を停止させ、電力システム1全体の需要電力量(総需要電力量)が減少した分に応じて、ケース3dに該当する需要家設置システム300のデマンドレスポンス目標値(需要家別要求電力量)を再設定することで、上述した効果を得られる。
このとき、上位制御装置100の需要家別要求電力量算出部195は、総需要電力量の減少分を、ケース3dに該当する需要家設置システム300の各々がデマンドレスポンスで放電可能な電力量の範囲内で割り振る。すなわち、需要家別要求電力量算出部195は、ケース3dに該当する需要家設置システム300がケース1dの状況にならないように、ケース3dに該当する需要家設置システム300の需要家別要求電力量を更新する。
需要家別要求電力量算出部195が、総需要電力量の減少分を、ケース3dに該当する需要家設置システム300のうち、どの需要家設置システム300に、どれだけ割り当てるかを決定する方法として、いろいろな方法を用いることができる。
例えば、需要家別要求電力量算出部195が、ケース3dに該当する需要家設置システム300のうち、充放電可能機器311がデマンドレスポンスのために放電可能な電力量が小さい需要家設置システム300から順に、総需要電力量の減少分を割り振るようにしてもよい。これにより、ケース3dに該当する需要家設置システム300が需要家別デマンドレスポンスを実施できなくなるリスクを低減させることができる。
あるいは、需要家別要求電力量算出部195が、総需要電力量の減少分を、ケース3dに該当する全ての需要家設置システム300に均等に割り振るようにしてもよい。この場合、需要家別要求電力量算出部195が行う計算が比較的簡単である点で、需要家別要求電力量算出部195の負荷が軽くて済み、かつ、ケース3dに該当する需要家設置システム300がデマンドレスポンスを実施できなくなるリスクを低減させることができる。
また、ケース1dに該当する需要家設置システム300の個数がケース3dに該当する需要家設置システム300の個数に対して多い場合など、ケース3dに該当する需要家設置システム300だけでは総需要電力量の減少分を吸収しきれな場合は、需要家別要求電力量算出部195が、総需要電力量の減少分をケース2dに該当する需要家設置システム300にも割り振るようにしてもよい。これにより、ケース2dに該当する需要家設置システムのデマンドレスポンス量も低減させることができる。
<上げデマンドレスポンスの場合の需要家設置システム300の状態>
上げデマンドレスポンスの場合、需要家別需要電力量目標値は、需要家別ベースラインよりも大きい値となる。これらの値と、デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値との関係は、
(ケース1u) デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値 ≧ 需要家別需要電力量目標値
(ケース2u) 需要家別需要電力量目標値 > デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値 ≧需要家別ベースライン
(ケース3u) 需要家別ベースライン > デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値
の3つのケースに分類可能である。
<上げデマンドレスポンスの実施手法1>
上げデマンドレスポンスの実施手法1では、需要家設置システム300毎に、上記の3つのケースの何れに該当するかに応じて以下のように需要家別需要電力量目標値を達成する。
(ケース1uの場合)
需要家設置システム300は、需要家別デマンドレスポンスとして下げデマンドレスポンスを実施する。
この場合、充放電制御部295は、充放電可能機器311を制御して需要家別需要電力量の目標値と予測値(デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値)との差の電力量を放電させることで、需要家別需要電力量の実際の値を目標値に合わせる。
図16は、デマンドレスポンスにおける需要家別需要電力量の増減目標の第六の例を示す図である。図16のグラフの横軸は時刻を示し、縦軸は電力量を示す。
図16では、ケース1uの場合の、デマンドレスポンス開始時刻の1時間前から1時間後までの各コマにおける、1つの需要家設置システム300の需要電力量の例が示されている。
図16は、デマンドレスポンス実施中の場合の例を示している。ここでも、コマ(i-2)および(i-1)は過去のコマ、コマ(i)は現在のコマ(現在時刻を含むコマ)、コマ(i+1)は未来のコマを意味する。
線L211は、コマ(i-2)からコマ(i+1)までの需要家別ベースラインを示す。
線L212は、コマ(i-2)および(i-1)の各々における、需要家別需要電力量の実績値を示す。
線L213は、デマンドレスポンスにおける需要家別電力量目標値を示す。
線L214は、最新の需要家別需要電力量予測値を示す。線L214が示す最新の需要家別需要電力量予測値は、デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値に該当する。図16の例では、デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値が、需要家別需要電力量目標値以上になっている。
矢印B211は、デマンドレスポンスにおける要求量を示す。
矢印B212は、需要家別電力需要量の増減目標値を示す。
充放電可能機器311が矢印B212で示される電力量を放電することで、需要家別電力需要量を需要家別電力需要量目標値に合わせることができる。
(ケース2uの場合)
需要家設置システム300は、需要家別デマンドレスポンスとして上げデマンドレスポンスを実施する。
この場合、充放電制御部295は、充放電可能機器311を制御して需要家別需要電力量の目標値と予測値(デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値)との差の電力量を充電させることで、需要家別需要電力量の実際値を目標値に合わせる。
図17は、デマンドレスポンスにおける需要家別需要電力量の増減目標の第七の例を示す図である。図17のグラフの横軸は時刻を示し、縦軸は電力量を示す。
図17では、ケース2uの場合の、デマンドレスポンス開始時刻の1時間前から1時間後までの各コマにおける、1つの需要家設置システム300の需要家別需要電力量の例が示されている。
図17は、デマンドレスポンス実施中の場合の例を示している。コマ(i-2)および(i-1)は過去のコマ、コマ(i)は現在のコマ(現在時刻を含むコマ)、コマ(i+1)は未来のコマである。
図17の線L211からL213、および矢印B211は、図16の場合と同様である。また、線L224が示す最新のデマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値が、デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値に該当する点も、図16の場合と同様である。
図17では、デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値(線L224)が、需要家別需要電力量目標値(線L213)よりも小さく、需要家別ベースライン(線L211)以上である点で、図16の場合と異なる。これに伴い、矢印B222が示す需要家別電力需要量の増減目標値は、電力量の増加となっている。
充放電可能機器311が矢印B122で示される電力量を充電することで、需要家別電力需要量を需要家別電力需要量目標値に合わせることができる。
(ケース3uの場合)
需要家設置システム300は、需要家別デマンドレスポンスとして上げデマンドレスポンスを実施する。
ケース2dの場合と同様、充放電制御部295は、充放電可能機器311を制御して需要家別需要電力量の目標値と予測値(デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値)との差の電力量を充電させることで、需要家別需要電力量の実際値を目標値に合わせる。
図18は、デマンドレスポンスにおける需要家別需要電力量の増減目標の第八の例を示す図である。図18のグラフの横軸は時刻を示し、縦軸は電力量を示す。
図18では、ケース3uの場合の、デマンドレスポンス開始時刻の1時間前から1時間後までの各コマにおける、1つの需要家設置システム300の需要家別需要電力量の例が示されている。
図18は、デマンドレスポンス実施中の場合の例を示している。コマ(i-2)および(i-1)は過去のコマ、コマ(i)は現在のコマ(現在時刻を含むコマ)、コマ(i+1)は未来のコマである。
図18の線L211からL213、および矢印B211は、図16の場合と同様である。また、線L234が示す最新のデマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値が、デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値に該当する点も、図16の場合と同様である。
図18では、デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値(線L234)が、需要家別ベースライン(線L211)よりも小さい点で、図16の場合と異なる。これに伴い、矢印B232が示す需要家別電力需要量の増減目標値は、電力量の増加となっている。
充放電可能機器311が矢印B232で示される電力量を充電することで、需要家別電力需要量を需要家別電力需要量目標値に合わせることができる。
ただし、充放電可能機器311が上げデマンドレスポンスのために充電可能な電力量は、上述した総合的な充電可能量[Wh]以下の電力量に制限される。総合的な充電可能量は、蓄電量に基づく充電可能量または定格に基づく充電可能量のうち何れか小さい方の電力量である。
総合的な充電可能量が、上げデマンドレスポンスに必要な充電電力量に対して不足する場合、不足分の電力量は、デマンドレスポンスの要求量に対する実施量の誤差となる。
上げデマンドレスポンスを行うケース2uとケース3uとでは、一般的には、デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値が需要家別ベースラインよりも小さいケース3uのほうが、上げデマンドレスポンスに必要な充電電力量が大きいと考えられる。このことからすると、ケース3uに該当する需要家設置システム300で、総合的な充電可能量が、上げデマンドレスポンスに必要な充電電力量に対して不足する可能性が比較的高い。
<上げデマンドレスポンスの実施手法2>
上げデマンドレスポンスの実施手法2では、需要家設置システム300毎に、上記の3つのケースの何れに該当するかに応じて以下のように充放電可能機器311の充放電を行うことで、電力システム1の需要家設置システム300全体として需要電力量目標値を達成する。
(ケース1uの場合)
需要家設置システム300は、需要家別デマンドレスポンスを実施しない。
図19は、デマンドレスポンスにおける需要家別需要電力量の増減目標の第九の例を示す図である。図19のグラフの横軸は時刻を示し、縦軸は電力量を示す。
図19では、ケース1uの場合の、デマンドレスポンス開始時刻の1時間前から1時間後までの各コマにおける、1つの需要家設置システム300の需要家別需要電力量の例が示されている。
図19は、デマンドレスポンス実施中の場合の例を示している。コマ(i-2)および(i-1)は過去のコマ、コマ(i)は現在のコマ(現在時刻を含むコマ)、コマ(i+1)は未来のコマである。
図19の線L211、L212、L214および矢印B211は、図16の場合と同様である。
図19では、需要家別需要電力量目標値が再設定されている点で、図16の場合と異なる。需要家別需要電力量目標値は、線L243で示される電力量から、線L214で示される電力量(最新のデマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値)に再設定されている。
図19の例では、再設定後の需要家別需要電力量目標値が、最新のデマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値に設定されているため、需要家別要求電力量は0になっている。
このため、充放電可能機器311は、デマンドレスポンスにおける需要家別需要電力量を需要家別需要電力量目標値に合わせるための放電は行わない。
上述した実施手法1におけるケース1uの需要家設置システム300のように、充放電可能機器311が下げデマンドレスポンスのための放電を行う場合、放電時の直流/交流変換、放電した電力の充電時の交流/直流変換のそれぞれで損失が生じる。これに対して、実施手法2におけるケース1uの場合、需要家設置システム300の充放電可能機器311は、下げデマンドレスポンスのための放電、および、放電した電力量の充電を行う必要がない。この点で、需要家設置システム300は電力の損失を回避することができる。
(ケース2uの場合)
需要家設置システム300は、需要家別デマンドレスポンスとして上げデマンドレスポンスを実施する。この場合、充放電制御部295は、上述した実施手法1におけるケース2uの場合と同様、充放電可能機器311を制御して需要家別需要電力量の目標値と予測値(デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値)との差の電力量を充電させることで、需要家別需要電力量の実際値を目標値に合わせる。
(ケース3uの場合)
上位制御装置100が需要電力目標値を再設定したうえで、需要家設置システム300が需要家別デマンドレスポンスとして上げデマンドレスポンスを実施する。
実施手法2では、ケース1uに該当する需要家設置システム300の充放電可能機器311が放電を行わない分だけ、電力システム1の需要家設置システム300全体の需要電力量が増加する。上位制御装置100は、需要電力量の増加分をケース3uに該当する需要家設置システム300の需要家別需要電力量目標値に割り当てることで、ケース3uに該当する需要家設置システム300の需要家別需要電力量目標値を、より小さい値(すなわち、上げデマンドレスポンス量を少なくすることができる)に再設定する。
図20は、デマンドレスポンスにおける需要家別需要電力量の増減目標の第十の例を示す図である。図20のグラフの横軸は時刻を示し、縦軸は電力量を示す。
図20では、ケース3uの場合の、デマンドレスポンス開始時刻の1時間前から1時間後までの各コマにおける、1つの需要家設置システム300の需要家別需要電力量の例が示されている。
図20は、デマンドレスポンス実施中の場合の例を示している。コマ(i-2)および(i-1)は過去のコマ、コマ(i)は現在のコマ(現在時刻を含むコマ)、コマ(i+1)は未来のコマである。
図20の線L211、L212、L214および矢印B211は、図18の場合と同様である。
図20では、需要家別需要電力量目標値が再設定されている点で、図18の場合と異なる。需要家別需要電力量目標値は、線L253で示される電力量から、線L255で示される電力量に再設定されている。線L255で示される再設定後の需要家別需要電力量目標値は、ケース1uに該当する需要家設置システム300が、デマンドレスポンスにおける需要家別需要電力量を需要家別需要電力量目標値に合わせるための放電を行わないことに応じて、線L253で示される再設定前の需要家別需要電力量目標値よりも小さい値になっている。これにより、矢印B252で示される電力需要量の増減目標値は、図18の矢印B232で示される需要家別需要電力量目標値再設定前の増減目標値よりも、電力量の増加幅が小さくなっている。
ケース3uに該当する需要家設置システム300が、再設定された目標値に基づいて上げデマンドレスポンスを行うことで、充放電可能機器311が充電すべき電力量が再設定前よりも小さくなる。これにより、総合的な充電可能量が、上げデマンドレスポンスに必要な充電電力量に対して不足する可能性が低くなる。実施手法2によれば、この点で、デマンドレスポンスの要求量に対する実施量の誤差を小さくすることができる。
なお、ここでは、ケース1uに該当する需要家設置システム300、ケース3uに該当する需要家設置システム300の何れも1つである場合を例に説明したが、ケース1uに該当する需要家設置システム300、および、ケース3uに該当する需要家設置システム300のうち少なくとも何れかが複数個ある場合も、同様の手法を適用可能である。この場合も、ケース1uに該当する需要家設置システム300の放電を停止させ、電力システム1全体の需要電力量(総需要電力量)が増加した分に応じて、ケース3uに該当する需要家設置システム300のデマンドレスポンス目標値(需要家別要求電力量)を再設定することで、上述した効果を得られる。
このとき、上位制御装置100の需要家別要求電力量算出部195は、総需要電力量の増加分を、ケース3uに該当する需要家設置システム300の各々がデマンドレスポンスで充電可能な電力量の範囲内で割り振る。すなわち、需要家別要求電力量算出部195は、ケース3uに該当する需要家設置システム300がケース1uの状況にならないように、ケース3uに該当する需要家設置システム300の需要家別要求電力量を更新する。
需要家別要求電力量算出部195が、総需要電力量の増加分を、ケース3uに該当する需要家設置システム300のうち、どの需要家設置システム300に、どれだけ割り当てるかを決定する方法として、いろいろな方法を用いることができる。
例えば、需要家別要求電力量算出部195が、ケース3uに該当する需要家設置システム300のうち、充放電可能機器311がデマンドレスポンスのために充電可能な電力量が小さい需要家設置システム300から順に、総需要電力量の増加分を割り振るようにしてもよい。これにより、ケース3uに該当する需要家設置システム300が需要家別デマンドレスポンスを実施できなくなるリスクを低減させることができる。
あるいは、需要家別要求電力量算出部195が、総需要電力量の増加分を、ケース3uに該当する全ての需要家設置システム300に均等に割り振るようにしてもよい。この場合、需要家別要求電力量算出部195が行う計算が比較的簡単である点で、需要家別要求電力量算出部195の負荷が軽くて済み、かつ、ケース3uに該当する需要家設置システム300がデマンドレスポンスを実施できなくなるリスクを低減させることができる。
また、ケース1uに該当する需要家設置システム300の個数がケース3uに該当する需要家設置システム300の個数に対して多い場合など、ケース3uに該当する需要家設置システム300だけでは総需要電力量の増加分を吸収しきれな場合は、需要家別要求電力量算出部195が、総需要電力量の増加分をケース2uに該当する需要家設置システム300にも割り振るようにしてもよい。これにより、ケース2uに該当する需要家設置システムのデマンドレスポンス量も低減させることができる。
図21は、電力システム1が個々の充放電可能機器311の充放電電力目標値を再設定する処理手順の例を示す図である。電力システム1は、例えばデマンドレスポンス実施時などゲートクローズ後に図21の処理を行う。
図21のシーケンスS411からS421は、図7のシーケンスS111からS121と同様である。
シーケンスS421の後、上位制御装置100では、需要家別情報取得部191が、需要家別需要電力量予測値(デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値)を算出する(シーケンスS431)。需要家別情報取得部191は、例えば、図7のシーケンスS131で需要家別ベースラインを算出する方法と同様の方法で、デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値を算出する。ベースラインの値を変更することはできないので、電力システム1は、シーケンスS431で算出するデマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値を、需要家別ベースラインとは別の値として扱う。
次に、需要家別要求電力量算出部195は、デマンドレスポンスのための充放電を中止させる対象の需要家設置システム300を決定する(シーケンスS432)。総デマンドレスポンスが下げデマンドレスポンスの場合、需要家別要求電力量算出部195は、上述したケース1dに該当する需要家設置システム300を、需要家別デマンドレスポンスのための充電を中止させる対象の需要家設置システム300に決定する。総デマンドレスポンスが上げデマンドレスポンスの場合、需要家別要求電力量算出部195は、上述したケース1uに該当する需要家設置システム300を、需要家別デマンドレスポンスのための放電を中止させる対象の需要家設置システム300に決定する。
また、需要家別要求電力量算出部195は、充放電中止分の需要電力量の合計値を算出する(シーケンスS433)。総デマンドレスポンスが下げデマンドレスポンスの場合、需要家別要求電力量算出部195は、需要家別デマンドレスポンスのための充電中止による需要電力量の減少分の合計値を算出する。総デマンドレスポンスが上げデマンドレスポンスの場合、需要家別要求電力量算出部195は、需要家別デマンドレスポンスのための放電中止による需要電力量の増加分の合計値を算出する。
次に、需要家別要求電力量算出部195は、充放電中止分の需要電力量の合計値を、需要家設置システム300に割り当てて、需要家別要求電力量を再計算する(シーケンスS434)。
総デマンドレスポンスが下げデマンドレスポンスの場合、需要家別要求電力量算出部195は、需要家別デマンドレスポンスのための充電中止による需要電力量の減少分の合計値(総需要家電力量の減少分)を、上述したケース3dに該当する需要家設置システム300に割り当てて、需要家別要求電力量を再計算する。ケース3dに該当する需要家設置システム300だけでは総需要電力量の減少分を割り当てきれない場合は、需要家別要求電力量算出部195が、ケース2dに該当する需要家設置システム300にも総需要電力量の減少分を割り当てるようにしてもよい。
総デマンドレスポンスが上げデマンドレスポンスの場合、需要家別要求電力量算出部195は、需要家別デマンドレスポンスのための放電中止による需要電力量の増加分の合計値(総需要家電力量の増加分)を、上述したケース3uに該当する需要家設置システム300に割り当てて、需要家別要求電力量を再計算する。ケース3uに該当する需要家設置システム300だけでは総需要電力量の増加分を割り当てきれない場合は、需要家別要求電力量算出部195が、ケース2uに該当する需要家設置システム300にも総需要電力量の増加分を割り当てるようにしてもよい。
そして、需要家別要求電力量算出部195は、再計算した需要家別要求電力量を、第一通信部110を介して下位制御装置200へ送信する(シーケンスS435)。
下位制御装置200では、需要家別目標値取得部294が、需要家別目標電力量を再計算する(シーケンスS441)。需要家別目標値取得部294は、図10のシーケンスS331で需要家別目標電力量を算出する方法と同様の方法で、需要家別目標電力量を再計算する。
シーケンスS441の後、電力システム1は、図21の処理を終了する。
電力システム1が、図21の処理を、例えば1分毎など繰り返し行うことが好ましい。これにより、デマンドレスポンスの実施精度が高まると期待される。また、電力システム1が図21の処理を繰り返し行う頻度が高いほど、需要家設置システム300の各々の状態を高い頻度で把握することができ、デマンドレスポンスの実施精度がより高まると期待される。
次に、下位制御装置200が充放電可能機器311の充放電を制御する方法について説明する。
<ピークシフトモードが有る場合の充放電制御方法>
パワーコンディショニングシステムとしての下位制御装置200の制御ロジックにピークシフトモードが有る需要家設置システム300では、ピークシフトモードにおける目標電力にデマンドレスポンスのための充放電分を反映させるようにしてもよい。これにより、ピークシフトのための充放電制御の機能を用いて、デマンドレスポンスのための充放電をリアルタイムで実施することができる。
ピークシフトモードでの目標電力として、需要家設置システム300と電力系統920との連系点における需要家設置システム300の需要電力[W]の目標値(=需要家別需要電力[W])が設定される。通常、ピークシフトモードではデマンドレスポンスのための制御を行わない場合、この目標値は、電気料金が高い放電時間帯には、おおよそ0に設定され、パワーコンディショニングシステムとしての下位制御装置200が、この目標値に従って充放電可能機器311の放電をリアルタイムに制御する。一方、電気料金が安い充電時間帯には、需要電力[W]の目標値が充放電可能機器311の充放電の制御に使われることはなく、充放電可能機器311単独での充電電力として、充電上限電力が(例えば、充電電力の定格値に)設定される。パワーコンディショニングシステムとしての下位制御装置200は、この充電上限電力で充放電可能機器311の充電を制御する。
これに対し、ピークシフトモードを活用してデマンドレスポンスのための制御を行う場合、例えば、電気料金が高い放電時間帯に下げデマンドレスポンスが想定される場合は、あらかじめ、電気料金が高い放電時間帯の需要電力[W]の目標値を0よりも大きい値に設定しておく。これにより、デマンドレスポンス実施時間に需要電力を残存させ、下げデマンドレスポンスを実施可能にする。
また、電気料金が安い充電時間帯に上げデマンドレスポンスが想定される場合は、あらかじめ、電気料金が安い充電時間帯の充電電力(目標値)を、充電上限電力よりも小さい値に設定しておく。例えば、充放電可能機器311の満充電に必要な電力量がQ[Wh]であるとし、充電が可能な、電気料金が安い時間帯の時間がT[h]あるとすると、Q/Tの[W]を充電上限電力として、この充電上限電力で(若しくは、この充電上限電力以上、定格充電電力以下の所定の値で)充電するように設定する。
なお、電気料金が安い充電時間帯に下げデマンドレスポンスを行う場合、充放電可能機器311が、もともと充電を行っていることが考えられる。この場合、下位制御装置200は、充放電可能機器311の放電だけでなく、充電電力量の減少または充電の停止も下げデマンドレスポンスに用いることができる。下位制御装置200は、充放電可能機器311の充電電力量の減少または充電の停止、さらには、放電も活用して、下げデマンドレスポンスの目標値である需要家別需要電力量目標値を達成するよう、充放電可能機器311を制御する。
同様に、電気料金が高い放電時間帯に上げデマンドレスポンスを行う場合、充放電可能機器311が、もともと放電を行っていることが考えられる。この場合、下位制御装置200は、充放電可能機器311の充電だけでなく、放電電力量の減少または放電の停止も上げデマンドレスポンスに用いることができる。下位制御装置200は、充放電可能機器311の放電電力量の減少または放電の停止、さらには、充電も活用して、上げデマンドレスポンスの目標値である需要家別需要電力量目標値を達成するよう、充放電可能機器311を制御する。
<ピークシフトモードがある場合の放電制御方法>
パワーコンディショニングシステムとしての下位制御装置200の制御ロジックにピークシフトモードが有る需要家設置システム300では、ピークシフトモードにおける目標電力に下げデマンドレスポンスのための放電分を反映させるようにしてもよい。
この場合、ピークシフトモードでの目標値を、式(5)で算出されるピークシフトモードでの放電電力目標値[W]に設定する。
Figure 0007484034000005
このケースは、デマンドレスポンスを実施していないときに、ピークシフトモードで充放電可能機器311が充放電を実施している際の需要家別需要電力量よりも、需要家別需要電力量目標値が小さい場合に該当する。
下位制御装置200は、式(5)に基づいて、ピークシフトモードでの制御で、充放電可能機器311に下げデマンドレスポンスのための放電を行わせることができる。
デマンドレスポンスの実施中に上位制御装置100が需要家別需要電力量目標値を更新した場合、下位制御装置200は、更新後の需要家別需要電力量目標値と残存コマ時間(デマンドレスポンスの残り時間)とを用いて、式(5)のピークシフトモードでの放電電力目標値[W]を算出し直し、ピークシフトモードの目標値に再設定する。
<ピークシフトモードが無い場合の放電制御方法>
パワーコンディショニングシステムとしての下位制御装置200の制御ロジックにピークシフトモードが無い需要家設置システム300では、下位制御装置200は、電力系統920との連系点における、コマ(i)開始時刻からの積算電力量と、需要家別需要電力量目標値とを比較する。
この場合、下位制御装置200が積算電力量と需要家別需要電力量目標値との比較を繰り返す周期は、特定の周期に限定されない。例えば、下位制御装置200が1分毎に積算電力量と需要家別需要電力量目標値とを比較するようにしてもよいが、これに限定されない。
下位制御装置200は、需要家設置システム300と電力系統920との連系点における積算電力量を、例えばスマートメータ930から受信する。
この場合、下位制御装置200が、式(6)のように、不足電力量をコマ(i)の残り時間で除算した電力を放電電力目標値として、充放電可能機器311に放電を行わせるようにしてもよい。
Figure 0007484034000006
残コマ長[h]は、デマンドレスポンスの残り時間(現在時刻からコマ(i)の終了時刻までの時間)を示す。
これにより、下位制御装置200は、上位制御装置100と通信を行うことなく、下位制御装置200が監視制御する範囲で、充放電可能機器311の充放電を用いてリアルタイムに高精度なフィードバック制御を行うことができる。したがって、下位制御装置200は、通信遅延や障害等に耐性が高い状態で、デマンドレスポンスの実施精度を高めることができ、この点で、高信頼なデマンドレスポンスが期待できる。
あるいは、下位制御装置200が、充放電可能機器311の定格放電電力を放電上限電力として、放電上限電力以下の放電電力で充放電可能機器311に放電を行わせるようにしてもよい。この場合、充放電可能機器311がより多くの電力を放電できる点で、デマンドレスポンスにおけるフィードバックの応答性を高めることができる。
<ピークシフトモードがある場合の充電制御方法>
パワーコンディショニングシステムとしての下位制御装置200の制御ロジックにピークシフトモードが有る需要家設置システム300では、ピークシフトモードにおける目標電力に上げデマンドレスポンスのための充電分を反映させるようにしてもよい。
この場合、ピークシフトモードでの目標値を、式(7)で算出されるピークシフトモードでの充電電力目標値[W]に設定する。
Figure 0007484034000007
このケースは、デマンドレスポンスを実施していないときに、ピークシフトモードで充放電可能機器311が充放電を実施している際の需要家別需要電力量よりも、需要家別需要電力量目標値が大きい場合に該当する。
下位制御装置200は、式(7)に基づいて、ピークシフトモードでの制御で、充放電可能機器311に上げデマンドレスポンスのための充電を行わせることができる。
デマンドレスポンスの実施中に上位制御装置100が需要家別需要電力量目標値を更新した場合、下位制御装置200は、更新後の需要家別需要電力量目標値と残存コマ時間とを用いて、式(7)のピークシフトモードでの放電電力目標値[W]を算出し直し、ピークシフトモードの目標値に再設定する。
<ピークシフトモードが無い場合の充電制御方法>
パワーコンディショニングシステムとしての下位制御装置200の制御ロジックにピークシフトモードが無い需要家設置システム300では、下位制御装置200は、需要家設置システム300と電力系統920との連系点における、コマ(i)開始時刻からの積算電力量と、需要家別需要電力量目標値とを比較する。
この場合、下位制御装置200が積算電力量と需要家別需要電力量目標値とを比較を繰り返す周期は、特定の周期に限定されない。例えば、下位制御装置200が1分毎に積算電力量と需要家別需要電力量目標値とを比較するようにしてもよいが、これに限定されない。
下位制御装置200は、需要家設置システム300と電力系統920との連系点における積算電力量を、例えばスマートメータ930から受信する。
この場合、下位制御装置200が、式(8)のように、不足電力量をコマ(i)の残り時間で除算した電力を充電電力目標値として、充放電可能機器311に充電を行わせるようにしてもよい。
Figure 0007484034000008
これにより、下位制御装置200は、上位制御装置100と通信を行うことなく、下位制御装置200が監視制御する範囲で、充放電可能機器311の充放電を用いてリアルタイムに高精度なフィードバック制御を行うことができる。したがって、下位制御装置200は、通信遅延や障害等に耐性が高い状態で、デマンドレスポンスの実施精度を高めることができ、この点で、高信頼なデマンドレスポンスが期待できる。
あるいは、下位制御装置200が、充放電可能機器311の定格放電電力を充電上限電力として、充電上限電力以下の充電電力で充放電可能機器311に充電を行わせるようにしてもよい。この場合、充放電可能機器311がより多くの電力を充電できる点で、デマンドレスポンスにおけるフィードバックの応答性を高めることができる。
需要家設置システム300がピークシフトを行う場合、上位制御装置100が、時間帯別電力料金情報を収集して、需要家設置システム300の充放電可能機器311の充放電の予測に用いるようにしてもよい。例えば、上位制御装置100は、電気料金が高い時間帯では、充放電可能機器311が放電すると予測する。また、上位制御装置100は、電気料金が安い時間帯では、充放電可能機器311が充電すると予測する。
また、需要家設置システム300がピークシフトとデマンドレスポンスとを同時に行う場合、上位制御装置100が、ピークシフトのための充電上限電力および放電上限電力、あるいはこれらのうち何れか一方を設定するようにしてもよい。これにより、需要家設置システム300が、ピークシフトのための充放電を行っている場合でも、デマンドレスポンスのための充放電電力の余力を残すことができる。
図22は、需要家設置システム300がピークシフトとデマンドレスポンスとを同時に行う場合の、デマンドレスポンスのための余力の例を示す図である。図22のグラフの横軸は時刻を示す。縦軸は電力を示す。図22は、充放電可能機器311がピークシフトのために放電を行う場合の例を示している。
図22の例で、ピークシフトのための充放電可能機器311の放電電力の上限値が設定されている。充放電可能機器311は、定格放電電力からピークシフトのための放電電力の上限値を減算した差の電力を、需要家別デマンドレスポンスのための放電電力として用いることができる。
線L311は、需要家設置システム300の需要電力の例を示す。領域A11の面積は、1コマ分のピークシフト放電電力量を示す。領域A12の面積は、デマンドレスポンスにおける1コマ分の放電電力を示す。
なお、充放電可能機器311がピークシフトのために放電を行っている場合、ピークシフトにおける放電電力上限値からの放電電力の減少分を、需要家別デマンドレスポンスにおける需要電力の増加分として用いることができる。
充放電可能機器311がピークシフトのために充電を行う場合も、ピークシフトのための充放電可能機器311の充電電力の上限値を設定しておくことで、充放電可能機器311にピークシフトのための充電と、需要家別デマンドレスポンスのための充電とを同時に行わせることができる。
なお、充放電可能機器311がピークシフトのために充電を行っている場合、ピークシフトにおける充電電力上限値からの充電電力の減少分を、需要家別デマンドレスポンスにおける需要電力の減少分として用いることができる。
以上のように、需要家別ベースライン算出部193は、デマンドレスポンスのベースラインの、需要家設置システム300の各々への割り当て分である需要家別ベースラインを算出する。需要家別要求電力量算出部195は、デマンドレスポンスにおける要求電力量の、需要家設置システム300の各々への割り当て分である需要家別要求電力量を算出する。また、需要家別要求電力量算出部195は、仮に需要家設置システム300の充放電可能機器311がデマンドレスポンスのための充放電を行わないと想定した場合の、デマンドレスポンス実施時間における当該需要家設置システム300の需要電力量予測値であって、ベースラインの算出時よりも後の時点における需要家設置システム300の状態に基づく需要電力量予測値と、当該需要家設置システム300における需要家別ベースラインに需要家別要求電力量を反映させた需要家別需要電力量目標値との関係に基づいて、需要家別要求電力量を再計算する。
需要家別要求電力量算出部195が、上記のように需要家別要求電力量を再計算することで、需要家別ベースラインの誤差を充放電可能機器311に補填させることができる。上位制御装置100によれば、この点で、デマンドレスポンスの要求に対してデマンドレスポンスの実績の誤差を軽減できる。
また、需要家別要求電力量算出部195は、需要電力量を減少させる下げデマンドレスポンスにおいて、需要電力量予測値(デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値)が需要家別需要電力量目標値よりも小さい需要家設置システム300に対する需要家別要求電力量を0にし、需要電力量を増加させる上げデマンドレスポンスにおいて、需要電力量予測値(デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値)が需要家別需要電力量目標値よりも大きい需要家設置システム300に対する需要家別要求電力量を0にする。
需要家別要求電力量を0にすることで、需要家設置システム300にデマンドレスポンスのための充放電を中止させ、この中止による充電電力量または放電電力量の減少分だけ、他の需要家設置システム300の放電電力量または充電電力量を減少させることで、総需要電力量を変化させずに、電力システム1全体として充放電の際の損失を軽減させることができる。
また、需要家別要求電力量算出部195は、下げデマンドレスポンスにおいて、需要電力量予測値(デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値)が需要家別需要電力量目標値よりも小さい需要家設置システム300に対する需要家別要求電力量を0にすることによる需要電力量の減少に応じて、需要電力量予測値(デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値)が需要家別需要電力量目標値よりも大きい需要家設置システム300に対する需要家別要求電力量を減少させ、上げデマンドレスポンスにおいて、需要電力量予測値(デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値)が需要家別需要電力量目標値よりも大きい需要家設置システム300に対する需要家別要求電力量を0にすることによる需要電力量の増加に応じて、需要電力量予測値(デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値)が需要家別需要電力量目標値よりも小さい需要家設置システム300に対する需要家別要求電力量を減少させる。
需要家別要求電力量を0にすることで、需要家設置システム300にデマンドレスポンスのための充放電を中止させ、この中止による充電電力量または放電電力量の減少分だけ、他の需要家設置システム300の放電電力量または充電電力量を減少させることで、総需要電力量を変化させずに、電力システム1全体として充放電の際の損失を軽減させることができる。
また、需要家別要求電力量算出部195は、下げデマンドレスポンスにおいて、需要電力量予測値(デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値)が需要家別需要電力量目標値よりも小さい需要家設置システム300に対する需要家別要求電力量を0にすることによる需要電力量の減少に応じて、需要電力量予測値(デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値)が需要家別ベースラインよりも大きい需要家設置システム300に対する需要家別要求電力量を減少させ、上げデマンドレスポンスにおいて、需要電力量予測値(デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値)が需要家別需要電力量目標値よりも大きい需要家設置システム300に対する需要家別要求電力量を0にすることによる需要電力量の増加に応じて、需要電力量予測値(デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値)が需要家別ベースラインよりも小さい需要家設置システム300に対する需要家別要求電力量を減少させる。
下げデマンドレスポンスにおいて、需要電力量予測値(デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値)が、需要家別ベースラインよりも小さい需要家設置システム300では、充放電可能機器311が充電すべき電力量が比較的大きいと考えられる。これに対し、需要家別要求電力量の再設定によって、充放電可能機器311が充電すべき電力量が再設定前よりも小さくなる。これにより、充放電可能機器311の充電可能量が、デマンドレスポンスに必要な充電電力量に対して不足する可能性が低くなる。上位制御装置100によれば、この点で、デマンドレスポンスの要求量に対する実施量の誤差を小さくすることができ、高信頼なデマンドレスポンスを実施できる。
同様に、上げデマンドレスポンスにおいて、需要電力量予測値(デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値)が、需要家別ベースラインよりも大きい需要家設置システム300では、充放電可能機器311が放電すべき電力量が比較的大きいと考えられる。これに対し、需要家別要求電力量の再設定によって、充放電可能機器311が放電すべき電力量が再設定前よりも小さくなる。これにより、充放電可能機器311の放電可能量が、デマンドレスポンスに必要な放電電力量に対して不足する可能性が低くなる。上位制御装置100によれば、この点で、デマンドレスポンスの要求量に対する実施量の誤差を小さくすることができ、高信頼なデマンドレスポンスを実施できる。
また、需要家別ベースライン算出部193は、時間帯毎の電力料金の情報に基づく、ピークシフトにおける充放電可能機器の充放電の状態の予測情報を用いて、需要家設置システム300の需要電力量(例えば、デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値)を予測する。
これにより、需要家別ベースライン算出部193が、需要家設置システム300の需要電力量を比較的高精度に予測できると期待される。
また、第二通信部210は、デマンドレスポンスにおける要求電力量の需要家設置システム300への割り当て分である需要家別要求電力量と、デマンドレスポンスのベースラインの需要家設置システム300への割り当て分である需要家別ベースラインとを取得する。需要家別目標値取得部294は、需要家別要求電力量が、需要家別ベースラインの電力量に反映された、需要家別需要電力量目標値を算出する。充放電制御部295は、デマンドレスポンスの実施時間における需要家設置システム300の需要電力量が、需要家別需要電力量目標値となるように、充放電可能機器の充放電を制御する。
このように、需要家設置システム300が需要家別需要電力量目標値に基づいて充放電可能機器311の充放電を制御することで、デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値がベースラインから変化した場合でも、変化分が、デマンドレスポンスの要求に対する実績の誤差とならない。下位制御装置200によれば、この点で、デマンドレスポンスの要求に対してデマンドレスポンスの実績の誤差を軽減できる。
また、充放電制御部295は、総デマンドレスポンスが下げデマンドレスポンスであり、かつ、デマンドレスポンスの実施時間における需要家設置システム300の需要電力量予測値(デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値)が、需要家別需要電力量目標値よりも小さい場合、デマンドレスポンスの実施時間における需要家設置システム300の需要電力量を需要家別需要電力量目標値とするための、充放電可能機器311の充電制御を中止する。
この中止による充電電力量の減少分だけ、他の需要家設置システム300の放電電力量を減少させることで、総需要電力量を変化させずに、電力システム1全体として充放電の際の損失を軽減させることができる。
また、充放電制御部295は、総デマンドレスポンスが下げデマンドレスポンスであり、かつ、デマンドレスポンスの実施時間における需要家設置システム300の需要電力量予測値(デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値)が、需要家別需要電力量目標値よりも大きい場合、他の下位制御装置200による充放電制御の中止に応じて再設定された需要家別需要電力量目標値に基づいて、充放電可能機器の充放電を制御する。
需要電力量予測値(デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値)が、需要家別ベースラインよりも大きい需要家設置システム300では、充放電可能機器311が放電すべき電力量が比較的大きいと考えられる。これに対し、需要家別需要電力量目標値の再設定によって、充放電可能機器311が放電すべき電力量が再設定前よりも小さくなる。これにより、実質的な放電可能量が、デマンドレスポンスに必要な放電電力量に対して不足する可能性が低くなる。下位制御装置200によれば、この点で、デマンドレスポンスの要求量に対する実施量の誤差を小さくすることができる。
また、充放電制御部295は、総デマンドレスポンスが上げデマンドレスポンスであり、かつ、デマンドレスポンスの実施時間における需要家設置システム300の需要電力量予測値(デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値)が、需要家別需要電力量目標値よりも大きい場合、デマンドレスポンスの実施時間における需要家設置システム300の需要電力量を需要家別需要電力量目標値とするための、充放電可能機器311の放電制御を中止する。
この中止による放電電力量の減少分だけ、他の需要家設置システム300の充電電力量を減少させることで、総需要電力量を変化させずに、電力システム1全体として充放電の際の損失を軽減させることができる。
また、充放電制御部295は、総デマンドレスポンスが上げデマンドレスポンスであり、かつ、デマンドレスポンスの実施時間における需要家設置システム300の需要電力量予測値(デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値)が、需要家別需要電力量目標値よりも小さい場合、他の下位制御装置200による充放電制御の中止に応じて再設定された需要家別需要電力量目標値に基づいて、充放電可能機器の充放電を制御する、
需要電力量予測値(デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値)が、需要家別ベースラインよりも小さい需要家設置システム300では、充放電可能機器311が充電すべき電力量が比較的大きいと考えられる。これに対し、需要家別需要電力量目標値の再設定によって、充放電可能機器311が充電すべき電力量が再設定前よりも小さくなる。これにより、実質的な充電可能量が、デマンドレスポンスに必要な充電電力量に対して不足する可能性が低くなる。下位制御装置200によれば、この点で、デマンドレスポンスの要求量に対する実施量の誤差を小さくすることができる。
また、充放電予測部293は、時間帯毎の電力料金の情報に基づいて、ピークシフトにおける充放電可能機器311の充放電の状態を予測する。需要家別デマンドレスポンスにおける要求電力量は、充放電可能機器の充放電の状態の予測結果に基づいて決定される。
これにより、充放電予測部293が、充放電可能機器311の充放電を比較的高精度に予測できると期待される。
また、充放電制御部295は、ピークシフトとデマンドレスポンスとの同時実施において、ピークシフトのための充電電力、または、ピークシフトのための放電電力のうち少なくとも何れか一方について設定された上限値に基づいて、充放電可能機器の充放電を制御する。
これにより、充放電可能機器311は、ピークシフトのための充電と需要家別デマンドレスポンスのための充電と、または、ピークシフトのための放電と需要家別デマンドレスポンスのための放電との、少なくとも何れか一方を同時に行うことができる。
また、第二通信部210は、総デマンドレスポンスが上げデマンドレスポンス、下げデマンドレスポンスの何れであるかを示す情報をさらに取得する。充放電制御部295は、総デマンドレスポンスが上げデマンドレスポンスであり、かつ、デマンドレスポンスの実施時間における需要家設置システム300の需要電力量を需要家別需要電力量目標値とするための、充放電可能機器311の充放電が放電である場合、および、総デマンドレスポンスが下げデマンドレスポンスであり、かつ、デマンドレスポンスの実施時間における需要家設置システム300の需要電力量を需要家別需要電力量目標値とするための、充放電可能機器311の充放電が充電である場合、デマンドレスポンスの実施時間における需要家設置システム300の需要電力量を需要家別需要電力量目標値とするための、充放電可能機器311の充放電制御を中止する(このときデマンドレスポンス以外の目的での充放電は継続する)。
このように、第二通信部210が、総デマンドレスポンスが上げデマンドレスポンス、下げデマンドレスポンスの何れであるかを示す情報を取得することで、下位制御装置200が、総デマンドレスポンスによる需要電力量の増減と、需要家設置システム300におけるデマンドレスポンスのための充放電による需要電力量の増減とが逆の場合を検出し、デマンドレスポンスのための充放電を中止することができる。
この中止による充電電力量または放電電力量の減少分だけ、他の需要家設置システム300の放電電力量または充電電力量を減少させることで、総需要電力量を変化させずに、電力システム1全体として充放電の際の損失を軽減させることができる。
また、総デマンドレスポンスによる需要電力量の増減と、需要家設置システム300におけるデマンドレスポンスのための充放電による需要電力量の増減とが逆の場合を検出する処理を、下位制御装置200の各々に分散させられる点で、上位制御装置100の計算負荷を軽減させることができる。
図23は、実施形態に係る上位制御装置の構成の例を示す図である。図23に示す上位制御装置400は、需要家別ベースライン算出部401と、需要家別要求電力量算出部402とを備える。
かかる構成で、需要家別ベースライン算出部401は、デマンドレスポンスのベースラインの、デマンドレスポンス実施対象システムの各々への割り当て分である需要家別ベースラインを算出する。需要家別要求電力量算出部402は、デマンドレスポンスにおける要求電力量の、デマンドレスポンス実施対象システムの各々への割り当て分である需要家別要求電力量を算出する。
需要家別要求電力量算出部402が、上記のように需要家別要求電力量を再計算することで、需要家別ベースラインの誤差をデマンドレスポンス実施対象システムの充放電可能機器に補填させることができる。上位制御装置400によれば、この点で、デマンドレスポンスの要求に対してデマンドレスポンスの実績の誤差を軽減できる。
需要家別ベースライン算出部401は、需要家別ベースライン算出手段の例に該当する。需要家別要求電力量算出部402は、需要家別要求電力量算出手段の例に該当する。
図24は、実施形態に係る上位制御装置の構成の、もう1つの例を示す図である。図24に示す上位制御装置500は、需要家別ベースライン算出部501と、需要家別要求電力量算出部502と、送信部503とを備える。
かかる構成で、需要家別ベースライン算出部501は、デマンドレスポンスのベースラインの、デマンドレスポンス実施対象システムの各々への割り当て分である需要家別ベースラインを算出する。需要家別要求電力量算出部502は、デマンドレスポンスにおける要求電力量の、デマンドレスポンス実施対象システムの各々への割り当て分を、前記需要家別ベースラインに反映させた需要家別需要電力量目標値と、仮にデマンドレスポンス実施対象システムの充放電可能機器がデマンドレスポンスのための充放電を行わないと想定した場合の、デマンドレスポンス実施時間における当該デマンドレスポンス実施対象システムの需要電力量予測値であって、ベースラインの算出時よりも後の時点における当該デマンドレスポンス実施対象システムの状態に基づく需要電力量予測値との関係が所定の関係であるデマンドレスポンス実施対象システムの需要家別要求電力量を0にし、需要家別需要電力量目標値と需要電力量予測値との差の電力量に応じて、少なくとも1つの他のデマンドレスポンス実施対象システムの需要家別要求電力量を、当該デマンドレスポンス実施対象システムにおける需要家別需要電力量目標値と需要電力量予測値との差の電力量よりも小さく算出する。送信部503は、需要家別要求電力量算出部502が算出した、少なくとも1つのデマンドレスポンス実施対象システムに対する需要家別要求電力量の値が0である需要家別要求電力量を、デマンドレスポンス実施対象システムへ送信する。
送信部503は、需要家別要求電力量算出部502が需要家別需要電力量目標値と需要電力量予測値との差の電力量よりも小さく算出した需要家別要求電力量も、該当するデマンドレスポンス実施対象システムへ送信する。
需要家別要求電力量算出部502が、上記のように需要家別要求電力量を計算することで、電力システム1全体としての需要電力量を変化させずに、個々のデマンドレスポンス実施対象システムにおける充放電の有無および充放電電力量を調整することができる。
需要家別ベースライン算出部501は、需要家別ベースライン算出の例に該当する。需要家別要求電力量算出部502は、需要家別要求電力量算出手段の例に該当する。送信部503は、送信手段の例に該当する。
図25は、実施形態に係る電力システムの構成の例を示す図である。図25に示す電力システム410は、上位制御装置411と、下位制御装置415を備える複数のデマンドレスポンス実施対象システム414とを備える。上位制御装置411は、需要家別ベースライン算出部412と、需要家別要求電力量算出部413とを備える。下位制御装置415の各々は、充放電制御部416を備える。
かかる構成で、需要家別ベースライン算出部412は、デマンドレスポンスのベースラインの、デマンドレスポンス実施対象システム414の各々への割り当て分である需要家別ベースラインを算出する。需要家別要求電力量算出部413は、デマンドレスポンスにおける要求電力量の、デマンドレスポンス実施対象システム414の各々への割り当て分である需要家別要求電力量を算出する。また、需要家別要求電力量算出部413は、仮にデマンドレスポンス実施対象システム414の充放電可能機器がデマンドレスポンスのための充放電を行わないと想定した場合の、デマンドレスポンス実施時間における当該デマンドレスポンス実施対象システム414の需要電力量予測値であって、ベースラインの算出時よりも後の時点における当該デマンドレスポンス実施対象システム414の状態に基づく予測値と、当該デマンドレスポンス実施対象システム414における需要家別ベースラインに需要家別要求電力量を反映させた需要家別需要電力量目標値との関係に基づいて、需要家別要求電力量を再計算する。下位制御装置415の充放電制御部416は、デマンドレスポンスの実施時間におけるデマンドレスポンス実施対象システム414の需要電力量が、需要家別要求電力量が需要家別ベースラインの電力量に反映された需要家別需要電力量目標値となるように、充放電可能機器の充放電を制御する。
需要家別要求電力量算出部413が、上記のように需要家別要求電力量を再計算することで、需要家別ベースラインの誤差をデマンドレスポンス実施対象システム414の充放電可能機器に補填させることができる。電力システム410によれば、この点で、デマンドレスポンスの要求に対してデマンドレスポンスの実績の誤差を軽減できる。
需要家別ベースライン算出部412は、需要家別ベースライン算出手段の例に該当する。需要家別要求電力量算出部413は、需要家別要求電力量算出手段の例に該当する。充放電制御部416は、充放電制御手段の例に該当する。
図26は、実施形態に係る下位制御装置の構成の例を示す図である。図26に示す下位制御装置420は、需要家別目標値取得部421と、充放電制御部422とを備える。
かかる構成で、需要家別目標値取得部421は、需要家別需要電力量目標値を取得する。需要家別需要電力量目標値は、デマンドレスポンスにおける要求電力量のデマンドレスポンス実施対象システムへの割り当て分である需要家別要求電力量が、デマンドレスポンスのベースラインのデマンドレスポンス実施対象システムへの割り当て分である需要家別ベースラインの電力量に反映された電力量である。充放電制御部422は、デマンドレスポンスの実施時間におけるデマンドレスポンス実施対象システムの需要電力量が、需要家別需要電力量目標値となるように、充放電可能機器の充放電を制御する。
このように、充放電制御部422が需要家別需要電力量目標値に基づいて充放電可能機器の充放電を制御することで、デマンドレスポンス不実施想定時の需要家別需要電力量予測値がベースラインから変化した場合でも、変化分が、デマンドレスポンスの要求に対する実績の誤差とならない。下位制御装置420によれば、この点で、デマンドレスポンスの要求に対してデマンドレスポンスの実績の誤差を軽減できる。
需要家別目標値取得部421は、需要家別目標値取得手段の例に該当する。充放電制御部422は、充放電制御手段の例に該当する。
図27は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
図27に示す構成で、コンピュータ700は、CPU(Central Processing Unit)710と、主記憶装置720と、補助記憶装置730と、インタフェース740とを備える。
上記の上位制御装置100、下位制御装置200、上位制御装置400、上位制御装置411、下位制御装置415、下位制御装置420、および、上位制御装置500のうち何れか1つ以上が、コンピュータ700に実装されてもよい。その場合、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置730に記憶されている。CPU710は、プログラムを補助記憶装置730から読み出して主記憶装置720に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU710は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置720に確保する。
上位制御装置100がコンピュータ700に実装される場合、第一制御部190およびその各部の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置730に記憶されている。CPU710は、プログラムを補助記憶装置730から読み出して主記憶装置720に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。
また、CPU710は、プログラムに従って、第一記憶部180に対応する記憶領域を主記憶装置720に確保する。
第一通信部110による通信は、インタフェース740が通信機能を有し、CPU510の制御に従って通信を行うことで実行される。
下位制御装置200がコンピュータ700に実装される場合、第二制御部290およびその各部の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置730に記憶されている。CPU710は、プログラムを補助記憶装置730から読み出して主記憶装置720に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。
また、CPU710は、プログラムに従って、第二記憶部280に対応する記憶領域を主記憶装置720に確保する。
第二通信部210による通信は、インタフェース740が通信機能を有し、CPU710の制御に従って通信を行うことで実行される。
上位制御装置400がコンピュータ700に実装される場合、需要家別ベースライン算出部401と、需要家別要求電力量算出部402との動作は、プログラムの形式で補助記憶装置730に記憶されている。CPU710は、プログラムを補助記憶装置730から読み出して主記憶装置720に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。
上位制御装置411がコンピュータ700に実装される場合、需要家別ベースライン算出部412と、需要家別要求電力量算出部413との動作は、プログラムの形式で補助記憶装置730に記憶されている。CPU710は、プログラムを補助記憶装置730から読み出して主記憶装置720に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。
下位制御装置415がコンピュータ700に実装される場合、充放電制御部416の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置730に記憶されている。CPU710は、プログラムを補助記憶装置730から読み出して主記憶装置720に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。
下位制御装置420がコンピュータ700に実装される場合、需要家別目標値取得部421と、充放電制御部422との動作は、プログラムの形式で補助記憶装置730に記憶されている。CPU710は、プログラムを補助記憶装置730から読み出して主記憶装置720に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。
上位制御装置500がコンピュータ700に実装される場合、需要家別ベースライン算出部501と、需要家別要求電力量算出部502と、送信部503との動作は、プログラムの形式で補助記憶装置730に記憶されている。CPU710は、プログラムを補助記憶装置730から読み出して主記憶装置720に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。
なお、上位制御装置100、下位制御装置200、上位制御装置400、上位制御装置411、下位制御装置415、下位制御装置420、および、上位制御装置500の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(オペレーティングシステム)や周辺機器等のハードウェアを含む。
「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
デマンドレスポンスのベースラインの、デマンドレスポンス実施対象システムの各々への割り当て分である需要家別ベースラインを算出する需要家別ベースライン算出手段と、
前記デマンドレスポンスにおける要求電力量の、前記デマンドレスポンス実施対象システムの各々への割り当て分である需要家別要求電力量を算出する需要家別要求電力量算出手段と、
を備え、
前記需要家別要求電力量算出手段は、仮にデマンドレスポンス実施対象システムの充放電可能機器が前記デマンドレスポンスのための充放電を行わないと想定した場合の、デマンドレスポンス実施時間における当該デマンドレスポンス実施対象システムの需要電力量予測値であって、前記ベースラインの算出時よりも後の時点における当該デマンドレスポンス実施対象システムの状態に基づく需要電力量予測値と、当該デマンドレスポンス実施対象システムにおける前記需要家別ベースラインに前記需要家別要求電力量を反映させた需要家別需要電力量目標値との関係に基づいて、前記需要家別要求電力量を再計算する、
上位制御装置。
(付記2)
前記需要家別要求電力量算出手段は、需要電力量を減少させる下げデマンドレスポンスにおいて、前記需要電力量予測値が前記需要家別需要電力量目標値よりも小さい前記デマンドレスポンス実施対象システムに対する前記需要家別要求電力量を0にし、需要電力量を増加させる上げデマンドレスポンスにおいて、前記需要電力量予測値が前記需要家別需要電力量目標値よりも大きい前記デマンドレスポンス実施対象システムに対する前記需要家別要求電力量を0にする、
付記1に記載の上位制御装置。
(付記3)
前記需要家別要求電力量算出手段は、前記下げデマンドレスポンスにおいて、前記需要電力量予測値が前記需要家別需要電力量目標値よりも小さい前記デマンドレスポンス実施対象システムに対する前記需要家別要求電力量を0にすることによる需要電力量の減少に応じて、前記需要電力量予測値が前記需要家別需要電力量目標値よりも大きい前記デマンドレスポンス実施対象システムに対する前記需要家別要求電力量を減少させ、前記上げデマンドレスポンスにおいて、前記需要電力量予測値が前記需要家別需要電力量目標値よりも大きい前記デマンドレスポンス実施対象システムに対する前記需要家別要求電力量を0にすることによる需要電力量の増加に応じて、前記需要電力量予測値が前記需要家別需要電力量目標値よりも小さい前記デマンドレスポンス実施対象システムに対する前記需要家別要求電力量を減少させる、
付記2に記載の上位制御装置。
(付記4)
前記需要家別要求電力量算出手段は、前記下げデマンドレスポンスにおいて、前記需要電力量予測値が前記需要家別需要電力量目標値よりも小さい前記デマンドレスポンス実施対象システムに対する前記需要家別要求電力量を0にすることによる需要電力量の減少に応じて、前記需要電力量予測値が前記需要家別ベースラインよりも大きい前記デマンドレスポンス実施対象システムに対する前記需要家別要求電力量を減少させ、前記上げデマンドレスポンスにおいて、前記需要電力量予測値が前記需要家別需要電力量目標値よりも大きい前記デマンドレスポンス実施対象システムに対する前記需要家別要求電力量を0にすることによる需要電力量の増加に応じて、前記需要電力量予測値が前記需要家別ベースラインよりも小さい前記デマンドレスポンス実施対象システムに対する前記需要家別要求電力量を減少させる、
付記2に記載の上位制御装置。
(付記5)
前記需要家別ベースライン算出手段は、時間帯毎の電力料金の情報に基づく、ピークシフトにおける前記充放電可能機器の充放電の状態の予測情報を用いて、前記デマンドレスポンス実施対象システムの需要電力量を予測する、
付記1から4の何れか一つに記載の上位制御装置。
(付記6)
デマンドレスポンスのベースラインの、デマンドレスポンス実施対象システムの各々への割り当て分である需要家別ベースラインを算出する需要家別ベースライン算出手段と、
前記デマンドレスポンスにおける要求電力量の、前記デマンドレスポンス実施対象システムの各々への割り当て分を、前記需要家別ベースラインに反映させた需要家別需要電力量目標値と、仮にデマンドレスポンス実施対象システムの充放電可能機器が前記デマンドレスポンスのための充放電を行わないと想定した場合の、デマンドレスポンス実施時間における当該デマンドレスポンス実施対象システムの需要電力量予測値であって、前記ベースラインの算出時よりも後の時点における当該デマンドレスポンス実施対象システムの状態に基づく需要電力量予測値との関係が所定の関係であるデマンドレスポンス実施対象システムの需要家別要求電力量を0にし、前記需要家別需要電力量目標値と前記需要電力量予測値との差の電力量に応じて、少なくとも1つの他のデマンドレスポンス実施対象システムの需要家別要求電力量を、当該デマンドレスポンス実施対象システムにおける前記需要家別需要電力量目標値と前記需要電力量予測値との差の電力量よりも小さく算出する需要家別要求電力量算出手段と、
前記需要家別要求電力量算出手段が算出した、少なくとも1つの前記デマンドレスポンス実施対象システムに対する前記需要家別要求電力量の値が0である前記需要家別要求電力量を、前記デマンドレスポンス実施対象システムへ送信する送信手段と、
を備える、上位制御装置。
(付記7)
前記需要家別要求電力量算出手段は、需要電力量を減少させる下げデマンドレスポンスにおいて、前記需要電力量予測値が前記需要家別需要電力量目標値よりも小さい前記デマンドレスポンス実施対象システムに対する前記需要家別要求電力量を0にすることによる需要電力量の減少に応じて、前記需要電力量予測値が前記需要家別需要電力量目標値よりも大きい前記デマンドレスポンス実施対象システムに対する前記需要家別要求電力量を減少させ、需要電力量を増加させる上げデマンドレスポンスにおいて、前記需要電力量予測値が前記需要家別需要電力量目標値よりも大きい前記デマンドレスポンス実施対象システムに対する前記需要家別要求電力量を0にすることによる需要電力量の増加に応じて、前記需要電力量予測値が前記需要家別需要電力量目標値よりも小さい前記デマンドレスポンス実施対象システムに対する前記需要家別要求電力量を減少させ、
前記送信手段は、前記需要家別要求電力量算出手段が前記需要家別要求電力量を減少させた前記デマンドレスポンス実施対象システムに対して、減少後の前記需要家別要求電力量を送信する、
付記6に記載の上位制御装置。
(付記8)
上位制御装置と、下位制御装置を備える複数のデマンドレスポンス実施対象システムとを備え、
前記上位制御装置は、
デマンドレスポンスのベースラインの、前記デマンドレスポンス実施対象システムの各々への割り当て分である需要家別ベースラインを算出する需要家別ベースライン算出手段と、
前記デマンドレスポンスにおける要求電力量の、前記デマンドレスポンス実施対象システムの各々への割り当て分である需要家別要求電力量を算出する需要家別要求電力量算出手段と、
を備え、
前記需要家別要求電力量算出手段は、仮にデマンドレスポンス実施対象システムの充放電可能機器が前記デマンドレスポンスのための充放電を行わないと想定した場合の、デマンドレスポンス実施時間における当該デマンドレスポンス実施対象システムの需要電力量予測値であって、前記ベースラインの算出時よりも後の時点における当該デマンドレスポンス実施対象システムの状態に基づく需要電力量予測値と、当該デマンドレスポンス実施対象システムにおける前記需要家別ベースラインに前記需要家別要求電力量を反映させた需要家別需要電力量目標値との関係に基づいて、前記需要家別要求電力量を再計算し、
前記下位制御装置は、
前記デマンドレスポンスの実施時間における前記デマンドレスポンス実施対象システムの需要電力量が、前記需要家別要求電力量が前記需要家別ベースラインの電力量に反映された需要家別需要電力量目標値となるように、前記充放電可能機器の充放電を制御する充放電制御手段
を備える
電力システム。
(付記9)
デマンドレスポンスにおける要求電力量のデマンドレスポンス実施対象システムへの割り当て分である需要家別要求電力量と、前記デマンドレスポンスのベースラインの前記デマンドレスポンス実施対象システムへの割り当て分である需要家別ベースラインとを取得する取得手段と、
前記需要家別要求電力量が、前記需要家別ベースラインの電力量に反映された、需要家別需要電力量目標値を算出する需要家別目標値取得手段と、
前記デマンドレスポンスの実施時間における前記デマンドレスポンス実施対象システムの需要電力量が、前記需要家別需要電力量目標値となるように、充放電可能機器の充放電を制御する充放電制御手段と、
を備える下位制御装置。
(付記10)
前記充放電制御手段は、需要電力量を減少させる下げデマンドレスポンスにおいて、前記デマンドレスポンスの実施時間における前記デマンドレスポンス実施対象システムの需要電力量予測値であって、前記ベースラインの算出時よりも後の時点における当該デマンドレスポンス実施対象システムの状態に基づく需要電力量予測値が、前記需要家別需要電力量目標値よりも小さい場合、前記デマンドレスポンスの実施時間における前記デマンドレスポンス実施対象システムの需要電力量を前記需要家別需要電力量目標値とするための、前記充放電可能機器の充放電制御を中止する、
付記9に記載の下位制御装置。
(付記11)
前記充放電制御手段は、前記下げデマンドレスポンスにおいて、前記需要電力量予測値が、前記需要家別ベースラインよりも大きい場合、他の制御装置による前記充放電制御の中止に応じて再設定された需要家別需要電力量目標値に基づいて、前記充放電可能機器の充放電を制御する、
付記10に記載の下位制御装置。
(付記12)
前記充放電制御手段は、需要電力量を増加させる上げデマンドレスポンスにおいて、前記需要電力量予測値が、前記需要家別需要電力量目標値よりも大きい場合、前記デマンドレスポンスの実施時間における前記デマンドレスポンス実施対象システムの需要電力量を前記需要家別需要電力量目標値とするための、前記充放電可能機器の充放電制御を中止する、
付記9から11の何れか一つに記載の下位制御装置。
(付記13)
前記充放電制御手段は、前記上げデマンドレスポンスにおいて、前記需要電力量予測値が、前記需要家別ベースラインよりも小さい場合、他の制御装置による前記充放電制御の中止に応じて再設定された需要家別需要電力量目標値に基づいて、前記充放電可能機器の充放電を制御する、
付記12に記載の下位制御装置。
(付記14)
時間帯毎の電力料金の情報に基づいて、ピークシフトにおける前記充放電可能機器の充放電の状態を予測する充放電予測手段
をさらに備え、
前記デマンドレスポンスにおける要求電力量は、前記充放電可能機器の充放電の状態の予測結果に基づいて決定される、
付記9から13の何れか一つに記載の下位制御装置。
(付記15)
前記充放電制御手段は、ピークシフトとデマンドレスポンスとの同時実施において、前記ピークシフトのための充電電力、または、前記ピークシフトのための放電電力のうち少なくとも何れか一方について設定された上限値に基づいて、前記充放電可能機器の充放電を制御する、
付記9から14の何れか一つに記載の下位制御装置。
(付記16)
前記取得手段は、デマンドレスポンスが上げデマンドレスポンス、下げデマンドレスポンスの何れであるかを示す情報をさらに取得し、
前記充放電制御手段は、前記デマンドレスポンスが上げデマンドレスポンスであり、かつ、前記デマンドレスポンスの実施時間における前記デマンドレスポンス実施対象システムの需要電力量を前記需要家別需要電力量目標値とするための、前記充放電可能機器の充放電が放電である場合、および、前記デマンドレスポンスが下げデマンドレスポンスであり、かつ、前記デマンドレスポンスの実施時間における前記デマンドレスポンス実施対象システムの需要電力量を前記需要家別需要電力量目標値とするための、前記充放電可能機器の充放電が充電である場合、前記デマンドレスポンスの実施時間における前記デマンドレスポンス実施対象システムの需要電力量を前記需要家別需要電力量目標値とするための、前記充放電可能機器の充放電制御を中止する、
付記9に記載の下位制御装置。
(付記17)
上位制御装置と、下位制御装置を備える複数のデマンドレスポンス実施対象システムとを備え、
前記上位制御装置は、
デマンドレスポンスにおける要求電力量の、前記デマンドレスポンス実施対象システムの各々への割り当て分である需要家別要求電力量を算出する需要家別要求電力量算出手段と、
前記デマンドレスポンスのベースラインの、前記デマンドレスポンス実施対象システムの各々への割り当て分である需要家別ベースラインを算出する需要家別ベースライン算出手段と、
を備え、
前記下位制御装置は、
前記デマンドレスポンスの実施時間における前記デマンドレスポンス実施対象システムの需要電力量が、前記需要家別要求電力量が前記需要家別ベースラインの電力量に反映された需要家別需要電力量目標値となるように、充放電可能機器の充放電を制御する充放電制御手段
を備える
電力システム。
(付記18)
前記需要家別要求電力量算出手段は、需要電力量を減少させる下げデマンドレスポンスにおいて、前記需要電力量予測値が、前記需要家別要求電力量が前記需要家別ベースラインの電力量に反映された需要家別需要電力量目標値よりも小さいデマンドレスポンス実施対象システムに対して、前記デマンドレスポンスの実施時間における前記デマンドレスポンス実施対象システムの需要電力量を前記需要家別需要電力量目標値とするための、前記充放電可能機器の充放電制御を中止させる、
付記17に記載の電力システム。
(付記19)
前記需要家別要求電力量算出手段は、需要電力量を増加させる上げデマンドレスポンスにおいて、前記需要電力量予測値が、前記需要家別要求電力量が前記需要家別ベースラインの電力量に反映された需要家別需要電力量目標値よりも大きいデマンドレスポンス実施対象システムに対して、前記デマンドレスポンスの実施時間における前記デマンドレスポンス実施対象システムの需要電力量を前記需要家別需要電力量目標値とするための、前記充放電可能機器の充放電制御を中止させる、
付記17または付記18に記載の電力システム。
(付記20)
デマンドレスポンスのベースラインの、デマンドレスポンス実施対象システムの各々への割り当て分である需要家別ベースラインを算出する工程と、
前記デマンドレスポンスにおける要求電力量の、前記需要家別デマンドレスポンスの各々への割り当て分である需要家別要求電力量を算出する工程と、
仮にデマンドレスポンス実施対象システムの充放電可能機器が前記デマンドレスポンスのための充放電を行わないと想定した場合の、デマンドレスポンス実施時間における当該デマンドレスポンス実施対象システムの需要電力量予測値であって、前記ベースラインの算出時よりも後の時点における当該デマンドレスポンス実施対象システムの状態に基づく需要電力量予測値と、当該デマンドレスポンス実施対象システムにおける前記需要家別ベースラインに前記需要家別要求電力量を反映させた需要家別需要電力量目標値との関係に基づいて、前記需要家別要求電力量を再計算する工程と、
を含む制御方法。
(付記21)
デマンドレスポンスにおける要求電力量のデマンドレスポンス実施対象システムへの割り当て分である需要家別要求電力量が、前記デマンドレスポンスのベースラインの前記デマンドレスポンス実施対象システムへの割り当て分である需要家別ベースラインの電力量に反映された需要家別需要電力量目標値を取得する工程と、
前記デマンドレスポンスの実施時間における前記デマンドレスポンス実施対象システムの需要電力量が、前記需要家別需要電力量目標値となるように、充放電可能機器の充放電を制御する工程と、
を含む制御方法。
(付記22)
コンピュータに、
デマンドレスポンスのベースラインの、デマンドレスポンス実施対象システムの各々への割り当て分である需要家別ベースラインを算出する工程と、
前記デマンドレスポンスにおける要求電力量の、前記需要家別デマンドレスポンスの各々への割り当て分である需要家別要求電力量を算出する工程と、
仮にデマンドレスポンス実施対象システムの充放電可能機器が前記デマンドレスポンスのための充放電を行わないと想定した場合の、デマンドレスポンス実施時間における当該デマンドレスポンス実施対象システムの需要電力量予測値であって、前記ベースラインの算出時よりも後の時点における当該デマンドレスポンス実施対象システムの状態に基づく需要電力量予測値と、当該デマンドレスポンス実施対象システムにおける前記需要家別ベースラインに前記需要家別要求電力量を反映させた需要家別需要電力量目標値との関係に基づいて、前記需要家別要求電力量を再計算する工程と、
を実施させるためのプログラム。
(付記23)
コンピュータに、
デマンドレスポンスにおける要求電力量のデマンドレスポンス実施対象システムへの割り当て分である需要家別要求電力量が、前記デマンドレスポンスのベースラインの前記デマンドレスポンス実施対象システムへの割り当て分である需要家別ベースラインの電力量に反映された需要家別需要電力量目標値を取得する工程と、
前記デマンドレスポンスの実施時間における前記デマンドレスポンス実施対象システムの需要電力量が、前記需要家別需要電力量目標値となるように、充放電可能機器の充放電を制御する工程と、
を実行させるためのプログラム。
(付記24)
時間帯毎の電力料金の情報に基づいて、ピークシフトにおける前記充放電可能機器の充放電の状態を予測する充放電予測手段
を備える充放電予測装置。
(付記25)
ピークシフトとデマンドレスポンスとの同時実施において、前記ピークシフトのための充電電力、または、前記ピークシフトのための放電電力のうち少なくとも何れか一方について設定された上限値に基づいて、充放電可能機器の充放電を制御する充放電制御手段
を備える制御装置。
1、410 電力システム
100、400、411、500 上位制御装置
110 第一通信部
180 第一記憶部
190 第一制御部
191 需要家別情報取得部
192 全体情報算出部
193、401、412、501 需要家別ベースライン算出部
194 総要求電力量取得部
195、402、413、502 需要家別要求電力量算出部
200、415、420 下位制御装置
210 第二通信部
280 第二記憶部
290 第二制御部
291 電力需要情報取得部
292 充放電情報取得部
293 充放電予測部
294、421 需要家別目標値取得部
295、416、422 充放電制御部
300 需要家設置システム
310 需要家機器群
311 充放電可能機器
312 太陽光発電システム
313 負荷
321 XEMS
414 デマンドレスポンス実施対象システム
503 送信部

Claims (10)

  1. 電力の需要家が使用する機器で構成され、前記需要家において電力の受給およびその制御を行うシステムであるデマンドレスポンス実施対象システムの各々への、デマンドレスポンスのベースラインの割り当て分である需要家別ベースラインを算出する需要家別ベースライン算出手段と、
    前記デマンドレスポンスにおける要求電力量の、前記デマンドレスポンス実施対象システムの各々への割り当て分である需要家別要求電力量を算出する需要家別要求電力量算出手段と、
    前記デマンドレスポンス実施対象システムの各々と通信をおこなって、そのデマンドレスポンス実施対象システムに、前記需要家別ベースラインおよび前記需要家別要求電力量に従って、そのデマンドレスポンス実施対象システムの充放電可能機器の充放電を制御させる送信手段と、
    を備え、
    前記需要家別要求電力量算出手段は、仮にデマンドレスポンス実施対象システムの充放電可能機器が前記デマンドレスポンスのための充放電を行わないと想定した場合の、デマンドレスポンス実施時間における当該デマンドレスポンス実施対象システムの需要電力量予測値であって、前記ベースラインの算出時よりも後の時点における当該デマンドレスポンス実施対象システムの状態に基づく需要電力量予測値と、当該デマンドレスポンス実施対象システムにおける前記需要家別ベースラインに前記需要家別要求電力量を反映させた需要家別需要電力量目標値との関係に基づいて、前記需要家別要求電力量を再計算する、
    上位制御装置。
  2. 前記需要家別要求電力量算出手段は、需要電力量を減少させる下げデマンドレスポンスにおいて、前記需要電力量予測値が前記需要家別需要電力量目標値よりも小さい前記デマンドレスポンス実施対象システムに対する前記需要家別要求電力量を0にし、需要電力量を増加させる上げデマンドレスポンスにおいて、前記需要電力量予測値が前記需要家別需要電力量目標値よりも大きい前記デマンドレスポンス実施対象システムに対する前記需要家別要求電力量を0にする、
    請求項1に記載の上位制御装置。
  3. 前記需要家別要求電力量算出手段は、前記下げデマンドレスポンスにおいて、前記需要電力量予測値が前記需要家別需要電力量目標値よりも小さい前記デマンドレスポンス実施対象システムに対する前記需要家別要求電力量を0にすることによる需要電力量の減少に応じて、前記需要電力量予測値が前記需要家別需要電力量目標値よりも大きい前記デマンドレスポンス実施対象システムに対する前記需要家別要求電力量を減少させ、前記上げデマンドレスポンスにおいて、前記需要電力量予測値が前記需要家別需要電力量目標値よりも大きい前記デマンドレスポンス実施対象システムに対する前記需要家別要求電力量を0にすることによる需要電力量の増加に応じて、前記需要電力量予測値が前記需要家別需要電力量目標値よりも小さい前記デマンドレスポンス実施対象システムに対する前記需要家別要求電力量を減少させる、
    請求項2に記載の上位制御装置。
  4. 前記需要家別要求電力量算出手段は、前記下げデマンドレスポンスにおいて、前記需要電力量予測値が前記需要家別需要電力量目標値よりも小さい前記デマンドレスポンス実施対象システムに対する前記需要家別要求電力量を0にすることによる需要電力量の減少に応じて、前記需要電力量予測値が前記需要家別ベースラインよりも大きい前記デマンドレスポンス実施対象システムに対する前記需要家別要求電力量を減少させ、前記上げデマンドレスポンスにおいて、前記需要電力量予測値が前記需要家別需要電力量目標値よりも大きい前記デマンドレスポンス実施対象システムに対する前記需要家別要求電力量を0にすることによる需要電力量の増加に応じて、前記需要電力量予測値が前記需要家別ベースラインよりも小さい前記デマンドレスポンス実施対象システムに対する前記需要家別要求電力量を減少させる、
    請求項2に記載の上位制御装置。
  5. 前記需要家別ベースライン算出手段は、時間帯毎の電力料金の情報に基づく、ピークシフトにおける前記充放電可能機器の充放電の状態の予測情報を用いて、前記デマンドレスポンス実施対象システムの需要電力量を予測する、
    請求項1から4の何れか一項に記載の上位制御装置。
  6. 電力の需要家が使用する機器で構成され、前記需要家において電力の受給およびその制御を行うシステムであるデマンドレスポンス実施対象システムの各々への、デマンドレスポンスのベースラインの割り当て分である需要家別ベースラインを算出する需要家別ベースライン算出手段と、
    前記デマンドレスポンスにおける要求電力量の、前記デマンドレスポンス実施対象システムの各々への割り当て分を、前記需要家別ベースラインに反映させた需要家別需要電力量目標値と、仮にデマンドレスポンス実施対象システムの充放電可能機器が前記デマンドレスポンスのための充放電を行わないと想定した場合の、デマンドレスポンス実施時間における当該デマンドレスポンス実施対象システムの需要電力量予測値であって、前記ベースラインの算出時よりも後の時点における当該デマンドレスポンス実施対象システムの状態に基づく需要電力量予測値との関係が所定の関係であるデマンドレスポンス実施対象システムの需要家別要求電力量を0にし、前記需要家別需要電力量目標値と前記需要電力量予測値との差の電力量に応じて、少なくとも1つの他のデマンドレスポンス実施対象システムの需要家別要求電力量を、当該デマンドレスポンス実施対象システムにおける前記需要家別需要電力量目標値と前記需要電力量予測値との差の電力量よりも小さく算出する需要家別要求電力量算出手段と、
    前記需要家別要求電力量算出手段が算出した、少なくとも1つの、前記デマンドレスポンス実施対象システムに対する前記需要家別要求電力量の値が0である前記需要家別要求電力量を、前記デマンドレスポンス実施対象システムへ送信して、そのデマンドレスポンス実施対象システムに、前記需要家別要求電力量に従って、そのデマンドレスポンス実施対象システムの充放電可能機器の充放電を制御させる送信手段と、
    を備える、上位制御装置。
  7. 前記需要家別要求電力量算出手段は、需要電力量を減少させる下げデマンドレスポンスにおいて、前記需要電力量予測値が前記需要家別需要電力量目標値よりも小さい前記デマンドレスポンス実施対象システムに対する前記需要家別要求電力量を0にすることによる需要電力量の減少に応じて、前記需要電力量予測値が前記需要家別需要電力量目標値よりも大きい前記デマンドレスポンス実施対象システムに対する前記需要家別要求電力量を減少させ、需要電力量を増加させる上げデマンドレスポンスにおいて、前記需要電力量予測値が前記需要家別需要電力量目標値よりも大きい前記デマンドレスポンス実施対象システムに対する前記需要家別要求電力量を0にすることによる需要電力量の増加に応じて、前記需要電力量予測値が前記需要家別需要電力量目標値よりも小さい前記デマンドレスポンス実施対象システムに対する前記需要家別要求電力量を減少させ、
    前記送信手段は、前記需要家別要求電力量算出手段が前記需要家別要求電力量を減少させた前記デマンドレスポンス実施対象システムに対して、減少後の前記需要家別要求電力量を送信する、
    請求項6に記載の上位制御装置。
  8. 上位制御装置と、下位制御装置を備える複数のデマンドレスポンス実施対象システムとを備え、
    前記上位制御装置は、
    デマンドレスポンスのベースラインの、前記デマンドレスポンス実施対象システムの各々への割り当て分である需要家別ベースラインを算出する需要家別ベースライン算出手段と、
    前記デマンドレスポンスにおける要求電力量の、前記デマンドレスポンス実施対象システムの各々への割り当て分である需要家別要求電力量を算出する需要家別要求電力量算出手段と、
    を備え、
    前記需要家別要求電力量算出手段は、仮にデマンドレスポンス実施対象システムの充放電可能機器が前記デマンドレスポンスのための充放電を行わないと想定した場合の、デマンドレスポンス実施時間における当該デマンドレスポンス実施対象システムの需要電力量予測値であって、前記ベースラインの算出時よりも後の時点における当該デマンドレスポンス実施対象システムの状態に基づく需要電力量予測値と、当該デマンドレスポンス実施対象システムにおける前記需要家別ベースラインに前記需要家別要求電力量を反映させた需要家別需要電力量目標値との関係に基づいて、前記需要家別要求電力量を再計算し、
    前記下位制御装置は、
    前記デマンドレスポンスの実施時間における前記デマンドレスポンス実施対象システムの需要電力量が、前記需要家別要求電力量が前記需要家別ベースラインの電力量に反映された需要家別需要電力量目標値となるように、前記充放電可能機器の充放電を制御する充放電制御手段
    を備える
    電力システム。
  9. 電力の需要家が使用する機器で構成され、前記需要家において電力の受給およびその制御を行うシステムであり、下位制御装置自らを含むデマンドレスポンス実施対象システムへの、デマンドレスポンスにおける要求電力量の割り当て分である需要家別要求電力量と、前記デマンドレスポンスのベースラインの前記デマンドレスポンス実施対象システムへの割り当て分である需要家別ベースラインとを取得する取得手段と、
    前記需要家別要求電力量が、前記需要家別ベースラインの電力量に反映された、需要家別需要電力量目標値を算出する需要家別目標値取得手段と、
    前記デマンドレスポンスの実施時間における前記デマンドレスポンス実施対象システムの需要電力量が、前記需要家別需要電力量目標値となるように、前記デマンドレスポンス実施対象システムの充放電可能機器の充放電を制御する充放電制御手段と、
    を備える下位制御装置。
  10. 前記取得手段は、デマンドレスポンスが上げデマンドレスポンス、下げデマンドレスポンスの何れであるかを示す情報をさらに取得し、
    前記充放電制御手段は、前記デマンドレスポンスが上げデマンドレスポンスであり、かつ、前記デマンドレスポンスの実施時間における前記デマンドレスポンス実施対象システムの需要電力量を前記需要家別需要電力量目標値とするための、前記充放電可能機器の充放電が放電である場合、および、前記デマンドレスポンスが下げデマンドレスポンスであり、かつ、前記デマンドレスポンスの実施時間における前記デマンドレスポンス実施対象システムの需要電力量を前記需要家別需要電力量目標値とするための、前記充放電可能機器の充放電が充電である場合、前記デマンドレスポンスの実施時間における前記デマンドレスポンス実施対象システムの需要電力量を前記需要家別需要電力量目標値とするための、前記充放電可能機器の充放電制御を中止する、
    請求項9に記載の下位制御装置。
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