JP7482339B1 - 受け取り基板、レーザリフトオフ方法、リフト方法、保持方法、及び微小構造体の洗浄方法 - Google Patents

受け取り基板、レーザリフトオフ方法、リフト方法、保持方法、及び微小構造体の洗浄方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、供給基板上に形成された微小構造体をレーザリフトオフにより移載して受け取るための受け取り基板であって、前記微小構造体が移載される面には硬化性の樹脂層を有する受け取り基板である。これにより、破損を抑えながら微小構造体を受け取ることができると共に、位置ずれ及び傾きを抑えて微小構造体を保持できる受け取り基板を提供できる。

Description

本発明は、ミニ発光ダイオード(以下、ミニLEDとも言う)や、マイクロ発光ダイオード(以下、マイクロLEDとも言う)などの微小構造体を移載する際に用いる受け取り基板及び該受け取り基板の製造方法、微小構造体を移載するリフト(LIFT:Laser-Induced Forward Transfer)方法、微小構造体を受け取り基板に保持する保持方法、並びに微小構造体の洗浄方法に関する。
近年、半導体素子の微小化に伴い半導体素子を用いた電気・電子応用製品の組み立て手段として、粘着性樹脂を用いた微小構造体移載技術が注目されている。特に、一度に何万個という大量のミニLED(短辺が100μm以上~数100μmのLED素子)、あるいはマイクロLED(短辺が100μm以下、さらには50μm以下のLED素子)を移載することにより、サイネージ、TV、医療用、車載、スマートフォンなどの用途に向けたLEDディスプレイを製造する技術開発が活発になってきている。
これまでにドナー基板や転写用スタンプ材料として、シリコーン粘着性硬化物を用いてマイクロLEDなどの微小構造体を移載する方法、および回路基板上へ実装する方法を開発してきた(特許文献1)。
一方、移載したLED素子などの微小構造体と回路基板とを電気的に接続する手法として、微小構造体の電極上にはんだ粒子(以下、バンプ(Bump)とも言う)を付与し、回路基板の配線に微小構造体を搭載した後、リフローをすることでBumpに含まれるはんだ成分を融解させて導通させる手法が知られている。このようなBumpを含む微小構造体を移載する場合、Bumpの形状が丸みを帯びていることが多いことからドナープレート上での搭載姿勢が一様ではなく、プレート平面に対して傾きが発生する問題があった。また、例えば青色LED素子をレーザーリフトオフ(以下、LLOとも言う)した後に、微小構造体表面にGaが付着するが、これを除くために塩酸水溶液を洗浄液として用いると、はんだ成分が同時に溶解して組成が変化してしまい、リフロー時の融点が上昇し、次工程に影響を及ぼす問題があった。また、洗浄の際の衝撃によって微小構造体が脱落することがしばしばあった。
特開2021-34610号公報
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、破損を抑えながら微小構造体を受け取ることができると共に、位置ずれ及び傾きを抑えて微小構造体を保持できる受け取り基板、このような受け取り基板の製造方法、供給基板から受け取り基板へと破損を抑えながら微小構造体を移載し、位置ずれ及び傾きを抑えながら微小構造体を保持できるリフト方法、微小構造体の位置ずれ及び傾きを抑えることができる保持方法、並びに、脱落、位置ずれ及び傾きを抑えながら微小構造体を洗浄できる洗浄方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では、供給基板上に形成された微小構造体をレーザリフトオフにより移載して受け取るための受け取り基板であって、
前記微小構造体が移載される面には硬化性の樹脂層を有する受け取り基板を提供する。
本発明の受け取り基板では、レーザリフトオフ(LLO)の際に局所的な応力が微小構造体に印加されるのを防ぐことができる共に、微小構造体を強固に保持できる。従って、本発明の受け取り基板によれば、破損を抑えながら微小構造体を受け取ることができ、位置ずれ及び傾きを抑えて微小構造体を保持することもできる。
例えば、前記硬化性の樹脂層は、光硬化性又は熱硬化性である。
硬化性の樹脂層は、硬化性であれば特に限定されないが、例えば光硬化性又は熱硬化性であってもよい。
例えば、前記硬化性の樹脂層は、Bステージ状であり得る。
硬化性の樹脂層は、Bステージ状、すなわち半硬化状であり得る。このような樹脂層は、微小構造体を受け取ったのち、二次硬化処理に供されることで、微小構造体を位置ずれや傾きを起こすことなく保持することができる。
前記硬化性の樹脂層は、ゲル状であることが好ましい。
ゲル状の樹脂層であれば、レーザリフトオフの際の微小構造体の破損をより確実に防ぐことができる。
例えば、前記硬化性の樹脂層は、シリコーン系ゲル層であり得る。
硬化性の樹脂層は、限定されないが、例えばシリコーン系ゲル層とすることができる。
前記硬化性の樹脂層は、前記微小構造体に対するタック性を有するものであることが好ましい。
このような樹脂層であれば、受け取った微小構造体の位置ずれを更に防ぐことができる。
前記硬化性の樹脂層は、硬化により硬度が上昇するものであることが好ましい。
硬化によって硬度が上昇する樹脂層であれば、硬化後、微小構造体の位置ずれや傾きを更に抑えることができる。
或いは、前記硬化性の樹脂層は、硬化により前記微小構造体への接着力が上昇する、又は、前記微小構造体の保持力が上昇するものであることも好ましい。
このような樹脂層であれば、硬化後、微小構造体の位置ずれや傾きを更に確実に抑えることができる。
或いは、前記硬化性の樹脂層は、硬化によりゴム状となるものであることも好ましい。
硬化によってゴム状となる樹脂層であれば、硬化後、微小構造体の位置ずれや傾きを更に抑えることができる。
この場合、例えば、前記硬化性の樹脂層の貯蔵弾性率は、25℃において10~1000Paであり、硬化によって1MPa~30GPaとなるものであり得る。
硬化性の樹脂層は、例えば、このように硬化によって貯蔵弾性率が上昇するものであり得る。
また、本発明では、受け取り基板作製用基板の一方の面に、少なくとも二種類の硬化反応が可能な樹脂の層を形成する工程、及び
一種類目の硬化反応を行うことで前記樹脂を部分的に硬化させる工程
を有する硬化性の樹脂層を有する受け取り基板の製造方法を提供する。
このような製造方法であれば、一種類目の硬化反応により樹脂を部分的に硬化させる工程を行うことにより、硬化性の樹脂層を有する受け取り基板を製造できる。この受け取り基板では、レーザリフトオフの際に局所的な応力が微小構造体に印加されるのを防ぐことができる共に、微小構造体を強固に保持できる。従って、製造した受け取り基板は、破損を抑えて微小構造体をレーザリフトオフにより受け取ることができると共に、位置ずれや傾きを抑えて微小構造体を保持することができる。
例えば、前記少なくとも二種類の硬化反応は、光硬化反応と熱硬化反応との組合せ、異なる硬化開始温度を有する熱硬化反応の組合せ、又は異なる硬化波長を有する光硬化反応の組合せを含むことができる。
上記硬化反応の組み合わせは、特に限定されないが、例えば以上のような組み合わせにすることができる。
この場合、例えば、前記少なくとも二種類の硬化反応は、ラジカル硬化系、カチオン硬化系、アニオン硬化系、付加硬化系及び縮合硬化系からなる群から選ばれる少なくとも二つの組合せを含むことができる。
上記硬化反応の組み合わせは、特に限定されないが、例えば以上のような組み合わせにすることができる。
また、本発明は、供給基板上に形成された微小構造体をレーザリフトオフにより受け取り基板に移載するリフト方法であって、
前記微小構造体の前記受け取り基板と対向する面は突起を有し、
前記受け取り基板の前記微小構造体が移載される面は硬化性の樹脂層を有し、
前記微小構造体を前記硬化性の樹脂層に押し当てることで、前記突起を前記硬化性の樹脂層に埋まった状態にし、
前記突起が前記硬化性の樹脂層に埋まった状態で前記硬化性の樹脂層を硬化することで前記微小構造体を前記受け取り基板に保持させ、
前記微小構造体を前記受け取り基板に保持させた状態でレーザリフトオフを行うリフト方法を提供する。
このようなリフト方法であれば、微小構造体の突起が硬化性の樹脂層に埋まった状態でレーザリフトオフを行うことで、レーザリフトオフの際に局所的な応力が微小構造体に印加されるのを防ぐことができる。従って、本発明のリフト方法では、突起を有した微小構造体に関しても、破損を防ぎながら供給基板から受け取り基板へと移載することができる。また、本発明のリフト方法で用いる受け取り基板の硬化性の樹脂層は、微小構造体を保持した状態で硬化して高硬度化することができる。従って、本発明のリフト方法では、受け取った微小構造体の位置ずれ及び傾きを抑えて微小構造体を受け取り基板に保持させることができる。
また、本発明では、突起を有する微小構造体を受け取り基板に保持する保持方法であって、
前記受け取り基板は微小構造体を保持する面に硬化性の樹脂層を有し、
前記微小構造体を前記硬化性の樹脂層に押し当てることで、前記突起を前記硬化性の樹脂層に埋まった状態にし、
前記突起が前記硬化性の樹脂層に埋まった状態で前記硬化性の樹脂層を硬化することで前記微小構造体を受け取り基板に保持する保持方法を提供する。
このような保持方法であれば、微小構造体の突起が硬化性の樹脂層に埋まった状態で硬化性の樹脂層を硬化することにより、微小構造体の破損、位置ずれ及び傾きを抑えて微小構造体を受け取り基板に保持させることができる。
また、本発明では、微小構造体の洗浄方法であって、
本発明のリフト方法により前記微小構造体を前記受け取り基板に移載した後に、前記微小構造体を酸またはアルカリ性洗浄液で洗浄する、微小構造体の洗浄方法を提供する。
上記の通り、本発明のリフト方法では、受け取った微小構造体の位置ずれ及び傾きを抑えて微小構造体を受け取り基板に保持させることができる。そのため、本発明の洗浄方法によれば、微小構造体の脱落、位置ずれ及び傾きを抑えて微小構造体を洗浄することができる。
また、本発明では、突起を有する微小構造体の洗浄方法であって、
前記微小構造体を硬化性の樹脂層に押し当てることで、前記突起を前記硬化性の樹脂層に埋まった状態にし、
前記硬化性の樹脂層を硬化した後で、前記微小構造体の前記突起が樹脂層に隙間なく覆われており、かつ前記突起の周囲5μm以内の前記樹脂層に気泡が存在しない状態で、前記微小構造体を、酸またはアルカリ性洗浄液で洗浄する洗浄方法を提供する。
このような洗浄方法であれば、微小構造体の突起を硬化性の樹脂層に埋まった状態にし、この硬化性の樹脂層を硬化した後で、微小構造体の突起が樹脂層に隙間なく覆われており、かつ突起の周囲5μm以内の樹脂層に気泡が存在しない状態で、微小構造体の洗浄を行うことにより、洗浄による微小構造体の脱落、位置ずれ及び傾きを抑制することができる。
以上のように、本発明の受け取り基板であれば、破損を抑えながら微小構造体をレーザリフトオフにより受け取ることができると共に、微小構造体の位置ずれ及び傾きを抑えることができる。
また、本発明の受け取り基板の製造方法であれば、破損を抑えながら微小構造体をレーザリフトオフにより受け取ることができると共に、微小構造体の位置ずれ及び傾きを抑えることができる受け取り基板を製造できる。
また、本発明のリフト方法によれば、突起を有した微小構造体に関しても、破損を防ぎながら供給基板から受け取り基板へと移載することができる。また、本発明のリフト方法では、受け取った微小構造体の位置ずれ及び傾きを抑えて微小構造体を受け取り基板に保持させることができる。
また、本発明の保持方法であれば、微小構造体の位置ずれ及び傾きを抑えて微小構造体を受け取り基板に保持させることができる。
また、本発明の洗浄方法であれば、脱落、位置ずれ及び傾きを抑えながら微小構造体を洗浄できる。
本発明の受け取り基板の一例を示す概略図である。 本発明の受け取り基板の製造方法の一例を示す概略図である。 本発明で用いることができる供給基板の一例を示す概略図である。 本発明のリフト方法の一例を示す概略図である。 本発明のリフト方法の一例における貼り合わせ及び二次硬化を示す概略図である。 図5(C)の詳細図である。 図6に示す積層基板の別側面の概略図である。 本発明のリフト方法の一例におけるLLO及び引き剥がしを示す概略図である。 本発明の洗浄方法の一例を示す概略図である。 実施例1による移載の後の微小構造体、この移載に続く引き剥がし後の微小構造体、及びこの引きはがしに続く洗浄後の微小構造体の写真である。 参考例による移載の後の微小構造体、この移載に続く引き剥がし後の微小構造体、及びこの引きはがしに続く洗浄後の微小構造体の写真である。
上述のように、破損を抑えながら微小構造体を受け取ることができると共に、位置ずれ及び傾きを抑えて微小構造体を保持できる受け取り基板、このような受け取り基板の製造方法、供給基板から受け取り基板へと破損を抑えながら微小構造体を移載し、位置ずれ及び傾きを抑えながら微小構造体を保持できるリフト方法、微小構造体の位置ずれ及び傾きを抑えることができる保持方法、並びに、脱落、位置ずれ及び傾きを抑えながら微小構造体を洗浄できる洗浄方法の開発が求められていた。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、受け取り基板として硬化性の樹脂層を含むものを用いることで、微小構造体を破損を抑えながらレーザリフトオフにより受け取ることができると共に、微小構造体の位置ずれ及び傾きを抑えることができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、供給基板上に形成された微小構造体をレーザリフトオフにより移載して受け取るための受け取り基板であって、
前記微小構造体が移載される面には硬化性の樹脂層を有する受け取り基板である。
また、本発明は、受け取り基板作製用基板の一方の面に、少なくとも二種類の硬化反応が可能な樹脂の層を形成する工程、及び
一種類目の硬化反応を行うことで前記樹脂を部分的に硬化させる工程
を有する硬化性の樹脂層を有する受け取り基板の製造方法である。
また、本発明は、供給基板上に形成された微小構造体をレーザリフトオフにより受け取り基板に移載するリフト方法であって、
前記微小構造体の前記受け取り基板と対向する面は突起を有し、
前記受け取り基板の前記微小構造体が移載される面は硬化性の樹脂層を有し、
前記微小構造体を前記硬化性の樹脂層に押し当てることで、前記突起を前記硬化性の樹脂層に埋まった状態にし、
前記突起が前記硬化性の樹脂層に埋まった状態で前記硬化性の樹脂層を硬化することで前記微小構造体を前記受け取り基板に保持させ、
前記微小構造体を前記受け取り基板に保持させた状態でレーザリフトオフを行うリフト方法である。
また、本発明は、突起を有する微小構造体を受け取り基板に保持する保持方法であって、
前記受け取り基板は微小構造体を保持する面に硬化性の樹脂層を有し、
前記微小構造体を前記硬化性の樹脂層に押し当てることで、前記突起を前記硬化性の樹脂層に埋まった状態にし、
前記突起が前記硬化性の樹脂層に埋まった状態で前記硬化性の樹脂層を硬化することで前記微小構造体を受け取り基板に保持する保持方法である。
また、本発明は、微小構造体の洗浄方法であって、
本発明のリフト方法により前記微小構造体を前記受け取り基板に移載した後に、前記微小構造体を酸またはアルカリ性洗浄液で洗浄する、微小構造体の洗浄方法である。
また、本発明は、突起を有する微小構造体の洗浄方法であって、
前記微小構造体を硬化性の樹脂層に押し当てることで、前記突起を前記硬化性の樹脂層に埋まった状態にし、
前記硬化性の樹脂層を硬化した後で、前記微小構造体の前記突起が樹脂層に隙間なく覆われており、かつ前記突起の周囲5μm以内の前記樹脂層に気泡が存在しない状態で、前記微小構造体を、酸またはアルカリ性洗浄液で洗浄する洗浄方法である。
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[受け取り基板]
図1に、本発明の受け取り基板の一例を概略的に示す。
図1に示す受け取り基板10は、供給基板上に形成された微小構造体をレーザリフトオフにより移載して受け取るための受け取り基板10である。供給基板及び微小構造体については、後述する。
受け取り基板10は、一方の面(微小構造体が移載される面)10Aに、図1に示すように、硬化性の樹脂層12を有する。図1に示す例の受け取り基板10は、硬化性の樹脂層12を支持する支持基板11を更に備えている。
硬化性の樹脂層12は、硬化することができる樹脂の層であり、第一硬化状態、Bステージ状、又は半硬化状態であるということができる。
このような硬化性の樹脂層12の樹脂は、微小構造体の表面形状に追従して変形できる。その硬化性の樹脂層12を硬化(例えば第二硬化)させると、硬化性の樹脂層12の樹脂は微小構造体の表面形状に追従したまま高硬度化して保持できるため、レーザリフトオフ(LLO)の際でも局所的な応力が微小構造体に印加されるのを防ぐことができると共に、微小構造体を強固に保持できる。従って、本発明の受け取り基板10であれば、破損を抑えながら微小構造体を受け取ることができ、位置ずれ及び傾きを防ぐこともできる。
以下、硬化性の樹脂層12及び支持基板11について、より詳細に説明する。
<硬化性の樹脂層>
本発明で用いる硬化性の樹脂層12の樹脂は、硬化性であれば特に限定されないが、例えば、光硬化性又は熱硬化性である。
硬化性の樹脂層12の樹脂は、例えば、2段階硬化型樹脂のBステージ状であり得る。このような樹脂層12は、微小構造体を受け取ったのち、二次硬化処理に供されることで、微小構造体を位置ずれや傾きを起こすことなく保持することができる。
2段階硬化型樹脂のBステージ状の樹脂は、例えば、2段階硬化型シリコーン系組成物を一次硬化に供したものであり得る。
2段階硬化型シリコーン系組成物は、例えば、付加硬化反応、光ラジカル重合反応、熱ラジカル重合反応、カチオン硬化反応、アニオン硬化反応、及び縮合硬化反応から選ばれる少なくとも二種類の硬化反応の組み合わせによって少なくとも二段階で硬化できるシリコーン系組成物である。硬化形態は、互いの硬化反応を阻害しない範囲内で自由に組み合わせて構わないが、中でも樹脂設計の容易さ、あるいは硬化のしやすさから付加硬化反応と光ラジカル重合反応の組み合わせ、付加硬化反応と熱ラジカル重合反応の組み合わせ、および光ラジカル重合反応と熱ラジカル重合反応との組み合わせを用いることが好ましく、特に設計のしやすさ、および硬化のしやすさから付加硬化反応と光ラジカル重合反応の組み合わせが好ましい。少なくとも二種類の硬化反応は、二種類以上であれば特に限定されないが、例えば二種類以上四種類以下とすることができる。
支持基板11に対して塗布工程を行った後、例えばヒドロシリル化反応で第一硬化させる場合は好ましくは20~200℃の環境下にて、5~90分間加熱硬化したり、光ラジカル重合反応で第一硬化させる場合は、好ましくは窒素環境下で365nm光を指標として50~3000mW/cmなどの照度、かつ100~20000mJ/cmなどの積算光量で紫外線を組成物に照射するなど、シリコーン系組成物に適した硬化条件にて第一硬化した硬化性シリコーン系樹脂層を形成することができる。
ここで、第一硬化を行った後の硬化性の樹脂層12の貯蔵弾性率は、25℃において10~1000Paであることが望ましく、特に好ましくは100~500Paである。貯蔵弾性率が25℃において10~1000Paの範囲内である樹脂層は、液状とは異なり、面内均一性を保持するのが容易であると共に、微小構造体の凹凸に対して硬化性樹脂層が追従することが容易となる。
得られた硬化性樹脂層12を第二硬化させる場合、例えばヒドロシリル化反応で第二硬化させる場合は好ましくは20~200℃の環境下にて、5~90分間加熱硬化したり、光ラジカル重合反応で第二硬化させる場合は、好ましくは窒素環境下で365nm光を指標として50~3000mW/cmなどの照度、かつ100~20000mJ/cmなどの積算光量で紫外線を組成物に照射するなど、硬化性シリコーン系組成物に適した硬化条件にて第二硬化した樹脂層(例えばシリコーン系樹脂層)を形成することができる。
ここで、硬化性の樹脂層12は、硬化(二次硬化)によって、25℃での貯蔵弾性率が、1MPa~30GPaとなるものであることが望ましく、4MPa~5GPaとなるものであることがより望ましい。二次硬化後の25℃での貯蔵弾性率が、1MPa以上であれば、微小構造体に対する保持力を十分に確保でき、例えば洗浄時の脱落を十分に抑制できる。また、二次硬化後の25℃での貯蔵弾性率が30GPa以下であれば、次工程への適用が十分に可能な保持力を呈することができる。
硬化性の樹脂層12は、ゲル状であることが好ましく、例えばシリコーン系ゲル層である。ゲル状の樹脂層であれば、レーザリフトオフの際の微小構造体の破損をより確実に防ぐことができる。なお、本発明において、ゲル状とは、液体が流動性を失い、表面タック性を有するゼリー状の状態を意味する。
硬化性の樹脂層12は、微小構造体に対するタック性を有するものであることが好ましい。このような樹脂層であれば、受け取った微小構造体の位置ずれを更に防ぐことができる。
硬化性の樹脂層12は、硬化により硬度が上昇するものであることが好ましい。硬化によって硬度が上昇する樹脂層であれば、硬化後、微小構造体の位置ずれや傾きを更に抑えることができる。
或いは、硬化性の樹脂層12は、硬化により微小構造体への接着力が上昇する、又は、微小構造体の保持力が上昇するものであることも好ましい。このような樹脂層であれば、硬化後、微小構造体の位置ずれや傾きを更に抑えることができる。
或いは、硬化性の樹脂層12は、硬化によりゴム状となるものであることも好ましい。硬化によってゴム状となる樹脂層であれば、硬化後、微小構造体の位置ずれや傾きを更に抑えることができる。なお、本発明において、ゴム状とは、荷重や衝撃に対して反発力を示し、伸縮性や弾性に優れた状態を意味する。
また、硬化性の樹脂層12は、硬化により、ゴム状ではなく、高硬度プラスチック等の樹脂硬化物となってもよい。
<支持基板>
受け取り基板10に用いられる支持基板11としては、例えば、合成石英ガラス基板、フロートガラス等が挙げられ、特に平坦性の観点、透明性の観点から、合成石英ガラス基板が好ましい。
また、受け取り基板10に用いられる支持基板11の大きさは、用いる供給基板(以下で詳細に説明する)の口径と同じか、それよりも大きいものが好ましい。具体的には、供給基板として外径が10.16cm(4インチ)のサファイア基板を用いる場合には、外径が10.16~20.32cm(4~8インチ)の受け取り基板10を用いることができる。
複数の微小構造体の一部または全部が供給基板から受け取り基板10へ確実に移載されるためには、供給基板の一方の面に形成された複数の微小構造体と、硬化性の樹脂層12を支持基板11上に備えた受け取り基板10との貼り合わせにおいて、個々の微小構造体が受け取り基板10の硬化性の樹脂層12に一時的に一様に仮固定された状態が好ましい。
このように微小構造体を精度よく仮固定させるため、受け取り基板10に用いる支持基板11は、6.01mm×6.01mmの領域について、白色干渉計によりピクセル数1240×1240で測定して得られる空間周波数1mm-1以上におけるパワースペクトル密度が、1012nm以下であることが好ましく、特に微小構造体がマイクロLEDの場合には、微小構造体間の距離を考慮すると、6.01mm×6.01mmの領域について、白色干渉計によりピクセル数1240×1240で測定して得られる空間周波数10mm-1以上50mm-1以下におけるパワースペクトル密度が、10nm以下であることが好ましい。
また、受け取り基板10は、微小構造体を精度よく仮固定させるため、受け取り基板10に用いる支持基板11は、厚みばらつきが小さいものが好ましい。例えば、溝尻光学工業所社の波長変換フィゾー式フラットネステスターにより測定した厚みばらつき(TTV)が、好ましくは2μm以下、より好ましくは1μm以下、さらに好ましくは0.5μm以下である。
なお、本発明の受け取り基板10が保持する対象の微小構造体は、突起を有する微小構造体であっても良いし、突起無しの微小構造体であっても良い。
[受け取り基板の製造方法]
本発明の受け取り基板は、例えば、図2を参照しながら以下に説明する、本発明の受け取り基板の製造方法で製造できる。ただし、本発明の受け取り基板は、以下に説明する本発明の受け取り基板の製造方法以外の方法によって製造することもできる。
まず、図2(A)に示すように、受け取り基板作製用基板(支持基板)11を準備する。用いる支持基板の詳細は、先の説明を参照されたい。
次に、図2(B)に示すように、支持基板11の一方の面に、少なくとも二種類の硬化反応が可能な樹脂の層12aを形成する工程を行い、複合体10aを得る。
この工程は、例えば、支持基板11に少なくとも二種類の硬化反応が可能な樹脂をコーティングすることを含むことができる。
ここで用いる樹脂は、少なくとも二種類の硬化反応が可能なものであれば特に限定されない。例えば、先に説明した2段階硬化型シリコーン系組成物を用いることができる。
少なくとも二種類の硬化反応が可能な樹脂として先に示した2段階硬化型シリコーン系組成物を用いる場合、支持基板11上へのコーティングは、前記2段階硬化型シリコーン系組成物をスピンコーティング、スリットコーティング、あるいはスクリーン印刷などを用いて、任意の形状に塗布してよい。前記2段階硬化型シリコーン系組成物の塗布厚みは、移載する微小構造体の形状や厚みを考慮し、任意に決定してよいが、好ましくは1~500μm、より好ましくは5~200μm、さらに好ましくは塗布のしやすさや、硬化後の膜厚均一性を保持する観点から10~100μmであることが好ましい。また、支持基板11と硬化性シリコーン系樹脂12aとの界面での密着性あるいは接着性を向上させるため、あらかじめプライマー処理した支持基板11を用いてもよい。
次に、一種類目の硬化反応(いわゆる一次硬化)を行うことで、樹脂の層12a中の少なくとも二種類の硬化反応が可能な樹脂を部分的に硬化させる工程を行う。これにより、樹脂の層12aが一次硬化し、硬化性の樹脂層12となる。その結果、図2(C)に示す、本発明の受け取り基板10を得ることができる。
硬化性の樹脂層12は、二次硬化させることができる。硬化性の樹脂層12は、二次硬化により、図2(D)に示す第二硬化後の樹脂層12bになることができる。すなわち、図2(D)に示す受け取り基板10bは、支持基板11と、支持基板11上に形成された二次硬化後の樹脂層12bとを有する。
以上に説明した少なくとも二種類の硬化反応(例えば一次硬化及び二次硬化)は、例えば、光硬化反応と熱硬化反応との組合せ、異なる硬化開始温度を有する熱硬化反応の組合せ、又は異なる硬化波長を有する光硬化反応の組合せを含むことができる。
別の側面では、以上に説明した少なくとも二種類の硬化反応(例えば一次硬化及び二次硬化)は、例えば、ラジカル硬化系、カチオン硬化系、アニオン硬化系、付加硬化系及び縮合硬化系からなる群から選ばれる少なくとも二つの組合せを含むことができる。
[リフト方法]
本発明のリフト方法は、供給基板上に形成された微小構造体をレーザリフトオフにより受け取り基板に移載するリフト方法である。本発明のリフト方法の例を、図3~図8を参照しながら説明する。
本発明のリフト方法で用いる受け取り基板としては、先に説明した本発明の受け取り基板10を用いることができる。
本発明で用いることができる供給基板は、例えば、図3に示すように、支持基板21の一方の面に複数の微小構造体100が形成されており、微小構造体100の受け取り基板10に対向する面100Aに突起130を有する供給基板20である。図3では、微小構造体100の素子本体120上にバンプ(Bump)などの突起130が形成されている。突起130の間には、凹部110が形成されている。なお、先に説明した本発明の受け取り基板を用いることにより、突起を有さない微小構造体をレーザリフトオフにより移載することもできる。
供給基板20に用いられる支持基板21としては、例えばサファイア基板、GaAs基板(ヒ化ガリウム基板)、Si基板、SiC基板等が挙げられ、口径は任意である。
また、微小構造体100としては、例えば、支持基板21上にエピタキシャル成長、イオン注入、ウェットエッチング、ドライエッチング、蒸着、電極形成等の通常の半導体前工程において行われるプロセスにより、デバイスとしての基本構造を備えた後に、素子を分離する深さまでのブレードダイシング、ドライエッチング、レーザーダイシング等の常法により分離されて得られる素子等が挙げられる。
例えば、微小構造体がLEDの場合、10.16cm(4インチ)サファイア基板上に、バッファ層を備え、3μmのN型GaN層を形成し、その後に公知の発光層構造を備え、P型GaNを積んだエピタキシャル層の合計の厚さが4μmのLEDエピタキシャル基板を準備する。その後、ドライエッチングにより局所的にN層を露出させた後、公知のプロセスにより、P層の上にP型電極を形成し、露出させたN層が接触する形でN型電極を形成し、メッキや蒸着、あるいはスパッタリングなどの手法により電極上にBumpを形成する。その後、所定の大きさのLED 素子を分離するため、少なくともサファイア基板に到達し、素子が完全に分離される状態になるようにレーザーダイシングを行い、微小構造体が得られる。
また、微小構造体100の大きさは任意であるが、例えばパワーLEDの場合、1mm角程度の大きさである。この他にも、LED素子の場合は300μm角程度であり、ミニLEDの場合は100μm角程度であり、マイクロLEDの場合は60μm角以下程度であり、極小サイズのマイクロLEDの場合は30μm角以下である。
なお、上記に記載した微小構造体100の形状は概ね正方形の例であるが、本発明ではこれに限られない。例えば、マイクロLEDの場合、一方の辺が30~60μm、他方の辺が10~30μmという長方形の形状でも構わない。
また、微小構造体100の厚さは、支持基板21上へのエピタキシャル成長厚さによるものであり、特に制限されないが、好ましくは3~10μm程度である。
さて、この例のリフト方法では、例えば図4(A)に示すように、受け取り基板10の硬化性の樹脂層12の微小構造体100が移載される面10Aと、供給基板20の微小構造体100の面100Aに設けられた突起130とが対向するように、受け取り基板10と供給基板20とを互いに位置合わせする。
次に、図4(B)に示すように、微小構造体100を硬化性の樹脂層12に押し当てることで、突起130を硬化性の樹脂層12に埋まった状態にし、積層基板30を得る。この工程は、貼り合わせと呼ぶこともできる。
次に、図4(C)に示すように、突起130が硬化性の樹脂層12に埋まった状態で硬化性の樹脂層12を硬化することで微小構造体100を受け取り基板10に保持させる。この工程は、第二硬化と呼ぶこともできる。
別の例において、供給基板20の一方の面に形成された複数の微小構造体100と、受け取り基板10上の硬化性の樹脂層(例えばシリコーン系樹脂層)12との貼り合わせ、及び第二硬化は、例えば図5に示すようにして行うことができる。なお、図5では、微小構造体100の突起の図示を省略している。
この例では、図5(A)のように位置合わせした状態から、図5(B)に示すように、供給基板20上の微小構造体100受け取り基板10上の硬化性の樹脂層12とが向かい合うように受け取り基板10及び供給基板20の全体を加圧しながら貼り合わせ、積層体30を得る。
その後、図5(C)に示すように、硬化性の樹脂層12の第二硬化を行い、第二硬化後の樹脂層12bへ高硬度化させることにより、積層基板40を得る。
図6及び図7に、図5(C)の詳細を示す。図7は、図6の状態の積層基板40を支持基板11越しに微小構造体100を観察した略図である。本発明のリフト方法で移載する微小構造体100は、先に説明したように突起130を有する。図6及び図7では、Bumpなどの突起130は二次硬化した樹脂層12bで隙間なく覆われている。そのため、図3に示す微小構造体100の凹部110が樹脂層12bで埋められている。
突起130の周囲5μm以内の樹脂層12b内に気泡が存在しない場合、洗浄工程において突起130が洗浄液に触れるのを防ぐことができ、突起130を構成する成分が変化することを防止できる。突起130から5μmの範囲において樹脂12b内に気泡が存在しないことは、例えばレーザ顕微鏡などを用いて確認することができる。
貼り合わせ時の加圧は、硬化性の樹脂層12と微小構造体100との間に気泡が残存しないように行うことが好ましい。例えば、好ましくは0.05~1.0MPa、より好ましくは0.10~0.5MPaの荷重をかけて貼り合わせを行うことが好ましい。またこの際、硬化性の樹脂層12が微小構造体の形状に追従しやすくするため、加圧を減圧下で行ってもよい。また、硬化性の樹脂の第二硬化が加熱によって生じるものである場合、貼り合わせと同時に加熱し、第二硬化させてもよい。
硬化性の樹脂層12の第二硬化は、ヒドロシリル化反応で第二硬化させる場合は好ましくは80~200℃の環境下にて、5~90分間加熱炉に投入したり、光ラジカル重合反応で第二硬化させる場合は、好ましくは窒素環境下で365nm光を指標として50~3000mW/cmなどの照度、かつ100~20000mJ/cmなどの積算光量で紫外線を組成物に照射するなど、用いる硬化性シリコーン系樹脂に適した硬化条件にて第二硬化後の樹脂層12bを形成する。
次に、図4(D)及び図8(A)(微小構造体100の突起は省略している)に示すように、微小構造体100を受け取り基板10に保持させた状態で、レーザ光Lを用いてレーザリフトオフを行う。このような状態で行うレーザリフトオフをコンタクトレーザリフトオフ(CLLO)と呼ぶこともできる。
より具体的には、貼り合わせ及び二次硬化の工程にて得られた積層基板40に対し、例えば供給基板20における微小構造体100が形成された面と反対側の面からパルス発振によるレーザ光Lを照射して、支持基板21から微小構造体100を剥離させる。これにより、供給基板20から受け取り基板10上の第二硬化後の樹脂層12bへの微小構造体100の移載を行うことができる。
LLO工程においては、例えば、微小構造体100がサファイア基板等の供給基板20の支持基板21に固定されている窒化ガリウム微小構造体である場合、エキシマレーザやYAGレーザ等のレーザ光の照射により照射部分の窒化ガリウムが溶解し、それにより、窒化ガリウム微小構造体100を供給基板20から剥離することができる。この場合、特にマイクロLEDに対しては、微小構造体100の信頼性の観点から、KrFエキシマレーザ光を用いることが好ましい。
具体的には、レーザ光を選択的に照射して、選択対象となる微小構造体100と供給基板20の支持基板21との界面にレーザーアブレーションを生じさせる。これにより、選択対象となる微小構造体100と供給基板20の支持基板21との間では、例えば窒化ガリウム微小構造体の場合、窒化ガリウムが金属ガリウムと窒素に分解してガスが発生するため、微小構造体100を比較的簡単に剥離できる。
移載を行いたい微小構造体100全てに対して同様のレーザ光L照射を行って移載した後、例えば図4(E)及び図8(B)(微小構造体100の突起は省略している)に示すように、微小構造体100が移載された受け取り基板10bと供給基板20の支持基板21とを引き剥がすことができる。これにより、微小構造体100を保持した受け取り基板10cを得ることができる。
供給基板20および微小構造体100はLLO工程によって分離された状態となるため、供給基板20の引き剥がしは適切な治具を用いることで簡単に行うことができる。
以上に説明した本発明のリフト方法であれば、微小構造体100の突起130が硬化性の樹脂層12に埋まった状態でレーザリフトオフを行うことで、レーザリフトオフの際に局所的な応力が微小構造体100に印加されるのを防ぐことができる。従って、本発明のリフト方法では、突起130を有した微小構造体100に関しても、破損を防ぎながら供給基板から受け取り基板へと移載することができる。また、本発明のリフト方法で用いる受け取り基板10の硬化性の樹脂層12は、微小構造体100を保持した状態で硬化して高硬度化することができる。従って、本発明のリフト方法では、受け取った微小構造体100の位置ずれ及び傾きを抑えて受け取り基板10に保持させることができる。
受け取り基板10cはそのまま次工程に用いるか、後述の酸またはアルカリ性洗浄液による洗浄工程、もしくは酸素プラズマやアルゴンプラズマなどの表面洗浄を行った後で次工程に用いてもよい。
本発明のリフト方法を経て、又は更に後述の洗浄方法を経て受け取り基板10c上に移載した微小構造体100は、例えば特許文献1記載の転写用スタンプ材を用いたり、ポリイミド層へ再度微小構造体100を移載したりするなど所望の工程を経て回路基板へ実装することができる。すなわち、受け取り基板10cは、別の工程では、別の基板に微小構造体100を供給する供給基板(ドナー基板)として用いることもできる。
[保持方法]
図4(B)及び図4(C)並びに図5に示す貼り合わせ及び二次硬化は、本発明の保持方法ということもできる。すなわち、本発明の突起130を有する微小構造体100を受け取り基板10に保持する保持方法は、受け取り基板10が微小構造体100を保持する面に硬化性の樹脂層12を有し、微小構造体100を硬化性の樹脂層12に押し当てることで、突起130を硬化性の樹脂層12に埋まった状態にし、突起130が硬化性の樹脂層12に埋まった状態で硬化性の樹脂層12を硬化することで微小構造体100を受け取り基板10に保持する保持方法である。
このような保持方法であれば、微小構造体100の突起130が硬化性の樹脂層12に埋まった状態で硬化性の樹脂層12を硬化することにより、微小構造体100の破損、位置ずれ及び傾きを抑えて微小構造体100を受け取り基板10に保持させることができる。
なお、先に説明した本発明の受け取り基板であれば、突起を有さない微小構造体についても、該微小構造体の接触面を硬化性の樹脂層に押し込んだ状態で、硬化性の樹脂層を二次硬化させることにより、突起を有さない微小構造体を本発明の受け取り基板に保持させることができる。
[洗浄方法]
本発明の洗浄方法の一側面では、以上に説明した本発明のリフトオフ方法により微小構造体100を受け取り基板10に移載した後に、微小構造体100を酸またはアルカリ性洗浄液で洗浄する。
別の側面では、本発明の洗浄方法は、例えば図3に示すような突起130を有する微小構造体100の洗浄方法であって、例えば図5(B)に示すように微小構造体100を硬化性の樹脂層12に押し当てることで、突起130を硬化性の樹脂層12に埋まった状態にし、例えば図6及び図7に示すように硬化性の樹脂層12を硬化した後で、微小構造体の突起130が樹脂層12bに隙間なく覆われており、かつ突起130の周囲5μm以内の樹脂層12bに気泡が存在しない状態で、微小構造体100を、酸またはアルカリ性洗浄液で洗浄する洗浄方法である。
以下、本発明の洗浄方法をより詳細に説明する。
図9に、本発明の洗浄方法の一例であって、図8に示すようにLLO工程を終えて剥離を行った後、金属Gaの洗浄を行う際の様子を模式的に表す。
図9(A)においては、LLO工程後の受け取り基板10c上には、微小構造体100を保持した第二硬化後の樹脂層12bがあり、微小構造体100の樹脂層12bと反対側の表面に、金属(例えばGa)140が付着している。ここで樹脂12bと微小構造体100との界面は、密着している状態であるため、この状態で受け取り基板10を酸、もしくはアルカリ性洗浄液で全体を浸漬するか、洗い流すことにより、図9(B)に示すように、金属140は溶解して除去され、微小構造体を移載して保持した受け取り基板10dが得られる。この際、微小構造体100の、樹脂12b側の界面は樹脂12bによって覆われ、保持されているため、酸またはアルカリ性洗浄液による影響を受けず、洗浄工程にて留去されることもない。受け取り基板10dは更に、純水でよく洗浄し、風乾などで乾燥されることで次工程に用いられる。
これらの洗浄工程において、微小構造体100は樹脂層12bに保持されており、樹脂12bの表面から脱落することなく残存する。また、樹脂層12bに保持されていることにより、位置ずれや傾きも抑えることができる。
特に、図9に示す例では、微小構造体100の突起130全体が樹脂層12bに隙間なく覆われており、突起130の周辺5μm以内の樹脂12b内に気泡がない状態であるから、洗浄工程において、突起130が酸またはアルカリによる影響を受けるのを防ぐことができる。
更に、樹脂12bと素子本体120および突起130との界面には最長1μm以上の空気層が存在せず、互いに密着している状態で洗浄工程に付すことで、素子本体120の、樹脂層12b側の界面の組成、および突起130がBumpである場合にはBumpの組成が影響を受けることを防ぐことができ、次工程に問題なく用いることができる。
本洗浄工程における洗浄液は、酸洗浄液の場合は濃塩酸、濃硝酸、濃硫酸などを任意の割合で純水と均一に混合させたものを使用することができ、複数の酸水溶液を使用しても構わない。この際、洗浄液のpHは0~4.0であることが好ましい。この間のpHであれば、金属(例えばGa)140に対する十分な溶解性を利用できる。
また、アルカリ洗浄液の場合は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化マグネシウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムおよび、酢酸カリウムを任意の濃度で純水に溶解させたものを使用することができ、複数のアルカリ洗浄液を使用しても構わない。この際、洗浄液のpHは9.5~14.0であることが好ましく、この間のpHであれば、金属(例えばGa)140に対する十分な溶解性を利用できる。
先に説明したように、本発明の受け取り基板であれば、突起を有さない微小構造体を保持することもできる。そのため、本発明の洗浄方法の変形例では、突起を有さないに微小構造体を、本発明の受け取り基板により保持した状態で、洗浄することもできる。
以上に説明した本発明は、特にサイネージ、TV、医療用、車載、スマートフォンなどの用途に向けたLEDディスプレイの製造工程に応用できる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下の微小構造体を備えた供給基板をそれぞれ準備した。
<供給基板Aおよび微小構造体A>
90×140μm、全体厚み19μm、このうちBump高さ7μmのミニLED素子を搭載し、1.5cm角に切断されたサファイア基板
<供給基板Bおよび微小構造体B>
18×36μm、全体厚み9μm、このうちBump高さ4μmのマイクロLED素子を搭載し、1.5cm角に切断されたサファイア基板
また、受け取り基板用の支持基板として、以下のものを準備した。
<受け取り基板に用いる支持基板>
外径15.24cm(6インチ)、厚さ1mm、かつ厚みバラつき(TTV)が0.8μmの合成石英基板
<実験内容:実施例1~5>
[受け取り基板の作製]
支持基板上に以下に示す2段階硬化型シリコーン樹脂組成物(シリコーンA又はB)を3g滴下し、スピンコーターを用いて、膜厚30μmとなるように支持基板上に均一に塗布した。得られた塗膜を以下に示す第一硬化の条件に付して、シリコーン樹脂組成物をゲル状に一次硬化させて、硬化性シリコーン樹脂を有する受け取り基板を作製した。
[貼り合わせ]
以下の表1にそれぞれ示す供給基板上の微小構造体と、受け取り基板上の硬化性シリコーン樹脂とが接するように、供給基板及び受け取り基板を0.5MPaにて加圧を行いながら貼り合わせた。その後、硬化性シリコーン樹脂の二次硬化を、以下に示す条件で行った。その後、レーザ顕微鏡を用いて供給基板および微小構造体と二次硬化したシリコーン樹脂との間に、最長1μm以上の空気層が存在しないか、及び突起の周辺5μm以内の樹脂内に気泡がない状態であるかを確認した。
[LLO及び引き剥がし]
次に、KrFエキシマレーザ光を供給基板の裏面から微小構造体に照射してLLOを行った。その後、受け取り基板から供給基板を引き剥がした。
引き剥がし後、供給基板から受け取り基板上への微小構造体の転写率及び破損率を評価した。その結果を、以下の表1に示す。
その後、以下及び表1に示す酸もしくはアルカリ洗浄液で微小構造体の表面を3分間浸漬して洗浄した。次いで、純水に3分間浸漬して洗浄する工程を2回繰り返し、風乾により乾燥させた。
風乾による乾燥後、微小構造体の傾きの有無および脱落有無を確認した。その結果を以下に示す。
酸性洗浄液・・・12質量%の塩酸水溶液
アルカリ性洗浄液・・・5質量%の水酸化カリウム水溶液
[弾性率の測定]
本発明におけるシリコーン系ゲル硬化物の動的粘弾性特性は、特周波数、および特定温度における貯蔵弾性率G‘によって規定され、測定はティー・エイ・インスツルメント社製の粘弾性測定装置ARES G-IIを用いて行った。3cm角および500μmの厚みで硬化、および成形したシリコーン樹脂を同試験機の円形状測定部、および直径20mmのパラレルプレートの間に気泡がかまないように挟み、25℃の温度を保ちながら、ひずみ値を4%、および周波数を1Hzの条件にて10分間測定した。測定開始から10分後の数値を貯蔵弾性率G‘として読み取った。第二硬化後のシリコーン樹脂についても同様の手順および条件にて測定を行った。その結果を以下に示す。
シリコーンA:120℃×1hの環境下で付加反応を行うことによって第一硬化し、貯蔵弾性率G’が0.2kPaのゲル状となり、次いで窒素下で365nm UV-LED 3000mJ/cm(照度:100mW/cm)を照射して光ラジカル反応を行うことによって第二硬化し、貯蔵弾性率G’が8.2MPaのゴム状となる二段階硬化型のシリコーン組成物
シリコーンB:窒素下で365nm UV-LED 3000mJ/cm(照度:100mW/cm)を照射して光ラジカル反応を行うことによって第一硬化し、貯蔵弾性率G’が5kPaのゲル状となり、次いで120℃×1hの環境下で付加反応を行うことによって第二硬化し、貯蔵弾性率G’が4GPaのゴム状となるゴム状となる二段階硬化型のシリコーン組成物
<実験内容:比較例1~4>
単一の硬化条件のみによって以下に示すシリコーン組成物(シリコーンC)をゴム状に硬化させて受け取り基板を作製した以外は実施例と同様の工程によって、微小構造体のLLO工程における転写率、破損率および位置ずれ、また、洗浄工程における微小構造体の傾き、脱落有無をそれぞれ確認した。すなわち、比較例1~4で用いた受け取り基板は、硬化性の樹脂層を有するものではなかった。
ゴム状に硬化したシリコーンCの弾性率は、先に示した手順で測定した。
シリコーンC:120℃×1hの環境下で付加反応を行うことによって硬化し、貯蔵弾性率G’が4.7MPaのゴム状となる加熱硬化型のシリコーン組成物
Figure 0007482339000001
また、図10に、実施例1でのLLOによる移載の後の微小構造体(図10(A))、この移載に続く引き剥がし後の微小構造体(図10(B))、及びこの引きはがしに続く洗浄後の微小構造体(図10(C))の写真を示す。
実施例2~5のそれぞれでのLLOによる移載の後の微小構造体、この移載に続く引き剥がし後の微小構造体、及びこの引きはがしに続く洗浄後の微小構造体の様子も、図10(A)、図10(B)及び図10(C)に示すものと同様であった。
上記表1に示した結果及び図10から明らかなように、実施例1~5では、突起を有する微小構造体を、99%以上の転写率で、破損及び位置ずれなしに、供給基板から受け取り基板へと移載できた。
また、上記表1に示した結果及び図10から明らかなように、実施例1~5では、洗浄後に微小構造体の脱落も傾きも観察されなかった。
これらの結果は、実施例1~5では、一次硬化したシリコーン系樹脂層が微小構造体をその突起が一次硬化したシリコーン系樹脂層に埋め込まれた状態で受け取り、その状態でシリコーン系樹脂層を二次硬化して高硬度化したことにより、二次硬化したシリコーン系樹脂層が微小構造体を十分に保持できたため、LLOによる移載、引き剥がし及び洗浄工程において、微小構造体の破損、脱落、位置ずれ及び傾きを防ぐことができたことによるものである。
一方、比較例1~4では、硬化させたゴム状のものを用い、硬化性の樹脂を有する受け取り基板を用いなかったため、破損率が5%以上であった。また、比較例1及び2では、微小構造体の位置ずれも確認された。また、表1に示した結果から明らかなように、比較例1~4では、洗浄後に微小構造体の傾きが観察された。
更に、参考例として、LLOの際に硬化性の樹脂層の二次硬化を行なわなかったこと以外は実施例1と同様にLLO、引き剥がし及び洗浄を行なった。図11に、参考例でのLLOによる移載の後の微小構造体(図11(A))、この移載に続く引き剥がし後の微小構造体(図11(B))、及びこの引きはがしに続く洗浄後の微小構造体(図11(C))の写真を示す。
参考例では、LLOの際に微小構造体の位置ずれが発生したと共に、転写率が低かった。更に、参考例において、LLOの際に二次硬化したシリコーン系樹脂層に乗らなかった微小構造体は、割れが生じていた。
また、参考例では、図11(B)及び図11(C)から明らかなように、引き剥がし及び洗浄による、微小構造体の脱落、位置ずれや傾きが観察された。
本明細書は、以下の態様を包含する。
[1]供給基板上に形成された微小構造体をレーザリフトオフにより移載して受け取るための受け取り基板であって、前記微小構造体が移載される面には硬化性の樹脂層を有する受け取り基板。
[2]前記硬化性の樹脂層は、光硬化性又は熱硬化性である[1]記載の受け取り基板。
[3]前記硬化性の樹脂層は、Bステージ状である[1]又は[2]記載の受け取り基板。
[4]前記硬化性の樹脂層は、ゲル状である[1]~[3]のいずれか1つ記載の受け取り基板。
[5]前記硬化性の樹脂層は、シリコーン系ゲル層である[1]~[4]のいずれか1つ記載の受け取り基板。
[6]前記硬化性の樹脂層は、前記微小構造体に対するタック性を有するものである[1]~[5]のいずれか1つ記載の受け取り基板。
[7]前記硬化性の樹脂層は、硬化により硬度が上昇するものである[1]~[6]のいずれか1つ記載の受け取り基板。
[8]前記硬化性の樹脂層は、硬化により前記微小構造体への接着力が上昇する、又は、前記微小構造体の保持力が上昇するものである[1]~[7]のいずれか1つ記載の受け取り基板。
[9]前記硬化性の樹脂層は、硬化によりゴム状となるものである[1]~[8]のいずれか1つ記載の受け取り基板。
[10]前記硬化性の樹脂層の貯蔵弾性率は、25℃において10~1000Paであり、硬化によって1MPa~30GPaとなるものである[1]~[9]のいずれか1つ記載の受け取り基板。
[11]受け取り基板作製用基板の一方の面に、少なくとも二種類の硬化反応が可能な樹脂の層を形成する工程、及び一種類目の硬化反応を行うことで前記樹脂を部分的に硬化させる工程を有する硬化性の樹脂層を有する受け取り基板の製造方法。
[12]前記少なくとも二種類の硬化反応は、光硬化反応と熱硬化反応との組合せ、異なる硬化開始温度を有する熱硬化反応の組合せ、又は異なる硬化波長を有する光硬化反応の組合せを含む[11]記載の受け取り基板の製造方法。
[13]前記少なくとも二種類の硬化反応は、ラジカル硬化系、カチオン硬化系、アニオン硬化系、付加硬化系及び縮合硬化系からなる群から選ばれる少なくとも二つの組合せを含む[11]又は[12]記載の受け取り基板の製造方法。
[14]供給基板上に形成された微小構造体をレーザリフトオフにより受け取り基板に移載するリフト方法であって、前記微小構造体の前記受け取り基板と対向する面は突起を有し、前記受け取り基板の前記微小構造体が移載される面は硬化性の樹脂層を有し、前記微小構造体を前記硬化性の樹脂層に押し当てることで、前記突起を前記硬化性の樹脂層に埋まった状態にし、前記突起が前記硬化性の樹脂層に埋まった状態で前記硬化性の樹脂層を硬化することで前記微小構造体を前記受け取り基板に保持させ、前記微小構造体を前記受け取り基板に保持させた状態でレーザリフトオフを行うリフト方法。
[15]突起を有する微小構造体を受け取り基板に保持する保持方法であって、前記受け取り基板は微小構造体を保持する面に硬化性の樹脂層を有し、前記微小構造体を前記硬化性の樹脂層に押し当てることで、前記突起を前記硬化性の樹脂層に埋まった状態にし、前記突起が前記硬化性の樹脂層に埋まった状態で前記硬化性の樹脂層を硬化することで前記微小構造体を受け取り基板に保持する保持方法。
[16]微小構造体の洗浄方法であって、[14]記載のリフト方法により前記微小構造体を前記受け取り基板に移載した後に、前記微小構造体を酸またはアルカリ性洗浄液で洗浄する、微小構造体の洗浄方法。
[17]突起を有する微小構造体の洗浄方法であって、前記微小構造体を硬化性の樹脂層に押し当てることで、前記突起を前記硬化性の樹脂層に埋まった状態にし、前記硬化性の樹脂層を硬化した後で、前記微小構造体の前記突起が樹脂層に隙間なく覆われており、かつ前記突起の周囲5μm以内の前記樹脂層に気泡が存在しない状態で、前記微小構造体を、酸またはアルカリ性洗浄液で洗浄する洗浄方法。

なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (13)

  1. 供給基板上に形成された微小構造体をレーザリフトオフにより移載して受け取るための受け取り基板であって、
    前記微小構造体が移載される面には硬化性の樹脂層を有し、
    前記硬化性の樹脂層は、ゲル状であり、
    前記硬化性の樹脂層は、硬化によりゴム状となるものである受け取り基板。
  2. 基板上に設けられた微小構造体をレーザによりリフトして受け取るための受け取り基板であって、
    前記微小構造体が移載される面には硬化性の樹脂層を有し、
    前記硬化性の樹脂層は、ゲル状であり、
    前記硬化性の樹脂層は、硬化によりゴム状となるものである受け取り基板。
  3. 前記硬化性の樹脂層は、光硬化性又は熱硬化性である請求項1又は2記載の受け取り基板。
  4. 前記硬化性の樹脂層は、Bステージ状である請求項1又は2記載の受け取り基板。
  5. 前記硬化性の樹脂層は、シリコーン系ゲル層である請求項1又は2記載の受け取り基板。
  6. 前記硬化性の樹脂層は、前記微小構造体に対するタック性を有するものである請求項1又は2記載の受け取り基板。
  7. 前記硬化性の樹脂層は、硬化により硬度が上昇するものである請求項1又は2記載の受け取り基板。
  8. 前記硬化性の樹脂層は、硬化により前記微小構造体への接着力が上昇する、又は、前記微小構造体の保持力が上昇するものである請求項1又は2記載の受け取り基板。
  9. 前記硬化性の樹脂層の貯蔵弾性率は、25℃において10~1000Paであり、硬化によって1MPa~30GPaとなるものである請求項1又は2記載の受け取り基板。
  10. 供給基板上に形成された微小構造体をレーザリフトオフにより請求項1に記載の受け取り基板に移載するレーザリフトオフ方法であって、
    前記ゲル状の硬化性の樹脂を硬化させてゴム状とすることで前記微小構造体を前記受け取り基板に保持させ、
    前記微小構造体を前記受け取り基板に保持させた状態でレーザリフトオフにより移載するレーザリフトオフ方法。
  11. 基板上に設けられた微小構造体をレーザにより請求項2に記載の受け取り基板に移載するリフト方法であって、
    前記ゲル状の硬化性の樹脂を硬化させてゴム状とすることで前記微小構造体を前記受け取り基板に保持させ、
    前記微小構造体を前記受け取り基板に保持させた状態でレーザにより移載するリフト方法。
  12. 微小構造体を請求項1又は2に記載の受け取り基板に保持する保持方法であって、
    前記ゲル状の硬化性の樹脂を硬化させてゴム状とすることで前記微小構造体を前記受け取り基板に保持する保持方法。
  13. 請求項1又は2に記載の受け取り基板に保持された微小構造体の洗浄方法であって、
    前記ゲル状の硬化性の樹脂を硬化させてゴム状とすることで前記微小構造体を前記受け取り基板に保持させ、
    前記微小構造体を、酸またはアルカリ性洗浄液で洗浄する洗浄方法。
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