JP7481588B2 - 通信方法、ユーザ装置、移動通信システム、チップセット、及びプログラム - Google Patents

通信方法、ユーザ装置、移動通信システム、チップセット、及びプログラム Download PDF

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Description

本開示は、移動通信システムで用いる通信方法及びユーザ装置に関する。
3GPP(3rd Generation Partnership Project)規格において、第5世代(5G)の無線アクセス技術であるNR(New Radio)の技術仕様が規定されている。NRは、第4世代(4G)の無線アクセス技術であるLTE(Long Term Evolution)に比べて、高速・大容量かつ高信頼・低遅延といった特徴を有する。3GPPにおいて、5G/NRのマルチキャストブロードキャストサービス(MBS)の技術仕様を策定する議論が行われている(例えば、非特許文献1参照)。
5G/NRのマルチキャストブロードキャストサービスは、4G/LTEのマルチキャストブロードキャストサービスよりも改善されたサービスを提供することが望まれる。
そこで、本開示は、改善されたマルチキャストブロードキャストサービスを実現可能とする通信方法及びユーザ装置を提供することを目的とする。
第1の態様に係る通信方法は、マルチキャストブロードキャストサービス(MBS)をサポートする移動通信システムで用いる通信方法であって、基地局からのMBSセッションの受信を開始したユーザ装置が、前記MBSセッションの途中から前記受信が開始されたことを示す所定条件が満たされたか否かを判定するステップと、前記ユーザ装置が、前記所定条件が満たされたと判定した場合、前記MBSセッションの開始から前記受信の開始までの間の欠落パケット群を示す欠落パケット識別情報を前記基地局に送信するステップと、を有する。
第2の態様に係るユーザ装置は、マルチキャストブロードキャストサービス(MBS)をサポートする移動通信システムで用いるユーザ装置であって、基地局からのMBSセッションの受信を開始した後、前記MBSセッションの途中から前記受信が開始されたことを示す所定条件が満たされたか否かを判定する制御部と、前記所定条件が満たされたと判定した場合、前記MBSセッションの開始から前記受信の開始までの間の欠落パケット群を示す欠落パケット識別情報を前記基地局に送信する送信部と、を有する。
第3の態様に係る通信方法は、マルチキャストブロードキャストサービス(MBS)をサポートする移動通信システムで用いる通信方法であって、ユーザ装置が、PTP(Point-to-Point)レグ及びPTM(Point-to-Multipoint)レグにスプリットされるスプリット無線ベアラを設定する設定情報を基地局から受信するステップと、前記ユーザ装置が、各レグに設定されたRLC(Radio Link Control)モードに基づいて、前記スプリット無線ベアラがAM(Acknowledged Mode)ベアラであるか又はUM(Unacknowledged Mode)ベアラであるかを判定するステップと、を有する。
第4の態様に係るユーザ装置は、マルチキャストブロードキャストサービス(MBS)をサポートする移動通信システムで用いるユーザ装置であって、PTP(Point-to-Point)レグ及びPTM(Point-to-Multipoint)レグにスプリットされるスプリット無線ベアラを設定する設定情報を基地局から受信する受信部と、各レグに設定されたRLC(Radio Link Control)モードに基づいて、前記スプリット無線ベアラがAM(Acknowledged Mode)ベアラであるか又はUM(Unacknowledged Mode)ベアラであるかを判定する制御部と、を有する。
実施形態に係る移動通信システムの構成を示す図である。 実施形態に係るUE(ユーザ装置)の構成を示す図である。 実施形態に係るgNB(基地局)の構成を示す図である。 データを取り扱うユーザプレーンの無線インターフェイスのプロトコルスタックの構成を示す図である。 シグナリング(制御信号)を取り扱う制御プレーンの無線インターフェイスのプロトコルスタックの構成を示す図である。 実施形態に係るMBSトラフィック配信の概要を示す図である。 実施形態に係る配信モードを示す図である。 実施形態に係るスプリット・マルチキャスト無線ベアラ(MRB)を示す図である。 実施形態に係る移動通信システムにおけるPDCPレイヤの動作を示す図である。 実施形態に係るCOUNT値を示す図である。 実施形態に係るPDCPデータPDUを示す図である。 RCVD_COUNTを特定する動作を示す図である。 UEの受信側PDCPエンティティの動作を示す図である。 第1実施形態に係るUEの動作を示す図である。 第1実施形態に係る移動通信システムの動作の一例を示す図である。 第1実施形態に係るPDCPステータス報告の構成例1乃至3を示す図である。 第1実施形態に係るRRCメッセージの構成例を示す図である。 第1実施形態に係る動作の第1変更例を示す図である。 第1実施形態に係る動作の第2変更例を示す図である。 第2実施形態に係るUEの動作を示す図である。 現在の合意に基づくPDCP固定型PTM/PTPの切り替えを示す図である。
図面を参照しながら、実施形態に係る移動通信システムについて説明する。図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
[第1実施形態]
(移動通信システムの構成)
図1は、第1実施形態に係る移動通信システム1の構成を示す図である。移動通信システム1は、3GPP規格の第5世代システム(5GS:5th Generation System)に準拠する。以下において、5GSを例に挙げて説明するが、移動通信システムにはLTE(Long Term Evolution)システムが少なくとも部分的に適用されてもよい。また、移動通信システムには、第6世代(6G)システムが少なくとも部分的に適用されてもよい。
移動通信システム1は、ユーザ装置(UE:User Equipment)100と、5Gの無線アクセスネットワーク(NG-RAN:Next Generation Radio Access Network)10と、5Gのコアネットワーク(5GC:5G Core Network)20とを有する。以下において、NG-RAN10を単にRAN10と呼ぶことがある。また、5GC20を単にコアネットワーク(CN)20と呼ぶことがある。
UE100は、移動可能な無線通信装置である。UE100は、ユーザにより利用される装置であればどのような装置であっても構わない。例えば、UE100は、携帯電話端末(スマートフォンを含む)やタブレット端末、ノートPC、通信モジュール(通信カード又はチップセットを含む)、センサ若しくはセンサに設けられる装置、車両若しくは車両に設けられる装置(Vehicle UE)、飛行体若しくは飛行体に設けられる装置(Aerial UE)である。
NG-RAN10は、基地局(5Gシステムにおいて「gNB」と呼ばれる)200を含む。gNB200は、基地局間インターフェイスであるXnインターフェイスを介して相互に接続される。gNB200は、1又は複数のセルを管理する。gNB200は、自セルとの接続を確立したUE100との無線通信を行う。gNB200は、無線リソース管理(RRM)機能、ユーザデータ(以下、単に「データ」という)のルーティング機能、モビリティ制御・スケジューリングのための測定制御機能等を有する。「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として用いられる。「セル」は、UE100との無線通信を行う機能又はリソースを示す用語としても用いられる。1つのセルは1つのキャリア周波数(以下、単に「周波数」と呼ぶ)に属する。
なお、gNBがLTEのコアネットワークであるEPC(Evolved Packet Core)に接続することもできる。LTEの基地局が5GCに接続することもできる。LTEの基地局とgNBとが基地局間インターフェイスを介して接続されることもできる。
5GC20は、AMF(Access and Mobility Management Function)及びUPF(User Plane Function)300を含む。AMFは、UE100に対する各種モビリティ制御等を行う。AMFは、NAS(Non-Access Stratum)シグナリングを用いてUE100と通信することにより、UE100のモビリティを管理する。UPFは、データの転送制御を行う。AMF及びUPFは、基地局-コアネットワーク間インターフェイスであるNGインターフェイスを介してgNB200と接続される。
図2は、第1実施形態に係るUE100(ユーザ装置)の構成を示す図である。UE100は、受信部110、送信部120、及び制御部130を備える。受信部110及び送信部120は、gNB200との無線通信を行う無線通信部を構成する。
受信部110は、制御部130の制御下で各種の受信を行う。受信部110は、アンテナ及び受信機を含む。受信機は、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換して制御部130に出力する。
送信部120は、制御部130の制御下で各種の送信を行う。送信部120は、アンテナ及び送信機を含む。送信機は、制御部130が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナから送信する。
制御部130は、UE100における各種の制御及び処理を行う。このような処理は、後述の各レイヤの処理を含む。制御部130は、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に用いられる情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンドプロセッサと、CPU(Central Processing Unit)とを含んでもよい。ベースバンドプロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行う。CPUは、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行う。
図3は、第1実施形態に係るgNB200(基地局)の構成を示す図である。gNB200は、送信部210、受信部220、制御部230、及びバックホール通信部240を備える。送信部210及び受信部220は、UE100との無線通信を行う無線通信部を構成する。バックホール通信部240は、CN20との通信を行うネットワーク通信部を構成する。
送信部210は、制御部230の制御下で各種の送信を行う。送信部210は、アンテナ及び送信機を含む。送信機は、制御部230が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナから送信する。
受信部220は、制御部230の制御下で各種の受信を行う。受信部220は、アンテナ及び受信機を含む。受信機は、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換して制御部230に出力する。
制御部230は、gNB200における各種の制御及び処理を行う。このような処理は、後述の各レイヤの処理を含む。制御部230は、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に用いられる情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンドプロセッサと、CPUとを含んでもよい。ベースバンドプロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行う。CPUは、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行う。
バックホール通信部240は、基地局間インターフェイスであるXnインターフェイスを介して隣接基地局と接続される。バックホール通信部240は、基地局-コアネットワーク間インターフェイスであるNGインターフェイスを介してAMF/UPF300と接続される。なお、gNB200は、CU(Central Unit)とDU(Distributed Unit)とで構成され(すなわち、機能分割され)、両ユニット間がフロントホールインターフェイスであるF1インターフェイスで接続されてもよい。
図4は、データを取り扱うユーザプレーンの無線インターフェイスのプロトコルスタックの構成を示す図である。
ユーザプレーンの無線インターフェイスプロトコルは、物理(PHY)レイヤと、MAC(Medium Access Control)レイヤと、RLC(Radio Link Control)レイヤと、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤと、SDAP(Service Data Adaptation Protocol)レイヤとを有する。
PHYレイヤは、符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。UE100のPHYレイヤとgNB200のPHYレイヤとの間では、物理チャネルを介してデータ及び制御情報が伝送される。なお、UE100のPHYレイヤは、gNB200から物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)上で送信される下りリンク制御情報(DCI)を受信する。具体的には、UE100は、無線ネットワーク一時識別子(RNTI)を用いてPDCCHのブラインド復号を行い、復号に成功したDCIを自UE宛てのDCIとして取得する。gNB200から送信されるDCIには、RNTIによってスクランブルされたCRCパリティビットが付加されている。
MACレイヤは、データの優先制御、ハイブリッドARQ(HARQ:Hybrid Automatic Repeat reQuest)による再送処理、及びランダムアクセスプロシージャ等を行う。UE100のMACレイヤとgNB200のMACレイヤとの間では、トランスポートチャネルを介してデータ及び制御情報が伝送される。gNB200のMACレイヤはスケジューラを含む。スケジューラは、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式(MCS:Modulation and Coding Scheme))及びUE100への割当リソースブロックを決定する。
RLCレイヤは、MACレイヤ及びPHYレイヤの機能を利用してデータを受信側のRLCレイヤに伝送する。UE100のRLCレイヤとgNB200のRLCレイヤとの間では、論理チャネルを介してデータ及び制御情報が伝送される。
PDCPレイヤは、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化等を行う。
SDAPレイヤは、コアネットワークがQoS(Quality of Service)制御を行う単位であるIPフローとAS(Access Stratum)がQoS制御を行う単位である無線ベアラとのマッピングを行う。なお、RANがEPCに接続される場合は、SDAPが無くてもよい。
図5は、シグナリング(制御信号)を取り扱う制御プレーンの無線インターフェイスのプロトコルスタックの構成を示す図である。
制御プレーンの無線インターフェイスのプロトコルスタックは、図4に示したSDAPレイヤに代えて、RRC(Radio Resource Control)レイヤ及びNAS(Non-Access Stratum)レイヤを有する。
UE100のRRCレイヤとgNB200のRRCレイヤとの間では、各種設定のためのRRCシグナリングが伝送される。RRCレイヤは、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRCとgNB200のRRCとの間に接続(RRC接続)がある場合、UE100はRRCコネクティッド状態にある。UE100のRRCとgNB200のRRCとの間に接続(RRC接続)がない場合、UE100はRRCアイドル状態にある。UE100のRRCとgNB200のRRCとの間の接続がサスペンドされている場合、UE100はRRCインアクティブ状態にある。
RRCレイヤの上位に位置するNASレイヤは、セッション管理及びモビリティ管理等を行う。UE100のNASレイヤとAMF300AのNASレイヤとの間では、NASシグナリングが伝送される。なお、UE100は、無線インターフェイスのプロトコル以外にアプリケーションレイヤ等を有する。また、NASレイヤよりも下位のレイヤをASレイヤと呼ぶ。
(MBSの概要)
第1実施形態に係るMBSの概要について説明する。MBSは、NG-RAN10からUE100に対してブロードキャスト又はマルチキャスト、すなわち、1対多(PTM:Point To Multipoint)でのデータ送信を可能とするサービスである。MBSのユースケース(サービス種別)としては、公安通信、ミッションクリティカル通信、V2X(Vehicle to Everything)通信、IPv4又はIPv6マルチキャスト配信、IPTV(Internet protocol television)、グループ通信、及びソフトウェア配信等が想定される。
ブロードキャストサービスは、高信頼性のQoSを必要としないアプリケーションのために、特定のサービスエリア内のすべてのUE100に対してサービスを提供する。ブロードキャストサービスに用いるMBSセッションをブロードキャストセッションと呼ぶ。
マルチキャストサービスは、すべてのUE100に対してではなく、マルチキャストサービス(マルチキャストセッション)に参加しているUE100のグループに対してサービスを提供する。マルチキャストサービスに用いるMBSセッションをマルチキャストセッションと呼ぶ。マルチキャストサービスによれば、ブロードキャストサービスに比べて、無線効率の高い方法でUE100のグループに対して同じコンテンツを提供できる。
図6は、第1実施形態に係るMBSトラフィック配信の概要を示す図である。
MBSトラフィック(MBSデータ)は、単一のデータソース(アプリケーションサービスプロバイダ)から複数のUEに配信される。5Gコアネットワークである5G CN(5GC)20は、アプリケーションサービスプロバイダからMBSデータを受信し、MBSデータのコピーの作成(Replication)を行って配信する。
5GC20の観点からは、5GC共有MBSトラフィック配信(5GC Shared MBS Traffic delivery)及び5GC個別MBSトラフィック配信(5GC Individual MBS Traffic delivery)の2つのマルチキャスト配信方法が可能である。
5GC個別MBSトラフィック配信方法では、5GC20は、MBSデータパケットの単一コピーを受信し、UE100ごとのPDUセッションを介してそれらのMBSデータパケットの個別のコピーを個別のUE100に配信する。したがって、UE100ごとに1つのPDUセッションをマルチキャストセッションと関連付ける必要がある。
5GC共有MBSトラフィック配信方法では、5GC20は、MBSデータパケットの単一コピーを受信し、それらのMBSパケットの単一コピーをRANノード(すなわち、gNB200)に配信する。gNB200は、MBSトンネル接続を介してMBSデータパケットを受信し、それらを1つ又は複数のUE100に配信する。
RAN(5G RAN)10の観点からは、5GC共有MBSトラフィック配信方法における無線を介したMBSデータの送信には、PTP(Point-to-Point)及びPTM(Point-to-Multipoint)の2つの配信方法が可能である。PTPはユニキャストを意味し、PTMはマルチキャスト及びブロードキャストを意味する。
PTP配信方法では、gNB200は、MBSデータパケットの個別のコピーを無線で個々のUE100に配信する。他方、PTM配信方法では、gNB200は、MBSデータパケットの単一コピーを無線でUE100のグループに配信する。gNB200は、1つのUE100に対するMBSデータの配信方法としてPTM及びPTPのどちらを用いるかを動的に決定できる。
PTP配信方法及びPTM配信方法は主としてユーザプレーンに関するものである。MBSデータ配信の制御モードとしては、第1配信モード及び第2配信モードの2つの配信モードがある。
図7は、第1実施形態に係る配信モードを示す図である。
第1配信モード(Delivery mode 1:DM1)は、RRCコネクティッド状態のUE100が利用できる配信モードであって、高QoS要件のための配信モードである。第1配信モードは、MBSセッションのうちマルチキャストセッションに用いられる。但し、第1配信モードがブロードキャストセッションに用いられてもよい。第1配信モードは、RRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態のUE100も利用可能であってもよい。
第1配信モードにおけるMBS受信の設定は、UE固有(UE-dedicated)シグナリングにより行われる。例えば、第1配信モードにおけるMBS受信の設定は、gNB200からUE100にユニキャストで送信されるRRCメッセージであるRRC Reconfigurationメッセージ(又はRRC Releaseメッセージ)により行われる。
MBS受信の設定は、MBSデータを運ぶMBSトラフィックチャネルの設定に関するMBSトラフィックチャネル設定情報(以下、「MTCH設定情報」と呼ぶ)を含む。MTCH設定情報は、MBSセッションに関するMBSセッション情報と、このMBSセッションに対応するMBSトラフィックチャネルのスケジューリング情報とを含む。MBSトラフィックチャネルのスケジューリング情報は、MBSトラフィックチャネルの間欠受信(DRX)設定を含んでもよい。間欠受信設定は、オン期間(On Duration:受信期間)を定義するタイマ値(On Duration Timer)、オン期間を延長するタイマ値(Inactivity Timer)、スケジューリング間隔もしくはDRXサイクル(Scheduling Period、DRX Cycle)、スケジューリングもしくはDRXサイクルの開始サブフレームのオフセット値(Start Offset、DRX Cycle Offset)、オン期間タイマの開始遅延スロット値(Slot Offset)、再送時までの最大時間を定義するタイマ値(Retransmission Timer)、HARQ再送のDL割り当てまでの最小間隔を定義するタイマ値(HARQ RTT Timer)のいずれか一つ以上のパラメータを含んでもよい。
なお、MBSトラフィックチャネルは論理チャネルの一種であって、MTCHと呼ばれることがある。MBSトラフィックチャネルは、トランスポートチャネルの一種である下りリンク共有チャネル(DL-SCH:Down Link―Shared CHannel)にマッピングされる。
第2配信モード(Delivery mode 2:DM2)は、RRCコネクティッド状態のUE100だけではなく、RRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態のUE100が利用できる配信モードであって、低QoS要件のための配信モードである。第2配信モードは、MBSセッションのうちブロードキャストセッションに用いられる。但し、第2配信モードは、マルチキャストセッションにも適用可能であってもよい。
第2配信モードにおけるMBS受信の設定は、ブロードキャストシグナリングにより行われる。例えば、第2配信モードにおけるMBS受信の設定は、gNB200からUE100にブロードキャストで送信される論理チャネル、例えば、ブロードキャスト制御チャネル(BCCH)及び/又はマルチキャスト制御チャネル(MCCH)により行われる。UE100は、例えば、技術仕様で予め規定された専用のRNTIを用いてBCCH及びMCCHを受信できる。BCCH受信用のRNTIがSI-RNTIであって、MCCH受信用のRNTIがMCCH-RNTIであってもよい。
第2配信モードにおいて、UE100は、次の3つの手順でMBSデータを受信してもよい。第1に、UE100は、gNB200からBCCH上で伝送されるSIB(MBS-SIB)によりMCCH設定情報を受信する。第2に、UE100は、MCCH設定情報に基づいてgNB200からMCCHを受信する。MCCHは、MTCH設定情報を伝送する。第3に、UE100は、MTCH設定情報に基づいて、MTCH(MBSデータ)を受信する。以下において、MTCH設定情報及び/又はMCCH設定情報をMBS受信設定と呼ぶことがある。
第1配信モード及び第2配信モードにおいて、UE100は、gNB200から割り当てられるグループRNTI(G-RNTI)を用いてMTCHを受信してもよい。G-RNTIは、MTCH受信用RNTIに相当する。G-RNTIは、MBS受信設定(MTCH設定情報)に含まれていてもよい。
なお、ネットワークは、MBSセッションごとに異なるMBSサービスを提供できる。MBSセッションは、TMGI(Temporary Mobile Group Identity)、ソーススペシフィックIPマルチキャストアドレス(アプリケーション機能やアプリケーションサーバ等のソースユニキャストIPアドレスと、宛先アドレスを示すIPマルチキャストアドレスとから成る)、セッション識別子、及びG-RNTIのうち少なくとも1つにより識別される。TMGI、G-RNTI、ソーススペシフィックIPマルチキャストアドレス、及びセッション識別子の少なくとも1つをMBSセッション識別子と呼ぶ。TMGI、ソーススペシフィックIPマルチキャストアドレス、セッション識別子、及びG-RNTIを総括してMBSセッション情報と呼ぶ。
図8は、第1実施形態に係るスプリット・マルチキャスト無線ベアラ(MRB)を示す図である。MRBは、データ無線ベアラ(DRB)の一種であってもよい。スプリットMRBは、上述の第1配信モードで用いられてもよい。
gNB200は、PTP通信パス及びPTM通信パスに分離されたMRBをUE100に設定し得る。これにより、gNB200は、UE100に対するMBSデータの送信をPTP(PTP通信パス)とPTM(PTM通信パス)との間で動的に切り替えることができる。或いは、gNB200は、PTP(PTP通信パス)及びPTM(PTM通信パス)を併用して同一のMBSデータを二重送信することにより信頼性を高めることができる。以下において、PTP通信パスをPTPレグと呼び、PTM通信パスをPTMレグと呼ぶ。また、各レイヤに相当する機能部をエンティティと呼ぶ。
スプリットを終端する所定レイヤは、MACレイヤ(HARQ)、RLCレイヤ、PDCPレイヤ、又はSDAPレイヤである。以下において、スプリットを終端する所定レイヤがPDCPレイヤである一例について主として説明するが、所定レイヤは、MACレイヤ(HARQ)、RLCレイヤ、又はSDAPレイヤであってもよい。
gNB200のPDCPエンティティ及びUE100のPDCPエンティティのそれぞれは、MBSに用いるベアラ(データ無線ベアラ)であるMRBをPTPレグ及びPTMレグに分離する。なお、PDCPエンティティはベアラごとに設けられる。
gNB200及びUE100のそれぞれは、レグごとに設けられる2つのRLCエンティティと、1つのMACエンティティと、1つのPHYエンティティとを有する。PHYエンティティは、レグごとに設けられてもよい。なお、UE100が2つのgNB200との通信を行う二重接続(Dual Connectivity)の場合、UE100が2つのMACエンティティを有していてもよい。
PHYエンティティは、UE100と1対1で割り当てられるセルRNTI(C-RNTI:Cell Radio Network Temporary Identifier)を用いて、PTPレグのデータを送受信する。PHYエンティティは、MBSセッションと1対1で割り当てられるG-RNTIを用いて、PTMレグのデータを送受信する。C-RNTIはUE100ごとに異なるが、G-RNTIは1つのMBSセッションを受信する複数のUE100で共通のRNTIである。
gNB200からUE100に対してPTMレグを用いてMBSデータのPTM送信(マルチキャスト又はブロードキャスト)を行うためには、gNB200からUE100にスプリットMRBが設定されており、且つ、PTMレグがアクティブ化(activation)されている必要がある。言い換えると、gNB200は、UE100にスプリットMRBが設定されていても、PTMレグが非アクティブ(deactivation)状態にある場合は、このPTMレグを用いてMBSデータのPTM送信を行うことができない。
また、gNB200及びUE100がPTPレグを用いてMBSデータのPTP送信(ユニキャスト)を行うためには、gNB200からUE100にスプリットMRBが設定されており、且つ、PTPレグがアクティブ化されている必要がある。言い換えると、gNB200は、UE100にスプリットMRBが設定されていても、PTPレグが非アクティブ状態にある場合は、このPTPレグを用いてMBSデータのPTP送信を行うことができない。
UE100は、PTMレグがアクティブ化された状態において、MBSセッションと対応付けられたG-RNTIが適用されたPDCCHをモニタする(すなわち、G-RNTIを用いてPDCCHのブラインドデコーディングを行う)。UE100は、当該MBSセッションのスケジューリング機会にのみ当該PDCCHをモニタしてもよい。
UE100は、PTMレグが非アクティブ化された状態において、MBSセッションと対応付けられたG-RNTIが適用されたPDCCHをモニタしない(すなわち、G-RNTIを用いたPDCCHのブラインドデコーディングを行わない)。
UE100は、PTPレグがアクティブ化された状態において、C-RNTIが適用されたPDCCHをモニタする。UE100は、PTPレグにおける間欠受信(DRX:Discontinuous Reception)が設定されている場合、設定されたオン有効期間(OnDuration)においてPDCCHをモニタする。UE100は、MBSセッションと紐づいたセル(周波数)が指定されている場合、当該セルが非アクティブ化されていても、当該セルのPDCCHをモニタしてもよい。
UE100は、PTPレグが非アクティブ化された状態において、MBSデータ以外の通常のユニキャスト下りリンク送信に備えて、C-RNTIが適用されたPDCCHをモニタしてもよい。但し、UE100は、MBSセッションと紐づいたセル(周波数)が指定されている場合、当該MBSセッションについて当該PDCCHをモニタしなくてもよい。
なお、gNB200のRRCエンティティがUE100のRRCエンティティに対して送信するRRCメッセージ(例えば、RRC Reconfigurationメッセージ)により、上述のようなスプリットMRBが設定されるものとする。
(PDCPレイヤの動作)
図9は、第1実施形態に係る移動通信システム1におけるPDCPレイヤの動作を示す図である。
gNB200は、あるMBSセッションのMBSデータをPTM(マルチキャスト又はブロードキャスト)で複数のUE100(図9の例では、UE100a乃至UE100c)に送信する。各UE100のRRC状態はどのような状態(RRCコネクティッド状態、RRCアイドル状態、RRCインアクティブ状態)であってもよい。MBS配信のモードは、第1配信モード又は第2配信モードであってもよい。第1配信モードでのMBS配信は、PTMレグを用いたものであってもよい。
gNB200は、PDCPレイヤにおいて、当該MBSセッションと対応付けられたPDCPエンティティ201(具体的には、当該MBSセッションに属するマルチキャスト無線ベアラ(MRB)と対応付けられた送信側PDCPエンティティ)を有する。PDCPエンティティ201は、MBSセッションの送信を開始すると、当該MBSセッションにおけるPDCPパケットの送信に応じて更新されるPDCP変数を管理する。
各UE100は、PDCPレイヤにおいて、当該MBSセッションと対応付けられたPDCPエンティティ101(具体的には、当該MBSセッションに属するMRBと対応付けられた受信側PDCPエンティティ)を有する。各PDCPエンティティ101(図9の例では、PDCPエンティティ101a乃至PDCPエンティティ101b)は、MBSセッションの送信を開始すると、当該MBSセッションにおけるPDCPパケットの受信に応じて更新されるPDCP変数を管理する。
図10に示すように、PDCP変数は、PDCPシーケンス番号が一周する度にカウントアップされるハイパーフレーム番号(HFN)と、PDCPシーケンス番号(PDCP SN)と、からなるカウント値(COUNT値)であってもよい。例えば、COUNT値は32ビットのビット長を有し、PDCP SNは12ビット又は18ビットのビット長(SN_length)を有し、HFNはCOUNT値のビット長からPDCP SNのビット長を減じたビット長を有する。PDCP SNのビット長は、RRCシグナリングにより設定されてもよい。なお、用語「PDCP変数」は、COUNT値を指す場合に限らず、PDCPレイヤで扱う各種の変数(HFN又はPDCP SN等)を指す用語としても用いられる。
図11は、MBSデータを構成するPDCPパケット、具体的には、PDCPデータPDU(Protocol Data Unit)を示す図である。図11に示すように、PDCPデータPDUは、PDCP SNと、データと、MAC-Iとを有する。PDCP SNは、PDCPデータPDUに順次付与されるシーケンス番号である。データは、PDCP SDU(Service Data Unit)に相当する。MAC-Iは、メッセージ認証コードに相当する。PDCPデータPDUは、MAC-Iを有していない場合がある。このように、PDCPデータPDUは、PDCP SNを有するものの、HFNを有していない。そのため、gNB200及びUE100のそれぞれは、PDCPデータPDUの送受信に応じてHFNを更新、具体的には、PDCPシーケンス番号が一周する度にカウントアップする必要がある。
図12は、UE100(受信側PDCPエンティティ101)において受信したPDCPデータPDUのCOUNT値であるRCVD_COUNTを特定する動作を示す図である。ここで、受信したPDCPデータPDUに含まれるPDCP SNをRCVD_SNと呼ぶ。
第1に、
RCVD_SN<SN(RX_DELIV)-Window_Size
である場合、
RCVD_HFN=HFN(RX_DELIV)+1
である。ここで、RX_DELIVは、受信待ちであって、未だ上位レイヤに提供していないPDCP SDUのうち最も古いものを表す変数である。RX_DELIVの初期値はゼロである。Window_Sizeは、リオーダリングウィンドウのサイズを示す定数である。
第2に、
RCVD_SN≧SN(RX_DELIV)+Window_Size
である場合、
RCVD_HFN=HFN(RX_DELIV)-1
である。
第3に、上記のいずれの条件も満たされない場合、
RCVD_HFN=HFN(RX_DELIV)
である。
そして、
RCVD_COUNT=[RCVD_HFN,RCVD_SN]
にセットされる。
図13は、UE100の受信側PDCPエンティティ101の動作を示す図である。
まず、受信側PDCPエンティティ101は、PDCP PDUを受信すると、当該PDCP PDUに対して、カウント値(RCVD_COUNT)を用いたセキュリティ処理(具体的には、deciphering/integrity verification)を行い(ステップS11)、integrity verificationに失敗した場合(ステップS12:Yes)、上位レイヤにintegrity verification失敗を通知するとともに当該PDCP PDUを破棄する(ステップS13)。
受信側PDCPエンティティ101は、integrity verificationに成功した場合(ステップS12:No)、カウント値(RCVD_COUNT)がRX_DELIVよりも小さい場合(ステップS14:Yes)、又は、RCVD_COUNTが受信済みである場合(ステップS16:Yes)、当該PDCP PDUを破棄する(ステップS15)。
次に、受信側PDCPエンティティ101は、破棄しなかったPDCP PDUを受信バッファに格納し(ステップS17)、「RCVD_COUNT≧RX_NEXT」である場合(ステップS18:Yes)、RX_NEXT=RCVD_COUNT+1に更新する(ステップS19)。ここで、RX_NEXTは、次に受信することが期待されるPDCP SDUのカウント値(RCVD_COUNT)を示す変数である。RX_NEXTの初期値はゼロである。Out-of-order deliveryが設定(Configured)されている場合(ステップS20:Configured)、受信側PDCPエンティティ101は、当該PDCP PDUをヘッダ逆圧縮後、上位レイヤに渡す(ステップS21)。具体的には、受信側PDCPエンティティ101は、RRCで“outOfOrderDelivery”が設定されている場合に、S21の動作を行う。Out of order deliveryは、順序制御を行わずに上位レイヤにパケットを渡す動作である。よって、ステップS21のように、パケットを受信してバッファに格納したら直ぐに上位レイヤに当該パケットを渡す。なお、ステップS20が”No”の場合、順序制御を行うことになる。
受信側PDCPエンティティ101は、「RCVD_COUNT=RX_DELIV」である場合(ステップS22:Yes)、COUNT=RX_DELIVから始まる連続するCOUNTの全てのPDCP SDUをヘッダ逆圧縮後、上位レイヤに渡し(ステップS23)、RX_DELIVを、上位レイヤに渡していない最初の(最も若い)COUNT値に更新する(ステップS24)。
受信側PDCPエンティティ101は、T-Reorderingが動作中であって、「RX_DELIV≧RX_REORD」である場合(ステップS25:Yes)、T-Reorderingをstop及びresetする(ステップS26)。ここで、T-Reorderingは、PDCPデータPDUの欠落を検出するために用いるタイマである。RX_REORDは、T-ReorderingをトリガしたPDCPデータPDUに関連付けられたCOUNT値に続くCOUNT値を示す変数である。
受信側PDCPエンティティ101は、T-Reorderingが停止中であって、「RX_DELIV<RX_REORD」である場合(ステップS27:Yes)、RX_REORD=RX_NEXTに更新するとともにT-Reorderingを始動(start)する。
(移動通信システムの動作)
上述のような構成及び動作を前提として、第1実施形態に係る移動通信システム1の動作について説明する。
図9に示す動作シナリオにおいて、UE100(UE100a乃至UE100cのいずれか)は、必ずしも、gNB200がMBSセッション(マルチキャストセッション又はブロードキャストセッション)の提供を開始した時点からMBS受信を開始できるとは限らない。例えば、いずれかのUE100は、MBSセッションの途中からMBS受信を開始し得る。その場合、当該UE100は、MBSセッションの開始(提供開始)からMBS受信の開始までの間の各パケット(例えば、各PDCPデータPDU)を受信できず、当該各パケットが欠落した状態になる。
ここで、当該MBSセッションがストリーミングデータ配信のためのセッションである場合、パケットの欠落は特に問題はない。これに対し、当該MBSセッションがソフトウェア配信等のファイルダウンロードのためのセッションであるような場合、当該ファイルが不完全な状態となることは問題である。第1実施形態は、ASレイヤにおいて欠落パケット群をUE100に再送信可能とする実施形態である。
図14は、第1実施形態に係るUE100の動作を示す図である。UE100のRRC状態はどのような状態(RRCコネクティッド状態、RRCアイドル状態、RRCインアクティブ状態)であってもよい。但し、UE100は、gNB200への送信を行う時点ではRRCコネクティッド状態にあるものとする。MBS配信のモードは、第1配信モードであってもよい。また、当該MBS配信のモードは、第2配信モードであってもよい。
ステップS1において、UE100は、gNB200からのMBSセッション(マルチキャストセッション又はブロードキャストセッション)の受信を開始する。すなわち、UE100は、gNB200からPTMで送信されるMBSデータの受信(MBS受信)を開始する。UE100は、MBS受信を開始する際に、当該MBSセッションと対応付けられたマルチキャスト無線ベアラ(MRB)を扱う受信側PDCPエンティティ101を確立する。
ステップS2において、UE100は、当該MBSセッションの途中からMBS受信が開始されたことを示す所定条件が満たされたか否かを判定する。所定条件が満たされていないと判定された場合(ステップS2:No)、UE100は、ステップS3及びS4の処理を行わずにMBS受信を継続する。
所定条件は、当該MBSセッションに途中から参加したという条件であってもよい。UE100は、例えば、下記の方法1乃至10のいずれかにより、当該MBSセッションに途中から参加したことを判定できる。
方法1:UE100は、第1配信モード(DM1)の場合、NASプロシージャによりMBSセッション参加した後、一定期間内(例えば直後)に、gNB200からのRRC ReconfigurationでMBS設定(例えば、MRB設定)が行われた場合は当該MBSセッションに途中参加した(可能性が高い)と判定でき、一定期間よりも後にMBS設定が行われた場合は当該MBSセッションに最初から参加した(可能性が高い)と判定できる。当該一定期間はgNB200又はAMF300Aから、UE100に設定されてもよい。当該一定期間はタイマ値(例えば、時間の範囲を示すタイマ値)でもよく、もしくはカウンタ値(例えば、システムフレーム番号の範囲を示すカウンタ値)であってもよい。
方法2:UE100は、第1配信モード(DM1)の場合、NASプロシージャによりMBSセッション参加した後に、当該MBSセッションの開始(アクティブ化)を示すGroup Notification(ページング)をモニタし、Group Notificationを受信した後にRRC ReconfigurationでMBS設定(例えば、MRB設定)が行われた場合は当該MBSセッションに最初から参加したと判定でき、Group Notificationを受信せずにRRC ReconfigurationでMBS設定(例えば、MRB設定)が行われた場合は当該MBSセッションに途中から参加した(可能性が高い)と判定できる。
方法3:UE100は、第2配信モード(DM2)の場合、セッション開始に伴うChange Notification(MCCH変更通知)を受信した後にMCCHで該当MBS設定(例えば、MTCHスケジューリング設定)を受信した場合は当該MBSセッションに最初から参加したと判定でき、Change Notificationを受信せずにMCCHを確認した結果、既に該当MBS設定が存在した場合は当該MBSセッションに途中から参加したと判定できる。
方法4:UE100は、NASプロシージャによるMBSセッション参加プロシージャにおいて、UE100からの参加要求に対してAMF300Aが許可する際に、セッションが送信中(active)であることを示す情報、セッションが停止中(suspend、inactive、又はconfigured)であることを示す情報をAMF300Aから取得することで、当該MBSセッションに最初から参加したのか、途中から参加したのかを判定できる。
方法5:UE100が予め保持しているUSD(User Service Description)において、MBSセッションの(概ねの)開始時間が記載されている場合、UE100は、当該USDの情報から、当該MBSセッションに最初から参加したのか、途中参加したのかを判定できる。
方法6:UE100は、上位レイヤ(例えば、アプリケーションレイヤ)から、ファイルが完全ではないこと(復元が不可能であること)を通知された場合、当該MBSセッションに途中から参加したと判定できる。当該通知は、アプリケーションレイヤからNASレイヤへ通知され、NASレイヤからASレイヤへ通知されてもよい。
方法7:UE100において、ASレイヤは、NASレイヤから当該MBSセッションに途中から参加したことを通知された場合、ASは当該MBSセッションに途中から参加したことを把握できる。
方法8:UE100は、gNB200から当該MBSセッションが途中(又は開始済み)であることが通知されてもよい。例えば第1配信モード(DM1)の場合、gNB200がRRC ReconfigurationにおいてMBS設定(例えば、MRB設定)を行う時に、当該MBS設定(例えば、MRB設定)に紐づいた「途中参加フラグ」(もしくは「最初から参加していることを示すフラグ」)をUE100に通知することにより、UE100は、途中参加か否かを判定できる。
方法9:gNB200は、当該MBSセッション(例えば、当該MRB)のファイルリカバリが可能である旨(又は当該MBSセッションの過去データを保持している旨、又は当該MBSセッションのファイルリカバリを許可する旨)の通知もしくは情報提供(SIB及び/又はMCCHで報知してもよく、RRC Reconfigurationでもよい)をUE100に対して行い、UE100は、当該通知に基づいて、暗示的に、当該MBSセッションに途中参加したと判定してもよい。このような通知は、後述の第1変更例における通知であってもよい。
方法10:MBSデータのヘッダ(例えばPDCPデータPDUのヘッダ)に、当該セッションにおいて、最初のパケットなのか、途中の(又は、最初でない)パケットなのかを示す、1ビットフラグを規定してもよい。UE100は、MBSデータを受信し、当該MBSデータのヘッダに格納された当該フラグにより、当該MBSセッションに途中参加したのか否かを判定できる。
所定条件は、当該MBSセッションについてUE100が最初に受信したMBSパケットのシーケンス番号(SN)が初期値ではないという条件であってもよい。例えば、UE100は、当該MBSセッションについてUE100が最初に受信したPDCPデータPDUに含まれるPDCP SNがゼロではない場合、当該MBSセッションの途中からMBS受信が開始されたと判定してもよい。ここで、ゼロは、初期値の一例である。なお、PDCP SNに限らず、RLC SNを用いた判定としてもよいが、以下においてシーケンス番号がPDCP SNである一例について主として説明する。また、シーケンス番号は、上述のCOUNT値(HFN+PDCP SN)であってもよい。
所定条件が満たされたと判定した場合(ステップS2:Yes)、ステップS3において、UE100は、当該MBSセッションの開始からMBS受信の開始までの間の欠落パケット群を示す欠落パケット識別情報をgNB200に送信する。欠落パケット識別情報は、欠落パケット群のうち最後の欠落パケットのシーケンス番号(例えば、PDCP SN)を示す情報を含む。これにより、gNB200は、UE100がどのパケット(例えば、PDCPデータPDU)までの受信ができていないのかを把握できる。最後の欠落パケットのシーケンス番号を示す情報は、最後の欠落パケットのシーケンス番号そのものであってもよい。また、当該最後の欠落パケットのシーケンス番号を示す情報は、最後の欠落パケットのシーケンス番号に1を加えた値(すなわち、UE100が最初に受信したパケットのシーケンス番号)であってもよい。
ここで、UE100(受信側PDCPエンティティ101)は、欠落パケット識別情報を含むPDCP制御PDUをPDCPステータス報告としてgNB200の送信側PDCPエンティティ201に送信してもよい。ベアラ(MRB)とPDCPエンティティとは1対1の関係にあるため、当該ベアラ上でPDCPステータス報告を送信することにより、欠落パケット識別情報を円滑にgNB200に通知できる。例えば、UE100は、図8に示すように、PTMレグでMBSデータを受信し、PDCPステータス報告をPTPレグでgNB200に送信してもよい。
或いは、UE100は、欠落パケット識別情報と、当該欠落パケット識別情報と対応付けられた識別子と、を含むRRCメッセージをgNB200に送信してもよい。当該識別子は、当該MBSセッションのMBSセッション識別子及び当該MBSセッションがマッピングされたMRBに関する識別子(例えば、MRB識別子、MTCH識別子、又はQoSフロー識別子等)の少なくとも一方を含んでもよい。当該RRCメッセージは、例えば、MBS Interest Indicationメッセージ又はUE Assistance Informationメッセージであってもよい。
UE100から欠落パケット識別情報を受信したgNB200は、当該欠落パケット識別情報により示される欠落パケット群をUE100に送信(再送信)する。
ステップS4において、UE100は、gNB200から欠落パケット群を受信する。UE100は、gNB200からPTPで送信される欠落パケット群を受信してもよい。例えば、UE100は、図8に示すように、PTMレグでMBSデータを受信し、gNB200が再送信する欠落パケット群をPTPレグで受信してもよい。但し、UE100は、gNB200が再送する欠落パケット群をPTMレグで受信してもよい。
このように、第1実施形態によれば、UE100は、MBSセッションの途中からMBS受信が開始されたことを示す所定条件が満たされたと判定した場合、当該MBSセッションの開始から当該MBS受信の開始までの間の欠落パケット群を示す欠落パケット識別情報をgNB200に送信する。これにより、gNB200が欠落パケット群の再送信をUE100に対して行うことが可能である。
図15は、第1実施形態に係る移動通信システム1の動作の一例を示す図である。
ステップS101において、gNB200は、MBSセッション(マルチキャストセッション又はブロードキャストセッション)の提供を開始する。具体的には、gNB200は、当該MBSセッションについてPTMでのMBSデータの送信を開始する。図15において、当該MBSセッションの受信に興味のある他のUEが、当該MBSセッションの開始時点からMBS受信を開始(ステップS102)する一例を示している。当該他のUEが最初に受信したパケットのシーケンス番号(SN)はゼロであるものとする。
なお、gNB200は、送信したパケットをそのシーケンス番号と対応付けて保持することにより、欠落パケット群の再送信に備えるものとする。例えば、gNB200の送信側PDCPエンティティ201は、PDCP SNを含むPDCPデータPDUを送信するとともに、バッファに当該PDCPデータPDUの複製を保持する。
ステップS103において、UE100は、当該MBSセッションの受信を開始する。UE100が最初に受信したパケットのシーケンス番号(SN)はXであるものとする。
ステップS104において、UE100は、欠落パケット群を特定する。UE100は、gNB200から最初に受信したパケットのSNを確認し、データの欠落があることを検知してもよい。例えば、gNB200がSN=0から送信を開始していると仮定した場合、UE100がgNB200から最初に受信したパケットがSN=100であれば、SN=0~99のパケット群が欠落していると判定できる。
ステップS105において、UE100は、ステップS103で特定した欠落パケット群を示す欠落パケット識別情報をgNB200に送信する。UE100は、欠落パケット識別情報をPDCP制御PDU(PDCPステータス報告)又はRRCメッセージによりgNB200に送信する。
図16に、第1実施形態に係るPDCPステータス報告の構成例1乃至3を示す。PDCP制御PDU(PDCPステータス報告)の先頭に、当該PDCP PDUが制御PDUであることを示すD/Cフィールドと、当該PDCP PDUがPDCPステータス報告であることを示すPDUタイプフィールドとが設けられていてもよい。PDUタイプフィールドには、MBS専用のPDCPステータス報告であることを示す情報がセットされてもよい。
構成例1において、PDCPステータス報告は、FMC(First missing COUNT)及びビットマップの各フィールドを含む。FMCフィールドには、リオーダリングウィンドウ内で最初に欠落しているPDCP SDUのCOUNT値、すなわち、RX_DELIVがセットされる。ビットマップフィールドには、各PDCP PDUと対応付けられたビットがセットされ、正しく受信した場合は“1”がセットされ、欠落した場合は“0”がセットされる。
構成例2において、PDCPステータス報告は、FMC及びLMC(Last missing COUNT)の各フィールドを含む。LMCフィールドには、欠落パケット群のうち最後のパケットのシーケンス番号(COUNT値)がセットされる。LMCフィールドには、最初に受信成功したパケットのCOUNT値(LMC+1、例えばFirst Successful COUNT: FSC)がセットされてもよい。上述の構成例1はビットマップフィールドのビット長が長くなり得る(例えば、200パケット分のビットマップは200ビットになる)が、ビットマップフィールドに代えてLMCフィールドを設けることにより、PDCPステータス報告のビット長を短縮できる。
構成例3において、PDCPステータス報告は、LMCフィールドを含む。gNB200は、最初の送信パケット(FMCに相当)は知っているので、LMCが分かれば、どこからどこまでのデータ欠落があるのかを把握できる。構成例3によれば、FMCフィールドを不要とすることで、構成例2よりもPDCPステータス報告のビット長を短縮できる。
図17に、第1実施形態に係るRRCメッセージの構成例を示す。例えば、RRCメッセージは、UE100がgNB200に送信するMBS Interest Indicationメッセージ又はUE Assistance Informationメッセージであってもよい。
当該RRCメッセージは、MRBの識別子(ベアラID、RLC channel ID、LCID等)もしくはMBSセッション識別子(TMGI等)と、欠落パケット識別情報とを含む。欠落パケット識別情報の構成は、上述のPDCPステータス報告の構成と同様であってもよい。このようなRRCメッセージをRRCレイヤで生成するために、UE100の受信側PDCPエンティティ101は欠落パケット群に関する情報をRRCレイヤに提供してもよい。
図15に戻り、gNB200は、ステップS105でUE100から欠落パケット識別情報を受信する。
ステップS106において、gNB200は、当該欠落パケット識別情報により示される欠落パケット群をUE100に送信(再送信)する。UE100は、gNB200から欠落パケット群を受信する。
なお、gNB200のバッファ容量の制限等に起因して、gNB200が欠落パケット群の全てをUE100に再送信できない場合も想定される。そのような場合に限り、UE100は、FLUTE(File Delivery over Unidirectional Transport)等の上位レイヤメカニズムを使ってファイルリカバリを試みてもよい。FLUTEは、IETF RFC6726/RFC3926で規定された上位レイヤのデータ復旧メカニズムであり、UE100は欠落したデータ(FLUTE Block)を、後からユニキャストでアプリケーションサーバから取得する。
[第1変更例]
gNB200のバッファ容量の制限を考慮すると、無制限にUE100がgNB200に再送信を要求可能とすることは好ましくないと考えられる。そのため、gNB200は、UE100による欠落パケット識別情報の送信を制御するための情報をUE100に送信してもよい。
図18は、第1実施形態に係る移動通信システム1の動作の第1変更例を示す図である。ここでは、上述の第1実施形態との相違点を説明する。
ステップS131において、gNB200は、UE100による欠落パケット識別情報の送信を制御するための制御設定情報をUE100に送信する。gNB200は、制御設定情報を、SIB、MCCH、RRCメッセージ(RRC Reconfigurationメッセージ)、MACヘッダ、MAC CE(Control Element)、又はPDCP制御PDUでUE100に送信してもよい。gNB200は、制御設定情報と共に、当該制御設定情報と対応付けられた識別子をUE100に送信してもよい。当該識別子は、MBSセッションのMBSセッション識別子及び当該MBSセッションがマッピングされたMRBに関する識別子(例えば、MRB識別子、MTCH識別子、又はQoSフロー識別子等)の少なくとも一方を含んでもよい。
例えば、ステップS131において、gNB200は、UE100が欠落パケット識別情報により示すことを許可する欠落パケット群のシーケンス番号の範囲を示す範囲情報を制御設定情報としてUE100に送信してもよい。ステップS105において、UE100は、gNB200からの範囲情報に基づいて、gNB200により指定された範囲内の欠落パケット群を示す欠落パケット識別情報を送信してもよい。
このように、gNB200は、データリカバリのために通知してもよい過去のSNの範囲(例えば、1,000パケット(SN)以内等)をUE100に設定又は通知する。当該範囲は、gNB200のデータバッファ量(能力)に応じて定められてもよい。gNB200は、自身がバッファしているデータのうち最も小さいシーケンス番号を示す情報を範囲情報として送信してもよい。また、gNB200は、自身がバッファしているデータのパケット個数を示す情報を範囲情報として送信してもよい。UE100は、gNB200から設定又は通知された範囲内で欠落パケット識別情報をgNB200に送信する。例えば、UE100は、欠落パケット識別情報に含めるFMCとして、当該範囲の下限値をセットしてもよい。或いは、UE100は、自身が特定した欠落パケット群が、gNB200から設定又は通知された範囲を超える場合、欠落パケット識別情報をgNB200に送信しないと決定してもよい。その場合、UE100は、上述のような上位レイヤのファイルリカバリ(FLUTE等)を実行することを決定してもよい。ここで、UE100において、ASレイヤは、上位レイヤ(NAS or アプリケーション)に対して、ASレイヤにおけるファイルリカバリが不可能であること(完全性が担保できないこと)を報告してもよい。
或いは、ステップS131において、gNB200は、MBSセッションの最初の配信パケットをgNB200が保持(バッファ)しているか否かを示す通知情報を制御設定情報としてUE100に送信してもよい。UE100は、gNB200からの通知情報に基づいて、欠落パケット識別情報をgNB200に送信するか否かを決定してもよい。当該最初の配信パケットをgNB200が保持していない場合、ASレイヤでのデータリカバリでは完全にはリカバリできない。そのため、UE100は、当該最初の配信パケットをgNB200が保持していないことを通知情報が示す場合、欠落パケット識別情報をgNB200に送信しないと決定してもよい。これに対し、UE100は、当該最初の配信パケットをgNB200が保持していることを通知情報が示す場合、欠落パケット識別情報をgNB200に送信してもよい(ステップS105)。当該通知情報は、当該最初の配信パケットとして、シーケンス番号がゼロである配信パケットをgNB200が保持しているか否かを示す情報であってもよい。すなわち、当該通知情報は、最初のパケットから再送可能か否かを通知する情報であればよい。
[第2変更例]
UE100は、欠落パケット識別情報をPDCP制御PDU(PDCPステータス報告)としてgNB200に送信するためには、gNB200とのPTP通信パスを有している必要がある。例えば、PTP通信パスは、図8に示すPTPレグであってもよい。そのため、gNB200とのPTP通信パスを有していないUE100は、欠落パケット識別情報をgNB200に送信可能とするために、PTP通信パスの確立をgNB200に要求してもよい。
図19は、第1実施形態に係る移動通信システム1の動作の第2変更例を示す図である。ここでは、上述の第1実施形態との相違点を説明する。
ステップS151において、UE100は、MBSセッションと対応付けられたPTP通信パスを有していない場合、すなわち、PTMのみのMRBでMBSデータ受信を行っている場合、PTP通信パスの設定を要求するための要求情報をgNB200に送信する。UE100は、シグナリング無線ベアラ(SRB)上で伝送されるRRCメッセージにより要求情報をgNB200に送信してもよい。当該RRCメッセージは、MBS Interest Indicationメッセージ又はUE Assistance Informationメッセージであってもよい。要求情報は、PTPレグの設定を要求する情報、データリカバリを行いたい旨の情報、上りリンク送信が必要であることを示す情報、又はスプリットMRBが必要であることを示す情報であってもよい。当該RRCメッセージは、当該要求情報と対応付けられた識別子をさらに含んでもよい。当該識別子は、対象のMRBのベアラID、RLC Channel ID、LCID、又はMBSセッション識別子(例えば、TMGI)であってもよい。
ステップS152において、gNB200は、UE100からの要求情報の受信に応じて、UE100にPTP通信パスを設定する。例えば、gNB200は、当該MRBを、スプリットMRBに設定変更してもよい。また、gNB200は、当該MRBを、PTPのみのMRBに変更してもよい。
ステップS105において、UE100は、ステップS152で設定されたPTP通信パス上でPDCPステータス報告をgNB200に送信する。
[第2実施形態]
第2実施形態について、上述の第1実施形態との相違点を主として説明する。
データ無線ベアラ(DRB)は、対応するRLCモードがAM(Acknowledged Mode)であるか又はUM(Unacknowledged Mode)であるかに応じて、AM DRB及びUM DRBのいずれか一方に分類される。具体的には、UE100は、DRBと対応付けられたRLCエンティティのモードがAMである場合は当該DRBがAM DRBであると判定し、DRBと対応付けられたRLCエンティティのモードがUMである場合は当該DRBがUM DRBであると判定する。例えば、DRBについてのPDCPステータス報告のトリガ条件は、当該DRBがAM DRBであるか又はUM DRBであるかに応じて異なる。
ここで、スプリットMRBについては2つのレグが存在し、対応するRLCエンティティが2つ存在する(図8参照)。例えば、PTMレグはUMのみをサポートし、PTPレグはAM及びUMの両RLCモードをサポートする。そのため、スプリットMRBがAMベアラであるか又はUMベアラであるかを判定する方法が必要であると考えられる。
図20は、第2実施形態に係るUE100の動作を示す図である。
ステップS201において、UE100は、PTPレグ及びPTMレグにスプリットされるスプリット無線ベアラ(スプリットMRB)を設定する設定情報をgNB200から受信する。このような設定情報は、UE専用RRCシグナリング(例えば、RRC Reconfigurationメッセージ)によりgNB200からUE100に送信されてもよい。ここで、UE100は、PTPレグを扱うRLCエンティティ及びPTMレグを扱うRLCエンティティのそれぞれのRLCモードがgNB200により設定される。
ステップS202において、UE100は、各レグに設定されたRLCモードに基づいて、設定されたスプリット無線ベアラ(スプリットMRB)がAMベアラ(AM MRB)であるか又はUMベアラ(UM MRB)であるかを判定する。例えば、UE100は、PTPレグ又はPTMレグに設定されたRLCモードがAMであることに応じて、設定されたスプリット無線ベアラ(スプリットMRB)がAMベアラ(AM MRB)であると判定してもよい。UE100は、PTPレグ又はPTMレグに設定されたRLCモードがUMであることに応じて、スプリット無線ベアラ(スプリットMRB)がUMベアラ(UM MRB)であると判定してもよい。
具体的には、UE100は、設定されたスプリットMRBについて、PTPレグのRLCエンティティがAMで設定された場合、又は、PTMレグのRLCエンティティがAMで設定された場合、当該スプリットMRBがAM MRBであると判定してもよい。UE100は、PTPレグがbi-directional UMで設定された場合、及び/又は、PTMレグがbi-directional UMで設定された場合、当該スプリットMRBがAM MRBであると判定してもよい。
UE100は、設定されたスプリットMRBについて、PTPレグのRLCエンティティがUMで設定された場合であって、且つ、PTMレグのRLCエンティティがUMで設定された場合、当該スプリットMRBがUM MRBであると判定してもよい。UE100は、PTPレグがuni-directional UMで設定された場合であって、且つ、PTMレグがuni-directional UMで設定された場合、当該スプリットMRBがUM MRBであると判定してもよい。
第2実施形態の変更例として、gNB200が、スプリットMRBがAM MRBであるのか又はUM MRBであるのか(つまりどちらのモードと見なすのか)をUE100に設定してもよい。UE100は、設定されたMRBのモードに従って、スプリットMRBがAM MRBであるのか又はUM MRBであるのかを判定してもよい。
具体的には、gNB200は、当該MRBをAM MRBと見なすのか、UM MRBと見なすのかを明示的にUE100に設定する。例えば、gNB200は、RRC ReconfigurationによりスプリットMRBをUE100に設定する際に、当該スプリットMRBに紐づいたモード識別子(AM MRBもしくはUM MRB)を当該設定に含める。UE100は、当該モード識別子に基づいて、当該スプリットMRBがAM MRBであるのか又はUM MRBであるのかを判定する。
[その他の実施形態]
上述の各動作フローは、別個独立に実施する場合に限らず、2以上の動作フローを組み合わせて実施可能である。例えば、1つの動作フローの一部のステップを他の動作フローに追加してもよい。また、1つの動作フローの一部のステップを他の動作フローの一部のステップと置換してもよい。
上述の実施形態及び実施例において、基地局がNR基地局(gNB)である一例について説明したが基地局がLTE基地局(eNB)又は6G基地局であってもよい。また、基地局は、IAB(Integrated Access and Backhaul)ノード等の中継ノードであってもよい。基地局は、IABノードのDUであってもよい。また、ユーザ装置は、IABノードのMT(Mobile Termination)であってもよい。
UE100又はgNB200が行う各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROMやDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。また、UE100又はgNB200が行う各処理を実行する回路を集積化し、UE100又はgNB200の少なくとも一部を半導体集積回路(チップセット、SoC:System on a chip)として構成してもよい。
本開示で使用されている「に基づいて(based on)」、「に応じて(depending on)」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」、「のみに応じて」を意味しない。「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」及び「に少なくとも部分的に基づいて」の両方を意味する。同様に、「に応じて」という記載は、「のみに応じて」及び「に少なくとも部分的に応じて」の両方を意味する。また、「取得する(obtain/acquire)」は、記憶されている情報の中から情報を取得することを意味してもよく、他のノードから受信した情報の中から情報を取得することを意味してもよく、又は、情報を生成することにより当該情報を取得することを意味してもよい。「含む(include)」、「備える(comprise)」、及びそれらの変形の用語は、列挙する項目のみを含むことを意味せず、列挙する項目のみを含んでもよいし、列挙する項目に加えてさらなる項目を含んでもよいことを意味する。また、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。さらに、本開示で使用されている「第1」、「第2」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。本開示において、例えば、英語でのa,an,及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、これらの冠詞は、文脈から明らかにそうではないことが示されていなければ、複数のものを含むものとする。
以上、図面を参照して実施形態について詳しく説明したが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
本願は、米国仮出願第63/229158号(2021年8月4日出願)の優先権を主張し、その内容の全てが本願明細書に組み込まれている。
[付記]
1.導入
NRマルチキャスト及びブロードキャストサービス(MBS)に関する改訂されたワークアイテムは、RAN#88で承認された。これには、動的なPTM/PTPの切り替えとサービス継続性を備えたモビリティを次のように規定する目的が含まれている。
RRCコネクティッド状態のUEのブロードキャスト/マルチキャストのRAN基本機能を規定する。
特定のUEのサービス継続性を備えたマルチキャスト(PTM)とユニキャスト(PTP)と間のブロードキャスト/マルチキャストサービス配信の動的変更のサポートを規定する。
サービス継続性を備えた基本的なモビリティのサポートを規定する。
動的なPTM/PTP切り替えに関しては、RAN2はすでにこのトピックに関連するいくつかの合意に達している。RAN2#111-eには以下の合意があった。
UEの場合、gNBは、マルチキャストデータをPTM又はPTP(共有配信)のどちらで配信するかを動的に決定する。
レイヤが信頼性(一般的に)、順序どおりの配信/重複処理を処理することについては更なる検討が必要であり、PTMとPTPとの切り替えでどのように機能するかは更なる検討が必要である。
RAN2#113-eでは、動的なPTM/PTPの切り替えのアーキテクチャが、L2の信頼性に関する議論に関連して次のように合意された。
PTMとPTPとの両方がRLC UMの場合、L2 ARQがなく、PDCPが固定されたPTMとPTPとの切り替えを使用した設定がサポートされる(たとえば、ユニキャスト用にRLC UMで通常設定されるサービスの場合)。
RAN2#113bis-eでは、アーキテクチャとシグナリングについて次のようにさらに合意が達せられた。
合意
以下の合意は、これまでのところアーキテクチャの決定にのみ基づいていることに注意する。信頼性の議論はまだ終わっていない。つまり、RLC UM+RLC UM以外の場合である。このような他の場合のPTMとPTPとの切り替えについては、更なる検討が必要である。
動的なPTM/PTPの切り替えは、共通の(単一の)PDCPエンティティを有するスプリットMRBベアラ(タイプ)でサポートされる。
基本として、gNBスイッチの決定をサポートするための新しいUEベースのシグナリングは導入されていない(たとえば、高信頼性のためのPDCP SRは未定である)。
PTMレグとPTPレグで設定されたスプリットMRB(オンラインセッション中に合意された)を想定すると、必要なスプリットMRB設定の後で、PTPレグの使用を非アクティブ化することはできない(つまり、UEは常にC-RNTIを監視する必要がある)。
PTMレグとPTPレグとで設定されたスプリットMRB(オンラインセッション中に合意された)を想定すると、スプリットMRBのPTMレグの使用がアクティブ化又は非アクティブ化の対象となるかどうか、及びその詳細については更なる検討が必要である。
モビリティの側面に関しては、RAN2は以下にリストされている基本原則のみに合意した。
R2は、これを必要とするサービスのMBS-MBSモビリティのロスレスハンドオーバをサポートすることを目的としている(シナリオの詳細は未定である。少なくともPTP-PTP)。
5G MBSサービスのロスレスハンドオーバをサポートするには、少なくともDL PDCP SNの同期と、ソースセルとターゲットセル間の継続性とがネットワーク側で保証されている必要がある。これを実現するための特定のアプローチの設計は、WG RAN3に関係する可能性がある。
ネットワーク側から、ソースgNBはデータをターゲットgNBに転送する場合があり、ターゲットgNBは転送データを配信する。一方、SN STATUS TRANSFERは、MBSデータのPDCPSNをカバーするように拡張する必要がある。次に、UEは、ターゲット設定に従って、ターゲットセルによってターゲットセル内のMBSを受信する。
UE側からは、PDCP状態報告もサポートされる場合がある。
この付記では、合意されたアーキテクチャに基づく、つまりPDCPに固定されたスプリットMRBを使用した、サービス継続性を備えた動的なPTM/PTPの切り替えとモビリティの残りの問題について説明する。
2.議論
3.スプリットMRB設定
PDCPに固定されたPTM/PTPの切り替えのアーキテクチャ、つまりスプリットMRBは、現在の合意に基づいて、図21に示すように解釈できる。
一般に、RRC再設定は、マルチキャストセッションを受信するための情報とともに、2つの論理チャネル(PTMレグ及びPTPレグ)を含むベアラ設定を提供するために使用されるとみなすことができる。RAN2は、「PTMレグとPTPレグとで設定されたスプリットMRB(オンラインセッションで合意されたもの)を想定する」と述べているが、1つのマルチキャスト無線ベアラに2つの論理チャネルを関連付ける設定は、動的なPTM/PTPの切り替えの準備としてRRC再設定で提供されることがすでに共通の理解になっていると思われる。
所見1:1つのMRBに2つの論理チャネルを関連付ける設定は、動的なPTM/PTP切り替え動作に先立ち、RRC再設定によって提供されるというのが共通の理解であると思われる。
4.動的なPTM/PTPの切り替え動作
5.シグナリング
スプリットMRBのPTMレグの使用は、アクティブ化又は非アクティブ化の対象となり得るかどうか、及びその詳細については、更なる検討が必要である。
PTMレグ/PTPレグを有するスプリットMRBが設定されると、UEはPTMレグのG-RNTIとPTPレグのC-RNTIとの両方をモニタする必要がある。LTE SC-PTMでは、「SC-PTMの受信機会はユニキャストDRX方式から独立している」、つまり、DRXが別々になっている。G-RNTIは複数のUEで受信されるのに対し、C-RNTIはUE固有であり、2つのDRXの位置合わせは非常に難しいため、このコンセプトがNR MBSの基本となる可能性がある。これは、UEが常にG-RNTIを監視しなければならない場合、頻繁にウェイクアップする必要があることを意味し、さらなる電力消費の原因となる。一方、接続中のUEは、ユニキャスト受信のためにC-RNTI、すなわちC-DRXを監視する必要があるが、これはUEにとって追加の負担ではない。
所見2:UEは、C-DRXと同じPTPレグの送信機会(すなわちC-RNTI)に加えて、LTE SC-PTMのSC-MTCH機会のようにPTMレグの送信機会(すなわちG-RNTI)でウェイクアップする必要がある。
PTM/PTMを伴うMRB受信時、つまり切り替え動作時の選択肢は以下の4つである。
選択肢1:アクティブ化/非アクティブ化ベースの切り替え
gNBは、DCI、MAC CE、又はRRC信号などによって、PTMレグの有効化/無効化をUEに指示する。この選択肢は、PTM又はPTPのいずれかを介したMBSデータ受信に加え、スプリットベアラ又はPDCPパケット重複のように、MBSデータを2つのレグを介して受信する場合、より柔軟に対応することができる。UEは、非アクティブ化されたPTMレグからの消費電力を低減することができる。NWの実装では、常に2つのレグをアクティブにしておくことを決定する可能性があり、以下の選択肢4の意図をカバーすることができることに留意する。
選択肢2:切り替えオーダー/コマンドベース切り替え
gNBは、DCI、MAC CE、又はRRCシグナリングなどによって、UEにPTMレグとPTPレグの間の切り替えを指示する。この選択肢は、PTMレグの非アクティブ化による省電力化という点では、上記の選択肢1と同様であり、シンプルである。しかし、PDCPパケットの重複を含むスプリットベアラ的な動作には柔軟性に欠ける。この選択肢は、PTMレグとPTPレグ間の切り替えのみで、両方をアクティブ化することはできないと思われる。
選択肢3:RRC再設定ベースの切り替え
gNBは、RRC再設定により、UEをPTM又はPTPのいずれかをMRBとして再設定する。つまり、PTMレグとPTPレグとを1つのMRBに関連付けない。つまり「ベアラタイプの変更」のようなもので、スプリットMRBアーキテクチャとは整合性がとれていない。また、この選択肢は、L3が関与するため、PTMとPTPとの切り替えをどれだけ「動的」に行えるかは疑問が残る。
選択肢4:切り替えに基づくシグナリングなし
UEは、スプリットMRBに2つのレグが設定されている場合は常に、PTMレグとPTPレグとの両方からの受信を試行する必要がある。この選択肢は、gNBの観点から最大限のスケジューリングの柔軟性を確保するが、UEにとっては節電の機会がない。
以上のことから、選択肢1は、スケジューリングの柔軟性、UEの消費電力、及びスプリットMRBアーキテクチャとの整合性の点で最も適した選択肢であると言える。選択肢4は、PTMレグが常にアクティブである場合、選択肢1のサブセットと見なすことができる。シグナリングレイヤについては、アクティブ化/非アクティブ化はほとんどDRXの動作に関連しているため、MAC CEは容易である可能性がある。したがって、RAN2は、PTMレグがMAC CEを介してアクティブ化/非アクティブ化できることに合意すべきである。
提案1:動的なPTM/PTP切り替えのために、RAN2は、スプリットMRBのPTMレグをアクティブ/非アクティブにするMAC CEを導入することに合意すべきである。
動的な切り替えとは異なる「ベアラタイプ変更」について、ベアラタイプ変更には以下のようなケースがあると考えられる。
ケース1:PTMのみのMRB←→PTPのみのMRB
ケース2:スプリットMRB←→PTMのみのMRB
ケース3:スプリットMRB←→PTPのみのMRB
このようなベアラタイプ変更の場合、RRC再設定、つまり選択肢3を使用するのが容易である。
提案2:PTMのみのMRB、PTPのみのMRB、及びスプリットMRB間のベアラタイプ変更については、RAN2はRRC再設定を使用することに合意すべきである。
6.PDCPの行動
7.状態変数の初期値
RAN2は、RLC UMモードに加え、スプリットMRBのPTPレグのRLC AMモードをサポートすることに合意した。また、「RLC-AMはPTMに対応していない(MBS R17 WI用)」ため、L2信頼性は動的なPTM/PTP切り替えにのみ依存するというのが共通認識となっている。そのため、MBSデータ受信開始時や動的なPTM/PTP切り替え時のパケットロスをいかに少なくするかは、サービス継続のために検討する価値がある。
図21に示すように、既存のPDCP機能ビューを再利用すれば、PDCP SNは、PTMレグとPTPレグとで共通である。PTMレグは複数のUEで使用されるため、PDCP SNはUE固有でない可能性があり、PTMレグとPTPレグとの両方に影響する。これは、UEがマルチキャストセッションに遅れて参加する場合、最初に受信したMBSデータがPTMレグとPTPレグとのどちらから来るかに関係なく、各状態変数の初期値を常に「0」にすることはできないことを意味している。つまり、UEが最初に受信するPDCP SNは、今回のユニキャスト送信で想定していない任意の値であってもよい。また、状態変数が初期値に設定されるため、あるUEのPDCP再確立が他のすべてのUEに影響を与える可能性がある。受信ウィンドウで予期せぬ動作、つまりウィンドウ外のPDCP PDUを破棄することになる。ハンドオーバのシナリオでも同じ問題が存在する可能性があることが指摘されている。
所見3:マルチキャストセッションに後発で参加し、スプリットMRBが設定されているUEの場合、最初に受信したPDCP PDUのSNは、PTMレグ又はPTPレグに関わらず初期値(すなわち「0」)ではないことが確認されている。
この問題を解決するために、以下の選択肢が提案されている。
選択肢A:gNBは、COUNTの初期値、又はRX_NEXT及びRX_DELIVをUEに通知する。
この選択肢は、UEが既存のメカニズムでMBSデータの最初の送信を受信できるように、gNBからの情報に基づいて受信ウィンドウに関する初期値を単に変更するものである。しかし、PDCPレイヤの観点からは、切り替えの遅延、無線状態の悪化、RLC再構築ウィンドウの範囲外など、gNBが意図した最初の送信をUEが常に正常に受信できるかは疑問がある。この場合、この選択肢がどのように機能するかは不明確である。
選択肢B:gNBはUEに初期HFNを通知し、UEは最初に受信したPDCP PDUから初期HFNとSNを推測する。
SN部については、Rel-16のV2Xメカニズムと同様の選択肢、すなわち、以下の通りである。「RX_NEXTのSN部の初期値は、(x+1)modulo(2[sl-PDCP-SN-Size])であり、xは最初に受信したPDCPデータPDUのSNである」、「NR sidelink communication for broadcast and groupcastでは、RX_DELIVのSN部の初期値は(x-0.5×2[sl-PDCP-SN-Size-1])modulo(2[sl-PDCP-SN-Size]),ただしxは最初に受信したPDCP Data PDUのSNである」。
HFN部分については、Rel-16 V2Xメカニズムでは、セキュリティのためにHFNを使用しないため、送信機と受信機の同期を必要としない。すなわち、「注:RX_DELIVの初期値を正の値にするように、RX_NEXTのHFNを選択するのはUE実装次第」とされている。NR MBSについては、「RAN2は、RAN2でセキュリティの側面を議論する前に、SA3がMBSのセキュリティに関する研究を完了させるのを待つと回答する」。したがって、RAN2は、SA3がセキュリティに関する研究を完了するまで、HFN部分の議論を延期すべきである。
以上のことから、選択肢Bを基本として、さらに議論を深めていくべきである。ブロードキャスト及びグループキャストのRel-16サイドリンク通信によると、NR MBSのセキュリティに関するSA3の進展を考慮すると、RAN2は少なくとも、UEがMBSデータの最初の受信PDCP PDUから状態変数の初期値を設定することに合意すべきである。
提案3:RAN2は、PTMレグ又はPTPレグに関係なく、UEが最初に受信したMBSデータからRX_NEXT及びRX_DELIVのSN部分の初期値を設定することに合意すべきである。HFNの部分がgNBから通知されるかどうかは、SA3の進捗次第あり、更なる検討が必要である。
8.同時受信とUE支援情報
特に、PTP(レグ)は信頼性が要求されるサービスではRLC AMで設定され、ロスレスなモビリティと同様にサービス継続のためにロスレスな切り替えは重要である。提案1に合意する場合、UEはPTMレグとPTPレグとの両方からの同時受信をサポートする必要がある。つまり、既存のPDCPパケット重複と同様に、2つのレグを同時にアクティブ化できる。これは、PTMレグが複数のUEによって受信されるため、特定のUEにとって最適なMCSではないことが容易に起こり得るためである。そのため、RAN2は動的なPTM/PTP切り替え時に、少なくとも一定期間同時受信の使用を採用することに合意すべきである。
提案4:RAN2は、動的なPTM/PTP切り替え後の一定期間、UEがPTMレグ及びPTPレグの両方からの同時受信をサポートすることに合意すべきである。
提案3と提案4が合意された場合、UEがPTMレグを介してどのPDCP SNを正常に受信し始めたかどうかをgNBが実際に知らない可能性がある。PTPからPTMへの切り替える場合、gNBは、どのPDCP PDUをPTPレグで送信すべきか、また、いつPTPレグの送信を停止できるかがわからない場合がある。この問題を解決するために、UEがPTM受信に成功したことをgNBに通知し、PTPレグを通じて送信することが提案されている。ただし、UEがPDCP SN情報も同じメッセージに含めるべきかどうかは不明確である。
所見4:PTPからPTMへ切り替える場合、gNBは、どのPDCP PDUからPTPレグの送信を維持する必要があるか、又はUEがどのPDCP PDUからPTMレグによる受信を正常に開始するかを知らない場合がある。
同様に、PTMからPTPへ切り替える場合、UEがPTMレグを介してどのPDCP SNを正常に受信したかをgNBが知らない可能性がある(特に、UEの無線状態が悪い場合)。これは、PTPレグの開始時にどのPDCP PDUを使用すべきかをgNBが知らない可能性があることを意味する。
所見5:PTMからPTPへ切り替える場合、gNBは、PTPレグがどのPDCP PDUから送信を開始する必要があるか、又はUEがPTMレグを介してどのPDCP PDUを正常に受信したかを知らない場合がある。
そのため、UEは動的なPTM/PTP切り替え時に、PTPレグを介してSN情報をgNBに通知することが検討される。PTMとPTPとの間の動的な切り替え時にUEがSN情報を報告する場合、PDCP制御PDU、つまり、FMC(最初のPDCP SDUが見つからない)及び選択肢としてビットマップ(後続のPDCP SDUが見つからないか正しく受信されているかを示す)を含むPDCP状態報告を再利用することは容易である。一方、UEがPTMレグを介して最初/最後のPDCP PDU受信に成功したSNを報告することも選択肢の1つである。したがって、PTMとPTPとの動的な切り替え時にUEが報告する内容については、さらなる議論が必要である。
上記のいずれの場合(すなわち、PTPからPTMへ切り替える場合及びPTMからPTPへ切り替える場合)でも、動的な切り替え(例えば、MAC CEのアクティブ化/非アクティブ化)時に、サービス継続のためのPDCP SN情報を含むPDCP制御PDUをトリガする必要がある。
提案5:RAN2は、サービス継続のために、UEが動的な切り替え時にPDCP SN情報を含むPDCP 制御PDUを送信するかどうかを検討すべきである。PDCP情報報告が再利用可能かどうかについては、更なる検討が必要である。
もう一つは、提案5のようなロスレスな動的切り替えと同様のロスレスなベアラタイプの変更が必要かという点である。RLC AMを伴うPTP(レグ)を含むベアラタイプの変更は、サービス継続性、ロスレスなモビリティの観点から、動的な切り替えと同様の信頼性が必要であると考えられる。そのため、RAN2は、ロスレスなベアラタイプの変更をサポートするかどうかを検討すべきである。サポートする場合は、提案5と同様にUE支援情報としてPDCP制御PDUを再利用すべきである。
提案6:RAN2は、RRC再設定を伴うロスレスなベアラタイプの変更、すなわち提案5のようなPDCP制御PDUによるロスレスな動的切り替えと同じ解決策が適用可能かどうかを議論すべきである。
1 :移動通信システム
10 :RAN
20 :CN
100 :UE
110 :受信部
120 :送信部
130 :制御部
200 :gNB
210 :送信部
220 :受信部
230 :制御部
240 :バックホール通信部

Claims (8)

  1. マルチキャストブロードキャストサービス(MBS)をサポートする移動通信システムで用いる通信方法であって、
    ユーザ装置が、PTP(Point-to-Point)レグ及びPTM(Point-to-Multipoint)レグを有するマルチキャスト無線ベアラ設定をネットワークノードから受信することと、
    前記ユーザ装置が、前記設定に基づいて、前記マルチキャスト無線ベアラがAM(Acknowledged Mode)ベアラであるか又はUM(Unacknowledged Mode)ベアラであるかを判定することと、を有し、
    前記ユーザ装置は、前記PTPレグ又は前記PTMレグに設定されたRLC(Radio Link Control)モードがAMであることに応じて、前記マルチキャスト無線ベアラをAMベアラとして扱う
    通信方法。
  2. 前記ユーザ装置は、前記PTPレグのRLCエンティティがAMで設定された場合、又は前記PTMレグのRLCエンティティがAMで設定された場合、前記マルチキャスト無線ベアラをAM MRBとして扱う
    請求項1に記載の通信方法。
  3. 前記ユーザ装置は、前記PTPレグ又は前記PTMレグに設定されたRLCモードがUMであることに応じて、前記マルチキャスト無線ベアラUMベアラとして扱う
    請求項1又は2に記載の通信方法。
  4. 前記ユーザ装置は、前記PTPレグのRLCエンティティがUMで設定された場合であって、且つ、前記PTMレグのRLCエンティティがUMで設定された場合、前記マルチキャスト無線ベアラをUM MRBとして扱う
    請求項3に記載の通信方法。
  5. マルチキャストブロードキャストサービス(MBS)をサポートする移動通信システムで用いるユーザ装置であって、
    PTP(Point-to-Point)レグ及びPTM(Point-to-Multipoint)レグを有するマルチキャスト無線ベアラ設定をネットワークノードから受信する受信部と、
    前記設定に基づいて、前記マルチキャスト無線ベアラがAM(Acknowledged Mode)ベアラであるか又はUM(Unacknowledged Mode)ベアラであるかを判定する制御部と、を有し、
    前記制御部は、前記PTPレグ又は前記PTMレグに設定されたRLC(Radio Link Control)モードがAMであることに応じて、前記マルチキャスト無線ベアラをAMベアラとして扱う
    ユーザ装置。
  6. 請求項5に記載のユーザ装置とネットワークノードとを備える移動通信システム。
  7. 請求項1に記載の通信方法を実行する手段を備えるチップセット。
  8. 請求項1に記載の通信方法をユーザ装置に実行させるプログラム。
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