JP7479796B2 - ボールジョイント用ダストカバー - Google Patents
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Description
ボールジョイントでは、ソケットに装着されたボールスタッドの球頭部が所定の角度範囲内で回転する。
そして、この球頭部が回転する空間への泥水又はダスト等の異物の混入を防止するために、ダストカバーが設けられている。
このダストカバーは、補強環、バンド又はサークリップ等によってソケットに装着される。
バンド又はサークリップ等のダストカバーの外周から締め付ける締結部材を装着すると、締結部材がダストカバーに密着し、且つダストカバーの外周からこれを締め付けるため、ダストカバーによる異物の混入の防止をより確実なものとし、球頭部が回転する空間に配されるグリースをダストカバーの内側に保持することが可能である。
しかしながら、ダストカバーの外周からこれを締め付ける締結部材を用いると、締結部材を収容するソケットの形状によっては、ダストカバー及び締結部材が動いてしまい、締結部材がダストカバーから抜けてしまうことがある。
ただし、本発明は、以下の実施形態の記載によって限定解釈されるものではない。
図1は、本実施形態に係るボールジョイント用ダストカバー14が装着されたボールジョイント10を示す断面図である。
図1に示すボールジョイント10は、ボールスタッド11と、ソケット12と、ボールジョイント用ダストカバー14と、バンド15と、ナックル16とを備える。
図1に示すソケット12の外周には、凹部13が設けられている。
ボールジョイント用ダストカバー14は、収納部122への異物の混入を防止する。
ここで、締結部材としては、バンド15に代えてサークリップが用いられていてもよい。
しかしながら、バンド又はサークリップがボールジョイント用ダストカバー14をこれの外周から締め付けると、バンド又はサークリップがボールジョイント用ダストカバー14から抜けてしまう場合がある。
図2に示す凹部13は、上側凸部131と、下側凸部133とにより挟まれた部分に形成されている。
しかしながら、図2に示すように、上側凸部131が曲面で形成され、ボールジョイント用ダストカバー14が接する凹部13側に平面を有していない場合には、略均一な厚さの従来のボールジョイント用ダストカバーをソケット12に装着すると、ボールスタッド11の揺動時にバンド15が上側に抜けてしまうことがある。
このような曲面で形成された上側凸部131は、カシメ加工によって形成されうる。
なお、ここで、平面は平らな面であり、曲面は平面と相対する形状であって曲率を有する形状の面であり、断面においては、平面は直線で表され、曲面は曲線で表される。
図2に示すバンド装着面140にバンド15を締め付けていくと、バンド15の上側の部分がボールジョイント用ダストカバー14に接触し、バンド15が傾斜面に沿って滑り、バンド15の下側の部分がバンド装着面140の下側の面に接触し、ボールジョイント用ダストカバー14がバンド15を下側に押さえる力が発生し、バンド15が下側に押さえられる。
そのため、バンド15の下側ではボールジョイント用ダストカバー14を下向きに押さえる力が強くなり、ボールジョイント用ダストカバー14が上方向に抜けにくくなるので、ボールジョイント用ダストカバー14がソケット12から外れることを防止することができる。
実施形態1では、ボールジョイント用ダストカバーのバンド装着面が、ソケットの下側に向かうにつれて深くなる傾斜面を有する形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
本実施形態では、ボールジョイント用ダストカバーのバンド装着面が、ソケットの上側に向かうにつれて深くなる傾斜面を有する形態について説明する。
図3に示すボールジョイント10aは、図1に示すボールジョイント10におけるソケット12に代えてソケット12aを備え、ボールジョイント用ダストカバー14に代えてボールジョイント用ダストカバー14aを備え、その他の構成は同じである。
凸部131aは、下側に平面を有する。
ボールジョイント用ダストカバー14aは、収納部122への異物の混入を防止する。
図4に示す凸部131aは、ソケット12aの外周に設けられ、機械加工によって形成される。
しかしながら、図4に示すようにソケット12aは下側凸部を有していないため、略均一な厚さの従来のボールジョイント用ダストカバーをソケット12aに装着すると、ボールスタッド11の揺動時にバンド15が下側に抜けてしまうことがある。
なお、ここで、平面は平らな面であり、曲面は平面と相対する形状であって曲率を有する形状の面であり、断面においては、平面は直線で表され、曲面は曲線で表される。
図4に示すバンド装着面140aにバンド15を締め付けていくと、バンド15の下側の部分がボールジョイント用ダストカバー14aに接触し、バンド15が傾斜面に沿って滑り、バンド15の上側の部分がバンド装着面140aの上側の面に接触し、ボールジョイント用ダストカバー14aがバンド15を上側に押さえる力が発生し、バンド15が上側に押さえられる。
そのため、バンド15の上側ではボールジョイント用ダストカバー14aを上向きに押さえる力が強くなり、ボールジョイント用ダストカバー14aが下方向に抜けにくくなるので、ボールジョイント用ダストカバー14aがソケット12aから外れることを防止することができる。
下側凸部を有していないソケットにおいては、ボールジョイント用ダストカバー14aが配される部分の下側が傾斜していてもよい。
図5では、ソケット12aに代えてソケット12bが示された点のみが図4と異なり、その他の構成は同じである。
図5に示すソケット12bは、ボールジョイント用ダストカバー14aが配される部分の下側が外周側に広がるように傾斜する傾斜面123を有し、傾斜面123は、ボールジョイント用ダストカバーの下側への抜けを抑制する補助的なストッパーとなる。
図5に示すソケット12bにおいては、凸部131aと、傾斜面123と、により挟まれた部分の外側にバンド装着面140aが形成されることで、ボールジョイント用ダストカバー14aが下方向に更に抜けにくくなり、ボールジョイント用ダストカバー14aがソケット12bから外れることを防止することができる。
例えば、実施形態1の図1に示すソケット12のように上側凸部131が曲面で形成され、且つ実施形態2の図5に示すソケット12bのように傾斜面123を有するソケットでは、傾斜面123がボールジョイント用ダストカバーの下側への抜けを抑制する補助的なストッパーとなるため、下方向には抜けにくく、上方向には抜けやすい。
そのため、このような形状のソケットには、実施形態1に示すボールジョイント用ダストカバー14を装着する。
図6に示すソケット12cは、ソケット12と同様に曲面で形成された上側凸部131と、ソケット12bと同様にボールジョイント用ダストカバーが配される部分の下側が外周側に広がるように傾斜する傾斜面123と、を有し、上側凸部131と傾斜面123とにより挟まれた部分には、凹部13aが形成される。
図6に示すソケット12cでは、傾斜面123によってボールジョイント用ダストカバーの下側への抜けが抑制されるものの、上側凸部131が曲面で形成されているため、ボールジョイント用ダストカバーは上側に抜けやすい。
そのため、図6に示すソケット12cに対しては、ボールジョイント用ダストカバー14を装着して上方向への抜けを防止することで、締結部材を外れにくくすることが可能である。
11 ボールスタッド
111 球頭部
112 軸部
12,12a,12b,12c ソケット
121 開口部
122 収納部
123 傾斜面
13,13a 凹部
131 上側凸部
131a 凸部
133 下側凸部
14,14a ボールジョイント用ダストカバー
140,140a バンド装着面
141,141a 大径開口部
142,142a 膜部
143,143a 小径開口部
15 バンド
16 ナックル
Claims (4)
- 球頭部に軸部が付けられたボールスタッドと、該ボールスタッドが挿入された開口部及び前記球頭部が収納される収納部を有するソケットと、を備えるボールジョイントの前記ソケットの外周に装着されて、締結部材によって外周から締め付けられるボールジョイント用ダストカバーであって、
前記ボールスタッドに装着される小径開口部と、
前記ソケットに装着される大径開口部と、が設けられており、
前記大径開口部は、
前記ソケットの外周に設けられた凹部の底面に接触する内周面と、
前記内周面の裏側に前記締結部材が装着される装着面を形成する外周面と、を有し、
前記外周面は、
前記開口部側から前記収納部の底側へ向かうにつれて前記内周面に接近する傾斜面からなる
ボールジョイント用ダストカバー。 - 前記内周面は、
前記開口部付近に曲面で形成されている第1凸部と、前記第1凸部よりも前記収納部の底側に形成され前記第1凸部側に平面を有する第2凸部と、により挟まれる凹部の底面に接触する請求項1に記載のボールジョイント用ダストカバー。 - 前記内周面は、
前記開口部付近に曲面で形成されている凸部と、前記凸部よりも前記収納部の底側に形成され前記ソケットの外周側に広がるように傾斜する傾斜面と、により挟まれる凹部の底面に接触する請求項1に記載のボールジョイント用ダストカバー。 - 球頭部に軸部が付けられたボールスタッドと、該ボールスタッドが挿入された開口部及び前記球頭部が収納される収納部を有するソケットと、を備えるボールジョイントの前記ソケットの外周に装着されて、締結部材によって外周から締め付けられるボールジョイント用ダストカバーであって、
前記ボールスタッドに装着される小径開口部と、
前記ソケットに装着される大径開口部と、が設けられており、
前記大径開口部は、
前記ソケットの外周に設けられた凸部に隣接する隣接外周面に接触する内周面と、
前記内周面の裏側に前記締結部材が装着される装着面を形成する外周面と、を有し、
前記内周面は、
前記収納部の底側に平面を有する前記凸部と、前記凸部よりも前記収納部の底側に形成され前記ソケットの外周側に広がるように傾斜する傾斜面と、により挟まれた前記隣接外周面に接触し、
前記外周面は、
前記収納部の底側から前記開口部側へ向かうにつれて前記内周面に接近する傾斜面からなる
ボールジョイント用ダストカバー。
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