JP7479506B2 - 半導体レーザ、lidarシステム、および半導体レーザを有するレーザシステム - Google Patents

半導体レーザ、lidarシステム、および半導体レーザを有するレーザシステム Download PDF

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Description

本願は、独国特許出願公開第102020205254号明細書の優先権を主張し、その開示内容を参照により本明細書に援用するものとする。
LIDARシステムは、例えば自動運転のための車両においてますます使用されている。例えば、LIDARシステムは、距離を測定するため、または対象物を認識するために使用される。LIDARシステムでは、通常、使用される波長に関して狭幅な窓が非常に好適である。なぜなら、その場合には、干渉信号である太陽光を、狭帯域のフィルタを用いて効果的に抑制することができるからである。通常の端面発光型の半導体レーザでは、放出波長が0.2nm/Kを超えて変化するので、温度が変動する場合であっても波長がほとんど変化しないような、すなわち、高い温度安定性が保証されているようなコンセプトが研究される。
本発明の基礎となる課題は、改善された半導体レーザおよび改善されたLIDARシステムを提供することである。
実施形態によれば、上記の課題は、独立請求項の対象によって解決される。有利な発展形態は、従属請求項において規定されている。
実施形態によれば、半導体レーザは、放射生成のための活性ゾーンを有する半導体層配列を含む。半導体レーザは、第1の共振器ミラー、第2の共振器ミラー、および第1の共振器ミラーと第2の共振器ミラーとの間に配置された光共振器をさらに有し、光共振器は、半導体層配列の主表面に対して平行な方向に延在している。第1の共振器ミラーの反射率R1は、波長依存性であり、したがって、R1は、またはR1と第2の共振器ミラーの反射率R2との積Rは、レーザの目標波長λからλ+Δλまでの波長範囲内において値R0から減少し、ここで、Δλは、放出波長の温度依存性のシフトに依存して選択される。Rに関して、以下の関係:
(i)λ<λ<λ+Δλである少なくとも1つの波長λに対して、R(λ)<0.3*R0;
(ii)k≦-0.1%であるときのλ=λに対して、dR/dλ<k/nm
のうちの少なくとも1つが成り立つ。代替的または同時に、R1に関して、以下の関係:
(iii)λ<λ<λ+Δλである少なくとも1つの波長λに対して、R1(λ)<0.3*R0;
(iv)k≦-0.1%であるときのλ=λに対して、dR1/dλ<k/nm
のうちの少なくとも1つが成り立つ。
さらなる実施形態によれば、kは、-0.2%以下または-0.5%以下であってもよい。
例えば、Δλは、5nmよりも大きい範囲内にあってよい。例えば、Δλは、10nmより大きくてよいし、または30nmより大きくてよい。例えば、Δλは、100nm未満、例えば80nm未満であってよい。
例えば、RまたはR1は、波長がλ未満である場合、値R0まで増加することができる。
さらなる実施形態によれば、第2の共振器ミラーも、波長依存性の反射率を有することができ、波長依存性の反射率は、波長がλ未満である場合、局所的な最大値まで増加する。
実施形態によれば、半導体レーザにおいて、半導体レーザの固有損失と、第1の共振器ミラーおよび第2の共振器ミラーによって引き起こされる、波長λに対するミラー損失との和は、λ<λ<λ+Δλの範囲内において増加することができる。
例えば、半導体レーザの固有損失と、ミラー損失との和は、閉じ込め係数Γ(λ,T)と波長依存性の利得g(λ,T)との積に相当する曲線の少なくとも半分だけ急峻に増加することができる。
さらなる実施形態では、半導体レーザの固有損失と、ミラー損失との和は、閉じ込め係数Γ(λ,T)と波長依存性の利得g(λ,T)との積に相当する曲線よりも急峻に増加することができる。
さらなる実施形態によれば、以下の関係:
(v)λ<λ<λ+Δλに対して、dR/dλ<-g*R(λ);
(vi)λ<λ<λ+Δλに対して、dR1/dλ<-g*R1(λ)/nm
のうちの少なくとも1つが成り立つことができ、ただし、g≧0.03である。
例えば、第1の共振器ミラーは、ブラッグミラーとして実現可能である。例えば、ブラッグミラーの個々の層は、AlO、TaO、SiO、TiO、AlN、SiN、Si、NbO、ITO、ZnO、Ag、およびAlと、半導体材料としてInAlGaAsP、InAlGaN、ZnSeとを含むことができる。この場合、それぞれの層のシーケンス、組成、および層厚さは、所望の反射率が実現されるように選択される。
ブラッグミラーは、エピタキシャル成長させられた半導体層を有することができる。
実施形態によれば、ブラッグミラーの半導体層のうちの少なくとも1つの半導体層は、λ未満の波長範囲を有する電磁放射を吸収するために適していてよい。
例えば、第1の共振器ミラーの反射率R1または積Rは、目標波長の範囲内において8%未満であってよい。
実施形態によれば、活性ゾーンは、もっぱら単一量子井戸構造を有する。
さらなる実施形態によれば、活性ゾーンは、相互に離調された量子井戸を有する多重量子井戸構造を有する。
例えば、0℃~60℃の温度範囲内では、レーザ閾値における活性ゾーンにおける電荷キャリア密度は、25%超だけ増加することができる。
実施形態によれば、半導体レーザの放出波長は、100℃を上回る周囲温度では、または60℃を上回る温度でも、温度に伴って減少する。
半導体層配列は、複数のレーザ素子を有することができ、複数のレーザ素子は、上下に重なり合うように配置されており、接続層を介して相互に接続されている。
例えば、半導体層配列の側方の境界は、傾斜させられており、これにより、生成された電磁放射の放出が、半導体層配列の第1の主表面を介して実施されるようになっている。
LIDARシステムは、上述したような半導体レーザを含む。
さらなる実施形態は、レーザシステムであって、当該レーザシステムは、上述したような半導体レーザと、さらなるレーザとを有し、さらなるレーザは、半導体レーザによって光学的にポンピング可能である、レーザシステムに関する。
添付図面は、本発明の実施例を理解するために使用される。図面は、実施例を例示し、明細書とともに実施例を説明するために使用される。さらなる実施例および企図された多数の利点は、以下の詳細な説明から直接的に得られる。図面に図示されている要素および構造は、必ずしも相互に縮尺通りに図示されているわけではない。同一の参照記号は、同一のまたは相互に対応する要素および構造を指す。
実施形態による端面発光型の半導体レーザの要素を示す図である。 さらなる実施形態による端面発光型の半導体レーザのコンポーネントを示す図である。 実施形態による、主表面を介して放出が実施される半導体レーザの構造を示す図である。 さらなる実施形態による、主表面を介して放出が実施される半導体レーザの構造を示す図である。 実施形態による共振器ミラーの反射率の波長特性を示す図である。 さらなる実施形態による共振器ミラーの反射率の波長特性を示す図である。 さらなる実施形態による共振器ミラーの組み合わせられた反射特性を示す図である。 さらなる実施形態による共振器ミラーの反射特性を示す図である。 さらなる実施形態による共振器ミラーの反射特性を示す図である。 実施形態による半導体レーザにおける温度に依存した放出波長の推移を示す図である。 さらなる実施形態による共振器ミラーの反射特性を示す図である。 さらなる実施形態による半導体レーザの断面図である。 さらなる実施形態による半導体レーザの断面図である。 さらなる実施形態による共振器ミラーの反射特性を示す図である。 さらなる実施形態による共振器ミラーの反射特性を示す図である。 さらなる実施形態による共振器ミラーの組み合わせられた反射特性を示す図である。 第1の共振器ミラーの種々異なる特性を示す図である。 ほぼ一定の反射率を有する共振器ミラーを使用した場合の、種々異なる温度におけるレーザの損失および利得を示す図である。 急激に減少する反射率を有する共振器ミラーを使用した場合の、種々異なる温度におけるレーザの損失および利得を示す図である。 種々異なる温度および電流強度におけるレーザの損失および利得を示す図である。 種々異なる温度および電流強度におけるレーザの損失および利得を示す図である。 種々異なる温度および電流強度におけるレーザの損失および利得を示す図である。 さらなる実施形態による共振器ミラーの反射特性を示す図である。 さらなる実施形態による共振器ミラーの反射特性を示す図である。 さらなる実施形態による共振器ミラーの反射特性の組み合わせを示す図である。 さらなる実施形態による共振器ミラーの反射特性の組み合わせを示す図である。 実施形態による半導体レーザの断面図である。 実施形態による第2の共振器ミラーの反射率を示す図である。 実施形態による第1の共振器ミラーの反射率を示す図である。 実施形態による第1の共振器ミラーの反射率を示す図である。 実施形態による種々異なる半導体レーザに関する、レーザ閾値における活性ゾーンにおける電荷キャリア密度を示す図である。 実施形態による種々異なる半導体レーザに関する光学利得を示す図である。 実施形態による種々異なる半導体レーザに関する微分利得を示す図である。 実施形態による種々異なる半導体レーザに関する、温度に伴う放出波長の推移を示す図である。 実施形態による種々異なる半導体レーザに関する、温度に伴う反射率の推移を示す図である。 実施形態による種々異なる半導体レーザに関する、温度に伴う電力の推移を示す図である。 種々異なる半導体レーザの放出波長の温度経過の相違を示す図である。 種々異なる半導体レーザに関する、温度に依存した放出強度を示す図である。 活性ゾーンの詳細を示す図である。 実施形態によるLIDARシステムを示す図である。 実施形態によるレーザシステムを示す図である。
以下の詳細な説明では、本開示の一部を構成している添付図面が参照され、これらの添付図面には、例示する目的で特定の実施例が示されている。これに関連して、「上側」、「底部」、「前側」、「後側」、「上方」、「上」、「前方」、「後方」、「前」、「後ろ」等のような方向を表す用語は、今から説明する図面の方向性に関連して使用される。実施例のコンポーネントは、種々の向きで配置可能であるので、これらの方向を表す用語は、説明する目的でのみ使用され、決して限定するものではない。
その他の実施例も存在し、特許請求の範囲によって規定される範囲から逸脱することなく構造的または論理的な変更を加えることもできるので、実施例の説明は、限定するものではない。とりわけ、以下で説明する実施例の要素は、文脈から別段の指示がない限り、記載されている他の実施例の要素と組み合わせ可能である。
本明細書に記載されているレーザは、半導体材料をベースにしている。一般的に、以下の説明で使用される「ウェハ」、「半導体」、または「半導体材料」という用語は、半導体表面を有する任意の半導体に基づく構造体を含むことができる。ウェハおよび構造体は、ドーピングされた半導体およびドーピングされていない半導体と、場合によってはベース基板によって支持されている、エピタキシャル半導体層と、さらなる半導体構造体とを含むと理解されるべきである。例えば、第1の半導体材料からなる層を、第2の半導体材料、例えばGaAs基板、GaN基板、もしくはSi基板からなる、または絶縁性材料からなる成長基板上に、例えばサファイア基板上に成長させることができる。
使用目的に応じて、半導体は、直接的または間接的な半導体材料をベースにすることができる。電磁放射を生成するために特に適した半導体材料に関する例には、とりわけ、例えばGaN、InGaN、AlN、AlGaN、AlGaInN、Al-GaInBNのような紫外光、青色光、または長波光を生成することができる窒化物半導体化合物と、例えばGaAsP、AlGaInP、GaP、AlGaPのような緑色光または長波光を生成することができるリン化物半導体化合物と、例えばGaAs、AlGaAs、InGaAs、AlInGaAs、AlGaAsP、InGaAsP、SiC、ZnSe、ZnO、Ga、ダイヤモンド、六方晶窒化ホウ素のようなさらなる半導体材料と、上記の材料の組み合わせとが含まれる。化合物半導体材料の化学量論比は、変更可能である。半導体材料に関するさらなる例には、シリコン、シリコンゲルマニウム、およびゲルマニウムが含まれ得る。本明細書の文脈における「半導体」という用語は、有機半導体材料も含む。
「基板」という用語は、一般に、絶縁性基板、導電性基板、または半導体基板を含む。
本明細書で使用されているような「横方向」および「水平方向」という用語は、基板または半導体本体の第1の表面に対して実質的に平行に延在する向きまたは方向性を説明することを意図している。この第1の表面は、例えば、ウェハまたはチップ(ダイ)の表面であってよい。
水平方向は、例えば、層が成長する際の成長方向に対して垂直な平面内に位置することができる。
本明細書で使用されているような「垂直方向」という用語は、基板または半導体本体の第1の表面に対して実質的に垂直に延在する向きを説明することを意図している。垂直方向は、例えば、層が成長する際の成長方向に相当することができる。
図1Aは、実施形態による半導体レーザ10のコンポーネントを示す。半導体レーザ10は、半導体層配列112を含む。半導体層配列112は、放射生成のための活性ゾーン115を有する。半導体レーザ10は、第1の共振器ミラー125、第2の共振器ミラー130、および第1の共振器ミラー125と第2の共振器ミラー130との間に配置された共振器131をさらに有する。共振器131は、半導体層配列112の主表面111に対して平行な方向に延在している。以下で説明するように、第1の共振器ミラー125は、波長依存性の反射率を有する。この波長依存性の反射率については、より詳細に後述する。第2の共振器ミラー130は、例えば第1の共振器ミラー125よりも低い反射率を有することができる。第2の共振器ミラー130も、波長依存性の反射率を有することができる。生成されたレーザ放射135は、第2の共振器ミラー130を介して出射することができる。代替的に、第1の共振器ミラー125が、第2の共振器ミラー130よりも低い反射率を有するようにしてよい。例えば、生成されたレーザ放射135は、第1の共振器ミラー125を介して出射することができる。
半導体層配列112は、例えばp型である第1の導電型の第1の半導体層110と、例えばn型である第2の導電型の第2の半導体層120とを含む。基板100と第1の半導体層110との間に、さらなる半導体層を配置することができる。例えば、半導体レーザに電圧を印加するために、追加的に電気的なコンタクト要素を設けることができる。さらに、第2の半導体層120の上方に、追加的な半導体層および/または絶縁層を配置することができる。
基板100は、絶縁性であってよいし、または半導体材料を有していてよい。半導体層は、例えば基板100の上方にエピタキシャルに成長可能である。第1の半導体層110と第2の半導体層120との間には、活性ゾーン115を配置することができる。活性ゾーン115は、例えば、放射生成のためにpn接合、ダブルヘテロ構造、単一量子井戸構造(SQW:single quantum well)、または多重量子井戸構造(MQW:multi quantum well)を有することができる。「量子井戸構造」という用語は、本明細書では量子化の次元に関する意味を含まない。したがって、「量子井戸構造」という用語には、とりわけ量子井戸、量子細線、量子ドット、およびこれらの層の任意の組み合わせが含まれる。
活性ゾーン115は、光共振器131の延在方向に対して垂直に延在する主表面を有する層または積層体によって提供される。一般的に、このような半導体レーザは、端面発光型の半導体レーザと称される。しかしながら、図5A~図7Cを参照しながら後述するように、このような形態であっても、半導体層配列112の主表面111を介して電磁放射を放出することが可能である。
図1Bに示されている配列では、3つのレーザ素子127,127,127が上下に重なり合うように配置されている。個々のレーザ素子の各々が、第1の半導体層110と、第2の半導体層120と、活性ゾーン115とを有する。この場合にも、第1の半導体層は、それぞれ第1の導電型であってよく、第2の半導体層120は、それぞれ第2の導電型であってよい。個々のレーザ素子127,127,および127は、それぞれ接続層128,128を介して相互に接続されている。接続層128,128は、電気的な接続が可能となるようにそれぞれトンネル接合部であってよい。3つより多くのレーザ素子127,127,および127を積層させてもよいことは自明である。
一般的に、本願の枠内における「トンネル接合部」という用語は、第1の導電型および第2の導電型の非常に高濃度にドーピングされた半導体層のシーケンスを含む。例えば、第1の導電型の第1の高濃度ドーピング層を、レーザ素子127,127,127の第1の導電型の第1の半導体層110に隣接してコンタクトするように配置することができる。さらに、第2の導電型の第2の高濃度ドーピング層を、レーザ素子127,127,127の第2の導電型の第2の半導体層120に隣接してコンタクトするように配置することができる。オプションとして、これらの高濃度ドーピング層の間に、追加的に中間層を配置することができる。第1および第2の導電型の非常に高濃度にドーピングされた層のシーケンスと、オプションの中間層とは、トンネルダイオードである。このトンネルダイオードを使用して、それぞれのレーザ素子127,127,および127を直列に接続することができる。
図1Aのように、ここでも第1の共振器ミラー125および第2の共振器ミラー130が設けられている。図1Aと同様に、第1の共振器ミラー125は、特別な波長依存性の反射率を有する。生成された電磁放射135は、第2の共振器ミラー130を介して出射することができる。さらなる実施形態によれば、第2の共振器ミラー130が、第1の共振器ミラーよりも高い反射率を有するようにしてもよい。例えば、生成された電磁放射135は、第1の共振器ミラー125を介して出射することができる。さらなる実施形態によれば、追加的に、第2の共振器ミラー130は、特別な波長依存性の反射率を有することができる。
本願の枠内で説明されるコンセプトは、以下のような半導体レーザにも適用可能であり、すなわち、光共振器131の少なくとも一部が半導体層配列112の主表面111に対して平行な方向に延在しているが、放射135の放出が半導体層配列112の第1の主表面111を介して実施されるような、半導体レーザにも適用可能である。
図1Cは、実施形態による、主表面111に対して平行に延在する光共振器131を有する表面発光型の半導体レーザを示す。図1Cに示されているように、半導体層配列112の端面は、45°の角度でエッチングされている。斜めにエッチングされた側縁部に隣接して、誘電層138を被着させることができる。さらなる実施形態によれば、誘電性の支持体基板100を、斜めにエッチングされた側縁部に直接的に隣接させることもできる。半導体層配列112の半導体材料と誘電層138との間の屈折率差に基づいて、これらの側縁部においてそれぞれ全反射が行われる。結果として、半導体層配列112の斜めの縁部が、反射性の側縁部137として作用する。
第1の共振器ミラー125および第2の共振器ミラー130は、それぞれ半導体層配列112の第1の主表面111の上方に配置されている。
生成されたレーザ光は、それぞれ第1の共振器ミラー125および第2の共振器ミラー130によって、活性ゾーン115を有する半導体層配列へと反射される。図1Cでは、複数のレーザ素子127,127,および127が上下に重なり合うように積層されており、接続層128,128を介して相互に接続されている。これらの接続層は、ここでもトンネル接合部であってよい。支持体基板100は、半導体層配列の形状に応じて構造化されている。第2の共振器ミラー130は、例えば第1の共振器ミラー125よりも低い反射率を有する。相応して、生成された電磁放射135は、第2の共振器ミラー130の位置において第1の主表面111を介して出射される。
例えば、第1の半導体層110および第2の半導体層120の材料と、活性ゾーンの材料とは、AlGaAs材料系またはGaAs材料系をベースにすることができ、AlGaAs半導体層またはGaAs半導体層を含むことができる。この場合には、接続層128,128は、高濃度ドーピングされたAlGaAs:Te/Cを含むトンネル接合部を有することができる。例えば、トンネル接合部は、テルルもしくは炭素がドーピングされたAlGaAs、またはテルルもしくは炭素がドーピングされたGaAsを含むことができる。トンネル接合部の層厚さは、例えばλ/2未満であってよく、ここで、λは、対応する伝播媒体における有効な波長に相当する。
図1Dに示されている実施形態によれば、第1の共振器ミラー125が、第2の共振器ミラー130よりも低い反射率を有するようにしてもよい。生成された電磁放射135を、第1の共振器ミラー125の位置において第1の主表面111を介して放出させることができる。図1Dの半導体レーザのさらなるコンポーネントは、図1Cを参照しながら説明したコンポーネントと同様または同一である。
本開示の枠内で説明される半導体レーザは、一般的に、例えばAlGaAs材料系、InAlGaAsP材料系、またはInAlGaN材料系をベースにすることができる。
一般的に、半導体レーザダイオードでは、電流の流れによって電荷キャリアペアが活性ゾーンに注入される。電流が増加するにつれて活性ゾーンにおける電荷キャリア密度が増加し、これに伴って今度は、レーザダイオードの共振器において循環するレーザ光に関する光増幅のスペクトルの最大値が増加する。利得スペクトルの最大値におけるモデルによる光学利得(Γ*gpeak)によって内部損失αおよびミラー損失αが補償される場合、すなわち、Γ*gpeak,th=α+αである場合に、レーザ閾値に到達する。
これに対応する注入電流は、閾値電流である。電流がレーザ閾値を上回っている場合には、活性ゾーンの温度が一定であれば、電荷キャリア密度は、強力な刺激された再結合に起因してそこでほぼ一定に維持される。しかしながら、レーザダイオードの温度は、周囲温度が上昇する場合、電流が増加してもレーザの損失出力に起因して上昇する。通常、光学利得は、キャリア密度が所与の場合、温度に伴って減少し、これにより、レーザ閾値(閾値電流、閾値キャリア密度)は、温度が上昇するにつれて上昇する。
温度上昇およびキャリア密度の上昇により、通常、電荷キャリアの相互作用の強化と、半導体結晶の格子定数の変化とによって引き起こされる半導体のバンドギャップの減少が生じる。これにより、利得最大値のスペクトル位置、ひいては放出波長が、より長い波長へとシフトする。
この場合、温度に伴う放出波長のシフトの程度は、放出波長または光子エネルギに依存している。例えば、温度に伴うバンドギャップまたは放出波長の変化について、以下の関係:dEg/dT=-0.4meV/Kが成り立つ。これにより、E=hc/λにより、dλ/dT=-λ/hc*dEg/dTが得られる。
材料系は、達成されるべき放出波長に応じて選択される。相応に、温度に伴う放出波長のシフトと、使用されている材料系との間には関連性が見られる。この関連性は、900~1000nmの範囲内の放出波長の場合、約0.25~0.32nm/Kである。通常、このような放出波長のためには、AlGaInAs材料系が使用される。約400nmの波長の場合、放出波長のシフトの程度は、0.05nm/Kである。通常、このような放出波長のためには、InAlGaN材料系が使用される。約1250nmの波長の場合、放出波長のシフトの程度は、0.5nm/Kである。通常、この波長のためには、InAlGaAsP材料系が使用される。
図2Aは、第1の共振器ミラー125の波長依存性の反射率R1を概略的に示す。図2Aに示されているように、反射率R1は、目標波長λからλ+Δλまでの波長範囲内において値R0から減少する。λは、半導体レーザの目標波長を表し、Δλは、考察される温度変動にわたる波長の変化についての尺度である。例えば、半導体レーザの目標波長が、T、例えば20℃での放出波長に位置しており、かつ半導体レーザが、T(20℃)からT、例えば60℃までの温度範囲内において一定の波長のレーザ光を放出することが意図されている場合、λは、T(20℃)での波長に相当する。Δλは、T(60℃)での放出波長と、T(20℃)での放出波長との間の差に相当する。さらに、反射率R1(λ)に関して、以下の両方の関係:
(iii)λ<λ<λ+Δλに対して、R1(λ)<0.3*R0;
(iv)k≦-0.1%であるときのλ=λに対して、dR1/dλ<k/nm
のうちの少なくとも1つが成り立つ。
さらなる実施形態によれば、kは、-0.2%以下または-0.5%以下であってよい。
図2Aでは、例えば、関係(iv)が実現されており、すなわち、反射率R1は、λにおいて急峻に減少する。
例えば、λの付近の範囲内におけるλ未満の波長に対する反射率は、ほぼ一定であってよい。実施形態によれば、反射率R0=R1(λ)は、局所的な最大値を表すことができる。さらなる実施形態によれば、R0=R1(λ)は、鞍点であってもよいし、または反射率R1の推移の任意の点であってもよく、例えば、反射率R1の下降エッジに位置していてもよい。
実施形態によれば、第1の共振器ミラーは、図2Bに示されている反射率を有することもできる。例えば、波長依存性の反射率は、まず始めに増加し、その後、再び減少することができる。より正確に言えば、波長依存性の反射率は、図2Aに示されている反射率とは異なり、波長λまで一定ではなく、まず始めに最大値R0まで増加する。反射率R1が局所的な最大値を有しているところの波長λは、レーザの目標波長λに相当する。λよりも長い波長に対しては、共振器ミラーの反射率は、その局所的な最大値Rmaxから減少する。
さらにより詳細に後述するように、共振器ミラーの反射率が狭義単調減少することは必須ではない。例えば、レーザの放出波長は、温度が上昇する場合、放出波長に依存して0.3nm/Kのレートでシフトする。このことは、図2Aにおいてvが付された矢印によって示されている。目標波長、すなわちレーザによって達成されるべき波長は、図2Aおよび図2Bではλによって示されている。この目標波長は、理想的には、反射率R1が折れ曲がりを有しているところの波長に相当する。例えば、R0は、10%より大きくてよい。例えば、R0は、30%より大きくてよいし、または40%より大きくてよい。
図2Aの場合には、例えば比較的長い波長における反射率が減少することにより、比較的長い波長を有する電磁放射に対して対応するモードが抑制され、これにより、λにおけるモードが最も強化されることとなる。このようにして、レーザの温度安定性を保証することができる。
同様にして図2Bによれば、λ未満の波長に対する反射率は、波長に伴って増加することができる。反射率のこの実施形態においても、とりわけ、放出波長の安定化が実施されるような、最大の反射率を有するレーザモードが好ましい。図2Bに示されている特別な特性に基づいて、温度および波長の温度ドリフトが増大しているにもかかわらず、放出波長を安定化させることができる。
図2Aおよび図2Bに示されているように、第1のミラーの反射率は、その最大値R0から所定の急峻度で線形に減少することができる。さらなる実施形態によれば、反射率は、非線形に減少してもよい。このことを、とりわけ図3Cおよび図3Dにおいてさらに詳細に説明する。このようにして、反射率の制限が引き起こされ、この制限により、この波長において、レーザ放射を生成するための閾値が増大される。
実施形態によれば、図2Aおよび図2Bに示されている反射率は、第1の共振器ミラー125の反射率であってよい。さらなる実施形態によれば、図2Aおよび図2Bに示されている反射率は、組み合わせられた反射率であってもよく、第1の共振器ミラー125の反射率R1と第2の共振器ミラー130の反射率R2との積に相当することができる。
図3Aには、さらなる実施形態が示されており、ここでは、例えば、第1の共振器ミラーは、第1の局所的な最大値まで増加する反射率R1を有し、第2の共振器ミラーは、まず始めに一定であって後に減少する反射率を有する。図3Aの一番上側の図面は、波長に依存した第1の共振器ミラー125の反射率R1の推移を示す。反射率は、まず始めに増加し、したがって、λではまだ最大値に到達していない。λでは、反射率の最大値に到達している。λよりも長い波長に対しては、反射率は一定である。
図3Aの真ん中側の図面の部分は、波長に依存した第2の共振器ミラーの反射率R2の推移を示す。ここでは、反射率は、まず始めに一定であり、λとλとの間の波長において減少する。反射率は、両方の共振器ミラーに関して、第1の反射率および第2の反射率がそれぞれ局所的な最大値を有しているλとλとの間の範囲が相互にオーバーラップするようにそれぞれ構成されている。
結果として、システム全体に関して、図3Aの一番下側の図面の部分に示されている反射率が得られる。第1の共振器ミラーと第2の共振器ミラーとの組み合わせの反射率Rは、目標波長λにおいて反射率R0の最大値が存在するように構成されている。このようにして、図2Bを参照しながら説明した手法と同様に、半導体レーザの波長が安定化される。第1の共振器ミラーと第2の共振器ミラーとの組み合わせの反射率Rは、第1の共振器ミラー125の反射率R1と、第2の共振器ミラー130の第2の反射率R2との積に相当する。第1の共振器ミラー125または第2の共振器ミラー130は、それぞれ出射ミラーであってよい。
図3Bは、さらなる実施形態による半導体レーザ10における第1の共振器ミラー125の反射率の一例を示す。見て取れるように、反射率は、910~925nmの間の局所的な最大値から940~950nmの間の最小値まで局所的に急激に減少する。このようにして、半導体レーザの放出波長が、910~925nmの間の範囲内において安定化される。考察されている範囲内における反射率は、1%未満である。したがって、第1の共振器ミラー125は、ここでは出射ミラーである。さらに図3Bにおいて見て取れるように、例えば1000nmまたは850nmに対する第1の共振器ミラーの反射率は、910~925nmの間の波長範囲内における反射率よりも高い。しかしながら、利得の最大値は、考察されている温度範囲内では900~950nmの間の波長範囲内に位置しているので、この波長範囲外に位置する比較的高い反射率は、半導体レーザの放出波長には影響を及ぼさない。この波長依存性の利得と反射率との関連性については、より詳細に後述する。
図3Cは、さらなる実施形態による共振器ミラーの反射特性を示す。ここでは、図示されている反射特性は、第1の共振器ミラーの反射率であってよいし、または共振器の内部の両方の共振器ミラーの組み合わせられた反射率であってもよい。例えば、反射率は、両方の共振器ミラーの反射率の積であってよく、すなわち、R=RまたはR=R*Rであってよい。目標波長に関しては、この波長の後における反射率Rの導関数が0未満であること、すなわち、目標波長よりも大きい波長に対する反射率が少なくとも一時的に減少することが当てはまる。反射率は、とりわけ目標波長λから波長λ+Δλまでの範囲内において減少する。例えば、R(λ)>R(λ+Δλ)が成り立つ。この場合、Δλは、使用される材料系に依存している。例えば、GaAs材料系の場合、Δλは、20nmまたは30nmであってよい。上述したように、反射率が狭義単調減少することは必須ではない。
例えば、目標波長の範囲内における接線の傾き、すなわちdR/dλ(λ)は、<-0.03/nmであってよく、つまり、下り勾配は、3%よりも大きくてよい。さらなる実施形態によれば、
dR/dλ(λ)<-0.05/nmまたはdR/dλ(λ)<-0.07/nm
が成り立つ。
すなわち、下り勾配は、5%よりも大きくてよいか、またはそれどころか7%よりも大きくてよい。
さらに、λからλ+Δλまでの範囲内における反射率の推移は、Rに関する以下の2つの推移
a)λ<λ<λ+Δλに対して、R(λ)<0.3*R0、
b)λ=λに対して、dR/dλ<-g*R(λ)/nm、
のうちの1つを下回ることができ、ただし、g≧0.03、例えばg≧0.05またはg≧0.07である。
例えば、図3Cでは、組み合わせられた反射率R=R1*R2またはR=R1も考察することができ、R0は、8%よりも大きくてよく、例えば10%以上であってよい。
図3Cには、反射率のこれらの上限a),b)が、種々異なるgの値に対する波長依存性の反射率の推移に関する例として示されている。
一般的に、目標波長における非常に急激な下り勾配は、温度安定性に対して非常に好適に作用する。位置λ=λにおいて跳躍関数または階段関数に可能な限り顕著に近似されている反射率の推移によって、放出波長の大きな温度安定性がもたらされる。このようにして、反射、ひいてはλよりも長い波長を有する光の伝搬が、顕著に抑制される。結果として、波長を特に効果的に安定化させることができる。
図示のように、目標波長λ+Δλの付近で考察される波長範囲は、目標波長に依存している。より正確に言えば、それぞれの材料系ごとに材料パラメータとして、温度に依存した波長シフトが増幅度の基礎とされ、これにより、例えば80Kの温度差を仮定した場合の、放出波長の最大の波長シフトを得ることができる。次いで、ここからΔλを特定することができる。
例えば赤色範囲から近赤外範囲まで発光するレーザダイオードでは、端面発光型の半導体レーザの場合、例えば約0.3nm/Kの波長シフトが基礎とされる。相応して、80Kの温度変化は、24nmの波長シフトをもたらし、したがって、Δλは、20~30nmの範囲内にある。例えば、これらのレーザダイオードは、AlGaInAs材料系をベースにすることができる。
緑色波長範囲または青色波長範囲で発光するレーザダイオードでは、端面発光型の半導体レーザの場合、0.05nm/Kの波長シフトが基礎とされる。相応して、80Kの温度変化は、4nmの波長シフトをもたらす。ここでは、Δλは、5~10nmの範囲内にあってよい。例えば、これらのレーザダイオードは、InGaN材料系をベースにすることができる。
近赤外範囲から中赤外範囲まで、例えば約1550nmまで発光するレーザダイオードでは、端面発光型の半導体レーザの場合、0.5nm/Kの波長シフトが基礎とされる。相応して、80Kの温度シフトは、40nmの波長シフトをもたらす。ここでは、Δλは、40~50nmの範囲内にあってよい。例えば、これらのレーザダイオードは、InP材料系をベースにすることができる。
図3Dは、温度に依存した放出波長の推移を示す。ここで図示されているように、gの値が特に大きい場合、すなわちλ=λの位置における下り勾配が特に急激である場合には、温度に伴う放出波長の変動が比較的小さくなる。
実施形態によれば、波長依存性の反射率を有するミラーは、多数の薄い誘電層または半導体層を有するブラッグミラーによって実現可能である。
一般的に、「ブラッグミラー」という用語は、入射してきた電磁放射を反射し、かつ誘電層または半導体層を有する任意の配列を含む。ブラッグミラーは、誘電層または半導体層から構成可能である。さらなる実施形態によれば、ブラッグミラーは、追加的な金属層を有することができる。例えば、ブラッグミラーは、それぞれ異なる屈折率を有する複数の非常に薄い誘電層または半導体層のシーケンスによって構成可能である。誘電層と半導体層との混合物も可能である。例えば、これらの層は、高い屈折率(例えば、n>1.7)と、低い屈折率(例えば、n<1.7)とを交互に有することができる。例えば、1つの層ペアの層厚さを、λ/4とすることができ、ここで、λは、それぞれの媒体中における反射されるべき光の波長を示す。入射光から最初に見える層は、比較的大きな層厚さ、例えば3λ/4を有することができる。ブラッグミラーは、わずかな層厚さと、それぞれの屈折率差とに基づいて、波長依存性の高い反射率を提供する。ブラッグミラーは、例えば2~50個の誘電層または半導体層を有することができる。個々の層の典型的な層厚さは、約30~90nm、例えば約50nmであってよい。積層体は、約180nmよりも厚い、例えば200nmよりも厚い1つまたは2つ以上の層をさらに含むことができる。
さらなる実施形態によれば、ブラッグミラーの層は、エピタキシャル半導体層によっても、場合によっては追加的な金属層によっても実現可能である。
波長依存性の反射率を有する共振器ミラーの材料は、例えば、AlO、TaO、SiO、TiO、AlN、SiN、Si、NbO、ITO、ZnO、Ag、およびAlと、半導体材料としてInAlGaAsP、InAlGaN、ZnSeとを含むことができる。この場合、それぞれの層のシーケンス、組成、および層厚さは、所望の反射率が実現されるように選択される。
実施形態によれば、第2の共振器ミラー130もブラッグミラーとして実現可能である。第2の共振器ミラーの個々の層の組成、シーケンス、および層厚さを、第2の共振器ミラーも波長依存性の反射率を有するように選択することができる。さらなる実施形態によれば、第2の共振器ミラーの個々の層の組成、シーケンス、および層厚さを、第2の共振器ミラーが波長依存性の反射率を有さないように選択することもできる。
上述したように、第1の共振器ミラーの反射率と、場合によっては第2の共振器ミラーの反射率とを特別に構成することによって、放出波長の温度安定性の改善を達成することができる。例えば、反射率が所定の波長範囲内において急激に減少することは、有用であろう。
図4Aは、第1の共振器ミラー125の反射率と第2の共振器ミラー130の反射率との積に相当することができる組み合わせられた反射率Rの推移の概略図を示す。第2の共振器ミラーの反射率が実質的に一定であると仮定すると、組み合わせられた反射率Rは、第1の共振器ミラーの反射率に相当することもできる。見て取れるように、反射率は、波長λにおいて急激に増加し、波長λにおいて急激に減少する。波長λにおける反射率の急激な減少は、例えば、第1の共振器ミラーをブラッグミラーとして相応に構成することによって引き起こすことができる。
実施形態によれば、第1の共振器ミラー125は、ブラッグミラーとして構成可能であり、エピタキシャル成長させられた少なくとも1つの半導体層を有することができる。
この半導体層は、半導体レーザの目標波長λ未満の波長範囲を有する電磁放射を吸収するために適していてよい。したがって、半導体層は、吸収層129であってよい。このようにして、比較的短い波長の側における反射率の急峻なエッジを実現することができる。
図4Bは、水平方向の共振器を有する半導体レーザ10の概略断面図を示す。半導体レーザ10では、生成された電磁放射135の放出が半導体層配列の第1の主表面111を介して実施される。見て取れるように、第1の共振器ミラー125は、ブラッグミラーとして構成されており、ブラッグミラーは、エピタキシャル成長させられた半導体層を有する少なくとも1つの吸収層129を含む。第1の共振器ミラー125は、複数の吸収層129を含むことができる。これらの吸収層129は、同一のまたはそれぞれ異なる半導体材料を含むことができる。第2の共振器ミラー130は、同じようにまたは異なるように構成可能である。生成された電磁放射135は、第1の共振器ミラー125または第2の共振器ミラー130を介して出射することができる。
図4Cは、生成された電磁放射135の放出が半導体層配列112の側面116を介して実施されるような、半導体レーザ10の一例を示す。この場合にも、第1の共振器ミラー125と、場合によっては第2の共振器ミラー130とをブラッグミラーとして構成することができる。第1の共振器ミラー125と、場合によっては第2の共振器ミラー130とは、エピタキシャル成長させられた半導体層を有する吸収層129をさらに含むことができる。第1の共振器ミラー125は、複数の吸収層129を含むことができる。これらの吸収層129は、同一のまたはそれぞれ異なる半導体材料を含むことができる。第2の共振器ミラー130は、同じようにまたは異なるように構成可能である。生成された電磁放射135は、第1の共振器ミラー125または第2の共振器ミラー130を介して出射することができる。
記載されている実施形態では、吸収層129の半導体材料は、例えばAlGaInP材料系またはAlInGaAs材料系のIII-V族半導体材料を含むことができる。組成比を調整することによってバンドギャップ、ひいては吸収される波長範囲を調整することができる。さらなる実施形態によれば、吸収層129は、GaSbを含むこともできる。吸収層は、量子井戸層として、例えば単一量子井戸層または多重量子井戸層として構成可能である。さらなる実施形態では、吸収層129は、バルク半導体材料を含むこともできる。例えば、ブラッグミラーのそれぞれ1つおきの層は、半導体材料を含むことができ、吸収層129として実現可能である。例えば、ブラッグミラーのうちの、半導体層配列112の側に配置されている層は、吸収層129であってよい。記載されている実施形態によれば、半導体層は、ドーピングされていても、またはドーピングされていなくてもよい。実施形態によれば、ブラッグミラーは、ドーピングされた半導体層も、ドーピングされていない半導体層も含むことができる。例えば、半導体層をドーピングすることにより、半導体層の屈折率をさらに変化させることができ、これにより、それぞれの半導体層の屈折率差を、達成されるべきブラッグミラーの特性に応じて調整することができる。実施形態によれば、吸収層の層厚さは、約λ/4に相当することができ、ここで、λは、半導体レーザの目標波長に相当することができる。さらなる実施形態によれば、吸収層の層厚さは、(λ-Δλ)/4から(λ+Δλ)/4までの範囲内にあってよく、ここで、Δλは、考察される温度範囲内における放出波長の変化に相当することができる。
さらなる実施形態によれば、第1の共振器ミラー125を、吸収層129を有さない特別な反射挙動を有するブラッグミラーとして構成することができる。さらに、第2の共振器ミラー130は、ブラッグミラーとして構成可能であり、吸収層129を含むことができる。この場合には、第2の共振器ミラー130も同様に波長依存性の反射率を示すという効果を得ることができる。しかしながら、吸収層129の存在により、放射のうちの反射されない部分が、例えば半導体レーザのハウジングにおいて吸収されずに、第2の共振器ミラー130によって吸収されることとなる。
図5Aは、波長に依存した共振器ミラーの反射率の一例を示す。見て取れるように、波長範囲161が存在しており、この波長範囲161内では、対応する半導体レーザのレーザ動作が可能となるほど、反射率が大きくなっている。共振器ミラーは、9つのブラッグ・ペアと、隣り合う層のための3.5~3.0の屈折率を有する誘電性材料とを有するブラッグミラーとして構成されている。
図5Bは、ブラッグミラーとして構成されており、かつ上述したような吸収層129を有する共振器ミラーの反射率の一例を示す。ここで、半導体レーザにおいて、図5Aに示されている反射率を有する共振器ミラーが、図5Bに示されている反射率を有する共振器ミラーと組み合わせられた場合には、図5Cに示されている反射率が得られる。
見て取れるように、λ未満の波長の電磁放射が吸収される。結果として、レーザ動作のための反射率が十分である比較的小さな波長範囲を有する反射率が得られる。結果として、半導体レーザの放出波長を、特に効果的に制限することができる。
結果として、狭幅で非常に限局された波長依存性の反射率を実現することができる。これにより、所定の波長範囲内におけるレーザ動作を達成することができる。
上述したように、波長依存性の反射率を有する共振器ミラーを用いて、半導体レーザを安定的に目標波長に調整することが可能である。
以下で説明するように、同一の反射率の第1の共振器ミラーを有する種々異なる半導体レーザは、利得スペクトルと反射率との間の種々異なる相互作用に起因する種々異なる結果をもたらす可能性がある。
一般的には、レーザ放出波長λlaseを有するレーザ閾値に関して、以下の条件:
Γ(λlase,T)*g(λlase,T)(th)=α(λlase,T)+α(λlase,T)
が成り立つ。ここで、g(th)は、レーザ閾値での材料利得を表し、Γは、閉じ込め係数を表し、αは、固有損失を表し、αは、α=(1/2L)ln(1/R1(λ)R2(λ))によるミラー損失を表す。
損失曲線も、場合によっては温度依存性である。しかしながら、この変化は、基本的に比較的わずかであるので、以下の説明では無視される。
図6Aは、波長にわずかな程度しか依存しない共振器ミラーの反射率を、曲線(1)に示す。曲線(2)は、波長が増加するにつれて急激に減少する共振器ミラーの反射率を示す。
図6Bは、図6Aに(1)で示されている反射率を有するレーザの損失を、実線で示す。この反射率は、波長が増加するにつれてわずかにしか減少しないので、損失は、波長が増大するにつれてわずかにしか増加しない。
破線により、種々異なる温度についての、かつほぼ不変の電流強度についての積Γ*g(λ,T)が示されている。温度が上昇するにつれて、利得曲線は、利得ピークと一緒により長い波長へとシフトする。レーザ閾値において、積Γ*g(λ,T)は、値α+αを取る。
図6Bの曲線(1)~(3)は、それぞれ増加する温度についての積Γ*g(λ,T)を示す。図示の曲線では、それぞれ異なる波長ごとにレーザ条件に到達する。見て取れるように、放出波長は、温度が上昇するにつれて顕著にシフトする。
図6Cは、図6Aに(2)で示されている反射率を有するレーザの損失を、実線で示す。この反射率は、波長が増加するにつれて非常に急激に減少するので、損失は、波長が増加するにつれて非常に急激に増加する。
破線により、種々異なる温度および電流(すなわち、電荷キャリア密度)についての積Γ*g(λ,T)が示されている。温度が上昇するにつれて、利得曲線は、利得ピークと一緒により長い波長へとシフトする。レーザ閾値において、積Γ*g(λ,T)は、値α+αを取る。レーザ閾値は、積Γ*g(λ,T)を示す破線の曲線が、損失曲線α+αに接した場合に満たされている。
図6Cの曲線(1)~(3)は、それぞれ増加する温度についての積Γ*g(λ,T)を示す。図示の曲線では、それぞれ異なる波長ごとにレーザ条件に到達する。しかしながら、損失は、波長が増加するにつれて急激に増加するので、利得ピークが位置するところの波長よりも短い波長において既にレーザ閾値に到達する。相応して、放出波長は、温度が上昇するにつれて、図6Bに示される放出波長ほど顕著にはシフトしなくなる。
図6Dは、レーザの損失を実線で示す。損失は、λ~λの波長範囲内において最小値を有する。これらの損失は、第1の共振器ミラーの反射率および第2の共振器ミラーの反射率の対応する最大値に起因する。破線により、種々異なる温度および電流(すなわち、電荷キャリア密度)についての積Γ*g(λ,T)が示されている。温度が上昇するにつれて、利得曲線は、利得ピークと一緒により長い波長へとシフトする。レーザ閾値において、積Γ*g(λ,T)は、値α+αを取る。
図6Dの曲線(1)~(5)は、それぞれ増加する温度についての積Γ*g(λ,T)を示す。図6Dでは、温度Tにおける曲線(1)と、温度Tにおける曲線(2)とでは、まだレーザ閾値に到達していない。温度Tにおける曲線(3)では、波長λ=λにおいてレーザ放出が実施される。ここで、温度がさらにTに上昇すると、曲線(4)によって示されているように、Γ*g(λ,T4)の推移の特別な形状に基づいて引き続き波長λ=λにおいて放出が実施される。とりわけ、損失曲線(α+α)(λ,T)が利得曲線Γ*g(λ,T)よりも急激に上昇している限り、放出波長が安定的に維持される。結果として、閾値条件は、必ずしも利得ピークの波長において安定化されるわけではなく、λにおいて安定化される。温度Tにおける曲線(5)によっても、放出波長は、安定的に維持される。
すなわち、利得スペクトルが幅広になればなるほど、利得ピークから離れて、かつ目標波長の近傍または目標波長において、より早くに閾値条件(温度とは無関係)に到達するようになる。これに対して、利得スペクトルが比較的狭幅である場合には、比較的低い電荷キャリア密度における利得ピークは、比較的高くなるが、比較的低い電流強度において閾値に到達することとなる。しかしながら、これによって逆に、狭幅のスペクトル範囲だけが増幅を受けることにもなる。
このことは、図6Eに示されている。ここでは、半導体レーザが、図6Dを参照しながら説明した特性を有する半導体レーザの共振器ミラーの反射率と同一の反射率を有する第1の共振器ミラーを有すると仮定されている。例えば、図6Dに使用された第1の共振器ミラーと、図6Eに使用された第1の共振器ミラーとは、同一である。図6Dで説明されたケースとは異なり、ここでは、半導体レーザは、狭幅な利得スペクトルを有する。
図6Eの曲線(1)~(5)も、それぞれ増加する温度および電流についての積Γ*g(λ,T)を示す。図6Eでは、温度Tにおける曲線(1)と、温度Tにおける曲線(2)とでは、まだレーザ閾値に到達していない。温度Tにおける曲線(3)では、波長λ=λにおいてレーザ放出が実施される。ここで、温度がさらにTに上昇すると、曲線(4)によって示されているように、Γ*g(λ,T4)の推移の特別な形状に基づいて、今度は波長λ>λにおいて放出が実施される。損失曲線(α+α)(λ,T)が利得曲線Γ*g(λ,T)ほど急激には増加しないので、放出波長は、より長い波長にシフトする。結果として、閾値条件は、利得ピークの、すなわち最大利得の波長の方向にシフトされる。曲線(5)によれば、温度Tでは、格段により長い波長においてレーザ放出が実施される。比較的狭幅な利得帯域幅により、波長の安定化は、図6Dよりも小さな温度範囲内においてのみ有効となる。
結果として、放出波長は、損失曲線に関係なく常に利得ピーク波長の近傍に留まる。結果として、放出波長は、温度に伴って比較的顕著に変化する。
比較のために図6Fは、実線によって示されているα+αの曲線が、第1の共振器ミラーの反射率の挙動が異なることに起因してさほど急峻ではないエッジを有するという図面を示す。損失は、λ~λの波長範囲内において最小値を有する。ここでも、これらの損失は、第1の共振器ミラーの反射率および第2の共振器ミラーの反射率の対応する最大値に起因する。曲線(1)~(3)は、破線により、それぞれ増加する温度および電流についての積Γ*g(λ,T)を示す。温度が上昇するにつれて、Γ*g(λ,T)は、より長い波長へとシフトする。図6Fでは、温度Tにおける曲線(1)では、まだレーザ閾値に到達していない。温度Tにおける曲線(2)では、レーザ閾値に到達し、積Γ*g(λ,T)は、値α+αを取る。後続の温度についてのΓ*g(λ,T)は、さらに長波の範囲へとシフトし、利得曲線の傾きは、損失α+αの傾きよりも急峻であるので、放出波長は、温度が上昇するにつれてそれでもなお増加する。
したがって、実施形態によればさらに、温度変化下でのレーザ波長の安定化のために、利得曲線と比較して損失曲線の急峻度を考慮すべきである。
実施形態によれば、半導体レーザでは、半導体レーザの固有損失と、第1の共振器ミラーおよび第2の共振器ミラーによって引き起こされる、波長λに対するミラー損失との和は、λ<λ<λ+Δλの範囲内において増加することができる。
例えば、半導体レーザの固有損失とミラー損失との和は、閉じ込め係数Γ(λ,T)と波長依存性の利得g(λ,T)との積に相当する曲線の少なくとも半分だけ急峻に増加することができる。
さらなる実施形態では、半導体レーザの固有損失とミラー損失との和は、閉じ込め係数Γ(λ,T)と波長依存性の利得g(λ,T)との積に相当する曲線よりも急峻に増加することができる。
図6D、図6E、および図6Fを参照しながら上述したように、この場合には、例えば-40℃~140℃という比較的広範な温度範囲内において放出波長を安定的に維持することができる。
例えば、活性ゾーンが比較的少数の量子井戸構造を有するようにすることによって、比較的幅広の利得スペクトルと、ひいては閉じ込め係数Γ(λ,T)と波長依存性の利得g(λ,T)との積のさほど急峻でない増加も達成することができる。比較的幅広の利得スペクトルは、例えば1.5mm未満の比較的短い共振器長によって、第2の共振器ミラーおよび/または第1の共振器ミラーの低い反射率によって、かつレーザ閾値における高い電荷キャリア密度によっても達成可能である。結果として、例えばレーザ閾値におけるまたはレーザ閾値を上回る、幅広の利得スペクトルを得ることができる。
以下では、第1の共振器ミラーの反射率と、場合によっては第2の共振器ミラーの反射率とを調整するための例について説明する。
図6Gは、実施形態による半導体レーザに関する、例えば第1の共振器ミラー125の反射率Rの推移、または第1の共振器ミラーの反射率と第2の共振器ミラーの反射率との積としての推移を示す。見て取れるように、ここでも反射率は、広範な波長範囲にわたって比較的高いレベルにある。例えば、R0は、0.05~0.15の範囲内にあってよい。幅、すなわち例えばλとλと間の差は、例えば目標波長スペクトルの幅に相当することができる。
図6Hは、さらなる実施形態による半導体レーザに関する、例えば第1の共振器ミラー125の反射率Rの推移、または第1の共振器ミラーの反射率と第2の共振器ミラーの反射率との積としての推移を示す。見て取れるように、ここでも反射率は、狭幅な波長範囲にわたって比較的高いレベルにある。例えば、R0は、0.05~0.15の範囲内にあってよい。幅、すなわち例えばλとλと間の差は、例えば目標波長スペクトルの幅に相当することができる。
図6Gおよび図6Hでは、レーザの利得が0よりもさらに大きい範囲内における、λよりも短い波長またはλよりも長い波長に対する反射率は、比較的低く、例えば0.01未満または0.005未満である。
例えば、図6Gに示されている反射率の推移は、第1の共振器ミラーの反射率と第2の共振器ミラーの反射率とを適切に組み合わせることによって達成可能である。
このことは、図6Iに示されている。図6Iでは、上側の部分には第1の共振器ミラーの反射率R1が示されており、下側の部分には第2の共振器ミラーの反射率R2が示されている。R1もR2も、波長λにおいてまず始めに最大値への急峻な増加を有し、λにおいて減少を有する。λより小さい波長範囲およびλより大きい波長範囲では、ゼロとは異なるがそれぞれ低い反射率を有する局所的な最大値が生じる。これらの局所的な最大値は、R1とR2とではそれぞれ異なる波長範囲に配置されており、局所的な最大値と局所的な最大値との間の範囲内では、反射率は、それぞれ0に減少する。ここで、R1とR2との積として組み合わせられた反射率が形成される場合には、この組み合わせられた反射率は、λよりも短い波長とλよりも長い波長とに対して値0を有することとなる。λでは、組み合わせられた反射率は、R1またはR2の場合よりも高い値に増加する。λでは、組み合わせられた反射率は、図6Gに示されているように再び0に減少する。
例えば、図6Hに示されている反射率の推移は、図6Kに示されているような第1の共振器ミラーの反射率と第2の共振器ミラーの反射率とを適切に組み合わせることによって達成可能である。
図6Kの上側の部分は、第1の共振器ミラーの反射率R1を示し、下側の部分は、第2の共振器ミラーの反射率R2を示す。R1は、波長λから開始してまず始めに増加する。この範囲内では、R2は、最大の一定のレベルにある。結果として、この範囲内では、組み合わせられた反射率が増加する。波長λには、反射率R1の最大値と、組み合わせられた反射率の最大値も位置している。反射率R1は、波長λからは最大の一定のレベルで推移し、λにおいて再び減少する。第2の共振器ミラーの反射率R2は、波長λから、λにおける値0に減少する。結果として、組み合わせられた反射率は、λから減少し、λにおいて値0に到達する。
さらなる実施形態によれば、図4~図5Cを参照しながら説明したようにブラッグミラーに吸収層を組み込むことによって、反射率の急峻な推移を実現することができる。
図7Aは、波長依存性の反射率を有する第1の共振器ミラー125が、第2の共振器ミラー130よりも低い反射率を有するような実施形態による、半導体レーザの概略断面図を示す。したがって、第1の共振器ミラー125は、生成された電磁放射135を出射させるための出射ミラーである。半導体レーザ10は、例えばp導電型である第1の導電型の第1の半導体層110と、例えばn導電型である第2の導電型の第2の半導体層120とを有する。半導体レーザは、第1の半導体層と第2の半導体層との間に配置された活性ゾーン115をさらに含む。半導体レーザ10は、AlGaInAs/GaAs材料系をベースにしている。例えば、活性ゾーンは、例えば905nmの波長を放出することができる二重量子井戸構造を有する複数の、例えば3つの上下に重なり合うように配置されたレーザ素子を含むことができる。光共振器131は、第1の共振器ミラー125と第2の共振器ミラー130との間に配置されている。光共振器131は、半導体層配列112の第1の主表面111に対して平行な方向に延在している。例えば、光共振器131の長さは、1.5mm未満、例えば1200μm未満、例えば約600μmであってよい。
第1のコンタクト要素117は、第1の半導体層110に電気的にコンタクトするように配置されている。第2のコンタクト要素118は、第2の半導体層120に電気的にコンタクトするように配置されている。
第1の共振器ミラー125は、図7Cを参照しながら以下により詳細に説明する構造および反射率を有する。
本明細書に記載されている実施形態は、第1の共振器ミラー125の反射率が10%未満、例えば1%未満とわずかである場合に、放出波長の青色シフトが発生する可能性があるという観察に基づいている。この青色シフトは、温度が上昇するにつれてレーザ閾値における電荷キャリア密度が増加することに起因する。このことは、温度が上昇するにつれて利得が減少することに起因する。その結果、利得最大値は、温度が上昇するにつれてより短い波長へとシフトされる。本明細書に記載されている実施形態によれば、この効果は、半導体レーザの放出波長が安定化されるように、波長に依存する適切に調整された反射挙動と組み合わされる。
第2の共振器ミラー130は、例えば考察される波長範囲内において96%よりも大きい反射率を有することができる。例えば、第2の共振器ミラー130は、ブラッグミラーとして構成可能であり、2つよりも多くの層ペア、例えば3つの層ペアを含むことができる。例えば、第2の共振器ミラー130の層は、適切な誘電性材料とシリコンとを含むことができる。
図7Bは、波長に依存した第2の共振器ミラー130の反射率を示す。見て取れるように、反射率は、約96%から、波長が増加するにつれてまず始めに増加し、次いで約98.5%の値で留まる。この値には、約905nmにおいて到達している。
図7Cは、種々異なるミラーに関する、波長に依存した反射率を示す。(1)で示されている反射率は、約880nmでの約12%から直線的に、960nmでの約7.3%まで減少する。(2)で示されている反射率は、880~960nmの間の考察される波長範囲内において約1%でほぼ不変である。例えば、(2)で示されている反射挙動を示すミラーは、複数のAlO/TaO層ペアを有することができる。
(3)で示されている反射率は、880nmでの約5%の値から905nmでの1%の値まで減少し、960nmまでの波長範囲内において1%未満に留まる。反射率を特徴付けるための第1の特徴値は、ここでは、いわゆる基点λ、すなわち反射率が1%に減少したところの波長である。1%の反射率では、またさらに後述するように、波長の青色シフトの効果が明らかに見て取れる。曲線(3)に関する基点λF3は、ここでは905nmである。さらなる特徴値は、例えば1%~2%の反射率の間で達成される負の傾きであり、すなわち、Δ=ΔR%/Δλ~0.11%/nmである。曲線(3)に示されている反射率を有する第1の共振器ミラーは、この特別な波長依存性の反射率が生じるように、複数の薄い層の適切な組み合わせを有するブラッグミラーとして構成されている。
(4)で示されている反射率は、880nmでの約9.8%の値から920nmでの1%の値まで減少し、960nmまでの波長範囲内において1%未満に留まる。したがって、曲線(4)に関する基点λF4は、ここでは920nmである。1%~2%の反射率の間の負の傾きは、Δ=ΔR%/Δλ~0.19%/nmである。曲線(4)に示されている反射率を有する第1の共振器ミラーは、この特別な波長依存性の反射率が生じるように、複数の薄い層の適切な組み合わせを有するブラッグミラーとして構成されている。
(5)で示されている反射率は、890nmでの約11.3%の値から935nmでの1%の値まで減少し、960nmまでの波長範囲内において1%未満に留まる。曲線(5)に関する基点λF5は、ここでは935nmである。1%~2%の反射率の間の負の傾きは、Δ5=ΔR%/Δλ~0.16%/nmである。曲線(5)に示されている反射率を有する第1の共振器ミラーは、この特別な波長依存性の反射率が生じるように、複数の薄い層の適切な組み合わせを有するブラッグミラーとして構成されている。
第1の共振器ミラーの反射率に関して、ここでは目標波長λの範囲内において、k≦-0.1%であるときのλ=λに対して、dR/dλ<k/nmが成り立つ。例えば図2Aまたは図2Bに示されているものとは異なり、λ=λでの反射率は、ここでは局所的な最大値から減少するのではなく、反射率は、既にλ未満の波長に対して顕著に減少している。波長に伴う反射率の、この明らかに異なる挙動は、反射率が12%未満の範囲内で観察されることに起因する。この範囲内における第1の共振器ミラーの反射率を有する半導体レーザの場合には、例えば第1の共振器ミラーの反射率が図2Aおよび図2Bに示されている挙動を示すような実施形態の場合とは異なる効果によって、波長安定化が達成される。本明細書に記載されている実施形態では、放出波長の青色シフトが温度に伴う赤色シフトを補償するように、第1の共振器ミラーの反射挙動が低い値に維持される。
一般的に、例えば半導体レーザ10の目標波長の範囲内における第1の共振器ミラー125の反射率は、10%未満であり、さらなる実施形態によれば5%未満である。
図7Aに示されている構造を有する半導体レーザ10のさらなる特性を以下に説明し、ここでは、第1の共振器ミラー125は、それぞれ図7Cを参照しながら説明した構造を有する。
図7Dは、上述したように種々異なる構造を有する第1の共振器ミラー125の反射率を、850~1000nmの間の比較的広範な波長範囲にわたって示す。見て取れるように、比較的長い波長に対する反射率は、再び増加する可能性がある。しかしながら、反射率は、第1の共振器ミラーの十分に広範な「遮断範囲」が保証されるように推移すべきである。例えば、反射率>1%になるところの波長を、例えばこの波長が、非常に低い利得を有する範囲内に位置するように、活性ゾーンの利得帯域幅に応じて選択することができる。これにより、この比較的高い波長範囲内においてレーザ放出が引き起こされることを回避することができる。図7Dでは、反射率の番号付けは、図7Cに示されている反射率を有する同一の共振器ミラーに関連している。
図8Aは、図7Aに示されている構造を有する半導体レーザに関して、温度に依存した、レーザ閾値における計算された電荷キャリア密度Nthを示し、ここでは、第1の共振器ミラーは、それぞれ図7Cを参照しながら説明した特性と、対応する構造とを有する。見て取れるように、図7Cの曲線(1)において説明したような反射率を有する第1の共振器ミラー125は、レーザ閾値における最も低い電荷キャリア密度Nthを有し、かつ温度に対する電荷キャリア密度Nthの依存性が最も低くなっている。このことは、第1の共振器ミラーの、さほど波長依存性でない高い反射率に基づいて、発生するミラー損失がわずかであることに起因する。結果として、低い閾値利得が生じ、このことは、比較的低いキャリア密度をもたらす。一般的に、レーザ閾値における電荷キャリア密度Nthは、温度が上昇するにつれて増加する。このことは、温度が上昇するにつれて利得が減少することに起因する。
曲線(2)によって特徴付けられた反射率を有する第1の共振器ミラーの場合には、反射率は、かなり低い値でほぼ一定に留まる。この場合、-40℃~+40℃の範囲内におけるレーザ閾値における電荷キャリアの数は、曲線(3)~(5)に示されている反射率を有する第1の共振器ミラーの場合よりも多い。
曲線(3)によって特徴付けられた反射率を有する第1の共振器ミラーの場合には、反射率は、905nmの波長において既に1%という比較的低い反射率に到達している。この場合、約50℃の温度までの、レーザ閾値における電荷キャリア密度Nthは、曲線(2)よりも低いが、曲線(1)、(4)、および(5)よりも高い。約50℃を超える温度範囲内では、レーザ閾値における電荷キャリア密度は、曲線(2)よりも高く、また曲線(1)、(4)、および(5)よりも高い。
全体として曲線(1)~(5)の比較から分かるように、曲線(2)~(5)によれば、温度に伴うレーザ閾値における電荷キャリア密度Nthの依存性は、曲線(1)に比べてより大きい。相応して、図7Cの曲線(2)~(5)による反射率をもたらす構造を有する第1の共振器ミラーの場合には、この依存性は、曲線(1)による共振器ミラーよりも大きい。
一般的に、曲線(3)~(5)では、レーザ閾値における電荷キャリア密度は、0℃~60℃の温度範囲内において25%超、例えば30%超または35%超だけ増加する。
温度に伴うレーザ閾値における電荷キャリア密度Nthの増加に基づいて、曲線(2)~(5)による共振器ミラーの場合、曲線(1)による共振器ミラーに比べて大幅な、温度に伴う青色シフトが生じる。
一般的に、レーザ閾値における電荷キャリア密度Nthの増加を、その結果として生じる青色シフトが、バンドギャップの減少によって引き起こされる赤色シフトを補償するような大きさにすることが努められ、これにより、広範な温度範囲内において放出波長を安定化させることができる。
温度上昇によって引き起こされる利得減少に起因する、レーザ閾値における電荷キャリア密度の増加は、微分利得dg/dNが小さくなればなるほどより急激になり得る。キャリア密度に依存した利得スペクトル最大値は、例えば、利得係数g0と透明キャリア密度Ntrとを用いる実験式g=g0*ln(N/Ntr)に従う。微分利得は、dg/dN=g0/Nとして得られる。微分利得は、キャリア密度が増加するにつれて急速に減少する。すなわち、温度に伴うレーザ閾値における電荷キャリア密度の変化は、出力閾値キャリア密度に伴って急速に増加する。この関連における出力閾値キャリア密度とは、適切な基準温度、例えば室温における、または考察される温度範囲の下限、例えば-40℃における閾値キャリア密度を表す。
従来のレーザダイオードでは、大きな効率を達成するために、通常、利得および微分利得が可能な限り最大化される。本明細書に記載されている波長安定化レーザダイオードは、実施形態によれば、レーザ閾値において、従来のレーザダイオードと比べて増加された電荷キャリア密度を有するように、かつこれにより、わずかな微分利得しか有さないように構成される。生じる効率損失により、波長の安定化が獲得される。効率損失は、適切な設計および最適化によって制限可能である。
実施形態によれば、例えば、活性ゾーンは、もっぱら単一量子井戸構造を有することができる。図8Bは、単一量子井戸構造(曲線(1))、二重量子井戸構造(曲線(2))、および三重量子井戸構造(曲線(3))を有する半導体レーザに関して、電荷キャリア密度に依存した光学利得のプロットを示す。
図8Cは、単一量子井戸構造(曲線(1))、二重量子井戸構造(曲線(2))、および三重量子井戸構造(曲線(3))を有する半導体レーザに関して、電荷キャリア密度に依存した微分利得のプロットを示す。
見て取れるように、多重量子井戸構造に比べて量子膜の数が少ない場合、すなわち単一量子井戸構造の場合には、微分利得が減少する。相応に、波長安定化のために、少数の量子膜または量子井戸構造が好適である。
通常、量子膜の数を増やすことによって光学利得を増加させることができ、これによって効率を向上させることができる。逆に、本明細書で説明したように、単一量子井戸構造を使用することによって温度安定性を高めることができる。
図9Aは、-40℃~120℃の温度範囲内における、パルスレーザのヒートシンクの温度に依存したパルスレーザの放出波長の実験データを示す。半導体レーザと活性ゾーンとの層構造は、例えば20℃における放出波長が905nmになるように構成されている。半導体レーザは、図1Bに示されているように上下に重なり合うように積層された複数のレーザ素子を有する。半導体レーザの活性ゾーンは、例えば多重量子井戸構造を有する。例えば、図1Bに示されているような3つのレーザ素子は、それぞれ二重量子井戸構造によって上下に重なり合うように積層されている。半導体レーザには、例えば第1のコンタクト要素117および第2のコンタクト要素118に対応する電圧を印加することによって40Aの電流強度が印加された。図9Aは、図7Cを参照しながら説明した特性および層構造を有する半導体レーザがそれぞれ使用された場合の5つの異なる曲線を示す。
曲線(1)は、反射率が880nmでの12%から960nmでの約7.2%まで線形に減少する第1の共振器ミラー125を有する半導体レーザの波長を示す。この半導体レーザの放出される波長は、-40℃での約892nmの値から、120℃での約935nmの値までほぼ線形に増加する。-40℃~60℃の間の範囲1および2では、この増加は、温度に伴うバンドギャップの減少に基づく約0.27nm/Kの予想される赤色シフトに対応する。80℃~120℃の間の範囲3では、この作用は、青色シフトによってわずかにカバーされる。この青色シフトは、図8Aにも示されているように、レーザ閾値における電荷キャリア密度Nthの増加によって生じる。
曲線(2)は、反射率が880~960nmの範囲内においてほぼ一定に1%である第1の共振器ミラー125を有する半導体レーザの波長を示す。この半導体レーザの放出される波長は、-40℃での約888nmの値から、100℃での約913nmの値まで連続的に増加する。-40℃~0℃の間の範囲1では、この増加は、約0.27nm/Kの赤色シフトに対応する。この赤色シフトは、温度上昇に伴うバンドギャップの減少に基づいて生じる。20℃~60℃の間の範囲2では、この赤色シフトは、青色シフトによってわずかに補償される。この青色シフトは、図8に示されているように、レーザ閾値における電荷キャリア密度Nthの増加によって生じる。80℃~120℃の間の範囲3では、波長は、増幅度(ゲイン)の青色シフトに基づいてわずかに減少する。この青色シフトは、レーザ閾値における電荷キャリア密度Nthの増加によって生じる。
曲線(3)は、反射率が図7Cで説明したように挙動する第1の共振器ミラー125を有する半導体レーザの波長を示す。この半導体レーザの放出される波長は、-40℃~0℃の間の範囲1ではわずかにしか増加せず、この増加は、約0.1nm/Kに相当する。この増加は、905nm未満の低い波長範囲内における波長に伴う反射率の急峻な負のエッジによって生じる。20℃~60℃の間の範囲2では、ミラーの特別な反射率に基づいて、低減された赤色シフトが生じる。範囲2において、既に最大放出波長に到達する。60℃の温度を超えて、80℃~120℃の間の範囲3では、利得(ゲイン)の青色シフトに基づいて波長が大幅に減少する。この青色シフトも、レーザ閾値における電荷キャリア密度Nthの増加によって生じる。
曲線(4)は、反射率が図7Cで説明したように挙動する第1の共振器ミラー125を有する半導体レーザの波長を示す。この半導体レーザの放出される波長は、-40℃~0℃の間の範囲1ではまず始めに増加し、この増加は、約0.27nm/Kの赤色シフトに対応する。この増加も、温度上昇に伴って低減されたバンドギャップに基づいて生じる。20℃~60℃の間の範囲2では、第1の共振器ミラーの特別な反射率に基づいて、0.067nm/Kの低減された赤色シフトが生じる。80℃~120℃の間の範囲3では、利得(ゲイン)の青色シフトに基づいて波長が減少する。この青色シフトは、レーザ閾値における電荷キャリア密度Nthの増加によって生じる。
曲線(5)は、反射率が図7Cで説明したように挙動する第1の共振器ミラー125を有する半導体レーザの波長を示す。この半導体レーザの放出される波長は、-40℃~0℃の間の範囲1ではまず始めに増加し、この増加は、約0.27nm/Kの赤色シフトに対応する。この増加も、温度上昇に伴って低減されたバンドギャップに基づいて生じる。20℃~60℃の間の範囲2では、第1の共振器ミラーの特別な反射率に基づいて、0.067nm/Kの低減された赤色シフトが生じる。80℃~120℃の間の範囲3では、利得(ゲイン)の青色シフトに基づいて波長が減少する。この青色シフトは、レーザ閾値における電荷キャリア密度Nthの増加によって生じる。
半導体レーザは、例えば0℃~60℃の温度範囲内において安定した波長を放出すべきであるということを前提にすると、図7Cに示されているような曲線(3)、(4)、または(5)による反射率を有する第1の共振器ミラー125を有する半導体レーザが、良好な結果をもたらすということを認識することができる。
図9Bは、温度に依存した第1の共振器ミラーの反射率を示す。反射率は、図7Cを参照しながら説明した特性および層構造を有する第1の共振器ミラーに関して特定されている。この場合、反射率は、それぞれの温度に対応する動作波長における反射率を表す。
曲線(1)から見て取れるように、反射率が880nmでの12%から960nmでの約7.2%まで線形に減少する共振器ミラー125の場合には、反射率は、温度が上昇するにつれて、増幅度の赤色シフトに基づいて若干減少する。
曲線(2)による共振器ミラーの構造(波長に伴って反射率がほぼ一定である)に基づくと、共振器ミラーの反射率は、温度にもほぼ依存していない。
曲線(4)および(5)による共振器ミラーの場合には、反射率は、-40℃~0℃の間の範囲1では減少する。波長は、共振器ミラーのそれぞれの基点に近づく。20℃~60℃の範囲2では、反射率は一定である。この場合、波長は、ミラーの赤色シフトと同様に変化する。80℃~120℃の間の範囲3では、レーザ閾値における高い電荷キャリア密度Nthによって引き起こされる青色シフトに基づいて、反射率が増加する。
曲線(3)による共振器ミラーの場合には、反射率は、範囲1および2ではほぼ一定である。ここでは、図7Cを参照しながら説明したように、大きな負の傾きΔを認識することができる。ほんのわずかな赤色シフトしか生じていない。
曲線(3)~(5)による共振器ミラーは、範囲3において青色シフトの結果として増加する反射率を有するので、これらの共振器ミラーは、良好な光効率データを達成するために適している。
光学フィードバックに対してわずかな感度が望まれている場合には、曲線(5)による共振器ミラーの高い反射率が好適である。
図9Cは、図7Cを参照して説明したような、それぞれ異なる第1の共振器ミラー125を有する半導体レーザの光出力電力を示す。出力電力は、60℃および均一な電流において特定されたものである。
この比較から分かるように、曲線(3)~(5)による第1の共振器ミラーを使用した場合の光出力電力ピークは、曲線(1)による共振器ミラーに比べていくらか減少している。一定の低い反射率を有する曲線(2)による共振器ミラーが、最小の効率を有することも明らかである。このことから、曲線(3)~(5)による共振器ミラーは、顕著な効率損失なく半導体レーザの波長安定性をもたらすことができるということが明らかである。
図9Dは、それぞれ異なる第1の共振器ミラー125を有する半導体レーザに関する、温度に伴う放出波長の変化のプロットを示す。このとき、一方では、図7Cを参照しながら説明した特性および層構造を有する第1の共振器ミラー125が使用された。温度に伴う放出波長の変化は、25℃および80℃での放出波長の差と、10Wの出力電力における温度との商に相当する。
変形例0による共振器ミラーは、図7Cの曲線(1)に示されている反射率を有する共振器ミラーである。さらに、変形例1による共振器ミラーは、反射率が一定に7%である共振器ミラーである。変形例2による共振器ミラーは、反射率が一定に5%である共振器ミラーであり、変形例3による共振器ミラーは、反射率が一定に3%である共振器ミラーである。変形例4による共振器ミラーは、図7Cの曲線(2)に示されている反射率を有し、かつ反射率が一定に1%である共振器ミラーである。変形例5による共振器ミラーは、図7Cの曲線(5)に示されている反射率を有する共振器ミラーである。変形例6による共振器ミラーは、図7Cの曲線(4)に示されている反射率を有する共振器ミラーである。変形例7による共振器ミラーは、図7Cの曲線(3)に示されている反射率を有する共振器ミラーである。
見て取れるように、温度に伴う放出波長の変化は、変形例1の場合に約0.27nm/Kで最大であり、約0の値を有する変形例7まで減少する。変形例1に関する放出波長の変化は、温度に伴うバンドギャップの変化に対応する。
上述したように、提示された特性を有する第1の共振器ミラー125を使用することにより、放出波長の温度安定性の向上を達成することができる。相応して、いずれにせよ端面発光型の半導体レーザの構成部分である特別なファセットコーティングによって、第1の共振器ミラーを実現することが可能である。その結果、温度安定性の向上を費用的にも労力的にも中立に達成することができる。
さらに、例えば図7Cに示されているような曲線(3)~(5)による、波長の増加に対して急激に減少するエッジを有する第1の共振器ミラーが使用される場合には、長波の側での放出スペクトルが圧縮される。すなわち、例えば、曲線(1)による第1の共振器ミラーの反射率を有するレーザの放出スペクトルに比べて、長波の下降エッジがより急峻になり、これによってスペクトルの線幅が小さくなる。例えば、放出の帯域幅を15%超だけ減少させることができる。この効果は、とりわけ比較的高い温度においてより顕著に現れている。
図9Eは、上側の領域において、図7Cの曲線(3)による第1の共振器ミラーを有する半導体レーザの放出スペクトルを、20℃の場合(実線)と85℃の場合(破線)とにおいて示す。下側の部分は、図7Cの曲線(1)による第1の共振器ミラーを有する半導体レーザの放出スペクトルを、20℃の場合(実線)と85℃の場合(破線)とにおいて比較のために示す。見て取れるように、図9Eの上側の領域では、図9Eの下側の領域の場合よりもより低い波長へのスペクトルのわずかな波長シフト(<5nm)が生じている。さらに、半値幅(強度0.5での線幅)が、15%超だけ低減されている。例えば、スペクトルの85℃におけるスペクトルの半値幅は、上側の領域では7nmであり、下側の領域では8.5nmである。
放出の帯域幅が低減されることにより、多くの用途において性能のさらなる改善をもたらすことができる。例えば、この半導体レーザ10は、固体レーザの光ポンピングのために使用可能である。例えば、Nd:YAGファイバレーザまたはYb:YAGファイバレーザからの狭幅な吸収線のポンピングの際に、ポンピング効率を拡大させることができる。光源と、フィルタと、検出器とを有するLIDARシステムにおいても、光源の放出の帯域幅の低減が有利であろう。
上述したように、温度が上昇した場合、ひいては波長が増加した場合に、エッジフィルタのエッジ形状によってミラー損失が急激に増加し、かつ閾値キャリア密度が急激に増加し、このこと自体により、温度範囲全体における青色シフトと、波長シフトのいわば自己調整式の補償とがもたらされる。この範囲内では、有効な反射率がほぼ一定に維持され、放出波長は、第1の共振器ミラー125の反射率の温度依存性のスペクトル位置にある程度従う(約0.07nm/K)。これにより、具体的な共振条件等を頼りにしているアプローチの場合よりも、半導体レーザのロバスト性および生産性が大きくなる。レーザダイオードを使用する際には、多くの場合、所定の温度範囲(例えば、0℃~85℃または-40℃~120℃)にわたって放出波長が所与のコリドーから離れないことが要求されている。記載されている措置によってさらに可能となる、赤色シフトの過補償の効果は、高温での対応する設計において、むしろ、波長安定化の利用可能な温度範囲を特に大きくする青色シフトを生じさせることが可能である。温度に伴う波長変化は、低温では正となり、高温では負となり、放出波長は、中間くらいの温度において最大値を有するようになる。波長安定化のために利用可能な温度範囲が拡大される以外にも、波長に依存した反射率のローパス状の形状による高温での波長の低減により、第1の共振器ミラーの反射率の増加がもたらされる。これによって再び、まさに高温でのレーザの効率が、第1の共振器ミラーの反射率の平坦な特性を有するレーザに比べて高められる。第1の共振器ミラーの反射率を調整することによる波長安定化は、比較的低い反射率を有するファセットの修正によって達成される。結果として、この波長安定化は、任意に多数の上下に重なり合うように積層されたレーザ素子127,127等を有する半導体レーザのためも機能する。
図7A~図9Eを参照しながら説明したように、第1の共振器ミラー125の反射率は、波長依存性であり、目標波長の範囲内では10%未満または8%未満である。第2の共振器ミラー130の反射率は、例えば95%超である。例えば、実施形態による第2の共振器ミラー130の反射率は、波長依存性でないか、またはわずかな程度しか波長依存性でない。このようにして、利用可能な光出力電力の、第2の共振器ミラー130での出射が可能な限り抑制される。さらに、ハウジングにおける光出力電力の制御されない吸収または有害な吸収を回避することができる。
実施形態によれば、光共振器131の長さは、1mm未満、例えば700μm未満であってよい。このようにして、ミラー損失を、増幅が発生する共振器131の長さに比べて増加させることができる。
実施形態によれば、温度の上昇に伴う波長の青色シフトの効果を拡大させるために、さらなる特徴を実現することができる。例えば、追加的な特徴により、わずかな微分利得が達成されることを引き起こすことができる。さらに、利得を拡大して、これによって利得最大値を低減するために、特徴を実現することができる。
例えば、活性ゾーンは、相互に離調された量子井戸を有する多重量子井戸構造を有することができる。
図9Fは、例えば光共振器131の延在方向に対して垂直な水平方向における、実施形態による半導体レーザの活性ゾーンにおける伝導帯および価電子帯の推移の一例を示す。例えば、対応する活性ゾーンには、3つの量子井戸が含まれている。個々の層の組成および/または層厚さは、伝導帯および価電子帯における対応するエネルギ準位の間のエネルギ差がそれぞれほんのわずかに異なるように選択されている。例えば、図示の量子井戸には、それぞれ遷移エネルギE1,E2,E3を対応付けることができる。この場合、遷移エネルギE1,E2,E3は、それぞれ若干異なっている。例えば、それぞれ放出される波長は、5nm超、例えば10nm超だけ異なることができる。
このようにして、波長依存性の利得を拡大させることができる。さらに、利得最大値を低減することができる。結果として、青色シフトが増加する。相応して、半導体レーザの温度安定性をさらに改善することができる。さらに、半導体レーザの製造および収率を改善することができる。
さらなる実施形態によれば、光学損失αを拡大させるために、追加的な措置を講じることができる。これによって、レーザ閾値における電荷キャリア密度Nthをさらに増加させることができる。
図7B~図9Fの半導体レーザの特徴が、図7Aに示されている半導体レーザに基づいて説明されていたとしても、説明されている特徴およびコンセプトが、例えば図1B、図1C、および図1Dに示されている半導体レーザにも適用可能であることは明らかである。さらに、説明されているコンセプトは、他の材料系の半導体レーザにも適用可能である。
図10Aは、上述した半導体レーザ10を使用することができるLIDARシステム150の概略的な配置を示す。半導体レーザ10から放出された、典型的にはパルス状であるレーザ放射は、例えばコリメータ光学系157および偏向/走査ユニット154を通って送出される。対物ビーム153は、物体156に入射し、この物体156によって反射される。この際に、反射された放射155が生じる。反射された放射155は、受信光学系152によって検出器160に供給される。レーザパルスの送出とレーザパルスの受信との間の時間差から、物体156までの距離を特定することができる。
温度が変動する場合であっても半導体レーザを安定した波長で動作させることが可能であることにより、狭帯域の検出器を使用することが可能になる。例えば、検出器は、10nm未満または5nm未満またはそれどころか1nm未満の狭幅な波長窓を使用することができる。結果として、太陽光の入射の影響を低減することができ、信号対雑音比を高めることができる。結果として、例えば同じ距離を測定するために、レーザからの出力が少なくてよくなる。結果として、システムの性能が全体として高められる。さらに、不変の信号対雑音比によって同じ測定を実施するために、わずかな出力でレーザを動作させることができる。結果として、エネルギ消費が低減される。さらに、上述した半導体レーザは、簡単に製造可能である。
図10Bは、上述したような半導体レーザ10と、さらなるレーザ165とを有するレーザシステム164を示し、さらなるレーザ165は、半導体レーザ10によって光ポンピング可能である。例えば、さらなるレーザ165は、固体レーザまたはファイバレーザであってよい。例えば、このレーザは、非常に狭幅な吸収スペクトルを有することができる。上述したように、実施形態による半導体レーザ10が、広範な温度範囲にわたって波長安定的であることにより、この半導体レーザ10を使用して、非常に狭幅な吸収スペクトルを有するレーザを光ポンピングすることができる。
さらなる実施形態では、上述した半導体レーザは、レーザ溶接またはレーザ切断のためにも使用可能である。
本明細書では、特定の実施形態について例示および説明してきたが、当業者は、これらの図示および説明された特定の実施形態を、本発明の保護範囲から逸脱することなく種々の代替的な実施形態および/または均等な実施形態によって置き換えてもよいことを認識するであろう。本願は、本明細書で論じられている特定の実施形態の任意の適合形態または変形形態を網羅することを意図している。したがって、本発明は、特許請求の範囲およびそれらの均等物のみによって制限される。
10 半導体レーザ
100 支持体基板
110 第1の半導体層
111 第1の主表面
112 半導体層配列
115 活性ゾーン
116 側面
117 第1のコンタクト要素
118 第2のコンタクト要素
120 第2の半導体層
125 第1の共振器ミラー
127 第1のレーザ素子
127 第2のレーザ素子
127 第3のレーザ素子
128 第1の接続層
128 第2の接続層
129 吸収層
130 第2の共振器ミラー
131 共振器
135 放出されたレーザ放射
137 反射性の側縁部
138 誘電層
140 吸収体素子
141 透明な絶縁層
142 透明な誘電層
143 吸収体層
144 第1の共振器ミラー
146 第2の共振器ミラー
150 LIDARシステム
151 ビームスプリッタ
152 受信光学系
153 対物ビーム
154 偏向/走査ユニット
155 反射された放射
156 物体
157 コリメータ光学系
160 検出器
161 十分な反射率を有する波長範囲
164 レーザシステム
165 さらなるレーザ

Claims (21)

  1. 半導体レーザ(10)であって、
    当該半導体レーザ(10)は、
    放射生成のための活性ゾーン(115)を有する半導体層配列(112)、
    第1の共振器ミラー(125)、第2の共振器ミラー(130)、および前記第1の共振器ミラー(125)と前記第2の共振器ミラー(130)との間に配置された光共振器(131)を有し、前記光共振器(131)は、前記半導体層配列(112)の主表面(111)に対して平行な方向に延在しており、
    前記第1の共振器ミラー(125)の反射率R1は、波長依存性であり、したがって、前記R1は、または前記R1と前記第2の共振器ミラー(130)の反射率R2との積Rは、前記半導体レーザ(10)の目標波長λからλ+Δλまでの波長範囲内において値R0から減少し、ここで、Δλは、所定の温度シフトに対する放出波長のシフトを示す値であり、100nm未満であり、
    前記Rに関して、以下の関係:
    (i)λ<λ<λ+Δλである少なくとも1つの波長λに対して、R(λ)<0.3*R0;
    (ii)k≦-0.1%であるときのλ=λに対して、dR/dλ<k/nm
    のうちの少なくとも1つが成り立つか、または
    前記R1に関して、以下の関係:
    (iii)λ<λ<λ+Δλである少なくとも1つの波長λに対して、R1(λ)<0.3*R0;
    (iv)k≦-0.1%であるときのλ=λに対して、dR1/dλ<k/nm
    のうちの少なくとも1つが成り立ち、
    前記Rまたは前記R1は、波長がλ未満である場合、波長が増加するにつれて値R0まで増加する、
    半導体レーザ(10)。
  2. 前記第2の共振器ミラー(130)は、波長依存性の反射率を有し、
    前記波長依存性の反射率は、波長がλ未満である場合、局所的な最大値まで増加する、
    請求項1記載の半導体レーザ(10)。
  3. k≦-0.2%が成り立つ、
    請求項1または2記載の半導体レーザ(10)。
  4. 以下の関係:
    (v)λ<λ<λ+Δλに対して、dR/dλ<-g*R(λ);
    (vi)λ<λ<λ+Δλに対して、dR1/dλ<-g*R1(λ)/nm
    のうちの少なくとも1つが成り立ち、ただし、g≧0.03であり、gは波長依存性の利得g(λ,T)である、
    請求項1または2記載の半導体レーザ(10)。
  5. 前記半導体レーザ(10)の固有損失と、前記第1の共振器ミラーおよび前記第2の共振器ミラーによって引き起こされる、波長λに対するミラー損失との和は、λ<λ<λ+Δλの範囲内において増加する、
    請求項1記載の半導体レーザ(10)。
  6. 前記半導体レーザ(10)の前記固有損失と、前記第1の共振器ミラーおよび前記第2の共振器ミラーによって引き起こされる、波長λに対する前記ミラー損失との和の変化率は、λ<λ<λ+Δλの範囲内において、閉じ込め係数Γ(λ,T)と波長依存性の利得g(λ,T)との積に相当する曲線における変化率の少なくとも半分の大きさである
    請求項5記載の半導体レーザ(10)。
  7. 前記半導体レーザ(10)の前記固有損失と、前記第1の共振器ミラーおよび前記第2の共振器ミラーによって引き起こされる、波長λに対する前記ミラー損失との和は、λ<λ<λ+Δλの範囲内において、閉じ込め係数Γ(λ,T)と波長依存性の利得g(λ,T)との積に相当する曲線よりも急峻である、
    請求項6記載の半導体レーザ(10)。
  8. 前記第1の共振器ミラー(125)は、ブラッグミラーとして実現されている、
    請求項1または2記載の半導体レーザ(10)。
  9. 前記ブラッグミラーは、エピタキシャル成長させられた半導体層を有する、
    請求項8記載の半導体レーザ(10)。
  10. 前記ブラッグミラーの前記半導体層のうちの少なくとも1つの半導体層は、λ未満の波長範囲を有する電磁放射を吸収する、
    請求項9記載の半導体レーザ(10)。
  11. 前記第1の共振器ミラーの前記反射率R1または前記積Rは、前記目標波長の範囲内において8%未満である、
    請求項1または2記載の半導体レーザ(10)。
  12. 前記活性ゾーン(115)は、もっぱら単一量子井戸構造を有する、
    請求項1または2記載の半導体レーザ(10)。
  13. 前記活性ゾーンは、相互に離調された量子井戸を有する多重量子井戸構造を有する、
    請求項1または2記載の半導体レーザ(10)。
  14. 0℃~60℃の温度範囲内では、レーザ閾値における電荷キャリア密度は、25%超だけ増加する、
    請求項1または2記載の半導体レーザ(10)。
  15. 前記半導体レーザ(10)の放出波長は、100℃を上回る温度では、温度に伴って減少する、
    請求項1または2記載の半導体レーザ(10)。
  16. 前記半導体レーザ(10)の放出波長は、60℃を上回る温度では、温度に伴って減少する、
    請求項15記載の半導体レーザ(10)。
  17. 前記半導体層配列(112)は、複数のレーザ素子(127,127,127)を有し、
    前記複数のレーザ素子(127,127,127)は、上下に重なり合うように配置されており、接続層(128,128)を介して相互に接続されている、
    請求項1または2記載の半導体レーザ(10)。
  18. 前記半導体層配列の側方の境界は、傾斜させられており、
    これにより、生成された電磁放射(135)の放出が、前記半導体層配列(112)の第1の主表面(111)を介して実施されるようになっている、
    請求項1または2記載の半導体レーザ(10)。
  19. Δλが5nmより大きい、請求項1から18までのいずれか1つに記載の半導体レーザ(10)。
  20. 請求項1記載の半導体レーザ(10)を有する、
    LIDARシステム(150)。
  21. レーザシステム(164)であって、
    当該レーザシステム(164)は、請求項1記載の半導体レーザ(10)と、さらなるレーザ(165)とを有し、
    前記さらなるレーザ(165)は、前記半導体レーザ(10)によって光ポンピング可能である、
    レーザシステム(164)。
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