JP7477968B2 - ラミネート紙 - Google Patents

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Description

本発明は、ラミネート紙、並びに該ラミネート紙を用いた包装材料および包装袋に関する。詳細には、ヒートシール性および折畳み保持性に優れ、且つ、取扱い時の触感が良好で異音を発生しないラミネート紙に関する。
従来のラミネート紙は、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂層を紙表面に積層した積層紙であり、例えば特許文献1には、基紙にポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂を溶融押出しして積層した包装材料が開示されている。上記ラミネート紙は、ポリオレフィン系樹脂層の配置によりヒートシール性を付与することが可能なため、包装材料として使用される。また、表面に光沢を付与することができるので、高級感が得られ、包装紙などにも使用されている。
また、特許文献2には、紙に対してヒートシール性を有するポリエステル系フィルムと紙をヒートシールにより部分的に接合することにより袋状とされている食品包装用袋が開示されている。上記食品包装用袋は、食品を中に入れた際の食品表面のべたつきや湿り感の発生を防止するために、ヒートシール剤を使用せずに紙とポリエステル系フィルムを直接ヒートシールしており、且つ、通気性を確保するために通気性を有する紙とポリエステル系フィルムを部分的にのみヒートシールしている。
特開2008-254737号公報 特開2017-7726号公報
しかしながら、本発明者らの検討によれば、上記特許文献1および2は以下の問題を抱えていることが分った。
まず、上記特許文献1のようにポリオレフィン系樹脂を基紙に積層したラミネート紙は、基紙のみを用いた場合に比べて折畳み保持性が悪くなることが判明した。紙は元来、良好な折畳み保持性を有しているが、ポリオレフィン系樹脂の積層により折畳み保持性が低下する。そのため、上記特許文献1のラミネート紙は、例えば和菓子の個包装などの小型物品用包装紙のように高度な折畳み保持性が必要とされる用途には適用できないという問題があった。
また、特許文献2に記載の食品包装用袋は、ポリエステル系フィルムの高い剛性に由来して取扱い時の触感が硬く、且つ、取扱い時にパリパリとした異音を発生するため、本来の高級感が損なわれることが判明した。
本発明は、上記従来技術の問題点を解決することを目的とする。すなわち本発明の課題は、良好なヒートシール性を有し、折畳み保持性に優れ、且つ、取扱い時の触感が良好で異音を発生しないポリエステルフィルムを使用したラミネート紙を提供することにある。
上記課題を解決し得た本発明の構成は、以下のとおりである。
1.紙層およびポリエステルフィルム層の各層を少なくとも1層有し、以下の(1)~(4)を満たすことを特徴とするラミネート紙。
(1)80℃温湯中に10秒間浸漬した後のラミネート紙の収縮率が長手方向および幅方向において、いずれも6%以下
(2)23℃、相対湿度65%の環境下で24時間保管した後のラミネート紙の折畳み保持角度が80度以下
(3)23℃、相対湿度65%の環境下で測定したときのラミネート紙の引裂伝播強度が長手方向および幅方向において、いずれも200mN以上700mN以下
(4)ポリエステルフィルム層同士を180℃、0.2MPa、2秒間ヒートシールしたときのヒートシール強度が2N/15mm以上25N/15mm以下
2.前記紙層および前記ポリエステルフィルム層が接着剤を介してラミネートされている上記1に記載のラミネート紙。
3.前記ポリエステルフィルム層は、ヒートシール層および耐熱性層の少なくとも2層を有する上記1又は2に記載のラミネート紙。
4.前記ヒートシール層は、全モノマー成分中、非晶成分となり得る1種以上のモノマー成分を合計で10モル%以上30モル%以下含むと共に、
前記耐熱性層は、全モノマー成分中、非晶成分となり得る1種以上のモノマー成分を合計で2モル%以上18モル%以下含み、且つ、前記ヒートシール層に含まれる前記モノマー成分の合計量に比べて少ないものである上記3に記載のラミネート紙。
5.前記ヒートシール層に含まれる前記モノマー成分の合計量と、前記耐熱性層に含まれる前記モノマー成分の合計量との差は2モル%以上である上記4に記載のラミネート紙。
6.更に無機薄膜層を有するものである上記1~5のいずれかに記載のラミネート紙。
7.包装材料に用いられる上記1~6のいずれかに記載のラミネート紙。
8.包装袋または防臭袋に用いられる上記1~6のいずれかに記載のラミネート紙。
本発明によれば、良好なヒートシール性を有し、折畳み保持性に優れ、且つ、取扱い時の触感が良好で異音を発生しない、ポリエステルフィルムを使用したラミネート紙が得られる。
図1は、引裂伝播強度測定用サンプルの形状を示す図である。 図2は、折畳み保持角度の測定方法を示す模式図である。
本発明者らは上記課題を解決するため、検討を行った。その結果、所定のポリエステルフィルム層を紙層と積層させれば、下記(1)~(4)の特性を満足するラミネート紙が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明のラミネート紙は、紙層およびポリエステルフィルム層の各層を少なくとも1層有し、以下の(1)~(4)を満たすことを特徴とする。
(1)80℃温湯中に10秒間浸漬した後のラミネート紙の収縮率が長手方向および幅方向において、いずれも6%以下
(2)23℃、相対湿度65%の環境下で24時間保管した後のラミネート紙の折畳み保持角度が80度以下
(3)23℃、相対湿度65%の環境下で測定したときのラミネート紙の引裂伝播強度が長手方向および幅方向において、いずれも200mN以上700mN以下
(4)ポリエステルフィルム層同士を180℃、0.2MPa、2秒間ヒートシールしたときのヒートシール強度が2N/15mm以上25N/15mm以下
以下では、上記(1)をラミネート紙の80℃温湯収縮率、上記(2)をラミネート紙の折畳み保持性、上記(3)をラミネート紙の引裂伝播強度、上記(4)をポリエステルフィルム層同士のヒートシール強度と呼ぶ場合がある。
まず、上記(1)~(4)の特性を説明する前に、ラミネート紙の層構成および上記ラミネート紙を構成する紙層およびポリエステルフィルム層の組成について説明する。
1.ラミネート紙の層構成
本発明のラミネート紙は、紙層およびポリエステルフィルム層の各層を少なくとも1層有する。各層の詳細な組成などは後で詳述することにし、まず、上記ラミネート紙の層構成について説明する。
1-1.ポリエステルフィルム層の層構成
上記ポリエステルフィルム層は、単層構成、または2層以上の積層構成のいずれであっても良い。上記単層構成の場合、ポリエステルフィルム層はヒートシール性を有する層(以下、「ヒートシール層」と記載する場合がある。)であることが好ましい。また上記積層構成の場合、上記ヒートシール層を有すると共に、他の層を1層以上有することが好ましく、「他の層」は耐熱性を有する層(以下、「耐熱性層」と記載する場合がある。)であることが好ましい。
本発明に用いられるポリエステルフィルム層は、2層以上の積層構成であることが好ましく、ヒートシール層および耐熱性層からなる2種2層構成であることがより好ましい。この場合、ポリエステルフィルム層を構成する耐熱性層と、紙層とがラミネートされていることが好ましい。
上記のヒートシール層および耐熱性層は、ポリエステルフィルム層表面の接着性を良好にするため、コロナ処理、防曇剤以外のコーティング処理や火炎処理などを施しても良い。
また、本発明に用いられるポリエステルフィルム層は、上記のヒートシール層および耐熱性層以外の層を単層または複数層有していてもよく、例えばヒートシール層と耐熱層との間に他の層を設けてもよい。上記他の層としては、例えば、ガスバリア層などが挙げられる。上記他の層は、上記ヒートシール層および耐熱性層とは異なる組成物からなる層であってもよいが、使用後のリサイクルなどを考慮すると、上記ヒートシール層および耐熱性層と同様、ポリエステル系素材からなることが好ましい。
上記ポリエステルフィルム層の好ましい厚みは、単層構成、積層構成のいずれであっても、6μm以上200μm以下である。上記ポリエステルフィルム層の厚みが6μm未満の場合、ポリエステルフィルム層が薄すぎるために取り扱いが困難となり、ハンドリング性が低下する。一方、上記ポリエステルフィルム層の厚みが200μmを超えるとコストが増えるだけでなく、所望とする(1)の80℃温湯収縮率が高くなってしまうため好ましくない。上記ポリエステルフィルム層の厚みは、7μm以上100μm以下がより好ましく、8μm以上50μm以下がさらに好ましい。
また、上記ポリエステルフィルム層が2層以上の積層構成の場合、上記積層を構成するヒートシール層の厚みは3μm以上100μm以下であることが好ましい。上記ヒートシール層の厚みが3μm未満の場合、所望とする(4)のヒートシール強度が2N/15mm未満となり、ヒートシール強度が不足するため好ましくない。一方、上記ヒートシール層の厚みが100μmを超えると、所望とする(4)のヒートシール強度が上限の25N/15mmを超えて高くなり過ぎる場合があり、好ましくない。上記ポリエステルフィルム層の厚みは、4μm以上50μm以下がより好ましく、5μm以上25μm以下がさらに好ましい。
本発明のラミネート紙は紙層、およびポリエステルフィルム層とは素材異なる第3の層(以下、第3の層ということがある)を有していてもよい。第3の層として無機薄膜層が好ましい。すなわち、本発明のラミネート紙は更に無機薄膜層を有するものであることが好ましい。無機薄膜層を有することにより、酸素バリア性および水蒸気バリア性に優れたガスバリア性ラミネート紙とすることができる。ラミネート紙は上記ポリエステルフィルム層の少なくとも片面に無機薄膜層を有することも好ましいが、ポリエステルフィルム層が2層以上の場合には該ポリエステルフィルム層の層間に無機薄膜層を設けてもよい。また無機薄膜層は1層、または2層以上でもよい。以下、「第3の層」に代えて「無機薄膜層」と記載することがある。
ラミネート紙が第3の層を有する場合の積層構成は限定されず、i)紙層とポリエステルフィルム層の間に第3の層を有する積層構成、ii)ポリエステルフィルム層が2層以上の積層構成の場合はポリエステルフィルム層の層間に第3の層を有する積層構成、iii)ポリエステルフィルム層の最表面、すなわち、紙層と反対側のポリエステル層の最表面に第3の層を有する積層構成が挙げられる。ポリエステル層の最表面に無機薄膜層を有する積層構成としては、例えば上記ポリエステルフィルム層が前述のヒートシール層および耐熱性層からなる2種2層構成の場合は、無機薄膜層が耐熱性層の表面側に積層されてなる、紙層/ヒートシール層/耐熱性層/無機薄膜層の積層構成とすることが好ましい。
上記無機薄膜層は金属、無機酸化物、及びこれらの組み合わせよりなる群から選ばれる少なくとも1種からなる薄膜である。無機薄膜層の構成は、1種の金属、複数の金属の併用、1種または2種以上の金属と1種または2種以上の無機酸化物との併用、1種の無機酸化物、または複数の無機酸化物の併用など、単独、或いは複数の材料の組み合わせ、のいずれでもよい。無機薄膜層を形成する材料は、薄膜にできるものなら特に制限されず、アルミニウム、チタンなどの金属、及びこれらの合金;酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ケイ素などの無機酸化物が例示されるがこれに限定されない。加工性及びガスバリア性の観点から、アルミニウムを含む材料を使用することが好ましい。アルミニウムを含む材料としては、例えば純度の高いアルミニウム(99.9mol%以上);マグネシウム、シリコン、チタン、カルシウム、マンガン等の他の添加元素を含むアルミニウム合金などの金属;酸化アルミニウムなどの無機酸化物などが挙げられる。無機薄膜層を形成する材料の組み合わせとしては特に限定されないが、例えば、高純度アルミニウムとアルミニウム合金、添加元素が異なる2種のアルミニウム合金(マグネシウム、シリコン、チタン、カルシウム、マンガン等の添加元素)、アルミニウム合金と酸化アルミニウム、酸化アルミニウムと酸化チタン、酸化ケイ素と酸化アルミニウムなどが挙げられる。無機薄膜層の柔軟性と緻密性を両立する点からは、酸化ケイ素(シリカ)と酸化アルミニウム(アルミナ)との複合酸化物が好ましい。
無機薄膜層に含まれる酸化ケイ素と酸化アルミニウムとの混合比は、金属分の質量比でAlが20%以上70%以下の範囲であることが好ましい。Al濃度が20%未満であると、水蒸気バリア性が低くなる場合があり、一方、70%を超えると、無機薄膜層が硬くなる傾向があり、印刷やラミネートといった二次加工の際に膜が破壊されてバリア性が低下する虞がある。なお、ここでいう酸化ケイ素とはSiOやSiO2等の各種珪素酸化物又はそれらの混合物であり、酸化アルミニウムとは、AlOやAl23等の各種アルミニウム酸化物又はそれらの混合物である。
無機薄膜層の膜厚は、好ましくは1nm以上、より好ましくは5nm以上、更に好ましくは6nm以上、より更に好ましくは7nm以上であって、好ましくは800nm以下、より好ましくは500nm以下、更に好ましくは100nm以下、よりさらに好ましくは50nm以下である。無機薄膜層の膜厚が1nm未満であると、満足のいくガスバリア性が得られ難くなる場合があり、一方、800nmを超えて過度に厚くしても、それに相当するガスバリア性の向上効果は得られず、耐屈曲性や製造コストの点でかえって不利となる。
無機薄膜層を備えた場合のラミネート紙の水蒸気透過度(g/m2・day)は好ましくは5.0以下、より好ましくは4.0以下である。積層フィルムの水蒸気透過度が5.0を超えると、十分なガスバリア性が得られないことがある。
無機薄膜層を備えた場合ラミネート紙の酸素透過度(ml/m2・day・MPa)は好ましくは40以下、より好ましくは35以下である。積層フィルムの酸素透過度が40を超えると、十分なガスバリア性が得られないことがある。より優れたガスバリア性を付与する観点からは、上記水蒸気透過度、および上記酸素透過度の両方を満足することが好ましい。
無機薄膜層を形成する方法は特に制限されず、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの物理蒸着法(PVD法)、あるいは化学蒸着法(CVD法)など、公知の蒸着法を適宜採用すればよい。以下、無機薄膜層を形成する典型的な方法を、酸化ケイ素・酸化アルミニウム系薄膜を例に説明する。
例えば、真空蒸着法を採用する場合は、蒸着原料としてSiO2とAl23の混合物、あるいはSiO2とAlの混合物等が好ましく用いられる。これら蒸着原料としては通常粒子が用いられるが、その際、各粒子の大きさは蒸着時の圧力が変化しない程度の大きさであることが望ましく、好ましい粒子径は1mm~5mmである。加熱には、抵抗加熱、高周波誘導加熱、電子ビーム加熱、レーザー加熱などの方式を採用することができる。また、反応ガスとして酸素、窒素、水素、アルゴン、炭酸ガス、水蒸気等を導入したり、オゾン添加、イオンアシスト等の手段を用いた反応性蒸着を採用することも可能である。さらに、被蒸着体(蒸着に供する積層フィルム)にバイアスを印加したり、被蒸着体を加熱もしくは冷却するなど、成膜条件も任意に変更することができる。このような蒸着材料、反応ガス、被蒸着体のバイアス、加熱・冷却などは、スパッタリング法やCVD法を採用する場合にも同様に変更可能である。
1-2.包装体としたときのラミネート紙の層構成
後述するように本発明のラミネート紙は包装袋などの包装体に好ましく使用されるが、内容物と接する層(内側)に上記ポリエステルフィルム層が存在し、外側に紙層が存在するように配置されることが好ましい。これにより、ポリエステルフィルム層による優れた保香性、防臭性、臭い移り防止などの効果が有効に発揮される。ラミネート紙が無機薄膜層などの第3の層を有する態様においては、前記の内容物に接する層以外の中間層として無機薄膜層を設けることが好ましく、例えば上記積層構成i)、または上記積層構成ii)が好ましい。
また上記用途の関係で、上記の紙層およびポリエステルフィルム層は、部分的に接合しているのではなく、ラミネート紙全面において接合していることが好ましい。無機薄膜層などの第3の層を設ける場合も同様に、全面において接合していることが好ましい。
2.ラミネート紙の構成材料
2-1.紙層を構成する紙
上記紙層を構成する紙は、折畳み保持性に優れている。本発明では、例えば、レーヨン紙、上質紙、クラフト紙、カートン紙、グラシン紙、クルパック紙、及び和紙よりなる群から選択される1種以上の素材からなる紙を用いることが好ましい。より好ましくは、レーヨン紙、上質紙、クラフト紙、又はグラシン紙であり、更に好ましくは、レーヨン紙、又はグラシン紙である。
本発明に用いられる紙の秤量(目付と同義)は、ラミネート紙としての好適な外観を付与すること、およびハンドリング性を考慮すると、好ましくは5g/m2以上、より好ましくは6g/m2以上、更に好ましくは7g/m2以上、より更に好ましくは8g/m2以上であって、好ましくは500g/m2以下、より好ましくは300g/m2以下、更に好ましくは150g/m2以下、より更に好ましくは80g/m2以下である。
2-2.ポリエステルフィルム層を構成するポリエステルの組成
上記ポリエステルフィルム層を構成するポリエステルの組成は、ポリエステルフィルム層の層構成によって相違するので、以下では、層構成ごとに説明する。すなわち前述したとおり、上記ポリエステルフィルム層は、ヒートシール性の単層構成、またはヒートシール層と耐熱性層の2層以上の積層構成のいずれかを採用し得るが、上記ヒートシール層と耐熱性層とは、その機能が相違するため、好ましい組成が相違する。以下、ヒートシール層と耐熱性層のそれぞれの好ましいポリエステル組成について説明する。
2-2-1.ヒートシール層および耐熱性層に共通するポリエステルの必須組成
本発明に用いられるポリエステルフィルム層は、ヒートシール層および耐熱性層のいずれも、エチレンテレフタレートユニットを主たる構成成分とすることが好ましい。ここで「主たる構成成分」とは、ポリエステルの構成ユニット100モル%中50モル%以上であることを意味する。エチレンテレフタレートユニットは、ポリエステルの構成ユニット100モル%中、52モル%以上が好ましく、54モル%以上がより好ましい。
2-2-2.ヒートシール層の組成
上記ヒートシール層に用いられるポリエステルは、上述したエチレンテレフタレートユニット以外の成分として、非晶成分となり得る1種以上のモノマー成分(以下、単に非晶成分と記載する。)を含むことが好ましい。非晶成分が存在することによってヒートシール層の結晶性および融点が低下し、ヒートシール強度を向上させることができるためである。非晶成分となり得るジカルボン酸成分のモノマーとしては、例えばイソフタル酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸が挙げられる。また、非晶成分となり得るジオール成分のモノマーとしては、例えばネオペンチルグリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール、2-n-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2,2-イソプロピル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジ-n-ブチル-1,3-プロパンジオール、ヘキサンジオールが挙げられる。
これらのなかでも、ジカルボン酸成分のモノマーとしてイソフタル酸;ジオール成分のモノマーとしてネオペンチルグリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコールのいずれか1種以上が好ましく用いられる。これらの使用により、所望とするポリエステルフィルム層同士のヒートシール強度および折畳み保持性を付与することができる。ジオール成分のモノマーは、ネオペンチルグリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノールのいずれか1種以上を用いることがより好ましく、ネオペンチルグリコールを用いることが特に好ましい。
上記ヒートシール層に含まれる好ましい上記非晶成分の量は、10モル%以上30モル%以下である。ここで上記「非晶成分の量」とは、全モノマー成分中(ポリエステル樹脂中における多価アルコール成分100モル%中または多価カルボン酸成分100モル%中)の非晶成分となり得る1種以上のモノマー成分の合計量を意味する(以下の耐熱性層についても同じ)。上記非晶成分の量が10モル%未満の場合、所望とする上記(4)のヒートシール強度の達成が困難な場合があると共に、所望とする上記(2)のラミネート紙の折畳み保持性を付与できない場合がある。一方、上記非晶成分の量が30モル%を超えると、ヒートシール層の耐熱性が極端に低下するため、ヒートシールするときにシール部の周囲がブロッキング(加熱用部材からの熱伝導によって、意図した範囲よりも広い範囲でシールされてしまう現象)してしまい、適切なヒートシールが困難となる場合がある。更に、ポリエステルフィルム層の収縮率が高くなり易く、所望とする(1)のラミネート層の収縮率の範囲内に制御することが困難となる場合がある。上記ヒートシール層に含まれる非晶成分の量は、より好ましくは12モル%以上28モル%以下であり、さらに好ましくは13モル%以上26モル%以下であり、特に好ましくは14モル%以上24モル%以下である。
上記ヒートシール層に用いられるポリエステルは、上述したエチレンテレフタレートユニットおよび非晶成分以外の成分を含んでいてもよい。具体的には、上記ポリエステルを構成する上記以外のジカルボン酸成分として、オルトフタル酸などの芳香族ジカルボン酸;アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸;および脂環式ジカルボン酸など、が挙げられる。ただし、3価以上の多価カルボン酸(例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸およびこれらの無水物など)は上記ポリエステル中に含有させないことが好ましい。
また、上記ポリエステルを構成する上記以外のジオール成分として、1,4-ブタンジオールなどの長鎖ジオール、ヘキサンジオールなどの脂肪族ジオール、ビスフェノールAなどの芳香族系ジオールなど、が挙げられる。ただし、炭素数8個以上のジオール(例えば、オクタンジオールなど、)、3価以上の多価アルコール(例えば、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン、ジグリセリンなど)は上記ポリエステル中に含有させないことが好ましい。
上記使用可能なジオール成分のなかでも特に1,4-ブタンジオールの使用が好ましく、これにより、ヒートシール層の融点を下げて、所望とする(4)のヒートシール強度が容易に得られ易くなる。
上記ヒートシール層に含まれる1,4-ブタンジオールの好ましい量は、5モル%以上30モル%以下である。1,4-ブタンジオールの量が5モル%未満では、1,4-ブタンジオールの添加効果が有効に発揮されず、所望とする(4)のヒートシール強度が得られ難い。一方、1,4-ブタンジオールの量が30モル%を超えるとヒートシール層の耐熱性が極端に低下するため、ヒートシールするときにシール部の周囲がブロッキングしてしまい、適切なヒートシールが困難となる。1,4-ブタンジオールの量は、7モル%以上28モル%以下がより好ましく、さらに好ましくは9モル%以上26モル%以下である。
2-2-3.耐熱性層の組成
上記耐熱性層に用いられるポリエステルでは、上記エチレンテレフタレートユニット以外の成分として、上記ヒートシール層で用いた非晶成分は必ずしも含まなくても良い。上記非晶成分を含まない耐熱性層を用いても、所望とする上記(1)~(4)の特性は得られるからである。例えば、後記する表3の実施例7はB層(耐熱性層)として上記非晶成分を含まない(0モル%)表2のポリエステルフィルムNo.7を用いたラミネート紙であるが、所望とする特性が得られており、触感および異音の各評価も良好である。
但し、耐熱性層の結晶性と融点を上げて耐熱性を高く保つためには、上記耐熱性層に非晶成分を含むことが好ましい。但し、上記耐熱性層に含まれる非晶成分の量は、ヒートシール層よりも少ない方が良く、好ましくは2モル%以上18モル%以下である。上記非晶成分の量が2モル%未満の場合、ヒートシール層と耐熱性層との熱収縮率差が大きくなり、ポリエステルフィルムにカールが発生して加工し難くなる場合がある。一方、非晶成分の量が18モル%を超えると、耐熱性層に要求される耐熱性が有効に発揮されない虞がある。
また、上記作用を有効に発揮させるためには、ヒートシール層に好ましく含まれる非晶成分の量から、耐熱性層に好ましく含まれる非晶成分の量を引いた値(差)は、2モル%以上であることが好ましく、4モル%以上であることがより好ましく、5モル%以上であることがさらに好ましい。なお、その上限は上記観点からは特に限定されないが、おおむね、20モル%以下であることが好ましい。
2-2-4.ヒートシール層および耐熱性層に共通する選択成分
上記ヒートシール層および耐熱性層に用いられるポリエステルは、上記必須成分の他、必要に応じて各種の添加剤;例えば、ワックス類、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、減粘剤、熱安定剤、着色用顔料、着色防止剤、紫外線吸収剤などを添加することができる。また、ポリエステルフィルムのすべり性を良好にする滑剤としての微粒子を、上記ヒートシール層および耐熱性層のいずれか一方の表層に添加することが好ましい。上記微粒子は、任意のものを選択することができる。例えば無機系微粒子として、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、硫酸バリウムなどが挙げられる。また、例えば有機系微粒子として、アクリル系樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子、架橋ポリスチレン粒子などが挙げられる。上記微粒子の平均粒径は、コールターカウンタにて測定したときに0.05μm以上3.0μm以下の範囲内で、必要に応じて適宜選択することができる。上記ヒートシール層及び/又は上記耐熱性層に含まれる上記微粒子の好ましい量は、100ppm以上800ppm以下である。上記微粒子の量が100ppm未満の場合、所望とするすべり性の確保が困難となる。一方、上記微粒子の量が800ppmを超えると、ポリエステルフィルムの透明性が悪化してしまうため好ましくない。
上記ヒートシール層及び/又は上記耐熱性層の中に上記微粒子を配合する方法は特に限定されず、ポリエステル系樹脂を製造する任意の段階で添加することができるが、エステル化の段階;または、エステル交換反応終了後、重縮合反応開始前の段階で、エチレングリコールなどに分散させたスラリーとして上記微粒子を添加し、重縮合反応を進めるのが好ましい。また、ベント付き混練押出し機を用いてエチレングリコール、水、その他の溶媒に分散させた上記微粒子のスラリーとポリエステル系樹脂原料とをブレンドする方法;乾燥させた上記微粒子とポリエステル系樹脂原料とを混練押出し機を用いてブレンドする方法なども挙げられる。
3.ラミネート紙の特性
本発明のラミネート紙は、下記(1)~(4)の特性を満たす。
(1)80℃温湯中に10秒間浸漬した後のラミネート紙の収縮率が長手方向および幅方向において、いずれも6%以下
(2)23℃、相対湿度65%の環境下で24時間保管した後のラミネート紙の折畳み保持角度が80度以下
(3)23℃、相対湿度65%の環境下で測定したときのラミネート紙の引裂伝播強度が長手方向および幅方向において、いずれも200mN以上700mN以下
(4)ポリエステルフィルム層同士を180℃、0.2MPa、2秒間ヒートシールしたときのヒートシール強度が2N/15mm以上25N/15mm以下
以下、各特性について説明する。
3-1.(1)ラミネート紙の80℃温湯収縮率
本発明のラミネート紙は、80℃温湯中に10秒間浸漬した後の収縮率が長手方向および幅方向において、いずれも6%以下を満足する。上記80℃温湯収縮率が6%を超えると、ラミネート紙をヒートシールする際、ヒートシールからの熱によって収縮力が発生してラミネート紙の収縮によりヒートシール部が変形してしまい外観を損なうため、好ましくない。上記80℃温湯収縮率は、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下、さらに好ましくは1%以下であり、特に好ましくは0%である。
3-2.(2)ラミネート紙の折畳み保持性
本発明のラミネート紙は、後述する方法で測定される23℃、相対湿度65%の環境下で24時間保管した後の折りたたみ保持角度が80度以下を満足する必要がある。これにより、折り目を入れる物品包装形態において、折り目が戻ることなく好適に使用することができる。また、和菓子などの個包装において、折り癖を容易に付けることが可能となり、包装時の加工性が向上すると共に、外観上の見栄えも良くなり、包装により高級感を付与することができる。後記方法で測定される折畳み保持角度は、70度以下であることが好ましい。更に上記折畳み保持角度が60度以下の場合、小さな物品や複雑な立体形状の物品も容易に折り癖を付けて包装できるので、より好ましい。さらに好ましい折畳み保持角度は55度以下であり、特に好ましくは50度以下である。なお、折畳み保持角度は小さければ小さいほど好ましいが、後記方法で測定される折畳み保持角度の下限は10度であり、実用上は、折畳み保持角度が15度以上であっても好ましいものである。
3-3.(3)ラミネート紙の引裂伝播強度
本発明のラミネート紙は、23℃、相対湿度65%の環境下で測定したときの引裂伝播強度が長手方向および幅方向のいずれにおいても、200mN以上700mN以下を満足する必要がある。上記引裂伝播強度が200mN以上の場合、ラミネート紙に印刷、製袋、包装などの加工をする際の破断などのトラブルを低減して収率を高めることができる他、包装材料として使用する際の破れの発生を低減することができる。上記引裂伝播強度の好ましい下限は220mNであり、より好ましくは240mNである。また、上記引裂伝播強度が700mN以下の場合、包装材料にノッチ(小さな切れ込み)を入れて手で容易に引裂いて開封可能な包装材料とすることができる。上記引裂伝播強度の好ましい上限は680mNであり、より好ましくは660mNである。
長手方向および幅方向における上記引裂伝播強度は、上記範囲内に制御されていれば、同一であっても異なっていても良い。但し、長手方向の引裂伝播強度と、幅方向の引裂伝播強度との差が150mN以上に制御されていると、一方向に引裂き易くなるなどの性能が有効に発揮されるため、好ましい。この場合の上限は特に限定されないが、おおむね、280mN以下であることが好ましい。
3-4.(4)ポリエステルフィルム層同士のヒートシール強度
本発明のラミネート紙を構成するポリエステルフィルム層は、ポリエステルフィルム層同士を180℃、0.2MPa、2秒間ヒートシールしたときのヒートシール強度が2N/15mm以上25N/15mm以下を満足する必要がある。上記ヒートシール強度が2N/15mm未満の場合、ヒートシールにより袋状の包装材とした場合にヒートシール部分が容易に剥がれ易くなる。一方、上記ヒートシール強度が25N/15mmを超えると、例えば軽度のヒートシール強度を付与したい場合にヒートシール条件の制御が困難な場合がある。上記ヒートシール強度の好ましい範囲は、4N/15mm以上22N/15mm以下であり、より好ましい範囲は6N/15mm以上20N/15mm以下である。
3-5.その他
更に本発明のラミネート紙は、水中に浸漬後の引裂伝播強度が長手方向および幅方向において、いずれも130mN以上であることが好ましい。水中に浸漬後の引裂伝播強度が130mN以上に制御されていると、紙の欠点である耐水性に優れ、水が存在する環境下においても破れの発生を低減することができる。上記引裂伝播強度は140mN以上であることがより好ましく、さらに好ましくは150mN以上である。なお、上記引裂伝播強度の好ましい上限は、例えば400mNである。
更に本発明のラミネート紙は、上記組成のポリエステルフィルム層を有しているため、種々の有機化合物を吸着し難く、保香性、防臭性、臭い移り防止などの効果も奏する。更に本発明のラミネート紙は、静電気防止効果も期待される。
4.ポリエステルフィルム層の製膜方法
本発明に用いられるポリエステルフィルムを好ましく構成するヒートシール層および耐熱性層は、各層に用いられるポリエステル原料を押出機により溶融押出しして未延伸フィルムを形成した後、以下に示す延伸方法により製膜することができる。なお、ポリエステル原料は、ジカルボン酸成分およびジオール成分の種類および添加量を適宜決定して重縮合させることにより得ることができる。或は、チップ状のポリエステルを2種以上混合したポリエステル原料を使用することもできる。
以下、各工程について詳述する。
4-1.溶融押出し
まず、ポリエステル原料樹脂を溶融押出しする。その際、ポリエステル原料をホッパードライヤー、パドルドライヤーなどの乾燥機、または真空乾燥機を用いて乾燥することが好ましい。
このようにポリエステル原料を乾燥させた後、押出機を利用して200~300℃の温度で溶融して積層フィルムとして押出す。押出しはTダイ法、チューブラー法など、既存の任意の方法を採用することができる。
その後、押出し後のシート状の溶融樹脂を急冷することにより、未延伸のフィルムを得ることができる。なお、溶融樹脂を急冷する方法としては、溶融樹脂を口金から回転ドラム上にキャストして急冷固化することにより実質的に未配向の樹脂シートを得る方法を好適に採用することができる。
4-2.ポリエステルフィルム層が2層以上の場合の積層方法
本発明に用いられるポリエステルフィルム層がヒートシール層および耐熱性層の積層構成の場合、上記未延伸フィルムを積層する。
この場合、製膜ライン中で共押出し法によって各層を積層させる方法が好ましく用いられる。より具体的には、各層を構成するポリエステル原料樹脂を別々の押出機によって溶融押出しして、フィードブロックでそれぞれの溶融樹脂を合流させることによって積層することが好ましい。
或は、後述するようにヒートシール層および耐熱性層は別々の延伸方式を採用し得るため、各層を構成するポリエステルフィルムを別々に製膜した後、ドライラミネートや押出ラミネートなどの公知の方法により積層することができる。上記ドライラミネートの場合、市販のドライラミネーション用接着剤を用いることができる。上記接着剤としては、例えばDIC株式会社製ディックドライ(登録商標)LX-703VL、DIC株式会社製KR-90、三井化学株式会社製タケネート(登録商標)A-4、三井化学株式会社製タケラック(登録商標)A-950などが挙げられる。
4-3.延伸
次に、上記未延伸フィルムを延伸する。
本発明に用いられるヒートシール層および耐熱性層は、無延伸、一軸延伸、二軸延伸のいずれの延伸方式も採用可能であり、且つ、これらの層は別々の延伸方式を採用しても良い。上記延伸方式のうち、強度の観点からは、二軸延伸が好ましい。或は、ヒートシール強度を高めるため、ヒートシール層を無延伸方式により得ることもできる。
ここで、耐熱性層となるポリエステルフィルムは、縦(長手)方向、横(幅)方向のいずれか少なくとも一方向に延伸されていることが好ましい。すなわち上記フィルムは、一軸延伸フィルムあるいは二軸延伸フィルムであることが好ましい。
以下では、最初に縦延伸、次に横延伸を実施する縦延伸-横延伸による逐次二軸延伸法について説明するが、これに限定されず、順番を逆にする横延伸-縦延伸であっても、主配向方向が変わるだけなので構わない。或は、同時二軸延伸法でもあっても良い。
4-3-1.縦延伸
縦方向の延伸は、未延伸フィルムを複数のロール群を連続的に配置した縦延伸機へ導入して行うことができる。上記縦延伸は、予熱ロールでポリエステルフィルムの温度が65~90℃になるまで予備加熱することが好ましい。上記ポリエステルフィルムの温度が65℃未満の場合、縦方向に延伸する際に延伸し難くなり、破断が生じ易くなるため好ましくない。一方、上記ポリエステルフィルムの温度が90℃を超えると、ポリエステルフィルムがロールに粘着し易くなり、ロールにポリエステルフィルムが巻き付いたり、ロール汚れが発生し易くなるため、好ましくない。
上記ポリエステルフィルムの温度が65~90℃になったら縦延伸を行う。縦延伸倍率は、1倍以上5倍以下が好ましい。上記の倍率が1倍とは、縦延伸を行わないことを意味するので、横一軸延伸フィルムを得るには縦延伸倍率を1倍にする。二軸延伸フィルムを得るには、縦延伸倍率は1.1倍以上が好ましい。なお、縦延伸倍率の上限は特に限定されないが、縦延伸倍率が高くなり過ぎると次の横延伸をし難くなって破断が生じ易くなるので、5倍以下が好ましい。
4-3-2.必要に応じて長手方向への弛緩(リラックス)
上記の縦延伸後、ポリエステルフィルムを長手方向へ弛緩する(長手方向へのリラックス)ことが好ましく、これにより、縦延伸で生じたポリエステルフィルムの長手方向における収縮率を低減することができる。さらに、上記長手方向へのリラックスにより、テンター内で起こるボーイング現象(歪み)を低減することができる。前述したとおり本発明に用いられるポリエステルフィルムは非晶成分を使用しているため、縦延伸によって生じた長手方向への収縮性がボーイング歪みに対して支配的であると考えられる。これは、後工程の横延伸や最終熱処理ではポリエステルフィルムの幅方向の両端が把持された状態で加熱されるため、ポリエステルフィルムの中央部だけが長手方向へ収縮するためである。
長手方向へのリラックス率は0%以上70%以下であることが好ましい。ここで「リラックス率0%」とは、リラックスを行わないことを意味する。上記リラックス率は、5%以上であることがより好ましい。なお、一般にリラックス率の上限は、使用する原料や縦延伸条件によって決定される値であり、これを超えてリラックスを実施することはできない。上記の点を考慮して、本発明における、長手方向へのリラックス率の好ましい上限を決定した。より好ましい上限は50%である。
ここで、長手方向への上記リラックスは、縦延伸後のポリエステルフィルムを65~100℃の温度で加熱し、ロールの速度差を調整することで制御できる。上記加熱手段は特に限定されず、例えばロール、近赤外線、遠赤外線、熱風ヒータなどのいずれも使用可能である。また、長手方向への上記リラックスは縦延伸直後に行う必要はなく、例えば横延伸(予熱ゾーンを含む)や最終熱処理の各工程においても、長手方向のクリップ間隔を狭めることで実施することができる。但し、後者の場合、ポリエステルフィルム幅方向の両端も長手方向にリラックスされるため、ボーイング歪みは減少する。
上記のように必要に応じて長手方向へのリラックスを行った後、上記ポリエステルフィルムを一旦冷却することが好ましい。具体的には、表面温度が20~40℃の冷却ロールで上記ポリエステルフィルムを冷却することが好ましい。
4-3-3.横延伸
次に、テンター内でポリエステルフィルム幅方向の両端際をクリップによって把持した状態で、65~110℃で3.5~5倍程度の延伸倍率で横延伸を行うことが好ましい。上記の横延伸を行うことによって縦横に延伸された二軸延伸ポリエステルフィルムとなり、分子鎖が二軸配向することにより機械的強度が向上する。横延伸の温度は、70~108℃がより好ましく、横延伸の延伸倍率は3.6~4.5倍がより好ましい。
本発明では、上記横延伸を行う前に予備加熱を行うことが好ましい。これにより、横延伸に必要なフィルム温度を確保することができる。上記予備加熱は、ポリエステルフィルムの表面温度が75~120℃になるまで行うことが好ましい。
上記横延伸の後、ポリエステルフィルムは、積極的な加熱操作を実行しない中間ゾーンを通過させることが好ましい。テンターの横延伸ゾーンに比べて、その次に実施される最終熱処理ゾーンの温度は高いため、中間ゾーンを設けない場合、最終熱処理ゾーンの熱(熱風そのものや輻射熱)が横延伸工程に流れ込んでしまう。その場合、横延伸ゾーンの温度が安定しないため、ポリエステルフィルムの厚み精度が悪化するだけでなく、ポリエステルフィルム同士のヒートシール強度やラミネート紙の収縮率などの特性にバラツキが生じてしまう。上記の理由により、本発明では、横延伸後のポリエステルフィルムは、所定の時間をかけて中間ゾーンを通過させた後、最終熱処理を実施するのが好ましい。上記中間ゾーンでは、ポリエステルフィルムを通過させていない状態で短冊状の紙片を垂らしたときに、その紙片がほぼ完全に鉛直方向に垂れ下がるように調整して、ポリエステルフィルムの走行に伴う随伴流、横延伸ゾーンや最終熱処理ゾーンからの熱風を遮断することが重要である。上記中間ゾーンの通過時間は、1~5秒程度で充分である。1秒より短いと、中間ゾーンの長さが不充分となって、上述した熱風の遮断効果が不足する。中間ゾーンは長い方が好ましいが、長過ぎると中間ゾーンの設備が大きくなってしまうので、5秒程度で充分である。
4-3-4.最終熱処理
上記中間ゾーンの通過後は、最終熱処理ゾーンにて、横延伸温度以上220℃以下の温度範囲で最終熱処理を行うことが好ましい。最終熱処理の加熱温度が横延伸温度を下回ると、ラミネート紙の80℃温湯収縮率が上限(6%)を超えてしまい、好ましくない。最終熱処理の加熱温度は、より好ましくは150℃以上、さらに好ましくは160℃以上である。最終熱処理の加熱温度が高くなる程ポリエステルフィルムの収縮率は低下するが、220℃を超えるとポリエステルフィルムの製膜が困難となってしまうため、好ましくない。最終熱処理の加熱温度は、より好ましくは210℃以下、さらに好ましくは200℃以下である。
また、上記最終熱処理ゾーンの通過時間は2秒以上20秒以下が好ましい。上記通過時間が2秒未満の場合、ポリエステルフィルムの表面温度が設定温度に到達しないまま最終熱処理ゾーンを通過してしまうため、最終熱処理の効果が有効に発揮されない。上記通過時間は長ければ長い程、最終熱処理の効果が発揮されるため、5秒以上であることがより好ましい。但し、上記通過時間を長くしようとすると設備が巨大化してしまうため、実用上は20秒以下であれば充分である。
上記最終熱処理の際、テンターのクリップ間距離を任意の倍率で縮めること(幅方向へのリラックス)が好ましく、これにより、80℃温湯浸漬後における幅方向の収縮率を低減させることができる。具体的には、上記最終熱処理では、0%以上10%以下の範囲で幅方向へのリラックスを行うことが好ましい。ここで「リラックス率0%」とは、リラックスを行わないことを意味する。幅方向へのリラックス率は、1%以上であることが好ましい。なお、幅方向へのリラックス率が高い程、80℃温湯浸漬後における幅方向の収縮率は低下するが、一般にリラックス率の上限は使用する原料や幅方向への延伸条件、熱処理温度によって決まり、これを超えてリラックスを実施することはできない。上記観点から、本発明における幅方向へのリラックス率は10%が上限である。より好ましいリラックス率は、8%以下である。
上記最終熱処理の後、ポリエステルフィルム両端部を裁断除去しながら巻き取ることにより、ポリエステルフィルムロールが得られる。
5.ラミネート紙の製造方法
本発明のラミネート紙は、上記のようにして得られたポリエステルフィルム層を紙層と積層することにより得られる。なお、上記ポリエステルフィルム層がヒートシール層および耐熱性層の少なくとも2層を有する場合、耐熱性層が紙層と接するように積層することが好ましい。上記積層方法は特に限定されず、ドライラミネートなどの公知の方法を用いることができる。上記ドライラミネートを採用する場合、市販のドライラミネーション用接着剤を用いることができる。上記接着剤の代表例として、例えばDIC株式会社製ディックドライ(登録商標)LX-703VL、DIC株式会社製KR-90、三井化学株式会社製タケネート(登録商標)A-4、三井化学株式会社製タケラック(登録商標)A-950などが挙げられる。また無機薄膜層などの第3の層を更に設ける場合、ポリエステルフィルム層に第3の層を形成した後、紙層と積層することが好ましい。ポリエステルフィルム層が2層以上の場合は、ポリエステル層の間に第3の層を形成してもよいし、ポリエステルフィルム層の外表面に第3の層を形成してもよい。また紙層との積層においてポリエステルフィルム層、第3の層のいずれが紙層と接してもよい。
紙層とポリエステルフィルム層は、部分的に接合しているのではなく、ラミネート紙全面において接合していることが好ましい。同様に紙層と第3の層、またはポリエステルフィルム層と第3の層は全面において接合していることが好ましい。
6.ラミネート紙の用途
本発明のラミネート紙は、和菓子等の食品の個包装、物品のラッピングなどの包装材料;食品や薬品などの包装袋;生ゴミ入れ、汚物入れなどの防臭袋などの用途(以下、まとめて包装体と呼ぶ場合がある。)に好適に使用することができる。前述したとおり本発明のラミネート紙は、有効成分を含む内容物と接する層(内側)に上記ポリエステルフィルム層が存在し、外側に紙層が存在するように配置される。そのため上記包装体は、油脂成分、香料成分を吸着し難く、内容物の香り、味覚を変化させ難いという利点がある。また上記包装体は、おむつなどの汚物処理、台所やアウトドアでの生ゴミ処理、キムチなど臭いの食品の持ち運びや冷蔵庫内の臭い移り防止など、様々な目的に使用可能である。よって、本発明のラミネート紙を用いた包装体は、種々の有機化合物を有効成分として含む化成品、食品、医薬品、工業製品などの様々な物品の包装体として好適に使用することができる。ラミネート紙に無機薄膜層に代表される第3の層を設けることで上記効果をより一層向上できる。
上記用途に用いる場合、包装体に意匠性を付与するため、本発明に用いられる上記の紙層またはポリエステルフィルム層に印刷加工を施すことができる。通常、ポリエステルフィルム層(単層)に印刷加工を施す場合には紙用の印刷機で印刷加工することは不可能であり、ポリエステルフィルム専用の印刷機を用いる必要があるのに対し、本発明のように紙層とポリエステルフィルム層とが積層されたラミネート紙に印刷を施す場合には、紙用の印刷機でも印刷加工を施すことが可能である。すなわち、本発明のようにラミネート紙とすることにより、優れた印刷加工性を容易に付与することができる。
本発明のラミネート紙は、上記包装体の少なくとも一部に存在していれば良く、上記包装体の全てが本発明のラミネート紙で構成されていてもよい。上記包装体の一部にラミネート紙を有する方法は特に限定されず、例えば塗布形成法、ラミネート法、ヒートシール法など、上記ラミネート紙と同様の製造方法を採用することができる。
以下、実施例および比較例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
<評価方法>
本実施例における特性の評価方法は以下の通りである。
(1)ラミネート紙の80℃温湯収縮率
下記実施例および比較例で得られた各ラミネート紙を長さ方向10cm×幅方向10cmの正方形に裁断した後、80℃±0.5℃の温水中に無負荷状態で10秒間浸漬して収縮させた。その後、25℃±0.5℃の水中に10秒間浸漬し、水中から取り出した。このようにして処理したラミネート紙の寸法を測定し、下式1に従って長手方向および幅方向における収縮率を求めた。なお、測定は2回行い、その平均値を求めた。
収縮率(%)
={(収縮前の長さ-収縮後の長さ)/収縮前の長さ}×100(%)
式1
(2)ラミネート紙の折畳み保持角度
下記実施例および比較例で得られた各ラミネート紙を、23℃、65%RH(相対湿度)環境下の恒温室で24時間放置した。その後、上記環境下にて、各ラミネート紙を10cm×10cmの正方形に裁断し、2つ折りを2回行って4つ折にした(5cm×5cmの正方形)。ラミネート紙を折畳む際は、紙層が外面側になるようにして、最初の2つ折りで出来た長方形の短辺が長手方向になるようにした。その後、大きさが10cm×15cmで厚みが2mmのガラスを2枚用意し、このガラス2枚に上記4つ折りのラミネート紙を挟み、5kgのおもりを上記ガラスの上に置いて10秒間プレスした。4つ折りのラミネート紙からおもりを外した後、最後にできた折目を基点としてラミネート紙が開いた角度(折畳み保持角度、図2を参照)を測定した。測定サンプル数はN=2として、その平均値を求めて、山折りでの折畳み保持角度とした。ここで、ラミネート紙が完全に折畳まれた状態は0度、ラミネート紙が完全に開いた角度は180度である。
これとは別に、紙層が内面側となるようにしたこと以外は上記と同じ方法で各ラミネート紙を4つ折りにして処理し、最後にできた折目を基点としてラミネート紙が開いた角度(折畳み保持角度、図2を参照)を測定した。測定サンプル数はN=2として、その平均値を求めて、谷折りでの折畳み保持角度とした。
このようにして得られた、上記山折りでの折畳み保持角度と谷折りでの折畳み保持角度の平均値をラミネート紙の折畳み保持角度とした。
(3)ラミネート紙の引裂伝播強度
(3-1)23℃、65%RHでの引裂伝播強度
JIS-K-7128-3に準じて、図1に示す形状の試験片を切り出した。上記試験片を切り出す際は、試験片の長手方向が引裂方向になるようにした。次に、万能引張試験機(島津製作所株式会社製「オートグラフ」)で試験片の幅方向両端を掴み、23℃、65%RHの雰囲気環境下、引張速度200mm/分にて引張試験を行い、上記試験片が長手方向に完全に引裂かれたときの最大荷重を測定した。このようにして得られた最大荷重を長手方向の引裂伝播強度とした。
また、上記長手方向の引裂伝播強度の測定において、上記試験片の幅方向が引裂方向になるようにして、上記試験片が幅方向に完全に引裂かれたときの最大荷重を測定したこと以外は上記と同様にして、幅方向の引裂伝播強度を求めた。
(3-2)水浸漬後の引裂伝播強度
上記(3-1)に記載の試験片を23℃±2℃の水温の水中に30秒間浸漬した後、速やかに取り出したこと以外は上記(3-1)と同様にして、水に浸漬後の長手方向および幅方向における引裂伝播強度を測定した。
(4)ポリエステルフィルム層同士のヒートシール強度
JIS Z1707に準拠して、下記実施例および比較例で得られた各ラミネート紙のヒートシール強度を測定した。具体的な測定手順は以下のとおりである。
まず、各ラミネート紙について、テスター産業株式会社製のヒートシーラーにより、ヒートシール層同士をシールした。ヒートシール条件は、上バー温度180℃、下バー温度30℃、圧力0.2MPa、時間2秒とした。次に、ヒートシール幅が15mmとなるように切り出し、万能引張試験機「DSS-100」(島津製作所製)を用いて、引張速度200mm/分で測定したときの剥離強度を算出し、ポリエステルフィルム層同士のヒートシール強度とした。上記剥離強度は、15mmあたりの強度(N/15mm)で示した。
(5)ラミネート紙取扱い時の触感および異音評価
長手方向25cm×横方向18cmの長方形状サンプルを4枚重ねたものを用意し、23℃、65%RHの雰囲気環境下、手で長手方向に中心部に折り目をつけて谷折りで2つ折りにした後、再度折り部を開き、その後4枚の重ねたサンプルを1枚ずつ取り除く作業を行い、作業時の触感および異音の評価を下記基準で行った。詳細には、5名の異なる作業者が下記基準により評価を行い、5名の平均点をそれぞれの点数とした。
(触感評価)
・明確に硬い触感を感じる。:0点
・わずかに硬い触感を感じる。:1点
・柔らかい触感を感じる。:2点
(異音評価)
・パリパリとした明確な異音が発生する。:0点
・かすかに異音が発生する。:1点
・異音の発生がない。:2点
(6)ラミネート紙の水蒸気透過度の評価方法
無機薄膜層を持つ積層フィルムについて、JIS-K7129-B法に準じて、水蒸気透過度測定装置(MOCON社製「PERMATRAN-W 3/33MG」)を用い、測定時の試料周囲の高湿度側の温度及び湿度をそれぞれ温度40℃、湿度90%RHとした雰囲気下で、常態(外部からストレスや力を加えていない平常な状態)での水蒸気透過度を測定した。なお、水蒸気透過度の測定は、ポリエステルフィルム層側から無機薄膜層側に水蒸気が透過する方向で行った。
(7)積層フィルムの酸素透過度の評価方法
無機薄膜層を持つ積層フィルムについて、JIS-K7126-2の電解センサー法(付属書A)に準じて、酸素透過度測定装置(MOCON社製「OX-TRAN2/20」)を用い、測定時の試料周囲の高湿度側の温度及び湿度をそれぞれ温度23℃、湿度65%RHとした雰囲気下で、常態での酸素透過度を測定した。なお、酸素透過度の測定は、ポリエステルフィルム層側から無機薄膜層側に酸素が透過する方向で行った。
(8)無機薄膜層の膜厚の評価方法
無機薄膜層の膜厚は蛍光X線分析法により、予め膜厚の既知なフィルムを使い作成した検量線を用いて求めた。膜厚、組成を変更した無機薄膜を数種類作製し、蛍光X線装置で測定することにより膜厚測定用の検量線とした。蛍光X線分析条件は、励起X線管の条件として管電圧を50kV、管電流を40mAとして測定した。
無機薄膜層の組成は波長分散型蛍光X線測定法により求めた。蛍光X線分析条件は、上記の膜厚の評価方法と同様に、励起X線管の条件として管電圧を50kV、管電流を40mAとした。各元素の元素濃度は検量線法により求め、求めた各元素濃度から無機薄膜層の組成を算出した。
<ポリエステル原料の調製>
[合成例1]
撹拌機、温度計および部分環流式冷却器を備えたステンレススチール製オートクレーブに、ジカルボン酸成分としてジメチルテレフタレート100モル%と、多価アルコール成分としてエチレングリコール100モル%とを、エチレングリコールがモル比でジメチルテレフタレートの2.2倍になるように仕込み、エステル交換触媒として酢酸亜鉛を0.05モル%(酸成分に対して)用いて、生成するメタノールを系外へ留去しながらエステル交換反応を行った。その後、重縮合触媒として三酸化アンチモン0.225モル%(酸成分に対して)を添加し、280℃で26.7Paの減圧条件下、重縮合反応を行い、固有粘度0.75dl/gのポリエステルAを得た。このポリエステルAは、ポリエチレンテレフタレートである。
[合成例2]
上記合成例1と同様の手順でモノマーを変更したポリエステルB~Fを得た。各ポリエステルの組成を表1に示す。
上記表1において、TPAはテレフタル酸、IPAはイソフタル酸、EGはエチレングリコール、BDは1,4-ブタンジオール、NPGはネオペンチルグリコール、CHDMは1,4-シクロヘキサンジメタノール、DEGはジエチレングリコールである。なお、ポリエステルFの製造の際には、滑剤としてSiO2(富士シリシア社製サイリシア266)をポリエステルに対して7,000ppmの割合で添加した。各ポリエステルは、適宜チップ状にした。各ポリエステルの固有粘度は、それぞれ、ポリエステルB:0.74dl/g、ポリエステルC:0.73dl/g、ポリエステルD:0.73dl/g、ポリエステルE:0.80dl/g、ポリエステルF:0.75dl/gであった。なお、ポリエステルBの融点は220℃であった。
Figure 0007477968000001
<ポリエステルフィルムの製膜>
表2の条件に基づき、表2に記載の種々のポリエステルフィルムを製膜した。表中、A層はヒートシール層であり、B層は耐熱性層である。
(ポリエステルフィルムNo.1の製膜)
A層(ヒートシール層)の原料として、ポリエステルAとポリエステルCとポリエステルEとポリエステルFを質量比5:66:24:5で混合し、B層(耐熱性層)の原料として、ポリエステルAとポリエステルCとポリエステルEとポリエステルFを質量比53:36:6:5で混合した。
上記A層及びB層の混合原料をそれぞれ別々の二軸スクリュー押出機に投入し、いずれも270℃で溶融させた。それぞれの溶融樹脂を、流路の途中でフィードブロックによって接合させてTダイより吐出し、表面温度が30℃に設定されたチルロール上で冷却して未延伸の積層フィルムを得た。上記積層フィルムはA層とB層の積層(A層/B層の2種2層構成)となるように溶融樹脂の流路を設定し、A層とB層の厚み比率が50:50(=1:1)となるように吐出量を調整した。
上記のようにして冷却固化して得られた未延伸の積層フィルムを複数のロール群を連続的に配置した縦延伸機へ導き、予熱ロール上でフィルム温度が80℃になるまで予備加熱した後、この温度で4.1倍に延伸した。縦延伸直後のフィルムを、熱風ヒータで100℃に設定された加熱炉へ通し、加熱炉の入口と出口のロール間の速度差を利用して、長手方向に20%リラックス処理を行った。その後、縦延伸したフィルムを、表面温度が25℃に設定された冷却ロールによって強制的に冷却した。
リラックス処理後のフィルムを横延伸機(テンター)に導いて表面温度が95℃になるまで5秒間予備加熱を行った後、幅方向(横方向)に105℃で4.0倍延伸した。横延伸後のフィルムをそのまま中間ゾーンに導き、1.0秒で通過させた。なお、テンターの中間ゾーンでは、フィルムを通過させていない状態で短冊状の紙片を垂らしたときに、その紙片がほぼ完全に鉛直方向に垂れ下がるようにして、最終熱処理ゾーンからの熱風と横延伸ゾーンからの熱風を遮断した。その後、中間ゾーンを通過したフィルムを最終熱処理ゾーンに導き、195℃で5秒間最終熱処理した。このとき、最終熱処理を行うと同時にフィルム幅方向のクリップ間隔を狭めることにより、幅方向に3%リラックス処理を行った。最終熱処理ゾーンを通過後のフィルムを30℃の冷却風で5秒間冷却し、両縁部を裁断除去して幅500mmでロール状に巻き取ることによって、厚さ20μmの二軸延伸フィルムを所定の長さにわたって連続的に製造した。
(ポリエステルフィルムNo.2~9の製膜)
上記ポリエステルフィルムNo.1において、表2に記載のように原料の配合比率、樹脂の押出条件、縦延伸、中間熱処理、横延伸、最終熱処理条件などを種々変更したこと以外は上記No.1と同様にして各ポリエステルフィルムを製膜した。
なお表2のポリエステルフィルムNo.2およびNo.8は、A層とB層の組成が同じ例である。ここでは便宜上、B層の欄にポリエステル原料の組成を記載しているが、他のポリエステルフィルムのようにA層とB層の積層でなく、A層が2層重なった積層(A層/A層の1種2層構成)の例である。
また表2のポリエステルフィルムNo.9は、B層とA層とB層の積層(B層/A層/B層の2種3層構成)の例である。
Figure 0007477968000002
[実施例1]
表2のポリエステルフィルムNo.1と秤量17g/m2のレーヨン紙を、ドライラミネーション用接着剤(三井化学社製タケラック(登録商標)A-950)を用いて乾燥後の接着剤層が1.5μmとなるように積層し、上記接着剤層を介して積層された実施例1のラミネート紙を得た。ここでは、ポリエステルフィルムのB層側面とレーヨン紙が重なるように積層した。得られたラミネート紙の評価結果を表3に示す。
[実施例2~7、比較例1、2]
上記実施例1において、ポリエステルフィルムの種類を表3のように変更したこと以外は上記実施例1と同様にして実施例2~7、比較例1、2の各ラミネート紙を作製した。得られた各ラミネート紙の評価結果を表3に示す。
[比較例3]
比較例3では、ポリエステルフィルムではなくポリエチレンフィルムを使用した。詳細には上記実施例1において、ポリエチレン樹脂が15μmの厚さとなるように調製し、これを、秤量17g/m2のレーヨン紙に積層したこと以外は上記実施例1と同様にして比
較例3のラミネート紙を作製した。得られた各ラミネート紙の評価結果を表3に示す。
[比較例4~6]
以下の比較例4~6はラミネート紙でなく、紙またはポリエステルフィルムの各単体の例である。
比較例4では、ポリエステルフィルムを使用せず、秤量64g/m2の上質紙単体の特性を上記実施例1と同様にして評価した。
比較例5では、紙を使用せず、ポリエステルフィルムNo.1単体の特性を上記実施例1と同様にして評価した。
比較例6では、紙を使用せず、ポリエステルフィルムNo.2単体の特性を上記実施例1と同様にして評価した。
これらの結果を表3に示す。
[実施例8]
表2のポリエステルフィルムNo.1の片面に、無機薄膜層として二酸化ケイ素と酸化アルミニウムの複合無機酸化物層を電子ビーム蒸着法で形成した。蒸着源としては、3mm~5mm程度の粒子状SiO2(純度99.9%)とA123(純度99.9%)を用いた。無機薄膜層を構成する複合酸化物の組成は、SiO2/A123(質量比)=60/40であった。またこのようにして得られたフィルム(無機薄膜層/二軸延伸ポリエステルフィルム)における無機薄膜層(SiO2/A123複合酸化物層)の膜厚は13nmであった。
以上のようにしてポリエステルフィルムNo.1のB層側面上に無機薄膜層を備えた積層フィルムを得た。得られた積層フィルムと秤量17g/m2のレーヨン紙を、ドライラミネーション用接着剤(三井化学社製タケラック(登録商標)A-950)を用いて乾燥後の接着剤層が1.5μmとなるように積層し、上記接着剤層を介して積層された実施例8のラミネート紙を得た。ラミネート紙は、紙層/接着剤層/無機薄膜層/ポリエステルフィルム層の順で積層された構成である。
得られたラミネート紙について(6)水蒸気透過度、(7)酸素透過度、を評価した結果、水蒸気透過度は2.0(g/m2・day)、酸素透過度は32(ml/m2・day・MPa)であった。その他の特性を上記実施例1と同様にして評価した。評価結果を表3に示す。
[実施例9]
表2のポリエステルフィルムNo.2の片面に、無機薄膜層として二酸化ケイ素と酸化アルミニウムの複合無機酸化物層を電子ビーム蒸着法で形成した。蒸着源としては、3mm~5mm程度の粒子状SiO2(純度99.9%)とA123(純度99.9%)を用いた。ここで複合酸化物層の組成は、SiO2/A123(質量比)=60/40であった。またこのようにして得られたフィルム(無機薄膜層/二軸延伸ポリエステルフィルム)における無機薄膜層(SiO2/A123複合酸化物層)の膜厚は14nmであった。
以上のようにして、ポリエステルフィルムNo.2のB層側面上に無機薄膜層を備えた積層フィルムを得た。得られた積層フィルムと秤量17g/m2のレーヨン紙を、ドライラミネーション用接着剤(三井化学社製タケラック(登録商標)A-950)を用いて乾燥後の接着剤層が1.5μmとなるように積層し、上記接着剤層を介して積層された実施例9のラミネート紙を得た。ラミネート紙は、紙層/接着剤層/無機薄膜層/ポリエステルフィルム層の順で積層された構成である。
得られたラミネート紙について、(6)水蒸気透過度、(7)酸素透過度、を評価したところ、水蒸気透過度は2.0(g/m2・day)、酸素透過度は31(ml/m2・day・MPa)であった。その他の特性を上記実施例1と同様にして評価した。評価結果を表3に示す。
Figure 0007477968000003
Figure 0007477968000004
[評価結果]
実施例1~9のラミネート紙の各特性は表3に示すとおりであり、いずれも良好な評価結果が得られた。実施例8及び9のラミネート紙は水蒸気透過度と酸素透過度においても良好な評価結果であった。なお、実施例7のラミネート紙は、B層(耐熱性層)中に非晶成分を含まない表2のポリエステルフィルムNo.7を用いたため、カールが若干発生した(表には示さず)が、取扱いは可能であった。
これに対し、比較例1~6の各ラミネート紙は以下の不具合を抱えている。
まず比較例1は、ポリエステルフィルム層を構成するB層の非晶成分量が多いポリエステルフィルムNo.8を用いた例である。そのため、80℃温湯収縮率が、長手方向および幅方向のいずれにおいても大きくなり、且つ、23℃、65%RHでの引裂伝播強度は長手方向および幅方向のいずれにおいても小さくなった。更に水浸漬後の長手方向における引裂伝播強度も、好ましい下限を下回った。
比較例2は、縦延伸温度および最終熱処理温度の両方が好ましい上限を超え、且つ、長手方向へのリラックスを行わずに製膜したポリエステルフィルムNo.9を用いた例である。そのため、23℃、65%RHでの引裂伝播強度は長手方向および幅方向のいずれにおいても小さくなると共に、ヒートシール強度も2N/15mmを下回って低くなった。更に水浸漬後の長手方向における引裂伝播強度も、好ましい下限を下回った。
比較例3は、ポリエステルフィルムでなく、ポリエチレンフィルムを紙とラミネートした従来例であり、折畳み保持角度が80度を超えて大きくなり、折畳み保持性に劣るものであった。
更に比較例4の上質紙単体、および比較例5、6のポリエステルフィルム単体は、以下の問題点を抱えている。
まず、比較例4の上質紙単体は、ヒートシール強度が低下した。更に水浸漬後の長手方向および幅方向における引裂伝播強度も、好ましい下限を下回った。
比較例5のポリエステルフィルム単体は、23℃、65%RHでの引裂伝播強度は長手方向および幅方向のいずれにおいても小さくなると共に、触感および異音の各評価が著しく低下した。
比較例6のポリエステルフィルム単体も上記比較例5と同様、23℃、65%RHでの引裂伝播強度は長手方向および幅方向のいずれにおいても小さくなると共に、触感および異音の各評価が著しく低下した。更に水浸漬後の長手方向および幅方向における引裂伝播強度も、好ましい下限を下回った。
本発明のラミネート紙は、良好なヒートシール性能を有し、折畳み保持性に優れ、且つ、取扱い時の触感が良好で異音を発生しないので、包装材料などに好適に用いることができる。
F:引裂伝播強度測定用サンプル

Claims (7)

  1. 紙層およびポリエステルフィルム層の各層を少なくとも1層有し、前記ポリエステルフィルム層は、ヒートシール層および耐熱性層の少なくとも2層を有するものであり、
    前記ヒートシール層は、前記ヒートシール層のポリエステルの構成ユニット100モル%中エチレンテレフタレートユニットが50モル%以上、且つ
    前記ヒートシール層の全モノマー成分中、非晶成分となり得るイソフタル酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、ネオペンチルグリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール、2-n-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2,2-イソプロピル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジ-n-ブチル-1,3-プロパンジオール、およびヘキサンジオールよりなる群から選ばれる1種以上のモノマー成分が合計で10モル%以上30モル%以下であり、
    前記耐熱性層は、前記耐熱性層のポリエステルの構成ユニット100モル%中エチレンテレフタレートユニットが50モル%以上、且つ
    前記耐熱性層の全モノマー成分中、非晶成分となり得る1種以上の前記モノマー成分が合計で18モル%以下(0モル%含む)であり、
    前記ヒートシール層に含まれる前記非晶成分となり得るモノマー成分合計量から、耐熱層に含まれる非晶成分となり得るモノマー成分合計量を引いた差が0モル%以上であり、
    更に
    以下の(1)~(4)を満たすことを特徴とするラミネート紙。
    (1)80℃温湯中に10秒間浸漬した後のラミネート紙の収縮率が長手方向および幅方向において、いずれも6%以下
    (2)23℃、相対湿度65%の環境下で24時間保管した後のラミネート紙の折畳み保持角度が80度以下
    (前記折畳み保持角度は以下の測定条件によって得られた山折りでの折畳み保持角度と谷折りでの折畳み保持角度の平均値である。山折りでの折畳み保持角度は、ラミネート紙を、23℃、65%RH環境下の恒温室で24時間放置した後、ラミネート紙を10cm×10cmの正方形に裁断し、紙層が外面側になるようにして、最初の2つ折りで出来た長方形の短辺が長手方向になるように2つ折りを2回行って4つ折(5cm×5cmの正方形)にし、大きさが10cm×15cmで厚みが2mmのガラス2枚に上記4つ折りのラミネート紙を挟み、5kgのおもりを上記ガラスの上に置いて10秒間プレスする。その後、4つ折りのラミネート紙からおもりを外した後、最後にできた折目を基点としてラミネート紙が開いた角度を測定し、測定サンプル数はN=2として、その平均値である。
    谷折りでの折畳み保持角度とは、これとは別に、紙層が内面側となるようにしたこと以外は上記と同じ方法で各ラミネート紙を4つ折りにして処理し、最後にできた折目を基点としてラミネート紙が開いた角度を測定し、測定サンプル数はN=2として、その平均値である。得られた上記山折りでの折畳み保持角度と谷折りでの折畳み保持角度の平均値をラミネート紙の折畳み保持角度とする。)
    (3)23℃、相対湿度65%の環境下で測定したときのラミネート紙の引裂伝播強度が長手方向および幅方向において、いずれも200mN以上700mN以下
    (前記引裂伝播強度は以下の測定条件によって得られた値である。長手方向の引裂伝播強度は、JIS-K-7128-3に準じ、ラミネート紙の長手方向が引裂方向になるように試験片を切り出し、引張試験機で前記試験片の幅方向両端を掴み、23℃、65%RHの雰囲気環境下、引張速度200mm/分にて引張試験を行い、前記試験片が長手方向に完全に引裂かれたときの最大荷重を測定し、得られた最大荷重である。幅方向の引裂伝播強度は、前記試験片の幅方向が引裂方向になるようにした以外は前記長手方向の引裂伝播強度と同様にして前記試験片が幅方向に完全に引裂かれたときの最大荷重である。)
    (4)ポリエステルフィルム層同士を180℃、0.2MPa、2秒間ヒートシールしたときのヒートシール強度が2N/15mm以上25N/15mm以下
  2. 前記紙層および前記ポリエステルフィルム層が接着剤を介してラミネートされている請求項1に記載のラミネート紙。
  3. 前記ヒートシール層は、1,4-ブタンジオールが30モル%以下(0モル%含む)である請求項1に記載のラミネート紙。
  4. 前記ヒートシール層に含まれる前記モノマー成分の合計量と、前記耐熱性層に含まれる前記モノマー成分の合計量との差は2モル%以上である請求項1に記載のラミネート紙。
  5. 更に無機薄膜層を有するものである請求項1~4のいずれかに記載のラミネート紙。
  6. 包装材料に用いられる請求項1~5のいずれかに記載のラミネート紙。
  7. 包装袋または防臭袋に用いられる請求項1~5のいずれかに記載のラミネート紙。
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