JP7475559B2 - 車両用制御装置 - Google Patents

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Description

本願は、車両用制御装置に関するものである。
近年、自動車業界ではOTA(Over The Air)技術を利用した車両用制御装置のソフトウェア更新が採用され始めている。OTA技術は、無線通信を利用してデータを送受信することを指す。特に、スマートフォンを代表とする無線通信端末において無線通信端末自身のOS(Operating System)または設定されたアプリケーションソフトウェアの更新のためのデータ通信のことを指してOTAと称する場合が多い。
車両用制御装置のソフトウェア更新を、OTA技術を用いて安定的に実施する装置が提案されている。車両の電源オン、オフの状態、車両の配送計画に応じたソフトウェアの更新方法について提案されている(例えば特許文献1)。
特開2021-81779号公報
特許文献1に記載の技術によれば、車両用制御装置のソフトウェアの更新に際して、実行要件を車両用マスタ装置に通知する。そして、その要件が満たされた場合にソフトウェア更新を実行する。このようにすることで、安定した環境でOTA技術を用いたソフトウェアの更新を実行することができる。
しかし、特許文献1に記載の技術では、更新すべきソフトウェアの優先順位が考慮されていない。このため、車両状態に基づいてソフトウェアの更新の可否判断を行っても、優先度の高いソフトウェアの更新が後回しとなって、車両用制御装置の挙動に悪影響を及ぼしてしまう可能性がある。また、優先順位の低いソフトウェアの更新頻度が高くなって演算処理装置の負担が大きくなる場合も想定される。
本願はかかる課題を解決するためになされたものである。車両に搭載された演算処理装置のソフトウェアを更新する場合に、優先度の高いソフトウェアの更新を実施し、車両が正常に動作しなくなることを防ぎ、車両挙動に悪影響を生じないソフトウェアの更新が可能となる車両用制御装置を得ることを目的とする。
本願に係る車両用制御装置は、
演算処理装置、
演算処理装置によって実行されるソフトウェアが書き込まれた記憶装置、
演算処理装置によって実行されるソフトウェアの優先度を読み出す優先度読出部、
演算処理装置によって実行されるソフトウェアを更新する更新ソフトウェアを受信する受信部、
受信部によって受信された更新ソフトウェアによって更新するソフトウェアに対する優先度を優先度読出部から読み出し、優先度に基づいてソフトウェアが更新可能かどうか判定する更新可否判定部、
更新可否判定部によって更新可能と判定された場合更新ソフトウェアを記憶装置に転送するソフトウェア更新部、を備えた車両用制御装置において、
記憶装置は、複数のソフトウェアが記憶され、
優先度読出部は、ソフトウェアごとに定められた優先度を読み出し、
受信部は、演算処理装置によって実行される第一のソフトウェアを更新する第一の更新ソフトウェアを受信し、
更新可否判定部は、第一のソフトウェアが操作するデータを参照する第二のソフトウェアがある場合は、優先度読出部から読み出した第一のソフトウェアの優先度が予め定められた優先度閾値よりも大きく、かつ優先度読出部から読み出した第二のソフトウェアの優先度が優先度閾値以下である場合に第一のソフトウェアは更新可能と判定し、
ソフトウェア更新部は更新可否判定部によって第一のソフトウェアが更新可能と判定された場合第一の更新ソフトウェアを記憶装置に転送するものである。
本願に係る車両用制御装置では、演算処理装置のソフトウェアを更新する場合に、ソフトウェアごとに設定された優先度に基づいてソフトウェア更新の可否を決定する。それにより、優先度の高いソフトウェアの更新を実施し、車両が正常に動作しなくなることを防ぎ、車両挙動に悪影響が生じないソフトウェアの更新を可能とすることができる。
実施の形態1に係る車両用制御装置の概略構成図である。 実施の形態1に係る車両用制御装置のマスタ制御装置、接続制御装置、サーバのハードウェア構成図である。 実施の形態1に係る車両用制御装置の接続を示す構成図である。 実施の形態1に係る車両用制御装置のマスタ制御装置の機能ブロック図である。 実施の形態1に係る車両用制御装置の第一接続制御装置の機能ブロック図である。 実施の形態1に係る車両用制御装置の第一接続制御装置の第一のソフトウェア構成図である。 実施の形態1に係る車両用制御装置の第一接続制御装置の第二のソフトウェア構成図である。 実施の形態1に係る車両用制御装置の第一接続制御装置の第三のソフトウェア構成図である。 実施の形態1に係るソフトウェア更新時の更新可否判定の組み合わせを説明する図である。 実施の形態1に係る車両用制御装置のマスタ制御装置の処理を示すフローチャートである。 実施の形態1に係る車両用制御装置の接続制御装置の処理を示すフローチャートである。 実施の形態1に係る車両用制御装置のデータ対応処理を示す第一のフローチャートである。 実施の形態1に係る車両用制御装置のデータ対応処理を示す第二のフローチャートである。 実施の形態1に係るソフトウェア更新時の共通データと参照ソフトウェアの関係を説明する図である。 実施の形態1に係るソフトウェア更新時の優先度管理を説明する図である。 実施の形態2に係る車両用制御装置のマスタ制御装置の機能ブロック図である。 実施の形態2に係る車両用制御装置の第一接続制御装置の機能ブロック図である。 実施の形態2に係る車両用制御装置のデータ対応処理を示す第一のフローチャートである。 実施の形態3に係る車両用制御装置のマスタ制御装置の機能ブロック図である。 実施の形態3に係る車両用制御装置のマスタ制御装置の処理を示すフローチャートである。 実施の形態4に係る車両用制御装置のマスタ制御装置の機能ブロック図である。 実施の形態4に係る車両用制御装置のマスタ制御装置の処理を示すフローチャートである。
以下、本願の実施の形態に係る車両用制御装置について、図面を参照して説明する。
1.実施の形態1
<車両用制御装置の構成>
図1は、実施の形態1に係る車両用制御装置1の概略構成図である。車両に搭載された車両用制御装置1は、マスタ制御装置100とこれに接続された第一接続制御装置200、第二接続制御装置300、第三接続制御装置400から構成される。マスタ制御装置100に接続される接続制御装置は、一台のみ接続される構成でもよい。また、接続制御装置はより多数設定されていてもよい。
マスタ制御装置100とサーバ900は広域通信網を介して相互通信可能である。サーバ900は車両用制御装置1に対して車両機能向上のための更新ソフトウェアを送信することができる。図1では、サーバ900はクラウド上に構成している場合を示し、雲に乗った図でこの構成を表現している。
サーバ900から、更新ソフトウェアを受信したマスタ制御装置100は、更新ソフトウェアが、マスタ制御装置100に内蔵しているソフトウェアの更新用か、第一接続制御装置200、第二接続制御装置300、第三接続制御装置400のいずれに内蔵しているソフトウェアの更新用かを識別する。そして、更新用ソフトウェアを該当する制御装置に転送してソフトウェアを書き換えさせる。
<制御装置のハードウェア構成>
図2は、実施の形態1に係る車両用制御装置1のマスタ制御装置100、サーバ900、第一接続制御装置200、第二接続制御装置300、第三接続制御装置400、に適用することができるハードウェア構成図である。以下、代表としてマスタ制御装置100について説明する。マスタ制御装置100の各機能は、マスタ制御装置100が備えた処理回路により実現される。具体的には、マスタ制御装置100は、図2に示すように、処理回路として、CPU(Central Processing Unit)などの演算処理装置90(コンピュータ)、演算処理装置90とデータのやり取りする記憶装置91、演算処理装置90に外部の信号を入力する入力回路92、演算処理装置90から外部に信号を出力する出力回路93、及び通信路98を介してデータを送受信する通信部99などのインターフェースを備えている。
演算処理装置90として、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、IC(Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、各種の論理回路、及び各種の信号処理回路などが備えられてもよい。演算処理装置90にはSoC(System on a Chip)技術が適用されてもよい。また、演算処理装置90として、同じ種類のものまたは異なる種類のものが複数備えられ、各処理が分担して実行されてもよい。マスタ制御装置100には、記憶装置91として、演算処理装置90からデータを読み出し及び書き込みが可能に構成されたRAM(Random Access Memory)、演算処理装置90からデータを読み出し可能に構成されたROM(Read Only Memory)などが備えられている。記憶装置91は、演算処理装置90に内蔵されていてもよい。入力回路92は、入力信号、センサ、スイッチが接続され、これら入力信号、センサ、スイッチの信号を演算処理装置90に入力するA/D変換器などを備えている。出力回路93は、スイッチング素子をオンオフ駆動するゲート駆動回路などの電気負荷が接続され、これら電気負荷に演算処理装置90から制御信号を出力する駆動回路などを備えている。通信部99は通信路98を介して外部の制御装置などの外部装置とデータのやり取りを行うことができる。
マスタ制御装置100が備える各機能は、演算処理装置90が、ROMなどの記憶装置91に記憶されたソフトウェア(プログラム)を実行し、記憶装置91、入力回路92、及び出力回路93などのマスタ制御装置100の他のハードウェアと協働することにより実現される。なお、マスタ制御装置100が用いる閾値、判定値などの設定データは、ソフトウェア(プログラム)の一部として、ROMなどの記憶装置91に記憶されている。マスタ制御装置100の有する各機能は、それぞれソフトウェアのモジュールで構成されるものであってもよいが、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせによって構成されるものであってもよい。
<各制御装置の接続>
図3は、実施の形態1に係る車両用制御装置1の接続を示す構成図である。図1の概略構成図に対し、図2にて説明した各制御装置のハードウェア構成と、各制御装置間の接続について記載している。図3では、マスタ制御装置100と、第一接続制御装置200、第二接続制御装置300、第三接続制御装置400を通信バス198で接続した例を示している。
サーバ900の記憶装置991には、サーバ900の処理に使用するソフトウェアが書き込まれている。そして、記憶装置991にはその他に、車両用制御装置1において使用される、演算処理装置ごとに割り当てられた記憶装置に書き込まれているソフトウェアの最新ソフトウェア(更新ソフトウェアと称する)を保管している。サーバ900の演算処理装置990は、必要と判断した時に、通信部999から更新ソフトウェアを送信する。サーバ900は、広域通信網198aを介して車両用制御装置1へデータを伝達し更新ソフトウェアの書き込みを指示する。
車両用制御装置1のマスタ制御装置100は、通信部199aを介してサーバ900から送信された更新ソフトウェアに関する情報を受信する。マスタ制御装置100の演算処理装置190は、更新ソフトウェアの対象が、マスタ制御装置100であるか、第一接続制御装置200などの他の制御装置であるかどうかを判断する。更新ソフトウェアの対象がマスタ制御装置100の記憶装置191に保有するソフトウェアのためのものでない場合、車内通信部199を介して通信バス198にデータを転送する。
第一接続制御装置200が、記憶装置291に、更新ソフトウェアの対象となるソフトウェアを保有する場合について説明する。第一接続制御装置200は、サーバ900から発信された更新ソフトウェアを、車内通信部299を介して受信する。第一接続制御装置200の演算処理装置290は、更新ソフトウェアを記憶装置291に書き込む。第一接続制御装置200は書き込み完了の情報を、車内通信部299から送信する。通信バス198を介して車内通信部199から、更新ソフトウェアの書き込み完了の情報を受信したマスタ制御装置100は、通信部199aからサーバ900へこの情報を送信する。
<マスタ制御装置の機能ブロック>
図4は、実施の形態1に係る車両用制御装置1のマスタ制御装置100の機能ブロック図である。各ブロックの機能について説明する。
通信部199aは、広域通信網198aを介しOTA技術を用いて車外のサーバ900との通信を行う。通信部199aは、受信部199b、送信部199cを有する。マスタ制御装置100は、受信部199bによって、サーバ900から更新プログラムを受信する。マスタ制御装置100は、ソフトウェアの更新結果、更新可否判断結果を送信部199cによってサーバ900へ送信する。
通信部199aは、サーバ900から受信したデータが、マスタECU100で対応するべきものであるか、他の接続制御装置で対応するべきものであるかを判断する。他の接続制御装置で対応するべきものであれば、車内通信部199から車内の通信バス198を介して該当する接続制御装置へ受信データを転送する。受信データがマスタECU100で対応するべきものであれば、通信部199aは、サーバ900から受信したデータをデータ解析部102へ伝達する。
データ解析部102は、伝達されたデータが、優先度閾値データ更新用の情報か、更新ソフトウェアかを判別する(優先度閾値は、以後「閾値」と称する)。閾値データ更新用の情報の場合は、閾値変更部103にデータを伝達して、判断閾値データベース105を更新する。
データ解析部102は、伝達されたデータが、更新ソフトウェアである場合に更新対象ソフトウェア(もしくは更新対象ソフトウェアが含まれる機器)の識別を行い、更新可否判定部106へデータを伝達する。
更新可否判定部106は、更新対象ソフトウェアの優先度を優先度読出部104から読み出す。更新可否判定部106は、判断閾値データベース105から閾値を読み出す。更新可否判定部106は、更新対象ソフトウェアの優先度が閾値よりも大きければ、ソフトウェア更新部108に更新ソフトウェアの書き込みをさせる。例えばソフトウェアの優先度が10段階の場合、更新対象ソフトウェアの優先度が閾値6以上の場合は更新を実行させるなどの判断を行う。ソフトウェア更新部108は、更新ソフトウェアの更新実行後、更新が完了した旨をサーバ900へ送信すべく、通信部199aにデータを伝達する。
更新可否判定部106は、更新対象ソフトウェアの優先度が閾値以下の場合は、ソフトウェアの更新を保留する。更新可否判定部106は、その旨をサーバ900へ送信すべく、通信部199aにデータを伝達する。
<接続制御装置の機能ブロック>
図5は、実施の形態1に係る車両用制御装置1の第一接続制御装置200の機能ブロック図である。ここでは、第一接続制御装置200について説明するが、サーバ900から受信したデータがその他の接続制御装置で対応するべきものであっても、他の接続制御装置で同様に対応できる。その他の接続制御装置についての機能も同様なので、第一接続制御装置200に代表させて説明する。
車内通信部201が、車内の通信バス198を介してマスタ制御装置100から転送されたデータを受信する。車内通信部201は、受信したデータが、第一接続制御装置200で対応するべきものであるか、他の接続制御装置で対応するべきものであるかを判断する。受信データが第一接続制御装置200で対応するべきものであれば、車内通信部201は、受信したデータをデータ解析部202へ伝達する。
データ解析部202は、伝達されたデータが、閾値データ更新用の情報か、更新ソフトウェアかを判別する。閾値データ更新用の情報の場合は、閾値変更部203にデータを伝達して、判断閾値データベース205を更新する。
データ解析部202は、伝達されたデータが、更新ソフトウェアである場合に更新対象ソフトウェア(もしくは更新対象ソフトウェアが含まれる機器)の識別を行い、更新可否判定部206へデータを伝達する。
更新可否判定部206は、更新対象ソフトウェアの優先度を優先度読出部204から読み出す。更新可否判定部206は、判断閾値データベース205から閾値を読み出す。更新可否判定部206は、更新対象ソフトウェアの優先度が閾値よりも大きければ、ソフトウェア更新部208に更新ソフトウェアの書き込みをさせる。例えばソフトウェアの優先度が10段階の場合、更新対象ソフトウェアの優先度が閾値6以上の場合は更新を実行させるなどの判断を行う。ソフトウェア更新部208は、更新ソフトウェアの更新実行後、更新が完了した旨をサーバ900へ送信すべく、車内通信部201にデータを伝達する。伝達されたデータは、マスタ制御装置100の通信部199aからサーバ900へ送信される。
更新可否判定部206は、更新対象ソフトウェアの優先度が閾値以下の場合は、ソフトウェアの更新を保留する。更新可否判定部206は、その旨をサーバ900へ送信すべく、車内通信部201にデータを伝達する。伝達されたデータは、マスタ制御装置100の通信部199aからサーバ900へ送信される。
<更新ソフトウェアが操作するデータの参照>
上記では、更新されるソフトウェアが有する優先度は閾値よりも大きい場合にのみ、ソフトウェアの更新を実施することについて説明した。ソフトウェア更新時に優先度の高いソフトウェアの更新が後回しとなって、車両用制御装置の挙動に影響を及ぼしてしまう可能性について、優先度の設定によってこれを回避することができる。
ここで、更新されるソフトウェアが操作するデータについて検討する。ソフトウェアが、他のソフトウェアとOS、プログラムまたはデータを共有する場合がある。共有するデータには設定情報、コンテンツ(音声、画像、動画など)が含まれる。更新されるソフトウェアがこれらの共有OS、プログラムまたはデータを操作してデータを書き換えている場合には、これらを共有する他のソフトウェアに影響を及ぼすこととなる。
上記の状況は、更新される第一のソフトウェアが操作するデータを参照する第二のソフトウェア(参照ソフトウェアとも言う)がある場合、と言い換えることができる。この場合に、第一のソフトウェアの更新によって、第二のソフトウェアの挙動に影響を与える可能性がある。このとき、第二のソフトウェアの優先度が閾値より高い場合は、影響を鑑みてソフトウェアの更新を保留してもよい。そうすることによって、従来のソフトウェアのままで、車両の走行を継続できる。これによって、第二のソフトウェアの不測の動作による悪影響を防止することができる。
よって、更新される第一のソフトウェアが操作するデータを参照する第二のソフトウェアがある場合、第二のソフトウェアの優先度が閾値以下の場合にのみ、更新ソフトウェアを書き換えることとすればよい。優先度が小さいソフトウェアは、車両の挙動に与える影響度も小さいので、第一のソフトウェアの更新によって問題が発生する可能性が小さいからである。第一のソフトウェアの更新は、第一のソフトウェア単体の更新の場合と、第一のソフトウェアが操作するデータ(共有OS、プログラムを含む)とともに更新する場合の両方の場合に適用できる。
図6は、実施の形態1に係る車両用制御装置1の第一接続制御装置200の第一のソフトウェア構成図の例である。ここでは、第一接続制御装置200の記憶装置に書き込まれているソフトウェア(A)281とソフトウェア(B)282の例について示す。ソフトウェア(A)281とソフトウェア(B)282は、データ283を共有している。ソフトウェア(A)281がデータ283を操作している場合、ソフトウェア(A)281を更新した場合に、データ283に不連続な値が書き込まれることも考えられるので問題となる。
図7は、実施の形態1に係る車両用制御装置1の第一接続制御装置200の第二のソフトウェア構成図である。ここで、ソフトウェア(A)281は優先度8、ソフトウェア(B)282は優先度2を有している。この場合、ソフトウェアの更新対象としてソフトウェア(A)281が選択された場合について考える。
閾値6が設定されている場合、更新される第一のソフトウェアとしてソフトウェア(A)281が有する優先度8は、閾値6より大きい。また、第一のソフトウェアであるソフトウェア(A)281が操作するデータ283を参照する第二のソフトウェアとしてのソフトウェア(B)282が有する優先度2は、閾値6以下である。よって、図7に示されたソフトウェア(A)281の更新は可能と判断される。
図8は、実施の形態1に係る車両用制御装置1の第一接続制御装置200の第三のソフトウェア構成図である。ここで、ソフトウェア(A)281は優先度8、ソフトウェア(B)は優先度7を有している。この場合、ソフトウェアの更新対象としてソフトウェア(B)が選択された場合について考える。
閾値6が設定されている場合、更新される第一のソフトウェアとしてソフトウェア(B)282が有する優先度7は、閾値6より大きい。また、第一のソフトウェアであるソフトウェア(B)282が操作するデータ283を参照する第二のソフトウェアとしてのソフトウェア(A)281が有する優先度8は、閾値6以下でない。よって、図8に示されたソフトウェア(B)282の更新は保留と判断される。
図6から図8では、第一接続制御装置200のデータ283を共有するソフトウェア(A)281、ソフトウェア(B)282の更新の場合の例について説明した。しかしこの説明例は、第一接続制御装置200に限定するものではない。これらの例は、マスタ制御装置100、他の接続制御装置のソフトウェアの更新の場合にも適用できる。
<更新ソフトウェアと参照ソフトウェアの組合せ>
図9は、実施の形態1に係るソフトウェア更新時の更新可否判定の組み合わせを説明する図である。更新の対象ソフトウェア、参照ソフトウェアの二つのソフトウェアが存在するとき、それぞれのソフトウェアの優先度が閾値より大きい場合を「YES」、閾値以下である場合を「NO」で示す。それぞれが、「YES」または「NO」である組合せはパターン1、パターン2、パターン3、パターン4の四通り考えられる。このうち、更新の対象ソフトウェアの更新が可能(YES)と判断されるのはパターン1の場合だけである。
パターン2、パターン3、パターン4の場合はいずれも対象ソフトウェアの更新が保留(NO)とされる。このため、ソフトウェア更新がされないまま継続する場合が考えられる。データを共有する優先度が高いソフトウェアが複数ある場合は、これらを同時に更新することによって、不測の事態を回避しつつ、最新のバージョンのソフトウェアを活用することができる。
また、サーバ900からの強制的な更新指示、動的なソフトウェアの優先度の変更、閾値の更新により対応してもよい。ソフトウェアのセキュリティパッチの適用、バグ修正を実行するためには、これらの対応が必要となる場合がある。
<マスタ制御装置の処理のフローチャート>
図10は、実施の形態1に係る車両用制御装置1のマスタ制御装置100の処理を示すフローチャートである。図10のフローチャートは、図4で説明したマスタ制御装置100の各機能ブロックが動作する流れについて説明する。
図10のフローチャートの処理は、所定時間ごとに実行される(例えば10msごと)。図10のフローチャートの処理は、所定時間ごとではなく、車両が所定距離走行するごと、またはマスタ制御装置100がサーバ900からデータを受信するたび、といったイベントごとに実行されることとしてもよい。
処理が開始され、ステップS101で、サーバから受信した受信データがあるかどうか判定する。受信データが無い場合(判定はNO)は、処理を終了する。受信データが有る場合(判定はYES)は、ステップS108へ進む。
ステップS108では、受信データがマスタ制御装置100を対象としたデータであるかどうか判定する。以後、フローチャート中では、制御装置をECU(Electronic Control Unit)と記載する。受信データが、マスタECU100を対象としたデータでなければ(判定はNO)、ステップS110へ進む。
ステップS108で受信データが、マスタECU100を対象としたデータであれば(判定はYES)、ステップS300のデータ対応処理を実施する。ステップS300では閾値データの更新の実施、またはソフトウェアの更新の可否を判定し可能な場合ソフトウェアの更新を実施する。その後処理を終了する。ステップS300の内容は、図12、図13にて詳細を説明する。
ステップS110では、対象とする接続ECUへ車内通信部199から受信データを転送する。その後処理を終了する。
<接続制御装置の処理のフローチャート>
図11は、実施の形態1に係る車両用制御装置1の接続制御装置の処理を示すフローチャートである。図11のフローチャートは、図5で説明した第一接続制御装置200に代表される接続制御装置の各機能ブロックが動作する流れについて説明する。
図11のフローチャートの処理は、所定時間ごとに実行される(例えば10msごと)。図11のフローチャートの処理は、所定時間ごとではなく、車両が所定距離走行するごと、または接続制御装置がマスタ制御装置100からデータを受信するたび、といったイベントごとに実行されることとしてもよい。
処理が開始され、ステップS201で、マスタ制御装置100から送信され通信バス198を経由して受信した、当ECU宛の受信データがあるかどうか判定する。受信データが無い場合(判定はNO)は、処理を終了する。受信データが有る場合(判定はYES)は、ステップS300へ進む。ステップS300ではデータ対応処理を実施する。ステップS300では閾値データの更新の実施、またはソフトウェアの更新の可否を判定し可能な場合ソフトウェアの更新を実施する。その後処理を終了する。ステップS300の内容は、図12、図13にて詳細を説明する。
<データ対応処理のフローチャート>
図12は、実施の形態1に係る車両用制御装置1のデータ対応処理を示す第一のフローチャートである。図13は、実施の形態1に係る車両用制御装置1のデータ対応処理を示す第二のフローチャートであり、図12の続きの処理を示す。図12、図13に示すデータ対応処理は、図10、図11のステップS300に示したデータ対応処理の詳細を示す。データ対応処理は、マスタ制御装置100または第一接続制御装置200を始めとする接続制御装置で実行される処理である。
データ対応処理が開始されると、ステップS303で、受信データが閾値データであるかどうか判定する。受信データが閾値データでない場合(判定はNO)は、ステップS305へ進む。
ステップS303で、受信データが閾値データである場合(判定はYES)は、ステップS304で、閾値を更新する。具体的には、データ解析部が更新する閾値を閾値変更部に伝達し、閾値変更部が閾値データベースを更新する。その後ステップS305へ進む。
ステップS305では、受信データがソフトウェア更新データであるかどうか判定する。ソフトウェア更新データでない場合(判定はNO)は、処理を終了する。
ステップS305で、受信データがソフトウェア更新データである場合(判定はYES)は、ステップS306へ進む。ステップS306では、対象ソフトウェアの優先度を優先度読出部から読み出し、ステップS307へ進む。
ステップS307で、判定閾値データベースから閾値を読み出す。その後、図13のステップS308へ進む。
図13のステップS308では、読み出した対象ソフトウェアの優先度が閾値より大きいかどうか判定する。優先度が閾値より大きくない場合(判定はNO)は、ステップS314へ進む。
ステップS308で、優先度が閾値より大きい場合(判定はYES)は、ステップS309へ進む。ステップS309では、更新ソフトウェアに参照ソフトウェアが存在するかどうか判定する。すなわち、更新する対象のソフトウェアが操作するデータを、他のソフトウェアが参照しているかどうか判定する。更新ソフトウェアに参照ソフトウェアが存在しない場合(判定はNO)は、ステップS312へ進む。
ステップS309で、更新ソフトウェアに参照ソフトウェアが存在する場合(判定はYES)は、ステップS310へ進む。ステップS310で、参照ソフトウェアの優先度を優先度読み出し部から読み出す。
次に、ステップS311で、参照ソフトウェアの優先度が閾値より大きいかどうか判定する。参照ソフトウェアの優先度が閾値より大きい(閾値以下の値でない)場合(判定はYES)は、ステップS314へ進む。
ステップS314では、ソフトウェア更新を保留する旨、サーバ900へ通知する。その後、処理を終了する。
ステップS311で、参照ソフトウェアの優先度が閾値より大きくない(閾値以下の値である)場合(判定はNO)は、ステップS312へ進む。ステップS312では、更新ソフトウェアを、記憶装置に書き込む。そして、ステップS313で、ソフトウェア更新を完了した旨、サーバ900へ通知する。その後、処理を終了する。
上記のように、更新ソフトウェアの優先度が閾値以上の時のみ、ソフトウェアの更新を実行するので、更新が必要なソフトウェアを優先的に更新できる。また、更新するソフトウェアが操作するデータを参照するソフトウェアがある場合は、参照ソフトウェアの優先度が閾値以下の場合にのみ、ソフトウェア更新を実行する。これによって、共有データを参照するソフトウェアの不測の動作による悪影響を回避しつつ、最新のバージョンのソフトウェアを活用することができる。
また、サーバ900から、閾値を変更する指示を受けた場合は、閾値を更新することができる。これにより、最適な閾値に変更しつつ、車両用制御装置1のソフトウェア更新を継続することができる。
<参照ソフトウェア、重要度のデータ>
図14は、実施の形態1に係るソフトウェア更新時の共通データと参照ソフトウェアの関係を説明する図である。図14は、共通データに対して、当該データを参照している参照ソフトウェアの一覧の例を示す。これらの共通データを操作するソフトウェアを更新する場合は、これらの共通データを参照するソフトウェアの優先度を確認し、閾値以下であることを判定する必要がある。
図15は、実施の形態1に係るソフトウェア更新時の優先度管理を説明する図である。図15は、制御装置内のソフトウェアそれぞれについて優先度が規定されていることを示す。
図14、図15に示したデータを、制御装置の記憶装置に保有している。そして、これらのデータを用いて、ソフトウェア更新時における、ソフトウェアごとの優先度の読み出し、参照ソフトウェアの優先度の読み出し、および閾値との比較を実施する。
2.実施の形態2
<マスタ制御装置の機能ブロック>
図16は、実施の形態2に係る車両用制御装置1aのマスタ制御装置100aの機能ブロック図である(車両用制御装置1aは不図示)。実施の形態2に係る図16に示したマスタ制御装置100aにおいて、優先度変更部109が追加された点が、実施の形態1に係る図4に示したマスタ制御装置100と異なる。図2に示した制御装置のハードウェア構成は、マスタ制御装置100aにも適用できる。
実施の形態2に係るマスタ制御装置100aは、サーバ900からの受信データによって、優先度を変更可能とした。サーバ900からの受信データが、マスタ制御装置100aを対象とするデータである場合に、通信部199aは、データ解析部102に受信データを伝達する、データ解析部102は、受信データが優先度を更新するデータである場合は、優先度変更部109に優先度のデータを渡して、優先度読出部104の優先度を更新させる。
<接続制御装置の機能ブロック>
図17は、実施の形態2に係る車両用制御装置1aの第一接続制御装置200aの機能ブロック図である。実施の形態2に係る図17に示した第一接続制御装置200aにおいて、優先度変更部209が追加された点が、実施の形態1に係る図5に示した第一接続制御装置200と異なる。図2に示した制御装置のハードウェア構成は、第一接続制御装置200aにも適用できる。
実施の形態2に係る第一接続制御装置200aは、サーバ900からの受信データによって、優先度を変更可能とした。サーバ900からの受信データが、第一接続制御装置200aを対象とするデータである場合に、マスタ制御装置100aから受信データを転送された車内通信部201は、データ解析部202に受信データを伝達する、データ解析部202は、受信データが優先度を更新するデータである場合は、優先度変更部209に優先度のデータを渡して、優先度読出部204の優先度を更新させる。
<データ対応処理のフローチャート>
図18は、実施の形態2に係る車両用制御装置1aのデータ対応処理を示す第一のフローチャートである。実施の形態2に係る車両用制御装置1aの処理のフローチャートは、実施の形態1に係る処理のフローチャートである図10、11、13を適用することができる。実施の形態1に係るフローチャートである図12を、実施の形態2では図18に置き換えた部分が異なる。図18は実施の形態2に係るデータ対応処理の前半部分を示す。データ対応処理の後半部分は図13を適用することができる。
図18のデータ対応処理を示す第一のフローチャートでは、図12のステップS303の前にステップS301、ステップS302を追加した点のみが異なる。異なる部分について説明し、同じ部分については説明を省略する。
図18のフローチャートでは、データ対応処理が開始されると、ステップS301で、受信データが優先度データであるかどうか判定する。受信データが優先度データでない場合(判定はNO)は、ステップS303へ進む。
ステップS301で、受信データが優先度データである場合(判定はYES)は、ステップS302で、優先度データを更新する。具体的には、データ解析部が更新する優先度データを優先度変更部に伝達し、優先度変更部が優先度読出部の優先度データを更新する。その後ステップS303へ進む。
このようにして、実施の形態2では、優先度データをサーバ900の指示によって更新できるので、必要に応じて更新するソフトウェアを変更し、適切なソフトウェアの更新を実施することが可能となる。また参照ソフトウェアの優先度を変更することで適切なソフトウェアの更新を実施することが可能となる。
3.実施の形態3
<マスタ制御装置の機能ブロック>
図19は、実施の形態3に係る車両用制御装置1bのマスタ制御装置100bの機能ブロック図である(車両用制御装置1bは不図示)。実施の形態3に係る図19に示したマスタ制御装置100bにおいて、運転状況判定部110が追加された点が、実施の形態2に係る図16に示したマスタ制御装置100aと異なる。図2に示した制御装置のハードウェア構成は、マスタ制御装置100bにも適用できる。
実施の形態3に係るマスタ制御装置100bは、車両の運転状況を判定して、優先度を変更可能とした。運転状況信号を運転状況信号線111から受けて、運転状況判定部110は車両の運転状況を判定する。運転状況としては、車両が位置している場所、車両の存在する時間、日月年、天候、イグニッションスイッチのオン、オフ状態、車速、エンジン回転数、バッテリの残容量、車両用制御装置のハードウェア構成、ソフトウェア構成の状況などを挙げることができる。これらの状況に応じて、ソフトウェアの優先度をそれぞれ変化させることができる。
夜の時間帯など、周囲が暗い場合、照明の制御に係るソフトウェアの更新が重要になる。このような場合に、照明の制御に係るソフトウェアの更新優先度を上げてもよい。車両の存在する位置(地域)と月日に関する情報から、積雪が多い地区の冬季は、横滑り防止装置、アンチロックブレーキ制御装置の更新優先度を向上させてもよい。ナビゲーション装置のデータを含むソフトウェアについて、車両の存在する地点の近隣の地区のデータ更新の優先度を向上させてもよい。
また、車両が停車中、またはイグニッションスイッチがオフの期間のみ、特定のソフトウェアの優先度を上げてその状態でのソフトウェア更新を促すこともできる。バッテリ残容量が大きい状態でのみ特定のソフトウェアの優先度を上げて、更新を促してもよい。
制御装置のハードウェア構成およびソフトウェア構成において、ソフトウェア更新時に記憶装置を二重化する場合がある。このような状況ではソフトウェア更新中に問題が発生しても、何時でも前バージョンのソフトウェアの実行状態に復帰できる。このため、ハードウェア構成およびソフトウェア構成の余裕度を指標として、ソフトウェアごとの優先度を変更してもよい。ソフトウェア更新時に記憶装置を二重化している状況では、構成の余裕度が高いとして当該ソフトウェアの優先度を上げることとしてもよい。そうすることで、より当該ソフトウェアの更新の機会を増やすことができる。
<マスタ制御装置の処理のフローチャート>
図20は、実施の形態3に係る車両用制御装置1bのマスタ制御装置100bの処理を示すフローチャートである。実施の形態3に係る車両用制御装置1bの処理のフローチャートは、実施の形態2に適用される処理のフローチャートである図11、18、13を適用することができる。実施の形態3に係る処理のフローチャートは、実施の形態2に適用されるフローチャートである図10を、図20に置き換えた部分が異なる。
実施の形態3に係るマスタ制御装置100bの処理のフローチャートである図20は、実施の形態1、実施の形態2に共通するマスタ制御装置の処理のフローチャートである図10のステップS101の前にステップS111からステップS114を追加した点が異なる。異なる部分について説明し、同じ部分については説明を省略する。
図20のフローチャートではマスタ制御装置100bの処理が開始された後、ステップS111で運転状況信号線111から運転状況信号を受けて、運転状況判定部110が車両の運転状況を判定する。そして、ステップS112で運転状況を優先度に反映する。
ステップS113では運転状況を優先度に反映した結果、優先度データに変更があったかどうかを判定する。優先度データに変更が無い場合(判定はNO)は、ステップS101へ進み、従来の処理に移行する。
ステップS113で優先度データに変更が有る場合(判定はYES)は、ステップS114へ進み、優先度データをマスタECUまたは接続ECUで処理する。更新された優先度データが、マスタECU対象のデータであれば、優先度変更部に優先度データが送られて、マスタECUの優先度データが更新される。マスタECU対象のデータでなければ、該当する接続ECUの優先度変更部に優先度データが送られる。そして、該当する接続ECUの優先度データが更新される。
このようにして、実施の形態3では、運転状況判定部によって検出した運転状況を優先度データに反映させて更新することができる。このため、ソフトウェアごとの優先度を動的に変更し、適切なソフトウェアの更新を実施することが可能となる。
4.実施の形態4
<マスタ制御装置の機能ブロック>
図21は、実施の形態4に係る車両用制御装置1cのマスタ制御装置100cの機能ブロック図である。(車両用制御装置1cは不図示)。実施の形態4に係る図21に示したマスタ制御装置100cにおいて、運転状況判定部110がユーザ入力部112に置換された点が、実施の形態3に係る図19に示したマスタ制御装置100bと異なる。図2に示した制御装置のハードウェア構成は、マスタ制御装置100cにも適用できる。
実施の形態4に係るマスタ制御装置100cは、ユーザ(運転者)の入力によって車両用制御装置1cのソフトウェアごとの優先度を変更可能とした。ユーザによる入力信号をユーザインターフェース信号線113から受けて、ユーザ入力部112はソフトウェアの優先順位を更新する。
ユーザの有する運転技量、要望、趣味、嗜好によって必要とするアプリケーション、機能が異なる場合がある。「自動運転アプリケーションは常に最新版としておきたい」、「エンターテインメント系アプリケーションは殆ど使わないので、最新化の必要性は低い」といったユーザの意思によってソフトウェアの優先度を変更してもよい。
ナビゲーション装置などのHMI(Human-Machine-Interface)を有する装置からの入力信号に基づいて、ユーザ入力部112に信号を入力する。ユーザが入力する優先度変更の指示は、ソフトウェアごとに行ってもよい。しかし、車両用制御装置が提供するソフトウェアのサービスをカテゴリに分けて、カテゴリごとに優先度を指示することとしてもよい。
ユーザ入力部112によって、ソフトウェアの優先度をユーザ(運転者)の指示によって変更することが可能となる。これによって、より顧客満足度の高いソフトウェアの更新を実行することが可能となる。ユーザが直接ソフトウェアの優先度を変更することで、ユーザにとって最適なソフトウェアの更新を行うことができる。
<マスタ制御装置の処理のフローチャート>
図22は、実施の形態4に係る車両用制御装置1cのマスタ制御装置100cの処理を示すフローチャートである。実施の形態4に係る車両用制御装置1cの処理のフローチャートは、実施の形態3に適用される処理のフローチャートである図11、18、13を適用することができる。実施の形態4に係る処理のフローチャートは、実施の形態3に適用されるフローチャートである図20を、図22に置き換えた部分が異なる。
実施の形態4に係るマスタ制御装置100bの処理のフローチャートである図22は、実施の形態3に係るマスタ制御装置の処理のフローチャートである図20のステップS111からステップS114を、ステップS115からステップS117に置換した点が異なる。異なる部分について説明し、同じ部分については説明を省略する。
図22のフローチャートではマスタ制御装置100cの処理が開始された後、ステップS115ではユーザ入力部112にユーザから指示を示す信号入力があったかどうかを判定する。ユーザからの指示が無い場合(判定はNO)は、ステップS101へ進み、従来の処理に移行する。
ステップS115でユーザからの指示が有る場合(判定はYES)は、ステップS116へ進み、優先度データを変更したデータを生成する。そして、ステップS117へ進み、優先度データをマスタECUまたは接続ECUで処理する。変更された優先度データが、マスタECU対象のデータであれば、優先度変更部に優先度データが送られて、マスタECUの優先度データが更新される。マスタECU対象のデータでなければ、該当する接続ECUの優先度変更部に優先度データが送られる。そして、該当する接続ECUの優先度データが更新される。
このようにして、実施の形態4では、ユーザからの指示によって優先度データを変更することができる。その結果、ユーザにとって最適なソフトウェアの更新を行うことができる。
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1 車両用制御装置、90、190、290 演算処理装置、91、191、291 記憶装置、104、204 優先度読出部、106、206 更新可否判定部、108、208 ソフトウェア更新部、110 運転状況判定部、112 ユーザ入力部、199b 受信部

Claims (7)

  1. 演算処理装置、
    前記演算処理装置によって実行されるソフトウェアが書き込まれた記憶装置、
    前記演算処理装置によって実行されるソフトウェアの優先度を読み出す優先度読出部、
    前記演算処理装置によって実行されるソフトウェアを更新する更新ソフトウェアを受信する受信部、
    前記受信部によって受信された前記更新ソフトウェアによって更新するソフトウェアに対する優先度を前記優先度読出部から読み出し、前記優先度に基づいて前記ソフトウェアが更新可能かどうか判定する更新可否判定部、
    前記更新可否判定部によって更新可能と判定された場合前記更新ソフトウェアを前記記憶装置に転送するソフトウェア更新部、を備えた車両用制御装置において、
    前記記憶装置は、複数のソフトウェアが記憶され、
    前記優先度読出部は、ソフトウェアごとに定められた優先度を読み出し、
    前記受信部は、前記演算処理装置によって実行される第一のソフトウェアを更新する第一の更新ソフトウェアを受信し、
    前記更新可否判定部は、前記第一のソフトウェアが操作するデータを参照する第二のソフトウェアがある場合は、前記優先度読出部から読み出した前記第一のソフトウェアの優先度が予め定められた優先度閾値よりも大きく、かつ前記優先度読出部から読み出した前記第二のソフトウェアの優先度が前記優先度閾値以下である場合に前記第一のソフトウェアは更新可能と判定し、
    前記ソフトウェア更新部は前記更新可否判定部によって前記第一のソフトウェアが更新可能と判定された場合前記第一の更新ソフトウェアを前記記憶装置に転送する車両用制御装置。
  2. 前記更新可否判定部は、前記第一のソフトウェアが操作するデータを参照する第二のソフトウェアがない場合は、前記優先度読出部から読み出した前記第一のソフトウェアの優先度が前記優先度閾値よりも大きい場合に、前記第一のソフトウェアは更新可能と判定する請求項1に記載の車両用制御装置。
  3. 前記更新可否判定部は、前記受信部によって受信された前記優先度閾値を記憶する請求項1または2に記載の車両用制御装置。
  4. 前記優先度読出部は、前記受信部によって受信された前記ソフトウェアの優先度を記憶する請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用制御装置。
  5. 前記優先度読出部は、前記ソフトウェアの優先度を車両の運転状況に応じて変更する請求項1からのいずれか一項に記載の車両用制御装置。
  6. 前記優先度読出部は、前記ソフトウェアの優先度を運転者の指示に応じて変更する請求項1からのいずれか一項に記載の車両用制御装置。
  7. 複数の演算装置、
    前記演算装置それぞれに設けられ、前記演算装置によって実行されるソフトウェアが記憶された記憶装置、を備えた請求項1からのいずれか一項に記載の車両用制御装置。
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