JP7475189B2 - マスキング治具 - Google Patents

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Description

本発明は、エレクトロスプレー法を用いた静電噴霧装置におけるマスキング治具に関する。
従来、液体噴霧部と、液体噴霧部に対して異極となる異極部との間に電圧を印加して発生する静電気力によって、塗料などの液体を帯電状態で液体噴霧部から離脱させ、霧化させ、被塗物に霧化液体を噴霧するエレクトロスプレー法を用いた静電噴霧装置において、所定の形状・パターンの孔部を有するマスキング治具を、被塗物に接触して配置し、所定の形状・パターンの孔部に対応する薄膜を被塗物に形成するものが知られている(特許文献1参照)。
特許文献1に記載のマスキング治具は、マスキング本体とマスキング補助体とを備えるものであって、マスキング補助体は、被塗物の塗布部と被塗物の非塗布部とを画定するように配置され、マスキング本体は、マスキング補助体が覆わない非塗布部を覆うように配置されており、また、マスキング補助体は、導電性材料を用いて形成され、マスキング本体は、絶縁性材料を用いて形成されている。そして、マスキング治具は、被塗物に接触するように設置されている。
特開2016-221433号公報
被塗物とマスキング治具を接触させて設置する構成の場合、液体噴霧部とマスキング治具を移動させながら被塗物に液体を塗布し、例えば、点や線あるいは絵を描くような塗布ができない。また、被塗物が複雑な形状をしている場合のように、被塗物にマスキング治具を設置することが難しい場合の塗布作業に用いることができないという問題がある。
そこで、本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであり、点や線あるいは絵を描くような特殊な塗布作業や、被塗物にマスキング治具を設置することが難しい場合の塗布作業に用いることができるマスキング治具を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために以下によって把握される。
(1)本発明のマスキング治具は、液体噴霧部と、前記液体噴霧部に対して異極となる異極部との間に電圧を印加して発生する静電気力によって液体を帯電状態で前記液体噴霧部から離脱させ、異極部である被塗物に霧化液体を噴霧するエレクトロスプレー法による静電噴霧装置に用いるマスキング治具であって、絶縁性材料から形成されるマスキング本体と、導電性材料又は半導電性材料から形成されるマスキング補助体と、を備え、前記マスキング本体は、前記被塗物に前記液体を塗布しないように配置され、前記液体を反発する帯電状態であり、前記マスキング補助体は、前記被塗物において、前記液体を塗布しない非塗布部と前記液体を塗布する塗布部との境界を画定するように配置され、前記被塗物と同電位であり、前記マスキング本体及び前記マスキング補助体は、前記被塗物と非接触状態に配置されている。
(2)本発明のマスキング治具は、液体噴霧部と、前記液体噴霧部に対して異極となる異極部との間に電圧を印加して発生する静電気力によって液体を帯電状態で前記液体噴霧部から離脱させ、異極部である被塗物に霧化液体を噴霧するエレクトロスプレー法による静電噴霧装置に用いるマスキング治具であって、
導電性材料又は半導電性材料から形成されるマスキング補助体を備え、
前記マスキング補助体は、前記被塗物と非接触状態であって、前記被塗物において、前記液体を塗布しない非塗布部と前記液体を塗布する塗布部との境界を画定するように配置され、
前記マスキング補助体の電位は、前記液体噴霧部と同じ極性であって前記液体噴霧部との電位差より前記被塗物との電位差が小さい。
(3)上記(2)の態様において、前記マスキング補助体の電位は、前記静電噴霧装置により霧化した霧化液体が前記マスキング補助体の前記液体噴霧部の側に塗着することが可能な電位に保たれている。
(4)上記(2)又は(3)の態様において、前記マスキング補助体の電位は、前記マスキング補助体の前記被塗物の側に前記霧化液体が塗着しない電位に保たれている。
(5)上記(2)から(4)のいずれか1つの態様において、少なくとも前記液体噴霧部と前記異極部との間に電圧を印加することにより、前記マスキング補助体を帯電させるとともに、前記マスキング補助体と前記被塗物の間に、一定電圧以上の電圧が印加されることにより流れる電流が急増する電圧-電流特性を持つ素子を接続することで前記マスキング補助体の電位が保たれている。
(6)上記(5)の態様において、前記素子がバリスタである。
(7)上記(1)から(6)のいずれか1つの態様において、前記マスキング補助体は、前記液体噴霧部において前記液体を噴射する液体ノズルの軸方向に前記塗布部から離れるに伴い前記液体ノズルの軸直角方向でマスキング補助体への距離が同じ又は長くなる。
(8)上記(1)から(7)のいずれか1つの態様において、前記マスキング補助体の前記被塗物側の縁において、前記被塗物と最も接近する部位である最接近部が、前記被塗物と10mm以内に配置されている。
(9)上記(1)から(8)のいずれか1つの態様において、前記マスキング本体及び前記マスキング補助体は、前記液体噴霧部に付設されている。
(10)上記(1)から(9)のいずれか1つの態様において、前記マスキング補助体は、前記塗布部を画定する孔部を有し、前記孔部の面積が、前記塗布部から離れるに伴い同じ又は大きくなる。
本発明によれば、点や線あるいは絵を描くような特殊な塗布作業や、被塗物にマスキング治具を設置することが難しい場合の塗布作業に用いることができるマスキング治具を提供することできる。
本発明に係る実施形態のマスキング治具を用いる静電噴霧装置の全体構成を示す斜視図である。 本発明に係る実施形態のマスキング治具を用いる静電噴霧装置の全体構成を示す概略断面図である。 静電噴霧装置の液体噴霧部を示す断面図である。 液体噴霧部の先端側を示す拡大図であり、(a)心棒の先端が後方に位置する場合、(b)心棒の先端が前方に位置する場合である。 本発明に係る実施形態のマスキング治具を示す、(a)正面図、(b)断面図である。 本発明に係る実施形態の変形例のマスキング治具を示す断面図である。 本発明に係る実施形態のマスキング治具を示す拡大断面図である。 本発明に係る第2の実施形態のマスキング治具を示す、(a)正面図、(b)断面図である。 本発明に係る第2の実施形態のマスキング治具を示す斜視図である。 本発明に係る第2の実施形態の変形例のマスキング治具を示す断面図である。 本発明に係る第2の実施形態の変形例のマスキング治具を示す斜視図である。 本発明に係る第3の実施形態のマスキング治具を示す、(a)正面図、(b)断面図である。 定電圧装置の有無における電圧変化を示す図である。 定電圧装置の有無における塗膜形成を示す図である。 本発明に係る第3の実施形態のマスキング治具を示す断面図である。 本発明に係る第4の実施形態のマスキング治具を示す、(a)正面図、(b)断面図である。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
なお、特に断りがない場合、「先(端)」や「前(方)」等の表現は、各部材等において液体の噴霧方向側を表し、「後(端)」や「後(方)」等の表現は、各部材等において液体の噴霧方向と反対側を表すものとする。
(第1実施形態)
図1は本発明に係る第1実施形態の静電噴霧装置10の全体構成を示す斜視図であり、図2は静電噴霧装置10の全体構成を示す断面図である。
図1及び図2に示すように、静電噴霧装置10は、液体ノズル22を有する液体噴霧部20と、マスキング治具30と、液体噴霧部20に対して異極となる異極部40との間に電圧を印加する電圧印加手段(電圧電源)50と、を備える。
なお、本実施形態では、電圧印加手段(電圧電源)50からの電気配線を被塗物に直接接続して、被塗物自体を異極部40としている場合を示しているが、例えば、被塗物を載置する載置部(図示せず)に電圧印加手段(電圧電源)50からの電気配線を接続して、この載置部を異極部40として載置部を介して被塗物が電圧印加手段(電圧電源)50に電気的に接続されるようになっていても良い。
異極部40となる被塗物は、アース手段60でアースされるようになっている。
このアース手段60は必須の要件ではないが、被塗物のようなものの場合、作業者が触れたりすることがあり得るので安全面の観点で設けることが好ましい。
(液体噴霧部)
図3は、液体噴霧部20だけを示した断面図である。
なお、図3では、液体噴霧部20から後述するように塗料などの液体が噴霧されている状態を合わせて図示したものになっている。
図3に示すように、液体噴霧部20は、液体の供給される液体供給口21aを有する液体流路21bが形成された絶縁材料からなる胴体部21と、貫通孔が胴体部21の液体流路21bに連通するように胴体部21の先端に設けられる液体ノズル22と、胴体部21の液体流路21b内及び液体ノズル22の貫通孔内に配置される導電材料からなる心棒23と、を備えている。
胴体部21には、心棒23を後端側に取り出すために、液体流路21bと連通した孔部21cが設けられ、その孔部21c内には、心棒23との間の隙間をシールして液体が漏れないようにするシール部材24が設けられている。
なお、本実施形態では、シール部材24としてOリングを用いているが、Oリングに限らず、シールが可能なものであればよい。
そして、孔部21cを通じて胴体部21の後端側に位置する心棒23の後端には、絶縁材料からなる摘み部23aが設けられているとともに、摘み部23aのほぼ中央を貫通するように設けられた導電材料からなる電気配線接続部23bが設けられている。
図1及び図2に示すように、電気配線接続部23bには、電圧印加手段50からの電気配線が接続される。
そして、図3に示すように、電気配線接続部23bが心棒23に接触するようにされることで心棒23と電気配線接続部23bとが電気的に接続されている。
なお、本実施形態では、心棒23を液体噴霧部20側の電極としているが、例えば、液体噴霧部20の液体ノズル22を導電材料からなるものとして、この液体ノズル22に電圧印加手段50からの電気配線を接続するようにし、液体ノズル22を液体噴霧部20側の電極としても良い。
また、胴体部21の後端開口部21dの内周面には、摘み部23aを螺合接続するための雌ネジ構造21eが設けられ、一方、摘み部23aの先端外周面には、雄ネジ構造23cが設けられている。
したがって、胴体部21の後端開口部21dの雌ネジ構造21eに摘み部23aの先端外周面の雄ネジ構造23cを螺合させることで心棒23が取外し可能に胴体部21に取付けられている。
また、摘み部23aの螺合量を調節することで心棒23を前後方向に移動させることができ、心棒23の先端面23dの位置を前後方向に調節できるようになっている。
ここで、一般に、静電噴霧装置の液体を噴霧するノズルは、液体が流れる貫通孔の直径が小さい微細な液体流路とされる。
これは、液体が流れ出るノズル先端の開口直径が大きいと、安定した液体の霧化状態が得られなくなるためと推察される。
例えば、一般には、ノズル先端の開口直径は0.1mm未満とされている。
このため、液体が乾燥したりすると直ぐに、ノズル先端の開口部が目詰まりするが、開口直径が小さいため、この目詰まりを解消することが難しいという問題がある。
しかしながら、理由については、後ほど説明するが、心棒23を用いるようにすることで、従来に比較して、ノズル先端の開口径を大きな開口直径としても良好な霧化ができることを見出し、このため、本実施形態の液体ノズル22の先端の開口部22bの開口直径は0.2mmの大きな開口直径にできている。
この結果、目詰まりが発生する頻度を大幅に低減することができるようになっている。
なお、液体ノズル22の開口部22bの開口直径は0.2mmに限定されるものではなく、心棒23を用いる形態においては、開口直径は1mm程度であっても問題はない。
液体ノズル22の開口部22bの開口直径は、目詰まりが起きにくく、また、目詰まりが起きても清掃ができることを考慮すると、0.1mm以上が好ましく、0.2mm以上がより好ましく、更に0.2mmより大きくすることが好ましい。
一方、液体ノズル22の開口部22bの開口直径は、霧化の安定性を考慮すると、1.0mm以下が好適であり、より好ましく0.8mm以下であり、更に好ましくは0.5mm以下とするのが良い。
また、本実施形態では、上述のように、心棒23を前後方向に移動させることができるため、目詰まりが起きても心棒23を移動させることで目詰まりの解消を行うことができる。
更に、液体ノズル22の貫通孔の内径も心棒23を配置できる程度に大きくできているため、心棒23を取り外して洗浄液を大量に流して洗浄することも可能になっている。
図4は、液体噴霧部20の先端側を拡大した拡大図であり、図4(a)は、心棒23の先端面23dが後方に位置する場合であり、図4(b)は、図4(a)の状態よりも心棒23の先端面23dが前方に位置する場合である。
図4(a)に示すように液体ノズル22は、開口部22b側に向かってテーパ状に内径が小さくなるテーパ角度がαであるテーパ状内径部(範囲A参照)を有しており、心棒23は、先端面23dに向かって外径が小さくなるテーパ角度がβであるテーパ形状部(範囲B参照)を有している。
そして、液体ノズル22のテーパ状内径部のテーパ角度αが、心棒23のテーパ形状部のテーパ角度βよりも大きくされている。
また、心棒23の先端面23dの直径は、液体ノズル22の開口部22bの開口直径よりも小さい直径とされているが、心棒23のテーパ形状部は、後端側に向かって徐々に直径が大きくなり、液体ノズル22の開口部22bの開口直径よりも直径の大きい部分を有するように形成されている。
上記のように、液体ノズル22及び心棒23の先端側を形成することによって、図4(a)及び図4(b)を見比べるとわかるように、心棒23を前後方向に移動させることで液体ノズル22と心棒23とで形成される隙間の幅を調節できるようになり、液体ノズル22の開口部22bから出る液体の量を調節することができる。
また、図4(b)で示す状態よりも、更に、心棒23を前方側に動かすことで、心棒23が液体ノズル22の内周面に当接し、液体ノズル22の開口部22bを閉塞することが可能である。
したがって、塗料などの液体を噴霧しない状態において、液体ノズル22の開口部22bを心棒23で閉塞させ、液体ノズル22内の液体が乾燥することを防止することが可能であり、液体ノズル22の目詰まりを抑制できる。
(異極部40)
本実施形態では、上述したように、異極部40に被塗物を用いた場合を示しており、電圧印加手段(電圧電源)50の心棒23に接続されるのと反対側の電気配線が被塗物に接続されることで被塗物自体が液体噴霧部20に対する異極となるようにされている。
しかしながら、上記でも少し触れたが、例えば、被塗物が搬送装置などによって、塗料などの液体を塗布する位置に搬送されるような場合には、電圧印加手段50からの電気配線を搬送装置の被塗物が載置される載置部に接続されているようにして、載置部を介して被塗物が電圧印加手段50に電気的に接続されるようにしても良い。
次に、図3を参照しながら、まず、液体噴霧部20から液体が噴霧される状態について説明を行い、その後、その噴霧される液体が被塗物の所定の範囲にだけ塗布されるようにするマスキング治具30について説明を行う。
胴体部21の液体供給口21aに供給された液体は、液体ノズル22の先端側に供給されていき、異極部40(被塗物)と心棒23との間に印加される電圧に伴う静電気力によって、前方側に引っ張られて前方に離脱・霧化する。
なお、液体の供給は、噴霧により消費されることで液体噴霧部20から失われる分の液体が順次供給されていれば良く、液体ノズル22の開口部22b(より正確には、開口部22bと心棒23との間の隙間)から液体が噴射するような圧力で圧送供給される必要はなく、液体が勢いよく噴射される状態の場合、かえって霧化ができなくなるようなことが起こる。
より具体的には、心棒23の先端面23d及び液体ノズル22の先端外周縁22aへの表面張力や粘度による付着力に対して、液体を前方に引っ張る静電気力が釣り合うことで、図3に示すように、液体ノズル22の先端側に供給された液体が、その先端で円錐形の形状となるテーラコーン80が形成される。
このテーラコーン80は、電場の作用によって、液体中で正/負電荷の分離が起こり、過剰電荷で帯電した液体ノズル22先端のメニスカスが変形して円錐状となって形成されているものである。
そして、テーラコーン80の先端から静電気力によって液体が真直ぐに引っ張られ、テーラコーン80の先端から線状に伸びるジェット部82の先端で液体が静電爆発することで広い範囲に液体が噴霧される。
この噴霧される液体、つまり、液体ノズル22から離脱して液体粒子となった液体は、離脱前の状態に比べ、空気に触れる面積が飛躍的に大きくなるため溶媒の気化が促進され、その溶媒の気化に伴って帯電している電子間の距離が近づき、静電反発(静電爆発)が発生して、更に、小さい粒径の液体粒子に***する。
この***が起こると、更に、***前に比べ空気に触れる表面積が増えることになるため、溶媒の気化が促進され、上述したのと同様に静電爆発が発生し、更に、小さい粒径の液体粒子に***する。
このような静電爆発が繰り返されることで液体が霧化される。
ここで、本実施形態では、液体ノズル22内に心棒23を設けるようにしている。
仮に、従来の静電噴霧装置のように、この心棒23を設けないものとすると、液体が付着できる部分は、液体ノズル22の先端外周縁22aだけとなる。
そして、このような状態で液体ノズル22の開口部22bの開口直径を大きくすると、液体の付着できる部分が、液体ノズル22の先端外周縁22aだけのため、例えば、液体ノズル22の上下左右に液体がふらついたりし易く、きれいなテーラコーン80が形成できなくなったり、また、テーラコーン80自体が維持できなくなるため、液体ノズル22から離脱する液体粒子の安定性(粒子の大きさ、数、及び、帯電状態などの安定性)が得られなくなり、結果、液体の安定した霧化ができなくなるものと推察される。
一方、本実施形態では、液体ノズル22内に心棒23を配置して、液体ノズル22の先端外周縁22aだけでなく、心棒23の先端面23dとの間でも液体は付着する。
したがって、液体ノズル22の開口部22bの開口直径が大きくても、開口部22bの中央部に液体が付着できる心棒23の先端面23dが存在するため、安定したテーラコーン80を形成することができ、液体の安定した霧化ができるようになっているものと考えられる。
なお、心棒23の先端面23dが液体ノズル22の先端外周縁22a(つまり、液体ノズル22の開口部22bの先端面)から前方に出過ぎると液体ノズル22から出る液体に電場が作用し難くなり、一方、心棒23の先端面23dが液体ノズル22の開口部22bの先端面から後方に引っ込み過ぎると、開口部22bの中央部に液体が付着できる部分が存在しないのと同じ状態となる。
このことから、心棒23の先端面23dの位置は、液体を噴霧する状態において、液体ノズル22の開口部22bの先端面を基準にして、心棒23の中心軸に沿った前後方向で、液体ノズル22の先端の開口部22bの開口直径の10倍以内に位置することが好適であり、より好ましくは5倍以内に位置することが好適であり、更に、好ましくは3倍以内に位置することが好適である。
例えば、本実施形態では、液体ノズル22の開口部22bの開口直径が0.2mmであり、静電気力を考慮しない場合、液体ノズル22の開口部22bから出た液体は、液体ノズル22の先端で直径が約0.2mmの半球状となるように出てくる。
そして、この液体ノズル22の先端に出てきた液体に電場(静電気力)が作用して円錐状のテーラコーン80が形成できるように、心棒23の先端は、この液体の近くに存在することが良く、このため液体ノズル22の開口部22bの先端面から前方(出る方向)に2mm以内に位置するようにするのが好適であり、一方、液体の付着に作用するように、心棒23の先端が液体ノズル22の開口部22bの先端面から後方(引っ込む方向)に2mm以内に位置するようにするのが好適である。
上記のように、心棒23を設けることによって、液体ノズル22の開口部22bの開口直径を大きくしても安定した液体の霧化が行える。
このため、液体ノズル22の開口部22bの開口直径を目詰まりが抑制できるような大きな開口直径にすることができる。
また、液体ノズル22の開口部22bの開口直径を大きくできるため機械加工で液体ノズル22が製作できる。
なお、本実施形態では、心棒23の先端が先端面23dとして平坦な平面としている場合を示しているが、必ずしも、心棒23の先端が平坦な平面である必要はなく、安定したテーラコーン80の形成に寄与すれば良いので、例えば、心棒23の先端はR形状のように、前方側に向かって突出する曲面になっていても良い。
このようにして液体噴霧部20(液体ノズル22)から噴霧された液体は、静電爆発を繰り返しながら霧化液体となり、この微粒化した液体は電荷を帯びた状態であるため、異極部40(被塗物)側に静電気力で引き寄せられて被塗物に塗着することになる。
(マスキング治具)
図1及び図2に示すように、マスキング治具30は、絶縁材料を用いたマスキング本体31と、マスキング補助体32を備える。
なお、本実施形態では、被塗物は異極部40を構成しているため、被塗物を記載するにあたって、以下では、被塗物40として異極部と同符号を用いて説明を進める。
そして、マスキング補助体32は、中央に噴霧された液体が通過するための円形の孔部32aを有している。
つまり、本実施形態は、被塗物40の上に円形に液体を塗着させる場合を例示している。なお、被塗物40の上に描きたいパターンに応じて孔部32aの形状は自由に選択することが可能であり、例えば、円形の他、三角形、多角形など任意の形状とすることができる。
ここで、図2に示すように、マスキング補助体32は、被塗物40の液体を塗布する塗布部41と被塗物40の液体を塗布しない非塗布部42との境界43を画定するものになっている。
つまり、マスキング治具30において、マスキング補助体32が、塗布部41と非塗布部42との境界43を画定するように配置されている。
そして、図2に示すように、マスキング本体31は、境界43よりも非塗布部42側で少なくともマスキング補助体32の覆わない被塗物40の非塗布部42の一定部分に液体を塗布しないように被塗物40の上に配置されるようになっている。
つまり、マスキング治具30において、マスキング本体31が、境界43よりも非塗布部42側で少なくともマスキング補助体32の覆わない被塗物40の非塗布部42の一定部分を覆うように配置される部分になっている。
そして、本実施形態において、マスキング治具30は被塗物40と非接触状態になるように配置されている。すなわち、マスキング本体31及びマスキング補助体32のいずれも被塗物40とは接触せず、これは被塗物40に近い側にマスキング本体31がある場合も、被塗物40に近い側にマスキング補助体32がある場合も同様である。
図1、図2に示すマスキング治具30の分解断面図を見るとわかるように、本実施形態のマスキング治具30は、マスキング補助体32とマスキング本体31とが別体で形成されており、マスキング本体31には、マスキング補助体32が着脱可能又は不能に取り付けられている。
図5は、本発明に係る実施形態のマスキング治具30を示すものであり、(a)は正面図、(b)は断面図である。
図5に示す実施形態では、マスキング補助体32が液体噴霧部20に近い側に配置され、マスキング本体31は、被塗物40に近い側に被塗物40とは非接触状態になるように配置されている。このように、マスキング本体31及びマスキング補助体32のいずれもが被塗物40とは被塗物40と隙間を有する状態で配置されていることで、液体の塗布作業をする際に、被塗物40と液体噴霧部20及びマスキング治具30とを相対的に移動させることが可能になる。液体噴霧部20とマスキング治具30の位置関係は変えないで、被塗物40との位置関係を変えながら塗布することで、様々な塗布作業が可能になる。例えば、点や線あるいは絵を描くような特殊な塗布作業が可能になる。
相対的な移動ができればよいので、被塗物40を固定しておいて、液体噴霧部20とマスキング治具30を相互の位置関係は変えないで同時に移動させてもよいし、液体噴霧部20とマスキング治具30を固定しておいて、被塗物40を移動させてもよい。
また、マスキング治具30は被塗物40と非接触状態になるように配置することで、従来のようにマスキング治具を被塗物に接触させた構成にする場合にはマスキング治具を配置できないような被塗物であっても、マスキング治具30を使用した精密な塗布作業ができるようになる。例えば、表面に凹凸があるような被塗物40や曲面で構成された被塗物40であっても、本実施形態のマスキング治具30であれば、適切に配置して塗布作業を行うことができる。
上述したように、マスキング本体31は、絶縁性材料によって形成されている。絶縁性材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレートやフッ素系樹脂などがあげられる。
そして、マスキング本体31は、被塗物40と液体噴霧部20との間に印加された電圧によって発生する静電気力により表面が噴霧される液体と同様の帯電状態(つまり、液体が正電荷に帯電していれば表面が正電荷に帯電し、液体が負電荷に帯電していれば表面が負電荷に帯電する状態)になるための所定の厚み以上の厚みを有するように形成されている。
例えば、所定の厚みは0.5mm以上が好ましく、更に、好ましくは1.0mm以上であるのが好ましい。
このように、厚みを厚くして分極を起こしやすくすると、マスキング本体31は、容易に帯電した液体を反発する良好な帯電状態になり、マスキング本体31の上に液体が塗着するのを防止若しくは軽減することができる。
このため、マスキング本体31の洗浄回数を大幅に低減することが可能である。
ところで、マスキング本体31は、液体の塗着という観点では、液体が塗着し難いように構成されるものの、完全に液体の塗着が防止できるわけではない。
例えば、塗布作業中に幾分液体が塗着するような場合もあり、また、塗布作業が終了して静電気力が発生しなくなった時に周りに舞っている液体が塗着したりすることもある。
このため、マスキング本体31は、溶剤等に曝されることになるため、絶縁性材料の中でも耐溶剤性に優れた材料を用いて形成されることが好適である。
したがって、この観点からもマスキング本体31には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレートやフッ素系樹脂の耐溶剤性に優れた材料を用いるのが好適である。
一方、マスキング補助体32は、導電材料若しくは1010Ω以下の表面抵抗の帯電防止材料によって形成するようにして、噴霧される液体が塗着できるようにされている。マスキング補助体32を形成する導電性材料としては、銅やアルミニウムなどの金属がよく、半導電性材料としては、炭素や金属などの導電性物質が配合された樹脂がよい。
そして、図5に示すように、マスキング補助体32は、電圧印加手段50における液体噴霧部20とは反対側の極であり、被塗物40とは同じ側の極に接続されているので、被塗物40と同電位と見なせる状態になっている。
このため、噴霧された液体が、静電反発によって、マスキング補助体32の孔部32aの中央側に集められることがなく、孔部32aから外れたマスキング補助体32上に噴霧された液体は、マスキング補助体32上に塗着するとともに、孔部32aの上に噴霧された液体が被塗物40の上に到達する。
図7は、本発明に係る実施形態のマスキング治具30を示す拡大断面図である。
図7において、マスキング補助体32は、被塗物40に対して、隙間Pをおいて配置されている。マスキング本体31は、マスキング補助体32と接した状態で、やはり被塗物40とは隙間をおいて配置されている。そして、マスキング補助体32に設けられた孔部32aに対して、マスキング本体31が孔部32aを塞がないようにするとともに、マスキング本体31の縁部の帯電により噴霧される液体が押しのけられないように、孔部32aより大きい開口31aが配置されている。
この状態で、液体噴霧部20から噴霧された液体は帯電状態で、図7に示すように噴霧液体87a、87b、87c、87dのように進む。液体ノズル22から直進してきた噴霧液体87aは、孔部32aの中央を通過してその影響を殆ど受けないでそのまま直進して被塗物40に到達する。噴霧液体87aより孔部32aの内周縁に近い位置を進んできた噴霧液体87bは、液体とは反対側の極であるマスキング補助体32に若干引き寄せられて進行方向を曲げられて被塗物40に到達する。孔部32aの内周縁のすぐ脇を通過する噴霧液体87cは、マスキング補助体32に引き寄せられて進行方向を約180°変えて、マスキング補助体32の被塗物40に近い側に到達する。孔部32aの外側を流れてきた噴霧液体87dは、マスキング補助体32に引き寄せられてそのままマスキング補助体32に到達する。そして、被塗物40に到達した噴霧液体87a、87bの液体が、塗膜85を形成する。
マスキング補助体32に設けられた孔部32aと同形状の塗膜85を形成すること、すなわち非塗布部42と塗布部41との境界43を精度よく形成することに対して、マスキング治具30と被塗物40が非接触状態に配置されていることは影響を及ぼすものである。すなわち、図7において、マスキング補助体32の孔部32aの周辺あるいは縁において、被塗物40と最も接近する部位である最接近部32bと被塗物40との隙間Pが大きいと、噴霧液体87bは、より外側に向けて進み、被塗物40に到達する。そうすると、孔部32aの縁より外側に塗膜85が形成されてしまい、孔部32aより大きくなり、非塗布部42と塗布部41との境界43の精度が低下してしまう。したがって、精度の高い塗膜85を形成するために、隙間Pには上限値があり、20mm以下、好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下である。
図7において、被塗物40とマスキング補助体32は平面であり、平行に配置されているので、最接近部32bは孔部32aの周辺あるいは縁の全域である。
また、図7において、マスキング本体31に設けられた開口31aの縁部に対してマスキング補助体32の孔部32aの縁部が内側に出ているせり出し量Qが大きいと、噴霧された液体を引き寄せる影響が大きくなり、被塗物40に到達すべき噴霧液体87bが到達する前にマスキング補助体32に引き寄せられて、噴霧液体87cと同じようにマスキング補助体32の被塗物40に近い側に到達してしまう。この結果、塗膜85は孔部32aより小さくなり、非塗布部42と塗布部41との境界43の精度が低下してしまう。したがって、精度の高い塗膜85を形成するために、せり出し量Qには上限値があり、好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下である。
なお、本実施形態では、マスキング本体31として平らなプレートであるものを例示しているが、マスキング本体31自体の形状は任意であり、そのプレートの形状は、被塗物40の形状に合わせて湾曲するように形成されていても良い。
また、マスキング本体31の厚みは、均一でなくても良く、液体が塗着するのを防止低減できる厚みがあるようになっていればよい。
図6は、本発明に係る実施形態の変形例のマスキング治具30を示す断面図である。
図6においては、図5に示す場合と異なり、液体噴霧部20に近い側にマスキング本体31が配置され、被塗物40に近い側に被塗物40とは非接触状態になるようにマスキング補助体32が配置されている。このように、マスキング本体31及びマスキング補助体32のいずれもが被塗物40と隙間を有する非接触状態で配置されており、被塗物40と液体噴霧部20及びマスキング治具30とを相対的に移動させることが可能になっていることは、図5に示す場合と同様である。
また、同様に、マスキング本体31が、絶縁材料によって形成されており、マスキング補助体32が、導電材料若しくは1010Ω以下の表面抵抗の帯電防止材料によって形成されている。
そして、図6に示すように、マスキング補助体32は、電圧印加手段50における液体噴霧部20とは反対側の極であり、被塗物40とは同じ側の極に接続されているので、被塗物40と同電位と見なせる状態になっている。
また、マスキング本体31は、被塗物40と液体噴霧部20との間に印加された電圧によって発生する静電気力により表面が噴霧される液体と同様の帯電状態(つまり、液体が正電荷に帯電していれば表面が正電荷に帯電し、液体が負電荷に帯電していれば表面が負電荷に帯電する状態)になるための所定の厚み以上の厚みを有するように形成されている。図6に示す構成では、マスキング本体31が液体噴霧部20に近い側に配置されているが、噴霧される液体と同じ極の帯電状態であるために生じる反発力により、マスキング本体31の上に液体が塗着するのを防止若しくは軽減することができる。また、被塗物40に近い側に配置されたマスキング補助体32をマスキング本体31が覆うようになるため、マスキング補助体32の上に液体が塗着するのを防止できる。このため、マスキング本体31及びマスキング補助体32の洗浄回数を大幅に低減することが可能である。
マスキング本体31は、マスキング補助体32と接した状態で、やはり被塗物40とは隙間を有する非接触状態で配置されている。そして、マスキング補助体32に設けられた孔部32aに対して、マスキング本体31が孔部32aを塞がないように、孔部32aより大きい開口31aが配置されている。
図7において孔部32aの内周縁のすぐ脇を通過する噴霧液体87cは、マスキング補助体32に引き寄せられて進行方向を約180°変えて、マスキング補助体32の被塗物40に近い側に到達したが、図6の構成で、マスキング補助体32の被塗物40側の面の全体が露出している場合、マスキング補助体32の被塗物40側の面に付着する液体が増えてしまう。すなわち、孔部32aの縁の噴霧液体87cより内側を通る液体も、マスキング補助体32の被塗物40側の面に付着することになり、非塗布部42と塗布部41との境界43を精度よく形成することが難しくなる。
このため、本実施形態の変形例では、マスキング補助体32の更に被塗物40側に、マスキング本体31と同様の絶縁材料によって形成されている絶縁裏カバー34を被塗物40とは非接触状態になるように配置している。絶縁裏カバー34には孔部32aを塞がないようにするとともにマスキング本体31の縁部の帯電により噴霧される液体が押しのけられないように、孔部32aより大きい開口34aが配置されている。この開口34aは、図7のせり出し量Qと同様なせり出し量となるように、孔部32aに対する寸法が決められている。
本実施形態の変形例では、図5に示す構成と同様の水準で、非塗布部42と塗布部41との境界43を精度よく形成することが可能とし、更にマスキング本体31及びマスキング補助体32への液体の付着量を少なくし、液体の無駄を省いてマスキング本体31及びマスキング補助体32の洗浄回数を大幅に低減することを可能としている。
また、マスキング治具30は被塗物40と非接触状態で配置されており、相対的に移動して点や線あるいは絵を描くような特殊な塗布作業ができるとともに、表面に凹凸があるような被塗物や曲面で構成された被塗物であっても、本実施形態のマスキング治具30であれば、適切に配置して塗布作業を行うことができる。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について説明する。
第2実施形態でも基本的な構成(液体噴霧部20、異極部40(被塗物)、マスキング治具130を有する構成)は、第1実施形態と同様であり、マスキング治具130のマスキング本体131及びマスキング補助体132が異なる。
図8は、本発明に係る第2実施形態のマスキング治具を示す、(a)正面図、(b)断面図である。
図9は、本発明に係る第2実施形態のマスキング治具を示す斜視図である。
図8及び図9を用いて、第2実施形態について説明する。
図8に示すように、マスキング本体131は円錐台形状をなし、図5で示すマスキング本体と同様に所定の厚み以上の厚みを有する絶縁体によって中空に形成されており、被塗物40に近い側に開口131aが設けられている。被塗物40に近い側が小径端部131c、液体噴霧部20に近い側が大径端部131dであり、これらを側面131eが結ぶ構成となっている。すなわち、被塗物40から液体噴霧部20に向かうに伴って、液体ノズル22の軸直角方向で、マスキング本体131への距離が長くなるように構成されている。
マスキング補助体132は、マスキング本体131と同様に円錐台形状をなし、薄板状の導電材料若しくは1010Ω以下の表面抵抗の帯電防止材料によって中空に形成されており、被塗物40に近い側に孔部132aが設けられている。被塗物40に近い側が小径端部132c、液体噴霧部20に近い側が大径端部132dであり、これらを側面132eが結ぶ構成となっている。すなわち、被塗物40から液体噴霧部20に向かうに伴って、液体ノズル22の軸直角方向で、マスキング補助体132への距離が長くなるように構成されている。孔部132aが小径端部132cの全体に構成されている場合には、被塗物40から離れて液体噴霧部20に向かうに伴って孔部132aの面積が大きくなるように構成されているとみなすこともできる。
マスキング補助体132において、孔部132aの周囲又は縁となる小径端部132cが、被塗物40と最も接近する部位である最接近部に相当するが、小径端部132cが被塗物40と非接触状態であって、その距離が20mm以下、好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下に配置されているのは、図7に示す構成と同様である。
マスキング補助体132は、中央に噴霧された液体が通過するための孔部132aを有しており、被塗物40の上に描きたいパターンに応じて孔部132aの形状は自由に選択することが可能であり、例えば、円形の他、三角形、多角形など任意の形状とすることができる。
なお、図8においてマスキング補助体132は、円錐台形状をなすように構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、多角錐台形状、円柱形状又は孔を構成しない平面若しくは曲面で形成されるものであってもよい。円柱形状の場合、孔部132aは被塗物40から離れても同径となる。同様に孔部132aの中心軸に対するマスキング補助体132の直角断面の内周長も、被塗物40から離れても同じ長さとなる。
マスキング本体131とマスキング補助体132の円錐台形状の頂角は同じになっている。また、マスキング補助体132の大径端部132dは、マスキング本体131の小径端部131cより大きく構成されている。このため、マスキング補助体132を、小径端部132cを先頭にしてマスキング本体131の大径端部131dの側からから挿入すると、大径端部132dおよびその付近の側面132eが側面131eに接する状態となり、マスキング補助体132がマスキング本体131に嵌合した状態で一体となる。
マスキング本体131の側面131eにおいて、大径端部131dの近傍の部分に支持部材140が図8に示す実施形態では3か所接続されており、その後方端が取付部材141に接続され一体になっている。
取付部材141は、液体ノズル22の外径と略同径の貫通孔が設けられており、この貫通孔が液体ノズル22に嵌入されて固定される。
すなわち、嵌合状態で一体となったマスキング本体131とマスキング補助体132は、支持部材140及び取付部材141を介して液体ノズル22に固定され、これにより、マスキング治具130が液体噴霧部20に付設されて、一体構造となる。
本実施形態では、マスキング本体131の開口131aと、マスキング補助体132の孔部132aと液体噴霧部20の液体ノズル22の中心軸は同心に構成されている。
マスキング本体131とマスキング補助体132は、単に嵌合していることでもよく、又は接着してもよく、マスキング本体131を絶縁性樹脂、マスキング補助体132を導電性樹脂として、一体成型することでもよい。
支持部材140と取付部材141は、樹脂材料としてモールドや金属材料としてダイキャストによって一体成型することでもよい。
取付部材141と液体ノズル22は、圧入構造や接着により一体化してもよい。
このようにして、マスキング治具130と液体噴霧部20を一体構造とすることで、被塗物40に対して、マスキング治具130と液体噴霧部20を一体として移動させることができ、マスキング補助体132の孔部132aによって画定される塗膜85を基準単位として、この基準単位の組み合わせによる様々な形状の塗布を行うことができる。すなわち、点や線あるいは絵を描くような特殊な塗布作業をすることができる。
また、従来のようにマスキング治具30は被塗物40を接触させた構成にする場合にはマスキング治具を配置できないような被塗物であっても、マスキング治具130を使用した精密な塗布作業ができるようになる。例えば、表面に凹凸があるような被塗物や曲面で構成された被塗物であっても、本実施形態のマスキング治具30であれば、適切に配置して塗布作業を行うことができる。被塗物40に凹凸がある場合には、マスキング治具130と液体噴霧部20を一体として前後方向も含めて3次元に移動して塗布作業を行うことができる。
マスキング本体131は、静電気力により表面が液体噴霧部20から噴霧された液体と同様の帯電状態になっている。
一方、マスキング補助体132は、図8(b)に示すように、電圧印加手段50における液体噴霧部20とは反対側の極であり、被塗物40とは同じ側の極に接続されているので、被塗物40と同電位と見なせる状態になっている。
マスキング本体131が円錐台形状に構成されているため、中央付近を流れる主流となる霧化液体は、マスキング本体131の影響受けずに前方に進んでいき、マスキング補助体132の近傍に来る。マスキング補助体132も円錐台形状に構成されているため、孔部132aと同径の範囲の霧化液体は、孔部132aの近傍に来るまでマスキング補助体132の影響を殆ど受けないで孔部132aに至り、そのまま孔部132aを通って被塗物40に到達して塗膜85を形成する。
マスキング補助体132の被塗物40の側の側面132eが、液体噴霧部20の液体ノズル22の中心軸に対して斜めになっているため、孔部132aの内周縁近傍を通過する霧化液体は、マスキング補助体132の影響を殆ど受けないでほぼ直進して被塗物40に到達して塗膜85を形成するので、孔部132aに対して精度の高い塗膜85を形成することができる。
すなわち、図7において孔部32aの内周縁のすぐ脇を通過する噴霧液体87cは、マスキング補助体32に引き寄せられて進行方向を約180°変えて、マスキング補助体32の被塗物40に近い側に到達したが、図8に示す第2実施形態においては、孔部132aの内周縁を通過すると被塗物40の側のマスキング補助体132の壁面は遠ざかる位置にあるためこのような挙動を示す液体は殆ど無い状態となる。
一方、液体噴霧部20から噴霧された液体はマスキング本体131の近傍に来ると反発力によりマスキング本体131に付着せずに浮遊して中央側に寄せられ前方に進んでいき、マスキング補助体132の近傍に来る。そして、これらの一部は、マスキング補助体132に一部付着するが一部は孔部132aに至り、そのまま被塗物40に到達して塗膜85を形成する。
したがって、マスキング本体31及びマスキング補助体32への液体の付着量を少なくし、液体の無駄を省いてマスキング本体及びマスキング補助体132の洗浄回数を大幅に低減することを可能としている。
図10は、本発明に係る第2の実施形態の変形例のマスキング治具130を示す断面図であり、図11は、斜視図である。
図10及び図11を用いて、第2の実施形態の変形例について説明する。
図10及び図11に示すように、第2の実施形態の変形例では、マスキング本体131及びマスキング補助体132は、それぞれ分離した2枚の板状物により形成されており、液体ノズル22の軸方向に被塗物40から離れるに伴い液体ノズル22の軸直角方向で2枚の板状物の相互の距離が同じ又は長くなるように配置されている。マスキング本体131は、静電気力により表面が液体噴霧部20から噴霧された液体と同様の帯電状態になっており、マスキング補助体132は、被塗物40と同電位と見なせる状態になっている。
開口131a又は孔部132aに相当する周囲が閉じた孔を有さず、2枚の板状物の被塗物40に最も近い最接近部及びその近傍のなす空間が、開口131a又は孔部132aと同じ機能を果たす。すなわち、2枚のマスキング補助体132の被塗物40への最接近部132bが、図2で示す塗布部41と非塗布部42との境界43を画定するように配置されている。そして、最接近部132bが、被塗物40と非接触状態であって、その距離が20mm以下、好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下に配置されているのは、図7に示す構成と同様である。
第2の実施形態の変形例においても、液体ノズル22の軸方向に被塗物40から離れるに伴い液体ノズル22の軸直角方向で2枚の板状物の相互の距離が同じ又は長くなるように配置されているため、マスキング補助体132の被塗物40への最接近部132bの近傍を通過する霧化液体が、マスキング補助体132の影響を殆ど受けないでほぼ直進して被塗物40に到達して塗膜85を形成し、精度の高い塗膜85を形成することができる。
マスキング治具130は、図11に示すように、それぞれ板状物からなるマスキング本体131及びマスキング補助体132が密着した状態で形成されており、相互に接着してもよく、マスキング本体131を絶縁性樹脂、マスキング補助体132を導電性樹脂として、一体成型することでもよい。また、図示しない支持部材と取付部材を介して液体ノズル22に固定することで、図9に示す場合と同様に、マスキング治具130が液体噴霧部20に付設されて、一体構造となる。
マスキング本体131及びマスキング補助体132は、図11に示すように、平面で構成された2枚の板状物で形成してもよいが、これに限定されるものではなく、例えば、曲面あるいは曲面と平面の組み合わせによる形状としてもよい。これにより、様々な被塗物40に対して行う、様々な塗布内容に最も適したマスキング治具130を提供することができる。
(第3実施形態)
以下、第3実施形態について説明する。
図12は、本発明に係る第3実施形態のマスキング治具230を示し、(a)は正面図であり、(b)は断面図である。
図12に示す第3実施形態において、マスキング治具230は、マスキング補助体232には定電圧装置251が接続されている点で第1実施形態と異なるものである。
マスキング補助体232は、導電材料若しくは1010Ω以下の表面抵抗の半導電性材料、帯電防止材料によって形成されている点は、第1実施形態と同様である。
また、マスキング補助体232は、中央に塗布部を画定し、噴霧された液体が通過するための孔部232aを有しており、被塗物40の上に描きたいパターンに応じて孔部232aの形状は自由に選択することが可能であり、例えば、円形の他、三角形、多角形など任意の形状とすることができる点も、第1実施形態と同様である。。
なお、図12及び図14において、マスキング治具230は、マスキング補助体232は有するが、マスキング本体は有さない構成となっている。本実施形態において、マスキング本体は有する構成であっても、有さない構成であってもよい。
マスキング本体を有する場合には、図2に示す第1実施形態の場合と同様の配置、役割、材質になる。すなわち、マスキング本体は、マスキング補助体232の覆わない被塗物40の非塗布部の一定部分に液体を塗布しないように被塗物40の上に配置されるようになっている。そして、マスキング本体は、被塗物40に霧化液体を塗布しないように配置され、霧化液体を反発する帯電状態であり、被塗物40と非接触状態に配置されている。
マスキング本体は、第1実施形態の場合と同様に、絶縁性材料によって形成されている。絶縁性材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレートやフッ素系樹脂などがあげられる。
定電圧装置251は、一定電圧以上の電圧が印加されることにより流れる電流が急増する電圧-電流特性を持つ素子を用いることができる。特に、一定の電圧までは電流が流れないか流れても極めて小さい電流であるが、一定電圧以上になると流れる電流が急増する特性を有する素子が好適である。
このような特性を示す素子としては、例えば、バリスタを使用することができる。バリスタは、非直線抵抗、電圧依存性抵抗と呼ばれることもあるとおり、印加される電圧が所定電圧になると急激に内部抵抗が低下する特性を有しており、これにより、一定電圧以上の電圧が印加されることにより流れる電流が急増する電圧-電流特性を有する素子である。バリスタは、一般的には雷サージ、静電気、直流機器(DCモータ等)の電源遮断時の逆起電圧等の高電圧が回路に流れ込むのを防ぎ、サージ防護デバイス(SPD)として、回路の各素子や電子機器を保護する目的で使用される。
第3実施形態においてバリスタは、このような回路の各素子や電子機器を保護する目的ではなく、マスキング補助体232の電位を、液体噴霧部20と同じ極性であって液体噴霧部20との電位差より被塗物40との電位差が小さくなるように設定する目的、あるいは、マスキング補助体232の電位を静電噴霧装置10により霧化した霧化液体がマスキング補助体232の液体噴霧部20の側に塗着することが可能な電位に保つ目的、更には、マスキング補助体232の電位をマスキング補助体232の被塗物40の側に霧化液体が塗着しない電位に保つ目的で使用される。また、積層チップバリスタは、金属酸化物を電極で挟んだコンデンサに似た構造をしており、静電容量成分、すなわちコンデンサのように電荷を蓄える機能を有するため、電圧の急激な変化を抑える作用を有する点においても、本実施形態において、定電圧装置251に使用するのに適している。
図12において、電圧印加手段50の電源が投入されると液体噴霧部20に電荷が蓄積して電圧印加手段50の負極が接続されているマスキング補助体232との間で電位差が生じる。この電位差は液体噴霧部20に電荷が蓄積されるのに伴い大きくなる。
そして、電圧印加手段50の電源が投入をすることにより、すなわち、少なくとも液体噴霧部20と異極部である被塗物40との間に電圧を印加することにより、マスキング補助体232を帯電させることになる。マスキング補助体232の帯電は、電圧印加手段50の電源を投入することにより液体噴霧部20から噴霧される霧化液体の作用及び液体噴霧部20からの放電によって生じる。この放電は液体噴霧部20によって発生するものに限定されるものではない。液体噴霧部20の近傍に設けられ、液体噴霧部20と同じ極性を有する電極から放電するように構成してもよい。
マスキング補助体232に定電圧装置251が接続されていない場合には、液体噴霧部20とマスキング補助体232の電位差は液体噴霧部20に電荷が蓄積されるのに伴って大きくなる。マスキング補助体232の電圧は、自身の放電もあるため電源電圧と等しくとはならず、電圧印加手段50の正極と負極の間の電圧に帯電する。
これに対して、図12に示すとおり、マスキング補助体232に定電圧装置251が接続されている場合には、マスキング補助体232が帯電することにより、電圧印加手段50の負極を基準としたマスキング補助体232の電位、すなわち定電圧装置251の両端に印加される電圧が定電圧装置251の定格で定められた一定の電圧(定格電圧)以上に達すると、定電圧装置251の内部抵抗が急激に低下する等により、液体噴霧部20からマスキング補助体232を経由して定電圧装置251に至る経路に流れる電流が急増し、電圧印加手段50の負極を基準としたマスキング補助体232の電位、すなわち定電圧装置251の両端に印加される電圧を定電圧装置251の定格電圧に維持するように作用する。
図13は、定電圧装置251の有無における被塗物をアースに接続した時の被塗物40を基準とした電圧の変化を示す図である。図13(a)は定電圧装置251がない場合の液体噴霧部20の電圧の変化を示し、図13(b)は定電圧装置251がある場合のマスキング補助体232の電圧の変化を示している。
図13(a)において、電圧印加手段50の電源が投入されると液体噴霧部20に電荷が蓄えられて次第にその電位が上昇していき、液体噴霧部20からの帯電とマスキング補助体232自体の放電とのバランスで9kV付近まで上昇するとほぼこの電位が維持される。
図13(b)において、電圧印加手段50の電源が投入されると液体噴霧部20に電荷が蓄えられて次第に電圧が上昇していき、これに伴い、マスキング補助体232を帯電させ、マスキング補助体232の電位を上昇させる。マスキング補助体232の電圧印加手段50の負極に対する電位、すなわち、定電圧装置251の両端にかかる電圧が定電圧装置251の定格電圧である5kV付近になると定電圧装置251の内部抵抗が急激に低下する等して、流れる電流が急増するようになり、電圧が5kV付近でほぼ一定になる。
マスキング補助体232に定電圧装置251が接続されることによって、電圧印加手段50の負極を基準としたマスキング補助体232の電位は、定電圧装置251の両端に係る電圧、すなわち定電圧装置251の定格電圧に等しくなる。
被塗物40は電圧印加手段50の負極に接続されており、被塗物40は電圧印加手段50の負極と同電位である。したがって、電圧印加手段50の正極に接続されている液体噴霧部20と被塗物40との電位差は、マスキング補助体232に定電圧装置251が接続されているか否かに関わらず、電圧印加手段50の電源電圧に等しくなる。
一方、マスキング補助体232に定電圧装置251が接続されている場合には、液体噴霧部20の電位が最も高く、次にマスキング補助体232が高く、被塗物40が最も低いという関係になる。そして、マスキング補助体232と被塗物40の電位差は定電圧装置251の定格電圧になる。すなわち、被塗物40を基準電位とした場合に、マスキング補助体232が正の電位を有しており、液体噴霧部20と同じ極性になっている。
したがって、マスキング補助体232に定電圧装置251が接続されている場合には、電圧印加手段50の電源電圧と定電圧装置251の定格電圧の選択により、液体噴霧部20、マスキング補助体232、被塗物40の電位を所定の関係に設定することができる。
本実施形態において、マスキング補助体232の電位は、液体噴霧部20と同じ極性であって液体噴霧部20との電位差より被塗物40との電位差が小さいように設定することが好ましい。
エレクトロスプレー法において、一般に電圧印加手段50は10kVから30kV程度の電源電圧に設定される。これに対して、マスキング補助体232の電位は、好ましくは1kV以上5kV以下、より好ましくは2kV以上4kV以下である。
マスキング補助体232の電位が高過ぎると、液体噴霧部20から噴射された霧化液体はマスキング補助体232と同し極性に帯電しているため、マスキング補助体232により反発力を受けてしまう。これを防ぐためにマスキング補助体232の電位を適切に設定することが必要であり、霧化液体がマスキング補助体232に付着可能となる電位に設定されている。
被塗物40は電圧印加手段50の負極に接続されているが、更に、被塗物40が接地される構成にしてもよい。
図14は、定電圧装置251の有無における塗膜形成を示す図と塗膜の拡大図である。
図14(a)は、マスキング補助体232に定電圧装置251が接続されていない場合の塗膜形成及び塗膜の拡大図を示し、図14(b)は、マスキング補助体232に定電圧装置251が接続されている場合の塗膜形成及び塗膜の拡大図を示す。
図14(a)において、液体噴霧部20から噴射された霧化液体287は正電位に帯電しており、マスキング補助体232及び被塗物40は負極に帯電されている。中心及びその周囲に噴霧された霧化液体287aはマスキング補助体232の孔部232aを直進して通過し、被塗物40に到達して塗膜285aを形成する。
外側に噴霧された霧化液体287bは、孔部232aの縁によって引き付けられて進行方向がさらに外側に曲げられて被塗物40に到達して塗膜285bを形成する。また、外側に噴霧された霧化液体287cは孔部232aの縁によって引き付けられてマスキング補助体232の被塗物40の側の面に付着し、霧化液体287dはマスキング補助体232の液体噴霧部20の側に付着して被塗物40に到達しない。
塗膜の拡大図に示すように、塗膜285bはマスキング補助体232の孔部232aの外側に形成され、霧化液体287bが分散するため、孔部232aから離れるに伴い薄くなる。したがって、本来形成したいマスキング補助体232の孔部232aの外縁の塗膜285aより大きくなり、また輪郭が不明瞭になってしまう。
このような塗膜285の品質を向上するためには、被塗物40とマスキング補助体232の隙間Taを小さくして、霧化液体287bが外側に進むのを少なくする必要がある。
しかし、隙間Taを小さくすると、マスキング補助体32が被塗物40と隙間を有して非接触状態で配置されており、被塗物40と液体噴霧部20及びマスキング治具230とを相対的に移動させることが可能になっている構成において、被塗物40とマスキング治具230とを相対的に移動することに制約が生じてしまう。
このように、塗膜285を高い品質にするとともに、被塗物40とマスキング治具230とを相対的に移動することを可能にするために、マスキング補助体232が被塗物40と最も接近する部位である最接近部が被塗物40と非接触状態であって、その距離が20mm以下、好ましくは10mm以下、より好ましくは8mm以下に配置されている。
図14(b)に示す通り、マスキング補助体232に定電圧装置251が接続されている。そして、その電位は、液体噴霧部20と同じ極性であって液体噴霧部20との電位差より被塗物40との電位差が小さいように設定されている。
すなわち、液体噴霧部20とマスキング補助体232は同じ正極であるが、液体噴霧部20に対してマスキング補助体232の電位は相当程度低くなっている。好ましくは、液体噴霧部20の電位が10kV以上30kV以下であるのに対して、マスキング補助体232の電位は1kV以上5kV以下になっている。
被塗物40は電圧印加手段50の負極に接続されており、負極と同じ電位になっており、更に、被塗物40が接地されている場合には対地電位が0Vになる。
液体噴霧部20から正電位に帯電した霧化液体287が噴射され、被塗物40に向かって移動してマスキング補助体付近に到達する。そして、マスキング補助体232の孔部232aに到達した霧化液体287aは同じ極性のマスキング補助体232に引き付けられることなく、また、マスキング補助体232の電位が相対的に霧化液体287と近く、殆ど反発力を受けることもなく、直進して孔部232aを通過し、被塗物40に到達する。
マスキング補助体232の孔部232aの外側に到達した霧化液体287bは、マスキング補助体232の電位が相対的に霧化液体287と近く、殆ど反発力を受けることもなく、マスキング補助体232の液体噴霧部20の側の表面に付着する。
このように、マスキング補助体232の電位は、静電噴霧装置10により霧化した霧化液体がマスキング補助体232の液体噴霧部20の側に塗着することが可能な電位に保たれている。
更に、マスキング補助体232の電位は、マスキング補助体232の被塗物40の側に霧化液体が塗着しない電位に保たれている。
霧化液体が、マスキング補助体232の液体噴霧部20の側には塗着するが、被塗物40の側には塗着しない電位が選択できるのは、霧化液体の電位が相対的に霧化液体287と近くマスキング補助体232から受ける力が弱いとともに、霧化液体の直進性が高く、マスキング補助体232の孔部232aを通過した霧化液体を逆方向に引き戻して塗着させるのは、より強い力が必要であり、霧化液体との電位差をより大きくする必要があるためである。
マスキング補助体232の電位をこのような電位に保つことにより、霧化液体の進路を曲げることがなくなる。このため、マスキング補助体232の孔部232aの内側に向けて進んできた霧化液体287aはそのまま被塗物40に到達し、孔部232aの形状のままの塗膜285を形成する。また、孔部232aの外側に向けて進んできた霧化液体287dは、マスキング補助体232の液体噴霧部20の側の表面に塗着する。
したがって、マスキング補助体232の電位をこのような電位に保つことにより、図14(a)における霧化液体287bや霧化液体287cに相当する霧化液体を無くすことができ、塗膜285の品質を向上することができる。
このため、塗膜の拡大図に示すように、被塗物40に形成される塗膜285は、マスキング補助体232の孔部232aと等しく塗膜285aのみが形成される。塗膜285aは厚さも均一であり、非常に品質の高い塗膜285となる。
このように品質の高い塗膜285を形成する場合であっても、被塗物40とマスキング補助体232の隙間Tbは十分に広くとることができる。
例えば、隙間Taが1mm~2mm程度である場合に、隙間Tbは10mm程度にすることができ、被塗物40と液体噴霧部20及びマスキング治具230とを相対的に移動させるのに何ら支障が生じないようにすることができる。
図12に示すマスキング補助体232は平面形状であるため、被塗物40と最も接近する部位である最接近部はマスキング補助体232の被塗物40に近い面全体となり、図14に示す隙間Ta、隙間Tbがその距離に相当する。
なお、図12及び図14において、マスキング補助体232には孔部232aが設けられている構成によって説明しているが、これに限定されるものではない。本実施形態において、マスキング補助体232は孔の有無に限定はなく、様々な形状、構成のマスキング補助体232に適用することができる。マスキング補助体232は、孔の無い1枚の板状を成し、その外形を利用して塗膜を形成するマスキングであってもよく、また、図10、図11に示すように、複数のマスキングで構成され、それらのマスキングが相互に成す形状の塗膜を形成するマスキングであってもよい。このように、様々な形状、構成のマスキング補助体232に定電圧装置251を接続して、マスキング補助体232の電位を上記説明のとおりの電位にすることにより、同様に非常に品質の高い塗膜285を形成することができる。また、このように品質の高い塗膜285を形成する場合であっても、被塗物40とマスキング補助体232の隙間を十分に広くとることができ、被塗物40と液体噴霧部20及びマスキング治具230とを相対的に移動させるのに何ら支障が生じないようにすることができる。
図15は、本発明に係る第3実施形態のマスキング治具230の変形例を示す断面図である。
図16は、本発明に係る第4実施形態のマスキング治具230を示す、(a)正面図、(b)断面図である。
図15に示すマスキング治具230は、マスキング補助体232が円錐台形状をなしている点で、図12に示すマスキング治具230と異なるものである。マスキング補助体232の形状以外については図12に示す構成と同様であり、マスキング補助体232に接続される定電圧装置251についても図12に示す構成と同じである。
図15に示すマスキング治具230を支持部材240、取付部材241によって液体噴霧部20の液体ノズル22に取り付けて一体構造にしたものが、図16に示す第4実施形態のマスキング治具230であり、以下、図16に示す第4実施形態ついて説明する。
(第4実施形態)
第4実施形態のマスキング治具230において、マスキング補助体232に定電圧装置251が接続されている点で、図8に示す第2実施形態と異なるものである。
マスキング補助体232が、導電材料若しくは1010Ω以下の表面抵抗の半導電性材料、帯電防止材料によって形成されている点は、第2実施形態と同様である。
なお、図15及び図16において、マスキング治具230は、マスキング補助体232は有するが、マスキング本体は有さない構成となっている。本実施形態において、マスキング本体は有する構成であっても、有さない構成であってもよい。
マスキング本体を有する場合の配置、役割、材質等は第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態の場合と同様である。
マスキング補助体232に接続される定電圧装置251の作用は、図12に示す構成と同様である。
すなわち、マスキング補助体232に定電圧装置251が接続されている場合には、液体噴霧部20の電位が最も高く、次にマスキング補助体232が高く、被塗物40が最も低いという関係になる。そして、マスキング補助体232と被塗物40の電位差は定電圧装置251の定格電圧になる。すなわち、被塗物40を基準電位とした場合に、マスキング補助体232は、正の電位を有している。
したがって、マスキング補助体232に定電圧装置251が接続されている場合には、電圧印加手段50の電源電圧と定電圧装置251の定格電圧の選択により、液体噴霧部20、マスキング補助体232、被塗物40の電位を所定の関係に設定することができる。
本実施形態において、マスキング補助体232の電位は、液体噴霧部20と同じ極性であって液体噴霧部20との電位差より被塗物40との電位差が小さいように設定することが好ましい。
また、マスキング補助体232の電位は、静電噴霧装置10により霧化した霧化液体がマスキング補助体232の液体噴霧部20の側に塗着することが可能な電位に保たれている。
更に、マスキング補助体232の電位は、マスキング補助体232の被塗物40の側に霧化液体が塗着しない電位に保たれている。
エレクトロスプレー法において、一般に電圧印加手段50は10kVから30kV程度の電源電圧に設定される。これに対して、マスキング補助体232の電位は、好ましくは1kV以上5kV以下、より好ましくは2kV以上4kV以下である。
マスキング補助体232の電位が高過ぎると、液体噴霧部20から噴射された霧化液体はマスキング補助体232と同し極性に帯電しているため、マスキング補助体232により反発力を受けてしまう。これを防ぐためにマスキング補助体232の電位を適切に設定することが必要である。
被塗物40は電圧印加手段50の負極に接続されているが、更に接地される構成にしてもよい。
マスキング補助体232は、円錐台形状をなし、薄板状の導電材料若しくは1010Ω以下の表面抵抗の帯電防止材料によって中空に形成されており、被塗物40に近い側に孔部232aが設けられている。被塗物40に近い側が小径端部232c、液体噴霧部20に近い側が大径端部232dであり、これらを側面232eが結ぶ構成となっている。すなわち、被塗物40から液体噴霧部20に向かうに伴って、液体ノズル22の軸直角方向で、マスキング補助体232への距離が同じ又は長くなるように構成されている。孔部232aが小径端部232cの全体に構成されている場合には、被塗物40から離れて液体噴霧部20に向かうに伴って孔部232aの面積が大きくなるように構成されているとみなすこともできる。
マスキング補助体232において、孔部232aの周囲又は縁となる小径端部232cが、被塗物40と最も接近する部位である最接近部232bに相当するが、小径端部232cが被塗物40と非接触状態であって、その距離が20mm以下、好ましくは10mm以下、より好ましくは8mm以下に配置されている。
マスキング補助体232は、中央に塗布部を画定し、噴霧された液体が通過するための孔部232aを有しており、被塗物40の上に描きたいパターンに応じて孔部232aの形状は自由に選択することが可能であり、例えば、円形の他、三角形、多角形など任意の形状とすることができる。
なお、図16においてマスキング補助体232は、円錐台形状をなすように構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、多角錐台形状、円柱形状又は孔を構成しない平面若しくは曲面で形成されるものであってもよい。円柱形状の場合、孔部232aは被塗物40から離れても同径となる。同様に孔部232aの中心軸に対するマスキング補助体132の直角断面の内周長も、被塗物40から離れても同じ長さとなる。
マスキング補助体231の側面231eにおいて、大径端部231dの近傍の部分に支持部材240が図16に示す実施形態では3か所接続されており、その後方端が取付部材241に接続され一体になっている。
取付部材241は、液体ノズル22の外径と略同径の貫通孔が設けられており、この貫通孔が液体ノズル22に嵌入されて固定される。
すなわち、マスキング補助体232は、支持部材240及び取付部材241を介して液体ノズル22に固定され、これにより、マスキング治具230が液体噴霧部20に付設されて、一体構造となる。
このようにして、マスキング治具230と液体噴霧部20を一体構造とすることで、被塗物40に対して、マスキング治具230と液体噴霧部20を一体として移動させることができ、マスキング補助体232の孔部232aによって画定される塗膜を基準単位として、この基準単位の組み合わせによる様々な形状の塗布を行うことができる。すなわち、点や線あるいは絵を描くような特殊な塗布作業をすることができる。
また、従来のようにマスキング治具230を被塗物40に接触させた構成にする場合には、マスキング治具230を配置できないような被塗物40であっても、マスキング治具230を使用した精密な塗布作業ができるようになる。例えば、表面に凹凸があるような被塗物40や曲面で構成された被塗物40であっても、本実施形態のマスキング治具230であれば、適切に配置して塗布作業を行うことができる。被塗物40に凹凸がある場合には、マスキング治具230と液体噴霧部20を一体として前後方向も含めて3次元に移動して塗布作業を行うことができる。
マスキング補助体232が円錐台形状に構成されているため、孔部232aと同径の範囲の霧化液体は、孔部232aの近傍に来るまでマスキング補助体232の影響を殆ど受けないで孔部232aに至り、そのまま孔部232aを通って被塗物40に到達して塗膜を形成する。
マスキング補助体232の被塗物40の側の側面232eが、液体噴霧部20の液体ノズル22の中心軸に対して斜めになっており、更に、本実施形態において定電圧装置251がマスキング補助体232に接続されることでマスキング補助体232の電位が、液体噴霧部20との電位差より被塗物40との電位差が小さいように設定されている。
そして、マスキング補助体232が霧化液体と同じ極性であり霧化液体より相当に低い電位であるため、孔部232aの内周縁近傍を通過する霧化液体は、マスキング補助体232の影響を殆ど受けないでほぼ直進したまま被塗物40に到達して塗膜を形成するので、孔部232aに対して精度の高い塗膜を形成することができる。
図14(a)において孔部232aの内周縁のすぐ脇を通過する霧化液体287cは、マスキング補助体232に引き寄せられて進行方向を約180°変えて、マスキング補助体232の被塗物40に近い側に到達した。
しかし、図16に示す第4実施形態では、マスキング補助体232の電位が霧化液体と同じ極性であるため、霧化液体がマスキング補助体232に引き寄せられることはない。したがって、孔部232aの内周縁を通過しても、図14(a)における霧化液体287cのような挙動を示す液体は全く無い状態となる。
このようにすることで、形成される塗膜を高い品質にすることができ、また、マスキング補助体232への液体の付着量を少なくし、液体の無駄を省いてマスキング補助体132の洗浄回数を大幅に低減することを可能としている。
このように、第4実施形態では、マスキング補助体232を円錐台形状等に構成することと、マスキング補助体232に接続することの相乗効果により、非常に高い品質の塗膜を形成することができる。
なお、マスキング補助体232は図16で示す円錐台形状に限定されるものではなく、図10、図11で示すように、分離した2枚の板状物により形成されており、液体ノズル22の軸方向に被塗物40から離れるに伴い液体ノズル22の軸直角方向で2枚の板状物の相互の距離が同じ又は長くなるように配置されているように構成してもよい。
このように、マスキング補助体232に定電圧装置251が接続することによる作用、効果は図12、図13、図14に示す場合と同様である。
すなわち、被塗物40に形成される塗膜は、図14(b)で示す塗膜285aと同様であり、マスキング補助体232の孔部232aと等しく形成され、塗膜の厚さも均一であり、非常に品質の高い塗膜となる。
また、このように品質の高い塗膜を形成する場合であっても、被塗物40とマスキング補助体232の隙間は十分に広くとることができる。
例えば、被塗物40とマスキング補助体232の最接近部232bとの隙間は10mm程度にすることができ、被塗物40と液体噴霧部20及びマスキング治具230とを相対的に移動させるのに何ら支障が生じないようにすることができる。
以上、説明したように、本実施形態によれば、点や線あるいは絵を描くような特殊な塗布作業や、被塗物にマスキング治具を設置することが難しい場合の塗布作業に用いることができ、非常に高い品質の塗膜を形成することができるマスキング治具を提供することができる。
以上、具体的な実施形態に基づいて本発明を説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形や改良を実施しても良い。
例えば、液体噴霧部20の液体ノズル22近傍に液体を帯電状態で離脱させるのを促進する追加の異極部や電極を設けるようにしても良い。
また、上記説明を通して液体噴霧部20が正の電位であり、被塗物40が負の電位として説明しているが、これに限定されるものではない。液体噴霧部20が負の電位であり、被塗物40が正の電位であっても同様の効果を奏するものであり、この場合には、実施形態1及び実施形態2においては、マスキング補助体232は被塗物40と同電位、すなわち正の電位であり、実施形態3及び実施形態4においては、マスキング補助体232は液体噴霧部20と同じ極性、すなわち負の電位になる。
更に、マスキング補助体32、232は孔部32a、232aが設けられている構成に限定されるものではなく、孔の有無に限定はなく、様々な形状、構成のマスキング補助体32、232に適用することができる。マスキング補助体32、232は、孔の無い1枚の板状を成し、その外形を利用して塗膜を形成するマスキングであってもよく、また、図10、図11に示すように、複数のマスキングで構成され、それらのマスキングが相互に成す形状の塗膜を形成するマスキングであっても同様の効果を奏するものである。
このように、本発明は、具体的な実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形や改良を施したものも本発明の技術的範囲に含まれるものであり、そのことは、当業者にとって特許請求の範囲の記載から明らかである。
10 静電噴霧装置
20 液体噴霧部
21 胴体部
21a 液体供給口
21b 液体流路
21c 孔部
21d 後端開口部
21e 雌ネジ構造
22 液体ノズル
22a 先端外周縁
22b 開口部
23 心棒
23a 摘み部
23b 電気配線接続部
23c 雄ネジ構造
23d 先端面
24 シール部材
30 マスキング治具
31 マスキング本体
31a 開口
31b 外周縁
32 マスキング補助体
32a 孔部
32b 最接近部
34 絶縁裏カバー
34a 開口
35 周縁
40 異極部(被塗物)
41 塗布部
42 非塗布部
43 境界
50 電圧印加手段
60 アース手段
80 テーラコーン
82 ジェット部
85 塗膜
87a、b、c、d 噴霧液体
130 マスキング治具
131 マスキング本体
131a 開口
131c 小径端部
131d 大径端部
131e 側面
132 マスキング補助体
132a 孔部
132b 最接近部
132c 小径端部
132d 大径端部
132e 側面
140 支持部材
141 取付部材
230 マスキング治具
232 マスキング補助体
232a 孔部
232b 最接近部
232c 小径端部
232d 大径端部
232e 側面
240 支持部材
241 取付部材
251 定電圧装置
285 塗膜
287 霧化液体
287a、b、c、d 霧化液体

Claims (5)

  1. 液体噴霧部と、前記液体噴霧部に対して異極となる異極部との間に電圧を印加して発生する静電気力によって液体を帯電状態で前記液体噴霧部から離脱させ、異極部である被塗物に霧化液体を噴霧する静電噴霧装置に用いるマスキング治具であって、
    絶縁性材料から形成されるマスキング本体と、導電性材料又は半導電性材料から形成されるマスキング補助体と、を備え、
    前記マスキング本体は、前記被塗物に前記液体を塗布しないように配置され、前記液体を反発する帯電状態であり、
    前記マスキング補助体は、前記被塗物において、前記液体を塗布しない非塗布部と前記液体を塗布する塗布部との境界を画定するように配置され、前記被塗物と同電位であり、
    前記マスキング本体及び前記マスキング補助体は、前記被塗物と非接触状態に配置されている、
    ことを特徴とするマスキング治具。
  2. 前記マスキング補助体は、前記液体噴霧部において前記液体を噴射する液体ノズルの軸方向に前記塗布部から離れるに伴い前記液体ノズルの軸直角方向で前記マスキング補助体への距離が同じ又は長くなる、
    ことを特徴とする請求項1に記載のマスキング治具。
  3. 前記マスキング補助体の前記被塗物の側の縁において、前記被塗物と最も接近する部位である最接近部が、前記被塗物と10mm以内に配置されている、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のマスキング治具。
  4. 前記マスキング補助体は、前記液体噴霧部に付設されている、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のマスキング治具。
  5. 前記マスキング補助体は、前記塗布部を画定する孔部を有し、
    前記孔部の面積が、前記塗布部から離れるに伴い同じ又は大きくなる、
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のマスキング治具。
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