JP7475169B2 - インターホン機器 - Google Patents

Description

本発明はインターホン機器に関し、特にインターホン機器のケースを開けた際に、分離されたケース部材同士が紐で連結されていることで、一定距離以上離れないよう構成されているインターホン機器に関する。

インターホン機器には、ケースを開けた際に取り外した前ケース或いは取り外した収納部材が落下しないように、壁面に固定されている後ケース等と紐で連結した状態で収納或いは固定されているものがある。
例えば特許文献１では、インターホン機器のケースに、増設機器（副親機）と通信するためのアダプタを収納する際に、紐でケースに連結した状態でケース内に収納する構成が開示されている。

特開２０１４－１７６６４号公報

上述したように紐を用いて壁面に固定されているケースに連結することで、固定状態を解除しても落下を防止できるため、接続されている伝送線等が切断されるのを防止できたし、ケース等の破損を防止できた。
しかしながら、連結に使用する紐に形成された結び目は嵩張るため、ケース内の狭い空間に収まり難かった。特に、ケースを薄くしようとした場合、この結び目に加えて突設した紐の係止部も邪魔となり、薄型化を難しくしていた。

そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、前後に分離可能なケースを紐で連結する構造を備えても、ケースの薄型化が可能な構造のインターホン機器を提供することを目的としている。

上記課題を解決する為に、請求項１の発明は、本体を形成するケースが、操作部及びモニタを備えた前ケースと、壁面に固定される後ケースとに分離可能に構成されたインターホン機器であって、前ケースの内側と後ケースの内側とに、リング状の紐を係止するための第１紐係止部及び第２紐係止部を設け、前ケースに設けた第１紐係止部は、結んでリング状に形成した紐の結び目を収納する結び目収容部と、結び目収容部の上部であって、結び目収容部から引き出した一対の紐の間に配置され、紐が上方へ付勢された際に係止する係止片と、結び目収容部の上部左右に配置されて、係止片への紐の係止を案内する一対の案内手段とを有する一方、後ケースに設けた第２紐係止部は、下方へ付勢された紐を係り止めるフックであり、前ケースと後ケースとが、第１紐係止部及び第２紐係止部との間に掛け渡された紐で連結されることを特徴とする。
この構成によれば、紐の結び目を収容する結び目収容部を備えるため、結び目位置を固定できる。よって、周囲の回路素子や部材に結び目が接触して不具合を発生することがなく、ケースを薄くしても紐の結び目の位置を考慮する必要が無い。

請求項２の発明は、請求項１に記載の構成において、第１紐係止部と第２紐係止部とは、前ケースと後ケースとを一体化した際に、前後で重ならない位置に配置されることを特徴とする。
この構成によれば、第１紐係止部と第２紐係止部とは、前ケースと後ケースとを合体した際に前後で重なる位置にないため、ケースの厚みが双方の突出量により規定されず、厚みを薄くできる。

請求項３の発明は、請求項１又は２に記載の構成において、案内手段の少なくとも１つが、ケース内に組み付ける部材を固定するための突起した固定手段でもあることを特徴とする。
この構成によれば、別途案内手段を形成する必要がない。

本発明によれば、紐の結び目を収容する結び目収容部を備えるため、結び目位置を固定できる。よって、周囲の回路素子や部材に結び目が接触して不具合を発生することがなく、ケースを薄くしても紐の結び目の位置を考慮することが無い。

本発明に係るインターホン機器の一例を示す居室親機の正面図である。 図１の居室親機の右側面図である。 前ケースの背面説明図である。 後ケースの正面説明図である。 Ａ部の説明図で、（ａ）は拡大図、（ｂ）はＡ部を斜め後方から見た斜視説明図である。 Ｂ部の説明図で、（ａ）は拡大図、（ｂ）はＢ部を斜め前方から見た斜視説明図である。

以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。図１，２は本発明に係るインターホン機器の一例を示し、図１は正面図、図２は右側面図である。ここでは、図示しない玄関子機からの呼び出しに応答するための居室親機１を示している。図１において、１１は玄関子機から送信された映像情報（来訪者映像等）を表示するモニタ、１２は応答操作等を行う操作ボタンであり、居室親機１は壁面に固定されて使用される。
尚、モニタ１１は、来訪者映像等の図示しないカメラの撮像映像に加えて、操作部を構成するタッチパネルを備えており各種情報を表示可能としている。

この居室親機１の本体を形成するケース２は、前面を構成する前ケース２ａと壁面に固定される後ケース２ｂとからな成り、図３は前ケース２ａの背面図、図４は後ケース２ｂの正面図であり、ケース２の内側の構造を示している。尚、図３において、３は前ケース２ａと後ケース２ｂとを連結する紐を示している。
また、図５は図３Ａ部の説明図で、（ａ）は拡大図、（ｂ）はＡ部を斜め後方から見た斜視説明図である。図６は図４Ｂ部の説明図で、（ａ）は拡大図、（ｂ）はＢ部を斜め前方から見た斜視説明図である。

図５において、２１は紐３の結び目３ａを収容する結び目収容部、２２は紐３を係止する係止片、２３（２３ａ，２３ｂ）は案内手段であり、これらの部材により紐３を係止する第１紐係止部４を構成している。また図６において、２５は紐３を係止する第２紐係止部５を構成するフックである。
このように、前ケース２ａの右上裏面（内側）に第１紐係止部４が形成され、後ケース２ｂの右上前側（内側）に第２紐係止部５が形成されている。

以下、第１紐係止部４、第２紐係止部５を具体的に説明する。図５に示すように、第１紐係止部４の結び目収容部２１は箱状に形成され、一方の側部から上部にかけて開口形成されている。そして係止片２２は、この結び目収容部２１の上部に配置されて、結び目収容部２１の開口された上部を閉塞するよう水平面を有する板状に形成されている。この係止片２２は、上方に引っ張られた紐３を係止して結び目収容部２１から抜け出るのを防止するフックの作用を奏するよう形成されている。

また案内手段２３は、結び目収容部２１の上端左右に突設され、結び目収容部２１と係止片２２の間の隙間の左右方向を閉塞するよう配置されている。この案内手段２３は、結び目３ａを収容した結び目収容部２１から引き出された２本の紐３が、係止片２２の左右からそれぞれ上方に引き出されるよう作用する。

尚、２つの案内手段２３ａ、２３ｂのうちの一方案内手段２３ｂは、前ケース２ａに機器構成部材を固定するために前ケース２ａの裏面に起立形成された固定手段としてのネジ螺入筒が使用されている。

このように構成した第１紐係止部４に対して、紐３は次の様に係止される。図５（ａ）に示すように、両端を結んで紐３をリング状にし、まず結び目３ａを結び目収容部２１に収容する。次に、結び目収容部２１から出した２本の紐３をそれぞれ係止片２２の左右から引き出す。即ち、案内手段２３と係止片２２の間から紐３を上方に引き出す。

一方、第２紐係止部５はＬ字状に形成されたフック２５であり、１部材で構成されている。詳しくは、図６に示すように、後ケース２ｂの内面から前方に突出させて先端を上方に折り曲げ形成して略Ｌ字状に形成されている。そして、折り曲げた先端部には更に折り曲げた内側となる後方に向けて爪片２５ａが設けられ、係止した紐３が外れないよう形成されている。

このように構成された第２紐係止部５に対して、開放されている上方から紐３を挿入して爪片２５ａの奥部に入り込ませれば良い。係止された紐３は、爪片２５ａの作用で抜けが防止される。こうして、１つのリング状の紐３が前ケース２ａと後ケース２ｂの双方に係止される。
尚、図１に示すように、第１紐係止部４と第２紐係止部５とは、前ケース２ａと後ケース２ｂとを合体した際に互いに近い位置に配置されるが、前後で重ならない部位に配置されるよう形成されている。

このように、紐３の結び目３ａを収容する結び目収容部２１を備えるため、結び目位置を固定できる。よって、周囲の回路素子や部材に結び目が接触して不具合を発生することがなく、ケース２を薄くしても、紐３の結び目３ａの位置を考慮することが無い。
また、第１紐係止部４と第２紐係止部５とは、前ケース２ａと後ケース２ｂとを合体した際に前後で重なる位置にないため、ケース２の厚みが双方の突出量により規定されず、厚みを薄くできる。更に、案内手段２３の１つとしてネジ螺入筒２３ｂが使用されるため、別途案内手段２３を形成する必要がない。

尚、上記実施形態は、玄関子機との間で通信する居室親機１の構成について説明したが、本発明の構成は壁面に固定して使用するインターホン機器に対して好適である。
また、第１紐係止部４を構成する係止片２２を平坦な板状に形成しているが、紐３が当接する下面を曲面にして、紐３を係止し易くしても良い。

１・・居室親機（インターホン機器）、２・・ケース、２ａ・・前ケース、２ｂ・・後ケース、３・・紐、３ａ・・結び目、４・・第１紐係止部、５・・第２紐係止部、１１・・モニタ、１２・・操作部、２１・・結び目収容部、２２・・係止片、２３・・案内手段、２３ｂ・・ネジ螺入筒（固定手段）、２５・・フック。

Claims (3)

1. 本体を形成するケースが、操作部及びモニタを備えた前ケースと、壁面に固定される後ケースとに分離可能に構成されたインターホン機器であって、
   前記前ケースの内側と前記後ケースの内側とに、リング状の紐を係止するための第１紐係止部及び第２紐係止部を設け、
   前記前ケースに設けた前記第１紐係止部は、結んでリング状に形成した前記紐の結び目を収納する結び目収容部と、前記結び目収容部の上部であって、前記結び目収容部から引き出した一対の前記紐の間に配置され、前記紐が上方へ付勢された際に係止する係止片と、前記結び目収容部の上部左右に配置されて、前記係止片への前記紐の係止を案内する一対の案内手段とを有する一方、
   前記後ケースに設けた前記第２紐係止部は、下方へ付勢された前記紐を係り止めるフックであり、
   前記前ケースと前記後ケースとが、前記第１紐係止部及び前記第２紐係止部との間に掛け渡された紐で連結されることを特徴とするインターホン機器。
2. 前記第１紐係止部と前記第２紐係止部とは、前記前ケースと前記後ケースとを一体化した際に、前後で重ならない位置に配置されることを特徴とする請求項１記載のインターホン機器。
3. 前記案内手段の少なくとも１つが、ケース内に組み付ける部材を固定するための突起した固定手段でもあることを特徴とする請求項１又は２記載のインターホン機器。

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