JP7474848B2 - マルチビーム偏光装置及びビームストップを備えた粒子ビームシステム、粒子ビームシステムの動作方法、及び関連するコンピュータプログラム製品 - Google Patents

マルチビーム偏光装置及びビームストップを備えた粒子ビームシステム、粒子ビームシステムの動作方法、及び関連するコンピュータプログラム製品 Download PDF

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Description

本発明は、複数の粒子ビームで動作する粒子ビームシステムに関する。
シングルビーム粒子顕微鏡と同様に、マルチビーム粒子顕微鏡を用いて、微視的スケールの物体を分析することができる。これらの粒子顕微鏡を用いて、例えば物体の表面を表すその物体の画像を記録することができる。このようにして、例えば表面の構造を分析することができる。シングルビーム粒子顕微鏡では、例えば電子、陽電子、ミュオン、イオン等の荷電粒子の単独の粒子ビームを用いて物体を分析するが、マルチビーム粒子顕微鏡では、複数の粒子ビームをこの目的で用いる。束とも称する複数の粒子ビームを同時に物体の表面に指向させる結果として、同じ期間内に走査し分析できる物体の表面の面積は、シングルビーム粒子顕微鏡に比べて大幅に大きい。
特許文献1は、平行な電子ビーム束を用いて検査対象の物体を走査するために複数の電子ビームを用いて動作する電子顕微鏡システムの形態の多粒子ビームシステムを開示している。電子ビーム束は、複数の開口を有する多孔プレートに電子源を向けることにより生成された電子ビームにより生成される。電子ビームの電子の一部は多孔プレートに入射してそこに吸収され、ビームのうち別の部分は多孔プレートの開口を通過することで、各開口の下流のビーム経路で電子ビームが整形され、この電子ビームの断面は開口の断面により規定される。さらに、適切に選択された電界が多孔プレートの上流及び/又は下流のビーム経路に与えられることにより、多孔プレートの各開口がその開口を通過する電子に対してレンズとして働くことで、多孔プレートから離れて位置する平面に電子ビームが集束するという効果がある。電子ビームの焦点が形成される平面は、下流の光学ユニットにより検査対象の物体の表面に結像され、個々の電子ビームが一次ビームとして集束して物体に入射する。そこで、物体から生じる後方散乱電子又は二次電子等の相互作用生成物が生成され、これらが二次ビームを形成するように整形されてさらに別の光学ユニットにより検出器に指向される。検出器では、二次ビームのそれぞれが別個の検出器素子に入射し、当該検出器素子により検出された電子強度が、対応する一次ビームが物体に入射する部位における物体に関する情報を提供する。走査型電子顕微鏡に慣例的な方法で物体の電子顕微鏡写真を生成するために、一次ビーム束は、物体の表面にわたって系統的に走査される。
記載の多粒子ビームシステムでは、高分解能が、実際には十分に良好な使用に非常に重要である。粒子ビームシステムの分解能は、試料上の個々の画素の走査グリッド又は画素当たりの滞留時間と、粒子ビーム径とにより通常は制限される。試料上の特定の走査グリッド又は画素当たりの滞留時間をできる限り正確に観察するために、走査粒子ビームの精密な制御が必要であり、例えば走査手順におけるラインジャンプの場合又は異なる試料領域の走査のための試料ステージの変位の場合に、試料への粒子ビームの入射を意図的に短時間遮断することが望ましい場合がある。
原理上、ビームストップと組み合わせた偏向装置の使用は、そのような粒子ビームの遮断(いわゆる「ブランキング」)又は物体への粒子ビームの入射の遮断で知られている。例として、シングルビーム粒子顕微鏡に関する対応する構成が特許文献1及び特許文献2から分かる。粒子ビームは、帯電した偏向板により偏向され、単純な絞りがビームストップとして用いられる。単一の粒子ビームのビーム径は、シングルビーム粒子顕微鏡のビーム管径に比べて小さいので、絞りは、原理上は粒子光学ユニット内に所望に応じて位置決めされ得る。
この設計自由度は、空間上の理由から多粒子ビームシステムにはこのように存在しないが、その理由は、多粒子ビームシステムの場合のビーム管に比べてビームアレイが比較的大きな直径を有するからである。したがって、多粒子ビームシステム及び特にマルチビーム粒子顕微鏡の偏向装置が陰極の近くに配置され、関連するビームストップが陽極付近に、よって複数の個別粒子ビームの生成の上流に配置される。しかしながら、この標準的な構成は、多粒子ビームシステムにおいて、単一の粒子ビームから複数の個別粒子ビームを生成するために用いられるマルチビーム生成器付近での不要電荷につながる。これらの電荷は不利であり、マルチビーム生成器に求められるできる限り均一な照射を妨げるか、又はマルチビーム生成器の多孔プレートの開孔のレンズ効果を損なわせる。最悪の場合、これは画像歪みにつながる。
国際公開第2005/024881号 米国特許第8,759,796号 米国特許出願公開第2018/0151327号明細書
したがって、本発明の目的は、上記課題を解決する、偏向装置及びビームストップを備えた改良型の粒子ビームシステム、特にマルチビーム粒子顕微鏡を提供することである。
この目的は、独立特許請求項の主題により達成される。本発明の有利な実施形態は、従属特許請求項から明らかである。
本発明は、出願番号102019008249.4号の独国特許出願の優先権を主張し、その開示の全範囲を参照により本特許出願に援用する。
ここで、本発明は、以下の不可欠な検討事項に基づく。第1に、マルチビーム偏向装置は、複数の帯電した第1個別粒子ビームの一括偏向の目的で本発明に従って用いられる。よって、複数の個別粒子ビームが最初に生成され、マルチビーム偏向装置による任意のブランキング又は偏向がその後にのみ一括して実施される。よって、粒子ビームの伝播方向に且つ粒子光学ビーム経路に関して見ると、本発明による偏向装置は、複数の個別粒子ビームを最初に生成するマルチビーム生成器の下流にのみ配置される。これにより、マルチビーム生成器の不要な帯電が回避される。第2に、粒子光学ビーム経路へのビームストップの絶妙な配置は、多粒子ビームシステムの限られた空間条件を考慮したものである。これは、粒子ビーム径が縮小又は最小化される部位と同じ高さにビームストップが配置されるからである。この場合、これは、例えばクロスオーバ又は中間像の部位であり得る。本発明を以下でより詳細に説明する。
本発明の第1態様によれば、本発明は、粒子ビームシステム、より詳細にはマルチビーム粒子顕微鏡であって、
荷電粒子ビームを生成するよう構成された少なくとも1つの粒子源と、
第1粒子光学ビーム経路を有する第1粒子光学ユニットであり、複数の個別粒子ビームを生成してそれらを物体面に結像するよう構成された第1粒子光学ユニットと、
物体面の入射部位から生じる複数の第2個別粒子ビームを検出器ユニットに結像するよう構成された第2粒子光学ユニットと
を備え、さらに、
荷電粒子ビームから複数の帯電した第1個別粒子ビームを生成するよう構成されたマルチビーム生成器と、
個別粒子ビームを実質的に通過させ、且つ第1個別粒子ビームが複数の入射部位で物体面に当たるように第1個別粒子ビームを物体面に指向させるよう構成された対物レンズと、
マルチビーム生成器と対物レンズとの間の第1粒子光学ビーム経路に配置され、且つ対物レンズと検出器ユニットとの間の第2粒子光学ビーム経路に配置されたビームスイッチであり、第1粒子光学ビーム経路及び第2粒子光学ビーム経路はビームスイッチ内で分岐するビームスイッチと、
ビームストップと、
コントローラを有するマルチビーム偏向装置と
を備え、マルチビーム偏向装置は、マルチビーム生成器の下流且つビームスイッチの上流の第1粒子光学ビーム経路に配置され、
コントローラは、第1個別粒子ビームがビームストップに実質的に入射し、したがって物体面には入射しないように、マルチビーム偏向装置により第1個別粒子ビームを一時的に一括偏向するよう構成され、且つ
ビームストップは、第1粒子光学ビーム経路に粒子ビーム径が縮小又は最小化される部位と同じ高さで配置される、粒子ビームシステムに関する。
荷電粒子は、例えば電子、陽電子、ミュオン、又はイオンその他の粒子であり得る。好ましくは、荷電粒子は、例えば熱電界放出源(TFE)を用いて生成された電子である。しかしながら、他の粒子源を用いることもできる。
原理上、マルチビーム生成器は従来技術から既知である。例として、マルチビーム生成器は、多孔プレート及び対向電極からなるマルチレンズアレイを含み得る。代替として、マルチビーム生成器は、多孔プレート及びマルチ偏光器アレイを含むことができる。2つのマルチビーム生成器は、複数の帯電した第1個別粒子ビームを生成する方法が異なる。特に、マルチレンズアレイを用いる場合は中間実像が生じ、マルチ偏光器アレイを用いる場合は中間虚像が生じ得る。本発明は、マルチビーム生成器の2つの上記変形形態と組み合わせて用いることができるが、他のマルチビーム生成器構成も可能である。
粒子光学対物レンズは、磁界レンズ若しくは電界レンズ又は磁界/電界複合レンズであり得る。
マルチビーム偏向装置は、マルチビーム生成器の下流且つ粒子ビームの伝播方向でビームスイッチの上流の第1粒子光学ビーム経路に、よってマルチビーム生成器とビームスイッチとの間に配置される。これにより、ブランキング処理中にマルチビーム生成器の不利な帯電が防止される。さらに、マルチビーム偏向装置は、同じ偏向場で全ての第1個別粒子ビームに作用するよう構成される。よって、別個の個別粒子ビーム毎に別個の偏向装置は設けられない。その代わりに、個別粒子ビームの偏向は、マルチビーム偏向装置を用いて一括で実施される。
マルチビーム偏向装置のコントローラは、第1個別粒子ビームがビームストップに実質的に入射し、したがって物体面には入射しないように、マルチビーム偏向装置により第1個別粒子ビームを一時的に偏向するよう構成される。コントローラは、マルチビーム偏向装置用の別個のコントローラであり得る。マルチビーム偏向装置用のコントローラは、システム全体のコントローラに、すなわち粒子ビームシステム全体のコントローラに統合することもできる。コントローラは、ブランキング処理を制御する。得られる第1個別粒子ビームの偏向は、ここでは一時的に実施され、したがって永続的には実施されない。一時的な偏向は、間欠的に実施することができ、偏向時間間隔はそれぞれ同じ長さを有する。しかしながら、これらの時間間隔を変えてもよい。有利な動作モードを本特許出願でさらに後述する。
さらに、本発明によれば、ビームストップは、第1粒子光学ビーム経路に粒子ビーム径が縮小又は最小化される部位と同じ高さで配置される。これは、多粒子ビームシステムの限られた空間条件を考慮したものである。指定の縮小又は最小粒子ビーム径は、複数の個別粒子ビームの各粒子ビーム径に関係し得る。しかしながら、代替として、これは複数の個別粒子ビーム全体により、よって粒子ビームアレイ又は個別粒子ビームの束により形成された全体粒子ビーム径に関係することもできる。粒子ビーム径が縮小又は最小化される部位に言及する場合、マルチビーム偏向装置により偏向されずに個別粒子ビームが物体面に入射する粒子光学ビーム経路に関するものである。結果として、ビームストップは、マルチビーム偏向装置の動作停止の場合は縮小又は最小粒子ビーム径の部位にも位置せず、マルチビーム偏向装置により個別粒子ビームが偏向される場合に個別粒子ビームが当たる部位と同じ高さに位置する。
本発明の好ましい実施形態によれば、第1粒子光学ビーム経路は、対物レンズの上流に個別粒子ビームのクロスオーバ面を有し、ビームストップは、第1粒子光学ビーム経路にクロスオーバ面と同じ高さで配置される。第1個別粒子ビームは、このクロスオーバ面で相互に交差するので、粒子ビームアレイ全体の粒子ビーム径はここで最小化又は少なくとも縮小される。第1個別粒子ビームは、クロスオーバで相互に最大限に接近する。通常、全ての個別粒子ビームの、すなわち個別粒子ビーム束の共通の断面は、クロスオーバ面で約25μm~200μmである。よって、マルチビーム粒子ビームシステムの空間条件が制限されている場合でも、ビームストップをこのクロスオーバと同じ高さで配置することができる。さらに、マルチビーム偏向装置の絶妙な配置及び作動により、個別粒子ビーム束をビームストップで同様に非常に小さな粒子ビーム径で偏向することが可能となる。したがって、ビームストップ自体を最小限に省スペースで具現することも可能である。本発明の一実施形態によれば、クロスオーバ面は、ビームスイッチと対物レンズとの間に配置される。
本発明の好ましい実施形態によれば、ビームストップは、第1粒子光学ビーム経路にマルチビーム生成器に対向する対物レンズの上焦点面と実質的に同じ高さで配置される。個別粒子ビーム径は、この平面で最小である。好ましくは、対物レンズの上焦点面は、交差する個別粒子ビームのクロスオーバ面に対応する。この構成は、物体面又はそこに位置する試料への個別粒子ビームのテレセントリック入射も可能にする。
本発明の好ましい実施形態によれば、マルチビーム偏向装置は、マルチビーム偏向装置により偏向された個別粒子ビームがクロスオーバ面及び/又は対物レンズの上焦点面で実質的に平行オフセットされるように配置及び/又は制御される。ここで、マルチビーム偏向装置は、中間像付近に設けられ得る。マルチビーム偏向装置を視野レンズ系と組み合わせることも可能である。視野レンズ系は、少なくとも1つの視野レンズを含み、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上の視野レンズを有する視野レンズ系でもあり得る。
クロスオーバ面の入射部位は変えるが、クロスオープン面の個別粒子ビームの方向は変えないクロスオーバ面の平行オフセットにより、偏向又はブランキングされた個別粒子ビームの粒子ビーム径も縮小又は最小化される。したがって、クロスオーバと同じ高さに又はクロスオーバ面に配置されたビームストップは、対応して小さな寸法又はビーム捕捉面積を有し得る。対物レンズの上焦点面における平行オフセットの利点は、物体面又は試料への個別粒子ビームの入射部位が、上記個別粒子ビームのオフセット中に変わらない、正確には、偏向された個別粒子ビームが対物レンズを通過しなくなるがビームストップに入射するほど大きく偏向されて初めて変わることである。よって、個別粒子ビームの観察可能な起動及び動作停止を、個別粒子ビームが物体上を通ることなくここで非常に急激に実施することができる。
本発明の好ましい実施形態によれば、ビームストップはカップを含む。よって、ここでのビームストップは、粒子ビームのための実質的に平面状の表面又は衝突面を有する絞りではなく、ビームストップは、偏向された個別粒子ビームが捕捉又は吸収されるように偏向されて入る規定の深さ又はキャビティを有する。特定の深さのビームストップを用いることで、絞り等の平面状の表面を有するビームストップの場合より効率的で特により具体的且つ明確なビーム捕捉が確実となる。帯電を増加させる汚染物質が、偏向ビームの入射部位に形成され得る。入射点に特定の窪みを有するビームストップの使用により、これらの電荷は、偏向せずにカップを通る他のビームから遮蔽される。ビームストップが対応して深く狭い場合、且つそこで吸収される粒子ビームの入射方向が適宜制御される場合、個別粒子ビームの反射の場合でも、これらの反射された個別粒子ビームが制御されずに大きく発散してビームストップから再び出るのを防止することが可能である。したがって、二次電子も制御されずに大きく発散してビームストップから出ることが不可能である。さらに、ビームストップに目標通りに入射した場合、入射領域の電荷は概ね回避される。ここで、カップには異なる設計があり得る。例として、カップは、1cmを超える、特に1.5cm以上の深さを有することができる。
本発明の好ましい実施形態によれば、カップは、粒子ビームシステムの光軸に対して実質的に回転対称である。これにより、異なる方向での個別粒子ビームの偏向及び吸収が可能となる。
本発明の好ましい実施形態によれば、カップは、その長手方向軸に沿って通過開口を有し、ビーム捕捉用の実質的に断面が環状のトレンチが、通過開口の周りに配置される。ここで、カップは、粒子ビームシステムの光軸がカップの通過開口を通って、特にカップの長手方向軸に沿って延びるように配置される。よって、ビームストップのこの実施形態において、マルチビーム偏向装置により偏向されない個別粒子ビームは、カップの通過開口を実質的に妨害されずに通過する。これに対して、マルチビーム偏向装置が起動された場合、個別粒子ビームは、偏向されて環状のトレンチに入る。ここで、環状のトレンチは、個別粒子ビームがシステムの光軸に対して任意の方向に偏向されてトレンチへ導かれることができるように連続的な円周を有することが好ましい。よって、マルチビーム偏向装置の絶妙な制御により、環状のトレンチ全体をビーム捕捉に一時的に用いることができるので、結果として起こる電荷分布又は帯電が、環状のトレンチ全体に分配され、トレンチの少数の点のみに局所化されない。
本発明の好ましい実施形態によれば、環状のトレンチのビーム入射開口は内環に鋭い縁を有し、カップの長手方向軸に対して長手方向軸から離れる方向に傾斜した面が、この鋭い縁からトレンチへ延びて設けられる。鋭い縁を設けることで、ビーム入射開口の領域にビームストップを帯電させる場所がほとんど存在しないことが確実となる。上記のように位置合わせされてこの鋭い縁から始まる円錐面は、カップの縁を越えた偏光の場合でも環状のトレンチへの個別粒子ビーム反射に寄与する。これにより、ビームストップの効率が高まる。
本発明のさらに別の好ましい実施形態によれば、ビーム入射領域の通過開口の直径は、通過開口のビーム入射開口から増加していく。ここで、ビーム入射領域は、設置状態でマルチビーム偏向装置に向いたカップの上領域及びその通過開口を示す。例として、通過開口の直径の変化は、アンダカットにより達成することができる。通過開口の直径は、ビーム入射開口の下の粒子光学ビーム経路の方向で実質的に一定であり得る。上領域の直径の上記変化により、カップを通過する個別粒子ビームが通過開口の内管又は内壁と接触せずに、通過開口の内壁からの所要最小距離を維持することが確実となる。
本発明の好ましい実施形態によれば、吸収材料が環状のトレンチの底部に配置される。例として、この材料は、そこに入射する粒子ビームの後方散乱係数が小さい材料である。好ましくは、これらは、例えば炭素、アルミニウム、ベリリウム等の低原子番号の材料である。さらに、材料は、材料への入射の場合にできる限り2次電子が生成されないように選択されるべきである。
本発明の好ましい実施形態によれば、カップは、対物レンズに少なくとも部分的に埋め込まれ、特に螺入され、且つ/又はカップは、交換具により交換可能である。この目的で、カップを対物レンズに螺入するためのねじ山を、ビーム入射開口の反対側にあるカップの下部分に設けることができる。粒子ビームシステムの粒子光学対物レンズは、上(粒子源側)磁極片及び下(物体側)磁極片を通常は含む。両方の磁極片が、対物レンズの光軸と一致する磁極片ボアを有する。内部を真空引きされたビーム管は、上磁極片の磁極片ボアを通って延び得る。ここで、上磁極片は、通常は平坦でなく、その形態は、漏斗形の実施形態を有し、接地電位にあることが好ましい。このとき、ビームストップ又はカップは、上磁極片の磁極片ボアに全体的又は部分的に埋め込まれることができる。好ましくは、ビーム管へのこの埋込みは、対物レンズ内で実施される。対物レンズの磁極片は、比較的容易にアクセス可能である。ビームストップを取り付けるか又は必要に応じて交換するために、磁極片には同じチャンバを通して到達することができる。試料チャンバはこのような交換中に通気される必要があるが、この目的で粒子ビームシステムの残りの部分の高真空を破る必要はない。結果として、対物レンズに埋め込まれたカップにより、カップに対して行われ得る交換手順を非常に素早く実行可能であることが確実となる。好ましくは、カップは非磁性であり、これは、対物レンズが磁気対物レンズである場合に有利である。
本発明の好ましい実施形態によれば、マルチビーム偏向装置とビームストップとの間の距離は、20cm以上、好ましくは30cm以上である。この長さ仕様は、マルチビーム偏向装置とビームストップとの間の最小距離に関係し、その理由は、コンポーネント自体も空間的な広がりを有するからである。測定はシステムの光軸に沿って行われる。20cm以上、好ましくは30cm以上のドリフト経路は、この場合は比較的長い。これは、個別粒子ビームの偏向に比較的低い電圧しか必要ないという点で有利である。電圧は、通常は100V未満である。ドリフト経路がより短い、すなわち距離がより小さい場合、個別粒子ビームの偏向ためにより強い電界を利用しなければならない。ドリフト経路が僅か数cmである場合、必要な電圧は1kV程度である。しかしながら、低電圧での動作が好ましい。例えば、ビームストップが第1粒子光学ビーム経路にビームスイッチと対物レンズとの間のクロスオーバ面と同じ高さで配置される場合、マルチビーム偏向装置とビームストップとの間に存在するドリフト経路は20cm以上、好ましくは30cm以上である。
本発明の代替的な実施形態によれば、ビームストップは、マルチビーム生成器の下流且つビームスイッチの上流の第1粒子光学ビーム経路に中間像面と同じ高さで配置される。この場合、ドリフト経路は、上述の解決手段に比べて大幅に短いが、必要な絶対偏向も小さい。ビームストップのこの配置では、ビームストップが第1粒子光学ビーム経路に粒子ビーム径が縮小又は最小化される部位と同じ高さで配置される場合もある。例として、マルチビーム源の中間像が視野レンズ系の領域に生じ、マルチビーム生成器を通る個別粒子ビームの焦点は、マルチビーム源の対応するビーム源であると考えられ得る。しかしながら、中間像は、視野レンズ系がなくてもマルチビーム生成器とビームスイッチとの間で生成され得る。
本発明の好ましい実施形態によれば、第1粒子光学ビーム経路に中間像面と同じ高さで配置されたビームストップは、アパーチャアレイを含む。このアレイは、マルチビーム偏向装置がビーム偏向を行っていなければ第1個別粒子ビームが通過できる複数の開孔を含む。これに対して、マルチビーム偏向装置が起動されるか又は動作中の場合、中間像面におけるアパーチャアレイへの個別粒子ビームの入射部位は変位し、上記個別粒子ビームは結果としてアレイ又はマルチストップに入射する。ここで、種々の個別粒子ビームの入射部位は相互に異なる。したがって、この点でも、この変形実施形態は、ビームストップが複数の個別粒子ビームのクロスオーバ面と同じ高さで配置される上記変形実施形態とは異なる。
本発明の好ましい実施形態によれば、マルチビーム偏向装置は、偏向板を含む。例として、これらの偏向板は対をなして配置され得る。好ましくは、マルチビーム偏向装置は、個別粒子ビームを一括偏向する一対の偏向板を含む。個別粒子ビームを一括偏向する複数対の偏向板をマルチビーム偏向装置に設けることも可能である。例として、粒子光学ビーム経路に対して同じ高さで配置されるが相互に対して90°回転した2対の偏向板を設けることができる。これにより、マルチビーム偏向装置が発生させる偏向方向に関する変動性が得られる。偏向板は、高速偏向を容易にする静電偏向板であることが好ましい。しかしながら、磁気偏向板を用いることも可能である。
本発明のさらに別の好ましい実施形態によれば、マルチビーム偏向装置は多段実施形態を有する。この場合も、複数対の偏向板を設けることができる。しかしながら、これらは粒子光学ビーム経路に対して異なる位置又は異なる高さに配置される。粒子光学ビーム経路に対して、マルチビーム偏向装置の種々の段を例えば連続して配置することができる。ここで、粒子光学ユニットの他のコンポーネントがマルチビーム偏向装置の種々の段間に位置付けられる可能性もある。しかしながら、マルチビーム偏向装置の段が相互に直接続くことも可能である。第2段又はさらなる段のマルチビーム偏向装置を設けることには、マルチビーム偏向装置による偏光を非常に正確に設定できるという利点がある。さらに、第2段は、例えば、物体面への個別粒子ビームの入射を再度異なる設定にするのに用いることができる付加的な自由度を与える。
本発明の好ましい実施形態によれば、マルチビーム偏向装置は、個別粒子ビーム束を異なる偏向方向に偏向可能であるように構成される。例として、これは、1対の偏向板間の電界の方向が可逆的であれば、これら2つの板を用いて既に達成することができる。さらなる偏光板対又はマルチビーム偏向装置の他の構成も、異なる偏向方向への個別粒子ビーム束の偏向を可能にする。これは、ビームストップの電荷の発生がいずれにせよ回避できない場合、これらの電荷が特定の位置で累積的に生じるだけでなく、その分布がより良好であり得るという点で有利である。
本発明の第2態様によれば、本発明は、粒子ビームシステム、特に複数の変形実施形態で上述したような粒子ビームシステムの動作方法に関する。本発明によれば、本方法は、
第1ラインで第1個別粒子ビームにより物体を走査するステップと、
第2ラインで第1個別粒子ビームにより物体を走査するステップと、
マルチビーム偏向装置の第1設定に従って第1ラインから第2ラインへのラインジャンプ中にマルチビーム偏向装置により個別粒子ビームを偏向するステップと
を含む。ここで、マルチビーム偏向装置の第1設定は、それにより得られる偏向方向及び偏向力を特徴付ける。例として、マルチビーム偏向装置の第1設定は、マルチビーム偏向装置に印加された電界に対応し、これは記載の効果をもたらす。
したがって、本発明によれば、個別粒子ビームは、第1ラインから第2ラインへの移行中に偏向又はブランキングされる。よって、これは、ラインジャンプ中のブランキングに関係する。かかるラインジャンプ中に、個別粒子ビームは、ブランキング処理なしで制御されずに物体に入射するか又は物体上を通る。これは、物体を帯電させて、粒子ビームシステムの分解能を低下させる。したがって、ラインジャンプ中の物体への個別粒子ビームの入射を抑制するのが得策である。
本発明のさらに別の好ましい実施形態によれば、本方法はさらに、
第3ラインで個別粒子ビームにより物体を走査するステップと、
マルチビーム偏向装置の第2設定に従って第2ラインから第3ラインへのラインジャンプ中にマルチビーム偏向装置により個別粒子ビームを偏向するステップと
を含む。ここで、マルチビーム偏向装置のこの第2設定は、マルチビーム偏向装置の第1設定とは異なる。例として、マルチビーム偏向装置に印加される電界の強度を変えることができる。変わるのが電界の強度ではなく方向のみである、よって偏向方向が変わる可能性もある。電界強度の変化と電界の方向の変化との組合せも可能である。マルチビーム偏向装置の異なる起動部品、特に板又は板対は、異なる設定を特徴付ける可能性もある。マルチビーム偏向装置の設定の変化により、ビームストップの不可避的に生じる残留電荷が特定の部位に蓄積しないことが確実となる。
本発明の好ましい実施形態によれば、マルチビーム偏向装置の異なる設定はランダムに選択される。このランダム選択は、ランダム法又は擬似ランダム法に基づき得る。両方の場合に、マルチビーム偏向装置の起動時にビームストップへの個別粒子ビームの入射部位が変わり、不要電荷の蓄積が起こらず且つ/又は不要電荷がビームストップに対称に分布する。
本発明の第3態様によれば、本発明は、粒子ビームシステム、特に複数の変形実施形態で上述したような粒子ビームシステムの動作方法に関する。本方法は、
第1個別粒子ビームにより物体の第1領域を走査するステップと、
第1個別粒子ビームにより物体の第2領域を走査するステップと、
マルチビーム偏向装置の第1設定に少なくとも従って第1領域から第2領域への領域変更中にマルチビーム偏向装置により個別粒子ビームを偏向するステップと
を含む。よって、この変形実施形態は、走査個別粒子ビームのラインジャンプ中のブランキングに関係するものではなく、これは像変更に関係することが好ましい。粒子ビームシステムを用いて生成された像は、通常は種々の個別像からなる。ここで、単一の個別粒子ビームはいわゆる単視野(sFOV)を通過し、複数の個別粒子ビーム、すなわち個別粒子ビーム束は多視野(mFOV)を通過する。そうすると、全体像は種々の多視野又はマルチ画像からなる。2つの多視野間の像変更又は領域変更中に、僅かな休止が起こり、その間は個別粒子ビームで物体を走査又は調査すべきでない。こうした理由で、個別粒子ビームのブランキングがこの領域変更中に行われる。領域変更中に必要な休止は、通常は個別粒子ビームの各個別像の生成中の個別粒子ビームのラインジャンプ中の休止より長い。したがって、領域変更中にマルチビーム偏向装置を駆動する方策も、ライン変更中のものとは異なり得る。帯電のリスクは、ブランキング時間が長いほど大きくなるので、領域変更中にビームストップへの個別粒子ビームの入射部位を特に適切に変えるよう留意すべきである。本発明の好ましい実施形態によれば、マルチビーム偏向装置の異なる設定が領域変更中に交互に用いられる。例として、例えば1-2-1-2-1-2又は1-2-3-4-5-1-2-3-4-5-1-2-3-4-5...に従って、2つ、3つ、4つ、5つ、又はそれ以上の設定間で交互に変えることが可能であり得る。
本発明のさらに別の好ましい実施形態によれば、マルチビーム偏向装置の異なる設定はランダムに選択され用いられる。ここでもまた、マルチビーム偏向装置の種々の設定間を切り替えるために、ランダム法又は擬似ランダム法を使用することができる。ここで、マルチビーム偏向装置が領域変更中に常に起動されていること、及び個別粒子ビームが偏向されずにマルチビーム偏向装置を通ることがなく物体に入射することがないことが好ましい。
本発明による方法の好ましい実施形態によれば、長手方向軸に沿って通過開口を有する回転対称カップがビームストップとして用いられ、ビーム捕捉用の断面が環状のトレンチが通過開口の周りに配置され、且つ
ビーム捕捉用の環状のトレンチは、マルチビーム偏向装置の設定により通過される。
よって、本発明のこの変形実施形態によれば、個別粒子ビームはカップのトレンチ全体に沿って捕捉又は吸収される。これにより、カップにおける均一且つ回転対称の電荷分布が確保される。電荷が生じる限り、これらは略回転対称であり、光軸に沿ってカップの通過開口を通過する粒子ビームに対する攪乱効果が著しく小さい。さらに、カップが個別粒子ビームのクロスオーバ面に配置される場合、これらの個別粒子ビームは相互に近接するか又は重なるので、個別粒子ビームに対する電荷分布の効果は個別粒子ビーム毎に原理上は同じである。
本発明の第4態様によれば、本発明は、複数の変形実施形態において本発明の第2及び第3態様に従ってより詳細に上述したような方法を実行するためのプログラムコードを有する、コンピュータプログラム製品に関する。プログラムコードは、1つ又は複数の部分コードに細分され得る。任意の従来のプログラミング言語をプログラミング言語として用いることができる。
本発明の上記変形実施形態は、結果として技術的な矛盾が生じなければ全体的又は部分的に相互に組み合わせることができる。本発明の第1、第2、第3、及び第4態様による特徴の相互の組合せにも同じことが当てはまる。
添付図面を参照することにより、本発明の理解が促される。
マルチビーム粒子顕微鏡の形態の粒子ビームシステムの概略図を示す。 マルチビーム偏向装置を備え且つ個別粒子ビームのクロスオーバ面の領域にビームストップを備えた、粒子ビームシステムを概略的に示す。 マルチビーム偏向装置を備え且つ中間像の領域にビームストップを備えた、粒子ビームシステムを概略的に示す。 対物レンズ内のカップ形態のビームストップの配置を概略的に示す。 カップ形態のビームストップの構造を断面及び3D図で概略的に示す。 カップ形態のさらに別のビームストップの構造を断面で概略的に示す。 粒子ビームがビームストップに入射した場合のマルチビーム偏向装置の3つの異なる設定の効果を示す。 カップ状のビームストップと組み合わせたマルチビーム偏向装置で可能な調整を示す。
図1は、複数の粒子ビームを用いるマルチビーム粒子顕微鏡1の形態の粒子ビームシステム1の概略図である。粒子ビームシステム1は、検査対象の物体から生じてその後に検出される相互作用生成物、例えば二次電子を生成するために、その物体に入射する複数の粒子ビームを生成する。粒子ビームシステム1は、走査型電子顕微鏡(SEM)タイプであり、複数の部位5で物体7の表面に入射して相互に空間的に離れた複数の電子ビーム点又はスポットをそこで生成する複数の一次粒子ビーム3を用いる。検査対象の物体7は、任意の所望のタイプ、例えば半導体ウェーハ又は生体試料とすることができ、小型化素子等の配置を含むことができる。物体7の表面は、対物レンズ系100の対物レンズ102の第1平面101(物体面)に配置される。
図1の拡大抜粋Iは、第1平面101に形成された入射部位5の正矩形視野103を有する物体面101の平面図を示す。図1において、入射部位の数は25個であり、5×5視野103を形成する。入射部位の数25は、説明の単純化の理由から選択された数である。実際には、ビームの数、したがって入射部位の数は、大幅に多く、例えば20×30、100×100等になるよう選択することができる。
図示の実施形態において、入射部位5の視野103は、隣接する入射部位間が一定のピッチPである実質的に正矩形の視野である。ピッチPの例示的な値は、1マイクロメートル、10マイクロメートル、及び40マイクロメートルである。しかしながら、視野103が他の対称性、例えば六方対称性等を有することも可能である。
第1平面101で整形されたビームスポットの直径は小さくなり得る。上記直径の例示的な値は、1ナノメートル、5ナノメートル、10ナノメートル、100ナノメートル、及び200ナノメートルである。ビームスポット5を整形するための粒子ビーム3の集束は、対物レンズ系100により実行される。
物体に入射した一次粒子は、相互作用生成物、例えば、二次電子、後方散乱電子、又は他の理由で運動の逆転を起こした一次粒子を生成し、これらが物体7の表面から又は第1平面101から生じる。物体7の表面から生じる相互作用生成物は、対物レンズ102により整形されて二次粒子ビーム9を形成する。粒子ビームシステム1は、複数の二次粒子ビーム9を検出器系200へ誘導する粒子ビーム経路11を提供する。検出器系200は、二次粒子ビーム9を粒子マルチ検出器209へ指向させる投影レンズ205を有する粒子光学ユニットを含む。
図1の抜粋Iは、二次粒子ビーム9が部位213で入射する粒子マルチ検出器209の個々の検出領域が位置付けられた平面211の平面図を示す。入射部位213は、相互に対して規則的なピッチPで視野217に置かれる。ピッチPの例示的な値は、10マイクロメートル、100マイクロメートル、及び200マイクロメートルである。
一次粒子ビーム3は、少なくとも1つの粒子源301(例えば、電子源)、少なくとも1つのコリメーションレンズ303、多孔装置305、及び視野レンズ307を備えたビーム生成装置300で生成される。粒子源301は、発散粒子ビーム309を生成し、これは、多孔装置305を照射するビーム311を整形するためにコリメーションレンズ303によりコリメート又は少なくとも実質的にコリメートされる。
図1の抜粋Iは、多孔装置305の平面図を示す。多孔装置305は、複数の開口又は開孔315が形成された多孔プレート313を含む。開口315の中心点317は、物体面101のビームスポット5により形成された視野103に結像される視野319に配置される。開孔315の中心点317間のピッチPの例示的な値は、5マイクロメートル、100マイクロメートル、及び200マイクロメートルであり得る。開孔315の直径Dは、開孔の中心点間のピッチPより小さい。直径Dの例示的な値は、0.2×P、0.4×P、及び0.8×Pである。
照射粒子ビーム311の粒子は、開孔315を通過して粒子ビーム3を形成する。プレート313に入射した照射ビーム311の粒子は、プレート313に吸収されて粒子ビーム3の形成に寄与しない。
印加される静電界により、多孔装置305は、ビーム焦点323が平面325に形成されるように粒子ビーム3のそれぞれを集束させる。代替として、ビーム焦点323は仮想的であり得る。ビーム焦点323の直径は、例えば10ナノメートル、100ナノメートル、及び1マイクロメートルであり得る。
視野レンズ307及び対物レンズ102は、ビーム焦点323が形成される平面325を第1平面101に結像して入射部位5又はビームスポットの視野103がそこに生じるようにするための第1結像粒子光学ユニットを提供する。物体7の表面が第1平面に配置されている場合、ビームスポットも対応して物体表面に形成される。
対物レンズ102及び投影レンズ装置205は、第1平面101を検出平面211に結像するための第2結像粒子光学ユニットを提供する。よって、対物レンズ102は第1及び第2粒子光学ユニット両方の一部であるレンズだが、視野レンズ307は第1粒子光学ユニットのみに属し、投影レンズ205は第2粒子光学ユニットのみに属する。
ビームスイッチ400が、多孔装置305と対物レンズ系100との間の第1粒子光学ユニットのビーム経路に配置される。ビームスイッチ400は、対物レンズ系100と検出器系200との間のビーム経路の第2光学ユニットの一部でもある。
こうしたマルチビーム粒子ビームシステム及びそこで用いられるコンポーネント、例えば粒子源、多孔プレート、及びレンズ等に関するさらなる情報は、国際特許出願である特許文献1、国際公開第2007/028595号、国際公開第2007/028596号、国際公開第2011/124352号、及び国際公開第2007/060017号、並びに独国特許出願第10 2013 016 113号及び独国特許出願第10 2013 014 976号から得ることができ、上記出願の開示の全範囲を参照により本願に援用する。
多粒子ビームシステムは、多粒子ビームシステムの個々の粒子光学コンポーネントを制御するよう構成され且つマルチ検出器209により得られた信号を評価及び解析するよう構成されたコンピュータシステム10をさらに有する。この場合、コンピュータシステム10は、複数の個別コンピュータ又はコンポーネントから構成され得る。
図2は、マルチビーム偏向装置350を備え且つ個別粒子ビーム3、3aのクロスオーバ面111の領域に配置されたビームストップ120を備えた、粒子ビームシステム1を概略的に示す。ビーム経路は、はるかに簡略化して示される。粒子源(図示せず)から生じる荷電粒子は、多孔装置又はマルチビーム生成器305に入射し、マルチビーム生成器305は、荷電粒子のビームから複数の帯電した第1個別粒子ビーム3を生成するよう構成される。図示の実施例において、マルチビーム生成器105は、個別粒子ビーム3に集束効果を及ぼす。例として、これは、マルチレンズアレイを多孔プレートと組み合わせて用いて達成することができるが、マルチビーム生成器の他の実施形態の選択肢(例えば、多孔プレートと組み合わせたマルチ偏光器アレイ)も可能である。この意味で、図示の実施例を制限的と解釈すべきではない。
図示の例におけるマルチビーム生成器305の集束効果の結果として、粒子光学ビーム経路に関してマルチビーム生成器305の下流の焦点面にビーム焦点323が生じる。図示の例では、マルチビーム生成器305がこの焦点面と同じ高さ又はビーム焦点323と同じ高さに配置される。図示の例では、このマルチビーム偏向装置350は、2つの相互に平行な偏向板(1対)からなる。電界がこれらの偏向板間に印加され得る。マルチビーム偏向装置350は、第1粒子光学ビーム経路でマルチビーム生成器305の下流且つ視野レンズ系307の上流に配置される。この配置は、マルチビーム生成器305がマルチビーム偏向装置350によるビーム偏向中に入射粒子ビームにより不均一に帯電してしまうことを防止する。
ここで、個別粒子ビーム3の2つの異なる第1粒子光学ビーム経路を図2のように図示する。マルチビーム偏向装置350による偏向を受けずに粒子ビームシステム1を通過する個別粒子ビーム3aを破線で示し、参照符号3aを記す。これに対して、マルチビーム偏向装置350をオンに切り替えるか又は起動した場合、個別粒子ビーム3bは、図2に点線で概略的に示す異なる粒子光学ビーム経路を辿る。
無偏向の個別粒子ビーム3aの摂動を受けない粒子光学ビーム経路をここで最初に考慮する場合、個別粒子ビーム3aは、視野レンズ系307を通過後にビームスイッチ400を通過してから粒子光学対物レンズ102を通過し、粒子光学対物レンズ102は個別粒子ビーム3aを物体(図示せず)に結像する。個別粒子ビーム3aは、視野レンズ系307と対物レンズ102との間又はビームスイッチ400と対物レンズ102との間で交差していわゆるクロスオーバ110を形成する。このクロスオーバ110は、クロスオーバ面111に位置付けられる。クロスオーバ110の領域又はクロスオーバ面111内では、個別粒子ビーム3aのビームアレイ全体の粒子ビーム径が縮小されるか、又は最適な場合には最小となる。交差する個別粒子ビーム110の部位をこのときクロスオーバ面111内で変位させる場合、省スペース対策として変位のこの部位にビームストップを配置することができる。このようなビームストップ120を図2に示す。マルチビーム偏向装置350が起動された場合、又は電界が平行板間に印加された場合、個別粒子ビーム3bが横に偏向される。視野レンズ系307又はビームスイッチ400を通過後に、個別粒子ビーム3bは、クロスオーバ面111内で距離dだけオフセットした位置で交差する。ここで、dはクロスオーバ面111におけるクロスオーバ110の平行オフセットを示す。ビームストップ120の上縁は、クロスオーバ面111と略同じ高さに位置付けられる。よって、偏向された個別粒子ビーム3bは、できる限り小さな又は最小の個別粒子ビーム束の粒子ビーム径でビームストップ120に入る。小さな全体粒子ビーム径の結果として、ビームストップ120をカップ状に具現することも可能である。ここで、カップ状は、ビームストップ120が特定の深さを有し、入射する個別粒子ビーム3bが平面板に入射するだけでないことを意味する。好ましくは、カップの深さはカップ120の直径より大きい。カップ120を深く狭く具現できるほど(アスペクト比が大きいほど)、且つマルチビーム偏向装置350により偏向された個別粒子ビーム3bが上記カップに深く入り込むことができるほど、ビームストップ120の効果が高くなる。図示の例では、カップ120はさらに、粒子ビームシステム1の光軸Zに対して回転対称な実施形態を有する。これは、個別粒子ビーム3bの偏向を異なる方向に実施できる点で有利である。しかしながら、カップ120を光軸に対して回転対称でないように具現すること、例えば上記カップを光軸Zの片側のみに設けることも可能である。
図2はさらに、マルチビーム偏向装置350と視野レンズ系307又はビームスイッチ400との間の粒子光学ビーム経路に配置された、任意に設けられる第2段のマルチビーム偏向装置351を示す。この任意の第2段を用いて、偏向された個別粒子ビーム3bのビーム経路をブランキングの実行時にさらにより正確に設定することが可能である。よって、例えば、クロスオーバ面111におけるビームストップ120への個別粒子ビーム3bの入射角を正確に設定することが可能である。これに加えて又はこの代替として、個別粒子ビーム3bの平行オフセットを対物レンズ102の上焦点面に設定することができ、これにより、既により詳細に上述したように、例えばラインジャンプ又は領域変更中に非常に高速で正確なブランキングが可能となる。
図3は、本発明の第2実施形態によるマルチビーム偏向装置350及びビームストップ320を備えた粒子ビームシステム1を概略的に示す。原理上、図2及び図3で同じ参照符号は各図示の粒子ビームシステム1の同じ特徴を示す。不要な繰返しを回避するために、以下の説明は、図3に示す変形実施形態と図2に既に記載した変形実施形態との間の重要な差異に主に焦点を当てる。ビーム経路は、同様にはるかに簡略化して示される。
図3に示す粒子ビームシステム1では、ビームストップ320は異なる位置に、正確にはマルチビーム偏向装置350と視野レンズ系307又はビームスイッチ400との間に位置する。図示の例では、ビームストップ320は、中間像面に、すなわち個別粒子ビームが集束する平面に位置する。したがって、第1粒子光学ビーム経路に関して、この解決手段におけるビームストップ320は粒子光学ビーム経路で図2の実施形態より上に、すなわちビーム源側に位置する。しかしながら、粒子ビーム径が縮小されるか又は最良の場合には最小になる中間像の領域にも適用される。しかしながら、これは、この場合は個別粒子ビーム3の各粒子ビーム径に関係する。ビームストップ320を中間像の領域に比較的省スペースに同様に配置することもできる。
図3に示す例示的な実施形態において、ビームストップ320はアパーチャアレイを含む。これは、中間像におけるビームストップ320の破線で概略的に示される。マルチビーム偏向装置350の非作動時には、個別粒子ビーム3aが妨げられずにビームストップ320を通る。しかしながら、マルチビーム偏向装置350の起動時には、個別粒子ビーム3bが中間像面内でオフセットされてアパーチャアレイ320の板に当たる。結果として、個別粒子ビーム3bはブランキングされ、物体(図示せず)に届かなくなる。
さらに、個別粒子ビーム3aは、中間像の領域で相互に極めて明確に分離されるので、個別粒子ビームをマルチビーム偏向装置350により中間像面内で相互に別個に横方向に変位させることも容易にできる。この場合、個別粒子ビーム3の精密なブラキングをさらに促すために、非常に精密な作業が必要である。ここで、各個別粒子ビーム3a、3bの中心ビームがビームストップ320の開孔を直交通過するか、又はマルチビーム偏向装置350の起動時にアパーチャアレイ320のプレートに直角に当たることが好ましい。
図2に示す実施形態に比べて、ここではマルチビーム偏向装置350の部位とビームストップ320との間のドリフト経路が減る。とはいえ、個別粒子ビーム3のマスキング又はブランキングには中間像面内の個別粒子ビーム3の僅かなオフセットで既に十分なので、マルチビーム偏向装置350に対して比較的低い電圧で作業を実行するだけでよい。例として、ドリフト経路が約5cmの場合、ここでのオフセットは約50μmであり、これは約1mradの個別粒子ビーム3bの偏向に対応する。図2に示す変形実施形態において、約30cmのドリフト経路の場合、クロスオーバ面111におけるクロスオーバ110のオフセットは約1.5mmであり、約5mradの個別粒子ビーム3bの偏向に対応する。
図4は、対物レンズ102内のカップ形態のビームストップ120の配置を概略的に示す。粒子光学対物レンズ102は、上磁極片102a及び下磁極片102bを含む。磁極片102aと102bとの間に磁界が形成され、当該磁界は、対物レンズ102を通過する個別粒子ビーム3aに集束効果(図示せず)を及ぼす。ビーム管140が対物レンズ102の上磁極片102a内に突出する。例えば上方で、このビーム管140はビームスイッチ(図示せず)に合流する。ビーム管140内は真空又は高真空である。図4に示す例では、ビーム管140は、システムの光軸Zに対して回転対称な実施形態を有する。このとき、ビームストップ120は、上磁極片102aの領域且つビーム管140内で、個別粒子ビーム3のクロスオーバの領域に位置し、ビームストップ120は図示の例示的な実施形態ではカップを有する。
カップ状のビームストップ120は、通過開口134及びトレンチ130を含む。無偏向状態では、個別粒子ビーム3aが通過開口134を通ってビームストップ120を通過する。しかしながら、マルチビーム偏向装置350(図4には図示せず)が起動された場合、個別粒子ビームは偏向され、これは図4に個別粒子ビームの参照符号3bで表される。個別粒子ビーム3bは、ビームストップ120のトレンチ130に当たり、このトレンチは環状の断面を有する。トレンチ130は、トレンチ130の幅に比べて比較的深い。
さらに、図4は、対物レンズ102の下磁極片102bを通してカップ状のビームストップ120を対物レンズ102の上磁極片102a内に取り付ける、特に螺入することが可能であることを示す。カップ120の外径D1は、対物レンズ102の下磁極片102bの口径D2以下である。これにより、対物レンズ102内のビームストップ120の迅速な交換を実施することができる。交換は約1時間以内で可能である。この目的で、対物レンズ102の下の試料チャンバに通気するだけでよく(試料チャンバは図示せず)、ビーム管140の上領域の高真空を破る必要はない。
図5は、カップ形態のビームストップ120の構造を断面及び3D図で概略的に示す。その幾何学的設計は、効率的なビーム捕捉を促すさまざまな特徴を有する。概して、カップ状のビームストップ120は、実質的に回転対称な実施形態を有する。これは特に、カップ120の上領域、いわゆるビーム入射領域133に当てはまる。
図示の例において、ビームストップ120は、通過開口134と断面が環状のトレンチ130とを含む。このとき、ビーム入射領域133の通過開口134の最上部に鋭い縁136が設けられる。この鋭い縁136、又は先細になる縁は、そこに電荷キャリア数個分の空間しかなく、したがってこの縁136に当たる個別粒子ビーム3bによりこの縁136の僅かな帯電しか可能でないことを確実にする。さらに、カップの長手方向軸に対して長手方向軸から離れる方向に傾斜した円錐面138が、この鋭い縁136からトレンチ130へ延びて設けられる。この斜面又は円錐面138は、例えばブランキング中でも、入射した個別粒子ビームをカップ120の縁を越えてトレンチ130へ反射する働きをする。さらに、通過開口134の直径は、ビーム方向に見て、ビーム入射領域133において通過開口134のビーム入射開口から広がっていく。よって、通過開口134に入る個別粒子ビーム3aがカップ120の内管132と接触するのではなく、個別粒子ビーム3aとカップの内管132との間の距離が十分に大きいままであるように、通過開口134の領域でビーム入射領域133に設けられる。
吸収材料135が、トレンチ130の下領域に任意に設けられる。この場合、これは、粒子放射線の後方散乱係数が小さい材料、例えば炭素、アルミニウム、ベリリウム等の、例えば低原子番号の材料であり得る。
さらに、カップ120を対物レンズ102に、特に対物レンズ102の上磁極片102aに螺入するためのねじ山139が、カップ120の下領域に設けられる。特に、六角レンチ141を螺着目的で用いることができる。
概して、ビームストップ120は、実質的に回転対称な構成を有する。特に、カップの又はビームストップ120の上領域を形成するビーム入射領域133は回転対称である。これにより、最適又は均一な電荷分布が促される。さらに、これはラーモア回転に関して有利である。このビーム束は、システムにおける磁界レンズの設定変更の結果として、例えばシステムの作用点(ランディングエネルギー、ビーム電流等)の変更時に、光軸周りに回転する。ブランキング処理に関して、これは、ビーム束がクロスオーバ面で偏向される方向がシステムのレンズ設定に応じて変わることを意味する。原理上、この回転は、それに対応したマルチビーム偏向装置の設定変更により補償され得る。しかしながら、ビームストップが回転対称な構成の場合にはこのような補償は不要であり、マルチビーム偏向装置及びその制御はより単純な構成を有することができる。
図6は、カップ形態のさらに別のビームストップ120の構造を断面で概略的に示す。このカップ120も、粒子ビームシステム1の光軸Zに対して実質的に回転対称な配置を有する。図5に示す変形実施形態に比べて、図6のカップ120は、外壁131の構成が異なる。これは、上領域が先細になるのではなく、段状になって僅かに湾曲する。これにより、カップ120を対物レンズの磁極片に取り付ける/導入することが容易になる。さらに、図6及び図5のカップ120のいくつかの寸法が相互に異なる。いくつかの寸法が図6に例示的に指定されている。しかしながら、これらは本発明を制限するものと解釈すべきでない。したがって、トレンチ130の深さは11mmである。この場合、通過開口134の直径は、上縁136の最も狭い部位で1.5mmである。環状のトレンチ130の幅は0.5mmである。
図7は、粒子ビーム3bがビームストップ120に入射する際のマルチビーム偏向装置350の3つの異なる設定の効果を示す。図7a)は、マルチビーム偏向装置350が起動されビーム3bがビームストップ120のトレンチ130内に偏向される、2つの設定E1及びE2を示す。これに対して、マルチビーム偏向装置350の設定E0では個別粒子ビームの偏向がなく、複数の個別粒子ビーム3aが実質的に妨げられずにビームストップ120の通過開口134を通過する。ゼロ設定E0に対して、図7a)によれば、設定E1の場合は左に、設定E2の場合は右に個別粒子ビーム3bが偏向される。設定E0、E1、及びE2に従ったこのような作動は、特に個別粒子ビーム3のラインジャンプに関して好都合である。例として、上述のような粒子ビームシステム1の以下のような動作が可能である。物体が第1個別粒子ビーム3aにより1ラインずつ走査される。個々のラインの走査間でラインジャンプがあり、個別粒子ビーム3bは、粒子ビーム3bがビームストップ120、320に当たるようにラインからラインへのこのラインジャンプ中にマルチビーム偏向装置350を用いてブランキングされる。各飛越中に対応する偏向がある。このとき、図7a)によれば、ラインジャンプ毎に2つの設定E1とE2とが交互に起こる。よって、ある時点で左(E1)に、次回は右(E2)にブランキングが行われる。これは、粒子ビームのブランキングの開始及び停止時にかすめるビームストップ120の縁の対称な帯電につながる。結果として、両側で電荷が補償される。当然ながら、電荷の分布をさらに改善するために、設定E1及びE2に加えてさらなる設定E3及びE4等を設け、ブランキング中にこれらの設定間で交互に変えることも可能である。電荷により生じた非点収差を、3方向以上の偏向により、すなわち例えば、相互に90°の間隔で配置された偏向方向にそれぞれ対応する設定E1、E2、E3、及びE4により、除去することもできる。さらに、例えば局所的汚染の結果として不良であると判明したブランキング方向を意図的に回避することも可能である。
図7b)及び図7c)は、例えば種々の像記録間の比較的長いブランキングの場合に、したがって記録領域の変更時に用いることができる、ブランキング方策を示す。好ましい実施形態によれば、ビームストップ120の回転対称なトレンチ130は、動的に通過される。よって、偏向された個別粒子ビーム3bは、ビームストップ120の光軸周りに又はシステム全体の光軸Z周りに環状軌跡に沿って移動する。この目的で、マルチビーム偏向装置は、光軸周りに配置された複数の電極対を備えることができ、これらには、経時的に変わるサイン状又はコサイン状の偏向電位が与えられる。図7c)によれば、各ブランキング処理中に新たな任意の位置に近付く。この位置は、真にランダムに又は擬似統計的に決定することができる。よって、マルチビーム偏向装置350の設定がランダム又は擬似ランダムに確認され設定されるといえる。このランダムプロセスの結果として平均が取られ、この場合も生じ得る汚染又は電荷蓄積の分布が改善される。
さらに、事前に精密に規定された位置、例えば図7a)に示す位置E1及びE2間を切り替えることも可能である。
図8は、カップ状のビームストップ120と組み合わせて設けられたマルチビーム偏向装置350で可能な調整を示す。ビームストップ120に正確に当たることが重要である。この目的で、ビームストップの平面における(例えば、クロスオーバ面111内の)ビームブランカ350又はマルチビーム偏向装置350の偏向選択性が把握されなければならない。しかしながら、空間上の理由から、ビームストップ120に正確に当たるか否かを調べるためにそこで検出を実行することは不可能である。マルチビーム偏向装置350が個別粒子ビーム3を一方向にしか偏向できない場合、さらなる困難が生じ得る。
1つの解決手法では、さらに別の偏向器360を用いる。このさらに別の偏向器360は、マルチビーム偏向装置350とビームストップ120との間の粒子光学ビーム経路に位置付けられる。マルチビーム偏向装置360及び偏向器360の両方が動作停止されている場合、多粒子ビーム又は複数の個別粒子ビーム3はシステムの光軸Zに沿って延びる。このとき、マルチビームは、マルチビームアレイの中心ビーム3cがビームストップ120で丁度クロップされる(点線)ように偏向器360でビームストップ120の縁へ向けて偏向される(位置A)。続いて、粒子ビームは、マルチビームアレイの中心ビーム3bがこの場合もビームストップ120で丁度クロップされる(破線)ようにマルチビーム偏向装置350でビームストップ120の反対側の縁へ向けて偏向される(位置B)。この目的で必要なマルチビーム偏向器電圧が記録され、ビームストップ120の既知の寸法(より正確には、ビームストップ120の内側開口の直径)により選択性を計算することができるか、又は複数の個別粒子ビームを初期状態からビームストップ120のトレンチ130へ偏向するのに必要なマルチビーム偏向器電圧を直接計算することができる。代替的な調整が可能である。
1 粒子ビームシステム
2 一次粒子ビーム
3a マルチビーム偏向装置により偏向されない粒子ビーム
3b マルチビーム偏向装置により偏向された粒子ビーム
5 部位
7 物体
9 二次粒子ビーム
10 コンピュータシステム
25 入射部位
100 対物レンズ系
101 物体面
102 対物レンズ
102a 対物レンズの上磁極片
102b 対物レンズの下磁極片
103 物体面の入射部位の視野
104 下磁極片の開口
110 クロスオーバ
111 クロスオーバ面
120 クロスオーバ面のビームストップ、カップ
130 トレンチ
131 トレンチ/カップの外壁
132 トレンチの内壁
133 ビーム入射領域、カップの上領域
134 通過開口
135 吸収材料、低後方散乱係数を有する材料
136 鋭い縁
137 アンダカット
138 傾斜面
139 ねじ山
140 ビーム管
141 六角レンチ
200 検出器系
205 投影レンズ
209 粒子マルチ検出器
211 検出平面
213 検出 用の入射部位
217 検出用の入射部位の視野
301 粒子源
303 コリメーションレンズ
305 多孔装置
307 視野レンズ、視野レンズ系
309 発散粒子ビーム
311 粒子ビーム
313 多孔プレート
315 開孔
319 開孔の視野
320 中間像におけるビームストップ
323 ビーム焦点
325 焦点面
350 マルチビーム偏向装置
350 第2段(任意)のマルチビーム偏向装置
360 偏向器
400 ビームスイッチ
A 位置、カップの縁
B 位置、カップの縁
E0 マルチビーム偏向装置の設定0の場合のビーム
E1 マルチビーム偏向装置の設定1の場合のビーム
E2 マルチビーム偏向装置の設定2の場合のビーム
d クロスオーバ面におけるクロスオーバの平行オフセット
D1 カップの外径
D2 対物レンズの下磁極片の開口径
入射部位間のピッチ(物体)
入射部位間のピッチ(検出)
開孔の中心間のピッチ

Claims (22)

  1. 粒子ビームシステム、特にマルチビーム粒子顕微鏡であって、
    荷電粒子ビームを生成するよう構成された少なくとも1つの粒子源と、
    第1粒子光学ビーム経路を有する第1粒子光学ユニットであり、複数の個別粒子ビームを生成してそれらを物体面に結像するよう構成された第1粒子光学ユニットと、
    前記物体面の入射部位から生じる複数の第2個別粒子ビームを検出器ユニットに結像するよう構成された第2粒子光学ユニットと
    を備え、さらに、
    前記荷電粒子ビームから複数の帯電した第1個別粒子ビームを生成するよう構成されたマルチビーム生成器と、
    前記個別粒子ビームを実質的に通過させ、且つ前記第1個別粒子ビームが複数の入射部位で前記物体面に当たるように前記第1個別粒子ビームを前記物体面に指向させるよう構成された対物レンズと、
    前記マルチビーム生成器と前記対物レンズとの間の前記第1粒子光学ビーム経路に配置され、且つ前記対物レンズと前記検出器ユニットとの間の第2粒子光学ビーム経路に配置されたビームスイッチであり、前記第1粒子光学ビーム経路及び前記第2粒子光学ビーム経路は前記ビームスイッチ内で分岐するビームスイッチと、
    ビームストップと、
    コントローラを有するマルチビーム偏向装置と
    を備え、前記マルチビーム偏向装置は、前記マルチビーム生成器の下流且つ前記ビームスイッチの上流の前記第1粒子光学ビーム経路に配置され、
    前記コントローラは、前記第1個別粒子ビームが前記ビームストップに実質的に入射し、したがって前記物体面には入射しないように、前記マルチビーム偏向装置により前記第1個別粒子ビームを一時的に一括偏向するよう構成され、
    前記第1粒子光学ビーム経路は、前記ビームスイッチと前記対物レンズとの間に前記個別粒子ビームのクロスオーバ面を有し、
    前記マルチビーム偏向装置により前記個別粒子ビームのクロスオーバが、前記クロスオーバ面内で変位し、
    前記ビームストップは、前記第1粒子光学ビーム経路に前記クロスオーバ面と同じ高さで配置される粒子ビームシステム。
  2. 請求項1に記載の粒子ビームシステムにおいて、前記ビームストップは、前記第1粒子光学ビーム経路に前記対物レンズの上焦点面と実質的に同じ高さで配置される粒子ビームシステム。
  3. 請求項1または2に記載の粒子ビームシステムにおいて、前記マルチビーム偏向装置は、偏向された個別粒子ビームが前記クロスオーバ面及び/又は前記対物レンズの上焦点面で実質的に平行オフセットされるように配置及び/又は制御される粒子ビームシステム。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の粒子ビームシステムにおいて、前記ビームストップはカップを含む粒子ビームシステム。
  5. 請求項4に記載の粒子ビームシステムにおいて、前記カップは、粒子ビームシステムの光軸に対して実質的に回転対称である粒子ビームシステム。
  6. 請求項4又は5に記載の粒子ビームシステムにおいて、
    前記カップは、該カップの長手方向軸に沿って通過開口を有し、ビーム捕捉用の断面が環状のトレンチが、前記通過開口の周りに配置され、且つ
    前記カップは、粒子ビームシステムの光軸が前記カップの前記通過開口を通って、特に前記カップの長手方向軸に沿って延びるように配置される粒子ビームシステム。
  7. 請求項6に記載の粒子ビームシステムにおいて、
    前記環状のトレンチのビーム入射開口が内環に鋭い縁を有し、且つ
    前記カップの長手方向軸に対して長手方向軸から離れる方向に傾斜した面が、前記鋭い縁から前記トレンチへ延びて設けられる粒子ビームシステム。
  8. 請求項7に記載の粒子ビームシステムにおいて、ビーム入射領域の前記通過開口の直径が、前記通過開口の前記ビーム入射開口から増加していく粒子ビームシステム。
  9. 請求項6~8のいずれか1項に記載の粒子ビームシステムにおいて、吸収材料が前記環状のトレンチの底部に配置される粒子ビームシステム。
  10. 請求項4~9のいずれか1項に記載の粒子ビームシステムにおいて、前記カップは、前記対物レンズに少なくとも部分的に埋め込まれ、特に螺入され、且つ/又は前記カップは、交換具により交換可能である粒子ビームシステム。
  11. 請求項1~10のいずれか1項に記載の粒子ビームシステムにおいて、前記マルチビーム偏向装置と前記ビームストップとの間の距離が、20cm以上、特に30cm以上である粒子ビームシステム。
  12. 請求項1~11のいずれか1項に記載の粒子ビームシステムにおいて、前記マルチビーム偏向装置は偏向板を含む粒子ビームシステム。
  13. 請求項1~12のいずれか1項に記載の粒子ビームシステムにおいて、前記マルチビーム偏向装置は多段の実施形態を有する粒子ビームシステム。
  14. 請求項1~13のいずれか1項に記載の粒子ビームシステムにおいて、前記マルチビーム偏向装置は、前記個別粒子ビームを異なる偏向方向に偏向可能であるように構成される粒子ビームシステム。
  15. 請求項1~14のいずれか1項に記載の粒子ビームシステムの動作方法であって、
    第1ラインで第1個別粒子ビームにより物体を走査するステップと、
    第2ラインで前記第1個別粒子ビームにより物体を走査するステップと、
    マルチビーム偏向装置の第1設定に従って前記第1ラインから前記第2ラインへのラインジャンプ中に前記マルチビーム偏向装置により前記個別粒子ビームを偏向するステップと
    を含む方法。
  16. 請求項15に記載の方法において、
    第3ラインで前記第1個別粒子ビームにより物体を走査するステップと、
    前記第1設定とは異なる前記マルチビーム偏向装置の第2設定に従って前記第2ラインから前記第3ラインへのラインジャンプ中に前記マルチビーム偏向装置により前記個別粒子ビームを偏向するステップと
    をさらに含む方法。
  17. 請求項15又は16に記載の方法において、前記マルチビーム偏向装置の異なる設定がランダムに選択される方法。
  18. 請求項1~14のいずれか1項に記載の粒子ビームシステムの動作方法であって、
    第1個別粒子ビームにより物体の第1領域を走査するステップと、
    前記第1個別粒子ビームにより前記物体の第2領域を走査するステップと、
    マルチビーム偏向装置の第1設定に少なくとも従って前記第1領域から前記第2領域への領域変更中に前記マルチビーム偏向装置により前記個別粒子ビームを偏向するステップと
    を含む方法。
  19. 請求項18に記載の方法において、前記マルチビーム偏向装置の異なる設定が前記領域変更中に交互に用いられる方法。
  20. 請求項18に記載の方法において、前記マルチビーム偏向装置の異なる設定がランダムに選択され用いられる方法。
  21. 請求項15~20のいずれか1項に記載の方法において、
    長手方向軸に沿って通過開口を有する回転対称カップが用いられ、ビーム捕捉用の断面が環状のトレンチが前記通過開口の周りに配置され、且つ
    ビーム捕捉用の断面が環状のトレンチが、前記マルチビーム偏向装置の設定により通過される方法。
  22. 請求項15~21のいずれか1項に記載の方法を実行するためのプログラムコードを含むコンピュータプログラム製品。
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