JP7474466B2 - 動作判別装置及び動作判別プログラム - Google Patents
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筋電位を用いたものは、筋電位が電気信号であるため、装着者の動作の意図をリアルタイムで検出できる。一方で、ノイズが大きいことと、筋電位計を装着者に張り付付ける手間が生じるという問題がある。また、加速度センサを用いたものは、センサの数が少数で済み、センサーから出力されるノイズも比較的小さい。しかし、前述の筋電位計のようなリアルタイム性がなく、アシスト装具には不向きである。
また、ZMPを用いたものは、足裏に設けた床反力センサから装着者のZMPを計測するものである。ZMP(ゼロモーメントポイント(英語: zero moment point)とは、二足歩行ロボットの軌道生成法と制御法において、重力だけでなく慣性力を加えた合力が路面と交わる点をいう。しかし、新たに足裏にセンサを設ける必要があり、システムが複雑化するという問題がある。
そこで、本発明は、上記問題点を解決すべく、アシスト装置の動作の判別においてノイズが少なく、装着時の手間を省力化するとともにリアルタイム性に優れた動作判別装置及び動作判別プログラムを提供することを目的とする。
本構成によれば、動作の判別においてノイズが少なく、装着時の手間やリアルタイム性を損なうことなく、人の動作をより簡便に判別することができる。
また、動作判別装置の構成として、前記特徴量検出手段が、前記第1装具及び前記第2装具を装着した人が動こうとしたときに、前記第1装具又は前記第2装具と人との間に生じる相互反力を検出するようにしても良い。
上記課題を解決するための動作判別プログラムの態様として、関節を介して接続される人の一方の部位に装着される第1装具と、他方の部位に装着される第2装具と、人の関節の動作に追従して第1装具と第2装具とを回転可能に連結する連結体と、第1装具及び第2装具間に、相対的な回転力を生じさせる人工筋肉と、人の動作が第1装具及び第2装具に及ぼす影響を特徴量として検出する特徴量検出手段とを備えたアシスト装置、或いは、関節を介して接続される人の一方の部位に装着される第1装具と、他方の部位に装着される第2装具と、電気的な信号に基づいて機能性流体の粘性が変化し、回転抵抗が可変に構成され、人の関節の動作に追従して第1装具と第2装具とを回転可能に連結する連結体と、人の動作が第1装具及び第2装具に及ぼす影響を特徴量として検出する特徴量検出手段とを備えたアシスト装置、若しくは、関節を介して接続される人の一方の部位に装着される第1装具と、他方の部位に装着される第2装具と、電気的な信号に基づいて機能性流体の粘性が変化し、回転抵抗が可変に構成され、人の関節の動作に追従して第1装具と第2装具とを回転可能に連結する連結体と、第1装具及び第2装具間に、相対的な回転力を生じさせる人工筋肉と、人の動作が第1装具及び第2装具に及ぼす影響を特徴量として検出する特徴量検出手段とを備えたアシスト装置等を装着した人の動作を判別する動作判別プログラムであって、特徴量検出手段により検出された特徴量の時間変化を、動作を判別するためにあらかじめ設定された閾値と比較し、体の重心の移動を伴わない動作と、体の重心の移動を伴う動作とを判別する第1のステップと、脚を交互に動かしているかどうかについて判別する第2のステップと、脚が整列状態にあるかどうかを判別する第3のステップと、座位と立位を判別する第4のステップと、をコンピュータに実行させ、前記第2のステップは、前記第1のステップの判別結果に基づいて脚を交互に動かしているかどうかについて判別し、前記第3のステップは、前記第1のステップの判別結果に基づいて脚が整列状態にあるかどうかを判別し、前記第4のステップは、前記第3のステップの判別結果に基づいて座位と立位を判別するようにした。
本態様によれば、動作の判別においてノイズが少なく、装着時の手間やリアルタイム性を損なうことなく、人の動作をより簡便に判別することができる。
また、特徴量は、前記第1装具及び前記第2装具を装着した人が動こうとしたときに、前記第1装具及び前記第2装具と人との間に生じる相互反力で合ったりしても良い。
即ち、腰フレーム24及び大腿フレーム20は、人の一方の部位に装着される第1装具と、他方の部位に装着される第2装具に相当し、大腿フレーム20及び下腿フレーム22は、人の一方の部位に装着される第1装具と、他方の部位に装着される第2装具に相当する。腰フレーム24、大腿フレーム20及び下腿フレーム22は、それぞれ剛体により構成される。
腰フレーム24、大腿フレーム20及び下腿フレーム22は、下腿フレーム22に設けられた足裏プレート22Aを足裏で踏み付けた状態で、固定ベルト3等を人に巻きつけることで固定される。固定ベルト3は、例えば、非伸縮性の帯状のものが好ましく、より好ましくは、該固定ベルト3の延長方向の端部に固定手段として機能する面ファスナー、また、人体との緩衝を測るように人に巻き付けられる側の面に、図外のクッション材等を備えると良い。
連結体42には、例えば、回転運動を許容する概略円柱状に形成されたMRブレーキが適用される。図2に示すように、MRブレーキは、有底円筒状に形成されたケース60の中央に設けられた収容部62に、該ケース60に対して回転可能に収容されたコア64を備える。収容部62は、一側面から筒状に窪む凹部として形成される。収容部62には、コア64が貫通する貫通孔を有する平板円環状のディスク63が軸方向に重ねるように複数配置される。各ディスク63は、円筒面62aに回転不能に取り付けられる。
コア64は、収容部62の内部に挿入される軸部64Aと、収容部62の開口を閉塞するように設けられる円板部64Bとを備える。コア64は、軸部64Aの先端側がケース60に対して回転自在に取り付けられる。軸部64Aの外周には、コイル66が設けられる。さらに、コイル66の外周には複数の平板円環状のディスク68が回転不能に取り付けられる。各ディスク68は、収容部62側に設けられたディスク63と交互に配置される。
MRブレーキは、磁気粘性流体を利用したデバイスであって、内部に封入された磁気粘性流体への磁場の印加により10ms程度の応答速度で摩擦係数を変化させることができるように構成される。つまり、MRブレーキは、上述のように、応答速度が数十ミリ秒と高く、また、高出力、バックドライバブルという特徴を有する。
各連結体42は、後述の動作制御装置84と接続され、動作制御装置84から入力される調整された電圧(信号)に基づいて、ケース60に対するコア64の回転抵抗が可変に動作する。
このように動作する連結体42は、例えば、図4に示すように、ケース60が固定され、コア64が腰フレーム24に大腿フレーム20に固定されることにより、腰の屈伸動作に合わせて、腰フレーム24及び大腿フレーム20が屈伸する一つのリンク機構、また、ケース60が大腿フレーム20に固定され、コア64が下腿フレーム22に固定されることにより、膝の屈伸動作に合わせて大腿フレーム20及び下腿フレーム22が屈伸する一つのリンク機構を構成する。
また、連結体42は、MRブレーキに限定されない。連結体42は、前述のように動作するものであれば、例えば、電気的な信号に基づいて粘性が変化する機能性流体が封入されたERブレーキ等を用いても良い。
なお、人工筋肉40は、上述の軸方向繊維強化型人工筋肉に限定されず、マッキベン型であっても良い。
ワイヤ46は、プーリー44にたるみなく架けられ、拮抗配置された人工筋肉40及びバネ41を連結する。これにより、バネ41は、人工筋肉40の収縮による牽引力に抵抗を付与する。なお、バネ41に代えて、人工筋肉40と同様の人工筋肉を拮抗配置させても良い。
プーリー44の回転に伴ない、腰フレーム24に対して大腿フレーム20がプーリー44と共に回転して、腰の屈伸動作のアシスト、大腿フレーム20に対して下腿フレーム22がプーリー44と共に回転して屈伸動作のアシストが可能となる。即ち、人工筋肉40の収縮は、腰フレーム24に対する大腿フレーム20の回転力を付与し、大腿フレーム20に対する下腿フレーム22の回転力を付与する。
また、ワイヤ46及びプーリー46は、それぞれワイヤ46をタイミングベルト、プーリー44をタイミングプーリーに代えても良い。タイミングベルト及びタイミングベルトとすることにより、人工筋肉40が収縮したときの腰フレーム24に対する大腿フレーム20の回転力、大腿フレーム20に対する下腿フレーム22の回転力を無駄なく伝達することができる。
なお、各駆動機構5の配置は、上記形態に限定されず、関節に対応して設けられたプーリー44を従動的に回転可能であれば良く、腰フレーム24及び大腿フレーム20に代えて、例えば、腰フレーム24と下腿フレーム22、或いは、大腿フレーム20と下腿フレーム22に取り付けても良く、適宜変更可能である。
さらに、プーリー44の回転時に連結体42に電圧を印加することで、プーリー44の回転に抵抗を生じさせることができる。即ち、人工筋肉40の駆動に、粘性力を生じさせるアクチュエータであり、粘性力付与手段として機能する。
角度センサ48Aにより検出された股関節の角度をθH、角度センサ48Bにより検出された膝関節の角度をθKとして示し、その角速度をθ′H、θ′Kとして示す。さらに、角度センサ48A;48Bの左右を区別するために、体の右側に設けられた角度センサにはR、左側に設けられた角度センサにはLを付した。即ち、股関節の角度をθHR、θHL、膝関節の角度をθKR、θKLとし、それらの角速度には「′」を付した。
動作判別装置86により判別される動作は、説明を簡単にするため、歩行、立ち上がり/立ち下がり、脚を前後に開いたままの立位(以降、脚を開いたまま立位)、座位、立位の5つとした。
バランス状態判別手段86Aにおける具体的な処理としては、角度センサ48AL及び48ARから動作判別装置86に逐次入力される角度θHの変化から股関節の運動状態を示す角速度θ′Hを算出し、SBMとDBMを判別するために設定された閾値θ′Hthreを記憶手段から読み出して比較し、例えば、θ′H>θ′HthreであればYesとしてDBM、θ′H≦θ′HthreであればNoとしてSBMと判別する。
人が歩行しているときには、左右の脚が、交互に体の前後方向に移動する。そこで、脚動作判別手段86Bでは、歩行時の特徴である左右大腿部の動きに基づいて、脚を交互に動かしているかどうかを判別する。
脚動作判別手段86Bにおける具体的な処理としては、同時刻に角度センサ48AL及び48ARにより検出された左右の股関節の角度θHL;角度θHRの時間変化である角速度θ′HL;θ′HRを算出し、算出された角速度θ′HL;θ′HRの積を算出する。そして、算出された数値の正負を判定し、負値のとき(角速度θ′HL>0かつθ′HR<0、または、θ′HL<0かつθ′HR>0)には歩行、正値のとき(角速度θ′HL>0かつθ′HR>0、または、θ′HL<0かつθ′HR<0)には、両脚を揃えて動いていることになるため、立ち上がり/立ち下がりと判別する。
即ち、検出された股関節の角速度θ′HL>0かつθ′HR<0、または、θ′HL<0かつθ′HR>0を満たしているかどうかについて判定し、満たしている場合には、Yesとなり、歩行と判別される。満たしていなければNoとなり、立ち上がり/立ち下がりと判別する。
脚整列状態判別手段86Cにおける具体的な処理としては、角度センサ48BL及び48BRにより検出された左右の膝関節の角度差δθdiff=|θKR-θKL|を算出し、脚の開脚状態を判別するために設定された閾値δθdiffthreを記憶手段から読み出して比較し、閾値δθdiffthreよりもδθdiffが大きいときにはYesとして足を揃えていないと判別し、閾値δθdiffthreよりもδθdiff以下のときにはNoとして足を揃えていると判別する。即ち、検出された左右の膝関節の角度差をδθdiff=|θKR-θKL|とし、δθdiffが閾値よりも大きければ、大きく前後に脚を開いている脚を開いたまま立位と判別し、δθdiffが閾値以下であれば、立位或いは座位であると判別されることになる。
座位立位判別手段86Dにおける具体的な処理としては、角度センサ48AL及び48ARにより検出された左右の股関節の角度θHL,θHRの両方をそれぞれ閾値θHthreと比較するとともに、角度センサ48BL及び48BRにより検出された左右の膝関節の角度θKL,θKRの両方をそれぞれ閾値θKthreと比較し、左右の股関節の角度θHL,θHRが、θHL>θHthre、θHR>θHthre、左右の膝関節の角度θKL,θKRが、θKL>θKthre、θKR>θKthre、であるときに、座位と判別し、それ以外は、立位と判別する。
なお、以下の説明では、各手段により判別された動作の信号を判別シグナルという。
S101:足が動いているかどうか、即ち、SBMかDBMかどうかを判別する。
具体的には、股関節の角速度θ′Hと、股関節の角速度θ′Hの閾値θ′Hthreとを比較し、股関節の角速度θ′Hが閾値θ′Hthreよりも大きい(θH>θHthre)とき(Yesの場合)には、脚が動いている、即ちDBMの状態にあると判別し、S102に移行する。また、股関節の角速度θ′Hが、閾値θ′Hthre以下(θH≦θHthre)のとき(Noの場合)には、脚が動いていない、即ちSBMの状態にあると判別し、S103に移行する。
具体的には、左股関節の角速度θ′HLの向きと、右股関節の角速度θ′HRの向きとを比較し、左股関節の角速度θ′HLと右股関節の角速度θ′HRの向きが逆(θ′HL>0かつθ′HR<0、または、θ′HL<0かつθ′HR>0)の条件を満たしているかどうかを調べ、満たしているとき(Yesの場合)には、歩行として判別する。また、満たしていないとき(Noの場合)には、両脚をそろえて動いていることとなるため、立ち上がり/立ち下がりとして判別する。
具体的には、左右の股関節の角度の差δθdiff=|θKR-θKL|を算出し、δθdiffが、脚を揃えていないかどうかを判別するための閾値δθdiffthreよりも大きいとき(Yesの場合)には、脚を大きく前後に脚を開いた状態にあるものとし、脚を開いたまま立位として判別する。また、δθdiffが、閾値δθdiffthre以下のとき(Noの場合)には、脚をそろえていると判別し、S104に移行する。
具体的には、股関節の角度θHR及びθHLを座位時の角度を判別するための閾値として設定された閾値θHthreと比較、膝関節の角度θKR及びθKLを座位時の膝の角度を判別するための閾値として設定された閾値θKthreとそれぞれ比較し、股関節の角度θHR及びθHL、及び、膝関節の角度θKR及びθKLが、それぞれに設定された閾値θHthre及び角度閾値θKthreより大きいとき(Yesの場合)には、座位として判別する。また、股関節の角度θHR及びθHL、及び、膝関節の角度θKR及びθKLが、それぞれに設定された閾値θHthre及び閾値θKthre以下のとき(Noの場合)には、立位として判別する。
そして、判別された結果は、判別シグナルとして動作制御装置84に出力される。
シミュレーションによる検証にあたり、動作判別のシミュレーションの入力として必要なデータをモーションキャプチャーにより測定する事前実験を行った。
必要なデータとは、人間の動作時における股関節の角度θHR、θHL、及び膝関節の角度θKR、θKLである。
1つ目の動作は、歩行(動作1)。
2つ目の動作は、2秒間座位を維持、2秒かけて立ち上がり、2秒間立位を維持、最後に歩行を行う(動作2)。
3つめの動作は、2秒間立位を維持、1秒かけて立ち下がり、2秒間座位を維持する(動作3)。
これらの動作を被験者4名に各7回行い、比較的ノイズの少ないデータをシミュレーションに用いた。なお、被験者4名の体型を纏めた表を図7に示す。
tjudge/tmotion[%] 式(4.1)
ここで、tjudge[s]は、特定動作に対応した判別シグナルを出力している時間で、tmotion[s]は、実際に計測したい動作をしている時間である。
また、本シミュレーションで用いた関節角度・角速度の閾値には、各動作における各被験者の関節角度の最小値を用いる。
以上の結果から上述の動作判別方法(アルゴリズム)を用いることで、SBM及びDBMの動作を判別することが確認され、その有用性も確認できた。
アシスト装具は、図1に示すものを用いた。可変粘弾性特性に基づいて制作されたものである。なお、複雑な要素を排除するために、粘性要素がないものとし、可変弾性特性により稼働するものとした。
[実験条件]
被験者は、オペレータの指示に従って次の各動作をそれぞれ5回ずつ行った。
1つ目の動作は、座位から始める歩行動作である。被験者は、オペレータの指示で座位から立ち上がり、次のオペレータの指示で歩行を開始する。歩行開始時は、右足から振り上げるように指示する。歩行範囲は5mとした。
2つ目の動作は、次のオペレータの指示で座位から立ち上がって立位、次のオペレータの指示で立ち下がって座位とする動作である。
被験者はオペレータの指示で座位から立ち上がり、立位状態になる。
なお、2つの動作実験において、被験者は動作の練習を15分行ってから実験を開始する。オペレータの指示は、任意に行われる。
動作タイミングの記録は、動作開始時に被験者がスイッチを押すことで行った。
なお、各駆動機構5には、人工筋肉40の圧力を計測するための圧力センサ及び人工筋肉40への空気の給排を制御する空圧弁が設けられている。圧力センサ、角度センサ48A;48Bからの信号は、A/D変換器を通して記録され、これらの信号に基づいて、動作補助部4の動作を制御する。空圧弁は、D/A変換器を通して操作される。
被験者は、指示されたタイミングで動作を開始する。その際に被験者の動作と同じ動作がアルゴリズムで判別され、装具がその動作をすれば「成功」と判定する。その際に異なる動作や、動作しなかった場合には「失敗」とする。各動作において、(成功した回数)/(全試行回数)を成功率として評価した。
なお、関節角度・角速度の閾値は、準備実験よりあらかじめ設定した。
本実験でのアルゴリズムでは、立ち上がり/立ち下がりをせずに、前後の動作の判別結果に基づいてを立ち上がりと立ち下がりとを区別するようにした。
具体的には、アルゴリズムにより「立ち上がり/立ち下がり」と判別されたときに、その直前の動作が「座位」として判別されている場合には、その動作は「立ち上がり」と判別し、その直前の動作が「立位」として判別されている場合には、「立ち下がり」として判別する。
各動作を続ける時間をtsit[s]、tstanding[s]、tsitting[s]、tstance[s]、tstance_wio[s]、tgait[s]として示す。
これらの時間は、動作確認実験において設定した。図11に本アルゴリズム(プログラム)で使うパラメータの値を纏めて示す。
以下に、歩行動作、立ち上がり動作の2つの実験結果について説明する。
歩行動作の実験結果と考察
図12(a),(b),(c)は、本実験での判別シグナルの結果を示す。また、図12(d)の表に成功率を示す。
本実験におけるシグナルの結果は、3つのパターンに大別される。
パターン1:歩行
パターン2:歩行中に立ち下がりの信号
パターン3:歩行中に立位の信号
、である。
図13(a)(b)に立ち上がりの実験結果を示し、図13(c)に成功率を示す。歩行動作の実験と同様にパターンで分けられる。パターン1:成功パターン、パターン2:立ち上がり途中に立ち下がりである。
パターン1(図13(a))について、図10の直前の動作に基づいて「立ち上がり」と「立ち下がり」を判別するアルゴリズムが機能している。
パターン2(図13(b))において、「立ち上がり」の途中で「立ち下がり」になっている。これは、次のことが原因であると考える。被験者が立ち上がろうとすると、判別シグナルは「立ち上がり」になる。このとき、「立ち上がり」のプログラムが実行されるが、このプログラムが終わっても被験者はまだ立位になっていなかった。そのため、「立位」ではなく「立ち下がり」になった。
例えば、アシスト装具と装着者との間の相互反力に基づいて動作を判別することができる。
また、図15は、装具と装着者の間に生じる相互反力を用いて、装着者の動作を判別する動作判別アルゴリズムを示す。
本実施形態に係る動作判別方法は、装着者が動こうとする力に対して、装具に生じる反力を利用する。例えば,装具が「座位」姿勢をアシストしている場合、装着者が立ち上がろうとすると装具は装着者に引っ張られる。この特徴を利用することで本動作判別方法を構築することができる。
図14に示すように、腰部に設けた力センサが出力する力をFw、股部に設けた力センサが出力する力を右(Right),左(Left)の添え字をつけてFh_R,Fh_Lとする。
座位時に、上半身の一部と股の重さによって生じる股のセンサが出力する力をFh_sit_threとして閾値を設定すると、立ち上がり時には、センサは引っ張られる方向に力が働くため、Fh<Fh_sit_threである。また、立ち下がり時には、センサが圧縮される方向に力が働くため、Fh>Fh_sit_threとなる。そして、座位時にはFh=Fh_sit_threとなると考えることができる。
そして、装具を制御する動作制御装置84に、動作判別装置86において判別された動作に対応する判別値(シグナル)を出力することにより、装具がアシスト動作やバックドライブ動作をするように、人工筋肉40及び連結体42を制御することができる。即ち、動作補助部4に取り付けたあらゆるセンサからの情報を、情報同士、或いは閾値と比較することで装着者の動作判別をすることができる。
4 動作補助部、5 駆動機構、8 制御部、
20 大腿フレーム、22 下腿フレーム、24 腰フレーム、40 人工筋肉、
41 バネ、42 連結体、44 プーリー、46 ワイヤ、48 角度センサ、
50 円筒体、51 カーボン繊維、53A 端子部材、56 気室、
60 ケース、64 コア、69 磁性流体、
80 空気給排装置、84 動作制御装置、86 動作判別装置、
86A バランス状態判別手段、86B 脚動作判別手段、
86C 脚整列状態判別手段、86D 座位立位判別手段。
Claims (10)
- 関節を介して接続される人の一方の部位に装着される第1装具と、
他方の部位に装着される第2装具と、
人の関節の動作に追従して前記第1装具と前記第2装具とを回転可能に連結する連結体と、
前記第1装具及び前記第2装具間に、相対的な回転力を生じさせる人工筋肉と、
人の動作が前記第1装具及び前記第2装具に及ぼす影響を特徴量として検出する特徴量検出手段と、
を備えたアシスト装置を装着した人の動作を判別する動作判別装置であって、
前記特徴量検出手段により検出された特徴量の時間変化を、あらかじめ設定された動作を判別するための閾値と比較し、人の動作を判別する比較判別手段を備え、
前記比較判別手段は、
体の重心の移動を伴わない動作と体の重心の移動を伴う動作とを判別するバランス状態判別手段と、
脚を交互に動かしているかどうかについて判別する脚動作判別手段と、
脚が整列状態にあるかどうかを判別する脚整列状態判別手段と、
座位と立位を判別する座位立位判別手段とを含み、
前記脚動作判別手段は、前記バランス状態判別手段で判別された動作に基づいて脚を交互に動かしているかどうかについて判別し、
前記脚整列状態判別手段は、前記バランス状態判別手段で判別された動作に基づいて脚が整列状態にあるかどうかを判別し、
座位立位判別手段は、前記前記脚整列状態判別手段で判別された動作に基づいて座位と立位を判別することにより人の動作を判別することを特徴とする動作判別装置。 - 関節を介して接続される人の一方の部位に装着される第1装具と、
他方の部位に装着される第2装具と、
電気的な信号に基づいて機能性流体の粘性が変化し、回転抵抗が可変に構成され、人の関節の動作に追従して前記第1装具と前記第2装具とを回転可能に連結する連結体と、
人の動作が前記第1装具及び前記第2装具に及ぼす影響を特徴量として検出する特徴量検出手段と、
を備えたアシスト装置を装着した人の動作を判別する動作判別装置であって、
前記特徴量検出手段により検出された特徴量の時間変化を、あらかじめ設定された動作を判別するための閾値と比較し、人の動作を判別する比較判別手段を備え、
前記比較判別手段は、
体の重心の移動を伴わない動作と体の重心の移動を伴う動作とを判別するバランス状態判別手段と、
脚を交互に動かしているかどうかについて判別する脚動作判別手段と、
脚が整列状態にあるかどうかを判別する脚整列状態判別手段と、
座位と立位を判別する座位立位判別手段とを含み、
前記脚動作判別手段は、前記バランス状態判別手段で判別された動作に基づいて脚を交互に動かしているかどうかについて判別し、
前記脚整列状態判別手段は、前記バランス状態判別手段で判別された動作に基づいて脚が整列状態にあるかどうかを判別し、
座位立位判別手段は、前記前記脚整列状態判別手段で判別された動作に基づいて座位と立位を判別することにより人の動作を判別することを特徴とする動作判別装置。 - 関節を介して接続される人の一方の部位に装着される第1装具と、
他方の部位に装着される第2装具と、
電気的な信号に基づいて機能性流体の粘性が変化し、回転抵抗が可変に構成され、人の関節の動作に追従して前記第1装具と前記第2装具とを回転可能に連結する連結体と、
前記第1装具及び前記第2装具間に、相対的な回転力を生じさせる人工筋肉と、
人の動作が前記第1装具及び前記第2装具に及ぼす影響を特徴量として検出する特徴量検出手段と、
を備えたアシスト装置を装着した人の動作を判別する動作判別装置であって、
前記特徴量検出手段により検出された特徴量の時間変化を、あらかじめ設定された動作を判別するための閾値と比較し、人の動作を判別する比較判別手段を備え、
前記比較判別手段は、
体の重心の移動を伴わない動作と体の重心の移動を伴う動作とを判別するバランス状態判別手段と、
脚を交互に動かしているかどうかについて判別する脚動作判別手段と、
脚が整列状態にあるかどうかを判別する脚整列状態判別手段と、
座位と立位を判別する座位立位判別手段とを含み、
前記脚動作判別手段は、前記バランス状態判別手段で判別された動作に基づいて脚を交互に動かしているかどうかについて判別し、
前記脚整列状態判別手段は、前記バランス状態判別手段で判別された動作に基づいて脚が整列状態にあるかどうかを判別し、
座位立位判別手段は、前記前記脚整列状態判別手段で判別された動作に基づいて座位と立位を判別することにより人の動作を判別することを特徴とする動作判別装置。 - 前記特徴量検出手段は、前記連結体の回転角度を検出することを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれかに記載の動作判別装置。
- 前記特徴量検出手段は、前記第1装具及び前記第2装具を装着した人が動こうとしたときに、前記第1装具又は前記第2装具と人との間に生じる相互反力を検出することを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれかに記載の動作判別装置。
- 関節を介して接続される人の一方の部位に装着される第1装具と、
他方の部位に装着される第2装具と、
電気的な信号に基づいて機能性流体の粘性が変化し、回転抵抗が可変に構成され、人の関節の動作に追従して前記第1装具と前記第2装具とを回転可能に連結する連結体と、
人の動作が前記第1装具及び前記第2装具に及ぼす影響を特徴量として検出する特徴量検出手段と、
を備えたアシスト装置を装着した人の動作を判別する動作判別プログラムであって、
前記特徴量検出手段により検出された特徴量の時間変化を、動作を判別するためにあらかじめ設定された閾値と比較し、
体の重心の移動を伴わない動作と、体の重心の移動を伴う動作とを判別する第1のステップと、
脚を交互に動かしているかどうかについて判別する第2のステップと、
脚が整列状態にあるかどうかを判別する第3のステップと、
座位と立位を判別する第4のステップと、をコンピュータに実行させ、
前記第2のステップは、前記第1のステップの判別結果に基づいて脚を交互に動かしているかどうかについて判別し、
前記第3のステップは、前記第1のステップの判別結果に基づいて脚が整列状態にあるかどうかを判別し、
前記第4のステップは、前記第3のステップの判別結果に基づいて座位と立位を判別することを特徴とする動作判別プログラム。 - 関節を介して接続される人の一方の部位に装着される第1装具と、
他方の部位に装着される第2装具と、
人の関節の動作に追従して前記第1装具と前記第2装具とを回転可能に連結する連結体と、
前記第1装具及び前記第2装具間に、相対的な回転力を生じさせる人工筋肉と、
人の動作が前記第1装具及び前記第2装具に及ぼす影響を特徴量として検出する特徴量検出手段と、
を備えたアシスト装置を装着した人の動作を判別する動作判別プログラムであって、
前記特徴量検出手段により検出された特徴量の時間変化を、動作を判別するためにあらかじめ設定された閾値と比較し、
体の重心の移動を伴わない動作と、体の重心の移動を伴う動作とを判別する第1のステップと、
脚を交互に動かしているかどうかについて判別する第2のステップと、
脚が整列状態にあるかどうかを判別する第3のステップと、
座位と立位を判別する第4のステップと、をコンピュータに実行させ、
前記第2のステップは、前記第1のステップの判別結果に基づいて脚を交互に動かしているかどうかについて判別し、
前記第3のステップは、前記第1のステップの判別結果に基づいて脚が整列状態にあるかどうかを判別し、
前記第4のステップは、前記第3のステップの判別結果に基づいて座位と立位を判別することを特徴とする動作判別プログラム。 - 関節を介して接続される人の一方の部位に装着される第1装具と、
他方の部位に装着される第2装具と、
電気的な信号に基づいて機能性流体の粘性が変化し、回転抵抗が可変に構成され、人の関節の動作に追従して前記第1装具と前記第2装具とを回転可能に連結する連結体と、
前記第1装具及び前記第2装具間に、相対的な回転力を生じさせる人工筋肉と、
人の動作が前記第1装具及び前記第2装具に及ぼす影響を特徴量として検出する特徴量検出手段と、
を備えたアシスト装置を装着した人の動作を判別する動作判別プログラムであって、
前記特徴量検出手段により検出された特徴量の時間変化を、動作を判別するためにあらかじめ設定された閾値と比較し、
体の重心の移動を伴わない動作と、体の重心の移動を伴う動作とを判別する第1のステップと、
脚を交互に動かしているかどうかについて判別する第2のステップと、
脚が整列状態にあるかどうかを判別する第3のステップと、
座位と立位を判別する第4のステップと、をコンピュータに実行させ、
前記第2のステップは、前記第1のステップの判別結果に基づいて脚を交互に動かしているかどうかについて判別し、
前記第3のステップは、前記第1のステップの判別結果に基づいて脚が整列状態にあるかどうかを判別し、
前記第4のステップは、前記第3のステップの判別結果に基づいて座位と立位を判別することを特徴とする動作判別プログラム。 - 前記特徴量が、前記連結体の回転角度であることを特徴とする請求項6乃至請求項8いずれかに記載の動作判別プログラム。
- 前記特徴量が、前記第1装具及び前記第2装具を装着した人が動こうとしたときに、前記第1装具及び前記第2装具と人との間に生じる相互反力であることを特徴とする請求項6乃至請求項8いずれかに記載の動作判別プログラム。
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