JP7472961B1 - セル多重インバータ - Google Patents

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Abstract

【課題】セル多重インバータにおいて、定常時におけるスイッチング回数の増加を抑制し、かつ系統電圧や出力電流が急変した際の過電流を抑える。【解決手段】セル多重インバータは、交流系統ACの各相にスター結線で多重に接続した複数のセルcellu1~cellw4と、複数のセルのスイッチング素子のゲート指令を生成するゲート指令生成部と、を備える。複数のセルのうち一部のセルは商用周波数または出力周波数の1周期に1回のスイッチングを行う商用周波数駆動セルとして駆動し、複数のセルのうち残りのセルは商用周波数駆動セルよりも高い周波数で駆動する高周波駆動セルとして駆動する。ゲート指令生成部において、商用周波数駆動セルは、電圧指令値の傾きが傾き閾値よりも小さいときはスイッチング回数の増加を抑制し、電圧指令値の傾きが傾き閾値よりも大きいときはスイッチング回数の増加を許容する。【選択図】図1

Description

本発明は、交流系統の各相にスター結線で複数のセルを多重に接続したセル多重インバータに関する。
セル多重インバータの一例として、三相交流の系統に連系するシングルスター・ブリッジセル(SSBC)のモジュラー・マルチレベル・カスケード変換器(MMCC)が知られている。また、MMCC-SSBCのフルブリッジセルの直流側に別途電源やDC/DCコンバータなどが接続された構成も知られている。
この構成の主な例としては、例えば特許文献1にあるようなソリッドステート・トランスフォーマー(SST)がある。特許文献1ではSSTの主回路構成が開示されている。
図1にMMCC-SSBCと共振コンバータ方式の双方向絶縁型DC/DCコンバータを組み合わせた1相あたりセル4台からなるSSTを示す。
高圧の交流電力を直列接続したセルで直流電力に変換し、直流電力を高周波の交流電力に変換し、トランスで絶縁、整流することで直流電力に変換できる。逆向きの電力融通も可能である。SSTは高周波トランスを用いるため、従来の商用周波数トランスよりも小型にできる。
また、別の用途としては特許文献2の高圧多重インバータも該当する。特許文献2では高圧多重インバータの構成が開示されている。
特許文献2の実施形態15や特許文献3では、MMCC-SSBCや多重インバータを構成する各セルのスイッチング素子を駆動する方式として、大半のセルで商用周波数の1周期に1回のスイッチングを行い、一部のセルのみ高いスイッチング周波数で駆動するというものが提案されている。
この方式では、商用周波数で動作する多くのセル(以下、商用周波数駆動セルと称する)にはスイッチング損失は大きいが安価であるSi-IGBTといったデバイスを使用し、高いスイッチング周波数で駆動するセル(以下、高周波駆動セルと称する)には低損失だが高価であるSiC-MOSFETなどのデバイスを適用することで、高効率とコスト低減を両立できる。
さらに、出力電圧のマルチレベル化により、スイッチングにより出力電圧に重畳するリプルの振幅が小さくなる。このため変換器の出力端に接続するリアクトルなどのフィルタ回路の小型化・低コスト化も可能となる。特許文献3の請求項は無効電力補償装置に限定されているが、SSTにも適用することができる。
また、商用周波数駆動セルのゲート信号の接続を一定周期毎に切り替えて熱責務を均等にする方法も提案されている。
特許文献4には、同じくMMCC-SSBCや多重インバータにおいて、ゲート信号の接続ではなく閾値を一定周期毎に切り替えて熱責務を均等にする方法が提案されている。
特許文献5はインバータ単機構成向けであるが、キャリア三角波と電圧指令値を比較してゲート信号を生成する場合において、キャリア三角波半周期あたりのスイッチング回数を1回に制限するダブルパルス禁止技術が開示されている。
特許文献6もインバータ単機構成向けであるが、キャリア三角波ではなくヒステリシスコンパレータを用いてゲート信号を生成する技術が開示されている。直流電圧に応じてヒステリシス幅を変化させることで、スイッチング周波数を一定に保つ方法を提案している。
特許文献7は、1相あたりのセル台数が2台に限定されているが、MMCC-SSBCや多重インバータの高いスイッチング周波数で駆動するセルにヒステリシスコンパレータを適用し、指令値通りの出力電流が得られるようにした方式である。
図2は特許文献3におけるゲート駆動方式を実現する1相あたりのゲート指令生成部のブロック図の例である。図2は1相あたりのセル台数がN=4であり、そのうち商用周波数駆動セルはセル3台(セルU1~U3)、高周波駆動セルの台数M=1台(セルU4)とすることを想定している。図2は以下により構成される。
U相電圧指令値VrefUはあらかじめ定められた周波数・振幅の正弦波であるほか、電流・電圧フィードバック制御により決定される場合もある。固定閾値Cth1はCth1=1/Nである。
第1減算器1aはU相電圧指令値VrefUと固定閾値Cth1の差を求める。第1減算器1bはU相電圧指令値VrefUと固定閾値-Cth1の差を求める。
第1比較器2aは第1減算器1aの出力と0を比較し、固定閾値Cth1に比べU相電圧指令値VrefUの方が大きければ1を出力し、小さければ0を出力する。第1比較器2bは第1減算器1bの出力と0を比較し、固定閾値-Cth1に比べU相電圧指令値VrefUの方が大きければ1を出力し、小さければ0を出力する。第1減算器1a、第1比較器2a、1減算器1b、第1比較器2bで商用セルゲート指令生成部3a、3bを構成し、商用セルゲート指令生成部3a、3bの出力がセルU1のゲート指令となる。
セルU2のゲート指令もU相電圧指令値VrefUと固定閾値Cth2,-Cth2とを商用セルゲート指令生成部3c、3dの第1減算器1c、1d、第1比較器2c、2dで比較して生成される。なお、Cth2=2/Nである。
セルU3のゲート指令もU相電圧指令値VrefUと固定閾値Cth3,-Cth3とを商用セルゲート指令生成部3e、3fの第1減算器1e、1f、第1比較器2e、2fで比較して生成される。なお、Cth=3/Nである。商用セルゲート指令生成部3a~3fは2(N-M)個である。
特許文献1に示すとおり、生成されたゲート指令の出力先をセルU1~U3の間で周期的に切り替え、セルU1~U3の損失責務を均等化することができる。
特許文献2に示すとおり、固定閾値Cth1~Cth3を周期的に変化させセルU1~U3の損失責務を均等化する方法もある。
第1スイッチSW1a~SW1fは、第1比較器2a~2fの出力が1ならば1/2Nを、0ならば?1/2Nを出力する。第1加算器4は、第1スイッチSW1a~SW1fの出力すべてを加算する。第1加算器4の出力がセルU1~U3の出力電圧(VU1+VU2+VU3)に相当する。第2減算器5は、U相電圧指令値VrefUと第1加算器4の出力(VU1+VU2+VU3)の差を求める。第2減算器5の出力がセルU4の電圧指令値となる。
キャリア三角波は、図2では、PD(Phase Disposition)方式の例であり、オフセットの異なる同位相の2本のキャリア三角波を用意する。
この他にもオフセットが零で位相を180°ずらした2本のキャリア三角波を用いるPS(Phase Shift)方式でもよい。
第3減算器6a、6bは、セルU4の電圧指令値とキャリア三角波との差を求める。第2比較器7a、7bは、第3減算器6a、6bの出力を0と比較し、キャリア三角波に対してセルU4の電圧指令値が大きければ1を、小さければ0を出力する。第2比較器7a、7bの出力がセルU4のゲート指令となる。各ゲート指令はデッドタイムを付加した後対応するスイッチング素子へ出力される。
図3に、このゲート指令生成部(図2)により得られる出力電圧の波形を示す。最上段は固定閾値Cth3、Cth2、Cth1、-Cth1、-Cth2、-Cth3と比較対象のU相電圧指令値VrefU、2段目は比較により得られる商用周波数駆動セル3台の合計出力電圧(VU1+VU2+VU3)である。U相電圧指令値VrefUからこの合計出力電圧(VU1+VU2+VU3)を減算したものが高周波駆動セル(セルU4)の電圧指令値であり、3段目にキャリア三角波と併せて示している。4段目はそのキャリア三角波との比較により得られた高周波駆動セル(セルU4)の出力電圧、最下段は全セルの合計出力電圧VU1+VU2+VU3+VU4である。この例では、出力電圧波形は9レベルとなる。
特開平10-75580号公報 特開平11-122943号公報 特開2014-100026号公報 特開2020-54072号公報 特開2003-70247号公報 特開平4-178175号公報 特開2007-181253号公報
「系統連系規程 第8版」 JEAC9701-2019、一般社団法人日本電気協会、系統連系専門部会
特許文献1ではゲート指令生成にすべてのセルで多重PWM変調を行うことのみ記載されていて、スイッチング回数増加の抑制については言及されていない。
電流や電圧のフィードバック制御によりU相電圧指令値VrefUを決定する場合に特許文献2や特許文献3を適用すると、入力の検出信号に重畳するスイッチングリプルやノイズなどがU相電圧指令値VrefUにも重畳し、U相電圧指令値VrefUと固定閾値との交点が増加してしまうことがある。
図4に、この問題が生じた際の波形例を示す。最上段はリプルを重畳したU相電圧指令値VrefU、2段目は商用周波数駆動セルの出力電圧(VU1+VU2+VU3)であるが、セルのスイッチング回数が増加している。これによりスイッチング損失まで増加してしまう。
商用周波数駆動セルにおけるスイッチング素子の損失は導通損失が大半であり、スイッチング回数の増加は一時的なものであれば効率への影響は非常に小さく、冷却面でもヒートシンクなどの熱容量により温度上昇も抑えられる。しかし、定常的に発生すると無視できなくなり効率低下や部品の過熱といった問題が生じる。
この問題への対策としては、例えばPLLやロータリーエンコーダが出力する位相を参照し、位相90degでの間で最初の交点のみスイッチングを行い2回目以降の交点を無視する方法が考えられる。また、固定のパルスパターンを用いて商用周波数駆動セルのスイッチングタイミングを決定する方法もある。しかし、これらの対策を適用すると電圧急変に対応できないという新たな問題が生じる。
図4の最下段はスイッチング回数を制限した場合の波形である。商用周波数駆動セルの出力電圧(VU1+VU2+VU3)は、電圧急変以降においてU相電圧指令値VrefUに対して大きく乖離している。この乖離により主回路には過電流が流れ部品が破壊される恐れが生じ、ゲートブロックを行い変換器を停止させる必要が生じる。
このような急変は電流指令値のステップ変化、系統電圧の地絡や短絡およびその復帰や位相跳躍などによって発生する。そのため、スイッチング回数を制限すると電流の応答速度が低下する、FRT要件(Fault Ride Through:事故時運転継続要件)を満たせない、といった問題が生じる。なお、FRT要件については、非特許文献1に記載されている。
また、U相電圧指令値VrefUが固定閾値と交差するタイミングによっては、別の問題が生じる。図5を用いてこの問題を説明する。
U相電圧指令値VrefUが固定閾値と交差しない期間は、高周波駆動セルではキャリア三角波半周期に1回のスイッチングが行われ、合計の出力電圧はキャリア半周期あたり1レベル変化する。この動作は正常である。
最初にU相電圧指令値VrefUが固定閾値Cth2と交差するタイミングでは、高周波駆動セルのゲート指令生成に用いるキャリア三角波の傾きがプラスである。この時、セルU1の出力電圧レベルが増加するタイミングとセルU4の出力電圧レベルが減少するタイミングが一致し、キャリア半周期での合計出力電圧のレベル変化は零である。これも問題にはならない。
しかし、2回目のU相電圧指令値VrefUが固定閾値Cth3と交差するタイミングでは高周波駆動セルのゲート指令に用いるキャリア三角波の傾きはマイナスである。この際、高周波駆動セルではスイッチング損失増加の抑制を目的として特許文献5に示すダブルパルス禁止処理を行う必要がある。
これは、高周波駆動セルは商用周波数駆動セルとは異なりスイッチング損失の占める割合が大きく、スイッチング回数がわずかに増えるだけでも効率や熱設計に大きな影響を及ぼすためである。
ダブルパルス禁止処理により最初のキャリア三角波との交点でのみスイッチングが行われ、その結果キャリア半周期あたり合計出力電圧のレベル変化は2に増加してしまう。U相電圧指令値VrefUの傾きは固定閾値Cth3との交点以降で減少しているため、本来ならばこのような出力電圧レベルの大きな変化は不要である。
さらに、ダブルパルスを禁止したことにより本来得られるはずだった破線の電圧波形に比べるとU相電圧指令値VrefUとの誤差も大きくなる。これにより、電流ひずみが悪化してしまう。
対策としては、キャリア三角波の傾きにより商用周波数駆動セルのスイッチングを制限することが考えられる。しかし、電圧急変が生じた場合には商用周波数駆動セルのスイッチングが最大キャリア半周期分遅れるため、過電流が発生する恐れが生じてしまう。
特許文献5はダブルパルス禁止技術である。しかし、キャリア三角波と電圧指令値を比較してゲート指令を生成する場合に適用でき、今回の構成では高周波駆動セルには適用できるが商用周波数駆動セルには適用できない。また、商用周波数駆動セルのスイッチング回数を制限すると、定常時の損失増加を解決できるが、上記に示したように電流の応答速度が低下する、FRT要件を満たせない、といった問題が生じる。
特許文献6は、ゲート生成にヒステリシスコンパレータを適用することを提案している。しかし、高周波駆動セルへの適用を想定したものである。商用周波数駆動セルに適用した場合、固定閾値と比較する際のヒステリシス幅が大きければ大きくなるほどスイッチングタイミングが本来のタイミングからずれ、定常状態における電流ひずみが悪化してしまう。ヒステリシス幅を小さくすると定常状態でのスイッチング回数増加を防ぐことができない。
特許文献7は、本発明で想定するMMCC-SSBCや多重インバータにヒステリシスコンパレータを適用した例である。しかし、高周波駆動セルへの適用を想定したものであり商用周波数駆動セルへの適用方法が示されていない。
以上示したようなことから、セル多重インバータにおいて、定常時におけるスイッチング回数の増加を抑制し、かつ系統電圧や出力電流が急変した際の過電流を抑えることが課題となる。
本発明は、前記従来の問題に鑑み、案出されたもので、その一態様は、交流系統の各相にスター結線で多重に接続した複数のセルと、複数の前記セルのスイッチング素子のゲート指令を生成するゲート指令生成部と、を備え、複数の前記セルのうち一部の前記セルは商用周波数または出力周波数の1周期に1回のスイッチングを行う商用周波数駆動セルとして駆動し、複数の前記セルのうち残りの前記セルは前記商用周波数駆動セルよりも高い周波数で駆動する高周波駆動セルとして駆動するセル多重インバータであって、前記ゲート指令生成部は、前記商用周波数駆動セルは、電圧指令値の傾きが傾き閾値よりも小さいときはスイッチング回数の増加を抑制し、前記電圧指令値の傾きが前記傾き閾値よりも大きいときはスイッチング回数の増加を許容し、前記傾き閾値は、前記高周波駆動セルのゲート指令生成に使用するキャリア三角波の傾きの半分以下とすることを特徴とする。
また、その一態様として、前記ゲート指令生成部は、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が変化してから所定時間、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1の時は固定閾値から第1ヒステリシス幅を減算し、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が0の時は前記固定閾値に前記第1ヒステリシス幅を加算し、それ以外の時は前記固定閾値をそのままとし、前記電圧指令値と、前記商用周波数駆動セルのゲート指令の条件に応じて前記第1ヒステリシス幅を加算減算した前記固定閾値またはそのままの前記固定閾値と、の比較に基づいて前記商用周波数駆動セルのゲート指令を生成することを特徴とする。
また、一態様として、前記ゲート指令生成部は、前記電圧指令値の傾きが前記傾き閾値よりも小さいときは前記商用周波数駆動セルの1台がスイッチングした場合において前記高周波駆動セルも1台スイッチングするようにし、かつ、前記商用周波数駆動セルと前記高周波駆動セルの出力電圧レベルの変化が互いに打ち消し合うように制限し、前記電圧指令値の傾きが前記傾き閾値よりも大きいときは上記制限を無くすことを特徴とする。
また、その一態様として、前記ゲート指令生成部は、高周波駆動セル電圧指令値とPD方式のキャリア三角波の比較に基づいて前記高周波駆動セルのゲート指令を生成し、前記電圧指令値の傾きが前記傾き閾値よりも小さい時は、前記キャリア三角波の傾きがプラスの時に前記商用周波数駆動セルの出力電圧レベルの増加を許容し、前記キャリア三角波の傾きがマイナスの時に前記商用周波数駆動セルの出力電圧レベルの減少を許容することを特徴とする。
また、他の態様として、前記ゲート指令生成部は、高周波駆動セル電圧指令値とPS方式のキャリア三角波の比較に基づいて前記高周波駆動セルのゲート指令を生成し、前記電圧指令値の傾きが前記傾き閾値よりも小さい時は、前記電圧指令値がプラスの時は最も大きい前記キャリア三角波の傾きがプラスの時に前記商用周波数駆動セルの出力電圧レベルの増加を許容し、前記電圧指令値がマイナスの時は最も小さい前記キャリア三角波の傾きがプラスの時に前記商用周波数駆動セルの出力電圧レベルの増加を許容し、前記電圧指令値がプラスの時は最も大きい前記キャリア三角波の傾きがマイナスの時に前記商用周波数駆動セルの出力電圧レベルの減少を許容し、前記電圧指令値がマイナスの時は最も小さい前記キャリア三角波の傾きがマイナスの時に前記商用周波数駆動セルの出力電圧レベルの減少を許容することを特徴とする。
また、一態様として、前記ゲート指令生成部は、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が0かつ前記キャリア三角波の傾きがマイナスの時は固定閾値に第2ヒステリシス幅を加算し、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1かつ前記キャリア三角波の傾きがプラスの時は前記固定閾値から前記第2ヒステリシス幅を減算し、それ以外の時は前記固定閾値をそのままとし、前記電圧指令値と、前記商用周波数駆動セルのゲート指令および前記キャリア三角波の傾きの条件に応じて前記第2ヒステリシス幅を加算減算した前記固定閾値またはそのままの前記固定閾値と、の比較に基づいて前記商用周波数駆動セルのゲート指令を生成することを特徴とする。
また、他の態様として、前記ゲート指令生成部は、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が0、かつ、前記電圧指令値がプラスならば最も大きい前記キャリア三角波の傾きがマイナスの時および前記電圧指令値がマイナスならば最も小さい前記キャリア三角波の傾きがマイナスの時は固定閾値に第2ヒステリシス幅を加算し、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1、かつ、前記電圧指令値がプラスならば最も大きい前記キャリア三角波の傾きがプラスの時および前記電圧指令値がマイナスならば最も小さい前記キャリア三角波の傾きがプラスの時は前記固定閾値から前記第2ヒステリシス幅を減算し、それ以外の時は前記固定閾値をそのままとし、前記電圧指令値と、前記商用周波数駆動セルのゲート指令および前記キャリア三角波の傾きの条件に応じて前記第2ヒステリシス幅を加算減算した前記固定閾値またはそのままの前記固定閾値との比較に基づいて前記商用周波数駆動セルのゲート指令を生成することを特徴とする。
また、他の態様として、前記ゲート指令生成部は、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が変化してから所定時間、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1の時は固定閾値から第1ヒステリシス幅を減算し、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が0の時は前記固定閾値に前記第1ヒステリシス幅を加算し、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が0かつ前記キャリア三角波の傾きがマイナスの時は前記固定閾値に第2ヒステリシス幅を加算し、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1かつ前記キャリア三角波の傾きがプラスの時は前記固定閾値から前記第2ヒステリシス幅を減算し、それ以外の時は前記固定閾値をそのままとし、前記電圧指令値と、前記商用周波数駆動セルのゲート指令および前記キャリア三角波の傾き条件に応じて前記第1ヒステリシス幅、前記第2ヒステリシス幅を加算減算した前記固定閾値またはそのままの前記固定閾値と、の比較に基づいて前記商用周波数駆動セルのゲート指令を生成することを特徴とする。
また、他の態様として、前記ゲート指令生成部は、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が変化してから所定時間、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1の時は固定閾値から第1ヒステリシス幅を減算し、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が0の時は前記固定閾値に前記第1ヒステリシス幅を加算し、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が0、かつ、前記電圧指令値がプラスならば最も大きい前記キャリア三角波の傾きがマイナスの時および前記電圧指令値がマイナスならば最も小さい前記キャリア三角波の傾きがマイナスの時は前記固定閾値に第2ヒステリシス幅を加算し、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1、かつ、前記電圧指令値がプラスならば最も大きい前記キャリア三角波の傾きがプラスの時および前記電圧指令値がマイナスならば最も小さい前記キャリア三角波の傾きがプラスの時は前記固定閾値から前記第2ヒステリシス幅を減算し、それ以外の時は前記固定閾値をそのままとし、前記電圧指令値と、前記商用周波数駆動セルのゲート指令および前記キャリア三角波の傾きの条件に応じて前記第1ヒステリシス幅、前記第2ヒステリシス幅を加算減算した前記固定閾値またはそのままの前記固定閾値と、の比較に基づいて前記商用周波数駆動セルのゲート指令を生成することを特徴とする。
また、一態様として、1相当たりの前記セルの台数がN台(N≧2)、前記高周波駆動セルの台数がM台(M≧1)であって、前記電圧指令値と2(N-M)個の前記固定閾値とのそれぞれの比較に基づいて前記商用周波数駆動セルのゲート指令を生成する2(N-M)個の商用セルゲート指令生成部と、それぞれの前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1の時は1/2Nを出力し、0の時は-1/2Nを出力する第1スイッチと、すべての前記第1スイッチの出力を加算する第1加算器と、前記電圧指令値から前記第1加算器の出力を減算する第2減算器と、前記第2減算器の出力とPS方式またはPD方式のキャリア三角波を比較し、前記高周波駆動セルのゲート指令を生成する第2比較器と、を備え、前記商用セルゲート指令生成部は、前記電圧指令値から前記固定閾値を減算した値からバッファの出力を減算する第1減算器と、前記第1減算器の出力が0よりも大きい場合は1を、それ以外の場合0を前記商用周波数駆動セルのゲート指令として出力する第1比較器と、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1の場合はマイナスの前記第1ヒステリシス幅を出力し、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が0の場合はプラスの前記第1ヒステリシス幅を出力する第2スイッチと、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が変化してから所定時間は前記第2スイッチの出力を出力し、それ以外の時は0を出力する第3スイッチと、前記第3スイッチの出力を記憶し、1演算時間前の値を出力する前記バッファと、を備えたことを特徴とする。
また、他の態様として、1相当たりの前記セルの台数がN台(N≧2)、前記高周波駆動セルの台数がM台(M≧1)であって、前記電圧指令値と2(N-M)個の前記固定閾値とのそれぞれの比較に基づいて前記商用周波数駆動セルのゲート指令を生成する2(N-M)個の商用セルゲート指令生成部と、それぞれの前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1の時は1/2Nを出力し、0の時は-1/2Nを出力する第1スイッチと、すべての前記第1スイッチの出力を加算する第1加算器と、前記電圧指令値から前記第1加算器の出力を減算する第2減算器と、前記第2減算器の出力とPD方式の前記キャリア三角波を比較し、前記高周波駆動セルのゲート指令を生成する第2比較器と、を備え、前記商用セルゲート指令生成部は、前記電圧指令値から前記固定閾値を減算した値からバッファの出力を減算する第1減算器と、前記第1減算器の出力が0よりも大きい場合は1を、それ以外の場合0を前記商用周波数駆動セルのゲート指令として出力する第1比較器と、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が0かつ前記キャリア三角波の傾きがマイナスの場合にプラスの前記第2ヒステリシス幅を出力し、それ以外の場合0を出力する第4スイッチと、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1かつ前記キャリア三角波の傾きがプラスの場合にマイナスの前記第2ヒステリシス幅を出力し、それ以外の場合に前記第4スイッチの出力を出力する第5スイッチと、前記第5スイッチの出力を記憶し、1演算時間前の値を出力する前記バッファと、を備えたことを特徴とする。
また、他の態様として、1相当たりの前記セルの台数がN台(N≧2)、前記高周波駆動セルの台数がM台(M≧1)であって、前記電圧指令値と2(N-M)個の前記固定閾値とのそれぞれの比較に基づいて前記商用周波数駆動セルのゲート指令を生成する2(N-M)個の商用セルゲート指令生成部と、それぞれの前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1の時は1/2Nを出力し、0の時は-1/2Nを出力する第1スイッチと、すべての前記第1スイッチの出力を加算する第1加算器と、前記電圧指令値から前記第1加算器の出力を減算する第2減算器と、前記第2減算器の出力とPS方式の前記キャリア三角波を比較し、前記高周波駆動セルのゲート指令を生成する第2比較器と、を備え、前記商用セルゲート指令生成部は、前記電圧指令値から前記固定閾値を減算した値からバッファの出力を減算する第1減算器と、前記第1減算器の出力が0よりも大きい場合は1を、それ以外の場合0を前記商用周波数駆動セルのゲート指令として出力する第1比較器と、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が0、かつ、前記電圧指令値がプラスならば最も大きい前記キャリア三角波の傾きがマイナスの場合および前記電圧指令値がマイナスならば最も小さい前記キャリア三角波の傾きがマイナスの場合にプラスの前記第2ヒステリシス幅を出力し、それ以外の場合0を出力する第4スイッチと、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1、かつ、前記電圧指令値がプラスならば最も大きい前記キャリア三角波の傾きがプラスの場合および前記電圧指令値がマイナスならば最も小さい前記キャリア三角波の傾きがプラスの場合にマイナスの前記第2ヒステリシス幅を出力し、それ以外の場合に前記第4スイッチの出力を出力する第5スイッチと、前記第5スイッチの出力を記憶し、1演算時間前の値を記憶する前記バッファと、を備えたことを特徴とする。
また、他の態様として、1相当たりの前記セルの台数がN台(N≧2)、前記高周波駆動セルの台数がM台(M≧1)であって、前記電圧指令値と2(N-M)個の前記固定閾値とのそれぞれの比較に基づいて前記商用周波数駆動セルのゲート指令を生成する2(N-M)個の商用セルゲート指令生成部と、それぞれの前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1の時は1/2Nを出力し、0の時は-1/2Nを出力する第1スイッチと、すべての前記第1スイッチの出力を加算する第1加算器と、前記電圧指令値から前記第1加算器の出力を減算する第2減算器と、前記第2減算器の出力とPD方式の前記キャリア三角波を比較し、前記高周波駆動セルのゲート指令を生成する第2比較器と、を備え、前記商用セルゲート指令生成部は、前記電圧指令値から前記固定閾値を減算した値からバッファの出力を減算する第1減算器と、前記第1減算器の出力が0よりも大きい場合は1を、それ以外の場合0を前記商用周波数駆動セルのゲート指令として出力する第1比較器と、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1の場合はマイナスの前記第1ヒステリシス幅を出力し、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が0の場合はプラスの前記第1ヒステリシス幅を出力する第2スイッチと、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が変化してから所定時間は前記第2スイッチの出力を出力し、それ以外の時は0を出力する第3スイッチと、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が0かつ前記キャリア三角波の傾きがマイナスの場合にプラスの前記第2ヒステリシス幅を出力し、それ以外の場合0を出力する第4スイッチと、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1かつ前記キャリア三角波の傾きがプラスの場合にマイナスの前記第2ヒステリシス幅を出力し、それ以外の場合に前記第4スイッチの出力を出力する第5スイッチと、前記第3スイッチの出力と前記第5スイッチの出力を加算する第2加算器と、前記第2加算器の出力を記憶し、1演算時間前の値を記憶する前記バッファと、を備えたことを特徴とする。
また、他の態様として、1相当たりの前記セルの台数がN台(N≧2)、前記高周波駆動セルの台数がM台(M≧1)であって、前記電圧指令値と2(N-M)個の前記固定閾値とのそれぞれの比較に基づいて前記商用周波数駆動セルのゲート指令を生成する2(N-M)個の商用セルゲート指令生成部と、それぞれの前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1の時は1/2Nを出力し、0の時は-1/2Nを出力する第1スイッチと、すべての前記第1スイッチの出力を加算する第1加算器と、前記電圧指令値から前記第1加算器の出力を減算する第2減算器と、前記第2減算器の出力とPS方式の前記キャリア三角波を比較し、前記高周波駆動セルのゲート指令を生成する第2比較器と、を備え、前記商用セルゲート指令生成部は、前記電圧指令値から前記固定閾値を減算した値からバッファの出力を減算する第1減算器と、前記第1減算器の出力が0よりも大きい場合は1を、それ以外の場合0を前記商用周波数駆動セルのゲート指令として出力する第1比較器と、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1の場合はマイナスの前記第1ヒステリシス幅を出力し、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が0の場合はプラスの前記第1ヒステリシス幅を出力する第2スイッチと、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が変化してから所定時間は前記第2スイッチの出力を出力し、それ以外の時は0を出力する第3スイッチと、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が0、かつ、前記電圧指令値がプラスならば最も大きい前記キャリア三角波の傾きがマイナスの場合および前記電圧指令値がマイナスならば最も小さい前記キャリア三角波の傾きがマイナスの場合にプラスの前記第2ヒステリシス幅を出力し、それ以外の場合0を出力する第4スイッチと、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1、かつ、前記電圧指令値がプラスならば最も大きい前記キャリア三角波の傾きがプラスの場合および前記電圧指令値がマイナスならば最も小さい前記キャリア三角波の傾きがプラスの場合にマイナスの前記第2ヒステリシス幅を出力し、それ以外の場合に前記第4スイッチの出力を出力する第5スイッチと、前記第3スイッチの出力と前記第5スイッチの出力を加算する第2加算器と、前記第2加算器の出力を記憶し、1演算時間前の値を記憶する前記バッファと、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、セル多重インバータにおいて、定常時におけるスイッチング回数の増加を抑制し、かつ系統電圧や出力電流が急変した際の過電流を抑えることが可能となる。
実施形態1~3の主回路構成を示す回路図。 特許文献3のゲート駆動方式を実現するゲート指令生成部を示すブロック図。 図2のゲート指令生成部により得られる出力電圧波形を示す図。 問題(スイッチング回数増加、電圧急変時の乖離)が発生した時の波形図。 問題(定常時のレベル変化数増加)が発生した時の波形図。 実施形態1の商用セルゲート指令生成部を示すブロック図。 実施形態1適用時の出力電圧波形を示す図。 実施形態2の商用セルゲート指令生成部を示すブロック図。 実施形態2適用時の出力電圧波形を示す図。 実施形態3のゲート指令生成部を示すブロック図。 実施形態3の商用セルゲート指令生成部を示すブロック図。 商用周波数駆動セル3台、高周波駆動セル2台、キャリア三角波にPS方式を用いた際の出力波形を示す図。 U相の商用周波数駆動セル1台の系統側上アームスイッチング素子が開放故障を起こした時の各波形を示す図。 U相の高周波数駆動セル1台の系統側上アームスイッチング素子が短絡故障を起こした時の各波形を示す図。
本発明は、大半のセルを商用周波数(または出力周波数)で動作する商用周波数駆動セルとし、一部のセルを高周波数駆動セルよりも高い周波数でスイッチングを行う高周波駆動セルとした場合のゲート指令生成方法を説明する。
本発明では、商用周波数駆動セルにヒステリシスコンパレータを適用し、定常状態においては商用周波数駆動セルのスイッチング回数と出力電圧レベルの2以上の変化を制限し、電圧急変が発生したらスイッチング回数増加と大きなレベル変化を許容することで以上の問題点を解消する方法を提案する。また、付随効果としてセルが1台故障しても運転を継続できることをシミュレーションで確認したため、その結果を紹介する。
以下、本願発明におけるセル多重インバータの実施形態1~3を図1、図6~図14に基づいて詳述する。
[実施形態1]
まず、セル多重インバータの一例として、図1に示すMMCC-SSBCの主回路構成を説明する。本実施形態1は一相あたりのセル台数N≧2、高周波駆動セルの台数M≧1で適用可能であるが、図1ではN=4、M=1の例を示している。
図1(a)に示すように、交流系統ACのU相には、リアクトルLuを介して、セルcellu1,セルcellu2、セルcellu3、セルcellu4が接続される。同様に、交流系統ACのV相には、リアクトルLvを介して、セルcellv1,セルcellv2、セルcellv3、cellv4が直列接続され、交流系統ACのW相には、リアクトルLwを介して、セルcellw1,セルcellw2、セルcellw3、セルcellw4が直列接続される。ここで、各セルcellu1、cellu2、cellu3、cellu4の交流の相電圧(相電圧検出信号)をvU1、vU2、vU3、vU4とする。
セルcellu1、セルcellu2、セルcellu3、セルcellu4、セルcellv1、セルcellv2、セルcellv3、セルcellv4、セルcellw1,セルcellw2、セルcellw3、セルcellw4の直流端子は並列接続される。セルcellu1~cellw4の直流電圧をVDCとする。Vsは交流系統ACの出力電圧を示し、IsはSSTの入力電流を示す。
図1(b)にセル1台当たりの構成を示す。セルの一方の交流端子にはスイッチング素子S1,S3の一端が接続される。また、セルの他方の交流端子にはスイッチング素子S2,S4の一端が接続される。スイッチング素子S1,S2の他端は第1コンデンサC1の一端に接続される。スイッチング素子S3,S4の他端は第1コンデンサC1の他端に接続される。
第1コンデンサC1の一端と他端との間にはスイッチング素子S5,S7が直列接続される。また、第1コンデンサC1の一端と他端との間にはスイッチング素子S6,S8が直列接続される。
スイッチング素子S5,S7の接続点とスイッチング素子S6,S8の接続点との間には第1直流カットコンデンサC3、リアクトルL1、トランスTrの1次巻線、リアクトルL2が接続される。
セルの一方の直流端子と他方の直流端子との間には第2コンデンサC2が接続される。第2コンデンサC2の一端と他端との間にはスイッチング素子S9,S11が直列接続される。また、第2コンデンサC2の一端と他端との間にはスイッチング素子S10,S12が直列接続される。
スイッチング素子S9,S11の接続点とスイッチング素子S10,S12の接続点との間には第2直流カットコンデンサC4、リアクトルL3、トランスTrの2次巻線、リアクトルL4が接続される。なお、図1(b)のリアクトルL1~L4は省略してもよい。
図6に本実施形態1の商用セルゲート指令生成部3aのブロック図を示す。図2の破線部分である商用セルゲート指令生成部3aを図6に置換することを想定している。図6は以下により構成される。図2と同様の箇所は同一の符号を付し、その説明は省略する。
第2スイッチSW2は、セルU1のゲート指令が1ならばマイナスの第1ヒステリシス幅-Chy1を出力し、0ならばプラスの第1ヒステリシス幅Chy1を出力する。
バッファ8はセルU1のゲート指令を記憶し、1演算時間前のセルU1のゲート指令を出力する。XOR素子9は、現在のセルU1のゲート指令と1演算時間前のセルU1のゲート指令を入力し、セルU1のゲート指令が変化したら1を出力し、それ以外の時0を出力する。カウンタ10は、XOR素子9の出力が0ならば出力値を増加させ、XOR素子9の出力が1ならば出力値をリセットして0を出力する。
第3比較器11は、カウンタ10の出力値が時間Cwよりも小さい場合1を出力し、時間Cw以上の場合0を出力する。第3スイッチSW3は、第3比較器11の出力が1ならば第2スイッチSW2の出力値をそのまま出力し、0ならば0を出力する。バッファ12は、第3スイッチSW3の出力を記憶し、1演算時間前の値を出力する。
バッファ12の出力は第1減算器1aに入力される。第1減算器1aは、U相電圧指令値VrefUから固定閾値Cth1を減算した値からバッファ12の出力値を減算し第1比較器2aに出力する。第1比較器2aは第1減算器1aの出力と0を比較し、比較結果をセルU1のゲート指令として出力する。
商用セルゲート指令生成部3b~3fも同様に図6のブロックで置換する。
本実施形態1のゲート指令生成部において、商用周波数駆動セルは、電圧指令値の傾きが傾き閾値よりも小さいときはスイッチング回数の増加を抑制し、電圧指令値の傾きが傾き閾値よりも大きいときはスイッチング回数の増加を許容する。ここで、電圧指令値の傾きが傾き閾値よりも小さいときが「定常時」であり、電圧指令値の傾きが傾き閾値よりも大きいときが「急変時」である。
ゲート指令生成部は、商用周波数駆動セルのゲート指令が変化してから所定時間、商用周波数駆動セルのゲート指令が1の時は固定閾値から第1ヒステリシス幅を減算し、商用周波数駆動セルのゲート指令が0の時は固定閾値に第1ヒステリシス幅を加算する。それ以外の時は固定閾値をそのままとする。電圧指令値と、商用周波数駆動セルのゲート指令の条件に応じて第1ヒステリシス幅を加算減算した固定閾値またはそのままの固定閾値と、の比較に基づいて商用周波数駆動セルのゲート指令を生成する。
ゲート指令が変化するとカウンタ10がリセットされ、時間Cwが経過するまでの間、第3スイッチSW3は零ではない値を出力する。U相電圧指令値VrefUが固定閾値Cth1を超えたら(セルU1のゲート指令が1の時)第3スイッチSW3の出力値は-Chy1となり、固定閾値はCth1-Chy1に減少する。U相電圧指令値VrefUが固定閾値Cth1を下回ったら(セルU1のゲート指令が0の時)逆に固定閾値はCth1+Chy1に増加する。
これにより、U相電圧指令値VrefUと固定閾値との交差の頻発、すなわちスイッチング回数の増加を防ぐことができる。ただし、U相電圧指令値VrefUが±Chy1を超えて変化したらスイッチングが許容される。そのため、電圧急変時にはスイッチングが行われ、出力電圧を電圧指令値に追従させることができる。
時間Cwが経過した後は第3スイッチSW3の出力は零に戻るため、定常状態においては本実施形態1の適用前後でスイッチングタイミングは変化せず、電流ひずみなどへの悪影響を生じない。
ヒステリシス幅はChy1、ヒステリシス特性を持たせる時間はCwにより定まる。構成などにもよるが、第1ヒステリシス幅Chy1は固定閾値Cth1、Cth2…の間隔(1/N)の1/2~1/4程度が目安となる。時間Cwについては、電圧指令値にはキャリア三角波と同じ周波数のリプルが重畳しやすいため、キャリア周期に等しい値やその2~3倍程度の値を指定するとスイッチング回数の増加を抑える効果を得られやすくなる。傾き閾値は高周波駆動セルのゲート指令生成に使用するキャリア三角波の傾きの半分以下とする。例えば、第1ヒステリシス幅Chy1=1/2、時間Cw=キャリア周期の場合、電圧指令値の傾きがキャリア三角波の傾きの1/4以下か否かで商用周波数駆動セルのスイッチング回数の増加を抑制するか許容するかが決まる。
図7に本実施形態1を適用したときの波形を示す。図4の中段に比べスイッチング回数が減少し、図4の下段に比べると電圧急変後も出力電圧は電圧指令値に追従する。
以上示したように、本実施形態1によれば、電圧指令値にスイッチングやノイズなどによるリプルが重畳した場合において、定常状態での商用周波数駆動セルのスイッチング回数の増加を抑えることができる。このためスイッチング損失を抑え、効率の低下や冷却機構の大型化を防ぎ、低コスト化や小型化に有効である。
電圧が急変した場合にはスイッチング回数の増加を許容するため、電流の応答速度の低下や過電流によるゲートブロックを回避でき、FRT要件を満たすことができる。スイッチング回数の増加は頻度が低ければ効率や熱責務への影響が非常に小さいため、低コスト化や小型化との両立が可能である。
[実施形態2]
図8に本実施形態2の商用セルゲート指令生成部3aのブロック図を示す。本実施形態2も一相当たりのセル台数N≧2、高周波駆動セルの台数M≧1で適用可能であるが、N=4、M=1の例を説明する。図8も図2の商用セルゲート指令生成部3aに置換することを想定している。図6と同様の箇所は同一の符号を付してその説明を省略する。図8は以下により構成される。
本実施形態2では、キャリア三角波はPD方式のものを使用することを想定している。PD方式ならばすべてのキャリア三角波の傾きは等しいため、入力するキャリア三角波は任意のものでよい。なお、PS方式のキャリア三角を適用してもよい。
微分器13は、キャリア三角波の傾きを出力する。第4比較器14は、微分器13の出力がプラスならば1を、マイナスならば0を出力する。
第1AND素子15は、セルU1のゲート指令が0かつキャリア三角波の傾きがマイナスの時に1を出力し、それ以外の時0を出力する。第4スイッチSW4は、セルU1のゲート指令が0かつキャリア三角波の傾きがマイナスの時にプラスの第2ヒステリシス幅Chy2を出力し、それ以外ならば0を出力する。
第2AND素子16は、セルU1のゲート指令が1かつキャリア三角波の傾きがプラスの時に1を出力し、それ以外の時0を出力する。第5スイッチSW5は、セルU1のゲート指令が1かつキャリア三角波の傾きがプラスの時にマイナスの第2ヒステリシス幅-Chy2を出力し、それ以外ならば第4スイッチSW4の出力をそのまま出力する。
バッファ17は、第5スイッチSW5の出力を記憶し、1演算時間前の値を出力する。バッファ17の出力は第1減算器1aに入力される。第1減算器1aはU相電圧指令値VrefUから固定閾値Cth1を減算した値からバッファ17の出力値を減算し第1比較器2aに出力する。第1比較器2aは第1減算器1aの出力と0とを比較し、その比較結果をセルU1のゲート指令として出力する。
商用セルゲート指令生成部3b~3fも図8のブロックで置換する。
本実施形態2は、キャリア三角波の傾きの正負に応じて閾値を変化させ、定常状態における出力電圧レベルの大きな変化を抑えられるようにした。
U相電圧指令値VrefUが固定閾値Cth1よりも低い場合では、キャリア三角波の傾きがマイナスの時にU相電圧指令値VrefUが固定閾値Cth1と交差するとダブルパルス禁止処理が動作することで出力電圧レベルに大きな変化が生じてしまう。そのため、キャリア三角波の傾きがマイナスの時に固定閾値Cth1を増加(第1減算器1aにプラスの第2ヒステリシス幅chy2を入力)させ、U相電圧指令値VrefUと交差しにくくなるようにした。
U相電圧指令値VrefUが固定閾値Cth1よりも大きい場合は、キャリア三角波の傾きがプラスの時にU相電圧指令値VrefUが固定閾値Cth1と交差するとダブルパルス禁止処理が動作することで出力電圧レベルに大きな変化が生じてしまう。そのため、キャリア三角波の傾きがプラスの時に固定閾値Cth1を減少(第1減算器1aにマイナスの第2ヒステリシス幅-chy2を入力)させ、U相電圧指令値VrefUと交差しにくくなるようにした。
すなわち、電圧指令値が固定閾値よりも小さい場合(ゲート指令が0の場合)は、キャリア三角波の傾きがプラスの時は固定閾値をそのままとして電圧指令値の傾きが傾き閾値よりも小さい時も商用周波数駆動セルの出力電圧レベルの増加を許容し、キャリア三角波の傾きがマイナスの時は固定閾値にプラスの第2ヒステリシス幅Chy2を加えて商用周波数駆動セルの出力電圧レベルの増加を抑制する。
また、電圧指令値が固定閾値よりも大きい場合(ゲート指令が1の場合)は、キャリア三角波の傾きがマイナスの時は固定閾値をそのままとして前記電圧指令値の傾きが前記傾き閾値よりも小さい時も商用周波数駆動セルの出力電圧レベルの減少を許容し、キャリア三角波の傾きがプラスの時は固定閾値にマイナスの第2ヒステリシス幅-Chy2を加えて商用周波数駆動セルの出力電圧レベルの減少を抑制する。
ゲート指令生成部は、商用周波数駆動セルのゲート指令が0かつキャリア三角波の傾きがマイナスの時は固定閾値に第2ヒステリシス幅を加算し、商用周波数駆動セルのゲート指令が1かつキャリア三角波の傾きがプラスの時は固定閾値から第2ヒステリシス幅を減算する。それ以外の時は固定閾値をそのままとする。電圧指令値と、商用周波数駆動セルのゲート指令およびキャリア三角波の傾きの条件に応じて第2ヒステリシス幅を加算減算した固定閾値またはそのままの固定閾値と、の比較に基づいて商用周波数駆動セルのゲート指令を生成する。
なお、本実施形態2では高周波駆動セルのゲート指令生成にPD方式のキャリア三角波を適用した場合について説明したが、PS方式のキャリア三角波でも適用可能である。PS方式のキャリア三角波を適用した場合については後述の実施形態3で説明している。この場合、図8の微分器13、第4比較器14を図11の最大値出力部20a、最小値出力部20b、微分器21a、21b、第6比較器22a、22b、第6スイッチSW6に置換すればよい。
この場合、ゲート指令生成部は、電圧指令値の傾きが前記傾き閾値よりも小さい時は、電圧指令値がプラスの時は最も大きいキャリア三角波の傾きがプラスの時に商用周波数駆動セルの出力電圧レベルの増加を許容し、電圧指令値がマイナスの時は最も小さいキャリア三角波の傾きがプラスの時に商用周波数駆動セルの出力電圧レベルの増加を許容する。また、電圧指令値がプラスの時は最も大きいキャリア三角波の傾きがマイナスの時に商用周波数駆動セルの出力電圧レベルの減少を許容し、電圧指令値がマイナスの時は最も小さいキャリア三角波の傾きがマイナスの時に商用周波数駆動セルの出力電圧レベルの減少を許容する。
また、ゲート指令生成部は、商用周波数駆動セルのゲート指令が0、かつ、電圧指令値がプラスならば最も大きいキャリア三角波の傾きがマイナスの時および電圧指令値がマイナスならば最も小さいキャリア三角波の傾きがマイナスの時は固定閾値に第2ヒステリシス幅を加算する。商用周波数駆動セルのゲート指令が1、かつ、電圧指令値がプラスならば最も大きいキャリア三角波の傾きがプラスの時および電圧指令値がマイナスならば最も小さいキャリア三角波の傾きがプラスの時は固定閾値から第2ヒステリシス幅を減算する。それ以外の時は固定閾値をそのままとする。電圧指令値と、商用周波数駆動セルのゲート指令およびキャリア三角波の傾きの条件に応じて第2ヒステリシス幅を加算減算した固定閾値またはそのままの固定閾値と、の比較に基づいて商用周波数駆動セルのゲート指令を生成する。
閾値を変化させる幅は第2ヒステリシス幅Chy2で決定される。値の目安は実施形態1と同様に固定閾値Cth1、Cth2…の間隔(1/N)の1/2~1/4程度である。この幅を超えた急激な変化が電圧指令値に生じた場合は商用周波数駆動セルのスイッチングが許容されるため、急変にも追従できる。傾き閾値については実施形態1と同様である。
図9に、本実施形態2により得られる出力電圧波形を示す。ゲート指令生成部は、電圧指令値の傾きが傾き閾値よりも小さいときは商用周波数駆動セルの1台がスイッチングした場合において高周波駆動セルも1台スイッチングするようにし、かつ、商用周波数駆動セルと高周波駆動セルの出力電圧レベルの変化が互いに打ち消し合うように制限する。キャリア半周期での出力電圧レベルの変化が1以下に抑えられ、本来得られる出力電圧波形との差も特許文献5、図5と比較して小さくなる。電圧指令値の傾きが傾き閾値よりも大きいときは上記制限を無くす。
以上示したように、本実施形態2によれば、高周波駆動セルのダブルパルス禁止処理との干渉により生じる定常状態での出力電圧レベルの1を超える変化を防ぐことができる。これにより電流ひずみを抑え、他の装置への悪影響を防ぐことができる。
また、装置の出力端に接続するフィルタ回路を小型化できる。電圧が急変した場合には出力電圧レベルの大きな変化を許容するため、電流の応答速度の低下や過電流を防ぐことができる。
[実施形態3]
図10に本実施形態3のゲート指令生成部のブロック図を示す。本実施形態3は、実施形態1と実施形態2を組み合わせている。本実施形態3も一相あたりのセル台数N≧2、高周波駆動セルの台数M≧1で適用可能であるが、N=5、M=2(U4、U5)を例に説明する。また、キャリア三角波をPS方式に変更している。図10は図2に対し以下を追加した。
キャリア三角波は、PS方式であり、オフセットが零で位相を互いに180°ずらした2本のキャリア三角波をセルU4のゲート指令生成に使用する。また、セルU4のキャリア三角波の位相をそれぞれ90°ずらした2本のキャリア三角波をセルU5のゲート指令生成に使用する。なお、PD方式のキャリア三角波を適用してもよい。
本実施形態3では第2減算器5の出力がセルU4、U5の電圧指令値となる。第4減算器18a、18bは、セルU4,U5の電圧指令値とセルU5のキャリア三角波との差を求める。第5比較器19a、19bは、第4減算器18a、18bの出力と0を比較し、キャリア三角波に対してセルU5の電圧指令値が大きければ1を、小さければ0を出力する。
第5比較器19a、19bの出力がセルU5のゲート指令となる。本実施形態3では、Cth1=2/N,Cth2=3/N,Cth3=4/Nである。
図11に本実施形態3の商用セルゲート指令生成部3aのブロック図を示す。図11は図6,図8に対して以下の点が異なる。
最大値出力部20aは、高周波駆動セルの制御に使用するすべてのキャリア三角波のうち最も大きい値(最大値)を出力する。最小値出力部20bは、高周波駆動セルの制御に使用するすべてのキャリア三角波のうち最も小さい値(最小値)を出力する。微分器21a、21bは、最大値、最小値を微分して傾きを求める。
第6比較器22aは、キャリア三角波の最大値の傾きがプラスの時に1を出力する。第6比較器22bは、キャリア三角波の最小値の傾きがプラスの時に1を出力する。
第6スイッチSW6は、U相電圧指令値VrefUがプラスならば比較器22aの出力を出力し、U相電圧指令値VrefUがマイナスならば比較器22bの出力を出力する。
バッファ17への入力は、第3スイッチSW3と第5スイッチSW5の出力信号を加算器23で加算した値とする。
本実施形態3は実施形態1と実施形態2を併用したものである。併用には、それぞれの実施形態で固定閾値に加算する値を単純に足し合わせるだけでよい。本実施形態3は、複数台のセルを高周波で駆動しさらにキャリア三角波にPS方式を適用した際の比較ブロックを示すものでもある。
ゲート指令生成部は、商用周波数駆動セルのゲート指令が変化してから所定時間、商用周波数駆動セルのゲート指令が1の時は固定閾値から第1ヒステリシス幅を減算し、商用周波数駆動セルのゲート指令が0の時は固定閾値に第1ヒステリシス幅を加算する。商用周波数駆動セルのゲート指令が0、かつ、電圧指令値がプラスならば最も大きいキャリア三角波の傾きがマイナスの時および電圧指令値がマイナスならば最も小さいキャリア三角波の傾きがマイナスの時は固定閾値に第2ヒステリシス幅を加算する。商用周波数駆動セルのゲート指令が1、かつ、電圧指令値がプラスならば最も大きいキャリア三角波の傾きがプラスの時および電圧指令値がマイナスならば最も小さいキャリア三角波の傾きがプラスの時は固定閾値から第2ヒステリシス幅を減算する。それ以外の時は固定閾値をそのままとする。電圧指令値と、商用周波数駆動セルのゲート指令およびキャリア三角波の傾きの条件に応じて第1ヒステリシス幅、第2ヒステリシス幅を加算減算した固定閾値またはそのままの固定閾値と、の比較に基づいて商用周波数駆動セルのゲート指令を生成する。
なお、実施形態3では高周波駆動セルのゲート指令生成にPS方式のキャリア三角波を適用した場合について説明したが、PD方式のキャリア三角波でも適用可能である。PD方式のキャリア三角波を適用した場合については実施形態2で説明している。この場合、図11の最大値出力部20a、最小値出力部20b、微分器21a、21b、第6比較器22a、22b、第6スイッチSW6を図8の微分器13、第4比較器14に置換すればよい。
この場合、ゲート指令生成部は、商用周波数駆動セルのゲート指令が変化してから所定時間、商用周波数駆動セルのゲート指令が1の時は固定閾値から第1ヒステリシス幅を減算し、商用周波数駆動セルのゲート指令が0の時は固定閾値に第1ヒステリシス幅を加算する。商用周波数駆動セルのゲート指令が0かつキャリア三角波の傾きがマイナスの時は固定閾値に第2ヒステリシス幅を加算する。商用周波数駆動セルのゲート指令が1かつキャリア三角波の傾きがプラスの時は固定閾値から第2ヒステリシス幅を減算する。それ以外の時は固定閾値をそのままとする。電圧指令値と、商用周波数駆動セルのゲート指令およびキャリア三角波の傾きの条件に応じて第1ヒステリシス幅、第2ヒステリシス幅を加算減算した固定閾値またはそのままの固定閾値と、の比較に基づいて商用周波数駆動セルのゲート指令を生成する。
図12に商用周波数駆動セルが3台、高周波駆動セルが2台の構成において、キャリア三角波にPS方式を用いた際の出力電圧波形を示す。実施形態3では、閾値を増加させるか減少させるかをキャリア三角波の傾きの正負で判断した。高周波駆動セルが2台の場合は、図12の3段目に示すキャリア三角波と比較する電圧指令値が急激に変化する範囲は2/N~1/Nおよび-1/N~-2/Nに限定されている。この範囲でのキャリア三角波の傾きを確認すればよく、そのためには4本あるキャリア三角波の最大値および最小値を検出し、その傾きを調べればよい。
図11ではU相電圧指令値VrefUの符号から最大値、最小値のうちどちらの傾きを参照すればよいかを切り替えている。ただし、図12に示すとおりキャリア三角波の最大値と最小値は互いに符号が反転した関係になっている。
そのため、図11の第6スイッチSW6の下側入力は、上側入力にNOT素子を適用したものにしてもよい。PD方式ならばすべてのキャリア三角波の傾きが等しくなるため、高周波駆動セルが複数台ある場合でも任意のキャリア三角波を1つ選択し傾きを調べればよい。
本実施形態3を適用し、セルに故障が生じた際のシミュレーションを行ったので結果を紹介する。条件として、6.6kV系統に容量1MVAのMMCC-SSBCを連系し、MMCC-SSBCの1相あたりのセル台数はN=9,そのうち商用周波数駆動セルを8台、PD方式の高周波駆動セルを1台とした。
商用周波数駆動セルには熱責務均等化を目的として特許文献4を適用した。MMCC-SSBCには電流制御を実装し、指令値を?1p.u.、すなわち1MWの有効電力入力動作とした。電流制御ゲインは、以下のように定めた。
条件1:本実施形態3を適用せずに定常状態における商用周波数駆動セルのスイッチング回数を1に維持し、かつ電流THD(Total Harmonic Distortion)が最小となるよう、比例ゲインをP=0.35とする。
条件2:本実施形態3を適用せずに定常状態における商用周波数駆動セルのスイッチング回数の増加を許容し、かつ電流THDが最小となるよう、比例ゲインをP=2とする。この時、商用周波数駆動セルのスイッチング回数は最大4となった。
条件3:条件2に本実施形態3を適用した。この時、商用周波数駆動セルのスイッチング回数は1である。
SSTを構成するため、各セルにはDC/DCコンバータを接続する。ただし、シミュレーションの簡略化を目的としてDC/DCコンバータは電流源で模擬する。電流源は、両側の直流電圧の差により融通電力が決定されるものとする。
また、2次側(直流系統側)から1次側(6.6kV交流系統側)への電力融通は行われないものとする。これは、図1(b)の共振コンバータの1次側を50%固定のデューティー比で駆動して2次側をスイッチングしない場合に相当する。このため、故障によりセル1次側の直流電圧が低下した場合でも2次側を経由して他のセルに電圧低下が波及するといったことは起こらないと考えることができる。
図13はMMCC-SSBCの商用周波数駆動セルのうちU相1台の系統側上アームスイッチング素子が開放故障を起こしたときの波形である。図14はU相の高周波駆動セルの系統側上アームスイッチング素子が短絡故障を起こしたときの波形である。いずれもU相電流波形のひずみが最大となり、図の波形はその中でもU相電流THDが最大となった時のものである。
表1はTHDをまとめたものである。条件1では特にひずみが大きいが、条件2,条件3はTHDが3%以内と小さく抑制できている。これは、高周波駆動セルの故障においても同様である。
各条件におけるU相電流THD
Figure 0007472961000002
表2に商用周波数駆動セルの最大スイッチング回数を示す。条件2では定常状態でもスイッチング回数が4倍に増加し、高周波駆動セルが故障するとさらに増加してしまう。
しかし、本実施形態3を適用することで(条件3)、商用周波数駆動セルの故障ならばスイッチング回数を1に維持できる。高周波駆動セルが故障した場合のスイッチング回数増加は避けられないが、条件1,条件2に比べると最も低くできる。
商用周波数駆動セルの1周期あたりにおける最大スイッチング回数
Figure 0007472961000003
本実施形態3により、実施形態1と実施形態2の効果を両立することができる。また、高周波駆動セルが複数台ある場合や、キャリア三角波がPD方式・PS方式いずれの場合でも本発明を適用することができる。
また、セル故障シミュレーション結果より明らかになった本実施形態3の付随効果として以下がある。
制御ゲインを増加しても商用周波数駆動セルのスイッチング回数が増加しないため、電流や電圧の低いひずみ率、高い応答速度を実現できる。
セルの一部が故障しても商用周波数駆動セルのスイッチング回数増加を抑え、さらに電流や電圧のひずみ悪化を防ぐことができる。そのため故障が発生してからそれを検出し、故障セルを短絡する、予備セルを投入する、といった適切な処置を行うまでの損失増加や系統への高調波電流の流出といった悪影響を抑えることができる。
故障セルが商用周波数駆動セルで、かつ変換器の出力電圧不足といった問題が起こらないならば、上記のような処置を省略したまま運転を継続することもできる。故障セルが高周波駆動セルの場合は処置にかかる時間が長くなれば減定格などが必要になるが、定格を制限する幅を小さく抑えることができる。
以上、本発明において、記載された具体例に対してのみ詳細に説明したが、本発明の技術思想の範囲で多彩な変形および修正が可能であることは、当業者にとって明白なことであり、このような変形および修正が特許請求の範囲に属することは当然のことである。
AC…交流系統
cellu1~cellw4…セル
1a~1f…第1減算器
2a~2f…第1比較器
3a~3f…商用セルゲート指令生成部
SW1a~SW1f…第1スイッチ
4、23…第1加算器、第2加算器
5、6a、6b…第2減算器、第3減算器
7a、7b、11、14、…第2比較器、第3比較器、第4比較器
SW2~SW6…第2~第6スイッチ
8、12、17…バッファ
9…XOR素子
10…カウンタ
13、21a、21b…微分器
15、16…第1AND素子、第2AND素子
18a、18b…第4減算器
19a、19b、22a、22b…第5比較器、第6比較器
20a、20b…最大値出力部、最小値出力部

Claims (14)

  1. 交流系統の各相にスター結線で交流側を直列接続した複数のセルと、複数の前記セルのスイッチング素子のゲート指令を生成するゲート指令生成部と、を備え、
    複数の前記セルのうち一部の前記セルは商用周波数または出力周波数の1周期に1回のスイッチングを行う商用周波数駆動セルとして駆動し、
    複数の前記セルのうち残りの前記セルは前記商用周波数駆動セルよりも高い周波数で駆動する高周波駆動セルとして駆動するセル多重インバータであって、
    前記ゲート指令生成部は、
    前記商用周波数駆動セルは、電圧指令値の傾きが傾き閾値よりも小さいときはスイッチング回数の増加を抑制し、前記電圧指令値の傾きが前記傾き閾値よりも大きいときはスイッチング回数の増加を許容し、前記傾き閾値は、前記高周波駆動セルのゲート指令生成に使用するキャリア三角波の傾きの半分以下とすることを特徴とするセル多重インバータ。
  2. 前記ゲート指令生成部は、
    前記商用周波数駆動セルのゲート指令が変化してから所定時間、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1の時は固定閾値から第1ヒステリシス幅を減算し、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が0の時は前記固定閾値に前記第1ヒステリシス幅を加算し、
    それ以外の時は前記固定閾値をそのままとし、
    前記電圧指令値と、前記商用周波数駆動セルのゲート指令の条件に応じて前記第1ヒステリシス幅を加算減算した前記固定閾値またはそのままの前記固定閾値と、の比較に基づいて前記商用周波数駆動セルのゲート指令を生成することを特徴とする請求項1記載のセル多重インバータ。
  3. 前記ゲート指令生成部は、
    前記電圧指令値の傾きが前記傾き閾値よりも小さいときは前記商用周波数駆動セルの1台がスイッチングした場合において前記高周波駆動セルも1台スイッチングするようにし、かつ、前記商用周波数駆動セルと前記高周波駆動セルの出力電圧レベルの変化が互いに打ち消し合うように制限し、
    前記電圧指令値の傾きが前記傾き閾値よりも大きいときは上記制限を無くすことを特徴とする請求項1記載のセル多重インバータ。
  4. 前記ゲート指令生成部は、
    高周波駆動セル電圧指令値とPD方式のキャリア三角波の比較に基づいて前記高周波駆動セルのゲート指令を生成し、
    前記電圧指令値の傾きが前記傾き閾値よりも小さい時は、前記キャリア三角波の傾きがプラスの時に前記商用周波数駆動セルの出力電圧レベルの増加を許容し、前記キャリア三角波の傾きがマイナスの時に前記商用周波数駆動セルの出力電圧レベルの減少を許容することを特徴とする請求項3記載のセル多重インバータ。
  5. 前記ゲート指令生成部は、
    高周波駆動セル電圧指令値とPS方式のキャリア三角波の比較に基づいて前記高周波駆動セルのゲート指令を生成し、
    前記電圧指令値の傾きが前記傾き閾値よりも小さい時は、
    前記電圧指令値がプラスの時は最も大きい前記キャリア三角波の傾きがプラスの時に前記商用周波数駆動セルの出力電圧レベルの増加を許容し、前記電圧指令値がマイナスの時は最も小さい前記キャリア三角波の傾きがプラスの時に前記商用周波数駆動セルの出力電圧レベルの増加を許容し、
    前記電圧指令値がプラスの時は最も大きい前記キャリア三角波の傾きがマイナスの時に前記商用周波数駆動セルの出力電圧レベルの減少を許容し、前記電圧指令値がマイナスの時は最も小さい前記キャリア三角波の傾きがマイナスの時に前記商用周波数駆動セルの出力電圧レベルの減少を許容することを特徴とする請求項3記載のセル多重インバータ。
  6. 前記ゲート指令生成部は、
    前記商用周波数駆動セルのゲート指令が0かつ前記キャリア三角波の傾きがマイナスの時は固定閾値に第2ヒステリシス幅を加算し、
    前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1かつ前記キャリア三角波の傾きがプラスの時は前記固定閾値から前記第2ヒステリシス幅を減算し、
    それ以外の時は前記固定閾値をそのままとし、
    前記電圧指令値と、前記商用周波数駆動セルのゲート指令および前記キャリア三角波の傾きの条件に応じて前記第2ヒステリシス幅を加算減算した前記固定閾値またはそのままの前記固定閾値と、の比較に基づいて前記商用周波数駆動セルのゲート指令を生成することを特徴とする請求項4記載のセル多重インバータ。
  7. 前記ゲート指令生成部は、
    前記商用周波数駆動セルのゲート指令が0、かつ、前記電圧指令値がプラスならば最も大きい前記キャリア三角波の傾きがマイナスの時および前記電圧指令値がマイナスならば最も小さい前記キャリア三角波の傾きがマイナスの時は固定閾値に第2ヒステリシス幅を加算し、
    前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1、かつ、前記電圧指令値がプラスならば最も大きい前記キャリア三角波の傾きがプラスの時および前記電圧指令値がマイナスならば最も小さい前記キャリア三角波の傾きがプラスの時は前記固定閾値から前記第2ヒステリシス幅を減算し、
    それ以外の時は前記固定閾値をそのままとし、
    前記電圧指令値と、前記商用周波数駆動セルのゲート指令および前記キャリア三角波の傾きの条件に応じて前記第2ヒステリシス幅を加算減算した前記固定閾値またはそのままの前記固定閾値との比較に基づいて前記商用周波数駆動セルのゲート指令を生成することを特徴とする請求項5記載のセル多重インバータ。
  8. 前記ゲート指令生成部は、
    前記商用周波数駆動セルのゲート指令が変化してから所定時間、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1の時は固定閾値から第1ヒステリシス幅を減算し、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が0の時は前記固定閾値に前記第1ヒステリシス幅を加算し、
    前記商用周波数駆動セルのゲート指令が0かつ前記キャリア三角波の傾きがマイナスの時は前記固定閾値に第2ヒステリシス幅を加算し、
    前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1かつ前記キャリア三角波の傾きがプラスの時は前記固定閾値から前記第2ヒステリシス幅を減算し、
    それ以外の時は前記固定閾値をそのままとし、
    前記電圧指令値と、前記商用周波数駆動セルのゲート指令および前記キャリア三角波の傾き条件に応じて前記第1ヒステリシス幅、前記第2ヒステリシス幅を加算減算した前記固定閾値またはそのままの前記固定閾値と、の比較に基づいて前記商用周波数駆動セルのゲート指令を生成することを特徴とする請求項4記載のセル多重インバータ。
  9. 前記ゲート指令生成部は、
    前記商用周波数駆動セルのゲート指令が変化してから所定時間、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1の時は固定閾値から第1ヒステリシス幅を減算し、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が0の時は前記固定閾値に前記第1ヒステリシス幅を加算し、
    前記商用周波数駆動セルのゲート指令が0、かつ、前記電圧指令値がプラスならば最も大きい前記キャリア三角波の傾きがマイナスの時および前記電圧指令値がマイナスならば最も小さい前記キャリア三角波の傾きがマイナスの時は前記固定閾値に第2ヒステリシス幅を加算し、
    前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1、かつ、前記電圧指令値がプラスならば最も大きい前記キャリア三角波の傾きがプラスの時および前記電圧指令値がマイナスならば最も小さい前記キャリア三角波の傾きがプラスの時は前記固定閾値から前記第2ヒステリシス幅を減算し、
    それ以外の時は前記固定閾値をそのままとし、
    前記電圧指令値と、前記商用周波数駆動セルのゲート指令および前記キャリア三角波の傾きの条件に応じて前記第1ヒステリシス幅、前記第2ヒステリシス幅を加算減算した前記固定閾値またはそのままの前記固定閾値と、の比較に基づいて前記商用周波数駆動セルのゲート指令を生成することを特徴とする請求項5記載のセル多重インバータ。
  10. 1相当たりの前記セルの台数がN台(N≧2)、前記高周波駆動セルの台数がM台(M≧1)であって、
    前記電圧指令値と2(N-M)個の前記固定閾値とのそれぞれの比較に基づいて前記商用周波数駆動セルのゲート指令を生成する2(N-M)個の商用セルゲート指令生成部と、
    それぞれの前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1の時は1/2Nを出力し、0の時は-1/2Nを出力する第1スイッチと、
    すべての前記第1スイッチの出力を加算する第1加算器と、
    前記電圧指令値から前記第1加算器の出力を減算する第2減算器と、
    前記第2減算器の出力とPS方式またはPD方式のキャリア三角波を比較し、前記高周波駆動セルのゲート指令を生成する第2比較器と、
    を備え、
    前記商用セルゲート指令生成部は、
    前記電圧指令値から前記固定閾値を減算した値からバッファの出力を減算する第1減算器と、
    前記第1減算器の出力が0よりも大きい場合は1を、それ以外の場合0を前記商用周波数駆動セルのゲート指令として出力する第1比較器と、
    前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1の場合はマイナスの前記第1ヒステリシス幅を出力し、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が0の場合はプラスの前記第1ヒステリシス幅を出力する第2スイッチと、
    前記商用周波数駆動セルのゲート指令が変化してから所定時間は前記第2スイッチの出力を出力し、それ以外の時は0を出力する第3スイッチと、
    前記第3スイッチの出力を記憶し、1演算時間前の値を出力する前記バッファと、
    を備えたことを特徴とする請求項2記載のセル多重インバータ。
  11. 1相当たりの前記セルの台数がN台(N≧2)、前記高周波駆動セルの台数がM台(M≧1)であって、
    前記電圧指令値と2(N-M)個の前記固定閾値とのそれぞれの比較に基づいて前記商用周波数駆動セルのゲート指令を生成する2(N-M)個の商用セルゲート指令生成部と、
    それぞれの前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1の時は1/2Nを出力し、0の時は-1/2Nを出力する第1スイッチと、
    すべての前記第1スイッチの出力を加算する第1加算器と、
    前記電圧指令値から前記第1加算器の出力を減算する第2減算器と、
    前記第2減算器の出力とPD方式の前記キャリア三角波を比較し、前記高周波駆動セルのゲート指令を生成する第2比較器と、
    を備え、
    前記商用セルゲート指令生成部は、
    前記電圧指令値から前記固定閾値を減算した値からバッファの出力を減算する第1減算器と、
    前記第1減算器の出力が0よりも大きい場合は1を、それ以外の場合0を前記商用周波数駆動セルのゲート指令として出力する第1比較器と、
    前記商用周波数駆動セルのゲート指令が0かつ前記キャリア三角波の傾きがマイナスの場合にプラスの前記第2ヒステリシス幅を出力し、それ以外の場合0を出力する第4スイッチと、
    前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1かつ前記キャリア三角波の傾きがプラスの場合にマイナスの前記第2ヒステリシス幅を出力し、それ以外の場合に前記第4スイッチの出力を出力する第5スイッチと、
    前記第5スイッチの出力を記憶し、1演算時間前の値を出力する前記バッファと、
    を備えたことを特徴とする請求項6記載のセル多重インバータ。
  12. 1相当たりの前記セルの台数がN台(N≧2)、前記高周波駆動セルの台数がM台(M≧1)であって、
    前記電圧指令値と2(N-M)個の前記固定閾値とのそれぞれの比較に基づいて前記商用周波数駆動セルのゲート指令を生成する2(N-M)個の商用セルゲート指令生成部と、
    それぞれの前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1の時は1/2Nを出力し、0の時は-1/2Nを出力する第1スイッチと、
    すべての前記第1スイッチの出力を加算する第1加算器と、
    前記電圧指令値から前記第1加算器の出力を減算する第2減算器と、
    前記第2減算器の出力とPS方式の前記キャリア三角波を比較し、前記高周波駆動セルのゲート指令を生成する第2比較器と、
    を備え、
    前記商用セルゲート指令生成部は、
    前記電圧指令値から前記固定閾値を減算した値からバッファの出力を減算する第1減算器と、
    前記第1減算器の出力が0よりも大きい場合は1を、それ以外の場合0を前記商用周波数駆動セルのゲート指令として出力する第1比較器と、
    前記商用周波数駆動セルのゲート指令が0、かつ、前記電圧指令値がプラスならば最も大きい前記キャリア三角波の傾きがマイナスの場合および前記電圧指令値がマイナスならば最も小さい前記キャリア三角波の傾きがマイナスの場合にプラスの前記第2ヒステリシス幅を出力し、それ以外の場合0を出力する第4スイッチと、
    前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1、かつ、前記電圧指令値がプラスならば最も大きい前記キャリア三角波の傾きがプラスの場合および前記電圧指令値がマイナスならば最も小さい前記キャリア三角波の傾きがプラスの場合にマイナスの前記第2ヒステリシス幅を出力し、それ以外の場合に前記第4スイッチの出力を出力する第5スイッチと、
    前記第5スイッチの出力を記憶し、1演算時間前の値を出力する前記バッファと、
    を備えたことを特徴とする請求項7記載のセル多重インバータ。
  13. 1相当たりの前記セルの台数がN台(N≧2)、前記高周波駆動セルの台数がM台(M≧1)であって、
    前記電圧指令値と2(N-M)個の前記固定閾値とのそれぞれの比較に基づいて前記商用周波数駆動セルのゲート指令を生成する2(N-M)個の商用セルゲート指令生成部と、
    それぞれの前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1の時は1/2Nを出力し、0の時は-1/2Nを出力する第1スイッチと、
    すべての前記第1スイッチの出力を加算する第1加算器と、
    前記電圧指令値から前記第1加算器の出力を減算する第2減算器と、
    前記第2減算器の出力とPD方式の前記キャリア三角波を比較し、前記高周波駆動セルのゲート指令を生成する第2比較器と、
    を備え、
    前記商用セルゲート指令生成部は、
    前記電圧指令値から前記固定閾値を減算した値からバッファの出力を減算する第1減算器と、
    前記第1減算器の出力が0よりも大きい場合は1を、それ以外の場合0を前記商用周波数駆動セルのゲート指令として出力する第1比較器と、
    前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1の場合はマイナスの前記第1ヒステリシス幅を出力し、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が0の場合はプラスの前記第1ヒステリシス幅を出力する第2スイッチと、
    前記商用周波数駆動セルのゲート指令が変化してから所定時間は前記第2スイッチの出力を出力し、それ以外の時は0を出力する第3スイッチと、
    前記商用周波数駆動セルのゲート指令が0かつ前記キャリア三角波の傾きがマイナスの場合にプラスの前記第2ヒステリシス幅を出力し、それ以外の場合0を出力する第4スイッチと、
    前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1かつ前記キャリア三角波の傾きがプラスの場合にマイナスの前記第2ヒステリシス幅を出力し、それ以外の場合に前記第4スイッチの出力を出力する第5スイッチと、
    前記第3スイッチの出力と前記第5スイッチの出力を加算する第2加算器と、
    前記第2加算器の出力を記憶し、1演算時間前の値を出力する前記バッファと、
    を備えたことを特徴とする請求項8記載のセル多重インバータ。
  14. 1相当たりの前記セルの台数がN台(N≧2)、前記高周波駆動セルの台数がM台(M≧1)であって、
    前記電圧指令値と2(N-M)個の前記固定閾値とのそれぞれの比較に基づいて前記商用周波数駆動セルのゲート指令を生成する2(N-M)個の商用セルゲート指令生成部と、
    それぞれの前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1の時は1/2Nを出力し、0の時は-1/2Nを出力する第1スイッチと、
    すべての前記第1スイッチの出力を加算する第1加算器と、
    前記電圧指令値から前記第1加算器の出力を減算する第2減算器と、
    前記第2減算器の出力とPS方式の前記キャリア三角波を比較し、前記高周波駆動セルのゲート指令を生成する第2比較器と、
    を備え、
    前記商用セルゲート指令生成部は、
    前記電圧指令値から前記固定閾値を減算した値からバッファの出力を減算する第1減算器と、
    前記第1減算器の出力が0よりも大きい場合は1を、それ以外の場合0を前記商用周波数駆動セルのゲート指令として出力する第1比較器と、
    前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1の場合はマイナスの前記第1ヒステリシス幅を出力し、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が0の場合はプラスの前記第1ヒステリシス幅を出力する第2スイッチと、
    前記商用周波数駆動セルのゲート指令が変化してから所定時間は前記第2スイッチの出力を出力し、それ以外の時は0を出力する第3スイッチと、
    前記商用周波数駆動セルのゲート指令が0、かつ、前記電圧指令値がプラスならば最も大きい前記キャリア三角波の傾きがマイナスの場合および前記電圧指令値がマイナスならば最も小さい前記キャリア三角波の傾きがマイナスの場合にプラスの前記第2ヒステリシス幅を出力し、それ以外の場合0を出力する第4スイッチと、
    前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1、かつ、前記電圧指令値がプラスならば最も大きい前記キャリア三角波の傾きがプラスの場合および前記電圧指令値がマイナスならば最も小さい前記キャリア三角波の傾きがプラスの場合にマイナスの前記第2ヒステリシス幅を出力し、それ以外の場合に前記第4スイッチの出力を出力する第5スイッチと、
    前記第3スイッチの出力と前記第5スイッチの出力を加算する第2加算器と、
    前記第2加算器の出力を記憶し、1演算時間前の値を出力する前記バッファと、
    を備えたことを特徴とする請求項9記載のセル多重インバータ。
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