以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、一実施形態に係る画像形成装置1の例について説明する為の説明図である。
画像形成装置1は、例えば、印刷媒体などの記録媒体を搬送しながら画像形成等の各種処理を行うマルチファンクションプリンタ(MFP)である。画像形成装置1は、例えば、印刷媒体などの記録媒体を搬送しながら画像形成等の各種処理を行うLEDアレイを走査する固体走査方式のプリンタ(例えばLEDプリンタ)である。また、画像形成装置1は、インクを吐出するインクジェットヘッドを走査するインクジェット方式のプリンタ(インクジェットプリンタ)、または他の方式のプリンタであってもよい。
画像形成装置1は、感光ドラムを帯電させ、感光ドラムに対して印刷用の画像データに応じた光を照射することにより、感光ドラムに静電潜像を形成する。画像形成装置1は、感光ドラムに形成された潜像にトナーを付着させ、潜像に付着したトナーを印刷媒体に転写して印刷媒体上にトナー像を形成する。また、画像形成装置1は、トナー像が転写された印刷媒体に熱及び圧力を与えることにより、印刷媒体にトナー像を定着させる。
画像形成装置1は、システムコントローラ11、通信インタフェース12、ディスプレイ13、操作インタフェース14、画像読取部15、搬送部16、画像形成部17、及び電源ユニット19を備える。システムコントローラ11、通信インタフェース12、ディスプレイ13、操作インタフェース14、画像読取部15、搬送部16、画像形成部17、及び電源ユニット19は、図示されない筐体に収容される。
システムコントローラ11は、画像形成装置1の制御を行う。システムコントローラ11は、例えば、プロセッサ21及びメモリ22を備える。
プロセッサ21は、演算処理を実行する演算素子(たとえば、CPU)である。プロセッサ21は、システムコントローラ11の動作の主体となる。プロセッサ21は、メモリ22に記憶されているプログラムなどのデータに基づいて種々の処理を行う。プロセッサ21は、メモリ22に格納されているプログラムを実行することにより、種々の動作を実行可能な制御部として機能する。
メモリ22は、プログラム及びプログラムで用いられるデータなどを記憶する記憶装置である。また、メモリ22は、プロセッサ21の処理中のデータなどを一時的に格納する。メモリ22は、不揮発性メモリとして構成される。
通信インタフェース12は、ネットワークを介して、印刷ジョブを供給するクライアント装置などと通信を行う為のインタフェースである。
ディスプレイ13は、システムコントローラ11または図示されないグラフィックコントローラなどの表示制御部から入力される映像信号に応じて画面を表示する。例えば、ディスプレイ13は、画像形成装置1の種々の設定の為の画面を表示する。
操作インタフェース14は、種々の操作部材を有する。操作インタフェース14は、操作部材の操作に応じた操作信号をシステムコントローラ11に供給する。操作部材は、例えば、タッチセンサ、テンキー、電源キー、用紙フィードキー、種々のファンクションキー、またはキーボードなどである。タッチセンサは、例えば、抵抗膜式タッチセンサ、または静電容量式タッチセンサ等である。タッチセンサは、ある領域内において指定された位置を示す情報を取得する。タッチセンサは、ディスプレイ13と一体にタッチパネルとして構成されることにより、ディスプレイ13に表示された画面上のタッチされた位置を示す信号をシステムコントローラ11に入力する。
画像読取部15は、原稿から画像を読み取る構成である。画像読取部15は、例えば、スキャナと自動原稿送り機(ADF)とを備える。スキャナは、原稿が配置されるガラス板の原稿と対向する側から、原稿を読み取る。画像読取部15は、例えば、スキャナを移動させつつ、スキャナにより画像を取得することにより、原稿の全体の画像を取得する。また、画像読取部15は、例えば、ADFにより原稿をスキャナの読取位置に通過させつつ、スキャナにより画像を取得することにより、原稿の全体の画像を取得する。
搬送部16は、印刷用の媒体(印刷媒体)を画像形成部17に供給するとともに、画像形成部17により画像が形成された印刷媒体を筐体から排出する構成である。搬送部16は、印刷媒体を収容する図示されない給紙カセットに収容されている印刷媒体を、一枚ずつ画像形成部17に供給する。また、搬送部16は、画像形成部17により画像が形成された印刷媒体を、筐体外部の排紙トレイに排出する。
画像形成部17は、システムコントローラ11の制御に基づいて印刷媒体に画像を形成する。画像形成部17は、プロセスユニット、露光器、転写機構、及び定着器を備える。画像形成部17は、トナーの色毎にプロセスユニット及び露光器を備える。トナーの色は、例えば、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)などである。画像形成部17は、CMYKの各色のトナー像を媒体に定着させることにより、媒体にカラーの画像を形成する。
プロセスユニットは、感光ドラム、帯電チャージャ、及び現像器を備える。
感光ドラムは、円筒状のドラムと、ドラムの外周面に形成された感光層とを備える感光体である。感光ドラムは、図示されない駆動機構によって一定の速度で回転する。
帯電チャージャは、感光ドラムの表面を一様に帯電させる。例えば、帯電チャージャは、帯電ローラを用いて、感光ドラムに電圧を印加することにより、感光ドラムを一様な負極性の電位に帯電させる。
現像器は、トナーを感光ドラムに付着させる装置である。現像器は、現像剤容器、撹拌機構、現像ローラ、及びドクターブレードなどを備える。
現像剤容器は、トナーカートリッジから送り出されたトナーを受け取り、収容する容器である。現像剤容器内には、予めキャリアが収容されている。トナーカートリッジから送り出されたトナーは、撹拌機構によってキャリアと撹拌されることにより、トナーとキャリアとが混合された現像剤を構成する。キャリアは、現像器の製造時に現像剤容器内に収容される。
現像ローラは、現像剤容器内で回転することにより、表面に現像剤を付着させる。ドクターブレードは、現像ローラの表面と所定の間隔を隔てて配置された部材である。ドクターブレードは、回転する現像ローラの表面に付着した現像剤の一部を除去する。これにより、現像ローラの表面に、ドクターブレードと現像ローラの表面との間隔に応じた厚さの現像剤の層が形成される。
露光器は、複数の発光素子を備える。露光器は、発光素子から光を、帯電した感光ドラムに照射することにより、感光ドラム上に潜像を形成する。発光素子は、例えば発光ダイオード(LED)などである。1つの発光素子は、感光ドラム上の1点に光を照射するように構成されている。複数の発光素子は、感光ドラムの回転軸と平行な方向である主走査方向に配列されている。
露光器は、主走査方向に配列された複数の発光素子により感光ドラム上に光を照射することにより、感光ドラム上に1ライン分の潜像を形成する。さらに、露光器は、回転する感光ドラムに連続して光を照射することにより、複数ラインの潜像を形成する。
上記の構成において、帯電チャージャにより帯電された感光ドラムの表面に、露光器から光が照射されると、静電潜像が形成される。現像ローラの表面に形成された現像剤の層が、感光ドラムの表面に近接すると、現像剤に含まれるトナーが、感光ドラムの表面に形成された潜像に付着する。これにより、感光ドラムの表面にトナー像が形成される。
転写機構は、感光ドラムの表面に形成されたトナー像を、印刷媒体に転写する構成である。転写機構は、1次転写ベルト、2次転写ローラ、及び他の複数のローラを備える。転写機構は、1次転写ベルトの外周面に、感光ドラムの表面に形成されたトナー像を受け取る。転写機構は、1次転写ベルトの外周面のトナー像を、2次転写ローラと1次転写ベルトの外周面とが密着した転写ニップまで搬送する。転写機構は、搬送部16により供給された印刷媒体を転写ニップに通過させることにより、1次転写ベルトの外周面のトナー像を印刷媒体に転写させる。
定着器は、印刷媒体に転写されたトナー像を印刷媒体に定着させる構成である。定着器は、印刷媒体に熱を与える加熱部材(ヒートローラ)と、印刷媒体に圧力を与える加圧部材(プレスローラ)と、ヒートローラを加熱するヒータとを備える。プレスローラは、ヒートローラに圧力を加えることにより、プレスローラとヒートローラとが密着した定着ニップを形成する。定着器は、転写機構によってトナー像が転写された印刷媒体を、定着ニップに通過させることにより、印刷媒体に対して熱及び圧力を与える。これにより、定着器は、印刷媒体上に形成されたトナー像を定着させる。定着ニップを通過した印刷媒体は、搬送部16によって排紙トレイに排出される。
電源ユニット19は、入力された交流電力を負荷の仕様に応じた直流電力に変換し、負荷に供給する電力変換装置である。電源ユニット19は、画像形成装置1のシステムコントローラ11、通信インタフェース12、ディスプレイ13、操作インタフェース14、画像読取部15、搬送部16、及び画像形成部17などの各構成に電力を供給する。また、画像形成装置1は、バッテリをさらに備える構成であってもよい。バッテリは、画像形成装置1の各構成に動作の為の電力を供給する直流電力源である。バッテリは、例えば、セパレータを介して正極及び負極が積層された電極群を備えるリチウムイオン二次電池として構成される。さらに、電源ユニット19は、バッテリに直流電力を供給し、バッテリを充電してもよい。
(第1の実施形態)
図2は、電源ユニット19の構成について説明する為の説明図である。図2に示されるように、電源ユニット19は、フィルタ回路31、電力変換回路32、及び過電流検出電圧調整回路33を備える。
フィルタ回路31は、交流電力源(商用電源)ACと、電力変換回路32との間に接続される。フィルタ回路31は、電力変換回路32におけるノイズが、交流電力源ACに漏洩することを防ぐノイズ除去回路である。フィルタ回路31は、例えばEMCフィルタである。フィルタ回路31は、例えばコンデンサにより構成されている。
電力変換回路32は、負荷に対して任意の電圧値の直流電力を供給する回路である。
過電流検出電圧調整回路33は、電力変換回路32内に流れる過電流の検出用の電位(過電流検出電圧)を電力変換回路32に与える回路である。なお、過電流検出電圧は、電力変換回路32の1次側のGND(または、後述する平滑用コンデンサ301の低電位側)の電位を基準とした電圧である。
次に、電力変換回路32について詳細に説明する。
電力変換回路32は、整流ブリッジ41、トランス回路42、PFC回路43、及び平滑回路44を備える。電力変換回路32は、トランス回路42の絶縁トランスより入力側である1次側と、絶縁トランスより出力側である2次側とを有する。整流ブリッジ41、トランス回路42、及びPFC回路43が、1次側の構成として設けられている。また、トランス回路42、及び平滑回路44が、2次側の構成として設けられている。
まず、電力変換回路32の1次側の構成について説明する。
整流ブリッジ41は、交流電力源ACからフィルタ回路31を介して入力された交流電力を、全波整流し、脈流化された正電圧を後段のPFC回路43に供給する。整流ブリッジ41は、例えば、複数のダイオードにより構成された全波整流回路(整流器)として構成される。
トランス回路42は、1次巻線402、2次巻線403、補助巻線404、図示されない半導体スイッチ、及び図示されない制御ICを備える。
1次巻線402は、後述のPFC回路43に接続され、磁界を発生させる1次側の巻線である。
2次巻線403は、1次巻線402と絶縁され、且つ1次巻線402に生じた磁界により励磁される2次側の巻線である。即ち、1次巻線402と、2次巻線403とは、電磁結合するように構成されている。
補助巻線404は、1次巻線402に生じた磁界により励磁され、PFC回路43の制御IC(後述のPFC制御回路51)に動作用の電力を供給する為の1次側の巻線である。即ち、1次巻線402と、補助巻線404とは、電磁結合するように構成されている。
半導体スイッチは、制御ICの制御に基づいて、導通状態を電気的に切り替える。半導体スイッチは、制御ICの制御に基づいて、PFC回路43から1次巻線402に電力が供給される状態(オン状態)と、PFC回路43から1次巻線402に電力が供給されない状態(オフ状態)と、を切り替える。半導体スイッチは、例えばn型チャネルFETである。半導体スイッチのドレイン端子は、1次巻線402に接続され、半導体スイッチのソース端子は、PFC回路43の出力端子に接続された平滑用コンデンサ(後述の平滑用コンデンサ301)の低電位側に接続され、半導体スイッチのゲート端子は、制御ICに接続されている。半導体スイッチは、ドレイン端子-ソース端子間を導通させる導通状態(オン状態)と、ドレイン端子-ソース端子間を非導通にする非導通状態(オフ状態)とを、制御ICからゲート端子に入力される制御信号に基づいて切り替える。
制御ICは、半導体スイッチに制御信号として高周波のパルス信号を入力する。制御ICは、例えば、半導体スイッチのゲート端子にパルス信号を入力する。これにより、制御ICは、半導体スイッチのオン状態とオフ状態とを高速に切り替える。この結果、PFC回路43から1次巻線402に高周波パルスが供給され、1次巻線402により磁界が発生する。
上記の様に、半導体スイッチ及び制御ICは、直流電圧を高周波パルスに変換するフライバックコンバータとして機能する。なお、半導体スイッチ及び制御ICは、ハーフブリッジコンバータ、またはフルブリッジコンバータなどの他のコンバータ回路として構成されていてもよい。
PFC回路43は、脈流電圧を直流電圧に変換する回路である。PFC回路43は、整流ブリッジ41の出力端子に接続されている。PFC回路43は、インダクタ401、ダイオード601、半導体スイッチ501、平滑用コンデンサ301、平滑用コンデンサ302、PFC制御回路51、抵抗201、及び抵抗202を備える。
インダクタ401は、整流ブリッジ41の出力端子の一方に接続されている。
ダイオード601は、アノードがインダクタ401に接続され、カソードが平滑用コンデンサ301の高電位側の端子に接続されている。
半導体スイッチ501は、PFC制御回路51の制御に基づいて、導通状態を電気的に切り替える。半導体スイッチ501は、例えばn型チャネルFETである。半導体スイッチ501のドレイン端子は、ダイオード601のアノードとインダクタ401との接続点に接続されている。半導体スイッチ501のソース端子は、抵抗201を介して平滑用コンデンサ301の低電位側の端子に接続されている。半導体スイッチ501のゲート端子は、PFC制御回路51に接続されている。半導体スイッチ501は、ドレイン端子-ソース端子間を導通させる導通状態(オン状態)と、ドレイン端子-ソース端子間を非導通にする非導通状態(オフ状態)とを、PFC制御回路51からゲート端子に入力される制御信号に基づいて切り替える。
平滑用コンデンサ301は、ダイオード601のカソードから供給される正電圧を平滑化する。平滑用コンデンサ301の高電位側の端子は、ダイオード601のカソードが接続されている。平滑用コンデンサ301の低電位側の端子は、抵抗201を介して半導体スイッチ501のソース端子に接続されている。また、平滑用コンデンサ301の低電位側の端子は、整流ブリッジ41の他方の出力端子に接続されている。即ち、平滑用コンデンサ301の低電位側の電位が、PFC回路43におけるGND電位となる。
平滑用コンデンサ301は、後段に接続された回路に直流電圧を供給する。平滑用コンデンサ301の両端子は、PFC回路43の出力端子を構成している。即ち、平滑用コンデンサ301は、PFC回路43に接続されたトランス回路42に直流電力を供給する。
平滑用コンデンサ302は、トランス回路42の補助巻線404から供給される正電圧を平滑化する。平滑用コンデンサ302の両端子は、トランス回路42の補助巻線404と並列に接続されている。また、平滑用コンデンサ302の高電位側の端子は、PFC制御回路51の電源入力端子に接続されている。また、平滑用コンデンサ302の低電位側の端子は、平滑用コンデンサ301の低電位側の端子(即ちGND)に接続されている。これにより、平滑用コンデンサ302は、補助巻線404に生じた電流により電荷を蓄積し、平滑化された直流電力をPFC制御回路51に供給する。
PFC制御回路51は、半導体スイッチ501をオンオフ制御する為の信号(ゲート信号)を生成し、半導体スイッチ501のゲート端子に入力する。PFC制御回路51は、例えば、入力電流が正弦波に近づくように半導体スイッチ501をオンオフ制御する。
PFC制御回路51は、電力変換回路32内において過電流が生じている事を検出する為の端子(過電流検出端子)と、電源入力端子とを備える。上記したように、PFC制御回路51の電源入力端子は、平滑用コンデンサ302の高電位側の端子に接続されている。PFC制御回路51の過電流検出端子は、抵抗202を介して半導体スイッチ501のソース端子に接続されている。また、PFC制御回路51の過電流検出端子は、過電流検出電圧調整回路33に接続されている。
PFC制御回路51は、過電流検出端子の電位と、予め設定された閾値と、に基づいて、電力変換回路32の1次側に過電流が生じているか否か判断する。例えば、PFC制御回路51は、過電流検出端子の電位が予め設定された閾値以上である場合、電力変換回路32の1次側に過電流が生じていると判断する。PFC制御回路51は、電力変換回路32の1次側に過電流が生じていると判断した場合、保護機能を開始する(保護機能を有効にする)。保護機能は、例えば、半導体スイッチ501のオンオフ制御を停止するなどの手段がある。なお、保護機能は、半導体スイッチ501のオンオフ制御の停止に限られない。保護機能は、PFC回路43の動作を停止させる為の手段であれば、如何なる手段であってもよい。
次に、電力変換回路32の2次側の構成について説明する。
平滑回路44は、トランス回路42の2次巻線403に生じた電力を整流及び平滑化し、負荷に直流電力を供給する回路である。平滑回路44は、ダイオード602、及び平滑用コンデンサ303を有する。平滑回路44の出力端子は、電源ユニット19の出力端子を構成している。例えば、平滑回路44の出力端子は、画像形成装置1の種々の構成である負荷(例えば搬送部16、画像形成部17、及びシステムコントローラ11など)が接続される。
トランス回路42の2次巻線403は、1次巻線402により発生した磁界に応じて励磁され、電力を生成する。2次巻線403には、1次巻線402と2次巻線403との巻き数の比に応じた電圧が発生する。
ダイオード602は、アノードが2次巻線403に接続され、カソードが平滑用コンデンサ303の高電位側に接続されている。ダイオード602は、2次巻線403に生じた電流を整流し、平滑用コンデンサ303に供給する。また、ダイオード602は、MOSFETと同期整流用制御ICに置き換えられていてもよい。この場合、MOSFETにより同期整流を行うことができる。
平滑用コンデンサ303は、ダイオード602から供給された正電圧を平滑化する。平滑用コンデンサ303は、並列に接続された回路に直流電圧を供給する。平滑用コンデンサ303の両端子は、平滑回路44の出力端子を構成している。即ち、平滑用コンデンサ303には、負荷が接続される。平滑用コンデンサ303は、平滑化した直流電圧を負荷に供給する。即ち、平滑回路44は、直流電圧を出力する直流電圧源として機能する。
次に、過電流検出電圧調整回路33の構成について説明する。
図2に示されるように、過電流検出電圧調整回路33は、半導体スイッチ502、半導体スイッチ503、ツェナーダイオード701、コンデンサ304、コンデンサ305、抵抗203、及び抵抗204を備える。
半導体スイッチ502及び半導体スイッチ503は、それぞれnチャネル型FETである。半導体スイッチ502及び半導体スイッチ503は、例えばnpn型トランジスタとして構成されていてもよい。
半導体スイッチ502のゲート端子は、フィルタ回路31の出力端子に接続されている。具体的には、半導体スイッチ502のゲート端子は、アノードがフィルタ回路31の出力端子の一方に接続されたダイオード603のカソードに接続されている。また、半導体スイッチ502のゲート端子は、アノードがフィルタ回路31の出力端子の他方に接続されたダイオード604のカソードに接続されている。このような構成によると、脈流電圧が半導体スイッチ502のゲート端子に入力される。
半導体スイッチ502のドレイン端子は、抵抗を介して電力変換回路32のPFC回路43の平滑用コンデンサ302の高電位側の端子に接続されている。
半導体スイッチ502のソース端子は、電力変換回路32のPFC回路43の平滑用コンデンサ302の低電位側の端子に接続されている。
ツェナーダイオード701は、アノードが半導体スイッチ502のソース端子に接続され、カソードが半導体スイッチ502のゲート端子に接続されている。
コンデンサ304は、半導体スイッチ502のソース端子とゲート端子との間に接続されている。
コンデンサ305は、半導体スイッチ502のドレイン端子とソース端子との間に接続されている。また、コンデンサ305は、半導体スイッチ503のゲート端子とソース端子との間に接続されている。
抵抗203は、電力変換回路32のPFC回路43のPFC制御回路51の過電流検出端子と、平滑用コンデンサ302の低電位側の端子との間に接続されている。即ち、抵抗203は、半導体スイッチ501のソース端子、抵抗202、過電流検出端子、抵抗203、平滑用コンデンサ302の低電位側の端子の順に接続されている。
抵抗204は、電力変換回路32のPFC回路43のPFC制御回路51の過電流検出端子と、半導体スイッチ503のドレイン端子との間に接続されている。即ち、抵抗204は、半導体スイッチ501のソース端子、抵抗202、過電流検出端子、抵抗204、半導体スイッチ503のドレイン端子の順に接続されている。
半導体スイッチ503のゲート端子は、半導体スイッチ502のドレイン端子と、電力変換回路32のPFC回路43の平滑用コンデンサ302の高電位側の端子に接続されている。また、半導体スイッチ503のゲート端子は、コンデンサ305の高電位側の端子に接続されている。
半導体スイッチ503のドレイン端子は、上記したように抵抗204を介して、電力変換回路32のPFC回路43のPFC制御回路51の過電流検出端子に接続されている。
半導体スイッチ503のソース端子は、電力変換回路32のPFC回路43の平滑用コンデンサ302の低電位側の端子に接続されている。
次に、過電流検出電圧調整回路33の動作について説明する。
画像形成装置1の電源がONされ、画像形成装置1の電源ユニット19に、交流電力源ACからの交流電力の供給が開始されたとする。画像形成装置1の電源がONされると、トランス回路42において1次巻線402への交流電流の供給が開始され、出力電圧(即ち、平滑用コンデンサ303の電圧)が徐々に増加する。出力電圧は、平滑回路44の平滑用コンデンサ303に十分に電荷が蓄積されると、一定の値になる。
また、トランス回路42による1次巻線402への交流電流の供給が開始されると、補助巻線404に誘導電流が生じる。補助巻線404に生じた電流によって平滑用コンデンサ302に電荷が蓄積され、補助巻線404から出力される電源電圧(即ち、平滑用コンデンサ302の電圧)が徐々に増加する。
また、過電流検出電圧調整回路33には、ダイオード603及びダイオード604を介して脈流電流が入力される。コンデンサ304には、入力された脈流電流によって電荷が蓄積される。
コンデンサ304の電圧が半導体スイッチ502がONする閾値電圧未満であるとする。この場合、半導体スイッチ502のゲート端子とソース端子との間の電位差が半導体スイッチ502がONする閾値電圧未満の為、半導体スイッチ502がオフになる。
半導体スイッチ502がオフになると、コンデンサ305に平滑用コンデンサ302の高電位側の端子から電流が流れ、コンデンサ305に電荷が蓄積される。
コンデンサ305に電荷が蓄積されると、コンデンサ305の電圧によって半導体スイッチ503のゲート端子とソース端子との間に電位差が生じる。半導体スイッチ503は、ゲート端子とソース端子との間の電位差によってオンされる。
半導体スイッチ503がオンになると、ドレイン端子-ソース端子間が短絡することにより、過電流検出端子と平滑用コンデンサ302の低電位側の端子との間に、抵抗203と抵抗204とが並列接続される。
即ち、コンデンサ304の電圧が半導体スイッチ502がONする閾値電圧未満である場合、半導体スイッチ502がオフになり、半導体スイッチ503がオンになり、過電流検出端子とGNDとの間に抵抗203と抵抗204とが並列接続される。
また、コンデンサ304の電圧が半導体スイッチ502がONする閾値電圧以上である場合、コンデンサ304の電圧に応じた電位差が、半導体スイッチ502のゲート端子とソース端子との間に生じる。この場合、半導体スイッチ502は、ゲート端子とソース端子との間の電位差によってオンされる。
半導体スイッチ502がオンになると、半導体スイッチ503のゲート端子とソース端子とが短絡する。即ち、半導体スイッチ503のゲート端子とソース端子との間に電位差が生じない。この為、半導体スイッチ503がオフになる。
半導体スイッチ503がオフになると、抵抗204が浮いた状態となる。この為、過電流検出端子と平滑用コンデンサ302の低電位側の端子との間に、抵抗203が接続されている状態になる。
即ち、コンデンサ304の電圧が半導体スイッチ502がONする閾値電圧以上である場合、半導体スイッチ502がオンになり、半導体スイッチ503がオフになり、過電流検出端子とGNDとの間に抵抗203が接続される。
次に、過電流検出の具体例について説明する。
上記したように、電力変換回路32には、複数の異なる実効値の交流電力が入力される。例えば、電力変換回路32には、実効値が第1の電圧(例えば100V)の交流電力、または実効値が第2の電圧(例えば230V)の交流電力が入力されるとする。
また、AC入力電圧が第1の電圧以上第2の電圧未満であるとする。また、抵抗201の抵抗値が0.3Ωであり、抵抗202の抵抗値が1kΩであり、抵抗203の抵抗値が9kΩであり、抵抗204の抵抗値が450Ωであるとする。また、第1の電圧入力時に過電流として検出する電流値が6Aであるとする。また、第2の電圧入力時に過電流として検出する電流値が2Aであるとする。
まず、第1の電圧の例について説明する。
第1の電圧から抵抗211と抵抗212により分圧され、半導体スイッチ502ゲート端子に印加された電圧は、半導体スイッチ502がONする閾値電圧未満である。この為、半導体スイッチ502がオフとなり、半導体スイッチ503がオンとなる。この結果、過電流検出端子とGNDとの間に抵抗203と抵抗204とが並列接続される。
抵抗203と抵抗204の合成抵抗は、以下のように算出される。
抵抗203と抵抗204の合成抵抗
=(450Ω×9kΩ)/(450Ω+9kΩ)
=0.428kΩ
上記のように、半導体スイッチ501及び抵抗201に過電流である6Aが流れるとすると、抵抗201に印加される電圧は、以下のように算出される。
抵抗201に印加される電圧
=6A×0.3Ω=1.8V
また、過電流検出端子の電位(抵抗203と抵抗204の合成抵抗に印加される電圧)は、以下のように算出される。
過電流検出端子の電位
=1.8V×0.428kΩ/(1kΩ+0.428kΩ)
=0.54V
即ち、入力される交流電力の電圧の実効値が100Vであり、過電流である6Aの電流が半導体スイッチ501を流れている場合、過電流検出端子に印加される電圧が0.54Vとなる。即ち、PFC制御回路51は、閾値として0.54V以下の値(例えば0.5Vなど)を設定しておくことにより、実効値=100V時の6Aの過電流を検出することができる。
次に、第2の電圧の例について説明する。
第2の電圧から抵抗211と抵抗212により分圧され、半導体スイッチ502ゲート端子に印加された電圧は、半導体スイッチ502がONする閾値電圧以上である。この為、半導体スイッチ502がオンとなり、半導体スイッチ503がオフとなる。この結果、過電流検出端子とGNDとの間に抵抗204が接続される。
上記のように、半導体スイッチ501及び抵抗201に過電流である2Aが流れるとすると、抵抗201に印加される電圧は、以下のように算出される。
抵抗201に印加される電圧
=2A×0.3Ω=0.6V
また、過電流検出端子の電位(抵抗203に印加される電圧)は、以下のように算出される。
過電流検出端子の電位
=0.6V×9kΩ/(1kΩ+9kΩ)
=0.54V
即ち、入力される交流電力の電圧の実効値が230Vであり、過電流である2Aの電流が半導体スイッチ501を流れている場合も、過電流検出端子に印加される電圧が0.54Vとなる。即ち、PFC制御回路51は、閾値として0.54V以下の値(例えば0.5Vなど)を設定しておくことにより、実効値=230V時の2Aの過電流を検出することができる。
上記のように、過電流検出電圧調整回路33は、PFC制御回路51に過電流検出電圧を供給する。この際に、過電流検出電圧調整回路33は、PFC回路43に入力される交流電圧に応じて、PFC制御回路51に入力される過電流検出電圧を調整する。
過電流検出電圧調整回路33は、PFC制御回路51の過電流検出電圧が入力される過電流検出端子と、GNDとの間に接続される抵抗を、PFC回路43に入力される交流電圧に応じて切り替える。これにより、過電流検出電圧調整回路33は、PFC制御回路51に入力される過電流検出電圧を調整する。
例えば、過電流検出電圧調整回路33は、PFC回路43に第1の電圧が入力された場合、過電流検出端子とGNDとの間に第1の抵抗(抵抗203)と第2と抵抗(抵抗204)とを並列接続する。また、過電流検出電圧調整回路33は、PFC回路43に第1の電圧より大きい第2の電圧が入力された場合、過電流検出端子とGNDとの間に第1の抵抗(抵抗203)を接続する。これにより、過電流検出電圧調整回路33は、PFC制御回路51に入力される過電流検出電圧を調整する。
より具体的には、過電流検出電圧調整回路33は、入力される交流電力の電圧の実効値が第1の電圧(例えば100V)と第2の電圧(例えば230V)とで変化する場合に、PFC制御回路51の過電流検出端子とGNDとの間の抵抗値を、抵抗203の単独の抵抗値(例えば9kΩ)と、抵抗203及び抵抗204の合成抵抗(例えば0.428kΩ)と、で切り替えることができる。
これにより、過電流検出電圧調整回路33は、実効値が第1の電圧の交流電力が入力されており且つ過電流(例えば6A)が生じている場合と、実効値が第2の電圧の交流電力が入力されており且つ過電流(例えば2A)が生じている場合とで過電流検出端子の電位(過電流検出電圧)が同等になるように調整することができる。
この結果、PFC制御回路51は、入力される交流電力の電圧の実効値が第1の電圧と第2の電圧とで変化する場合であっても、固定の閾値(例えば5V)に基づいて過電流を検出することができる。
図3は、図2の過電流検出電圧調整回路33の他の例である過電流検出電圧調整回路34について説明する為の説明図である。なお、図3の過電流検出電圧調整回路34は、抵抗205をさらに過電流検出端子とGNDとの間に並列接続する為の回路を備える点が過電流検出電圧調整回路33と異なる。
過電流検出電圧調整回路34は、半導体スイッチ502、半導体スイッチ503、ツェナーダイオード701、コンデンサ304、コンデンサ305、抵抗203、及び抵抗204を備える。さらに、過電流検出電圧調整回路34は、半導体スイッチ504、半導体スイッチ505、ツェナーダイオード702、コンデンサ306、コンデンサ307、抵抗205、抵抗206、抵抗207、及び抵抗208を備える。
半導体スイッチ502及び半導体スイッチ503は、それぞれnチャネル型FETである。半導体スイッチ502及び半導体スイッチ503は、例えばnpn型トランジスタとして構成されていてもよい。
半導体スイッチ502のゲート端子は、フィルタ回路31の出力端子に接続されている。具体的には、半導体スイッチ502のゲート端子は、アノードがフィルタ回路31の出力端子の一方に接続されたダイオード603のカソードに抵抗206を介して接続されている。また、半導体スイッチ502のゲート端子は、アノードがフィルタ回路31の出力端子の他方に接続されたダイオード604のカソードに抵抗206を介して接続されている。このような構成によると、脈流電圧がコンデンサ304により平滑された電圧が、半導体スイッチ502のゲート端子に入力される。
半導体スイッチ502のドレイン端子は、抵抗を介して電力変換回路32のPFC回路43の平滑用コンデンサ302の高電位側の端子に接続されている。
半導体スイッチ502のソース端子は、抵抗を介して電力変換回路32のPFC回路43の平滑用コンデンサ302の低電位側の端子に接続されている。
ツェナーダイオード701は、アノードが半導体スイッチ502のソース端子に接続され、カソードが半導体スイッチ502のゲート端子に接続されている。
コンデンサ304は、半導体スイッチ502のソース端子とゲート端子との間に接続されている。
コンデンサ305は、半導体スイッチ502のドレイン端子とソース端子との間に接続されている。また、コンデンサ305は、半導体スイッチ503のゲート端子とソース端子との間に接続されている。
抵抗203は、電力変換回路32のPFC回路43のPFC制御回路51の過電流検出端子と、平滑用コンデンサ302の低電位側の端子との間に接続されている。即ち、抵抗203は、半導体スイッチ501のソース端子、抵抗202、過電流検出端子、抵抗203、平滑用コンデンサ302の低電位側の端子の順に接続されている。
抵抗204は、電力変換回路32のPFC回路43のPFC制御回路51の過電流検出端子と、半導体スイッチ503のドレイン端子との間に接続されている。即ち、抵抗204は、半導体スイッチ501のソース端子、抵抗202、過電流検出端子、抵抗204、半導体スイッチ503のドレイン端子の順に接続されている。
また、抵抗207は、半導体スイッチ502のソース端子とゲート端子との間に接続されている。即ち、抵抗207は、コンデンサ304と並列に接続されている。
半導体スイッチ503のゲート端子は、半導体スイッチ502のドレイン端子と、電力変換回路32のPFC回路43の平滑用コンデンサ302の高電位側の端子に接続されている。また、半導体スイッチ503のゲート端子は、コンデンサ305の高電位側の端子に接続されている。
半導体スイッチ503のドレイン端子は、上記したように抵抗204を介して、電力変換回路32のPFC回路43のPFC制御回路51の過電流検出端子に接続されている。
半導体スイッチ503のソース端子は、電力変換回路32のPFC回路43の平滑用コンデンサ302の低電位側の端子に接続されている。
半導体スイッチ504及び半導体スイッチ505は、それぞれnチャネル型FETである。半導体スイッチ504及び半導体スイッチ505は、例えばnpn型トランジスタとして構成されていてもよい。
半導体スイッチ504のゲート端子は、フィルタ回路31の出力端子に接続されている。具体的には、半導体スイッチ504のゲート端子は、アノードがフィルタ回路31の出力端子の一方に接続されたダイオード603のカソードに抵抗206を介して接続されている。また、半導体スイッチ504のゲート端子は、アノードがフィルタ回路31の出力端子の他方に接続されたダイオード604のカソードに抵抗206を介して接続されている。このような構成によると、脈流電圧がコンデンサ306により平滑された電圧が、半導体スイッチ504のゲート端子に入力される。
半導体スイッチ504のドレイン端子は、抵抗を介して電力変換回路32のPFC回路43の平滑用コンデンサ302の高電位側の端子に接続されている。
半導体スイッチ504のソース端子は、電力変換回路32のPFC回路43の平滑用コンデンサ302の低電位側の端子に接続されている。
ツェナーダイオード702は、アノードが半導体スイッチ504のソース端子に接続され、カソードが半導体スイッチ504のゲート端子に接続されている。
コンデンサ306及び抵抗208は、半導体スイッチ504のソース端子とゲート端子との間に並列に接続されている。
コンデンサ307は、半導体スイッチ504のドレイン端子とソース端子との間に接続されている。また、コンデンサ307は、半導体スイッチ505のゲート端子とソース端子との間に接続されている。
抵抗205は、電力変換回路32のPFC回路43のPFC制御回路51の過電流検出端子と、半導体スイッチ505のドレイン端子との間に接続されている。即ち、抵抗205は、半導体スイッチ501のソース端子、抵抗202、過電流検出端子、抵抗205、半導体スイッチ505のドレイン端子の順に接続されている。
例えば、電力変換回路32には、複数の異なる実効値の交流電力として、実効値が第1の電圧(例えば100V)の交流電力、実効値が第2の電圧(例えば230V)の交流電力、及び実効値が第3の電圧(例えば120V)の交流電力のいずれかが入力されるとする。抵抗206、抵抗207、並びに抵抗208の抵抗値、及びツェナーダイオード701並びにツェナーダイオード702のツェナー電圧は、過電流検出端子とGNDとの間に接続される抵抗が、上記の入力電圧に応じて、切り替わるように設定される。具体的には、抵抗206の抵抗値が8MΩに設定され、抵抗207の抵抗値が200kΩに設定され、抵抗208の抵抗値が350kΩに設定されているとする。
例えば、過電流検出電圧調整回路34は、第1の電圧の交流電力が入力された場合に、コンデンサ304の電圧が半導体スイッチ502がONする閾値電圧以上になり、コンデンサ306の電圧が半導体スイッチ504がONする閾値電圧以上になるように構成されている。この場合、半導体スイッチ502及び半導体スイッチ504がオンになり、半導体スイッチ503及び半導体スイッチ505がオフになる。この結果、過電流検出端子とGNDとの間に抵抗203が接続され、過電流検出端子の電位が抵抗203に印加される電圧となる。
また例えば、過電流検出電圧調整回路34は、第3の電圧の交流電力が入力された場合に、コンデンサ304の電圧が半導体スイッチ502がONする閾値電圧未満であり、コンデンサ306の電圧が半導体スイッチ504がONする閾値電圧以上になるように構成されている。この場合、半導体スイッチ502がオフになり、半導体スイッチ504がオンになり、半導体スイッチ503がオンになり、半導体スイッチ505がオフになる。この結果、過電流検出端子とGNDとの間に抵抗203と抵抗204とが並列接続され、過電流検出端子の電位が抵抗203及び抵抗204の合成抵抗に印加される電圧となる。
また例えば、過電流検出電圧調整回路34は、第2の電圧の交流電力が入力された場合に、コンデンサ304の電圧が半導体スイッチ502がONする閾値電圧未満であり、コンデンサ306の電圧が半導体スイッチ502がONする閾値電圧未満になるように構成されている。この場合、半導体スイッチ502及び半導体スイッチ504がオフになり、半導体スイッチ503及び半導体スイッチ505がオンになる。この結果、過電流検出端子とGNDとの間に抵抗203、抵抗204、及び抵抗205が並列接続され、過電流検出端子の電位が抵抗203、抵抗204、及び抵抗205の合成抵抗に印加される電圧となる。
上記のように、過電流検出電圧調整回路34は、入力される交流電力の電圧の実効値が第1の電圧(例えば100V)と第2の電圧(例えば230V)と第3の電圧(例えば120V)で変化する場合に、PFC制御回路51の過電流検出端子とGNDとの間の抵抗値を、抵抗203の単独の抵抗値と、抵抗203及び抵抗204の合成抵抗と、抵抗203と抵抗204と抵抗205との合成抵抗と、で切り替えることができる。
これにより、過電流検出電圧調整回路34は、第1の電圧の交流電力が入力されており且つ過電流が生じている場合と、第2の電圧の交流電力が入力されており且つ過電流が生じている場合と、第3の電圧の交流電力が入力されており且つ過電流が生じている場合と、で過電流検出端子の電位(過電流検出電圧)が同等になるように調整することができる。
この結果、PFC制御回路51は、入力される交流電力の電圧の実効値が第1の電圧と第2の電圧と第3の電圧とで変化する場合であっても、固定の閾値に基づいて過電流を検出することができる。
また、過電流検出端子とGNDの間の抵抗の接続は、上記の構成に限定されない。過電流検出電圧調整回路34は、さらに多種の入力電圧に応じて、過電流検出端子とGNDの間の抵抗の接続を切り替える構成であってもよい。
(第2の実施形態)
図4は、第2の実施形態に係る電源ユニット20の構成について説明する為の説明図である。なお、第1の実施形態と同様の構成には、同じ参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
図4に示されるように、電源ユニット20は、フィルタ回路31、電力変換回路35、及び過電流検出電圧調整回路36を備える。
電力変換回路35は、負荷に対して任意の電圧値の直流電力を供給する回路である。
過電流検出電圧調整回路36は、電力変換回路35内に流れる過電流の検出用のGND基準の電位(過電流検出電圧)を電力変換回路35に与える回路である。
電力変換回路35について詳細に説明する。
電力変換回路35は、整流ブリッジ41、トランス回路42、PFC回路45、及び平滑回路44を備える。
PFC回路45は、脈流電圧を直流電圧に変換する回路である。PFC回路45は、整流ブリッジ41の出力端子に接続されている。PFC回路45は、インダクタ401、ダイオード601、半導体スイッチ501、平滑用コンデンサ301、平滑用コンデンサ302、PFC制御回路52、及び抵抗201を備える。
PFC制御回路52は、半導体スイッチ501をオンオフ制御する為の信号(ゲート信号)を生成し、半導体スイッチ501のゲート端子に入力する。PFC制御回路52は、例えば、入力電流が正弦波に近づくように半導体スイッチ501をオンオフ制御する。
PFC制御回路52は、電力変換回路35内において過電流が生じている事を検出する為の端子(過電流検出端子)と、電源入力端子とを備える。PFC制御回路52の電源入力端子は、平滑用コンデンサ302の高電位側の端子に接続されている。PFC制御回路52の過電流検出端子は、過電流検出電圧調整回路36に接続されている。
PFC制御回路52は、過電流検出端子の電位と、予め設定された閾値と、に基づいて、電力変換回路35の1次側に過電流が生じているか否か判断する。例えば、PFC制御回路52は、過電流検出端子の電位が予め設定された閾値以上である場合、電力変換回路35の1次側に過電流が生じていると判断する。PFC制御回路52は、電力変換回路35の1次側に過電流が生じていると判断した場合、保護機能を開始する(保護機能を有効にする)。保護機能は、例えば、半導体スイッチ501のオンオフ制御を停止するなどの手段がある。なお、保護機能は、半導体スイッチ501のオンオフ制御の停止に限られない。保護機能は、PFC回路43の動作を停止させる為の手段であれば、如何なる手段であってもよい。
過電流検出電圧調整回路36は、電圧検出器61、コンパレータ62、コンデンサ308、抵抗209、及び抵抗210を備える。
電圧検出器61は、入力電圧に従って出力電圧Voutを調整する構成である。電圧検出器61は、PFC回路45への入力電圧に応じて出力電圧を変更する。電圧検出器61は、例えばマイコンなどにより構成される。電圧検出器61の入力端子は、抵抗を介してダイオード603及びダイオード604のカソードに接続されている。また、電圧検出器61の入力端子とGNDの間には、コンデンサ308が接続されている。即ち、電圧検出器61は、ダイオード603及びダイオード604を介して入力された脈流電圧がコンデンサ308によって平滑化された電圧が入力端子に入力される。
電圧検出器61は、例えば入力電圧が100Vである場合、0.5Vの出力電圧Voutを出力する。また、電圧検出器61は、例えば入力電圧が230Vである場合、0.2Vの出力電圧Voutを出力する。電圧検出器61は、例えば入力電圧に応じて線形的に出力電圧Voutを変化させる。
コンパレータ62は、二つの入力端子(第1入力端子及び第2入力端子)の比較結果を出力する。
コンパレータ62の出力端子は、PFC制御回路52の過電流検出端子に接続されている。
コンパレータ62の第1入力端子は、電圧検出器61の出力端子に接続されている。
コンパレータ62の第2入力端子は、抵抗209を介して、PFC回路45の半導体スイッチ501のソース端子に接続されている。また、コンパレータ62は、第2入力端子は、抵抗210を介して、PFC回路45の平滑用コンデンサ302の低電位側の端子、即ちGNDに接続されている。言い換えると、コンパレータ62の第2入力端子は、抵抗209と抵抗210との接続点に接続されている。これにより、抵抗209と抵抗210との抵抗分圧比に応じた電圧が第2入力端子に印加される。
コンパレータ62は、第1入力端子の電圧と第2入力端子の電圧との比較結果を出力する。具体的には、コンパレータ62は、第1入力端子の電圧よりも第2入力端子の電圧が大きい場合、Hレベルの電圧の信号をPFC制御回路52の過電流検出端子に出力する。また、コンパレータ62は、第1入力端子の電圧よりも第2入力端子の電圧が小さい場合、Lレベルの電圧の信号をPFC制御回路52の過電流検出端子に出力する。即ち、コンパレータ62は、電圧検出器61の出力電圧(第1入力端子に入力される電圧)と、PFC回路45への入力電圧が分圧された電圧(第2入力端子に入力される電圧)との比較結果を過電流検出電圧としてPFC制御回路52に出力する。
PFC制御回路52は、HレベルとLレベルとの間に閾値を設定しておくことにより、過電流検出端子の電圧に基づいて過電流が生じているか否か判断することができる。これにより、PFC制御回路52は、過電流を検出した場合に、PFC回路45の動作を停止させることができる。上記のように、第2の実施形態の過電流検出電圧調整回路36は、第1の実施形態と同様の効果を生むことができる。
なお、過電流検出電圧調整回路36の電圧検出器61、コンパレータ62、抵抗209、及び抵抗210などは、PFC制御回路52内に組み込まれてもよい。
また、上記の実施形態では、PFC制御回路51またはPFC制御回路52が閾値との比較結果に基づいて過電流が発生しているか否か判断する構成であると説明したが、この構成に限定されない。過電流が発生しているか否かの判断を行う為の構成が、PFC制御回路とは別に設けられていてもよい。
なお、上記の実施形態では、電源ユニット19が画像形成装置1に組み込まれているものと仮定して説明したが、この構成に限定されない。電源ユニット19は、商品登録装置など如何なる装置に組み込まれてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
なお、以下に本願の出願当初の特許請求の範囲の記載を付記する。
[C1]
交流電圧を直流電圧に変換するPFC回路と、
前記PFC回路の動作を制御するPFC制御回路と、
前記PFC回路からの直流電圧によって1次巻線から2次巻線に電力を伝達するトランス回路と、
前記PFC制御回路に過電流検出電圧を供給する過電流検出電圧調整回路と、
を具備し、
前記過電流検出電圧調整回路は、前記PFC回路に入力される交流電圧に応じて、前記PFC制御回路に入力される前記過電流検出電圧を調整し、
前記PFC制御回路は、前記過電流検出電圧と予め設定された閾値とに基づいて過電流を検出する、
電力変換装置。
[C2]
前記過電流検出電圧調整回路は、
前記PFC制御回路の前記過電流検出電圧が入力される過電流検出端子と、GNDとの間に接続される抵抗を、前記PFC回路に入力される交流電圧に応じて切り替える請求項1に記載の電力変換装置。
[C3]
前記過電流検出電圧調整回路は、
前記PFC回路に第1の電圧が入力された場合、前記過電流検出端子とGNDとの間に第1の抵抗と第2と抵抗とを並列接続し、
前記PFC回路に前記第1の電圧より大きい第2の電圧が入力された場合、前記過電流検出端子とGNDとの間に前記第1の抵抗を接続する、
請求項2に記載の電力変換装置。
[C4]
前記過電流検出電圧調整回路は、
前記PFC回路への入力電圧に応じて出力電圧を変更する電圧検出器と、
前記電圧検出器の出力電圧と、前記PFC回路への入力電圧が分圧された電圧との比較結果を前記過電流検出電圧として前記PFC制御回路に出力するコンパレータと、
を具備する請求項1に記載の電力変換装置。
[C5]
前記PFC制御回路は、過電流を検出した場合、前記PFC回路の保護機能を有効にする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電力変換装置。