JP7469185B2 - 万年筆 - Google Patents
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Description
また、ペン芯は、先行文献1(特開2008-194990号公報)に記載されているように、軸筒内のインキタンクよりインキを外部へ流出させるインキ溝と、流出したインキの分だけインキタンク内に空気を取り入れる空気溝とを有している。万年筆は、ペンの切割溝がペン芯のインキ溝に隣接することで、インキ溝のインキが毛細管現象で切割溝へ移動して、筆圧でペンがその表面側に撓んで切割溝が少し広がりながら、インキがペンポイントへ移動して筆記を行うことができる構造である。
尚、ハート孔の内側とペン芯の表面とで、ハート孔形状の凹部が構成されることから、ペン及びペン芯をインク瓶に浸けてインキタンク内へインキを吸入した場合にも、ハート孔の内側に溜まったインキが落下して紙面を汚すことのない構造が求められる。
「1.軸筒の前方部にペンとペン芯とを重ねて挿着した万年筆であって、
前記ペンが、先細形状の弾性部と、前記弾性部の先端のペンポイントと、軸心に沿って形成された切割溝と、前記切割溝の後端部に形成されたハート孔と、前記弾性部の後方に位置する基部と、前記基部の後方で前記ペン芯と重なり前記軸筒に挿着される挿着部とを有し、
前記ペン芯が、前記ペンの弾性部及び基部が被さる前方部と、前記ペンの挿着部と共に前記軸筒に挿着される後方部と、前記前方部から前記後方部に渡り軸心に沿って前記ペンの切割溝と重なるよう形成されたインキ溝と、前記軸筒の内部のインキ収容部と外部とを連通させる空気溝とを有し、前記前方部の表面に前記ペンのハート孔に緩挿される突起部を有し、前記ペンのハート孔の内側面と前記ペン芯の突起部の外側面との間に隙間部が形成され、前記隙間部と前記インキ溝とが連通する構造の万年筆。
2.前記隙間部が、前記インキ溝の遠方に幅広部を有し、前記インキ溝の近傍に幅狭部を有し、前記幅狭部と前記インキ溝とが連通し、前記幅広部から前記幅狭部に向かって漸次前記隙間部が狭まり、且つ前記幅狭部の幅寸法が前記ペン芯のインキ溝の幅寸法より広い構造の前記1項に記載の万年筆。
3.前記突起部が前記ハート孔に緩挿された状態で、前記突起部の表面の高さが前記ペンの表面の高さと略一致する構造の前記1項または2項に記載の万年筆。」である。
また、ハート孔の内側にペン芯の突起部が緩挿されることで、ペン及びペン芯をインク瓶に浸けてインキタンク内へインキを吸入した場合でも、ハート孔の内側にインキが溜まり難いことから、インキが落下して紙面が汚れることを防止できる。
図に示すように本実施形態の万年筆1は、軸筒2を首部3と胴部4と尾冠5とで構成してあり、尾冠5は胴部4に圧入嵌合して一体とし、首部3と胴部4とは双方に設けた螺子部により着脱可能に螺子嵌合してある。
軸筒2の前方の開口部2aにはペン6とペン芯7とを挿着してあり、軸筒2の内部にはインキ吸入具8を収容し、首部3の後部内面に形成した円筒状の凸部3aに、インキ収容部81の前端開口の内面が密着するようにして、インキ吸入具8を軸筒2に固定してある。
ペン芯7は、ペン6の弾性部6a及び基部6eが被さる前方部7aと、ペン6の挿着部6fと共に軸筒2に挿着される後方部7bと、前方部7aから後方部7bに渡り形成されたインキ溝7cと、軸筒2の内部のインキ収容部81と外部とを連通させる空気溝7dとを有し、前方部の表面にペン6のハート孔6dに緩挿される突起部7eを有している。
尚、本実施形態では、ペン6の後端部に、前方に短辺を有する台形形状の切欠部6gが設けられており、ペン芯7の表面に形成した矩形状の係止突部7gが切欠部6gの前端部に係止することで、ペン6とペン芯7との中心が位置合わせされ、ペン芯7のインキ溝7cとペン6の切割溝6cとを双方の位置関係を一致させて軸筒2に挿着することができる。
また、突起部7eがハート孔6dに緩挿されることで、その表面が、ペン6の表面とほぼ同じ高さとなり、また、ハート孔6dの内方に突起部7eが嵌まるので、ペン6及びペン芯7をインク瓶に浸けてインキ収容部81へインキを吸入した場合でも、ハート孔6dの内側にインキが溜まり難く、インキが落下して紙面が汚れることを防止できる。
尚、ペン6のハート孔6dとペン芯7の突起部7eとが緩挿状態となることから、筆圧でペン6がその表面側に撓む動きが阻害されず、また、ペン6がペン芯7に対して幅方向に移動する動きを規制することができる。
図に示すように本実施例では、ペン6のハート孔6dを正面から見て真円形状となるように形成し、ペン芯7の突起部7eを正面から見て楕円形状になるように形成してあり、ペン6とペン芯7とが重なって軸筒2の開口部2aに挿着された状態で、ハート孔6dの中心と突起部7eの中心とが一致するようにしてある。楕円形状の突起部7eは、軸心に沿った方向に長径を有し、幅方向に短径を有しており、軸心に沿った中心とインキ溝7cが形成されている。また、ペン6のハート孔6dの内側面とペン芯7の突起部7eの外側面との間に形成される隙間部Sは、インキ溝7cの遠方に幅広部Shを有し、インキ溝7cの近傍に幅狭部Ssを有し、且つ幅狭部Sの幅寸法がペン芯7のインキ溝7cの幅寸法より広い構造としてある。このことから、ペン6及びペン芯7をインク瓶に浸けてインキ収容部81へインキを吸入した際には、インキ溝7cの遠方の幅広部Shに溜まったインキは、毛細管現象でインキ溝7cの近傍の幅狭部Ssの方へ流れ、幅狭部Sに溜まったインキは、毛細管現象でペン芯7のインキ溝7cの方へ流れ、結果、ハート孔6dと突起部7eとの隙間Sに残ったインキが、全てインキ溝7cへ移動する。
4…胴部、5…尾冠、6…ペン、6a…弾性部、6b…ペンポイント、6c…切割溝、
6d…ハート孔、6e…基部、6f…挿着部、6g…切欠部、
7…ペン芯、7a…前方部、7b…後方部、7c…インキ溝、7d…空気溝、
7e…突起部、7f…段部、7g…係止突部、
8…インキ吸入具、81…インキ収容部、
S…隙間部、Sh…幅広部、Ss…幅狭部。
Claims (3)
- 軸筒の前方部にペンとペン芯とを重ねて挿着した万年筆であって、
前記ペンが、先細形状の弾性部と、前記弾性部の先端のペンポイントと、軸心に沿って形成された切割溝と、前記切割溝の後端部に形成されたハート孔と、前記弾性部の後方に位置する基部と、前記基部の後方で前記ペン芯と重なり前記軸筒に挿着される挿着部とを有し、
前記ペン芯が、前記ペンの弾性部及び基部が被さる前方部と、前記ペンの挿着部と共に前記軸筒に挿着される後方部と、前記前方部から前記後方部に渡り軸心に沿って前記ペンの切割溝と重なるよう形成されたインキ溝と、前記軸筒の内部のインキ収容部と外部とを連通させる空気溝とを有し、前記前方部の表面に前記ペンのハート孔に緩挿される突起部を有し、前記ペンのハート孔の内側面と前記ペン芯の突起部の外側面との間に隙間部が形成され、前記隙間部と前記インキ溝とが連通する構造の万年筆。 - 前記隙間部が、前記インキ溝の遠方に幅広部を有し、前記インキ溝の近傍に幅狭部を有し、前記幅狭部と前記インキ溝とが連通し、前記幅広部から前記幅狭部に向かって漸次前記隙間部が狭まり、且つ前記幅狭部の幅寸法が前記ペン芯のインキ溝の幅寸法より広い構造の請求項1に記載の万年筆。
- 前記突起部が前記ハート孔に緩挿された状態で、前記突起部の表面の高さが前記ペンの表面の高さと略一致する構造の請求項1または2に記載の万年筆。
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2020
- 2020-08-28 JP JP2020144817A patent/JP7469185B2/ja active Active
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