(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る洗浄媒体供給装置を前記図1ないし図5に基づいて説明する。
前記各図において本実施形態に係る洗浄媒体供給装置1は、使用者の使用する洗浄媒体を内部に収めて手洗器110に配設され、使用者の洗浄媒体を受け取ろうとする動作に応じて、洗浄媒体を使用者に対し供給する洗浄媒体供給部10と、この洗浄媒体供給部10のある手洗器110近傍に配設され、洗浄媒体供給部10で洗浄媒体とは別に供給されるオゾン水を発生させるオゾン水生成部60とを備える構成である。
前記洗浄媒体供給部10は、使用者が手洗いのために洗浄媒体を実際に使用する場所、例えば、手洗器や洗面台等の手洗い設備に設けられるものである。具体的には、既存の手洗器又は洗面台に設けられている水石けん入れにおける、着脱可能な水石けん容器と置き換える形で配設され、洗浄媒体を所定量収められるものである。
また、前記オゾン水生成部60は、洗浄媒体供給部10を設けた手洗器や洗面台等の手洗い設備の近傍に配設され、オゾン水の流通する管路を介して洗浄媒体供給部10と接続され、オゾン水を発生させると共に、前記管路を通じて洗浄媒体供給部10にオゾン水を送り出し、洗浄媒体供給部10からオゾン水を吐出供給可能とするものである。
なお、手洗い設備の近傍にオゾン水生成部60を設ける代わりに、既設のオゾン水生成設備からオゾン水用管路を通じて分配されるオゾン水を洗浄媒体供給部10に導入したり、オゾン発生装置で発生させた気体のオゾンを洗浄媒体供給部10に供給し、洗浄媒体供給部10でこのオゾンを例えば微小気泡として水に混入させてオゾン水を得る構成とすることもできる。
こうした洗浄媒体供給部10とオゾン水生成部60とを備える、本実施形態に係る洗浄媒体供給装置1は、食品を取り扱う事業所等に関する施設基準で設置が求められる、従事者専用の流水受槽式手洗い設備に設けられる手指消毒装置に該当するものとすることができる。
前記洗浄媒体供給部10は、詳細には、手洗いに使用される所定の洗浄媒体を収納する収納部11と、この収納部11に収納された洗浄媒体を使用者の手洗い時に供給可能とする供給機構部12と、この供給機構部12から供給される洗浄媒体を手で受けようとする使用者の所定動作を検出する動作検出部13と、使用者の手洗い状況に関連する所定情報や使用者に係る情報を受け入れる入力部14と、供給機構部12に使用者への洗浄媒体の供給を行わせる制御部16と、使用者に対し手洗いに係る所定情報を報知可能な報知部17と、オゾン水生成部60で発生させたオゾン水を使用者に対し吐出供給するオゾン水供給部19とを備える構成である。
この洗浄媒体供給部10は、最外部の略円筒形の筐体10a内に、前記収納部11、供給機構部12、動作検出部13、入力部14、制御部16、及び報知部17を収めると共に、筐体外側にオゾン水供給部19を設けた構成とされる。
この洗浄媒体供給部10の下側には、従来の水石けん入れと同様に、使用者が手を差し入れて洗浄媒体を受けられる程度の大きさの空間が存在しており、また、この空間の上方となる洗浄媒体供給部10の筐体下部所定箇所には、供給機構部12で送出された洗浄媒体を下方の空間へ出すための開口部である吐出口10bが設けられる。洗浄媒体供給部10の下側の空間に使用者が手を差し出すと、供給機構部12で送出された洗浄媒体が吐出口10bを通って下方へ吐出され、ちょうど洗浄媒体供給部10の下側に位置させた使用者の手の上に達して、使用者は洗浄媒体を受け取って洗浄に用いることができる仕組みとなっている。
この他、洗浄媒体供給装置10には、供給機構部12、動作検出部13、入力部14、制御部16、報知部17、オゾン水供給部19、及び、オゾン水生成部60に電力を供給する電源として、洗浄媒体供給部10に内蔵される電池又は洗浄媒体供給部10に直接若しくはACアダプタ等を介して接続される商用電源が用いられる構成である。
なお、電源としては、オゾン水生成部60に内蔵される電池又はオゾン水生成部60に接続される商用電源を用いる構成としてもよい。
前記収納部11は、洗浄媒体供給部10の筐体10a内に設けられ、使用者が手洗いに使用する洗浄媒体、例えば、水石けん等の液状の洗浄剤を、補充可能な状態として収納するものである。収納部11近傍となる洗浄媒体供給部10の筐体10aの一部は開閉可能とされており、開放状態で外部から収納部11に洗浄剤を補充できる。なお、収納部11への洗浄剤の補充については、洗浄剤を収めたカートリッジを、それまで使用されていた前のカートリッジと交換する方式としてもかまわない。
収納部11に収められた洗浄剤は、その洗浄剤の使用時に順次収納部11から所定量ずつ供給機構部12により取り出され、洗浄媒体供給部10に設けられた吐出口10bに達し、この吐出口10bから外部に吐出される仕組みである。
この洗浄剤は、撮像部15で手洗いの状況を撮像する際に、この洗浄剤の存在を他から識別可能となるように、着色されたり、可視光と異なる波長の光を当てると他と区別可能となる発色成分や蛍光(発光)成分を添加したり、不透明の微細な泡沫(フォーム)状として吐出するようにされる。
前記供給機構部12は、使用者の手洗い時に収納部11に収められた洗浄剤を使用者に対し供給可能とするものである。この供給機構部12は、より具体的には、制御部16による制御に基づいて、収納部11の洗浄剤を吸込み、洗浄媒体供給部10内の流路を通じて吐出口10bへ移送し、吐出口10bから洗浄媒体供給部10の下方へ洗浄剤を吐出することで、使用者の手に洗浄剤を供給可能とする、公知のポンプ機構である。
供給機構部12は、必要に応じて洗浄剤を泡立てて微細な泡沫(フォーム)状として吐出するようにすることもできる。
また、供給機構部12で移送される洗浄剤の流路には、この供給機構部12により使用者の手に向けて送出供給される洗浄剤の量を検出する検出部12aが設けられる。
この検出部12aで検出された洗浄剤の量やその検出タイミングに係る情報は、使用者の手洗い状況に関連する所定の情報、より詳細には、供給機構部12による使用者への洗浄剤の供給に係る情報として、制御部16により取得されることとなる。
前記動作検出部13は、供給機構部12から供給される洗浄剤を手で受けようとする使用者の所定動作、例えば、洗浄剤が吐出される吐出口10bの下方に、洗浄剤を受け取るために手を差し出す動作など、を検出するものである。
詳細には、動作検出部13は、洗浄媒体供給部10における下部に設けられ、使用者が洗浄剤を受け取るために吐出口10bの下方に手を差し出し、手の一部が吐出口10bの下に達した際に、手の存在を感知可能なセンサとされるものである。これにより、動作検出部13は、使用者が洗浄剤50を受け取ろうとして手を差し出す動作を検出することができる。
こうした洗浄剤を受け取ろうとする使用者の動作を検出するセンサとしては、焦電効果を利用したもの、光や超音波の反射を検出するもの、光の進行経路が妨げられた状態を検出するものなど、この種の手などの動きを検出する目的に用いられる公知のセンサを使用できる。
この他、動作検出部は、洗浄剤の受け取りに際し使用者に操作される所定のスイッチとして設けられて、使用者の洗浄剤を受け取ろうとする動作としての使用者のスイッチ操作を、スイッチの状態変化により検出する仕組みとすることもできる。
前記入力部14は、使用者に係る所定の認証用情報を受け取る認証用情報入力部14aと、使用者の手洗いの状況を撮像する撮像部15とからなるものである。
前記認証用情報入力部14aは、使用者に係る情報として、使用者の認証用情報を受け入れるものである。詳細には、認証用情報入力部14aは、個人を識別可能な指紋や静脈パターン、虹彩等の身体的特徴情報を認証用情報として読み取ったり、使用者の音声や顔等の撮像画像など個人を識別可能な情報の入力を受けたり、認証用情報としての個人ごとに付与され暗号化された電子的情報が記録されたICカード等の記録媒体から情報を読み出すものである。
認証用情報入力部14aの認証用情報を受け入れる機構については、公知の個人認証用の指紋や静脈パターン等の読み取り装置や音声等の入力装置、公知のカード情報読み取り装置等と同様のものであり、詳細な説明を省略する。
なお、認証用情報入力部として、使用者ごとにあらかじめ設定された、個人の識別用番号(ID番号)と、これと対をなし、他人のなりすましを防ぐための暗証番号とを、認証用情報として使用者に入力させる入力機構部を、洗浄媒体供給部10に設ける構成とすることもできる。
認証用情報入力部14aに対しては、使用者が洗浄剤を受け取るために、事前に使用者が認証用情報入力部14aに情報を取得させるよう規定される。認証用情報入力部14aは、使用者が洗浄剤を受け取ろうとする直前の段階で、例えば使用者が認証用情報入力部14aに近付けた、使用者の指紋や記録媒体等を読み取って、認証用情報を取得する。
認証用情報入力部14aにより得た認証用の情報に基づいて、制御部16は、洗浄剤を受け取ろうとする使用者があらかじめ登録された使用者であるか否かを判別可能とされる。そして、制御部16は、登録された使用者であると判定した場合のみ、洗浄媒体供給部10を作動させて、洗浄剤が使用者の手に向けて送り出されるようにする。
認証用情報入力部14aで、登録された使用者の認証用情報を受け入れた場合、制御部16は、認証用情報に対応する使用者ごとに、その認証用情報を受け入れた日時と回数を記録する。こうした記録は、使用者が手洗い設備のある事業所の従業者である場合、事業所における従業者の出退勤管理記録と一元化してもよく、使用者の手洗い行動からも出退勤を識別でき、使用者(従業者)は、別途に出退勤記録用の入力装置に対し認証用情報の入力に係る操作を行う手間が省け、事業所側は、出退勤記録用の入力装置を別途設置せずに済み、管理のためのコストを抑えられる。
前記撮像部15は、使用者の手洗い状況に関連する所定の情報の受け入れとして、使用者の手洗い時に、使用者の手洗いの状況を撮像して画像情報を取得するものである。詳細には、撮像部15は、洗浄媒体供給部10の下部に配設されて、洗浄媒体供給部10の下方で受け取った洗浄剤を用いて手洗いを行っている使用者の手を撮像可能な公知のカメラである。この撮像部15による撮像で取得され、使用者の手洗いの状況を捉えた動画像又は複数の静止画像を含んだ画像情報が、管理部をなす制御部16に入力され、使用者の手洗い状況記録情報として解析、評価されることとなる。
なお、撮像部が、使用者の手洗いに先立ち、洗浄媒体供給部10の下方の空間に向けられて連続又は断続的に撮像を行い、この撮像で得られた画像情報についての画像解析の結果、画像に使用者の手が含まれることを判別した場合に、これを使用者の洗浄剤を受け取ろうとする動作の検出とみなすようにして、撮像部を使用者の手洗いに係る動作を検出する動作検出部として使用する構成とすることもできる。
前記制御部16は、供給機構部12の洗浄剤供給に係る作動制御として、認証用情報入力部14aで受け付けた認証用情報からあらかじめ登録された使用者であると認められた使用者に対し、動作検出部13で使用者の洗浄剤を手で受けようとする所定動作が検出されると、供給機構部12に洗浄剤の供給を行わせるものである。
この制御部16は、そのハードウェア構成として、CPUやメモリ、入出力インターフェース等を備えるコンピュータとなっており、メモリ等に格納されるプログラムにより、コンピュータを制御部16として動作させる仕組みである。この制御部16をなすコンピュータは、CPUやメモリ、ROM等を一体的に形成されたマイクロコンピュータとしてもかまわない。
この制御部16をなすコンピュータのユニットは、洗浄媒体供給部10内部の所定のスペースに配設され、オゾン生成部60と通信可能な状態とされると共に、洗浄媒体供給部10の供給機構部12や報知部17、オゾン供給部19とそれぞれ電気的に接続され、これらの作動を制御する。
加えて、制御部40は、動作検出部13や認証用情報入力部14a、撮像部15等の信号出力手段とも電気的に接続されており、使用者の認証用情報の他、使用者の手洗いに係る動作や手洗いの状況を把握しつつ、あらかじめ設定された制御用プログラムに基づく制御信号出力により、供給機構部12等の作動制御を行うこととなる。
また、制御部16は、使用者ごとに手洗いを管理する管理制御として、使用者の手洗い状況に関連する所定の情報としての各種情報を記録し蓄積した上で、情報の分析を行い、その分析結果に対応する制御情報を使用者ごとの手洗い管理情報として取得するものである。
制御部16は、前記管理制御として、まず、使用者の手洗いのつど、使用者の手洗い状況に関連する所定の情報としての各種情報、例えば、認証用情報入力部14aで使用者の認証用情報を受けた時間に係る情報、供給機構部12による使用者への洗浄剤の供給に係る情報、動作検出部13による使用者の洗浄剤を受け取ろうとする動作の検出時間や検出回数に係る情報、又は、使用者の手洗い時ごとに使用者の手洗いの状況を捉えて記録した手洗い状況記録情報、などを受け取り、受け取った情報を使用者ごとに記録し蓄積する。制御部16は、こうして記録蓄積された使用者の以前の手洗いに関する情報を分析して、使用者の手洗い状態をあらわす分析結果を導いた上で、この分析結果に対応する制御情報を取得し、これを使用者ごとの手洗い管理情報とする。例えば、制御部16は、分析結果にあらわれた使用者の手洗い状態、具体的には、手洗いによる洗浄の結果が良好か、不良であるかなど、の情報から、これに対応する制御(良好な結果を確保する手洗いや不良な結果を改善する手洗いに係る制御)を行うための情報を取得し、この制御情報を手洗い管理情報とすることができる。
そして、制御部16は、使用者の新たな手洗い時ごとに、取得した使用者ごとの手洗い管理情報に基づいて、供給機構部12や報知部17の制御を行う。加えて、制御部16は、供給機構部12が洗浄剤を供給した後に、使用者の手洗い管理情報に基づいて、オゾン水供給部19にオゾン水の供給を行わせる制御を実行することとなる。
洗浄媒体供給装置1を用いた使用者の手洗いにおける、洗浄剤供給前の手の濡らし方、洗浄剤の付け方、手各部を擦り合わせる手順、洗浄剤のすすぎ方、などの手洗い状況は、使用者ごとに異なっており、このような使用者の手洗い状況に関連する所定の情報は使用者ごとの手洗いの特徴があらわれるものとなる。そして、これを分析した使用者の手洗いの分析結果も、使用者ごとに少しずつ異なる形で得られることとなる。このため、分析結果に対応した使用者ごとの手洗い管理情報に基づいて制御部16で制御される、供給機構部12や報知部17、オゾン水供給部19の作動状態も、使用者ごとにそれぞれ異なるものとなり得、例えば、供給機構部12の作動による洗浄剤の供給時間は、使用者によって供給時間が短い場合や供給時間が長い場合が生じ得る。
制御部16が使用者の手洗い状況に関連する所定の情報として受け取る各種情報のうち、供給機構部12による使用者への洗浄剤の供給に係る情報は、検出部12aで検出可能な、供給機構部12により供給される洗浄剤の量(供給量)や、供給部12aの検出開始時間及び終了時間に係る情報である。
また、動作検出部13による使用者の洗浄剤を受け取ろうとする動作の検出時間に係る情報については、動作検出部13が、洗浄媒体供給部10の下方に手を差し出すなど、使用者の洗浄剤を受け取ろうとする動作を検出すると、制御部16が供給機構部12の作動制御を開始する一方で、この使用者の動作の検出時間(時刻)に係る情報を取得する仕組みに基づくものである。
また、使用者の手洗い時ごとに使用者の手洗いの状況を捉えて記録した手洗い状況記録情報は、具体的には、撮像部15で手洗いの状況を撮像して得られた画像情報である。
制御部16は、管理制御として、これら各種情報を使用者ごとに記録し蓄積した上で、記録された情報を分析し、分析結果に対応する制御情報である手洗い管理情報を取得することとなる。例えば、洗浄剤使用前に使用者が水栓からの流水で手を濡らし且つ汚れを洗い流している時間に相当すると考えられる、認証用情報入力部14aで使用者の認証用情報を受けてから動作検出部13で使用者の洗浄剤を受け取ろうとする動作を検出するまでの経過時間について、使用者ごとのこの経過時間の記録蓄積された全ての情報を踏まえた分析結果からわかる、例えば手洗いによる洗浄結果の良否と前記経過時間との関係に対応させるように、前記経過時間、すなわち、使用者が手を濡らし汚れを洗い流す手洗い準備の作業時間、を適切な値に調整する内容の制御情報を取得し、使用者の手洗い管理情報の一つとすることができる。
また、動作検出部13による使用者の洗浄剤を受け取ろうとする動作の検出時間、又は、制御部16が検出部12aでの洗浄剤供給量検出の開始状態を取得した時間と、画像情報である手洗い状況記録情報のうち、洗浄剤の手への吐出供給が終わったと認められる状態の発生時間、又は、制御部16が検出部12aでの洗浄剤供給量検出の停止状態を取得した時間、とから求められる、使用者の手への洗浄剤の供給時間について、使用者ごとのこの供給時間の記録蓄積された全ての情報を踏まえた分析結果からわかる、例えば手洗いによる洗浄結果の良否と前記供給時間との関係に対応させるように、使用者への洗浄剤の供給時間を適切な値に調整する内容の制御情報を取得し、使用者の手洗い管理情報の一つとすることができる。
また、画像情報である手洗い状況記録情報のうち、洗浄剤の手への吐出供給が終わったと認められる状態の発生時間、又は、制御部16が検出部12aでの洗浄剤供給量検出の停止状態を取得した時間と、前記画像情報のうち、手の擦り合わせを終えてすすぎ段階に至ったと認められる状態の発生時間、又は、制御部16がすすぎ用のオゾン水供給のためにオゾン水供給部19の作動を開始させた時間、とから求められる、使用者の洗浄剤を用いた手洗い行動の時間について、使用者ごとのこの手洗い行動時間の記録蓄積された全ての情報を踏まえた分析結果からわかる、例えば手洗いによる洗浄結果の良否と前記手洗い行動時間との関係に対応させるように、使用者の前記手洗い行動の時間を適切な値に調整する内容の制御情報を取得し、使用者の手洗い管理情報の一つとすることができる。
また、画像情報である手洗い状況記録情報のうち、洗浄剤付着状態において使用者のみの判断で洗浄に係る擦り合わせを実行したと認められる手の位置について、使用者ごとのこの擦り合わせ実行位置の記録蓄積された全ての情報を踏まえた分析結果からわかる、例えば手洗いによる洗浄結果の良否と前記擦り合わせ実行位置との関係に対応させるように、使用者の擦り合わせを実行すべき位置の位置情報を適切な値に調整する内容の制御情報を取得し、使用者の手洗い管理情報の一つとすることができる。そして、このような使用者の標準的な擦り合わせ位置における、擦り合わせを行った時間又は擦り合わせた回数について、使用者ごとのこの擦り合わせ時間又は回数の記録蓄積された全ての情報を踏まえた分析結果からわかる、例えば手洗いによる洗浄結果の良否と前記擦り合わせ時間又は回数との関係に対応させるように、使用者の擦り合わせを行うべき時間又は回数を適切な値に調整する内容の制御情報を取得し、使用者の手洗い管理情報の一つとすることができる。
また、画像情報である手洗い状況記録情報のうち、すすぎ段階に至ったと認められる状態の発生時間、又は、制御部16がすすぎ用のオゾン水供給のためにオゾン水供給部19の作動を開始させた時間と、前記画像情報のうち、すすぎで手に付いた洗浄剤が全て洗い流されたと認められる状態の発生時間、又は、制御部16がオゾン水供給部19の作動を停止させてすすぎ用のオゾン水供給を終了させた時間とから求められる、使用者の手のすすぎ行動の時間について、使用者ごとのこのすすぎ行動時間の記録蓄積された全ての情報を踏まえた分析結果からわかる、例えば手洗いによる洗浄結果の良否と前記すすぎ行動時間との関係に対応させるように、使用者の前記すすぎ行動の時間を適切な値に調整する内容の制御情報を取得し、使用者の手洗い管理情報の一つとすることができる。
そして、この手洗い管理情報に基づいて制御部16が行う供給機構部12や報知部17の制御としては、例えば、使用者が水栓からの流水で手を濡らし且つ汚れを洗い流す際には、使用者の手洗い管理情報における前記手洗い準備の作業時間に係る制御内容に基づいて、自動水栓から水を吐出する時間を調整制御したり、適切な時間をかけて手を十分に濡らすことや手を全体にわたりまんべんなく濡らすことを使用者に促すように、報知部17での表示や音声出力等による報知を実行させることができる。
また、洗浄媒体供給部10の動作検出部13が使用者の洗浄剤を受け取ろうとする動作を検出して、制御部16が供給機構部12を作動させて使用者の手に対し洗浄剤を吐出供給する際には、使用者の手洗い管理情報における前記洗浄剤の供給時間に係る制御内容に基づいて、制御部16は、供給機構部12を作動させる時間を調整することができる。
また、供給機構部12による洗浄剤の供給が停止して、使用者が洗浄剤の付いた手を擦り合わせて手洗いを実行する際には、この使用者の手洗い管理情報における前記手洗い行動の時間に係る制御内容に基づいて、制御部16は、洗浄剤の付いた手各部を十分な時間擦り合わせることを使用者に促すように報知部17による報知を実行させることができる。
同じく、供給機構部12による洗浄剤の供給が停止して、使用者が洗浄剤の付いた手各部を擦り合わせようとする際には、手洗い管理情報における使用者の擦り合わせを実行すべき位置に係る制御内容に基づいて、使用者の前記擦り合わせを実行すべき位置について、漏れなく擦り合わせを行うことを使用者に促すように、報知部17での報知を実行させることができる。
そして、この際、手洗い管理情報における前記擦り合わせ時間又は回数に係る制御内容に基づいて、前記擦り合わせ時間又は回数分、前記各位置での擦り合わせを行って手洗いの効果を十分なものとすることを使用者に促すように、報知部17での報知を実行させることができる。
さらに、オゾン水供給部19ですすぎのために使用者の手に対しオゾン水を供給しようとする際には、手洗い管理情報における前記すすぎ行動の時間に係る制御内容に基づいて、制御部16は、オゾン水供給部19のオゾン水供給に係る作動時間を調整することができる。
こうした制御部16の使用者ごとの手洗い管理情報に基づく制御により、手洗い時における供給機構部12による洗浄剤の供給時間や供給量、供給のタイミング、また、報知部17での報知内容や報知のタイミング、オゾン水供給部19によるオゾン水の供給時間や供給量、供給のタイミング等は、手洗いを行う使用者ごとに最適化されたものとなって、使用者ごとにそれぞれ異なるものとなり得る。
この他、制御部16は、使用者の認証制御として、あらかじめ登録された使用者の認証用情報を記録格納した上で、認証用情報入力部14aで受け付けた認証用情報を取得し、記録された登録済み使用者の認証用情報と比較照合して、認証用情報に対応する使用者があらかじめ登録された使用者であるか否かを判別するものである。制御部16が使用者をあらかじめ登録された使用者であると判別すると、この後の動作検出部13で使用者の所定動作が検出された際に、供給機構部12に洗浄剤の供給を行わせる作動制御を実行する。
この制御部16で、認証用情報入力部14aで得た情報に基づいて、使用者が未登録の使用者と判別された場合は、制御部16は、その使用者の動作が動作検出部13で検出されても、それに対応して供給機構部12を作動させることはない。
なお、一般的な自動水栓と同様に、使用者の登録の有無に関わりなく、使用者の洗浄剤を受け取ろうとする動作が検出されると洗浄剤の供給を行う構成とすることもできる。ただし、登録されていない使用者や、認証用情報を入力部で受けていない使用者の場合には、手洗い状況に関連する各種情報を記録蓄積した上で分析して手洗い管理情報を取得し、これに基づいて供給機構部等を制御する一連の処理を実行しないようにして、登録された使用者の使用時のみ手洗いの改善を図るなど、登録の有無で差別化することが望ましい。
また、手洗いで洗浄媒体供給装置を使用する使用者が、特定の使用者に限られる、例えば、使用者が洗浄媒体供給装置のある事業所内の従事者で、あらかじめ装置の使用を許可された者のみである場合には、使用者の認証制御を省略して、処理や装置構成の簡略化を図るようにしてもよい。
前記報知部17は、使用者に対し手洗いに係る所定情報を光、画像、音等として報知可能とするものである。使用者の手洗い管理情報に基づいた報知部17による報知としては、具体的には、表示画面による表示や、音声出力により、使用者に対し手洗いに係る各種行為の実行時間や実行回数、対象範囲等を使用者が修正すべき旨を、使用者に理解しやすい形で知らせるようにされる。こうした報知部17の報知により、使用者に対し適切な手洗いを促すことができる。
この他、報知部17は、LED等の発光や、短い通知音又は警告音の出力等のみ行える簡略な構成であってもよく、この場合も、使用者に手洗いに係る各種行為の実行開始又は終了のタイミングを示したり、行為の対象箇所選択の適又は不適を知らせるようにすることで、使用者を補助して手洗いを適切なものとすることができる。
また、報知部17は、手洗いに係る情報として、洗浄媒体供給部10内の収納部11における洗浄剤の残量を表示等で報知するようにすることもでき、洗浄媒体供給装置の管理者が洗浄剤の残量を容易に把握でき、適切なタイミングで洗浄剤の補充を確実に行える。特に、洗浄媒体供給部10での洗浄剤の残量が0の場合には、その洗浄媒体供給部10のある手洗い設備で使用者が手洗いを行おうとする前に、使用者が洗浄剤供給不可の状態を報知により把握でき、使用者に無駄な手洗い行動をとらせることなく、使用者を他の洗浄媒体供給部のある手洗い設備に誘導できる。
さらに、報知部17は、洗浄媒体供給装置10各部の電源として、洗浄媒体供給部10又はオゾン水生成部60に内蔵される電池を用いる場合に、この電池が電源として供給可能な電力の残量を表示等で報知するようにすることもでき、洗浄媒体供給装置の管理者が電池の状態を容易に把握でき、適切なタイミングで充電や電池交換等のメンテナンスを確実に行える。なお、報知部17は、手洗いに係る各段階でその目的に応じて、表示や音声出力等の報知を切り替えるようにしてもよく、例えば、使用者が手洗いやすすぎを行っている際は、手洗いやすすぎの実行の経過時間を示して、手洗いやすすぎを適切な所定時間継続実行する目安となるようにする一方、手洗いやすすぎ以外の状況では洗浄剤の残量や電池の残量を報知して管理を容易にすることができる。こうした報知部17の報知内容の切替を使用者の求めに応じて実行させるために、使用者が操作可能な切替スイッチを設けるようにしてもよい。
前記オゾン水供給部19は、使用者の手洗い時にオゾン水を供給可能とするものである。具体的には、オゾン水供給部19は、洗浄媒体供給部10の筐体10aの外側に配設され、オゾン水の流通可能な管路を介してオゾン水生成部60と接続されて、供給機構部12が洗浄剤を供給した後に、オゾン水生成部60で発生させたオゾン水の供給を、制御部16の手洗い管理情報に基づく制御下で実行するものである。
オゾン水供給部19によるオゾン水の供給は、例えば、供給機構部12が洗浄剤を供給してから、手洗い管理情報に基づいて設定される所定時間経過の後にオゾン水の供給を行うようにしたり、手洗い管理情報に基づいて設定される所定量のオゾン水を供給したり、手洗い管理情報に基づいて設定される所定時間にわたってオゾン水を供給する、といった形で行われる。
この他、使用者が洗浄剤を手に付ける前に、通常水栓からの水で手全体を濡らすと共に汚れを洗い流す行動に置き換わるものとして、供給機構部12による洗浄剤供給前の所定タイミングでオゾン水供給部19にオゾン水を吐出供給させ、オゾン水の流水で手全体を濡らすと共に汚れを洗い流せるようにすることもでき、オゾン水により手の清浄性を高めた状態で、使用者に洗浄剤を用いた本格的な手洗いを行わせることができる。
次に、本実施形態に係る洗浄媒体供給装置の使用を伴う手洗いについて説明する。前提として、洗浄媒体供給部10は、手洗器に設置され、電源として内蔵された電池又は接続された商用電源の電源供給能力に問題はなく、制御部16による制御の下で必要に応じて供給機構部12を作動させて洗浄剤を収納部11から送り出し、使用者が受け取れるようにすることが可能な状態にあるものとする。
また、制御部16には、洗浄媒体供給装置1を使用可能な使用者があらかじめ登録され、且つ、その時点までの使用者の手洗い状況に関する情報が記録蓄積されているものとする。
手を洗おうとする使用者は、まず、手洗い設備としての手洗器110に設置された洗浄媒体供給部10の認証用情報入力部14aに使用者の認証用情報としての指紋等を読み取らせて入力する。
洗浄媒体供給部10では、認証用情報入力部14aに入力された情報から、制御部16が、使用者をこの洗浄媒体供給部10から洗浄剤を受け取って使用可能な使用者としてあらかじめ登録された者であると判別すると、必要に応じて登録された使用者であることを報知部17での表示等で使用者に報知した上で、使用者の洗浄剤を手で受け取ろうとする動作を待つ状態に移行する。ここで、使用者があらかじめ登録された使用者ではないと判別された場合は、そのまま認証用情報入力部14aに登録された使用者の認証用情報の入力が行われるのを待つ状態が継続し、仮に使用者により洗浄剤を受け取ろうとする所定動作がなされても、制御部16が供給機構部12を作動させないことから、供給機構部12は収納部11からの洗浄剤の送出を行うことはなく、使用者は洗浄剤を受け取ることはできない。
また、制御部16は、認証用情報に対応する使用者があらかじめ登録された使用者であると判別した場合には、この使用者について、使用者の手洗い状況に関連する所定の情報を記録して、使用者ごとの情報を更新しつつ、この記録蓄積された使用者に関連する各種情報を分析して手洗い管理情報を取得する。
あらかじめ登録された使用者であると認定され、洗浄剤を受け取り可能となった使用者は、洗浄剤の受け取りに先立ち、洗浄媒体供給部10の設けられた手洗器110で、別途設けられた水栓111を操作して水を吐出させ、生じた流水で手を軽く洗い、手を十分に濡らすと共に水で落ちる汚れを落とす。
こうして使用者が水栓からの流水で手を濡らし且つ汚れを洗い流す際には、取得した手洗い管理情報における、前記手洗い準備の作業時間に係る制御内容に基づいて、制御部16は、水栓が自動水栓の場合には水栓から水を吐出する時間を調整制御したり、手を十分な時間濡らすことや手を全体にわたりまんべんなく濡らすことを使用者に促す内容の表示や音声出力等による報知を報知部17に実行させる。
水栓からの流水で手を濡らした使用者は、洗浄剤を受け取るために、洗浄媒体供給部10の下方の空間へ手を差し出し、吐出口10bから送出される洗浄剤を手で受け取れるようにする。こうして手を洗浄媒体供給部10の下方まで動かすと、手の存在を動作検出部13が感知して、使用者の洗浄剤を受け取ろうとする動作として検出される。そして、この動作検出部13での動作検出により、制御部16は供給機構部12の作動制御を開始すると共に、前記動作の検出された時間を手洗い状況に関連する情報として取得し、記録する。この時、撮像部15による撮像も開始され、制御部16は、撮像部15の撮像で得られる手洗い状況記録情報である画像情報を取得し、これも手洗い状況に関連する情報として記録する。
使用者の動作が検出されたことを受けて、制御部16は、供給機構部12を作動状態とする。供給機構部12は収納部11から洗浄剤を吸い込んで吐出口10bへ向けて送り出し、吐出口10bから使用者の手の方へ吐出供給する。
こうして洗浄剤を手に対し供給する際には、制御部16は、手洗い管理情報における、前記手各部への供給時間に係る制御内容に基づいて、供給機構部12を作動させて洗浄剤の吐出供給を行わせることとなる。また、供給に合わせて、制御部16は、報知部17に対し、手に付いた洗浄剤を、使用者がその手で手全体にまんべんなく付着するよう広げることを促す内容の表示や音声出力等による報知を実行させることもできる。
制御部16は、使用者の手の洗浄に必要な量としてあらかじめ設定された量に相当する量が手の方へ送り出されるように、検出部12aで検出される洗浄剤の供給量に係る情報を取得参照しつつ、供給機構部12を作動させて使用者への洗浄剤の供給を継続させる。
吐出口10bから使用者の手の上に達するように吐出された洗浄剤50は、使用者による両手の擦り合わせで必要に応じて泡立てられながら手各部に広げられ、手の各部に付着した状態となる。使用者は、報知部17による報知がされた場合はその報知内容も考慮しつつ、洗浄剤を手全体に広げるように手を動かしていく(図5参照)。
洗浄剤が洗浄媒体供給部10の吐出口10bから吐出され、手に達した洗浄剤が手の各部に広げられる状況は、撮像部15で撮像されており、この撮像部15の撮像で得られた画像情報が制御部16で記録され、新たに手洗い管理情報を得るための分析対象となる。
制御部16は、あらかじめ設定された供給時間、又は、手洗い管理情報に基づいて調整された供給時間にわたって洗浄剤が送り出されると、供給機構部12の作動を停止させ、洗浄剤の供給を止める。
こうして供給機構部12による洗浄剤の供給が停止して、使用者が洗浄剤の付いた手を擦り合わせて手洗いを開始する際には、制御部16は、手洗い管理情報における前記手洗い行動の時間に係る制御内容に基づいて、洗浄剤の付いた手各部を十分な時間擦り合わせることを使用者に促す内容の表示や音声出力等による報知を、報知部17に実行させる。
また、この場合の手各部の擦り合わせの際、手洗い管理情報における、使用者の前記擦り合わせを行うべき位置に係る制御内容に基づいて、制御部16は、使用者の前記擦り合わせを行うべき各位置について、漏れなく擦り合わせを行うことを使用者に促す内容の表示や音声出力等による報知を報知部17に実行させる。
加えて、同じく手洗い管理情報における前記擦り合わせ時間又は回数に係る制御内容に基づいて、各位置で前記擦り合わせ時間又は回数分擦り合わせを続けるように、制御部16はさらに、前記各位置での擦り合わされる時間や回数を十分なものとすることを使用者に促す内容の表示や音声出力等による報知も、報知部17に実行させる。
使用者は、報知部17による報知がされた場合はその報知内容も考慮しつつ、洗浄剤がまんべんなく付着した両手の各部を擦り合わせて手各部に洗浄剤をすり込み、手に付着した菌やウィルスを洗浄する手洗いを実行する。
この使用者が洗浄剤の付いた両手を擦り合わせて手洗いを行う状況についても、撮像部15で撮像されており、この撮像部15の撮像で得られた画像情報が前記同様制御部16で取得される。制御部16は、得られた画像情報についても、これを記録し、新たに手洗い管理情報を得るための分析対象とする。
制御部16は、洗浄剤の供給停止からあらかじめ設定された所定時間、又は、手洗い管理情報に基づいて調整された所定時間の経過後、オゾン水によるすすぎ段階へ移行する。
洗浄剤を用いた手洗いが十分になされた後のすすぎ段階では、制御部16は、オゾン水供給部19を作動状態とし、オゾン水生成部60で生成されたオゾン水をオゾン水供給部19から使用者の手へ吐出供給する。
このオゾン水供給にあたり、制御部16は、手洗い管理情報における前記すすぎ行動の時間に係る制御内容に基づいて、オゾン水供給部19のオゾン水供給に係る作動制御を行う。また、必要に応じて、制御部16は、すすぎ用のオゾン水を手全体に到達させてオゾン水を洗い流すことを使用者に促す内容の表示や音声出力等による報知を報知部17に実行させる。
使用者は、報知部17による報知がされた場合はその報知内容も考慮しつつ、オゾン水が手全体に達して洗浄剤を流し落とすように手を動かしていく。
オゾン水がオゾン水供給部19から吐出され、手の各部に付いた洗浄剤がオゾン水で洗い流されて除去される状況についても、撮像部15で撮像されており、ここで得られた画像情報も前記同様制御部16で記録され、新たに手洗い管理情報を得るための分析対象となる。
制御部16は、あらかじめ設定された供給時間、又は、手洗い管理情報に基づいて調整された供給時間にわたってオゾン水が送り出されると、すすぎ完了としてオゾン水供給部19の作動を停止させ、オゾン水の供給を止める。この時、撮像部15の撮像による手洗い状況記録情報としての画像情報の取得も停止される。また、これに合わせて、制御部16は、使用者の手洗い状況に関連する所定の情報としての画像情報の記録を停止して、一回の手洗いの全過程の終了を認識して、終了時間を記録する。
オゾン水供給部19からのオゾン水の供給が終了すると、手洗いは完了となり、使用者は濡れた手をタオル等で拭いたり、空気噴出型の乾燥装置で空気を手に当てるようにして、手を乾燥状態とすればよい。
このように、本実施形態に係る洗浄媒体供給装置は、認証用情報入力部14aで受け入れた使用者の認証用情報に基づいて、使用者をあらかじめ登録された使用者であると認めると、使用者に対し洗浄剤を供給可能とすると共に、手洗いに際して供給される洗浄剤を使用者が手で受け取れるように手を動かした場合に、使用者の手の動作を動作検出部13で検出可能とし、この動作の検出に基づいて、制御部16が供給機構部12に洗浄剤を供給させ、使用者に洗浄剤を用いた手洗いを行わせる中で、使用者の手洗い状況に関連する所定の情報を制御部16に記録し、この使用者の手洗い状況に関連する所定の情報を分析して得られる分析結果について、これに対応する制御情報を制御部16が手洗い管理情報として取得し、この手洗い管理情報に基づいて、洗浄剤の供給や手洗いに係る情報の報知を制御して、使用者が洗浄剤を用いた手洗いを行う際の、使用者に与えられる手洗いの条件や、使用者の手洗いに係る行動を変化させられることから、手洗い状況に関連する所定の情報の分析結果にあらわれる使用者の手洗いの状態、例えば、手洗いによる洗浄結果、に対応させて、この手洗いの状態がより改善されるように洗浄剤供給の調整や使用者への働きかけを行うことができ、使用者ごとの適切な手洗いを促して、使用者の手洗いの質の向上が図れる。
また、使用者の手洗い状況に関連する所定の情報として、使用者の手洗い時における装置の状態変化が生じた時間や回数、変化量に係る情報や、使用者の手洗いの状況を捉えた手洗い状況記録情報等、使用者の手洗いの特徴があらわれる情報を用いるようにして、分析結果に示される使用者の手洗い状態が、使用者の手洗いに共通する特徴的な行動やそれに対応する装置の作動状態を特に反映したものとなることから、分析結果に対応する手洗い管理情報に基づいて、使用者の手洗いの特徴に合った精度の高い制御を行えることとなり、使用者の手洗いにおける改善すべき点に正しく対策を施した状態で使用者に手洗いを行わせることができ、使用者の手洗いの質のさらなる向上に繋げられる。
なお、前記実施形態に係る洗浄媒体供給装置においては、手洗い管理情報を分析取得するための、使用者の手洗い状況に関連する情報の要部をなす手洗い状況記録情報として、撮像部15で使用者の手洗いの状況を撮像して得られた画像情報を用いる構成としているが、これに限らず、使用者の手洗い時に併用されるブラシ等の洗浄用器具にモーションセンサを配設し、このモーションセンサで得られる、洗浄用器具の動きに係る情報を、使用者の手洗い状況記録情報として用いる構成とすることもできる。
この場合、手洗い中の洗浄用器具の動きをモーションセンサが捉え、得られた動きの情報を手洗い状況記録情報として用い、これを記録蓄積した上で分析し、その分析結果に対応する手洗い管理情報に基づいて制御部16が供給機構部12や報知部17等の制御を行うこととなる。これにより、手洗いに係る使用者の手の動きを容易且つ明確に把握して分析が行え、使用者ごとの手洗いに係る各行動の特徴を正しく反映させた手洗い管理情報が得られ、この手洗い管理情報に基づく制御で手洗いの適切な改善が図れ、手洗いの質のさらなる向上に繋げられる。
また、前記実施形態に係る洗浄媒体供給装置においては、オゾン水を発生させるオゾン水生成部60を設けると共に、手洗器110上の洗浄媒体供給部10にオゾン水生成部60と接続されたオゾン水供給部19を配設して、オゾン水供給部19からオゾン水を供給可能な構成としているが、これに限らず、オゾン水以外の洗浄能力の高い水、例えば、次亜塩素酸水(酸性電解水)など、を生成して供給する構成とすることもできる。
また、前記実施形態に係る洗浄媒体供給装置において、使用者の手洗い管理情報を導くための使用者の手洗い状況に関連する情報として、使用者の手洗いの状況を撮像した撮像部15からの画像情報を、制御部16で使用者ごとに記録蓄積した上で分析するようにしているが、この他、撮像部15からの画像情報を、使用者の手洗い中にその手洗いで生じた事象に係る情報として、制御部16で直接所定の基準情報と比較分析して、手洗い結果を良好にするための制御情報を導き、これを手洗い管理情報の一つとすることもでき、使用者の手洗いにおける改善すべき点の発生のつど、それに対応した制御で、適切な改善を伴う手洗いを使用者に直ちに実行させられ、使用者の手洗いの質をさらに向上させられる。
また、前記実施形態に係る洗浄媒体供給装置において、制御部16は、使用者の手洗い状況に関連する所定の情報としての各種情報、例えば、撮像部15で使用者の手洗いの状況を撮像して得られた画像情報を受け取り、受け取った情報を使用者ごとに記録し蓄積した上で、こうして記録蓄積された情報を分析し、分析結果を得るようにしているが、この分析結果にあらわれる使用者の手洗い状態、例えば、手洗いによる洗浄の結果の良否について、より精度の高い結果が得られるように、使用者の前記手洗い状況に関連する所定の情報として、手洗いによる実際の洗浄結果を含む情報を取得することもできる。
具体例としては、紫外線を照射すると周りと区別可能となる発色剤や蛍光(発光)剤を汚れに見立てて手に付着させた状態で、使用者に洗浄剤を用いた手洗いを行わせ、使用者がすすぎまで行って手洗いを完了させたら、使用者の手に紫外線を照射して発色剤等の除去具合を確認する、といった一連の過程を、撮像部15で全て撮像して画像情報を取得し、手洗いによる実際の洗浄結果が示された事例として記録する。
これにより、使用者の手洗い状況に関連する各種情報と実際の洗浄結果との関わりが明確となり、分析結果の精度を高められ、分析結果に対応した手洗い管理情報に基づく作動制御で使用者の手洗いをよりよいものとすることができる。
この他、手洗いの後に手に付ける保湿クリームなどの塗布剤に、これを撮像可能とする所定成分、例えば、着色成分や、可視光と異なる波長の光を当てると他と区別可能となる発色成分又は蛍光(発光)成分等を添加し、塗布剤を付けた後での手洗いの際に、手を撮像して得られた画像情報から、手洗いで除去される塗布剤の除去具合を判別可能とした上で、使用者が手洗いを開始してから、使用者がすすぎを終えた手洗い完了後の、使用者の手における塗布剤の除去具合を確認するところまで、撮像部での撮像を行って画像情報を記録するようにしてもよい。
(本発明の第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る洗浄媒体供給装置を前記図6ないし図8に基づいて説明する。
前記各図において本実施形態に係る洗浄媒体供給装置は、前記第1の実施形態同様、洗浄媒体供給部20と、オゾン水生成部60とを備える一方、異なる点として、洗浄媒体供給部20における制御部26が供給機構部22の作動制御を主に行うようにされ、この洗浄媒体供給部20に対し、ネットワーク100を介してデータ送受信可能とされ、洗浄媒体供給部20を使用する使用者ごとに手洗いを管理する管理制御を実行する管理部90を別途備える構成を有するものである。
なお、前記オゾン水生成部60は、前記第1の実施形態同様、洗浄媒体供給部20を設けた手洗器110の近傍に配設され、オゾン水の流通する管路を介して洗浄媒体供給部20と接続され、オゾン水を発生させると共に、前記管路を通じて洗浄媒体供給部20にオゾン水を送り出すものであり、詳細な説明を省略する。
本実施形態における洗浄媒体供給部20は、前記第1の実施形態同様、収納部21と、供給機構部22と、動作検出部23と、認証用情報入力部24aと、撮像部25と、制御部26と、報知部27と、オゾン水供給部29とを備える一方、異なる点として、使用者の洗浄媒体供給部20の使用に関連する各種情報を外部の管理部90とネットワーク100を介してやり取り可能な通信部28をさらに備える構成を有するものである。
この洗浄媒体供給部20は、前記第1の実施形態と同様に、最外部の筐体20a内に、前記収納部21、供給機構部22、動作検出部23、入力部をなす認証用情報入力部24a及び撮像部25、制御部26、並びに報知部27を収めると共に、筐体外側にオゾン水供給部29を設けた構成とされ、その下側には、使用者が手を差し入れて洗浄剤を受けられる程度の大きさの空間が存在しており、この空間に使用者が手を差し出すと、洗浄剤が筐体20a下部の吐出口20bを経て使用者の手の上に達し、使用者の手洗いに供される仕組みとなっている。
この洗浄媒体供給部20における収納部21、供給機構部22、動作検出部23、認証用情報入力部24a、撮像部25、報知部27、及びオゾン水供給部29については、いずれも前記第1の実施形態と同様のものであり、詳細な説明を省略する。
前記制御部26は、前記第1の実施形態同様、供給機構部22の洗浄剤供給に係る作動制御として、あらかじめ登録された使用者であると認められた使用者に対し、動作検出部23で使用者の洗浄剤を手で受けようとする所定動作が検出されると、供給機構部22に洗浄剤の供給を行わせる構成とされる一方、異なる点として、使用者ごとに手洗いを管理する前記管理制御や、使用者の認証を行う前記認証制御を行わず、これらの制御を制御部26に代わって行う管理部90での制御結果を利用可能とされる構成を有するものである。
すなわち、制御部26は、前記第1の実施形態同様、使用者の手洗い時ごとに、使用者ごとの手洗い管理情報に基づいて、供給機構部22や報知部27の制御を行ったり、供給機構部22が洗浄剤を供給した後に、使用者の手洗い管理情報に基づいて、オゾン水供給部29にオゾン水の供給を行わせる制御を実行するが、手洗い管理情報は前記管理部90から取得したものを用いることとなる。
なお、制御部26のハードウェア構成は、前記第1の実施形態と同様のものであり、詳細な説明を省略する。
前記通信部28は、洗浄媒体供給部20内で、認証用情報入力部24a、撮像部25、制御部26、オゾン水供給部29、及び、洗浄剤の流路に設けられる洗浄剤供給量検出用の検出部22aとそれぞれ電気的に接続されて、認証用情報入力部24aで取得された使用者の認証用情報や、撮像部25による撮像で取得された画像情報、動作検出部23での使用者の洗浄剤を受け取ろうとする所定動作の検出時間に係る情報、洗浄剤流路の検出部22aで検出された洗浄剤の量に係る情報等を受け取り可能とされてなり、必要に応じてネットワーク100に接続され、受け取った各種情報を管理部90に向けて送信する一方、使用者の認証結果に係る情報や使用者ごとの手洗い管理情報を受信して制御部26にわたすものである。
通信部28は、有線又は無線でLANやIP通信網等と接続し、これらを通じてネットワーク100に接続され、管理部90との間で情報を送受信する仕組みである。通信部28をネットワークに接続する場合、その通信は、有線接続によるものの他、例えばIEEE 802.11シリーズやIEEE 802.15シリーズの規格方式等による無線通信や、いわゆるLPWANとされる各方式による省電力型の無線通信として行うことができる。
この他、通信部28は、洗浄媒体供給部20を使用する使用者により用いられるスマートフォン等の所定の通信端末と近距離通信を行い、この通信端末を介して管理部90との通信を行うようにすることもできる。この場合、通信部28は、洗浄媒体供給部20の所定距離以内に近付いた通信端末との通信を可能にするものとされて、この通信端末と通信可能な状態にある間、各情報を通信端末を介して送受信することとなる。こうした通信部28と通信端末との通信は、ISO/IEC 18092等の規格方式による近距離無線通信や、例えばIEEE 802.11シリーズやIEEE 802.15シリーズの規格方式等による無線通信として行われる。
なお、通信端末は、管理部90から送信される手洗い管理情報を受信した際に、報知部27での報知内容に係る情報が含まれる場合、報知部27に代わって使用者にそうした情報を報知することもできる。
前記管理部90は、所定のネットワーク100に接続され、使用者ごとに手洗いを管理する管理制御として、洗浄媒体供給部20の通信部28を通じて送られる、使用者の手洗い状況に関連する各種情報をネットワーク100を通じて受け取り、情報を記録し蓄積した上で、情報の分析を行い、その分析結果に対応する制御情報を使用者ごとの手洗い管理情報として取得するものである。
管理部90は、前記管理制御として、まず、洗浄媒体供給部20の通信部28を通じて送られる、使用者の手洗い状況に関連する所定の情報としての各種情報、例えば、認証用情報入力部24aで使用者の認証用情報を受けた時間に係る情報、供給機構部22による使用者への洗浄剤の供給に係る情報、動作検出部23による使用者の洗浄剤を受け取ろうとする動作の検出時間や検出回数に係る情報、又は、使用者の手洗い時ごとに使用者の手洗いの状況を捉えて記録した手洗い状況記録情報、などをネットワークを通じて受け取り、受け取った情報を使用者ごとに記録し蓄積する。管理部90は、こうして蓄積された情報を分析して、使用者の手洗い状態をあらわす分析結果を導いた上で、この分析結果に対応する制御情報を取得し、これを使用者ごとの手洗い管理情報とする。例えば、管理部90は、分析結果にあらわれた使用者の手洗い状態、具体的には、手洗いによる洗浄の結果が良好か、不良であるかなど、の情報から、これに対応する制御(良好な結果を確保する手洗いや不良な結果を改善する手洗いに係る制御)を行うための情報を取得し、この制御情報を手洗い管理情報とすることができる。そして、管理部90は、こうした使用者ごとの手洗い管理情報をその使用者の使用している洗浄媒体供給部20に送信可能としている。
管理部90が受け取る洗浄媒体供給部20からの各種情報のうち、供給機構部22による使用者への洗浄剤の供給に係る情報は、検出部22aで検出可能な、供給機構部22により供給される洗浄剤の量(供給量)や、制御部26で取得される供給部22aの検出開始時間及び終了時間に係る情報である。
また、動作検出部23による使用者の洗浄剤を受け取ろうとする動作の検出時間に係る情報については、動作検出部23が、洗浄媒体供給部20の下方に手を差し出すなど、使用者の洗浄剤を受け取ろうとする動作を検出すると、制御部26が供給機構部22の作動制御を開始する一方でこの使用者の動作の検出時間(時刻)を取得し、この検出時間に係る情報が、制御部26から管理部90に向けて送られる仕組みに基づくものである。
また、使用者の手洗い時ごとに使用者の手洗いの状況を捉えて記録した手洗い状況記録情報は、具体的には、撮像部25で手洗いの状況を撮像して得られた画像情報である。
管理部90は、これら洗浄媒体供給部20から送られる各種情報を使用者ごとに記録し蓄積した上で、記録された情報を分析し、分析結果に対応する制御情報である手洗い管理情報を取得することとなる。例えば、洗浄剤使用前に使用者が水栓からの流水で手を濡らし且つ汚れを洗い流している時間に相当すると考えられる、認証用情報入力部24aで使用者の認証用情報を受けてから動作検出部23で使用者の洗浄剤を受け取ろうとする動作を検出するまでの経過時間について、使用者ごとのこの経過時間の記録蓄積された全ての情報を踏まえた分析結果からわかる、例えば手洗いによる洗浄結果の良否と前記経過時間との関係に対応させるように、前記経過時間、すなわち、使用者が手を濡らし汚れを洗い流す手洗い準備の作業時間、を適切な値に調整する内容の制御情報を取得し、使用者の手洗い管理情報の一つとすることができる。
また、動作検出部23による使用者の洗浄剤を受け取ろうとする動作の検出時間について、記録蓄積された情報を統計処理して、習慣として繰り返し行われている手洗い機会を見出し、その時間(時刻)を使用者の標準的な手洗い実行時間として取得することもできる。この他、管理部90は、前記動作の検出時間に係る情報を受信し記録した件数のカウントを行って、使用者の前記動作の検出回数、すなわち、使用者が洗浄媒体供給部20を使用して手洗いを行った回数を取得することもできる。
また、管理部90は、動作検出部23による使用者の洗浄剤を受け取ろうとする動作の検出時間、又は、制御部26が検出部22aでの洗浄剤供給量検出の開始状態を取得した時間と、画像情報である手洗い状況記録情報のうち、洗浄剤の手への吐出供給が終わったと認められる状態の発生時間、又は、制御部26が検出部22aでの洗浄剤供給量検出の停止状態を取得した時間、とから求められる、使用者の手への洗浄剤の供給時間について、使用者ごとのこの供給時間の記録蓄積された全ての情報を踏まえた分析結果からわかる、例えば手洗いによる洗浄結果の良否と前記供給時間との関係に対応させるように、使用者への洗浄剤の供給時間を適切な値に調整する内容の制御情報を取得し、使用者の手洗い管理情報の一つとすることができる。
また、画像情報である手洗い状況記録情報のうち、洗浄剤の手への吐出供給が終わったと認められる状態の発生時間、又は、制御部26が検出部22aでの洗浄剤供給量検出の停止状態を取得した時間と、前記画像情報のうち、手の擦り合わせを終えてすすぎ段階に至ったと認められる状態の発生時間、又は、制御部26がすすぎ用のオゾン水供給のためにオゾン水供給部29の作動を開始させた時間、とから求められる、使用者の洗浄剤を用いた手洗い行動の時間について、使用者ごとのこの手洗い行動時間の記録蓄積された全ての情報を踏まえた分析結果からわかる、例えば手洗いによる洗浄結果の良否と前記手洗い行動時間との関係に対応させるように、使用者の前記手洗い行動の時間を適切な値に調整する内容の制御情報を取得し、使用者の手洗い管理情報の一つとすることができる。
また、管理部90は、画像情報である手洗い状況記録情報のうち、洗浄剤付着状態において使用者のみの判断で洗浄に係る擦り合わせを実行したと認められる手の位置について、使用者ごとのこの擦り合わせ実行位置の記録蓄積された全ての情報を踏まえた分析結果からわかる、例えば手洗いによる洗浄結果の良否と前記擦り合わせ実行位置との関係に対応させるように、使用者の擦り合わせを実行すべき位置の位置情報を適切な値に調整する内容の制御情報を取得し、使用者の手洗い管理情報の一つとすることができる。そして、このような使用者の標準的な擦り合わせ位置における、擦り合わせを行った時間又は擦り合わせた回数について、使用者ごとのこの擦り合わせ時間又は回数の記録蓄積された全ての情報を踏まえた分析結果からわかる、例えば手洗いによる洗浄結果の良否と前記擦り合わせ時間又は回数との関係に対応させるように、使用者の擦り合わせを行うべき時間又は回数を適切な値に調整する内容の制御情報を取得し、使用者の手洗い管理情報の一つとすることができる。
また、画像情報である手洗い状況記録情報のうち、すすぎ段階に至ったと認められる状態の発生時間、又は、制御部26がすすぎ用のオゾン水供給のためにオゾン水供給部29の作動を開始させた時間と、前記画像情報のうち、すすぎで手に付いた洗浄剤が全て洗い流されたと認められる状態の発生時間、又は、制御部26がオゾン水供給部29の作動を停止させてすすぎ用のオゾン水供給を終了させた時間とから求められる、使用者の手のすすぎ行動の時間について、使用者ごとのこのすすぎ行動時間の記録蓄積された全ての情報を踏まえた分析結果からわかる、例えば手洗いによる洗浄結果の良否と前記すすぎ行動時間との関係に対応させるように、使用者の前記すすぎ行動の時間を適切な値に調整する内容の制御情報を取得し、使用者の手洗い管理情報の一つとすることができる。
管理部90は、上記の各例示のように取得した制御情報である手洗い管理情報を、対応する使用者が使用している、すなわち、使用者の認証用情報を受け入れた、洗浄媒体供給装置の制御部26へ送ることとなる。
そして、この手洗い管理情報に基づいて制御部26が行う供給機構部22や報知部27の制御としては、例えば、使用者が水栓からの流水で手を濡らし且つ汚れを洗い流す際には、使用者の手洗い管理情報における前記手洗い準備の作業時間に係る制御内容に基づいて、自動水栓から水を吐出する時間を調整制御したり、適切な時間をかけて手を十分に濡らすことや手を全体にわたりまんべんなく濡らすことを使用者に促すように、報知部27での表示や音声出力等による報知を実行させることができる。
また、使用者が洗浄剤を受け取ろうとして洗浄媒体供給部20の下方に手を差し出す動作を行った際に、手洗い管理情報における使用者の標準的な手洗い実行時間が、他の使用者としての、同じ事業所の従業者における標準的な手洗い実行時間(例えば、事業所における従業者の出退勤時や昼休み前後の時間)と大きくずれている場合や、手洗い管理情報における使用者の手洗いを行った回数が、同じ事業所の従業者における手洗い回数より少ない場合には、通常の手洗いルールに従っていない使用者とみなして、特に洗浄剤を適切に手に付けて手各部を十分に擦り合わせる丁寧な手洗いを実行することを使用者に促すように、報知部27での表示や音声出力等による報知を実行させることができる。
また、洗浄媒体供給部20の動作検出部23が使用者の洗浄剤を受け取ろうとする動作を検出して、制御部26が供給機構部22を作動させて使用者の手に対し洗浄剤を吐出供給する際には、使用者の手洗い管理情報における前記洗浄剤の供給時間に係る制御内容に基づいて、制御部26は、供給機構部22を作動させる時間を調整することができる。
また、洗浄媒体供給部20の供給機構部22による洗浄剤の供給が停止して、使用者が洗浄剤の付いた手を擦り合わせて手洗いを実行する際には、この使用者の手洗い管理情報における前記手洗い行動の時間に係る制御内容に基づいて、制御部26は、洗浄剤の付いた手各部を十分な時間擦り合わせることを使用者に促すように報知部27による報知を実行させることができる。
同じく、洗浄媒体供給部20の供給機構部22による洗浄剤の供給が停止して、使用者が洗浄剤の付いた手各部を擦り合わせようとする際には、手洗い管理情報における使用者の擦り合わせを実行すべき位置に係る制御内容に基づいて、使用者の前記擦り合わせを実行すべき位置について、漏れなく擦り合わせを行うことを使用者に促すように、報知部27での報知を実行させることができる。
そして、この際、手洗い管理情報における前記擦り合わせ時間又は回数に係る制御内容に基づいて、前記擦り合わせ時間又は回数分、前記各位置での擦り合わせを行って手洗いの効果を十分なものとすることを使用者に促すように、報知部27での報知を実行させることができる。
さらに、洗浄媒体供給部20のオゾン水供給部29ですすぎのために使用者の手に対しオゾン水を供給しようとする際には、手洗い管理情報における前記すすぎ行動の時間に係る制御内容に基づいて、制御部26は、オゾン水供給部29のオゾン水供給に係る作動時間を調整することができる。
こうした制御部26の使用者ごとの手洗い管理情報に基づく制御により、手洗い時における供給機構部22による洗浄剤の供給時間や供給量、供給のタイミング、また、報知部27での報知内容や報知のタイミング、オゾン水供給部29によるオゾン水の供給時間や供給量、供給のタイミング等は、手洗いを行う使用者ごとに最適化されたものとなって、使用者ごとにそれぞれ異なるものとなり得る。
この他、管理部90は、手洗い設備の洗浄媒体供給装置を使用可能な使用者としてあらかじめ登録された使用者について、使用者ごとにその認証用情報を記録格納している。そして、管理部90は、使用者の認証制御として、認証用情報入力部24aで受け付けた認証用情報をネットワーク100を通じて取得し、記録された登録済み使用者の認証用情報と比較照合して、認証用情報に対応する使用者があらかじめ登録された使用者であるか否かを判別し、その判別結果を含む情報を、通信部28を介して制御部26に送る。この情報を受けた制御部26は、認証用情報入力部24aで受け付けた認証用情報に対応する使用者があらかじめ登録された使用者であると判別されている場合、この使用者の洗浄剤を手で受けようとする所定動作が動作検出部23で検出された際に、供給機構部22に洗浄剤の供給を行わせる作動制御を実行することとなる。
次に、本実施形態に係る洗浄媒体供給装置の使用を伴う手洗いについて説明する。前提として、洗浄媒体供給部20は、前記第1の実施形態同様、手洗器に設置され、電源として内蔵された電池又は接続された商用電源の電源供給能力に問題はなく、制御部26による制御の下で必要に応じて供給機構部22を作動させて洗浄剤を収納部21から送り出し、使用者に対し供給可能な状態にあるものとする。
また、洗浄媒体供給部20の通信部28と情報をやり取りする管理部90には、洗浄媒体供給装置を使用可能な使用者があらかじめ登録され、また、その時点までの使用者の手洗い状況に関連する各種情報が記録蓄積されているものとする。さらに、洗浄媒体供給部20の通信部28は、管理部90から送られる手洗い管理情報を受信して、この情報を制御部26で取得できる状態としているものとする。
手を洗おうとする使用者は、前記第1の実施形態と同様に、まず、手洗い設備としての手洗器110に設置された洗浄媒体供給部20の認証用情報入力部24aに使用者の認証用情報としての指紋等を読み取らせて入力する。
洗浄媒体供給部20の認証用情報入力部24aに入力された使用者の認証用情報は、その入力された時間(時刻)の情報と共に、通信部28からネットワーク100を通じて管理部90に送信される。
管理部90は、使用者の認証用情報を受信して取得すると、使用者の認証制御として、この取得した認証用情報を、管理部90に記録格納されている登録済み使用者の認証用情報と比較照合し、認証用情報に対応する使用者があらかじめ登録された使用者であるか否かの判別を行う。そして、管理部90は、この判別結果を含む情報を、ネットワーク100を通じて通信部28に送信する。また、管理部90は、認証用情報に対応する使用者があらかじめ登録された使用者であると判別した場合には、この使用者について、通信部28から送られる各種情報を受信し記録して、使用者ごとの情報を更新しつつ、この記録蓄積された使用者に関連する各種情報を分析し、分析結果に対応する手洗い管理情報を導き、この手洗い管理情報をネットワーク100を通じて通信部28に送信する。
制御部26は、通信部28で受信された手洗い管理情報と前記判別結果を含む情報を取得し、このうち判別結果を含む情報において、認証用情報入力部24aで受け取った認証用情報に対応する使用者があらかじめ登録された使用者であると判別されている場合には、必要に応じて登録された使用者であることを報知部27での表示等で使用者に報知した上で、使用者の洗浄剤を手で受け取ろうとする動作を待つ状態に移行する。また、制御部26は、取得した手洗い管理情報に基づいて供給機構部22と報知部27の制御を行える状態となる。
一方、制御部26は、前記判別結果を含む情報において、認証用情報に対応する使用者があらかじめ登録された使用者ではないと判別されている場合には、そのまま認証用情報入力部24aに登録された使用者の認証用情報の入力が行われるのを待つ状態が継続し、仮に使用者により洗浄剤を受け取ろうとする所定動作がなされても、制御部26が供給機構部22を作動させないことから、供給機構部22は収納部21からの洗浄剤の送出を行うことはなく、使用者は洗浄剤を入手することはできない。
あらかじめ登録された使用者であると認定され、洗浄剤を入手可能となった使用者は、洗浄剤の入手に先立ち、洗浄媒体供給部20の設けられた手洗器110で、別途設けられた水栓を操作して水を吐出させ、生じた流水で手を軽く洗い、手を十分に濡らすと共に水で落ちる汚れを落とす。
こうして使用者が水栓からの流水で手を濡らし且つ汚れを洗い流す際には、取得した手洗い管理情報における、前記手洗い準備の作業時間に係る制御内容に基づいて、制御部26は、水栓が自動水栓の場合には水栓から水を吐出する時間を調整制御したり、手を十分な時間濡らすことや手を全体にわたりまんべんなく濡らすことを使用者に促す内容の表示や音声出力等による報知を報知部27に実行させる。
水栓からの流水で手を濡らした使用者は、洗浄剤を受け取るために、洗浄媒体供給部20の下方の空間へ手を差し出し、吐出口20bから送出される洗浄剤を手で受け取れるようにする。こうして使用者が手を洗浄媒体供給部20の下方まで動かすと、手の存在を動作検出部23が検知して、使用者の洗浄剤を受け取ろうとする動作として検出する。そして、この動作検出部23での動作検出により、制御部26は供給機構部22の作動制御を開始すると共に、前記動作を検出した時間を取得する。この時間の情報は通信部28からネットワーク100を通じて管理部90に送信される。この時、撮像部25による撮像も開始され、制御部26は、撮像部25の撮像で得られた画像情報が通信部28からネットワーク100を通じて管理部90に送信されるようにする。
ここで、使用者の洗浄剤を受け取ろうとする動作の検出時間が、制御部26で取得された手洗い管理情報における使用者の標準的な手洗い実行時間とずれている場合、制御部26は、特に洗浄剤を適切に手に付けて手各部を十分に擦り合わせる丁寧な手洗いを実行することを使用者に促す内容の表示や音声出力等による報知を報知部27に実行させる。
制御部26により作動状態とされた供給機構部22は、収納部21から洗浄剤を吸い込んで吐出口20bへ向けて送り出し、吐出口20bから使用者の手の方へ吐出供給する。
こうして洗浄剤を手に対し供給する際には、制御部26は、手洗い管理情報における、前記手各部への供給時間に係る制御内容に基づいて、供給機構部22を作動させて洗浄剤の吐出供給を行わせることとなる。また、供給に合わせて、制御部26は、報知部27に対し、手に付いた洗浄剤を、使用者がその手で手全体にまんべんなく付着するよう広げることを促す内容の表示や音声出力等による報知を実行させることもできる。
制御部26は、使用者の手の洗浄に必要な量としてあらかじめ設定された量に相当する量が手の方へ送り出されるように、検出部22aで検出される洗浄剤の供給量に係る情報を取得参照しつつ、供給機構部22を作動させて使用者への洗浄剤の供給を継続させる。なお、制御部26で取得された洗浄剤の供給量に係る情報についても、通信部28からネットワーク100を通じて管理部90に送信される。
吐出口20bから使用者の手の上に達するように吐出された洗浄剤50は、使用者による両手の擦り合わせで必要に応じて泡立てられながら洗浄対象の手各部に広がって、手に付着した状態となる。使用者は、報知部27による報知がされた場合はその報知内容も考慮しつつ、洗浄剤を手全体に広げるように手を動かしていく。
洗浄剤が洗浄媒体供給部20の吐出口20bから吐出され、手に達した洗浄剤が手の各部に広がる状況は、撮像部25で撮像されており、この撮像部25の撮像で得られた画像情報が通信部28からネットワーク100を通じて管理部90に送信される。
制御部26は、あらかじめ設定された供給時間、又は、手洗い管理情報に基づいて調整された供給時間にわたって洗浄剤が送り出されると、供給機構部22の作動を停止させ、洗浄剤の供給を止める。
こうして供給機構部22による洗浄剤の供給が停止して、使用者が洗浄剤の付いた手を擦り合わせて手洗いを開始する際には、制御部26は、手洗い管理情報における前記手洗い行動の時間に係る制御内容に基づいて、洗浄剤の付いた手各部を十分な時間擦り合わせることを使用者に促す内容の表示や音声出力等による報知を、報知部27に実行させる。
また、この場合の手各部の擦り合わせの際、手洗い管理情報における、使用者の前記擦り合わせを行うべき位置に係る制御内容に基づいて、制御部26は、使用者の前記擦り合わせを行うべき各位置について、漏れなく擦り合わせを行うことを使用者に促す内容の表示や音声出力等による報知を報知部27に実行させる。
加えて、同じく手洗い管理情報における前記擦り合わせ時間又は回数に係る制御内容に基づいて、各位置で前記擦り合わせ時間又は回数分擦り合わせを続けるように、制御部26はさらに、前記各位置での擦り合わされる時間や回数を十分なものとすることを使用者に促す内容の表示や音声出力等による報知も、報知部27に実行させる。
使用者は、報知部27による報知がされた場合はその報知内容も考慮しつつ、洗浄剤がまんべんなく付着した両手の各部を擦り合わせて手各部に洗浄剤をすり込み、手に付着した菌やウィルスを洗浄する手洗いを実行する。この使用者が洗浄剤の付いた両手を擦り合わせて手洗いを行う状況についても、撮像部25で継続して撮像されており、ここで得られた画像情報も前記同様通信部28からネットワーク100を通じて管理部90に送信される。
制御部26は、洗浄剤の供給停止からあらかじめ設定された所定時間、又は、手洗い管理情報に基づいて調整された所定時間の経過後、オゾン水によるすすぎ段階へ移行する。
洗浄剤を用いた手洗いが十分になされた後のすすぎ段階では、制御部26は、オゾン水供給部29を作動状態とし、オゾン水生成部60で生成されたオゾン水をオゾン水供給部29から使用者の手へ吐出供給する。
このオゾン水供給にあたり、制御部26は、手洗い管理情報における前記すすぎ行動の時間に係る制御内容に基づいて、オゾン水供給部29のオゾン水供給に係る作動制御を行う。また、必要に応じて、制御部26は、すすぎ用のオゾン水を手全体に到達させてオゾン水を洗い流すことを使用者に促す内容の表示や音声出力等による報知を報知部27に実行させる。
使用者は、報知部27による報知がされた場合はその報知内容も考慮しつつ、オゾン水が手全体に達して洗浄剤を流し落とすように手を動かしていく。
オゾン水がオゾン水供給部29から吐出され、手の各部に付いた洗浄剤がオゾン水で洗い流されて除去される状況についても、撮像部25で継続的に撮像されており、ここで得られた画像情報も前記同様通信部28からネットワーク100を通じて管理部90に送信される。
制御部26は、あらかじめ設定された供給時間、又は、手洗い管理情報に基づいて調整された供給時間にわたってオゾン水が送り出されると、すすぎ完了としてオゾン水供給部29の作動を停止させ、オゾン水の供給を止める。この時、撮像部25による撮像と画像情報の通信部28から管理部90への送信も停止される。また、これに合わせて、管理部90は、使用者の手洗い状況に関連する所定の情報としての画像情報の記録を停止して、一回の手洗いの全過程の終了を認識して、終了時間を記録する。
オゾン水供給部29からのオゾン水の供給が終了すると、手洗いは完了となり、使用者は前記第1の実施形態同様、濡れた手をタオル等で拭いたり、空気噴出型の乾燥装置で空気を手に当てるようにして、手を乾燥状態とすればよい。
このように、本実施形態に係る洗浄媒体供給装置は、洗浄媒体供給部20の認証用情報入力部24aで受け入れた使用者の認証用情報に基づいて、使用者をあらかじめ登録された使用者であると認めると、使用者に対し洗浄剤を供給可能とすると共に、手洗いに際して供給される洗浄剤を使用者が手で受け取れるように手を動かした場合に、使用者の手の動作を動作検出部23で検出可能とし、この動作の検出に基づいて、制御部26が供給機構部22に洗浄剤を供給させ、使用者に洗浄剤を用いた手洗いを行わせる中で、使用者の手洗い状況に関連する所定の情報を管理部90に記録し、この使用者の手洗い状況に関連する所定の情報を分析して得られる分析結果について、これに対応する制御情報を管理部90が手洗い管理情報として取得し、この手洗い管理情報に基づいて、洗浄媒体供給部20の制御部26が洗浄剤の供給や手洗いに係る情報の報知を制御して、使用者が洗浄剤を用いた手洗いを行う際の、使用者に与えられる手洗いの条件や、使用者の手洗いに係る行動を変化させられることから、手洗い状況に関連する所定の情報の分析結果にあらわれる使用者の手洗いの状態に対応させて、この手洗いの状態がより改善されるように洗浄剤供給の調整や使用者への働きかけを行うことができ、使用者ごとの適切な手洗いを促して、使用者の手洗いの質の向上が図れる。
なお、前記実施形態に係る洗浄媒体供給装置においては、管理部90で使用者ごとの手洗い状況に関連する所定の情報を分析し、その分析結果に対応する制御情報である手洗い管理情報を取得し、この手洗い管理情報に基づいて、洗浄媒体供給部20の制御部26が供給機構部22や報知部27等の作動制御を行う構成としているが、この他、洗浄媒体供給部20を使用する手洗いにあたって、他の手洗い用装置、例えば、手洗い用の電動ブラシなど、を合わせて使用する場合に、管理部90で取得した手洗い管理情報に基づいて、こうした他の手洗い用装置の作動制御、例えば、作動時間や作動出力強度を調整する制御、が行われるようにする構成とすることもでき、使用者ごとの適切な手洗いを実現させるように手洗い用装置を作動させられる。
(本発明の第3の実施形態)
前記第1の実施形態に係る洗浄媒体供給装置においては、オゾン水を発生させるオゾン水生成部60を設けると共に、手洗器110上の洗浄媒体供給部10にオゾン水生成部60と接続されたオゾン水供給部19を配設して、オゾン水供給部19からオゾン水を供給可能とし、供給されたオゾン水をすすぎ等に使用できる構成としているが、この他、第3の実施形態として、図9に示すように、手洗器110に設けられる洗浄媒体供給装置3を洗浄剤のみ供給可能として、オゾン水の供給に係る機構を設けない簡略な構成とすることもできる。この場合、洗浄剤を用いて手洗いを行った後のすすぎについては、手洗器110に通常設けられている水栓111から吐出させた水を用いることとなる。
(本発明の第4の実施形態)
前記第1の実施形態に係る洗浄媒体供給装置においては、洗浄媒体供給部10を手洗器110における既設の水石けん入れ(ソープディスペンサー)の水石けん容器部と置き換えて配設可能な構成とし、従来の水石けん入れにおける水石けんの供給形態を維持する形で、洗浄剤の供給を行う構成としているが、この他、第4の実施形態として、図10ないし図12に示すように、洗浄媒体供給装置4を既設品の置き換えではなく手洗器120に当初から洗浄剤供給用として設ける構成とすることもできる。
本実施形態に係る洗浄媒体供給装置4は、前記第1の実施形態同様、洗浄媒体供給部40と、オゾン水生成部(図示を省略)とを備える一方、異なる点として、洗浄媒体供給部40が直接手洗器120に配設される構成を有するものである。
洗浄媒体供給部40は、前記第1の実施形態同様、収納部41と、供給機構部42と、動作検出部43と、認証用情報入力部44aと、撮像部45と、制御部46と、報知部47と、オゾン水供給部49とを備えるものの、形態については大きく異なっており、収納部41と供給機構部42を収めたタワー部40aと、このタワー部40aから突出し、収納部41と供給機構部42以外の各部を収めた水栓部40bとからなる。
水栓部40bは、手洗器120の鉢部(ボウル)121上方に位置するように設けられ、上面側に入力部44と報知部47とを備えると共に、下面側に撮像部45とオゾン水供給部49とを備える構成である。そして、この水栓部40bの下面側には、供給機構部42で送出された洗浄剤をこの水栓部40b下方へ出す吐出口40cが設けられる。
また、水栓部40bの下面側には、手洗いとすすぎの後、濡れた手を乾かすための空気を噴出する空気供給部40dや、手洗器120の鉢部121に除菌用の光を照射する光照射部40e等を設けることができる。
さらに、水栓部40bの正面側には、手洗い中の使用者の主に上半身部分を撮像して画像情報を取得可能な第二の撮像部45aを設けるようにしてもよい。水栓部40bの下面側の撮像部45が、主に使用者の水栓部40b下側に差し出した手を撮像対象としており、水栓部40bから洗浄剤等が出ていない時(例えば、手各部を擦り合わせて洗浄を実行している時)に、使用者が手を水栓部40b下側から少しでも移動させると手を撮像できなくなるのに対し、第二の撮像部45aで使用者の上半身部分を撮像することで、使用者が手が多少移動させても、手洗い中の手を撮像範囲に含む状態で確実に撮像して、画像情報を取得することができる。
(本発明の第5の実施形態)
前記第1ないし第4の各実施形態に係る洗浄媒体供給装置においては、手洗いの際に供給機構部を作動させて供給する洗浄媒体として、水石けん等の液状の洗浄剤を用いる構成としているが、これに限らず、供給可能であれば手洗い用粉石けんなどの固体粉末状又は粒状の洗浄剤でもよい。また、前記各実施形態で、洗浄媒体供給装置は手洗器に通常の水栓と共に設けられ、水栓から吐出される水等と組み合わせて用いる洗浄剤を供給するものとしているが、この他、洗浄媒体として水栓から出る水等との併用を前提とした洗浄剤を供給するものに代えて、洗浄媒体供給装置が洗浄媒体として水、温水、オゾン水、あるいは次亜塩素酸水等の、洗浄能力の高い液状媒体で、且つ乾燥や拭き取り後は手に残らず無害化するもの、を供給する、一種の水栓のような役割を有して、こうした洗浄媒体の流水で手洗いを行わせるものとすることもできる。
より具体的には、第5の実施形態として、図13に示すように、洗浄媒体供給装置5を、洗浄媒体として温度調整可能な水を供給する水栓状の装置として、手洗器130に単独で設ける構成とすることができる。
こうした洗浄媒体供給装置5を用いた使用者の手洗いにおける、手を洗浄媒体で濡らす濡らし方、洗浄媒体を介在させながら手各部を擦り合わせる手順、汚れの洗い流し方、などの手洗い状況は、前記実施形態同様、使用者ごとに異なり、このような使用者の手洗い状況に関連する所定の情報は使用者ごとの手洗いの特徴があらわれるものとなる。そして、これを分析した使用者の手洗いの分析結果も、使用者ごとに少しずつ異なる形で得られることとなる。
このため、分析結果に対応した使用者ごとの手洗い管理情報に基づいて制御される、洗浄媒体供給装置5の供給機構部や報知部等の作動状態も、使用者ごとにそれぞれ異なるものとなり得る。例えば、洗浄媒体である水の供給について、使用者によって適切な供給時間が変わり、水の供給時間を長くされて水を多く使用しながら手洗いを行う場合もあれば、別の使用者が水の供給時間を短くされて水を少なく使用しながら手洗いを行う場合もある。