JP7465110B2 - 送信サーバ、送信装置、受信装置及びプログラム - Google Patents

送信サーバ、送信装置、受信装置及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、衛星放送及び地上放送並びに固定通信及び移動通信の技術分野に関するものであり、特に、放送と通信を連携し、通信を利用して受信側からの再送要求に応じてデータ再送を可能とする送信サーバ、デジタル放送に係る送信装置及び受信装置、並びにプログラムに関する。
衛星放送及び地上放送のデジタル放送方式では、白色雑音下での伝送性能を向上させる技術として、誤り訂正符号が用いられる。例えば高度広帯域衛星デジタル放送では、信号対雑音比に対する利用効率の理論的な上限値であるシャノン限界に迫る性能を有する強力な誤り訂正符号であるLDPC(Low Density Parity Check)符号が利用される(例えば、非特許文献1,2参照)。しかし、衛星デジタル放送では降雨による減衰、地上デジタル放送ではフェージングなど、デジタル放送では、誤り訂正符号のみでは信号を復旧できないほど伝送条件が悪化する場合がある。
一方、デジタル無線通信では、誤り訂正符号以外のデータ補償技術としてARQ(Automatic Repeat reQuest)によるデータ再送制御が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。デジタル無線通信において、誤り訂正符号とARQを組み合わせたHybrid ARQを用いることで伝送性能の向上を実現することができ、ARQのみを利用するよりも少ない再送回数、且つ誤り訂正符号のみでは補償できない条件でのデータ伝送が可能となる。ただし、Hybrid ARQを用いる従来の先行技術は、FPUや携帯電話の基地局通信など双方向の通信に限られており、放送のような片方向のブロードキャストにおいて通信と連携し、Hybrid ARQでデータを補償する技法は確立されていない。
尚、Hybrid ARQを構成するものではないが、デジタル放送の伝送条件が悪化した際、双方向の通信が可能な通信路であるIP(Internet Protocol)網を経て受信側から送信側に向けてARQを行い、送信側からデータを再送する技術が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
一般的なIP網は、回線が混雑しているなどの何らかの障害により情報が消失する消失通信路(PEC:Packet Erasure Channel)が想定される。そこで、デジタル無線通信におけるHybrid ARQでは、データ補償を行う誤り訂正符号として、LDPC-CC(Convolutional Codes)(例えば、特許文献4参照)やLDGM(Low-Density Generator Matrix)符号(例えば、特許文献5参照)などの消失通信路であるIP通信専用の誤り訂正符号が用いられる。これらのLDPC-CCやLDGM符号は、高度広帯域衛星デジタル放送などと同じくLDPC符号を基にした誤り訂正符号ではあるが、消失通信路であるIP通信のみを考慮して設計された符号であり、IP通信専用の誤り訂正符号の符号化器及び復号器を用意する必要がある。
特開2014-050034号公報 国際公開第2007/069406号 国際公開第2015/048569号 国際公開第2010/001610号 国際公開第2015/022910号
R. G. Gallager, "Low-Density Parity-Check Codes," in Research Monograph series Cambridge, MIT Press, 1963年12月 "高度広帯域衛星デジタル放送の伝送方式(ISDB-S3) 標準規格 ARIB STD-B44 2.1版"、[online]、平成28年3月25日改定、ARIB、[令和2年1月27日検索]、インターネット<URL: https://www.arib.or.jp/kikaku/kikaku_hoso/std-b44.html>
上記の通り、デジタル無線通信において、誤り訂正符号とARQを組み合わせたHybrid ARQを用いることで伝送性能の向上を実現することができ、ARQのみを利用するよりも少ない再送回数、且つ誤り訂正符号のみでは補償できない条件でのデータ伝送が可能となる。
しかし、放送のような片方向のブロードキャストにおいて通信と連携し、Hybrid ARQでデータを補償する技法は確立されていない。
そこで、デジタル放送においても、通信と連携し、誤り訂正符号とARQを組み合わせたデジタル放送と通信の融合によるHybrid ARQでデータを補償する技法が望まれる。例えば、デジタル放送の伝送条件が悪化した際、双方向の通信が可能な通信路であるIP網を経て受信側から送信側にARQを行い、送信側からデータ再送する伝送システムを構築することで、伝送性能を向上させることができる。つまり、現行のデジタル放送では誤り訂正符号によるデータ補償しか想定していないため、Hybrid ARQでデジタル放送に係るデータを補償することにより、誤り訂正符号では訂正しきれない伝送条件の悪化にも対応できる。
しかし、放送と通信の融合によるHybrid ARQを用いた伝送システムを構築するために、特許文献3に開示されるARQを用いたシステムに、特許文献4,5等に開示されるIP通信専用の誤り訂正符号を適用して構成すると、デジタル放送用の誤り訂正符号の符号化器及び復号器と、IP通信用の符号化器及び復号器をそれぞれ用意し、且つ協働させる仕組みが必要になり、設備規模が増大する。
このため、「デジタル放送で利用する誤り訂正符号」とARQとを効率的に組み合わせた上で、放送と通信の融合によるHybrid ARQを用いた伝送システムを構築することが要望される。
つまり、デジタル放送に係る送信装置の符号化器、及び受信装置の復号器を増大させずに、デジタル放送とIP網による通信を連携させ、例えばLDPC符号及びBCH符号の誤り訂正の連接符号とIP通信を利用した再送要求を組み合わせたHybrid ARQを実現する伝送システムを構成することにより、デジタル放送に係る誤り訂正能力を向上させることが要望される。
また、IP通信による再送を行う場合、再送するビット数が増加すると、通信回線の負荷が増大し回線を逼迫することが想定される。そのため、可能な限りデータ再送時のビット数は少なく、効率的にHybrid ARQによるデータ補償を実現する技法が望まれる。
従って、デジタル放送に係る送信装置の符号化器、及び受信装置の復号器を増大させずに、デジタル放送とIP網による通信を連携させ、例えばLDPC符号及びBCH符号の誤り訂正の連接符号とIP通信を利用した再送要求を組み合わせたHybrid ARQを実現する伝送システムを構成することにより、デジタル放送に係る誤り訂正能力を向上させ、尚且つ、データ再送時のビット数を可能な限り少なくし、効率的なHybrid ARQを実現する技法が望まれる。
従って、本発明の目的は、上述の問題に鑑みて、受信装置の復号装置を増大させずにデジタル放送とIP網による通信を連携させ、LDPC符号による誤り訂正とIP通信を利用した再送要求を組み合わせたHybrid ARQを実現し、尚且つデジタル放送に用いられる誤り訂正符号の訂正能力とIP網のパケット消失率に応じたLDPC符号化率を選択可能にして、データ再送時のビット数を可能な限り少なくすることにより、デジタル放送で利用する誤り訂正符号の符号化データを基に、効率的に、通信を利用して受信側からの再送要求に対しIP網のパケット消失率に応じたデータ再送を可能とする送信サーバ、デジタル放送に係る送信装置及び受信装置、並びにプログラムを提供することにある。
本発明の送信サーバは、デジタル放送に係る誤り訂正符号を利用して符号化した符号化データをデジタル変調し、放送伝送路を介してデジタル変調された当該符号化データを受信装置に送信する送信装置から、当該符号化データの所定時間分を保存しIP(Internet Protocol)網経由で受信装置に送信可能とする送信サーバであって、前記送信装置で生成された符号化データを順次入力し、前記誤り訂正符号の符号長を構成する誤り訂正符号フレームのフレーム番号又は時刻情報に基づく同期信号により時系列に管理し、時系列に管理された前記符号化データの所定時間分を更新しながら保存する保存部と、IP網経由で、前記受信装置にて前記誤り訂正符号を用いて符号化データのビット誤りが訂正できないと判定されたときに生成される再送要求パケットを受信し、当該再送要求パケットに格納される前記受信装置にて設定されたパケット消失率情報と、再送要求に係る誤り訂正符号フレームの符号化データを示す再送要求情報とを抽出する再送要求処理部と、前記パケット消失率情報を基に、符号化率ごとの消失訂正可能な最大パケット消失率を示す所要パケット消失率を有する消失訂正性能テーブルを参照し、再送用の符号化データの符号化率を決定する符号化率決定部と、前記符号化率決定部で決定された符号化率に基づいて、前記送信装置で生成された符号化データのブロック符号の符号化率を変更して再送するか否かを判別し、符号化率を変更するときは前記再送要求情報を基に、前記保存部から読み出して得られる再送要求に係る符号化データと該符号化データに連続する所定個の符号化データについて符号化率を変更し、複数の誤り訂正符号フレームを構成する符号化率適応変更部と、前記複数の誤り訂正符号フレームを用いてインターリーブフレームを構成し、各誤り訂正符号フレームに対して縦断するようにインターリーブを施して得られるペイロードに、当該インターリーブフレームを識別可能とするための識別ヘッダと、各誤り訂正符号フレームにおいて何番目のビットを表すのかを特定するシーケンス番号と、符号化データパケットのヘッダであるIPヘッダを付加してIPパケット列の符号化データパケットを生成し、IP網を経て前記受信装置に送信するIPパケット生成部と、を備え、前記符号化率決定部は、前記送信装置で用いる誤り訂正符号化方式と同一の符号化方式に基づき、前記送信装置で利用可能とする所定種類数の符号化率のうち、前記放送伝送路で伝送した符号化データの符号化率以上であり、尚且つ前記IPのパケット消失を訂正可能とする範囲内で最も高い符号化率を決定することを特徴とする。
また、本発明の送信サーバにおいて、前記符号化率適応変更部は、前記送信装置で生成された符号化データの符号化率を変更して前記受信装置に再送する場合に、変更する符号化率に応じて該符号化データの情報ビットに前記受信装置側で既知とするパディングビットを前記受信装置側で既知とする挿入位置に付加して誤り訂正符号化処理を施し、前記誤り訂正符号化処理を施して得られる符号化率を変更した誤り訂正符号パリティを、前記送信装置で生成された符号化データに付加されていた誤り訂正符号パリティから置き換えて付加し、且つ前記パディングビットを除去して得られる誤り訂正符号フレームを再送用の符号化データとして生成する手段を有することを特徴とする。
また、本発明の送信サーバにおいて、前記送信装置で利用可能とする所定種類数の符号化率は、少なくとも1/2,3/5,2/3,3/4,4/5,5/6,7/8,9/10を含み、前記消失訂正性能テーブルは、前記所要パケット消失率として、前記所定種類数の符号化率の高さに応じて低くなる割合を有することを特徴とする。
更に、本発明の送信装置は、デジタル放送に係る送信装置であって、本発明の送信サーバを装置内部に備えることを特徴とする。
更に、本発明の受信装置は、送信装置によりデジタル放送に係る誤り訂正符号を利用して符号化した符号化データをデジタル変調し放送伝送路を介して送信された変調波信号を受信する受信装置であって、前記変調波信号を受信して復調する復調部と、復調して得られる前記符号化データから前記誤り訂正符号の符号長を構成する誤り訂正符号フレームを再構成し前記誤り訂正符号に対応する復号処理を行って受信データを生成し再生可能とする誤り訂正復号部と、前記誤り訂正符号を用いて符号化データのビット誤りが訂正できないと判定されたときに対応する符号化データの再送を要求するための再送要求に係る誤り訂正符号フレームの符号化データを示す再送要求情報と、設定したパケット消失率情報とを含むIPパケット形式の再送要求パケットを生成し、本発明の送信サーバに向けて送信する再送要求パケット生成部と、当該再送要求パケットに応じて前記送信サーバから再送要求に応じて再送された符号化データを格納するIPパケット列の符号化データパケットを受信して、前記送信サーバによるインターリーブの逆処理を行って前記再送要求に応じて再送された符号化データを抽出するIPパケット受信部と、を備え、前記誤り訂正復号部は、前記再送要求に応じて再送された符号化データについて、符号化率が変更されていないときは復調して得られる前記符号化データの符号化率で、符号化率が変更されているときは符号化率に応じたパディングビットを付加し、復号に必要な尤度比の置き換えに関する補完処理を経て復号処理を試み、所定時間内に復号できるまで対応する符号化データの再送の要求を繰り返す手段を有することを特徴とする。
また、本発明の受信装置において、前記誤り訂正符号は、内符号としてLDPC符号、外符号としてBCH符号が連接した連接符号からなり、前記誤り訂正復号部は、前記BCH符号の復号処理でビット誤りのエラーが訂正しきれなかった、もしくは前記BCH符号の復号処理でエラーは訂正できたが所定のBCHエラー数となったときに、当該符号化データのビット誤りが訂正できなかったと判定することを特徴とする。
また、本発明の受信装置において、前記送信サーバとの往復回線のテスト通信による推定又はユーザ設定により定めたパケット消失率を、前記パケット消失率情報として前記再送要求パケット生成部へ設定するパケット消失率設定部を備えることを特徴とする。
更に、本発明のプログラムは、コンピュータを、本発明の送信サーバとして機能させるためのプログラムとして構成する。
本発明によれば、放送受信だけでは防げないデータの損失について、IP網を経て受信側から送信側へ再送要求を実施し、送信側からデータ再送を可能とすることで、受信側でデータを補完することができる。特に、IP網を経て送信側が再送するデータをデジタル放送のブロック符号における符号化データとし、尚且つ、IP網のパケット消失率に応じて再送するビット数を可能な限り少なくするように再送する符号化データのLDPC符号化率を可変制御することで、IPのパケット消失率を送受信間で逐次共有して、再送要求回数を削減可能とし、更に、IP網経由の伝送効率を向上させることができる。また、放送受信による誤り訂正符号とIP網経由の伝送で利用する誤り訂正符号の双方を放送規格で規格された誤り訂正符号の符号形式と同一にすることで、受信側では1つの誤り訂正復号器を用意するだけで実現でき、設備規模を小さくできる。
本発明による一実施形態の送信サーバ、送信装置及び受信装置を備える伝送システムの概略構成を示すブロック図である。 本発明による一実施形態の送信サーバ及び送信装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明による一実施形態の送信サーバと受信装置との間の再送要求パケットに係る制御フローを示すフローチャートである。 (a)乃至(d)は、それぞれ本発明による一実施形態の送信サーバにおける符号化率適応変更部による符号化率変更時の符号化データの生成法を概念的に示す図である。 (a)乃至(d)は、それぞれ本発明による一実施例の送信サーバにおける符号化率適応変更部による符号化率変更時の符号化データの生成法を具体的に示す図である。 本発明による一実施例の送信サーバにおけるIPパケット生成部のインターリーブ処理に関する説明図である。 本発明による一実施形態の受信装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明による一実施形態の受信装置における一実施例の受信制御フローを示すフローチャートである。
〔伝送システム〕
図1は、本発明による一実施形態の送信サーバ6、送信装置2,3及び受信装置5を備える伝送システム1の概略構成を示すブロック図である。図1に示す伝送システム1は、送信装置2,3、受信装置5、1台又は複数台の送信サーバ6、及び、複数台の送信サーバ6を構成するときに設けられる負荷分散装置7を備える。
送信装置2は、デジタル放送に係る送信データに対し誤り訂正符号化処理を施して誤り訂正符号パリティを付与することにより符号化データを生成し、その符号化データを所定の変調方式でデジタル変調して変調波信号を生成し、送信アンテナ2aを介して放送衛星4を含む衛星放送伝送路経由で、デジタル放送に係る電波を放射する装置である。例えば、送信装置2は、高度広帯域衛星デジタル放送の送信装置とすることができる。また、送信装置2は、順次生成した符号化データを誤り訂正符号フレームとして管理して、同期信号として機能するフレーム番号又は時刻情報を付与して、例えばローカルエリアネットワーク経由で、1台又は複数台の送信サーバ6に送信する機能を有する。
送信装置3は、デジタル放送に係る送信データに対し誤り訂正符号化処理を施して誤り訂正符号パリティを付与することにより符号化データを生成し、その符号化データを所定の変調方式でデジタル変調して変調波信号を生成し、送信アンテナ3aを介して地上放送伝送路経由で、デジタル放送に係る電波を放射する装置である。例えば、送信装置3は、現行又は次世代の地上デジタル放送の送信装置とすることができる。また、送信装置3は、順次生成した符号化データを誤り訂正符号フレームとして管理して、同期信号として機能するフレーム番号又は時刻情報を付与して、例えばローカルエリアネットワーク経由で、1台又は複数台の送信サーバ6に送信する機能を有する。
受信装置5は、受信アンテナ5aを介して送信装置2から電波放射された変調波信号を受信して復調し、誤り訂正符号の符号長を構成する誤り訂正符号フレームを再構成し送信装置2における誤り訂正符号化処理に対応する復号処理を行って受信データを生成し再生可能とする機能、及び、受信アンテナ5bを介して送信装置3から電波放射された変調波信号を受信して復調し、誤り訂正符号の符号長を構成する誤り訂正符号フレームを再構成し送信装置3における誤り訂正符号化処理に対応する復号処理を行って受信データを生成し再生可能とする機能を有する装置である。
また、受信装置5は、送信装置2(又は送信装置3)から得られた符号化データについて誤り訂正復号の可否を判定し、復号できると判定したときはそのまま復号して受信データを生成し、符号化データのビット誤りが訂正できず復号できないと判定した場合には対応する符号化データの再送を要求するIPパケット形式の再送要求パケットを生成し、この再送要求パケットに、推定又はユーザ設定したIP網8のパケット消失率情報を含めて、IP網8を経て、送信サーバ6に向けて送信する機能を有する。ここで、受信装置5は、そのパケット消失率情報を送信サーバ6との当該IP8経由の通信で事前に推定するか、或いはユーザによる指定により事前に決定して設定する機能を有する。さらに、受信装置5は、当該再送要求パケットに応じて送信サーバ6から再送された符号化データ(送信サーバ6側でパケット消失率情報に応じて、放送伝送路で伝送した符号化データの符号化率以上であり、尚且つ当該IP8のパケット消失を訂正可能とする範囲内で最も高い符号化率により再構成される符号化データ)を格納するIPパケット列の符号化データパケットを受信して、送信サーバ6側のインターリーブ処理の逆処理を行って、再送要求に応じて再送された符号化データを再構成して抽出し復号処理に用いるよう尤度変換を行い、所定時間内に当該復号処理により復号できるまで、対応する符号化データの再送の要求を繰り返す機能を有する。尚、受信装置5は、所定時間内に当該復号処理により再送要求した符号化データを復号できないときは、ビット誤りを含む状態のまま受信データを生成する。
1台又は複数台の送信サーバ6の各々は、デジタル放送に係る誤り訂正符号を利用して符号化した符号化データをデジタル変調し放送伝送路を介して受信装置5に送信する送信装置2(又は送信装置3)から当該符号化データの所定時間分を保存し、受信装置5から再送要求された符号化データについて、受信装置5から得られるパケット消失率情報に応じて符号化データを再構成し、インターリーブ処理を施したIPパケット列の符号化データパケットを生成し、IP網8を介して受信装置5に送信可能とするコンピュータとして構成される。
即ち、送信サーバ6は、送信装置2(又は送信装置3)で生成された符号化データを例えばローカルエリアネットワーク経由で順次入力し、誤り訂正符号の符号長を構成する誤り訂正符号フレームのフレーム番号又は時刻情報に基づく同期信号により時系列に管理して所定時間分を更新しながら保存する機能、IP網8を経て、受信装置5にて送信装置2(又は送信装置3)で利用した誤り訂正符号を用いて符号化データのビット誤りが訂正できないと判定されたときに当該パケット消失率情報とともに当該符号化データに関する再送要求パケットを受信し、当該受信装置5に向けて当該パケット消失率情報に応じて、放送伝送路で伝送した符号化データの符号化率以上であり、尚且つ当該IP8のパケット消失を訂正可能とする範囲内で最も高い符号化率で符号化データを再構成し、その再送要求に係る同期信号(フレーム番号又は時刻情報)を持つ符号化データを構成する誤り訂正符号フレームを先頭として連続する同期信号(フレーム番号又は時刻情報)を持つmフレームの誤り訂正符号フレームを当該再送要求に係る同期信号(フレーム番号又は時刻情報)を持つ符号化データと同一の符号化率で形成してインターリーブフレームを構築し、当該インターリーブフレームをmフレームの誤り訂正符号フレームに対して直交する方向にインターリーブ処理を施してIPパケット列の符号化データパケットを生成し、IP網8を経て当該受信装置5に向けて送信する機能を有する。尚、本実施形態では、上述したように、受信装置5側において、送信サーバ6との往復回線のテスト通信による推定又はユーザ設定によりパケット消失率を定めるようにしている。
尚、図1に例示する伝送システム1では、送信装置2及び送信装置3を備えるとして説明したが、送信装置2と送信装置3のいずれか一方のみとしてもよい。図1に例示する伝送システム1では、送信装置2(又は送信装置3)と送信サーバ6とを別体として説明したが、送信装置2(又は送信装置3)が送信サーバ6を備える形態とし、1台又は複数台の送信装置2(又は送信装置3)として、ローカルエリアネットワークで接続する代わりに、単純な信号ケーブルで接続する構成としてもよい。
負荷分散装置7は、複数台の送信サーバ6を構成するときに、当該複数台の送信サーバ6とIP網8との間に設けられ、IP網8を経て多くの受信装置5から再送要求パケットを受信した場合に、複数台の送信サーバ6の各処理負荷を分散させ、再送要求に係る符号化データパケットを分割送信する装置である。図1に示す伝送システムでは、予めユーザ登録された複数台の受信装置5を対象とし、負荷分散装置7を介在させることで、ユーザ登録数が多くなる場合でも送信サーバ6を追加するだけでよいものとなる。ただし、予め許容するユーザ登録数に対応した送信サーバ6を個別に配設するときは、負荷分散装置7の設置を省略し、送信サーバ6とIP網8とを直接的に接続する形態としてもよい。
以下、より具体的に、送信装置2(又は送信装置3)、送信サーバ6、受信装置5について順に説明する。
〔送信装置〕
図2は、本発明による一実施形態の送信サーバ6及び送信装置2(又は送信装置3)の概略構成を示すブロック図である。尚、図2に示す送信装置2(又は送信装置3)は、本発明に係る主要な構成要素のみを図示しており、エネルギー(電力)拡散処理等のその他の構成要素の説明は省略する。
送信装置2及び送信装置3は、それぞれの放送伝送路(衛星放送伝送路又は地上放送伝送路)に適した誤り訂正符号化処理及び変調方式が採用されるが、図2に示すように、誤り訂正符号化部21、及び変調部22を備えるとして包括して説明する。
誤り訂正符号化部21は、デジタル放送に係る送信データに対し誤り訂正符号化処理を施して誤り訂正符号パリティを付与することにより符号化データを生成し、変調部22に出力する符号化器である。また、誤り訂正符号化部21は、順次生成した符号化データを誤り訂正符号フレームとして管理して、同期信号として機能するフレーム番号又は時刻情報を付与して、例えばローカルエリアネットワーク経由で送信サーバ6に送信する機能を有する。
変調部22は、誤り訂正符号化部21から得られる符号化データを所定の変調方式でデジタル変調して変調波信号を生成し、放送伝送路経由でデジタル放送に係る電波を放射する。
デジタル放送に係る送信データは、例えば地上放送伝送路を経由して送信するときはARIB STD-B31に記載され地上デジタル放送で使用されるMPEG2-TSとすることができ、例えば衛星放送伝送路を経由して送信するときはARIB STD-B44に記載され高度広帯域衛星デジタル放送で使用されるTLV(Type Length Value)形式のデータとすることができる。
尚、現行の地上デジタル放送では、内符号として畳み込み符号、外符号としてリードソロモン符号が連接した連接符号で誤り訂正符号化処理が行われる。次世代の地上デジタル放送では、内符号としてLDPC符号、外符号としてBCH(Bose-Chaudhuri-Hocquenghem)符号が連接した連接符号で誤り訂正符号化処理を行うことが検討されている。また、高度広帯域衛星デジタル放送では、内符号としてLDPC符号、外符号としてBCH符号が連接した連接符号で誤り訂正符号化処理が行われる。以下の説明では、主に、内符号としてLDPC符号、外符号としてBCH符号が連接した連接符号で誤り訂正符号化処理が行われる伝送システム1について説明する。そして、以下の説明における一実施例の伝送システム1において、LDPC符号をブロック符号として用いるときは、「LDPC符号化率」を単に「符号化率」とも称する。
〔送信サーバ〕
図2に示す送信サーバ6は、デジタル放送に係る誤り訂正符号を利用して符号化した符号化データをデジタル変調し放送伝送路を介して受信装置5に送信する送信装置2(又は送信装置3)から当該符号化データの所定時間分を保存し、受信装置5から再送要求された符号化データについて、受信装置5から得られるパケット消失率情報に応じて符号化データを再構成し、該符号化データを含むIPパケット列の符号化データパケットを生成し、IP網8を介して受信装置5に送信可能とするコンピュータとして構成され、保存部61、IPパケット生成部62、再送要求処理部63、符号化率適応変更部64、符号化率決定部65、及び消失訂正性能テーブル格納部66を備える。
保存部61は、送信装置2(又は送信装置3)で生成された符号化データ(放送伝送路で用いるブロック符号化済みの信号)を例えばローカルエリアネットワーク経由で、同期信号(フレーム番号又は時刻情報)を基に順次入力し、その符号化データを構成する誤り訂正符号フレームを、同期信号(フレーム番号又は時刻情報)で時系列に管理して所定時間分を更新しながら保存する機能部である。尚、送信装置2(又は送信装置3)から得られる符号化データには、放送伝送路で用いるデジタル放送内の制御信号であるTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)信号にて識別されるフレーム番号又は時刻情報が同期信号として付されている。例えば、保存部61は、放送伝送路を用いるデータ伝送方式において、誤り訂正符号フレーム単位の符号化データに併せて伝送されるTMCC信号内に含まれる時刻情報(主信号内にも時刻情報を埋め込むこともある。)も受信することで、送信装置2(又は送信装置3)から逐次得られる誤り訂正符号フレーム単位の符号化データを、時刻情報に関連付けたフレーム番号を同期信号とし、その同期信号で管理することができる。また、保存部61により同期信号(フレーム番号又は時刻情報)で時系列に管理する符号化データは、デジタル放送中に受信する間、送信サーバ6からIP網8経由で通知する形態としてもよい。即ち、図1に示す伝送システム1において、TMCC信号又は主信号内に含まれる時刻情報やフレーム番号を同期信号として利用することで、送信装置2,3、受信装置5、1台又は複数台の送信サーバ6、及び、複数台の送信サーバ6を構成するときに設けられる負荷分散装置7の同期を確保することができる。
IPパケット生成部62は、受信装置5からの再送要求に係る符号化データを格納するIPパケット列の符号化データパケットを生成し、IP網8を経て当該受信装置5に向けて送信する機能部である。この符号化データパケットは、受信装置5にて送信装置2(又は送信装置3)で利用した誤り訂正符号を用いて符号化データのビット誤りが訂正できないと判定されたときに生成される。尚、図6を参照して詳細は後述するが、IPパケット生成部62は、インターリーブ処理に係る各インターリーブフレームを受信装置5側で識別可能とするための識別ヘッダと、符号化データパケットを構成する複数のIPパケットに対するシーケンス番号を付与した上で、再送要求に係る符号化データのビットが所定値以上離れるようにする所定規則に基づいて、各誤り訂正符号フレームを縦断するようにビットの並び替えを行うインターリーブ処理を実行するインターリーブ部621を有する。
再送要求処理部63は、受信装置5からIP網8を経て再送要求パケットを受信したときに、当該再送要求パケットに格納されるパケット消失率情報と、再送要求に係る誤り訂正符号フレームの符号化データを示す再送要求情報とを抽出する。そして、再送要求処理部63は、今回受信したパケット消失率情報を符号化率決定部65に通知するとともに、再送要求情報を基に保存部61から再送要求に係る符号化データの所在を探索して該符号化データを構成する誤り訂正符号フレームを先頭として連続する同期信号(フレーム番号又は時刻情報)を持つmフレーム分の誤り訂正符号フレームを読み出し、符号化率適応変更部64に出力させるよう保存部61を制御する。
符号化率決定部65は、受信装置5から得られるIP8のパケット消失率情報を基に、消失訂正性能テーブル格納部66に格納されている消失訂正性能テーブル(表1に例示)を参照し、放送伝送路で伝送した符号化データの符号化率以上であり、尚且つ当該IP8のパケット消失を訂正可能とする範囲内で最も高い符号化率(パリティビットが一番少なくなる符号化率)を決定し、符号化率適応変更部64を制御する。尚、本例の消失訂正性能テーブルは、事前に計算機シミュレーションで求めた符号化率1/2,3/5,2/3,3/4,4/5,5/6,7/8,9/10ごとのエラーフリー達成可能な最大パケット消失率(以下、「所要パケット消失率」とも称する。)を示している。これにより、符号化率決定部65は、放送伝送路で伝送した符号化データの符号化率を変更せずに再送する場合や変更して再送する場合のいずれにおいても、再送するビット数を可能な限り少なくする符号化率を選定して符号化率適応変更部64を制御することができる。そして、符号化率適応変更部64は、符号化率決定部64による符号化率の決定に基づいて放送伝送路で伝送された符号化データのブロック符号の符号化率を変更して再送するか否かを判別することができる。
Figure 0007465110000001
ところで、通常、デジタル放送では選択可能な符号化率について複種類が予め規定されている。例えばARIB STD-B44ではブロック符号であるLDPC符号のうち、41/120(≒1/3)、49/120(≒2/5)、61/120(≒1/2)、73/120(≒3/5)、81/120(≒2/3)、89/120(≒3/4)、93/120(≒7/9)、97/120(≒4/5)、101/120(≒5/6)、105/120(≒7/8)、及び、109/120(≒9/10)の11種類の符号化率が規定されているが、本実施形態の伝送システム1では、これらの符号化率のうち表1に示す消失訂正性能テーブルにおける8種類の符号化率のみが放送伝送路で使用される例を示している。従って、当該11種類の符号化率の全てが放送伝送路で使用されるときは、それに応じた11種類の符号化率に対応する所要パケット消失率を規定した消失訂正性能テーブルを用いるか、もしくは、表1に示す消失訂正性能テーブルにおいて、符号化率1/3,2/5,7/9については他の符号化率における所要パケット消失率を基に推定適用する形態としてもよい。
例えば、放送伝送路で伝送した符号化データの符号化率Fが1/2であったとする。このとき、受信装置5から再送要求パケットで得られるIP8のパケット消失率情報が40%であった場合には、符号化率決定部65は消失訂正性能テーブルを参照して、40%のパケット消失率を持つIP8においてエラーフリー伝送可能な所要パケット消失率は1/2のみであるため、IP8経由で再送する際の符号化率Fを1/2に決定する。一方、受信装置5から再送要求パケットで得られるIP8のパケット消失率情報が25%であった場合には、符号化率決定部65は消失訂正性能テーブルから、25%のパケット消失率を持つIP8においてエラーフリー伝送可能な所要パケット消失率は1/2,3/5,2/3,3/4が消失訂正性能テーブルから参照されるが、IP8の回線逼迫を抑え伝送効率を向上するため、パリティビットが一番少なくなる最も高い符号化率として、IP8経由で再送する際の符号化率Fを3/4に決定する。
符号化率適応変更部64は、符号化率決定部65により決定された符号化率に従って、送信装置2(又は送信装置3)で生成された符号化データの符号化率を変更する場合と変更しない場合の切り替えを行う切替部641,642と、該符号化率を変更する場合に、その決定された符号化率に変更する誤り訂正符号化処理を行う誤り訂正符号化部643と、を備える。
より具体的には、切替部641,642は、保存部61から読み出した再送要求に係る符号化データ(放送伝送路で伝送した符号化データ)について符号化率を変更せずに再送するときは、そのままIPパケット生成部62に出力し、符号化率を変更して再送するときは、誤り訂正符号化部643により符号化率を変更し再構成した符号化データをIPパケット生成部62に出力するように切り替えを行う機能部である。
例えば、放送伝送路経由の伝送とIP8経由の伝送の符号化率が同じ(例えばF=F=1/2)であるときは、符号化率適応変更部64は、保存部61から読み出される送信装置2(又は送信装置3)で伝送した該当する誤り訂正符号フレームの符号化データを、そのままIPパケット生成部62へ出力する。
一方、符号化率適応変更部64は、放送伝送路経由の伝送から符号化率を変更した符号化データを再送するときには、誤り訂正符号化部643により符号化率を変更する。
誤り訂正符号化部643は、保存部61から読み出した再送要求に係る符号化データ(放送伝送路で伝送した符号化データ)について符号化率を変更して再送するときに、その再送要求に係る符号化データ内の所定のパリティを除く情報ビットのみを抽出する。続いて、誤り訂正符号化部643は、変更する符号化率に応じて、送信サーバ6及び受信装置5間で既知のビット(全て“0”又は“1”のビット、或いは“0”と“1”の規則的なビットパターン)からなるパディングビットを送受間で既知とする挿入位置に付加する。そして、誤り訂正符号化部643は、このパディングビットを付加した当該所定の情報ビットに対して、送信装置2(又は送信装置3)における誤り訂正符号化部21で用いる誤り訂正符号化方式と同一の符号化方式に基づき、且つ放送に係る送信装置2(又は送信装置3)で利用可能とする放送伝送路で伝送した符号化率とは異なる符号化率で誤り訂正符号化処理を行う。最終的には、誤り訂正符号化部643は、放送伝送路で伝送した符号化データについて符号化率を変更したブロック符号のパリティを、送信装置2(又は送信装置3)で生成された符号化データに付加されていたパリティから置き換えて当該情報ビットに付加し、且つパディングビットを除去した再送用の符号化データを生成する。符号化率適応変更部64の誤り訂正符号化部643による符号化率変更時の符号化データの生成法については、図4及び図5を参照して後述する。
例えば、放送伝送路経由の伝送とIP8経由の伝送の符号化率が異なる(F<F)ときは、符号化率適応変更部64は、保存部61から読み出される送信装置2(又は送信装置3)で伝送した該当する誤り訂正符号フレームの符号化データのうち情報ビットのみを抽出し、送受間で既知とするパディングビットを送受間で既知とする挿入位置に付加して、符号化率Fとするブロック符号のパリティを付加してから、当該パディングビットを除去した再送用の符号化データを生成し、IPパケット生成部62へ出力する。より具体的には、放送伝送路経由の伝送時の符号長が44880ビットであるとき、符号化率F=1/2から符号化率F=3/4に変更して再送するときは、22814ビットの情報ビット(符号化率F=1/2に対応する主信号22440ビット)に送受間で既知とするパディングビットを付加(例えば、全て0でパディング)した誤り訂正符号化処理によってパリティビット(10472ビット)を生成して付加し、そのパディングビットを除去したフレーム長33286ビットの誤り訂正符号フレームを再送用に再構成する。
また、符号化率適応変更部64は、再送要求に係る符号化データを構成する誤り訂正符号フレームを先頭として連続する同期信号(フレーム番号又は時刻情報)を持つmフレーム分の誤り訂正符号フレームについて、当該再送要求に係る符号化データの符号化率と同一の符号化率で(誤り訂正符号化部643により当該再送要求に係る符号化データについて符号化率を変更しているときは連続する他の誤り訂正符号フレームも同一の符号化率変更処理を施して)、IPパケット生成部62に出力する。
そして、IPパケット生成部62は、インターリーブ部621により、mフレーム分の誤り訂正符号フレームを用いてインターリーブフレームを構成し、mフレーム分の誤り訂正符号フレームを縦断(直交)する方向にインターリーブ処理してIPパケット列(符号化データパケット)を生成し、符号化率を変更したときはその旨を示す通知として符号化率変更通知パケットを生成して送信後、当該符号化データパケットを受信装置5に向けて送信する。
例えば、放送伝送路経由の伝送時の符号長が44880ビットであるとき、インターリーブ部621は、放送伝送路経由の伝送とIP8経由の再送の符号化率が同じ(例えばF=F)であれば、符号化率適応変更部64から得られる誤り訂正符号フレームのフレーム長は44880ビットとなり、IP8経由の再送時も放送伝送路経由の伝送と同じ符号長44880ビットに対して、1~44880のシーケンス番号を付けたIPパケットを44880パケット生成し、送出順番をインターリーブして出力する。また、インターリーブ部621は、放送伝送路経由の伝送とIP8経由の伝送の符号化率が異なり(F<F)、例えばIP8経由の再送の符号化率F=3/4の時には、符号化率適応変更部64から得られる誤り訂正符号フレームのフレーム長は33286ビットとなり、1~33286のシーケンス番号を付けたIPパケットを33286パケット生成し、送出順番をインターリーブして出力する。
(再送要求パケットに係る制御フロー)
図3は、本発明による一実施形態の送信サーバ6と受信装置5との間の再送要求パケットに係る制御フローを示すフローチャートである。
まず、送信サーバ6は、保存部61により、放送伝送路で伝送した符号化率Fの符号化データについて所定時間分を更新しながら保存する(ステップS50)。放送伝送路で伝送した符号化データは、誤り訂正符号化済みのデータであり、ARIB STD-B44に記載されるLDPC符号などのブロック符号の誤り訂正符号フレームで構成される。
受信装置5は、放送伝送路で伝送されたデジタル放送を受信して復調し、符号化データのビット誤りが訂正できるか否かを試みる。伝送環境がよく、誤りなく受信できた場合や、白色雑音等の影響が誤り訂正符号により復号できる範囲であった場合、そのまま誤り訂正復号した受信データを再生可能に出力する。降雨減衰が起きるなど伝送環境が悪く、放送伝送路経由で受信した符号化データのビット誤りが訂正できない場合、受信装置5は、IP網8を通じて該当する符号化データについて再送要求パケットを生成し、送信サーバ6に再送要求を行う(ステップS51)。この再送要求パケットには、上述したように、再送要求情報、及び、パケット消失率情報が含まれる。
そこで、送信サーバ6は、再送要求処理部63により、受信装置5から再送要求パケットを受信すると(ステップS52)、再送要求パケットから、再送要求情報及びパケット消失率情報を抽出し、今回受信したパケット消失率情報を符号化率決定部65に通知するとともに、再送要求情報を基に保存部61から再送要求に係る符号化データの所在を探索してその符号化データを先頭とする連続するmフレーム分の誤り訂正符号フレームの符号化データを読み出して符号化率適応変更部64に出力させるよう保存部61を制御する(ステップS53)。
続いて、送信サーバ6は、符号化率決定部65により、パケット消失率情報を基に、消失訂正性能テーブル(表1に例示)を参照し、放送伝送路で伝送した符号化データの符号化率F以上であり、尚且つ当該IP8のパケット消失を訂正可能とする範囲内で最も高い符号化率Fを決定する(ステップS54)。
そして、送信サーバ6は、符号化率決定部65の制御によってより決定した符号化率Fと、符号化率適応変更部64における送信装置2(又は送信装置3)で生成された符号化データの符号化率Fとの比較で、当該符号化率Fを変更する場合と変更しない場合の切り替えを行い(ステップS55)、符号化率Fを異なる符号化率に変更せずに再送するときは(ステップS55:No;F=F)、ステップS57に移行し、符号化率Fを異なる符号化率に変更して再送するときは(ステップS55:Yes;F<F)、ステップS58に移行する。
符号化率適応変更部64は、放送伝送路で伝送した符号化データの符号化率Fを変更して再送するときは(ステップS55:Yes;F<F)、今回受信した再送要求情報を基に保存部61から探索して読み出された再送要求に係る誤り訂正符号フレームの符号化データ(パリティビット付きの情報ビット)について、その情報ビットと送受間で既知のパディングビットを用いて異なる符号化率Fに変更して符号化し、パディングビットを除去した誤り訂正符号フレームの符号化データを再構成してIPパケット生成部62へ出力する(ステップS56)。
一方、符号化率適応変更部64は、放送伝送路で伝送した符号化データの符号化率Fを変更せずに再送するときは(ステップS55:No;F=F)、今回受信した再送要求情報を基に保存部61から探索して読み出された再送要求に係る誤り訂正符号フレームの符号化データ(パリティビット付きの情報ビット)を、そのままIPパケット生成部62へ出力する(ステップS57)。即ち、符号化率適応変更部64は、符号化率Fを変更せずに再送するときは、放送伝送路で伝送した符号化データをそのままIPパケット生成部62へ出力する。
符号化率適応変更部64は、再送要求に係る符号化データを構成する誤り訂正符号フレームを先頭として連続する同期信号(フレーム番号又は時刻情報)を持つmフレーム分の誤り訂正符号フレームについても、当該再送要求に係る符号化データの符号化率と同一の符号化率で(誤り訂正符号化部643により当該再送要求に係る符号化データについて符号化率を変更しているときは他の誤り訂正符号フレームも同一の符号化率変更処理を施して)、IPパケット生成部62に出力する。
最終的に、送信サーバ6は、IPパケット生成部62により、mフレーム分の誤り訂正符号フレームを用いてインターリーブフレームを構成し、mフレーム分の誤り訂正符号フレームを縦断(直交)する方向にインターリーブ処理してIPパケット列(符号化データパケット)を生成し、符号化率を変更したときはその旨を示す通知として符号化率変更通知パケットを生成して送信後、当該符号化データパケットを受信装置5に向けて送信する(ステップS58)。尚、送信サーバ6は、符号化率情報を含めて、符号化データパケットを構成し、受信装置5に向けて送信する形態とすることもできる。本例では、符号化データパケットの伝送効率を高めるために、受信装置5に対し、符号化率を変更したときに、その旨を示す通知として符号化率変更通知パケットを事前通知する形態としている。
また、送信サーバ6は、符号化率変更通知パケットの送信を複数回行う構成としてもよいし、或いは、符号化率変更通知パケットの受信確認応答を得る構成とし、受信装置5から受信確認応答を受信するまで、符号化率変更通知パケットの送信を繰り返し行う構成としてもよい。尚、IP網8経由で伝送する符号化データの符号化率が放送伝送路で伝送する符号化データの符号化率と同一の場合、受信装置5は放送伝送路での符号化率の情報のみ把握できていればよいため、送信サーバ6は、符号化率変更通知パケットの事前通知を省略してもよいが、符号化率変更の有無に関わらず、符号化データパケットの再送の度に、符号化率変更通知パケットの送信を行ってもよい。
(符号化率変更時の符号化データの生成法)
図4を参照して、符号化率変更時の符号化データを生成する例を説明する。図4(a)乃至図4(d)は、それぞれ本発明による一実施形態の送信サーバ6における符号化率適応変更部64による符号化率変更時の符号化データの生成法を概念的に示す図である。
まず、図4(a)には、放送伝送路で伝送した符号化データを示すブロック符号の誤り訂正符号フレームの構成を概念的に示している。
尚、放送伝送路で伝送する符号化データの符号化率の情報については、通常、デジタル放送内の伝送制御信号であるTMCC信号で伝送されるが、送信サーバ6からIP網8経由で、事前通知する構成としてもよい。また、上述したように、再送要求に応じて再送する符号化データの符号化率の情報については、送信サーバ6は、IPパケット生成部62により、符号化率を変更したときはその旨を示す通知として符号化率変更通知パケットを生成して送信後、又は符号化率情報を含めて、符号化データパケットを受信装置5に向けて送信する。ここで、IP網8経由で伝送する符号化データの符号化率が放送伝送路で伝送する符号化データの符号化率と同一の場合、受信装置5は放送伝送路での符号化率の情報のみ把握できていればよいため、送信サーバ6は、符号化率変更通知パケットの事前通知を省略できる。
図4(a)に示すように、放送伝送路で伝送した符号長Nビットのブロック符号における符号化データの符号化率をFとすると、その符号化データの情報ビット(即ち、ブロック符号における主信号)はN×Fビット、パリティはN×(1-F)ビットで構成される。通常、放送伝送路でブロック符号を用いる場合、放送伝送路で扱いやすいよう符号化率によらず誤り訂正符号フレームの符号長のビット数は一定であることが多い。例えばARIB STD-B44ではブロック符号であるLDPC符号の符号長Nは、LDPC符号化率に依らずN=44880ビットで一定である。ここで、IP網8経由で再送する符号化データの符号化率をFとすると、符号化率Fのパリティは、符号化率Fから変更する場合にも、N×Fビットの情報ビット(即ち、ブロック符号における主信号)を用いたまま符号長Nビットのブロック符号とすればよいため、送信装置2(又は送信装置3)で利用可能とする所定種類数の符号化率のうち、放送伝送路で伝送した符号化データの符号化率以上となる範囲内であればよい。
そこで、受信装置5から再送要求パケットを受信した送信サーバ6は、再送要求処理部63により、再送要求パケットに含まれるパケット消失率情報を抽出して符号化率決定部65に通知する。符号化率決定部65は、そのパケット消失率情報を基に、消失訂正性能テーブル(表1に例示)を参照して、放送伝送路で伝送した符号化データの符号化率以上であり、尚且つ当該IP8のパケット消失を訂正可能とする範囲内で最も高い符号化率(パリティビットが一番少なくなる符号化率)を決定し、符号化率適応変更部64を制御する。
符号化率適応変更部64は、放送伝送路で伝送した符号化データの符号化率のまま変更なしとするとき(F=F)、保存部61から読み出される図4(a)に示す再送要求に係る符号長Nビットの符号化データを、そのままIPパケット生成部62に出力する。
一方、符号化率適応変更部64は、放送伝送路で伝送した符号化データの符号化率Fから異なる符号化率Fに変更するときは(F<F)、まずは、保存部61から読み出される図4(a)に示す再送要求に係る符号長Nビットの符号化データのうちN×Fビットの情報ビットのみを抽出する(図4(b)参照)。
続いて、符号化率適応変更部64は、誤り訂正符号化部643により、保存部61から読み出したN×Fビットの情報ビットに、送受間で既知の値(例えば、全て0のビット)でN×(F-F)ビット分をパディングビットとして送受間で既知とする挿入位置に付加し、この情報ビットとパディングビットに対して符号化率Fとなる誤り訂正符号化処理を施して、N×(1-F)ビットのパリティを生成する(図4(c)参照)。例えば、誤り訂正符号化部643は、符号化率Fとして、N×Fビットの情報ビットを用いながら、符号化率Fから送信装置2(又は送信装置3)で利用可能とする異なる符号化率Fへと変更する。
そして、誤り訂正符号化部643は、パディングビットを除去して、N×Fビットの情報ビットにN×(1-F)ビットのパリティを付加した再送用の符号化データを再構成し、IPパケット生成部62に出力する(図4(d)参照)。この再構成された再送用の符号化データのフレーム長は、元の符号長Nビットよりも短くなるため、符号長Nビット分の符号化データを受信装置5に再送する場合よりも伝送効率が高くなる。
(一実施例の符号化率変更時の符号化データの生成法)
上述したように、通常、デジタル放送では選択可能な符号化率について複種類が予め規定されているが、ここでは、本伝送システム1で利用するものとして、表1に示す予め定めた8種類のLDPC符号化率とし、この8種類のLDPC符号化率に関して、例えばARIB STD-B44で規定されている検査行列及びその検査行列を形成するための検査行列初期値テーブルをそのまま利用できる。そこで、より具体的な実施例として、図5を参照して、ARIB STD-B44に準拠する表1に示すLDPC符号化率の種類数の範囲内で、符号化率変更時の符号化データの生成する例を説明する。
図5(a)乃至図5(d)に示す例は、送信サーバ6は、高度広帯域衛星デジタル放送として、2018年12月から放送が始まった変調方式が16APSK、LDPC符号化率が61/120(≒1/2)である高度広帯域衛星デジタル放送の符号化データを受信して保存部61に保持し、受信装置5から電波受信状況が悪化した場合にIP網8経由で再送要求された符号化データについて、その符号化率を109/120(≒9/10)に変更して再送する例である。
図5(a)に示すように、ここでは、放送伝送路で伝送した符号長N=44880ビットのLDPC符号における符号化データの符号化率をF=61/120(≒1/2)とする。尚、ARIB STD-B44では、1誤り訂正符号フレームは、LDPC符号化率によらず一定の符号長44880ビットであり、集合分割法に基づくスロット単位で構成されるため、LDPC符号の符号化対象となる情報ビットは、“スロットヘッダ”、“主信号(伝送対象のデータ)”、“BCH符号パリティ”、及び“スタッフビット”が、電力拡散されたものとなっており、LDPC符号のパリティが付加されて1誤り訂正符号フレームが構成される。そして、送信サーバ6における保存部61には、図5(a)に示す1誤り訂正符号フレーム単位の符号化データが、同期信号(フレーム番号又は時刻情報)を付して時系列に管理されて所定時間分を更新しながら保存される。LDPC符号化率61/120(≒1/2)におけるLDPC符号パリティは、44880×(1-61/120)=22066ビットで構成される。
そこで、受信装置5から再送要求パケットを受信した送信サーバ6は、再送要求処理部63により、再送要求パケットに含まれるパケット消失率情報を抽出して符号化率決定部65に通知し、符号化率決定部65は、そのパケット消失率情報を基に、消失訂正性能テーブル(表1に例示)を参照して、IP網8経由の再送に伝送効率の観点で最適な符号化率を決定し、符号化率適応変更部64を制御する。
符号化率適応変更部64は、放送伝送路で伝送した符号化データの符号化率のまま変更なしとするとき(F=F)、保存部61から読み出される図5(a)に示す再送要求に係る符号長Nビットの符号化データを、そのままIPパケット生成部62に出力する。
一方、符号化率適応変更部64は、放送伝送路で伝送した符号化データの符号化率F=61/120(≒1/2)から異なる符号化率F=109/120(≒9/10)に変更するときは(F<F)、まずは、保存部61から読み出される図5(a)に示す再送要求に係る符号長N=44880ビットの符号化データのうちN×F=22814ビットのLDPC符号の符号化対象となる情報ビット(即ち、電力拡散済みのBCH符号化ビット)のみを抽出する(図5(b)参照)。
続いて、符号化率適応変更部64は、誤り訂正符号化部643により、保存部61から読み出した22814ビットの情報ビット(即ち、電力拡散済みのBCH符号化ビット)に、送受間で既知の値(例えば、全て0のビット)でN×(F-F)=17952ビット分をパディングビットとして送受間で既知とする挿入位置に付加し、この情報ビットとパディングビットに対して符号化率F=109/120(≒9/10)となる誤り訂正符号化処理を施して、N×(1-F)=4114ビットのパリティを生成する(図5(c)参照)。
そして、誤り訂正符号化部643は、パディングビットを除去して、22814ビットの情報ビットに4114ビットのパリティを付加した再送用の符号化データ(26928ビット)を再構成し、IPパケット生成部62に出力する(図5(d)参照)。この再構成された再送用の符号化データのフレーム長26928ビットは、元の符号長44880ビットよりも短くなるため、符号長44880ビット分の符号化データを受信装置5に再送する場合よりも伝送効率が高くなる。
このようにして、送信サーバ6は、再送要求パケットを受信すると、再送要求パケットに含まれるパケット消失率情報を基に、再送要求に係る符号化データの符号化率を適応的に変更して、mフレーム分の誤り訂正符号フレームのインターリーブ処理を経て符号化データパケットを生成し、受信装置5に向けて送信する。
(符号化データパケットの生成法)
送信サーバ6は、IP網8を通じて受信装置5へ再送要求された符号化データを送信する際に、IP8で生じるバースト的なパケット消失にも高い訂正性能を達成するため、IPパケット生成部62により、図6を参照して後述するn×mのインターリーブフレームを構築し、識別ヘッダ、シーケンス番号、及びIPヘッダを付けたIPパケット列を生成し、シーケンス番号に従いIPパケットの送出順番をインターリーブして符号化データパケットとして受信装置5に向けて送信するのが好適である。
より具体的に、図6を参照して、送信サーバ6におけるIPパケット生成部62のIPパケットの生成法について説明する。図6(a)乃至(d)は、それぞれ本発明による一実施形態の送信サーバ6におけるIPパケット生成部62のIPパケットの生成法に関する説明図である。
まず、IPパケット生成部62は、符号化率適応変更部64から、それぞれ同一の符号化率Fにより符号長nビットで構成される、再送要求に係る同期信号(フレーム番号又は時刻情報)を持つ符号化データを構成する誤り訂正符号フレームを先頭として連続する同期信号(フレーム番号又は時刻情報)を持つmフレーム分の誤り訂正符号フレームを入力し、n×mインターリーブフレームを構成する。尚、mは、固定値であるが外部から可変設定することができ、送受間で共有する値となっている。また、符号化率Fの符号長nビットが放送伝送路で用いられた符号化率Fの符号長Nビットから変更されていないときn=Nであり、符号化率Fの符号長Nビットから変更されているときn<Nである。
そこで、IPパケット生成部62は、再送要求に係る符号化データとしての誤り訂正符号フレームを含むmフレームの誤り訂正符号フレームを縦方向に並べるようにして記憶部(図示略)に一時記憶する(図6(a)参照)。
続いて、IPパケット生成部62は、インターリーブ部621により、mフレームの誤り訂正符号フレームに各ビットを先頭から読み出し、生成するIPパケットのヘッダを除いたパケット長としてmビットのIPペイロードをnパケット分、生成する(図6(b)参照)。即ち、各誤り訂正符号フレームの1~nビットのうち、それぞれの同一ビット目を1ビットずつ集めmビットとしたものをIPペイロードとする。
続いて、IPパケット生成部62は、インターリーブ部621により、生成したnパケット分のIPペイロードに、インターリーブ処理に係る各インターリーブフレームを受信装置5側で識別可能とするための識別ヘッダと、各誤り訂正符号フレームにおいて何番目のビットを表すのかを特定するシーケンス番号と、IPヘッダを符号化データパケットのヘッダとして付加して、nパケット分のIPパケットを生成する(図6(c)参照)。尚、本例では、分かりやすくシーケンス番号を1~nとして表しているが、各IPパケットを受信装置5にとって誤り訂正符号フレームのどのビットを示すものであれるかを識別可能な表現形態であれば任意である。
また、図6(b)に示すように複数の誤り訂正符号フレームから生成されたnパケット分のIPペイロードで、1つのインターリーブフレームが構成される。そこで、IPパケット生成部62は、或るインターリーブフレームに対し付加する識別ヘッダに例えばID=“1”を割り当てるとすると、次のインターリーブフレームに対し付加する識別ヘッダにはID=“2”を、その次のインターリーブフレームに対し付加する識別ヘッダにはID=“3”をインクリメントしながら割り当てるようにして、識別ヘッダの値で、属するインターリーブフレームを識別できるようにする。従って、図6(c)に示すように、識別ヘッダは、1つのインターリーブフレーム内で同じ値を持つように付加される。このため、受信装置5側では、識別ヘッダを参照すれば、受信した符号化データパケットのIPペイロードが、どのインターリーブフレームに属するものであるかを識別できるようになる。
続いて、IPパケット生成部62は、インターリーブ部621により、生成したnパケット分のIPパケットを、シーケンス番号に従いIP網8への送出順番を所定規則に基づいてインターリーブして(例えばシーケンス番号の昇順で送出してもよいし、送受間で定めた別のシーケンス番号の送出順序でもよい。)、符号化データパケットとして受信装置5に向けて送信する。
尚、本実施形態におけるIPパケット生成部62は、再送要求に係る符号化データとしての誤り訂正符号フレームを含むm(mは1以上の整数)個の誤り訂正符号フレームが必要であり、換言すればインターリーブ部621はmフレーム分の誤り訂正符号フレームが揃うまでインターリーブ処理を実行することはできない。このためタイムロスが問題となる場合には、再送要求に係るnビットの誤り訂正符号フレームのうちシーケンス番号として所定ビット数分n1(<n)のみを、m(mは1以上の整数)個の誤り訂正符号フレームから抽出して、対応するシーケンス番号を保持したIPパケットの全体数を減らしてもよい。そして、m,nは、固定値であるが外部から可変設定することができるものとすることで、各IPパケットのパケット長の調整を行うことができる。
また、それぞれの誤り訂正符号フレームから1ビットずつ集めることでIPパケットを生成したが、それぞれの誤り訂正符号フレームから複数ビット集めることも可能である。逆に2フレーム分の誤り訂正符号フレームを1フレーム分として扱うことや、mビットのパケットを2n個生成することも可能である。こうして生成したnパケット分のIPペイロードを1つのインターリーブフレームとし、各インターリーブフレームを受信装置5側で識別可能とするための識別ヘッダと、個々のIPペイロードを識別するためのシーケンス番号を付与する。即ち、IP網8におけるパケットロスを予め想定して、これを緩和することができるように、誤り訂正符号フレームの各ビットの送出順を並び替える形態であれば、その他のインターリーブ技法を適用することが可能である。一般的にインターリーブ処理の対象とする期間(信号長)を長くすればするほどバースト的なパケットロスに強くなるため、伝送システム1全体で許容可能な期間内で最適なインターリーブ処理を実行するよう、インターリーブ部621を構成する。
〔受信装置〕
図7は、本発明による一実施形態の受信装置5の概略構成を示すブロック図である。受信装置5は、復調部51、誤り訂正復号部52、再送要求パケット生成部53、IPパケット受信部54、及びパケット消失率設定部55を備える。
復調部51は、放送伝送路(衛星放送伝送路又は地上放送伝送路)経由で送信装置2(又は送信装置3)から電波放射された変調波信号を受信して復調し、この復調処理で得られる符号化データを誤り訂正復号部52に出力する。
誤り訂正復号部52は、誤り訂正符号の復号処理の事前に、復調部51から得られる符号化データの各ビットの対数尤度比(LLR:Log-likelihood ratio)を算出し、この事前対数尤度比(事前LLR)を用いて、誤り訂正符号の符号長を構成する誤り訂正符号フレームを再構成し、送信装置2(又は送信装置3)における誤り訂正符号化処理に対応する復号処理を行って受信データを生成し再生可能に外部出力する復号器である。
ここで、誤り訂正復号部52は、誤り訂正符号フレームを構成する符号化データについて誤り訂正復号の可否を判定する機能を有し、復号できると判定したときはそのまま復号して受信データを生成し、符号化データのビット誤りが訂正できず復号できないと判定した場合には、当該誤り訂正符号フレームを構成する符号化データについての再送要求情報を再送要求パケット生成部53に出力する。尚、放送伝送路を用いるデータ伝送方式において、受信装置5が復調部51経由で逐次受信して得られる誤り訂正符号フレーム単位の符号化データは、併せて伝送されるTMCC信号又は主信号に含まれる時刻情報を基に識別することができ、送信サーバ6と同様に同期信号(フレーム番号又は時刻情報)で管理することもできるため、同期信号として、この再送要求情報は再送要求する誤り訂正符号フレームを識別可能とする時刻情報を含むものとするか、又はそのフレーム番号も含むものとすればよい。
そして、誤り訂正復号部52は、再送要求パケット生成部53による当該再送要求パケットの送信に応じて送信サーバ6からIPパケット受信部54経由で受信した符号化データパケットから、再送要求に係る符号化データを抽出して、その符号化データの誤り訂正符号フレームの復号に必要な尤度比の置き換えに関する変換を行って、放送伝送路で受信した符号化データに対する補完を行う機能を有する。
そして、誤り訂正復号部52は、符号化データのビット誤りが訂正できず復号できないと判定した放送伝送路で受信した符号化データについて、IP網8経由で取得した符号化データを用いて、所定時間内に誤り訂正符号の復号処理により復号できるまで、IP網8経由での符号化データの再送要求を繰り返すように構成される。尚、誤り訂正復号部52は、所定時間内に当該復号処理により復号できないときは、ビット誤りを含む状態のまま受信データを生成する。
また、本例では、送信サーバ6が、再送する符号化データの符号化率を変更したときはその旨を示す通知として符号化率変更通知パケットを生成して送信後、符号化データパケットを受信装置5に向けて送信する。このため、誤り訂正復号部52は、符号化率の変更通知の有無を基にIP網8経由で得られた符号化データの符号化率が放送受信時と異なるか否かを判定し、符号化率に応じて適宜パディングビットを追加し、復号に必要な尤度比の置き換えに関する変換を行って、放送伝送路で受信した符号化データに対する補完を行う。
再送要求パケット生成部53は、誤り訂正復号部52により符号化データのビット誤りが訂正できず復号できないと判定したときに、その符号化データの再送を送信サーバ6に対して要求するために、当該符号化データを再送要求する旨を示す再送要求情報と、パケット消失率設定部55から得られるパケット消失率情報とを含むIPパケット形式の再送要求パケットを生成し、IP網8を経て、送信サーバ6に向けて送信する機能部である。
IPパケット受信部54は、送信サーバ6から、当該再送要求パケットに応じて再送された符号化データを格納するIPパケット列の符号化データパケットを受信して、当該再送要求に係る符号化データを取得し、誤り訂正復号部52に出力する機能部である。尚、IPパケット受信部54は、識別ヘッダとシーケンス番号を利用し、送信サーバ6側のインターリーブ部621の逆処理を行って、再送要求に応じて再送された符号化データを再構成するデインターリーブ部541を有する。
パケット消失率設定部55は、送信サーバ6とのテスト通信を試みて、送信サーバ6との通信に係る遅延と、送信サーバ6との通信に係るパケットロスの発生量のうちいずれか一方、又は双方を所定期間単位で予め計測して、逐次、その通信回線の遅延とパケットロスの発生量のうちいずれか一方、又は双方を基にパケット消失率を推定するか、或いはユーザによる指定により事前にパケット消失率を決定してパケット消失率情報として再送要求パケット生成部53に設定する機能部である。
尚、通信回線の遅延は、受信装置5から送信サーバ6に向けて送信した再送要求パケットの送信時刻と、これに対応して送信サーバ6から再送された符号化データパケットの受信時刻との時間差で推定される伝送遅延を示すものであり、伝送遅延が大きいほどパケット消失率が大きくなる傾向にあることを利用して、伝送遅延と本発明に係るパケット消失率とを予め対応付けた変換テーブル(図示略)を保持することで、本発明に係るパケット消失率を推定することができる。
また、パケットロスの発生量は、再送要求パケットの送信時刻から所定時間経過しても送信サーバ6から対応する符号化データパケットの受信ができなかった場合にパケットロスが生じたとみなし、所定期間単位の通信実績を基に計測したものであり、このパケットロスの発生量から直接的にパケット消失率を算出することもできるし、上記の送信サーバ6との通信に係る伝送遅延も考量して、パケットロスの発生量及び伝送遅延と、本発明に係るパケット消失率とを予め対応付けた変換テーブル(図示略)を保持することで、本発明に係るパケット消失率を推定することができる。
(実施例:高度広帯域衛星デジタル放送の受信装置における受信制御フロー)
図8は、本発明による一実施形態の受信装置5における一実施例の受信制御フローを示すフローチャートである。ここで、受信装置5は、送信装置2と送信装置3のいずれからの信号受信であっても同様に動作することから、代表して、高度広帯域衛星デジタル放送に準じた衛星デジタル放送の受信を例に、送信装置2から電波放射された変調波信号を受信して復調・復号する受信装置5の受信制御フローを説明する。
まず、受信装置5は、復調部51により、衛星デジタル放送の放送伝送路経由で送信装置2から電波放射された変調波信号を受信して復調し、この復調処理で得られる符号化データを誤り訂正復号部52に出力する(ステップS1)。
続いて、受信装置5は、誤り訂正復号部52により、送信装置2における誤り訂正符号化処理に対応する復号処理を実行するため、まず、尤度テーブルから符号化データの各ビットの事前LLRを算出し、誤り訂正符号フレームを再構成する(ステップS2)。高度広帯域衛星デジタル放送は、符号化データの1フレーム分のビット数が44880ビットであり、誤り訂正符号化処理として、LDPC符号を内符号として利用し、BCH符号を外符号として利用するため、尤度テーブルを用いてビットが“0”である確からしさ、及びビットが“1”である確からしさを示す事前対数尤度比を算出する。
続いて、受信装置5は、誤り訂正復号部52により、対数尤度比によるsum-productアルゴリズムを利用したLDPC復号を実施後(ステップS3)、電力逆拡散処理を経て、BCH符号の復号処理を実施する(ステップS4)。ARIB STD-B44では外符号のBCH符号の復号処理の際にビット誤りのエラーを訂正しきれず、エラーフリーにならなかった場合、データをヌルパケットに置き換える、エラーありのフラグを付けるなどの処理を規定している。
そこで、誤り訂正復号部52は、送信装置2から得られた符号化データについて誤り訂正復号の可否を判定(具体的には、BCH符号の復号処理でビット誤りのエラーが訂正しきれなかった、もしくは復号でエラーは訂正できたが所定のBCHエラー数となったか否かを判定)する(ステップS5)。即ち、本実施例では、LDPC符号の訂正能力が不確定であること、またBCH符号の訂正能力が確定的であることに着目し、LDPC符号と連接するBCH符号のエラーフリーの有無を利用して、Hybrid ARQにおける効率的な再送要求を実現するものとしている。
ここで、誤り訂正復号部52は、送信装置2から得られた符号化データについて誤り訂正復号の可否を判定した結果、復号できると判定したときはそのまま復号して受信データを再生可能に生成し(ステップS5:No)、この場合、送信装置2から電波放射された変調波信号の受信を継続する。
一方、誤り訂正復号部52は、放送伝送路経由の送信装置2から得られた符号化データのビット誤りが訂正できず復号できないと判定した場合(BCH符号の復号処理でビット誤りのエラーが訂正しきれなかった、もしくは復号でエラーは訂正できたが所定のBCHエラー数となったと判定した場合)には(ステップS5:Yes)、その復号対象の符号化データについての再送要求情報を生成し、再送要求パケット生成部53に出力して当該符号化データの再送要求を示す再送要求パケットを生成するよう指示する。
再送要求パケット生成部53は、誤り訂正復号部52からの指示に応じて、復号対象の符号化データについて、その再送を要求する旨を示す再送要求情報と、パケット消失率設定部55から得られるパケット消失率情報とを含むIPパケット形式の再送要求パケットを生成し、IP網8を経て、送信サーバ6に向けて送信する(ステップS6)。
そこで、送信サーバ6は、受信装置5から再送要求された符号化データについて、受信装置5から得られるパケット消失率情報を基に、消失訂正性能テーブル(表1に例示)を参照し、放送伝送路で伝送した符号化データの符号化率以上であり、尚且つ当該IP8のパケット消失を訂正可能とする範囲内で最も高い符号化率で符号化データを再構成する。また、送信サーバ6は、その再送要求に係る同期信号(フレーム番号又は時刻情報)を持つ符号化データを構成する誤り訂正符号フレームを先頭として連続する同期信号(フレーム番号又は時刻情報)を持つmフレームの誤り訂正符号フレームを当該再送要求に係る同期信号(フレーム番号又は時刻情報)を持つ符号化データと同一の符号化率で形成してインターリーブフレームを構築し、当該インターリーブフレームをmフレームの誤り訂正符号フレームに対して直交する方向にインターリーブ処理を施してIPパケット列の符号化データパケットを生成し、IP網8を介して受信装置5に送信する。また、送信サーバ6は、符号化率を変更したときはその旨を示す通知として符号化率変更通知パケットを生成して送信後、当該符号化データパケットを送信する。
受信装置5は、IPパケット受信部54により、送信サーバ6から、当該再送要求パケットに応じて再送された復号対象の符号化データを含むmフレーム分の誤り訂正符号フレームの符号化データパケット(IPパケット列)を受信する(ステップS7)。
また、送信サーバ6は、符号化率を変更したときはその旨を示す通知として符号化率変更通知パケットを生成して送信後、当該符号化データパケットを送信する。このため、受信装置5は、IPパケット受信部54及び誤り訂正復号部52により、IP網8経由で得られた符号化データの符号化率が放送受信時と異なるか否かを判定することができる。
そして、IPパケット受信部54は、デインターリーブ部541により、IPパケットに付与される識別ヘッダとシーケンス番号を利用し、送信サーバ6側のインターリーブ部621の逆処理を行って、再送要求に応じて再送された符号化データを再構成して、誤り訂正復号部52に出力する(ステップS8)。
誤り訂正復号部52は、IP網8経由で得られた符号化データの符号化率が放送受信時と異なる場合には、符号化率が変更された誤り訂正符号フレームを復元するために、符号化率に応じた送受間で既知とするパディングビットを送受間で既知とする挿入位置に追加する(ステップS9)。一方、IP網8経由で得られた符号化データの符号化率が放送受信時と同じである場合には、パディングビットを追加する必要はない。
続いて、誤り訂正復号部52は、再送要求パケット生成部53による当該再送要求パケットの送信に応じて送信サーバ6からIPパケット受信部54経由で受信した符号化データパケットから、再送要求に係る符号化データを抽出して、その符号化データの誤り訂正符号フレームの復号に必要な尤度比の置き換えに関する変換を行って、放送伝送路で受信した符号化データに対する補完を行う(ステップS10)。IP網8は消失通信路を想定して、誤り訂正復号部52は、IP網8経由で受信できた符号化データについては正しいビットの値を確定し、IP網8の途中の通信路でパケットロス等により消失したパケットについては正しいビットの値が不明とする。より具体的には、誤り訂正復号部52は、ブロック符号の誤り訂正復号器として構成され対数尤度比を用いた復号を実施するため、IP網8経由で取得した符号化データについて、ビットの値が0である場合の対数尤度比を+∞(“0”である確からしさとして最大値)、ビットの値が1である場合の対数尤度比を-∞(“1”である確からしさとして最大値)、仮にパケットロスが生じて非達ビットが生じているときは、対数尤度比を0に置き換える。
そして、誤り訂正復号部52は、IP網8経由で伝送された符号化率に対応する検査行列でLDPC復号した後、電力逆拡散、及びBCH復号を実施して、送信装置2から得られた符号化データのビット誤りについて所定時間内で誤り訂正符号の復号処理により復号できるまで、当該符号化データの再送の要求を繰り返し(ステップS3乃至S10)、復号できた符号化データを基に受信データを生成した後、現在の受信経路がIP網8経由であるときは、放送伝送路経由の受信に受信経路を切り替え、時系列上、次の符号化データについての復調・復号処理へと移行する。ここで、誤り訂正復号部52は、BCH符号の復号処理のビット誤りのエラーがなくなるまで繰り返し再送要求を行うことで、受信データを完全に復元する構成とすることもできるが、所定時間内として制限を設けることで無限ループ処理を回避するのが好適である。尚、誤り訂正復号部52は、所定時間内に当該復号処理により復号できないときは、ビット誤りを含む状態のまま受信データを生成し、放送伝送路経由の受信に受信経路を切り替える。
ところで、再送要求パケットは、IPパケット形式で一般的に用いられる非達通知パケットを利用でき、符号化データパケットは、その非達通知パケットの応答として再送を行うものとして構成される。このため、誤り訂正復号部52では、復調部51から得られる符号化データに対して再送により得られた符号化データを置き換えて、再度、復号を実施することができ、所定時間内で受信データを復元できるまで繰り返し再送要求を行うことで、再生可能に出力することができる。
以上のように、本実施形態の伝送システム1によれば、放送受信だけでは防げないデータの損失について、IP網8を経て受信装置5側から送信サーバ6側へ再送要求を実施し、送信サーバ6側からデータ再送を可能とすることで、受信装置5側でデータを補完することができる。特に、IP網8を経て送信サーバ6側が再送するデータをデジタル放送のブロック符号における符号化データとし、尚且つ、この符号化データをIP網8のパケット消失率に応じて再送するビット数を可能な限り少なくする符号化率に可変制御することで、再送要求回数を削減可能とし、更に、IP網8経由の伝送効率を向上させることができる。また、放送受信による誤り訂正符号とIP網8経由の伝送で利用する誤り訂正符号の双方を放送規格で規格された誤り訂正符号の符号形式と同一にすることで、受信装置5側では1つの誤り訂正復号器を用意するだけで実現でき、設備規模を小さくできる。
上述した実施例に関して、送信サーバ6として機能するコンピュータの各手段を機能させるためのプログラムを好適に用いることができる。また、受信装置5として機能するコンピュータの各手段を機能させるためのプログラムを好適に用いることができる。具体的には、各手段を制御するための制御部をコンピュータ内の中央演算処理装置(CPU)で構成でき、且つ、各手段を動作させるのに必要となるプログラムを適宜記憶する記憶部を少なくとも1つのメモリで構成させることができる。即ち、そのようなコンピュータに、CPUによって該プログラムを実行させることにより、上述した各手段の有する機能を実現させることができる。更に、各手段の有する機能を実現させるためのプログラムを、前述の記憶部(メモリ)の所定の領域に格納させることができる。そのような記憶部は、装置内部のRAM又はROMなどで構成させることができ、或いは又、外部記憶装置(例えば、ハードディスク)で構成させることもできる。また、そのようなプログラムは、コンピュータで利用されるOS上のソフトウェア(ROM又は外部記憶装置に格納される)の一部で構成させることができる。更に、そのようなコンピュータに、各手段として機能させるためのプログラムは、コンピュータが読取り可能な記録媒体に記録することができる。また、上述した各手段をハードウェア又はソフトウェアの一部として構成させ、各々を組み合わせて実現させることもできる。
上述した一実施形態の実施例、応用例、変形例については代表的な例として説明したが、本発明の趣旨及び範囲内で、多くの変更及び置換することができることは当業者に明らかである。例えば、送信サーバ6は、送信装置2(又は送信装置3)から直接的に符号化データを入力する例を説明したが、中継放送等では、送信装置2(又は送信装置3)から一旦、受信機により変調波を受信して復調し、この復調して得られる符号化データを入力する形態としてもよい。従って、本発明は、上述の実施例によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲によってのみ制限される。
本発明によれば、デジタル放送で利用する誤り訂正符号と再送要求とを効率的に組み合わせることができるので、デジタル放送に係るデータ補償を行う用途に有用である。
1 伝送システム
2 衛星放送伝送路用の送信装置
2a 衛星放送伝送路用の送信アンテナ
3 地上放送伝送路用の送信装置
3a 地上放送伝送路用の送信アンテナ
4 放送衛星
5 受信装置
5a 衛星放送伝送路用の受信アンテナ
5b 地上放送伝送路用の受信アンテナ
6 送信サーバ
7 負荷分散装置
8 IP網
21 誤り訂正符号化部
22 変調部
51 復調部
52 誤り訂正復号部
53 再送要求パケット生成部
54 IPパケット受信部
55 パケット消失率設定部
61 保存部
62 IPパケット生成部
63 再送要求処理部
64 符号化率適応変更部
65 符号化率決定部
66 消失訂正性能テーブル格納部
541 デインターリーブ部
621 インターリーブ部
641,642 切替部
643 誤り訂正符号化部

Claims (8)

  1. デジタル放送に係る誤り訂正符号を利用して符号化した符号化データをデジタル変調し、放送伝送路を介してデジタル変調された当該符号化データを受信装置に送信する送信装置から、当該符号化データの所定時間分を保存しIP(Internet Protocol)網経由で受信装置に送信可能とする送信サーバであって、
    前記送信装置で生成された符号化データを順次入力し、前記誤り訂正符号の符号長を構成する誤り訂正符号フレームのフレーム番号又は時刻情報に基づく同期信号により時系列に管理し、時系列に管理された前記符号化データの所定時間分を更新しながら保存する保存部と、
    IP網経由で、前記受信装置にて前記誤り訂正符号を用いて符号化データのビット誤りが訂正できないと判定されたときに生成される再送要求パケットを受信し、当該再送要求パケットに格納される前記受信装置にて設定されたパケット消失率情報と、再送要求に係る誤り訂正符号フレームの符号化データを示す再送要求情報とを抽出する再送要求処理部と、
    前記パケット消失率情報を基に、符号化率ごとの消失訂正可能な最大パケット消失率を示す所要パケット消失率を有する消失訂正性能テーブルを参照し、再送用の符号化データの符号化率を決定する符号化率決定部と、
    前記符号化率決定部で決定された符号化率に基づいて、前記送信装置で生成された符号化データのブロック符号の符号化率を変更して再送するか否かを判別し、符号化率を変更するときは前記再送要求情報を基に、前記保存部から読み出して得られる再送要求に係る符号化データと該符号化データに連続する所定個の符号化データについて符号化率を変更し、複数の誤り訂正符号フレームを構成する符号化率適応変更部と、
    前記複数の誤り訂正符号フレームを用いてインターリーブフレームを構成し、各誤り訂正符号フレームに対して縦断するようにインターリーブを施して得られるペイロードに、当該インターリーブフレームを識別可能とするための識別ヘッダと、各誤り訂正符号フレームにおいて何番目のビットを表すのかを特定するシーケンス番号と、符号化データパケットのヘッダであるIPヘッダを付加してIPパケット列の符号化データパケットを生成し、IP網を経て前記受信装置に送信するIPパケット生成部と、を備え、
    前記符号化率決定部は、前記送信装置で用いる誤り訂正符号化方式と同一の符号化方式に基づき、前記送信装置で利用可能とする所定種類数の符号化率のうち、前記放送伝送路で伝送した符号化データの符号化率以上であり、尚且つ前記IPのパケット消失を訂正可能とする範囲内で最も高い符号化率を決定することを特徴とする送信サーバ。
  2. 前記符号化率適応変更部は、前記送信装置で生成された符号化データの符号化率を変更して前記受信装置に再送する場合に、変更する符号化率に応じて該符号化データの情報ビットに前記受信装置側で既知とするパディングビットを前記受信装置側で既知とする挿入位置に付加して誤り訂正符号化処理を施し、前記誤り訂正符号化処理を施して得られる符号化率を変更した誤り訂正符号パリティを、前記送信装置で生成された符号化データに付加されていた誤り訂正符号パリティから置き換えて付加し、且つ前記パディングビットを除去して得られる誤り訂正符号フレームを再送用の符号化データとして生成する手段を有することを特徴とする、請求項1に記載の送信サーバ。
  3. 前記送信装置で利用可能とする所定種類数の符号化率は、少なくとも1/2,3/5,2/3,3/4,4/5,5/6,7/8,9/10を含み、
    前記消失訂正性能テーブルは、前記所要パケット消失率として、前記所定種類数の符号化率の高さに応じて低くなる割合を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の送信サーバ。
  4. デジタル放送に係る送信装置であって、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の送信サーバを装置内部に備えることを特徴とする送信装置。
  5. 送信装置によりデジタル放送に係る誤り訂正符号を利用して符号化した符号化データをデジタル変調し放送伝送路を介して送信された変調波信号を受信する受信装置であって、
    前記変調波信号を受信して復調する復調部と、
    復調して得られる前記符号化データから前記誤り訂正符号の符号長を構成する誤り訂正符号フレームを再構成し前記誤り訂正符号に対応する復号処理を行って受信データを生成し再生可能とする誤り訂正復号部と、
    前記誤り訂正符号を用いて符号化データのビット誤りが訂正できないと判定されたときに対応する符号化データの再送を要求するための再送要求に係る誤り訂正符号フレームの符号化データを示す再送要求情報と、設定したパケット消失率情報とを含むIPパケット形式の再送要求パケットを生成し、請求項1から3のいずれか一項に記載の送信サーバに向けて送信する再送要求パケット生成部と、
    当該再送要求パケットに応じて前記送信サーバから再送要求に応じて再送された符号化データを格納するIPパケット列の符号化データパケットを受信して、前記送信サーバによるインターリーブの逆処理を行って前記再送要求に応じて再送された符号化データを抽出するIPパケット受信部と、を備え、
    前記誤り訂正復号部は、前記再送要求に応じて再送された符号化データについて、符号化率が変更されていないときは復調して得られる前記符号化データの符号化率で、符号化率が変更されているときは符号化率に応じたパディングビットを付加し、復号に必要な尤度比の置き換えに関する補完処理を経て復号処理を試み、所定時間内に復号できるまで対応する符号化データの再送の要求を繰り返す手段を有することを特徴とする受信装置。
  6. 前記誤り訂正符号は、内符号としてLDPC符号、外符号としてBCH符号が連接した連接符号からなり、
    前記誤り訂正復号部は、前記BCH符号の復号処理でビット誤りのエラーが訂正しきれなかった、もしくは前記BCH符号の復号処理でエラーは訂正できたが所定のBCHエラー数となったときに、当該符号化データのビット誤りが訂正できなかったと判定することを特徴とする、請求項に記載の受信装置。
  7. 前記送信サーバとの往復回線のテスト通信による推定又はユーザ設定により定めたパケット消失率を、前記パケット消失率情報として前記再送要求パケット生成部へ設定するパケット消失率設定部を備えることを特徴とする、請求項又はに記載の受信装置。
  8. コンピュータを、請求項1から3のいずれか一項に記載の送信サーバとして機能させるためのプログラム。
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