JP7464465B2 - 微細中空突起具 - Google Patents

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Description

本発明は、微細中空突起具に関する。
特許文献1には、内部に空間の形成された微細中空突起部が基底部材から突出する微細中空突起具において、微細中空突起部の頂点を通る何れかの縦断面を視て、頂点側の頂点側部位における肉厚が、頂点側部位よりも基底部材側の下方側部位における肉厚よりも薄く形成された微細中空突起具が開示されている。
特開2017-176652号公報
特許文献1に記載の技術では、微細中空突起部の頂点側の頂点側部位における肉厚が、頂点側部位よりも基底部材側の下方側部位における肉厚よりも薄く形成されているため、皮膚への穿刺時に先端がつぶれて、穿刺性が低下することがある。
したがって本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る微細中空突起具を提供することにある。
本発明は、内部空間を有する微細な中空突起部が基底部から突出しており、該中空突起部の頂点側から対象物に穿刺される微細中空突起具であって、前記中空突起部は、前記中空突起部の頂点を通る何れかの縦断面を視て、該中空突起部の突出方向と直交する幅方向に位置する外面同士の間隔を外径、前記幅方向に位置する内面同士の間隔を内径、前記内径が0より大きい領域における前記外径と前記内径の差の半分の値を肉厚と定義した場合に、前記内径が、前記頂点側から前記基底部に向かって連続的又は非連続的に増加しており、前記頂点側から前記基底部側に向かって、前記肉厚が増加から減少に転じる上部厚み転換部と、前記肉厚が減少から増加に転じる下部厚み転換部とを有し、該下部厚み転換部が、前記上部厚み転換部よりも前記基底部側に位置する、微細中空突起具を提供するものである。
本発明によれば、皮膚への穿刺時の先端つぶれが抑制され、穿刺性が向上した微細中空突起具を提供することができる。
図1は、本発明の微細中空突起具の一例であるマイクロニードルアレイの模式斜視図である。 図2(a)は1つの中空突起部の概略構成を示す斜視図であり、図2(b)は図2(a)に示すA-A線切断端面図である。 図3は、微細中空突起具の先端径の測定方法を示す説明図である。 図4(a)は本実施形態に係る微細中空突起具の中空突起部の縦切断端面図、図4(b)は外径と内径の突出方向における各高さでの外径及び内径の計測値をプロットした図、図4(c)は突出方向における各高さでの肉厚の計測値をプロットした図である。 図5は、図1に示す微細中空突起具を製造する製造装置の一構成例を示す図である。 図6は、製造装置が備える凸型部の先端角度の測定方法を示す説明図である。 図7は、図5に示す製造装置を用いて微細中空突起具を製造する製造工程を説明する図である。 図8(a)~(e)は、異なる超音波振幅で形成した中空突起部の縦切断端面図である。 図9(a)は図8に示した各中空突起部の外径を計測した値をプロットした図、図9(b)は図8に示した各中空突起部の内径を計測した値をプロットした図、図9(c)は図8に示した各中空突起部の肉厚を計測した値をプロットした図である。 中空突起部の穿刺性荷重評価試験の評価結果示す図である。 図11(a)は、貫通孔を有する中空突起部を示す斜視図、図11(b)は図11(a)のB-B線断面端面図である。 図12は、図11に示す貫通孔を有する中空突起部を備えた微細中空突起具を製造する製造装置の全体構成を示す図である。 図13は、貫通孔を有する複数の中空突起部の構成と、これら中空突起部による穿刺評価実験の評価を示す図である。 図14は、中空突起部の肉厚と先端からの距離と先端つぶれの関係を示す図である。
以下、本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
図1は、微細中空突起具1としての一例であるマイクロニードルアレイ1(M)の斜視図を示す。本実施形態のマイクロニードルアレイ1(M)は、シート状の基底部2と複数の微細な中空突起部3とを有している。複数の中空突起部3は、基底部2から突出して形成されている。中空突起部3の数、中空突起部3の配置には、特に制限はないが、本実施形態のマイクロニードルアレイ1(M)は、好適には、シート状の基底部2の上面となる他面側2Uに、9個の略円錐台状の中空突起部3をアレイ(行列)状に有している。他面側2Uは、基底部2の下面を一面側2Dとしたとき、該一面側と反対側の面である。アレイ(行列)状に配された9個の中空突起部3は、後述する基材シート2Aを搬送する方向(基材シート2Aの長手方向)であるY方向に3行、搬送する方向と直交する方向及び搬送される基材シート2Aの幅方向であるX方向に3列に配されている。本実施形態において、シート状の基底部2は熱可塑性樹脂を含んだ部材で構成されている。マイクロニードルアレイ1(M)の中空突起部3は非常に小さなものであるが、説明の便宜上、中空突起部3を非常に大きく描いている。
図2(a)は、マイクロニードルアレイ1(M)の有する複数の中空突起部3の内の1個の中空突起部3の概略構成を示す斜視図であり、図2(b)は、図2(a)に示すA-A線断面端面図である。図2(a),(b)に示す中空突起部3は、基底部2から突出方向Hに向かって突出し、中空突起部3の頂点P側から対象物に穿刺されるものである。ここで、中空突起部3に穿刺される対象物とは、例えば皮膚が挙げられる。
中空突起部3は、基底部2の他面側2U上に立設している。中空突起部3は、図2(b)に示すように、その内部に空間3s(以下「内部空間3s」という)が形成されている。具体的には、内部空間3sは基底部2を貫通して、中空突起部3の内部にまで至るように形成されている。
微細中空突起具1は、中空突起部3の突出高さH1(図2(b)参照)が、マイクロニードルとして使用する場合には、その先端を最も浅いところでは皮膚の角層まで、深くは真皮まで刺入するため、好ましくは0.01mm以上、更に好ましくは0.02mm以上であり、そして、好ましくは10mm以下であり、更に好ましくは5mm以下であり、具体的には、好ましくは0.01mm以上10mm以下であり、更に好ましくは0.02mm以上5mm以下である。
突出高さH1は、中空突起部3が突出している基底部2の他面側2Uと平行であって、突出方向Hに対して直交し、中空突起部3の頂点Pを通る仮想線P1と他面側2Uとの間の距離である。他面側2Uが平坦面ではなく、波打つような凹凸面である場合、頂点Pを通る仮想線P1と、他面側2Uの凸部分の頂部を結び仮想線P1と平行な仮想線との間の距離を突出高さH1とすればよい。突出高さH1は、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)もしくはマイクロスコープを用いて所定倍率拡大した状態で、頂点Pを通る仮想線P1を引き、仮想線P1から他面側2Uまでの間の距離を計測することで知ることができる。
本実施形態において、中空突起部3は、略筒状であって、頂点Pを通る何れかの縦断面を視て、中空突起部3の突出方向Hと直交する幅方向X1に位置する外面32,32同士の間隔を外径r1とし、幅方向X1に位置する内面31,31同士の間隔を内径r2としている。本実施形態では、内径が0より大きい領域における外径r1と内径r2の差の半分の値を肉厚T1と定義する。図2(b)に示すように、観察する縦断面において、中空突起部3の断面形状が、頂点Pを通る垂線Gに対して左右対称である場合、中空突起部3の突出方向Hの各位置において、外面32と垂線Gとの間の距離から内面31と垂線Gとの間の距離を減じた値を、外径r1と内径r2の差の半分の値と同視して、肉厚T1の値とすることもできる。例えば、本実施形では、肉厚T1は、例えば査型電子顕微鏡(SEM)もしくはマイクロスコープを用いて所定倍率拡大した状態で、頂点Pを通る垂線Gから片側の内面31までの距離と片側の外面32までの距離を同一の高さでそれぞれ計測し、それぞれの計測値を2倍して得られる外径r1と内径r2の差の半分の値を計算することで計測することができる。
基底部2は、他面側2Uから下面となる一面側2Dまでの厚みT2が、好ましくは0.01mm以上、更に好ましくは0.02mm以上であり、そして、好ましくは1.0mm以下であり、更に好ましくは0.7mm以下であり、具体的には、好ましくは0.01mm以上1.0mm以下であり、更に好ましくは0.02mm以上0.7mm以下である。厚みT2は基材シート2Aの厚さである。
中空突起部3の先端径は、その直径が、好ましくは0.001mm以上、更に好ましくは0.005mm以上であり、そして、好ましくは0.5mm以下であり、更に好ましくは0.3mm以下であり、具体的には、好ましくは0.001mm以上0.5mm以下であり、更に好ましくは0.005mm以上0.3mm以下である。微細中空突起具1の中空突起部3の先端径は、以下のようにして測定する。
中空突起部3の先端部を、走査型電子顕微鏡(SEM)もしくはマイクロスコープを用いて所定倍率拡大した状態で、例えば、図3に示すSEM画像のように観察する。次に、図3に示すように、両側辺1a,1bの内の一側辺1aにおける直線部分に沿って仮想直線ILaを延ばし、他側辺1bにおける直線部分に沿って仮想直線ILbを延ばす。そして、先端側にて、一側辺1aが仮想直線ILaから離れる箇所を第1先端点1a1として求め、他側辺1bが仮想直線ILbから離れる箇所を第2先端点1b1として求める。このようにして求めた第1先端点1a1と第2先端点1b1とを結ぶ直線の長さLを、走査型電子顕微鏡(SEM)又はマイクロスコープを用いて測定し、測定した該直線の長さを、中空突起部3の先端径とする。
本実施形態では、微細中空突起具1が複数の中空突起部3を備えているので、中空突起部3の先端径としたが、微細中空突起具1が1つの中空突起部3と基底部2から構成されている場合、中空突起部3の先端径は、微細中空突起具1の先端径ともいえる。
図4(a)は、本実施形態に係る中空突起部3の縦断面、図4(b)は外径r1と内径r2の突出方向Hにおける各高さでの外径r1及び内径r2の計測値をプロットした図、図4(c)は突出方向Hにおける各高さでの肉厚T1の計測値をプロットした図である。図4(b)、図4(c)において、縦軸は頂点Pから基底部2の他面側2Uに向かう距離(突出方向Hに沿う距離)を示し、横軸は幅方向X1への寸法を示す。
本実施形態に係る微細中空突起具1は、図4(b)に示すように、中空突起部3の内径r2が頂点P側から基底部2に向かって連続的に増加している。微細中空突起具1は、頂点P側から基底部2側に向かって、肉厚が増加から減少に転じる上部厚み転換部F1と、肉厚が減少から増加に転じる下部厚み転換部F2とを有している。より具体的には、上部厚み転換部F1は下部厚み転換部F2よりも頂点P側に位置し、下部厚み転換部F2は上部厚み転換部F1よりも基底部2側に位置している。上部厚み転換部F1は、皮膚への穿刺時における中空突起部3の剛性確保をする機能を有する。
中空突起部3の内面又は外面に極めて微小な凹凸が存在する場合、その凹凸に起因する肉厚の微小な変化まで計測すると、中空突起部3の突出方向Hの位置と肉厚T1との関係を示す関係曲線中に多数の凹凸が生じることになる。上部厚み転換部F1及び下部厚み転換部F2は、そのような微小な凹凸を無視して、関係曲線の概略形状から、その存在及び存在位置を判定する。例えば、中空突起部3の突出突さH1が1mmの場合に、その100分の1の10μmに満たないような肉厚の変動部が部分的に存在しても、その肉厚の変動部は、上部厚み転換部F1又は下部厚み転換部F2としない。
図4(b)及び図4(c)に示すように、上部厚み転換部F1及び下部厚み転換部Fを示す関係曲線は、例えば、中空突起部3の突出突さH1を20乃至25等分する間隔で、外径r1、内径r2及び肉厚T1をプロットして求めることが好ましい。
本実施形態では、突出方向Hの突出高さH1を二等分して、中空突起部3の縦断面を、頂点Pが位置する第1領域E1及び前記基底部2が位置する第2領域E2に区分したときに、第1領域E1に上部厚み転換部F1が位置し、第2領域E2に下部厚み転換部F2が位置している。
また、本実施形態に係る中空突起部3は、頂点Pと基底部2の他面側2U(上面側)との間を2等分する位置よりも基底部2側、すなわち、第2領域E2に、下部厚み転換部F2から徐々に大きくなる肉厚部F3が形成されている。肉厚部F3は、下部厚み転換部F2よりも肉厚とされている。中空突起部3は、肉厚がF2<F1となるように形成されている。中空突起部3は、内径r2が第1領域E1から第2領域E2に向かって線形的に増加するように形成されている。中空突起部3の内径r2は、線形的に増加するものに限定されるものではなく、非連続的に増加する形態であってもよい。内径r2が非連続的に増加する形態としては、頂点P側から基底部2側に向かって内径r2の変化をみたときに、内径r2が増加する部分と増加する部分との間に内径r2が一定の部分が一又は複数有する場合、内径r2が多段階で増加している場合等が挙げられる。
本実施形態の微細中空突起具1によれば、中空突起部3の基底部2よりも頂点P側に上部厚み転換部F1が位置し、頂点Pよりも基底部2側に下部厚み転換部F2が位置しているので、中空突起部3を頂点P側から対象物に穿刺する際に頂点Pが位置する先端側がつぶれることを抑制できる。また、頂点Pよりも基底部2側に下部厚み転換部F2が位置しているので、皮膚への穿刺が進んだ場合でも穿刺動作の抵抗が軽減され、穿刺性が向上する。
また、中空突起部3は、基底部2側に位置する第2領域E2に、下部厚み転換部F2から徐々に大きくなる肉厚部F3を備えているので、中空突起部3の根本となる基底部2側での剛性が向上し、穿刺時における中空突起部のブレが抑えられ、穿刺動作の抵抗が軽減され、穿刺性が向上する。
本実施形態では、図4(a)及び図4(b)に示すように、中空突起部3は、突出方向Hにおける頂点P近傍に、頂点P側から基底部2側に向かって、外径r1が急激に増加する外径急増部32aを有し、該外径急増部32aより下方の、突出方向Hの中央部付近に、頂点P側から基底部2側に向かって、外径r1が増加しないか又は増加の程度が外径急増部32aよりも小さい外径低変化部32bを有している。また、突出方向Hにおける外径低変化部32bよりも基底部2側に、頂点P側から基底部2側に向かって、外径r1が再び急激に増加する下部外径急増部32cを有している。外径急増部32aと外径低変化部32bとの境界は、第1領域E1に存することが好ましく、外径低変化部32bと下部外径急増部32cとの境界は、第2領域E2に存することが好ましい。また図4(b)に示すように、突出方向Hの位置と外径r1との関係を示す関係曲線は、突出方向Hの位置と内径r2との関係を示す略直線状の関係線から離れる方向に凸の湾曲部を、第1領域E1に有することが好ましく、突出方向Hの位置と内径r2との関係を示す略直線状の関係線に近づく方向に凸の湾曲部を、第2領域E2に有することが好ましい。
本実施形態においては、主として外径r1を変化させることで、頂点P側から基底部2に向かっての肉厚T1の変化を制御している。外径r1に、内径r2に比して大きな変化を与えて肉厚T1を制御することは、例えば、後述する製造方法において、凸型部11で同一形状の中空突起部3が安定して形成されるようにする観点等から好ましい。
また本実施形態に係る微細中空突起具1では、下部厚み転換部F2が肉厚の最小部となっている一方、下部厚み転換部F2より頂点P側に、下部厚み転換部F2より頂点P側における肉厚の最大部となる上部厚み転換部F1が存在している。このように、本発明によれば、中空突起部の突出方向Hにおける基底部2寄りの部位、好ましくは第2領域E2に、肉厚最小部を有し、突出方向Hにおける肉厚最小部より頂点P側、好ましくは第1領域E1に、肉厚が、肉厚最小部より大きい部分を有する中空突起部を備えた微細中空突起具も提供される。
本実施形態に係る微細中空突起具1では、図4(c)に示すように、縦断面において、第2領域E2における中空突起部3の下部厚み転換部F2の肉厚に対する第1領域E1における上部厚み転換部F1の肉厚の比の値を3.0以上としている。中空突起部3の下部厚み転換部F2の肉厚に対する第1領域E1における上部厚み転換部F1の肉厚の比を、以下、「上部厚み転換部F1:下部厚み転換部F2の比」と記す。つまり、中空突起部3は、上部厚み転換部F1が下部厚み転換部F2よりも3倍以上の肉厚となるように形成されている。
上部厚み転換部F1:下部厚み転換部F2の比の値は、3.0以上、好ましくは6以上、より好ましくは9以上であり、100以下、好ましくは50以下、より好ましくは20以下であり、具体的には、3.0以上100以下、好ましくは6以上50以下、より好ましくは9以上20以下である。
本実施形態の微細中空突起具1によれば、第2領域E2における下部厚み転換部F2の肉厚に対する第1領域E1における上部厚み転換部F1の肉厚の比の値が3.0以上であると、後述する試験結果から明らかなように、中空突起部3の先端側のつぶれを抑制しつつも穿刺性が向上する。
中空突起部3は、可塑性樹脂を含んだ部材から構成されているので、熱加工によって容易に形成することができる。
次に、マイクロニードルアレイ1(M)として形成した微細中空突起具1の製造装置の一例について説明する。
図5には微細中空突起具1の製造装置100の全体構成が示されている。製造装置100は、基材シート2Aに中空突起部3を形成する突起部形成部10、冷却部20、凸型部11を抜き出すリリース部30を備えている。以下の説明では、基材シート2Aを搬送する方向(基材シート2Aの長手方向)をY方向、搬送する方向と直交する方向及び搬送される基材シート2Aの幅方向をX方向、搬送される基材シート2Aの厚み方向をT方向として説明する。なお、本明細書において凸型部11とは、基材シート2Aに刺さる部分である凸型110を備えた部材のことである。凸型110は、本実施形態では、円盤状の土台部111の上に配された構造となっている。ただし、これに限られず凸型110のみからなる凸型部11であっても良いし、複数の凸型110を台状支持体の上に配した凸型部11であっても良い。
製造装置100は、熱可塑性樹脂を含んで形成された基材シート2Aの原反ロールから帯状の基材シート2Aを繰り出し、Y方向に搬送する。そして、基材シート2Aが所定位置まで送られたところで、基材シート2Aの搬送を止める。このように、実施形態においては、帯状の基材シート2Aの搬送を間欠的に行うようになっている。基材シート2Aの搬送は、原反ロールからの搬送に限らず、例えば予め所定の大きさに切断された基材シート2Aをロボット等により、間欠的に所定位置に供給する形態であっても良い。
熱可塑性樹脂としては、ポリ脂肪酸エステル、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート類、ポリ塩化ビニル、ナイロン樹脂、アクリル樹脂等又はこれらの組み合わせが挙げられ、生分解性の観点から、ポリ脂肪酸エステルが好ましく用いられる。ポリ脂肪酸エステルとしては、具体的に、ポリ乳酸、ポリグリコール酸又はこれらの組み合わせ等が挙げられる。尚、基材シート2Aは、熱可塑性樹脂以外に、ヒアルロン酸、コラーゲン、でんぷん、セルロース等を含んだ混合物で形成されていても良い。基材シート2Aの厚みは、製造する微細中空突起具1の有する基底部2の厚みT2と同等である。
凸型部11の先端側の形状は、製造する微細中空突起具1の有する中空突起部3の外形形状に対応した形状となっていればよい。凸型部11の凸型110は、図5に示すよう、その高さH2が、製造される微細中空突起具1(中空突起部3)の突出高さH1と同じか或いは若干高く形成されており、好ましくは0.01mm以上、更に好ましくは0.02mm以上であり、そして、好ましくは30mm以下であり、更に好ましくは20mm以下であり、具体的には、好ましくは0.01mm以上30mm以下であり、更に好ましくは0.02mm以上20mm以下である。
凸型部11の凸型110は、図6に示すよう、その先端径D1が、好ましくは0.001mm以上、更に好ましくは0.005mm以上であり、そして、好ましくは1mm以下であり、更に好ましくは0.5mm以下であり、具体的には、好ましくは0.001mm以上1mm以下であり、更に好ましくは0.005mm以上0.5mm以下である。凸型部11の凸型110の先端径D1は、以下のようにして測定する。
凸型部11の凸型110の先端径の測定は、走査型電子顕微鏡(SEM)もしくはマイクロスコープを用いて所定倍率拡大した状態で観察する。次に、図6に示すように、両側辺11a,11bの内の一側辺11aにおける直線部分に沿って仮想直線ILcを延ばし、他側辺11bにおける直線部分に沿って仮想直線ILdを延ばす。そして、先端側にて、一側辺11aが仮想直線ILcから離れる箇所を第1先端点11a1として求め、他側辺11bが仮想直線ILdから離れる箇所を第2先端点11b1として求める。このようにして求めた第1先端点11a1と第2先端点11b1とを結ぶ直線の長さD1を、走査型電子顕微鏡(SEM)又はマイクロスコープを用いて測定し、測定した該直線の長さを、凸型110の先端径とする。
凸型部11の凸型110は、その根本径D2が、好ましくは0.1mm以上、更に好ましくは0.2mm以上であり、そして、好ましくは5mm以下であり、更に好ましくは3mm以下であり、具体的には、好ましくは0.1mm以上5mm以下であり、更に好ましくは0.2mm以上3mm以下である。凸型部11の凸型110は、十分な強度が得られ易くなる観点から、その先端角度αが、好ましくは1度以上、更に好ましくは5度以上である。そして、先端角度αは、適度な角度を有する突起部3を得る観点から、好ましくは60度以下であり、更に好ましくは45度以下であり、具体的には、好ましくは1度以上60度以下であり、更に好ましくは5度以上45度以下である。凸型部11の先端角度αは、以下のようにして測定する。
凸型部11の凸型110の先端部を、走査型電子顕微鏡(SEM)もしくはマイクロスコープを用いて所定倍率拡大した状態で、例えば、図6に示すSEM画像のように観察する。次に、両側辺11a,11bの内の一側辺11aにおける直線部分に沿って仮想直線ILcを延ばし、他側辺11bにおける直線部分に沿って仮想直線ILdを延ばす。そして、仮想直線ILcと仮想直線ILdとのなす角を、走査型電子顕微鏡(SEM)又はマイクロスコープを用いて測定し、測定した該なす角を、凸型部11の凸型110の先端角度αとする。
図5に示すように、製造装置100は、基材シート2Aの他面側2U(上面側)と一面側2D(下面側)とに第1の開口プレート12Uと第2の開口プレート13Dとがそれぞれ配されている。これら開口プレートは撓み抑制部材として機能する。製造装置100は、第1の開口プレート12Uで構成される支持部材12と第2の開口プレート13Dで構成される第2支持部材13とで、基材シート2Aを挟んだ状態で突起部形成工程を行うようになっている。
基材シート2Aを支持する支持部材12は、凸型部11を一面側2Dから刺し込んだ際に基材シート2Aが撓みにくくする役目をしている。したがって、支持部材12は、基材シート2Aにおける凸型部11が刺し込まれる領域以外の領域、言い換えれば、基材シート2Aにおける突起部3の形成される領域以外の領域を支持するように配置されている。このように配置される支持部材12として、実施形態の製造装置100では、凸型部11における凸型110を挿通可能な開口部12aを複数有する第1の開口プレート12Uを用いている。第1の開口プレート12Uは、搬送方向(Y方向)に平行に延在する板状部材から形成されている。第1の開口プレート12Uでは、開口部12a以外の領域で基材シート2Aを支持している。
第1の開口プレート12Uは、1個の開口部12aに対して凸型部11における凸型110が複数個挿通できるように、凸型110の断面積よりも大きな開口面積で形成されていてもよいが、本実施形態の製造装置100では、1個の開口部12aに対して1個の凸型110が挿通されるように形成されている。
第1の開口プレート12Uは、基材シート2Aに当接する方向と離間する方向であるT方向(厚み方向)に移動可能となっている。本実施形態の製造装置100では、第1の開口プレート12Uは、電動アクチュエータ(図示せず)によって、T方向(厚み方向)に移動可能となっている。第1の開口プレート12Uの動作は、製造装置100に備えられた、制御手段300により制御されるようになっている。
製造装置100は、凸型部11にエネルギーを付与する手段を備えている。凸型部11にエネルギーを付与する手段は加熱手段であり、例えば、超音波振動装置200で構成されている。超音波振動装置は、超音波発振器と、超音波発振器から送信される超音波信号によって所定の超音波振幅、発振周波数で振動する超音波ホーンとを備えている。凸型部11は、土台部111がこの超音波ホーンに装着されている。凸型部11は、超音波ホーンが振動することで一体となって振動し、基材シート2Aと当接した際に基材シート2Aに超音波振動を与えることによって、摩擦熱を発生させる。
本実施形態においては、中空突起部3を形成する突起形成工程と、中空突起部3の内部に凸型部11を刺した状態で中空突起部3を冷却する冷却工程と、冷却工程の後に、中空突起部3の内部から凸型部11を抜いて微細中空突起具1を形成するリリース工程とを備えている。
図5に示すように、製造装置100は、基材シート2Aの原反ロールから帯状の基材シート2Aを繰り出し、Y方向に搬送する。そしてY方向に搬送されている帯状の基材シート2Aを所定位置で停止させた後、基材シート2Aの一面側2Dから凸型部11を当接させて、基材シート2Aにおける当接部分を、凸型部11を振動させることで熱により軟化させながら、凸型部11を基材シート2Aに刺してゆき基材シート2Aの他面側2Uから突出する中空突起部3を形成する。
制御手段300は、電動アクチュエータのストローク量と、超音波振動装置200の超音波振幅を制御するようになっている。ストローク量は、凸型部11の刺入高さであり、本実施形態では座標値Zとなる。
制御手段300は、突起形成工程において、予め設定した凸型部11の刺入高さとなる座標値Zに応じて単位刺入高さあたりの基材シート2Aに加わる熱量を変化させることで、中空突起部3の形状を制御するようになっている。具体的には、座標値Zに応じて超音波振幅を調整することで、基材シート2Aに加わる熱量を変化させている。つまり、基材シート2Aへの刺入中に超音波振幅を可変させることで熱量を変化させて、中空突起部3〔微細中空突起具1〕の形状を制御している。
このように、制御手段300は、突起形成工程において、凸型部11にエネルギーを付与する手段となる超音波振動装置200を、予め設定した条件に基づき制御し、凸型部11の刺入高さに応じて基材シート2Aに加わる熱量を変化させることで、中空突起部3〔微細中空突起具1〕の形状を制御している。制御手段300は、基材シート2Aへの刺入中に超音波振幅を変更せずに一定のままとして、中空突起部3〔微細中空突起具1〕の形状を制御する機能も備えている。
制御手段300は、予め設定した凸型部11の刺入高さである座標値Zに対する加熱条件を定常又は非線形的に変化させることで、中空突起部3の形状をより高精度に制御することが可能とされている。本実施形態では、加熱条件のパラメータとして、超音波振動装置200による凸型部11に対する超音波振幅を用いている。つまり、発振周波数は固定として超音波振幅を変更するようにしている。加熱条件のパラメータとしては、超音波振幅ではなく、発振周波数を用いてもよい。
図5,図7を用いて凸型部11と超音波振幅との関係を製造工程に沿って説明する。
図7は、微細中空突起具1の製造工程と、基材シート2Aに加わる熱量を変化させるタイミングと変化量の関係を説明する図である。図7において、Zaは凸型部11が基材シート2Aの一面側2Dから離間した最下位置を占めた時の電動アクチュエータから送信される座標値であり、Z0は基材シート2Aの一面側2Dの位置を示す。Zbは加熱が開始される座標値を示し、Zcは凸型部11が最大上昇位置を占めた時の座標値を示す。
本実施形態においては、原反ロールから繰り出されてY方向に搬送されている帯状の基材シート2Aを所定位置で停止させた後、第1の開口プレート12Uと第2の開口プレート13Dを昇降させ、基材シート2Aを第1の開口プレート12Uと第2の開口プレート13Dとで挟んだ状態で突起部形成工程を行うようになっている。この段階においては、凸型部11は、図7(a)に示すように、基材シート2Aの一面側2D(下面側)から離間した位置を占めている。
そして、制御手段300によって電動アクチュエータが駆動されて凸型部11を基材シート2Aに向かってに上昇移動させると、座標値Z(刺入高さ)に応じた加熱制御が実行される。本実施形態では、座標値Zbとなると、図7(b)に示すように、超音波振動装置200を作動して凸型部11を振動させる。この時の超音波振幅はA1である。
本実施形態においては、当接部分TPから離間した待機状態から図7(b)示す上昇工程において電動アクチュエータによって凸型部11を当接部分TPに向かって上昇させつつ、超音波振動装置200により凸型部11を加熱し、当接部分TPに熱を発生させて当接部分TPを軟化させる。そして、図7(c)に示すように、基材シート2Aの一面側2D(下面側)から他面側2U(上面側)に向かって凸型部11を上昇させて基材シート2Aに刺してゆく。
基材シート2Aに突き刺さった状態で凸型部11が上昇を続けると、図7(d)に示すように制御手段300によって超音波振幅がA1からA1よりも振幅の大きいA2へと変更されて当接部分TP(基材シート2A)に与える熱量が多くなり、基材シート2Aの他面側2U(上面側)から突出する中空突起部3が所定の形状を形成する。
このように、凸型部11の座標値Z(刺入高さ)が変動すると、それに応じて超音波ホーンの振幅を変更して基材シート2Aに加わる熱量を変化させることで、突起形成工程において、予め設定した凸型部11の刺入高さとなる凸型部11の座標値Zに応じて単位刺入高さあたりの微細中空突起具1の形状を高精度に制御することができる。このため、凸型部11の形状を変更することなく、所望の形状の中空突起部3を備えた微細中空突起具1を形成することが可能である。
凸型部11による基材シート2Aの加熱温度は、中空突起部3を効率的に形成する観点から、使用される基材シート2Aのガラス転移温度以上溶融温度未満であることが好ましく、特に軟化温度以上溶融温度未満であることが好ましい。本実施形態の場合、この温度範囲になるように、発振周波数や超音波振幅を調整することで加熱温度を調整すればよい。
本実施形態では、凸型部11の座標値Z(刺入高さ)が変動すると、それに応じて超音波ホーンの振幅が切替前の振幅に対して大きくなるように切替えたが、希望する中空突起部3の形状によっては、凸型部11の座標値Z(刺入高さ)が変動すると、切替前の振幅よりも小さくなるように切替制御してもよい。また、凸型部11の座標値Z(刺入高さ)が変動しても、座標値Zbにおいて与える超音波振幅を変更せず、任意の値を維持して凸型部11を振動させて中空突起部3を形成するようにしてもよい。また、中空突起部3は、これら凸型部11の超音波振幅を変更するのでなく、凸型部11の形状や刺入速度、軟化時間を変更しても、その形状を変更することができる。
凸型部11を基材シート2Aに刺してゆく刺入速度は、遅過ぎると樹脂を過剰に加熱軟化させ、速過ぎると加熱軟化不足となるので、中空突起部3を効率的に形成する観点から、好ましくは0.1mm/秒以上、更に好ましくは1mm/秒以上であり、そして、好ましくは1000mm/秒以下であり、更に好ましくは800mm/秒以下であり、具体的には、好ましくは0.1mm/秒以上1000mm/秒以下であり、更に好ましくは1mm/秒以上800mm/秒以下である。加熱状態の凸型部11の上昇を停止させ、中空突起部3の内部に凸型部11を刺した状態のまま次工程(冷却工程)までの時間である軟化時間は、長過ぎると過剰加熱となるが、加熱不足を補う観点から、好ましくは0秒より大きく、更に好ましくは0.1秒以上であり、そして、好ましくは10秒以下であり、更に好ましくは5秒以下であり、具体的には、好ましくは0秒より大きく10秒以下であり、更に好ましくは0.1秒以上5秒以下である。
前述した凸型部11が最大上昇位置にある時の高さを最大刺入高さと定義する。最大刺入高さは、スライダー203や電動アクチュエータ204等の部材により機械的に制限される上限位置の高さを指すものではない。最大刺入高さは突起部形成工程で凸型部11が最も深く刺し込まれて基材シート2Aの他面側2Uから凸型部11が出てきた状態(図9(d))における、基材シート2Aの一面側2Dから垂直方向に測定した凸型部11の頂点までの距離のことである。例えば突出高さH1=1mmの中空突起部3を製造する場合において、基材シート2Aの厚みT2が0.4mmの場合、最大刺入高さは1.4mmとなり、高さ0.6mmの中空突起部3を製造する場合において、基材シート2Aの厚みT2が0.4mmとすると、最大刺入高さは1.0mmとなる。
本実施形態で説明した製造装置100においては、図5に示すように、第1の開口プレート12Uと第2の開口プレート13Dとで基材シート2Aを挟んだ状態で冷却部20において複数の中空突起部3が冷却される。本実施形態では、図7(e)が冷却工程を示し、この状態において超音波振幅は0とされている。超音波振幅を0とするタイミングは、凸型部11が最大上昇位置Zcを占めて所定時間経過した後、制御手段300によって制御され、基材シート2Aに対する加熱制御が停止される。冷却工程では、中空突起部3の内部に凸型部11を刺した状態で冷却する。
本実施形態で説明した加熱手段は、超音波振動装置200であるので、振動がなくなると冷却するのが早く、冷却部20に冷却装置を必ず備える必要はない。このように超音波振動装置200を加熱手段として用いると、装置の簡便化とともに、高速での微細中空突起具1の製造が容易となるので好ましい。また、基材シート2Aの凸型部11と当接していない部分では、より熱が伝わりにくく、また、超音波振動付与のオフによって冷却が効率的に行われるので、成形部分以外の変形が生じにくいという長所がある。
無論、冷却工程において冷却装置による冷却を否定するものではなく、より早期に冷却させたい場合には、送風ファンなどの公知の冷却装置を冷却部20に設置して複数の中空突起部3を冷却してもよい。
次に、製造装置100においては、図5に示すように、リリース部30においてリリース工程が行われる。リリース工程においては、図7(f)に示すように、電動アクチュエータを駆動して凸型部11を基材シート2Aの一面側2D(下面側)から離間する方向に向かって下降させ、中空突起部3の内部に凸型部11を刺した状態から凸型部11を抜いて、複数の微細な中空突起部3が基底部2から突出した前駆体1Bを形成する。そして、前駆体1Bを所定の長さに切断することによって、微細中空突起具1が製造される。
ところで、従来から凸型部11を用いて中空突起部3を形成し、最終的に微細中空突起具1を製造することが行われている。凸型部11を所望の形状に形成することができれば、所望の形状の中空突起部3や微細中空突起具1を得ることは可能であるが、複雑な形状に凸型部11を加工することは難しく、形状によっては形成することができない。また、加工できた場合でも、微細中空突起具1を形成する際には、形成したい微細中空突起具1の形状毎に凸型部11を交換しなければならない。
基材シート2Aの軟化温度より高い温度で加熱しながら凸型部11を基材シート2Aに貫通させて微細中空突起具1を形成しようとした場合、形成したい微細中空突起具1の突出高さH1によっては、基材シート2Aへ与える単位高さあたりの熱量の調整が難しい。例えば突出高さH1が1mm程度の場合、熱量が大きいと熱の伝わりが早く突起形状が崩れてしまう。また、熱量が低すぎると基材シート2Aを十分に軟化することができず、中空突起部3を十分に形成することができない。この結果、希望の形状の微細中空突起具1の形成が困難となる。つまり、凸型部11の形状を変えずに微細中空突起具1(中空突起部3)の形状を変更しようとした場合、凸型部11の刺入高さ〔座標値Z〕に応じて与える熱量を制御する必要がある。しかし、凸型部11の熱に対する感度〔温度変化特性〕、基材シート2Aの材質などを考慮して制御しなければ熱量制御によって希望の形状の微細中空突起具1を形成することは困難である。さらに、熱量制御は行わず、凸型部11の刺入速度を単独で変化させて形状を変更しようとした場合、微細中空突起具1の突出高さH1によっては、刺入速度の変化が形状の形成に影響を与えないこともある。
このため、凸型部11にエネルギーを付与する超音波振動装置200が予め設定した条件に基づき制御され、凸型部11の刺入高さ(座標値Z)に応じて基材シート2Aに加わる熱量を変化させることで、微細中空突起具1の形状を高精度に制御することができるので好ましい。
凸型部11にエネルギーを付与する手段として超音波振動装置200を用いる場合、熱量変化の応答性がよく、より所望の形状の微細中空突起具1が形成可能である。
突起形成工程における基材シート2Aに加わる熱量の変化が、超音波振動装置200による凸型部11の刺入高さ(座標値Z)に対する超音波振幅を加熱条件のパラメータとする場合、温度変化に対する応答性がよく、微細中空突起具1(中空突起部3)の形状をより高精度に制御することができるので好ましい。基材シート2Aに加わる熱量を連続的に変化させる場合、微細中空突起具1を製造する際の連続的な温度変化による加工が可能となり、微細中空突起具1の形状をより高精度に制御することができるので好ましい。
加熱条件のパラメータとして超音波振動装置200による凸型部11の刺入高さ(座標値Z)に対する超音波振幅を用いるのではなく、凸型部11が基材シート2Aに向かって移動する際の刺入速度をパラメータとして用いてもよい。
当接直後における過度な基材シート2Aの軟化による突起先端部の肉薄化を抑えられ、微細中空突起具1の形状をより高精度に制御する観点から、突起形成工程において、凸型部11と基材シート2Aとの当接直後における熱量を突起形成直後における熱量よりも小さく設定するのが好ましい。
本実施形態において、当接直後とは、図7において凸型部11がZ0の位置を占めた状態であり、突起形成直後とは、図7において凸型部11がZcの位置を占めた状態である。
図8は、製造装置100を用いて異なる超音波振幅で形成した複数の中空突起部3の縦切断端面図である。図8(a)は超音波振幅30%で形成した中空突起部330、図8(b)は超音波振幅45%で形成した中空突起部345、図8(c)は超音波振幅70%で形成した中空突起部370、図8(d)は超音波振幅90%で形成した中空突起部390、図8(e)は超音波振幅30%から90%に切替えて形成した中空突起部3を示す。図8(e)に示す中空突起部3は、本実施形態に係る中空突起部である。図8に示す各中空突起部は、超音波振幅以外の条件となる基材シート2Aの厚さ、凸型部の形状、刺入速度、刺入高さ、発振周波数、軟化時間はすべて同一としている。図8(e)に示す中空突起部3は、図7に示すタイミングで、超音波振幅をA1及びA2に切り替えることによって得ることができる。
図9(a)~図9(c)は、図8に示した中空突起部の内径と外径と肉厚を計測した値をプロットした図である。図9(a)は各中空突起部の外径の変化を示し、図9(b)は各中空突起部の内径の変化を示し、図9(c)は各中空突起部の肉厚の変化を示す。図9(a)~図9(c)において、縦軸は頂点Pから基底部2の他面側2Uに向かう距離(突出方向Hに沿う距離)の値を示し、横軸は幅方向X1への寸法を示す。
超音波振幅30%で形成した中空突起部330の上部厚み転換部F1:下部厚み転換部F2の比の値は1.82であった。
超音波振幅45%で形成した中空突起部345の上部厚み転換部F1:下部厚み転換部F2の比の値は2.44であった。
超音波振幅70%で形成した中空突起部370の上部厚み転換部F1:下部厚み転換部F2の比の値は1.78であった。
超音波振幅90%で形成した中空突起部390の上部厚み転換部F1:下部厚み転換部F2の比の値は2.27であった。
本実施形態における中空突起部3の上部厚み転換部F1:下部厚み転換部F2の比の値は9.78であった。
図8に示した複数の中空突起部の内、超音波振幅30%で製造した中空突起部330、超音波振幅90%で製造した中空突起部390及び本実施形態に係る中空突起部3を用いて、穿刺性荷重評価試験を行った。
穿刺性荷重評価試験は、歪計測機器である周知のロードセルに、突出高さを1000μm(1mm)とした中空突起部3,330,390をそれぞれセットし、試験用の皮膚モデルに対して垂直に中空突起部3,330,390を穿刺したときの荷重変化を計測するものである。この時の評価結果を図10に示す。
図10において、縦軸は穿刺時の荷重〔N〕を示し、横軸は穿刺深さ〔mm〕を示す。各中空突起部は、穿刺深さ0.6mm程度までは、ほぼ同様の荷重変位を示す。穿刺深さ0.6mmまでは穿刺深さが増すにつれて荷重が徐々に上昇している。これは各中空突起部が皮膚モデルを押圧しているためである。
本実施形態に係る中空突起部3の場合、穿刺深さが0.6mmを過ぎると荷重が一気に低下する。これは、中空突起部3が皮膚モデルの表面を貫通したためである。また、荷重が一気に低下した後は0.8mm程度までは荷重変化が横ばいに推移している。これは、穿刺深さは増しているが荷重の増加が少なく、先端つぶれが抑制されて穿刺時における抵抗が低くなったことと推察される。荷重の横ばいが終わると、荷重が一気に荷重が増大している。これは穿刺が深くなるにつれて抵抗が増したためであると推察される。
このような中空突起部3による荷重変位の結果から、中空突起部3は頂点Pが位置する先端側に上部厚み転換部F1が位置して中空突起部3の先端側の肉厚増大に伴い耐久性が高くなり、かつ、上部厚み転換部F1から下部厚み転換部F2に向かって肉厚が徐々に薄くなるが外径r1の変化は少なく、直線状態のため抵抗が低くなる。すなわち、中空突起部3の先端肉厚化とそれ以降の外観形状により、皮膚表面の貫通に必要な穿刺荷重の低減及び貫通後の荷重が一定であるため、先端つぶれの抑制と穿刺し易さである穿刺性が向上したと推察できる。
これに対し、超音波振幅90%の中空突起部390の場合、穿刺深さ0.8mm程度までは荷重が増大し、その後、一旦荷重が低下した後、荷重が一気に荷重が増大している。これは、0.8mm程度までは中空突起部390が中空突起部390の先端側がつぶれて抵抗となり、皮膚モデルの表面を貫通できず、0.8mmを超えたあたりで皮膚モデルの表面を貫通したためである。
また、超音波振幅30%の中空突起部330の荷重変化は、本実施形態の中空突起部3と同じような変化であるが、荷重が一気に低下した後の荷重変化の横ばい期間が中空突起部3に比べて短くなっている。これは中空突起部330の外径r1の変化が大きく、穿刺時の抵抗が中空突起部3に比べて大きいためであると推察される。
図11(a)は、貫通孔3hを有する中空突起部3Aを備えた微細中空突起具1Aを示す斜視図であり、図11(b)は図11(a)のB-B線断面端面図である。図12は微細中空突起具1Aを製造する製造装置の一形態を示す。
微細中空突起具1Aは、先に説明した微細中空突起具1の中空突起部3に貫通孔3hを形成した中空突起部3Aを備えている。微細中空突起具1Aは、その外面32に、中空突起部3A内の内部空間3sと連通する貫通孔3hを有している。この貫通孔3hは、中空突起部3Aの厚みのある領域に配されている。貫通孔3hが配されている厚みのある領域とは、前述した第1領域E1である。微細中空突起具1Aの内径r2は、中空突起部の第1領域E1から第2領域E2に向かって線形的に増加している。
図12に示す製造装置100Aは、図5で説明した製造装置100に開孔形成部40を備えたものである。開孔形成部40は、基材シート2Aの他面側2U(上面側)に非接触式の開孔手段4を備えている。非接触式の開孔手段4としては、レーザー光を照射するレーザー光照射装置、ホットエアーを発射するホットエアー発射装置、赤外線を照射するハロゲンランプ照射装置等、熱源を用いた加工装置が挙げられる。製造装置100Aには、微細加工に必要な集光性や高精度なエネルギー制御が可能である観点から、非接触式の開孔手段4として、レーザー光照射装置が用いられている。
レーザー光照射装置(非接触式の開孔手段4)は、図12に示すように、レーザー光4Lを自在に走査するガルバノスキャナである照射ヘッド41を具備する。照射ヘッド41は、基材シート2Aの他面側2U(上面側)に該他面側2UからT方向(厚み方向)の上方に一定の間隔を空けて配置されている。
このように基材シート2Aの他面側2Uに配された照射ヘッド41からレーザー光4Lを、非貫通の中空突起部3Aに照射すると、中空突起部3Aに外面32に中空突起部3Aの内面31まで貫通する貫通孔3hを形成することができる。また、中空突起部3Aの任意の位置に貫通孔3hを形成し易いため、溶液等を供給したい皮膚表面に対する位置を任意に制御し易い。
照射ヘッド41は、図12に示すように、照射されたレーザー光4Lを集光するレンズ43、並びに集光したレーザー光4Lを自在に走査する2枚のミラー42及び保護レンズ44を具備する。保護レンズ44は具備しなくてもよいが、光学系への塵やほこりの進入を防止する観点から具備する方が好ましい。ミラー42は、モータ軸(図示せず)に取り付けられている。ミラー42は、レーザー光4Lが基材シート2A上の中空突起部3に当たる照射点を、Y方向に移動させる機構とX方向に移動させる機構とを備え、レーザー光4Lを自在に走査できるようになっている。レンズ43は、光軸方向に移動可能となっており、レーザー光4Lを集光して、中空突起部3に当たるレーザー光4Lの照射点のスポット径を一定にする機構、該レーザー光4Lの照射点を基材シート2AのT方向(厚み方向)に移動させる機構等を備えている。ミラー42及びレンズ43を有する照射ヘッド41は、レーザー光4Lの照射点をX方向、Y方向及びT方向からなる3次元に調整できるようになっている。その為、複数(図示の形態では9個)の中空突起部3それぞれの照射したい位置を3次元に座標化することで、レーザー光4Lを各中空突起部3の照射したい位置に所定のスポット径で照射することができる。レーザー光4Lとしては、貫通孔3hを形成する中空突起部3に吸収され得るものを用いることが好ましい。中空突起部3を形成する基材シート2Aが、熱可塑性樹脂を主体とするフィルム等のシートである場合、レーザー光4Lとしては、COレーザー、エキシマレーザー、アルゴンレーザー、YAGレーザー、LDレーザー(半導体レーザー)、YVOレーザー、ファイバーレーザー等を用いることが好ましい。
このように、2次加工となる開孔工程において貫通孔3hを形成する場合、貫通孔3hが形成される開孔位置に合わせて、微細中空突起具1の形状を制御するのが好ましい。
本実施形態によれば、中空突起部3Aに、外面32から内面31まで貫通する貫通孔3hを形成したので、中空突起部3Aの内部空間内に溶液を封入した状態で皮膚に穿刺した際に貫通孔3hから溶液を吐出することができる。
この貫通孔3hが、中空突起部3Aの厚みのある領域、具体的には第1領域E1に配されているので、貫通孔3hが形成されても中空突起部3Aの先端側での剛性を確保でき、中空突起部3Aのつぶれを抑制して穿刺性を向上することができる。
中空突起部3Aの内径r2は、中空突起部3Aの第1領域E1から第2領域E2に向かって線形的に増加しているので、先端肉厚にもかかわらず、溶液が流れる液流路となる内部空間の断面積が先端にかけて小さくなっていくため、流速が増し、溶液が吐出しやすくなる。
図13は、製造装置100Aにより形成した貫通孔3hを有する複数の中空突起部を示す。ここでは、本実施形態に係る中空突起部3Aの他に、中空突起部3Bを形成した。各中空突起部は、突出高さを1000μmとした。
中空突起部3Aは、超音波振幅30%から90%に切り替えて先端肉厚に形成したものである。従来方法の欄に記載の中空突起部3Bは、超音波振幅45%で形成したものである。
このような2つの中空突起部を用いて穿刺評価実験を行った。
実験は、豚の耳介皮膚を土台となるヒト前腕内側部に隙間なく張り付けて一体化して穿刺対象として準備し、図13に示す2つの中空突起部に荷重500gを与えて手動で豚の耳介皮膚に穿刺した。この時の穿刺成功率、突出高さ減少率〔%〕を評価項目とし、その評価結果を図13にまとめた。
穿刺成功率は、中空突起部3A、3Bを皮膚モデルに対して穿刺した回数に対する、穿刺が成功した回数から求めた。穿刺後に注入された溶液が皮膚に留まっている状態を成功と判断し、該溶液が留まっている回数が多いほど成功率が高いと判断した。本実施形態において、穿刺成功率は〇、×、△で表記した。〇は成功率が90%以上、×は成功率が10%以下、△はそれ以外を示す。
突出高さ減少率〔%〕は、穿刺前の突出高さ(1000μm)と、穿刺後に皮下モデルから抜き取って計測した穿刺後の突出高さの差分値を、穿刺前の突出高さで割った値の平均値から求めた。これら2つの評価項目の内、穿刺成功率は刺さりやすさである穿刺性の判断材料とし、突出高さ減少率〔%〕は、つぶれにくさの判断材料とした。
〔評価〕
穿刺成功率を観てみると、中空突起部3Bの穿刺成功率(△)に対し、本実施形態に係る中空突起部3Aの場合、高い確率で刺さって溶液が皮膚内に注入され、高い成功率であった。
突出高さ減少率〔%〕を観てみると、中空突起部3Bは3.3〔%〕であり、中空突起部3Aは0.3%であった。これは、中空突起部3Aの場合、先端側の肉厚が厚く、先端がつぶれにくくなり、突出高さ減少率〔%〕が低いと推察される。これに対し、中空突起部3Bの場合、先端つぶれが中空突起部3Aに対して大きく突出高さ減少率〔%〕が高くなったと推察される。
図14は、中空突起部の肉厚と頂点Pからの距離と先端つぶれの関係を示す図である。図14において、縦軸は肉厚〔μm〕を示し、横軸は突出方向Hにおける中空突起部3の頂点Pから基底部2の他面側2Uに向かう距離を示す。図14において、点線で囲った領域Jは、一般に中空突起部の先端つぶれが発生する領域を示す。技術的には、この領域の厚さを肉厚に形成することで先端がつぶれにくくなる。本実施形態に係る中空突起部3Aは、先端側を肉厚に形成しているので、つぶれが発生する領域Jにおいて、従来構成の中空突起部3Bよりも肉厚に形成されている。このことからも中空突起部3Aの形状は、先端がつぶれにくい形状であるといえる。このように先端がつぶれにくくなると、特に貫通孔3hが形成されている場合、つぶれによって貫通孔3hの開孔面積が狭められることが少なく、内部空間内の溶液を確実に吐出することにつながる。
実施の形態に記載の溶液とは、皮膚に注入する剤である。剤としては、本発明の微細中空突起具を用いて皮膚に注入可能なものであれば特に制限されず、例えば皮膚の状態を改善するための有効成分を含む液剤、感染症の予防に用いるワクチンを含む薬剤が挙げられる。
また微細中空突起具の穿刺対象である皮膚は、典型的にはヒトの皮膚であるが、犬や猫等のペットの皮膚、牛、豚、ヤギ等の家畜の皮膚であっても良い。また哺乳類以外の動物の皮膚、例えば蛇やカエル、蚕等の皮膚であっても良い。
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の微細中空突起具を開示する。
<1>
内部空間を有する微細な中空突起部が基底部から突出しており、該中空突起部の頂点側から対象物に穿刺される微細中空突起具であって、
前記中空突起部は、前記中空突起部の頂点を通る何れかの縦断面を視て、該中空突起部の突出方向と直交する幅方向に位置する外面同士の間隔を外径、前記幅方向に位置する内面同士の間隔を内径、前記内径が0より大きい領域における前記外径と前記内径の差の半分の値を肉厚と定義した場合に、
前記内径が、前記頂点側から前記基底部に向かって連続的又は非連続的に増加しており、
前記頂点側から前記基底部側に向かって、前記肉厚が増加から減少に転じる上部厚み転換部と、前記肉厚が減少から増加に転じる下部厚み転換部とを有し、該下部厚み転換部が、前記上部厚み転換部よりも前記基底部側に位置する、微細中空突起具。
<2>
前記中空突起部は、前記頂点が位置する先端側に前記上部厚み転換部が位置して該中空突起部の先端側の肉厚が増大し、かつ前記上部厚み転換部から前記下部厚み転換部に向かって肉厚が徐々に薄くなり、外径の変化は少なく、直線状態である、前記<1>に記載の微細中空突起具。
<3>
前記上部厚み転換部の肉厚と前記下部厚み転換部の肉厚の比の値は、3.0以上、好ましくは6以上、より好ましくは9以上であり、100以下、好ましくは50以下、より好ましくは20以下であり、具体的には、3.0以上100以下、好ましくは6以上50以下、より好ましくは9以上20以下である、前記<1>に記載の微細中空突起具。
<4>
前記突出方向において、前記中空突起部の突出高さを二等分して、前記縦断面を、前記頂点が位置する第1領域及び前記基底部が位置する第2領域に区分したときに、第1領域に前記上部厚み転換部が位置し、第2領域に前記下部厚み転換部が位置している、前記<1>に記載の微細中空突起具。
<5>
前記縦断面において、第2領域における前記下部厚み転換部の肉厚に対する第1領域における前記上部厚み転換部の肉厚の比の値が3.0以上である、前記<3>に記載の微細中空突起具。
<6>
前記中空突起部は、熱可塑性樹脂を含んだ部材から構成されている、前記<1>ないし前記<5>の何れか1に記載の微細中空突起具。
<7>
前記中空突起部は、前記基底部から一つまたは複数個が突出して形成されたものである、前記<1>ないし前記<6>の何れか1に記載の微細中空突起具。
<8>
前記頂点が位置する先端側又は前記外面に、前記内部空間と連通する貫通孔を有している前記<1>ないし前記<7>の何れか1に記載の微細中空突起具。
<9>
前記貫通孔は、前記中空突起部の厚みのある領域に配されている、前記<8>に記載の微細中空突起具。
<10>
前記貫通孔が配されている厚みのある領域は、第1領域である、前記<9>に記載の微細中空突起具。
<11>
前記内径は、前記中空突起部の第1領域から第2領域に向かって線形的に増加している、前記<4>ないし前記<10>の何れか1記載の微細中空突起具。
1,1A 微細中空突起具
2 基底部
3,3A 微細な中空突起部
3h 貫通孔
3s 空間
31 内面
32 外面
E1 第1領域
E2 第2領域
F1 上部厚み転換部
F2 下部厚み転換部
H 突出方向
H1 突出高さ
P 中空突起部の頂点
r1 外径
r2 内径
T1 肉厚
X1 幅方向

Claims (8)

  1. 内部空間を有する微細な中空突起部が基底部から突出しており、該中空突起部の頂点側から対象物に穿刺される微細中空突起具であって、
    前記中空突起部は、前記中空突起部の頂点を通る何れかの縦断面を視て、該中空突起部の突出方向と直交する幅方向に位置する外面同士の間隔を外径、前記幅方向に位置する内面同士の間隔を内径、前記内径が0より大きい領域における前記外径と前記内径の差の半分の値を肉厚と定義した場合に、
    前記内径が、前記頂点側から前記基底部に向かって連続的又は非連続的に増加しており、
    前記頂点側から前記基底部側に向かって、前記肉厚が増加から減少に転じる上部厚み転換部と、前記肉厚が減少から増加に転じる下部厚み転換部とを有し
    前記中空突起部の突出高さを二等分して、前記縦断面を、前記頂点が位置する第1領域及び前記基底部が位置する第2領域に区分したときに、該第1領域に前記上部厚み転換部が位置し、該第2領域に前記下部厚み転換部が位置している、微細中空突起具。
  2. 前記縦断面において、前記下部厚み転換部の前記肉厚に対する前記上部厚み転換部の前記肉厚の比の値が3.0以上である、請求項に記載の微細中空突起具。
  3. 前記中空突起部は、前記下部厚み転換部よりも前記基底部側に、前記肉厚が、該下部厚み転換部側から前記基底部側に向かって徐々に増大し、該肉厚が、前記上部厚み転換部における前記肉厚よりも大きくなる肉厚部を有する、請求項1又は2に記載の微細中空突起具。
  4. 前記中空突起部は、熱可塑性樹脂を含んだ部材から構成されている、請求項1ないし3の何れか一項に記載の微細中空突起具。
  5. 前記中空突起部は、前記基底部から一つまたは複数個が突出して形成されたものである、請求項1ないし4の何れか一項に記載の微細中空突起具。
  6. 前記頂点が位置する先端側又は前記外面に、前記内部空間と連通する貫通孔を有している、請求項1ないし5の何れか一項に記載の微細中空突起具。
  7. 前記貫通孔は、前記第1領域に配されている、請求項6に記載の微細中空突起具。
  8. 前記内径は、前記第1領域から前記第2領域に向かって線形的に増加している、請求項ないしの何れか一項に記載の微細中空突起具。
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