JP7459800B2 - 長繊維不織布およびそれを用いたフィルター補強材 - Google Patents

長繊維不織布およびそれを用いたフィルター補強材 Download PDF

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Description

本発明は、フィルター補強材に適した長繊維不織布およびそれを用いたフィルター補強
材に関する。
ポリエチレンテレフタレート長繊維不織布は、力学的物性が良好で、通気性、通水性もあり、多くの用途で使用されている。しかし、ポリエチレンテレフタレート長繊維不織布を成型体の素材として用いる場合、広い温度域で凹凸等の型に追従することが困難であり、様々な形状に成型することが困難であった。
空気清浄機や自動車のキャビンフィルターでは、除塵性能や除煙性能等を高めるため、フィルターをプリーツ状に加工して使用することが一般的である。それらのフィルターの補強材として不織布を用いる場合、用いる不織布は任意のひだ数、ひだ間隔にプリーツ加工できる特性が求められる。
フィルター補強材として用いられる不織布としては、低融点樹脂を鞘成分に配したポリエチレンテレフタレート系の芯鞘複合繊維を用いた短繊維不織布や低融点樹脂繊維を混繊した長繊維不織布が提案されている(例えば、特許文献1(特開2008-231597号公報)を参照)。これらの不織布は両面フラットのカレンダー加工処理を施しているため不織布両面が平滑であり、そのためプリーツ加工性が劣る上製造に係るコストが大きい問題がある。
また、ポリエチレンテレフタレート長繊維不織布を用いるフィルター補強材が提案されている(例えば、特許文献2(特開2011-000536号公報)を参照)。しかし、このフィルター補強材は彫刻が施されたエンボスロールとフラットロールを製造時使用するため、不織布片面に彫刻の凹凸が転写されているが、微細な凹凸ではないためプリーツ加工性が劣るという問題がある。また、目付量を多くして剛性を高めて形態保持性を確保しているため、厚みの増加によりフィルターユニットとして圧力損失が大きくなる、プリーツ加工性が劣るという問題があった。
特開2008-231597号公報 特開2011-000536号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、フィルター補強材に適したプリーツ加工性を有し、さらに、プリーツ形態保持性を満足する剛性を有した長繊維不織布を得ること、あるいは、フィルター濾材との貼り合わせに好適な(すなわち、フィルター濾材を貼り合わせる方の不織布表面は平滑性を有し、他方の不織布表面は微細な凹凸を有する)長繊維不織布を得ることを課題とするものである。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下に示す手段により、上記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]平均繊維径が30μm以上60μm以下である繊維からなり、目付が50g/m以上120g/m以下であり、MD方向の80℃における10%伸長時応力が60N/5cm以下であり、80℃で5.2kPaの圧力下で10秒プレスした後の折れ角度が15°以下である長繊維不織布。
[2]平均繊維径が30μm以上60μm以下である繊維からなり、目付が50g/m以上120g/m以下であり、一方の表面の表面粗さが2.0以下であり、もう一方の表面の表面粗さが3.5以上である長繊維不織布。
[3]長繊維不織布を構成する繊維の複屈折(Δn)が0.005以上0.020以下である上記[1]または[2]に記載の長繊維不織布。
[4]長繊維不織布を構成する繊維が、主成分であるポリエチレンテレフタレートに熱可塑性ポリスチレン系共重合体を0.02質量%以上5質量%以下で混合した樹脂からなる単一繊維である上記[1]~[3]のいずれか1つに記載の長繊維不織布。
[5]熱可塑性ポリスチレン系共重合体のガラス転移点温度が100℃以上160℃以下である上記[4]に記載の長繊維不織布。
[6]上記[1]~[5]のいずれか1つに記載の長繊維不織布を用いたフィルター補強材。
本発明によれば、上記[1]および[3]~[6]の構成により、プリーツ加工性に優れ、実使用下でひだ密着し難い剛性を有しプリーツ形態保持性の優れた、フィルター補強材に適した長繊維不職布が得られる。また、単一成分の繊維から構成される長繊維不織布であるため、製造コストが安価な長繊維不職布を提供できる。
また、本発明によれば、上記[2]~[6]の構成により、濾材との貼り合わせ性とプリーツ加工性に優れ、フィルター補強材に適した長繊維不職布が得られる。また、単一成分の繊維から構成される長繊維不織布であるため、製造コストが安価な利点も有する。
<実施形態1>
実施形態1として、上記[1]および[3]~[5]の構成を備える長繊維不織布および上記[6]の構成を備えるフィルター補強材について詳細に説明する。
本発明者らは、プリーツ加工性に優れ、プリーツ形態保持性の優れたフィルター補強材に適した剛性を有する長繊維不職布を得るために鋭意検討した。その結果、ポリエチレンテレフタレートを主原料とした繊維からなる80℃で10%伸長時の経方向の応力が60N/5cm以下である長繊維不織布を利用することでフィルター補強材に適した長繊維不職布が得られることを見出した。
本発明の実施形態1の長繊維不織布のMD方向の80℃における10%伸長時応力は、60N/5cm以下であり、好ましくは55N/5cm以下であり、より好ましくは50N/5cm以下である。長繊維不織布の10%伸長時の応力が60N/5cmを超えると、形態保持性の優れたフィルター補強材とできるが、任意のひだ数、ひだ間隔にプリーツ加工することが困難となる。10%伸長時応力の下限は、フィルター補強材に実使用する際にひだ接触、ひだ密着が起こらない剛軟度を有しているものであれば、特に限定されない。なお、本発明における長繊維不織布のMD方向とは、長繊維不織布製造時の製品の流れ方向のことをいう。
本発明の実施形態1の長繊維不織布を構成する繊維の平均繊維径は、30μm以上60μm以下であり、長繊維不織布の目付は50g/m以上120g/m以下である。長繊維不織布を構成する繊維の平均繊維径と長繊維不織布の目付の組み合わせは特に限定されるものではないが、目付を小さくする場合は平均繊維径を大きく、目付を大きくする場合は平均繊維径を小さくすることが好ましい。具体的には、目付が50g/m以上70g/m以下では平均繊維径は50μm以上60μm以下が好ましく、目付が70g/m以上90g/m以下では平均繊維径は40μm以上50μm以下が好ましく、目付が90g/m以上120g/m以下では平均繊維径は30μm以上40μm以下が好ましい。
本発明の実施形態1の長繊維不職布は、80℃で5.2kPaの圧力下で10秒プレスした後の折れ角度が15°以下であり、好ましくは10°以下であり、より好ましくは5°以下である。折れ角度が15°を超えると、長繊維不織布の剛性が向上して形態保持性の優れたフィルター補強材とできるが、任意のひだ数、ひだ間隔にプリーツ加工することが困難となる。80℃で5.2kPaの圧力下で10秒プレスした後の折れ角度の下限は特に限定しないが、通常は5°以上である。
本発明の実施形態1の長繊維不織布を構成する繊維の複屈折率(Δn)は、0.005以上0.020以下であり、好ましくは0.007以上0.015以下であり、より好ましくは0.008以上0.012以下である。複屈折率(Δn)が0.005未満になると、長繊維不織布のプリーツ加工性は優れるが繊維が変形して長繊維不織布の剛性が低下するため、フィルター補強材に実使用する際にひだ接触、ひだ密着が起こりやすくなる。複屈折率(Δn)が0.020を超えると、長繊維不織布の剛性が向上して形態保持性の優れたフィルター補強材とできるが、任意のひだ数、ひだ間隔にプリーツ加工することが困難となる。
本発明の実施形態1の長繊維不織布の結晶化度は25%以下であり、好ましくは5%以上20%以下、より好ましくは10%以上15%以下である。結晶化度が25%を超えると、長繊維不織布の剛性が向上して形態保持性の優れたフィルター補強材とできるが、任意のひだ数、ひだ間隔にプリーツ加工することが困難となる。結晶化度の下限は特に限定しないが、結晶化度が5%未満になると、長繊維不織布の剛性が低下するため、フィルター補強材に実使用する際にひだ接触、ひだ密着が起こりやすくなる。
本発明の実施形態1の長繊維不織布を構成する繊維は、主成分であるポリエチレンテレフタレートに熱可塑性ポリスチレン系共重合体を混合した樹脂からなる単一繊維であることが好ましい。ポリエチレンテレフタレートは、ポリエチレンやポリプロピレン等の樹脂より機械的強度、耐熱性、保型性等に優れている。このような効果を有効に発揮させるために、本発明の長繊維不織布を構成する繊維に使用する樹脂における主成分であるポリエチレンテレフタレートの含有量は、長繊維不織布全体を100質量%としたとき、熱可塑性ポリスチレン系共重合体の混合量を考慮すると、好ましくは90質量%以上99.8質量%以下、より好ましくは93質量%以上99.5質量%以下、さらに好ましくは94質量%以上98質量%以下である。なお、10質量%以下であれば、ポリエチレンテレフタレート以外のポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂がブレンドされていてもよい。なお、本発明における単一繊維とは、芯鞘複合繊維、サイドバイサイド複合繊維、海島複合繊維などと異なり、2種類の樹脂がブレンドされた状態で繊維化された繊維や通常の1成分樹脂からなる繊維を意味するものである。
本発明の実施形態1において使用するポリエチレンテレフタレートの固有粘度は、0.3dl/g以上であることが好ましく、0.4dl/g以上であることがより好ましく、0.5dl/g以上であることがさらに好ましく、0.55dl/g以上であることが最も好ましい。ポリエチレンテレフタレートの固有粘度を0.3dl/g以上とすることにより、樹脂が熱劣化しにくくなり、長繊維不織布の耐久性を向上することができる。
本発明の実施形態1において使用する熱可塑性ポリスチレン系共重合体は、ガラス転移点温度が100℃以上160℃以下であることが好ましく、110℃以上155℃以下であることがより好ましく、120℃以上150℃以下であることがさらに好ましい。また、熱可塑性ポリスチレン系共重合体は、ポリエチレンテレフタレートに非相溶であることが好ましい。ポリエチレンテレフタレートよりガラス転移点温度が高く、100℃以上であることにより、長繊維不織布を構成する繊維の結晶化を抑制することができる。その効果は、例えば、後述する面拘束加工時の熱付与により、繊維同士を固着させ、さらには熱収縮を抑制して寸法変化の小さい長繊維不職布に加工することができる。一方、ガラス転移点温度は、紡糸生産性を考慮すると160℃以下であることが好ましい。ガラス転移点温度は、JIS K7122(1987)に従って、20℃/分の昇温速度で測定して求められる値である。
本発明の実施形態1において使用する熱可塑性ポリスチレン共重合体は、ガラス転移点温度が100℃以上160℃以下であれば特に限定されないが、例えば、スチレン・共役ジエンブロック共重合体、アクリロニトリル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、スチレン・アクリル酸エステル共重合体、またはスチレン・メタクリル酸エステル共重合体が好ましい。このうち、スチレン・アクリル酸エステル共重合体、またはスチレン・メタクリル酸エステル共重合体がより好ましく、スチレン・メタクリル酸エステル共重合体がさらに好ましい。スチレン・メタクリル酸エステル共重合体として、例えば、スチレン・メタクリル酸メチル・無水マレイン酸共重合体が挙げられる。これらは単独でまたは組み合わせて含有しても良い。市販品では、Rohm GmbH&Co.KGのPLEXIGLAS HW55が挙げられ、少量の添加量で優れた効果を発揮するため特に好ましい。
熱可塑性ポリスチレン系共重合体の混合量は、長繊維不織布全体を100質量%としたとき、0.02質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上4質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上3質量%以下がさらに好ましい。混合量を0.02質量%以上とすることにより上記添加の効果が得られる。熱可塑性ポリスチレン系共重合体の混合量の上限は特に制約されるものではないが、過剰に混合するとポリエチレンテレフタレートと熱可塑性ポリスチレン系共重合体との延伸性の違いにより、繊維が破断し、操業性が悪化する。そのために、熱可塑性ポリスチレン系共重合体の混合量は5質量%以下であることが好ましい。
本発明の実施形態1の長繊維不織布は、面拘束長繊維不織布、なかでも面拘束スパンボンド不織布であることが好ましい。ここでいう面拘束とは、繊維ウェブを厚さ方向に面状に挟んで、面状に圧力をかけることである。面拘束は、例えば、フラットロールと、フェルトベルト、ゴムベルト、スチールベルト等のシート状体によって、繊維ウェブのシート全面をプレス処理することにより行うことができる。そして、本発明では、仮圧着後の繊維ウェブを、面拘束しながら本圧着(熱セット)を行なうが、これは、フラットロールと彫刻ロール、または彫刻ロール同士で圧着を行う部分圧着や、フラットロール同士で圧着を行う線圧着とは異なる。部分圧着の場合は、繊維は部分的に固定されるため、圧着部分に応力が集中して、プリーツ加工し難い長繊維不織布となる。また、線圧着の場合は、全体が過剰に圧着されているため、繊維が変形して剛軟度が低く、圧力損失の高い長繊維不織布となる。一方、面拘束しながら圧着を行えば、繊維ウェブの面内方向の熱収縮を抑制することができる。その結果、得られた面拘束長繊維不織布は、繊維の変形を抑制しつつ、シート全面で繊維が互いに固定化されており、剛軟度が優れたものになる。
本発明の実施形態1の長繊維不織布は、機械的交絡処理が施されていない長繊維不織布であることが好ましい。機械的交絡処理をした長繊維不織布の場合、鋭利にプリーツ状に加工し難い長繊維不織布となるため、好ましくない。また、短繊維で構成された不織布の場合、繊維同士の滑り等による局所的な変形が起こり、均等なひだ間隔で加工することが困難となる。
本発明の実施形態1の長繊維不織布の製造方法は、引取り速度と吐出線速度の比(以下、「ドラフト比」という)を200以下で紡糸する工程、および紡糸後に得られた繊維ウェブを仮圧着した後に、面拘束しながら本圧着する工程を含むものである。
まず、常法に従って所定量のポリエチレンテレフタレートと熱可塑性ポリスチレン系共重合体をブレンド乾燥した後に、溶融紡糸機にて紡糸を行なう。
本発明の実施形態1では、好適な複屈折率(Δn)を有する長繊維不織布とするために、ドラフト比を200以下にすることが好ましい。ドラフト比が200を超えると、長繊維不織布を構成する繊維の結晶化度が高くなり、プリーツ加工し難い長繊維不織布となる。ドラフト比は、175以下がより好ましく、150以下がさらに好ましい。
ドラフト比は、以下の式で与えられる。
(引取り速度と吐出線速度の比)
ドラフト比(Ψ)=引取り速度(Vs)/吐出線速度(V
(吐出線速度)
吐出線速度(V)=単孔吐出量(Q)/紡糸口金孔断面積(Da)
その他の紡糸条件は、特に限定されないが、紡糸口金より紡出し、エジェクタに0.3kg/cm以上2.0kg/cm以下の圧力(ジェット圧)で乾燥エアを供給し、延伸することが好ましい。また、乾燥エアの供給圧力を上記範囲に制御することにより、引取り速度を所望の範囲に制御しやすくなると共に、適度に乾燥させることができる。
次いで、吐出糸条を冷却し、下方のコンベア上へ繊維を開繊させつつ捕集して、繊維ウェブ(長繊維フリース)を得れば良い。
得られた繊維ウェブに対して、通常のスパンボンド不織布の製造方法では、フラットロールと彫刻ロールや、彫刻ロール同士の部分圧着を行うエンボス加工等が施される。しかし、本発明の実施形態1のように低紡糸速度で紡糸して得られた繊維ウェブは、低配向であり収縮しやすいため、エンボス加工等を施すと幅入りや皺などの問題が生じる。本発明では、以下の通り、仮圧着を行って、その後に面拘束しながら本圧着を行うことにより、幅入りや皺等の発生を抑制しやすくすることができる。
仮圧着は、繊維ウェブを、厚さ方向に圧力をかけて圧着することである。仮圧着は、本圧着における面拘束を行いやすくするために行うものであり、例えば、2つのフラットロールからなる1対の仮熱圧着ロールを用い、それぞれの表面温度を60℃以上140℃以下とし、押し圧を5kN/m以上30kN/m以下として、熱圧着すれば良い。フラットロールの表面温度は、70℃以上120℃以下とするのがより好ましいく、押し圧は、7kN/m以上20kN/m以下とするのがより好ましい。
さらに、本圧着しやすくする目的で、仮圧着後の繊維ウェブに対して、含水率が1質量%以上30質量%以下となるように水をスプレーにより吹き付ける含水加工を実施してもよい。
次に、本圧着を行なう。本圧着は、仮圧着後の繊維ウェブを、面拘束しながら、熱セットを行なって圧着することである。面拘束は、上述の通り、フラットロールと、フェルトベルト、ゴムベルト、スチールベルト等のシート状体を用いて行なうことが好ましい。このうち、フェルトベルトは、表面が繊維状であり繊維ウェブを面内方向に拘束しやすいため、特に好ましい。さらに、面拘束しながら本圧着を行えば、各繊維がシート全面で固定化されるため、繊維の変形を抑制しつつ、剛軟度が優れたものになる。
熱セットおよび面拘束は、ロールの表面温度を120℃以上180℃以下として、押し圧を10kPa以上400kPa以下、加工時間を3秒以上30秒以下、加工速度を1m/分以上30m/分以下の条件で行なうことが好ましい。
ロールの表面温度は、120℃以上とすることにより、圧着しやすくなるため、好ましく、130℃以上とするのがより好ましい。一方、ロールの表面温度は、180℃以下とすることにより、過剰に圧着しにくくなるため、好ましく、160℃以下とするのがより好ましい。
押し圧は、10kPa以上とすることにより、面拘束しやすくなるため、好ましく、30kPa以上がより好ましく、50kPa以上がさらに好ましく、100kPa以上が特に好ましく、200kPa以上が最も好ましい。一方、押し圧は、400kPa以下とすることにより、過剰に圧着しにくくなるため、好ましく、350kPa以下がより好ましく、300kPa以下がさらに好ましい。
加工時間は、3秒以上とすることにより、圧着しやすくなるため好ましく、5秒以上とすることがより好ましい。一方、加工時間は、35秒以下とすることにより、過剰に圧着しにくくなるため好ましく、20秒以下とすることがより好ましく、15秒以下とすることがさらに好ましい。
加工速度を好ましくは1m/分以上とすることにより、過剰に圧着しにくくなる。より好ましくは5m/分以上である。一方、加工速度を好ましくは30m/分以下とすることにより、圧着しやすくなる。より好ましくは20m/分以下である。
本圧着の加工温度(ロールの表面温度)と加工時間の組み合わせは特に限定されるものではないが、好適な経方向の伸長時の応力を有する長繊維不織布とするために、加工温度を低くする場合は加工時間を長く、加工温度を高くする場合は加工時間を小さくすることが好ましい。具体的には、加工温度が120℃以上140℃未満では加工時間は20秒以上35秒以下が好ましく、加工温度が140℃以上160℃未満では加工時間は10秒以上25秒以下が好ましく、加工温度が160℃以上190℃以下では加工時間は3秒以上15秒以下が好ましい。
このようにして得られた本発明の実施形態1の長繊維不織布は、プリーツ加工性とプリーツ形態保持性に優れた、フィルター補強材の使用に好適なものとなる。
<実施形態2>
実施形態2として、上記[2]~[5]の構成を備える長繊維不織布および上記[6]の構成を備えるフィルター補強材について詳細に説明する。
本発明者らは、濾材との貼り合わせ性とプリーツ加工性に優れたフィルター補強材に適した長繊維不職布を得るために鋭意検討した。その結果、一方の表面の表面粗さが2.5以下、もう一方の表面の表面粗さが3.5以上である長繊維不織布を利用することでフィルター補強材に適した長繊維不職布が得られることを見出した。
本発明の実施形態2の長繊維不織布を構成する繊維は、平均繊維径が30μm以上60μm以下であり、長繊維不織布の目付は50g/m以上120g/m以下である。長繊維不織布を構成する繊維の平均繊維径と長繊維不織布の目付の組み合わせは特に限定されるものではないが、目付を小さくする場合は平均繊維径を大きく、目付を大きくする場合は平均繊維径を小さくすることが好ましい。具体的には、目付が50g/m以上70g/m以下では平均繊維径が50μm以上60μm以下が好ましく、目付が70g/mを超えて90g/m以下では平均繊維径は40μm以上50μm未満が好ましく、目付が90g/mを超えて120g/m以下では平均繊維径は30μm以上40μm未満が好ましい。
本発明の実施形態2の長繊維不織布の一方の表面の表面粗さは2.5以下であり、好ましくは2.0以下であ、もう一方の表面の表面粗さは3.5以上であり、好ましくは4.0以上である。一方の表面の表面粗さが2.5以下であると長繊維不織布の平滑性が良好で濾材との貼り合わせ性が良く、剥がれや浮きなどが発生しない。また、もう一方の表面の表面粗さは3.5以上であると長繊維不織布の平滑性が悪くなり、プリーツ加工時に上下する歯の食い込み時に滑りが発生しにくく、良好なひだ形状が得られやすい。
本発明の実施形態2の長繊維不織布を構成する繊維は、複屈折率(Δn)が好ましくは0.005以上0.020以下であり、より好ましくは0.007以上0.015以下であり、さらに好ましくは0.008以上0.012以下である。複屈折率(Δn)が0.005未満になると、長繊維不織布のプリーツ加工性は優れるが繊維が変形して長繊維不織布の剛性が低下するため、フィルター補強材に実使用する際にひだ接触、ひだ密着が起こりやすくなる。複屈折率(Δn)が0.020を超えると、長繊維不織布の剛性が向上して形態保持性の優れたフィルター補強材とできるが、任意のひだ数、ひだ間隔にプリーツ加工することが困難となる。
本発明の実施形態2の長繊維不織布を構成する繊維は、主成分であるポリエチレンテレフタレートに熱可塑性ポリスチレン系共重合体を混合した樹脂からなる単一繊維であることが好ましい。ポリエチレンテレフタレートは、ポリエチレンやポリプロピレン等の樹脂より機械的強度、耐熱性、保型性等に優れている。このような効果を有効に発揮させるために、本発明の長繊維不織布を構成する繊維に使用する樹脂における主成分であるポリエチレンテレフタレートの含有量は、長繊維不織布全体を100質量%としたとき、熱可塑性ポリスチレン系共重合体の混合量を考慮すると、好ましくは90質量%以上99.8質量%以下、より好ましくは93質量%以上99.5質量%以下、さらに好ましくは94質量%以上98質量%以下である。なお、10質量%以下であれば、ポリエチレンテレフタレート以外のポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂がブレンドされていてもよい。なお、本発明における単一繊維とは、芯鞘複合繊維、サイドバイサイド複合繊維、海島複合繊維などと異なり、2種類の樹脂がブレンドされた状態で繊維化された繊維や通常の1成分樹脂からなる繊維を意味するものである。
本発明の実施形態2において使用するポリエチレンテレフタレートの固有粘度は、好ましくは0.3dl/g以上であり、より好ましくは0.4dl/g以上であり、さらに好ましくは0.5dl/g以上であり、特に好ましくは0.55dl/g以上である。ポリエチレンテレフタレートの固有粘度を0.3dl/g以上とすることにより、樹脂が熱劣化しにくくなり、長繊維不織布の耐久性を向上することができる。
本発明の実施形態2において使用する熱可塑性ポリスチレン系共重合体は、好ましくはガラス転移点温度が100℃以上160℃以下であり、より好ましくは110℃以上155℃以下であり、さらに好ましくは120℃以上150℃以下である。また、熱可塑性ポリスチレン系共重合体は、ポリエチレンテレフタレートに非相溶であることが好ましい。ポリエチレンテレフタレートよりガラス転移点温度が高く、100℃以上であることにより、長繊維不織布を構成する繊維の結晶化を抑制することができる。その効果は、例えば、後述する面拘束加工時の熱付与により、繊維同士を固着させ、さらには熱収縮を抑制して寸法変化の小さい長繊維不職布に加工することができる。一方、ガラス転移点温度は、紡糸生産性を考慮すると好ましくは160℃以下である。ガラス転移点温度は、JIS K7122(1987)に従って、20℃/分の昇温速度で測定して求められる値である。
本発明の実施形態2において使用する熱可塑性ポリスチレン共重合体は、ガラス転移点温度が100℃以上160℃以下であれば特に限定されないが、例えば、スチレン・共役ジエンブロック共重合体、アクリロニトリル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、スチレン・アクリル酸エステル共重合体、またはスチレン・メタクリル酸エステル共重合体が好ましい。このうち、スチレン・アクリル酸エステル共重合体、またはスチレン・メタクリル酸エステル共重合体がより好ましく、スチレン・メタクリル酸エステル共重合体がさらに好ましい。スチレン・メタクリル酸エステル共重合体として、例えばスチレン・メタクリル酸メチル・無水マレイン酸共重合体が挙げられる。これらは単独でまたは組み合わせて含有しても良い。市販品では、Rohm GmbH&Co.KGのPLEXIGLAS HW55が挙げられ、少量の添加量で優れた効果を発揮するため特に好ましい。
熱可塑性ポリスチレン系共重合体の混合量は、長繊維不織布全体を100質量%としたとき、好ましくは0.02質量%以上5質量%以下であり、より好ましくは0.05質量%以上4質量%以下であり、さらに好ましくは0.1質量%以上3質量%以下である。混合量を0.02質量%以上とすることにより上記添加の効果が得られる。熱可塑性ポリスチレン系共重合体の混合量の上限は特に制約されるものではないが、過剰に混合するとポリエチレンテレフタレートと熱可塑性ポリスチレン系共重合体との延伸性の違いにより、繊維が破断し、操業性が悪化する。そのために、熱可塑性ポリスチレン系共重合体の混合量は5質量%以下であることが好ましい。
本発明の実施形態2の長繊維不織布は、面拘束長繊維不織布、なかでも面拘束スパンボンド不織布であることが好ましい。ここでいう面拘束とは、繊維ウェブを厚さ方向に面状に挟んで、面状に圧力をかけることである。面拘束は、例えば、フラットロールと、樹脂ベルト、フェルトベルト、ゴムベルト、スチールベルト等の不織布の片面に微細な凹凸が転写されるシート状体によって、繊維ウェブのシート全面をプレス処理することにより行うことができる。そして、本発明では、仮圧着後の繊維ウェブを、面拘束しながら本圧着(熱セット)を行なうが、これは、フラットロールと彫刻ロール、または彫刻ロール同士で圧着を行う部分圧着や、フラットロール同士で圧着を行う線圧着とは異なる。部分圧着の場合は、不織布片面に凹凸が転写されるが、微細な凹凸ではないため、プリーツ加工時に上下する歯の食い込み時に滑りが生じてプリーツ加工性が悪い。また、繊維は部分的に固定されるため、圧着部分に応力が集中して、プリーツ加工し難い長繊維不織布となる。また、線圧着の場合は、不織布両面が平滑となるため、プリーツ加工時に上下する歯の食い込み時に滑りが生じて、ひだ形状が悪くなり易い。また、全体が過剰に圧着されているため、繊維が変形して剛軟度が低く、圧力損失の高い長繊維不織布となる。一方、面拘束しながら圧着を行えば、繊維ウェブの面内方向の熱収縮を抑制することができる。その結果、得られた面拘束長繊維不織布は、繊維の変形を抑制しつつ、シート全面で繊維が互いに固定化されており、剛軟度が優れたものになる。
本発明の実施形態2の長繊維不織布は、機械的交絡処理が施されていない長繊維不織布であることが好ましい。機械的交絡処理をした長繊維不織布の場合、鋭利にプリーツ状に加工し難い長繊維不織布となる。また、短繊維で構成された不織布の場合、繊維同士の滑り等による局所的な変形が起こり、均等なひだ間隔で加工することが困難となる。
本発明の実施形態2の長繊維不織布の製造方法は、紡糸する工程、および紡糸後に得られた繊維ウェブを仮圧着した後に、面拘束しながら本圧着する工程を含むものである。
まず、常法に従って所定量のポリエチレンテレフタレートと熱可塑性ポリスチレン系共重合体をブレンド乾燥した後に、溶融紡糸機にて紡糸を行なう。
その他の紡糸条件は、特に限定されないが、紡糸口金より紡出し、エジェクタに0.3kg/cm以上2.0kg/cm以下の圧力(ジェット圧)で乾燥エアを供給し、延伸することが好ましい。また、乾燥エアの供給圧力を上記範囲に制御することにより、引取り速度を所望の範囲に制御しやすくなると共に、適度に乾燥させることができる。
次いで、吐出糸条を冷却し、下方のコンベア上へ繊維を開繊させつつ捕集して、繊維ウェブ(長繊維フリース)を得れば良い。
本発明の実施形態2のように低紡糸速度で紡糸して得られた繊維ウェブは、低配向であり収縮しやすいため、エンボス加工等を施すと幅入りや皺などの問題が生じる。本発明では、以下の通り、仮圧着を行って、その後に面拘束しながら本圧着を行うことにより、幅入りや皺等の発生を抑制しやすくすることができる。
仮圧着は、繊維ウェブを、厚さ方向に圧力をかけて圧着することである。仮圧着は、本圧着における面拘束を行いやすくするために行うものであり、例えば、2つのフラットロールからなる1対の仮熱圧着ロールを用い、それぞれの表面温度を60℃以上140℃以下とし、押し圧を5kN/m以上30kN/m以下として、熱圧着すれば良い。フラットロールの表面温度は、70℃以上120℃以下とするのがより好ましいく、押し圧は、7kN/m以上20kN/m以下とするのがより好ましい。
さらに、本圧着しやすくする目的で、仮圧着後の繊維ウェブに対して、含水率が1質量%以上30質量%以下となるように水をスプレーにより吹き付ける含水加工を実施してもよい。
次に、本圧着を行なう。本圧着は、仮圧着後の繊維ウェブを、面拘束しながら、熱セットを行なって圧着することである。面拘束は、上述の通り、フラットロールと、樹脂ベルト、フェルトベルト、ゴムベルト、スチールベルト等のシート状体を用いて行なうことが好ましい。このうち、フェルトベルトは、表面が繊維状であり繊維ウェブを面内方向に拘束しやすいため、特に好ましい。さらに、面拘束しながら本圧着を行えば、各繊維がシート全面で固定化されるため、繊維の変形を抑制しつつ、剛軟度が優れたものになる。
熱セット、および面拘束は、ロールの表面温度を120℃以上180℃以下として、押し圧を10kPa以上400kPa以下、加工時間を3秒以上30秒以下、加工速度を1m/分以上30m/分以下の条件で行なうことが好ましい。
ロールの表面温度は、120℃以上とすることにより、圧着しやすくなるため、好ましく、130℃以上とするのがより好ましい。一方、ロールの表面温度は、180℃以下とすることにより、過剰に圧着しにくくなるため、好ましく、160℃以下とするのがより好ましい。
押し圧は、10kPa以上とすることにより、面拘束しやすくなるため、好ましく、30kPa以上がより好ましく、50kPa以上がさらに好ましく、100kPa以上が特に好ましく、200kPa以上が最も好ましい。一方、押し圧は、400kPa以下とすることにより、過剰に圧着しにくくなるため、好ましく、350kPa以下がより好ましく、300kPa以下がさらに好ましい。
加工時間は、3秒以上とすることにより、圧着しやすくなるため好ましく、5秒以上とすることがより好ましい。一方、加工時間は、35秒以下とすることにより、過剰に圧着しにくくなるため好ましく、20秒以下とすることがより好ましく、15秒以下とすることがさらに好ましい。
加工速度を好ましくは1m/分以上とすることにより、過剰に圧着しにくくなる。より好ましくは5m/分以上である。一方、加工速度を好ましくは30m/分以下とすることにより、圧着しやすくなる。より好ましくは20m/分以下である。
本圧着の加工温度(ロールの表面温度)と加工時間の組み合わせは特に限定されるものではないが、好適なMD方向(製品流れ方向、経方向ともいう)の伸長時の応力を有する長繊維不織布とするために、加工温度を低くする場合は加工時間を長く、加工温度を高くする場合は加工時間を小さくすることが好ましい。具体的には、加工温度が120℃以上140℃未満では加工時間は20秒以上35秒以下が好ましく、加工温度が140℃以上160℃未満では加工時間は10秒以上25秒以下が好ましく、加工温度が160℃以上190℃以下では加工時間は3秒以上15秒以下が好ましい。
このようにして得られた本発明の実施形態2の長繊維不織布は、濾材との貼り合わせ性とプリーツ加工性に優れた、フィルター補強材の使用に好適なものとなる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって制限されず、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
<固有粘度>
ポリエチレンテレフタレート樹脂0.1gを秤量し、25mlのフェノール/テトラクロルエタン(60/40(質量比))の混合溶媒に溶解し、オストワルド粘度計を用いて30℃で3回測定し、その平均値を求めた。
<ガラス転移点温度>
JIS K7122(1987)に従って、TA Instruments社製のQ100を使用して、20℃/分の昇温速度で、熱可塑性ポリスチレン系共重合体のガラス転移点温度を求めた。
<目付>
JIS L1913(2010)6.2に従って、単位面積当たりの質量である目付を測定した。
<平均繊維径>
長繊維不織布試料の任意の場所5点を選び、光学顕微鏡を用いて単繊維の径をn=20で測定し、平均値を求めた。
<複屈折率(Δn)>
長繊維不織布試料の任意の場所5点を選び、単繊維をとりだし、ニコン社製の偏向顕微鏡OPTIPHOT-POL型を用いて、繊維径とレターデーションを読み取り、複屈折率(Δn)を求めた。
<結晶化度>
長繊維不織布試料の任意の場所10点を選び、密度勾配管により比重を測定し、以下の式で結晶化度を求めた。
結晶化度=(試料比重-非晶領域比重)/(結晶領域比重-非晶領域比重)×100
なお、ポリエチレンテレフタレート長繊維不織布の場合、非晶領域比重は1.335、結晶領域比重は1.515である。
<MD方向の80℃における10%伸長時応力>
長繊維不織布の任意の場所から、長繊維不織布のMD方向の長さ20cm、CD方向(MD方向に垂直な方向、幅方向ともいう)の長さが5cmになるよう切り出した5点の試料を80±2℃に制御した恒温槽内で、200mm/minの速度で長手方向に引っ張る引張試験を行ない、読み取った10%伸長時の応力をMD方向の80℃における10%伸張時応力とした。
<剛軟度>
JIS L1096(2010) 8.22.1 A法(ガーレ法)に従って、試料長は幅25mm、長さ89mmとし、長繊維不織布のMD方向、CD方向それぞれを任意の場所5点を選び、荷重5gで測定し、MD方向およびCD方向の全ての値の平均値を測定値とした。
<折れ角度>
幅50mm、長さ60mmの試験片を長さ方向に2つ折りにし、80℃で5.2kPaの圧力下で10秒プレスし、除荷60秒後に試験片の開いた角度を折れ角度として求めた。
<ひだ密着性評価>
150cm角サイズに、山高さ30mmで25山の分のユニットを作製して、面風速1m/分以上4m/分以下で風を通過させ、どの風速範囲でひだが密着するか目視確認した。測定試料は、長繊維不織布と1μm相当のPPメルトブロー(目付20g/m)を低融点の接着不織布(呉羽テック製ダイナック)で複合させたものを用いた。評価基準は以下のとおりである。
優:面風速3m/分以上でひだが密着
良:面風速2m/分以上3m/分未満でひだが密着
不良:面風速1m/分以上2m/分未満でひだが密着
<表面粗さ(SMD)>
長繊維不織布試料の任意の場所5点を選び、カトーテック社製のKES-FB4-A(表面試験機)を用いて標準感度、摩擦子に0.5mmφのピアノ線、摩擦子への垂直荷重は10gf、移動速度1mm/sec、実移動距離20mmで試験し、不織布のMD方向に両表面それぞれの表面粗さの平均偏差(SMD)を求め、表面粗さとした。
<濾材との貼り合わせ性>
A4サイズの試験片を長手方向に2つ折りにし、5.2kPaの圧力下で10秒プレスした後に、折れた先端部の濾材と補強材との界面を目視でチェックし、以下の基準の通り評価する。測定試料は、長繊維不織布と1μm相当のPPメルトブロー(目付20g/m)を低融点の接着不織布(呉羽テック社製ダイナック)で複合させたものを用いた。評価基準は以下のとおりである。
優:浮き・剥がれがない
良:微細な浮き・剥がれがある
不良:明確な浮き・剥がれがある
<プリーツ加工性>
レシプロ機を用いて山高さ32mm、山間隔3mmでプリーツ加工し、134山のユニットを作成し、山高さ・間隔の均一性を目視でチェックし、以下の評価基準により評価する。測定試料は、長繊維不織布と1μm相当のPPメルトブロー(目付20g/m)を低融点の接着不織布(呉羽テック社製ダイナック)で複合させたものを用いた。評価基準は以下のとおりである。
良:山高さ・間隔が均一
不良:山高さ、間隔が不均一
以下の実施例1-1~1-6および比較例1-1~1-3は、それぞれ上記の実施形態1の長繊維不織布に対応する実施例および比較例である。
(実施例1-1)
長繊維不職布紡糸設備を用い、固有粘度0.63のポリエチレンテレフタレートに、ガラス転移点温度が122℃のスチレン・メタクリル酸メチル・無水マレイン酸共重合体(Rohm GmbH&Co.KGのPLEXIGLAS HW55(以下、「HW55」という)を0.40質量%混合した樹脂を、オリフィス径0.45mmの紡糸口金より単孔吐出量3.5g/分で紡出した。さらに、エジェクタに100kPaの圧力(ジェット圧)で乾燥エアを供給し、1段階で延伸して、下方のコンベア上へ繊維を開繊させつつ捕集し長繊維フリースを得た。繊維径より換算した紡糸速度は2020m/分であった。
得られた長繊維フリースを、2つのフラットロールからなる1対の仮熱圧着ロールを用いて、それぞれの表面温度を80℃とし、押し圧を8kN/mとして仮圧着した後、ロールの表面温度(加工温度)180℃で、押し圧300kPa、加工時間4秒、加工速度20m/分の条件でフェルトカレンダーにより面拘束しながら本圧着を行ない、長繊維不織布を得た。
得られた長繊維不織布の目付は88g/m、平均繊維径は39μm、複屈折率は0.0100、結晶化度は13.0%、MD方向の80℃における10%伸長時応力は24.7N/5cm、剛軟度は155mg、折れ角度は1°であった。紡糸条件および測定結果を表1にまとめた。
(実施例1-2)
エジェクタに80kPaの圧力(ジェット圧)で乾燥エアを供給した以外は実施例1-1と同様の条件で長繊維フリースを得た。繊維径より換算紡糸速度は1830m/分であった。
得られた長繊維フリースを実施例1と同様に仮圧着した後、ロールの表面温度(加工温度)145℃で、押し圧300kPa、加工時間24秒、加工速度3.0m/分の条件でフェルトカレンダーにより面拘束しながら本圧着を行ない、長繊維不織布を得た。
得られた長繊維不織布の目付は91g/m、平均繊維径は42μm、複屈折率は0.0055、結晶化度は19.9%、MD方向の80℃における10%伸長時応力は32.7N/5cm、剛軟度は135mg、折れ角度は7°であった。紡糸条件および測定結果を表1にまとめた。
(実施例1-3)
紡糸口金より単孔吐出量5.0g/分で紡出し、エジェクタに195kPaの圧力(ジェット圧)で乾燥エアを供給した以外は実施例1-1と同様の条件で長繊維フリースを得た。繊維径からの換算紡糸速度は2640m/分であった。
得られた長繊維フリースを実施例1-2と同様に仮圧着、本圧着を行ない、長繊維不織布を得た。
得られた長繊維不織布の目付は89g/m、平均繊維径は35μm、複屈折率は0.0157、結晶化度は23.4%、MD方向の80℃における10%伸長時応力は51.3N/5cm、剛軟度は165mg、折れ角度は11°であった。紡糸条件および測定結果を表1にまとめた。
(実施例1-4)
紡糸口金より単孔吐出量4.2g/分で紡出し、エジェクタに155kPaの圧力(ジェット圧)で乾燥エアを供給した以外は実施例1-1と同様の条件で長繊維フリースを得た。繊維径からの換算紡糸速度は2365m/分であった。
得られた長繊維フリースを実施例1-2と同様に仮圧着、本圧着を行ない、長繊維不織布を得た。
得られた長繊維不織布の目付量は70g/m、平均繊維径は39μm、複屈折率は0.0091、結晶化度は20.6%、MD方向の80℃における10%伸長時応力は41.0N/5cm、剛軟度は128mg、折れ角度は9°であった。紡糸条件および測定結果を表1にまとめた。
(実施例1-5)
エジェクタに200kPaの圧力(ジェット圧)で乾燥エアを供給した以外は実施例1-1と同様の条件で長繊維フリースを得た。繊維径からの換算紡糸速度は2810m/分であった。
得られた長繊維フリースを実施例1-2と同様に仮圧着、本圧着を行ない、長繊維不織布を得た。
得られた長繊維不織布の目付は73g/m、平均繊維径は34μm、複屈折率は0.0190、結晶化度は22.8%、MD方向の80℃における10%伸長時応力は55.9N/5cm、剛軟度は105mg、折れ角度は10°であった。紡糸条件および測定結果を表1にまとめた。
(実施例1-6)
紡糸口金より単孔吐出量3.5g/分で紡出し、エジェクタに75kPaの圧力(ジェット圧)で乾燥エアを供給した以外は実施例1-1と同様の条件で長繊維フリースを得た。繊維径からの換算紡糸速度は1751m/分であった。
得られた長繊維フリースを実施例1-2と同様に仮圧着、本圧着を行ない、長繊維不織布を得た。
得られた長繊維不織布の目付は72g/m、平均繊維径は43μm、複屈折率は0.0050、MD方向の80℃、10%伸長時応力は35.7N/5cm、剛軟度は110mg、結晶化度は18.3%、折れ角度は6°であった。紡糸条件および測定結果を表1にまとめた。
(比較例1-1)
実施例1-1と同様にして長繊維フリースを得た。繊維径からの換算紡糸速度は2120m/分であった。
得られた長繊維フリースを実施例1-1と同様に仮圧着した後、ロールの表面温度(加工温度)165℃で、押し圧300kPa、加工時間24秒、加工速度3.0m/分の条件でフェルトカレンダーにより面拘束しながら本圧着を行ない、長繊維不織布を得た。
得られた長繊維不織布の目付は90g/m、平均繊維径は39μm、複屈折率は0.0098、結晶化度は26.0%、MD方向の80℃における10%伸長時応力は62.6N/5cm、剛軟度は133mg、折れ角度は17°であった。紡糸条件および測定結果を表1にまとめた。
(比較例1-2)
紡糸口金より単孔吐出量4.2g/分で紡出し、エジェクタに185kPaの圧力(ジェット圧)で乾燥エアを供給した以外は実施例1-1と同様の条件で長繊維フリースを得た。繊維径からの換算紡糸速度は3139m/分であった。
得られた長繊維フリースを実施例2と同様に仮圧着、本圧着を行ない、長繊維不織布を得た。
得られた長繊維不織布の目付は91g/m、平均繊維径は35μm、複屈折率は0.0220、結晶化度は28.7%、MD方向の80℃における10%伸長時応力は73.5N/5cm、剛軟度は255mg、折れ角度は20°であった。紡糸条件および測定結果を表1にまとめた。
(比較例1-3)
紡糸口金より単孔吐出量1.6g/分で紡出し、エジェクタに75kPaの圧力(ジェット圧)で乾燥エアを供給した以外は実施例1と同様の条件で長繊維フリースを得た。繊維径からの換算紡糸速度は1856m/分であった。
得られた長繊維フリースを実施例1-1と同様に仮圧着、本圧着を行ない、長繊維不織布を得た。
得られた長繊維不織布の目付は70g/m、平均繊維径は28μm、複屈折率は0.0199、結晶化度は25.5%、MD方向の80℃における10%伸長時応力は61.9N/5cm、剛軟度は64mg、折れ角度は16°であった。紡糸条件および測定結果を表1にまとめた。
Figure 0007459800000001
表1に示すように本発明の上記[1]、好ましくは[3]~[5]の構成を備える実施形態1に対応する実施例1-1~1-6の長繊維不織布は、プリーツ加工性、プリーツ形態保持性に優れていた。
比較例1-1で得られた長繊維不織布は、MD方向の80℃における10%伸長時応力が60cN/5cmを超えるため、プリーツ加工性が悪いものであった。
比較例1-2で得られた長繊維不織布は、プリーツ形態保持性には優れていたものの、MD方向の80℃における10%伸長時応力が60cN/5cmを超えるため、プリーツ加工性が悪いものであった。
比較例1-3で得られた長繊維不織布は、MD方向の80℃における10%伸長時応力が60cN/5cmを超えるため、プリーツ加工性が悪く、さらに、剛軟度が低いため、容易にひだ密着が発生するプリーツ形態保持性が悪いものであった。
以下の実施例2-1~2-4および比較例2-1~2-3は、それぞれ上記の実施形態2の長繊維不織布に対応する実施例および比較例である。
(実施例2-1)
長繊維不職布紡糸設備を用い、固有粘度0.63のポリエチレンテレフタレートに、ガラス転移点温度が122℃のスチレン・メタクリル酸メチル・無水マレイン酸共重合体(Rohm GmbH&Co.KGのPLEXIGLAS HW55(以下、「HW55」という)を0.40質量%混合した樹脂を、オリフィス径0.45mmの紡糸口金より単孔吐出量3.5g/分で紡出した。さらに、エジェクタに100kPaの圧力(ジェット圧)で乾燥エアを供給し、1段階で延伸して、下方のコンベア上へ繊維を開繊させつつ捕集し長繊維フリースを得た。
得られた長繊維フリースを、2つのフラットロールからなる1対の仮熱圧着ロールを用いて、それぞれの表面温度を80℃とし、押し圧を8kN/mとして仮圧着した後、ロールの表面温度(加工温度)180℃で、押し圧300kPa、加工時間4秒、加工速度20m/分の条件で樹脂ネットカレンダーにより面拘束しながら本圧着を行ない、長繊維不織布を得た。
得られた長繊維不織布の目付は90g/m、平均繊維径は42μm、複屈折率は0.010、一方の表面の表面粗さは1.9、もう一方の表面の表面粗さは5.5、濾材との貼り合わせ性は「良」で、プリーツ加工性は「良」であった。紡糸条件および測定結果を表2にまとめた。
(実施例2-2)
エジェクタに80kPaの圧力(ジェット圧)で乾燥エアを供給した以外は実施例2-1と同様の条件で長繊維フリースを得た。
得られた長繊維フリースを実施例2-1と同様に仮圧着した後、ロールの表面温度(加工温度)145℃で、押し圧300kPa、加工時間24秒、加工速度3.0m/分の条件でフェルトカレンダーにより面拘束しながら本圧着を行ない、長繊維不織布を得た。
得られた長繊維不織布の目付は90g/m、平均繊維径は42μm、複屈折率は0.010、一方の表面の表面粗さは1.9、もう一方の表面の表面粗さは4.9、濾材との貼り合わせ性は「良」、プリーツ加工性は「良」であった。紡糸条件および測定結果を表2にまとめた。
(実施例2-3)
エジェクタに180kPaの圧力(ジェット圧)で乾燥エアを供給した以外は実施例2-1と同様の条件で長繊維フリースを得た。
得られた長繊維フリースを実施例2-1と同様に仮圧着、本圧着を行ない、長繊維不織布を得た。
得られた長繊維不織布の目付は89g/m、平均繊維径は34μm、複屈折率は0.020、一方の表面の表面粗さは1.5、もう一方の表面の表面粗さは5.2、濾材との貼り合わせ性は「優」、プリーツ加工性は「良」であった。紡糸条件および測定結果を表2にまとめた。
(実施例2-4)
紡糸口金より単孔吐出量5.0g/分で紡出し、エジェクタに195kPaの圧力(ジェット圧)で乾燥エアを供給した以外は実施例2-1と同様の条件で長繊維フリースを得た。
得られた長繊維フリースを実施例2-1と同様に仮圧着、本圧着を行ない、長繊維不織布を得た。
得られた長繊維不織布の目付量は91g/m、平均繊維径は32μm、複屈折率は0.0157、一方の表面の表面粗さは1.7、もう一方の表面の表面粗さは5.0、濾材との貼り合わせ性は「良」、プリーツ加工性は「良」であった。紡糸条件および測定結果を表2にまとめた。
(比較例2-1)
エジェクタに280kPaの圧力(ジェット圧)で乾燥エアを供給した以外は実施例2-1と同様の条件で長繊維フリースを得た。
得られた長繊維フリースを実施例2-1と同様に仮圧着、本圧着を試みたが、ウェブ強度が不足により搬送不良となり、サンプルは得られなかった。紡糸条件および測定結果を表2にまとめた。
(比較例2-2)
エジェクタに50kPaの圧力(ジェット圧)で乾燥エアを供給した以外は実施例1と同様の条件で長繊維フリースを得た。
得られた長繊維フリースを実施例2-1と同様に仮圧着、本圧着を行ない、長繊維不織布を得た。
得られた長繊維不織布の目付は90g/m、平均繊維径は52μm、複屈折率は0.007、一方の表面の表面粗さは2.8、もう一方の表面の表面粗さは5.0、濾材の貼り合わせ性は「不良」、プリーツ加工性は「良」であった。紡糸条件および測定結果を表2にまとめた。
(比較例2-3)
紡糸口金より単孔吐出量1.0g/分で紡出し、エジェクタに300kPaの圧力(ジェット圧)で乾燥エアを供給した以外は実施例2-1と同様の条件で長繊維フリースを得た。
得られた長繊維フリースを、2つのフラットロールからなる1対の仮熱圧着ロールを用いて、それぞれの表面温度を80℃とし、押し圧を8kN/mとして仮圧着した後、圧着面積14%の刻印を施したエンボスロールと対となるフラットロールをエンボスロールを用いて、フラットロールの表面温度(加工温度)はそれぞれ240℃、線圧は50kN、加工速度4m/minで本圧着を行ない、長繊維不織布を得た。
得られた長繊維不織布の目付は90g/m、平均繊維径は14μm、複屈折率は0.090、一方の表面の表面粗さは1.9、もう一方の表面の表面粗さは2.5、濾材との貼り合わせ性は「良」、プリーツ加工性は「不良」であった。紡糸条件および測定結果を表2にまとめた。
Figure 0007459800000002
表2に示すように本発明で規定する要件を満たす実施例1~4の長繊維不織布は、濾材
との貼り合わせ性とプリーツ加工性に優れていた。
比較例2-2で得られた長繊維不織布は、プリーツ加工性には優れていたものの、表面粗さが2.0以下の表面がなく、濾材との貼り合わせ性が悪いものであった。
比較例2-3で得られた長繊維不織布は、濾材との貼り合わせ性は優れていたが、表面粗さが3.5以上の表面がなく、プリーツ加工性が悪いものであった。
本発明の実施形態1の長繊維不織布は、プリーツ加工性に優れ、実使用下でひだ密着し難い剛性を有しプリーツ形態保持性の優れた、フィルター補強材に適した長繊維不職布である。また、本発明の実施形態2の長繊維不織布は、濾材との貼り合わせ性とプリーツ加工性に優れた、フィルター補強材に適した長繊維不職布である。さらに、これらは、単一成分の繊維から構成される長繊維不織布であるため、製造コストが安価な長繊維不職布を提供できるため産業界に寄与すること大である。

Claims (5)

  1. 平均繊維径が30μm以上60μm以下である繊維からなり、目付が50g/m以上120g/m以下であり、一方の表面の表面粗さが2.0以下であり、もう一方の表面の表面粗さが3.5以上であり、前記表面粗さは、長繊維不織布の任意の場所を5点選び、カトーテック社製のKES-FB4-A(表面試験機)を用いて、標準感度、摩擦子に0.5mmφのピアノ線、摩擦子への垂直荷重が10gf、移動速度が1mm/sec、および実移動距離が20mmの条件で試験し、不織布のMD方向に両表面それぞれの表面粗さの平均偏差(SMD)で求められる長繊維不織布。
  2. 前記長繊維不織布を構成する繊維の複屈折が0.005以上0.020以下である請求項1に記載の長繊維不織布。
  3. 長繊維不織布を構成する繊維が、主成分であるポリエチレンテレフタレートに熱可塑性ポリスチレン系共重合体を0.02質量%以上5質量%以下で混合した樹脂からなる単一繊維である請求項1または2に記載の長繊維不織布。
  4. 前記熱可塑性ポリスチレン系共重合体のガラス転移点温度が100℃以上160℃以下である請求項に記載の長繊維不織布。
  5. 請求項1~のいずれか1項に記載の長繊維不織布を用いたフィルター補強材。
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