JP7459627B2 - 電力制御装置、電力制御装置の制御方法、交流発電システム。 - Google Patents

電力制御装置、電力制御装置の制御方法、交流発電システム。 Download PDF

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Description

本発明は、電力系統と連系する交流発電機用の電力制御装置において、インバータ回路の出力を制御する技術に関する。
近年、電力の自由化に伴い、太陽光発電システムやガスエンジン式の交流発電機に代表される分散型電源の導入が進められている。分散型電源を電力系統に連系する技術要件として系統連系規程がある。
系統連系規程において、出力復帰時の動作として、「電圧低下前の出力の80%以上の出力まで所定時間以内で復帰する」と定められている(FRT要件)。これは、分散型電源が連系する電力系統では、系統擾乱時に分散型電源が一斉に解列すると電力品質に影響を及ぼすことから、事故時に運転を継続して電力品質の維持を図るものである。
下記特許文献1には、瞬時電圧低下からの復帰時の制御として、インバータの出力電流を、発生前の電流値よりも低い電流値から元の電流値まで連続的に変化させることで、インバータ回路の出力を復帰させる制御を行っている。図7は、復帰時の系統電圧、インバータ回路の出力波形である。特許文献1の電力制御装置は、瞬時電圧低下中のインバータ回路の出力電力X1と復帰動作開始時の出力電力X2が不連続である(A部)。
特開2015-195710号公報
交流発電機は、原動機の回転エネルギーを電気エネルギーとして取り出すため、他の発電機に比べて、負荷変動に対する出力の追従性が低い。図7に示すように、瞬時低下中のインバータ回路の出力電力X1と復帰動作開始時点の出力電力X2が不連続な場合(A部)、復帰動作開始時点において、インバータ回路の出力変化が大きくなる。そのため、交流発電機の出力が追従できなくなり、インバータ回路の出力が不安定になる場合がある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、交流発電機を電力系統に連系する系統連系用の電力制御装置において、瞬時電圧低下からの復帰動作時に、安定した出力制御を行うことを目的とする。
交流発電機を電力系統に連系する系統連系用の電力制御装置であって、前記交流発電機の交流出力を整流する整流器と、前記整流器の直流出力を交流に変換して、負荷又は前記電力系統に出力するインバータ回路と、制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記電力系統が瞬時電圧低下から復帰した場合、瞬時電圧低下中の出力電力を開始電力として、前記インバータ回路の出力電力を所定の目標値まで増加させる。
この発明は、系統連系用の電力制御装置の制御方法に適用することが出来る。電力系統に連系する交流発電システムに適用することが出来る。
本構成では、交流発電機を電力系統に連系する系統連系用の電力制御装置において、瞬時電圧低下からの復帰動作時に、安定した出力制御を行うことが出来る。
実施形態1における交流発電システムのブロック図 制御装置の詳細構造を示すブロック図 電力復帰制御のフローチャート 瞬低発生から復帰するまでの系統電圧とインバータ回路の出力波形 定常出力中の指令値と皮相電力との関係を示す図 実施形態2におけるインバータ回路の出力波形 系統電圧とインバータ回路の出力波形の比較例
交流発電機を電力系統に連系する系統連系用の電力制御装置であって、前記交流発電機の交流出力を整流する整流器と、前記整流器の直流出力を交流に変換して、負荷又は前記電力系統に出力するインバータ回路と、制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記電力系統が瞬時電圧低下から復帰した場合、瞬時電圧低下中の出力電力を開始電力として、前記インバータ回路の出力電力を所定の目標値まで増加させる。
本構成では、交流発電機の交流出力は、整流器により直流出力に整流された後、インバータ回路により交流に変換されて、負荷又は電力系統に出力される。本構成では、瞬時電圧低下中のインバータ回路の出力電力と復帰動作開始時点の出力電力が連続している。出力電力が不連続な場合と比べて、復帰動作開始時点におけるインバータ回路の出力変化が小さい。そのため、交流発電機の出力が、インバータ回路の出力変化に追従し易く、インバータ回路の出力が不安定になることを抑制することが出来る。
前記制御装置は、瞬時電圧低下中、前記インバータ回路の出力電流を、瞬時電圧低下が発生する直前の電流値に保持してもよい。本構成によれば、瞬時電圧低下中におけるインバータ回路の出力電力の低下を抑制することが出来る。瞬時電圧低下中における出力電圧の低下を抑えることで、復帰動作中における、インバータ回路の出力電力の変化幅を抑えることが出来る。インバータ回路の出力電力の変化幅を抑えることで、復帰動作中、交流発電機の出力の変化幅を抑えることができる。そのため、復帰動作中、交流発電機の出力が安定し、インバータ回路の出力が不安定になることを抑制することが出来る。
前記制御装置は、前記交流発電機を駆動する原動機の燃料ガスが非再生可能ガスの場合、電力系統への逆潮流を禁止する第1制御パターンで前記インバータ回路の出力電力を制御し、燃料ガスが再生可能ガスの場合、電力系統への逆潮流を許可する第2制御パターンで前記インバータ回路の出力電力を制御してもよい。この構成では、非再生可能エネルギーを用いて発電した電力の電力系統への逆潮流を防ぎつつ、再生可能エネルギーを用いて発電した電力の電力系統への逆潮流を許可することで、エネルギーを効率的に利用することが出来る。
<実施形態1>
1.交流発電システムSの説明
図1は交流発電システムSのブロック図である。交流発電システムSは、電力系統1に連系する分散型電源システムであり、交流発電機10と、パワーコンディショナ20と、から構成されている。電力系統1は、電力事業者のものでもよいし、大型パワーコンディショナの自立運転出力で成り立っている独立した電力系統でもよい。
交流発電機10は、例えば、原動機としてガスエンジン11を有する、ガスエンジン発電機である。
パワーコンディショナ20は、整流器21と、リンク部23と、インバータ回路25と、フィルタ回路27と、リレー29と、制御装置50と、直流電圧検出部31と、出力電流検出部33と、出力電圧検出部35と、連系電圧検出部36とを備えている。パワーコンディショナ20は、本発明の「電力制御装置」の一例である。
整流器21は、交流発電機10に対して接続されている。整流器21は、交流発電機10の出力を整流する。整流器21には、リンク部23が接続されている。リンク部23には、リンク部23の電圧を安定させるため、電解コンデンサC1が設けられている。
インバータ回路25は、リンク部23に接続されている。インバータ回路25は、例えば、フルブリッジ型の電圧インバータであり、Hブリッジ接続された複数の半導体スイッチを含む。インバータ回路25は、半導体スイッチの制御により、リンク部23の直流電圧から交流電圧を生成して出力する。インバータ回路25は電流インバータでもよい。
インバータ回路25は、連系線37を介して、系統電源2を交流電源とする電力系統1に接続されている。連系線37には、リレー29が設けられている。
リレー29は、電力系統1との連系用として設置されている。リレー29を閉じることで、交流発電システムSを電力系統1に連系させることが出来る。
交流電源システムSを電力系統1に連系させることで、交流電源システムSと電力系統1との間で電力の融通が可能であり、交流発電機10により発電した電力を、パワーコンディショナ20を介して、連系線37に接続された負荷L又は電力系統1に供給することが出来る。
フィルタ回路27は、インバータ回路25とリレー29との間に配置されている。フィルタ回路27は、リアクトルL1とコンデンサC2から構成されており、インバータ回路25の出力から高調波成分を除去する。
出力電流検出部33は、インバータ回路25の出力電流Iinvを検出する。具体的には、出力電流検出部33は、フィルタ回路27のリアクトルL1とコンデンサC2の間に位置しており、リアクトルL1の電流を検出する。
出力電圧検出部35は、フィルタ回路27の出力側に接続されており、高調波成分除去後のインバータ回路25の出力電圧Vinvを検出する。
出力電流検出部33により検出されたインバータ回路25の出力電流Iinvと、出力電圧検出部35により検出されたインバータ回路25の出力電圧Vinvは、制御装置50に対して入力される。
連系電圧検出部36は、パワーコンディショナ20の最終段に位置する。具体的には、リレー29と負荷Lの間に位置し、連系線37に接続されている。連系電圧検出部36は、電力系統1に連系する連系線37の電圧VLを検出する。
電力系統1には、受電点3の電力検出用の計器として、外部トランスデューサ等の外部計測器40が設けられている。外部計測器40は、受電電流検出部41と、系統電圧検出部43とを有している。
外部計測器40は受電点3に対応して設置されており、受電電流検出部41は、受電点3の受電電流を検出する。系統電圧検出部43は系統電圧Vgridを検出する。外部計測器40は、受電点3の受電電流と系統電圧Vgridから、受電電力Pgridを検出する。
外部計測器40により検出された受電電力Pgridは、制御装置50に対して入力される。受電点3は電力系統1による電力の供給地点であり、図1では系統1と負荷Lが設けられた構内の境界部分である。
制御装置50は、各検出部31、33、35、40の検出値に基づいて、パワーコンディショナ20の出力や、電力系統1の受電点3における受電電力Pgridに基づいて、電力の潮流を監視する。
電力の潮流には順潮流と逆潮流がある。系統電源2から受電点3に向かう潮流は順潮流(Pgrid>0)であり、受電点3から系統電源2に向かう潮流が逆潮流(Pgrid<0)である。図1では、順潮流をA1で示し、逆潮流をA2で示す。
図2は、制御装置50のうちPWM出力に関する制御ブロックである。PWM出力は、制御装置50からインバータ回路25に出力される半導体スイッチの制御信号(PWM変調された信号)である。
制御装置50は、有効電力演算部51と、有効電力制御部52と、無効電力演算部53と、無効電力制御部54と、瞬低時指令値補正部55と、インバータ電流演算部57と、瞬時電流制御部58と、PWM出力部59とを備える。更に、瞬低判定部61と、位相検出回路62と、PLL制御部63と、瞬低時位相補正部64とを備えている。
有効電力演算部51は、出力電流検出部33及び出力電圧検出部35により検出されるインバータ回路25の出力電流Iinvと出力電圧Vinvより、インバータ回路25の出力する有効電力Pinvを算出する。
有効電力演算部52は、有効電力演算部51にて算出した有効電力Pinvを有効電力指令値と比較して、有効電力指令値に対する有効電力Pinvの偏差を小さくするように、インバータ回路25の有効電流指令値を求める。
有効電流指令値は、インバータ回路25の有効電流分(出力電流Iinv×COSφ)の電流振幅指令値である。有効電力指令値は、固定値でもいいし、負荷Lの変動や潮流の変動に応じて変更してもよい。位相角φは、インバータ回路25の出力電圧Vinvに対する出力電流Iinvの角度である。
無効電力演算部53は、出力電流検出部33及び出力電圧検出部35により検出されるインバータ回路25の出力電流Iinvと出力電圧Vinvより、インバータ回路25の出力する無効電力Qinvを算出する。
無効電力演算部54は、無効電力演算部53にて算出した無効電力Qinvを無効電力指令値と比較して、無効電力指令値に対する無効電力Qinvの偏差を小さくするように、インバータ回路25の無効電流指令値を求める。
無効電流指令値は、インバータ回路25の無効電流分(出力電流Iinvの無効分SINφ)の電流振幅指令値を求める。無効電力指令値は、固定値でもいいし、負荷Lの変動や潮流の変動に応じて変更してもよい。
瞬低時指令値補正部55には、有効電力制御部52からインバータ回路25の有効電流指令値が入力され、無効電力制御部54からインバータ回路25の無効電流指令値が入力される。
瞬低時指令値補正部55は、瞬低判定部61から電力系統1の瞬低検出信号Sr1の入力があった場合、インバータ回路25の有効電流指令値と無効電流指令値を補正する。瞬低検出信号Sr1の入力がない場合、インバータ回路25の有効電流指令値と無効電流指令値を、インバータ電流演算部57に出力する。
位相検出回路62は連系線37の電圧VLの位相角θを検出する。位相角は、0≦θ<360°である。PLL制御部63は、連系線37の電圧VLの位相に同期した同期信号を出力する。
瞬低時位相補正部64は、定常運転中、連系線37の電圧VLの位相角θのデータをインバータ電流演算部57に対して出力する。電力系統の瞬低中も、連系線37の電圧VLの位相角θのデータをインバータ電流演算部57に対して出力する。
瞬低時位相補正部64は、瞬低判定部61から電力系統1の短絡検出信号が入力された場合のみ、短絡直前の所定期間で記憶されている位相角θを保持し、短絡中は、保持した位相角θをインバータ電流演算部57に対して出力する。
インバータ電流演算部57は、瞬低時指令値補正部55と瞬低時位相補正部64から入力される、以下のデータに基づいて、インバータ回路25の出力電流Iinvの電流指令値Iinv*を算出する。
(a)インバータ回路25の有効電流指令値のデータ
(b)インバータ回路25の無効電流指令値のデータ
(c)連系線37の電圧VLの位相角θのデータ
瞬時電流制御部58は、インバータ回路25の出力電流Iinvと電流指令値Iinv*とを比較する。そして、電流指令値Iinv*に対する出力電流Iinvの偏差を小さくするように、インバータ回路25の電圧指令値Vinv*を求めて、PWM出力部59に出力する。
PWM出力部59は、瞬時電流制御部58から入力される電圧指令値Vinv*に基づいて、半導体スイッチの制御信号(PWM変調された信号)を生成し、インバータ回路25に出力する。
PWM出力部59から出力される制御信号に従って、インバータ回路25の半導体スイッチをPWM制御することにより、インバータ回路25の出力電流Iinvを電流指令値Iinv*に調整することが出来る。そのため、インバータ回路25の有効電力Pinvを有効電力指令値に制御し、無効電力Qinvを無効電力指令値に制御することが出来る。
2.瞬時電圧低下時のFRT要件
分散型電源を、電力系統1に連系する技術要件として、系統連系規程がある。
系統連系規程において、分散型電源の出力復帰時の動作として「電圧低下前の出力の80%以上の出力まで所定時間以内で復帰する」と定められている。
制御装置50は、FRT要件を満たすため、図3に示す出力復帰制御を行う。
(2A)瞬低中の出力制御
電力系統1への連系期間中、瞬低判定部61は、連系線37の電圧VLを閾値電圧Vaと比較し、瞬時電圧低下の有無を検出する。連系線37の電圧VLが閾値電圧Va未満になった場合、電力系統1に瞬時電圧低下が起きたと判断する(図3:S10)。瞬時電圧低下は、瞬間的に電圧が低下する現象であり、電力系統1への落雷などが原因で発生することが知られている(以下、「瞬低」と呼ぶ)。
閾値電圧Vaは、一例として、系統連系中の正常時の連結線37の電圧VLのQ%である。つまり、連系線37の残電圧が、正常時のQ%未満になると、瞬低と判断される。また、連系線37の残電圧が、正常時のR%未満になると、電力系統1は短絡と判断される。残電圧は、電圧低下時の連系線37の電圧VLである。ただし、R<Q<100である。
パワーコンディショナ20は、瞬低検出後も、リレー29を閉じた状態に維持し、運転を継続する。瞬低判定部61は、「瞬低」を検出すると、瞬低時指令値補正部55に、瞬低検出信号Sr1を送信する。
図4は、瞬低発生から出力復帰までの連系線37の電圧VLとインバータ回路25の出力波形を示している。t1は瞬低発生時刻、t2は瞬低終了時刻、t3はインバータ回路25の出力の復帰完了時刻である。
V1は瞬低中の連系線37の電圧実効値、V2は瞬低前(定常時)の連系線37の電圧実効値である。I1は増加開始時の電流実効値、I2は瞬低前(定常時)の出力電流実効値である。
S1は増加開始時の皮相電力、S2は瞬低前(定常時)の皮相電力である。ref1は増加開始時の皮相電力目標値、ref2は瞬低前(定常時)の皮相電力目標値である。
図4の例では、t1時点で「瞬低」を検出し、瞬低判定部61から瞬低時指令値補正部55に対して瞬低検出信号Sr1が送信される。瞬低時指令値補正部55は、瞬低検出信号Sr1を受けると、瞬低が継続している期間は、インバータ回路25の有効電流指令と無効電流指令値を、瞬低発生前の直前の指令値に保持する。
指令値の保持により、図4の例では、瞬低が継続するt1~t2の期間、出力電流Iinvは、瞬低が起きるt1直前の電流値に保持される(図3:S20)。
瞬低判定部61は、瞬低検出信号Sr1の送信後も、連系線37の電圧VLを閾値電圧Vaと比較し、電圧復帰の有無を検出する。連系線37の電圧VLが閾値電圧Va未満の状態から閾値電圧Vaよりも高い電圧に戻った場合、「電力系統1の系統電圧Vgridが復帰した」と判断する。
電圧の復帰は、閾値電圧Vaよりも高い閾値電圧Vbにより判断してもよい。
瞬低判定部61は、「電圧復帰」を検出すると、瞬低時指令値補正部55に、復帰検出信号Sr2を送信する。図4の例では、t2時点で「電圧の復帰」を検出し、瞬低判定部61から瞬低時指令値補正部55に対して復帰検出信号Sr2が送信される(図3:S30)。
(2B)復帰中の出力制御
瞬低時指令値補正部55は、復帰検出信号Sr2を受けると、インバータ回路25の皮相電力Sを、瞬低直前の皮相電力S2まで所定期間(t2-t3)内で復帰させるため、所定期間(t2-t3)について、例えば、数十msec刻みで、皮相電力指令値refを算出する。
瞬低時指令値補正部55は、まず、開始皮相電力指令値ref1を求める。開始皮相電力指令値ref1は、t2時点の皮相電力指令値、つまり、インバータ回路25の出力を増加する際の初期値である。
本構成では、瞬低中から出力復帰に動作が切り換わる際に、インバータ回路25の皮相電力Sが不連続にならないように、開始皮相電力指令値ref1を、瞬低中の皮相電力指令値と同一にする。
インバータ回路25の出力が安定し指令値に追従している場合、図5に示すように皮相電力指令値に対して皮相電力値は線形性があり、数1式の関係が成り立つ。そのため、開始皮相電力指令値ref1は、下記の数2式より、算出することが出来る。
Figure 0007459627000001
Figure 0007459627000002
数式1、数式2において、ref1は瞬低中の皮相電力指令値、S1は瞬低中の皮相電力、refmaxは定格皮相電力指令値、Smaxは定格皮相電力である。
次に、出力増加中(t2-t3間)における皮相電力指令値refの変化量Xは、下記の数式3によって算出することができる。変化量Xは、図4に示す皮相電力指令値refの変化直線Yの傾きである。
Figure 0007459627000003
以上により、出力復帰中(t2-t3の期間)における、各時点tの皮相電力指令値refを、数式4によって算出することが出来る。
Figure 0007459627000004
瞬低時指令値補正部55は、各時点tの皮相電力指令値refを算出すると、算出した各時点tの皮相電力指令値refから、各時点tのインバータ回路25の出力電流Iinvの有効電流指令値と無効電流指令値を求め、それらをインバータ電流演算部57に対して出力する。
以上により、インバータ電流演算部57、瞬時電流制御部58にて、皮相電力Sが皮相電力指令値refに追従するように、インバータ回路35の出力電流Iinvが調整される。
そのため、電力系統1の系統電圧Vgridの復帰後、インバータ回路25の皮相電力Sは、瞬時電圧低下中の皮相電力S1を開始電力として、時刻t2から連続的に変化し、時刻t3にて、瞬低直前の皮相電力S2に戻すことが出来る(図3:S40)。
3.効果説明
交流発電機10は、原動機11の回転エネルギーを電気エネルギーとして取り出すため、他の発電機(太陽光パネル等のDC発電機)に比べて、負荷変動に対する出力の追従性が低いことがある。
本構成では、瞬低から出力を復帰する際に、インバータ回路25の皮相電力Sが瞬低中の皮相電力S1を開始電力として連続的に変化する(図4のA部)。そのため、インバータ回路25の出力が不連続な場合(図7のA部)と比べて、復帰動作開始時点(図4の時刻t2)におけるインバータ回路25の出力変化が小さい。従って、復帰動作の開始から終了までの間、交流発電機1の出力がインバータ回路25の出力変化に追従し易く、インバータ回路25の出力が不安定になることを抑制することが出来る。
本構成では、瞬低中、インバータ回路25の出力電流Iinvを瞬低発生直前の電流値に保持するため、インバータ回路25の出力低下を抑制することが出来る。瞬低中における出力低下を抑えることで、復帰動作中における、インバータ回路25の皮相電力Sの変化幅dを抑えることが出来る(図4参照)。皮相電力Sの変化幅dを抑えることで、復帰動作中、交流発電機1の出力の変化幅を抑えることができる。そのため、復帰動作中、交流発電機1の出力が安定し、インバータ回路25の出力が不安定になることを抑制することが出来る。
本構成では、パワーコンディショナ20は、整流器21と、リンク部23と、インバータ回路25と、フィルタ回路27と、リレー29等によって構成されており、リンク部23の入力段にDC-DCコンバータを設けていない。DC-DCコンバータの廃止により、パワーコンディショナ20の構成を簡素化することが出来る。
また、パワーコンディショナ20は、DC-DCコンバータを入力段に有していないので、DC-DCコンバータを有する構成と比較して損失が少なく、エネルギー効率が高いと言うメリットがある。
<実施形態2>
実施形態1では、電力系統1の系統電圧Vgridの復帰後、インバータ回路25の皮相電力Sを、瞬低発生直前の皮相電力S2まで増加させた。
インバータ回路25の出力復帰時の目標値は、瞬低発生直前の80%以上であればよく、例えば、図6に示すように、インバータ回路25の定格皮相電力Smaxでもよい。本構成によれば、インバータ回路25の皮相電力Sを、瞬低発生直前の状態に依存せず、常に定格に復帰することが出来る。
<実施形態3>
実施形態3は、実施形態1又は実施形態2に対して、インバータ回路25の出力電力の制御パターン変更制御が追加されている点が相違している。
制御装置50は、例えば、作業者の入力により、ガスエンジン11の燃料ガスが、非再生可能ガス又は再生可能ガスのいずれであるかの情報を得る。非再生可能ガスは、天然ガスなど非再生可能エネルギーのガスである。再生可能ガスは、バイオガスなど再生可能エネルギーのガスである。
制御装置50は、ガスエンジン11の燃料ガスが非再生可能ガスである場合、インバータ回路25の出力電力を第1制御パターンで制御する。
第1制御パターンは、交流電源10から電力系統1への電力の逆潮流を禁止する制御パターンである。第1制御パターンでは、例えば、インバータ回路25の出力電力(有効電力)を負荷Lの消費電力よりも小さくすることにより、電力の逆潮流を抑制する。
制御装置50は、ガスエンジン11の燃料ガスが再生可能ガスである場合、インバータ回路25の出力電力を第2制御パターンで制御する。
第2制御パターンは、交流電源10から電力系統1への電力の逆潮流を許可する制御パターンである。第2制御パターンでは、例えば、インバータ回路25の出力電力を定格出力に制御する。インバータ回路25の定格出力よりも負荷Lの消費電力が小さい場合、インバータ回路25から電力系統1に対して余剰電力が逆潮流する。
この構成では、非再生可能エネルギーを用いて発電した電力の電力系統1への逆潮流を防ぎつつ、再生可能エネルギーを用いて発電した電力の電力系統1への逆潮流を許可することで、エネルギーを効率的に利用することが出来る。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)実施形態1~3では、交流電源10の一例として、ガスエンジン発電機10を示した。交流電源10は、ガスタービン式の発電機やディーゼルエンジン式の発電機など、他の内燃機関を利用した発電機でもよい。
(2)実施形態1~3では、電力制御装置の一例として、パワーコンディショナ20を示した。電力制御装置は、少なくとも、整流器21、インバータ回路25と、制御装置50を備えた構成であればよく、フィルタ回路27、リレー29等は、別に設けられていてもよい。
(3)実施形態1~3では、系統電圧Vgridが瞬低から復帰した場合、瞬低中の皮相電力S1を開始電力として、インバータ回路25の皮相電力Sを所定の目標皮相電力S2まで増加させた。これ以外にも、インバータ回路25の有効電力Pを制御値として、系統電圧が瞬低から復帰した場合、瞬低中の有効電力P1を開始電力として、インバータ回路25の有効電力Pを所定の目標有効電力P2まで増加させてもよい。
(4)実施形態1~3では、連系線37の電圧VLをモニタして、瞬低の有無と瞬低からの復帰を検出した。これ以外にも、系統電圧Vgridをモニタして、瞬低の有無と瞬低からの復帰を検出してもよい。
1 電力系統
2 系統電源
10 交流電源
20 パワーコンディショナ(本発明の「電力制御装置」の一例)
25 インバータ回路
50 制御装置

Claims (6)

  1. 交流発電機を電力系統に連系する系統連系用の電力制御装置であって、
    前記交流発電機の交流出力を整流する整流器と、
    前記整流器の直流出力を交流に変換して、負荷又は前記電力系統に出力するインバータ回路と、
    制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記電力系統が瞬時電圧低下から復帰した場合、復帰動作開始時点において、前記インバータ回路の出力電力が瞬時電圧低下中の出力電力に対して不連続にならないように前記インバータ回路の出力電流を下げる制御を実行し、復帰動作開始後、瞬時電圧低下中の出力電力を開始電力として、前記インバータ回路の出力電力を所定の目標値まで増加させる、電力制御装置。
  2. 請求項1に記載の電力制御装置であって、
    前記制御装置は、瞬時電圧低下中、前記インバータ回路の出力電流を、瞬時電圧低下が発生する直前の電流値に保持する、電力制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の電力制御装置であって、
    前記制御装置は、復帰動作開始後、瞬時電圧低下中の出力電力を開始電力として、所定の目標値まで所定の期間で復帰するように、前記インバータ回路の出力電力を、傾きを持つ直線により増加させる、電力制御装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電力制御装置であって、
    前記制御装置は、前記交流発電機を駆動する原動機の燃料ガスが非再生可能ガスの場合、電力系統への逆潮流を禁止する第1制御パターンで前記インバータ回路の出力電力を制御し、燃料ガスが再生可能ガスの場合、電力系統への逆潮流を許可する第2制御パターンで前記インバータ回路の出力電力を制御する、電力制御装置。
  5. 交流発電機を電力系統に連系する系統連系用の電力制御装置の制御方法であって、
    前記電力制御装置は、前記交流発電機の交流出力を整流する整流器と、前記整流器の直流出力を交流に変換して、負荷又は前記電力系統に出力するインバータ回路と、を備え、
    前記電力系統の瞬時電圧低下から復帰する場合、復帰動作開始時点において、前記インバータ回路の出力電力が瞬時電圧低下中の出力電力に対して不連続にならないように、前記インバータ回路の出力電流を下げ、復帰動作開始後、瞬時電圧低下中の出力電力を開始電力として、前記インバータ回路の出力電力を所定の目標値まで増加させる、電力制御装置の制御方法。
  6. 交流発電機と、
    請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の電力制御装置を備えた交流発電システム。
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