JP7458917B2 - 満足度計算装置及び満足度計算プログラム - Google Patents
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Description
個人について検出された種類の異なる1以上の生理量の値を取得する生理量取得部と、
前記個人が存在している空間の環境への前記個人の満足の程度を示す環境満足度の値を取得する満足度取得部と、
取得された前記1以上の生理量の値と、取得された前記環境満足度の値とに基づいて、前記1以上の生理量の値から前記環境満足度の値を決定する決定式を、前記個人について生成する決定式生成部と、
前記生理量取得部によって新たに取得された前記個人の前記1以上の生理量の値を前記決定式に適用することによって、前記個人の前記環境満足度の値を計算する満足度計算部と、
を備える。
以下の実施の形態1では、満足度計算装置40は1種類以上の生理量に基づき、心理量である環境満足度を決定する。また以下の実施の形態2では、満足度計算装置40は1種類以上の生理量に基づき、空気調和システムあるいは照明システムのような、空間環境に関わるシステムを制御する。
なお、以下の実施の形態1及び実施の形態2では2種類以上の生理量に基づく場合を示しているが、これは単なる例示であり、上記のように、1種類以上の生理量に基づき心理量である環境満足度を決定し、あるいは、1種類以上の生理量に基づき空間環境に関わるシステムを制御する。
以下に、図面を参照して実施の形態1及び実施の形態2を説明する。
図1から図9を参照して、実施の形態1の満足度計算システム1を説明する。満足度計算システム1の特徴は、満足度計算装置40にある。
図1は、実施の形態1の満足度計算システム1のシステム構成図である。満足度計算システム1は、生体センシングセンサ10、スマートフォン20、中継装置30及び満足度計算装置40を備えている。
なお、スマートフォン20は、中継装置30へ、個人の環境満足度Sを送信するコンピュータの一つの例である。コンピュータとしては、スマートフォン、タブレット端末、モバイルコンピュータあるいはデスクトップコンピュータのような、どのようなコンピュータでも良い。以下の実施の形態1及び実施の形態2では、コンピュータとしてスマートフォンを例に説明する。
生体センシングセンサ10は、個人から、個人の生理量Vの値を検出し、検出した生理量の値を中継装置30へ送信する。生体センシングセンサ10として、以下の実施の形態では、ウェアラブルセンサ11及び撮影装置12を想定する。
満足度計算装置40は、個人について、種類の異なる1以上の生理量の値を取得する。「種類の異なる」とは、対象となる生理量自体が異なることを意味する。例えば、生理量が皮膚温度であれば、鼻部の皮膚温度と、頬部の皮膚温度とは、種類は「皮膚温度」として同じである。つまり生理量の「種類の異なる」については測定箇所の相違は無関係である。個人の生理量は、心拍数Vx、血圧値Vy、呼吸数Vz、瞳孔の開きVwのような生理量である。生理量には体温、皮膚温度、皮膚水分量、脈拍数、瞬き数、を含めても良い。生理量はこれらに限らない。生理量はどのようなものでもよい。瞳孔の開きVwは、以下では瞳孔Vwと表記する。また、心拍数Vx、血圧値Vy、呼吸数Vz、瞳孔Vwをまとめて生理量Vと表記する場合がある。生理量の値とは、生体センシングセンサ10によって検出される、心拍数Vx=66(回/分)、血圧値Vy=100(mmHG)、呼吸数Vz=15(回/分)、瞳孔Vw=2.8(mm)、のような値である。
スマートフォン20は、中継装置30へ、個人の環境満足度Sを送信する。以下では個人を個人Pと表記する。個人Pは一人の特定の者である。環境満足度Sとは、個人Pが存在する空間において、空間の環境に対する個人Pの満足の程度を示す心理量である。後述する満足度計算部44は、心理量推定部である。以下の実施の形態では環境満足度Sの例として、温熱環境満足度及び光環境満足度を説明するが、その他に、空気の質についての換気環境満足度、においについてのにおい環境満足度、音についての環境満足度のような、人体の感覚についての環境満足度を対象としてもよい。
中継装置30は、生体センシングセンサ10から生理量Vの値を受信し、スマートフォン20から環境満足度Sの値を受信する。中継装置30は、受信した生理量V及び環境満足度Sを満足度計算装置40へ送信する。なお、中継装置30の機能は、満足度計算装置40に組み込まれてもよい。
満足度計算装置40は、中継装置30から、生理量Vの値と、環境満足度Sの値とを取得する。満足度計算装置40は、取得した生理量V及び環境満足度Sに基づいて、個人Pの心理量を推定する。具体的には、満足度計算装置40は、取得した生理量V及び環境満足度Sに基づいて、1以上の生理量Vの各値から環境満足度Sの値を決定する決定式を生成する。詳細は後述する。
図2では生理量取得部41が取得する生理量の例として心拍、血圧、呼吸及び瞳孔を示しているが、これは例示であり、生理量取得部41が取得する生理量はこれらに限られない。生理量取得部41はどのような生理量を取得しても構わない。例えば、生理量取得部41は、さらに、瞬目、皮膚温度などのような生理量を取得しても良い。
図3に示すように、個人Pはスマートフォン20を携帯している。個人Pはスマートフォン20に環境満足度Sの値を入力する。入力された環境満足度Sの値は、スマートフォン20から中継装置30へ送信され、中継装置30から満足度計算装置40へ送信される。部屋80の天井82には、照明システムの備える複数の照明装置61及び空気調和システムの備える複数の室内機51が設置されている。空気調和システム制御装置50は、複数の室内機51から吹き出す空気の温度、風量及び向きを制御する。照明システム制御装置60は、複数の照明装置61の明るさ及び照明色を制御する。
図4は、スマートフォン20の画面21を示す。スマートフォン20の画面21には、「温熱環境の満足度(0~10)を入力してください」という表示24が表示されている。また、画面21には、環境満足度入力部22が表示されている。環境満足度入力部22は、0,5,10の数字が記載された縦棒にスライダ23が表示されている。個人Pは、スライダ23をスライドさせて、0から10の温熱環境の満足度のうち、自分の考える満足度の値の位置にスライダ23を置く。個人Pが確定ボタン25をタップするとスライダ23の位置が確定する。位置の確定後に個人Pが送信ボタン26をタップすると、確定した位置に相当する温熱環境の満足度の値が、スマートフォン20によって中継装置30へ送信される。図4では、温熱環境の満足度の値として、値=8が送信される。
図5は、満足度計算装置40のハードウェア構成を示す。図5を参照して満足度計算装置40のハードウェア構成を説明する。
図6は、満足度計算装置40の動作を説明するフローチャートである。図6を参照して、満足度計算装置40の動作を説明する。満足度計算装置40の動作手順は、満足度計算方法に相当する。満足度計算装置40の動作を実現するプログラムは、満足度計算プログラム132に相当する。
生理量取得部41は、複数のセンサによって個人について検出された種類の異なる1以上の生理量の値を取得する。具体的には以下のようである。
ステップS11において、生理量取得部41は、生理量Vの値を取得しているかどうかを判断する。生理量取得部41は、生理量Vの値を取得していない場合は、生理量Vの値の取得を待つ。生理量取得部41が生理量Vの値を取得した場合は、処理はステップS12に進む。
ステップS12において、満足度取得部42は、環境満足度Sの値を取得しているかどうかを判断する。満足度取得部42は、個人Pが存在している空間81の環境への個人Pの満足の程度を示す環境満足度の値を取得する。ここで、満足度取得部42は、空間81における種類の異なる複数の個別環境ごとに、環境満足度の値を取得する。種類の異なる複数の個別環境の例としては、温熱環境満足度と光環境満足度がある。満足度取得部42が環境満足度Sを取得した場合、処理はステップS13に進む。満足度取得部42が環境満足度Sを取得していない場合、処理はステップS14に進む。
ステップS13は、満足度計算装置40が、生理量Vの値及び環境満足度Sの値を取得した場合である。
ステップS13において、決定式生成部43は、決定式131を生成または更新を行う。決定式131の更新も決定式131の生成である。決定式生成部43は、生理量取得部41によって取得された1以上の生理量Vの値と、満足度取得部42によって取得された環境満足度Sの値とに基づいて、1以上の生理量Vの値から環境満足度Sの値を決定する決定式131を、個人Pについて生成する。決定式生成部43は、温熱環境及び光環境といった個別環境ごとに、環境満足度Sの値を決定する決定式131を個人Pについて生成する。なお、決定式生成部43は、多変量解析と機械学習との少なくともいずれかを用いて決定式131を生成する。決定式131の生成には機械学習を用いることができる。
ステップS14は、満足度計算装置40が、生理量Vの値のみ取得し、環境満足度Sの値を取得しない場合である。満足度計算部44は、生理量取得部41によって新たに取得された個人Pの1以上の生理量Vの値を決定式131に適用することによって、個人Pの環境満足度Sの値を計算する。満足度計算部44は、生理量取得部41によって新たに取得された個人Pの1以上の生理量Vの値を、少なくともいずれかの決定式131に適用することによって、個人の環境満足度Sの値を計算する。少なくともいずれかの決定式131とは、後述の式1と式2とのうちの少なくともいずれかの式である。決定式生成部43は、計算した環境満足度Sの値を出力する。
図7は、生理量取得部41に取得される生理量Vの値、及び、満足度取得部42に取得される環境満足度Sの値を示す。まず、生理量Vから説明する。Vx(1)、Vx(2)・・・は、心拍数Vxの値を示す。[Vx(1),検出日時]における「検出日時」は、ウェアラブルセンサ11によって、個人PからVx(1)が検出された日時を示す。Vx(2)・・・につても同じである。Vy(1)、Vy(2)・・・は、血圧値Vyの値を示す。「検出日時」については、Vx(1)、Vx(2)・・・と同じである。Vz(1)、Vz(2)、・・・は、呼吸数Vzの値を示す。「検出日時」については、Vx(1)、Vx(2)・・・と同じである。Vw(1)、Vw(2)・・・は、瞳孔Vwの値を示す。[Vw(1),検出日時]における「検出日時」は、撮影装置12によって、個人PからVw(1)が検出された日時を示す。Vw(2)・・・につても、「検出日時」の意味は同様である。
Sa(1)、Sa(2)・・・は、部屋80の空間81における、個人Pの温熱環境に対する満足度Saの値を示す。温熱環境に対する満足度Saとは、部屋80の空間81の温度に対する個人Pの満足度である。Sa(1)、Sa(2)・・・は、図4で説明したように、個人Pが、スマートフォン20の画面21からスライダ23を用いて入力する。[Sa(1),入力日時]における「入力日時」は、個人Pが画面21の送信ボタン26をタップしたときの日時である。Sa(2)・・・についても、「入力日時」の意味は同様である。Sb(1)、Sb(2)・・・は、部屋80の空間81における、個人Pの光環境に対する満足度Sbの値を示す。光環境に対する満足度Sbとは、部屋80の空間81の明るさに対する個人Pの満足度である。Sb(1)、Sb(2)・・・は、図4で説明したように、個人Pが、スマートフォン20の画面21からスライダ23を用いて入力する。[Sb(1),入力日時]における「入力日時」は、個人Pが画面21の送信ボタン26をタップしたときの日時である。Sb(2)・・・についても、「入力日時」の意味は同様である。
図8は、決定式生成部43が、個人Pについての温熱環境満足度Saの決定式131を作成する、決定式131の生成用データを示す。図8において、Vx(k)の列は、心拍数Vxの値であり、図7のVx(1),Vx(2)・・・が格納されている。Vy(k)の列は、血圧Vyの値であり、図7のVy(1),Vy(2)・・・が格納されている。満足度Saの値Sa(k)の列は、図7のSa(1),Sa(2)・・・が格納されている。日時の列は、図7のVx(k)、Vy(k)及びSa(k)における日時の値が格納されている。日時T1の列は、日時T1を同じくするSa(k)、Vx(k)、Vy(k)が対応付けられている。日時T2の列は、日時T2を同じくするSa(k)、Vx(k)、Vy(k)が対応付けられている。他の日時の行も同様である。決定式生成部43は、図8の個人Pについての決定式131の生成用データを用いて、温熱環境満足度Saとして、計算式を生成する。決定式生成部43が図8の生成用データを作成する。式1は作成する計算式の例を示す。Vx,Vyは変数であり、α、βは定数である。Vxは心拍数の値が代入される変数であり、Vyは血圧値の値が代入される変数である。
温熱環境満足度Sa=α*Vx+β*Vy (式1)
ステップS14では、制御内容決定部46は、式1を用いて温熱環境満足度Saを計算する。
図9は、決定式生成部43が、個人Pについての光環境満足度Sbの決定式131を生成するための生成用データを示す。決定式生成部43が図9の生成用データを作成する。図9において、Vz(k)の列は、呼吸数Vzの値であり、図7のVz(1),Vz(2)・・・が格納されている。Vw(k)の列は、瞳孔Vwの値であり、図7のVw(1),Vw(2)・・・が格納されている。満足度Sbの値Sb(k)の列は、図7のSb(1),Sb(2)・・・が格納されている。日時の列は、図7のVz(k)、Vw(k)及びSb(k)における日時の値が格納されている。日時T11の列は、日時T11を同じくするSb(k)、Vz(k)、Vw(k)が対応付けられている。日時T12の列は、日時T12を同じくするSb(k)、Vz(k)、Vw(k)が対応付けられている。他の日時の行も同様である。決定式生成部43は、図9の個人Pについての決定式131の生成用データを用いて、光環境満足度Sbとして、計算式を生成する。式2は作成する計算式の例を示す。Vz,Vwは変数であり、γ、δは定数である。Vzは呼吸数の値が代入される変数であり、Vwは瞳孔の値が代入される変数である。
光環境満足度Sb=γ*Vz+δ*Vw (式2)
ステップS14では、制御内容決定部46は、式2を用いて光環境満足度Sbを計算する。
実施の形態1の満足度計算装置40は、決定式生成部43を備えるので、1以上の生理量Vx、Vy、Vz、Vwの値から、心理量である温熱環境満足度、光環境満足度を決定する決定式Sa,Sbを生成できる。よって、満足度計算装置40によれば、1以上の異なる生理量の値から得られる決定式131によって、この決定式131に使用される生理量の種類から、個人の環境満足度を向上させるためにどのようなシステムを制御するべきかを判断することができる。
満足度計算装置40によれば、1以上の異なる生理量の値から得られる決定式131によって、空気調和システムに限らず、他のシステムの制御のためのものとして使用できる、決定式131の計算結果を得ることができる。
また、決定式生成部43は個人ごとに決定式131を生成するので、個人に合わせた快適な環境を提供できる。
図10から図17を参照して、実施の形態2の満足度計算システム1及び満足度計算装置40を説明する。実施の形態2では、満足度計算装置40が、満足度計算部44による個人Pの環境満足度の計算結果を用いて、部屋80の空間81の環境に関わるシステムを制御する。
なお以下の実施の形態2では、部屋80の空間81の環境に関わるシステムとして、満足度計算装置40は、空気調和システム制御装置50、照明システム制御装置60及び換気システム制御装置70のような複数のシステムを制御対象としている。しかし、満足度計算装置40の制御対象は一つのみのシステムでもよいし、複数のシステムでもよい。
なお図11では生理量取得部41が取得する生理量の例として心拍数、血圧値、呼吸数及び瞳孔を示しているが、これは例示であり、生理量取得部41が取得する生理量はこれらに限られない。生理量取得部41はどのような生理量を取得しても構わない。例えば、生理量取得部41は、さらに、瞬目、皮膚温度などのような生理量を取得しても良い。
図14は、実施の形態2の満足度計算装置40の動作を説明するフローチャートである。図14を参照して、実施の形態2の満足度計算装置40の動作を説明する。ステップS11、S12、S14の動作は図6と同じであるので、ステップS13a、ステップS21、S22,S23を説明する。
制御状態取得部45は、設備を有する環境システムの制御状態であって、環境満足度Sに対応付いている制御状態である対応制御状態Cを取得する。環境システムとは、個人Pの存在する空間の個別環境の状態を変更できる、空気調和システム、照明システム、換気システムのようなシステムである。後述のように、対応制御状態Cは環境満足度Sに日時で対応づいている。対応制御状態Cとして、図16に制御状態Caを示し、図17に制御状態Cbを示している。
ステップS21において、制御状態取得部45は、空気調和システム制御装置50及び照明システム制御装置60から、空気調和システムへの制御状態及び照明システムへの制御状態を取得する。ステップS21は、決定式生成部43による決定式131の生成の前処理のステップである。
ステップS13aにおいて、決定式生成部43は、ステップS11で取得された生理量の値、ステップS12で取得された環境満足度の値、及びステップS21で取得されたシステムの制御状態から、個人Pについての決定式131を生成するための生成用データを生成する。この生成用データの説明の前に、満足度計算装置40が取得するデータを説明する。
図15は、満足度計算装置40が取得する、生理量、環境満足度及び制御状態を示す。図15は図7と類似であるが、図7に対して、制御状態Cが追加されている。
制御状態Cについて説明する。Ca(1)、Ca(2)・・・は、制御状態取得部45が空気調和システム制御装置50から取得する制御状態である。[Ca(1),検出日時]における「検出日時」は、Ca(1)であることが空気調和システム制御装置50によって検出された日時である。つまり、この「検出日時」は、空気調和システムがCa(1)で制御された日時である。Ca(2)・・・についても、「検出日時」の意味は同様である。
Cb(1)、Cb(2)・・・は、制御状態取得部45が照明システム制御装置60から取得する制御状態である。[Cb(1),検出日時]における「検出日時」は、Cb(1)であることが照明システム制御装置60によって検出された日時である。つまり、この「検出日時」は、照明システムがCb(1)で制御された日時である。Cb(2)・・・についても、「検出日時」の意味は同様である。
制御内容決定部46は、決定式131によって計算された個人Pの環境満足度の値と、値が計算された環境満足度の示す環境とに基づいて、制御するべき環境システムと、環境システムの制御内容とを決定する。制御内容決定部46は、対応制御状態を参照することによって、制御するべき環境システムと、環境システムの制御内容とを決定する。
ステップS22において、制御内容決定部46は、満足度計算部44が計算した環境満足度の値に基づき、システムの制御内容を決定する。制御内容決定部46は、制御内容を決定する際に、決定式生成部43の作成した、決定式131の生成用データを参照する。
満足度計算部44は、式1として示す温熱環境満足度Saの式で、温熱環境満足度Saの値を計算し、温熱環境満足度Sa=4であるとする。そして、制御内容決定部46は、図16の決定式131の生成用データを参照し、温熱環境満足度Sa=4から温熱環境満足度Saの値を向上するには、空間81の温度を25℃にするべきことを確認する。制御内容決定部46は、制御内容として、室内機51の吹き出し温度を25℃にするべき制御内容を決定する。
ステップS22の処理において、制御内容決定部46は、図16の制御状態Caの列を参照する。制御状態Caの列は、対応制御状態である。制御内容決定部46は、制御状態Caの列の対応制御状態を参照することによって、制御するべき環境システムと、環境システムの制御内容とを決定する。制御内容決定部46は、制御状態Caの列の対応制御状態を参照することで、制御するべき環境システムが空気調和システムであり、制御内容として、温度を25℃にするべきことを決定する。
ステップS23において、システム制御部47は、制御内容決定部46によって決定された制御内容に従って、制御内容決定部46によって決定された環境システムを制御する。具体的には、システム制御部47は、制御内容決定部46の決定した制御内容に従って、制御内容決定部46によって決定された環境システムの空気調和システム制御装置50を制御する。制御内容決定部46からの制御によって、空気調和システム制御装置50は室内機51の吹き出し温度が25℃になるように、空気調和システムを制御する。なお空気調和システムは温度センサを備えている。
満足度計算部44は、式2として示す光環境満足度Sbの式で、光環境満足度Sbの値を計算し、光環境満足度Sb=4であるとする。制御内容決定部46は、図17の決定式131の生成用データを参照し、光環境満足度Sb=4から光環境満足度Sbの値を向上するには、空間81の明るさを、210ルクスと190ルクスとの平均の200ルクスにするべきことを確認する。制御内容決定部46は、制御内容として、照明装置61による部屋80の空間81の明るさを200ルクスにするべき制御内容を決定する。
ステップS22の処理において、制御内容決定部46は、図17の制御状態Cbの列を参照する。制御状態Cbの列は、対応制御状態である。制御内容決定部46は、制御状態Cbの列の対応制御状態を参照することによって、制御するべき環境システムと、環境システムの制御内容とを決定する。制御内容決定部46は、制御状態Cbの列の対応制御状態を参照することで、制御するべき環境システムが照明システムであり、制御内容として、明るさを200ルクスにするべきことを決定する。
ステップS23において、システム制御部47は、制御内容決定部46の決定した制御内容に従って、照明システム制御装置60を制御する。制御内容決定部46からの制御によって、照明システム制御装置60は空間81の明るさが200ルクスになるように、照明システムを制御する。なお、照明システムは照度センサを備えているとする。
実施の形態2の満足度計算装置40は制御内容決定部46を備えているので、満足度計算部44が計算した決定式131の値に応じて、制御対象のシステムを実際に制御することができる。
実施の形態2の満足度計算装置40では、決定式生成部43は温熱環境あるいは光環境といった環境の種類ごとに環境満足度の決定式131を生成し、制御内容決定部46は、決定式131ごとに得られた計算結果に基づき制御対象システムを制御する。よって、満足度計算装置40は、個人について、異なる個別環境の最適化を図ることができる。
図5及び図13の満足度計算装置40では、満足度計算装置40の機能がソフトウェアで実現されるが、満足度計算装置40の機能がハードウェアで実現されてもよい。
図18は、満足度計算装置40の機能がハードウェアで実現される構成を示す。図18の電子回路90は、満足度計算装置40の、生理量取得部41、満足度取得部42、決定式生成部43、満足度計算部44、制御状態取得部45、制御内容決定部46及びシステム制御部47
の機能を実現する専用の電子回路である。電子回路90は、信号線91に接続している。電子回路90は、具体的には、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA、ASIC、または、FPGAである。GAは、Gate Arrayの略語である。ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略語である。FPGAは、Field-Programmable Gate Arrayの略語である。満足度計算装置40の構成要素の機能は、1つの電子回路で実現されてもよいし、複数の電子回路に分散して実現されてもよい。また、満足度計算装置40の構成要素の一部の機能が電子回路で実現され、残りの機能がソフトウェアで実現されてもよい。
Claims (4)
- 個人について検出された種類の異なる1以上の生理量の値を取得する生理量取得部と、
前記個人が存在している空間の環境への前記個人の満足の程度を示す環境満足度の値を取得する満足度取得部と、
制御するべき環境システムの制御状態であって、前記環境満足度に対応付いている制御状態である対応制御状態を取得する制御状態取得部と、
取得された前記1以上の生理量の値と、取得された前記環境満足度の値と、取得された前記対応制御状態に基づいて、前記生理量の値と、前記環境満足度の値と、前記対応制御状態とが日時で対応付けられたレコードが複数登録された生成用データであって、前記1以上の生理量の値から前記環境満足度の値を決定する決定式を生成するための生成用データである決定式生成用データを作成し、前記決定式生成用データを用いて前記決定式を前記個人について生成する決定式生成部と、
前記生理量取得部によって新たに取得された前記個人の前記1以上の生理量の値を前記決定式に適用することによって、前記個人の前記環境満足度の値を計算する満足度計算部と、
前記決定式によって計算された前記個人の前記環境満足度の値と、前記値が計算された前記環境満足度の示す環境とに基づいて、前記環境システムと、前記環境システムの制御内容とを決定すると共に、前記制御内容を決定する際には前記決定式生成用データを参照して前記制御内容を決定する制御内容決定部と、
決定された前記制御内容に従って、決定された前記環境システムを制御するシステム制御部と、
を備える満足度計算装置。 - 前記満足度取得部は、
前記空間における種類の異なる複数の個別環境ごとに、前記環境満足度の値を取得し、
前記決定式生成部は、
前記個別環境ごとに前記決定式を前記個人について生成し、
前記満足度計算部は、
前記生理量取得部によって新たに取得された前記個人の前記1以上の生理量の値を、少なくともいずれかの前記決定式に適用することによって、前記個人の前記環境満足度の値を計算する、
請求項1に記載の満足度計算装置。 - 前記決定式生成部は、
多変量解析と機械学習との少なくともいずれかを用いて前記決定式を生成する請求項1または請求項2に記載の満足度計算装置。 - コンピュータに、
個人について検出された種類の異なる1以上の生理量の値を取得する生理量取得処理と、
前記個人が存在している空間の環境への前記個人の満足の程度を示す環境満足度の値を取得する満足度取得処理と、
制御するべき環境システムの制御状態であって、前記環境満足度に対応付いている制御状態である対応制御状態を取得する制御状態取得処理と、
取得された前記1以上の生理量の値と、取得された前記環境満足度の値と、取得された前記対応制御状態に基づいて、前記生理量の値と、前記環境満足度の値と、前記対応制御状態とが日時で対応付けられたレコードが複数登録された生成用データであって、前記1以上の生理量の値から前記環境満足度の値を決定する決定式を生成するための生成用データである決定式生成用データを作成し、前記決定式生成用データを用いて前記決定式を前記個人について生成する決定式生成処理と、
前記生理量取得処理によって新たに取得された前記個人の前記1以上の生理量の値を前記決定式に適用することによって、前記個人の前記環境満足度の値を計算する満足度計算処理と、
前記決定式によって計算された前記個人の前記環境満足度の値と、前記値が計算された前記環境満足度の示す環境とに基づいて、前記環境システムと、前記環境システムの制御内容とを決定すると共に、前記制御内容を決定する際には前記決定式生成用データを参照して前記制御内容を決定する制御内容決定処理と、
決定された前記制御内容に従って、決定された前記環境システムを制御するシステム制処理と、
を実行させる満足度計算プログラム。
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