JP7458884B2 - スクロール型圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、互いに噛み合わされる固定スクロール及び可動スクロールを有し、これらにより形成される密閉空間の容積を変化させることで流体を圧縮するスクロール型圧縮機に関する。
スクロール型圧縮機は、互いに噛み合わされる固定スクロール及び可動スクロールと、可動スクロールに固定スクロールの軸心周りの公転駆動力を伝達するための駆動機構とをハウジング内に備え、可動スクロールが固定スクロールとの間に公転に伴って容積変化する密閉空間を形成し、この密閉空間により圧縮性の流体を圧縮して吐出している。
この種のスクロール型圧縮機としては、例えば、特許文献1に記載されたものが一般的に知られている。特許文献1に記載されたスクロール型圧縮機におけるハウジングとしての密閉ケース4は、フロントブロック2とリアブロック3とに分割されている。フロントブロック2内には、駆動機構の一部を構成する駆動軸(詳しくは、回転軸6及び偏心軸12)が延在しており、リアブロック3内には、可動スクロールとしての揺動スクロール部材20(以下では、可動スクロールという)と固定スクロールとしての固定スクロール部材30(以下では、固定スクロールという)とが設けられている。このスクロール型圧縮機は、車両用空調装置の冷媒回路に組み込まれ、冷媒回路の低圧側から導かれた冷媒(流体)を圧縮して吐出する圧縮機であり、リアブロック3に冷媒吸入口41が形成されている。この冷媒吸入口41は、可動スクロール及び固定スクロールの渦巻状のラップの渦巻外端部付近に形成された吸入空間43に連通している。吸入空間43に導かれた冷媒は、可動スクロールと固定スクロールとの間の密閉空間としての圧縮室40内に取り込まれて圧縮され、冷媒回路の高圧側に吐出される。
特開平11-44295号公報
ここで、この種のスクロール型圧縮機は、特許文献1に記載されたスクロール型圧縮機のように車両用空調装置の冷媒回路といった装置に組み込まれ、装置の一部を構成する場合が多い。そのため、この種のスクロール型圧縮機では、装置内における設置スペースについて制約を受けることがあり、小型化についての工夫が求められている。
本発明は上記問題点に着目してなされたものであり、効果的に小型化を図ることができるスクロール型圧縮機を提供することを目的とする。
本発明の一側面によると、渦巻状のラップをそれぞれ有し互いに噛み合わされる固定スクロール及び可動スクロールと、可動スクロールの背面側に設けられ可動スクロールのスラスト力を受けるスラスト受け部と、可動スクロールに公転駆動力を伝達するための駆動機構の一部を構成する駆動軸とを、ハウジング内に備えたスクロール型圧縮機が提供される。このスクロール型圧縮機では、可動スクロールが公転して固定スクロールとの間に公転に伴って容積変化する密閉空間を形成し、この密閉空間により圧縮性の流体を圧縮して吐出する。スラスト受け部はハウジング内を第1領域と第2領域とに区画する。第1領域は駆動軸が延在すると共に外部から流体が導かれる空間であり、第2領域は固定スクロール及び可動スクロールが配置される空間である。スラスト受け部は第1領域と第2領域における固定スクロール及び可動スクロールのラップの渦巻外端部付近の流体取込領域とを連通する連通孔を有している。駆動軸には、この駆動軸と一体に回転して第1領域内の流体をスラスト受け部側に送り出す羽根車が取り付けられている。
前記一側面によるスクロール型圧縮機では、スラスト受け部によって、ハウジング内の空間が、駆動軸が延在すると共に外部から流体が導かれる第1領域と、固定スクロール及び可動スクロールが配置される第2領域とに区画されると共に、スラスト受け部における連通孔によって、第1領域とラップの渦巻外端部付近の流体取込領域とが連通されている。そして、第1領域内の流体は、第1領域内の駆動軸に取り付けられた羽根車によってスラスト受け部側に送り出される。したがって、第1領域内の流体は羽根車によって連通孔を介して流体取込領域に押し込まれて、流体取込領域に取り込まれる。つまり、羽根車と駆動軸とハウジングとからなる送風装置がいわば過給機としての機能を有する。そして、流体取込領域に取り込まれた流体はラップの渦巻外端部を経由して固定スクロールと可動スクロールとの間の密閉空間で圧縮されて吐出される。したがって、前記一側面によるスクロール型圧縮機では、第1領域内の流体を流体取込領域に押し込んでその圧力を高めることができるため、流体取込領域から密閉空間に流入させる流体の量を昇圧させずにそのまま流入させた場合よりも多くすることができ、ひいては、吐出する圧縮後の流体の量を増加させることができる。したがって、圧縮機に求められる能力(例えば吐出ガス量)が同じ場合には、従来よりも密閉空間の容積を小さくすることができるため、従来よりも圧縮機の小型化を図ることができる。また、圧縮機のサイズが従来と同等でよい場合には、圧縮機のサイズを維持しつつ、圧縮機の能力を高めることができる。
このようにして、小型化を図ることができるスクロール型圧縮機を提供することができる。
本発明の一実施形態におけるスクロール型圧縮機の概略断面図である。 図1に示すA-A矢視の断面図である。 スクロール型圧縮機の駆動軸の正面図である。 スクロール型圧縮機の揺動部材の正面図である。 スクロール型圧縮機のスラスト受け部の正面図である。 スクロール型圧縮機の可動スクロールの背面図である。 スクロール型圧縮機の羽根車の正面図である。 図7に示すB-B矢視の断面図である。 図7に示すC-C矢視の断面図である。 スクロール型圧縮機の変形例を説明するための概略断面図である。 スクロール型圧縮機の別の変形例を説明するための概略断面図である。 上記別の変形例における羽根車の正面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。
図1は本実施形態におけるスクロール型圧縮機の全体構成を示す概略の断面図であり、図2は図1に示すA-A矢視の断面図である。図3~図6はそれぞれスクロール型圧縮機の部品図であり、図3は駆動軸の正面図、図4は揺動部材の正面図、図5はスラスト受け部の正面図、図6は可動スクロールの背面図である。
本実施形態におけるスクロール型圧縮機100は、例えば冷房運転とヒートポンプによる暖房運転とを行うことができる車両用空調装置の冷媒回路に組み込まれ、冷媒回路の低圧側から吸入した圧縮性の流体である冷媒を圧縮して吐出する圧縮機である。このスクロール型圧縮機100は、スクロールユニット1と、ハウジング10と、スクロールユニット1に公転駆動力を伝達するための駆動機構20とを備えている。スクロールユニット1及び駆動機構20は、ハウジング10内に備えられている。なお、本実施形態においては、スクロール型圧縮機100は、スクロールユニット1の駆動源である電動モータ30をもハウジング10内に備える。さらに、スクロール型圧縮機100は、電動モータ30の駆動を制御するインバータ40をハウジング10内に備えており、いわゆるインバータ一体型電動圧縮機である。
スクロールユニット1は、図1に示すように、互いに噛み合わされる固定スクロール2及び可動スクロール3を有する。スクロール型圧縮機100は、可動スクロール3が固定スクロール2に接しつつ固定スクロール2の軸心X’周りに公転して固定スクロール2との間に前記公転に伴って容積変化する後述する密閉空間Sを形成し、密閉空間Sにより冷媒を圧縮して吐出するように構成されている。例えば、固定スクロール2及び可動スクロール3はアルミニウム合金からなる。
具体的には、固定スクロール2は、円盤状に形成されると共に中心部に吐出孔2a1が開口された第1底板2aと、第1底板2aの一端面に立設される渦巻状の第1ラップ2bとを有する。可動スクロール3は、第1底板2aの一端面と対向する一端面を有する円盤状の第2底板3aと、第2底板3aの一端面に立設される渦巻状の第2ラップ3bとを有する。また、固定スクロール2の第1底板2aは可動スクロール3の第2底板3aより大きな径を有する。なお、本実施形態において、第1ラップ2bが本発明に係る「固定スクロール」の「ラップ」に相当し、第2ラップ3bが本発明に係る「可動スクロール」の「ラップ」に相当する。
固定スクロール2と可動スクロール3は、第1ラップ2bと第2ラップ3bとを互いに噛み合わせるように配置される。具体的には、固定スクロール2と可動スクロール3は、第1ラップ2bの周方向の角度と第2ラップ3bの周方向の角度が互いにずれた状態で、第1ラップ2bの側壁と第2ラップ3bの側壁が互いに部分的に接触するように配設される。これにより、第1ラップ2bと第2ラップ3bとの間に、三日月状の密閉空間Sが複数形成される。また、固定スクロール2と可動スクロール3は、第1ラップ2bの突出端部と第2底板3aとの間に隙間を有すると共に、第2ラップ3bの突出端部と第1底板2aとの間に隙間を有するように配設される。本実施形態では、第1ラップ2bの突出端部に形成される溝部と、第2ラップ3bの突出端部に形成される溝部とに、それぞれチップシール部材4が嵌め込まれている。このチップシール部材4により、密閉空間Sの気密性が適切に維持され、スクロール型圧縮機100における冷媒の圧縮性能が維持される。
より具体的には、固定スクロール2は、第1底板2aのラップ側の一端面における外縁部に立設される円筒状の円筒部2cを有している。円筒部2cは、ハウジング10の後述するセンターハウジング11の一端側(図1では上側)の開口の内径に合せた外径を有している。固定スクロール2は、第1ラップ2b及び円筒部2cをセンターハウジング11の内側に向けて、センターハウジング11の一端側の開口を塞ぐように、センターハウジング11内に嵌め込まれている。
可動スクロール3は、第2ラップ3bを第1底板2a側に向けた状態で固定スクロール2の円筒部2cの開口から円筒部2cの内側に嵌め込まれている。この状態で、スクロールユニット1における第1ラップ2b及び第2ラップ3bの渦巻外端部付近に流体取込領域H1が形成されている。この流体取込領域H1は、スクロールユニット1における第2底板3a側の端面において開口している。
可動スクロール3は、駆動機構20を介して、その自転が阻止された状態で、固定スクロール2の軸心X’周りに公転可能に構成されている。これにより、スクロールユニット1は、密閉空間Sを中央部に移動させつつ、密閉空間Sの容積を徐々に減少させる。その結果、スクロールユニット1は、流体取込領域H1から密閉空間S内に流入する冷媒を密閉空間S内で圧縮する。
ハウジング10は、センターハウジング11とフロントハウジング12とリアハウジング13とを有する。そして、これら(11,12,13)がボルト14などの締結部材によって一体的に締結されることによって、スクロール型圧縮機100のハウジング10が構成される。ハウジング10は、例えば、アルミニウム合金からなる。
ハウジング10内の空間は、後述するスラスト受け部24によって第1領域V1と第2領域V2とに区画されている。第1領域V1内には、駆動機構20の一部を構成する後述する駆動軸21が延在すると共に、外部(冷媒回路の低圧側の部分)から吸入ポートP1を介して冷媒が導かれる。第2領域V2内には、スクロールユニット1が配置される。また、本実施形態では、第1領域V1内には、電動モータ30も設けられている。
センターハウジング11は、第1領域V1及び第2領域V2を内部に有する概ね円筒状の周壁部11aと、周壁部11aの長手方向中間の内周面に沿って内側に突設される環状の突設部11bとを有する。センターハウジング11内には、主に、スクロールユニット1、駆動機構20、電動モータ30が収容される。周壁部11aの一端部には、リアハウジング13の外縁部13aの端面が当接されている。また、周壁部11aの他端側(図1では下側)の開口はフロントハウジング12の後述する箱底部12aにより塞がれている。
前述した吸入ポートP1は、特に限定されるものではないが、周壁部11aにおける第1領域V1に対応する部位に形成されている。このように、ハウジング10(本実施形態では周壁部11a)には、外部からハウジング10内に冷媒(流体)を導くための吸入ポートP1が形成されている。具体的には、吸入ポートP1は、周壁部11aにおける、電動モータ30のスラスト受け部24と反対側の端部に対応する部分に設けられている。本実施形態では、吸入ポートP1における第1領域V1側(つまり、ハウジング10の内部空間側)の開口端P11は、第1領域V1におけるスラスト受け部24と反対側の端部領域V11に開口されている。この端部領域V11に、フロントハウジング12の後述する箱底部12aの第1領域V1側の面が露出している。そして、冷媒回路の低圧側からの冷媒は、この吸入ポートP1を介してハウジング10(センターハウジング11)内に吸入される。つまり、吸入ポートP1は第1領域V1に開口しており、第1領域V1は吸入室として機能している。なお、本実施形態では、吸入ポートP1からの冷媒が第1領域V1内で電動モータ30の周囲及び電動モータ30内の隙間等を流通することにより、電動モータ30が冷却されるように構成されている。そして、図1において、第1領域V1における電動モータ30の上側(スラスト受け部24側)の空間は、第1領域V1における電動モータ30の下側(スラスト受け部24と反対側)の空間(つまり、上述した端部領域V11)と連通し、電動モータ30の下側の空間と共に一つの第1領域(吸入室)V1を構成する。また、第1領域V1内には、駆動機構20等の摺動部位の潤滑のために、適量の潤滑オイルが貯留されている。そのため、第1領域V1において、冷媒は潤滑オイルとの混合流体として流れている。
突設部11bにおけるリアハウジング13側の端面11b1は駆動機構20の駆動軸21(詳しくは後述する主軸21a)の回転軸心Xと直交する円環状の面として形成されている。この端面11b1には、駆動機構20のスラスト受け部24の外縁部の端面が当接される。スラスト受け部24とリアハウジング13との間に、固定スクロール2が挟持されることにより、固定スクロール2がスラスト受け部24と伴にセンターハウジング11内に固定されている。
フロントハウジング12は、全体として一端が開口した箱状に形成されており、センターハウジング11の周壁部11aの他端側の開口を塞ぐ箱底部12aと、箱底部12aの外縁部に突設される側壁部12bとを有し、内部にインバータ40を収容する。換言すると、箱底部12aは、センターハウジング11の周壁部11aにおける第1領域V1側の開口を塞いでいる。箱底部12aの第1領域V1側の面の中央部には、主軸21aの端部(図1では下端部)を回転可能に支持するフロントベアリング16を保持する筒状の支持部12a1がセンターハウジング11の内側に向って突設されている。箱底部12aの第1領域V1と反対側の面に、インバータ40が固定されている。また、フロントハウジング12の一端側の開口は、板状に形成されたインバータカバー15により塞がれている。インバータカバー15はボルト14によりフロントハウジング12の側壁部12bに締結される。このように、本実施形態では、ハウジング10は、第1領域V1及び第2領域V2を内部に有する筒状の周壁部11aと、周壁部11aにおける第1領域V1側の開口を塞ぐ箱底部12aと、を有している。なお、本実施形態において、箱底部12aが本発明に係る「底壁部」に相当する。
リアハウジング13は、センターハウジング11の周壁部11aの外径に合わせた外径を有する概ね円盤状に形成され、その中央部13bが外方に膨出するように形成されている。そして、このリアハウジング13は、その外縁部13aが周壁部11aの一端部に適宜本数のボルト14などの締結部材によって締結されている。
また、リアハウジング13の外縁部13aにおける径方向の内側部位13a1は、センターハウジング11の周壁部11aの内周面より径方向内側に張り出している。この内側部位13a1の端面が固定スクロール2の第1底板2aの他端面(ラップ2b側の端面と反対側の端面)のうちの外縁部に当接することにより、固定スクロール2がスラスト受け部24とリアハウジング13の外縁部13a(詳しくは、内側部位13a1)との間に挟持される。リアハウジング13の膨出形成された中央部13bと第1底板2aとにより、冷媒の吐出室H2が区画される。固定スクロール2におけるリアハウジング13の内側部位13a1との当接部位(前記外縁部)には、シール部材17が設けられている。吐出室H2は第1底板2aの中心部に形成された吐出孔2a1を経由して密閉空間Sに連通する。そして、この吐出室H2には、一方弁18が吐出孔2a1の開口を覆うように設けられている。この一方弁18は、冷媒が密閉空間Sから吐出室H2へ流れることを許容すると共に、冷媒が吐出室H2から密閉空間Sへ逆流することを防止する逆止弁である。吐出室H2内には、密閉空間Sで圧縮された冷媒が吐出孔2a1及び一方弁18を介して吐出される。吐出室H2内の圧縮冷媒はリアハウジング13に形成される吐出ポート(図示省略)を介して冷媒回路の高圧側に吐出される。
駆動機構20は、可動スクロール3に固定スクロール2の軸心X’周りの公転駆動力を伝達するための機構である。本実施形態では、駆動機構20は、可動スクロール3の自転を阻止する機能も有している。
図1及び図2に示すように、本実施形態において、駆動機構20は、駆動軸21と、旋回軸受22と、環状の揺動部材23と、スラスト受け部24と、自転阻止機構部25と、リアベアリング26と、連結ピン25aと、を含む。
駆動軸21は、図1から図3に示すように、主軸21aと偏心軸21bとを有する。主軸21aは、回転軸心X周りに回転駆動される。主軸21aの回転軸心Xは固定スクロール2の軸心X’に合わせられている。偏心軸21bは主軸21aの軸方向の一端部に回転軸心Xに対して偏心して設けられる。駆動軸21は例えば鋼材からなる。
駆動軸21には、この駆動軸21と一体に回転して第1領域V1内の冷媒をスラスト受け部24側に送り出す羽根車27が取り付けられている。つまり、第1領域V1を形成するセンターハウジング11からなるケーシングと駆動軸21と羽根車27とにより送風装置が構成されている。また、本実施形態では、可動スクロール3に対する重量バランスを確保するためのカウンターウェイト28が、羽根車27と一体的に設けられている。なお、羽根車27及びカウンターウェイト28については後に詳述する。
主軸21aの一端部には、フランジ状に形成されたフランジ部21a1が偏心軸21bと一体に設けられている。主軸21aの他端部は、縮径され、支持部12a1に嵌合されるフロントベアリング16によって回転可能に支持されている。
偏心軸21bは、具体的には、主軸21aの回転軸心Xに対して偏心した軸心を中心とした円形断面を有し、スクロールユニット1側に向って延伸している。
本実施形態では、偏心軸21bには、回転軸心Xと同心の円形孔21b1が形成されている。つまり、偏心軸21bの外径の中心は、主軸21aの回転軸心Xに対して偏心した軸心上に位置するが、偏心軸21bの内径の中心は、主軸21aの回転軸心X上に位置している。換言すると、偏心軸21bは筒状に形成されており、筒外径の中心は、固定スクロール2の第1ラップ2b及び可動スクロール3の第2ラップ3bが適切に摺動するように、筒内径の中心に対して偏心している。
本実施形態では、偏心軸21bは、主軸21aと別体で形成されている。具体的には、偏心軸21bの円形孔21b1は主軸21aの外径に合わせた孔径を有して偏心軸21bを貫通している。フランジ部21a1は偏心軸21bの一端部の外周に偏心した鍔状に形成されている。主軸21aの一端部が偏心軸21bの円形孔21b1にリアベアリング26の収容領域を残して圧入されることにより、偏心軸21bが主軸21aの一端部に固定されている。つまり、円形孔21b1の孔壁面と主軸21aの一端部の端面とにより、駆動軸21の一端部(偏心軸側端部)に、円形凹部が形成される。この円形凹部には、後述するスラスト受け部24の凸部24bが挿入される。
旋回軸受22は、偏心軸21bの外周面に装着される軸受であり、例えば、円筒状のすべり軸受からなる。旋回軸受22は、概ね偏心軸21bのフランジ部21a1のフランジ面からの突設高さに合わせた高さを有している。
揺動部材23は、旋回軸受22の外周面に装着される。揺動部材23は、旋回軸受22の高さに合わせた厚みを有した円盤状に形成され、例えば、アルミニウム系合金材からなる。揺動部材23の中心部には、旋回軸受22の外径に合わせた内径を有する旋回軸受用取付孔23aが開口されている。この旋回軸受用取付孔23aに、旋回軸受22が嵌め込まれる。
図4に示すように、揺動部材23の外縁部における周方向に等間隔に離間した複数(図2及び図4では、6箇所)の部位には、それぞれ、後述する連結ピン25aが挿通される孔(以下では、挿通孔という)23bが貫通されている。揺動部材23は、その外縁部における各挿通孔23bの間の領域がそれぞれ径方向内側に凹むように形成されている。これにより、揺動部材23の軽量化が図られている。また、揺動部材23の外縁部の凹みは、後述するスラスト受け部24の貫通孔24aの少なくとも一部である連通孔24a1と伴に、第1領域V1からスクロールユニット1の第1ラップ2b及び第2ラップ3bの渦巻外端部付近に形成される流体取込領域H1へ冷媒(詳しくは冷媒と潤滑オイルとの混合流体)を導入するための冷媒導入通路として機能することになる。したがって、揺動部材23の外縁部の凹みにより、冷媒導入通路が十分に確保され、冷媒導入通路の圧損の低減を容易に図ることができる。そして、揺動部材23の旋回軸受用取付孔23aの孔壁面と偏心軸21bの外周面との間に、旋回軸受22が取り付けられている。これにより、揺動部材23は、旋回軸受22を介して偏心軸21bの軸心(つまり、主軸21aの回転軸心Xに対して偏心した軸心)周りに回動可能に偏心軸21bに取り付けられている。
スラスト受け部24は、図1に示すように、可動スクロール3の背面側に設けられ、可動スクロール3のスラスト力を受けるものである。本実施形態では、スラスト受け部24は、可動スクロール3の第2底板3aと揺動部材23との間に設けられている。換言すると、揺動部材23は、当該揺動部材23と可動スクロール3の第2底板3aとの間にスラスト受け部24を挟むように配置されている。
本実施形態では、スラスト受け部24は、ハウジング10と別体で形成されている。具体的には、スラスト受け部24は、例えば、可動スクロール3、揺動部材23及びハウジング10に採用される材料(例えば、アルミニウム系合金)よりも良好な耐摩耗性を有する鋼材等の適宜の部材からなる。スラスト受け部24は、センターハウジング11の一端側(図1では上側)の開口の内径に合せた外径を有した概ね円盤状に形成されている。スラスト受け部24の外縁部の端面は前述したようにセンターハウジング11の突設部11bの端面11b1に当接している。スラスト受け部24は、例えば、その外縁部が固定スクロール2の円筒部2cの先端面と突設部11bの端面11b1との間に挟持されることにより、センターハウジング11内に固定される。固定スクロール2に対するスラスト受け部24の周方向についての角度位置は、図示省略したピン及びピン穴等の適宜の位置決め手段により定められている。前述したようにハウジング10(詳しくはセンターハウジング11の周壁部11a)内の空間は、スラスト受け部24によって第1領域V1と第2領域V2とに区画されている。また、駆動軸21は、スラスト受け部24とフロントベアリング16によって回転軸心X方向の遊び量が規制されている。
図1及び図5に示すように、スラスト受け部24の外縁部には、当該外縁部を貫通する複数の貫通孔24aが形成されている。本実施形態では、貫通孔24aは、円形に開口され、スラスト受け部24の外縁部における周方向に等間隔に離間した複数(図5では、6箇所)の部位に開口されている。
本実施形態では、スラスト受け部24の揺動部材側端面の中央部位に、円柱状の凸部24bが突設されている。凸部24bはリアベアリング26の内径に合せた外径を有する。凸部24bの突出高さは、概ね旋回軸受22の高さに合わせられている。凸部24bの外周面に、リアベアリング26が装着される。
図1に示すように、可動スクロール3の第2底板3aの背面である他端面(つまり、スラスト受け部側端面)には、シール部材19が配置される。環状のシール部材19により、第2底板3aの背面とスラスト受け部24の可動スクロール側端面との間に区画される背圧室H3の気密性が保たれる。背圧室H3は、シール部材19のつぶし代等により定まる主軸21aの回転軸心X方向についての隙間高さ(例えば、0.5mm未満)を有しており、図1ではこの隙間高さは現れていない。可動スクロール3の第2底板3aの中央部には、密閉空間Sと背圧室H3とを連通する連通路3dが開口されている。また、背圧室H3は、この背圧室H3内の圧力より低圧の領域との連通が遮断されている。したがって、圧縮動作により得た高圧の冷媒の一部を背圧形成のために連通路3dを介して背圧室H3へ供給したとしても、その冷媒が背圧室H3内の圧力より低圧の領域へ垂れ流されることはない。その結果、エネルギーロスの低減を図ることができる。
可動スクロール3の第2底板3aの背面には、シール部材19を取り付けるための溝部3eが形成されている。図1及び図6に示すように、可動スクロール3が固定スクロール2の軸心X’周りに公転旋回運動する際に、シール部材19がスラスト受け部24における複数の貫通孔24aの領域に入り込まないように、溝部3eの形成経路が定められている。
また、スラスト受け部24は、第1領域V1と第2領域V2における第1ラップ2b及び第2ラップ3bの渦巻外端部付近の流体取込領域H1とを連通する連通孔24a1を有している。連通孔24a1の開口は、流体取込領域H1のうちスクロールユニット1における第2底板3a側の端面において開口した部分に対向するようにスラスト受け部24に形成されている。本実施形態では、連通孔24a1は、複数の貫通孔24aの少なくとも一部(例えば、一つの貫通孔24a)からなり、流体取込領域H1へ冷媒を導入するための冷媒導入通路として機能する。
図1及び図6に示すように、可動スクロール3の第2底板3aの外縁部には、複数の孔3cが開口されている。この可動スクロール3の孔3cは、揺動部材23に開口される挿通孔23bの開口位置と同一の位置に開口されている。
自転阻止機構部25は、可動スクロール3の自転を阻止するための機構である。本実施形態では、自転阻止機構部25は、スラスト受け部24の外縁部を貫通する前述した複数の貫通孔24aと、貫通孔24aを貫通すると共に揺動部材23の外縁部と可動スクロール3の第2底板3aの外縁部との間を連結する連結ピン25aとにより構成されている。連結ピン25aは、その中間部が貫通孔24aの孔壁面に摺接することにより、可動スクロール3の自転を阻止すると共に可動スクロール3の公転駆動力を可動スクロール3に伝達する。つまり、本実施形態では、連結ピン25aは、公転駆動力の伝達機能と可動スクロール3の自転阻止機能とを兼ね備えている。揺動部材23における挿通孔23b及び可動スクロール3における孔3cは、貫通孔24aに対応した位置に形成されている。貫通孔24aの内径は、挿通孔23b及び孔3cの内径より大きく、例えば、可動スクロール3の必要とする公転旋回半径に応じて定められる。連結ピン25aは、例えば、スラスト受け部24と同様に鋼材からなり、貫通孔24aより小径の円柱状に形成されている。このようにして、連結ピン25aの中間部が貫通孔24aの孔壁面に摺接することにより、可動スクロール3の自転を阻止する自転阻止機構部25が構成されている。また、自転阻止機構部25を備える駆動機構20は、連結ピン25aを有し、当該連結ピン25aを介して公転駆動力を可動スクロール3に伝達している。
リアベアリング26は、スラスト受け部24の凸部24bの外周面と偏心軸21bの円形孔21b1の内周面との間に嵌め込まれ、駆動軸21における一端部である偏心軸21bを回転軸心X周りに回転可能に支持する軸受である。リアベアリング26は、例えば、リアベアリング26の外周面が円形孔21b1の内周面に対して摺動すると共に、リアベアリング26の内周面が凸部24bの外周面に対して摺動可能に、凸部24bの外周面と円形孔21b1の内周面との間に嵌め込まれている。リアベアリング26は、例えば、旋回軸受22と同様に円筒状のすべり軸受からなる。これにより、駆動軸21における一端部(偏心軸側端部)は、リアベアリング26により回転可能に支持され、駆動軸21における他端部(インバータ側端部)は、支持部12a1内に嵌め込まれるフロントベアリング16によって回転可能に支持され、駆動軸21の両端部がハウジング10内において回動可能に支持される。また、駆動軸21の一端部はスラスト受け部24の凸部24bを介して回転可能に支持されている。つまり、本実施形態では、駆動軸21における一端部である偏心軸21b(換言すると、駆動軸21におけるスラスト受け部24側の端部)は、スラスト受け部24によって回転軸心X周りに回転可能に支持されている。
電動モータ30は、スクロールユニット1の駆動源であり、駆動軸21(詳しくは主軸21a)の回転駆動力を発生させるものである。電動モータ30は、ハウジング10の第1領域V1内において駆動軸21と一体に設けられている。電動モータ30は、ロータ31と、ロータ31の径方向外側に配置されるステータコアユニット32とを含んで構成される。例えば車両のバッテリー(図示省略)からの直流電流が、インバータ40により交流電流に変換され、電動モータ30へ給電される。ロータ31は、その径方向中心に形成された軸孔に嵌合(例えば圧入)される主軸21aを介して、ステータコアユニット32の径方向内側で回転可能に支持される。インバータ40からの給電によりステータコアユニット32に磁界が発生すると、ロータ31に回転動力が作用して主軸21aが回転駆動される。また、駆動軸21のフランジ部21a1は、第1領域V1内における電動モータ30とスラスト受け部24との間に配置されている。
そして、電動モータ30は、ステータコアユニット32の外周面とハウジング10(センターハウジング11)の周壁部11aの内周面との間において、周方向に間隔をあけて設けられる複数の保持部材33によって、ハウジング10に対して保持されている。各保持部材33の間には隙間があけられている。したがって、冷媒は電動モータ30の周囲を流れ得る。
以上のように構成されたスクロール型圧縮機100では、電動モータ30により主軸21aが回転駆動されると、偏心軸21bが旋回軸受22、揺動部材23と伴に固定スクロール2の軸心X’周りに公転し、この公転駆動力は、連結ピン25aを介して可動スクロール3へ伝達される。このとき、可動スクロール3は、連結ピン25aを介して揺動部材23と一体に結合されて、揺動部材23と一体的に公転旋回運動する。スクロール型圧縮機100は、この公転旋回運動により、固定スクロール2と可動スクロール3との間の密閉空間Sに流入する冷媒を圧縮する。
次に、羽根車27とカウンターウェイト28について、図1、図2及び図7から図9を参照して詳述する。図7は羽根車27の正面図、図8は図7に示すB-B矢視の断面図、図9は図7に示すC-C矢視の断面図である。
本実施形態では、羽根車27は、駆動軸21が嵌合するハブ27aと、ハブ27aの外周面から放射状に延びる複数の羽根27bと、複数の羽根27bの先端部間を接続する円環状のリム部27cとを有する。羽根車27は、その回転軸心(つまり主軸21aの回転軸心X)の延伸方向の一端側から流体を吸い込み他端側に向って流体を送り出すいわゆる軸流ファン用の羽根車である。ハブ27aは例えば円筒状に形成されている。各羽根27bは、例えば、その回転方向R(図1及び図7参照)の前端部が吸込み側(図1、図8及び図9では下側)に傾くように傾斜し、正面視(平面視)で概ね扇形のプロペラ状に形成されている。リム部27cは、ハブ27aと同心円状に設けられている。
本実施形態では、羽根車27は駆動軸21における電動モータ30とスラスト受け部24との間の部位に取り付けられている。具体的には、羽根車27は、駆動軸21の偏心軸21bと一体に形成されたフランジ部21a1の外周面に装着されている。つまり、羽根車27のハブ27aの内側にフランジ部21a1が嵌め込まれており、羽根車27は、第1領域V1内における電動モータ30とスラスト受け部24との間の領域に配置されている。そして、本実施形態では、羽根車27と可動スクロール3との間に、少なくとも、スラスト受け部24、旋回軸受22及び揺動部材23が配置されている。また、羽根車27のリム部27cは、フランジ部21a1の厚みと同等の厚みを有し、フランジ部21a1のフランジ面と概ね面一になるように配置されている。
本実施形態では、リム部27cの内側面には、スラスト受け部24側に向かうほどリム部27cの外周側に近づくように傾斜した傾斜面27c1が形成されている。
本実施形態では、羽根車27は、この羽根車27(詳しくはリム部27c)の外周面とハウジング10(詳しくはセンターハウジング11)の内周面との間の隙間が揺動の際の揺動部材23の外周面とハウジング10の内周面との間の最小の隙間よりも小さくなるように形成されている。つまり、羽根車27はハウジング10の内周面との間に、羽根車27が回転可能な隙間を有しており、この隙間は例えば1mm未満、好ましくは0.5mm未満になるように設定されている。本実施形態では、羽根車27は、センターハウジング11の内側に突設される環状の突設部11bの内側に配置されており、この突設部11bの内周面とリム部27cとの間の隙間が、揺動部材23の外周面とハウジング10の内周面との間の最小の隙間よりも小さくなるように形成されている。
本実施形態では、カウンターウェイト28は、羽根車27と一体的に設けられている。具体的には、カウンターウェイト28は、リム部27cにおける回転軸心Xに対する偏心軸21bの偏心方向と反対側の周方向の角度位置において、リム部27cの内側に張り出すように設けられている。また、リム部27cの傾斜面27c1はこのカウンターウェイト28の内側にも形成されており、全体として環状に形成されている。
次に、スクロール型圧縮機100における冷媒の流れを説明する。
駆動軸21が回転すると、可動スクロール3が固定スクロール2の軸心X’周りに公転旋回運動すると共に、羽根車27が回転する。この羽根車27の回転により、第1領域V1内には、スラスト受け部24と反対側の端部領域V11側からスラスト受け部24側に向かう冷媒の流れが発生する。そして、冷媒回路の低圧側からの冷媒は、吸入ポートP1を介して第1領域V1(端部領域V11)に導入され、電動モータ30内及び電動モータ30の周囲(具体的には、モータ巻き線間の隙間やティース部の隙間や各保持部材33間の隙間等)を通過して電動モータ30を冷却し、その後、羽根車27の各羽根27bの間を流れて、スラスト受け部24側に送り出される。したがって、本実施形態では、羽根車27は、電動モータ30を基準とすると冷媒の流れ方向について電動モータ30よりも下流側に設けられている。冷媒は概ね羽根車27の回転軸心の延伸方向に沿ってスラスト受け部24側に向かって送り出されるが、冷媒の一部は遠心力によって各羽根27bに沿って羽根車27の径方向外側に流れてリム部27cの傾斜面27c1に衝突する。この傾斜面27c1に衝突した冷媒は、傾斜面27c1によってスラスト受け部24側に送り出される。羽根車27から送り出された冷媒は、その後、冷媒導入通路としての連通孔24a1や揺動部材23の外縁部の凹みを介してスクロールユニット1の渦巻外端部付近の流体取込領域H1に押し込まれて流体取込領域H1に取り込まれる。そして、流体取込領域H1に取り込まれた冷媒は、第1ラップ2bと第2ラップ3bの渦巻外端部を経由して密閉空間S内で圧縮される。圧縮された冷媒は、吐出孔2a1及び一方弁18を経由して吐出室H2に吐出され、その後、吐出室H2から図示省略した吐出ポートを介して冷媒回路の高圧側に吐出される。つまり、本実施形態では、吸入ポートP1から第1領域V1内に流入した冷媒は、ハウジング10内の電動モータ30を冷却しつつ、羽根車27の送風作用により連通孔24a1を経由して流体取込領域H1に押し込まれて昇圧されている。
本実施形態によるスクロール型圧縮機100では、スラスト受け部24によって、ハウジング10内の空間が第1領域V1と第2領域V2とに区画されると共に、スラスト受け部24における連通孔24a1によって、第1領域V1と流体取込領域H1とが連通されている。そして、第1領域V1内の冷媒は、第1領域V1内の駆動軸21に取り付けられた羽根車27によってスラスト受け部24側に送り出される。したがって、第1領域V1内の冷媒は羽根車27によって連通孔24a1を介して流体取込領域H1に押し込まれて、流体取込領域H1に取り込まれる。つまり、羽根車27と駆動軸21とハウジング10とからなる送風装置がいわば過給機としての機能を有する。そして、流体取込領域H1に取り込まれた冷媒は第1ラップ2b及び第2ラップ3bの渦巻外端部を経由して密閉空間Sで圧縮されて吐出される。したがって、スクロール型圧縮機100では、第1領域V1内の冷媒を流体取込領域H1に押し込んでその圧力を高めることができるため、流体取込領域H1から密閉空間Sに流入させる流体の量(質量流量)を昇圧させずにそのまま流入させた場合よりも多くすることができ、ひいては、吐出する圧縮後の冷媒の量を増加させることができる。したがって、圧縮機に求められる能力(例えば吐出ガス量)が同じ場合には、従来よりも密閉空間Sの容積を小さくすることができるため、従来よりも圧縮機の小型化を図ることができる。また、圧縮機のサイズが従来と同等でよい場合には、圧縮機のサイズを維持しつつ、圧縮機の能力を高めることができる。このようにして、効果的に小型化を図ることができるスクロール型圧縮機100を提供することができる。
ここで、従来のスクロール型圧縮機において、暖房運転における冷媒回路の低圧側からスクロール型圧縮機に吸入される冷媒の圧力(冷媒の吸入圧)は冷房運転の場合の冷媒の吸入圧よりも低くなるという傾向があり、このままでは、十分な暖房能力(例えば吐出ガス量)を得ることが困難な場合がある。この点、本実施形態に係るスクロール型圧縮機100は、暖房運転において、圧力の低い、つまり、密度の低い冷媒を吸入したとしても、吸入した冷媒の圧力を羽根車27により昇圧させることができ、ひいては、吐出する圧縮後の冷媒の量を増加させることができる。つまり、スクロール型圧縮機100は、暖房運転可能な冷媒回路に好適な圧縮機である。
本実施形態では、羽根車27のリム部27cの内側面には、スラスト受け部24側に向かうほどリム部27cの外周側に近づくように傾斜した傾斜面27c1が形成されている。これにより、いわゆる軸流ファン用の羽根車27において、遠心力によって羽根車27の径方向外側に向かう冷媒流れが生じたとしても、傾斜面27c1によってその冷媒流れの向きを変えてスラスト受け部24側(つまり羽根車の回転軸心方向)に流れるように冷媒をガイドすることができる。
本実施形態では、スラスト受け部24の外縁部には、複数の貫通孔24aが形成されており、駆動機構20は、貫通孔24aを貫通すると共に揺動部材23の外縁部と可動スクロール3の第2底板3aの外縁部との間を連結する連結ピン25aを有している。したがって、主軸21aが回転駆動されると、偏心軸21bが旋回軸受22及び揺動部材23と伴に固定スクロール2の軸心X’周りに公転し、この公転駆動力は、連結ピン25aを介して可動スクロール3へ伝達される。このように、可動スクロール3を固定スクロール2の軸心X’周りの公転させる公転駆動力は、連結ピン25aにより安定して伝達されるため、公転駆動力の伝達構造に起因した可動スクロール3の第2底板3aの歪みは抑制又は防止され、ひいては、圧縮機の性能低下の抑制又は防止を図ることができる。
本実施形態では、羽根車27と可動スクロール3との間に、少なくとも、スラスト受け部24、旋回軸受22及び揺動部材23が配置される構造としたため、駆動軸21以外の駆動機構20の構成部材を羽根車27と可動スクロール3との間に集約させることができる。その結果、圧縮機の小型化をより効率的に図ることができる。
本実施形態では、羽根車27は、リム部27cの外周面とハウジング10(センターハウジング11の突設部11b)の内周面との間の隙間が揺動の際の揺動部材23の外周面とハウジング10(突設部11b)の内周面との間の最小の隙間よりも小さくなるように形成されている。これにより、羽根車27からスラスト受け部24側に送り出された冷媒がリム部27cの外周面とハウジング10(センターハウジング11の突設部11b)の内周面との間の隙間を介して第1領域V1に逆流することを防止又は抑制することができる。その結果、冷媒を流体取込領域H1に効果的に押し込むことができる。
本実施形態では、自転阻止機構部25は、貫通孔24aと連結ピン25aとにより構成され、連結ピン25aの中間部が貫通孔24aの孔壁面に摺接することにより、可動スクロール3の自転を阻止する構成であるため、貫通孔24aの孔壁面における孔深さ方向の全体(つまり、本実施形態では、スラスト受け部24の厚み全体)に亘って貫通孔24aの孔壁面を連結ピン25aの摺接用の面として有効に用いることができる。また、駆動機構20の連結ピン25aは、公転駆動力の伝達機能に加えて、可動スクロール3の自転阻止機能も有している。これにより、駆動機構20の構造を簡素化することができる。
本実施形態では、第1領域V1と第2領域V2における流体取込領域H1とを連通する連通孔24a1は、複数の貫通孔24aの少なくとも一部からなる。つまり、貫通孔24aの一部は、自転阻止機構部25としての機能だけでなく、第1領域V1から流体取込領域H1へ冷媒を導入するための冷媒導入通路としての機能も有している。したがって、冷媒導入通路をハウジング10等に別に形成する必要がなく、スクロール型圧縮機100の生産性等を向上させることができる。また、揺動部材23の外縁部の前記凹みについても冷媒導入通路としての機能を有し、貫通孔24aと同様の効果を奏する。
本実施形態では、電動モータ30が第1領域V1において駆動軸21(主軸21a)と一体に設けられ、吸入ポートP1における第1領域V1側の開口端P11は第1領域V1におけるスラスト受け部24と反対側の端部領域V11に開口されている。これにより、第1領域V1内に設けられた羽根車27を回転させると、第1領域V1内に、スラスト受け部24と反対側の端部領域V11側からスラスト受け部24側に向かう冷媒の流れを発生させることができる。したがって、ハウジング10内に電動モータ30内及びその周囲を通過する冷媒の流れを形成することができ、冷媒によって、電動モータ30を効率的に冷却することができる。また、本実施形態では、羽根車27は駆動軸21における電動モータ30とスラスト受け部24との間の部位に取り付けられている。これにより、冷媒の流れ方向について電動モータ30よりも下流側に、羽根車27が配置される構造を構築することができる。
本実施形態では、カウンターウェイト28が羽根車27と一体に形成されている。これにより、カウンターウェイト28の製造コストを低減することができる。カウンターウェイト28が羽根車27の最外径部位であるリム部27cに形成されている。したがって、リム部27cの外径を可能な範囲で大きくするだけで、カウンターウェイト28の重心位置を主軸21aの回転軸心Xから遠ざけることができる。その結果、カウンターウェイト28を効果的に軽量化することができる。
なお、本実施形態では、背圧室H3は、第2底板3aの背面とスラスト受け部24の可動スクロール側端面と一つの環状のシール部材19とにより、一つの空間として区画されるものとしたが、これに限定されるものではない。背圧室H3は、スクロール型圧縮機100の変形例を説明するための概略断面図である図10に示すように、複数の領域に区画されてもよい。この場合、背圧室H3は、第2底板3aの背面と、スラスト受け部24の可動スクロール側端面と、第2底板3aの背面とスラスト受け部24の可動スクロール側端面との間において多重の環状に配置される複数(図10では二つ)のシール部材19、19により複数(図10では二つ)の領域に区画される。そして、可動スクロール3の第2底板3aを貫通して、密閉空間Sと背圧室H3とを連通する連通路3dは、背圧室H3の複数の領域のそれぞれの領域に対応して開口される。この背圧室H3の複数の領域のそれぞれの領域は、当該領域に対応する連通路3dを介して、複数の密閉空間Sのうちこの連通路3dが開口する密閉空間Sに連通している。これにより、第2底板3aの背面に作用する背圧全体の圧力分布を、第2底板3aの密閉空間S側の端面に作用する複数の密閉空間Sの全体の圧力分布に概ね合わせることができる。また、連通路3dは単に第2底板3aを板厚方向に貫通しているだけであるため、その流路長が短いと共に流路経路が簡素である。したがって、連通路3dを介した冷媒の流通過程における圧力損失が低く抑えられる。これらにより、図10に示すスクロール型圧縮機100では、可動スクロール3に作用するスラスト方向の荷重と背圧荷重との荷重アンバランスを効果的に低減することができる。
また、本実施形態では、羽根車27は、複数の羽根27bの先端部間を接続する円環状のリム部27cを有するものとしたが、リム部27cを有さなくてもよい。また、羽根27bは概ね扇形のプロペラ状に形成されるものとしたが、羽根27bの形状はこれに限らない。また、リム部27cの内側面に傾斜面27c1が形成され、この傾斜面27c1により冷媒の流れをガイドする構成としたが、これに限らず、冷媒の流れをガイドする部材を羽根車27と別に設けてもよい。また、旋回軸受22及びリアベアリング26はすべり軸受からなるものとしたが、これに限らず、転がり軸受であってもよい。また、偏心軸21bは一部品により構成されているが、これに限らず、偏心ブッシュとカラーの二部品により構成されていてもよい。カウンターウェイト28は羽根車27に一体に形成されるものとしたが、これに限らず、駆動軸21と一体に形成されてもよいし、羽根車27や駆動軸21と別部品で羽根車27や駆動軸21に取り付けられていてもよい。自転阻止機構部25は、貫通孔24aと連結ピン25aとにより構成されるものとしたが、これに限らない。例えば、自転阻止機構部25として、オルダムカップリング方式を採用してもよいし、可動スクロール3の第2底板3aの背面とスラスト受け部24との間にボールカップリングを設けたボールカップリング方式を採用してもよい。
図11はスクロール型圧縮機100の別の変形例を説明するための概略断面図であり、図12は図11に示す変形例における羽根車27の正面図である。本実施形態では、羽根車27は、駆動軸21における電動モータ30とスラスト受け部24との間の部位に取り付けられているが、これに限定されるものではなく、図11に示すように、駆動軸21におけるスラスト受け部24と反対側の端部211と電動モータ30との間の部位に取り付けられてもよい。この場合、羽根車27は、電動モータ30を基準とすると冷媒の流れ方向について電動モータ30よりも上流側に設けられている。
具体的には、図11に示すように、羽根車27は、電動モータ30におけるスラスト受け部24と反対側の端面と、フロントハウジング12の箱底部12aにおけるインバータ40と反対側の面(第1領域V1側の面)との間に位置している。換言すると、羽根車27は、冷媒の流れ方向について電動モータ30よりも上流側であり、且つ、第1領域V1におけるインバータ40側の端部領域V11に配置されている。
また、羽根車27は軸流ファン用のものに限定されるものではない。例えば、図11及び図12に示すように、羽根車27は遠心ファン用のものでもよい。具体的には、遠心ファン用の羽根車27は、駆動軸21に取り付けられる円盤状のベース271と、ベース271における電動モータ30とは反対側の端面に形成される複数の遠心翼272とを有する。ベース271の径方向の中央部には、円筒状のボス部273が設けられる。このボス部273に、駆動軸21が嵌め込まれる。そして、羽根車27は、ベース271における遠心翼272側の端面が箱底部12aに対向するように、駆動軸21に取り付けられている。
また、図11に示すように、吸入ポートP1は、例えば、羽根車27のベース271に対向するフロントハウジング12の箱底部12aに形成されてもよい。この場合においても、吸入ポートP1における第1領域V1側の開口端P11は、第1領域V1におけるスラスト受け部24と反対側の端部領域V11に開口されている。具体的には、吸入ポートP1における第1領域V1側の開口端P11は、羽根車27のベース271における遠心翼272側の端面に対向している。そして、吸入ポートP1における第1領域V1側の開口端P11は、羽根車27の外周面よりも径方向について内側に位置しているとよい。詳しくは、吸入ポートP1は、箱底部12aの外周面から中心側(支持部12a1側)に向かって伸びる径方向流路部と、支持部12a1内を駆動軸21の回転軸心Xと平行に伸びる軸心方向流路部を有している。本実施形態では、吸入ポートP1における第1領域V1側の開口端P11は、径方向について駆動軸21の近傍に開口している。これにより、吸入ポートP1からの冷媒が効率的に羽根車27に取り込まれる。
また、図11に示すように、羽根車27が冷媒の流れ方向について電動モータ30よりも上流側に配置される場合には、スクロール型圧縮機100は、電動モータ30の外周面とハウジング10の内周面(センターハウジング11の周壁部11aの内周面)との間の隙間を密封するシール部材34を更に含むとよい。このシール部材34は、電動モータ30の外周面と周壁部11aの内周面との間の隙間を埋めるように形成されており、例えば、筒状に形成され、電動モータ30の外周面と周壁部11aの内周面との間において周方向の全周に亘って存在している。
次に、図11に示す変形例における冷媒の流れ(図11に白抜き矢印で示す)を説明する。羽根車27が回転すると、冷媒回路の低圧側からの冷媒は、吸入ポートP1を介して第1領域V1におけるスラスト受け部24と反対側の端部領域V11に導かれる。吸入ポートP1における第1領域V1側の開口端P11から端部領域V11内に導かれた冷媒は、羽根車27の回転により生じる遠心力によって、ベース271における径方向中心側から径方向外側に向かって流れる。この時、吸入ポートP1内を流れる冷媒及び端部領域V11内を流れる冷媒によって、箱底部12aが冷却され、その結果、インバータ40が冷却される。具体的には、第1領域V1の端部領域V11内においては、箱底部12aに沿い、且つ、径方向中心側から径方向外側に向かう冷媒の流れが発生している。つまり、羽根車27が回転すると、第1領域V1の端部領域V11内に箱底部12aに沿う冷媒(流体)の流れが生じるように構成されている。この冷媒の流れによって、インバータ40がより効果的に冷却されている。ここで、羽根車27が回転すると、冷媒に速度エネルギーが付与される。そして、隣り合う遠心翼272、272によって構成される冷媒の流路の幅は径方向外側に向かうほど広くなっている。したがって、冷媒は上記流路において径方向外側に向かうほど減速すると共に上記速度エネルギーが圧力エネルギーに変換され、その結果、端部領域V11内に導かれた冷媒の圧力が羽根車27により昇圧される。そして、図11に示す変形例では、羽根車27が冷媒の流れ方向について電動モータ30よりも上流側に配置されているため、羽根車27によって圧縮された冷媒は、羽根車27と周壁部11aとの間の隙間を通じて、積極的に電動モータ30側に送り出される。その結果、電動モータ30側に積極的に送り出された冷媒は、電動モータ30内を通過して電動モータ30(詳しくは、モータ巻き線等)を効果的に冷却する。そして、冷媒は、電動モータ30におけるスラスト受け部24側の端面から流出して、スラスト受け部24側に流れる。スラスト受け部24側に流れた冷媒は、その後、冷媒導入通路としての連通孔24a1や揺動部材23の外縁部の凹みを介してスクロールユニット1の渦巻外端部付近の流体取込領域H1に押し込まれて流体取込領域H1に取り込まれる。つまり、図11に示す変形例においても、吸入ポートP1から第1領域V1内に流入した冷媒は、羽根車27の送風作用により連通孔24a1を経由して流体取込領域H1に押し込まれて昇圧されている。したがって、図11に示す変形例においても、羽根車27と駆動軸21とハウジング10とからなる送風装置がいわば過給機としての機能を有している。
ここで、図11に示す変形例では、電動モータ30の外周面とセンターハウジング11の周壁部11aの内周面との間にはシール部材34が設けられているため、電動モータ30におけるスラスト受け部24側の端面から流出した冷媒が電動モータ30と周壁部11aとの間の隙間を介して端部領域V11に逆流することを防止又は抑制することができる。その結果、冷媒を流体取込領域H1に効果的に押し込むことができる。また、シール部材34が設けられることによって、冷媒が電動モータ30内をより効果的に流れるようになるため、電動モータ30をより効果的に冷却することができる。また、図11に示す変形例では、羽根車27は冷媒の流れ方向について電動モータ30よりも流れ方向で上流側に設けられているため、電動モータ30によって加熱される前の冷媒が羽根車27に取り込まれる。したがって、羽根車27は、加熱により比容積が大きくなる(密度が低くなる)前の冷媒を取り込んで圧縮している。その結果、図11に示すスクロール型圧縮機100は、羽根車27が電動モータ30よりも流れ方向で下流側に設けられた図1に示すスクロール型圧縮機100よりも、流体取込領域H1から密閉空間Sに流入させる流体の量(質量流量)を多くすることができ、ひいては、吐出する圧縮後の冷媒の量をより効果的に増加させることができる。なお、図11に示す変形例では、シール部材34が電動モータ30の外周面とセンターハウジング11の周壁部11aの内周面との間に設けられているが、シール部材34は設けられなくてもよい。
上記の説明では、スクロール型圧縮機100は一つの羽根車27を有するものとしたが、これに限定されるものでなく、複数の羽根車27を有してもよい。つまり、羽根車27は多段に設けられてもよい。具体的には、羽根車27は、電動モータ30よりも流れ方向で上流側と下流側とのいずれか一方に限らず、電動モータ30の流れ方向で上流側と下流側との両方に設けられてもよい。
また、スクロール型圧縮機100は、いわゆるインバータ一体型の場合を一例に挙げて説明したが、これに限らず、インバータ40と別体であってもよい。また、電動モータ30を内蔵するものとしたが、電動モータ30をハウジング10外に設けてもよい。そして、駆動源として電動モータ30を用いたが、これに限らず、車両のエンジンから主軸21aに回転動力を伝達するように構成してもよい。また、流体は冷媒であるものとしたが、これに限らず、適宜の流体を適用することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態及び上記変形例に制限されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形及び変更が可能である。
2…固定スクロール、2b…第1ラップ(ラップ)、3…可動スクロール、3b…第2ラップ(ラップ)、10…ハウジング、11a…周壁部、12a…箱底部(底壁部)、20…駆動機構、21…駆動軸、21a…主軸、21b…偏心軸、22…旋回軸受、23…揺動部材、24…スラスト受け部、24a…貫通孔、24a1…連通孔、25…自転阻止機構部、25a…連結ピン、27…羽根車、27a…ハブ、27b…羽根、27c…リム部、27c1…傾斜面、271…ベース、272…遠心翼、28…カウンターウェイト、30…電動モータ、34…シール部材、40…インバータ、100…スクロール型圧縮機、H1…流体取込領域、P1…吸入ポート、P11…開口端、S…密閉空間、V1…第1領域、V11…端部領域、V2…第2領域、X…回転軸心、X’…固定スクロールの軸心

Claims (11)

  1. 渦巻状のラップをそれぞれ有し互いに噛み合わされる固定スクロール及び可動スクロールと、前記可動スクロールの背面側に設けられ前記可動スクロールのスラスト力を受けるスラスト受け部と、前記可動スクロールに公転駆動力を伝達するための駆動機構の一部を構成する駆動軸とを、ハウジング内に備え、前記可動スクロールが公転して前記固定スクロールとの間に前記公転に伴って容積変化する密閉空間を形成し、該密閉空間により圧縮性の流体を圧縮して吐出するスクロール型圧縮機であって、
    前記スラスト受け部は、前記ハウジング内を前記駆動軸が延在すると共に外部から前記流体が導かれる第1領域と前記固定スクロール及び前記可動スクロールが配置される第2領域とに区画すると共に、前記第1領域と前記第2領域における前記ラップの渦巻外端部付近の流体取込領域とを連通する連通孔を有しており、
    前記駆動軸には、該駆動軸と一体に回転して前記第1領域内の前記流体を前記スラスト受け部側に送り出す羽根車が取り付けられており、
    前記駆動軸は、前記固定スクロールの軸心に合わせた回転軸心周りに回転駆動される主軸、及び、前記主軸の軸方向の一端部に前記回転軸心に対して偏心して設けられる偏心軸を有し、
    前記駆動機構は、
    前記駆動軸と、
    前記偏心軸の外周面に装着される旋回軸受と、
    前記旋回軸受の外周面に装着される環状の揺動部材であって、前記可動スクロールとの間に前記スラスト受け部を挟むように配置される揺動部材と、
    前記スラスト受け部と、
    前記可動スクロールの自転を阻止する自転阻止機構部と、
    を含み、
    前記スラスト受け部の外縁部には、複数の貫通孔が形成されており、
    前記駆動機構は、前記貫通孔を貫通すると共に前記揺動部材の外縁部と前記可動スクロールの外縁部との間を連結する連結ピンを有し、当該連結ピンを介して前記公転駆動力を前記可動スクロールに伝達し、
    前記羽根車と前記可動スクロールとの間に、少なくとも、前記スラスト受け部、前記旋回軸受及び前記揺動部材が配置されている、スクロール型圧縮機。
  2. 前記羽根車は、該羽根車の外周面と前記ハウジングの内周面との間の隙間が揺動の際の前記揺動部材の外周面と前記ハウジングの内周面との間の最小の隙間よりも小さくなるように形成されている、請求項に記載のスクロール型圧縮機。
  3. 前記複数の貫通孔はそれぞれ円形に開口され、
    前記連結ピンは前記貫通孔より小径に形成され、
    前記自転阻止機構部は、前記貫通孔と前記連結ピンとにより構成され、前記連結ピンの中間部が前記貫通孔の孔壁面に摺接することにより前記可動スクロールの自転を阻止し、
    前記連通孔は、前記複数の貫通孔の少なくとも一部からなる、請求項1又は2に記載のスクロール型圧縮機。
  4. 前記可動スクロールに対する重量バランスを確保するためのカウンターウェイトが、前記羽根車と一体的に設けられている、請求項1~のいずれか一つに記載のスクロール型圧縮機。
  5. 前記駆動軸の回転駆動力を発生させる電動モータが前記第1領域内において前記駆動軸と一体に設けられ、
    前記ハウジングには、外部から当該ハウジング内に前記流体を導くための吸入ポートが形成され、
    前記吸入ポートにおける前記第1領域側の開口端は前記第1領域における前記スラスト受け部と反対側の端部領域に開口されている、請求項1~のいずれか一つに記載のスクロール型圧縮機。
  6. 前記羽根車は前記駆動軸における前記電動モータと前記スラスト受け部との間の部位に取り付けられている、請求項に記載のスクロール型圧縮機。
  7. 前記羽根車は前記駆動軸における前記スラスト受け部と反対側の端部と前記電動モータとの間の部位に取り付けられている、請求項に記載のスクロール型圧縮機。
  8. 前記電動モータの外周面と前記ハウジングの内周面との間の隙間を密封するシール部材を更に含む、請求項に記載のスクロール型圧縮機。
  9. 前記羽根車は、前記駆動軸が嵌合するハブと、前記ハブの外周面から放射状に延びる複数の羽根と、前記複数の羽根の先端部間を接続する円環状のリム部とを有し、
    前記リム部の内側面には、前記スラスト受け部側に向うほど前記リム部の外周側に近づくように傾斜した傾斜面が形成されている、請求項1~のいずれか一つに記載のスクロール型圧縮機。
  10. 前記羽根車は、前記駆動軸に取り付けられる円盤状のベースと、前記ベースにおける前記電動モータとは反対側の端面に形成される複数の遠心翼とを有する、請求項7又は8に記載のスクロール型圧縮機。
  11. 前記電動モータの駆動を制御するインバータを、
    更に含み、
    前記ハウジングは、前記第1領域及び前記第2領域を内部に有する筒状の周壁部と、前記周壁部における前記第1領域側の開口を塞ぐ底壁部と、を有し、
    前記インバータは、前記底壁部における前記第1領域と反対側の面に固定され、
    前記羽根車が回転すると、前記第1領域の前記端部領域内に前記底壁部に沿う前記流体の流れが生じるように構成されている、請求項10に記載のスクロール型圧縮機。
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