JP7456639B2 - 分光器 - Google Patents

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Description

本発明は、分光器に関する。
分子の構造や状態を測定するために、赤外分光法とラマン分光法などの振動分光法が利用される。赤外分光法は、赤外線を物質に照射し、赤外線吸収あるいは発光のスペクトルを測定するものであり、双極子モーメントの変化をともなう分子振動を測定することができる。ラマン分光法は、物質に強い光を照射し、ラマン効果によって得られるラマン線(ストークス線や反ストークス線)の波長や強度を測定するものであり、分極率の変化をともなう分子振動を測定することができる。中心対称性を有する分子において、基準振動に関しては、赤外とラマンの振動モードは共有できず、したがって赤外吸収とラマン散乱は相補的な関係にあり、これは交互禁制律と称される。
赤外活性の振動とラマン活性の振動を広帯域かつ同時に測定することができれば、双方の分子振動をすべてカバーするスペクトルを得ることができ、基準振動の完全な集合を得ることができる。
非特許文献1には、近赤外の10fs(フェムト秒)のレーザを用いて、4fパルスシェーパと差周波発生により、赤外線吸収とラマン散乱を同じ測定系で検出したことが報告される。
国際公開WO2017/119389A1号
Muller, N et al, Invited Article "Coherent Raman and mid-IR microscopy using shaped pulses in a single-beam setup", APL Photonics 3, 092406 (2018)
しかしながら非特許文献1の技術では、赤外線吸収とラマン散乱の測定は、切り替えて行う必要があるため、同時に検出することができない。つまり、分子の構造、化学的状態が時間的に変化する場合には、赤外線吸収とラマン散乱が、異なる状態あるいは異なる構造の分子について測定されることとなってしまう。
また非特許文献1の技術は、波数(周波数)分解能が低い。また、指紋領域(800~1800cm-1)とC-H振動領域(2800~3300cm-1)をカバーできるような広帯域な赤外線スペクトルの取得が難しく、適用できる分子が制限される。
本発明は係る状況においてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、赤外活性の振動とラマン活性の振動を同時に測定可能な分光器の提供にある。
本発明のある態様は、分光器に関する。分光器は、遅延量が可変な第1ダブルパルスを生成するダブルパルス発生器と、ダブルパルス発生器の内部あるいは後段に設けられる非線形光学結晶と、第1ダブルパルスをサンプルに照射して得られるラマン散乱光と、非線形光学結晶により生成される赤外の第2ダブルパルスをサンプルに照射して得られる赤外線と、を測定可能な検出系と、を備える。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を装置、方法、システムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、赤外活性の振動とラマン活性の振動を同時に測定できる。
実施の形態に係る分光器の基本構成を示す図である。 分光器におけるフーリエ変換コヒーレント反ストークスラマン分光を説明する図である。 分光器におけるフーリエ変換赤外分光を説明する図である。 実施例1に係る分光器を示す図である。 実施例2に係る分光器を示す図である。 図5の分光器の具体的な構成例を示す図である。 近赤外ダブルパルスおよび赤外ダブルパルスのスペクトルを示す図である。 近赤外パルスのフリンジ分解自己相関(Fringe-resolved Autocorrelation)の測定結果を示す図である。 図9(a)~(c)は、スペクトルの歪みの補償を説明する図である。 図10(a)、(b)は、測定結果を示す図である。 図11(a)、(b)は、図10(b)のインターフェログラムをフーリエ変換して得られる相補スペクトルを示す図である。 図12(a)~(c)は、ベンゼン、クロロホルム、ベンゼンとDMSOの混合液(混合比4:1)について測定したスペクトルを示す図である。 変形例1に係る分光器を示す図である。 変形例2に係る分光器を示す図である。 変形例9に係る分光器を示す図である。 図16(a)は、1個の非線形光学結晶によるパルス内差周波発生を説明する図であり、図16(b)は、2個の非線形光学結晶によるカスケード式パルス内差周波発生を説明する図である。 図15の分光器の具体的な構成例を示す図である。 図17の分光器の具体的な実装を示す図である。 図19(a)~(c)は、図18の分光器により得られたスペクトルを示す図である。
(実施の形態の概要)
本明細書に開示されるある実施の形態は、分光器に関する。分光器は、遅延量が可変な第1ダブルパルスを生成するダブルパルス発生器と、ダブルパルス発生器の内部あるいはダブルパルス発生器の後段に設けられる非線形光学結晶と、第1ダブルパルスをサンプルに照射して得られるラマン散乱光と、非線形光学結晶により生成される赤外の第2ダブルパルスをサンプルに照射して得られる赤外線と、を測定可能な検出系と、を備える。
非線形光学結晶において、第1ダブルパルスに含まれる異なるスペクトル成分同士の差周波(パルス内差周波:IDFG:Intra-pulse Differential Frequency Generation)が発生し、これにより、広帯域なスペクトルを有する赤外線の第2ダブルパルスが生成される。第1ダブルパルスと、第2ダブルパルスを同時にサンプルに照射し、各ダブルパルスに含まれる2個のパルスの遅延量を変化させながら、赤外域と、近赤外域(あるいは可視、あるいは紫外)それぞれの光強度を測定することで、赤外域のインターフェログラムと、ラマン散乱のインターフェログラムとを同時に生成することができる。これにより、赤外活性の振動とラマン活性の振動を同時に測定できる。このことから、実施の形態に係る分光を、CVS(Complementary Vibrational Spectroscopy)と称する。
ダブルパルス発生器は、パルス光を生成するパルスレーザ光源と、パルス光を受け、第1ダブルパルスを生成する干渉計と、を含んでもよい。
非線形光学結晶は、干渉計の後段に配置されてもよい。第1ダブルパルスに含まれる2個のパルスそれぞれが、非線形光学結晶におけるパルス内差周波発生により、赤外のダブルパルスに変換される。この場合において、干渉計は、第1ダブルパルスの波長帯域のみをカバーすればよいため、安価かつ高効率に構成することができる。
分光器は、非線形光学結晶の後段に設けられ、第1ダブルパルスのパルス幅を圧縮する第1分散補償器をさらに備えてもよい。第1ダブルパルスを構成するパルス光が非線形光学結晶内を伝搬することにより、2次あるいはそれより高次の分散が導入され、位相特性が乱れてパルス幅が広がり、光強度が低下する。一方、コヒーレント反ストークスラマン散乱(CARS:Coherent Anti-Stokes Raman Scattering)は3次の非線形光学現象であるため、サンプルに照射する第1ダブルパルスの光強度は高いことが望ましい。そこで第1分散補償器によってサンプルへの照射前に分散補償を行うことにより、第1ダブルパルスのパルス幅をフーリエ限界パルス幅に近づけて光強度を高めることができ、ラマン散乱光の強度を高めることができる。これによりS/N比が高い測定が可能となる。
分光器は、検出系の出力を処理する信号処理部をさらに備えてもよい。信号処理部は、赤外透過光のインターフェログラムを補正してもよい。
検出系は、サンプルの透過光を、第1ダブルパルスの波長域と赤外域に分離するダイクロイックミラーと、第1ダブルパルスの波長域に感度を有する第1検出器と、赤外域に感度を有する第2検出器と、を含んでもよい。
検出系は、第2検出器の前に挿入された偏光子を含んでもよい。
ダブルパルス発生器は、非線形光学結晶に入射する第1ダブルパルスに含まれるパルスのパルス幅を圧縮する第2分散補償器をさらに含んでもよい。非線形光学結晶における差周波発生は2次の非線形光学現象であるため、非線形光学結晶に入射する第1ダブルパルスの光強度は高いことが望ましい。そこで第2分散補償器によって非線形光学結晶への照射前に分散補償を行うことにより、第1ダブルパルスに含まれる2個のパルスのパルス幅をフーリエ限界パルス幅に近づけて光強度を高めることができ、差周波発生の効率を改善することができる。
第1分散補償器や第2分散補償器は、チャープドミラーペアを含んでもよい。あるいはプリズムペアやグレーティングペアを用いてもよい。
分光器は、非線形光学結晶を通過した第1ダブルパルスをサンプルに照射する集光光学系をさらに備えてもよい。集光光学系は、第1ダブルパルスと第2ダブルパルスとを同軸でサンプルに集光してもよい。集光光学系は、軸外放物面ミラー(OAPM:Off-Axis Parabolic Mirror)を含んでもよい。これにより、近赤外のダブルパルスと赤外のダブルパルスを、面内方向と深さ方向について、同じ位置に集光することができる。あるいは意図的に、サンプル内における第1ダブルパルスの焦点位置と、サンプル内における第2ダブルパルスの焦点位置と、をずらしてもよい。これにより、赤外活性の振動とラマン活性の振動を独立した現象として測定できる。
第1ダブルパルスがサンプルに至る光路長と、第2ダブルパルスがサンプルに至る光路長は異なってもよい。これにより、第1ダブルパルスと第2ダブルパルスの相互作用を抑制し、ラマン散乱と赤外吸収を別々の現象として切り分けて測定できる。
第1ダブルパルスがサンプルに至る光路長と、第2ダブルパルスがサンプルに至る光路長は等しくてもよい。これにより、第1ダブルパルスと第2ダブルパルスの相互作用による未知の分子の振る舞いを測定できる可能性がある。
検出系は、非線形光学結晶において生成される2次高調波や3次高調波のダブルパルスをサンプルに照射して得られる光を検出可能に構成されてもよい。
上述の非線形光学結晶を第1非線形光学結晶とするとき、分光器は、第2非線形光学結晶をさらに備えてもよい。複数の非線形光学結晶を用いることにより、さらに中赤外スペクトルを広帯域化することができる。
第1非線形光学結晶はLiIOであり、第2非線形光学結晶は、GaSeであってもよい。この場合、HO吸収領域およびCO吸収領域をカバーする広帯域なスペクトルを得ることができる。
(実施の形態)
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
図1は、実施の形態に係る分光器100の基本構成を示す図である。分光器100は、フーリエ変換法によって、サンプルSMPの赤外吸収(あるいは反射)とラマン散乱を同時に分光する。
分光器100は、主として、ダブルパルス発生器110、非線形光学結晶120、検出系130を備える。
ダブルパルス発生器110は、遅延差τが可変な近赤外のダブルパルス(近赤外ダブルパルスと称する)2を繰り返し生成する。近赤外ダブルパルス2は、基準となる第1パルス2Aと、それに対して後続(あるいは先行する)第2パルス2Bを含む。CARSの測定に関して、第1パルス2Aと第2パルス2Bのうち、先行する一方がポンプ光となり、後続する他方がプローブ光となる。遅延差τは、繰り返し毎に変化する。ダブルパルス発生器110が生成する近赤外ダブルパルス2のパルス幅はフェムト秒のオーダー(たとえば10fs)であり、非常に広帯域なスペクトル成分を含む。
非線形光学結晶120は、ダブルパルス発生器110の内部あるいは後段に設けられる。図1において非線形光学結晶120はダブルパルス発生器110の後段に設けられ、近赤外ダブルパルス2が照射される。非線形光学結晶120において、近赤外のパルス2A(2B)に含まれる異なるスペクトル成分同士の差周波が発生し、これにより、広帯域なスペクトルを有する赤外線のダブルパルス4が生成される。近赤外ダブルパルス2の一部分が非線形光学結晶120において赤外ダブルパルス4に変換され、残り2’は変換されずに非線形光学結晶120を透過する。非線形光学結晶120の材質は特に限定されず、近赤外ダブルパルス2の波長と、生成したい赤外ダブルパルス4の波長とを考慮して選択すればよい。たとえば非線形光学結晶120としては、GaSe(セレン化ガリウム)を用いてもよい。
近赤外ダブルパルス2’および赤外ダブルパルス4は、サンプルSMPに照射される。検出系130は、近赤外ダブルパルス2をサンプルSMPに照射して得られるラマン散乱光6と、非線形光学結晶120により生成される赤外ダブルパルス4をサンプルSMPに照射して得られる赤外透過光8と、を測定可能に構成される。たとえば検出系130は、第1検出器132と第2検出器134、を含む。第1検出器132は、ラマン散乱光6の波長に感度を有し、受光した光量に応じた検出信号S1を生成する。同様に第2検出器134は赤外透過光8の波長に感度を有し、受光した光量に応じた検出信号S2を生成する。デジタイザ136は、検出信号S1、S2をデジタルのサンプリング値D1,D2に変換する。デジタイザ136の出力D1,D2は、後段の信号処理部140に供給される。
信号処理部140は、サンプリング値D1のデータ列である波形DW1と、サンプリング値D2のデータ列である波形DW2を取得する。信号処理部140は、波形DW1にもとづいてラマン散乱光6のインターフェログラムIF_CARSを生成し、それをフーリエ変換することにより、ラマンスペクトルを生成する。また信号処理部140は、波形DW2にもとづいて赤外透過光8のインターフェログラムIF_IRを取得し、それをフーリエ変換することにより、赤外線吸収スペクトルを生成する。
信号処理部140は、コンピュータ、ワークステーションあるいはタブレット端末であってもよい。あるいは信号処理部140をマイコンやFPGA(Field Programmable Gate Array)、IC(Integrated Circuit)で実装して、検出系130に組み込んでもよい。
以上が分光器100の構成である。続いてその動作を説明する。
図2は、分光器100におけるフーリエ変換コヒーレント反ストークスラマン分光(FT-CARS)を説明する図である。ダブルパルス発生器110によって、遅延量(時間差)τが異なる近赤外ダブルパルス2が繰り返し生成される。i番目の近赤外ダブルパルス2を2_iと表記し、近赤外ダブルパルス2_iにおける第1パルス2Aと第2パルス2Bの時間差をτと表記する。
先行する近赤外の第1パルス2Aが、サンプルSMPに照射されると、第1パルス2Aに含まれるとある周波数の光が励起光となり、別の周波数がストークス光となって、サンプルSMPにおいて、それらの周波数差と同じ振動周波数を有する分子振動が誘起される。その後、分子振動が誘起されているサンプルSMPに、第2パルス2Bが照射されると、第2パルス2Bと分子振動とが作用し、第2パルス2Bに含まれる周波数がシフトして、ラマン散乱光6が放出される。
遅延量τを変化させながら、ラマン散乱光6の測定を繰り返すことにより、ラマン散乱光6のインターフェログラムIF_CARSが生成される。このインターフェログラムIF_CARSを高速フーリエ変換することにより、ラマンスペクトルが生成される。
図3は、分光器100におけるフーリエ変換赤外分光(FT-IR)を説明する図である。ダブルパルス発生器110によって、遅延量(時間差)τが異なる近赤外ダブルパルス2が繰り返し生成され、非線形光学結晶120によって、赤外ダブルパルス4に変換される。赤外ダブルパルス4の第1パルス4Aと第2パルス4Bの時間差τは、変換前の近赤外ダブルパルス2の時間差τと等しい。
先行する赤外の第1パルス4Aが、サンプルSMPに照射され、所定のスペクトル成分が吸収される。続いて第2パルス4BがサンプルSMPに照射され、所定のスペクトル成分が吸収される。図3には、第1パルス4A、第2パルス4BそれぞれのサンプルSMPの透過光8A,8Bが示される。赤外透過光8は、透過光8Aと8Bの干渉光である。赤外透過光のインターフェログラムIF_IRは、遅延量τと赤外透過光8のパルスごとのエネルギーの関係を示す。このインターフェログラムIF_IRを高速フーリエ変換することにより、赤外吸収スペクトルが生成される。
以上が分光器100の動作である。この分光器100によれば、非線形光学結晶において、広帯域なスペクトルを有する赤外線のダブルパルスを生成することができる。そして赤外線のダブルパルスと、近赤外のダブルパルスをサンプルに照射し、ダブルパルスの時間差を変化させながら、赤外域と近赤外域それぞれの光強度を測定することで、赤外域のインターフェログラムIF_IRと、近赤外のCARSインターフェログラムIF_CARSとを同時に生成することができる。これにより、赤外活性の振動とラマン活性の振動を同時に測定できる。
本発明は、上述の説明から導かれるさまざまな装置、方法に及ぶものであり、特定の構成に限定されるものではない。以下、本発明の範囲を狭めるためではなく、発明の本質や動作の理解を助け、またそれらを明確化するために、より具体的な構成例や実施例を説明する。
(実施例1)
図4は、実施例1に係る分光器100Aを示す図である。分光器100Aにおいて、ダブルパルス発生器110Aは、パルスレーザ光源112、マイケルソン干渉計114、ロングパスフィルタ116を含む。パルスレーザ光源112は、フェムト秒-チタンサファイアレーザであり、波長690~920nmの広帯域スペクトルを有する近赤外の超短パルス10を生成する。マイケルソン干渉計114は、ビームスプリッタBS、固定ミラーM1および可動ミラーM2を有する。干渉計114は、近赤外の超短パルス10を2つのアームに分岐する。マイケルソン干渉計114は、2個のアームの光路長差Lが可変に構成されており、光路長差Lが、近赤外ダブルパルス2に含まれる2個のパルス2A,2Bの遅延時間τを与える。基準アームを伝搬するパルス2Aと、スキャンアームを伝搬するパルス2Bは、ビームスプリッタBSによって再結合され、ロングパスフィルタ116を透過し、近赤外ダブルパルス2が生成される。
検出系130Aは、ダイクロイックミラーDM1、第1検出器132、第2検出器134、デジタイザ136、ショートパスフィルタSPFを含む。ダイクロイックミラーDM1は、近赤外の反射率が高く、赤外域の透過率が高い。
ダイクロイックミラーDM1の反射光には、近赤外の元のダブルパルスのスペクトル成分と、近赤外のラマンスペクトル成分が含まれる。ショートパスフィルタSPFは、ダブルパルスのスペクトル成分を除去し、ラマンスペクトル成分のみを透過する。第1検出器132は、ラマン散乱光6の強度を測定する。
赤外透過光8は、ダイクロイックミラーDM1を透過する。第2検出器134はたとえばMCT(HgCdTe:Mercury Cadmium Telluride)赤外光検出器であり、ダイクロイックミラーDM1を透過した赤外透過光8の強度を検出する。デジタイザ136は、第1検出器132、第2検出器134それぞれの出力をデジタル信号に変換する。
(実施例2)
図5は、実施例2に係る分光器100Bを示す図である。分光器100Bは、図1のダブルパルス発生器110、非線形光学結晶120、検出系130に加えて、第1分散補償器150および集光光学系160を備える。
第1分散補償器150は、非線形光学結晶120の後段に設けられ、非線形光学結晶120を透過した近赤外のダブルパルス2’に含まれるパルスのパルス幅を圧縮する。近赤外ダブルパルス2が非線形光学結晶120内を伝搬することにより、2次およびそれより高次の分散が導入され、近赤外ダブルパルス2’の2個のパルスのパルス幅が伸び、光強度が低下する。一方、コヒーレント反ストークスラマン散乱は3次の非線形光学現象であるため、サンプルSMPに照射する近赤外のダブルパルスの光強度は高いことが望ましい。そこで第1分散補償器150によってサンプルSMPへの照射前に分散補償を行うことにより、近赤外のダブルパルス2”のパルス幅をフーリエ限界パルス幅に近づけて光強度を高めることができ、ラマン散乱光6の強度を高めることができる。これによりS/N比が高い測定が可能となる。
第1分散補償器150の種類は特に限定されず、公知の、あるいは将来利用可能なさまざまな分散補償器を用いることができる。たとえば第1分散補償器150は、チャープドミラーペア(CMP:Chirped Mirror Pair)で構成してもよいし、プリズムペアやグレーティングペアを用いてもよい。第1分散補償器150においては、最低2次、好ましくは3次の分散まで補償することが望ましい。
集光光学系160は、第1分散補償器150を通過した近赤外ダブルパルス2”と、赤外ダブルパルス4と、を受け、それらを同軸でサンプルSMPに照射する。集光光学系は、軸外放物面ミラー(OAPM:Off-Axis Parabolic Mirror)を含んでもよい。これにより、近赤外のダブルパルスと赤外のダブルパルスを、面内方向と深さ方向について、同じ位置に集光することができる。
図6は、図5の分光器100Bの具体的な構成例を示す図である。ダブルパルス発生器110Bは、パルスレーザ光源112、マイケルソン干渉計114B、ロングパスフィルタ116、第2分散補償器118を含む。マイケルソン干渉計114Bは、偏光ビームスプリッタPBS、固定ミラーM1、可動ミラーM2、1/2波長板HWP1,HWP2、1/4波長板QWP1,QWP2を含む。このマイケルソン干渉計114Bでは、2個のアームを伝搬する光パルス2A,2Bの偏光方向が直交し、それらが合成されて近赤外ダブルパルス2が生成される。図4のマイケルソン干渉計114では、パルスレーザ光源112の光エネルギーの1/2が捨てられるが、図6のマイケルソン干渉計114Bを採用することで、光の利用効率を理論上、100%に高めることができる。
第2分散補償器118は、超短パルス10がマイケルソン干渉計114Bを伝搬する間に導入される分散を補償するために設けられる。マイケルソン干渉計114Bは、図4のマイケルソン干渉計114と比べて、光が透過する光学素子の枚数が多いため、より多くの分散を受けやすく、パルス波形が劣化し、強度が低下する。後段の非線形光学結晶120における差周波発生は2次の非線形光学現象であるため、非線形光学結晶120に入射する近赤外のダブルパルスの光強度は高いことが望ましい。そこで第2分散補償器118によって非線形光学結晶120への照射前に分散補償を行うことにより、近赤外のダブルパルス2A,2Bのパルス幅をフーリエ限界パルス幅に近づけて光強度を高めることができ、差周波発生の効率を改善することができる。第1分散補償器150と同様に、第2分散補償器118の構成は限定されるものではないが、図5ではチャープドミラーペアCMP2を含む。
集光光学系170は、近赤外ダブルパルス2を非線形光学結晶120に集光するとともに、非線形光学結晶120を通過した近赤外ダブルパルス2および赤外ダブルパルス4をコリメートする。集光光学系170は、透過光学系で構成することも可能であるが、近赤外ダブルパルス2と赤外ダブルパルス4のスペクトルが非常に広範囲にわたることから、反射光学系で構成するとよい。たとえば集光光学系170は、軸外放物面ミラー(OAPM:Off-Axis Parabolic Mirror)で構成することができる。
第1分散補償器150は、ダイクロイックミラーDM2,DM3およびチャープドミラーペアCMP1を含む。ダイクロイックミラーDM2,DM3は、近赤外において高い反射率を有し、赤外において高い透過率を有する。ダイクロイックミラーDM2は、近赤外ダブルパルス2を反射する。チャープドミラーペアCMP1は、近赤外ダブルパルス2のパルス幅を圧縮する。圧縮後の近赤外ダブルパルス2は、ダイクロイックミラーDM3によって赤外ダブルパルス4と再合成され、集光光学系160に導かれる。
検出系130Bは、第1検出器132、第2検出器134、ダイクロイックミラーDM1、ショートパスフィルタSPF、デジタイザ136に加えて、偏光子138およびノイズ除去用のローパスフィルタLPF1,LPF2を含む。
第2検出器134の前段には偏光子138が挿入される。偏光子138は、余計な直交成分が残っている場合にそれらを除去するために設けられる。
以上が分光器100Bの構成である。続いて分光器100Bを実際に実装して、その特性について評価した結果を説明する。
パルスレーザ光源112としては、Spectra Physics社のチタンサファイアレーザSynergy Pro-WG-KE(繰り返し周波数75MHz、中心波長800nm、バンド幅230nm)を用いた。ロングパスフィルタ116は、Thorlabs社のFELH0700を用いている。
リファレンスアームの第1パルス2Aのエネルギーは、2.5nJであり、スキャンアームの第2パルス2Bのエネルギーは5.5nJである。それらは集光光学系170の入力側の焦点距離25.4mmの軸外放物面ミラーによって、30ミクロンのGaSe結晶(EKSMA OPTICS社 GaSe-30H1)に集光され、同じ焦点距離25.4mmの出力側の軸外放物面ミラーによってコリメートされる。
第1分散補償器150において、近赤外のダブルパルスがサンプルSMPに至る光路長は、赤外のダブルパルスがサンプルSMPに至る光路長よりも約30cm、長くなっており、これにより、近赤外のパルスと赤外のパルスの相互作用を抑制し、ラマン散乱と赤外吸収を別々の現象として切り分けて測定できる。
サンプルSMPに入射する近赤外ダブルパルス2のエネルギーはトータルで3.5nJであり、その内訳は、第1パルス2Aが1.1nJ、第2パルス2Bが2.4nJである。
サンプルホルダとして、厚み3mmのKBr(臭化カリウム)の窓を用いた。KBrは、近赤外(10870-14490cm-1)と中赤外(790-1800cm-1)の両方に対して透明である。50μmのテフロン(登録商標)スペーサが、2枚のKBrウィンドウの間に設けられ、液体サンプルがそれらの間に充填される。ダイクロイックミラーDM1として、ZnSe(セレン化亜鉛)を用いている。第1検出器132は、アバランシェ光検出器(Thorlabs社のAPD410A2/M)であり、第2検出器134は、チッ素で冷却されたHgCdTe検出器(Kolmar Technologies社KDL-0.5-J1-3/11)である。反ストークス検出に関して、元の入射パルスと、2次高調波信号がショートパスフィルタSPF(Thorlabs社FESH0700)およびロングパスフィルタ(Thorlabs社FESH0550)によって除去される。デジタイザ136は、AlazarTech社のATS9440を用いている。
図7は、近赤外ダブルパルス2および赤外ダブルパルス4のスペクトルを示す図である。パルスレーザ光源112として、10fs、スペクトル700~920nm幅の近赤外超短パルスチタンサファイアレーザを用いており、非線形光学結晶120としてGaSeを用いている。パルス内の差周波発生により、790~1800cm-1の赤外(中赤外)スペクトルを得ることができることがわかる。なお、中赤外の長波長側のスペクトルが、900nm付近で急激に落ち込んでいるが、これは、スペクトルの測定に使用した検出器の波長感度の制約によるものであり、実際には、中赤外のスペクトルはより長波長側に伸びている。
図8は、近赤外パルスのフリンジ分解自己相関(Fringe-resolved Autocorrelation)の測定結果を示す図である。この測定結果から、最小12fs程度まで補償できていることが分かる。
CVSでは、第1パルス2Aと第2パルス2Bの遅延量が小さいときに、非線形光学結晶120における差周波発生において、第1パルス2Aと第2パルス2Bの非線形な相互作用の影響が現れる。この相互作用は、フーリエ変換後のスペクトルの歪みの要因となるため、補償することが好ましい。
図9(a)~(c)は、スペクトルの歪みの補償を説明する図である。図9(a)は、光検出器により得られた補正前の時間波形DW2を示す。CVSにより得られる時間波形は、線形MIRインターフェログラムのほか、いくつかの成分を含む。不要な成分は、2つの近赤外パルスが非線形光学結晶中で時間的にオーバーラップしたときに発生する中赤外光に起因する。これは差周波発生型のインターフェロメトリック自己相関とのアナロジーで理解される。図9(a)は、CVS測定により得られる波形のAC成分を示す。これは、強度自己相関、MIRインターフェログラムに付加される高周波フリンジなど、いくつかの成分を含む。したがってこの波形をフーリエ変換して得られるスペクトルは、破線で示すように、いくつかの部分を含んでいる。ゼロ周波数付近の最も低周波側(長波長側)の部分は、ゆっくりと変化する強度自己相関波形(図9(a)に示す)に起因するものであり、12,500cm-1付近と25,000cm-1付近のスペクトル成分は、近赤外パルスの基本波と2次高調波に対応する高周波フリンジである。目的とする中赤外スペクトルは、790~1800cm-1にわたって現れている。中赤外スペクトルは周波数領域において他の周波数成分から十分に分離しているから、図9(a)の波形を単純にフーリエ変換したスペクトルからも、中赤外スペクトルを取り出すことができる。
中赤外のインターフェログラムから、不要な成分を除去してもよい。高周波スペクトルは中赤外スペクトルから十分に離れているため、ローパルフィルタによって除去することができる。また強度自己相関成分は、図9(a)の生の波形からフィッティングによって得ることができ、それを生の波形から引き算すればよい。図9(b)には、不要な成分を除去することによって復元されたインターフェログラムが示される。図9(c)には、図9(b)のインターフェログラムをフーリエ変換したスペクトルが実線で示される。この波形復元は、低周波数(この例では、850cm-1よりも低い周波数)の中赤外スペクトルを測定する必要がある状況において有用である。
実装した分光器100Bを利用して、サンプル(トルエン)を測定した。図10(a)、(b)は、測定結果を示す図である。図10(a)には、検出系130により生成されるデジタル波形CVS-IR(上述のDW2に対応),CVS-Raman(上述のDW1に対応)が示される。図10(a)から明らかなように、2つの波形のピークが同じタイミングで発生しており、したがって、赤外分光とラマン分光が同時に行われていることがわかる。なお、マイケルソン干渉計114Bにおいて、可動ミラーM2を往復させているため、デジタル波形CVS-IR,CVS-Ramanは、往路と復路とで時間軸方向に反転した波形が得られる。
図10(b)の上段には、図10(a)の波形CVS-IRから得られるインターフェログラム(上述のIF_IRに対応)が示される。具体的には、波形CVS-IRから、往路(もしくは復路)の波形だけを複数の周期分(ここでは15周期)、切り出して、平均することにより、インターフェログラムを得ることができる。インターフェログラムを生成する際に、横軸は、光路長差Lに変換されている。
また図10(b)の下段には、図10(a)の波形CVS-Ramanから得られるインターフェログラムが示される。インターフェログラムは、波形CVS-Ramanについて、CVS-IRと同じ処理を行うことにより得ることができる。
図11(a)、(b)は、図10(b)のインターフェログラムをフーリエ変換して得られる相補スペクトルを示す図である。図11(a)において、Referenceとして示すのは、一般的なFT-IRにより得られた結果である。また図11(b)において、Referenceとして示すのは、自発ラマン散乱分光器により得られた結果である。
図12(a)~(c)には、ベンゼン、クロロホルム、ベンゼンとDMSOの混合液(混合比4:1)について測定したスペクトルを示す。赤外については、800~1700cm-1の領域を、CARSは、600cm-1から3100cm-1の領域を測定しており、クロロホルムのC-Cl振動である667cm-1からベンゼンのC-H振動である3063cm-1をカバーしている。各スペクトルにおいて、特徴的なラマン/IRピークが測定できていることがわかる。
実施の形態にもとづき、具体的な語句を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用の一側面を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
(変形例1)
図13は、変形例1に係る分光器100Cを示す図である。分光器100Cでは、非線形光学結晶120がダブルパルス発生器110Cに組み込まれている。具体的には、非線形光学結晶120は、パルスレーザ光源112とマイケルソン干渉計114の間に設けられており、マイケルソン干渉計114の前段で赤外パルス11が生成される。マイケルソン干渉計114は、近赤外の超短パルス10と赤外パルス11を、2つのアームに分岐し、近赤外ダブルパルス2および赤外ダブルパルス4を生成する。
この変形例1では、近赤外~赤外域にわたる広い波長域において透過率が高くなるようにマイケルソン干渉計114を構成する必要があり、今日の技術では容易ではないが、将来の技術の進歩により採用可能な技術といえる。変形例1は、図9を参照して説明したインターフェログラムIF_IRの補正が不要であるという利点を有する。また、図6に示す第2分散補償器118も不要である。
変形例1において、マイケルソン干渉計114は、図6の構成を採用してもよいし、図4の構成を採用してもよい。
(変形例2)
図14は、変形例2に係る分光器100Dを示す図である。ダブルパルス発生器110Dは、デュアルコム(Dual Comb)分光のアーキテクチャにもとづいて構成される。具体的には、ダブルパルス発生器110Dは、2個のパルス光源112A,112Bを含み、2個のパルス光源112A,112Bが生成する近赤外パルス2A,2Bの位相差が制御可能となっている。2個の近赤外パルス2A,2Bは結合され、近赤外ダブルパルス2が生成される。非線形光学結晶120には、近赤外ダブルパルス2が照射され、赤外ダブルパルス4が生成される。
(変形例3)
干渉計114の構成は、実施の形態で説明したそれらに限定されず、高速スキャンFTS(フーリエ変換分光)や位相制御FTSのアーキテクチャを導入して、高速化を図り、連続スペクトルの取得速度を向上させてもよい。具体的には、特許文献1に記載の記述と組み合わせてもよい。あるいは干渉計114を、光ファイバーや導波路を用いて構成してもよい。
(変形例4)
第2検出器134を、EO-サンプリングのアーキテクチャを導入して実装してもよい。この場合、測定可能な赤外透過光8のスペクトル領域をさらに広げることができる。またEOサンプリングを導入する場合は、第1検出器132と第2検出器134を一体に構成してもよい。
(変形例5)
非線形光学結晶120はGaSeには限定されず、LBO(トリホウ酸リチウム)、KDP(リン酸二水素カリウム)、BBO(ホウ酸バリウム),KD*P(リン酸カリウム)、LiNb0(ニオブ酸リチウム)、CLBO(CsLiB10)などを用いることができる。結晶の種類は、必要とされる帯域や強度などを考慮して選べばよい。また異なる複数の非線形光学結晶を組み合わせて用いて、赤外ダブルパルス4のスペクトル幅をさらに広げてもよい。
(変形例6)
パルスレーザ光源112として、チタンサファイア以外のレーザを用いてもよく、近赤外ダブルパルス2の波長も、チタンサファイアのそれと異なっていてもよい。
(変形例7)
実施の形態では、近赤外のダブルパルス2がサンプルSMPに至る光路長と、赤外のダブルパルス4がサンプルSMPに至る光路長が異なっていたが、その限りでなく、それらを等しくしてもよい。この場合、近赤外のパルスと赤外のパルスの相互作用による未知の分子の振る舞い、あるいは非線形効果を測定できる可能性がある。
(変形例8)
非線形光学結晶120において、近赤外の2次高調波(波長400nm近傍)のダブルパルスも生成されている。そこで検出系130を、2次高調波のダブルパルスをサンプルSMPに照射して得られる光を検出可能に構成してもよい。たとえばこの変形例では、2光子吸収などを測定することも可能である。
また分光器100により、近赤外線形分光(すなわち近赤外域の吸収スペクトル)を測定してもよい。
(変形例9)
上述の分光器では、パルス内差周波発生で得られる赤外スペクトルの帯域が非線形光学結晶の位相整合条件で制限される。したがって相補的振動スペクトルとしての帯域は800~1800cm-1の指紋領域のみにとどまる。そこで非線形光学結晶120の厚さを薄くすることで赤外スペクトルの帯域を拡張できる可能性があるが、代償として生成される中赤外光の出力が落ちてしまうという問題がある。変形例9では、赤外スペクトルの拡張について説明する。
図15は、変形例9に係る分光器100Eを示す図である。分光器100Eは、異なる複数の非線形光学結晶120(この例では2個)を備える。複数の非線形結晶120_1,120_2は、ダブルパルス発生器110の後段に設けられるが、上述のようにその内部に設けてもよい。
複数の非線形光学結晶120_1,120_2に、近赤外ダブルパルス2が照射される。非線形光学結晶120_1,120_2それぞれにおいて、近赤外のパルス2A(2B)に含まれる異なるスペクトル成分同士の差周波が発生し、これにより、広帯域なスペクトルを有する赤外線のダブルパルス4が生成される。
このダブルパルス4の中赤外スペクトル帯域は、1種類の非線形光学結晶120のみを用いた場合に比べて大幅に拡張される。変形例9のように、複数の非線形光学結晶を用いる方式を、カスケード式と称する。
図16(a)は、1個の非線形光学結晶120によるパルス内差周波発生を説明する図であり、図16(b)は、2個の非線形光学結晶120によるカスケード式パルス内差周波発生を説明する図である。図16(a)では、非線形光学結晶120としてGaSeを用い、図16(b)では、非線形光学結晶120_1,120_2として、リチウムアイオデート結晶(LiIO)およびGaSeを用いている。カスケード式パルス内差周波発生により、HO吸収領域およびCO吸収領域をカバーする広帯域なスペクトルを得ることができる。
図17は、分光器100Eの具体的な構成例を示す図である。ダブルパルス発生器110、検出系130の構成は、図4のそれらと同様である。ダブルパルス発生器110が生成する近赤外のダブルパルスは、LiIOである非線形光学結晶120_1に入射し、波長変換される。非線形光学結晶120_1から生じる中赤外光(MIR)は、一旦、近赤外光と分離され、近赤外光NIRのみが、後段のGaSeである非線形光学結晶120_2に入射する。分離後の近赤外光NIRは、非線形光学結晶120_2に入射する前に、必要に応じて分散補償することが好ましい。
非線形光学結晶120_1,120_2から生じる中赤外光は、ロングパスフィルタのそれぞれ反射および透過特性により、波長的、空間的に結合され、サンプルSMPに照射される。
なお、結晶の透過波長域から検討すると、LiIO、GaSeの順であれば中赤外光を空間的に分離せずにカスケード式パルス内差周波発生を起こすことも原理上は可能であり、たとえば結晶2枚を接合した構造をとることも可能である。この場合、前段のLiIO3で生成された中赤外光は、そのままGaSe結晶を透過する。
図18は、図17の分光器100Eの具体的な実装を示す図である。ダブルパルス発生器110および検出系130の構成は、図6のそれと同様である。
集光光学系170は、ダブルパルス発生器110が生成する近赤外ダブルパルス2を非線形光学結晶120_1に集光するとともに、非線形光学結晶120_1を通過した近赤外ダブルパルス2および赤外ダブルパルス4をコリメートする。上述のように、集光光学系170は、軸外放物面ミラー(OAPM:Off-Axis Parabolic Mirror)で構成することができる。
集光光学系170によりコリメートされた近赤外ダブルパルス2および赤外ダブルパルス4は、ダイクロイックミラーDM2により分離される。非線形光学結晶120_1を透過したことにより広がった近赤外ダブルパルス2のパルス幅は、チャープドミラーペアCMP3により圧縮される。集光光学系172は、パルス幅が補償された近赤外ダブルパルス2を、非線形光学結晶120_2に集光し、非線形光学結晶120_2を通過した近赤外ダブルパルス2および中赤外ダブルパルス3をコリメートする。
ダイクロイックミラーDM3は、近赤外ダブルパルス2および中赤外ダブルパルス3を分離する。近赤外ダブルパルス2は、チャープドミラーペアCMP1によりパルス幅が圧縮される。中赤外ダブルパルス3および4は、6μmのロングパスフィルタLPF、ダイクロイックミラーDM4を経て、元の近赤外ダブルパルス2と合成される。
以上が分光器100Eの実装例である。続いてカスケード式パルス内差周波発生を利用した相補的振動分光法の実験を行った結果を説明する。
図19(a)~(c)は、図18の分光器100Eにより得られたスペクトルを示す図である。図19(a)~(c)はそれぞれ、トルエン、クロロホルム、フェニルアセチレンをサンプルとした測定結果である。各スペクトルは、25回の測定結果を平均したものである。765cm-1および819cm-1に出現するピークは、LiIO結晶由来のラマンスペクトルであり、サンプル由来ではない。
この結果からわかるように、単一の非線形光学結晶では、800~1800cm-1に制限されていた中赤外スペクトルを、2個の非線形光学結晶を用いたカスケード式パルス内差周波発生を採用することで、800~2900cm-1に拡張できていることがわかる。これにより、CVS-IRもCVS-Ramanと同等に、指紋領域、サイレント領域、CH伸縮振動領域の超広帯域スペクトルが得られるようになっている。
なお、変形例9では、2種類の非線形光学結晶を用いたが、3種類またはそれより多い種類の非線形光学結晶を用いてもよい。
また複数の非線形光学結晶は、同じ材料であってもよい。この場合に、非線形光学結晶ごとの厚み、入射角などを最適化することにより、1個の非線形光学結晶を用いる場合に比べて、位相整合条件を満たす帯域を広げることができ、それにより、スペクトルを広帯域化できる。
実施の形態にもとづき、具体的な用語を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
本発明は、分光器に関する。
100 分光器
SMP サンプル
110 ダブルパルス発生器
112 パルスレーザ光源
114 マイケルソン干渉計
116 ロングパスフィルタ
118 第2分散補償器
120 非線形光学結晶
130 検出系
132 第1検出器
134 第2検出器
136 デジタイザ
138 偏光子
SPF ショートパスフィルタ
DM1 ダイクロイックミラー
140 信号処理部
150 第1分散補償器
160,170 集光光学系
2 近赤外ダブルパルス
2A 第1パルス
2B 第2パルス
4 赤外ダブルパルス
4A 第1パルス
4B 第2パルス
6 ラマン散乱光
8 赤外透過光
10 超短パルス

Claims (15)

  1. 遅延量が可変な第1ダブルパルスを生成するダブルパルス発生器と、
    前記ダブルパルス発生器の内部あるいは後段に設けられ、前記第1ダブルパルスの一部を赤外の第2ダブルパルスに変換する非線形光学結晶と、
    前記第1ダブルパルスをサンプルに照射して得られるラマン散乱光と、前記赤外の第2ダブルパルスを前記第1ダブルパルスと同時に前記サンプルに照射して得られる赤外線と、を同時に測定可能な検出系と、
    を備えることを特徴とする分光器。
  2. 前記ダブルパルス発生器は、
    パルス光を生成するパルスレーザ光源と、
    前記パルス光を受け、前記第1ダブルパルスを生成する干渉計と、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の分光器。
  3. 前記非線形光学結晶は、前記干渉計の後段に配置されることを特徴とする請求項2に記載の分光器。
  4. 前記非線形光学結晶の後段に設けられ、前記第1ダブルパルスに含まれるパルスのパルス幅を圧縮する第1分散補償器をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の分光器。
  5. 前記検出系の出力を処理する信号処理部をさらに備え、
    前記信号処理部は、赤外のインターフェログラムを補正することを特徴とする請求項3または4のいずれかに記載の分光器。
  6. 前記検出系は、
    前記サンプルの透過光を、前記第1ダブルパルスの波長域と赤外域に分離するダイクロイックミラーと、
    前記第1ダブルパルスの波長域に感度を有する第1検出器と、
    前記赤外域に感度を有する第2検出器と、
    を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の分光器。
  7. 前記検出系は、前記第2検出器の前に挿入された偏光子を含むことを特徴とする請求項6に記載の分光器。
  8. 前記ダブルパルス発生器は、前記非線形光学結晶に入射する前記第1ダブルパルスに含まれるパルスのパルス幅を圧縮する第2分散補償器をさらに含むことを特徴とする請求項3から5のいずれかに記載の分光器。
  9. 前記非線形光学結晶を通過した前記第1ダブルパルスをサンプルに照射する集光光学系をさらに備えることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の分光器。
  10. 前記集光光学系は、前記第1ダブルパルスと前記第2ダブルパルスとを同軸で前記サンプルに集光することを特徴とする請求項9に記載の分光器。
  11. 前記第1ダブルパルスが前記サンプルに至る光路長と、前記第2ダブルパルスが前記サンプルに至る光路長は異なることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の分光器。
  12. 前記第1ダブルパルスが前記サンプルに至る光路長と、前記第2ダブルパルスが前記サンプルに至る光路長は等しいことを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の分光器。
  13. 前記検出系は、前記非線形光学結晶において生成される2次高調波および/または3次高調波のダブルパルスを前記サンプルに照射して得られる光を検出可能に構成されることを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の分光器。
  14. 前記非線形光学結晶を第1非線形光学結晶とするとき、第2非線形光学結晶をさらに備えることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の分光器。
  15. 前記第1非線形光学結晶はLiIOであり、前記第2非線形光学結晶は、GaSeであることを特徴とする請求項14に記載の分光器。
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