JP7455439B1 - 人工物体の制御方法、人工物体の制御装置およびこれを備えた人工物体 - Google Patents

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Abstract

【課題】特別な推進剤が不要であり、高い自由度で人工物体を制御する人工物体の制御方法、人工物体の制御装置およびこれを備えた人工物体を提供する。【解決手段】制御装置は、宇宙空間にある人工物体を制御する制御装置1であり、人工物体近傍に存在する電子Eを取り込む電子収集面10と、取り込んだ電子を加速噴射する噴射手段60と、を有する。また、制御方法は、宇宙空間にある人工物体を制御する制御方法であり、人工物体近傍に存在する電子を取り込んで、取り込んだ電子を加速噴射して、人工物体の運動量または/および角運動量を変化させるものである。【選択図】図1

Description

本発明は、人工物体の制御方法、人工物体の制御装置およびこれを備えた人工物体に関する。
人工衛星や宇宙ゴミなどの宇宙空間の人工物体は常に宇宙空間を飛翔するため、固定された位置には重要な意味がなく、所定の時刻に所定の空間中の位置を通過するように速度を調整(速度ベクトルを変更)することに意味がある。この速度の調整を軌道制御とよび、軌道制御のために人工物体の速度を調整する装置を推進装置とよぶ。なお、軌道制御には、外乱が加わった場合に、外乱が加わる以前の状態を維持することも含まれる。
また、人工物体に搭載される観測装置や通信装置の指向する方向も重要であるので、人工物体の方向を調整する必要があるが、この人工物体の方向の調整を姿勢制御とよび、これにも推進装置は使われる。なお、姿勢制御には、外乱が加わった場合に外乱が加わる以前の状態を維持することも含まれる。以下では、軌道制御と姿勢制御のいずれも含めて、制御とよぶこととする。
従来から、人工物体の制御装置には、推進機(スラスター)と呼ばれる超小型のロケットが使用されており、例えば非特許文献1に記載されている。
そして、近年、より高性能な推進機として電気推進機が使われるようになり、特に実用化が進んでいるものには、静電加速型電気推進機に分類されるイオンエンジンやホールスラスタ―や電界放出推進機(FEEP)などがあり、これらは例えば非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4などに記載されている。
また、イオンエンジンに用いられるイオンビーム源として、マイクロ波放電型、高周波放電型、直流放電型などが知られている。例えば、特許文献1には、マイクロ波をプラズマ生成に用いるイオンビーム源に関する発明が記載されている。この発明は、プラズマ室にマイクロ波が導入されて、プラズマ室に供給された原料ガスが、このマイクロ波によって電離されることにより、プラズマが生成されるものである。また、特許文献2、非特許文献3には、電界放出推進機が記載されている。この推進機は液体金属やイオン液体に強電界を印加することでイオン化した液滴を生成する。
なお、推進剤を使わない推進装置には太陽光の輻射圧を推進力に変換するソーラーセイルや、エレクトロダイナミックテザーなどがある。例えば特許文献3には、エレクトロダイナミックテザーに関する発明が記載されている。この発明では、長い導電性のテザー(ひもやテープ)に電流を流して地球近傍の磁場との相互作用を生じさせている。
特開2017-084818号公報 特開2020-532671号公報 特開2021-182537号公報
Ronald Humble, "Space Propulsion Analysis and Design," Learning Solutions, 1995/9/1,ISBN-13: 978-0070313200 Robert G. Jhon, "Physics of Electric Propulsion," Dover Publications, 2006/5/26,ISBN-13: 978-0486450407 栗木 恭一,荒川 義博,「電気推進ロケット入門」,東京大学出版会,2003/5/31,ISBN-13: 978-4130628051 國中 均,西山 和孝 他,「イオンエンジンによる動力航行」,コロナ社,2006/11/15,ISBN-13: 978-4339012286 石川 順三,「荷電粒子ビーム工学」,コロナ社,2001/5/1,ISBN-13 978-4339007343
しかし、特許文献1に記載の推進方法は、人工物体のイオンエンジンを動作させるためには推進剤と呼ばれる原料ガスが必要である。つまり、特許文献1に記載の推進方法は、人工物体を推進させるために、特別な原料ガスが必要である。
また、特許文献2に記載の推進方法は、電界放出推進機を動作させるために溶融金属やイオン液体といった特別な推進剤が必要である。つまり、特許文献2に記載の推進方法は、人工物体を推進させるために、特別な物質が必要である。
従って、特許文献1に記載の推進方法も、特許文献2に記載の推進方法も、人工物体に予め搭載された推進剤を全て消費すると動作できなくなる。さらに、非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4に記載の推進方法はすべて、人工物体に予め搭載された推進剤を消費し尽くすと動作できなくなる。
また、特許文献1と、特許文献2と、非特許文献4に記載の推進方法では、推進剤をイオンと電子に分解してイオンのみを高速で噴射して、その反作用によって人工物体を推進するが、人工物体の電気的中性を維持しつつ、イオンビームを中和するために、中和器とよばれる電子放出装置を用いて電子をイオンビームに混合して放出しなければならない。
従って、特許文献1,2,に記載の発明は、イオンを加速放射するための装置と、電子を放出するための装置の両方が必要となる。
一方、特許文献3に記載の推進方法は、磁力線に直交する方向にしか推進力が働かないという制約がある。また、テザーに電流を流すために、テザーの一部から宇宙空間に電子を放出する装置を取り付ける必要がある。また、テザーとよばれる導電性の長大なひもが必要になり、装置が大規模にならざるをえない。
以上のように従来の推進装置について記載したが、電子またはイオンを放出装置から放出する際のエネルギーをEとした場合には下記の式(1),(2)が成り立つ。
従って、
よって、加速のためのエネルギーが等しければ、電子はイオンとの質量比の平方根で高速に加速できるが、平方根分の1の運動量しか得られず、つまりは小さな推力しか得られない。
前述したようなイオンエンジンで広く用いられる推進剤であるキセノンは原子量が約131.3で電子に対しての質量比は約240000、電界放出推進機に用いられる推進剤であるインジウムは原子量が114.8で電子に対しての質量比は約210000に達する。そのため、加速のためのエネルギーを等しく投入すると、電子はキセノンに対して約491分の1、インジウムに対して約460分の1の推力しか得られず、電子を推進に用いることは実用的ではないと考えられてきた。
例えば、非特許文献4に記載の推進剤にキセノンを用いるイオンエンジンでは、イオンエンジン1機あたりのイオンビーム電流が140mAで、8.5mNの推力を発生する。中和器から放出される、このイオンに追随する電子の平均速度はイオンと同じであるので、約30000m/sの速度であり、電子1個の運動量は約2.7E-26Nsである。また、中和器から放出される電子の電流量はイオンビームと等しいので、放出される電子の個数は8.7E17個/sとなり、中和器1機あたりの推力は約2.3E-8Nとなる。
よって、イオンエンジンを搭載した人工物体の質量は約500kgであるので、人工物体の質量1kgあたりの推力は約4.7E-11N/kgとなる。実際には、イオンエンジン3機が同時に運用されたので、合計で約1.41E-10N/kgとなる。
よって、本発明は、このような特別な推進剤が不要であり、高い自由度で人工物体を制御する人工物体の制御方法、人工物体の制御装置およびこれを備えた人工物体を提供することを目的とする。なお、制御するとは、姿勢制御や軌道制御(推進、加速/減速)などといった制御が含まれる。
本発明に係る制御方法は、宇宙空間にある人工物体を制御する制御方法であり、人工物体近傍に存在する電子を取り込んで、取り込んだ電子を加速噴射して、人工物体の運動量または/および角運動量を変化させるものである。
なお、ここでいう宇宙空間とは、地球の表面から100km以上離れた全ての空間であり、他の全ての天体や人工天体なども含む。
これにより、人工物体が有する電子に加えて、取り込まれた人工物体近傍に存在する電子が加速噴射されて、人工物体の運動量または/および角運動量が変化される。
また、制御方法において、人工物体近傍の宇宙空間に存在する電子を取り込む電子収集面の電位をVS、取り込まれた電子を静電力によって加速する噴射手段の中で最も高い電位をVmax、加速された電子が噴射される面の電位をVemit、とした場合、電子の加速に使われる電圧(VS-Vemit)が、全印加電圧(Vmax-Vemit)の15%以上であることが好ましい。
また、制御方法において、取り込んだ電子を、熱電子放出型電子源、電界放出型電子源、光電子放出電子源、ホローカソード型電子源、マイクロ波放電型電子源のうちいずれか1つを用いて加速噴射する、または、これらのうちいずれか1つを用いて加速噴射された電子を一次電子として、二次電子による増倍効果を用いて電子を加速噴射することが好まし。
また、制御方法において、取り込んだ電子に対して、当該電子の飛行方向を偏向する電界または/および磁界を印加することにより、人工物体の推力ベクトルを調整することが好まし。
なお、本発明に係る別の制御方法は、宇宙空間にある人工物体を制御する制御方法であり、人工物体近傍に存在する電子を取り込んで、取り込んだ電子を、イオン液体の液滴または低融点金属液滴と合せて、陰イオンとして加速噴射して、人工物体の運動量または/および角運動量を変化させるものである。
一方、本発明に係る制御装置は、宇宙空間にある人工物体を制御する制御装置であり、人工物体近傍に存在する電子を取り込む電子収集面と、取り込んだ電子を加速噴射する噴射手段と、を有する。
特に、噴射手段は、電子の飛行方向を偏向する電界または/および磁界を印加することにより、噴射された電子の飛行方向を偏向する偏向手段を含むことが好ましい。
なお、本発明に係る別の制御装置は、宇宙空間にある人工物体を制御する制御装置であり、人工物体近傍に存在する電子を取り込む電子収集面と、取り込んだ電子を、イオン液体の液滴または低融点金属液滴と合せて、陰イオンとして加速噴射する噴射手段と、を有する。
さらに、本発明に係る人工物体は、これらの制御装置を備えた人工物体である。
特に、この人工物体は、制御装置を1以上備えており、当該1以上の制御装置により、当該人工物体の質量1kgあたりで5E-9N以上の推力を発生し得る、または、当該1以上の制御装置により、当該人工物体の主慣性モーメントの3成分のいずれかについて、1kgm2あたりで5E―10Nm以上のトルクを発生し得るものであることが好ましい。
本発明に係る制御方法によれば、かかる構成により、人工物体が有する電子に加えて、取り込まれた人工物体近傍に存在する電子が加速噴射されて、人工物体の運動量または/および角運動量が変化されるため、特別な推進剤が不要であり、高い自由度で人工物体を制御することができる。
本発明に係る人工物体の制御装置の概略構成図である。 本発明に係る人工物体の概略図である。 電圧印加手段および噴射手段の一例を示す概略構成図である。 別の電圧印加手段および噴射手段、並びに偏向手段の一例を示す概略構成図である。 人工物体近傍の電位の変化を模式的に示した図である。 人工物体近傍の電位の変化を模式的に示した図である。 人工物体の電流の流入出を説明するための図である。 人工物体の電流の流入出を説明するための図である。 本発明に係る別の人工物体の制御装置の概略構成図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明するが、以下に記載する構成要件の説明は本発明の実施形態の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を変更しない限り、以下の内容に限定されない。
[電子源について]
本発明に係る人工物体の制御装置は、電子を宇宙空間中に加速噴射するための電子源を備えた装置である。そして、電子を宇宙空間中に加速噴射することで、人工物体の運動量または/および角運動量を変化させることにより、人工物体を推進させたり、人工物体の姿勢を変化させたりする。
宇宙空間は真の真空ではなく、希薄な気体や気体が電離したプラズマで満ちている。プラズマ中の粒子はイオンおよび電子が含まれ、特に地球を含む惑星近傍では、この気体やプラズマの密度が高い。
また、プラズマ中の粒子は、熱運動速度で乱雑に飛び交っている。この熱運動の速度(熱速度)は、例えば、地球近傍(低軌道とよばれる高度2,000km以下)に広く分布する温度である0.2eVでは、電子の熱速度の平均値は約300km/s、また、酸素イオンの場合、イオンの熱速度の平均値は約1.7km/sである。
一方、地球低軌道の人工物体は、7.7km/s前後で飛行している。よって、地球低軌道の人工物体は、イオンに対しては超音速で飛行しており、電子に対しては亜音速で飛行している。つまり、プラズマ中のイオンは概ね、人工物体の進行方向正面から人工物体の速度で衝突するのに対して、電子は人工物体の周囲全体から衝突する。
また、電子のように熱速度が支配的な場合の粒子のフラックス(流束、単位時間、単位面積当たりの衝突数)は、下記式(3)で示される。
補足として、電気素量eの単位は通常はC(クーロン)であるが、上記式(3)におけるTeVに掛けて使われる場合の単位は便宜上、J/eVである。
なお、上記式(3)で示した粒子のフラックスは、人工物体がプラズマ(宇宙空間)に対して等しい電位にある場合である。電位が正の人工物体では、イオンは斥けられ、電子は引き寄せられる。一方、電位が負の人工物体では、電子は斥けられ、イオンは引き寄せられる。
そのため、もちろん人工物体の形状などによって算出するための式は複雑化するが、上記式(3)は、一般的に、電子/イオンが引き寄せられる場合と、電子/イオンが斥けられる場合とで、下記式(4),(5)で示されるように修正項が掛けられる。
(電子/イオンが引き寄せられる場合)
(電子/イオンが退けられる場合)
また、人工物体は宇宙空間に浮いているため、電位が浮遊している。例えば、人工物体の保持する電荷が±0であれば宇宙空間と等電位となり、人工物体が正に帯電すればプラスの電位となり、人工物体が負に帯電すればマイナスの電位となる。
そして、人工物体の宇宙空間に対する静電容量(キャパシタンス)は、下記式(6)で示すように、孤立導体のキャパシタンスで近似可能である。
よって、代表直径が1mの場合は56pF、代表直径が10cmの場合は5.6pFと求められる。
このような静電容量に対して、図6に示すような電流の流入出が生じる。この電流量の多くは、衛星電位や衛星の形状によって変化する。図6に示すような外部からの電子や外部からのイオンの電流は、上記粒子フラックスに電荷量を掛けたものに従う。光電子は1.5eV程度のエネルギーであるため、人工物体の電位が負の場合はそのまま流出し、人工物体の電位が正になると、徐々に人工物体に引き戻されるようになり、下記式(7)で減衰する。なお、光電子は、日陰では放出されない。
また、図6に示す二次電子は、外部からのイオンや電子(外部イオンや外部電子)が人工物体に衝突すると、人工物体表面の二次電子放出係数に従って放出される。これは、衝突エネルギーと、衝突角度と、表面物性との関数で表される。
イオンの場合は、1個の衝突につき二次電子が0.1個程度放出されるため、これで近似することができる。一方、電子の場合は、放出係数の物性データベースに基づいて近似することができる。
どちらの場合も、衝突する外部粒子が多いほど、二次電子は多くなる。また、二次電子は2eV程度のエネルギーであり、人工物体の電位との関係は光電子と同様に上記式(7)に応じて、外部粒子が衝突した面の電位の上昇によって減衰する。
また、能動放出イオンや能動放出電子は、人為的な装置によって放出されるものである。そのため、人為的に設定されたエネルギーで放出可能であるが、電子であれば人工物体の電位が放出時のエネルギーを超えて上昇し過ぎると、電子が引き戻されて放出できなくなったり、イオンであれば人工物体の電位が降下し過ぎると放出できなくなったりする。
そして、人工物体の電位は、電流収支がちょうど0になる値で決定される。ここで、能動的電子放出(図6参照)が、人工物体の電位が0Vの時の外部電子の流入より十分大きいと、人工物体の電位は宇宙空間に対して正に浮き上がる。
この状態では、人工物体の電位の上昇に伴って、イオンの衝突数は減衰する。かつ、光電子および二次電子は放出されても人工物体に引き戻されるため、光電子および二次電子の放出は実質ゼロとなる。
よって、図7に示すように、外部電子と能動的電子放出(能動放出電子)の流入出が、バランスが取れた状態となる。この図7に示す能動的電子放出が、本発明に係る人工物体の制御装置における、電子を宇宙空間中に放出するための電子源となる。
本発明に係る人工物体の制御装置は、推力を、このような放出される電子の運動量から得るものである。これに対して従来の推進機は、人工物体に積載されている推進剤を電離して、推力を得るためにイオンを放出し、かつ電気的に中和するために電子を放出していた。しかし、本発明に係る人工物体の制御装置は、推力を得るために、特別な推進剤を必要としないものである。
[人工物体の制御装置]
本発明に係る人工物体の制御装置1は、電子収集面10、電力供給デバイス20、蓄電手段30、メイン制御機能40、電圧印加手段50、噴射手段60を有する(図1参照)。
電力供給デバイス20は、太陽電池、核燃料電池やバッテリーなどといった、電力を供給するためのデバイスである。
蓄電手段30は、例えばDC-DCコンバーターおよび非発電時用バッテリーなどである。
メイン制御機能40は、一般負荷や人工物体の各機能を制御するためのマイコン、通信機などである。
このような電力供給デバイス20、蓄電手段30、メイン制御機能40などは、既存の人工物体に備えられているものである。
電子収集面10は、人工物体の構体、つまり人工物体のケーシングなど物理的構造のうち、導体部分である。電子収集面10から、人工物体近傍の宇宙空間に存在する電子Eが取り込まれる。
なお、電子収集面10は、前述したように人工物体の既存の構造を用いることができるが、追加で導電面を設置して、電子収集面10を増やすこともできる。
電圧印加手段50は、電子収集面10により取り込まれた電子に静電ポテンシャルエネルギーを与えるための機構である。
噴射手段60は、電圧印加手段50により静電ポテンシャルエネルギーを与えられた電子E2を噴射する機構である。図2に示す例においては、噴射手段60は、電子収集面10a,10bの両側面にそれぞれ4つずつ設けられており、それぞれが指定の方向へ電子E2を噴射することができる構成としている。もちろん、噴射手段60は、電子収集面10cや10dなど、人工物体100の任意の場所に複数設けることができる。
また、噴射手段60は、ヒーター、フィラメント、ゲート、グリッドなど、噴射手段60(陰極)のタイプによっては必要とされる電圧を印加し、あるいは性能を向上させるための電圧を印加する機構を含む。
例えば、熱電子放出型は熱陰極の場合は、ヒーターが必要となる。また、電界放出型は電子引き出し電極としてのゲート電極が必要となる。そのため、噴射手段60は、このようなヒーターやゲート電極を含む構成とすることができる。
なお、電子の噴射方向を推力方向に揃えて加速して、それによって静電ポテンシャルエネルギーを電子の運動エネルギーに変換することで電子に運動量を与え、この運動量から物体の推力を得るが、効率よく電子の運動量を得るためには、電極を電子レンズ系(電子光学系、電子オプティクス系)と呼ばれる構成にすることが好ましい。電子レンズ系の詳細については、非特許文献5を参照することができる。
また、本発明に係る人工物体100は、このような人工物体の制御装置1を備えた人工物体などである(図2参照)。人工物体100は、後述する偏向手段65(図4参照)により、図2に示すように噴射手段60から任意の方向に電子を噴射することが可能である。よって、人工物体100は、任意の方向に推進したり、姿勢制御を行ったりすることが可能となる。
[人工物体の制御方法]
以下、さらに図3~6を参照して、本発明に係る人工物体の制御方法について説明する。
図3は、電圧印加手段および放射手段の一例(最小構成)を示す概略構成図である。図3に示す構成において、電圧印加手段50として、電子引き出し兼加速電源51が用いられている。また、噴射手段60(電子放出手段)として、電界放出カソード61およびゲート電極(電子引き出し電極兼加速電極)62が用いられている。
また、図5,6は、人工物体近傍の電位の変化を模式的に示した図であるが、まず、図5(A)に示すように、電子源が無い状態(能動的に電子が放出されていない状態)では、人工物体の電位Vsは、外部電子(e)と外部イオン(i)などで-2V程度のバランスが取れた状態となっている。また、電子収集面10とゲート電極(電子引き出し電極兼加速電極)62の電位は、人工物体全体の電位Vsと等しいとする。ただし、説明の簡単化のために太陽電池による発電については省略する。
次に、図5(B)に示すように、電子引き出し兼加速電源51により電界放出カソード61の電位が、電子収集面10に対してVemit(例えば300V)だけ引き下げられる。このとき、ゲート電極(電子引き出し電極兼加速電極)62の電位が人工物体と同じ電位Vsに維持されると、Vemitの強電界によって、電界放出カソード61から電子が放出される。
そして、放出された電子は電界放出カソード61とゲート電極(電子引き出し電極兼加速電極)62の電位差によって加速され、ゲート電極(電子引き出し電極兼加速電極)62に設けられた格子または細孔を通過して、宇宙空間に噴射される。
電子が宇宙空間に噴射されることによって、人工物体は正に帯電する。よって、電位Vsは上昇して宇宙空間に対して正(例えば+10V)となり、人工物体に取り付けられた電子収集面10、電界放出カソード61、ゲート電極(電子引き出し電極兼加速電極)62、電圧印加手段50(電子引き出し兼加速電源51)などを含む全体の電位が等しく同時に上昇する(図6(C)参照)。
このように電子収集面10の電位が上昇することによって、前述した式(4)に従って、人工物体近傍の外部電子はより多く収集されるようになる。この収集される電子の電流量が、前述した噴射される電子の電流量とバランスする状態で人工物体の電位は一定に保たれる。よって、収集される電子の電流量と噴射される電子の電流量も一定に保たれる。
ここで、図6(C)に示す区間aでは、電子はVs-Vemit(例えば-290V)から+10Vまで+300Vのポテンシャルエネルギーを運動エネルギーに変換して加速される。そして、区間bでは、電子は+10Vから0Vまで-10Vに相当する運動エネルギーだけ減速される。
なお、図6(D)においては、区間aでは、電子は0Vから+300Vまで+300V加速される。そして、区間bでは、電子は+300Vから0Vまで-300V減速される。
しかし、電子源が動作しているが、図6(D)に示すように、人工物体の電位が上昇し過ぎた場合(+300V)、電子が放出されなくなるため自動的に人工物体の電位が下降して、外部電子と能動的電子放出の流入出が、バランスが取れた状態になる。
以上のように、本発明に係る人工物体の制御方法は、電子源により放出される電子の運動量から推力を得るものである。
なお、電子収集面10の電位をVS、噴射手段60の中で電子を加減速する電極のうち、最も高い電位をVmax、電子が放出される面(例えば、電界放出カソード61の電位をVemitとした場合、電子の加速に使われる電圧(VS-Vemit)は、全印加電圧(Vmax-Vemit)の15%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましく、50%以上であることが更に好ましく、80%以上であることが最も好ましい。
なお、図4は、別の電圧印加手段および噴射手段、並びに偏向手段の一例を示す概略構成図であり、図4に示すように、放射手段60は別の構成(電界放出電子源)としたり、偏向手段65(65X,65Y)を有する構成としたりすることができる。
図4に示す構成においては、電圧印加手段50として、加速電源511および一次電子引き出し兼二次電子増倍用電源512が用いられている。また、噴射手段60として、電界放出カソード61、一次電子ゲート電極(一次電子引き出し電極兼加速電極)62a、二次電子増倍装置63、および二次ゲート電極(二次電子引き出し兼加速電極)64が用いられている。
このような増倍機構によって得られた二次電子についても同様に、電子収集面10の電位をVS、噴射手段60の中で電子を加減速する電極のうち、最も高い電位をVmax、電子が放出される面(例えば二次電子増倍装置63の電位をVsecとした場合、電子の加速に使われる電圧(VS-Vsec)は、全印加電圧(Vmax-Vsec)の15%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましく、50%以上であることが更に好ましく、80%以上であることが最も好ましい。
なお、偏向手段65は、電子の飛行方向を偏向する電界または/および磁界を印加することにより、二次ゲート電極(二次電子引き出し兼加速電極)64から噴射された電子の飛行方向を偏向する機構である。偏向手段65Xは、X方向に電子の飛行方向を偏向する機構であり、偏向手段65Yは、Y方向に電子の飛行方向を偏向する機構である。
なお、噴射手段60は、図3,4に示す例に限られず、熱陰極電界放出電子源、冷陰極電界放出電子源、光電子放出電子源、ホローカソード電子源、またはマイクロ波放電型電子源などを用いることができる。
[具体例]
以下、本発明に係る人工物体の制御方法の具体例を示す。
(具体例1)
具体例1の条件は、以下に示す通りである。また、以下に示す条件に基づく値の算出は、本来は繰り返し計算となるが、電子収集面を含めて、衛星構体は宇宙空間(背景プラズマ)に対して+10Vになると仮定する。
・軌道高度:550km程度
・軌道速度:7.59km/s
・プラズマ密度:1E11/m3
・プラズマ温度:0.2eV
・中性大気密度:3.18E-13kg/m3
・衛星形状:10cm×10cm×10cm立方体(代表面積Sbody=0.01m2)、抗力係数2.5、質量1kg
・SAP形状:14cm×28cm×2cm×2枚(電子収集面積SSAP=0.1m2)、太陽電池面以外のSAP表面が電子を主に集めるとする。
・能動電子放出:6mA程度、300eV
衛星本体に生じる中性大気による抗力は、下記式(8),(9)となる。
(動圧)
(中性大気抗力)
また、衛星本体に生じるイオンによる抗力は、上記中性大気抗力と比較して2桁小さい。
そして、SAP面が単位時間に収集する電子数および電子電流は、上記式(9)より、下記式(10),(11)のように求められる。
(電子数)
(電子電流)
また、300eVのエネルギーでこの電子を放出する場合の、速度および単位時間当たりの運動量(推力)は、下記式(12),(13)のように求められる。
よって、その電子放出による推力は、
Figure 0007455439000014
この結果から、収集面積や加速電圧などの調整によって、大気抗力とほぼ拮抗できる推力を得ることができる。つまり、本発明に係る人工物体の制御方法によれば、推進剤を積載することなく、人工物体の軌道制御を行うことができるといえる。
(具体例2)
一方、具体例2の条件は、以下に示す通りである。また、以下に示す条件に基づく値の算出は、本来は繰り返し計算となるが、電子収集面を含めて、衛星構体は宇宙空間(背景プラズマ)に対して+30Vになると仮定する。
・軌道高度:700km程度
・軌道速度:7.50km/s
・プラズマ密度:5E10/m3
・プラズマ温度:0.2eV
・中性大気密度:3.61E-14kg/m3
・衛星形状:30cm×30cm×30cm立方体(代表面積Sbody=0.1m2)、抗力係数2.5、質量30kg
・SAP形状:50cm×150cm×2cm×2枚(電子収集面積SSAP=1.5m2)、太陽電池面以外のSAP表面が電子を主に集めるとする。
・能動電子放出:150mA程度、3000eV
この条件の場合、計算結果は以下となる。
・中性大気抗力:2.54E-7
・電子電流:136mA
・推力:2.51E-5
・1年あたりの総推力:791Ns
この結果から、収集面積や加速電圧などの調整によって、大気抗力とほぼ拮抗できる推力を得ることができる。また、30kgの衛星の軌道離脱(運用終了後に衛星同士の衝突の危険が無い安全な軌道へ移行するための軌道制御)には6000Ns程度の総推力が必要と考えられるが、1年あたりの総推力から7.5年程度で軌道離脱ができると推定される。つまり、本発明に係る人工物体の制御方法によれば、推進剤を積載することなく人工物体の軌道制御を行うことができるといえる。
なお、ここまで説明してきた方法に加えて、電子収集面で集めた電子を推進に利用する方法は、特許文献2、非特許文献3に記載されている電界放出推進機(FEEP)の性能改善に用いることができる。
すなわち、これまでの電界放出推進機では、溶融金属やイオン液体といった推進剤に正の大きな電圧を印加しで強電界で電離しつつ、正イオンとして加速噴射し、同時に人工物体の電気的中性を維持しつつ、イオンビームを中和するために、中和器とよばれる電子放出装置を用いて電子をイオンビームに混合して放出しなければならなかった。しかし、制御装置1a(図9参照)のような構成とすれば、電圧印加手段50により負の大きな電圧を印加して強電界で電離しつつ、噴射手段60a(推進機および推進剤)により負イオンNとして加速噴射し、この負イオンNが必要とする負電荷を電子収集面10で電子として集めれば、人工物体の電気的中性を維持できる。
この方法によって、中和器や中和器を作動させるための電源を減らして推進機の機構を大幅に簡素化・軽量化できる。なお、電界放出推進機では本質的にイオンビームの電荷密度が低いため、電流量の調整などで、先行するイオンが後続のイオンの進行を妨げることを防ぐことができる。
以上のように説明した人工物体の制御方法および人工物体の制御装置は、本発明に係る人工物体の制御方法および人工物体の制御装置を例示するものであり、本発明の趣旨を逸脱しない限り、本発明の構成は例示したものに限定されない。
本発明に係る人工物体の制御方法、人工物体の制御装置およびこれを備えた人工物体は、特別な推進剤が不要であり、かつ高い自由度で人工物体を制御することができるため、様々な人工物体に利用することができ、産業上有用である。
1,1a 人工物体の制御装置
10 電子収集面
20 電力供給デバイス
30 蓄電手段
40 メイン制御機能
50 電圧印加手段
51 電子引き出し兼加速電源
60 噴射手段
60a 噴射手段(推進機および推進剤)
61 電界放出カソード
62 ゲート電極(電子引き出し電極兼加速電極)
62a 一次電子ゲート電極(一次電子引き出し電極兼加速電極)
63 二次電子増倍装置
64 二次ゲート電極(二次電子引き出し兼加速電極)
65,65X,65Y 偏向手段
100 人工物体
E 人工物体近傍の宇宙空間に存在する電子
E2 噴射された電子
N 噴射された負イオン

Claims (8)

  1. 宇宙空間の地球を含む惑星または衛星の近傍にある人工物体を制御する制御方法であり、
    電子を加速噴射して、前記人工物体の電位を、電子の放出が無い状態よりも上昇させ、
    前記人工物体近傍に存在する電子の取り込みを、電子の放出が無い状態よりも促進させ
    取り込んだ電子を加速噴射して、
    加速噴射した電子に与えた運動量に応じて生じる反作用により前記人工物体の運動量または/および角運動量を変化させる制御方法。
  2. 前記人工物体近傍の宇宙空間に存在する電子を取り込む電子収集面の電位をVS
    取り込まれた電子を静電力によって加速する噴射手段の中で最も高い電位をVmax
    加速された電子が噴射される面の電位をVemit
    とした場合、電子の加速に使われる電圧(VS-Vemit)が、全印加電圧(Vmax-Vemit)の15%以上である請求項1に記載の制御方法。
  3. 取り込んだ電子を、熱電子放出型電子源、電界放出型電子源、光電子放出電子源のうちいずれか1つを用いて加速噴射する、
    または、これらのうちいずれか1つを用いて加速噴射された電子を一次電子として、二次電子による増倍効果を用いて電子を加速噴射する請求項1または2に記載の制御方法。
  4. 取り込んだ電子に対して、当該電子の飛行方向を偏向する電界または/および磁界を印加することにより、前記人工物体の推力ベクトルを調整する請求項1または2に記載の制御方法。
  5. 宇宙空間にある人工物体を制御する制御装置であり、
    電子を噴射する噴射手段であって、電子を噴射することにより前記人工物体の電位を電子の放出が無い状態よりも上昇させる噴射手段と、
    前記宇宙空間の地球を含む惑星または衛星の近傍に存在する電子であって、かつ前記人工物体近傍に存在する電子を取り込む電子収集面と、
    前記電子収集面により取り込まれた電子に静電ポテンシャルエネルギーを与える電圧印加手段と、
    を有し、
    前記噴射手段は、前記人工物体の電位を電子の放出が無い状態よりも上昇させることで、前記電子収集面の電子の取り込みを、電子の放出が無い状態よりも促進させるものであり、
    前記電子収集面、前記電圧印加手段および前記噴射手段を用いて、取り込み加速噴射した電子に与えた運動量に応じて生じる反作用により、前記人工物体の運動量または/および角運動量を変化させる制御装置。
  6. 前記噴射手段は、電子の飛行方向を偏向する電界または/および磁界を印加することにより、噴射された電子の飛行方向を偏向する偏向手段を含む請求項5に記載の制御装置。
  7. 請求項5または6に記載の制御装置を備えた人工物体。
  8. 請求項5または6に記載の制御装置を1以上備えた人工物体であり、
    当該1以上の制御装置により、当該人工物体の質量1kgあたりで5E-9N以上の推力を発生し得る、
    または、当該1以上の制御装置により、当該人工物体の主慣性モーメントの3成分のいずれかについて、1kgm2あたりで5E-10Nm以上のトルクを発生し得る人工物体。
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