JP7453843B2 - 極性基含有オレフィン共重合体及びその製造方法 - Google Patents

極性基含有オレフィン共重合体及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、極性基含有オレフィン共重合体及びその製造方法に関する。特に、オキセタニル基及び極性基を含有する直鎖状のオレフィン共重合体及びその製造方法に関する。
モノマー単位が多数連なった構造を有する高分子は、モノマー単位単独では得られない物性を有し、また使用するモノマーの選択、設計によって物性のコントロールが可能なことから、長らく広範にわたって開発が進められている材料である。ポリエステルは、剛性、耐薬品性に優れた性能を示す樹脂の素材として、シートや機械部品等に用いられている、有用な材料の一つである(特許文献1、2)。ポリエステル樹脂は、優れた剛性や耐薬品性がある一方で、重合体主鎖にエステル結合を有しているため、高温高湿条件下では、加水分解が生じる。これにより低分子量化が進行し、耐衝撃性、引張物性等が経時的に低下するという問題がある。特許文献1、2では耐加水分解性をポリエステルに与えるための技術が検討されているが、混錬作業が必要となってくる等、煩雑な作業が多い。
一方、ポリエステルと同様に耐薬品性等を有する材料として、環状エーテル基であるエポキシドを導入した高分子材料が知られている。エポキシドを有する高分子材料は耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性等に優れ、3員環でひずみの大きい構造に起因して多様な反応性を示すなど有用な面もあるが、反応性が高いため、保存安定性に問題を抱えている。そこで、より安定な環状エーテル基である、4員環のオキセタンに代替することが知られている(特許文献3、4)。
特許第4404524号公報 特開2019-183033号公報 特開平11-63381号公報 特許第4643295号公報
耐薬品性を導入する方法としてのオキセタンは、エステルと比べて加水分解されにくい点で有利ではあるが、オキセタン環を導入する高分子を開示する特許文献3では、機械的物性についての開示は何らなされていない。また、特許文献4では分子骨格にエステル結合を有する点は変わらないため、耐加水分解性の抜本的な解決とはなっていない。さらに、特許文献4記載の物質はオキセタン環を高分子主鎖に導入する特殊な構造であるため、分子設計の自由度が低く、安価な高分子の合成には不向きであるという問題を有している。
ポリマーの設計における自由度、合成の簡便さを高めるための手法の一つとして、ポリマーの側鎖となる部分に所望の物性をもたらす構造を有するモノマーを選択する方法が採られている。例えばエチレンと不飽和カルボン酸等の官能基を有するオレフィンとの共重合が知られている。しかしながら、この方法で一般に用いられる高圧ラジカル重合法は、比較的極性基含有モノマーの種類を選ばずに安価に重合可能であるという利点があるものの、得られた極性基含有オレフィン共重合体の分子構造は、多くの長鎖分岐及び短鎖分岐を不規則に有する構造である。例えば単純なポリエチレンでも分岐状のポリエチレンより直鎖状のポリエチレンの方が強度の面では有利であることが知られており、高圧ラジカル重合法で得られたオレフィン系樹脂では、ポリエステル樹脂では得られていた剛性等、強度の面では不十分という欠点がある。
高圧ラジカル重合法によって得られる極性基含有オレフィン共重合体の欠点を改良する為、分子構造が直鎖状の極性基含有オレフィン共重合体を、触媒を用いて重合する方法が模索されてきた。しかし、極性基含有モノマーは一般的に触媒毒となるため、触媒を用いた重合が難しい。それ故、工業的に安価で、かつ、安定的な方法によって所望の物性を有する極性基含有オレフィン共重合体を得ることは困難であった。
このように、高分子の設計には、方法の簡便さ、設計の自由度、各種物性等、製造の場面から実用的な観点において様々な要求が存在する。しかしながら、複数の物性や製造における実用性の間でこれらの要素がトレードオフの関係にあることが多く、この点の解決が望まれていた。そこで、本発明は、ポリエステル樹脂より高い耐加水分解性を有し、かつ強度にも優れた樹脂を提供することを目的とする。
近年、本願出願人等により開発された新触媒及び新製造方法を用いることにより、分子構造が実質的に直鎖状の極性基含有オレフィン共重合体を、工業的に安価で、かつ、安定的に得る方法が提案された。本発明者らは、当該新触媒を用いた設計を鋭意検討したところ、オキセタニル基を有するモノマーを利用して実質的に直鎖状である共重合体を得ることに成功し、本発明に至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、エチレン及び/又は炭素数3~20のα-オレフィンに由来する構造単位(A)と、
下記一般式(1):
Figure 0007453843000001

[式中、
Zは、非置換であるか、又は水酸基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数2~10のエステル基、炭素数3~18の置換シリル基若しくはハロゲン原子で置換された、炭素数1~20の直鎖状、分岐鎖状若しくは環状の二価の炭化水素基を表し、該炭化水素基の炭素鎖は、場合により酸素原子、硫黄原子又は基-NR-(ここで、Rは水素原子又は炭素数1~10の炭化水素基を表す)で1回以上中断されていてもよく、該炭化水素基は、オキセタニル基に結合する酸素原子、硫黄原子又は基-NR-を有していてもよく、
Tは、水素原子、又は炭素数1~20の直鎖状、分岐鎖状若しくは環状の炭化水素基を表す]
で表されるアクリレートに由来する構造単位(B)を有し、示差走査熱量測定(DSC)により観測される融点(Tm、℃)と、該構造単位(B)の含有量[Y](mol%)とが下記式(I):
-3.74×[Y]+113.5<Tm (I)
を満たすことを特徴とする、極性基含有オレフィン共重合体が提供される。
また、第二の発明によれば、第一の発明において、さらに、示差走査熱量測定(DSC)により観測される融点(Tm、℃)と、該構造単位(B)の含有量[Y](mol%)とが下記式(II)を満たすことを特徴とする、極性基含有オレフィン共重合体が提供される。
-3.74×[Y]+113.5<Tm<-3.74×[Y]+130 (II)
第三の発明によれば、前記第一又は第二の発明において、13C-NMRにより算出されるメチル分岐数が、炭素1,000個当たり50個以下であることを特徴とする、極性基含有オレフィン共重合体が提供される。
第四の発明によれば、前記第一~第三のいずれかの発明において、前記構造単位(B)を0.1~20.0mol%含むことを特徴とする、極性基含有オレフィン共重合体が提供される。
第五の発明によれば、前記第一~第四のいずれかの発明において、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)が1.5以上4.0以下であることを特徴とする、極性基含有オレフィン共重合体が提供される。
第六の発明によれば、前記第一~第五のいずれかの発明に係る極性基含有オレフィン共重合体の製造方法であって、後期遷移金属錯体触媒を用いることを特徴とする、極性基含有オレフィン共重合体の製造方法が提供される。
第七の発明によれば、前記第六の発明において、前記後期遷移金属錯体触媒が周期表第10族の遷移金属を含むことを特徴とする、極性基含有オレフィン共重合体の製造方法が提供される。
第八の発明によれば、前記第七の発明において、前記周期表第10族の遷移金属がニッケル又はパラジウムを含むことを特徴とする、極性基含有オレフィン共重合体の製造方法が提供される。
本発明によれば、第一の発明においては、耐加水分解性、剛性等の機械物性に優れた樹脂組成物が得られる。
第二の発明においては、共重合体のランダム性が高く、機械物性により優れた樹脂組成物が得られる。
第三の発明においては、共重合体の分子構造における直鎖性が高く、剛性等の面でより優れた樹脂組成物が得られる。
第四の発明においては、オキセタニル基の含有量が制御されていることで、透明性を維持しながら、耐熱性により優れた樹脂組成物が得られる。
第五の発明においては、共重合体の分子量分布パラメーターが制御されていることで、引張強さや耐衝撃性により優れた樹脂組成物が得られる。
第六の発明においては、前記第一~第五の発明に係る樹脂組成物が備えている、好適な物性をバランスよく備えた樹脂組成物の製造が可能となる。
第七又は八の発明においては、遷移金属触媒を用いることで、より簡便に、直鎖状の共重合体の製造が可能となる。
本発明の一態様は、エチレン及び/又は炭素数3~20のα-オレフィンに由来する構造単位(A)と、オキセタニル基を有するアクリレートに由来する構造単位(B)とを必須構成単位として含み、これらが実質的に直鎖状に共重合、好ましくはランダム共重合した共重合体(P)である。
以下、本発明の共重合体について、項目毎に詳細に説明する。なお、本明細書において、数値範囲を示す「~」とは、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。また、「炭化水素基」とは、炭素及び水素で構成される化学構造からなる基を意味し、アルキル等の脂肪族鎖状基、シクロアルキル等の脂環式基、ビニル、シクロオクタジエニル等の脂肪族不飽和基、アリール等の芳香族基を包含する。また、「ヘテロ原子」とは、具体的に例示して特定しない限り、炭素及び水素以外の元素、特に周期表15~17族に属する原子を意味する。
(1)構造単位(A)
本発明の極性基含有オレフィン共重合体を構成する構造単位(A)は、エチレン及び/又は炭素数3~20のα-オレフィンに由来する構造単位である。本発明に関わるα-オレフィンは構造式:CH=CHR18で表される、炭素数3~20のα-オレフィンである。ここで、R18は炭素数1~18の炭化水素基であり、直鎖構造であっても分岐を有していてもよい。α-オレフィンの炭素数は、より好ましくは、3~12である。
構造単位(A)の具体例として、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、3-メチル-1-ブテン、及び4-メチル-1-ペンテン等が挙げられ、エチレンであってもよい。エチレンとしては、石油原料由来の他、植物原料由来等の非石油原料由来のエチレンを用いることができる。
また、構造単位(A)は、一種類であってもよいし、複数種であってもよい。
二種の組み合わせとしては、エチレン-プロピレン、エチレン-1-ブテン、エチレン-1-ヘキセン、エチレン-1-オクテン、プロピレン-1-ブテン、プロピレン-1-ヘキセン、及びプロピレン-1-オクテン等が挙げられる。
三種の組み合わせとしては、エチレン-プロピレン-1-ブテン、エチレン-プロピレン-1-ヘキセン、エチレン-プロピレン-1-オクテン、プロピレン-1-ブテン-ヘキセン、及びプロピレン-1-ブテン-1-オクテン等が挙げられる。
構造単位(A)の由来となるオレフィンとしては、好ましくは、エチレンを必須で含み、必要に応じて1種以上の炭素数3~20のα-オレフィンをさらに含んでもよい。
構造単位(A)の由来となるオレフィン中のエチレンは、構造単位(A)の全molに対して、65~100mol%であってもよく、70~100mol%であってもよい。
(2)構造単位(B)
本発明の極性基含有オレフィン共重合体を構成する構造単位(B)は、下記一般式(1):
Figure 0007453843000002

[式中、
Zは、非置換であるか、又は水酸基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数2~10のエステル基、炭素数3~18の置換シリル基若しくはハロゲン原子で置換された、炭素数1~10の直鎖状、分岐鎖状若しくは環状の二価の炭化水素基を表し、該炭化水素基の炭素鎖は、場合により酸素原子、硫黄原子又は基-NR-(ここで、Rは水素原子又は炭素数1~10の炭化水素基を表す)で1回以上中断されていてもよく、該炭化水素基は、オキセタニル基に結合する酸素原子、硫黄原子又は基-NR-を有していてもよく、
Tは、水素原子、又は炭素数1~20の直鎖状若しくは分岐鎖状の炭化水素基を表す]
で表されるアクリレートに由来する構造単位である。上記構造単位に由来する、オキセタニル基を含有する構造を有することで、本発明の極性基含有オレフィン共重合体は、優れた剛性、耐薬品性等を備えることができる。
前記一般式(1)におけるZは、オキセタニル基とアクリル基とを連結するリンカーである。Zは、炭素数1~10の直鎖状、分岐鎖状若しくは環状の二価の炭化水素基を表す。該炭化水素基は、非置換であるか、又は水酸基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数2~10のエステル基、炭素数3~18の置換シリル基若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい。また、Zで表される炭化水素基の炭素鎖は、場合により酸素原子、硫黄原子又は基-NR-(ここで、Rは水素原子又は炭素数1~10の炭化水素基を表す)で1回以上中断されていてもよく、また該炭化水素基は、オキセタニル基に結合する酸素原子、硫黄原子又は基-NR-を有していてもよい。つまり、前記炭化水素基は、アクリル基のエステル結合に直接結合している部分を除く任意の位置に、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子から選択されるヘテロ原子を有していてもよい。
基Zの例としては、非置換の炭化水素として、メチレン(-CH-)、エチレン(-CHCH-)、1,3-プロピレン(-CHCHCH-)、1,4-ブチレン(-CHCHCHCH-)、1,5-ペンチレン(-CHCHCHCHCH-)、1,6-ヘキシレン(-CHCHCHCHCHCH-)、1-メチル-1,2-エチレン(-CH(CH)CH-)、2,2-ジメチル-1,3-プロピレン(-CHC(CHCH-)、3-メチル-1,5-ペンチレン(-CHCHCH(CH)CHCH-)、1,4-シクロヘキシレン、シクロヘキサン-1,4-ジメチレン(-CH-C10-CH-)等が挙げられる。置換基を有する炭化水素として、1-メトキシ-エチレン(-CH(OCH)CH-)、トリメチルシリルメチレン(-CH(Si(CH)-)、ジフルオロメチレン(-CF-)等が挙げられる。酸素、硫黄又は窒素からなるヘテロ原子を有する基として、-CHCHNHCHCH-、-CHCHOCHCH-、-CHCHOCHCHO-で示される基等が挙げられる。これらの中で、好ましい基としては、非置換の炭化水素基であり、特に好ましい基としては、メチレン又はエチレンである。
Tは、水素原子、又は炭素数1~20の直鎖状、分岐鎖状若しくは環状の炭化水素基を表す。炭化水素基の例としては、メチル基、エチル基、1-プロピル基、1-ブチル基、1-ペンチル基、1-ヘキシル基、1-ヘプチル基、1-オクチル基、1-ノニル基、1-デシル基、t-ブチル基、イソプロピル基、1-ジメチルプロピル基、1,1,2-トリメチルプロピル基、1,1-ジエチルプロピル基、イソブチル基、1,1-ジメチルブチル基、2-ペンチル基、3-ペンチル基、2-ヘキシル基、3-ヘキシル基、2-エチルヘキシル基、2-ヘプチル基、3-ヘプチル基、4-ヘプチル基、2-プロピルヘプチル基、2-オクチル基、3-ノニル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、メチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、トリシクロヘキシルメチル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基、1-アダマンチル基、2-アダマンチル基、エキソ-ノルボルニル基、エンド-ノルボルニル基、2-ビシクロ[2.2.2]オクチル基、ノピニル基、デカヒドロナフチル基、メンチル基、ネオメンチル基、ネオペンチル基、及び5-デシル基などである。これらの中で、好ましい基としては、エチル基、1-プロピル基、1-ブチル基、1-ペンチル基、1-ヘキシル基、1-ヘプチル基、1-オクチル基、1-ノニル基、1-デシル基である。特に好ましい置換基としては、エチル基又は1-プロピル基である。
一般式(1)で表されるアクリレートは、市販のものを用いることができる。市販されている化合物としては、アクリル酸(3-エチルオキセタン-3-イル)メチル、アクリル酸(3-メチルオキセタン-3-イル)メチル等が挙げられる。その他市販の原料を用いて、所望の構造を有するアクリレートを合成することができ、それらもまた用いることができる。また、1種類のみのアクリレートを単独で用いてもよいし、2種類以上のアクリレートを混合して用いてもよい。
(3)その他の構造単位(C)
本発明の共重合体(P)は、構造単位(A)及び構造単位(B)以外の構造単位(C)(以下、「任意のモノマー(C)」と表記することがある)を含んでいてもよい。構造単位(C)を与えるモノマーは、構造単位(A)及び構造単位(B)を与えるモノマーと同一でなければ、任意のモノマーを使用できる。構造単位(C)を与える任意のモノマーは、分子構造中に炭素-炭素二重結合を1つ以上有する化合物であれば限定されないが、例えば下記一般式(2)で表される非環状モノマーや下記一般式(3)で表される環状モノマーなどが挙げられる。
・非環状モノマー
Figure 0007453843000003

[一般式(2)中、T~Tはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1~20の炭化水素基、水酸基で置換された炭素数1~20の炭化水素基、炭素数1~20のアルコキシ基で置換された炭素数2~20の炭化水素基、炭素数2~20のエステル基で置換された炭素数3~20の炭化水素基、ハロゲン原子で置換された炭素数1~20の炭化水素基、炭素数1~20のアルコキシ基、炭素数6~20のアリール基、炭素数2~20のエステル基、炭素数炭素数3~20のシリル基、ハロゲン原子、又は、シアノ基からなる群より選択される置換基であり、
は、水酸基で置換された炭素数1~20の炭化水素基、炭素数1~20のアルコキシ基で置換された炭素数2~20の炭化水素基、炭素数2~20のエステル基で置換された炭素数3~20の炭化水素基、ハロゲン原子で置換された炭素数1~20の炭化水素基、炭素数1~20のアルコキシ基、炭素数6~20のアリール基、炭素数2~20のエステル基、炭素数炭素数3~20のシリル基、ハロゲン原子、又は、シアノ基からなる群より選択される置換基である。]
本発明の共重合体においては、T及びT2は水素原子であってもよく、Tは水素原子又はメチル基であってもよく、Tは炭素数2~20のエステル基であってもよい。
~Tに関する炭化水素基、置換アルコキシ基、置換エステル基、アルコキシ基、アリール基、エステル基、シリル基が有する炭素骨格は、分岐、環、及び/又は不飽和結合を有してもよい。
~Tに関する炭化水素基の炭素数は、下限値が1以上であればよく、上限値は20以下であればよく、10以下であってもよい。
~Tに関する置換アルコキシ基の炭素数は、下限値が1以上であればよく、上限値は20以下であればよく、10以下であってもよい。
~Tに関する置換エステル基の炭素数は、下限値が2以上であればよく、上限値は20以下であればよく、10以下であってもよい。
~Tに関するアルコキシ基の炭素数は、下限値が1以上であればよく、上限値は20以下であればよく、10以下であってもよい。
~Tに関するアリール基の炭素数は、下限値が6以上であればよく、上限値は20以下であればよく、11以下であってもよい。
~Tに関するエステル基の炭素数は、下限値が2以上であればよく、上限値は20以下であればよく、10以下であってもよい。
~Tに関するシリル基の炭素数は、下限値が3以上であればよく、上限値は18以下であればよく、12以下であってもよい。シリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリn-プロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、メチルジフェニルシリル基、及びトリフェニルシリル基等が挙げられる。
非環状モノマーとしては、具体的には、(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
本発明に関わる(メタ)アクリル酸エステルは、構造式:CH=C(R21)CO(R22)で表される化合物である。ここで、R21は、水素原子又は炭素数1~10の炭化水素基であり、分岐、環、及び/又は不飽和結合を有してもよい。R22は、炭素数1~20の炭化水素基であり、オキセタニル基を形成しないという条件下で分岐、環、及び/又は不飽和結合を有してもよく、R22内の任意の位置にヘテロ原子を含有してもよい。
(メタ)アクリル酸エステルとして、R21は、水素原子又は炭素数1~5の炭化水素基である(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。また、R21が水素原子であるアクリル酸エステル又はR21がメチル基であるメタクリル酸エステルが挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル等が挙げられる。
具体的な化合物として、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-ブチル(nBA)、アクリル酸イソブチル(iBA)、アクリル酸t-ブチル(tBA)、及びアクリル酸2-エチルヘキシル等が挙げられ、特にアクリル酸n-ブチル(nBA)、アクリル酸イソブチル(iBA)、及びアクリル酸t-ブチル(tBA)であってもよい。
なお、非環状モノマーは、一種類を用いてもよいし、複数種を用いてもよい。
・環状モノマー
Figure 0007453843000004

[一般式(3)中、R~R12は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、及び、炭素数1~20の炭化水素基からなる群より選ばれるものであり、R及びR10、並びに、R11及びR12は、各々一体化して2価の有機基を形成してもよく、R又はR10と、R11又はR12とは、互いに環を形成していてもよい。
また、nは、0又は正の整数を示し、nが2以上の場合には、R~Rは、それぞれの繰り返し単位の中で、それぞれ同一でも異なっていてもよい。]
環状モノマーとしては、ノルボルネン系オレフィン等が挙げられ、ノルボルネン、ビニルノルボルネン、エチリデンノルボルネン、ノルボルナジエン、テトラシクロドデセン、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ-1-エン、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ-3-エン、などの環状オレフィンの骨格を有する化合物等が挙げられ、2-ノルボルネン(NB)、及び、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ-4-エン等であってもよい。
(4)共重合体
本発明の極性基含有オレフィン共重合体(P)は、エチレン及び/又は炭素数3~20のα-オレフィンに由来する構造単位(A)と、前記一般式(1)で示されるアクリレートに由来する構造単位(B)とを必須構成単位として含み、これらが実質的に直鎖状に共重合、好ましくはランダム共重合していることを特徴とする。「実質的に直鎖状」とは、共重合体が分岐を有していないか又は分岐構造が現れる頻度が小さく、共重合体を直鎖状とみなしうる状態であることを指す。具体的には、共重合体の組成及び融点が前記式(I)を満足する状態であることを指す。
本発明の共重合体は、構造単位(A)及び構造単位(B)をそれぞれ1種類以上含有し、合計2種以上のモノマー単位を含むことが必要であり、その他の構造単位(C)を含んでいてもよい。
本発明に関わる共重合体の構造単位と構造単位量について説明する。
エチレン及び/又は炭素数3~20のα-オレフィン(A)、前記一般式(1)で示されるアクリレート(B)、及び任意のモノマー(C)それぞれ1分子に由来する構造を、共重合体中の1構造単位と定義する。
そして、共重合体中の構造単位全体を100mol%とした時に各構造単位の比率をmol%で表したものが構造単位量である。
・エチレン及び/又は炭素数3~20のα-オレフィン(A)の構造単位量:
本発明の共重合体における構造単位(A)の構造単位量は、下限が60.000mol%以上、好ましくは70.000mol%以上、より好ましくは80.000mol%以上、さらに好ましくは85.000mol%以上、さらにより好ましくは90.000mol%以上、特に好ましくは91.200mol%以上である。構造単位(A)の構造単位量の上限は99.900mol%以下、好ましくは99.750mol%以下、より好ましくは99.500mol%以下、さらに好ましくは99.400mol%以下、さらにより好ましくは96.900mol%以下、特に好ましくは96.500mol%以下から選択される。
エチレン及び/又は炭素数3~20のα-オレフィン(A)に由来する構造単位量が60.000mol%よりも少なければ共重合体の剛性が十分ではなく、99.750mol%よりも多ければ耐薬品性等の効果が不足する場合がある。
・一般式(1)で示されるアクリレート(B)に由来する構造単位量:
本発明の共重合体における構造単位(B)の構造単位量は、下限が0.1mol%以上であり、好ましくは0.25mol%以上、より好ましくは0.5mol%以上であり、さらに好ましくは0.6mol%以上である。構造単位(B)の上限は、20.0mol%以下、好ましくは15.0mol%以下、より好ましくは10.0mol%以下、さらに好ましくは8.0mol%以下、特に好ましくは5.4mol%以下から選択される。
一般式(1)で示されるアクリレート(B)に由来する構造単位量が0.25mol%よりも少なければ、耐薬品性等の効果が不足する場合があり、20.0mol%より多ければオレフィン共重合体の充分な機械物性が得られない場合がある。
・任意のモノマー(C)の構造単位量:
本発明に関わる構造単位(C)の構造単位量は、構造単位(C)が含まれる場合、下限が0.001mol%以上、好ましくは0.010mol%以上、より好ましくは0.020mol%以上、さらに好ましくは0.100mol%以上、さらにより好ましくは1.000mol%以上であり、特に好ましくは1.900mol%以上であり、上限が20.000mol%以下、好ましくは15.000mol%以下、より好ましくは10.000mol%以下、さらに好ましくは5.000mol%以下、特に好ましくは3.600mol%以下から選択される。
更に、用いられる任意のモノマーは単独でもよく、2種類以上を合わせて用いてもよい。
・共重合体の炭素1,000個当たりの分岐数:
ポリオレフィンの分子構造には、メチル、エチル、ブチルなど炭素数1~4程度の短い炭素鎖が、分岐として現れることがある。本発明の共重合体は、分岐を有していないか又は分岐構造が現れる頻度が小さく、直鎖状とみなしうる構造を有する。
共重合体においては、弾性率を高くし、充分な機械物性を得る点から、13C-NMRにより算出されるメチル分岐数が、炭素1,000個当たり、上限が50個以下であってもよく、5.0個以下であってもよく、3.0個以下であってもよく、1.0個以下であってもよく、0.5個以下であってもよい。メチル分岐数の下限は、特に限定されず、少なければ少ないほどよい。またエチル分岐数が炭素1,000個当たり、上限が3.0個以下であってもよく、2.0個以下であってもよく、1.0個以下であってもよく、0.5個以下であってもよい。エチル分岐数の下限は、特に限定されず、少なければ少ないほどよい。さらにブチル分岐数が炭素1,000個当たり、上限が7.0個以下であってもよく、5.0個以下であってもよく、3.0個以下であってもよく、0.5個以下であってもよい。ブチル分岐数の下限は、特に限定されず、少なければ少ないほどよい。
共重合体中の各構造単位、及び分岐数の測定方法:
本発明の共重合体中の各構造単位、炭素1,000個当たりの分岐数は13C-NMRスペクトルを用いて求められる。13C-NMRは以下の方法によって測定する。
試料200~300mgをo-ジクロロベンゼン(CCl)と重水素化臭化ベンゼン(CBr)の混合溶媒(CCl/CBr=2/1(体積比))2.4ml及び化学シフトの基準物質であるヘキサメチルジシロキサンと共に内径10mmφのNMR試料管に入れて窒素置換した後封管し、加熱溶解して均一な溶液としてNMR測定試料とする。
NMR測定は10mmφのクライオプローブを装着したブルカー・ジャパン(株)のAV400M型NMR装置を用いて120℃で行う。
13C-NMRは、試料の温度120℃、パルス角を90°、パルス間隔を51.5秒、積算回数を512回以上、逆ゲートデカップリング法で測定する。
化学シフトはヘキサメチルジシロキサンの13Cシグナルを1.98ppmに設定し、他の13Cによるシグナルの化学シフトはこれを基準とする。
得られた13C-NMRにおいて、共重合体が有するモノマー又は分岐に特有のシグナルを同定し、その強度を比較することで、共重合体中の各モノマーの構造単位量、及び分岐数を解析することができる。モノマー又は分岐に特有のシグナルの位置は公知の資料を参照することもできるし、試料に応じて独自に同定することもできる。このような解析手法は、当業者にとって一般的に行いうるものである。
・重量平均分子量(Mw)と分子量分布(Mw/Mn):
本発明の共重合体の重量平均分子量(Mw)は、下限が通常1,000以上であり、好ましくは6,000以上であり、上限が通常2,000,000以下であり、好ましくは1,500,000以下であり、更に好ましくは1,000,000以下であり、特に好適なのは800,000以下であり、最も好ましくは56,000以下である。
Mwが1,000未満では共重合体の機械的強度や耐衝撃性などの物性が充分ではなく、Mwが2,000,000を超えると共重合体の溶融粘度が非常に高くなり、共重合体の成形加工が困難となる場合がある。
本発明の共重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は、通常1.5~4.0、好ましくは1.6~3.5、更に好ましくは1.9~2.3の範囲である。Mw/Mnが1.5未満では共重合体の成形を始めとして各種加工性が充分でなく、4.0を超えると共重合体の機械物性が劣るものとなる場合がある。また、(Mw/Mn)を分子量分布パラメーターと表現することがある。
本発明に関わる重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)はゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)によって求められる。また、分子量分布パラメーター(Mw/Mn)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)によって、更に数平均分子量(Mn)を求め、MwとMnの比、Mw/Mnを算出するものである。
GPCの測定方法の一例は以下の通りである。
(測定条件)
使用機種:ウォーターズ社製150C
検出器:FOXBORO社製MIRAN1A・IR検出器(測定波長:3.42μm)
測定温度:140℃
溶媒:オルトジクロロベンゼン(ODCB)
カラム:昭和電工社製AD806M/S(3本)
流速:1.0mL/分
注入量:0.2mL
(試料の調製)
試料はODCB(0.5mg/mLのBHT(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール)を含む)を用いて1mg/mLの溶液を調製し、140℃で約1時間を要して溶解させる。
(分子量(M)の算出)
標準ポリスチレン法により行い、保持容量から分子量への換算は、予め作成しておいた標準ポリスチレンによる検量線を用いて行う。使用する標準ポリスチレンは何れも東ソー社製の、(F380、F288、F128、F80、F40、F20、F10、F4、F1、A5000、A2500、A1000)の銘柄である。各々が0.5mg/mLとなるようにODCB(0.5mg/mLのBHTを含む)に溶解した溶液を0.2mL注入して較正曲線を作成する。較正曲線は最小二乗法で近似して得られる三次式を用いる。分子量(M)への換算に使用する粘度式[η]=K×Mαは以下の数値を用いる。
ポリスチレン(PS):K=1.38×10-4、α=0.7
ポリエチレン(PE):K=3.92×10-4、α=0.733
ポリプロピレン(PP):K=1.03×10-4、α=0.78
・融点(Tm、℃):
本発明の共重合体の融点は、示差走査型熱量計(DSC)により測定した吸熱曲線の最大ピーク温度によって示される。最大ピーク温度とは、DSC測定において、縦軸に熱流(mW)、横軸に温度(℃)をとった際に得られる吸熱曲線に複数ピークが示された場合、そのうちベースラインからの高さが最大であるピークの温度の事を示し、ピークが1つだった場合には、そのピークの温度の事を示している。
融点は50℃~140℃であることが好ましく、60℃~138℃であることが更に好ましく、70℃~135℃が最も好ましい。この範囲より低ければ耐熱性が充分ではなく、この範囲より高い場合は剛性が劣るものとなる場合がある。
共重合体の融点は、例えば、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製のDSC(DSC7020)を使用し、試料約5.0mgをアルミパンに詰め、10℃/分で200℃まで昇温し、200℃で5分間等温保持後、10℃/分で20℃まで降温し、20℃で5分間等温保持後、再度、10℃/分で200℃まで昇温させる際の吸収曲線より求めることができる。
・結晶化度(%):
本発明の共重合体においては、示差走査熱量測定(DSC)により観測される結晶化度は、特に限定されないが、0%を超えていることが好ましい。5%を超えていることがより好ましく、7%以上であることが更に好ましい。結晶化度が0%であると共重合体の靱性が充分とはならなくなる場合がある。また、結晶化度は透明性の指標となり、共重合体の結晶化度が低くなればなるほど、その透明性が優れると判断することができる。透明性が要求される用途においては、共重合体の結晶化度は、30%以下であることが好ましく、25%以下であることが更に好ましく、25%以下であることが特に好ましく、24%以下であることが最も好ましい。
共重合体の結晶化度は、例えば、上記融点の測定と同じ手順でのDSC測定により得られる融解吸熱ピーク面積から融解熱(ΔH)を求め、その融解熱を高密度ポリエチレン(HDPE)の完全結晶の融解熱293J/gで除することにより求めることができる。
・共重合体の分子構造:
本発明に関わる共重合体の分子鎖末端は、エチレン及び/又は炭素数3~20のα-オレフィンの構造単位(A)であってもよく、前記一般式(1)で示されるアクリレートの構造単位(B)であってもよく、場合により含まれる任意のモノマーの構造単位(C)であってもよい。
また、本発明の共重合体は、エチレン及び/又は炭素数3~20のα-オレフィンの構造単位(A)、前記一般式(1)で示されるアクリレートの構造単位(B)、及び任意のモノマーの構造単位(C)のランダム共重合体、ブロック共重合体、並びにグラフト共重合体等が挙げられる。これらの中では、構造単位(B)を多く含むことが可能なランダム共重合体であってもよい。
一般的な三元系の共重合体の分子構造例(1)を下記に示す。なお、場合により含まれる任意のモノマーの構造単位(C)を含まない、二元系の共重合体の場合、下記式から「C」を除くことで表現することができる。
ランダム共重合体とは、下記に示した分子構造例(1)のエチレン及び/又は炭素数3~20のα-オレフィンの構造単位(A)と一般式(1)で示されるアクリレートの構造単位(B)と任意のモノマーの構造単位(C)とが、ある任意の分子鎖中の位置においてそれぞれの構造単位を見出す確率が、その隣接する構造単位の種類と無関係な共重合体である。
下記のように、共重合体の分子構造例(1)は、エチレン及び/又は炭素数3~20のα-オレフィンの構造単位(A)と前記一般式(1)で示されるアクリレートの構造単位(B)と任意のモノマーの構造単位(C)とが、ランダム共重合体を形成している。
Figure 0007453843000005
なお、グラフト変性によって一般式(1)で示されるアクリレートの構造単位(B)を導入した共重合体の分子構造例(2)も参考に掲載すると、エチレン及び/又は炭素数3~20のα-オレフィンの構造単位(A)及び場合により任意のモノマーの構造単位(C)とが共重合された重合体又は共重合体の一部が、一般式(1)で示されるアクリレートの構造単位(B)にグラフト変性される。
Figure 0007453843000006
また、共重合体におけるランダム共重合性は種々の方法により確認することが可能であるが、共重合体のコモノマー含量と融点との関係からランダム共重合性を判別する手法が「特開2015-163691号公報」及び「特開2016-079408」に詳しく述べられている。上記文献から共重合体の融点(Tm、℃)が-3.74×[Z]+130(ここで、[Z]はコモノマー含量/mol%である)よりも高い場合はランダム性が低いと判断することができる。
ランダム共重合体である本発明に関わる共重合体は示差走査熱量測定(DSC)により観測される融点(Tm、℃)と、一般式(1)で示されるアクリレートの構造単位(B)及び任意のモノマーの構造単位(C)の合計の含有量[Z](mol%)とが下記の式(I’)を満たすことが好ましい。
50<Tm<-3.74×[Z]+130・・・(I’)
共重合体の融点(Tm、℃)が-3.74×[Z]+130(℃)よりも高い場合はランダム共重合性が低い為、衝撃強度など機械物性が劣り、融点が50℃よりも低い場合は耐熱性が劣る場合がある。
さらに本発明に関わる共重合体は、その分子構造を直鎖状とする観点から、遷移金属触媒の存在下で製造されたものであることが好ましい。
なお、高圧ラジカル重合法プロセスによる重合、金属触媒を用いた重合など、製造方法によって共重合体の分子構造は異なることが知られている。
この分子構造の違いは製造方法を選択する事によって制御が可能であるが、前記式のように、共重合体の組成と融点との関係式から、おおよその分子構造を推定することができる。具体的には、示差走査熱量測定(DSC)により観測される融点(Tm、℃)と、該構造単位(B)の含有量[Y](mol%)とが下記式(I)
-3.74×[Y]+113.5<Tm (I)
を満たしていると、共重合体は直鎖状であると判断される。ランダム性に関する前記式(I’)と合わせると、本発明の共重合体においては、融点(Tm、℃)と、該構造単位(B)の含有量[Y](mol%)とが下記式(II)を満足することが好ましい。
-3.74×[Y]+113.5<Tm<-3.74×[Y]+130 (II)
共重合体中の構造単位(B)の含有量及び融点が上記式(II)を満足する関係にあれば、共重合体は実質的に直鎖状でありかつランダム共重合体であり、剛性等所望の性質をよりバランスよく備えることができる。
(5)オレフィン共重合体の製造
本発明の極性基含有共重合体は、エチレン及び/又は炭素数3~20のα-オレフィンと、一般式(1)で示されるアクリレートと、場合によりその他任意のモノマーとを、遷移金属触媒を用いて共重合させることによって得られる。特に、共重合体の分子構造を直鎖状とする観点から、後期遷移金属触媒の存在下で製造されたものであることが好ましい。したがって本発明の一つの態様は、後期遷移金属錯体触媒を用いることを特徴とする、前記極性基含有オレフィン共重合体の製造方法である。
・オレフィン共重合体の重合触媒
本発明に関わる重合触媒の種類は、エチレン及び/又は炭素数3~20のα-オレフィンと、一般式(1)で示されるアクリレートとを共重合することが可能なものであれば特に限定されないが、例えば、ポストメタロセン触媒として知られている、キレート性配位子を有する第5~11族の遷移金属化合物を触媒として用いて重合する方法が好ましい。
好ましい遷移金属の具体例としては、バナジウム原子、ニオビウム原子、タンタル原子、クロム原子、モリブデン原子、タングステン原子、マンガン原子、鉄原子、白金原子、ルテニウム原子、コバルト原子、ロジウム原子、ニッケル原子、パラジウム原子、銅原子などが挙げられる。これらの中で好ましくは、第8~11族の遷移金属であり、さらに好ましくは第10族の遷移金属であり、特に好ましくはニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)である。これらの金属は、単一であっても複数を併用してもよい。
キレート性配位子は、P、N、O、及びSからなる群より選択される少なくとも2個の原子を有しており、二座配位(bidentate)又は多座配位(multidentate)であるリガンドを含み、電子的に中性又は陰イオン性である。Brookhartらによる総説に、キレート性配位子の構造が例示されている(Chem.Rev.,2000,100,1169)。
キレート性配位子としては、好ましくは、二座アニオン性P、O配位子が挙げられる。二座アニオン性P、O配位子として例えば、リンスルホン酸、リンカルボン酸、リンフェノール、リンエノラートが挙げられる。キレート性配位子としては、他に、二座アニオン性N、O配位子が挙げられる。二座アニオン性N、O配位子として例えば、サリチルアルドイミナ-トやピリジンカルボン酸が挙げられる。キレート性配位子としては、他に、ジイミン配位子、ジフェノキサイド配位子、及びジアミド配位子等が挙げられる。
キレート性配位子から得られる金属錯体の構造は、置換基を有してもよいアリールホスフィン化合物、アリールアルシン化合物又はアリールアンチモン化合物が配位した下記構造式(c1)又は(c2)で表される。
Figure 0007453843000007
Figure 0007453843000008
[構造式(c1)、及び構造式(c2)において、
Mは、元素の周期表の第5~11族のいずれかに属する遷移金属原子、即ち前述したような種々の遷移金属原子を表す。
は、酸素原子、硫黄原子、-SO-、又は-CO-を表す。
は、炭素原子又はケイ素原子を表す。
nは、0又は1の整数を表す。
は、リン原子、砒素原子又はアンチモン原子を表す。
53及びR54は、それぞれ独立に、水素又は炭素数1ないし30のヘテロ原子を含有してもよい炭化水素基を表す。
55は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1ないし30のヘテロ原子を含有してもよい炭化水素基を表す。
56及びR57は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、炭素数1ないし30のヘテロ原子を含有してもよい炭化水素基、OR52、CO52、COM’、C(O)N(R51、C(O)R52、SR52、SO52、SOR52、OSO52、P(O)(OR522-y(R51、CN、NHR52、N(R52、Si(OR513-x(R51、OSi(OR513-x(R51、NO、SOM’、POM’、P(O)(OR52M’又はエポキシ含有基を表す。
51は、水素原子又は炭素数1ないし20の炭化水素基を表す。
52は、炭素数1ないし20の炭化水素基を表す。
M’は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、4級アンモニウム又はフォスフォニウムを表し、xは、0から3までの整数、yは、0から2までの整数を表す。
なお、R56とR57が互いに連結し、脂環式環、芳香族環、又は酸素原子、窒素原子、若しくは硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を含有する複素環を形成してもよい。この時、環員数は5~8であり、該環上に置換基を有していても、有していなくてもよい。
は、Mに配位したリガンドを表す。
また、R53とLが互いに結合して環を形成してもよい。]
より好ましくは、重合触媒となる錯体は、下記構造式(c3)で表される遷移金属錯体である。
Figure 0007453843000009
[構造式(c3)において、
Mは、元素の周期表の第5~11族のいずれかに属する遷移金属原子、即ち前述したような種々の遷移金属原子を表す。
は、酸素原子、硫黄原子、-SO-、又は-CO-を表す。
は、炭素原子又はケイ素原子を表す。
nは、0又は1の整数を表す。
は、リン原子、砒素原子又はアンチモン原子を表す。
53及びR54は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1ないし30のヘテロ原子を含有してもよい炭化水素基を表す。
55は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1ないし30のヘテロ原子を含有してもよい炭化水素基を表す。
58、R59、R60及びR61は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1ないし30のヘテロ原子を含有してもよい炭化水素基、OR52、CO52、COM’、C(O)N(R51、C(O)R52、SR52、SO52、SOR52、OSO52、P(O)(OR522-y(R51、CN、NHR52、N(R52、Si(OR513-x(R51、OSi(OR513-x(R51、NO、SOM’、POM’、P(O)(OR52M’又はエポキシ含有基を表す。
51は、水素原子又は炭素数1ないし20の炭化水素基を表す。
52は、炭素数1ないし20の炭化水素基を表す。
M’は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、4級アンモニウム又はフォスフォニウムを表し、xは、0から3までの整数、yは、0から2までの整数を表す。
なお、R58~R61から適宜選択された複数の基が互いに連結し、脂環式環、芳香族環、又は酸素原子、窒素原子、若しくは硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を含有する複素環を形成してもよい。この時、環員数は5~8であり、該環上に置換基を有していても、有していなくてもよい。
は、Mに配位したリガンドを表す。
また、R53とLが互いに結合して環を形成してもよい。]
ここで、キレート性配位子を有する第5~11族の遷移金属化合物の触媒としては、代表的に、いわゆる、SHOP系触媒及びDrent系触媒等の触媒が知られている。
SHOP系触媒は、置換基を有してもよいアリール基を有するリン系リガンドがニッケル金属に配位した触媒である(例えば、WO2010-050256号公報を参照)。
また、Drent系触媒は、置換基を有してもよいアリール基を有するリン系リガンドがパラジウム金属に配位した触媒である(例えば、特開2010-202647号公報を参照)。
金属触媒は、必要により、活性化剤、担体などを併用することができる。上記活性化剤としては、通常のメタロセン触媒で使用される助触媒であるアルキルアルモキサンやホウ素含有化合物が例示される。遷移金属錯体は、必要により、活性化剤、担体などを併用することができる。
また、担体としては、任意の担体を用いることができる。一般に、無機酸化物やポリマー担体が好適に使用できる。無機酸化物としては具体的には、SiO、Al、MgO、ZrO、TiO、B、CaO、ZnO、BaO、ThOなど又はこれらの混合物が挙げられ、SiO-Al、SiO-V、SiO-TiO、SiO-MgO、SiO-Crなどの混合酸化物、無機ケイ酸塩も使用することができる。ポリマー担体としてはポリエチレン担体、ポリプロピレン担体、ポリスチレン担体、ポリアクリル酸担体、ポリメタクリル酸担体、ポリアクリル酸エステル担体、ポリエステル担体、ポリアミド担体、ポリイミド担体などが使用可能である。これらの担体については、粒径、粒径分布、細孔容積、比表面積などに特に制限はなく、任意のものが使用可能である。
上記無機ケイ酸塩としては、シリカ、アルミナ、粘土、粘土鉱物、ゼオライト、珪藻土などが使用可能である。これらは、合成品を用いてもよいし、天然に産出する鉱物を用いてもよい。
粘土、粘土鉱物の具体例としては、アロフェンなどのアロフェン族、ディッカイト、ナクライト、カオリナイト、アノーキサイトなどのカオリン族、メタハロイサイト、ハロイサイトなどのハロイサイト族、クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライトなどの蛇紋石族、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライトなどのスメクタイト族、バーミキュライトなどのバーミキュライト鉱物、イライト、セリサイト、海緑石などの雲母鉱物、アタパルジャイト、セピオライト、パイゴルスカイト、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、ヒシンゲル石、パイロフィライト、リョクデイ石群などが挙げられる。これらは混合層を形成していてもよい。人工合成物としては、合成雲母、合成ヘクトライト、合成サポナイト、合成テニオライトなどが挙げられる。
これら具体例のうち好ましくは、ディッカイト、ナクライト、カオリナイト、アノーキサイトなどのカオリン族、メタハロサイト、ハロサイトなどのハロサイト族、クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライトなどの蛇紋石族、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライトなどのスメクタイト族、バーミキュライトなどのバーミキュライト鉱物、イライト、セリサイト、海緑石などの雲母鉱物、合成雲母、合成ヘクトライト、合成サポナイト、合成テニオライトが挙げられ、特に好ましくはモンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライトなどのスメクタイト族、バーミキュライトなどのバーミキュライト鉱物、合成雲母、合成ヘクトライト、合成サポナイト、合成テニオライトが挙げられる。
これらの担体は、そのまま用いてもよいが、塩酸、硝酸、硫酸などによる酸処理及び/又は、LiCl、NaCl、KCl、CaCl、MgCl、LiSO、MgSO、ZnSO、Ti(SO、Zr(SO、Al(SOなどの塩類処理を行なってもよい。該処理において、対応する酸と塩基を混合して反応系内で塩を生成させて処理を行なってもよい。また、粉砕や造粒などの形状制御や乾燥処理を行なってもよい。
本発明の共重合体の製造方法において、重合形式に特に制限はない。媒体中で少なくとも一部の生成重合体がスラリーとなるスラリー重合、液化したモノマー自身を媒体とするバルク重合、気化したモノマー中で行なう気相重合、又は高温高圧で液化したモノマーに生成重合体の少なくとも一部が溶解する高圧イオン重合などが好ましく用いられる。
また、バッチ重合、セミバッチ重合、連続重合のいずれの形式でもよい。リビング重合であってもよいし、連鎖移動を併発しながら重合を行なってもよい。
共重合温度、共重合圧力及び共重合時間に特に制限はないが、通常は、以下の範囲から生産性やプロセスの能力を考慮して、最適な設定を行なうことができる。即ち、共重合温度は、通常-20℃~290℃、好ましくは0℃~250℃、共重合圧力は、0.1MPa~100MPa、好ましくは、0.3MPa~90MPa、共重合時間は、0.1分~10時間、好ましくは、0.5分~7時間、更に好ましくは1分~6時間の範囲から選ぶことができる。
共重合は、一般に不活性ガス雰囲気下で行なわれる。例えば、窒素、アルゴン、二酸化炭素雰囲気が使用でき、窒素雰囲気が好ましく使用される。なお、少量の酸素や空気の混入があってもよい。
共重合反応器への触媒とモノマーの供給方式は、特に制限はなく、目的に応じてさまざまな方式をとることができる。例えば、バッチ重合の場合、予め所定量のモノマーを共重合反応器に供給しておき、周期表1、2、12又は13族の金属元素を含有する少量の有機金属化合物を添加し、その後、触媒を供給し共重合する手法をとることが可能である。有機金属化合物としては、トリ-n-ブチルアルミニウム、トリ-n-ヘキシルアルミニウム、トリ-n-オクチルアルミニウム、トリ-n-デシルアルミニウム等のアルキルアルミニウム類、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムエトキシド等のアルキルアルミニウムハライド類が挙げられ、好ましくはトリアルキルアルミニウムが選択される。追加のモノマーや追加の触媒を共重合反応器に供給してもよい。また、連続重合の場合、所定量のモノマーと触媒を共重合反応器に連続的に、又は間欠的に供給し、共重合反応を連続的に行なう手法をとることができる。
共重合体の組成の制御に関しては、複数のモノマーを反応器に供給し、その供給比率を変えることによって、制御する方法を一般に用いることができる。その他、触媒の構造の違いによるモノマー反応性比の違いを利用して、共重合組成を制御する方法や、モノマー反応性比の重合温度依存性を利用して、共重合組成を制御する方法が挙げられる。
共重合体の分子量制御には、従来公知の方法を使用することができる。即ち、重合温度を制御して分子量を制御する方法、モノマー濃度を制御して分子量を制御する方法、連鎖移動剤を使用して分子量を制御する方法、金属触媒中のリガンド構造の制御により分子量を制御するなどが挙げられる。
連鎖移動剤を使用する場合には、従来公知の連鎖移動剤を用いることができる。例えば、水素、メタルアルキルなどを使用することができる。また、構造単位(B)のモノマーそのものが極性基により一種の連鎖移動剤となる場合がある。この場合、各構造単位の配合比率や濃度を制御することによっても、分子量調節が可能である。
金属触媒中のリガンド構造を制御して分子量調節を行なう場合には、遷移金属Mの周りに嵩高い置換基を配置したり、遷移金属Mに置換基を有してもよいアリール基やヘテロ原子含有置換基などの電子供与性基が相互作用可能となるように配置したりすることができる。
(6)極性基含有オレフィン共重合体を含む樹脂組成物
本発明の極性基含有オレフィン共重合体は、上記構造単位(A)及び(B)から少なくともなるコポリマーであるが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、他の物性を導入するために、その他の樹脂等を配合した組成物とすることができる。配合可能な樹脂としては、例えば高分子量ポリエチレン、エチレン単独のホモポリマー、エチレン・α-オレフィン共重合体、ポリプロピレン、等のポリオレフィン樹脂を挙げることができる。
また、本発明の極性基含有オレフィン共重合体には、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、従来公知の酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、着色剤、顔料、架橋剤、発泡剤、核剤、導電材、及び、充填材等の添加剤を配合して樹脂組成物としてもよい。これら他の樹脂、添加剤等の配合量は、当業者であれば各々適切な量を用いることができる。
本発明の極性基含有オレフィン共重合体を含む樹脂組成物は、前記の各成分を前述の配合割合で任意の順序にて配合して、一軸押出機、二軸押出機、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、ロールミキサー、ブラベンダープラストグラフ、ニーダーなど通常の混練機を用いて混練、造粒することによって製造することができる。この場合、各成分の分散を良好にすることができる混練、造粒方法を選択することが好ましく、特に二軸押出機を用いて、混練、造粒することが経済性等の面から好ましい。混練機は異なる混練方法による複数の機械を用いて多段階の混練としてもよい。
本発明の一態様は、上記極性基含有オレフィン共重合体を含む樹脂組成物、及び、該樹脂組成物を用いた成形品である。本発明の樹脂組成物は高い剛性、耐薬品性を備えているため、食品用フィルムなどの包装材や、輸液パックのような製品にも有効に利用することができる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例における物性の測定と評価は、以下に示す方法によって実施した。
[共重合体の評価方法]
(1)融点Tm、融解熱ΔH、結晶化度
製造されたオレフィン系共重合体の融点Tmは、以下のDSC測定により求めた。
セイコー電子工業株式会社製「EXSTAR6000」を使用し、40℃で1分等温、10℃/分で40~160℃までの昇温、160℃で10分等温、10℃/分で160~10℃まで降温、10℃で5分等温後、10℃/分で10~160℃までの昇温時の測定により融点Tmを求めた。
また、結晶化度は室温から160℃まで昇温した際に得られる融解吸熱ピーク面積から融解熱ΔHを求め、ΔHをポリエチレン(HDPE)完全結晶の融解熱293J/gで除することにより、結晶化度を求めた。
(2)分子量分布パラメーターMw/Mn
製造されたオレフィン系重合体の分子量分布パラメーターMw/MnはGPCにより測定した。
装置:日本ウォーターズ社製Alliance GPCV2000型
検出器:GPCV2000内蔵の示差屈折計検出器
試料の調製:4mLバイアル瓶に試料3mg及びオルトジクロロベンゼン(0.1mg/mLの1,2,4-トリメチルフェノールを含む)3mLを秤採し、樹脂製スクリューキャップ及びテフロン(登録商標)製セプタムで蓋をした後、温度150℃に設定したセンシュー科学製SSC-9300型高温振とう機を用いて2時間溶解を行った。溶解終了後、不溶成分がないことを目視で確認した。
カラム:昭和電工社製Shodex HT-806M×2本+同社製ShodexHT-G×1本
HT-G較正曲線の作成:4mLガラス瓶を4本用意し、それぞれに下記(i)~(iv)の組み合わせの単分散ポリスチレン標準試料又はn-アルカンを0.2mgずつ秤り採り、続いてオルトジクロロベンゼン(0.1mg/mLの1,2,4-トリメチルフェノールを含む)3mLを秤り採り、樹脂製スクリューキャップ及びテフロン(登録商標)製セプタムで蓋をした後、温度150℃に設定したセンシュー科学製SSC-9300型高温振とう機を用いて2時間溶解を行った。
(i)Shodex S-1460,同S-66.0,n-エイコサン
(ii)Shodex S-1950,同S-152,n-テトラコンタン
(iii)Shodex S-3900,同S-565,同S-5.05
(iv)Shodex S-7500,同S-1010,同S-28.5
試料溶液が入ったバイアル瓶を装置にセットし、前述の条件にて測定を行い、サンプリング間隔1sでクロマトグラム(保持時間と示差屈折計検出器の応答のデータセット)を記録した。得られたクロマトグラムから各ポリスチレン標準試料の保持時間(ピーク頂点)を読み取り、分子量の対数値に対してプロットした。ここで、n-エイコサン及びn-テトラコンタンの分子量は、それぞれ600及び1,200とした。このプロットに非線形最小自乗法を適用し、得られた4次曲線を較正曲線とした。
分子量の計算:前述の条件にて測定を行い、サンプリング間隔1sでクロマトグラムを記録した。このクロマトグラムを用い、森定雄著「サイズ排除クロマトグラフィー」(共立出版)第4章p.51~60に記載の方法で微分分子量分布曲線及び平均分子量値(Mn、Mw及びMz)を算出した。ただし、dn/dcの分子量依存性を補正するため、クロマトグラムにおけるベースラインからの高さHを下記式にて補正した(H‘=補正後のH)。クロマトグラムの記録(データ取り込み)及び平均分子量計算は、Microsoft社製OS・Windows(登録商標)・XPをインストールしたPC上で自社製プログラム(Microsoft製Visual Basic6.0で作成)を用いて行った。H’=H/[1.032+189.2/M(PE)]
なお、ポリスチレンからポリエチレンへの分子量変換は、下記式を用いた。
M(PE)=0.468×M(PS)
測定温度:145℃
濃度:20mg/10mL
注入量:0.2ml
溶媒:オルトジクロロベンゼン
流速:1.0ml/分
(3)コモノマー含量
製造されたオレフィン系共重合体のコモノマー含量は、以下の測定を行うことにより求めた。
多元系極性基含有オレフィン共重合体中の極性基含有モノマーの構造単位量の測定方法:
本発明に関わる多元系極性基含有オレフィン共重合体中の極性基の構造単位量は13C-NMRスペクトルを用いて求められる。13C-NMRスペクトルは以下の方法によって測定する。
(3-1)試料調製と測定条件
試料200mgをo-ジクロロベンゼン/重水素化臭化ベンゼン(CBr)=4/1(体積比)2.4ml及び化学シフトの基準物質であるヘキサメチルジシロキサンと共に内径10mmφのNMR試料管に入れ、窒素置換した後封管し、加熱溶解して均一な溶液とした。
NMR測定は10mmφのクライオプローブを装着したブルカージャパン(株)のAV400型NMR装置を用いた。
コモノマーの定量には、13C-NMRを用いた。13C-NMRの測定条件は試料の温度100℃、パルス角を90°、パルス間隔を51.5秒、積算回数を512回以上、逆ゲートデカップリング法で測定をした。
化学シフトはヘキサメチルジシロキサンの13Cシグナルを1.98ppmに設定し、他の13Cによるシグナルの化学シフトはこれを基準とした。
(3-2)OXAコモノマー量の算出方法
<E/OXA>
OXAの3-エチルオキセタン環のシグナル強度を用い、以下の式からコモノマー量を算出した。
OXA総量(mol%)=I(OXA)×100/〔I(OXA)+I(E)
ここで、I(OXA)、I(E)はそれぞれ、以下の式で示される量である。
(OXA)=(I8.2~7.8+I27.3~27.1+I43.3~43.0+I66.4~66.1+I77.4~77.1)/6
(E)=(I180.0~135.0+I120.0~2.0-I(OXA)×9)/2
ここで、Iは積分強度を、Iの下つき添字の数値は化学シフトの範囲を示す。例えばI180.0~135.0は180.0ppmと135.0ppmの間に検出した13Cシグナルの積分強度を示す。
(4)炭素1,000個当たりのメチル分岐数(個/1000C)
メチル分岐数の定量には、13C-NMRを用いた。13C-NMRの測定条件は試料の温度120℃、パルス角を90°、パルス間隔を51.5秒、積算回数を512回以上、逆ゲートデカップリング法で測定をした。
化学シフトはヘキサメチルジシロキサンの13Cシグナルを1.98ppmに設定し、他の13Cによるシグナルの化学シフトはこれを基準とし、メチル分岐に由来するメチル基のシグナルの積分比により、メチル分岐数を定量した。13C-NMRによるメチル分岐数の定量方法は、当業者にとって公知である。
(5)Vp活性
製造されたオレフィン共重合体の生産性(Vp活性)を、下記式により算出した。
生産性(Vp活性)={製造されたオレフィン共重合体の収量(kg)}÷{触媒量(mol)×重合時間(h)}
[金属錯体]
B-27DM/Ni錯体は、特開2013-043871号公報に記載された合成例に従い合成し、以下の化学式で示されるリガンドB-27DMを使用した。また、国際公開WO2010/050256号の実施例に準じて、ビス-1,5-シクロオクタジエンニッケル(0)(Ni(COD)と称する)を用いて、B-27DMとNi(COD)とが1対1(モル比)で反応したニッケル錯体を合成した。
式中「Me」とはメチル基、「C」とはペンタフルオロフェニル基を表す。
Figure 0007453843000010
[実施例1]
エチレン/アクリル酸(3-エチルオキセタン-3-イル)メチル(ОXA)の共重合体(E/ОXA)の製造:
内容積2.4リットルの攪拌翼付きオートクレーブに、乾燥トルエン(1.0リットル)と、トリn-オクチルアルミニウム(TNOA)を37mg(0.10mmol)と、所定量のアクリル酸(3-エチルオキセタン-3-イル)メチル(ОXA)を1.7ml(10mmol)を仕込んだ。OXAは、下記式で表される化合物である。
Figure 0007453843000011

攪拌しながらオートクレーブを90℃に昇温し、窒素を0.5MPaまで供給した後、エチレンをオートクレーブに供給し、圧力が3.0MPaになるように調整した。
調整終了後、B-27DM/Ni触媒1.5ml(30μmol)を窒素で圧入して共重合を開始させた。
30分間重合させた後、冷却、脱圧して反応を停止した。
反応溶液は、1リットルのアセトンに投入してポリマーを析出させた後、ろ過洗浄を行い回収し、さらに減圧下で恒量になるまで乾燥を行ないE/ОXA共重合体を得た。結果を表1に示す。
[実施例2]
エチレン/アクリル酸ОXAの共重合体(E/ОXA)の製造:
内容積2.4リットルの攪拌翼付きオートクレーブに、乾燥トルエン(1.0リットル)と、トリn-オクチルアルミニウム(TNOA)を74mg(0.20mmol)と、所定量のアクリル酸(3-エチルオキセタン-3-イル)メチル(ОXA)を4.9ml(30mmol)を仕込んだ。
攪拌しながらオートクレーブを90℃に昇温し、窒素を0.5MPaまで供給した後、エチレンをオートクレーブに供給し、圧力が3.0MPaになるように調整した。
調整終了後、B-27DM/Ni触媒15ml(300μmol)を窒素で圧入して共重合を開始させた。
26分間重合させた後、冷却、脱圧して反応を停止した。
反応溶液は、1リットルのアセトンに投入してポリマーを析出させた後、ろ過洗浄を行い回収し、さらに減圧下で恒量になるまで乾燥を行ないE/ОXA共重合体を得た。結果を表1に示す。
[実施例3]
エチレン/ОXAの共重合体(E/ОXA)の製造:
内容積2.4リットルの攪拌翼付きオートクレーブに、乾燥トルエン(1.0リットル)と、トリn-オクチルアルミニウム(TNOA)を74mg(0.20mmol)と、所定量のアクリル酸(3-エチルオキセタン-3-イル)メチル(ОXA)を8.2ml(50mmol)を仕込んだ。
攪拌しながらオートクレーブを90℃に昇温し、窒素を0.5MPaまで供給した後、エチレンをオートクレーブに供給し、圧力が3.0MPaになるように調整した。
調整終了後、B-27DM/Ni触媒20ml(400μmol)を窒素で圧入して共重合を開始させた。
45分間重合させた後、冷却、脱圧して反応を停止した。
反応溶液は、1リットルのアセトンに投入してポリマーを析出させた後、ろ過洗浄を行い回収し、さらに減圧下で恒量になるまで乾燥を行ないE/ОXA共重合体を得た。結果を表1に示す。
Figure 0007453843000012
表1に示すように、オキセタニル基を有するオレフィン共重合体を得ることができた。これらの共重合体のコモノマー濃度を、前述の直鎖性及びランダム性の分子構造に関する式(II)に当てはめると、各々の樹脂の融点が-3.74×[Y]+113.5より大きく且つ-3.74×[Y]+130以下の値をとる。したがって、各共重合体は、実質的に直鎖状の分子構造を有することが示されたとともに、ランダム性の高い共重合体であることも明らかとなった。さらに、本願実施例の共重合体は分子量分布パラメーター(各々の実施例においてMw/Mn<3.5)と、メチル分岐数の値からも、直鎖状構造であることが明確である。したがって、各共重合体は、機械強度に優れる構造を備えていることが示された。
本発明の共重合体は、耐加水分解性に優れ、かつ高い強度を備えた成形品を形成可能である。したがって、本発明は、食品用フィルムなどの包装材や、輸液パックのような製品など耐水性、強度が要求される用途に利用することができる。

Claims (7)

  1. エチレン及び/又は炭素数3~20のα-オレフィンに由来する構造単位(A)と、
    下記一般式(1):
    Figure 0007453843000013

    [式中、
    Zは、非置換であるか、又は水酸基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数2~10のエステル基、炭素数3~18の置換シリル基若しくはハロゲン原子で置換された、炭素数1~20の直鎖状、分岐鎖状若しくは環状の二価の炭化水素基を表し、該炭化水素基の炭素鎖は、場合により酸素原子、硫黄原子又は基-NR-(ここで、Rは水素原子又は炭素数1~10の炭化水素基を表す)で1回以上中断されていてもよく、該炭化水素基は、オキセタニル基に結合する酸素原子、硫黄原子又は基-NR-を有していてもよく、
    Tは、水素原子、又は炭素数1~20の直鎖状、分岐鎖状若しくは環状の炭化水素基を表す]
    で表されるアクリレートに由来する構造単位(B)を有し、示差走査熱量測定(DSC)により観測される融点(Tm、℃)と、該構造単位(B)の含有量[Y](mol%)とが下記式(I):
    -3.74×[Y]+113.5<Tm (I)
    を満たすことを特徴とする、極性基含有オレフィン共重合体。
  2. さらに、示差走査熱量測定(DSC)により観測される融点(Tm、℃)と、該構造単位(B)の含有量[Y](mol%)とが下記の式(II)を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の極性基含有オレフィン共重合体。
    -3.74×[Y]+113.5<Tm<-3.74×[Y]+130 (II)
  3. 13C-NMRにより算出されるメチル分岐数が、炭素1,000個当たり50個以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の極性基含有オレフィン共重合体。
  4. 前記構造単位(B)を0.1~20.0mol%含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の極性基含有オレフィン共重合体。
  5. ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)が1.5以上4.0以下であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の極性基含有オレフィン共重合体。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の極性基含有オレフィン共重合体の製造方法であって、周期表第10族の遷移金属を含む遷移金属錯体触媒を用いることを特徴とする、極性基含有オレフィン共重合体の製造方法。
  7. 前記周期表第10族の遷移金属がニッケル又はパラジウムを含むことを特徴とする、請求項に記載の極性基含有オレフィン共重合体の製造方法。
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