JP7451073B2 - 複合成形体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属成形体とエラストマーからなる複合成形体の製造方法に関する。
各種部品の軽量化の観点から、金属代替品として金属と非金属材料からなる複合成形体が知られている。
特許文献1~4には、金属成形体と樹脂成形体からなる複合成形体の製造方法の発明が記載されており、製造工程において金属成形体に特定条件でパルス波レーザー光を照射する工程を有していることが特徴である。樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性エラストマーが例示されているが、架橋可能なフッ素エラストマーは記載されていない。
特許文献5には、含フッ素エラストマー組成物の発明が記載されている。前記含フッ素エラストマー組成物の用途としては、搬送用ロール、搬送用ベルト、搬送用ホース、配管などに使用するパッキンやガスケットなどのシール材が例示されている(段落番号0124)が、いずれも前記組成物のみからなる成形体である。
特許第5848104号公報 特許第5788836号公報 特許第5932700号公報 特開2016-203643号公報 特開2013-14640号公報
本発明は、金属成形体とエラストマー成形体からなる複合成形体の製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、金属成形体とエラストマー成形体からなる複合成形体の製造方法であって、
前記金属成形体の面にパルス波レーザー光を照射して、前記金属成形体の前記エラストマー成形体と接合される部分の表層部に深さが10μm~1000μmの多孔構造を形成する第1工程と、
第1工程で得られた多孔構造を有する金属成形体とエラストマー成形体を接合する第2工程を有しており、
前記第1工程においてパルス波レーザー光を照射するとき、下記の要件(a)~(f)の1または2以上を調整することで、孔の配向性、孔の大きさ、孔の形状、孔の深さおよび孔の形状の少なくとも一つを制御する、複合成形体の製造方法を提供する。
(a)前記金属成形体に対してレーザー光を照射するときの照射方向と照射角度
(b)前記金属成形体に対してレーザー光を照射するときの照射速度
(c)前記金属成形体に対してレーザー光を照射するときのエネルギー密度
(d)前記金属成形体に対してレーザー光を照射するときの繰り返し回数
(e)前記金属成形体に対してレーザー光を照射するときの照射形態
(f)前記金属成形体に対してレーザー光を照射するときのライン間隔
本発明の製造方法により得られた金属成形体とエラストマー成形体からなる複合成形体は、金属成形体とエラストマー成形体の接合強度が高く、特にシール材として適している。
実施例で使用した金属成形体の斜視図。 実施例で製造した複合成形体の平面図。 実施例におけるレーザー光の照射方法を説明するための図。 実施例におけるレーザー光の別の照射方法を説明するための図。
本発明の複合成形体の製造方法は、
金属成形体の面にパルス波レーザー光を照射して、前記金属成形体の前記エラストマー成形体と接合される部分の表層部に深さが10μm~1000μmの多孔構造を形成する第1工程と、
第1工程で得られた多孔構造を有する金属成形体とエラストマー成形体を接合する第2工程を有している。
以下、工程ごとに説明する。
(第1工程)
第1工程で使用する金属成形体の種類は特に制限されず、用途に応じて選択することができるものであり、
例えば、鉄、各種ステンレス、アルミニウムまたはその合金、亜鉛、マグネシウム、銅、鉛、錫およびそれらを含む合金、チタン(純チタン)、チタン合金などから選ばれるものを挙げることができる。
本発明の製造方法で使用する金属成形体の成形方法は特に制限されるものではなく、金属の種類に応じて公知の各種成形法を適用して製造することができものであり、例えばダイカスト法で製造したものを使用することができる。
金属成形体の形状や大きさは、複合成形体の用途に応じて調整することができるものである。
第1工程においてパルス波レーザー光を照射するとき、下記の要件(a)~(f)の1または2以上を選択することで、孔の配向性、孔の大きさ、孔の深さおよび孔の形状の少なくとも一つを制御することができる。
パルス波レーザー光を照射する方法は、通常のパルス波レーザー光を照射する方法のほか、特許第5848104号公報、特許第5788836号公報、特許第5798534号公報、特許第5798535号公報、特開2016-203643号公報、特許第5889775号公報、特許第5932700号、特許第6055529号公報、特開2016-203643号公報に記載のパルス波レーザー光の照射方法と同様にして実施することができる。
<要件(a)前記金属成形体に対してレーザー光を照射するときの照射方向と照射角度>
レーザー光の照射方向を特定方向および特定角度に固定することで、形成される孔に配向性を生じさせることができる。
また、金属成形体面に対して垂直方向からレーザー光を照射する方法と15°~85°の角度でレーザー光を照射する方法を組み合わせてレーザー光を照射することで、孔の大きさ、形状、深さを制御することができるので好ましい。
<要件(b)前記金属成形体に対してレーザー光を照射するときの照射速度>
レーザー光の照射速度は1~10,000mm/secが好ましく、10~1,000mm/secがより好ましい。
<要件(c)前記金属成形体に対してレーザー光を照射するときのエネルギー密度>
エネルギー密度は0.3GW/cm2以上が好ましい。レーザー光の照射時のエネルギー密度は、レーザー光の出力(W)と、レーザー光(スポット面積(cm2)(π・〔スポット径/2〕2)から求められる。レーザー光の照射時のエネルギー密度は、0.3~1000GW/cm2がより好ましく、1~800GW/cm2がさらに好ましく、1~500GW/cm2がさらに好ましい。エネルギー密度が大きくなるほど、孔は深くかつ大きくなる。
レーザー光の出力は4~400Wが好ましく、5~100Wがより好ましく、10~100Wがさらに好ましい。他のレーザー光の照射条件が同一であれば、出力が大きいほど孔は深くかつ大きくなり、出力が小さいほど孔は浅くかつ小さくなる。
<要件(d)レーザー光を照射するときの繰り返し回数>
繰り返し回数(一つの孔を形成するための合計のレーザー光の照射回数)は、1~200回が好ましく、3~100回がより好ましい。同一のレーザー照射条件であれば、繰り返し回数が多いほど孔が深くかつ大きくなり、繰り返し回数が少ないほど孔が浅くかつ小さくなる。
<要件(e)前記金属成形体に対してレーザー光を照射するときの照射形態>
(e-1)前記金属成形体を構成する金属と異なる熱伝導率を有する成形体と前記金属成形体を接触させた状態でレーザー光を照射する形態、または
(e-2)前記金属成形体を中空に保持した状態でレーザー光を照射する形態である。
要件(e-1)は、下記の(i)または(ii)の方法を適用することができる。
(i)金属成形体のレーザー光の非照射面と、金属成形体を構成する金属よりも熱伝導率の大きい材料(熱伝導率が100W/m・k以上である材料)からなる基板と接触させる方法。(i)の方法は、特開2016-78090号公報に記載の方法を適用することができる。
(ii)金属成形体のレーザー光の非照射面と、金属成形体を構成する金属よりも熱伝導率の小さい材料からなる基板(例えばガラス板)と接触させる方法。(ii)の方法は、特開2016-124024号公報に記載の方法を適用することができる。
(i)の方法は、金属成形体にレーザー光を照射するときに生じる熱を放熱させることで、温度の上昇を抑制することができる。
(ii)の方法は、金属成形体にレーザー光を照射するときに生じる熱の放熱を抑制させることができる。
このため、(i)の方法を実施すると、孔の大きさ、深さおよび形状の変化を抑制することができ、(ii)の方法を実施すると、孔の大きさ、深さおよび形状の変化を促進することができる。
このように(i)の方法と(ii)の方法を使い分けることにより孔の大きさ、深さおよび形状を調整することができる。
要件(e-2)は、金属成形体をクランプなどの保持手段で中空に保持した状態でレーザー光を照射する形態である。
金属成形体を中空で保持することで、レーザー光を照射するときに生じる熱の放熱を抑制させることができる。
要件(e)としては、さらに要件(e-3)として、レーザー光を照射するときに空気、酸素、窒素、アルゴンから選ばれるアシストガスを供給しながら照射することができるほか、真空雰囲気(減圧雰囲気)でもレーザー光を照射することができる。
要件(e-3)はアシストガスの種類とガスの供給圧力(MPa)を調整することが好ましい。
アシストガスを供給しながらレーザー光を照射することで、孔の深さ、大きさおよび配向性の制御を補助することができるほか、炭化物の生成を抑制したり、表面性状を制御したりすることができる。
例えば、アルゴンガスを選択すると表面の酸化を防止することができ、酸素を選択すると表面の酸化を促進することができ、窒素ガスを選択すると酸化を防止し、表面硬度を向上させることができる。
<要件(f)前記金属成形体に対してレーザー光を照射するときのライン間隔>
前記金属成形体に対してレーザー光をライン状に照射するとき、隣接するライン同士の間隔を広くしたり、狭くしたりすることで、孔の大きさ、孔の形状、孔の深さを調整することができる。
なお、パルス波レーザー光は、連続波レーザー光のように連続的な直線状にレーザー光を照射することはできず、点を照射して、前記点を複数繋いでラインを形成するものである。
ライン間隔は0.01~1mmの範囲が好ましい。
ライン間隔が狭いと、隣接するラインにも熱的影響が及ぶため、孔は大きくなり、孔の形状は複雑になり、孔の深さは深くなる。
ライン間隔が広いと、孔は小さくなり、孔の形状は複雑にはならず、孔はあまり深くならない。
その他、レーザー光の波長は500~11,000nmが好ましく、レーザー光のビーム径(スポット径)は5~80μmが好ましく、繰り返し周波数は1kHz~100MHzが好ましく、パルス幅は10-6~10-15secが好ましい。
第1工程では、上記した要件(a)~要件(f)を適宜選択して実施することで、表層部に深さが10μm~1000μm、好ましくは50μm~500μmの孔からなる多孔構造を有する金属成形体を得ることができる。
前記「表層部」は、金属成形体のパルス波レーザー光の照射面から1000μmまでの深さ範囲である。
レーザー照射方法で使用するレーザーは公知のものを使用することができ、例えば、YVO4レーザー、ファイバーレーザー(シングルモードファイバーレーザー、マルチモードファイバーレーザー)、エキシマレーザー、炭酸ガスレーザー、紫外線レーザー、YAGレーザー、半導体レーザー、ガラスレーザー、ルビーレーザー、He-Neレーザー、窒素レーザー、キレートレーザー、色素レーザーを使用することができる。
(第2工程)
第2工程では、第1工程で得られた多孔構造を有する金属成形体とエラストマー成形体を接合する。
エラストマー成形体の原料となるエラストマーは、架橋可能なエラストマーを含むエラストマーまたはそれらと他の成分を含む組成物を使用する。
架橋可能なエラストマーを含むエラストマーは、架橋可能なエラストマーのみからなるものでもよいし、非架橋性のエラストマー(熱可塑性エラストマーなど)を含むものでもよい。
架橋可能なエラストマーとしては、架橋可能なフッ素エラストマー、架橋可能なフッ素エラストマーと他の架橋可能なエラストマー(架橋可能なシリコーンエラストマーを含む)の組み合わせ、架橋可能なシリコーンエラストマー、架橋可能なシリコーンエラストマーと他の架橋可能なエラストマー(架橋可能なフッ素エラストマーを含む)の組み合わせなどを使用することができる。
架橋可能なフッ素エラストマーは公知のものであり、例えば特開2013-14640号公報に記載されているフッ素ゴム、熱可塑性フッ素ゴムおよび前記ゴムを含むゴム組成物を挙げることができ、これらの中でもフッ素ゴムが好ましい。
また原料となるフッ素エラストマーは、例えば特開2013-14640号公報に記載されている架橋剤、架橋促進剤、充填剤を含有する組成物として使用することもできる。
架橋可能なシリコーンエラストマーは公知のものであり、例えば特開2004-27228号公報、特開2007-302893号公報、特表2016-505647号公報、特表2014-500888号公報などに記載されているものを挙げることができる。
架橋可能なエラストマーを含むエラストマーまたはそれらを含む組成物のムーニー粘度(ML1+10,121℃)は、10~200であるものが好ましく、10~100であるものがより好ましい。
第2工程は、架橋反応を第2a工程と第2b工程の二段階に分けて実施することが好ましい。
第2a工程では、金型内に第1工程で得られた多孔構造を有する金属成形体と架橋可能なエラストマーを含むエラストマーを接触させた状態で、100℃~200℃で1分間以上プレスしながら一次架橋させる。
加熱温度は、好ましくは140~200℃である。
加熱時間は、好ましくは3~20分間である。
第2b工程では、第2a工程の後、150℃~280℃で1時間以上二次架橋させる。
加熱温度は、好ましくは200~280℃である。
加熱時間は、好ましくは2~24時間である。
上記した第1工程と第2工程を実施することで、金属成形体とエラストマー成形体からなる複合成形体を得ることができる。
本発明の製造方法により得られた複合成形体は、金属成形体とエラストマー成形体の接合強度も高く、耐久性も優れており、同じ大きさの金属部品と比べると軽量であるため、金属部品の代替品として使用することができる。
本発明の製造方法により得られた複合成形体は、各種分野におけるシール用のガスケット、パッキンなどのシール材として好適であり、特に真空室または減圧室の開口部(試験品などを出し入れするための開口部)を閉塞するための蓋や扉をシールするために使用するガスケット、パッキンなどのシール材として好適である。
実施例1~5
(第1工程)
図1に示す金属成形体(アルミニウム,A5052)(縦50mm、横20mm、厚み4mm)を鋼板(縦150mm、横150mm、厚み5mm)の上に置いた状態で、アルミニウム成形体20、21の面11に対して、表1に示す要件(a)~(f)およびその他を満たすようにしてパルス波レーザー光を照射した。
(パルス波レーザー装置)
発振器:IPG-Ybファイバー;YLP-1-50-30-30-RA
(出力100%,周波数30kHz)
ガルバノミラー:LXD30+SCANLAB社のHurrySCAN10
(ビームエキスパンダ2倍/fθ=100mm)
(第2工程)
第1工程で得られたアルミニウム成形体と、架橋性フッ素エラストマーとしてスリーエムジャパン(株)の商品名「Dyneon」(登録商標)(ムーニー粘度,ML1+10,121℃,76M,ポリオール系架橋剤含有)を使用して、図2に示すように二枚のアルミニウム成形体20、21の面11のそれぞれにフッ素エラストマー成形体10が接合された複合成形体1を製造した。
第1工程で得られたアルミニウム成形体20を金型内に配置した後、さらに未架橋状態のフッ素エラストマーを配置した。
その状態で一次架橋反応を実施した。一次架橋は、プレスしながら170℃で10分間実施した。
一次架橋終了後、さらにオーブン中にて230℃で24時間保管して二次架橋を実施し、図2に示す複合成形体1を得た。
要件(a)の照射方法の詳細は次のとおりである。
四角穴(図3):パルス波レーザー光をスポット径45μmで、直線状に150μm照射した後、0.028mmの間隔(隣接する溝の中心間距離)で反対方向に同様にして照射し、これを5回繰り返した操作を1回として、さらに同様の操作を5回繰り返して、最大深さ348μmの四角穴を形成した。さらに同様の操作を繰り返して、隣接する四角穴同士の間隔150μmである複数の四角穴を形成した。
斜め照射:金属成形体の照射面に対して60°の角度で照射した。パルス波レーザー光の照射は、スポット径45μmで直線状に20mmの長さ照射した後、0.15mmの間隔をおいて反対方向に直線状に20mm長さ照射し、これを繰り返して4×20mmの全面に照射した。表1の孔深さは、溝深さになる。
円(図4):パルス波レーザー光をスポット径30μm、スキャン速度250mm/secでスポットの中心を直径200μmの円周状にスキャンして、直径が200μm強の円を形成した。前記スキャンを10回繰り返して、直径が約200μmの円を形成した。同様の操作を繰り返して複数の円を形成した。隣接する円同士の中心間距離は0.6mmとした。
穴(一点照射):パルス波レーザー光をスポット径30μmで一点に100回照射して穴を形成した。同様の操作を繰り返して複数の穴を形成した。隣接する穴同士の中心間距離は150μmとした。
(最大深さ)
デジタルマイクロスコープVHX-6000((株)キーエンス製)を使用して測定した。
(接合強度)
図2に示す複合成形体を用い、引張試験を行ってせん断接合強度を評価した。結果を表1に示す。
引張試験は、2枚のアルミニウム成形体20、21の端部のそれぞれを固定した状態で、図2に示すX方向とY方向の両方から引っ張った場合、2枚のアルミニウム成形体20、21とフッ素ゴムエラストマー成形体10のいずれか一方の接合面が破壊されるまでの最大荷重を測定した。
<引張試験条件>
試験機:(株)島津製作所製のオートグラフAG-X plus(50kN)
引張速度:200mm/min
チャック間距離:50mm
Figure 0007451073000001
表1から明らかなとおり、アルミニウム成形体とフッ素エラストマー成形体は、高い接合強度で一体化されていた。
なお、アルミニウム成形体とフッ素エラストマー成形体をフッ素ゴム用接着剤(monicas D-602;登録商標,(株)横浜高分子研究所)を使用して接着しようとしたが、接着できなかった。
また、実施例1の複合成形体をヤマト科学(株)製 角型真空定温乾燥器(DP-41)にて、50℃、2Torr(0.26kPa)にて、24時間放置後、上記と同様にして引張試験を実施したところ、表1の数値と変化はなかった。
本発明の製造方法で得られた金属成形体とエラストマー成形体からなる複合成形体は、各種分野においてパッキンやガスケットなどのシール材として利用することができる。
また本発明の製造方法で得られた金属成形体とエラストマー成形体からなる複合成形体は、接着剤を使用することなく接合されているため、接着剤を使用した場合のように接着剤に含まれる有機溶媒が揮発することがない。このため、高い真空度を維持することができることから、真空装置のチャンバーの開閉部に使用するシールパッキンなどに特に有用である。

Claims (7)

  1. 金属成形体とエラストマー成形体からなる複合成形体の製造方法であって、
    前記エラストマー成形体の製造原料となるエラストマーが、架橋可能なフッ素エラストマーであり、
    前記金属成形体の面にパルス波レーザー光を照射して、前記金属成形体の前記エラストマー成形体と接合される部分の表層部に深さが10μm~1000μmの多孔構造を形成する第1工程と、
    第1工程で得られた多孔構造を有する金属成形体とエラストマー成形体とを架橋反応を実施して接合する第2工程を有しており、
    前記金属成形体の面にパルス波レーザー光を照射して、前記金属成形体の前記エラストマー成形体と接合される部分の表層部に深さが10μm~1000μmの多孔構造を形成する工程が第1工程のみであり
    前記第1工程においてパルス波レーザー光を照射するとき、下記の要件(a)~(f)のすべてを満たすように調整することで、孔の配向性、孔の大きさ、孔の形状、孔の深さおよび孔の形状の少なくとも一つを制御する、複合成形体の製造方法。
    (a)前記金属成形体に対してレーザー光を照射するときの照射方向と照射角度であり、金属成形体の表層部を含む面に対して、垂直方向からレーザー光を照射する方法もしくは15°~85°の角度でレーザー光を照射する方法、または垂直方向からレーザー光を照射する方法もしくは15°~85°の角度でレーザー光を照射する方法を組み合わせることで、照射方向と照射角度を調整する方法である
    (b)前記金属成形体に対してレーザー光を照射するときの照射速度であり、前記照射速度が10~1,000mm/secである
    (c)前記金属成形体に対してレーザー光を照射するときのエネルギー密度であり、前記エネルギー密度が1~500GW/cmである
    (d)前記金属成形体に対してレーザー光を照射するときの繰り返し回数であり、前記繰り返し回数が3~100回である
    (e)前記金属成形体に対してレーザー光を照射するときの照射形態であり、前記照射形態が、(e-1)前記金属成形体を構成する金属と異なる熱伝導率を有する成形体と前記金属成形体を接触させた状態でレーザー光を照射する形態、または(e-2)前記金属成形体を中空に保持した状態でレーザー光を照射する形態である
    (f)前記金属成形体に対してレーザー光を照射するときのライン間隔であり、前記ライン間隔が0.01~1mmの範囲である
  2. 第2工程が、多孔構造を有する金属成形体と架橋可能なエラストマーを含むエラストマー成形体を接触させた状態で、100℃~200℃で1分間以上プレスしながら一次架橋させる第2a工程と、その後、150℃~280℃で1時間以上二次架橋させる第2b工程を有している、請求項1記載の複合成形体の製造方法。
  3. 要件(a)が、
    前記金属成形体の面に対して垂直方向にレーザー光を照射するとき、直線状に照射した後、間隔(隣接する溝の中心間距離)をおいて反対方向に同様にして照射し、これを複数回繰り返した操作を1回として、さらに同様の操作を複数回繰り返して四角穴を形成する方法、
    円周状に照射して円を形成する方法および
    前記金属成形体の表層部を含む面に対して15~85°の角度でレーザー光を照射する方法から選ばれる方法である、請求項1または2記載の複合成形体の製造方法。
  4. 要件(e)が、さらに前記パルス波レーザー光を照射するとき、空気、酸素、窒素、アルゴンから選ばれるアシストガスを供給しながらレーザー光を照射する形態を含む、請求項1または2記載の複合成形体の製造方法。
  5. 前記複合成形体がシール材である、請求項1~4のいずれか1項に記載の複合成形体の製造方法。
  6. 前記複合成形体が、真空室または減圧室をシールするために使用するシール材である、請求項1~4のいずれか1項に記載の複合成形体の製造方法。
  7. 前記シール材がガスケットまたはパッキンである、請求項5または6記載の複合成形体の製造方法。
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