JP7450858B2 - 車両駆動システム - Google Patents

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Description

本発明は、車両駆動システムに関し、特に、車両姿勢制御機能を備えた車両駆動システムに関する。
特開2017-89465号公報(特許文献1)には、車両駆動システムが記載されている。この車両駆動システムにおいては、操舵速度に応じて付加減速度を決定し、この付加減速度が実現されるように、車両の原動機が生成すべき最終目標トルクを低減させている。このように、付加減速度を与えることにより、コーナリング時における車両の姿勢を制御する。さらに、車両の姿勢を制御することにより、操舵輪である前輪に加わる荷重が増大し、前輪のコーナリングフォースが増大する。これにより、カーブ進入初期における車両の回頭性が向上し、ステアリングの切り込み操作に対する応答性が向上するので、ドライバが意図したとおりの車両挙動が実現される。
さらに、コーナリング時におけるステアリングの切り込み操作に対する車両の挙動は、アクセルペダルの踏み込み量によっても変化する。このため、特許文献1記載の車両駆動システムにおいては、アクセルペダルの踏み込み量に応じて異なる値を有する補正係数が設定されている。この補正係数を付加減速度に乗じることにより、設定される付加減速度を補正し、より自然で安定したコーナリング時の操作を実現している。
また、特開2019-217992号公報(特許文献2)には、車両制御システム及び方法が記載されている。この車両制御システムでは、後輪駆動車において、操舵速度に応じて付加加速度を決定し、この付加加速度が実現されるように、車両の原動機が生成すべき最終目標トルクを増加させている。このように、後輪駆動車においては、操舵速度に基づいて付加加速度を設定し、最終目標トルクを増加させることにより、車両の姿勢を制御して、車両の回頭性を向上させ、ステアリングの切り込み操作に対する応答性を改善できることが知られている。
特開2017-89465号公報 特開2019-217992号公報
しかしながら、車両の車輪に加えられる駆動力は、アクセルペダルの操作量が同じであっても、常に同一にはならない。例えば、エンジンの駆動力が変速機を介して車輪に伝達される車両の場合、アクセルペダルの操作量が同じであっても、変速機において設定されている変速段により、車輪に加えられる駆動トルクは異なるものとなる。一方、特許文献1記載の車両駆動システムでは、アクセルペダルの操作量によって値が変化する補正係数を使用して、付加減速度を補正している。このため、特許文献1記載の車両駆動システムでは、同一の駆動トルクで、同一の操舵を行って車両を走行させている場合でも、アクセルペダルの操作量によって異なる付加減速度が設定される結果となる。本件発明者は、特許文献1記載の車両駆動システムでは、車両の走行状態が同じでも、アクセルペダルの操作量によって異なる車両姿勢制御が実行されてしまい、運転者に違和感を与える場合があるという技術課題を見出した。
従って、本発明は、アクセルペダルの操作量により、車両の同一の走行状態に対して異なる車両姿勢制御が実行されてしまうのを回避し、運転者に与える違和感を抑制することができる車両駆動システムを提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明は、車両姿勢制御機能を備えた車両駆動システムであって、車両の前輪を駆動する駆動力を発生させる原動機と、自動変速機と、車両を操舵するための操舵装置と、この操舵装置による操舵角を検出するための操舵角センサと、運転者によるアクセルペダルの操作量を検出するアクセル開度センサと、アクセル開度センサによって検出されたアクセルペダルの操作量に基づいて目標加速度を設定する制御器と、アクセル開度センサによって検出されたアクセルペダルの操作量と設定された目標加速度の関係を検出する車両状態検出部と、を有し、制御器は、操舵角センサによって検出された操舵速度、及びアクセル開度センサによって検出されたアクセルペダルの操作量に基づいて減速トルクを設定し、この減速トルクに基づいて、目標加速度に対応した基本目標トルクを修正する車両姿勢制御を実行するように構成され、車両状態検出部は、自動変速機の変速段を検出することにより、アクセルペダルの操作量と設定された目標加速度の関係を検出し、制御器は、車両状態検出部によって検出されたアクセルペダルの操作量に対する目標加速度が小さい場合には、アクセルペダルの操作量に対する目標加速度が大きい場合よりも、減速トルクを大きい値に補正することを特徴としている。
このように構成された本発明においては、原動機により車両の前輪が駆動され、操舵角センサにより操舵装置による操舵角が検出される。また、アクセル開度センサによりアクセルペダルの操作量が検出され、これに基づいて制御器により目標加速度が設定される。さらに、車両状態検出部は、アクセル開度センサによって検出されたアクセルペダルの操作量と設定された目標加速度の関係を検出する。制御器は、操舵速度及びアクセルペダルの操作量に基づいて減速トルクを設定し、この減速トルクに基づいて目標加速度に対応した基本目標トルクを修正する車両姿勢制御を実行する。さらに、制御器は、車両状態検出部によって検出されたアクセルペダルの操作量に対する目標加速度が小さい場合には、大きい場合よりも減速トルクを大きい値に補正する。
或るアクセルペダルの操作量に対して設定される目標加速度は、車両の状態によって変更される。このため、アクセルペダルの操作量が同一であっても、設定される目標加速度は異なったものとなる。一方、制御器は、操舵速度及びアクセルペダルの操作量に基づいて減速トルクを設定して、車両姿勢制御を実行するので、操舵や目標加速度が同じであっても、アクセルペダルの操作量によって、車両姿勢制御における減速トルクが異なるものになる虞がある。上記のように構成された本発明によれば、アクセルペダルの操作量に対する目標加速度が小さい場合には、目標加速度が大きい場合よりも、車両姿勢制御における減速トルクが大きい値に補正される。このため、アクセルペダルの操作量と目標加速度の関係が変化しても、同一の操舵、目標加速度に対して、ほぼ同一の減速トルクを設定することができる。これにより、車両の同一の走行状態に対して、車両姿勢制御が、アクセルペダルの操作量によって異なるものとなるのを抑制することができ、運転者に違和感を与えるのを防止することができる。
また、本発明は、車両姿勢制御機能を備えた車両駆動システムであって、車両の後輪を駆動する駆動力を発生させる原動機と、自動変速機と、車両を操舵するための操舵装置と、この操舵装置による操舵角を検出するための操舵角センサと、運転者によるアクセルペダルの操作量を検出するアクセル開度センサと、アクセル開度センサによって検出されたアクセルペダルの操作量に基づいて目標加速度を設定する制御器と、アクセル開度センサによって検出されたアクセルペダルの操作量と設定された目標加速度の関係を検出する車両状態検出部と、を有し、制御器は、操舵角センサによって検出された操舵速度、及びアクセル開度センサによって検出されたアクセルペダルの操作量に基づいて加速トルクを設定し、この加速トルクに基づいて、目標加速度に対応した基本目標トルクを修正する車両姿勢制御を実行するように構成され、車両状態検出部は、自動変速機の変速段を検出することにより、アクセルペダルの操作量と設定された目標加速度の関係を検出し、制御器は、車両状態検出部によって検出されたアクセルペダルの操作量に対する目標加速度が小さい場合には、アクセルペダルの操作量に対する目標加速度が大きい場合よりも、加速トルクを大きい値に補正することを特徴としている。
原動機により後輪が駆動される車両においては、操舵速度及びアクセルペダルの操作量に基づいて加速トルクを設定し、この加速トルクに基づいて、目標加速度に対応した基本目標トルクを修正することにより、車両姿勢制御が実現されることが知られている。上記のように構成された本発明によれば、アクセルペダルの操作量に対する目標加速度が小さい場合には、目標加速度が大きい場合よりも、車両姿勢制御における加速トルクが大きい値に補正される。このため、アクセルペダルの操作量と目標加速度の関係が変化しても、同一の操舵、目標加速度に対して、ほぼ同一の加速トルクを設定することができる。これにより、車両の同一の走行状態に対して、車両姿勢制御が、アクセルペダルの操作量によって異なるものとなるのを抑制することができ、運転者に違和感を与えるのを防止することができる。
本発明において、好ましくは、車両状態検出部は、同一車速を維持するために要するアクセルペダルの操作量を検出するように構成されている。
このように構成された本発明によれば、同一車速を維持するために必要なアクセルペダルの操作量を変更することができ、車両の操作性を向上させることができる。また、本発明によれば、同一の加速度を得るためのアクセルペダルの操作量が変更された場合でも、同様の車両姿勢制御が実行され、運転者に違和感を与えるのを防止することができる。
本発明において、好ましくは、さらに、自動変速機を有し、車両状態検出部は、自動変速機の変速段を検出することにより、アクセルペダルの操作量と設定された目標加速度の関係を検出する。
原動機が生成した駆動力が自動変速機を介して車輪に伝達される場合には、同一の目標加速度を得るために必要なアクセルペダルの操作量は、自動変速機の変速段の設定により異なるものとなる。上記のように構成された本発明においては、車両状態検出部により、自動変速機の変速段が検出される。上記のように構成された本発明によれば、自動変速機の変速段が変更され、アクセルペダルの操作量と目標加速度の関係が変更されたとしても、同様の車両姿勢制御を実行することができ、運転者に違和感を与えるのを防止することができる。
本発明において、好ましくは、原動機は回転電気機械であり、車両状態検出部は、アクセルペダルの操作量に対する回転電気機械の発生トルク、及び回転電気機械の回生トルクを検出することにより、アクセルペダルの操作量と設定された目標加速度の関係を検出する。
原動機として回転電気機械を備えた車両においては、或るアクセルペダルの操作量に対して発生するトルク、及び回生される運動エネルギーを変更可能とすることで、操作性を向上させることができる。上記のように構成された本発明によれば、車両状態検出部により、アクセルペダルの操作量に対する回転電気機械の発生トルク、及び回転電気機械の回生トルクが検出される。これにより、アクセルペダルの操作量と目標加速度の関係は変更されるものの、同様の車両姿勢制御を実行することができ、運転者に違和感を与えるのを防止することができる。
本発明の車両駆動システムによれば、アクセルペダルの操作量により、車両の同一の走行状態に対して異なる車両姿勢制御が実行されてしまうのを回避することができ、運転者に違和感を与えるのを抑制することができる。
本発明の第1実施形態による車両駆動システムを搭載した車両の全体構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態による車両駆動システムの電気的構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態による車両駆動システムがエンジンを制御するエンジン制御処理のフローチャートである。 本発明の第1実施形態による車両駆動システムが減速トルクを決定する減速トルク決定処理のフローチャートである。 本発明の第1実施形態による車両駆動システムが付加減速度を補正する付加減速度補正処理のフローチャートである。 本発明の第1実施形態による車両駆動システムが決定する目標付加減速度と操舵速度との関係を示したマップである。 本発明の第1実施形態による車両駆動システムが決定する付加減速度の補正係数と車速との関係を示したマップである。 本発明の第1実施形態による車両駆動システムが決定する付加減速度の補正係数と操舵角との関係を示したマップである。 本発明の第1実施形態による車両駆動システムが決定する付加減速度の補正係数とアクセル開度との関係を示したマップである。 本発明の第1実施形態による車両駆動システムが決定する付加減速度の補正係数と要求減速度との関係を示したマップである。 本発明の第1実施形態による車両駆動システムを搭載した車両が旋回を行う場合における、車両駆動システムによるエンジン制御に関するパラメータの変化を示すタイムチャートである。 本発明の第2実施形態による車両駆動システムを搭載した車両の全体構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態による車両駆動システムにおいて、アクセルペダル開度と回転電気機械の出力トルク及び回生トルクとの関係を示すトルク制御マップである。
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態による車両駆動システムを説明する。
まず、図1を参照して、本発明の第1実施形態による車両駆動システムを搭載した車両について説明する。図1は、本発明の第1実施形態による車両駆動システムを搭載した車両の全体構成を示すブロック図である。
図1において、符号1は、本実施形態による車両駆動システムを搭載した車両を示す。車両1の車体前部には、駆動輪(図1の例では左右の前輪2)を駆動する原動機であるエンジン4が搭載されている。このエンジン4が生成した駆動力は、自動変速機5を介して前輪2に伝達される。エンジン4は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃エンジンである。
また、車両1は、操舵輪である前輪2を操舵するための操舵装置6と、この操舵装置6を操作するためのステアリングホイール6a、及びステアリングホイール6aの回転角度を検出する操舵角センサ8を有する。さらに、車両1は、アクセルペダル10の操作量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ10a、車速を検出する車速センサ12、及びブレーキ液圧を検出するブレーキ液圧センサ14を有する。これらの各センサは、それぞれの検出値を制御器であるPCM(Power-train Control Module)16に出力する。
また、ステアリングホイール6aには2つの変速操作部であるパドルスイッチ6bが設けられており、自動変速機5がマニュアルモードに設定されている場合には、これらのパドルスイッチ6bを操作することにより、自動変速機5の変速段を低速側又は高速側に切り替えることができる。また、自動変速機5には、車両状態検出部である変速機センサ5aが設けられており、これにより、自動変速機5の変速段が検出される。これら、エンジン4、自動変速機5、変速機センサ5a、操舵装置6、操舵角センサ8、アクセル開度センサ10a、及びPCM16は、本発明の第1実施形態による車両駆動システムを構成する。
次に、図2を参照して、本発明の第1実施形態による車両駆動システムの電気的構成を説明する。図2は、本発明の第1実施形態による車両駆動システムの電気的構成を示すブロック図である。
本実施形態においてPCM16は、上述した操舵角センサ8、アクセル開度センサ10a、及び車速センサ12の検出信号の他、エンジン4の運転状態を検出する各種センサが出力した検出信号に基づいて、エンジン4の各部(例えば、スロットルバルブ、ターボ過給機、可変バルブ機構、点火装置、燃料噴射弁、EGR装置等)に対する制御を行うべく、制御信号を出力する。また、PCM16は、車両1の車速、エンジン4の回転数等に基づいて、適切な変速段に設定すべく、自動変速機5に制御信号を出力する。さらに、自動変速機5がマニュアルモードに設定されている場合には、運転者によるパドルスイッチ6bの操作に基づいて、自動変速機5の変速段を、低速側又は高速側に切り替えるように自動変速機5に制御信号を出力する。
また、PCM16には、操舵角センサ8、アクセル開度センサ10a、車速センサ12、ブレーキ液圧センサ14、及び変速機センサ5aからの検出信号が入力され、PCM16は、これらの検出信号に基づいて車両姿勢制御を実行する。なお、本実施形態においては、自動変速機5の変速段を検出する車両状態検出部として、変速機センサ5aが備えられている。なお、同一車速を維持するために要するアクセルペダルの操作量は、自動変速機5において設定されている変速段により変化し、変速機センサ5aは、これを検出する。ここで、自動変速機5はPCM16からの制御信号に基づいて変速段が切り替えられるため、自動変速機5の変速段の情報は、PCM16の内部から取得することもできる。従って、PCM16を車両状態検出部として機能させることもできる。
PCM16は、基本目標トルク決定部18と、減速トルク決定部20と、最終目標トルク決定部22と、エンジン制御部24とを有する。
基本目標トルク決定部18は、アクセルペダル10の操作を含む車両1の運転状態に基づいて目標加速度を設定し、これに対応する基本目標トルクを決定するように構成されている。
減速トルク決定部20は、車両姿勢制御において、車両1の操舵速度等のヨーレート関連量、及びアクセルペダルの操作量等に基づいて車両1に減速度を付加するための減速トルクを決定するように構成されている。本実施形態においては、減速トルク決定部20は、ヨーレート関連量として車両1の操舵速度を用いている。
最終目標トルク決定部22は、基本目標トルクと、補正された減速トルクとに基づいて最終目標トルクを決定するように構成されている。
エンジン制御部24は、最終目標トルクを出力させるように、エンジン4に制御信号を出力するように構成されている。
これらのPCM16の各構成要素は、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを記憶するためのROMやRAMの如き内部メモリを備えるコンピュータにより構成される。
次に、図3乃至図10を参照して、車両駆動システムが行う処理について説明する。
図3は、本発明の第1実施形態による車両駆動システムがエンジン4を制御するエンジン制御処理のフローチャートであり、図4は、本発明の第1実施形態による車両駆動システムが減速トルクを決定する減速トルク決定処理のフローチャートであり、図5は本発明の第1実施形態による車両駆動システムが付加減速度を補正する付加減速度補正処理のフローチャートであり、図6は本発明の第1実施形態による車両駆動システムが決定する目標付加減速度と操舵速度との関係を示したマップであり、図7乃至図10は、本発明の第1実施形態による車両駆動システムが決定する付加減速度の補正係数と、車速、操舵角、アクセル開度、及び、要求減速度のそれぞれとの関係を示したマップである。
図3のエンジン制御処理は、車両1のイグニッションがオンにされ、車両駆動システムに電源が投入された場合に起動され、所定の時間間隔で繰り返し実行される。
エンジン制御処理が開始されると、図3に示すように、ステップS1において、PCM16は車両1の運転状態に関する各種情報を取得する。具体的には、PCM16は、操舵角センサ8が検出した操舵角、アクセル開度センサ10aが検出したアクセル開度、車速センサ12が検出した車速、ブレーキ液圧センサ14が検出したブレーキ液圧、変速機センサ5aによって検出された現在設定されている自動変速機5の変速段等を含む、上述した各種センサが出力した検出信号を運転状態に関する情報として取得する。
次に、ステップS2において、PCM16の基本目標トルク決定部18は、ステップS1において取得されたアクセルペダル10の操作量を含む車両1の運転状態に基づき、目標加速度を設定する。具体的には、基本目標トルク決定部18は、種々の車速及び種々の変速段について規定された加速度特性マップ(予め作成されてメモリなどに記憶されている)の中から、現在の車速及び変速段に対応する加速度特性マップを選択し、選択した加速度特性マップを参照して現在のアクセル開度に対応する目標加速度を決定する。
次に、ステップS3において、基本目標トルク決定部18は、ステップS2において決定した目標加速度を実現するためのエンジン4の基本目標トルクを決定する。この場合、基本目標トルク決定部18は、現在の車速、変速段、路面勾配、路面μなどに基づき、エンジン4が出力可能なトルクの範囲内で、基本目標トルクを決定する。
また、ステップS2及びS3の処理と並行して、ステップS4において、減速トルク決定部20は、ステアリング操作に基づき車両1に減速度を付加するための減速トルクを決定する減速トルク決定処理を実行する。即ち、図3のステップS4においては、車両姿勢制御により付加される減速トルクを決定するための減速トルク決定処理を実行するサブルーチンとして、図4に示すフローチャートが呼び出される。
図4に示すように、減速トルク決定処理が開始されると、ステップS21において、減速トルク決定部20は、図3のステップS1において取得した操舵角の絶対値が増大中か否か、即ち、ステアリングホイール6aを切り込み中であるか否かが判定される。その結果、操舵角の絶対値が増大中である場合、ステップS22に進み、減速トルク決定部20は、ステップS1において取得した操舵角に基づき操舵速度を算出する。
次に、ステップS23において、減速トルク決定部20は、操舵速度の絶対値が減少しているか否かを判定する。
その結果、操舵速度の絶対値が減少していない場合、即ち操舵速度の絶対値が増大している又は操舵速度の絶対値が変化していない場合、ステップS24に進み、減速トルク決定部20は、操舵速度に基づき目標付加減速度を取得する。この目標付加減速度は、ドライバの意図した車両挙動を正確に実現するために、車両姿勢制御として、ステアリング操作に応じて車両1に付加すべき減速度である。
具体的には、減速トルク決定部20は、図6のマップに示した目標付加減速度と操舵速度との関係に基づき、ステップS22において算出した操舵速度に対応する目標付加減速度を取得する。
図6における横軸は操舵速度を示し、縦軸は目標付加減速度を示す。図6に示すように、操舵速度が閾値TS以下である場合、対応する目標付加減速度は0である。即ち、操舵速度が閾値TS以下である場合、PCM16は、ステアリング操作に基づき車両1に減速度を付加する車両姿勢制御(具体的にはエンジン4の出力トルクの低減)を中止する。
一方、操舵速度が閾値TSを超えている場合には、操舵速度が増大するに従って、この操舵速度に対応する目標付加減速度は、最小値(図6では0.05m/s2)から所定の上限値Dmax(例えば1m/s2)に漸近するように増大する。即ち、操舵速度が増大するほど目標付加減速度は増大し、且つ、その増大量の増加割合は小さくなる。
次に、図4のステップS25において、減速トルク決定部20は、ステップS24において取得された目標付加減速度を補正する付加減速度補正処理を実行する。即ち、ステップS25においては、付加減速度補正処理を実行するサブルーチンとして、図5に示すフローチャートが呼び出される。
図5に示すように、付加減速度補正処理が開始されると、ステップS41において、減速トルク決定部20は、図3のステップS1で取得した車速、操舵角、アクセル開度、及びブレーキ液圧に基づき、付加減速度を補正するための補正係数K1~K4を取得する。
具体的には、減速トルク決定部20は、車速、操舵角、アクセル開度、及び要求減速度と補正係数K1~K4とのそれぞれの関係を示す図7~図10の各マップを参照し、車速、操舵角、アクセル開度、及び要求減速度のそれぞれに対応する補正係数K1、K2、K3、及びK4を取得する。
図7は、本発明の実施形態による減速トルク決定部20が決定する付加減速度の補正係数K1と車速との関係を示したマップである。この図7における横軸は車速を示し、縦軸は補正係数K1を示す。図7に示すように、10km/h以上60km/h以下の速度範囲において、車速が小さくなるほど補正係数K1が小さくなるように設定されると共に、80km/h以上の速度範囲においては、車速が大きくなるほど補正係数K1が小さくなるように設定されている。車速が60km/h以上80km/h以下の速度範囲では、補正係数K1は1で一定となっており、付加減速度の補正は行なわれない。また、車速が10km/h以下の場合には、補正係数K1は0.1で一定となっている。
図8は、本発明の実施形態による減速トルク決定部20が決定する付加減速度の補正係数K2と操舵角との関係を示したマップである。この図8における横軸は操舵角を示し、縦軸は補正係数K2を示す。図8に示すように、操舵角が120deg未満の場合、操舵角が小さくなるほど補正係数K2が小さくなるように設定されている。操舵角が120deg以上の場合には、補正係数K2は最大値1で一定となっている。また、操舵角が0degの場合、補正係数K2は最小値0.3となっている。
図9は、本発明の実施形態による減速トルク決定部20が決定する付加減速度の補正係数K3とアクセル開度との関係を示したマップである。この図9における横軸はアクセル開度を示し、縦軸は、アクセル開度ゲインである補正係数K3を示す。図9に示すように、アクセル開度が60%程度よりも小さい場合、アクセル開度が大きくなるほど補正係数K3が小さくなるように設定されている。アクセル開度が60%程度よりも大きい場合には、補正係数K3は最小値0.25で一定となっている。
また、図9に示すように、アクセル開度に基づいて付加減速度を補正するための補正係数K3は、自動変速機5の変速段毎に異なるマップが設定されている。図9において、実線は、車両1のシフター(図示せず)を通常のドライブレンジ(Dレンジ)として走行した場合に使用されるマップを示している。これに対して、図9の一点鎖線は、ステアリングホイール6aの左側のパドルスイッチ6bが1回操作され、運転者によるシフトダウンの要求(減速要求)があった場合に使用されるマップを示している。さらに、図9の二点鎖線は、運転者による更なるシフトダウンの要求があり、左側のパドルスイッチ6bが2回操作された場合に使用されるマップを示している。
一方、図9の破線は、ステアリングホイール6aの右側のパドルスイッチ6bが1回操作され、運転者によるシフトアップの要求(加速要求)があった場合に使用されるマップを示している。さらに、図9の点線は、運転者による更なるシフトアップの要求があり、右側のパドルスイッチ6bが2回操作された場合に使用されるマップを示している。このように、本実施形態においては、自動変速機5において設定されている変速段に応じて、補正係数K3の異なるマップが使用され、図9の横軸に示すアクセル開度が同じであっても、異なる補正係数K3が設定される。
図9の実線に示すように、補正係数K3は、シフター(図示せず)が通常のドライブレンジに設定されている場合には、アクセル開度が10%程度以下の領域で最大値1をとり、アクセル開度が大きくなるに従って減少し、アクセル開度が60%程度以上の領域で最小値0.25になっている。これに対し、運転者によりシフトアップされている(自動変速機5を高速側に切り替えた)場合には、図9の破線に示すように、補正係数K3は、アクセル開度が10%程度以下の領域での最大値は0.9程度にされている。さらに、補正係数K3は、アクセル開度が大きくなるに従って減少し、アクセル開度が50%程度以上の領域で最小値0.25になっている。また、図9の点線に示すように、2段階高速側にシフトアップされている場合には、補正係数K3は、さらに小さな値に設定されている。このように、補正係数K3は、アクセル開度が同じであっても、高速側に切り替えられるほど、小さな値に設定される。
一方、図9の一点鎖線に示すように、補正係数K3は、運転者によりシフトダウンされている場合には、アクセル開度が10%程度以下の領域で最大値1をとり、アクセル開度が20%程度以上の領域では、通常のドライブレンジに設定されている場合よりも大きな値をとる。そして、アクセル開度が65%程度以上の領域で、補正係数K3は最小値0.25になっている。
さらに、図9の二点鎖線に示すように、補正係数K3は、2段階シフトダウンされている場合には、アクセル開度が10%程度以下の領域で最大値1をとり、アクセル開度が25%程度以上の領域では、1段階シフトダウンされている場合よりも大きな値をとる。そして、アクセル開度が75%程度以上の領域で、補正係数K3は最小値0.25になっている。
なお、図9のアクセル開度が10%程度以下の領域において、シフトアップ時(図9の破線、点線)においては補正係数K3の値を低下させている一方、シフトダウン時(図9の一点鎖線、二点鎖線)においては補正係数K3の値を増加させず、通常のドライブレンジと同じ、最大値1にされている。これは、シフトダウン時において補正係数K3を増加させることにより、減速トルクが大きくなりすぎ、スリップ限界に達してしまうのを防止するためである。また、一般に、シフトダウンした場合には、同一車速を維持するために要するアクセル開度は大きくなるが、図9のように変速段に応じて補正係数K3を設定しておくことにより、アクセル開度が増大しても、同一車速に対し、補正係数K3の値はほぼ一定になる。
ここで、自動変速機5が低速側に切り替えられている場合には、高速側に切り替えられている場合よりも、アクセルペダル10の操作量に対して設定される目標加速度が低くなる。即ち、アクセルペダル10が或る踏み込み量である場合において、設定される目標加速度は、自動変速機5が低速側に切り替えられている場合には、高速側に切り替えられている場合よりも低くなる。このため、自動変速機5の変速段を検出する車両状態検出部である変速機センサ5aは、アクセルペダル10の操作量に対する目標加速度を検出している、ということができる。そして、変速機センサ5aによって検出された変速段が低速段である場合には、アクセルペダル10の操作量に対する目標加速度が小さくなり、逆に、変速段が高速段である場合には、アクセルペダル10の操作量に対する目標加速度が大きくなる。
さらに、図9の一点鎖線や二点鎖線に示すように変速段が低速段であり、アクセルペダル10の操作量に対する目標加速度が小さい場合には、補正係数K3が大きくされ、付加減速度及び減速トルクが大きな値に補正される。これに対して、図9の破線や点線に示すように変速段が高速段であり、アクセルペダル10の操作量に対する目標加速度が大きい場合には、補正係数K3が小さくされ、付加減速度及び減速トルクが小さな値に補正される。
このように、本実施形態の車両駆動システムにおいては、付加減速度、及びこれに基づいて設定される減速トルクを、アクセルペダル10の操作量に基づいて補正しているが、その補正係数K3の値を、変速段(アクセルペダルの操作量に対する目標加速度)に基づいて修正している。これにより、減速トルクをアクセルペダル10の操作量に基づいて補正した場合でも、同一の目標加速度に対して、同程度の減速トルクを付加することが可能となり、一貫した車両姿勢制御が実行され、運転者に違和感を与えることがない。
次に、図10は、本発明の実施形態による減速トルク決定部20が決定する付加減速度の補正係数K4と要求減速度との関係を示したマップである。この図10における横軸は、ブレーキ液圧センサ14によって検出された要求減速度を示し、縦軸は補正係数K4を示す。図10に示すように、要求減速度が1m/s2未満の場合、要求減速度が大きくなるほど補正係数K4が小さくなるように設定されている。要求減速度が1m/s2以上の場合には、補正係数K4は最小値0で一定となっている。また、要求減速度が0m/s2の場合、補正係数K4は最大値1となっている。
図5のステップS41においては、図6乃至図10に示したマップを使用して、車速、操舵角、アクセル開度、及び要求減速度のそれぞれに対応する補正係数K1、K2、K3、及びK4が設定される。次いで、ステップS42に進み、減速トルク決定部20は、図4のステップS24において取得した目標付加減速度に補正係数K1、K2、K3、及びK4の全てを乗算することにより、目標付加減速度を補正する(以下、補正後の付加減速度を必要に応じて「補正付加減速度」という)。
次に、ステップS43において、減速トルク決定部20は、補正付加減速度が、所定の閾値DT(例えば0.05m/s2)未満か否かを判定する。
その結果、補正後の付加減速度が閾値DT未満である場合、ステップS44に進み、減速トルク決定部20は、図4のステップS24において取得した目標付加減速度に補正係数K1及びK2を乗算した値が閾値DT未満か否かを判定する。
その結果、目標付加減速度に補正係数K1及びK2を乗算した値が閾値DT未満である場合、車速が十分低いか又は操舵角が十分小さく、回頭性向上の必要性が低い状況であると考えられ、トルクを低減させる制御を停止してもドライバに違和感を与える可能性が低いので、ステップS45に進み、減速トルク決定部20は、補正付加減速度を0に設定する。即ち、トルクの低減を停止する。その後、減速トルク決定部20は、付加減速度補正処理を終了する。
一方、目標付加減速度に補正係数K1及びK2を乗算した値が閾値DT未満ではない(閾値DT以上である)場合、ステップS46に進み、減速トルク決定部20は、図4のステップS24において取得した目標付加減速度に補正係数K3及びK4を乗算した値が閾値DT未満か否かを判定する。
その結果、目標付加減速度に補正係数K3及びK4を乗算した値が閾値DT未満である場合、車速が高く且つ操舵角が大きいことにより回頭性向上の必要性が高い状況であるにも関わらず、アクセル開度が大きいか又は要求減速度が大きいことにより補正付加減速度が閾値DT未満になっていると考えられる。この場合、トルクを低減させる制御を停止すると、僅かながら車両の回頭性が低下するので、ステアリングホイールの反力の変化や車両の進行方向の変化等が生じ、ドライバに違和感を与える可能性がある。そこで、減速トルク決定部20は、ステップS42において算出した補正付加減速度を0にすることなく付加減速度補正処理を終了する。即ち、トルクの低減を維持する。
一方、目標付加減速度に補正係数K3及びK4を乗算した値が閾値DT未満ではない(閾値DT以上である)場合、車速が高く且つ操舵角が大きいことにより回頭性向上の必要性が高い状況ではないと考えられるので、ステップS45に進み、減速トルク決定部20は、補正付加減速度を0に設定する。即ち、トルクの低減を停止する。
また、ステップS46において、補正付加減速度が閾値DT未満ではない(閾値DT以上である)場合、トルクの低減を停止すべき状況ではないので、減速トルク決定部20は、ステップS42において算出した補正付加減速度を0にすることなく付加減速度補正処理を終了する。即ち、トルクの低減を維持する。
図4に戻り、ステップS25の付加減速度補正処理の後、ステップS26において、減速トルク決定部20は、補正後の付加減速度の増大率が閾値Rmax(例えば0.5m/s3)以下となる範囲で今回の処理における付加減速度を決定する。
具体的には、減速トルク決定部20は、前回の処理において決定した付加減速度から今回の処理のステップS25において補正した付加減速度への増大率がRmax以下である場合、ステップS25において補正した付加減速度を今回の処理における付加減速度として決定する。
一方、前回の処理において決定した付加減速度から今回の処理のステップS25において補正した付加減速度への変化率がRmaxより大きい場合、減速トルク決定部20は、前回の処理において決定した付加減速度から今回の処理時まで増大率Rmaxにより増大させた値を今回の処理における付加減速度として決定する。
また、ステップS23において、操舵速度の絶対値が減少している場合、ステップS27に進み、減速トルク決定部20は、前回の処理において決定した付加減速度を今回の処理における付加減速度として決定する。即ち、操舵速度の絶対値が減少している場合、操舵速度の最大時における付加減速度(即ち付加減速度の最大値)が保持される。
また、ステップS21において、操舵角の絶対値が増大中ではない(一定又は減少中である)場合、ステップS28に進み、減速トルク決定部20は、前回の処理において決定した付加減速度を今回の処理において減少させる量(減速度減少量)を取得する。この減速度減少量は、例えば、予めメモリ等に記憶されている一定の減少率(例えば0.3m/s3)に基づき算出される。あるいは、ステップS1において取得された車両1の運転状態やステップS22において算出した操舵速度に応じて決定された減少率に基づき算出される。
そして、ステップS29において、減速トルク決定部20は、前回の処理において決定した付加減速度からステップS28において取得した減速度減少量を減算することにより、今回の処理における付加減速度を決定する。
ステップS26、S27、又はS29の後、ステップS30において、減速トルク決定部20は、ステップS26、S27、又はS29において決定した今回の付加減速度に基づき、減速トルクを決定する。具体的には、減速トルク決定部20は、今回の付加減速度を実現するために必要となる減速トルクを、ステップS1において取得された現在の車速、路面勾配等に基づき決定する。このステップS31の後、減速トルク決定部20は減速トルク決定処理を終了し、図3に示すメインルーチンに戻る。
図3に戻り、ステップS2及びS3の処理及びステップS4の減速トルク決定処理を行った後、ステップS5において、最終目標トルク決定部22は、ステップS4において平滑化を行った後の基本目標トルクから、ステップS4の減速トルク決定処理において決定した減速トルクを減算することにより、最終目標トルクを決定する。
次に、ステップS6において、エンジン制御部24は、ステップS5において設定した最終目標トルクを出力させるようにエンジン4を制御する。具体的には、エンジン制御部24は、ステップS5において設定した最終目標トルクと、エンジン回転数とに基づき、最終目標トルクを実現するために必要となる各種状態量(例えば、空気充填量、燃料噴射量、吸気温度、酸素濃度等)を決定し、それらの状態量に基づき、エンジン4の各構成要素のそれぞれを駆動する各アクチュエータを制御する。この場合、エンジン制御部24は、状態量に応じた制限値や制限範囲を設定し、状態値が制限値や制限範囲による制限を遵守するような各アクチュエータの制御量を設定して制御を実行する。
ステップS6の後、PCM16は、エンジン制御処理を終了する。
次に、図11により、本発明の第1実施形態による車両駆動システムの作用を説明する。図11は、本発明の第1実施形態による車両駆動システムを搭載した車両1が旋回を行う場合における、車両駆動システムによるエンジン制御に関するパラメータの変化を示すタイムチャートである。
図11(a)は、右旋回を行う車両1を概略的に示す平面図である。この図11(a)に示すように、車両1は、位置Aから右旋回を開始し、位置Bから位置Cまで操舵角一定で右旋回を継続する。
図11(b)は、図11(a)に示したように右旋回を行う車両1の操舵角の変化を示す線図である。図11(b)における横軸は時間を示し、縦軸は操舵角を示す。
この図11(b)に示すように、位置Aにおいて右向きの操舵が開始され、ステアリングの切り込み操作が行われることにより右向きの操舵角の絶対値が徐々に増大し、位置Bにおいて操舵角の絶対値が最大となる。その後、位置Cまで操舵角が一定に保たれる(操舵保持)。
図11(c)は、図11(b)に示したように右旋回を行う車両1の操舵速度の変化を示す線図である。図11(b)における横軸は時間を示し、縦軸は操舵速度を示す。
車両1の操舵速度は、車両1の操舵角の時間微分により表される。即ち、図11(c)に示すように、位置Aにおいて右向きの操舵が開始された場合、右向きの操舵速度が生じ、位置Aと位置Bとの間において操舵速度がほぼ一定に保たれる。その後、右向きの操舵速度は減少し、位置Bにおいて右向きの操舵角が最大になると、操舵速度は0になる。更に、位置Bから位置Cまで右向きの操舵角が保持される間、操舵速度は0のままである。
図11(d)は、図11(c)に示した操舵速度に基づき決定された付加減速度の変化を示す線図である。図11(d)における横軸は時間を示し、縦軸は付加減速度を示す。
減速トルク決定部20は、操舵速度の増大と共に付加減速度を増大させ、操舵速度がほぼ一定に保たれている領域では、付加減速度もほぼ一定にされる。
また、上述したように、図4のステップS23において操舵速度の絶対値が減少している場合、減速トルク決定部20は、操舵速度の最大時における付加減速度を保持する。図11(d)では、位置Bに向かって操舵速度が減少している場合、それに伴って一点鎖線により示す目標付加減速度も減少するが、実線により示す付加減速度は最大値を位置Bまで維持する。
更に、上述したように、図4のステップS21において、操舵角の絶対値が一定又は減少中である場合、減速トルク決定部20は、ステップS29において、ステップS27で取得した減速度減少量を補正し、ステップS30において、その補正減速度減少量により付加減速度を減少させる。図11(d)では、減速トルク決定部20は、付加減速度の減少率が徐々に小さくなるように、即ち付加減速度の変化が徐々に緩やかになるように、付加減速度を減少させる。
図11(e)は、図11(d)に示した付加減速度に基づき決定された減速トルクの変化を示す線図である。図11(e)における横軸は時間を示し、縦軸は減速トルクを示す。
上述したように、減速トルク決定部20は、付加減速度を実現するために必要となる減速トルクを、現在の車速、路面勾配等のパラメータに基づき決定する。従って、これらのパラメータが一定である場合、減速トルクは、図11(d)に示した付加減速度の変化と同様に変化するように決定される。
図11(f)は基本目標トルクと減速トルクとに基づき決定された最終目標トルクの変化を示す線図である。図11(f)における横軸は時間を示し、縦軸はトルクを示す。また、図11(f)における点線は基本目標トルクを示し、実線は最終目標トルクを示す。
図3を参照して説明したように、最終目標トルク決定部22は、ステップS3において決定した基本目標トルクから、ステップS4の減速トルク決定処理において決定した減速トルクを減算することにより、最終目標トルクを決定する。
図11(g)は、図11(f)に示した最終目標トルクに基づきエンジン4の制御を行った場合に車両1に発生するヨーレート(実ヨーレート)の変化と、減速トルク決定部が決定した減速トルクに基づくエンジン4の制御を行わなかった場合(即ち図11(f)に点線で示した基本目標トルクを実現するようにエンジン4の制御を行った場合)の実ヨーレートの変化とを示す線図である。図11(g)における横軸は時間を示し、縦軸はヨーレートを示す。また、図11(g)における実線は、最終目標トルクを実現するようにエンジン4の制御を行った場合の実ヨーレートの変化を示し、点線は、減速トルクに対応する制御を行わなかった場合の実ヨーレートの変化を示す。
位置Aにおいて右向きの操舵が開始され、右向きの操舵速度が増大するにつれて図11(e)に示したように減速トルクを増大させることにより、図11(f)に示したように最終目標トルクを低減させると、車両1の操舵輪である前輪2の荷重が増加する。その結果、前輪2と路面との間の摩擦力が増加し、前輪2のコーナリングフォースが増大するため、車両1の回頭性が向上する。即ち、図11(g)に示すように、位置Aと位置Bとの間において、減速トルクに対応する制御を行わなかった場合(点線)よりも、減速トルクを反映した最終目標トルクを実現するようにエンジン4の制御を行った場合(実線)の方が、車両1に発生する時計回り(CW)のヨーレートが大きくなる。
次に、図11(d)、(e)に示したように、位置Bに向かって操舵速度が減少するとき目標付加減速度も減少するが、減速トルクを最大値のまま維持しているので、操舵の切り込みが継続されている間は前輪2に付加した荷重が維持され、車両1の回頭性が保たれる。
更に、位置Bから位置Cにおいて操舵角の絶対値が一定である場合、減速トルクを滑らかに減少させることにより、最終目標トルクを滑らかに上昇させるので、操舵の切り込みの終了に応じて徐々に前輪2に付加した荷重を低減し、前輪2のコーナリングフォースを減少させることにより車体を安定させつつ、エンジン4の出力トルクを回復させることができる。
本発明の第1実施形態の車両駆動システムによれば、アクセルペダル10の操作量に対する目標加速度が小さい場合(例えば、図9の一点鎖線、二点鎖線)には、目標加速度が大きい場合(例えば、図9の破線、点線)よりも、補正係数K3が大きな値に設定され、これにより、車両姿勢制御における減速トルクが大きい値に補正される。このため、アクセルペダル10の操作量と目標加速度の関係が変化しても、同一の操舵、目標加速度に対して、ほぼ同一の減速トルクを設定することができる。これにより、車両1の同一の走行状態に対して、車両姿勢制御が、アクセルペダル10の操作量によって異なるものとなるのを抑制することができ、運転者に違和感を与えるのを防止することができる。
また、本実施形態の車両駆動システムによれば、自動変速機5の変速段が切り替えられることにより、同一の加速度を得るためのアクセルペダル10の操作量が変更された場合でも、同様の車両姿勢制御が実行され、運転者に違和感を与えるのを防止することができる。
さらに、本実施形態の車両駆動システムによれば、自動変速機5の変速段が変更され、アクセルペダル10の操作量と目標加速度の関係が変更されたとしても、同様の車両姿勢制御を実行することができ、運転者に違和感を与えるのを防止することができる。
以上、本発明の第1実施形態においては、本発明の車両駆動システムを前輪駆動の車両に適用していたが、変形例として、本発明を後輪駆動の車両に適用することもできる。この場合において、制御器であるPCM16は、操舵角センサ8によって検出された操舵速度、及びアクセル開度センサ10aによって検出されたアクセルペダル10の操作量に基づいて加速トルクを設定し、この加速トルクに基づいて、目標加速度に対応した基本目標トルクを修正することで車両姿勢制御を実行する。
また、上述した第1実施形態においては、アクセル開度ゲインである補正係数K3(図9)のマップが、自動変速機5の変速段に応じて変更されていたが、後輪駆動車においてもマップが同様に変更される。即ち、後輪駆動の車両においても、PCM16は、アクセルペダル10の操作量に対する目標加速度が小さい場合(自動変速機5が低速段にある場合)には、アクセルペダル10の操作量に対する目標加速度が大きい場合(高速段にある場合)よりも、加速トルクを大きい値に補正する。これにより、アクセルペダル10の操作量と目標加速度の関係が変化しても、同一の操舵、目標加速度に対して、ほぼ同一の加速トルクを設定することができる。その結果、車両1の同一の走行状態に対して、車両姿勢制御が、アクセルペダル10の操作量によって異なるものとなるのを抑制することができ、運転者に違和感を与えるのを防止することができる。
次に、図12及び図13を参照して、本発明の第2実施形態による車両駆動システムを説明する。
本実施形態の車両駆動システムは、適用されている車両が、原動機として回転電気機械(モータ/ジェネレータ)を備えた電気自動車である点が、上述した本発明の第1実施形態とは異なる。従って、ここでは、本発明の第2実施形態の、第1実施形態とは異なる点のみを説明し、同様の構成、作用、効果については説明を省略する。図12は、本発明の第2実施形態による車両駆動システムを搭載した車両の全体構成を示すブロック図である。図13は、アクセルペダル開度と回転電気機械の出力トルク及び回生トルクとの関係を示すトルク制御マップである。
図12に示すように、電気自動車100は、原動機である回転電気機械104を搭載する電気自動車である。回転電気機械104は、例えば電気自動車100の車体前部に搭載されている。回転電気機械104から出力されたトルクは、減速機105に伝達される。減速機105は、回転電気機械104の出力トルクを単一の減速比で一対のドライブシャフトに出力する。これにより、各ドライブシャフトの車幅方向外側端部に取り付けられた一対の駆動輪102(図12の例では左右の前輪)が駆動される。
回転電気機械104に電力を供給するバッテリー122は、例えば電気自動車100の車体後部に搭載されている。さらに、回転電気機械104の近傍にインバーター118が配置されている。インバーター118は、バッテリー122から供給された直流電力を交流電力に変換して回転電気機械104に供給し、又は回転電気機械104が発生させる回生電力を直流電力に変換してバッテリー122に供給することによりバッテリー122を充電する。また、インバーター118は制御器であるPCM116(Power-train Control Module)と電気的に接続されており、PCM116との間で制御信号を入出力できるようになっている。
また、電気自動車100は、車両を操舵するための操舵装置106と、操舵装置106による操舵角を検出する操舵角センサ108と、アクセル開度センサ110と、車速センサ112と、を有する。上述した、回転電気機械104、操舵装置106、操舵角センサ108、アクセル開度センサ110、及びPCM116は、本発明の第2実施形態による車両駆動システムを構成する。
また、アクセル開度センサ110は、アクセルペダルの操作量(運転者がアクセルペダルを踏み込んだ量に相当する)を検出するように構成されている。上記各センサは、直接的に又は間接的にPCM116と電気的に接続されており、それぞれの検出値に対応する検出信号をPCM116に出力する。
さらに、電気自動車100は、操舵装置106のステアリングホイール106aに設けられたパドルスイッチ106b、及び、センターコンソールに設けられたシフター120を備えている。これらのパドルスイッチ106bやシフター120は、運転者が運転中に操作可能な位置に配置されており、直接的又は間接的に、PCM116と電気的に接続されている。パドルスイッチ106b及びシフター120は、運転者によって操作されると、その操作に応じた操作信号をPCM116に出力する。
この電気自動車100においては、PCM116が各種の制御を行う。本実施形態では、PCM116は電気自動車100の車両駆動システムの制御器として機能する。PCM116は、運転者によるアクセルペダルの操作に応じてインバーター118を制御し、このインバーター118を介してバッテリー122から回転電気機械104に電力を供給させ又は回転電気機械104からバッテリー122に回生電力を供給させることで、アクセル操作に応じた所望の出力トルク又は回生トルクが実現されるようにする。即ち、PCM116は、アクセル開度センサ110によって検出されたアクセルペダルの操作量に基づいて目標加速度を設定するように構成されている。
PCM116は、プロセッサー、及び、当該プロセッサー上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)や各種のデータを記憶するためのメモリ(以上図示せず)を有している。また、PCM116は、操舵角センサ108によって検出された操舵速度、及びアクセル開度センサ110によって検出されたアクセルペダルの操作量に基づいて減速トルクを設定し、この減速トルクに基づいて、目標加速度に対応した基本目標トルクを修正する車両姿勢制御を実行するように構成されている。
パドルスイッチ106bは、ステアリングホイール106aの背面側(運転者の反対側)に、一対設けられている。本実施形態においては、運転席側から見て右側のパドルスイッチ106bを手前に引く操作を「プラス操作」、左側のパドルスイッチ106bを手前に引く操作を「マイナス操作」と呼ぶものとする。何れか又は両方のパドルスイッチ106bが操作されると、操作されたパドルスイッチ106bに応じた操作信号がPCM116に出力される。これにより、PCM116に内蔵されたプロセッサー(図示せず)は、運転者によりパドルスイッチ106bが操作されたことを検知する。
即ち、PCM116のプロセッサーは、アクセルペダルの操作量に対する回転電気機械104の発生トルク、及び回転電気機械104の回生トルクを検出する車両状態検出部として機能すると共に、本実施形態の車両駆動システムの一部を構成する。換言すれば、PCM116は、アクセルペダルの操作量と設定された目標加速度の関係を検出すると共に、同一車速を維持するために要するアクセルペダルの操作量を検出する車両状態検出部として機能する。
また、シフター120は、運転者により、パーキングレンジ(Pレンジ)、リバースレンジ(Rレンジ)、ドライブレンジ(Dレンジ)、又はマニュアルレンジ(Mレンジ)に切り替えられるように構成されている。シフター120には、シフトレバーの位置を検出するためのシフトポジションセンサーが設けられており、シフトレバーが、Pレンジ、Rレンジ、Dレンジ、Mレンジの何処に配置されているかが検出できるようになっている。また、Mレンジの前後には、Mレンジの前後へのシフトレバー操作を検出するセンサが設けられている。シフトレバーが操作されると、これらのセンサがシフトレバーの位置に応じた操作信号をPCM116に出力する。
また、Mレンジにおいて、シフトレバーを前方又は後方に動かすことができ、これにより、右側のパドルスイッチ106bを手前に引く「プラス操作」、及び左側のパドルスイッチ106bを手前に引く「マイナス操作」と同等の操作を行うことができる。
次に、図13を参照して、アクセルペダル開度と回転電気機械104の出力トルク及び回生トルクとの関係について説明する。図13は、本実施形態による、車速毎のトルク制御マップの一例を示す図である。具体的には、図13(a)は、30km/hの車速において適用するトルク制御マップを示し、図13(b)は、60km/hの車速において適用するトルク制御マップを示し、図13(c)は、100km/hの車速において適用するトルク制御マップを示している。図13(a)~(c)は、それぞれ、横軸にアクセルペダル開度[%]を示し、縦軸に回転電気機械104のトルク[Nm]を示している。また、縦軸のトルクが正値であるときは回転電気機械104の出力トルクを示し、負値であるときは回転電気機械104の回生トルクを示している。
なお、図13では、30km/h、60km/h及び100km/hにおいて適用するトルク制御マップを一例として示しているに過ぎず、実際には、これら以外の種々の車速について適用するトルク制御マップが用意される。これらのトルク制御マップは、PCM116のプロセッサー(図示せず)に記憶されている。
本実施形態においては、パドルスイッチ106bを操作し、又はMレンジにおいてシフター120を前後に操作することにより、アクセルペダルの開度と回転電気機械104の出力トルク及び回生トルクとの関係を変更することができる。具体的には、図13(a)、(b)、(c)に示すように、車速毎にD--、D-、D、D+及びD++の5段階のトルク制御マップが用意されている。これらのトルク制御マップにおいては、同一のアクセルペダル開度に応じた回転電気機械104の出力トルクは、D--、D-、D、D+、D++の順に大きくなる。また、同一のアクセルペダル開度に応じた回転電気機械104の回生トルクは、D--、D-、D、D+、D++の順に小さくなる。換言すれば、パドルスイッチ106b等の操作により、アクセルペダルの操作量に対する目標加速度が変更される。そして、この変更は、PCM116によって検知される。
また、何れのトルク制御マップにおいても、アクセルペダル開度が大きくなるほど、回転電気機械104の回生トルクは小さく、出力トルクは大きくなるように設定されている。そして、アクセルペダル開度が100%に近づくにつれて、D--、D-、D、D+、D++のそれぞれのトルク制御マップにおける回転電気機械104の出力トルクが各車速における最大出力トルクに収束するようになっている。また、車速が大きくなるほど、出力トルクが0(回生トルクも0)になるアクセルペダル開度は大きくなるように設定されている。本実施形態においては、出力トルクが0(回生トルクも0)になるアクセルペダル開度は、車速が30km/hの場合に約10~25%、60km/hの場合に約15~30%、100km/hの場合に約20~40%となっている。
一方、本実施形態においても、PCM116は、操舵角センサ108によって検出された操舵速度、及びアクセル開度センサ110によって検出されたアクセルペダルの操作量に基づいて減速トルクを設定し、この減速トルクに基づいて、目標加速度に対応した基本目標トルクを修正する車両姿勢制御を実行するように構成されている。この車両姿勢制御は、図3乃至図10を参照して説明した本発明の第1実施形態による車両駆動システムにおける車両姿勢制御と同等である。
即ち、本実施形態においても、設定された減速トルクが、図7乃至図10に示したものと同等の補正係数K1乃至K4によって補正され、最終的な減速トルクが決定される。また、上述した第1実施形態においては、図9に示すアクセル開度に基づいて設定される補正係数K3(アクセル開度ゲイン)は、自動変速機5において設定されている変速段に応じて、異なるマップが適用されていた。一方、本実施形態の車両駆動システムは電気自動車100に適用されており、自動変速機5に相当する構成は備えられていない。しかしながら、本実施形態においても、図13に示すように、パドルスイッチ106b等の操作によりアクセルペダルの操作量に対する目標加速度が変更される。
このため、本実施形態においても、アクセル開度に基づいて設定される補正係数K3を設定するマップが、パドルスイッチ106b等の操作状態に応じて変更される。例えば、図13において、「D」で示されたトルク制御マップが適用されている状態においては、図9の実線に示すマップを使用して補正係数K3を設定することができる。また、図13の「D+」においては図9の破線、図13の「D++」においては図9の点線に示すマップを使用して、図13の「D-」においては図9の一点鎖線、図13の「D--」においては図9の二点鎖線に示すマップを使用して、補正係数K3を設定することができる。
これにより、同一のアクセルペダルの操作量に対し、アクセルペダルの操作量に対する目標加速度が小さい場合(例えば、D-、D--の場合)には、補正係数K3が大きな値に設定される。このように補正係数K3を設定することにより、アクセルペダルの操作量に対する目標加速度が小さい場合には、アクセルペダルの操作量に対する目標加速度が大きい場合よりも、減速トルクが大きい値に補正される。これにより、減速トルクをアクセルペダルの操作量に基づいて補正した場合でも、同一の目標加速度に対して、同程度の減速トルクを付加することが可能となり、一貫した車両姿勢制御が実行され、運転者に違和感を与えることがない。
本発明の第2実施形態の車両駆動システムによれば、車両状態検出部として機能するPCM116により、アクセルペダルの操作量に対する回転電気機械104の発生トルク、及び回転電気機械104の回生トルクが検出される。これにより、アクセルペダルの操作量と目標加速度の関係は変更されるものの、補正係数K3を設定するためのマップを変更することにより、同様の車両姿勢制御を実行することができ、運転者に違和感を与えるのを防止することができる。
また、本発明の第2実施形態においては、回転電気機械104により駆動される前輪駆動の車両に本発明が適用されていたが、回転電気機械104により駆動される後輪駆動の車両にも本発明を適用することができる。この場合には、第1実施形態に対する変形例と同様に、本発明の第2実施形態による車両駆動システムを変更すれば良い。
以上、本発明の実施形態による車両駆動システムを説明したが、上述した実施形態に種々の変更を加えることができる。特に、上述した実施形態においては、自動変速機を備えたエンジン車、及び回転電気機械を備えた電気自動車に本発明が適用されていたが、マニュアル変速機を備えたエンジン車や、ハイブリッド車等、種々の駆動系を備えた車両に本発明を適用することができる。
1 車両
2 前輪
4 エンジン(原動機)
5 自動変速機
5a 変速機センサ(車両状態検出部)
6 操舵装置
6a ステアリングホイール
6b パドルスイッチ(変速操作部)
8 操舵角センサ
10 アクセルペダル
10a アクセル開度センサ
12 車速センサ
14 ブレーキ液圧センサ
16 PCM(制御器)
18 基本目標トルク決定部
20 減速トルク決定部
22 最終目標トルク決定部
24 エンジン制御部
100 電気自動車
102 駆動輪
104 回転電気機械(原動機)
106 操舵装置
106a ステアリングホイール
106b パドルスイッチ
105 減速機
108 操舵角センサ
110 アクセル開度センサ
112 車速センサ
116 PCM(制御器、車両状態検出部)
118 インバーター
120 シフター
122 バッテリー

Claims (4)

  1. 車両姿勢制御機能を備えた車両駆動システムであって、
    車両の前輪を駆動する駆動力を発生させる原動機と、
    自動変速機と、
    上記車両を操舵するための操舵装置と、
    この操舵装置による操舵角を検出するための操舵角センサと、
    運転者によるアクセルペダルの操作量を検出するアクセル開度センサと、
    上記アクセル開度センサによって検出されたアクセルペダルの操作量に基づいて目標加速度を設定する制御器と、
    上記アクセル開度センサによって検出されたアクセルペダルの操作量と設定された目標加速度の関係を検出する車両状態検出部と、
    を有し、
    上記制御器は、上記操舵角センサによって検出された操舵速度、及び上記アクセル開度センサによって検出されたアクセルペダルの操作量に基づいて減速トルクを設定し、この減速トルクに基づいて、上記目標加速度に対応した基本目標トルクを修正する車両姿勢制御を実行するように構成され、
    上記車両状態検出部は、上記自動変速機の変速段を検出することにより、アクセルペダルの操作量と設定された目標加速度の関係を検出し、
    上記制御器は、上記車両状態検出部によって検出されたアクセルペダルの操作量に対する目標加速度が小さい場合には、アクセルペダルの操作量に対する目標加速度が大きい場合よりも、上記減速トルクを大きい値に補正することを特徴とする車両駆動システム。
  2. 車両姿勢制御機能を備えた車両駆動システムであって、
    車両の後輪を駆動する駆動力を発生させる原動機と、
    自動変速機と、
    上記車両を操舵するための操舵装置と、
    この操舵装置による操舵角を検出するための操舵角センサと、
    運転者によるアクセルペダルの操作量を検出するアクセル開度センサと、
    上記アクセル開度センサによって検出されたアクセルペダルの操作量に基づいて目標加速度を設定する制御器と、
    上記アクセル開度センサによって検出されたアクセルペダルの操作量と設定された目標加速度の関係を検出する車両状態検出部と、
    を有し、
    上記制御器は、上記操舵角センサによって検出された操舵速度、及び上記アクセル開度センサによって検出されたアクセルペダルの操作量に基づいて加速トルクを設定し、この加速トルクに基づいて、上記目標加速度に対応した基本目標トルクを修正する車両姿勢制御を実行するように構成され、
    上記車両状態検出部は、上記自動変速機の変速段を検出することにより、アクセルペダルの操作量と設定された目標加速度の関係を検出し、
    上記制御器は、上記車両状態検出部によって検出されたアクセルペダルの操作量に対する目標加速度が小さい場合には、アクセルペダルの操作量に対する目標加速度が大きい場合よりも、上記加速トルクを大きい値に補正することを特徴とする車両駆動システム。
  3. 上記車両状態検出部は、同一車速を維持するために要するアクセルペダルの操作量を検出するように構成されている請求項1又は2に記載の車両駆動システム。
  4. 上記原動機は回転電気機械であり、上記車両状態検出部は、アクセルペダルの操作量に対する上記回転電気機械の発生トルク、及び上記回転電気機械の回生トルクを検出することにより、アクセルペダルの操作量と設定された目標加速度の関係を検出する請求項1乃至3の何れか1項に記載の車両駆動システム。
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