JP7450831B1 - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

電力変換装置(1)において、各サブモジュール(SM)は、バイパススイッチ(BPS)が動作したことを視覚的に報知する報知部(33,79,44,85)を含む。電力変換装置(1)は、複数のサブモジュールの報知部を一つの画像データとしてまとめて撮影する監視カメラ(70)と、上記画像データを画像処理することにより、各サブモジュールのバイパススイッチ(BPS)の動作状態を判別する上位制御装置(3)とを備える。

Description

本開示は、電力変換装置に関する。
近年、電力系統などの高圧系統に適用される大容量の電力変換装置として、モジュラーマルチレベル変換器(MMC:Modular Multilevel Converter)の実用化が進展している。MMCは、各々が蓄電素子(代表的には、キャパシタ)と複数の半導体スイッチング素子とを含む多数の単位変換器を備え、これらの単位変換器がカスケードに接続される。以下、単位変換器を「変換器セル」または「サブモジュール」(SM:Submodule)とも称する。
MMCは、HVDC(High Voltage Direct Current:高圧直流)送電のための代表的な電力変換装置である。MMC-HVDCでは、カスケード接続されるサブモジュールの数に冗長性を持たせる。そして、いずれかのサブモジュールが故障した場合には当該サブモジュールをバイパススイッチによって短絡することにより、残りのサブモジュールで運転継続が図られる。
サブモジュールを構成する半導体スイッチング素子がモジュール型素子の場合には、バイパススイッチは必須である。半導体スイッチング素子が通常短絡故障する圧接型素子の場合であってもMMC-HVDCのような大電流仕様の場合には、連続通電の信頼性を確保するためにバイパススイッチは必須となる。
バイパススイッチの投入指令を発出した後の運転継続の可否判断のためには、バイパススイッチの動作確認が重要であり、信頼性の高い確認方法が必要となる。たとえば、特表2016-518804号公報(特許文献1)は、バイパススイッチが通電しているか否かを検出するモニタリング装置を開示する。
具体的にこの文献のモニタリング装置では、バイパススイッチを構成する機械式スイッチの投入のために機械式スイッチの可動部分が動いたときに断線する位置に光ファイバーが配置される。光ファイバーの断線により光ファイバーを通る光信号が遮断されることによって、機械式スイッチが通電状態にあることが検知される。
特表2016-518804号公報
バイパススイッチの動作の確認結果は、サブモジュールに設けられた個別制御部が上位制御装置に伝達する。しかしながら、信頼性確保のためには、個別制御部を介するだけでなく直接的に確認結果を上位制御装置に伝達できるほうが望ましい。この場合、光ファイバー配線によって上位制御系に伝達することは可能であるが、配線数が増大するためコストおよびスペースの点で問題となる。無線によるバックアップ通信は、高価であるし、雑音の問題もある。上記の特許文献1ではこの問題について明らかにされていない。
本開示は、上記の問題点を考慮してなされたものであり、その目的の一つは、バイパススイッチの動作確認結果を比較的簡便な方法で上位制御装置に直接伝達することが可能な電力変換装置を提供することである。
なお、バイパススイッチの信頼性を確保する観点からは、その他にも重要な課題がある。たとえば、個別制御部の故障によるバイパススイッチ投入不全時にバイパススイッチをバックアップ投入すること、およびバイパススイッチを動作させる駆動系が劣化した場合に予めバイパススイッチを交換する予防保全も重要である。これらの課題の解決手段については、以下の実施の形態において明らかにする。
一実施形態の電力変換装置は、カスケード接続された複数のサブモジュールを備える。複数のサブモジュールの各々は、一対の入出力端子と、複数の半導体スイッチング素子と、複数の半導体スイッチング素子を介して一対の入出力端子に接続される蓄電素子と、一対の入出力端子を短絡するための機械式のバイパススイッチと、複数の半導体スイッチング素子およびバイパススイッチの開閉を制御する個別制御部と、バイパススイッチが動作したことを視覚的に報知する報知部とを含む。電力変換装置は、さらに、複数のサブモジュールの各々の報知部を一つの画像データとしてまとめて撮影する監視カメラと、上記画像データを画像処理することにより、複数のサブモジュールの各々のバイパススイッチの動作状態を判別する上位制御装置とを備える。
上記の実施形態によれば、各サブモジュールはバイパススイッチが動作したことを視覚的に報知する報知部を含み、電力変換装置は、複数のサブモジュールの各々の報知部を一つの画像データとしてまとめて撮影する監視カメラと、上記画像データを画像処理することにより、複数のサブモジュールの各々のバイパススイッチの動作状態を判別する上位制御装置とを備える。これらの構成により、バイパススイッチの動作確認結果を比較的簡便な方法で上位制御装置に直接伝達することが可能な電力変換装置を提供できる。
実施の形態1に係る電力変換装置の概略構成図である。 図1の各レグ回路を構成する変換器セルの一例を示す回路図である。 図2のバイパススイッチの概念的な構成を示す断面図である。 上位制御装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。 複数の変換器セルの物理的配置を説明するための外観図である。 図5のY方向から見た断面図である。 バイパススイッチの投入動作とその確認手順を示すフローチャートである。 バイパススイッチの動作状態を報知する報知部の変形例を説明するための図である。 実施の形態3の電力変換装置において、サブモジュールの構成例を示す回路図である。 実施の形態4の電力変換装置においてサブモジュールの構成例を示す回路図である。 対の相手方のサブモジュールに対する保護動作を説明するためのフローチャートである。 実施の形態5の電力変換装置においてバイパススイッチの概念的な構成を示す断面図である。 バイパススイッチの健全性評価の手順の一例を示すフローチャートである。
以下、各実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、同一または相当する部分には同一の参照符号を付して、その説明を繰り返さない。
実施の形態1.
[電力変換装置の概略的な全体構成]
図1は、実施の形態1に係る電力変換装置1の概略構成図である。図1を参照して、電力変換装置1は、互いにカスケードに接続された複数の変換器セル7(サブモジュールSM)を含むモジュラーマルチレベル変換器によって構成されている。電力変換装置1は、直流系統14と交流系統12との間で電力変換を行なう。電力変換装置1は、電力変換器2と上位制御装置3とを含む。
電力変換器2は、正極直流端子(すなわち、高電位側直流端子)Npと、負極直流端子(すなわち、低電位側直流端子)Nnとの間に互いに並列に接続された複数のレグ回路4u,4v,4w(総称する場合または任意のものを示す場合、レグ回路4と記載する)を含む。
レグ回路4は、交流を構成する複数相の各々に設けられる。レグ回路4は、交流系統12と直流系統14との間に接続され、両回路間で電力変換を行なう。図1には、交流系統12が3相交流系統の場合が示され、U相、V相、W相にそれぞれ対応して3個のレグ回路4u,4v,4wが設けられている。
レグ回路4u,4v,4wにそれぞれ設けられた交流入力端子Nu,Nv,Nwは、変圧器13を介して交流系統12に接続される。交流系統12は交流電源などを含む。図1では、図解を容易にするために、交流入力端子Nv,Nwと変圧器13との接続は図示していない。
各レグ回路4に共通に接続された高電位側直流端子Npおよび低電位側直流端子Nnは、直流系統14に接続される。HVDC送電の場合、直流系統14は直流送電網である。なお、直流系統14を他の電力変換装置の直流端子と考えることもできる。この場合、2台の電力変換装置を連結することによって定格周波数などが異なる交流電力系統間を接続するためのBTB(Back To Back)システムが構成される。
図1の変圧器13を用いる代わりに、連系リアクトルを介して交流系統12に接続する構成としてもよい。さらに、交流入力端子Nu,Nv,Nwに代えてレグ回路4u,4v,4wにそれぞれ一次巻線を設け、この一次巻線と磁気結合する二次巻線を介してレグ回路4u,4v,4wが変圧器13または連系リアクトルに交流的に接続するようにしてもよい。この場合、一次巻線を下記のリアクトル8A,8Bとしてもよい。上記をまとめると、レグ回路4は、交流入力端子Nu,Nv,Nwまたは上記の一次巻線など、各レグ回路4u,4v,4wに設けられた接続部を介して電気的に(すなわち直流的または交流的に)交流系統12と接続される。
レグ回路4uは、高電位側直流端子Npから交流入力端子Nuまでの上アーム回路5と、低電位側直流端子Nnから交流入力端子Nuまでの下アーム回路6とを含む。上アーム回路5および下アーム回路6の接続点である交流入力端子Nuは、変圧器13と接続される。高電位側直流端子Npおよび低電位側直流端子Nnは、直流系統14に接続される。上アーム回路5および下アーム回路6を総称してアーム回路と記載する。レグ回路4v,4wについても同様の構成を有するので、以下、レグ回路4uの構成について代表的に説明する。
上アーム回路5は、カスケード接続された複数のサブモジュールSMと、リアクトル8Aとを含む。複数のサブモジュールSMおよびリアクトル8Aは、直列に接続されている。同様に、下アーム回路6は、カスケード接続された複数のサブモジュールSMと、リアクトル8Bとを含む。複数のサブモジュールSMおよびリアクトル8Bは、直列に接続されている。
以下の説明では、上アーム回路5および下アーム回路6の各々に含まれるサブモジュールSMの数をNcell+Rcellとする。但し、Ncell≧2、Rcell≧1とする。Ncellは運転に最低限必要なサブモジュールSMの数であり、Rcellは冗長セルの数である。ただし、Ncell+Rcell個のサブモジュールSMは一緒に動作するので冗長セルとその他のセルとに区別はない。Ncell+Rcell個のサブモジュールSMのうち1個が故障した場合、当該故障したセルは、そのバイパススイッチBPS(図2を参照)を投入することにより短絡される。したがって、Ncell+Rcell個のサブモジュールSMのうちRcell個のサブモジュールSMが故障すると、冗長セルの残数は0になる。さらにもう1個のサブモジュールSMが故障すると当該アームに含まれるサブモジュールSMの数がNcell個未満になるので、それ以降、電力変換器2を使用できなくなる。
リアクトル8Aが挿入される位置は、レグ回路4uの上アーム回路5のいずれの位置であってもよく、リアクトル8Bが挿入される位置は、レグ回路4uの下アーム回路6のいずれの位置であってもよい。リアクトル8A,8Bはそれぞれ複数個設けられてもよい。各リアクトルのインダクタンス値は互いに異なっていてもよい。さらに、上アーム回路5のリアクトル8Aのみ、もしくは、下アーム回路6のリアクトル8Bのみを設けてもよい。また、変圧器結線を工夫して、直流分電流の磁束を打ち消すとともに、交流分電流に対して変圧器の漏れリアクタンスが作用することでリアクトルの代替としてもよい。リアクトル8A,8Bを設けることにより、交流系統12または直流系統14等の事故時における事故電流の急激な増大を抑制することができる。
電力変換装置1は、さらに、制御に使用される電気量(電流、電圧など)を計測する各検出器として、交流電圧検出器10と、交流電流検出器16と、直流電圧検出器11A,11Bと、各レグ回路4に設けられたアーム電流検出器9A,9Bと、直流電流検出器17とを含む。これらの検出器によって検出された信号は、上位制御装置3に入力される。
なお、図1では図解を容易にするために、各検出器から上位制御装置3に入力される信号の信号線と、上位制御装置3および各サブモジュールSM間で入出力される信号の信号線とは、一部まとめて記載されているが、実際には検出器ごとおよびサブモジュールSMごとに設けられている。各サブモジュールSMと上位制御装置3との間の信号線は、送信用と受信用とが別個に設けられていてもよい。信号線は、たとえば光ファイバーによって構成される。
次に、各検出器について具体的に説明する。
交流電圧検出器10は、交流系統12のU相の交流電圧Vacu、V相の交流電圧Vacv、および、W相の交流電圧Vacwを検出する。以下の説明では、各相の交流電圧Vacu、Vacv、および、Vacwを総称して交流電圧Vacとも記載する。
交流電流検出器16は、交流系統12のU相の交流電流Iacu、V相の交流電流Iacv、および、W相の交流電流Iacwを検出する。以下の説明では、各相の交流電流Iacu、Iacv、およびIacwを総称して交流電流Iacとも記載する。
直流電圧検出器11Aは、直流系統14に接続された高電位側直流端子Npの直流電圧Vdcpを検出する。直流電圧検出器11Bは、直流系統14に接続された低電位側直流端子Nnの直流電圧Vdcnを検出する。高電位側直流電圧Vdcpと低電位側直流電圧Vdcnとの差を直流電圧Vdcとする。
直流電流検出器17は、高電位側直流端子Npまたは低電位側直流端子Nnを流れる直流電流Idcを検出する。
U相用のレグ回路4uに設けられたアーム電流検出器9Aおよび9Bは、上アーム回路5に流れる上アーム電流Ipu、および、下アーム回路6に流れる下アーム電流Inuをそれぞれ検出する。V相用のレグ回路4vに設けられたアーム電流検出器9Aおよび9Bは、上アーム電流Ipvおよび下アーム電流Invをそれぞれ検出する。W相用のレグ回路4wに設けられたアーム電流検出器9Aおよび9Bは、上アーム電流Ipwおよび下アーム電流Inwをそれぞれ検出する。以下の説明では、上アーム電流Ipu、Ipv、Ipwを総称して上アーム電流Iarmpとも記載し、下アーム電流Inu、Inv、Inwを総称して下アーム電流Iarmnとも記載し、上アーム電流Iarmpと下アーム電流Iarmnとを総称してアーム電流Iarmとも記載する。
[変換器セルの構成例]
図2は、図1の各レグ回路を構成する変換器セルの一例を示す回路図である。図1に示す変換器セル7(サブモジュールSM)は、ハーフブリッジ型の変換回路20と、蓄電素子24と、電圧検出器25と、個別制御部27と、バイパススイッチBPSと、点灯回路30とを含む。変換回路20をブリッジ回路とも称する。
ハーフブリッジ型の変換回路20は、互いに直列接続されたスイッチング素子22A,22Bと、ダイオード23A,23Bとを含む。ダイオード23A,23Bは、スイッチング素子22A,22Bとそれぞれ逆並列(すなわち、並列かつ逆バイアス方向)に接続される。ダイオード23A,23Bは、スイッチング素子22A,22Bに逆方向電圧が印加されたときの保護のために設けられている。以下、スイッチング素子22A,22Bおよびダイオード23A,23Bについて、総称する場合または任意の1つを示す場合に、スイッチング素子22およびダイオード23とそれぞれ記載する。
蓄電素子24は、スイッチング素子22A,22Bの直列接続回路と並列に接続され、直流電圧を保持する。蓄電素子24として、代表的には直流コンデンサが用いられる。スイッチング素子22A,22Bの接続ノードは高電位側の入出力端子26Pと接続される。スイッチング素子22Bと蓄電素子24との接続ノードは低電位側の入出力端子26Nと接続される。
典型的には、入出力端子26Pは、正極側に隣接するサブモジュールSMの入出力端子26Nと接続される。入出力端子26Nは、負極側に隣接するサブモジュールSMの入出力端子26Pと接続される。
各スイッチング素子22A,22Bには、オン動作とオフ動作の両方を制御可能な自己消弧型のスイッチング素子が用いられる。スイッチング素子22A,22Bは、たとえば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)またはGCT(Gate Commutated Turn-off thyristor)である。
なお、サブモジュールSMの変換回路は、上記のようなハーフブリッジ型の変換回路20に限られない。たとえば、サブモジュールSMは、フルブリッジ型の変換回路、またはスリークオーターブリッジ型の変換回路を用いて構成されていてもよい。
バイパススイッチBPSは、入出力端子26P,26N間に接続される。本実施形態の場合、バイパススイッチBPSとして機械式スイッチが用いられる。バイパススイッチBPSは、主接点MCと、主接点MCに連動して開閉する補助接点AXとを含む。主接点MCを閉じることにより、高電位側の入出力端子26Pと低電位側の入出力端子26Nとの間が短絡される。
バイパススイッチBPSは、変換器セル7(サブモジュールSM)のいずれかの素子が故障した場合に、当該サブモジュールSMを短絡させるために利用される。これにより、複数のサブモジュールSMのうちの任意のサブモジュールSMが故障しても、他のサブモジュールSMを利用することにより電力変換装置1の運転継続が可能となる。
なお、バイパススイッチBPSが投入されたときには、手動開放後に接点の健全性確認が必要であり、火薬の点火によって接点を投入するインフレータ方式の場合には、バイパススイッチの交換が必要になる。したがって、バイパススイッチを投入してもシステムを運転継続できない場合には、基本的にはバイパススイッチを投入すべきでない。故障したサブモジュールSMを短絡することにより運転継続を図るということが、バイパススイッチBPSの本来の利用目的である。
バイパススイッチBPSを投入するか否かの判断は、上位制御装置3において行ってもよいし、各サブモジュールSMの個別制御部27において行ってもよい。前者の場合、上位制御装置3が各サブモジュールSMの故障を判別し、故障と判定したサブモジュールSMの個別制御部27にバイパススイッチBPSの投入指令を送信する。したがって、前者の場合、上位制御装置3とサブモジュールSMとの間の通信不良の場合に、バイパススイッチBPSの投入指令を発出できない欠点がある。
一方、後者の場合、各サブモジュールSMの個別制御部27が故障を判別して、故障と判定した場合に対応するバイパススイッチBPSを投入する。本実施の形態では、この後者の方法が採用される。しかしながら、いずれの場合も、バイパススイッチBPSの動作機構が故障した場合に、バイパススイッチBPSを投入できないという欠点があるため、バイパススイッチBPSの投入が完了したか否かの確認と、バイパススイッチBPSの投入のバックアップ手段と、バイパススイッチBPSの健全性の確認とが重要になる。
なお、上記の前者の場合と後者の場合とを組み合わせることも可能である。また、バイパススイッチBPS自体を二重化することは、コストおよびスペースが増大するために採用し難い。また、バックアップキャパシタを設けることにより、電源異常時にもバイパススイッチBPSの投入は可能である。
点灯回路30は、直流電源31と、抵抗素子32と、LED(Light Emitting Diode)などの発光素子33とを含む。これらの構成要素は補助接点AXと直列に接続される。補助接点AXが閉路した場合に点灯回路30が導通することにより発光素子33が点灯する。補助接点AXが閉路していることにより点灯回路30が通電しているという情報(たとえば、抵抗素子32に生じる電圧)は、個別制御部27に送信される。
上記の直流電源31は、独立した電池でもよいし、個別制御部27からバックアップキャパシタ経由で電源が供給される構成としてもよい。これらにより、電源異常時においても、少なくとも補助接点AXが閉路したことを通知するのに必要な時間だけ点灯回路30を動作可能にできる。
電圧検出器25は、蓄電素子24の両端の間の電圧(すなわち、キャパシタ電圧Vc)を検出する。電圧検出器25の検出値は、個別制御部27に入力される。
個別制御部27は、上位制御装置3から制御指令および保護指令を含む各種指令28を受信する。個別制御部27は、受信した各種指令28に基づいて変換回路20を構成するスイッチング素子22A,22Bの開閉を制御するためのゲート信号を生成する。個別制御部27は、さらに、サブモジュールSMの異常判定情報と、電圧検出器25によって検出されたキャパシタ電圧と、バイパススイッチBPSの開閉情報とを含む信号29を上位制御装置3に送信する。
具体的に、個別制御部27は、制御指令としての電圧指令値を受信した場合には、受信した電圧指令値に基づいてスイッチング素子22A,22Bの一方をオン状態とし、他方をオフ状態となるように位相シフトPWM(Pulse Width Modulation)制御を行なう。
具体的に、スイッチング素子22Aがオン状態であり、スイッチング素子22Bがオフ状態のとき、入出力端子26Pと26Nとの間には蓄電素子24の両端間の電圧が印加される。逆に、スイッチング素子22Aがオフ状態であり、スイッチング素子22Bがオン状態のとき、入出力端子26Pと26Nとの間は0Vとなる。したがって、サブモジュールSMは、スイッチング素子22A,22Bを交互にオン状態とすることによって、零電圧および蓄電素子24の電圧に依存した正電圧を出力できる。
個別制御部27は、保護指令としてのゲートブロック指令を受信した場合には、変換回路20を構成する全てのスイッチング素子22A,22Bをオフ状態にする。
個別制御部27は、さらに、対応するサブモジュールSMが故障しているか否かを自己診断する。自己診断には、キャパシタ電圧Vcの異常(すなわち、上限閾値以上であるか、下限閾値以下であるか)の判別が一般に用いられる。この理由は、キャパシタ電圧は制御動作に必須であるために電圧検出器25が設置され利用可能であるためであり、またサブモジュールSMの故障はキャパシタ電圧の異常の形で現れることが多いためである。なお、個別制御部27は、キャパシタ電圧Vcの異常の他に、電源異常および通信系の異常などを自己診断するように構成されていてもよい。
ただし、起動停止時には故障ではないのにキャパシタ電圧が低下するため、上位制御装置3は、各サブモジュールSMのバイパススイッチBPS投入を待機させるために、起動停止中信号を各サブモジュールSMに送信する。これにより、起動停止時における不要なバイパススイッチBPSの投入を防止する。
また、過酷な系統事故または変換所内の故障でもキャパシタ電圧の異常が発生し得る。この場合、電力変換装置1の運転継続を目的としたバイパススイッチBPSの投入は意味が無いので、上位制御装置3は、これらの事故を判別してBPS投入待機信号を各サブモジュールSMに送る。これにより、各サブモジュールSMはバイパススイッチBPSの投入を待機する。ただし、この場合でもキャパシタ電圧がサブモジュールSMの絶縁破壊限界に達した場合には、個別制御部27の判断によりバイパススイッチBPSが投入される。
上記の個別制御部27は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の専用回路によって構成してもよいし、FPGA(Field Programmable Gate Array)などを利用して構成してもよい。もしくは、CPU(Central Processing Unit)およびメモリを含むコンピュータをベースに構成されていてもよいし、上記の2個以上の組み合わせによって構成されていてもよい。
なお、サブモジュールSMには、蓄電素子24の電圧に基づいて個別制御部27の駆動電圧を生成する電源回路(不図示)が設けられている。したがって、蓄電素子24の電圧が低いときには、個別制御部27は動作できない。
[バイパススイッチの構成例]
図3は、図2のバイパススイッチの概念的な構成を示す断面図である。図3には、ばね方式によるバイパススイッチBPSの構成例の概念図が示されている。
図3を参照して、バイパススイッチBPSは、主接点MCを内蔵するVST(Vacuum Switching Valve)40と、補助接点AXと、接点動作機構42と、筐体46と、駆動回路50と、主接点端子対53と、補助接点端子対54とを含む。VST40、接点動作機構42、および補助接点AXは筐体46の内部に配置される。VST40に代えて、気中に主接点MCを設けてもよい。
主接点MCは可動接点41Mと固定接点41Fとを含み、補助接点AXは可動接点45Mと固定接点45Fとを含む。主接点端子対53は主接点MCの可動接点41Mおよび固定接点41Fに接続され、補助接点端子対54は補助接点AXの可動接点45Mおよび固定接点45Fに接続される。主接点端子対53はさらに図2の入出力端子26P,26Nに接続され、補助接点端子対54はさらに図2の点灯回路30に接続される。
接点動作機構42は、ばね43と、手動レバー44と、ラッチ45とを含む。ばね43が蓄勢されているとき、主接点MCの可動接点41Mと固定接点41Fとは離間し、補助接点AXの可動接点45Mと固定接点45Fとは離間する。ばね43が放勢されると、主接点MCの可動接点41Mと固定接点41Fとは接触し、補助接点AXの可動接点45Mと固定接点45Fとは接触する。
手動レバー44は、回転軸44Sの回りに回動する。手動レバー44を手動で動かすことによりばね43を蓄勢させる。ラッチ45はこの蓄勢状態で手動レバー44をロックする。ばね43を蓄勢させるための手段は、手動レバー44に限定されない。たとえば、手動レバー44に代えて、手動ハンドルであってもよいし、電動モータであってもよい。
駆動回路50は、図2の個別制御部27からの指令により、接点動作機構42のラッチ45に駆動電流を流すことによりラッチ45に内蔵されたリレーを動作させる。これにより、手動レバー44のロックが解除され、ばね43が放勢されることにより、可動接点41Mが手動レバー44によって押し込まれる。結果として、VST40内で主接点MCが導通し、補助接点AXが導通する。補助接点AXが導通したことは、発光素子33の発光によって視覚的に確認でき、さらに点灯回路30を介して個別制御部27によって検知される。また、手動レバー44の位置が変化したことによっても、主接点MCの導通を視覚的に確認できる。
図3に示すように、駆動回路50は、一例として直流電源51とスイッチ52とを含む。個別制御部27からのオン信号によりスイッチ52が導通することによって、ラッチ45内部のリレーに電流を流すことができる。
なお、ばね方式の接点動作機構42に代えて、インフレータ方式の接点動作機構42を用いてもよい。火薬式インフレータでは、駆動回路50から供給する電流によってガス発生剤を着火し、ガス発生剤が燃焼することによってガスが発生する。発生したガスのガス圧によって主接点MCの可動接点41Mおよび補助接点AXの可動接点45Mが押し出される。この結果、主接点MCおよび補助接点AXが導通する。
また、上記において補助接点AXは、通常時に開状態でバイパススイッチBPSの投入時に閉状態になるメーク接点であるとして説明した。これに代えて、補助接点AXとして、通常時に閉状態でバイパススイッチBPSの投入時に開状態になるブレーク接点を用いてもよい。この場合、点灯回路30に反転回路を設けることにより、補助接点AXが開状態のときに発光素子33が点灯するようにしてもよいし、発光素子33の消灯によってバイパススイッチBPS投入確認するようにしてもよい。すなわち、発光素子33は、補助接点AXが閉路したときに点灯回路30が導通または切断することによって発光開始もしくは発光停止してもよいし、補助接点AXが開路したときに点灯回路30が導通または切断することによって発光開始もしくは発光停止してもよい。
[制御装置のハードウェア構成の一例]
図4は、上位制御装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。図4には、コンピュータによって上位制御装置3を構成する例が示される。さらに、図4には、コンピュータ(すなわち、指令生成部19)と各サブモジュールSMとの間を、中継装置18を介して接続する例が示されている。
図4を参照して、上位制御装置3は、指令生成部19と中継装置18とを含む。指令生成部19は、交流電圧Vac、交流電流Iac、直流電圧Vdc、直流電流Idc、アーム電流Iarm、および各サブモジュールSMのキャパシタ電圧Vcの各検出値に基づいて、各サブモジュールSMを運転制御するための制御指令および保護指令を含む各種指令28を生成する。指令生成部19は、生成した各種指令28を、中継装置18を介して各サブモジュールSMに送信する。
指令生成部19は、1つ以上の入力変換器60と、1つ以上のサンプルホールド(S/H)回路61と、マルチプレクサ(MUX)62と、A/D(Analog-to-Digital)変換器63とを含む。さらに、指令生成部19は、1つ以上のCPU64と、RAM(Random Access Memory)65と、ROM(Read Only Memory)66とを含む。更に、指令生成部19は、2個以上の入出力インターフェイス(I/F)67A,67B,…と、補助記憶装置68と、上記の構成要素間を相互に接続するバス69を含む。
入力変換器60は、入力チャンネルごとに補助変成器(図示せず)を有する。各補助変成器は、図1の各電気量検出器による検出信号を、後続する信号処理に適した電圧レベルの信号に変換する。
サンプルホールド回路61は、入力変換器60ごとに設けられる。サンプルホールド回路61は、対応の入力変換器60から受けた電気量を表す信号を規定のサンプリング周波数でサンプリングして保持する。
マルチプレクサ62は、複数のサンプルホールド回路61に保持された信号を順次選択する。A/D変換器63は、マルチプレクサ62によって選択された信号をデジタル値に変換する。なお、複数のA/D変換器63を設けることによって、複数の入力チャンネルの検出信号に対して並列的にA/D変換を実行するようにしてもよい。
CPU64は、指令生成部19の全体を制御し、プログラムに従って演算処理を実行する。揮発性メモリとしてのRAM65および不揮発性メモリとしてのROM66は、CPU64の主記憶として用いられる。ROM66は、プログラムおよび信号処理用の設定値などを収納する。補助記憶装置68は、ROM66に比べて大容量の不揮発性メモリであり、プログラムおよび電気量検出値のデータなどを格納する。
入出力インターフェイス67A,67B,…は、CPU64と外部装置との間で通信する際のインターフェイス回路である。図1の場合、指令生成部19は入出力インターフェイス67Aを介して中継装置18と接続される。さらに、指令生成部19は入出力インターフェイス67Bを介して監視カメラ70に接続され、監視カメラ70によって撮像された画像データを取得する。
なお、図4の例とは異なり、指令生成部19の少なくとも一部をFPGAおよびASIC等の回路を用いて構成することも可能である。また、各機能ブロックの機能の少なくとも一部は、アナログ回路によって構成することも可能である。
中継装置18は、指令生成部19と各サブモジュールSMとの間に接続される。中継装置18は、スター型のネットワークを介して各サブモジュールSMと接続されている。典型的には、中継装置18は、専用回路によって構成され、その一部または全部をFPGAによって構成してもよい。
中継装置18は、指令生成部19から受信した各種指令28を各サブモジュールSMに送信する。さらに、中継装置18は、サブモジュールSMの電圧検出器25によって計測された蓄電素子24の電圧(すなわち、キャパシタ電圧Vc)の値を受信する。中継装置18は必須の構成ではないが、中継装置18を設けることによりCPU64の通信量および処理量を抑制できるので、少ない通信線で高速かつ低遅延の通信が可能になる。
[変換器セルの物理的配置とバイパススイッチの動作確認]
図5は、複数の変換器セルの物理的配置を説明するための外観図である。図6は、図5のY方向から見た断面図である。図5および図6は、いわゆる変換器バルブタワー72(72A,72B)と称する構成が示されている。
変換器バルブタワー72(72A,72B)は、上下方向(Z方向)に積み上げられた複数の変換器モジュール73_1~73_5を備える。各変換器モジュール73は、複数の水平方向(Y方向)に配列された複数のサブモジュールSM(図5の場合、SM#1~SM#8の8個)を備える。各変換器モジュール73は、支柱76および碍子77によって支持される。各変換器モジュール73の側面は、シールド板75によって囲まれている。シールド板75は電界集中による部分放電を防止するために設けられている。
各サブモジュールSMの筐体の前面には、バイパススイッチBPSの動作状態を示す発光素子33の光を放出するための表示窓78が設けられている。ただし、シールド板75によって表示窓78が遮られているので、発光素子33の光を導くための導光ファイバー79が表示窓78に接続される。導光ファイバー79は、表示窓78からシールド板75と底板74との隙間を通ってシールド板75の前方に至るように配置される。導光ファイバー79の先端が発光しているか否かによって、バイパススイッチBPSの動作状態を視覚的に確認できる。導光ファイバー79として、たとえば、プラスチックまたはガラスなどの導光体を用いてもよい。
本実施形態の電力変換装置1では、多数のサブモジュールSMにそれぞれ接続された多数の導光ファイバー79の先端の発光の有無を高速に識別するために魚眼レンズもしくは広角レンズ付きの監視カメラ70が用いられる。具体的には、図6に示すように、変換器バルブタワー72A,72Bは、識別対象の導光ファイバー79が取り付けられている側が互いに対向するように配置される。監視カメラ70(70A,70B)は、変換器バルブタワー72A,72Bの間の天井80または床面81に設置される。このような配置により、多数の導光ファイバー79を同時に撮影できる。
監視カメラ70の撮影データは、たとえば上位制御装置3に送信される。上位制御装置3は、撮影データに対して画像処理を行う。具体的に上位制御装置3は、魚眼レンズに起因する画像の歪曲を補正し、各サブモジュールSMに取り付けられた導光ファイバー79の位置を同定し、導光ファイバー79の発光の有無からバイパススイッチBPSの動作の有無を判別する。これらの画像処理は高速に実行できる。
なお、バイパススイッチBPSの接点動作機構42が火薬式インフレータの場合には、ガス発生剤の着火および燃焼時に発生する光を集光し、導光ファイバーによってサブモジュールSMの外部に伝達するようにしてもよい。
[バイパススイッチの投入動作とその確認手順]
図7は、バイパススイッチの投入動作とその確認手順を示すフローチャートである。以下、図7を参照してこれまでの説明を総括する。
通常動作時において上位制御装置3は、交流電圧Vac、交流電流Iac、直流電圧Vdc、直流電流Idc、アーム電流Iarm、および各サブモジュールSMのキャパシタ電圧Vcの各検出値に基づいて、各サブモジュールSMを運転制御するための電圧指令値を生成する(S102)。さらに、上位制御装置3は、生成した電圧指令値を各サブモジュールSMに送信する(S101)。通常動作時(S103でNO)には、これらの動作が繰り返される。
通常動作時において各サブモジュールSMの個別制御部27は、上位制御装置3から受信した電圧指令値に基づいてスイッチング素子22A,22Bの開閉を制御する(S201)。さらに、各サブモジュールSMの個別制御部27は、キャパシタ電圧Vcの検出値を上位制御装置3に送信する(S202)。通常動作時(S203でNO)には、これらの動作が繰り返される。
異常を検知したサブモジュールSM(以下、故障サブモジュールSMと称する)の個別制御部27は(S203でYES)、バイパススイッチBPSに投入指令を送信することによりバイパススイッチBPSの投入を開始し、さらに投入開始を上位制御装置3に通知する(S204)。たとえば、キャパシタ電圧Vcの検出値が閾値範囲の上限または下限を超えていて、かつ、上位制御装置3からバイパススイッチBPSの投入待機信号または起動停止中信号を受けていない場合に異常と判定される。
投入指令に応答してバイパススイッチBPSの主接点MCが閉状態になると、補助接点AXが導通し、発光素子33が発光する(S205)。故障サブモジュールSMの個別制御部27は、点灯回路30からの信号から補助接点AXの閉路を確認すると、バイパススイッチBPSの投入完了を上位制御装置3に通知する(S206)。
一方、上位制御装置3は、バイパススイッチBPSの投入開始の通知を受信した場合、またはいずれかのバイパススイッチBPSとの間で通信異常を検知した場合に(S103でYES)、電力変換器2の運転継続が可能か否かを確認するためのフロー(S104~S108)に移行する。
具体的に、上位制御装置3は、バイパススイッチBPSの投入開始を通知してきた故障サブモジュールSMから、バイパススイッチBPSの投入完了の通知を受信していない場合に(S104でNO)、自らバイパススイッチBPSの投入を確認する。すなわち、上位制御装置3は監視カメラ70の撮影データを取得する(S105)。そして、上位制御装置3は、取得した撮影データに画像処理を施すことにより、各サブモジュールSMの発光素子33の発光の有無を判別する(S106)。
上位制御装置3は、上記の判別の結果として電力変換器2を運転継続できないと判定した場合には(S107でNO)、電力変換器2と交流系統12との間の交流遮断器(図1に不図示)を開放し、電力変換器2を停止する(S109)。たとえば、監視カメラ映像の画像処理の結果から故障サブモジュールSMのバイパススイッチBPSの投入が確認できない場合に、上位制御装置3は運転継続不可能と判定する。もしくは、あるサブモジュールSMから受信したキャパシタ電圧Vcが閾値範囲を超えているにも拘わらず、当該サブモジュールSMのバイパススイッチBPSの投入が確認できない場合には、上位制御装置3は運転継続不可能と判定する。
一方、上位制御装置3は、故障サブモジュールSMからバイパススイッチBPSの投入完了の通知を受信した場合(S104でYES)、または故障サブモジュールSMからバイパススイッチBPSの投入完了の通知を受信していなくても(S104でNO)、監視カメラ映像の画像処理の結果から当該故障サブモジュールSMのバイパススイッチBPSの投入完了が確認できた場合には、電力変換器2の運転継続を可能と判定する(S107でYES)。この場合、上位制御装置3は、有効なサブモジュール数などの制御パラメータの設定変更(S108)を行った後に、電力変換器2の運転を継続する(S101に戻る)。
なお、上記の手順に代えて、上位制御装置3は、バイパススイッチBPSの投入完了通知の受信の有無(S104でYESまたはNO)に拘わらず、監視カメラ70の画像データに基づくバイパススイッチBPSの投入確認(S105,S106)を行ってもよい。すなわち、バイパススイッチBPSの投入完了の確認は、上位制御装置3と故障サブモジュールSMの個別制御部27とで並行して行ってもよい。
電力変換器2を構成する全てのサブモジュールSMのバイパススイッチBPSの投入の有無を確認するために、複数台の監視カメラ70が準備される。各監視カメラ70は、できるだけ多くのサブモジュールSMについて発光素子33の発光の有無が確認できる位置に配置される。
[実施の形態1の効果]
以上のとおり、実施の形態1の電力変換装置1によれば、各サブモジュールSMにはバイパススイッチBPSの補助接点AXに接続された点灯回路30が設けられている。補助接点AXが閉路したときに点灯回路30が導通し、これにより発光素子33が発光する。発光素子33の光は導光ファイバー79によってシールド板75の外側に導光されるので、各サブモジュールSMの発光素子33が発光しているか否かを容易に識別できる。
ここで、複数のサブモジュールSMが変換器バルブタワー72の形態で収納された部屋の天井80および/または床面81には複数台の監視カメラ70が設けられる。各監視カメラ70は、できるだけ多くのサブモジュールSMの発光素子33の発光を一度に撮影可能な位置に設けられる。これにより、電力変換器2を構成する多数のサブモジュールSMの発光素子33が発光しているか否かについての情報を少数の画像データに収めることができる。
上位制御装置3は、監視カメラ70の撮影データに画像処理を施すことによって、電力変換器2を構成する各サブモジュールSMのバイパススイッチBPSの動作状態を判別できる。このように、上位制御装置3は、バイパススイッチBPSの動作状態を各サブモジュールSMの個別制御部27を介さずに直接的に確実に把握できるので、電力変換器2の運転継続性および稼働率を向上させることができる。
なお、バイパススイッチBPSの動作状態を確認する手段は、発光素子33の発光に限らない。たとえば、発光素子33の消光、特定部分の変色、特定部分の反射率の変化、特定部分の形状または位置の変化など、視覚的に確認可能であればよい。したがって、より一般的に言えば、各サブモジュールSMは、バイパススイッチBPSが動作したことを視覚的に報知する報知部を含む。そして、監視カメラ70は、複数のサブモジュールSMの各報知部を一つの画像データとしてまとめて撮影することにより、各バイパススイッチBPSの動作状態に関する情報を取得する。
さらに、上記の報知部は、視覚的に相互に区別可能な複数の特徴を有していてもよい。たとえば、第1の特徴の視覚的変化はバイパススイッチBPSの動作に対応付けられ、第2の特徴の視覚的変化は対応するサブモジュールSMの故障状態に対応付けられる。故障状態とは、たとえば、キャパシタ電圧Vcの異常、電源異常、通信異常などの故障の種類を表す。上位制御装置3は、監視カメラ70による画像データに基づいて、報知部の複数の特徴の変化を識別する。
上記の複数の特徴の具体例として、発光素子33の発光の有無を第1の特徴とし、発光素子33が発光したときの色の違いを第2の特徴としてもよい。もしくは、配置位置を変えて複数の発光素子33の設けることにより、複数の特徴を表すようにしてもよい。
実施の形態2.
実施の形態2では、上記の報知部の変形例として、バイパススイッチBPSが動作したときに特定部分の位置が変化する例について説明する。
図8は、バイパススイッチの動作状態を報知する報知部の変形例を説明するための図である。図8(A)はサブモジュールSMの外観図を示し、図8(B)はZ方向から見たサブモジュールSMの断面図を概念的に示す。
図8(A)を参照して、図3の接点動作機構42を構成する手動レバー44の先端部は、サブモジュールSMの筐体47の前面に形成された横長の穴48から突出している。バイパススイッチBPSが動作すると手動レバー44の先端部は、穴48の長手方向に沿って移動する。したがって、手動レバー44の先端部の位置によって、バイパススイッチBPSが動作したか否かを確認できる。
しかしながら、手動レバー44の移動長は主接点MCの可動接点41Mと固定接点41Fとの間の距離の程度であるので、それほど長くなく視認性が良くない。そこで、移動長を増やして視認性を高めるために、手動レバー44の先端部に梃子レバー85が取り付けられる。
図8(B)に示すように、梃子レバー85の力点86は手動レバー44の先端に接続されて手動レバー44の移動に伴って移動する。梃子レバー85の作用点88には反射テープなど視認性を高めるための目印が取り付けられる。作用点88から支点87までの距離は力点86から支点87までの距離よりも長いので、移動長を増加させることができる。なお、図8(B)では力点86と作用点88との間に支点87が設けられているが、支点87に対して同じ側に力点86と作用点88とが設けられていてもよい。
なお、サブモジュールSMの前面にシールド板75が設けられている場合には、シールド板75の隙間から梃子レバー85が前方に突出するように梃子レバー85が配置される。
上記のようなサブモジュールSMの構造により、バイパススイッチBPSの動作状態の視認性が向上するので、作業員が保守作業を行う際の安全性および作業効率を向上させることができる。さらに、監視カメラ70によるバイパススイッチBPSの動作状態の自動検出も容易になる。
なお、バイパススイッチBPSが動作したときに特定部分の位置を変化させる手段は、上記の手動レバー44と梃子レバー85との組み合わせに限定されない。より一般的には、サブモジュールSMの外部から視認可能な特定部分が、主接点MCの可動接点41Mに連動して位置変化するように構成されていればよい。
実施の形態3.
実施の形態3および4では、サブモジュールSMの個別制御部27の故障によりバイパススイッチBPSを投入できなかった場合に、バイパススイッチBPSをバックアップ投入する手段について説明する。
図9は、実施の形態3の電力変換装置において、サブモジュールの構成例を示す回路図である。図9のサブモジュールSM(変換器セル7)は、異常検出部90がさらに設けられる点で図2のサブモジュールSMと異なる。異常検出部90は、蓄電素子24の電圧(キャパシタ電圧Vc)が上限閾値を超えた場合にバイパススイッチBPS(主接点MCおよび補助接点AX)を投入するための信号を出力する。図9のその他の点は図2の場合と同様であるので、同一または相当する部分には同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
具体的に図9に示す例では、異常検出部90は、蓄電素子24の電圧を分圧するための分圧回路を構成する抵抗素子91,92と、ツェナーダイオード94と、リレー95と、直流電源98とを含む。リレー95は電磁石コイル96とスイッチ97とを含む。抵抗素子91,92は、蓄電素子24の高電位側ノード24Pと低電位側ノード24Nとの間に直列に接続される。ツェナーダイオード94と電磁石コイル96とは、抵抗素子91,92の接続ノード(分圧ノード93とも称する)と蓄電素子24の低電位側ノード24Nとの間に直列に接続される。
上記の異常検出部90の構成によれば、分圧ノード93の電圧がツェナーダイオード94のツェナー電圧(上限閾値に対応する)を超えた場合に、電磁石コイル96に電流が流れることによってスイッチ97が導通する。これにより、バイパススイッチBPSに直流電源98の電圧が印加されるので、主接点MCおよび補助接点AXが導通する。より具体的には、接点動作機構42が図3のばね方式の場合には異常検出部90によってラッチ45が直接解除される。接点動作機構42が火薬式インフレータ方式の場合には異常検出部90はガス発生剤を直接着火して燃焼させる。
このように、個別制御部27とは独立して動作する異常検出部90を設けることにより、故障したサブモジュールSMの個別制御部27が異常の場合であっても、当該サブモジュールSMのバイパススイッチBPSを投入できる。これにより、バイパススイッチBPSの投入の信頼性を確保できるので、電力変換器2の運転の継続性および稼働率を向上させることができる。
実施の形態4.
実施の形態4では、実施の形態3とは異なる方法で、故障したサブモジュールSMのバイパススイッチBPSをバックアップ投入する手段について開示する。
図10は、実施の形態4の電力変換装置においてサブモジュールSMの構成例を示す回路図である。本実施形態の電力変換装置は、隣接する2個のサブモジュールごとに一対のサブモジュールが構成される点で実施の形態1の電力変換装置と異なる。図10には、一対のサブモジュール7A,7Bが示されている。
図10に示すように、サブモジュール7Aの個別制御部27は、自らの電圧検出器25からキャパシタ電圧Vcの検出値を取得するとともに、自らの補助接点AXの動作情報を自らの点灯回路30を介して取得する。また、サブモジュール7Aの個別制御部27は、自らのバイパススイッチBPSを投入するための信号を出力できる。
さらにサブモジュール7Aの個別制御部27は、相手方の電圧検出器25からキャパシタ電圧Vcの検出値を取得するとともに、相手方の補助接点AXの動作情報を相手方の点灯回路30を介して取得する。また、サブモジュール7Aの個別制御部27は、相手方のバイパススイッチBPSを投入するための信号を出力できる。
サブモジュール7Aと対を成すサブモジュール7Bについても同様である。図10のその他の点は図2の場合と同様であるので、同一または相当する部分には同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
図11は、対の相手方のサブモジュールに対する保護動作を説明するためのフローチャートである。各サブモジュールSMの個別制御部27は、図7のフローチャートに示された動作を実行するとともに、図11のフローチャートに示された動作を実行する。
具体的に、各サブモジュールSMは、対の相手方のサブモジュールSMの電圧検出器25からキャパシタ電圧Vcの検出値を取得する(S301)。そして、各サブモジュールSMは、取得した相手方のキャパシタ電圧Vcに基づいて、相手方のサブモジュールSMが異常か否かを判定する(S302)。たとえば、相手方のキャパシタ電圧Vcの検出値が閾値範囲の上限または下限を超えていて、かつ、上位制御装置3からバイパススイッチBPSの投入待機信号または起動停止中信号を受けていない場合に、相手方のサブモジュールSMは異常と判定される(S302でYES)。
各サブモジュールSMは、相手方のサブモジュールSMを異常と判定した場合には(S302でYES)、相手方のバイパススイッチBPSの補助接点AXが閉路しているか否かを確認する(S303)。この結果、相手方の補助接点AXが閉路していない場合には(S303でNO)、各サブモジュールSMは、相手方のサブモジュールSMのバイパススイッチBPSを投入させる(S304)。さらに、各サブモジュールSMは、相手方のバイパススイッチBPSの投入完了を確認すると、その旨を上位制御装置3に通知する(S305)。
上記のとおり実施の形態4の電力変換装置によれば、隣接する2個のサブモジュールSMは互いに相手方のサブモジュールSMのキャパシタ電圧Vcをモニターし、相手方のサブモジュールSMの異常時に相手方のバイパススイッチBPSをバックアップ投入できる。これにより、バイパススイッチBPSの投入の信頼性を確保できるので、電力変換器2の運転の継続性および稼働率を向上させることができる。
実施の形態5.
実施の形態5では、各サブモジュールSMは、平常運転時にバイパススイッチBPSの健全性評価を行う。具体的に各サブモジュールSMの個別制御部27は、バイパススイッチBPSが投入されない程度の微弱電流を接点動作機構42に流し、その発生電圧を監視する。以下、図面を参照して具体的に説明する。
図12は、実施の形態5の電力変換装置においてバイパススイッチの概念的な構成を示す断面図である。図12のバイパススイッチBPSの駆動回路50Aは、接点動作機構42のラッチ45に対して、BPSを投入する際に流す投入電流の他に微弱電流を流すことができる点で、図3のバイパススイッチBPSの駆動回路50と異なる。
具体的に、駆動回路50Aは、直流電源51およびスイッチ52に加えて、スイッチ110、抵抗素子111、および電圧検出部112をさらに備える。スイッチ110および抵抗素子111は互いに直列に接続されるともに、スイッチ52と並列に接続される。電圧検出部112は抵抗素子111に生じる電流を検出する。スイッチ52およびスイッチ110の開閉は個別制御部27により制御される。電圧検出部112の検出値は、個別制御部27に送信される。
上記のバイパススイッチBPSの構成によれば、個別制御部27は、通常運転時にはスイッチ52,110を開状態に制御する。個別制御部27は、キャパシタ電圧Vcが閾値範囲の外にあるなどの異常を検出した場合には、スイッチ52を閉状態に制御する。これにより、ラッチ45に駆動電流が流れることにより、ラッチ45が解除されてバイパススイッチBPSが投入される。
一方、平常運転時にバイパススイッチBPSの接点動作機構42の健全性を評価する場合には、個別制御部27はスイッチ110を閉状態に制御する。これにより、抵抗素子111によって制限された微弱電流がラッチ45に流れるため、ラッチ45は解除されない。このとき、電圧検出部112によって検出された抵抗素子111の電圧が個別制御部27に送信される。個別制御部27は、直流電源51の電圧から抵抗素子111の電圧を減算することにより、接点動作機構42に生じる電圧を検知できる。接点動作機構42の発生電圧が増加した場合には、ラッチ45の電磁石コイル部分の配線が断線しかかっていると判断できる。もしくは、抵抗素子111に生じる電圧がゼロの場合には、ラッチ45の部分の配線が断線していると判断できる。
図12のその他の点は図3の場合と同様であるので、同一または相当する部分には同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。なお、図12の駆動回路50Aの構成は一例であってこれに限定されるものでない。
また、ばね方式の接点動作機構42に代えて、インフレータ方式の接点動作機構に対しても同様の方法で健全性評価が可能である。たとえば、火薬式インフレータではガス発生剤が着火しない程度の微弱電流を駆動回路50Aから供給する。
図13は、バイパススイッチBPSの健全性評価の手順の一例を示すフローチャートである。健全性評価は電力変換装置の運転中に定期的に実施される(S401でYES)。
まず、各サブモジュールSMの個別制御部27は、駆動回路50AによってバイパススイッチBPSが投入されない程度の微弱電流を接点動作機構42に流す(S402)。個別制御部27は、この状態で接点動作機構42に生じる電圧の検出値を取得する。
個別制御部27は、上記の検出電圧が第1閾値を超えている場合には(S403でYES)、バイパススイッチBPSの劣化を上位制御装置3に通知する(S404)。
個別制御部27は、上記の検出電圧が第1閾値より大きい第2閾値を超えている場合には(S405でYES)、故障リスクが非常に高いと判断し、バイパススイッチBPSを投入するための信号を出力する(S406)。さらに、個別制御部27は、点灯回路30からの信号から補助接点AXの閉路を確認すると、バイパススイッチBPSの投入完了を上位制御装置3に通知する(S407)。
上記のとおり実施の形態5の電力変換装置によれば、各サブモジュールSMの個別制御部27は、平常運転時にバイパススイッチBPSが投入されない程度の微弱電流を接点動作機構42に流すことにより接点動作機構42の健全性を確認する。これにより、故障リスクが非常に高いと判断される場合には、当該サブモジュールSMは、バイパススイッチBPSの故障発生前にバイパススイッチBPSを投入する。これにより、バイパススイッチBPSの信頼性および電力変換器の運転継続性を高めることができる。
実施の形態6.
実施の形態6では、電力変換器2の運転停止中の検査時におけるバイパススイッチBPSの健全性確認について説明する。
バイパススイッチBPSの健全性確認として、インフレータ方式は動作試験、ばね方式では無電圧投入試験が行われる。しかしながら、試験時間、再利用性、機器悪影響などのため、インフレータ方式では1回限りの抜き取り検査に限られ、ばね方式の場合の無電圧投入試験も限られた回数に限られる。VSTでは無電圧投入でも機械的ショックが大きいためである。
そこで、ばね方式の場合において、検査時には緩衝材によって主接点MCの可動接点41Mの動作が制限される。これにより、定期検査時にラッチ45の部分の動作を繰り返し確認することができ、実際に故障する前にバイパススイッチBPSを交換できるようになる。結果として、電力変換器2の運転時の故障率を低減でき、電力変換器2の運転継続性および稼働率を向上させることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものでないと考えられるべきである。この出願の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 電力変換装置、2 電力変換器、3 上位制御装置、4 レグ回路、5 上アーム回路、6 下アーム回路、7,SM サブモジュール(変換器セル)、8 リアクトル、9 アーム電流検出器、10 交流電圧検出器、11 直流電圧検出器、12 交流系統、13 変圧器、14 直流系統、16 交流電流検出器、17 直流電流検出器、18 中継装置、19 指令生成部、20 変換回路、22 スイッチング素子、23 ダイオード、24 蓄電素子、24N 低電位側ノード、24P 高電位側ノード、25 電圧検出器、26N,26P 一対の入出力端子、27 個別制御部、28 各種指令、29 信号、30 点灯回路、31,51,98 直流電源、32,91,92,111 抵抗素子、33 発光素子、41F,45F 固定接点、41M,45M 可動接点、42 接点動作機構、43 ばね、44 手動レバー、45 ラッチ、46,47 筐体、48 穴、50,50A 駆動回路、52,97,110 スイッチ、53 主接点端子対、54 補助接点端子対、60 入力変換器、61 サンプルホールド回路、62 マルチプレクサ、63 A/D変換器、64 CPU、65 RAM、66 ROM、67A,67B 入出力インターフェイス、68 補助記憶装置、69 バス、70 監視カメラ、72 変換器バルブタワー、73 変換器モジュール、74 底板、75 シールド板、76 支柱、77 碍子、78 表示窓、79 導光ファイバー、85 梃子レバー、90 異常検出部、93 分圧ノード、94 ツェナーダイオード、95 リレー、96 電磁石コイル、112 電圧検出部、AX 補助接点、BPS バイパススイッチ、Iac 交流電流、Iarm アーム電流、Idc 直流電流、MC 主接点、Nn 低電位側直流端子、Np 高電位側直流端子、Nu,Nv,Nw 交流入力端子、Vac 交流電圧、Vc キャパシタ電圧、Vdc 直流電圧。

Claims (10)

  1. 電力変換装置であって、
    カスケード接続された複数のサブモジュールを備え、
    前記複数のサブモジュールの各々は、
    一対の入出力端子と、
    複数の半導体スイッチング素子と、
    前記複数の半導体スイッチング素子を介して前記一対の入出力端子に接続される蓄電素子と、
    前記一対の入出力端子を短絡するための機械式のバイパススイッチと、
    前記複数の半導体スイッチング素子および前記バイパススイッチの開閉を制御する個別制御部と、
    前記バイパススイッチが動作したことを視覚的に報知する報知部とを含み、
    前記電力変換装置は、さらに、
    前記複数のサブモジュールの各々の前記報知部を一つの画像データとしてまとめて撮影する監視カメラと、
    前記画像データを画像処理することにより、前記複数のサブモジュールの各々の前記バイパススイッチの動作状態を判別する上位制御装置とを備える、電力変換装置。
  2. 前記報知部は、第1の特徴および第2の特徴を含む視覚的に相互に区別可能な複数の特徴を有し、
    前記第1の特徴の視覚的変化は前記バイパススイッチの動作に対応付けられ、
    前記第2の特徴の視覚的変化は対応するサブモジュールの故障状態に対応付けられ、
    前記上位制御装置は、前記監視カメラによる前記画像データに基づいて、前記報知部の前記複数の特徴の変化を識別する、請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記バイパススイッチは、
    前記一対の入出力端子を短絡するために設けられ、可動接点と固定接点とを含む主接点と、
    前記主接点の閉路動作に連動して閉路動作または開路動作を行う補助接点とを含み、
    前記報知部は発光素子を含み、
    前記発光素子は、前記補助接点が閉路したときに点灯回路が導通または切断することによって発光開始または発光停止するか、または前記補助接点が開路したときに前記点灯回路が導通または切断することによって発光開始もしくは発光停止する、請求項1または2に記載の電力変換装置。
  4. 前記バイパススイッチは、前記一対の入出力端子を短絡するために設けられた、可動接点と固定接点とを含む主接点を含み、
    前記報知部は前記可動接点に連動して位置変化し、前記報知部の位置変化によって前記バイパススイッチが動作したことが確認できる、請求項1または2に記載の電力変換装置。
  5. 前記バイパススイッチは、さらに、
    駆動電流によって前記主接点の前記可動接点を動作させる接点動作機構と、
    前記個別制御部の指令に従って前記駆動電流を生成する駆動回路とを含み、
    前記駆動回路は、前記バイパススイッチの健全性評価時に、前記主接点の前記可動接点が動作しない程度の微弱電流を前記接点動作機構に供給し、
    前記個別制御部は、前記微弱電流によって前記接点動作機構に生じる電圧が閾値を超えている場合に前記バイパススイッチを動作させる、請求項3に記載の電力変換装置。
  6. 前記バイパススイッチは、ばねが放勢されることによって前記主接点の前記可動接点を動作させる接点動作機構を有し、
    前記バイパススイッチは、点検時に緩衝材によって前記主接点の前記可動接点の動作を制限するように構成される、請求項3に記載の電力変換装置。
  7. 前記複数のサブモジュールの各々は、前記蓄電素子の電圧の検出値に基づいて前記個別制御部とは独立して前記バイパススイッチを動作させる異常検出部をさらに備える、請求項1または2に記載の電力変換装置。
  8. 前記複数のサブモジュールは、隣接する2個のサブモジュールごとに対を成し、
    前記対を成す各サブモジュールの前記個別制御部は、自らの蓄電素子の電圧の検出値に基づいて自らのバイパススイッチを動作させ、相手方の蓄電素子の電圧の検出値に基づいて相手方のバイパススイッチを動作させるように構成される、請求項1または2に記載の電力変換装置。
  9. 前記バイパススイッチは、さらに、
    駆動電流によって前記主接点の前記可動接点を動作させる接点動作機構と、
    前記個別制御部の指令に従って前記駆動電流を生成する駆動回路とを含み、
    前記駆動回路は、前記バイパススイッチの健全性評価時に、前記主接点の前記可動接点が動作しない程度の微弱電流を前記接点動作機構に供給し、
    前記個別制御部は、前記微弱電流によって前記接点動作機構に生じる電圧が閾値を超えている場合に前記バイパススイッチを動作させる、請求項に記載の電力変換装置。
  10. 前記バイパススイッチは、ばねが放勢されることによって前記主接点の前記可動接点を動作させる接点動作機構を有し、
    前記バイパススイッチは、点検時に緩衝材によって前記主接点の前記可動接点の動作を制限するように構成される、請求項に記載の電力変換装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016518804A (ja) 2013-04-18 2016-06-23 エービービー テクノロジー エルティーディー. 機械式バイパススイッチ装置、コンバータアーム、及び電力変換装置
WO2019185418A1 (en) 2018-03-28 2019-10-03 General Electric Technology Gmbh Converter controller
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