JP7450269B2 - 灌流可能なバイオリアクタ - Google Patents

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関連出願の相互参照
この出願は、2018年11月7日付けで提出された、62/756,732のシリアル番号を有した、「MICROSCOPY ENABLED PERFUSION BIOREACTOR WELLPLATE」と題する米国仮出願の優先権を享受するものであり、該仮出願は、その内容が参照により本明細書に援用される。
この出願は、また、2018年2月8日付けで提出された、62/628,011のシリアル番号を有した、「MICROSCOPY ENABLED PERFUSION BIOREACTOR WELLPLATE」と題する米国仮出願の優先権をも享受するものであり、該仮出願は、その内容が参照により本明細書に援用される。
生物学的サンプル(例えば、細胞、細胞層、組織)を3D支持培地へと印刷又は配置することは、従来的な2D培養と比較して、生体内で見られる、細胞形態と、異質性と、遺伝的プロファイルとを、より正確にかつ再現性よくモデル化する。いくつかの既存の3D細胞培養技法は、細胞を播種して付着させ得るポリマー足場に依存している。細胞が足場に付着した後には、成長培地の灌流を開始することができる。この方法には、いくつかの欠点がある、すなわち、(1)細胞の移動が制限又は阻止されていること、(2)細胞環境がポリマー足場の構造によって規定されていること、(3)実験の設定が時間効率的ではないこと、及び(4)顕微鏡検査のための光学的アクセスが含まれていないこと、という欠点がある。加えて、既存の3D培養法における細胞の生存可能性は、一般的に数日間に制限されている、つまり、受動的な3D支持培地は、細胞の老廃物を効率的に排出することができず、局所的な細胞毒性環境をもたらしてしまい、それに続く細胞死をもたらしてしまう。
本明細書において開示する対象は、生物学的サンプルの3D成長を可能とする多孔性支持培地を通しての能動的な灌流が可能とされたバイオリアクタシステムである。いくつかの実施形態においては、システムは、3次元(3D)細胞成長培地によって充填されたサンプルウェルを含む。システムは、第1フィルタ材料によってサンプルウェルに流体接続された液体培地リザーバをさらに含むことができる。システムは、第2フィルタ材料によってサンプルウェルに流体接続された培地収集チャンバをさらに含むことができる。いくつかの実施形態においては、培地収集チャンバに対する負のゲージ圧の適用、または液体培地リザーバに対する正圧の適用が、液体培地リザーバから、第1フィルタ材料を通して、3次元細胞成長培地を浸透させたサンプルウェル内へと、さらに第2フィルタ材料を通して、そして最終的に培地収集チャンバ内へと、流体を吸引する。
いくつかの実施形態においては、複数の細胞が、3D細胞培養培地の領域内に配置される。開示するシステムの1つの利点は、生物学的サンプルの成長時に、連続的な光学的アクセスを行い得る能力である。したがって、いくつかの実施形態においては、サンプルウェルの底部は、光学的に透明である。例えば、サンプルウェルの底部は、ガラス又はプラスチック材料から構成することができる。
開示するバイオリアクタシステムは、培地収集チャンバに動作可能に接続された真空装置をさらに含むことができる。例えば、真空装置は、培地収集チャンバ内に回転可能に取り付けられた止めネジを含むことができる。いくつかの場合においては、培地収集チャンバは、培地収集チャンバに流体接続された真空ポートであって、真空装置に着脱可能に接続可能とされた真空ポートを含む。
システムは、単一のサンプルウェルを含むことができる。しかしながら、いくつかの場合においては、システムは、同一の培地収集チャンバにすべてが流体接続されている互いに独立したサンプルウェルのアレイを含む。これに加えて、サンプル培地収集チャンバは、個別的なものとすることができ、各ウェルの液体培地の収集を可能とすることができ、これにより、個別的な検体収集を可能とすることができる。これらの実施形態においては、アレイ内の各サンプルウェルは、別々の液体培地リザーバに流体接続することも、また、同じ液体培地リザーバに流体接続することも、できる。
いくつかの実施形態においては、システムは、外側リングと、中間リングと、中央チャンバとを含む環状配置を有する。例えば、液体培地リザーバは、外側リング内に配置されることができ、サンプルウェルは、中央リング内に配置されることができ、中央チャンバは、培地収集チャンバとすることができる。これらの実施形態においては、例えば、負のゲージ圧が、中央(培地収集)チャンバに適用された時には、培地は、径方向内向きに流れる。他の例として、システムは、外側リングと、中央チャンバとを含む環状配置を有することができ、この場合、サンプルウェルは、中央チャンバ内に配置され、培地収集チャンバは、外側リング内に配置され、液体培地リザーバは、中央チャンバ内においてサンプルウェルの上方に配置される。これらの実施形態においては、例えば、負のゲージ圧が、外側リング(培地収集チャンバ)に適用された時には、培地は径方向外向きに流れる。
開示するシステムは、任意の3D細胞成長培地と共に使用することができる。好ましい実施形態においては、3D細胞成長培地は、複数のヒドロゲル粒子及び液体細胞培養培地を含み、ヒドロゲル粒子は、液体細胞培養培地によって膨潤して、顆粒状ゲルを形成する。いくつかの場合においては、3D細胞成長培地は、降伏応力を有し、これにより、細胞成長培地は、降伏応力よりも大きな剪断応力の適用時には、詰まった状態から詰まっていない状態へと移行する。例えば、降伏応力は、10Pa程度とすることができる。いくつかの場合においては、ヒドロゲル粒子の濃度は、0.05重量%~約1.0重量%である。
いくつかの実施形態においては、ヒドロゲル粒子は、液体細胞培養培地によって膨潤した時には、約0.1μm~約100μmのサイズを有する。開示するシステムのフィルタ材料は、灌流時に、ヒドロゲル粒子又は細胞のいずれもがサンプルウェルから漏れ出ないことを確保する。したがって、いくつかの実施形態においては、第2フィルタ材料は、膨潤したヒドロゲル粒子のサイズよりも小さな多孔性を有する。同様に、いくつかの実施形態においては、第1フィルタ材料は、流れの方向に基づいて、存在しないか、又は必要とされない。存在する場合には、第1フィルタ材料は、3D細胞成長培地をサンプルウェルに閉じ込めるために、例えば輸送時に、存在することができる。一般に、存在する場合には、第1フィルタ材料は、膨潤したヒドロゲル粒子のサイズよりも小さな多孔性を有する。
いくつかの実施形態においては、第2フィルタ材料は、酵素、サイトカイン、及びケモカインなどの、廃棄物培地中の生物学的標的を結合及び隔離し得る1つ又は複数の薬剤を含有する。このようにして、その後の分析のためにフィルタを取り外すことができ、これにより、灌流チャンバ内を浮遊している生きた生物学的サンプルの健康状態を決定することができる。薬剤は、例えば、機能化されたナノ粒子とすることができる。特に、ナノ粒子は、その表面上に、生物学的標的に特異的に結合する抗体又はアプタマーなどの結合剤を含むことができる。
本開示の1つ又は複数の実施形態の詳細は、添付図面及び以下の説明に記載されている。本開示に関する他の特徴、目的、及び利点は、説明及び図面から、ならびに特許請求の範囲から、明らかになるであろう。
本明細書において説明する対象は、顕微鏡検査可能なバイオリアクタシステムである。本明細書で説明する顕微鏡検査可能なバイオリアクタシステムは、1つ又は複数のバイオリアクタユニットを含むことができ、1つ又は複数のバイオリアクタユニットのそれぞれは、3次元(3D)細胞成長培地によって充填されたサンプルウェルであって、3D細胞成長培地は、複数のヒドロゲル粒子及び液体細胞培養培地を含み、ヒドロゲル粒子は、液体細胞培養培地によって膨潤して顆粒状ゲルを形成する、サンプルウェルと、第1フィルタ材料によってサンプルウェルに流体接続されている培地収集チャンバと、を含むことができ、システムは、培地収集チャンバに対する負のゲージ圧の適用、またはサンプルウェルに対する正圧の適用が、サンプルウェルから、3次元細胞成長培地を通して、さらに第1フィルタ材料を通して、そして最終的に培地収集チャンバ内への、流体の能動的な浸透を引き起こすように構成され、第1フィルタ材料は、膨潤したヒドロゲル粒子のサイズよりも小さな多孔性を有する。
顕微鏡検査可能なバイオリアクタシステムは、第2フィルタ材料によってサンプルウェルに流体接続された液体培地リザーバをさらに含むことができ、システムは、培地収集チャンバに対する負のゲージ圧の適用、または液体培地リザーバに対する正圧の適用が、液体培地リザーバから、第2フィルタ材料を通して、さらに3次元細胞成長培地を通して、さらには第1フィルタ材料を通して、そして最終的に培地収集チャンバ内への、流体の灌流を引き起こすようにさらに構成することができる。
本明細書において説明する顕微鏡検査可能なバイオリアクタシステムのサンプルウェルの底部は、光学的に透明なものとすることができる。真空装置は、培地収集チャンバに動作可能に接続することができる。真空装置は、ネジ駆動型アクチュエータとすることができ、ネジ駆動型アクチュエータは、培地収集チャンバ内に回転可能に取り付けられた駆動用止めネジであって、培地収集チャンバに負のゲージ圧を能動的に提供するように構成された駆動用止めネジとすることができる。培地収集チャンバは、培地収集チャンバに流体接続された真空ポートであって、真空装置に着脱可能に接続可能とされた真空ポートを含むことができる。
本明細書において説明する顕微鏡検査可能なバイオリアクタシステムは、同一の培地収集チャンバにすべてが流体接続されている個別のサンプルウェルのアレイとして構成することができる。アレイ中の各サンプルウェルは、別々の液体培地リザーバに流体接続することができる。アレイ中の各サンプルウェルは、同じ液体培地リザーバに流体接続することができる。
システムの態様は、外側リングと、中間リングと、中央チャンバと、を含む環状配置を有することができ、液体培地リザーバは、外側リング内に配置され、サンプルウェルは、中間リング内に配置され、中央チャンバは、培地収集チャンバである。
システムの態様は、外側リングと、中央チャンバと、を含む環状配置を有することができ、サンプルウェルは、中央チャンバ内に配置され、培地収集チャンバは、外側リング内に配置され、液体培地リザーバは、中央チャンバ内においてサンプルウェルの上方に配置される。
3次元細胞成長培地は、降伏応力を有することができ、これにより、細胞成長培地は、降伏応力よりも大きな剪断応力の適用時には、第1の固体相から第2の液体相へと相変化することができる。降伏応力は、10Pa程度とすることができる。ヒドロゲル粒子の濃度は、0.05重量%~約1.0重量%とすることができる。ヒドロゲル粒子は、液体細胞培養培地によって膨潤した時には、約0.1μm~約100μmのサイズを有することができる。
複数の細胞を、3D細胞培養培地の領域内に配置することができる。
1つ又は複数のバイオリアクタユニットは、液体培地リザーバから、サンプルウェルへの、さらに培地収集チャンバへの、流体の水平方向流路のために構成することができる。
本明細書において説明する顕微鏡検査可能なバイオリアクタシステムは、ピペット尖端を受容するように構成され、サンプルウェルの底部からピペット尖端がなす遠位端までの固定高さを提供するように構成された、ピペットガイドをさらに含むことができる。
本明細書において説明する顕微鏡検査可能なバイオリアクタシステムの1つ又は複数のバイオリアクタユニットは、液体リザーバからサンプルウェルへのさらには培地収集チャンバへの流体の水平方向流路を有した互いに流体連通していない個別のユニットとすることができる。
本明細書において説明する顕微鏡検査可能なバイオリアクタシステムは、複数の個別のバイオリアクタユニットをしっかりと保管及び輸送するように構成されたカセットをさらに含むことができる。
本明細書において説明する顕微鏡検査可能なバイオリアクタシステムの個別ユニットのそれぞれは、底面上に、個別ユニットの上部に向けて延びる突起を受容するように構成された、3つ以上の開口又は環状円錐台形状凹部を含むことができる。他の幾何学的形状を使用することによっても、ぴったりとした締まりばめを提供することができる。
本明細書において説明する顕微鏡検査可能なバイオリアクタシステムのカセットは、複数のバイオリアクタユニットを受容するように構成されたチャンバを含むことができ、チャンバは、複数の凹部を有した底面を有し、複数の凹部のそれぞれは、個々のバイオリアクタユニットをしっかりと着座させ得るように構成される。
本明細書において説明する顕微鏡検査可能なバイオリアクタシステムの底面の各凹部は、底面から上向きに延び、底面から遠位端に向けて先細りとなっている3つ以上の先細り形状の円錐台形状ポストを含むことができ、それぞれの先細り形状ポストは、個別のバイオリアクタユニットの開口又は環状円錐台形状凹部内へと突出するように構成され、開口又は環状円錐台形状凹部にしっかりと嵌合するように構成される。本明細書において説明する顕微鏡検査可能なバイオリアクタシステムのカセットは、ガスポートを有することができる。本明細書において説明する顕微鏡検査可能なバイオリアクタシステムのカセットは、熱源に動作可能に接続することができる。蓋は、本明細書において説明する顕微鏡検査可能なバイオリアクタシステムのカセットにしっかりと嵌合するように構成することができる。蓋は、個別のバイオリアクタユニットの目視検査を可能とするように構成された光学的ビューウィンドウを有することができる。
本明細書において説明する顕微鏡検査可能なバイオリアクタシステムは、1つ又は複数のバイオリアクタ蓋を含むことができ、1つ又は複数のバイオリアクタ蓋のそれぞれは、それぞれ対応する個別のバイオリアクタユニットにしっかりと嵌合するように構成され、個別のユニットと環境との間のガス交換を可能とする。蓋のそれぞれは、真空装置を受容するように構成された開口を有することができる。蓋のそれぞれは、サンプルウェル又は液体培地リザーバ又はこれら両方に関してのユーザの目視検査を提供するように構成された光学的に透明なビューウィンドウをさらに有することができる。蓋のそれぞれは、色分けすることができる。
本明細書において説明する顕微鏡使用可能なバイオリアクタシステムは、液体リザーバとサンプルリザーバとの間の流路内に配置された水平方向流路に流体接続された、薬剤送達のための注入ポートをさらに含むことができる。注入ポートは、約1μL~約1mLの容積を受容するように構成することができる。注入ポートは、約1mm~約50mmの直径の開口を有することができ、その開口の中に注入デバイスを使用して薬剤を注入することができる。注入ポートは、毛細管作用を最小化するように構成された直径の開口を有することができる。
本明細書において説明する顕微鏡使用可能なバイオリアクタシステムの第1フィルタ材料と第2材料とは、同じものとすることができ、サンプルウェル内の3D細胞成長培地を不動化するように構成された3Dヒドロゲル発泡体を含むことができる。他のナノ多孔性フィルタを使用してもよい。
本明細書において説明する顕微鏡検査可能なバイオリアクタシステムのネジ駆動型アクチュエータは、培地収集チャンバに動作可能に接続された圧力解放止めネジをさらに含むことができる。
本明細書において説明する顕微鏡検査可能なバイオリアクタシステムの培地収集チャンバは、チャンバを大気からシールするように構成され、真空装置を受容するように構成された自己修復型環状シールを提供するシリコンプラグを含むことができる。
本明細書において説明する顕微鏡検査可能なバイオリアクタシステムは、液体リザーバに流体連通しているオーバーフローチャンバをさらに含むことができる。
本明細書において説明する顕微鏡検査可能なバイオリアクタシステムは、サンプルウェルの3D培養培地の表面上に位置したプラグをさらに含むことができる。
本明細書において説明する顕微鏡検査可能なバイオリアクタシステムは、3Dヒドロゲル発泡体又は他のナノ多孔性フィルタを受容するように構成されたチャネルの迷路をさらに含むことができる。チャネルの迷路は、チャネル内に3Dヒドロゲル発泡体を機械的に不動化させ得るようにさらに構成することができる。
本明細書において説明する対象は、高処理能力バイオリアクタシステムである。本明細書において説明する高処理能力バイオリアクタシステムは、ウェルプレートであって、ウェルプレートは、複数の開口を含み、複数の開口のそれぞれは、3次元(3D)細胞成長培地によって充填されたサンプルウェルを含み、3D細胞培養培地は、複数のヒドロゲル粒子及び液体細胞培養培地を含み、ヒドロゲル粒子は、液体細胞培養培地によって膨潤して顆粒状ゲルを形成する、ウェルプレートと、フィルタと、中央プレートであって、複数の開口を含む中央プレートと、ベースプレートであって、フィルタ材料によってサンプルウェルに流体接続された1つ又は複数の培地収集チャンバを含むベースプレートと、を含むことができ、ウェルプレートの底部は、中央プレートの上部と嵌合してフィルタを挟むように構成され、中央プレートの底部は、ベースプレートの上部と嵌合するように構成され、これにより、嵌合時には、ウェルプレートのサンプルウェルは、フィルタを通して中央プレートに流体連通し、中央プレートは、1つ又は複数の培地収集チャンバに流体連通し、これにより、ウェルプレートからフィルタを通してさらに中央プレートを通してそしてベースプレートへの鉛直方向流体流路を有した複数のバイオリアクタが形成され、システムは、培地収集チャンバに対する負のゲージ圧の適用が、3次元細胞成長媒体を浸透させたサンプルウェルから、フィルタを通して、そして最終的に培地収集チャンバ内への、流体の能動的な吸引を引き起こすように構成され、フィルタ材料は、膨潤したヒドロゲル粒子のサイズよりも小さな多孔性を有する。
本明細書において説明する高処理能力バイオリアクタシステムは、培地収集チャンバに動作可能に接続された真空装置をさらに含むことができる。真空装置は、ネジ駆動型アクチュエータを含むことができ、ネジ駆動型アクチュエータは、培地収集チャンバに回転可能にかつ動作可能に接続された駆動用止めネジであって、培地収集チャンバに負のゲージ圧を能動的に提供するように構成された駆動用止めネジを含む。
本明細書において説明する高処理能力バイオリアクタシステムは、培地収集チャンバに流体接続された真空ポートであって、真空装置に着脱可能に接続可能とされた真空ポートを含む1つ又は複数の培地収集チャンバを含むことができる。
本明細書において説明する高処理能力バイオリアクタシステムの第1フィルタ材料と第2フィルタ材料とは、異なるものとすることができる。
本明細書において説明する高処理能力バイオリアクタシステムは、同一の培地収集チャンバにすべてが流体接続されている個別のサンプルウェルのアレイを含むことができる。
本明細書において説明する高処理能力バイオリアクタシステムは、アレイ中の各サンプルウェルが、別々の液体培地リザーバに流体接続されているように構成することができる。アレイ中の各サンプルウェルは、同じ液体培地リザーバに流体接続することができる。
本明細書において説明する高処理能力バイオリアクタシステムは、外側リングと、中間リングと、中央チャンバと、を含む環状配置を有することができ、液体培地リザーバは、外側リング内に配置され、サンプルウェルは、中間リング内に配置され、中央チャンバは、培地収集チャンバである。
本明細書において説明する高処理能力バイオリアクタシステムは、外側リングと、中央チャンバと、を含む環状配置を有することができ、サンプルウェルは、中央チャンバ内に配置され、培地収集チャンバは、外側リング内に配置され、液体培地リザーバは、中央チャンバ内において、サンプルウェルの上方に配置されている。
本明細書において説明する高処理能力バイオリアクタシステムは、降伏応力を有した3次元細胞成長培地を含むことができ、これにより、細胞成長培地は、降伏応力よりも大きな剪断応力の適用時には、第1の固体相から第2の液体相へと相変化することができる。降伏応力は、10Pa程度とすることができる。ヒドロゲル粒子の濃度は、0.05重量%~約1.0重量%とすることができる。ヒドロゲル粒子は、液体細胞培養培地によって膨潤した時には、約0.1μm~約100μmのサイズを有することができる。
本明細書において説明する高処理能力バイオリアクタシステムの3D細胞培養培地の領域内には、複数の細胞(すなわち、生物学的サンプル)が配置される。
本明細書において説明する高処理能力バイオリアクタシステムのネジ駆動型アクチュエータは、培地収集チャンバに動作可能に接続された圧力解放止めネジをさらに含むことができる。
本明細書において説明する高処理能力バイオリアクタシステムの培地収集チャンバは、チャンバを大気からシールするように構成され、真空装置を受容するように構成された自己修復型環状シールを提供するシリコンプラグを含むことができる。
本明細書において説明する高処理能力バイオリアクタシステムのベースプレートは、複数の培地収集チャンバを含むことができ、各チャンバは、チャンバの底面から中央プレートに向けて上向きに延びるウィッキングポストであって、中央プレートのうちの、ベースプレートに対向した面から離間する向きに、培地収集チャンバ内へと、液体を収集して吸い上げ得るように構成されたウィッキングポストを含む。
本明細書において説明する高処理能力バイオリアクタシステムの中央プレートの複数の開口のそれぞれは、開口の外径上に位置したスカートであって、ベースプレートに向けて下向きに延び、中央プレートのうちの、ベースプレートに対向した面から離間する向きに液体を吸引するように構成されたスカートを含むことができる。スカートは、疎水性物質から構成することができる、あるいは、疎水性物質によってコーティングすることができる。中央プレートは、疎水性物質から構成することができる、あるいは、疎水性物質によってコーティングすることができる。
本明細書において説明する対象は、デュアルフローバイオリアクタシステムである。本明細書において説明するデュアルフローバイオリアクタシステムは、第1液体リザーバと、サンプルウェルであって、サンプルウェルは、3次元(3D)細胞成長培地によって充填され、3D細胞培養培地は、複数のヒドロゲル粒子及び液体細胞培養培地を含み、ヒドロゲル粒子は、液体細胞培養培地によって膨潤して顆粒状ゲルを形成する、サンプルウェルと、第1培地収集チャンバと、第2液体リザーバと、第2培地収集チャンバと、第1真空装置と、第2真空装置と、を含むことができ、第1真空装置は、第1培地収集チャンバに動作可能に接続され、第2真空装置は、第2培地収集チャンバに動作可能に接続され、第1液体リザーバは、第1フィルタ材料を通してサンプルウェルに流体連通し、サンプルウェルは、第1フィルタ材料を通して第1培地収集チャンバに流体連通し、これにより、第1灌流流路を形成し、第1フィルタ材料は、膨潤したヒドロゲル粒子のサイズよりも小さい多孔性を有し、第2液体リザーバは、第2フィルタ材料を通してサンプルウェルに流体連通し、サンプルウェルは、第2フィルタ材料を通して第2培地収集チャンバに流体連通し、これにより、第2灌流流路を形成し、第2フィルタ材料は、膨潤したヒドロゲル粒子のサイズよりも小さい多孔性を有し、システムは、システムの底部からサンプルウェルへの異なる高さ位置のところにおいて第1流路と第2流路とが互いに直交するように構成され、システムは、第1培地収集チャンバに対する、又は第2培地収集チャンバに対する、又はこれら両方に対する負のゲージ圧の適用が、3次元細胞成長媒体を浸透させた、第1液体リザーバからの又は第2液体リザーバからの又はこれら両方からの、第1フィルタを通しての又は第2フィルタを通しての又はこれら両方を通しての、そして最終的に、第1培地収集チャンバ内への又は第2培地収集チャンバ内への又はこれら両方内への、流体の能動的な吸引を引き起こすようにさらに構成される。
本明細書において説明するデュアルフローバイオリアクタシステムは、第1流路と第2流路との間においてサンプルウェル内に第3フィルタ材料をさらに含むことができる。
本明細書において説明するデュアルフローバイオリアクタシステムは、培養チャンバの下側に、光学的に透明な底部をさらに含むことができる。
本明細書において説明するデュアルフローバイオリアクタシステムの第1真空装置は、第1ネジ駆動型アクチュエータを含むことができ、第1ネジ駆動型アクチュエータは、第1培地収集チャンバ内に回転可能に取り付けられた第1駆動用止めネジであって、第1培地収集チャンバに負のゲージ圧を能動的に提供するように構成された第1駆動用止めネジを含む。
本明細書において説明するデュアルフローバイオリアクタシステムの第2真空装置は、第2ネジ駆動型アクチュエータを含むことができ、第2ネジ駆動型アクチュエータは、第2培地収集チャンバ内に回転可能に取り付けられた第2駆動用止めネジであって、第2培地収集チャンバに負のゲージ圧を能動的に提供するように構成された第2駆動用止めネジを含む。
本明細書において説明するデュアルブローバイオリアクタシステムの第1培地収集チャンバは、第1培地収集チャンバに流体接続された第1真空ポートであって、真空装置に着脱可能に接続可能とされた第1真空ポートを含むことができ、第1真空ポートは、第2培地収集チャンバに動作可能に接続された第1自己修復型環状シールの穿孔によって形成されたものである。
本明細書において説明するデュアルフローバイオリアクタシステムの第2培地収集チャンバは、第2培地収集チャンバに流体接続された第2真空ポートであって、真空装置に着脱可能に接続可能とされた第2真空ポートを含むことができ、第2真空ポートは、第2培地収集チャンバに動作可能に接続された第2自己修復型環状シールの穿孔によって形成されたものである。
本明細書において説明するデュアルフローバイオリアクタシステムの3次元細胞成長培地は、降伏応力を有することができ、これにより、細胞成長培地は、降伏応力よりも大きな剪断応力の適用時には、第1の固体相から第2の液体相へと相変化することができる。降伏応力は、10Pa程度とすることができる。ヒドロゲル粒子の濃度は、0.05重量%~約1.0重量%とすることができる。ヒドロゲル粒子は、液体細胞培養培地によって膨潤した時には、約0.1μm~約100μmのサイズを有することができる。複数の細胞が、本明細書において説明するデュアルフローバイオリアクタシステムの3D細胞培養培地の領域内に配置される。
本明細書において説明するデュアルフローバイオリアクタシステムの第1流路及び第2流路は、水平方向の流体流路のために構成することができる。特定の態様においては、流路は、互いに直交するが、約90度以外の角度をなす他の構成として実現することもできる。
本明細書において説明するデュアルフローバイオリアクタシステムは、ピペット尖端を受容するように構成され、サンプルウェルの底部からピペット尖端がなす遠位端までの固定高さを提供するように構成された、ピペットガイドをさらに含むことができる。
本明細書において説明するデュアルフローバイオリアクタシステムは、複数の個別のデュアルフローバイオリアクタユニットをしっかりと保管及び輸送するように構成されたカセットをさらに含むことができ、カセットは、ベース容器と、蓋と、を含む。
デュアルフローバイオリアクタシステムの各カセットは、底面上に、個別ユニットの上部に向けて延びる突起を受容するように構成された、3つ以上の開口又は環状円錐台形状凹部を含むことができる。
デュアルフローバイオリアクタシステムのカセットのベース容器は、複数のデュアルフローバイオリアクタユニットを受容するように構成されたチャンバを含むことができ、チャンバは、複数の凹部を有した底面を有し、複数の凹部のそれぞれは、個々のバイオリアクタユニットをしっかりと着座させ得るように構成される。
デュアルフローバイオリアクタシステムのカセットの底面の凹部のそれぞれは、底面から上向きに延び、底面から遠位に位置した端部に向けて先細りとなっている、3つ以上の先細り形状の円錐台形状ポストを含むことができ、先細り形状ポストのそれぞれは、個別のバイオリアクタユニットの開口又は円錐台形形状凹部内へと突出するように構成され、開口又は円錐台形形状凹部にしっかりと嵌合するように構成される。
本明細書において説明するデュアルフローバイオリアクタシステムの各カセットは、ガスポートをさらに含むことができる。本明細書において説明するデュアルフローバイオリアクタシステムのカセットは、熱源に動作可能に接続することができる。カセットの蓋は、個別のバイオリアクタユニットの目視検査を可能とするように構成された光学的ビューウィンドウを有することができる。
本明細書において説明するデュアルフローバイオリアクタシステムは、1つ又は複数のバイオリアクタ蓋を含むことができ、1つ又は複数のバイオリアクタ蓋のそれぞれは、それぞれ対応する個別のバイオリアクタユニットにしっかりと嵌合するように構成され、個別のユニットと環境との間のガス交換を可能とする。蓋のそれぞれは、真空装置を受容するように構成された開口を含む。蓋のそれぞれは、サンプルウェル又は液体培地リザーバ又はこれら両方に関してのユーザの目視検査を提供するように構成された光学的に透明なビューウィンドウをさらに含む。蓋のそれぞれは、色分けすることができる。
本明細書において説明するデュアルフローバイオリアクタシステムは、第1液体リザーバとサンプルウェルとの間の第1流路内に配置され、第1流路に流体接続された、薬剤送達のための第1注入ポートを含むことができる。第1注入ポートは、約1μL~約1mLの容積を受容するように構成することができる。第1注入ポートは、およそ1mm~50mmの直径の開口を有することができ、その開口の中に注入デバイスを使用して薬剤を注入することができる。
第1注入ポートは、毛細管作用を最小化するように構成された直径の開口を有することができる。
本明細書において説明するデュアルフローバイオリアクタシステムは、第2液体リザーバとサンプルウェルとの間の第2流路内に配置され、第2流路に流体接続された、薬剤送達のための第2注入ポートをさらに含むことができる。第2注入ポートは、約1μL~約1mLの容積を受容するように構成することができる。第2注入ポートは、およそ1mm~50mmの直径の開口を有することができ、その開口の中に注入デバイスを使用して薬剤を注入することができる。第2注入ポートは、毛細管作用を最小化するように構成された直径の開口を有することができる。
本明細書において説明するデュアルフローバイオリアクタシステムの第1フィルタ材料と第2フィルタ材料とは、同じものとすることができ、サンプルウェル内の3D細胞成長培地を不動化するように構成された3Dヒドロゲル発泡体を含む。他のナノ多孔性フィルタ材料を使用してもよい。
本明細書において説明するデュアルフローバイオリアクタシステムの第1ネジ駆動型アクチュエータは、第1培地収集チャンバに動作可能に接続された圧力解放止めネジをさらに含むことができる。
本明細書において説明するデュアルフローバイオリアクタシステムの第2ネジ駆動型アクチュエータは、第2培地収集チャンバに動作可能に接続された圧力解放止めネジをさらに含むことができる。
本明細書において説明するデュアルフローブロリアクターシステムの第1培地収集チャンバは、チャンバを大気からシールするように構成され、真空装置を受容するように構成された自己修復型環状シールを提供する第1シリコンプラグを含むことができる。
本明細書において説明するデュアルフローバイオリアクタシステムの第2培地収集チャンバは、チャンバを大気からシールするように構成され、真空装置を受容するように構成された自己修復型環状シールを提供する第2シリコンプラグを含むことができる。
本明細書において説明するデュアルフローバイオリアクタシステムは、第1液体リザーバに流体連通している第1オーバーフローチャンバをさらに含むことができる。
本明細書において説明するデュアルフローバイオリアクタシステムは、第2液体リザーバに流体連通している第2オーバーフローチャンバをさらに含むことができる。
本明細書において説明するデュアルフローバイオリアクタシステムは、サンプルウェルの3D培養培地の表面上に位置したプラグをさらに含むことができる。
本明細書において説明するデュアルフローバイオリアクタシステムは、第1流路内に又は第2流路内に又はこれら両方内に、3Dヒドロゲル発泡体を受容するように構成された、チャネルの迷路をさらに含むことができる。チャネルの迷路は、チャネル内に3Dヒドロゲル発泡体を機械的に不動化させ得るようにさらに構成される。
本明細書において説明する対象は、本明細書において説明する、灌流が可能とされたバイオリアクタシステムの使用方法である。灌流が可能とされたバイオリアクタの使用方法は、本明細書において説明するバイオリアクタシステムを準備することと、生物学的サンプルを準備することと、3D成長培地を準備することと、バイオリアクタの培養チャンバ内に3D成長培地を配置することと、3D成長培地内に生物学的サンプルを分注することと、正又は負のゲージ圧をバイオリアクタに適用し、これにより、能動的な灌流によって流体を3D成長培地内へと吸引することと、を含むことができる。本明細書において説明する方法は、正又は負のゲージ圧を適用した後に、バイオリアクタの注入ポート内に組成物を適用することをさらに含むことができる。
本明細書において説明する対象は、キットである。本明細書において説明するキットは、本明細書において説明する1つ又は複数のバイオリアクタを含むことができる。本明細書において説明するキットは、3D成長培地をさらに含むことができる。本明細書において説明するキットは、1つ又は複数のピペットガイドをさらに含むことができる。
本明細書において説明するキットは、真空装置及び/又は圧力計をさらに含むことができる。圧力計は、真空装置に動作可能に接続され、真空装置に流体連通することができる。本明細書において説明するキットは、1つ又は複数のバイオリアクタを受容するように構成され、1つ又は複数のバイオリアクタをしっかりと保持するように構成された、カセットをさらに含むことができる。
任意選択的に添付図面を参照して、本明細書において説明する、方法、使用、又はシステム。
図1は、本見解によるバイオリアクタシステムの実施形態を示す斜視図であり、切り欠きによって、内部環境の態様を示している。 図2A~図2Cは、本明細書において説明するバイオリアクタシステムを示す分解図である。 図2A~図2Cは、本明細書において説明するバイオリアクタシステムを示す分解図である。 図2A~図2Cは、本明細書において説明するバイオリアクタシステムを示す分解図である。 図3は、本明細書において開示するバイオリアクタシステムの一実施形態を示す平面図である。 図4は、本明細書において開示するバイオリアクタシステムの一実施形態を示す断面図である。 図5は、本明細書において開示するバイオリアクタシステムの一実施形態を示す断面図である。 図6は、本明細書において開示するバイオリアクタシステムの一実施形態を示す断面図である。 図7は、本明細書において開示するバイオリアクタシステムの一実施形態を示す断面図である。 図8は、本明細書において開示するバイオリアクタシステムの一実施形態を示す部分切り欠き図であり、高処理能力マルチウェル構成を示している。 図9は、本明細書において開示するバイオリアクタシステムの一実施形態を示す分解図である。 図10は、本明細書において説明するバイオリアクタシステム内への特徴の正確なかつ繰り返し可能な配置を目的として、本明細書において開示するバイオリアクタシステムと共に使用するための機械的ピペットガイドの実施形態を示している。 図11は、複数(6個)の別個のバイオリアクタユニット用に構成された、本明細書において説明するカセットベースのマルチウェルバイオリアクタシステムの実施形態である。 図12は、図11のカセットベースのマルチウェルバイオリアクタシステムを示す分解図である。 図13A~図13Bは、本明細書において説明するバイオリアクタシステムにおける、別個のバイオリアクタユニットの安定したかつ繰り返し可能な位置決めを与える特徴に関する実施形態である。 図13A~図13Bは、本明細書において説明するバイオリアクタシステムにおける、別個のバイオリアクタユニットの安定したかつ繰り返し可能な位置決めを与える特徴に関する実施形態である。 図14A~図14Bは、本明細書において説明するバイオリアクタシステムの態様のためのカバーの実施形態を示している。そのようなカバーは、光学的ビューウィンドウを有し、色分けすることができる。 図14A~図14Bは、本明細書において説明するバイオリアクタシステムの態様のためのカバーの実施形態を示している。そのようなカバーは、光学的ビューウィンドウを有し、色分けすることができる。 図15A~図15Bは、本明細書において説明するバイオリアクタシステムの態様に関する実施形態の分解図(図15A)及び組立図(図15B)を示している。 図15A~図15Bは、本明細書において説明するバイオリアクタシステムの態様に関する実施形態の分解図(図15A)及び組立図(図15B)を示している。 図16は、本明細書において説明するバイオリアクタシステムの態様に関する実施形態の断面図を示している。特に、図16の断面は、任意選択的な注入ポートを示しており、この任意選択的な注入ポートを使用することにより、薬剤(小分子、タンパク質、ポリマー、核酸、及び同種のもの)を、バイオリアクタの流路に、制御可能にかつ正確に送達することができ、これにより、薬剤をバイオリアクタ内で培養された細胞に送達することができる。 図17は、本明細書において説明するバイオリアクタシステムの一態様に関する実施形態を示しており、特に、液体リザーバの外径を取り囲みつつその外径に当接した任意選択的な培地オーバーフローウェルであって、液体リザーバからの過剰な液体を捕捉及び保持するように構成された任意選択的な培地オーバーフローウェルを示している。 図18は、本明細書において説明するバイオリアクタシステムの態様に関する実施形態を示している。図18の実施形態から理解され得るように、自己修復型環状シールを、本明細書において説明する他の圧力送達装置(例えば、ネジ駆動型アクチュエータ)に代えて、システム内において使用することができる。 図19A~図19Bは、本明細書において説明するバイオリアクタシステムの態様に関する他の実施形態を示している。図19Aは、平面図であり、図19Bは、側断面図であり、そして、図19Cは、底面図である 図19A~図19Bは、本明細書において説明するバイオリアクタシステムの態様に関する他の実施形態を示している。図19Aは、平面図であり、図19Bは、側断面図であり、そして、図19Cは、底面図である 図19A~図19Bは、本明細書において説明するバイオリアクタシステムの態様に関する他の実施形態を示している。図19Aは、平面図であり、図19Bは、側断面図であり、そして、図19Cは、底面図である 図20は、本明細書において説明するバイオリアクタシステムの態様に関する他の実施形態であり、直交して対向した2つの流路であって、これら流路間において共有され、各流路の中央に配置された共通の培養チャンバに関連した2つの流路を示している。 図21は、二重流路を有したバイオリアクタシステムの態様に関する実施形態における培養チャンバ(LLSチャンバ)を示す断面図である。 図22は、二重流路を有したバイオリアクタシステムの態様に関する実施形態における培養チャンバ(LLSチャンバ)を示す他の断面図である。 図23A~図23Dは、二重流路を有した、本明細書において説明するバイオリアクタシステムの一態様に関する実施形態である。図23Aは、斜視図を示している。図23Bは、平面図を示している。図23Cは、側面図を示している。図23Dは、底面図を示している。 図23A~図23Dは、二重流路を有した、本明細書において説明するバイオリアクタシステムの一態様に関する実施形態である。図23Aは、斜視図を示している。図23Bは、平面図を示している。図23Cは、側面図を示している。図23Dは、底面図を示している。 図23A~図23Dは、二重流路を有した、本明細書において説明するバイオリアクタシステムの一態様に関する実施形態である。図23Aは、斜視図を示している。図23Bは、平面図を示している。図23Cは、側面図を示している。図23Dは、底面図を示している。 図23A~図23Dは、二重流路を有した、本明細書において説明するバイオリアクタシステムの一態様に関する実施形態である。図23Aは、斜視図を示している。図23Bは、平面図を示している。図23Cは、側面図を示している。図23Dは、底面図を示している。 図24A~図24Cは、図23A~図23Dの実施形態に関する他の図である。平面図が、図24Aに図示されている。側断面図が、図24B及び図24Cに図示されている。 図24A~図24Cは、図23A~図23Dの実施形態に関する他の図である。平面図が、図24Aに図示されている。側断面図が、図24B及び図24Cに図示されている。 図24A~図24Cは、図23A~図23Dの実施形態に関する他の図である。平面図が、図24Aに図示されている。側断面図が、図24B及び図24Cに図示されている。 図24A~図24Cは、図23A~図23Dの実施形態に関する他の図である。平面図が、図24Aに図示されている。側断面図が、図24B及び図24Cに図示されている。 図25は、図23の実施形態に関する他の断面図である。 図26は、マルチウェル高処理能力設定として構成された、灌流が可能とされたバイオリアクタにおけるアレイに関する実施形態2000を示す写真である。 図27は、図26の実施形態2000を示す分解図である。 図28A~図28Bは、相互汚染を最小化しつつ、個々の廃液収集チャンバ内への検体の収集を容易とするための実施形態2000の構造に関する構成の実施形態を示す拡大図である。 図28A~図28Bは、相互汚染を最小化しつつ、個々の廃液収集チャンバ内への検体の収集を容易とするための実施形態2000の構造に関する構成の実施形態を示す拡大図である。 図29Aは、図26の実施形態2000に関する部分断面付きの斜視図であり、プレートのウェルの自己修復型環状シール内に挿入された真空源装置を示している。 図29Bは、図29Aの拡大図である。 図30は、本明細書において説明する、灌流が可能とされたバイオリアクタ3000に関する実施形態である。
3D培養における停滞した毒性環境に対抗するために、支持培地を通して灌流を誘導することができ、これにより、栄養液を流入させ、老廃物を流出させることができる。本明細書において開示する対象は、そのようなことを提供するシステム及び方法である。開示するシステム及び方法は、細胞の移動及び灌流を可能とし、内部に細胞が配置されるとすぐに実験ができる専用化された詰まったミクロゲルシステムを導入することによって、現在の標準を大幅に改良することができる。このゲルを収容したデバイスは、フィルタと、細胞環境を乱すことなくシステム内にわたって栄養培地が灌流することを可能とする真空システムと、を含む。灌流は真空に依存しているため、細胞の振る舞いに影響を与え得る拍動流を容易に実現することができる。このような拍動流は、能動的な拍動流であり得る。さらに、このシステムは、生物学的サンプルの成長時に、連続的な光学的アクセスを可能とすることができる。
本明細書において開示する対象は、バイオリアクタユニット内の生物学的サンプルを直接的に観察するための任意選択的な一体型の光学経路を有した単一ウェルプラットフォーム又はマルチウェルプラットフォーム又は連続ウェルプラットフォームを含み得るバイオリアクタシステムである。そのような単一ウェルプラットフォームは、カセット内に収容された個別の複数のユニットとすることができ、マルチウェルプラットフォームは、マルチウェルプレートに類似したものとすることができる。灌流が、バイオリアクタ内の独自の多孔性支持培地を通して使用され、生物学的サンプルの3D成長を可能とする。光学経路は、灌流を中断することなく生物学的サンプルの顕微鏡検査を可能とし、これにより、環境を乱すことなく長期的な成長及び振る舞いを研究することができる。
本明細書において説明する、灌流が可能とされたバイオリアクタシステムは、本明細書においては液体様固体又はLLSとも称される3D増殖培地中における、生物学的サンプルの3D組織培養を可能とする。
本明細書において説明するバイオリアクタシステムは、圧力発生手段と、供給培地源と、3D増殖培地(本明細書においては、液体様固体、又は、LLSとも称される)を有した培養チャンバと、フィルタと、培地収集チャンバ(本明細書においては、廃液チャンバ、廃液収集チャンバ、分析物チャンバ、分析物収集チャンバ、廃棄物チャンバ、又は、廃棄物収集チャンバ、とも称される)と、を含むことができる。本開示による特定の実施形態においては、供給培地源は、培養チャンバ内の培地であり、また、他の実施形態においては、供給培地源は、培養チャンバとは別の構造的要素とされた物理的に分離された液体リザーバである。本明細書において説明するバイオリアクタシステムは、また、対象をなす細胞に対する薬剤(小分子、タンパク質、核酸、糖、及び同種のもの)の正確なかつ効率的な送達の適用に関する研究のための、薬剤送達ポートを含むこともできる。
圧力発生手段からの正圧又は負圧の適用により、供給培地源から、フィルタを通して、3D成長培地へと、さらに、培地収集チャンバ内へと、流体の灌流が駆動される。特定の態様においては、本明細書において説明するシステムは、顕微鏡検査可能なシステムを提供するよう、水平方向の流体灌流のために構成され、また、他の態様においては、システムは、高処理能力を可能とするよう、鉛直方向の流体灌流路のために構成される。
フィルタは、3Dヒドロゲル材料とすることができる、あるいは、他のフィルタとすることができる。
本明細書において説明するバイオリアクタシステムは、例えばフライス加工によって、単一片の材料から構築することができる、あるいは、複数の部品を互いに固定又は接着することによって構築することができる。
本明細書において説明する培養チャンバは、生物学的サンプルを培養し得る量の3D成長培地を保持するように構成される。
フィルタ材料
開示するバイオリアクタシステムは、細胞環境を乱すことなくシステムを通して液体培地が灌流することを可能とする1つ又は複数のフィルタを含む。
フィルタ材料は、固体を形成し得、3D支持マトリクスポリマーのサイズ以下の多孔性を保持し得る生体適合性材料又は不活性材料の任意の組合せとすることができる。主な例としては、スピノーダル分解が起こる程度に重合したpHEMAであって3D支持マトリクスポリマーの程度の多孔性を生成するpHEMAが挙げられ、また、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ホウケイ酸塩、鋼、又は様々なセラミクスを含む焼結微粒子が挙げられる。
図1などの設計においては、フィルタ材料は、ポリカーボネート、ナイロン、又は、生体適合性又は不活性を維持しつつ同じ効果を生成する様々な他の材料からなるナノ多孔性シート膜から構成することができる。
本明細書において説明して図4~図7及び図10~図25において図示するものなどの特定の実施形態においては、フィルタ材料は、3Dヒドロゲルとすることができる。3Dヒドロゲルは、架橋されたヒドロゲル発泡体である。3Dヒドロゲルは、LLSが通過することを防止するフィルタとして機能するが、成長培地などの液体を通過させることができる。3Dヒドロゲルは、「液体様固体」ではない。細孔径は、LLSと比較して比較的大きく、約10μmであるが、5μm~20μmの範囲とすることができる。3Dヒドロゲルは、LLSよりもはるかに構造的であり、液体のように振る舞うことはない。3Dヒドロゲルは、アクリルアミド又はポリヒドロキシエチルメタクリレートなどの様々な物質から作製することができる。3Dヒドロゲルは、本明細書において後述するように3D成長培地を保持及び不動化するように構成することができ、これにより、真空又は陽圧の適用による成長培地の乱れ又は擾乱を防止する。
フィルタ材料は、3D成長培地の構成要素よりも小さい多孔性を有することができ、これについては、詳細に後述する。
真空源
開示するバイオリアクタシステムは、正のゲージ圧又は負のゲージ圧に関する任意の供給源を使用することができ、これにより、システムを通して流体を吸引することができる。そのような圧力は、本明細書においては圧力発生デバイス又は圧力発生装置とも称される真空源によって、生成することができる。いくつかの場合においては、真空が適用される。負圧及び正圧は、様々な公知の手段を使用して生成することができる。いくつかの場合においては、圧力は、限定するものではないが、蠕動ポンプ、シリンジ、ピストン、又はネジを含む機械的手段を使用して、生成される。圧力を生成するための受動的なシステムも公知であり、受動的なシステムには、浸透圧勾配及び毛細管力が含まれる。例えば、浸透圧勾配は、未膨潤ポリマー粉末を収集チャンバ内に配置することにより、生成することができる。
本開示の実施形態においては、真空源は、ネジがどのように回転されるかに応じてネジの回転がシステムに負圧又は正圧を提供するように構成された、ネジ駆動型アクチュエータである。
本開示の実施形態においては、真空源は、上述したものなどの真空提供デバイスの一部でありそのような真空提供デバイスに動作可能に接続された例えばニードルなどのデバイスによって、自己修復型環状シールを穿刺することにより、システムに動作可能に結合される。そのような実施形態は、任意選択的に、システム内の圧力を監視するための圧力計を含むことができ、これにより、ユーザに圧力を知らせることができる。
本明細書において説明する真空源は、ルアーロック及び自己修復型環状シールなどの接続部材を介して、システムに着脱可能に接続することができる。本明細書において説明する自己修復型環状シールの例には、医療従事者に広く使用されている採血管において使用されているものなどのゴム栓が含まれる。
3D培地
開示するバイオリアクタシステムにおいて使用するための液体様固体(LLS)3次元(3D)細胞成長培地(本明細書においては、「液体様固体」、「LLS」、「3D成長培地」、又は「3D細胞成長培地」とも称される)は、Sawyer他による国際公開第2016182969(A1)号パンフレットに開示されており、この文献は、このLLS培地の作製方法及び使用方法の説明のために、その全体的内容が参照により本明細書に援用される。
液体様固体(LLS)は、輸送性、弾性、及び降伏特性の組合せを提供する特性を有しており、これを活用することにより、3次元培養において生きた細胞を維持するための支持材料を設計することができる。これらの材料は、自由に拡散し、体積の99%超を占め得る溶媒から主に構成され得るが、固体状態においては、弾性率が有限であり、降伏応力が極めて低い。降伏時には、これらの材料は、剪断され、古典的な流体のように振る舞う。充填された顆粒状ミクロゲルは、液体様固体の一種であり、最近では、繊細な材料の精密な3次元製造のための堅牢な培地として採用されている。栄養素、小分子、及びタンパク質の無制限の拡散は、細胞の代謝の必要性を支持し、組合せスクリーニング法の開発への容易な経路を提供することができる。かき乱されないLLS材料は、細胞および細胞アセンブリに支持及び安定性を提供し、精密な多細胞構造の開発及び維持を容易なものとすることができる。
簡単に言えば、3D細胞成長培地は、液体細胞成長培地中に分散されたヒドロゲル粒子を含むことができる。任意の適切な液体細胞成長培地を使用することができ、当業者であれば理解されるように、3D細胞成長培地内に配置されることとなる細胞のタイプに応じて、特定の液体細胞成長培地を選択することができる。例えば、適切な細胞成長培地は、ヒト細胞成長培地、マウス細胞成長培地、ウシ細胞成長培地、又は、任意の他の適切な細胞成長培地、とすることができる。特定の実施形態に応じて、ヒドロゲル粒子及び液体細胞成長培地は、任意の適切な組合せで組み合わせることができる。例えば、いくつかの実施形態においては、3D細胞成長培地は、およそ0.5重量%~1重量%のヒドロゲル粒子を含む。いくつかの実施形態においては、ヒドロゲル粒子は、液体細胞培養培地によって膨潤した時に、約0.1μm~約100μmの範囲のサイズを有することができる。いくつかの実施形態においては、ヒドロゲル粒子は、液体細胞培養培地によって膨潤した時に、約1μm~約10μmの範囲のサイズを有することができる。
いくつかの実施形態によれば、ヒドロゲル粒子は、生体適合性ポリマーから作製することができる。
ヒドロゲル粒子は、液体成長培地によって膨潤することができ、これにより、顆粒状ゲル材料を形成することができる。特定の実施形態に依存して、膨潤したヒドロゲル粒子は、ミクロンスケール又はサブミクロンスケールにおいて特徴的なサイズを有することができる。例えば、いくつかの実施形態においては、膨潤したヒドロゲル粒子は、およそ0.1μm~100μmのサイズを有することができる。さらに、3D細胞成長培地は、機械的特性の任意の適切な組合せを有することができ、いくつかの実施形態においては、機械的特性を、ヒドロゲル粒子及び液体細胞成長培地の相対濃度によって調整することができる。例えば、ヒドロゲル粒子の濃度をより大きくすることにより、より大きな弾性率及び/又はより大きな降伏応力を有した3D成長培地を得ることができる。
いくつかの実施形態によれば、3D細胞成長培地は、顆粒状ゲル材料が、適用された応力に基づいて一時的相変化を受け得るような材料から作製することができる(例えば、揺変性の材料、又は、「降伏応力」材料)。そのような材料は、固体であってもよく、また、それらの降伏応力未満のレベルで適用された応力下でそれらの形状を保持する何らかの他の相であってもよい。降伏応力を超える応力が適用された場合には、これらの材料は、流体になることができる、あるいは、それらの形状を変化させ得る何らかの他のより順応性のある相になることができる。適用された応力が除去された時には、降伏応力材料は、再び固体になることができる。そのような材料に応力を、任意の適切な手法で適用することができる。例えば、そのような材料にエネルギーを印加することができ、これにより、相変化を起こすことができる。エネルギーは、機械的なもの、電気的なもの、放射的なもの、又は、光子によるもの、等を含めて、任意の適切な形態のものとすることができる。
どのようにして細胞が培地内に配置されるかに関係なく、降伏応力材料の降伏応力は、3D成長培地内における細胞の位置が経時的に実質的に一定に留まり得るように、細胞によって印加される重力及び/又は拡散力に基づく降伏を防止するのに十分に大きなものとすることができる。以下においてより詳細に説明するように、細胞群の配置及び/又は回収は、手動で又は自動で行うことができる。
本明細書において説明する降伏応力材料は、任意の適切な機械的特性を有することができる。例えば、いくつかの実施形態においては、降伏応力材料は、この材料が降伏応力未満のレベルで適用された応力下でその形状を保持する固体相又は他の相にある時には、およそ1Pa~1000Paの弾性率を有することができる。いくつかの実施形態においては、降伏応力材料を流体様の相へと変換するのに必要な降伏応力は、およそ1Pa~1000Paとすることができる。いくつかの実施形態においては、降伏応力は、10Pa±25%などのように、10Pa程度とすることができる。流体様の相へと変換された時には、降伏応力材料は、およそ1Pa・s~10,000Pa・sの粘度を有することができる。しかしながら、本開示はそのように限定するものではなく、降伏応力材料が、弾性率、降伏応力、及び/又は粘度に関して、他の値を有することは、理解されるべきである。
細胞群は、任意の適切な方法を介して、降伏応力材料から作製された3D成長培地内へと配置することができる。例えば、いくつかの実施形態においては、細胞は、3D成長培地内の特定の位置へと、シリンジ、ピペット、又は、自動液体ハンドラなどの他の適切な配置又は注入デバイスを使用して、注入又は配置することができる。いくつかの実施形態においては、自動細胞ディスペンサのアレイを使用することにより、複数の細胞サンプルを3D成長培地の容器内へと注入することができる。3D成長培地を通しての配置デバイスの尖端の動きは、十分な量のエネルギーを尖端のまわりの領域に与えて降伏を引き起こすことができ、これにより、配置ツールを、3D成長培地内の任意の位置へと容易に移動させることができる。いくつかの例においては、細胞群を3D成長培地内に堆積させるために配置ツールによって適用される圧力も、降伏を引き起こすのに十分なものとすることができ、これにより、3D成長培地が流動して細胞群を収容することができる。配置ツールの移動は、手動で(例えば、「手によって」)実行することができる、あるいは、機械又は任意の他の適切な機構によって実行することができる。
いくつかの実施形態においては、複数の独立した細胞群を、3D細胞成長培地からなる単一体積内へと配置することができる。例えば、3D細胞成長培地の体積は、少なくとも2群の、少なくとも5群の、少なくとも10群の、少なくとも20群の、少なくとも50群の、少なくとも100群の、少なくとも1000群の、あるいは、任意の他の適切な数の独立した細胞群を収容するように、十分に大きなものとすることができる。これに代えて、3D細胞成長培地の体積は、1つの細胞群のみを有するものとすることができる。さらに、1つの細胞群が、任意の適切な数の細胞を含み得ること、及び、細胞が、1つ又は複数の異なるタイプのものであり得ることは、理解されるべきである。
特定の実施形態に応じて、細胞群を、任意の適切な形状、幾何学的配列、及び/又はパターンに従って、3D細胞成長培地内に配置することができる。例えば、独立した細胞群は、スフェロイドとして堆積させることができ、スフェロイドは、3D格子又は任意の他の適切な3Dパターン上に配置することができる。独立したスフェロイドのすべては、ほぼ同数の細胞を含むことができ、ほぼ同じサイズであることができ、あるいはこれに代えて、異なるスフェロイドは、異なる数の細胞を含むことができ、異なるサイズであることができる。いくつかの実施形態においては、細胞は、胚様体又は器官様体、管、円筒体、環状体、階層的に分岐した脈管ネットワーク、高アスペクト比の物体、薄い閉じたシェル、あるいは、組織や脈管や他の生物学的構造の幾何学的構造に対応する他の複雑な形状などの形状へと、配置することができる。
いくつかの実施形態によれば、降伏応力材料から作製された3D細胞成長培地は、細胞の3D印刷を可能とすることができ、これにより、3次元で所望のパターンを形成することができる。例えば、コンピュータ制御されたインジェクタ尖端は、3D細胞成長培地内の空間的経路をたどって、その経路に沿った位置に細胞を注入することができ、これにより、所望の3Dパターン又は所望の3D形状を形成することができる。3D細胞成長培地を通してのインジェクタ尖端の動きは、十分な機械的エネルギーを与えることができて、インジェクタ尖端のまわりの領域に降伏を引き起こすことができ、これにより、インジェクタ尖端は、3D細胞成長培地内にわたって容易に移動することができ、細胞の注入に適応させることもできる。注入後には、3D細胞成長培地は、固体様の相へと逆変換されることができ、これにより、印刷された細胞を支持し、印刷された幾何学的構造を維持することができる。しかしながら、本明細書において説明する3D成長培地を使用するに際して3D印刷技法が必要とされないことは、理解されるべきである。
いくつかの実施形態によれば、3D細胞成長培地は、ヒドロゲル粒子を液体細胞成長培地中に分散させることにより、調製することができる。ヒドロゲル粒子は、遠心ミキサ、シェーカ、又は任意の他の適切な混合デバイスを使用して、液体細胞成長培地と混合することができる。混合時には、ヒドロゲル粒子は、液体細胞成長培地によって膨潤して、適用された剪断応力が降伏応力を下回った時点で、上述したように、実質的に固体である材料を形成することができる。混合後には、混入した空気あるいは混合プロセス時に導入された気泡は、遠心分離、攪拌、又は、3D細胞成長培地から気泡を除去するための任意の他の適切な方法によって、除去することができる。
いくつかの実施形態においては、3D細胞成長培地の調製は、また、ヒドロゲル粒子と液体細胞成長培地との混合物のpHを所望の値に調整するように緩衝することを含むこともできる。例えば、いくつかのヒドロゲル粒子は、細胞成長培地を過度に酸性(所望の値未満のpHを有する)とし得る、主に負電荷を有したポリマーから作製することができる。細胞成長培地のpHは、強塩基を添加して酸を中和し、所望の値に達するようにpHを上げることにより、調整することができる。これに代えて、混合物は、所望の値よりも大きなpHを有することができ、そのような混合物のpHは、強酸を添加することにより、低下させることができる。いくつかの実施形態によれば、所望のpH値は、およそ7.0~7.4の範囲とすることができ、また、いくつかの実施形態においては、7.2~7.6の範囲とすることができ、また、生体内条件に対応していてもしていなくてもよい任意の他の適切なpH値とすることができる。例えば、pH値は、約7.4とすることができる。いくつかの実施形態においては、溶解したCOレベルが約5%などの所望の値へと調整された後に、pHを調整することができる。
降伏応力は、歪み速度の掃引を実施することにより測定することができ、その場合、応力が多くの一定の歪み速度で測定される。降伏応力は、これらのデータを、古典的なHerschel-Bulkleyモデル
に適合させることにより決定することができる。(b)降伏していないLLS培地の弾性率及び粘性係数を決定するために、1%の歪みで周波数掃引を実施することができる。弾性率及び粘性係数は、広範囲の周波数にわたって平坦で分離されたままであり、減衰しつつKelvin-Voigt線状固体のように振る舞う。まとめると、これらのレオロジー特性は、固体相と液体相との間の円滑な遷移が顆粒状ミクロゲルによって起こり、細胞印刷、培養、及びアッセイのための3D支持マトリクスとしてのそれらの使用を容易とすることを示している。
いくつかの実施形態を機能させ得るヒドロゲルの例は、カルボポール(登録商標)などのカルボマーポリマーである。カルボマーポリマーは、多価電解質とすることができ、変形可能なミクロゲル粒子を含むことができる。カルボマーポリマーは、粒子状の、最大で30億ダルトン~40億ダルトンの分子量を有した、アクリル酸の高分子量架橋ポリマーである。カルボマーポリマーは、また、アクリル酸と他の水性モノマーとのコポリマー、及び、ポリエチレングリコールなどのポリマー、を含むこともできる。
アクリル酸は、ポリアクリル酸を形成するために使用される一般的な主たるモノマーであるが、この用語は、それに限定されず、カルボキシル側鎖基又はジカルボン酸の酸無水物を有した一般的にすべてのα,β不飽和モノマー、及び、米国特許第5,349,030号明細書に記載された加工助剤、を含む。他の有用なカルボキシル含有ポリマーは、不飽和カルボン酸と、アルキル基が10個~30個の炭素原子を含有した少なくとも1種のアルキルアクリル系又はメタクリル系エステルと、のポリマーに向けられた米国特許第3,940,351号明細書に記載されており、また、無水マレイン酸とビニルエーテルとのコポリマーに向けられた、米国特許第5,034,486号明細書と米国特許第5,034,487号明細書と米国特許第5,034,488号明細書とに記載されている。そのようなコポリマーの他のタイプは、米国特許第4,062,817号明細書に記載されており、その中で米国特許第3,940,351号明細書に記載されたポリマーは、それに加えて別のアルキルアクリル系又はメタクリル系エステルを含有し、このアルキル基は、1個~8個の炭素原子を含有する。アクリル酸及びメタクリル酸のカルボキシルポリマー及びコポリマーなどの、カルボキシルポリマー及びコポリマーは、また、米国特許第2,340,110号明細書と米国特許第2,340,111号明細書と米国特許第2,533,635号明細書とに開示されているように、ジビニルベンゼン、不飽和ジエステル、及び同種のもの、のような多官能性材料によって架橋することもできる。これらの米国特許文献におけるすべての開示は、ポリアクリル酸中で使用された時に本明細書において他の態様で開示する降伏応力材料を形成するカルボキシルポリマー及びコポリマーに関するそれらの考察に関し、その内容が参照により本明細書に援用される。特定のタイプの架橋されたポリアクリル酸としては、米国薬局方23NR18におけるカルボマーホモポリマー、カルボマーコポリマー、及びカルボマー共重合体モノグラフ、ならびに、PCPC International Cosmetic Ingredient Dictionary & Handbook、第12版(2008年)に記載されたカルボマー及びC10~30アクリル酸アルキルのクロスポリマー、アクリレートクロスポリマー、が含まれる。
カルボマーポリマー分散液は、約3のpHを有した酸性である。pHが6~10へと中和されると、粒子は、劇的に膨潤する。膨潤したカルボマーに塩を添加することにより、粒子サイズを低減することができ、それらのレオロジー特性に強く影響を与えることができる。膨潤したカルボマーは、水及びエタノールなどの溶媒と比較して、ほぼ同じ屈折率のものであり、このため、光学的に透明なものとなる。元々の合成粉末カルボマーは、カルボポール(登録商標)として商標を登録されており、1958年にBF Goodrichにより市販され(現在は、Lubrizolとして知られている)、カルボマーは、多くの様々な組成で市販されている。
ヒドロゲルは、充填されたミクロゲルを含むことができる、すなわち、直径が約5μmの架橋ポリマーから作製された微視的なゲル粒子を含むことができる。カルボポール(登録商標)の降伏応力は、含水率により制御される。カルボポール(登録商標)の降伏応力は、大まかには、1Pa~1000Paにおいて変化させることができる。よって、双方の材料を調整することにより、細胞が典型的に生成する応力レベルに及ぶものとすることができる。上述したように、材料は、1Pa~1000Paの範囲の降伏応力を有し得るが、いくつかの実施形態においては、1Pa~100Pa又は10~100Paの範囲の降伏応力を有した降伏応力材料を使用することを有利なものとすることができる。加えて、いくつかのそのような材料は、2.5秒未満、1.5秒未満、1秒未満、又は0.5秒未満、かつ、0.25秒超又は0.1秒超の揺変性時間を有することができ、ならびに/もしくは、7未満、6.5未満、又は5未満、かつ、4超、2超、又は1超の揺変性指数を有することができる。
非限定的な一例においては、3D細胞成長培地は、質量で約0.2%~約0.7%のカルボポール(登録商標)粒子(Lubrizol)を含む。カルボポール(登録商標)粒子は、任意の適切な液体の細胞成長培地と混合されて膨潤し、これにより、上述したように、質量で約99.3%~約99.8%の細胞成長培地を含む3D細胞成長培地を形成することができる。膨潤後には、粒子は、約1μm~約10μmの特徴的なサイズを有する。混合物のpHは、NaOHなどの強塩基を添加することにより、約7.4の値へと調節される。得られた3D細胞成長培地は、およそ100Pa~300Paの弾性率と約20Paの降伏応力とを有した固体である。この降伏応力を超える応力がこの3D細胞成長培地に適用された時には、細胞成長培地は、約1Pa・s~約1000Pa・sの粘度を有した液体様の相へと変換される。上述したように、特定の機械的特性は、カルボポール(登録商標)の濃度を変化させることにより、調節又は調整することができる。例えば、より大きな濃度のカルボポール(登録商標)を有した3D細胞成長培地は、より硬いものとすることができる、及び/又は、より大きな降伏応力を有することができる。
一実施形態においては、LLSは、0.9%(w/v)カルボポール(登録商標)ETD2020ポリマー(Lubrizol Co.)を滅菌条件下で細胞成長培地に分散させることにより、調製することができる。培地のpHは、37℃及び5%CO2の培養条件下でpH7.4に到達するまでNaOHを添加することにより調節し、完全に調合した材料を高速遠心ミキサ内で均質化する。カルボポール(登録商標)ETD2020は、このpHで最大限に膨潤し、これにより、細胞培養用途に関して好適なものとなる。ゲル培地を、37℃及び5%CO2において培養した。
LLS用のヒドロゲルは、LLSを形成するために、様々な濃度の溶液(例えば、細胞成長培地を含む溶液)内に分散することができる。濃度の一例は、2重量%未満である。他の濃度の例は、およそ0.5重量%~1重量%のヒドロゲル粒子濃度であり、他の例は、約0.2質量%~約0.7質量%である。
ヒドロゲルは、充填されたミクロゲルを含むことができる、すなわち、直径が約5μLの架橋ポリマーから作製された微視的なゲル粒子を含むことができる。カルボポール(登録商標)の降伏応力は、含水率により制御される。カルボポール(登録商標)の降伏応力は、大まかには、1Pa~1000Paにおいて変化させることができる。よって、双方の材料を調整することにより、細胞が典型的に生成する応力レベルに及ぶものとすることができる。上述したように、材料は、1Pa~1000Paの範囲の降伏応力を有し得るが、いくつかの実施形態においては、1Pa~100Pa又は10~100Paの範囲の降伏応力を有した降伏応力材料を使用することを有利なものとすることができる。加えて、いくつかのそのような材料は、2.5秒未満、1.5秒未満、1秒未満、又は0.5秒未満、かつ、0.25秒超又は0.1秒超の揺変性時間を有することができる、ならびに/もしくは、7未満、6.5未満、又は5未満、かつ、4超、2超、又は1超の揺変性指数を有することができる。
当業者であれば、降伏応力を有した材料が、揺変性時間及び揺変性指数などの特定の揺変特性を有するであろうことは理解されよう。本明細書において使用する際には、揺変性時間とは、剪断源の除去後に剪断応力がプラトーをなす時間のことである。本発明者らは、揺変性時間を様々な方法で測定し得ることを認識している。特段に指示しない限り、本明細書において使用した際には、揺変性時間は材料に数秒間にわたって材料の降伏応力の10倍に等しい応力を適用することにより、続いて応力を降伏応力の0.1倍にまで低下させることにより、決定される。応力を低下させた後に剪断速度がプラトーをなす時間が、揺変性時間である。
本明細書において使用した際には、揺変性指数(降伏応力材料についての)は、20s-1の歪み速度における粘度に対する、2s-1の歪み速度における粘度の比として、定義される。
所望の降伏応力を有した降伏応力材料は、また、所望の揺変性指数又は揺変性時間などの、所望の揺変特性を有することもできる。例えば、所望の降伏応力材料(100パスカル未満の降伏応力を有したヒドロゲル材料を含むものであって、カルボポール(登録商標)材料などの、そのうちのいくつかは、以下において詳細に説明する)は、2.5秒未満、1.5秒未満、1秒未満、又は0.5秒未満、かつ、0.25秒超又は0.1秒超の揺変性時間を有することができる。例示的なカルボポール(登録商標)溶液は、100パスカル未満(また、いくつかの実施形態においては、25パスカル未満)の降伏応力、ならびに、小さな揺変性時間を示すことができる。100パスカル未満の降伏応力を有するカルボポール(登録商標)溶液の揺変性時間は、2.5秒未満、1.5秒未満、1秒未満、又は0.5秒未満、かつ、0.25秒超又は0.1秒超とすることができる。
いくつかの実施形態においては、100パスカル未満の降伏応力を有したヒドロゲル降伏応力材料(カルボポール(登録商標)溶液などの、詳細に後述するものを含む)に関して、揺変性指数は、7未満、6.5未満、又は5未満、かつ、4超、2超、又は1超である。
よって、本明細書において説明するカルボポール(登録商標)溶液などのヒドロゲルのような所望の降伏応力材料は、2.5秒未満、1.5秒未満、1秒未満、又は0.5秒未満、かつ、0.25秒超又は0.1秒超の揺変性時間を有することができる、ならびに/もしくは、7未満、6.5未満、又は5未満、かつ、4超、2超、又は1超の揺変性指数を有することができる。
降伏応力材料の降伏応力振る舞いのために、降伏応力材料内に堆積された材料(本明細書に記載される3D印刷技法を使用するなどによって)は、降伏応力材料又は堆積材料を硬化することによって又は他の処理を行うことによって相変化を逆転させる(例えば、印刷後に加熱して架橋する)必要なく、降伏応力材料内の所定位置に固定されて留まることができる。むしろ、降伏応力材料は、降伏応力材料内における細胞クラスターの印刷を含む、降伏応力材料の内部への材料の堆積に関して、不定の作業時間を許容する。
他の非限定的な実施形態においては、3D細胞成長培地を調製するための方法を説明する。この方法は、ヒドロゲル粒子を液体細胞培養培地と混合する時に、開始される。混合は、遠心ミキサやシェーカなどの機械的ミキサを使用して、あるいは、ヒドロゲル粒子を液体細胞培養培地中に分散させるために役立つ任意の他の適切な混合デバイスを使用して、実施することができる。混合時には、ヒドロゲル粒子は、上述したように、液体細胞培養培地によって膨潤することができ、これにより、顆粒状ゲルを形成することができる。いくつかの例においては、混合行為は、空気の気泡あるいはゲル内に混入し得る他のガス気泡の導入を引き起こすことがあり得る。そのような混入した気泡は、遠心分離、穏やかな攪拌、又は任意の他の適切な技法により、除去される。その後、混合物のpHを、調節することができる、すなわち、混合物のpHが所望の値に到達するまで、塩基を添加すればpHを上げることができ、あるいは逆に、酸を添加すればpHを下げることができる。いくつかの実施形態においては、調節後の最終的なpH値は、約7.4である。
システム
次に図を参照して、バイオリアクタシステムの特定の非限定的な実施形態について、より詳細に説明する。
図1、図2A、図2B、及び図2Cは、3D細胞成長培地中で細胞(腫瘍サンプルなど)を培養するための複数のサンプルウェルを含むバイオリアクタシステム100の第1実施形態であって、細胞環境を乱すことなくシステムを通して栄養培地を能動的に灌流させ得るバイオリアクタシステム100の第1実施形態を示している。灌流を使用することにより、また、細胞の振る舞いに影響を与え得る拍動流を生成することもできる。
バイオリアクタシステム100のこの実施形態におけるウェルは、好ましくは、図2A~図2Cに示すように列及び行で配列される。バイオリアクタシステム100の図示の実施形態においては、サンプルウェル112からフィルタ材料122を通して培地収集チャンバ135内へと培地を吸引するための真空を生成するために、シリンジ140を使用している。この実施形態においては、培地は、重力によって鉛直方向に移動し、能動的な灌流の流れは、鉛直方向の流れである。図2A~図2Cの分解図において最もよく理解されるように、バイオリアクタシステム100の図示の実施形態は、3つの水平方向プレートから組み立てられている、すなわち、ウェルプレート110と、中央プレート120と、ベースプレート130と、から組み立てられている。
図示のウェルプレート110は、上面と、底面と、所望のウェル高さに対応した厚さと、を有した平板材料である。サンプルウェル112は、ウェルプレート110の上面から底面までにわたって延びるオリフィス111と、ウェルプレート110の下側に配置されたフィルタ材料122と、によって規定される。したがって、各ウェル112の底部は、ウェルプレート110と中央プレート120との間において圧縮されたフィルタ材料122によって規定される。いくつかの場合においては、図2Aに示すように、例えば各ウェル112に1つずつといったようにして、複数のフィルタ122が設けられる。いくつかの場合においては、図2B及び図2Cに示すように、すべてのウェル112に関する底部として機能する単一のフィルタ材料122が設けられる。任意選択的に、ウェルプレートのウェルは、ウェルの頂部の直径がウェルの底部の直径とは異なるように先細り形状とすることができる。特定の態様においては、ウェルの頂部の直径は、ウェルの底部の直径よりも大きなものとすることができる。平板材料は、不活性材料とすることができる。平板材料は、デルリン(登録商標)及び/又はPEEKとすることができる。この構成要素は、また、ポリスチレンなどの材料を使用して射出成形することもできる。平板材料は、液体吸収性が小さくかつ熱膨張性が小さい材料である。
図示の中央プレート120は、ウェルプレート110と中央プレート120とが互いに積み重ねられた際には又は係合された際には又は当接された際には又はその他の方法で動作可能に組み立てられた際には、オリフィス111に位置合わせされ得るように構成された複数の開口121を含むことができる。シールを提供するために、1つ又は複数のガスケット123を、中央プレート120とフィルタ材料122との間に配置することができる。したがって、中央プレート120は、1つ又は複数のガスケット123を着座させるための1つ又は複数の溝124を含むことができる。図2A及び図2Cに示すように、これらの溝124は、各開口121の周縁まわりに配置することができる、あるいは、図2Bに示すように、これらの溝124は、単一のフィルタ材料122が使用される場合に、複数の開口121からなるアレイの周縁まわりに配置することができる。当業者であれば理解されるように、溝124及びフィルタ材料122は、ガスケット123が溝124内に着座した時にシールを提供するサイズ及び配置とされるべきである。形成されるシールは、真空の生成に適したシールとすることができる。中央プレートは、疎水性材料から形成することができる。このことは、フィルタの底面上での及びスカート(存在する場合)上での液滴形成を補助し、液滴を親水性ベース内へと押し下げることができる。中央プレートは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から形成することができる。この構成要素は、また、射出成形することもできる。
図示のベースプレート130は、上面と底面と厚さとを有した平板材料であって、上面内に、プレートどうしが互いに積み重ねられた際には中央プレート120の下側に培地収集チャンバ135を形成するキャビティ131を有する。キャビティ131は、プレートどうしが積み重ねられた時に、すべてのオリフィス111及びすべての開口121に流体連通するサイズとされている。シールを提供するために、第2ガスケット132を、ベースプレート130と中央プレート120との間に配置することができる。したがって、ベースプレート130は、キャビティ131の周縁まわりに配置された第2ガスケット132を着座させるためのトレンチ133を含むことができる。ベースプレートは、親水性のものとすることができ、これにより、中央プレートからの廃液を優先的に廃液収集チャンバ内へと吸引することができる。材料は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)とすることができ、また、デルリン(登録商標)も使用することができる。この構成要素は、また、射出成形することもできる。
バイオリアクタシステム100は、培地収集チャンバ135内に真空を生成することによって機能し、この真空は、ウェル112からフィルタ材料122を通して培地収集チャンバ135内へと培地を吸引する負圧を生成する。したがって、図1、図2A、図2B、及び図2Cに示すように、シリンジ140などの1つ又は複数の真空源を、キャビティ131に流体連通している1つ又は複数の開口134のところにおいて、ベースプレート130に取り付けることができるあるいは着脱可能に取り付けることができる。ルアーロックコネクタなどのコネクタ141を使用することにより、この取付を容易なものとすることができる。
図3及び図4は、生物学的サンプルの成長時に連続的な光学的アクセスを可能とするバイオリアクタシステム200の第2実施形態を示している。この実施形態は、底板260に取り付けられた3つの同心壁を有する、すなわち、外壁220と、中間壁230と、内壁240と、を有する。さらに、外壁220を中間壁230に接続する複数の外側スポーク226も図示されている。中間壁230を内壁240に接続する複数の内側スポーク236も設けられている。まとめると、これらの壁とスポークと底板とは、複数の外側(培地)チャンバ221と、複数の中間(培養)チャンバ232と、中央(培地収集)チャンバ252と、を規定し、液体培地222は、外側チャンバ221から、中間チャンバ232を通して、中央チャンバ252内へと、径方向内向きに流れる。いくつかの実施形態においては、外側スポークが省略され、すべての中間チャンバに単一の外側チャンバ供給培地222が存在することに留意されたい。壁は、底板に固定されている。フィルタ材料は、リングまわりにおいて連続的ではない。分離された各ウェルごとにカットされたチャネル(図示されている)が設けられ、それぞれ個別のウェルを通る流れのみが可能とされている。これにより、1つの大きな内向きのフローフロントを生成することに代えて、生物学的サンプルの位置へと優先的に流れを案内することができる。また、フィルタを所定位置に固定して、フィルタが外れたり位置ずれしたりしないことを確保することができる。
外壁220、中間壁230、及び内壁240のそれぞれは、上面と、底面と、外面と、内面と、を有する。存在する場合には、外側スポークは、外壁の内面と、中間壁の外面と、底板とに固定され、これにより、シールを提供することができる。内側スポークは、中間壁の内面と、内壁の外面と、底板とに固定され、これにより、シールを提供することができる。外壁220の底面は、底板260に固定され、これにより、シールを提供することができる。中間壁230の底面は、第1フィルタ材料231に固定されており、この第1フィルタ材料231が、底板260に固定されている。内壁240の底面は、第2フィルタ材料241に固定されており、この第2フィルタ材料241が、底板260に固定されている。フィルタは、上述した3Dヒドロゲル発泡体と同じ材料から形成されている。
外側チャンバ221は、興味の対象をなす所望の細胞型の増殖に適した新鮮な液体培地222を保持するサイズ及び構成とされている。中間(培養)チャンバ232は、3D細胞成長培地を保持し、細胞培養に適したサイズ及び構成とされている。中央(培地収集)チャンバ252内に負のゲージ圧が生成された時には、液体培地222は、外側チャンバ221から、第1フィルタ231を通して、中間(培養)チャンバ232内へと、吸引される。これと同時に、古い液体培地が、中間(培養)チャンバから、第2フィルタ241を通して、中央(培地収集)チャンバ252内へと吸引され、これにより、中央(培地収集)チャンバ252内に、吸引された細胞培地253として収集される。
負のゲージ圧は、様々な手段を使用して、中央チャンバ252内に生成することができる。図4に示すように、1つの選択肢は、ネジ駆動型アクチュエータとして機能する止めネジ250の使用である。例えば、内壁240の内面は、止めネジ250を受容するよう、ネジ山を有したものとすることができる。このネジ山が気密性であり、止めネジ適切にプラグ251によってプラグ止めされている場合には、止めネジ250を締めたり緩めたりすることによって、中央チャンバ252内の空気圧が変化する。プラグに適した材料には、限定するものではないが、シリコーン、あるいは、生物学的材料に悪影響を及ぼさない任意のタイプの硬いゴム材料が含まれる。特定の実施形態においては、ポリジメチルシロキサン(PDMS)又はモメンティブ(momentiv)が使用される。
図4に示すように、サンプルが培養される中間チャンバ232は、カバー234によって遮蔽することができ、これにより、雰囲気を制御し、汚染から保護することができる。カバー234は、ガス交換を可能とすることができ、例えば、カバーは、酸素に関して高透過性の材料を使用して製造することができる。いくつかの場合においては、カバー234は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)から製造される。いくつかの場合においては、カバー234は、コムフィルコンAから、あるいは、ロトラフィルコンBから、あるいは、これらの組合せから、製造される。いくつかの実施形態においては、カバー234は、単一の環状構造である。しかしながら、いくつかの場合においては、中間チャンバ232のそれぞれに対して個別のカバーが使用される。カバー234は、任意選択的に、光学的に透明なものとすることができ、これにより、カバーを取り外すことなく、下側に位置したチャンバの目視検査を可能とすることができる。
好ましい実施形態においては、底板260は、光学的に透明である。したがって、底板260は、ガラス又はポリカーボネートなどの、生体適合性である任意の光学的に透明な材料から製造することができる。
バイオリアクタシステムのいくつかの実施形態においては、培地は、内向きに代えて、径方向外向きに流れる。当業者であれば理解されるように、このシステムは、負のゲージ圧が外側チャンバ内に生成されること及び新鮮な培地が中央チャンバに追加されることを除いては、第1実施形態と同じ態様で製造することができる。同様に、負のゲージ圧に代えて、正圧を使用することができる。
図5及び図6は、バイオリアクタシステム300の第3実施形態を示しており、この実施形態においては、培地333は、培地チャンバ331から、下側で入れ子とされた培養チャンバ341内へと流れ、生物学的サンプル343を含有した3D成長培地(LLS)342内へと流れ、さらに、培養チャンバ341から、培地収集チャンバ321内へと、径方向外向きに流れる。図示のシステム300は、上部ディッシュ310と、底部ディッシュ320と、培地インサート330と、から組み立てられている。培地インサートは、着脱可能とすることができる。所望の流れに応じて、単一の穴又は複数の穴を有することができる。
図示の上部ディッシュ310は、内面と、外面と、底面と、厚さと、上部において径方向に延びる平板リップと、を有した鉛直方向環状壁を含む。この環状壁の底面は、フィルタ材料323に固定されており、このフィルタ材料323が底板340に固定され、シールを形成している。したがって、上部ディッシュ310がなす鉛直方向壁の内面と、底板340の上面とは、内径及び高さを有した培養チャンバ341を規定する円筒体を形成している。
図示の底部ディッシュ320は、厚さと上面と底面とを有した平板部分と、外面と内面と上面とを有して鉛直方向に延びる環状壁と、を有する。環状壁の少なくとも1つの面は、上部ディッシュ310のリップに気密シールを形成しつつ係合するように構成される。図5に示すように、底部ディッシュ320の環状壁の上面は、底部ディッシュ320の環状壁の上面と上部ディッシュ310のリップの底面との間にシールを形成するガスケット322を受容するように、構成することができる。図6に示すように、上部ディッシュ310のリップは、外面及び内面を有したリムを形成してさらに下向きに延びることができ、これにより、リムの外面を、底部ディッシュ320の環状壁の内面に係合させることができる。この接続は、また、ガスケットを使用してシールすることもできる。しかしながら、図6に示すように、これらの面は、また、ネジ山又はリッジ422とすることができる。これらの実施形態においては、真空グリースなどの材料を使用することにより、シールを改良することができる。開示するシステムにおいて使用するために、気密シールを形成しつつディッシュどうしを係合させるための任意の他の構成が想定される。
これらディッシュどうしが係合している(あるいは他の態様で嵌合している、あるいは動作可能に組み立てられている)時には、培地収集チャンバ321は、上部ディッシュ310の環状壁の外面と、上部ディッシュ310のリップの底面と、底部ディッシュ320の平板部分の上面と、底部ディッシュ320の環状壁の内面と、によって規定される。図5及び図6に示すように、真空ポート311を、培地収集チャンバ321に流体接続されている限りにおいて、上部ディッシュ310又は底部ディッシュ320のどちらのどの場所においてでも、開口312に接続することができる。
液体培地333は、培養チャンバ341に直接的に追加することができる。しかしながら、図示の実施形態においては、培地インサート330が、培養チャンバ341の上側に配置されていて、液体培地333によって充填され得る別個の培地チャンバ331を形成している。このインサート330は、培養チャンバ341の内径よりも小さい外径と、培養チャンバ341の高さより低い高さと、を有した円筒体とすることができる。培養チャンバ341の高さから培地インサート330の高さを差し引いたものが、細胞培養に利用可能な領域であって、3D成長培地を内部に収容する細胞培養に利用可能な領域を規定する。培地インサート330を培養領域よりも上側に維持するために、インサート330は、径方向に延びるリップを有することができ、これにより、そのリップは、上部ディッシュ310のリップの上面上に載ることとなる。培地インサート330は、底部に開口332を有することができ、これにより、培地チャンバ331は、培養チャンバ341に流体連通することができる。
負のゲージ圧は、真空ポート311に真空を適用することによって生成することができる。当業者であれば理解されるように、このポートの位置は、図5に示されているものに限定されるものではない。真空ポートは、液体培地333を、培地チャンバ331から、培地インサート330の開口332を通して、培養チャンバ341内へと、吸引することとなる。これと同時に、古い培地は、培養チャンバ341から、フィルタ材料323を通して、培地収集チャンバ321内へと吸引され、これにより、この培地収集チャンバ321内に、吸引された細胞培地324が収集される。
図7は、バイオリアクタシステム400の第4実施形態を示しており、この実施形態は、第3実施形態と比較して、毛細管力を使用することにより培地を径方向外向きに吸引するという点において、相違している。したがって、バイオリアクタシステム400の第4実施形態は、径方向外向きの流れを有しており、この場合、培地433は、培地チャンバ431から、下側で入れ子とされた培養チャンバ441内へと流れ、その後、培養チャンバ441から、培地収集チャンバ421内へと、径方向外向きに流れる。図示のシステム400は、底部ディッシュ420と、培地インサート430と、培養チャンバ441に流体連通している毛細管デバイス410と、から組み立てられている。
毛細管デバイス410は、微小半径のガラス細管を含むことができる。毛細管デバイス410は、液体培地に対する固有の接触角度を有していて大きな湿潤性を生成しこれにより大きな毛細管力を生成する焼結微粒子を含むことができる。適切な例には、ホウ化ガラス、鋼、及び様々なセラミクスが含まれるが、特定の圧力勾配を生成して特定の流速を誘起するように材料を設計することができる。
図示の底部ディッシュ420は、内面と外面と底面と厚さとを有した鉛直方向環状壁を含む。この環状壁の底面は、フィルタ材料423に固定されており、このフィルタ材料423が、底板440に固定されてシールを形成している。したがって、底部ディッシュ420の鉛直方向壁の内面と底板440の上面とは、内径と高さとを有した培養チャンバ441(3D成長培地を収容する)を規定する円筒体を形成している。
これらの実施形態においては、真空グリースなどの材料を使用することにより、シールを改良することができる。開示するシステムにおいて使用するために、気密シールを形成しつつディッシュどうしを係合させるための任意の他の構成が想定される。
液体培地433は、培養チャンバ441に直接的に追加することができる。しかしながら、図示の実施形態においては、培地インサート430は、培養チャンバ341の上側に配置され、液体培地433によって充填され得る別個の培地チャンバ431を形成している。このインサート430は、培養チャンバ341の内径よりも小さい外径と、培養チャンバ441の高さより低い高さと、を有した円筒体とすることができる。培養チャンバ441の高さから培地インサート430の高さを差し引いたものが、細胞培養に利用可能な領域(3D成長培地が内部に配置される)を規定する。培地インサート430を培養領域よりも上側に維持するために、インサート430は、径方向に延びるリップを有することができ、これにより、そのリップは、底部ディッシュ420の上面上に載ることとなる。培地インサート430は、底部に開口432を有することができ、これにより、培地チャンバ431は、培養チャンバ441に流体連通することができる。
図8及び図9は、バイオリアクタシステム500の第5の実施形態を示しており、この実施形態は、第1実施形態と比較して、負のゲージ圧が生成される手法において相違している。第1実施形態の場合と同様に、バイオリアクタシステム500のウェルは、好ましくは、行及び列でもって配列されている。図示のバイオリアクタシステム500は、ベースプレート530内において回転可能に取り付けられた止めネジ540を使用しており、これにより、サンプルウェル511からフィルタ材料522を通して1つ又は複数の培地収集チャンバ531内へと培地を吸引するための真空を生成することができる。図9の分解図において最もよく理解されるように、図示のバイオリアクタシステム500は、3つの水平方向プレートから組み立てられている、すなわち、ウェルプレート510と、中央プレート520と、ベースプレート530と、から組み立てられている。
図8及び図9に示すように、負のゲージ圧は、ベースプレート530内において回転可能に取り付けられた止めネジ540(すなわち、ネジ駆動型アクチュエータ)を使用して生成することができる。例えば、1つ又は複数の培地収集チャンバ531に流体接続された真空チャンバ534は、止めネジ540を受容するよう、ネジ山を有したものとすることができる。真空チャンバ534とネジ山とが気密的なものである場合には、止めネジ540を締め付けたり緩めたりすることで、1つ又は複数の培地収集チャンバ531内の空気圧が変化する。
図示のウェルプレート510は、上面と、底面と、所望のウェル高さに対応した厚さと、を有した平板材料である。サンプルウェルは、ウェルプレート510の上面から底面までにわたって延びるオリフィス511と、ウェルプレート510の下側に配置されたフィルタ材料522と、によって規定される。したがって、各ウェルの底部は、ウェルプレート510と中央プレート520との間において圧縮されたフィルタ材料522によって規定される。いくつかの場合においては、例えば各ウェルに1つずつといったようにして、複数のフィルタ522が設けられる。いくつかの場合においては、図8及び図9に示すように、すべてのウェルに関する底部として機能する単一のフィルタ材料522が設けられる。
図示の中央プレート520は、ウェルプレート510と中央プレート520とが互いに積み重ねられた時には、オリフィス511に位置合わせされ得るように構成された複数の開口521を含むことができる。シールを提供するために、1つ又は複数のガスケット523を、中央プレート520とフィルタ材料522との間に配置することができる。したがって、中央プレート520は、1つ又は複数のガスケット523を着座させるための1つ又は複数の溝524を含むことができる。図8及び図9に示すように、これらの溝524は、各開口521の周縁まわりに配置することができる、あるいは、これらの溝524は、複数の開口521からなるアレイの周縁まわりに配置することができる。当業者であれば理解されるように、溝524及びフィルタ材料522は、ガスケット523が溝524内に着座した時にシールを提供するサイズ及び配置とされるべきである。
図示のベースプレート530は、上面と底面と厚さとを有した平板材料であって、プレートどうしが互いに積み重ねられた際には中央プレート520の下側に1つ又は複数の培地収集チャンバ531を形成する。シールを提供するために、第2ガスケット532を、ベースプレート530と中央プレート520との間に配置することができる。したがって、ベースプレート530は、培地収集チャンバ531の周縁まわりに配置された第2ガスケット532を着座させるためのトレンチ533を含有することができる。
上述したように、上記において図示した各システムにおける3D細胞成長培地(本明細書においては、LLSとも称される)は、揺変性材料又は降伏応力材料を含むことができる、あるいは、一時的な相変化に適した任意の材料を含むことができる。いくつかの例においては、揺変性材料又は降伏応力材料は、ソフトな顆粒状ゲルを含むことができる。ソフトな顆粒状ゲルは、液体細胞培養培地によって膨潤させた高分子ヒドロゲル粒子から形成することができる。特定の実施形態に応じて、ヒドロゲル粒子の直径は、膨潤時には、0.5μm~50μm、およそ1μm~10μm、又は、約5μm、とすることができる。
センサを使用することにより、圧力、pH、酸素レベル、グルコースなどの特定の代謝産物、ウイルスタンパク質などのインジケータ分子の有無、又は、バイオリアクタ内の組織に対してあるいはバイオリアクタ内の組織に曝されている物質に影響する任意の他の兆候、を検出することができる。
液体培地
液体培地の組成は、2つの観点から考慮されなければならない、すなわち、基本的な栄養素(糖、アミノ酸)という観点から、及び、成長因子/サイトカインという観点から、考慮されなければならない。システムのための液体培地の組成は、本明細書において説明するバイオリアクタシステムによって培養されるべき細胞に依存することとなる。液体培地の選択は、当業者にとって当該技術分野においては日常的なものである。細胞の共培養は、多くの場合、細胞自体による調節性高分子の産生により、培地からの血清の減少又は除去を可能とする。このような高分子調節因子を生理学的に供給する能力は、3D灌流共培養が使用される主な理由である。一次分化した肝細胞の長期培養に適したいくつかの成長因子が補充された無血清培地がテストされ、肝細胞と内皮細胞との共培養を支持することが判明した。ES細胞は、gp130信号伝達経路を活性化する白血病抑制因子(LIF)の存在下で、日常的に全能性状態に維持される。いくつかの培地組成は、ES細胞の分化を支持することができ、異なるサイトカインの混合により分化のパターンが異なる。培地の置換率は、主要な糖及びアミノ酸、ならびに主要な成長因子/サイトカインの枯渇率を測定することによって決定することができる。炭酸水素ナトリウムを含む細胞培養培地が使用される場合には、環境制御は、例えば、バイオリアクタ/リザーバのペアを有したモジュールをCO培養器内に配置することによって、提供することができる。
細胞
開示するシステムの3D成長培地に様々な異なる細胞を適用することができる。いくつかの実施形態においては、これらは、正常なヒト細胞又はヒト腫瘍細胞である。細胞は、均質な懸濁液とすることができる、あるいは、複数の細胞型の混合物とすることができる。異なる細胞型を、培地上に及び/又は培地内に、順次的に、あるいは、一緒に、あるいは、最初の懸濁液が付着及び増殖することを許可された後に、播種することができる(例えば、内皮細胞、続いて肝細胞)。細胞は、細胞培養又は生検によって、得ることができる。細胞は、神経細胞を含めて、内皮細胞又は実質細胞などの分化した細胞、あるいは、幹細胞又は胚細胞などの未分化細胞、のいずれかの、1つ又は複数のタイプのものとすることができる。一実施形態においては、培地は、内皮細胞を含めた細胞の混合物を使用して、あるいは、「血管」を形成することとなる内皮細胞を含めた細胞へと分化し得るような、及び、肝細胞又は膵臓細胞又は他の臓器細胞など少なくとも1つのタイプの実質細胞へと分化し得るような、全能性/多能性幹細胞を使用して、播種される。
細胞を最初に培養することができ、その後、毒性のある化合物のスクリーニングのために使用することができる。細胞は、また、所望の効果を有した化合物のスクリーニングのためにも、使用することができる。例えば、内皮細胞を使用することにより、血管新生を阻害する化合物をスクリーニングすることができる。腫瘍細胞を使用することにより、抗腫瘍活性のための化合物をスクリーニングすることができる。特定のリガンド又は受容体を発現する細胞を使用することにより、リガンドに結合する化合物を、あるいは、受容体を活性化する化合物を、スクリーニングすることができる。幹細胞は、単独で、あるいは、他のタイプの細胞とともに、播種することができる。細胞を最初に播種することができ、その後、最初のバイオリアクタ組織が確立された後に導入される第2の細胞セットを、例えば肝臓組織環境下において成長する腫瘍細胞を播種することができる。腫瘍細胞は、腫瘍細胞の振る舞いについて研究することができ、また、腫瘍細胞の成長時に分子事象を視覚化することができる。細胞は、装置への導入前にあるいは導入後に、改変することができる。細胞は、診断のために及び予後検査のために患者から採取した原発腫瘍細胞とすることができる。腫瘍細胞は、薬剤又は遺伝子治療に対する感受性について評価することができる。薬剤又は遺伝子治療に対する腫瘍細胞の感受性は、設定された薬剤又は遺伝子治療の肝臓代謝に関連することができる。細胞は、幹細胞又は前駆細胞とすることができ、幹細胞又は前駆細胞は、成熟組織によって分化誘導される。成熟した細胞は、システム内の流量又は培地成分を操作することによって、複製を誘導することができる。
細胞は、本明細書において説明するバイオリアクタシステムにおいて、3D成長培地内で培養される。細胞は、ユーザによる手動分注、ロボットによる液体ハンドリングシステム、3D印刷、及び同種のものなどの、当該技術分野における様々な技法によって、成長培地中に配置する(あるいは、「設置する」)ことができる。
用途
このシステムには、様々な用途があり、これら用途としては、疾患のマーカの特定;抗癌治療の有効性の評価;遺伝子治療ベクターのテスト;薬剤開発;スクリーニング;細胞の研究、特に幹細胞の研究;生体内変化、クリアランス、代謝、及び生体異物の活性化に関する研究;上皮層を通しての化学物質の生物学的利用能及び輸送に関する研究;上皮層を通しての生物学的物質の生物学的利用能及び輸送に関する研究;血液脳関門を通しての生物学的物質又は化学物質の輸送に関する研究;化学物質の急性基礎毒性に関する研究;化学物質の急性局所毒性又は急性臓器特異的毒性に関する研究;化学物質の慢性基礎毒性に関する研究;化学物質の慢性局所毒性又は慢性臓器特異的毒性に関する研究;化学物質の催奇形性に関する研究;化学物質の遺伝毒性、発がん性、及び変異原性に関する研究;感染性生物学的製剤及び生物兵器の検出;有害な化学物質及び化学兵器の検出;感染症に関する研究;病気を治療するための化学物質の有効性に関する研究;病気を治療するための生物学的物質の有効性に関する研究;病気を治療するための薬剤の最適投薬量範囲に関する研究;生物学的物質に対する生体内での臓器の反応の予測;化学物質又は生物学的物質の薬剤動態の予測;化学物質又は生物学的物質の薬理作用の予測;薬剤への応答に対する遺伝的内容物の影響に関する研究;変性した一本鎖DNAを結合し得るよう、ミクロスケール組織下でフィルタ材料又は多孔性材料を選択又は構築すること;化学物質又は生物学的物質に応答した遺伝子転写に関する研究;化学物質又は生物学的物質に応答したタンパク質発現に関する研究;化学物質又は生物学的物質に応答した代謝の変化に関する研究;データベースシステム及び関連モデルを使用した薬剤影響の予測;エキスパートシステムを使用した薬剤影響の予測;構造ベースのモデルを使用した薬剤影響の予測;などが挙げられる。
方法
本明細書において説明する対象は、本明細書において説明する、灌流が可能とされたバイオリアクタシステムを使用する方法である。使用方法は、本明細書において説明するバイオリアクタシステムを準備することを含むことができる。使用方法は、本明細書において説明するバイオリアクタシステムを準備して提供することと、本明細書において説明するバイオリアクタシステムのLLSを準備して提供することと、LLSをバイオリアクタシステム内に配置することと、1つ又は複数の生物学的サンプルを準備することと、1つ又は複数の生物学的サンプルをバイオリアクタシステムのLLS内に分注することと、を含むことができる。使用方法は、システムに正又は負のゲージ圧を提供することにより、システムの1つ又は複数の流路を通しての能動的な灌流の流れを提供することをさらに含むことができる。使用方法は、本明細書において説明するシステムに、1つ又は複数の薬剤(小分子、タンパク質、核酸、及び同種のもの、など)を提供することをさらに含むことができる。使用方法は、本明細書において説明するシステムに1つ又は複数の薬剤を提供することと、生物学的サンプルを画像化することと、生物学的サンプルの画像を分析することと、をさらに含むことができる。
キット
本明細書において説明する対象は、キットである。本明細書において説明するキットは、本明細書において説明する、灌流が可能とされたバイオリアクタシステムを含むことができる。キットは、1つ又は複数の個別の画像化ポッドとして構成された1つ又は複数の灌流が可能とされたバイオリアクタシステムを含むことができる。キットは、1つ又は複数の個別の画像化ポッドとして構成された、及び、ベース容器と蓋とを有したカセットとして構成された、1つ又は複数の灌流が可能とされたバイオリアクタシステムを含むことができる。キットは、高処理能力のマルチウェルプレートベースアレイとして構成された、1つ又は複数の灌流が可能とされたバイオリアクタシステムを含むことができる。本明細書において説明するキットは、自己修復型環状シールを穿刺するように構成されたニードルを有したシリンジなどの圧力発生手段をさらに含むことができる。本明細書において説明するキットは、圧力計をさらに含むことができる。本明細書において説明するキットは、本明細書において説明するバイオリアクタシステムのネジ駆動型アクチュエータを駆動するための例えばネジ回しなどのデバイスをさらに含むことができる。本明細書において説明するキットは、LLSを作製及び使用するために必要な構成要素に加えて、本明細書において説明する、灌流が可能とされたバイオリアクタシステムのために必要な物理的ハードウェアを含むことができる。本明細書において説明するキットは、LLS及び3Dヒドロゲルフィルタを作製及び使用するために必要な構成要素に加えて、本明細書において説明する、灌流が可能とされたバイオリアクタシステムのために必要な物理的ハードウェアを含むことができる。
特徴の正確な配置のための機械的ピペットガイド
生物学的材料の3D印刷は、技術的に複雑であることが多く、高価なものとなり得る。3D生物学的構造を観察しようとする研究者にとって、3Dプリンタ又はロボットを使用することなくこれらの構造を正確に配置することは、非常に困難であると判明することがあり得る。本明細書において説明するバイオリアクタシステムは、本明細書において説明するものなどの機械的ピペットガイドを含むことができる。このような機械的ピペットガイドにより、ユーザがアクセスし得ない高価な機器を使用する必要なく、ユーザは、標準的なピペットを使用して、生物学的材料を正確に「3D印刷」し得る。
本明細書において説明する、3D内での特徴の正確な配置のための機械的ピペットガイドは、バイオリアクタプレート又は任意のウェルプレートのウェル内における正確な位置のところに材料を分散するに際し、機械的ピペットの使用を可能とする装置とすることができる。このデバイスは、3次元内においてピペット尖端の位置を拘束し、これにより、ユーザは、既知の高さのところにおいて、及び、既知のx位置及びy位置のところにおいて、ウェル内へとピペットを挿入することができる。これは、電子機器又はロボットを使用することなく、ゲルベースの培地(すなわち、3D成長培地又はLLS)内へと手動で材料を「3D印刷」するための方法として使用することができる。画像化能力を有したバイオリアクタプレートにおいては、これにより、高倍率の顕微鏡検査が可能であるような正確かつ再現可能な高さ位置へと材料を配置することができ、このことは、顕微鏡の画像化光学系に同じ焦点面内に特徴を正確に配置できることに基づいている。このようなガイドは、また、複数の材料構造を3D内で正確な態様で相対配置され得る形成の異なるアレイを作製することも可能とする。
本開示の態様は、ユーザが、様々なウェルプレートタイプにおいて、及び、ウェル内の様々なXYZ座標のところに、「印刷」することを可能とすることを含む。このガイドは、プリンタを使用することなく、また、そのレベルの自動化に関連した時間及びコストを使用することもなく、高精度3Dプリンタによって得られる結果を模擬する。ユーザは、単一のガイドを使用することにより、実験のための画像化を可能とするプレート内へと迅速にかつ繰り返し的に構造を印刷することができる。ユーザは、また、ガイドの品揃えを有することができ、それぞれのガイドは、構造の形状を指定し、構造の画像化のために使用し得る最大倍率レベルを指定する。ガイドは、複数の構造を印刷することができ、これにより、ユーザは、構造の形状及び画像化倍率レベルを効果的にかつ無限に組み合わせることができる。
当業者であれば理解されるように、そのようなガイドは、また、アレイを形成することもでき、これにより、例えば標準的な実験室マルチチャネルマイクロピペットを使用して、複数のピペット尖端を同時に使用することを可能とする。
このガイドは、ユーザがウェル内の任意の所望の高さ又は位置のところにおいて「3D印刷」することを可能とし得るため、ユーザは、1つの生物学的材料タイプをウェルに配置することができる、あるいは、3D内における共培養を研究することが潜在的に可能である。この製品は、高価な機器を必要とすることなく生物学的材料の3D印刷を模擬しようとする研究室の経費を低減することができる。このガイドは、ユーザが非常に正確な態様で3D内に材料を配置することを可能とすることとなる。ガイドの設定及び使用は、非常に使い勝手の良いものであり、時間効率も非常に高く、生物学的サンプルの3D印刷プロセスを簡略化することができる。
本明細書において説明するそのような機械的ピペットガイドは、異なる製造業者からの異なるサイズの様々なピペット尖端を受容するように、調整可能なものとすることができる。ガイドは、1つの次元において可変の開口を有するように調整可能なものとし得、他の次元においては高さに関して調整可能なものとすることができる。
本明細書において説明する機械的ピペットガイド600の実施形態を、図10の断面図に示している。図10に示すように、機械的ピペットガイド600は、培養チャンバ617内に含有された3D成長培地内へとユーザが例えば細胞640などの特徴を分注することを要望しているバイオリアクタシステム614の一態様における1つ又は複数の上面612に当接するように構成することができる。機械的ピペットガイド600は、また、デバイス600の外周まわりにおいて下向きに延びたリップ614であり、内部に分注が行われる構造体610の1つ又は複数の外面に当接するように構成されたリップを有したものとして、構成することができる。
図10は、本開示による実施形態600を示している。図10の断面図から理解され得るように、ピペット620は(使い捨てのピペット尖端も、また)、いくつかの次元(例えば、Z及びX及びY)において拘束されている。これにより、培養チャンバ616又は培地収集チャンバ又は液体リザーバの底部に対する既知のかつ繰り返し可能な高さ630で、細胞640などの特徴を、バイオリアクタシステム610内へと正確に配置することができる。
カセットベースのマルチウェルプレート:
画像化灌流ポッド(本明細書においては、個別のバイオリアクタユニットとも称される)は、生物学的サンプル(細胞など)を、他の培養方法よりも長い寿命を有した3D環境内で培養することができる。生物学的サンプルに関してその場での画像化を行うことができ、これにより、ユーザは、同じサンプル内における成長及び変化を、長期間にわたって追跡することができる。画像化を行うためには、各ポッドを、個別的に顕微鏡へと移動させ、顕微鏡上の既存の固定部材に配置しなければならない。カセットベースのマルチウェルシステムを使用することにより、複数の画像化ポッドを、同じ容器に固定することができ、移動と画像化とを容易とすることができる。
本開示の態様は、ベース容器と蓋とを含むカセットベースのマルチウェルシステムを含む。カセットは、複数の画像化ポッドを保持でき、各画像化ポッドは、ベースにしっかりと固定することができる。各画像化ポッドは、過度に拘束された締まりばめによってカセットの内部に画像化ポッドを取り付ける複数の先細り形状ポスト(例えば、6個の先細り形状ポスト-ポッドの両側に3つずつ)に固定される。カセットのベースは、各画像化ポッドのガラスビューウィンドウを通しての画像化を可能とするビューポートを有する。カセットの蓋は、ポッドのウェルを観測するためのアクセスを可能とする。この蓋は、また、適切なガス交換及び空気流のためのエアギャップも提供し、カセット内に生存可能な条件を提供することができる。蓋を取り外すことができ、カセット全体を培養器へと転換させ得る他の蓋と交換することができる。この転換は、カセットに新しい蓋を置き、必要なガスライン(カセットの任意の位置に配置する1つ又は複数のガスポートを介して)と熱源とを取り付けるのと同じくらいに、容易である。このことは、培養器環境が長時間続くと実験結果が変化し得るため、顕微鏡検査時に特に有効である。
本開示の態様は、同じシステム内において、格納と転送と画像化とのすべてを行う能力を含む。システム全体を培養することができ、画像化ポッドは、供給時及び移動時に最小限に個々に操作される。カセットは、プレートのXYZ位置に関して、正確な再現性を提供する。カセットは、また、画像化の目的で、プレート底部上のビューポートに対するアクセスを可能とする。カセット全体を顕微鏡上に配置することができ、これにより、標準的なウェルプレートのような手軽さで実験を研究することができる。各ウェルのXYZ位置を記録することができ、同じ向きを維持するために、その後の画像化に際して使用することができる。カセットは、取り扱い時にプレートを保護するためのスライド式の蓋を特徴とする。蓋は、培養器内のプレートの周囲にガスと湿度と空気との流れを可能とするための適切なギャップを特徴とする。
本開示の態様は、ユーザが画像化ポッドをより正確な態様で画像化することを可能とし、さらにまた、画像化ポッドに関するより良好な取り扱いと移動と保管とを可能とする。本開示の態様は、カセットを、画像化ポッド及びこの製品の他の変形例と組み合わせて使用し得るものとする。生物学的サンプルの変化を追跡するに際し、カセット内における及び顕微鏡上における固定の再現性が高いため、ユーザは、同じ位置で再現性のある画像化を行うことができる。画像化ポッドのすべてのユーザは、画像化、保管、及び取り扱いの補助として、これを購入することを要望するであろう。
カセットベースのマルチウォールプレート700の実施形態が、閉じた状態で又は組み立てられた状態で、図11に示されている。図11に示すように、カセット700の実施形態は、個別の画像化灌流ポッド718(本明細書においては、個別のバイオリアクタユニットとも称される)を受容するように構成されたチャンバ714を有したベース容器712と、このベース容器712を固定的に覆い得るように構成された蓋716と、を含む。図11の実施形態においては、蓋固定装置は、蓋716をベース容器712上においてスライド可能とする蟻継720であり、このため、スライドなしでは容易にこじ開けることができない。図11の実施形態700は、正方形であって、6個の画像化ポッド718を保持するように構成されるが、当業者であれば理解されるように、カセット700は、ユーザの要求に応じて、任意の妥当なサイズ又は形状であるように構成され、任意の妥当な数の個別の画像化ポッド718のために構成されることができる。
上述したように、カセットは、カセット又はカセット蓋の任意の面上に配置し得る1つ又は複数のガスポートを介して1つ又は複数のガス供給源(例えば、酸素、窒素、及び二酸化炭素)に動作可能に結合することができる。
カセットは、また、例えばホットプレート、ウォータバス、又は他の一般的な加熱デバイスを介して画像化ポッドに熱を提供するための熱源に動作可能に結合することができる。
カセット又はカセット蓋は、プラスチックから、あるいは金属などの他の材料から、構築することができる。
カセットの蓋は、ガラス又はプラスチックなどの光学的に透明な材料を含む任意のサイズの光学的に透明なビューウィンドウを含むことができる。特定の態様においては、カセット蓋は、光学的に透明ではないものとすることができる。
カセットベースのシステム700の実施形態及び他の態様が、図12の分解図に示されている。分解図から理解され得るように、カセット700は、(ガラス、プラスチック、又は他の透明材料から形成された)光学的に透明なビューウィンドウ716aを含むことができ、当業者であれば、光学的に透明部分の正確なサイズ及び形状をユーザの要求に応じて変更し得ることは、理解されるであろう。
カセット蓋716は、ベース容器712に固定的に係合し得るようにあるいは固定的に組み立てられ得るように、構成することができる。図12の実施形態は、蟻継構造720を示しており、この場合、蓋716の1つ又は複数の外側エッジ上のリップ720aが、ベース容器712の1つ又は複数の外側上部領域上の溝720b内に配置され得るように構成されるが、当業者であれば理解されるように、他の固定デバイス(例えば、締まりばめポスト及びラッチ)を使用することができる。
図12の分解図から理解され得るように、ベース容器のうちの、蓋に対向した面730は、個別の画像化ポッド718の底面の形状をなす凹部732を有することができ、これにより、個別の画像化ポッド718を凹部に固定することができる。凹部は、光学的に透明な画像化ウィンドウ734又は穴を有することができ、これにより、光学経路は、カセット700のその位置全体にわたって鉛直方向円柱を照明することができる。
凹部は、また、1つ又は複数のポッド固定機構734を有することができる。ポッド固定機構の実施形態について、以下説明する。この実施形態においては、1つ又は複数の円錐台形状で先細り形状の環状ポスト734が、ベース容器732の凹部のうちの、蓋に対向した面から、蓋に向けて延びており、ここで、ポスト734は、このポストの基部が尖端よりも大きな直径を有するように、先細り形状とされている。個別の画像化ポッド718は、底部に、ぴったりとした締まりばめを提供するようにしてポストを受容するように構成された受容穴又は環状の円錐台形状凹部を有することができ、これにより、画像化ポッド718を、X軸、Y軸、又はZ軸の1つ又は複数において、カセット700内に固定することができる。カセット700は、また、蓋のうちの、ベース容器に対向した底面から、ベース容器のうちの、蓋730に対向した面までの、カセットの高さが、個別の画像化ポッド718とほぼ同じ高さになるように構成することもでき、これにより、そのようにポッドを固定することができる。
先細り形状のポスト固定を使用した再現性のある位置決め方法:
従来の運動学的な取付手段は、正確性と再現性との双方を有する。しかしながら、いくつかの欠点は、必要な特徴を製造する能力、および様々な設計においてどれだけ上手く実装できるかという点にある。本開示は、容易に製造されかつ広範な用途を有した固定構成を説明する。
この態様は、一実施形態において、第2構成要素上の先細り形状の位置決め穴に嵌合する、アセンブリの第1構成要素上の3つ以上の先細り形状のポストから構成される固定構成を説明する。複数の先細り形状ポストを使用することにより、過度に拘束された締まりばめを可能とすることができ、これにより、固定されていない構成要素を強制的に位置合わせすることができる。先細り形状は、先細り形状の位置決め穴の内壁に係合し、これにより、各ポストと位置決め穴とからなる対を中心合わせする。第1構成要素が固定された後には、第1構成要素は、その位置に堅固に保持される。その後、構成要素を、先細り形状ポストから容易に取り外すことができ、再現性の良い精度でもって、先細り形状ポストへと再配置することができる。
本開示の態様は、先細り形状ポストと、これに対応した先細り形状位置決め穴と、に関しての、単純であるが効果的な幾何形状を含む。この幾何形状は、多様な設計において実装し得、従来の運動学的取付手段よりも製造がはるかに容易である。本開示の態様の利用も、また、容易なものであり、なぜなら、構成要素を配置したりまた取り外したりするに際し、位置決め穴をなす壁上へと先細り形状ポストを係合するためにまた係合解除するために、鉛直方向の力をほとんど必要としないからである。しかしながら、システムを移動させるには、大きな横方向の力が必要であり、ほとんどの用途において、問題なく構成要素を剛直に固定することができる。
この固定方法の特定の用途は、生物学的サンプルの反復した顕微鏡検査、及び、生物学的材料の3D印刷時におけるウェルプレートの繰り返し的な配置、を含む。顕微鏡検査可能な灌流プレート、あるいは、顕微鏡が可能とされた任意のウェルプレートを、この方法を使用して顕微鏡に固定することができる。顕微鏡は、この固定システムの先細り形状ポスト構成要素を含む受容プレートを有することができ、他方、顕微鏡検査可能なプレートは、位置決め穴構成要素を含む。サンプルを、顕微鏡上に配置して、画像化することができ、その後、取り外すことができる。このサンプルは、毎回同じ位置へと正確に固定され得るため、ウェル内の同じ位置において数日間から数週間にわたる様々な時点で画像化を行うことができる。これにより、可動細胞及び組織成長を正確に追跡することができる。同様のシステムは、生物学的サンプルの3D印刷時に使用することができる。ウェルプレートを、印刷用に固定して、印刷を行うことができ、その後、保管することができ、これにより、生物学的サンプルを成熟させることができる。その後の時点でそれをプリンタへと戻すことができ、再度印刷することができ、これは、3Dでの共培養を試みる時に非常に有効なものとすることができる。
本開示の態様は、限定するものではないが、ウェルプレート、顕微鏡、及び生物学的3D印刷固定、を含めた、多種多様な製品に適用することができる。例えば、ウェルプレート及び顕微鏡プレートインサートは、この固定方法を利用することができ、ユーザは、ウェルプレートを顕微鏡上へと正確に繰り返して配置することができる。3D印刷に際しては、ウェルプレートを、印刷プロセス時に、正確にかつ確実に固定することができる。
本開示の態様は、構成要素の、容易なかつ繰り返し可能なかつ正確な配置を可能とする。ユーザは、鉛直方向の力をわずかしか適用することなく、物品を容易に配置したり取り外したりすることができ、これにより、ユーザは、内容物を乱すことなく、ウェルプレートなどの物品を穏やかに固定することができる。製造に際しては、先細り形状ポストと位置決め穴とは、機械加工がはるかに容易であり、設計内へとはるかに容易に組み込むことができる。本開示の態様は、また、生物学的サンプルの顕微鏡検査時に精度を高めることができ、これにより、ウェルプレートの画像化、顕微鏡からの取り外し、その後の時点での同じ領域に関しての再度の画像化、を可能とすることができる。
そのような繰り返し可能な位置決めシステムの態様は、上記で説明されたものであり、図13A~図13Bにおいてより拡大して図示されている。図13Aは、本明細書において説明する繰り返し可能な位置決めシステムであり、その実施形態が図12のカセットにも示されている繰り返し可能な位置決めシステムに関しての、拡大断面図を示している。図13Aの断面図は、そのような先細り形状のポスト固定システム802を介して、着脱可能な標本808(第2構成要素)に係合した基板804(第1構成要素)を示している。図13Aから理解され得るように、先細り形状のオス型ポスト802は、基板上に存在し、着脱可能な標本808に向けて上向きに延びており、さらに、ポスト802を受容するように構成されかつポスト802の幾何学的形状を補完するように構成された凹部806内において、着脱可能な標本808に係合する。一実施形態においては、ポスト802は、環状の円錐台形状のポストであり、凹部806は、これを受容するよう構成されるが、当業者であれば理解されるように、本開示の意図は、その幾何形状へと具体的に限定することではない。
図13Bは、図13Aに図示した断面図900の拡大分解図を示している。図13Bから理解され得るように、着脱可能な標本908(例えば、図12に図示したものあるいは本開示を通して他の図に図示したものと同様の、個別の画像化ポッド又は個別のバイオリアクタユニット)は、先細り形状ポスト固定システムを介して、基板904(あるいは、基板内の凹部)に係合して固定することができる。本開示から自明なように、基板904は、単一の着脱可能な標本908(あるいは、個別の画像化ポッド)のために構成することができる、あるいは、基板904は、本明細書において説明するバイオリアクタシステムの他の態様における面とすることができ、例えば、その実施形態が図11及び図12に図示されさらに上述したような上述のカセットベースのマルチウェルシステムのベース容器における面などとすることができる。ポスト902は、着脱可能な標本908を受容するように構成された面903から上向きに延びることができる。
顕微鏡検査可能な灌流プレートのためのカバー
標準的なマルチウェルプレートは、ウェルから破片が出ないように、及び、培養空間又は無菌空間の外へとプレートを輸送し得るよう、透明な蓋を使用している。
本明細書において説明するバイオリアクタシステムの培養画像化プレートは、同じタイプのシステムを必要とするが、プレートの幾何形状のために及びその使用のために、変更されなければならない。本明細書において説明するバイオリアクシステムの画像化プレートにおいて使用されるカバーは、システムの態様を観察するための、例えば供給ウェル及び画像化ウェルを観察するための、光学的に透明な(例えば、透明な、光学的に透明な)ウィンドウを含むことができる。この開口は、また、標準的な顕微鏡で見るために、光がメインウェルを通過することを可能とすることができる。
本明細書で説明するカバーは、また、圧力駆動ネジのためにあるいは他の真空源のために、培地収集チャンバの上側に開口を含むことができ、これにより、カバーを取り外すことなく、ネジにアクセスして利用することができる。カバーは、また、プレートとカバーとの間に、プレートにカバーをシールすることができない空間を有することができる。これにより、培養環境に配置された時に、適切なガス交換、適切な空気の流れ、及び適切な湿度が確保される。カバーは、画像化プレート内で起こり得る蒸発を劇的に低減させる。
カバーは、ラベル付けすることができ、これにより、実験を容易に識別することができる。蓋は、また、色分けすることができ、これにより、プレートの内容物を示すことができる。例えば、白い蓋は、生物学的材料を有していないプレートを示すことができる。例えば、黒い蓋は、生物学的材料を含有したプレートを示す。例えば、赤い蓋は、薬剤又は他の発がん性物質が投与されたプレートを示すことができる。当業者であれば、任意の色を使用することにより、あるいは、任意の色の組合せを使用することにより、ユーザの要求及び要望に従って蓋を色分けし得ることを、理解するであろう。
図14A及び図14Bは、本明細書において説明するバイオリアクタシステムの態様のための、例えば、少なくとも図11~図13に示すような個別の画像化ポッドのための、カバー1000の実施形態に関する平面図及び底面図を示している。図14Aは、本明細書において説明するバイオリアクタシステムの態様のためのカバー1000の平面図を示している。平面図から理解され得るように、カバー1000は、真空源のためのアクセス源として機能する、例えば駆動ネジのためのアクセス源として機能する、穴1002を含む。図14Aにも示すように、カバー1000は、光学的に透明なビューウィンドウ1004を有しており、これにより、ユーザは、システムの内部の態様を、例えば培養チャンバや液体リザーバやその両方を、視覚化することができる。
本明細書において説明するカバー1000の実施形態の底部が、図14Bに図示されている。図14Bの底面図から理解され得るように、ユーザが真空源にアクセスし得るよう穴1002が存在しており、また、光学的に透明なビューウィンドウ1004が存在している。カバー1000の底部は、ビューウィンドウ用の光学的に透明な材料1006に適合して保持するように構成された、例えばガラス顕微鏡カバースライドに適合して保持するように構成された、凹部を有することができる。ビューウィンドウ1004の光学的に透明な材料1006は、カバーの表面に固定することができる。
限定を意図することなく、光学的に透明な材料又はデバイスは、例えばサイズ0又は1のガラスカバースリップとすることができ、9mm×22mmとすることができるが、当業者であれば理解されるように、設計の異なる実施形態においては、異なる外側寸法のものを使用することができる。光学的に透明な材料は、画像の鮮明さを維持するよう、非常に薄いものとすることができる。
光学的に透明な材料を密封して所定位置に保持するよう、エッジまわりに光学的接着剤を使用して固定されている。
図14Bの底面図から理解され得るように、カバー1000は、また、本明細書において説明するバイオリアクタシステムの態様における1つ又は複数の外面に当接するように構成された、例えば図11~図13に図示して上述したような個別の画像化ポッドにおける1つ又は複数の外面に当接するように構成された、底部から下向きに延びるリップ1008を含むことができる。
本明細書において説明するバイオリアクタシステムにおけるカバー及び画像化の態様に関する実施形態の追加的な態様が、図15A及び図15Bに図示されている。図15Aは、個別の画像化ポッド1010及びそれと嵌合するように構成されたカバー1000に関する実施形態の分解図を示している。
図15Bの分解図から理解され得るように、カバー1000は、ウィンドウ1002と、光学的ビューウィンドウ1004と、リップ1008と、を有する。リップは、画像化ポッド1010と嵌合するように構成されており、これにより、培地収集ウェル1012の真空装置アセンブリは、組み立てられた時には、カバー1000のウィンドウ1002内に適合する。カバー1000のビューウィンドウ1004は、画像化ポッド1010の、液体リザーバ1016、注入ポート1018、及び/又は培養ウェル1014の目視検査を可能とする。カバー1000のリップ1008は、画像化ポッドの側面にぴったりと当接するように構成されており、これにより、カバー1000は、画像化ポッド1010と組み立てられた時にはあるいは画像化ポッド1010に嵌合された時には、x軸、y軸、又はその両方において、リップ1008によって拘束されることができる。
図15Bは、図15Aにおける個別の画像化ポッドと組み立てられたカバーを示しており、本開示による組み立てられた個別の画像化ポッド1020の実施形態を示している。
薬剤送達のための注入ポート
標準的な培養条件下で、生物学的サンプルに対して薬剤(生物学的サンプルに対して生物学的影響を有するものであって、小分子、タンパク質、核酸、及び同種のものなどの既知の構造を有し得るもの)をテストする際には、既知量の薬剤を、既知容量の液体に添加し、これにより、投薬を一貫して制御することができる。ウェルプレート灌流システムにおいては、細胞成長培地は、常に循環しているため、ある時点でのウェルごとの成長培地の量は、十分に既知ではない。加えて、ウェル内において適正な濃度を達成するためには、より多くの量の薬剤を使用しなければならない。したがって、既知量の薬剤を未知量の成長培地に添加することは、一貫性のない投薬をもたらしてしまいかねず、費用がかかることがあり得る。
本開示の態様は、既知濃度の少量の薬剤を、薬剤注入ポートを介して投与される生物学的サンプルに直接的に供給するという解決策を提案する。注入ポートは、液体リザーバから培養チャンバへとさらには培地収集チャンバへと続く流路内において、液体リザーバと培養チャンバとの間に配置され、これにより、培養チャンバ内のサンプルが所望の投薬量を直接的に受容することと、薬剤を受容するサンプルが注入ポートの直接的に下流のサンプルだけであることと、を確保することができる。
本開示の態様においては、システムを通して液体を灌流させる流路に接続される小さなポートについて説明する。このポートは、既知濃度の薬剤を注入し得る既知容量のものである。これにより、所望の薬剤投与量を生物学的サンプルに送達することが可能とされる。システムのための供給ウェル(本明細書においては、液体リザーバとも称される)を追加的に閉塞することができ、これにより、注入ポートを灌流システムに液体を供給する唯一のウェルとすることができる。
新規な要素は、未知量の灌流培地に薬剤を追加することに関連した不確実性を取り除くことにより、生物学的サンプルにより正確に投薬する能力を含む。本開示の態様は、また、灌流チャネルに対するポートの配置に依存して、薬剤を生物学的サンプルにより迅速に送達することを可能とする。本開示の態様は、また、供給ウェルに大量の薬剤を追加することに代えて、薬剤を直接的に適用するため、より少量の薬剤を使用することを可能とする。
本開示の態様は、ユーザが灌流システム内へと生物学的サンプルをより正確にかつ効率的に投薬することを可能とするものである。本開示の態様は、また、費用対効果が高いものであって、ユーザは、所望の結果を達成しながら、より少量の薬剤を使用するだけでよい。
図16は、本明細書において説明する注入ポートを組み込んだ個別の画像化ポッド又はバイオリアクタポッドの断面を示している。特定の態様においては、注入ポートは、約40μL~約80μLの容積として構成することができる。特定の態様においては、注入ポートは、毛細管作用の望ましくない影響に対抗するよう、約1mm~約3mmの直径を有した薬剤注入用開口を有することができる。
図16の断面図に示すように、注入ポート1150は、液体リザーバ1110から注入ポート1150へのさらに培養チャンバ1120へのさらには培地収集リザーバ1130への灌流を含む、ヒドロゲルフィルタ培地1160を通しての培地1112の水平方向灌流流路内において、培養チャンバ1120内における生物学的サンプル1126の流れ方向に関して、直接的に上流側である。
本明細書において説明するバイオリアクタシステムの追加的な態様は、図16の実施形態の断面図において理解することができる。実質的に環状のオーバーフローリザーバ1114は、培地1112のオーバーフローのために液体リザーバ1110の上部を取り囲むことができる。光学的に透明な材料1140は、バイオリアクタシステムの底部を形成することができ、これにより、システムを顕微鏡検査することができる。培養チャンバ1120は、生物学的サンプル1126が培養される3D成長培地(液体様固体又はLLSとも称される)1124を収容している。培地1122は、また、培養チャンバ1120内に配置することができる。
培地収集チャンバ1130は、真空源装置、あるいは、システム全体にわたって正圧又は負圧を生成する装置、を収容することができる。図16に示す実施形態においては、圧力は、ネジ駆動型アクチュエータによって生成される。図示のネジ駆動型アクチュエータの実施形態は、システム全体にわたって流体の流れを駆動するための圧力を生成する外側ネジ1134と、圧力解放ネジとして機能する内側ネジ1138と、を含む。真空源装置は、ネジ1134の外面上のネジ山と培地収集チャンバの面上のネジ山との組合せを介して、ならびに、図示の外側ガスケット1132及び内側ガスケット1136などの一連のガスケットを介して、培地収集チャンバに動作可能に接続することができる。
図16の実施形態は、水平方向流路を有したバイオリアクタシステムの実施形態を示している。図16の実施形態においては、システム内に負圧を生成するために、ネジを回転させる。負圧は、培地1112を、液体リザーバ1110からヒドロゲルフィルタ培地1160内へと、培養チャンバ1120の3D成長培地1124内における生物学的サンプル1126に向けて、吸引する。注入ポート1150内に配置された任意の薬剤又は物質は、液体培地リザーバ1110から生物学的サンプル1126へと向かう途中で、灌流の流れに入る。その後、流出廃棄物1131が、培養チャンバ1120から、ヒドロゲル培地1160を通して、培地収集チャンバ1130内へと吸引され、そして、流出廃棄物1131は、培地収集チャンバ1130内において、真空吸引又は手動ピペット操作によって除去することができる(真空源装置を取り外した後)。
顕微鏡検査可能なバイオリアクタシステムに関する追加的な態様について、以下説明する。そのような追加的な態様は、供給ウェル(本明細書においては、液体リザーバとも称される)と、画像化のためのビューポートを有した印刷ウェル(本明細書においては、培養ウェルとも称される)と、廃液収集チャンバ(本明細書においては、培地収集チャンバとも称される)と、から構成される単一の画像化ウェルシステムを通しての、液体の水平方向灌流を可能とすることができる。これらの各構成要素は、多孔性ゲルフィルタシステムを使用して接続することができ、このゲルは、印刷ウェルにおいて使用されるLLSと比較して、より大きな透過性及びより大きな細孔径を有する。これにより、液体は、ゲルフィルタを通して及びLLSを通して灌流し得るが、LLSのより大きな粒子は、フィルタを通過することができない。
本明細書において説明する追加的な態様のいくつかは、より大きなガス交換のためのLLS「棚」及びアクリルアミド製プラグを含む。この棚は、印刷ウェルの内部に追加され、印刷ウェルにおいては、LLSは、棚のところまで充填されることとなり、プラグが、その上に追加される。以前の設計においては、LLSの上からではなく培地ウェルからの流れに関する抵抗が最小である経路をシステムが取ることを確実にするように、LLSを印刷ウェルのほぼ上部まで充填しなければならなかった。LLSのこの背の高いカラムは、ガス交換にとっては望ましいものではない。このプラグは、同じ機能的態様を達成するものであり、負圧チャンバは、LLSの高さに影響を与えることなく、培地ウェルからLLSを横断しての灌流を引き起こし、システム内のガス交換をより大きなものとすることができる。プラグを追加することにより、印刷ウェル内の圧力が平衡化されることとなり、液体は、所望の経路に沿って流れることとなる。
他の追加的な態様は、負圧チャンバの駆動方法の変更を含む。一実施形態においては、負圧を生成するために止めネジが駆動され、ネジ山が、機械的駆動方法とシール目的との双方として使用される。この機能設計は、機械的駆動方法のためのネジ山を有したネジを含むが、シール機構として機能するOリングが埋め込まれている。Oリングは、ピストンのようなシールを可能とし、負圧チャンバの壁に沿って上下に移動する。このネジは、また、六角レンチインターフェースの内部に圧力解放ネジが埋め込まれ、シール機構としてOリングも組み込まれている。この圧力解放ネジは、システム内の背圧及び抵抗を回避するために、メインのネジをリセットする前に取り外される。圧力解放ネジは、また、廃液チャンバから液体排出物を除去するためのポートとしても使用することができる。また、プレートは、ネジの近くにマーキングを有することができ、これにより、ユーザは、ネジを使用して実行された回転数を又は部分的な回転数を追跡することができる。他の実施形態は、ネジに代えて、自己修復型環状シール(一般的な採血管のシールなど)の使用を含むことができ、その場合、鈍いニードルによって穿孔され、真空引きを行った後にシステムからニードルから取り外すことができる。ニードルを取り外した後には、システムは、自身を再シールする。システムの使用時には、この方法を使用して、必要な回数だけ真空引きを行うことができる。
供給ウェルに関し、ウェルは、ウェル内に残っている培地の容量をユーザが視認し得るよう、目盛り線(tier markings)を含むことができる。このウェルは、他のチャンバからの流れを可能とするように閉塞することができる。ウェルを囲んでいるのは、オーバーフローリザーバである。オーバーフローリザーバは、供給ウェルが閉塞された時に、供給ウェルからこぼれる培地を収集する。この設計には、また、詳細に上述した薬剤ポートを組み込むことができる。薬剤ポートは、供給ウェルが接続されているのと同じゲルフィルタチャネルに接続されている。供給ウェルが閉塞された時には、システムは、薬剤ポートから液体を吸引し始める。この薬剤ポートは、供給ウェルとは独立的に、少量の薬剤又はラベルを、システムを通して灌流させることを可能とする。これは、供給ウェル内で希釈される必要がないため、システムを通して送達される必要のある薬剤の量を低減する。
ゲルフィルタチャネルに関し、チャネル内の迷路は、灌流時に液体が移動しなければならない全長を長くすることができ、ゲルフィルタを所定の位置に固定して動かないように維持することを補助する。液体が流れなければならない距離を長くすることにより、LLS粒子は、フィルタに引っ掛かりやすくなり、灌流することができず、これにより、システム内を通して液体だけを灌流させることができる。
本開示は、3D内で成長した、以前に見られたよりも長いその場での寿命まで生きている、生きた生物学的組織に関しての、リアルタイムでの非侵襲的なその場での画像化を可能とすることとなる。
3D細胞アレイに関する既存のその場での画像化は、静的環境として存在するものであり、これは、早期の細胞死と、限られた細胞寿命での解析分析と、をもたらす。本開示の実施形態を使用することにより、研究者は、以前に可能であったのと同様に、あらゆるプロセスが行われている細胞を直接的に観察し得るだけでなく、細胞を成長環境に置いた後に、細胞に触れることなく、これまでにない長期の時間スケールで細胞を観察し得るようになる。
このような追加的な態様は、図において理解することができる。図17は、個別の画像化ポッド又はバイオリアクタユニットであり得る、本明細書において説明するバイオリアクタシステム1200に関する態様の斜視図を図示している。理解され得るように、ネジ駆動用のポートは、視覚的な目盛りマーク1240を含むことができ、これにより、ネジがどれだけ回転されたかを、ユーザに示すことができる。注入ポート1250を、上部に見ることができ、同様に、液体リザーバ1214(又は供給ウェル)のための、液体リザーバ1210の外径を取り囲むオーバーフローウェルであって、特に供給ウェルが閉塞された時に、オーバーフローしたものを捕捉して保持するように構成されたオーバーフローウェルを上部に見ることができる。培養チャンバ1220も見ることができる。
図18は、本開示による実施形態の断面図を図示し、ネジ駆動型アクチュエータに代えての、自己修復型環状シール1334を図示している。そのような自己修復型環状シール1334は、例えば位置1336において、ニードルによって穿孔されることができ、状況に応じて、システムから真空吸引を行うことができる、また、システムに圧力を適用することができる。図16の実施形態と同様に、図18の実施形態は、(オーバーフローウェル1314を有した)液体リザーバ1310と、注入ポート1350と、培養チャンバ1320と、培地収集チャンバ1330と、を示している。
負圧の適用は、液体リザーバ1310から、ヒドロゲル培地1360を通して、内部に生物学的サンプルが収容されている3D成長培地又はLLS1324へと向けた、水平方向灌流流路内において、流体1312を吸引する。注入ポート1350内の任意の物質も、また、灌流内へと吸引されることとなる。その後、液体流出廃棄物を、培養チャンバ1320及び成長培地1324から、ヒドロゲルフィルタ1360を通して、培地収集チャンバ1330内へと、吸引することができる。
図18の実施形態は、また、3D成長培地がヒドロゲルフィルタ1360の空隙内に配置される際に、3D成長培地が所定位置にしっかりと保持されるヒドロゲル「棚」を示している。また、プラグ1326を、培養チャンバ1320のうちの、3D成長培地1324に流体連通している少なくとも一部に裏打ちすることができる。
図19A~図19Cは、本明細書において説明するシステムの追加的な態様を示している。図19Aは、図17の実施形態の平面図を示している。液体供給ウェル1410からオーバーフローした培地のためのオーバーフローウェル1414に加えて、ネジ駆動型アクチュエータのための回転目盛りマーク1440を見ることができる。3D成長培地1424を収容している培養チャンバ1420に加えて、注入ポート1450も、この図において見ることができる。
図19Bは、本明細書において説明する実施形態の断面図である。図19Bの実施形態から理解され得るように、ネジ駆動型アクチュエータは、圧力を解放するために駆動ネジ1444の中央に着座した圧力解放止めネジ1448をさらに含むことができる(ガスケット1442及び1446によって培地収集チャンバに動作可能に接続されている)。アクリルアミド製プラグであり得るプラグ1422は、培養チャンバ1420を裏打ちし、システム1400内に設置された3D培養培地1424に当接することができ、これにより、上述したようにシステムの機能的特性を改良することができる。また、容量目盛りマーク1414を、ウェルの内面上に見ることができ、これにより、ユーザに対してウェル内の液体容量を、単純なかつ容易な視覚的観測を提供することができる。システムの実施形態の追加的な態様は、図19Bに見ることができる。底部1440(底部1440は、光学的に透明な底部とすることができる)をシステムに固定するための接着剤を含む接着剤チャネル1461のように、繰り返し可能な位置決めシステムのポストを受容するように構成された凹部1470が図示されている。
水平方向の灌流流路も図示されている。負圧の適用により、流体1314は、液体リザーバ1410から、ヒドロゲル培地1460を通して、生物学的サンプルが収容されている3D成長培地又はLLS1424に向けて、水平方向灌流の流路内へと吸引される。注入ポート1450内の任意の物質も、また、灌流の流れ内へと吸引されることとなる。その後、液体流出廃棄物1431は、培養チャンバ1420及び成長培地1424から、ヒドロゲルフィルタ1340を通して、培地収集チャンバ1430内へと、吸引することができる。
図19Cは、本開示による実施形態の底面図を示している。図19Cの実施形態においては、光学的に透明なガラスカバースリップ1440(しかしながら、他の材料を使用することができる)が、顕微鏡による画像化を可能とするよう、チャネル1461内の接着剤によって底部に固定されている。使用し得る接着剤の例は、光学接着剤(UV硬化)とすることができる。生体適合性エポキシ。水と穏やかな熱との双方抵抗でき、殺生物剤ではない接着剤。コンクリート内の鉄筋と同様に、ヒドロゲル体積1460全体にわたって間隔を空けて配置された鉛直方向ポストを含む機械的不動化装置1462が存在する。液体リザーバ1410と、注入ポート1450と、3D成長培地1424と、培地収集チャンバ1430と、に加えて、繰り返し可能な位置決めシステムのポストのための凹部1470も見ることができる。接着面1466も図示されている。
顕微鏡検査可能なデュアルフローバイオリアクタプレート
従来の2D細胞培養においては、細胞は、多くの場合、人体内における振る舞いとは異なる態様で振る舞う。細胞が典型的に経験する条件をより近似的に模擬するために、3D培養の様々な方法が開発された。これらのシステムのほとんどにおいては、マトリゲルを使用することにより、細胞を3D内の所定位置に固定し、システム内における細胞又は栄養素は、あまり移動することが許容されない。これは、これらのシステムでは長期的な生存能力が欠如しているため、長期的な研究の妨げとなり得る。3D培養システム内において細胞を長期間にわたって生存させるためには、栄養素が交換されなければならず、また、細胞によって生成された廃棄物が除去されなければならない。以下の態様は、3D培養における長期的な細胞生存性を促進する方法を提供し、高処理能力システム内でそれらを研究する方法を提供する。
本実施形態の態様は、2つの別個の灌流の流れが栄養素を使用することにより、細胞及びその周囲に栄養素を供給し、細胞及びその周囲から廃棄物を除去することができる、顕微鏡検査可能なデュアルフローバイオリアクタシステムを説明する。灌流の流れは、垂直であり(互いに直交している)、高さ位置が互いに離間しているため、画像化ウェル(培養ウェルとも称される)内においてクロスフローが全く存在しないことを確保することができる。このことは、それぞれが個別の成長培地を有する2つの細胞型の共培養を可能とする。各細胞型は、それぞれの培地の流れの中に配置され、これにより、他の細胞培地の流れの中になくても栄養素を確実に送達することができる。これにより、互いに近接した2つの異なる細胞型の持続的なかつ長期的な成長が可能とされる。
流れは、細胞を培養し得る多孔性支持培地である「液体様固体」又はLLSを通して灌流される。このLLSは、細胞成長培地などの液体を、システムを通して灌流させることを可能とし、これにより、細胞に供給を行い、細胞からの廃棄物を除去することができる。液体は、受動的な負圧システムを使用して灌流させられ、LLSを通して及びシステム全体を通して液体を吸引する。このシステムにおいては、細胞の生存性は、他の細胞培養システムにおける数日間又は数週間とは異なり、数か月間へと延長される。
本実施形態の態様は、メインプレートと、2つの圧力駆動ネジと、付随するOリングを有した2つの圧力解放ネジと、を含むことができる。LLSがLLSチャンバ内で移動するのを防止するためのフィルタとして、細孔径が1ミクロンのヒドロゲルフィルタを使用することができる。これにより、LLSを所定の位置に留めることができ、これにより、液体成長培地を、LLS粒子を通して流れさせることができ、細胞に栄養素を供給し、廃棄物を除去することができる。細孔は、LLS粒子のサイズよりも小さいものとされ、これにより、フィルタがウェルプレート内にLLSを支持し、フィルタを通しての液体の通過を可能として、液体を廃液収集チャンバ内へと移動させることができる。プレートは、また、各供給ウェルの周囲に位置したオーバーフローリザーバと、各細胞型のための個別の注入ポートと、を含む。注入ポートを使用することにより、少量の貴重な試薬を迅速に灌流させることができる。容量は、供給ウェルの容量よりもはるかに小さいが、灌流フローの直接的な流路内にある。そのため、注入ポートの流れが確保され、供給ウェルを閉塞することにより、注入ポートの液体が有利となるように灌流を強制することができる。供給ウェルの閉塞時には、いくらかのオーバーフローが予想されるため、オーバーフローリザーバが、各供給ウェルに追加されており、これにより、汚染を防止し、清掃を最小化することができる。
各供給ウェルは、ウェルの長さに沿って機械加工された複数の段部であって、成長培地の量に関しての視覚的な参照として機能する複数の段部を含むことができる。各段部は、100マイクロリットル相当の容量に等しいものとすることができる。プレートは、システムに真空が適用された時にヒドロゲルが圧縮されること又は移動することを防止し得るよう、機械的ヒドロゲルロックシステムを利用する。機械的ヒドロゲルロックシステムは、内部を流れが移動するチャネルの中に機械加工された一連の障害物を含む。
顕微鏡検査可能なデュアルフローバイオリアクタシステムは、プレートの底部に機械加工された6個のメス型先細り形状ポストを特徴とすることができる。凹部は、対応するオス型のものと嵌合し、これにより、システムを機械的に過剰拘束して位置決めすることができる。これにより、プレートの再現性の高い配置が可能とされる。これは、長期的な顕微鏡検査において非常に有利であることを証明することができる。ユーザは、プレートを画像化して培養器へと戻すことができ、そして、その後の時点で、非常に小さな配置誤差でもって、プレートを再画像化することができる。これにより、ユーザは、継続的な時間経過を必要とすることなく、数日間にわたって複数の画像を収集することができる。配置は、同じ構成を容易に配置し得るよう、また、合成画像又は動画へと調整し得るよう、十分に正確なものである。
最初に、負圧を生成し得るよう、止めネジを駆動することができ、ネジ山は、機械的駆動方法とシール目的との双方として使用される。この設計は、機械的駆動方法のためのネジ山を有したネジを含むが、シール機構として機能するOリングが埋め込まれている。Oリングは、ピストンのようなシールを可能とし、負圧チャンバの壁に沿って上下に移動する。このネジは、また、六角レンチインターフェースの内部に圧力解放ネジが埋め込まれ、シール機構としてOリングも組み込まれている。この圧力解放ネジは、システム内の背圧及び抵抗を回避するために、メインのネジをリセットする前に取り外される。圧力解放ネジは、また、廃液チャンバから液体排出物を除去するためのポートとしても使用することができる。また、プレートは、ネジの近くにマーキングを有することができ、これにより、ユーザは、ネジを使用して実行された回転数を又は部分的な回転数を追跡することができる。
プレートは、また、自己修復型環状シールも含むことができる。自己修復型環状シールは、シリンジの鈍いニードルによって穿孔され、シリンジ内へと真空が吸引され、その後、ニードルが取り外される。シールは、「自己修復」し、真空状態が保持される。シリンジは、真空計を受容するように、変更することができる。これにより、ユーザは、所望の圧力で正確に駆動させることができる。この真空計は、また、シリンジが再挿入された時には、プレート内に存在する真空圧を読み取るため、リークチェッカとしても機能する。また、別のシリンジを使用することにより、蓄積された流出液を、分析のために収集することができる。テストにおいて、自己修復型環状シールは、ネジアセンブリと比較して、より人間工学的な真空生成手段であることが証明されている。
本開示の態様は、2つの異なる細胞型をより生命に近い環境内で成長させ、以前に可能であったよりもはるかに長い期間にわたってそれらを生存可能な状態に維持する能力を含む。このプレートにおいては、各細胞型は、その特定の成長培地が供給され、灌流送達は、各細胞型ごとに独立したものとされる。これにより、長期間の実験が可能とされ、3D内における2つの細胞型の相互作用の分析も可能とされる。このプロセスは、顕微鏡によって、あるいは、他の光学的な分析様式でもって、容易に文書化することができる。
本開示の態様は、顕微鏡上の全段階で見ることができる灌流下で、3D内において2つの異なる細胞型を培養する方法を含む。これは、この方法を使用して実験を完了することを要望するすべてのユーザにとって有利なものとすることができる。本開示の態様は、顕微鏡上の全段階で見ることができる灌流下で、3D内において2つの異なる細胞型を培養する方法を作り出した。これにより、ユーザは、実験の全期間を通して単一の細胞を追跡することができる。ユーザは、2つの異なる細胞型を追加することができ、独立した成長培地を使用してそれら細胞型を生存させながら、それら2つの細胞型どうしの間の相互作用を観察することができる。プレートは、これら2つの異なる細胞型を3D内で画像化することを可能とするだけでなく、継代する必要なく細胞型をより長期にわたって生存させることができる。

本開示のいくつかの実施形態について上述した。これらの実施形態は、以下のうちの1つ又は複数の機能を含むことができる。
・異なる高さ位置に位置する、独立した灌流を提供する2つのチャネル。
・LLSチャンバ内で、異なる高さ位置において、異なる細胞型が印刷されること。
・別個の培地および別個の流量を使用し得ること。
・すべての細胞構築物が、2mmのガラス内に配置されること。
図20は、本明細書において説明するデュアルフローシステム1500の実施形態に関する態様の平面図として図示している。システム1500は、2つの流路を含むことができる、すなわち、第1流路1582(タイプ1)と、第2流路1584(タイプ2)と、を含むことができる。2つの流路は、互いに垂直でありあるいは互いに直交しており、共通の培養チャンバ1520(本明細書においては、培養チャンバ、画像化チャンバ、又はLLSチャンバ、とも称される)を共有する。この共通の培養チャンバは、流路どうしの交点でもある。流路1582及び1584のそれぞれは、高さ位置が異なるものであり、これにより、流れどうしの物理的な交差あるいは流れどうしの組合せは存在しない。これにより、ある細胞型に関する流れが他の細胞型に交差することなく、LLS培地がなすカラム内における細胞どうしの相互作用が可能とされ、これは、適切な動作パラメータ(約10nm/s~約1mm/sの流量など)によって達成することができる。
図20に示すように、第1流路1582の灌流流路は、液体リザーバ1510aから、チャネル1580を通して、培養チャンバ1520内への、さらには、培地収集チャンバ1530a内への、流体の流れを含む。第2流路1584の灌流流路は、液体リザーバ1510bから、チャネル1590を通して、培養チャンバ1520(第1流路の場合と同じ)内への、さらには、培地収集チャンバ1530b内への、流体の流れを含む。
図21は、本明細書において説明し図20に図示するデュアルフローシステムの培養チャンバ1520に関する斜視図1600の断面図である。断面図1600から理解され得るように、2つの直交した灌流流れ(1582及び1584)は、培養チャンバ1520のヒドロゲルフィルタ1560(3Dヒドロゲル)内に固定されたLLSカラム1524を通して、チャンバ1540の底部に対して異なる高さZのところを流れ、2つの個別の細胞集団1526及び1527を供給する。流路どうしは、互いに直交するものとして図示されているが、当業者であれば、他の角度を使用し得ることを認識するであろう。
図22は、図21及び図22に示すLLSチャンバのLLSカラムに関する拡大断面図である。図22から理解され得るように、2つの直交した灌流流れは、異なる高さ位置のところにおいてLLSカラムを通して灌流され、これにより、デュアルフローシステムのLLSチャンバのLLSカラム内の異なる高さ位置において印刷された2つの個別の細胞集団を供給する。
図23A~図23Dは、本明細書において説明するデュアルリアクタフローシステムの実施形態を示している。図23Aは斜視図であり、図23Bは平面図であり、図23Cは側面図であり、そして、図23Dは底面図である。
本明細書において説明するデュアルフローバイオリアクタシステムの実施形態の斜視図において理解され得るように、2つの流路は、互いに直交して配置されている。1つの流路は、液体リザーバ1710aと、オーバーフローウェル1714aと、培養チャンバ1720と、薬剤注入ポート1750と、培地収集チャンバ1730aと、を含む。第2の流路は、液体リザーバ1710bと、オーバーフローウェル1714bと、培養チャンバ1720と、薬剤注入ポート1750と、培地収集チャンバ1730bと、を含む。双方の流路は、同じ培養チャンバを共有しており、各流路のための細胞(異なるタイプの細胞とすることができ、一方の流路のためのあるタイプ、他方の流路のための他のタイプ)は、図21及び図22に示すように、培養チャンバ内に配置することができる。
図23Bは、図23Aに示すデュアルフローバイオリアクタ1700の平面図である。図23Cは、図23Aに示すデュアルフローバイオリアクタ1700の側面図である。図23Dは、図23Aに示すデュアルフローバイオリアクタ1700の底面図である。底面図から理解され得るように、デュアルフローバイオリアクタの実施形態は、図19Cにおける単一フローバイオリアクタの実施形態に示すものと同様の特徴を含むことができる。発泡体フィルタを固定することを補助する凹部1770が図示されている。
図24A~図24Cは、デュアルフローバイオリアクタシステム1800の実施形態の他の態様を図示しており、例えば、視覚的な目盛り、駆動ネジ、及び解放ネジ、を示している。図24Aは平面図であり、図24B及び図24Cは、互いに異なる面からの側断面図である。
図24Aは、互いに直交した流路A及び流路Bを示す実施形態1800の斜視図である。各流路は、液体リザーバ(1810a及び1810b)と、共有された培養チャンバ1820と、培地収集チャンバ1830a及び1830bと、を有する。液体リザーバ1830は、また、ウェルに流体連通したオーバーフローウェル1814aを有するが、そのようなオーバーフローウェルは、任意選択的なものとすることができる。
図24B及び図24Cは、実施形態1800における流路A及びBの断面図を示している。この実施形態における双方の流路は、システム全体にわたって流体の流れを駆動するための圧力を生成するに際し、圧力解放ネジを有したネジ駆動型アクチュエータを利用している。符号1832a/b、符号1836a/b、及び符号1838a/bは、ネジ駆動型アクチュエータの態様を示している。符号1820は、共有されている培養チャンバである。符号1870は、繰り返し可能な固定位置決めシステムのポストのための受容凹部を示している。符号1850a/bは、薬剤注入ポートを示し、符号1810a/bは、液体リザーバを示し、符号1830a/bは、真空源装置(この実施形態においては、ネジ駆動型アクチュエータ)に動作可能に接続された培地収集チャンバを示している。容量目盛りマークは、いずれの液体ウェルにも設けることができ、液体ウェルは、追加的に、開口からベースに向けて先細り形状とすることができ、これにより、必要な液体を最小化し、流れを改良することができる、あるいは、他の視覚的インジケータを提供することができる(例えば、1つの先細り形状のものと、1つの先細り形状ではないものとは、異なる流路を示す)。
図25は、図23A~図23Dのデュアルフローシステムの拡大斜視図1900である。流路A及びBが示され、共有された培養チャンバ1920、液体リザーバ1910a/b、及び、培地収集チャンバ1930a/bも示されている。
3D細胞培養のための灌流が可能とされたマルチウェルバイオリアクタプレート
従来の2D細胞培養においては、細胞は、多くの場合、人体内における振る舞いとは異なる態様で振る舞う。細胞が典型的に経験する条件をより近似的に模擬するために、3D培養の様々な方法が開発された。これらのシステムのほとんどにおいては、マトリゲルを使用することにより、細胞を3D内の所定位置に固定し、システム内における細胞又は栄養素は、あまり移動することが許容されない。これは、これらのシステムでは長期的な生存能力が欠如しているため、長期的な研究の妨げとなり得る。3D培養システム内において細胞を長期間にわたって生存させるためには、栄養素が交換されなければならず、また、細胞によって生成された廃棄物が除去されなければならない。以下の態様は、3D培養における長期的な細胞生存性を促進する方法を提供し、高処理能力システム内でそれらを研究する方法を提供する。
本開示の態様は、灌流を使用することにより細胞及びそれらの周囲に栄養素を供給し、細胞及びそれらの周囲から廃棄物を除去し得るマルチウェルバイオリアクタシステムを説明する。流れは、細胞を培養し得る多孔性支持培地である「液体様固体」又はLLSを通して灌流される。このLLSは、細胞成長培地などの液体を、システムを通して灌流させることを可能とし、これにより細胞に供給を行い、細胞からの廃棄物を除去することができる。液体は、受動的な負圧システムを使用して灌流させられ、LLSを通して及びシステム全体を通して液体を吸引する。このシステムにおいては、細胞の生存性は、他の細胞培養システムにおける数日間又は数週間とは異なり、数か月間へと延長される。
本開示の態様自体は、ウェルプレート部分として機能する上部プレートと、インターフェースどうしの間のシール面として機能する中間プレートと、システムを通して廃液収集チャンバ内へと液体を吸引するのに必要な負圧を収容するベースプレートと、を含む。ミクロ多孔性フィルタが、上部プレートと中間プレートとの間にシールされている。細孔は、LLS粒子のサイズよりも小さいものとされ、これにより、フィルタがウェルプレート内にLLSを支持し、フィルタを通しての液体の通過を可能として、液体を廃液収集チャンバ内へと移動させることができる。システム内に負圧を生成するためにはいくつかの方法があるが、このシステムにおいて使用されている2つの方法は、Oリングを収容するネジと、自己修復型環状シールと、である。ネジのネジ山は、機械的駆動方法として使用され、Oリングは、駆動ネジの「ピストン」部分をシールする。このネジを後退させることにより、ベースプレート内に負圧を生成し、この負圧は、その後、LLSを通して液体を吸引する真空を生成する。自己修復型環状シールは、シリンジの鈍いニードルによって穿孔され、シリンジ内へと真空が吸引され、その後、ニードルが取り外される。シールは、「自己修復」し、真空状態が保持される。
本開示の態様は、細胞をより生命に近い環境内で成長させ、以前に可能であったよりもはるかに長い期間にわたってそれらを生存可能な状態に維持する能力を含む。プレートが標準寸法のウェルプレートに適合するように設計されているため、プレートの構成は、プレートリーダの使用を可能とするように設定されている。このシステムは、また、処理能力が高く、そのため、同じプレート内において多くの実験を同時に実施することを可能とする。
灌流が可能とされたウェルプレートなどの製品は、本開示の態様から生じることができる。プレートは、多くの異なる構成を有するように設計することができ、用途に応じてより大きな処理能力又はより小さな処理能力を有する。細胞に関して長期間の研究を行うことを目指す研究所及び研究施設は、本開示の態様を使用してそれを行い得るであろう。プレート内の灌流を使用して、研究者は、システムを通してこれらの物質を流すことにより、細胞環境に対する薬剤の効果及び他の変化を研究することができる。
本開示の実施形態においては、自己修復型環状シールを介してシステムに着脱可能にかつ動作可能に接続された真空源によって圧力が提供される、灌流が可能とされたマルチウォールプレートが提供される。このような機構は、ネジ駆動型アクチュエータを不要とするだけでなく、物理的に占有するスペースを小さなものとし、より多くのサンプルをウェルに配置することを可能とする。
3D細胞培地のための灌流が可能とされたマルチウェルバイオリアクタプレートの追加的な態様
灌流が可能とされたマルチウォールプレートの追加的な態様は、以下の通りである。第1の追加的な態様は、上部の2つのプレートをベースプレートに対してクランプしてOリングに沿ってシールする固定部材を取り除くことを含む。これらの固定部材は、プレートどうしを互いにクランプする力としてウェルプレート内に誘起された内部真空圧力を使用することにより、省略することができる。上部の2つのプレートは、2つの部材の間にあるフィルタをシールするための固定部材を使用して、通常通りに互いに組み立てることができる、あるいは、フィルタを、プレート自体にヒートシールすることができ、すべての固定部材を除去することができる。その後、これら上部の2つのプレートを、ベースプレートの上に配置し、組立の準備を行う。プレートどうしは、一緒に圧縮され、ベースプレートのOリングを圧縮してシールを形成する。その後、上述したように、ニードルを使用してプレート内部に負圧が生成される。この真空が生成された後には、プレートどうしを一緒にシールした状態に維持しておくのに十分な力が発生する。時間の経過とともに、廃液の収集の基づき、内部の真空度が低下するため、プレートどうしは、最終的には互いに解放されることとなる。この時点で、灌流が停止し、プロセスを繰り返すことで、実験を続けることができる。内部の負圧が残っている間にプレートどうしを分離させるには、真空を生成するために使用したのと同じニードルを使用して、システム内へとさらなる空気を導入することができる。これにより、真空圧力が低減して、プレートどうしが分離することとなる。
第2の追加的な態様は、廃液チャンバどうしの間の相互汚染がないことを確保するための機構である。これには、2つの構成要素を含むことができる、すなわち、ウェルから廃液収集チャンバ内へと下向きに延びた中空円筒体と、フィルタの近くでその円筒体内へと上向きに突出したポストと、を含むことができる。円筒体は、収集ウェルどうしの間の仕切りの高さよりも下側へと、下向きに延びることができる。このことは、廃液が収集ウェルどうしの間にわたって移動することを困難なものとする。他の特徴をなすポストは、ベースプレートからフィルタの真下まで上向きに延びている。灌流が進むにつれて、液体廃液は、フィルタの底部に収集され、液滴を形成することとなる。その後、この液滴は、ポスト上において凝集し、廃液収集チャンバ内へと落下することとなる。これらの2つの特徴を一緒に使用することによりあるいは別々に使用することにより、相互汚染がない状態での液体廃液の個別的な収集を確保することができる。
上記の機構の態様は、チャンバ内への廃液の流入方法をどのように選択するかに応じて、疎水性材料又は親水性材料から構成されるあるいは疎水性材料又は親水性材料によってコーティングされる、プレート、ポスト、又はスカートのうちの1つ又は複数を含むことができる。
図26、図27、図28a及び図28b、図29a及び図29bは、本明細書において説明するバイオリアクタシステムのそのような追加的な態様を図示している。
図26は、本明細書において説明するマルチウェル高処理能力バイオリアクタシステム2000の実施形態に関する写真である。
図27は、図26の実施形態2000の分解図である。そのような高処理能力設定は、上部プレート2020と、フィルタプレート2050と、廃液(すなわち、培地)収集チャンバ2070と、から構成される。組み立てられた時には、プレートどうしは、上部プレート2020を上にして「サンドイッチ」構成を形成し、フィルタプレート2050は、上部プレート2020の直下に位置し、フィルタ2040及びガスケット(又はOリング)2030を使用して、上部プレート2020とフィルタプレート2050との間にシールを形成する。廃液収集チャンバ2070は、フィルタプレート2050の直下に位置し、フィルタプレート2050と廃液チャンバ2070との間には、1つ又は複数のガスケットあるいはOリング2060が設けられている。符号2010は、ニードルなどの真空源装置を受容する上部プレート2020の各ウェルの上部開口内に適合する自己修復型環状シールである。
図28A及び図28Bは、マルチウェル高処理能力バイオリアクタシステム2000のウェルの相互汚染を防止しつつ、廃液チャンバ2070の単一ウェルへの分析物の効率的な収集を容易とする構造の構成に関する実施形態を示す図である。ウィッキングポスト2072は、廃液チャンバ2070の表面からフィルタプレート2050に向けて上向きに延びることができ、これにより、上部プレート2020のウェルからフィルタ2040及びフィルタプレート2050を通して押し出される分析物を収集することを補助することができる。この収集は、フィルタプレート2050のウェルの直径まわりの環状リップであるスカート2052であって、フィルタプレート2050から廃液チャンバ2070に向けて下向きに延びるスカート2052によって、促進することができる。フィルタプレート2050及び/又はスカート2052は、疎水性材料から構築することができる、あるいは、疎水性材料によってコーティングすることができる。また、フィルタプレート2050及び/又はスカート2052は、任意選択的に、親水性材料から構築することができる、あるいは、親水性材料によってコーティングすることができる。図28Aは、分析物が、フィルタプレート2050によって支持されたフィルタ2040の底部から、廃液チャンバ2070の廃液ウェル2072内へと落下する様子を示している。図28Bは、ウェル2072内に収集された分析物を示している。スカート2052及びポスト2072の配置は、一実施形態であり、当業者であれば、スカートのみの構成やあるいはポストのみの構成も妥当であることを、理解するであろう。
図29Aは、自己修復型環状シール2010内に挿入された圧力発生装置2080を有した実施形態2000の断面斜視図である。圧力発生装置2080は、圧力を監視するための圧力計を有し、プレートアセンブリによって作製されたバイオリアクタカラムを通しての流体の流れを駆動するための負圧又は正圧を生成し得るニードル及びシリンジを含む。図29Bは、実施形態2000における自己修復型環状シール2010内への圧力発生装置2080からのニードルの挿入を示す拡大図である。
本明細書において説明するバイオリアクタシステム3000の代替可能な実施形態が、図30に示されている。図30のバイオリアクタシステム3000は、3つの部材からなる設計を含み、ここで、フィルタ機構は、3Dヒドロゲルなどの他の材料ではなく、ナノ多孔性ポリカーボネートフィルタ膜3060a及び3060bである。右側の第1部材は、液体成長培地3012が配置されている供給ウェル3010から構成される。中央の第2部材は、培養液3022に加えてLLS3024と生物学的サンプル3026とが配置されている培養ウェル3020である。液体成長培地3012は、供給ウェル3010から、フィルタ膜3060aを通して、培養ウェル3020内へと流れる。このフィルタ膜3060aは、1つ又は複数のOリング3062を使用してシールされている。液体成長培地3012がLLS3024を通して流れた後に、それは、第1フィルタ3060aと同じ態様3062によってシールされ得る左側の第2膜3060bを通して流れる。その後、液体廃液3031は、左側に図示された廃液チャンバ3030内に収集される。3つすべての部材は、固定部材又は接着剤(図示せず)を使用して一緒にクランプ及び圧縮することができる。単一のチャンバが、供給ウェル3010を、培養チャンバ3020に、さらには廃液チャンバ3030に接続しており、そのチャンバ内において、液体成長培地3012は、1つのウェルから次のウェルへと流れる。組立後には、ガラスカバースリップ3040が、プレートの底部に固定され、これにより、培養ウェル3020を見ることができ、顕微鏡検査を行うことができる。真空圧力は、上述した自己修復性プラグ3038によってあるいはネジ機構によって、廃液収集ウェル3030のチャンバ3038内に生成することができる。この構成の変形例は、また、1つのプレートに複数の培養ウェルを含む、より高い処理能力を有した設計も含まれる。
それにもかかわらず、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な修正を行い得ることは、理解されよう。したがって、他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内にある。
特段に定義しない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語及び科学用語は、開示する本開示が属する当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書内で引用した文献、及び、それらが引用している資料は、参照により具体的に援用される。
当業者であれば、本明細書において説明する本開示の特定の実施形態に対する多くの均等物を認識するであろうし、また、単なる日常的な実験を使用して確認し得るであろう。そのような均等物は、以下の特許請求の範囲に含まれることが意図されている。
加えて、以下の実施形態及び特徴は、本明細書において提供する1つ又は複数の態様内にまた1つ又は複数の実施形態内に、組み込むことができる。以下は、上記において及び本明細書において提供する実施形態とともに組み込み得る、また、互いに1つ又は複数で組み込み得る、追加的な特徴を示すために提供される。本開示は、各特徴を独立して限定するものではなく、むしろ、これら特徴の1つ又は複数と、上記において及び本明細書において開示する1つ又は複数の特徴と、の様々な組合せが想定されている。

Claims (24)

  1. 顕微鏡検査可能なバイオリアクタシステムであって、
    1つ又は複数のバイオリアクタユニットを含み、前記1つ又は複数のバイオリアクタユニットのそれぞれは、
    3次元細胞成長培地によって充填されたサンプルウェルであって、前記3次元細胞成長培地は、複数のヒドロゲル粒子及び液体細胞培養培地を含み、前記ヒドロゲル粒子は、前記液体細胞培養培地によって膨潤して顆粒状ゲルを形成する、サンプルウェルと、
    第1フィルタ材料によって前記サンプルウェルに流体接続されている培地収集チャンバと、
    第2フィルタ材料によって前記サンプルウェルに流体接続された液体培地リザーバと、
    を含み、
    前記システムは、前記培地収集チャンバに対する負のゲージ圧の適用が、または前記液体培地リザーバに対する正圧の適用が、前記培地収集チャンバまたは前記液体培地リザーバ内の空気圧の変化を引き起こし、そして、前記液体培地リザーバから、前記第2フィルタ材料を通して、その後前記3次元細胞成長培地を通して、前記第1フィルタ材料を通して、最終的に前記培地収集チャンバ内への、流体の能動的な浸透とともに灌流を引き起こすように構成され、
    前記第1フィルタ材料は、前記膨潤したヒドロゲル粒子のサイズよりも小さな多孔性を有し、
    前記サンプルウェルの底部は、光学的に透明である、顕微鏡検査可能なバイオリアクタシステム。
  2. 前記培地収集チャンバに動作可能に接続された真空装置をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記真空装置は、ネジ駆動型アクチュエータを含み、前記ネジ駆動型アクチュエータは、前記培地収集チャンバに負のゲージ圧を能動的に提供するように構成された、前記培地収集チャンバ内に回転可能に取り付けられた駆動用止めネジを含む、請求項2に記載のシステム。
  4. 前記培地収集チャンバは、前記培地収集チャンバに流体接続された真空ポートであって、真空装置に着脱可能に接続可能である真空ポートを含む、請求項1に記載のシステム。
  5. 個別のサンプルウェルのアレイを含む、請求項1に記載のシステム。
  6. 前記アレイ中の各サンプルウェルは、別々の液体培地リザーバに流体接続されている、請求項5に記載のシステム。
  7. 前記アレイ中の各サンプルウェルは、同じ液体培地リザーバに流体接続されている、請求項5に記載のシステム。
  8. 前記システムは、外側リングと、中間リングと、中央チャンバとを含む環状配置を有し、
    前記液体培地リザーバは、前記外側リング内に配置され、
    前記サンプルウェルは、前記中間リング内に配置され、
    前記中央チャンバは、前記培地収集チャンバである、請求項1に記載のシステム。
  9. 前記システムは、外側リングと、中央チャンバとを含む環状配置を有し、
    前記サンプルウェルは、前記中央チャンバ内に配置され、
    前記培地収集チャンバは、前記外側リング内に配置され、
    前記液体培地リザーバは、前記中央チャンバ内において、前記サンプルウェルの上方に配置される、請求項1に記載のシステム。
  10. 前記3次元細胞成長培地は、降伏応力を有し、前記降伏応力よりも大きな剪断応力の適用時に、前記3次元細胞成長培地が第1の固体相から第2の液体相へと相変化する、請求項1に記載のシステム。
  11. 複数の細胞が、前記3次元細胞成長培地の領域内に配置される、請求項1に記載のシステム。
  12. 前記1つ又は複数のバイオリアクタユニットは、前記液体培地リザーバから前記サンプルウェルへ、さらに前記培地収集チャンバへの流体の水平方向流路のために構成される、請求項1に記載のシステム。
  13. ピペット尖端を受容するように構成され、且つ、前記サンプルウェルの底部から前記ピペット尖端の遠位端までの固定した高さを提供するように構成されたピペットガイドをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
  14. 前記1つ又は複数のバイオリアクタユニットは、前記液体培地リザーバから前記サンプルウェルへ、さらには前記培地収集チャンバへの流体の水平方向流路を有する互いに流体連通していない個別のユニットである、請求項1に記載のシステム。
  15. 複数の個別のバイオリアクタユニットをしっかりと保管及び輸送するように構成されたカセットをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
  16. 前記個別のユニットのそれぞれは、底面上に、前記個別のユニットの上部に向けて延びる突起を受容するように構成された、3つ以上の開口又は環状円錐台形状凹部を含む、請求項14に記載のシステム。
  17. 前記カセットは、複数のバイオリアクタユニットを受容するように構成されたチャンバを含み、前記チャンバは、複数の凹部を有した底面を有し、前記複数の凹部のそれぞれは、個々のバイオリアクタユニットをしっかりと着座させ得るように構成される、請求項15に記載のシステム。
  18. 前記底面の各凹部は、前記底面から上向きに延び、前記底面から遠位端に向けて先細りとなっている3つ以上の先細り形状の円錐台形状ポストを含み、それぞれの先細り形状ポストは、個別のバイオリアクタユニットの開口又は環状円錐台形状凹部内へと突出するように構成され、且つ、前記開口又は前記環状円錐台形状凹部にしっかりと嵌合するように構成される、請求項17に記載のシステム。
  19. 前記カセットは、ガスポートをさらに含む、請求項15に記載のシステム。
  20. 前記カセットは、熱源に動作可能に接続される、請求項15に記載のシステム。
  21. 前記液体培地リザーバと前記サンプルウェルとの間の流路内に配置された前記水平方向流路に流体接続された、薬剤送達のための注入ポートをさらに含む、請求項12に記載のシステム。
  22. 高処理能力バイオリアクタシステムであって、
    ウェルプレートであって、複数の開口を含み、前記複数の開口のそれぞれは、3次元細胞成長培地によって充填されたサンプルウェルを含み、前記3次元細胞成長培地は、複数のヒドロゲル粒子及び液体細胞培養培地を含み、前記ヒドロゲル粒子は、前記液体細胞培養培地によって膨潤して顆粒状ゲルを形成する、ウェルプレートと、
    フィルタと、
    複数の開口を含む中央プレートと、
    ベースプレートであって、フィルタ材料によって前記サンプルウェルに流体接続された1つ又は複数の培地収集チャンバを含むベースプレートと、を含み、
    前記ウェルプレートの底部は、前記中央プレートの上部と嵌合して前記フィルタを挟むように構成され、前記中央プレートの底部は、前記ベースプレートの上部と嵌合するように構成され、これにより、嵌合時には、前記ウェルプレートの前記サンプルウェルは、前記フィルタを通して前記中央プレートに流体連通し、前記中央プレートは、前記1つ又は複数の培地収集チャンバに流体連通し、これにより、前記ウェルプレートから前記フィルタを通してさらに前記中央プレートを通してそして前記ベースプレートへの鉛直方向流体流路を有した複数のバイオリアクタが形成され、
    前記システムは、前記培地収集チャンバに対する負のゲージ圧の適用が、前記培地収集チャンバ内の空気圧の変化を引き起こし、そして、前記3次元細胞成長培地を浸透させた前記サンプルウェルから、前記フィルタを通して、最終的に前記培地収集チャンバ内への、流体の能動的な吸引を引き起こすように構成され、
    前記フィルタ材料は、前記膨潤したヒドロゲル粒子のサイズよりも小さな多孔性を有する、高処理能力バイオリアクタシステム。
  23. デュアルフローバイオリアクタシステムであって、
    第1液体リザーバと、
    サンプルウェルであって、前記サンプルウェルは、3次元細胞成長培地によって充填され、前記3次元細胞成長培地は、複数のヒドロゲル粒子及び液体細胞培養培地を含み、前記ヒドロゲル粒子は、前記液体細胞培養培地によって膨潤して顆粒状ゲルを形成する、サンプルウェルと、
    第1培地収集チャンバと、
    第2液体リザーバと、
    第2培地収集チャンバと、
    第1真空装置と、
    第2真空装置と、を含み、
    前記第1真空装置は、前記第1培地収集チャンバに動作可能に接続され、
    前記第2真空装置は、前記第2培地収集チャンバに動作可能に接続され、
    前記第1液体リザーバは、第1フィルタ材料を通して前記サンプルウェルに流体連通し、前記サンプルウェルは、前記第1フィルタ材料を通して前記第1培地収集チャンバに流体連通し、これにより、第1灌流流路を形成し、前記第1フィルタ材料は、前記膨潤したヒドロゲル粒子のサイズよりも小さい多孔性を有し、
    前記第2液体リザーバは、第2フィルタ材料を通して前記サンプルウェルに流体連通し、前記サンプルウェルは、前記第2フィルタ材料を通して前記第2培地収集チャンバに流体連通し、これにより、第2灌流流路を形成し、前記第2フィルタ材料は、前記膨潤したヒドロゲル粒子のサイズよりも小さい多孔性を有し、
    前記システムは、前記システムの底部から前記サンプルウェルへの異なる高さ位置のところにおいて前記第1灌流流路と前記第2灌流流路とが互いに直交するように構成され、
    前記システムは、前記第1培地収集チャンバに対する、又は前記第2培地収集チャンバに対する、又はこれら両方に対する負のゲージ圧の適用が、前記第1培地収集チャンバ内、又は前記第2培地収集チャンバ内、又はこれら両方のチャンバ内の空気圧の変化を引き起こし、そして、前記3次元細胞成長培地を浸透させた、前記第1液体リザーバからの又は前記第2液体リザーバからの又はこれら両方からの、前記第1フィルタ材料を通しての又は前記第2フィルタ材料を通しての又はこれら両方を通しての、そして最終的に、前記第1培地収集チャンバ内への又は前記第2培地収集チャンバ内への又はこれら両方内への、流体の能動的な吸引を引き起こすようにさらに構成される、デュアルフローバイオリアクタシステム。
  24. 灌流が可能とされたバイオリアクタの使用方法であって、
    請求項1に記載の1つ又は複数のバイオリアクタシステムを準備することと、
    生物学的サンプルを準備することと、
    次元細胞成長培地を準備することと、
    前記バイオリアクタの培養チャンバ内に前記3次元細胞成長培地を配置することと、
    前記3次元細胞成長培地内に前記生物学的サンプルを分注することと、
    正又は負のゲージ圧を前記バイオリアクタに適用し、これにより、能動的な灌流によって流体を前記3次元細胞成長培地内へと吸引することと、を含む、方法。
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