JP7449807B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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Description

本発明は、生理用ナプキン、パンティライナー、失禁パッド等の吸収性物品に係り、詳細には肌当接面の所定領域にローション層が設けられた吸収性物品に関する。
従来より、着用者の皮膚の痒みやかぶれなどの肌トラブルを防止する目的で、ローション剤を塗布した吸収性物品が知られている。例えば、下記特許文献1には、表面シートの一部又は全体に、該表面シートを親水化する親水化剤が保持され、一対の立体ギャザー及び/又は一対のレッグギャザーの一部又は全体に、ギャザーを撥水化する撥水化剤でもあるスキンケア剤が保持されることが開示されている。また、下記特許文献2には、スキンケア組成物がカフスに配置された吸収体が開示されている。
特開2012-110414号公報 特表2002-509457号公報
上記特許文献1、2に記載された吸収性物品では、スキンケア剤が立体ギャザーやレッグギャザーのほぼ全長に亘って塗布されているため、着用者の肌トラブルが確実に防止できるようになっているが、スキンケア剤の塗布によりギャザーを形成する撥水性の不織布が親水化する懸念があり、これによって吸収性物品の吸収性能が低下するおそれがある。
一方、就寝時に寝返りが多い着用者にとっては、肌当接面側の両側部に肌側に起立する立体ギャザーが形成されるとともに、吸収性物品後方の両側部にそれぞれ側方に延在するヒップホールド用フラップが形成された夜用生理用ナプキンの使用が不可欠になっている。ところが、この夜用生理用ナプキンを装着した就寝時に、ヒップホールド用フラップのヨレやシワによる表面の凹凸や、立体ギャザーの肌当接部表面の凹凸により、肌面が擦れて皮膚の痒みやかぶれ等の肌トラブルが発生することがあった。
そこで本発明の主たる課題は、吸収性能を低下させることなく、肌トラブルが生じるのを防止した吸収性物品を提供することにある。
上記課題を解決するために第1の態様として、肌当接面側の両側部にそれぞれ、前後方向の全長に亘ってサイド不織布が配設され、
前記サイド不織布は、吸収性物品の幅方向外方側部分の後方が、側方に延在するヒップホールド用フラップを形成しており、
吸収性物品後方の前記サイド不織布の肌当接面に、ローション層が設けられ、これより前方の前記サイド不織布及びその他の部材には、前記ローション層が設けられていないことを特徴とする吸収性物品が提供される。
上記第1の態様では、吸収性物品後方のサイド不織布の肌当接面に、ローション層が設けられているため、就寝時の寝返りによってズレやヨレが発生しやすい後方部分(ヒップ部分)が肌面と擦れることによる肌トラブルが防止できる。一方、サイド不織布の前方部分及びその他の部材(特に、表面シート)には、前記ローション層が設けられていないため、ローション剤の塗布により撥水性のサイド不織布が親水化したり、表面シートの親水性が低下したりするのが防止でき、吸収性物品の吸収性能が低下するのを防ぐことができる。
第2の態様として、前記吸収性物品を個別包装するときに前記ヒップホールド用フラップを吸収性物品の肌当接面側に折り返す折り線より幅方向外側に、前記ローション層が設けられており、前記折り線より幅方向内側の前記サイド不織布に、前記ヒップホールド用フラップを前記折り線で折り返したときの前記ローション層の転写領域が設けられている請求項1記載の吸収性物品が提供される。
上記第2の態様では、個装時の折り線より幅方向外側にローション層を設け、個装時に前記折り線でヒップホールド用フラップを折り返すことにより、前記折り線に対して線対称の位置に、前記ローション層のローション剤が転写された転写領域が形成されるようにしている。このため、ローション層を設ける領域を最小限に抑えることができ、余計な部分にローション剤が付着するのが防止できる。
第3の態様として、前記サイド不織布は、吸収性物品の幅方向内方側部分が、着用者の肌側に向けて起立する立体ギャザーを形成しており、
前記立体ギャザーでは、起立先端側の装着時に着用者の肌面が直接接触する部分に、前記ローション層が設けられ、起立中間部分には前記ローション層が設けられていない請求項1、2いずれかに記載の吸収性物品が提供される。
上記第3の態様では、立体ギャザーにローション層を設ける場合、立体ギャザーの起立先端側の装着時に着用者の肌面が直接接触する部分に、前記ローション層を設け、起立中間部分には設けないようにしている。このため、サイド不織布本来の撥水性や親水性の性能がローション層によって変化することなく、立体ギャザーの機能が低下するのが抑えられる。
第4の態様として、前記サイド不織布の幅方向内方側部分は、前後方向中間部に着用者の肌側に向けて起立する立体ギャザーが形成されるとともに、前後方向両端部にそれぞれ非起立部分が形成されており、
後方の前記非起立部分に前記ローション層が設けられ、前記立体ギャザーには前記ローション層が設けられていない請求項1、2いずれかに記載の吸収性物品が提供される。
上記第4の態様では、立体ギャザーが形成されるサイド不織布の幅方向内方側部分のうち、前後方向に対して、立体ギャザーが形成される中間部にはローション層を設けず、後方の非起立部分にローション層を設けるようにしている。このため、立体ギャザーの全体が、ローション層を設けることによるサイド不織布の機能変化を生じなくなり、体液の塞き止め効果が維持できるようになる。
以上詳説のとおり本発明によれば、吸収性能を低下させることなく、肌トラブルが生じない吸収性物品が提供できるようになる。
本発明の第1形態例に係る生理用ナプキン1を示す、一部破断展開図である。 図1のII-II線矢視図である。 図1のIII-III線矢視図である。 図1のIV-IV線矢視図である。 第2形態例に係る生理用ナプキン1Aを示す展開図である。 個装のため両側のフラップ部を折り畳んだ生理用ナプキン1Aを示す平面図である。 第3形態例に係る生理用ナプキン1Bを示す展開図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
〔第1形態例〕
(生理用ナプキン1の基本構造)
本発明の第1形態例に係る生理用ナプキン1は、図1~図4に示されるように、ポリエチレンシートなどからなる不透液性の裏面シート2と、経血やおりものなど(以下、まとめて体液ともいう。)を速やかに透過させる透液性の表面シート3と、これら両シート2,3間に介装された綿状パルプまたは合成パルプなどからなる吸収体4と、肌当接面側の両側部に前後方向に沿ってほぼ全長に亘って設けられたサイド不織布7とを備え、かつ前記吸収体4の周囲においては、その前後端縁部では前記裏面シート2と表面シート3との外縁部がホットメルトなどの接着剤やヒートシール、超音波シール等の接合手段によって接合され、またその両側縁部では吸収体4よりも側方に延出している前記裏面シート2と前記サイド不織布7とがホットメルトなどの接着剤やヒートシール、超音波シール等の接合手段によって接合されることにより、吸収体が介在しないフラップ部が形成されたものである。なお、図示例では、前記吸収体4の形状保持および拡散性向上のために、前記吸収体4をクレープ紙又は不織布などからなる被包シート5で囲繞しているが、この被包シート5は設けなくてもよい。また、図示しないが、前記表面シート3の非肌側に隣接して、前記表面シート3とほぼ同形状の親水性の不織布などからなるセカンドシートを配設してもよい。
以下、さらに前記生理用ナプキン1の構造について詳述すると、
前記裏面シート2は、ポリエチレン等の少なくとも遮水性を有するシート材が用いられるが、蒸れ防止の観点から透湿性を有するものを用いるのが望ましい。この遮水・透湿性シート材としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を溶融混練してシートを成形した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートが好適に用いられる。前記裏面シート2の非肌側面(外面)にはナプキン前後方向に沿って1または複数条の粘着剤層(図示せず)が形成され、身体への装着時に生理用ナプキン1を下着に固定するようになっている。前記裏面シート2としては、プラスチックフィルムと不織布とを積層させたポリラミ不織布を用いてもよい。
次いで、前記表面シート3は、有孔または無孔の不織布や多孔性プラスチックシートなどが好適に用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、スパンレース法は柔軟性、ドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法は嵩高で圧縮復元性が高い点で優れている。前記表面シート3に多数の透孔を形成した場合には、体液が速やかに吸収されるようになり、ドライタッチ性に優れたものとなる。不織布の繊維は、長繊維または短繊維のいずれでもよいが、好ましくはタオル地の風合いを出すため短繊維を使用するのがよい。また、エンボス処理を容易とするために、比較的低融点のポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系繊維のものを用いるのがよい。また、融点の高い繊維を芯とし融点の低い繊維を鞘とした芯鞘型繊維やサイド-バイ-サイド型繊維、分割型繊維の複合繊維を好適に用いることもできる。
前記裏面シート2と表面シート3との間に介在される吸収体4は、たとえば綿状パルプと吸水性ポリマーとにより構成されている。前記吸水性ポリマーは吸収体を構成するパルプ中に、例えば粒状粉として混入されている。前記パルプとしては、木材から得られる化学パルプ、溶解パルプ等のセルロース繊維や、レーヨン、アセテート等の人工セルロース繊維からなるものが挙げられ、広葉樹パルプよりは繊維長の長い針葉樹パルプの方が機能および価格の面で好適に使用される。前記吸収体4の目付は、100~750g/m、好ましくは200~700g/mとするのがよい。ただし、後述する中高部6を設ける場合、中高部6以外の周辺部では100~480g/m(吸収体4の目付)、中高部6では200~750g/m(中高部6及び吸収体4の合計目付)とするのが好ましい。
また、前記吸収体4には合成繊維を混合しても良い。前記合成繊維は、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系、ナイロンなどのポリアミド系、及びこれらの共重合体などを使用することができるし、これら2種を混合したものであってもよい。また、融点の高い繊維を芯とし融点の低い繊維を鞘とした芯鞘型繊維やサイド-バイ-サイド型繊維、分割型繊維などの複合繊維も用いることができる。前記合成繊維は、体液に対する親和性を有するように、疎水性繊維の場合には親水化剤によって表面処理したものを用いるのが望ましい。
前記吸収体4の肌側面には、肌側に増厚された吸収体の中高部6が形成されている。前記吸収体4及び中高部6は、それぞれ別個に製造した後、組立工程で積層してもよいし、吸収体を立体的に積繊することによって一体的に形成してもよい。また、吸収体4の上段に中高部6を積繊する二段積繊構造としてもよい。
少なくとも体液排出部Hに対応する領域の両側に、表面シート3の肌当接面側から非肌側に向けて窪ませたエンボス部10が、適宜の平面形状で形成されている。図示例では、着用者の体液排出部Hに対応する領域の両側にそれぞれ、ナプキン前後方向に延びるエンボス部10Aと、その前方の幅方向中央部に前方に向けて膨出する略三日月形の平面形状からなるエンボス部10Bと、前記エンボス部10Aの後方の着用者の臀部に対応する領域の両側にそれぞれ、ナプキン前後方向に延びるエンボス部10Cと、その後方の幅方向中央部に後方に向けて膨出する湾曲形状からなるエンボス部10Dとが設けられている。
前記表面シート3の幅寸法は、図示例では、図2~図4の横断面図に示されるように、吸収体4の幅よりも若干長めとされ、吸収体4を覆うだけに止まり、それより外方側は前記表面シート3とは別のサイド不織布7、具体的には経血やおりもの等が浸透するのを防止する、あるいは肌触り感を高めるなどの目的に応じて、適宜の撥水処理または親水処理を施した不織布素材を用いて構成されたサイド不織布7が配設されている。かかるサイド不織布7としては、天然繊維、合成繊維または再生繊維などを素材として、適宜の加工法によって形成されたものを使用することができるが、好ましくはゴワ付き感を無くすとともに、ムレを防止するために、坪量を抑えて通気性を持たせた不織布を用いるのがよい。具体的には、坪量を13~23g/mとして作製された不織布を用いるのが望ましく、かつ体液の透過を確実に防止するためにシリコン系、パラフィン系、アルキルクロミッククロリド系撥水剤などをコーティングした撥水処理不織布が好適に使用される。
前記サイド不織布7は、図2~図4に示されるように、幅方向中間部より外側部分を所定の内側位置から裏面シート2の外縁までの範囲に亘ってホットメルトなどの接着剤によって接着し、これら前記サイド不織布7と裏面シート2との積層シート部分により吸収体4の両側部に吸収体4が介在しないフラップ部が形成されている。このフラップ部は、ほぼ着用者の体液排出部Hに相当する吸収体側部位置に左右一対のウイング状フラップW、Wを形成するとともに、これより臀部側(後部側)位置にヒップホールド用フラップW、Wを形成する。これらウイング状フラップW、Wおよびヒップホールド用フラップW、Wの外面側にはそれぞれ粘着剤層(図6の8a、8b参照。)が備えられ、ショーツに対する装着時に、前記ウイング状フラップW、Wを基端部の折返し線RL(図1参照。)位置にて反対側(裏面シート2側)に折り返し、ショーツのクロッチ部分に巻き付けて止着するとともに、前記ヒップホールド用フラップWをショーツの内面に止着するようになっている。本生理用ナプキン1では、少なくとも前記ヒップホールド用フラップWが設けられていれば、前記ウイング状フラップWを設けることは任意であり、特段設けなくてもよい。
一方、前記サイド不織布7の内方側部分はほぼ二重に折り返されるとともに、この二重シート内部の前後方向中間部に、両端または前後方向の適宜の位置が固定された1又は複数本の、図示例では3本の糸状弾性伸縮部材9、9…が伸長状態で配設されている。この二重シート部分は前後端部では図4に示されるように、外側に1回折り返して積層された状態で吸収体4側に接着された非起立部分7bを形成している。これによって、図2及び図3に示されるように、前後方向中間部の前記糸状弾性伸縮部材9…の配置範囲が、前記糸状弾性伸縮部材9…の収縮力により肌側に起立する立体ギャザーBS、BSが左右対で形成される。前記糸状弾性伸縮部材9…は、立体ギャザーBSの起立先端部と、二重シート部分を外側に1回折り返した折り返し部(サイド不織布7のナプキン内方側の端縁7a近傍)と、これらの中間部とにそれぞれ1本ずつ配置され、それより起立方向の下側には配置されていない。この糸状弾性伸縮部材9…が配置された二重シート部分の折り返し部の外面が、生理用ナプキン1の装着時に、着用者の肌面に密着するようになっている。
前記立体ギャザーBSの断面形状は、上記形態例では図2及び図3に示されるように、起立方向中間部で1回屈曲させた断面略く字状に形成されているが、2回屈曲させた断面略Z状や屈曲部を有さない直線状など、公知の形態を広く採用することが可能である。ただし、立体ギャザーBSの起立先端の肌に当接する部分が、所定幅を有する明確な面を形成するように、起立方向中間部で1回又は2回以上屈曲させた断面略く字状や略Z状とするとともに、肌当接面となる起立先端側の折り返し部に糸状弾性伸縮部材9を少なくとも両側部に配置した構造とするのが好ましい。これにより、立体ギャザーBSの起立先端の肌当接部が所定幅を有する面状に形成されるため、後述するローション層11の配置領域を明確化することができる。
(ローション層)
本生理用ナプキン1では、ナプキン後方のサイド不織布7の肌当接面に、ローション層11が設けられ、これより前方のサイド不織布7及びその他の部材には、前記ローション層11が設けられていない。前記ローション層11は、サイド不織布7との接触による刺激から皮膚を保護するものであり、サイド不織布7における着用者の肌が直接接触する面に塗布等されることにより保持されたローション剤によって構成されている。
前記「その他の部材」とは、サイド不織布7以外の生理用ナプキン1を構成する全ての部材を含み、特に、吸収体4の肌側を覆う表面シート3が含まれる。また、前記ローション層11が設けられないとは、ローション剤が全く塗布されない場合の他、前記ローション層11にローション剤を塗布する際に周囲に若干飛び散ったり、はみ出たりして、ローション層11に保持されたローション剤の塗布目付と比較して格段に小さな目付でローション剤が付着した場合も含む概念である。
前記ローション剤は、グリセリンを主成分とした組成とするのが好ましい。前記グリセリンを主成分とすることにより、保湿作用、潤滑作用に優れるようになる。特に好ましくは、グリセリン70~90重量%、及び水10~30重量%を含むものである。このようにグリセリンを主体とし、適量の水を含むローション剤は、肌に転写されたときに保湿剤として好ましいだけでなく、水がグリセリン中に結合水として保持(グリセリンは水の保持性が極めて高い)され、腐りにくいため好ましい。すなわち、このような観点から、水を含むローション剤を用いる場合において、グリセリンを多量に含有させ、表面水分率を十分(例えば3~10%)に確保しつつ、ローション剤の水分活性値を低く、例えば0.8以下、より好ましくは0.3~0.7、特に好ましくは0.3~0.5に抑えると、防腐剤を含有せずとも微生物の繁殖が抑制され、保存性が良好となるとともに、肌に転写されたときの保湿効果も高いものとなる。
前記ローション剤は、添加剤として、乳化剤、リン酸エステル、パラフィン及び界面活性剤の群から選ばれた一種又は複数種の添加剤を含むことができる。界面活性剤としては、エーテル型非イオン系界面活性剤、EO/PO型を含む非イオン系界面活性剤が好ましい。商品の保存性を向上させるために、ローション剤は防腐剤を含有していてもよいが、ローション剤は肌に転写されて肌を潤すものであるため、防腐剤を含有しないことが望ましい。
前記ローション剤の塗布方法としては、スプレーなどの非接触式、スロットなどの接触式のいずれでもよく、この他に印刷技術を応用したグラビア塗工やフレキソ塗工などを用いてもよい。
前記ローション層11におけるローション剤の塗布目付(ローション剤の塗布領域における目付)は、1~15g/m、好ましくは2~10g/mが望ましい。後段の第2形態例で説明する転写領域12を設ける場合のローション層11Aへの塗布目付は、転写領域12への転写量を考慮して、2倍の2~30g/m、好ましくは4~20g/mが望ましい。
図1に示される実施形態例では、前記ローション層11は、生理用ナプキン1の前後方向中央から後端にかけての、サイド不織布7の肌当接面のほぼ全面に設けられている。前記立体ギャザーBSにおいては、起立先端側の装着時に着用者の肌に密着する面であって、3本の糸状弾性伸縮部材9…が配置された二重シート部分の幅方向外側への折り返し部の肌に対向する面に、前記ローション層11が設けられている。また、ヒップホールド用フラップWにおいては、サイド不織布7の肌当接面に設けられている。
前記ローション層11は、図1に示されるように、生理用ナプキン1の前後方向に対して、丁度半分の位置を含むこれより後側に設けるのが好ましい。すなわち、前記ローション層11は、生理用ナプキン1の前後方向に対して、丁度半分の位置を含むこれより後側、より好ましくは丁度半分の位置に前端が位置しており、好ましくは生理用ナプキン1の後端、後述する第2形態例の場合は生理用ナプキン1の後端近傍に後端が位置するのが好ましい。生理用ナプキン1の後方は装着時にヨレやズレが発生しやすく、肌が擦れやすい部分のため、ローション層11を設けることにより擦れのダメージから肌を保護できる。
前記ローション層11は、サイド不織布7の後方部分にのみ設けられ、サイド不織布7の前方部分や、その他の生理用ナプキン1を構成する部材、特に表面シート3には設けられていない。生理用ナプキン1の後方部分は、仰向け寝などの際、身体(臀部)と布団との間に介在してガサツキ感や違和感を感じやすい部分であり、シワやヨレにより生じた凹凸のうち肌側への凸部が皮膚と接触して皮膚の痒みやかぶれ等の肌トラブルを誘発しやすい部分である。このため、本生理用ナプキン1では、このような肌トラブルの原因となる生理用ナプキン1の後方部分にのみローション層11を設けることにより、擦れなどから肌を保護できるようにしている。特に、ヒップホールド用フラップWは、吸収体4が介在しない裏面シート2とサイド不織布7との貼り合わせシートからなるため、裏面シート2のゴワ付き感が嵩高の吸収体4を介さずに直接的に肌に伝達されやすい領域であるため、この領域にローション層11を設けることは、肌トラブルの防止効果に大きく寄与するものである。
一方、生理用ナプキン1の前方には前記ローション層11が設けられていないため、体液排出部に対応する領域とその周辺での体液の吸収や拡散が前記ローション層11によって阻害されることなく、体液の吸収性能を維持することができる。更に、サイド不織布7以外の部材、特に表面シート3に前記ローション層11が設けられていないため、ローション層11により表面シート3の親水性が低下するおそれがなく、体液の吸収性能を維持できる。
前記立体ギャザーBSでは、図3に示されるように、起立先端側の装着時に着用者の肌面が直接接触する部分に、前記ローション層11が設けられ、起立中間部分には前記ローション層11が設けられないようにするのが好ましい。サイド不織布7にローション層11を設けることにより、不織布本来の撥水性や親水性などの性能が変化するおそれ(例えば、撥水性の不織布がローション層11により親水化するおそれ)があるが、体液を塞き止める立体ギャザーBSの起立中間部分には前記ローション層11が設けられていないため、不織布本来の機能が発揮でき、立体ギャザーの機能が低下するのが防止できる。前記ローション層11が設けられる前記立体ギャザーBSの起立先端側の部分とは、立体ギャザーBSのうち装着時に着用者の肌面に直接接触する部分であって、図3に示される実施形態例では、前記3本の糸状弾性伸縮部材9…が配置された二重シート部分の折り返し部のことである。
〔第2形態例〕
次に、本発明の第2形態例に係る生理用ナプキン1Aについて、図5及び図6に基づいて説明する。本第2形態例の生理用ナプキン1Aでは、上記第1形態例の生理用ナプキン1と異なる点について説明し、第1形態例の生理用ナプキン1と同じ点については、図面に同様の符号を付して、説明を省略する。
第2形態例の生理用ナプキン1Aでは、図5及び図6に示されるように、生理用ナプキン1Aを個別包装するときに前記ヒップホールド用フラップWを生理用ナプキン1Aの肌当接面側に折り返す折り線Lより幅方向外側に、前記ローション層11Aが設けられており、前記折り線Lより幅方向内側の前記サイド不織布7に、前記ヒップホールド用フラップWを前記折り線Lで折り返したときの前記ローション層11の転写領域12が設けられている。前記生理用ナプキン1Aでは、ローション剤が前記ローション層11Aにのみ塗布され、このローション層11Aに塗布されたローション剤が、個装時のヒップホールド用フラップWの折り返しによって、折り線Lに対して線対称の位置に転写されるようになっている。
前記ローション層11Aは、折り線Lの直ぐ外側から所定幅を有するナプキン前後方向に長い帯状(長方形状)に形成するのが好ましく、これによって前記転写領域12も同様に、前記折り線Lの直ぐ内側から所定幅を有するナプキン前後方向に長い帯状(長方形状)に形成されるようになる。なお、前記ローション層11Aは、図6に示されるように、ヒップホールド用フラップWを折り線Lで折り返した状態で、サイド不織布7の肌当接面同士が対面する領域に設けられていれば、上記の長方形状に限らず、任意の形状、例えば、生理用ナプキン1Aの前後方向の端縁を、生理用ナプキン1Aの外形線の形状に沿った形状で形成してもよい。
第2形態例に係る生理用ナプキン1Aでは、個装時のヒップホールド用フラップWの折り返しにより、ヒップホールド用フラップWに設けられたローション層11Aのローション剤が転写されるため、ローション剤の塗布領域を最小化することができ、余計な部分にローション剤が付着するのが防止できる。特に、ローション剤をスプレー塗布する場合、非接触型のため周囲への飛び散りが多くなる傾向にあるが、本実施形態例では、前記ローション層11Aがヒップホールド用フラップWにのみ塗布され、表面シート3と隣接する立体ギャザーBS部分にはローション剤が直接塗布されず、ローション層11Aのローション剤が転写されることにより保持されるため、表面シート3へのローション剤の飛び散りをほとんど無くすことができる。また、前記ローション層11Aが、ヒップホールド用フラップWを折り線Lで折り返した際のサイド不織布7の肌当接面同士が対面する領域に設けられているため、生理用ナプキン1Aを個別包装のため小さく折り畳んだときでも、ローション剤が表面シート3や裏面シート2などのサイド不織布7以外の部材に付着するのが防止でき、生理用ナプキン1Aの吸収性能に悪影響を及ぼすおそれがなくなる。
前記ローション層11Aと折り線Lとのナプキン幅方向の離隔距離は、ローション層11Aと転写領域12とが連続して設けられるように、0(離隔させない)とするのが望ましいが、10mm以下の範囲内で離隔させてもよい。
また、図5に示されるように、前記転写領域12とサイド不織布7のナプキン内方側の端縁7aとのナプキン幅方向の離隔距離Cは無くてもよいが、図示例のように、若干の隙間を形成した方が、個装時の折り畳みによって加圧された際にも、ローション層11Aのローション剤が表面シート3側にはみ出るのが防止できるので好ましい。この離隔距離Cとしては、例えば、1~10mmとすることができる。
なお、前記生理用ナプキン1Aを個別包装するには、図6に示されるように、両側のフラップ部を前記折り線Lで折り返した状態で、ウイング状フラップW及びヒップホールド用フラップWに備えられた粘着剤層8a、8bを一体的に覆うフラップ用剥離シート13を配置するとともに、本体部分の裏面シート2の非肌側面に備えられた図示しない粘着剤層を覆う図示しない本体用剥離シートを配置し、該本体用剥離シートの外面側に、生理用ナプキン1Aより若干大きな寸法で形成された図示しない包装シートを配置し、前記包装シートともに、生理用ナプキン1Aを前後方向に複数に、好ましくは4つに折り畳み、開口する包装シートの両側部をそれぞれヒートシールするとともに、開封端部をテープ等で止着する。
〔第3形態例〕
次に、本発明の第3形態例に係る生理用ナプキン1Bについて、図7に基づいて説明する。本第3形態例の生理用ナプキン1Bでは、上記第1形態例の生理用ナプキン1と異なる点について説明し、第1形態例の生理用ナプキン1と同じ点については、図面に同様の符号を付して、説明を省略する。
第3形態例の生理用ナプキン1Bでは、図7に示されるように、ヒップホールド用フラップWにローション層11Bが設けられるとともに、サイド不織布7のナプキン幅方向内方側の二重シート折り返し部分では、後端部の非起立部分7bにローション層11Bが設けられ、前後方向中間部の立体ギャザーBSにはローション層11Bが設けられていない。立体ギャザーBSは、体液が付着する可能性があるため、ローション剤の塗布によりサイド不織布7の機能が変化するのは好ましくなく、ローション剤を塗布しないことにより、立体ギャザーBSとしての効果がより確実に発揮でき、漏れ防止効果が高くなると考えられる。
前記ヒップホールド用フラップWに設けられるローション層11Bは、生理用ナプキン1Bの後方、具体的には生理用ナプキン1Bの前後方向中央より後方であって、立体ギャザーBSと隣接する領域にも設けられているが、装着時における立体ギャザーBSの外側への倒れ込みにより、立体ギャザーBSにローション層11Bのローション剤が転写されるのを防ぐため、立体ギャザーBSより後方の、前記非起立部分7bと隣接する部分にのみローション層11Bを設けてもよい。
前記非起立部分7bにローション層11Bを設ける際は、非起立部分7bのサイド不織布7を吸収体4側に接着する接着剤の塗布領域と同じ範囲にローション剤を塗布するのが好ましい。
〔他の形態例〕
上記形態例では、サイド不織布7の内方側部分によって着用者の肌側に向けて起立する立体ギャザーBSが形成されていたが、この立体ギャザーBSは設けなくてもよい。つまり、サイド不織布7の内方側部分は、全長に亘って表面シート3に接合してもよい。この場合は、前記糸状弾性伸縮部材9…も配置されていない。
1・1A・1B…生理用ナプキン、2…裏面シート、3…表面シート、4…吸収体、5…被包シート、6…中高部、7…サイド不織布、9…糸状弾性伸縮部材、10…エンボス部、11・11A・11B…ローション層、12…転写領域

Claims (4)

  1. 肌当接面側の両側部にそれぞれ、前後方向の全長に亘ってサイド不織布が配設され、
    前記サイド不織布は、吸収性物品の幅方向外方側部分の後方が、側方に延在するヒップホールド用フラップを形成しており、
    吸収性物品後方の前記サイド不織布の肌当接面に、ローション層が設けられ、これより前方の前記サイド不織布及びその他の部材には、前記ローション層が設けられていないことを特徴とする吸収性物品。
  2. 前記吸収性物品を個別包装するときに前記ヒップホールド用フラップを吸収性物品の肌当接面側に折り返す折り線より幅方向外側に、前記ローション層が設けられており、前記折り線より幅方向内側の前記サイド不織布に、前記ヒップホールド用フラップを前記折り線で折り返したときの前記ローション層の転写領域が設けられている請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記サイド不織布は、吸収性物品の幅方向内方側部分が、着用者の肌側に向けて起立する立体ギャザーを形成しており、
    前記立体ギャザーでは、起立先端側の装着時に着用者の肌面が直接接触する部分に、前記ローション層が設けられ、起立中間部分には前記ローション層が設けられていない請求項1、2いずれかに記載の吸収性物品。
  4. 前記サイド不織布の幅方向内方側部分は、前後方向中間部に着用者の肌側に向けて起立する立体ギャザーが形成されるとともに、前後方向両端部にそれぞれ非起立部分が形成されており、
    後方の前記非起立部分に前記ローション層が設けられ、前記立体ギャザーには前記ローション層が設けられていない請求項1、2いずれかに記載の吸収性物品。
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