JP7449115B2 - 医療デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、例えばインターベンション治療に適用可能な医療デバイスに関するものである。
下記特許文献1には、心臓、血管、肝臓、脳、消化器、泌尿器などの病気に対する治療法の一つであるインターベンション治療に用いられ、患者の生体管腔内に挿入される医療器具(カテーテル、ガイドワイヤなどの挿入器具)を操作するカテーテル操作用ロボットが開示されている。
特許文献1の発明は、術者が患者から離れた位置で操作用のインターフェースを操作することで、清潔野に配置されたロボットが動作する。ロボットは、当該ロボットにセットされた医療器具を直進移動(生体内への挿入方向に沿う進退移動)させたり、回転移動させたりすることにより、術者の手元での操作を代替する。
特開2017-205546号公報
臨床においては、より高品質な医療を提供するため、特許文献1の発明のようなロボットを用いたインターベンション治療の需要が高まりつつある。しかしながら、手技の内容によっては、特許文献1の発明の操作方法と、コンベンショナルな手技におけるカテーテルの操作方法とが異なるものとなる場合がある。
そのため、ロボット操作に必要なインターフェースの操作方法の習熟度が高まるにつれて、コンベンショナルなカテーテル操作技術の習熟度が次第に低下する虞がある。
また、特許文献1の発明にカテーテルを装着させた状態で治療したとしても、この発明自体が装着された医療器具を術者が直接操作することを想定して構成されていないため、コンベンショナルな治療時と同じ操作感で治療することは難しく、術者の手技レベルが高かったとしても適切な治療が行えない虞もある。
一方で、コンベンショナルなインターベンション治療において、カテーテルを挿入する場合、術者は、カテーテルを把持し、進退方向および回転方向への操作量を調整しながら手技を進めていく。このとき、カテーテル先端の動きは、管腔内での撓みなどは発生するものの、手元の動きによって略一義的に決定される。
そのため、比較的細い血管や湾曲した血管内を移動させるような精細な動きが求められる場面においては、術者の手の器用さ(分解能)が少なからず影響することもあり、術者の能力に因っては一定水準以上の治療が提供できないこともある。
このように、インターベンション治療においては、ロボットを用いることで高品質な治療を提供することができる反面、術者のコンベンショナルな手技レベルの低下が問題視されており、低侵襲化を図りつつ医療事故を防止するためにも、術者の手技レベルを一定の水準以上に保ちつつ、医療品質の更なる向上が図れる新規の医療デバイスの開発が望まれている。
本発明の少なくとも一実施形態は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、具体的には、術者の手技レベルの低下が防止できると共に、必要に応じて医療器具の動作がサポートされて高品質な治療を施すことができる医療デバイスを提供することにある。
本実施形態に係る医療デバイスは、患者の生体管腔内における処置対象部位に送達される長尺な医療器具を所定方向に動作させる駆動部と、術者が前記医療器具を遠隔操作する際に入力された入力量に基づいて、前記駆動部に前記医療器具を動作させる入力部と、動作モードして、術者が前記医療器具を直接操作する手動モードと、前記入力部で前記医療器具を遠隔操作して動作させる自動モードとが設定可能な設定部と、前記動作モードの種別に応じて前記駆動部を制御する制御部と、前記手動モードが設定されたときに、術者によって操作された前記医療器具の操作量を計測する計測部と、を備え、前記制御部は、前記計測部で計測された前記操作量に応じた操作量情報を動作履歴情報として取得し、前記操作量情報と、前記操作量に基づく前記医療器具の動作量を調整するために設定された調整条件情報とに基づいて前記駆動部による前記医療器具の動作量を調整させる調整実行情報を生成する制御情報生成部を備え、前記駆動部は、前記調整実行情報に従って前記医療器具を動作させる
本発明によれば、術者の手技レベルの低下が防止できると共に、必要に応じて医療器具の動作がサポートされて高品質な治療を施すことが可能な医療デバイスを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る医療デバイスの構成を示す図である。 同デバイスの機能ブロック図である。 同デバイスを手動モードで動作させたときの状態を模式的に示した図である。 同デバイスの手動モードにおける他の使用例を模式的に示した図である。 同デバイスを自動モードで動作させたときの状態を模式的に示した図である。 同デバイスの動作例を示すフローチャートである。 変形例1に係る医療デバイスの構成を示す図である。 変形例2に係る医療デバイスの構成を示す図である。 変形例3に係る医療デバイスの構成を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ここで示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するために例示するものであって、本発明を限定するものではない。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者などにより考え得る実施可能な他の形態、実施例および運用技術などは全て本発明の範囲、要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
さらに、本明細書に添付する図面は、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺、縦横の寸法比、形状などについて、実物から変更し模式的に表現される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
本発明の一実施形態に係る医療デバイス1は、比較的長尺な医療器具を生体管腔内に挿入・抜出させて治療を行う際に、術者が医療器具を直接操作する第1のモード(手動モード)と、医療器具を直接操作せず他の操作機器を通じて医療器具を自動で動作させる第2のモード(自動モード)が術中に選択可能となっている。そのため、術者は、何れかのモードを術前後若しくは術中に適宜選択することで、コンベンショナルな手技技術と入力機器からの機械的操作の技術を効率的に習得することが可能となる。
本実施形態に係る医療デバイス1は、医療分野において所定の疾患に罹患した患者の治療や回復を図るために、長尺な医療器具を生体管腔(例えば、血管、尿道、尿管、食道、気道、腸、鼻腔、副鼻腔などの体腔)内に挿入させて処置対象部位の治療を行うインターベンション治療の際に使用されてよい。インターベンション治療例としては、冠動脈の疾患を治療する際に使用される経皮的冠動脈形成術(PCI:Percutaneous Coronary Intervention)としてよい。なお、医療デバイス1が使用される治療法は、長尺な医療器具を用いたインターベンション治療以外の他の治療法にも適用可能である。
また、本実施形態に係る医療デバイス1に装着される医療器具としては、生体管腔内に挿入される部位が比較的長尺なカテーテル100を使用することができる。カテーテル100は、一例として、ガイディングカテーテル、ガイドワイヤ、造影カテーテル、マイクロカテーテル、ガイドワイヤサポートカテーテル、バルーンカテーテル、ステントデリバリーカテーテル、アテレクトミーカテーテル、画像診断カテーテルなどが含まれてよい。
なお、本明細書では、医療デバイス1に装着されたカテーテル100の操作方向として、カテーテル100の軸方向に沿った方向であって生体管腔に挿入される側を「先端側」とし、先端側と反対側に位置して術者が手元で操作する側(カテーテル100が抜き出される側)を「基端側」という。また、医療デバイス1の長手方向と平行な方向であってカテーテル100の進行(挿入)または後退(抜出)する第1の方向を「進退方向」という。また、カテーテル100の周方向(カテーテル100の軸方向周りの方向)に沿った第2の方向を「回転方向」とする。さらに、医療デバイス1における「前後方向」とは、進退方向と平行な方向であり、「左右方向」とは前後方向に対して水平面において直交する方向であり、「上下方向」とは前後方向および左右方向に対して直交する方向である。
[構成]
図1には、本実施形態に係る医療デバイス1の概略構成が示されており、図2には、本実施形態に係る医療デバイス1の機能ブロック図が示されている。
図1または図2に示すように、医療デバイス1は、計測部10と、駆動部20と、撓み除去部30と、設定部40と、入力部50と、制御部60と、記憶部70を備えている。医療デバイス1の各部を駆動する駆動電力は、図示しない外部電源または電池(二次電池など)から供給されてよい。
図1に示すように、医療デバイス1は、基台となる本体部2の上面に設けられた計測部10、駆動部20および撓み除去部30を少なくとも覆って外部から遮蔽するカバー3が設けられている。
カバー3は、本体部2上で開閉可能とするため、その一部が本体部2上に対して回動可能に支持されている。また、カバー3の先端側の端部および基端側の端部には、カテーテル100を挿通する挿通孔が形成されている。カテーテル100は、本体部2の基端側の挿通孔から先端側の挿通孔に向かって延びるように設定された挿通ルートRに沿ってセットされる。
また、図1に示すように、医療デバイス1の先端側には、本体部2にセットされたカテーテル100のシャフトがセットされるY型コネクタ200を設置することができる。Y型コネクタ200は、医療分野において公知のものを使用することができる。医療デバイス1にセットされたカテーテル100は、本体部2から先端側に導出された部分をY型コネクタ200の挿入部位に挿入して患者の生体内へ導入される。
-計測部-
計測部10は、術者が操作するカテーテル100の操作量を計測する。「操作量」には、術者が操作したカテーテル100の進退方向への操作量と、回転方向への操作量が含まれてよい。計測部10は、カテーテル100の進退方向への操作量を計測する進退操作量計測部11と、カテーテル100の回転方向への操作量を計測する回転操作量計測部12を備えている。計測部10は、制御部60からの制御情報(計測実行情報)を入力したときにカテーテル100の操作量を計測する。
進退操作量計測部11は、カテーテル100の進退方向への操作量を計測する。進退操作量計測部11は、カテーテル100の操作量として、カテーテル100の単位時間当たりの変位および移動方向の情報が含まれる「移動速度」を計測してよい。進退操作量計測部11は、一例として、図1に示すように、本体部2の挿通ルートRに沿ってセットされたカテーテル100の側面を挟持搬送する一対のローラで構成され、一方のローラにエンコーダを設けて検出された単位時間当たりのパルス数からカテーテル100の移動速度を求めてよい。進退操作量計測部11は、計測した進退操作量を進退操作量情報(操作量情報)として制御部60に出力する。
なお、進退操作量計測部11は、エンコーダに限らず、カテーテル100の移動速度が計測可能なセンサ(電気式または機械式を問わず)であればよい。また、進退操作量計測部11は、進退操作量情報として、術者の進退方向への操作量に基づいて変位するカテーテル100の進退方向への動作に関する物理量が計測できればよいため、進退操作量はカテーテル100の移動速度に限定されない。
回転操作量計測部12は、カテーテル100の回転方向への操作量を計測する。回転操作量計測部12は、カテーテル100の操作量として、カテーテル100の回転方向への変位および回転方向の情報が含まれる「回転トルク」を計測してよい。回転操作量計測部12は、カテーテル100の回転トルクを計測する構成として、一般的なトルクセンサ(電気式または機械式を問わず)を適用してよい。回転操作量計測部12は、計測した回転操作量を回転操作量情報(操作量情報)として制御部60に出力する。
なお、回転操作量計測部12は、回転操作量情報として、術者の回転方向への操作量に基づいて変位するカテーテル100の回転方向への動作に関する物理量が計測できればよいため、回転操作量はカテーテル100の回転トルクに限定されない。
また、計測部10で計測された操作量情報は、カテーテル100の動作履歴情報として制御部60に出力される。
-駆動部-
駆動部20は、カテーテル100を進退方向または回転方向に動作させる。また、駆動部20は、術者が操作した際の操作量に基づくカテーテル100の動作量を所定の調整条件に基づいて調整することもできる。具体的には、駆動部20は、制御部60からの制御情報(調整実行情報)に従って、術者が操作したカテーテル100の操作量に基づく動作量に対して補助的に動力を付与し、カテーテル100の進退方向への動作量である「進退量」と、カテーテル100の回転方向への動作量である「回転量」を調整する。
駆動部20におけるカテーテル100の動作量(進退量、回転量)の調整方法としては、一例として、術者の操作量に基づいて一義的に決定されるカテーテル100の動作量を、調整条件として予め設定された「倍率」に基づいて拡大/縮小して調整してよい。なお、調整に必要な調整条件となる「倍率」については、設定部40で設定される情報であるため、後段にて詳述する。
駆動部20は、カテーテル100の進退方向への進退量を調整する進退量調整駆動部21と、カテーテル100の回転方向への回転量を調整する回転量調整駆動部22を備えている。
進退量調整駆動部21は、制御部60からの進退量調整実行情報に基づいてカテーテル100の進退方向への進退量を調整する。進退量調整駆動部21は、カテーテル100の進退量を、設定された倍率に拡大/縮小させるため、図1に示すように、一例として、カテーテル100を挟持搬送するローラ対21aを、挿通ルートRに沿って並設させた構成としてよい。
ローラ対21aは、図示しない駆動源(モータなど)によって回転する駆動ローラ21bと、駆動ローラ21bに従動する従動ローラ21cが対向して配置され、カテーテル100の外面側から挟持する構成である。なお、進退量調整駆動部21は、図1に示すようなローラ対に限定されず、術者の操作量に基づくカテーテル100の進退量が調整可能な構成であればよい。
また、ローラ対21aは、カテーテル100の挟持力が調整可能な弾性部材21d(図中では、挟持力として作用する付勢力を付与するコイルばね)が設けられている。ローラ対21aのローラ表面は、カテーテル100を挟持搬送する際に、確実に搬送力が伝達されるように滑り止め加工されているのが好ましい。
進退量調整駆動部21は、ローラ対21aにカテーテル100が挟持された状態で制御部60から受け付けた進退量調整実行情報に基づいてカテーテル100の進退量を調整する。進退量調整駆動部21において、進退量の調整は、カテーテル100の進退方向への移動速度としてよい。
回転量調整駆動部22は、制御部60からの回転量調整実行情報に基づいてカテーテル100の回転方向への回転量を調整する。回転量調整駆動部22は、カテーテル100の回転量を設定倍率に拡大/縮小させるため、図1に示すように、一例として、カテーテル100の外周の少なくとも一部を保持した状態でカテーテル100に回転方向に沿った回転力を付与する回転付与部22aと、回転付与部22aにモータなどの駆動源22cの駆動力を伝達する動力伝達機構22b(ギヤ機構)を備えた構成としてよい。なお、回転量調整駆動部22は、図1に示す構成に限定されず、術者の操作量に基づくカテーテル100の回転量が調整可能な構成であればよい。
回転量調整駆動部22は、回転付与部22aに保持された状態で制御部60から受け付けた回転量調整実行情報に基づいてカテーテル100の回転量を調整する。回転量調整駆動部22において、回転量の調整は、カテーテル100の回転方向への回転トルクとしてよい。
なお、回転量調整駆動部22は、術者がカテーテル100を操作した際の進退方向への操作の妨げとならないように、回転付与部22aに対し、回転量調整実行情報を入力したときのみカテーテル100を保持して回転方向に回転させる機能を追加してもよい。つまり、回転量の調整が不要な場合は、回転付与部22aによる保持を解除し、カテーテル100の直視性を阻害しない程度の隙間が設けられていればよい。
また、駆動部20は、例えば調整モードが設定された治療工程が終了し、調整モードが設定されていない治療工程に移行するような、調整実行情報の入力が解除される場合には、カテーテル100の動作量の調整制御が行われない仕様となっている。そのため、調整実行情報の入力が解除されている間、術者の操作量に基づく動作量は、コンベンショナルな治療時の動作量と同等になる。この際、駆動部20は、術者の操作量がそのまま動作量として反映されるように、本体部2の挿通ルートRに沿ってセットされたカテーテル100の保持状態(駆動部20による挟持状態)を緩めるようにしてよい。
さらに、駆動部20は、制御部60から動作実行情報が入力されると、この情報に従ってカテーテル100を動作させる。動作実行情報が入力されるときは、動作モードとして自動モードが設定されているため、術者が入力部50から入力した入力量に応じた動作量(進退量、回転量)となるようにカテーテル100を動作させる。なお、自動モードにおいて、調整モードが設定された治療工程を実施する場合は、調整モードで設定された調整条件情報に基づいて調整された動作量でカテーテル100を動作させるための調整実行情報が制御部60から入力される。
-撓み除去部-
撓み除去部30は、カテーテル100の軸方向における撓みを除去する。撓み除去部30は、一例として、図1に示すように、医療デバイス1の上下方向に沿う軸を中心に回転する円柱状のローラ31と、一端が本体部2の上面に対して回動自在に軸支された支持部材32で構成され、支持部材32を介してローラ31を左右方向に移動させる構成としてよい。また、支持部材32には弾性部材(例えばコイルばね)33が設けられており、カテーテル100の進退方向への移動を妨げずに撓みを吸収することができる。
撓み除去部30は、術者が操作したときのカテーテル100の進退方向への操作量と、駆動部20による動作量の調整度合いによってカテーテル100の長さ方向(軸方向)に撓みが生じた場合に、カテーテル100の外面の一部を支持した状態で左右方向に回動して撓みを除去(吸収)する。
撓み除去部30が駆動するタイミングとしては、カテーテル100に所定量の撓みが生じた際に駆動される。カテーテル100の撓みは、術者の操作量に基づくカテーテル100の動作量と駆動部20による調整量から撓み量が算出されてもよいし、撓みの状態が検出可能な公知の撓み検出センサにより検出されてよい。撓み検出センサは、例えば光学式センサであって、撓み除去部30近傍に配置され、カテーテル100の軸方向に離れた2つの部分の相対的な傾きと2つの部分の離間距離を検出することでカテーテル100の撓み度合いを光学的に検出する。撓み除去部30は、撓みが所定量発生した際に、制御部60からの制御情報に基づいて駆動する。
なお、撓み除去部30は、ローラ31に限定されず、例えば側面視円弧状に湾曲した半円形状の曲面部をカテーテル100との当接面部として有する案内部材とし、この案内部材を支持部材32によって左右方向に移動させる構成としてもよい。また、撓み除去部30の回動方向は、左右方向に限らず、上下方向に昇降してもよい。
-設定部-
設定部40は、操作キーのような入力機器を備え、医療デバイス1を駆動する際に選択される動作モードの設定を行う。設定部40は、術者によって動作モードが設定されると、設定された動作モードに関する情報をモード情報として制御部60に出力する。
設定部40で設定される動作モードは、術者が実際にカテーテル100を把持してコンベンショナルな操作により治療を行う「手動モード」と、入力部50からの遠隔操作によってカテーテル100を把持せず自動で治療を行う「自動モード」を含む。
術者は、設定部40の入力機器を操作して、これら動作モードを術前に設定してもよいし、術中に選択中の動作モードから他の動作モードに切り替えてもよい。よって、例えば、「自動モード」が選択された状態で医療デバイス1に不具合が生じたとしても、「自動モード」から「手動モード」に切り替えることで、コンベンショナルな操作が可能となり、治療を継続させることができる。
また、動作モードには、予め設定された調整条件情報に基づいて術者の操作量に基づくカテーテル100の動作量を補助的に調整する「調整モード」が含まれている。調整モードは、実施されるインターベンション治療の治療工程毎に設定可能となっている。
よって、手術中の治療工程において、調整モードが設定された治療工程では、駆動部20による動作量の調整制御が行われ、調整モードが設定されていない治療工程では、駆動部20による動作量の調整制御は行われないこととなる。調整モードは、インターベンション治療を進める中で、所定のタイミング(例えば、調整モードが設定された治療工程を開始するタイミング)で設定部40を操作して調整モードに切り替えてよい。
調整モードを設定する際は、動作量を調整するための「調整条件情報」も設定される。「設定条件情報」とは、計測部10で計測された術者の操作量に応じたカテーテル100の動作に関する物理量を補助的に調整するための情報である。設定条件情報は、一例として、術者の操作量に基づく動作量を「1倍」としたときの倍率(0.5倍、2倍、3倍など)が設定可能である。
ここで、調整条件情報の設定事例として、経皮的冠動脈形成術(PCI)における治療工程を例に挙げて説明する。本実施形態に係る医療デバイス1をPCIで使用する場合、患者の血管内にイントロデューサー(シース)が留置された状態で使用されるため、治療工程としては、主に「ガイディングカテーテル操作工程」、「ガイドワイヤ操作工程」、「アテレクトミーデバイス操作工程」、「バルーンカテーテル操作工程」の順で進められる。
術者により、設定部40が操作され、上記治療法の「ガイドワイヤ操作工程」に対し、「調整モード」が設定され、調整条件情報として「倍率:2倍」が設定されたとする。この場合、術者が操作したカテーテル100の操作量に基づく動作量が駆動部20によって調整され、カテーテル100の進退方向への移動速度が平時の移動速度と比べて2倍となる。
また、術者により設定部40が操作され、「バルーンカテーテル操作工程」に対し、動作モードとして「調整モード」が設定され、調整条件情報として「倍率:0.5倍」が設定されたとする。この場合、術者が操作したカテーテル100の操作量に基づく動作量が駆動部20によって調整され、カテーテル100の進退方向への移動速度が平時の移動速度に比べて0.5倍となる。
なお、調整条件情報は、予め設定されたデフォルト値を用いてもよいし、術者が治療内容に応じて個々に条件内容(例えば倍率値)を設定変更してもよい。また、患者の容態によって手術中に調整条件の変更が必要となるケースもあり得るため、調整条件情報は、調整モード実行中であっても、必要に応じて変更可能である。
-入力部-
入力部50は、術者がカテーテル100を遠隔操作する際に操作されて、術者が所定操作したときの入力量に基づく情報(入力量情報)を制御部60に出力する入力機器で構成される。入力部50は、動作モードとして「自動モード」が選択されたときに操作される。入力機器の一例としては、PC、携帯端末(タブレット端末、スマートフォンなど)、ポインティングデバイス(ジョイスティック、タッチパッドなど)、各種ハードウェアキー(上下左右キー、ロータリースイッチなど)を備えたコントローラとしてよい。入力部50は、医療デバイス1に具備されていてもよいし、本体部2から離れた位置に設置されていてもよい。
入力部50は、術者が操作したときの入力量を検出してその入力量に基づく入力量情報を制御部60に出力する。
また、入力部50で操作された操作履歴は、カテーテル100の動作履歴情報として制御部60に出力される。この動作履歴情報には、自動モードの際に操作された入力部50の操作量、操作タイミングなどの情報が含まれる。
-制御部-
制御部60は、例えばCPU、ROM、RAMのような各種プロセッサで構成され、医療デバイス1を構成する各部の駆動制御を行う。制御部60は、設定された動作モードを判断するモード判断部61と、計測部10と駆動部20に対する制御情報を生成する制御情報生成部62と、カテーテル100の動作に関する動作履歴情報を記録する情報記録部63を備えている。
モード判断部61は、設定部40から入力されたモード情報に基づき、現在選択された動作モードが「手動モード」か「自動モード」か、を判断し、設定されている動作モードを示すモード情報を制御情報生成部62に出力する。
また、モード判断部61は、実施される治療工程において「調整モード」が設定されているか否かを判断し、調整モードが設定されている場合には、そのことを示すモード情報を制御情報生成部62に出力する。
制御情報生成部62は、モード判断部61から入力されたモード情報に基づき、動作モードに応じた制御情報(計測実行情報、調整実行情報)を生成する。生成された制御情報は、制御対象となる計測部10、駆動部20に出力される。
なお、制御情報生成部62は、設定部40で設定された動作モードが実行される間は、所定の制御情報を生成して出力先に出力する。つまり、調整モードのように術者の操作量に基づく動作量を調整するような場合は、カテーテル100が操作される都度、その操作に応じた操作量情報と調整条件情報に基づく調整実行情報が生成され、駆動部20に出力される。
制御情報生成部62は、モード判断部61から動作モードが「手動モード」であることを示すモード情報が入力されると、手動モードにおいて必要な処理を制御対象に実行させる。手動モードでは、術者がカテーテル100を保持してコンベンショナルな治療と同様に手技が行われるため、術者の操作量を計測するべく、カテーテル100の操作量を計測させるための計測実行情報が生成されて計測部10に出力される。
制御情報生成部62は、モード判断部61から動作モードが「自動モード」であることを示すモード情報が入力されると、自動モードにおいて必要な処理を制御対象に実行させる。自動モードでは、入力部50の入力量に応じてカテーテル100の動作量が決定される。そのため、制御情報生成部62は、入力部50から入力された術者が入力部50を所定操作したときの入力量に基づく入力量情報を用いてカテーテル100の動作量を決定し、決定された動作量でカテーテル100を動作させるための動作実行情報を生成して駆動部20に出力する。
また、制御情報生成部62は、モード判断部61から「調整モード」が設定されていることを示すモード情報が入力されると、調整モードにおいて必要な処理を制御対象に実行させる。調整モードでは、手動モードのときに、駆動部20で術者の操作量に基づく動作量を調整するための調整実行情報が生成されて駆動部20に出力される。
「調整実行情報」は、計測部10で計測された操作量情報(進退操作量情報、回転操作量情報)と、設定部40で設定された調整条件情報とに基づいて術者の操作量に基づくカテーテル100の動作量を調整するための情報である。
また、制御情報生成部62は、自動モードが設定中に調整モードが設定された治療工程が行われる場合、入力部50の入力量に基づいて所定の調整実行情報が生成されて駆動部20に出力される。
なお、調整モードが設定されていない治療工程のときは、モード判断部61から「調整モード」が設定されたモード情報の入力がないため、調整実行情報は生成されない。
情報記録部63は、手術中におけるカテーテル100の動作内容を治療工程毎に収集し、この収集した動作量に関する履歴情報を動作履歴情報として記憶部70に記録する。
「動作履歴情報」には、少なくとも手術中におけるカテーテル100の動作に関する履歴が含まれている。一例として、動作履歴情報には、動作モードの設定履歴と切り替え履歴、手動モードにおいて術者が操作したカテーテル100の動作履歴(操作手順、操作量(進退量、回転量)、操作タイミングなど)、自動モードにおいて術者が操作した入力部50の操作履歴(入力手順、入力量、入力タイミングなど)の他、調整モードにおける調整条件情報が含まれていてよい。情報記録部63は、手術開始から終了までの間、カテーテル100の動作に関する履歴情報を収集しておき、手術毎の動作履歴情報として取得してよい。
インターベンション治療では、術者の手技レベルによって、カテーテル100の操作量、操作タイミング、治療時間などが大きく異なる。そのため、例えばインターベンション治療の手技経験が豊富な術者から取得した動作履歴情報を利用して、インターベンション治療の手技経験の浅い術者が治療を行う際に、調整条件情報を動作履歴情報に基づいて設定することで、手技経験の浅い術者であっても、経験豊富な術者と同様の治療を実現することが可能となる。
また、医療デバイス1によってカテーテル100を動作させる際に生成される制御情報は、患者情報(例えば、患者の生体情報として「患者の臓器形状」、「血管の走行状態」を含む)、デバイスの物性(機器仕様、部品特性など)などの要素が関係して一義的には決まらず適宜調整が必要となる。そこで、様々なインターベンション治療に基づく動作履歴情報が蓄積しておき、この動作履歴情報と、患者情報、デバイスの物性などを加味させながらインターベンション治療法におけるカテーテル100の動作制御をコンピュータに機械学習させることで、医療デバイス1によるインターベンション治療の全自動化を実現することも可能となる。これにより、医療デバイス1を導入することで、医師が出向くことが難しい遠隔地での治療が可能となる。
また、情報記録部63で取得された動作履歴情報を、他の診療履歴情報(一例として、「術者の情報」、「患者の生体情報(患者の臓器形状、血管の走行状態など)を含む患者情報」「使用した医療器具の種別」、「治療工程の順序」、「使用した薬品名とその投与量」など)と関連付けて記録しておけば、カテーテル検査記録と看護記録などの医療記録を電子化させることが容易となる。さらに、従来取得されなかった動作記録情報を含めて医療記録を電子化させることで、患者情報などをふまえながら患者個々に応じた最適な治療計画を策定することも可能となり、患者の毎に特化した個別化医療を提供することもできる。
また、制御部60は、カテーテル100に所定量の撓みが検出されたときは、撓みを除去させるための制御情報を撓み除去部30に出力する。カテーテル100の撓みは、上述したようにカテーテル100の動作量と駆動部20による調整量から算出されてもよいし、公知の撓み検出センサにより検出されてよい。なお、制御部60から出力される制御情報は、発生した撓み量に応じて支持部材の回動量が調整される情報としてよい。
-記憶部-
記憶部70は、電子データが記憶可能な各種記憶媒体で構成され、医療デバイス1を構成する各部を駆動するために必要な制御プログラム、各部の設定情報などを記憶する。また、記憶部70は、情報記録部63で取得された動作履歴情報が記録される。動作履歴情報は、「手術分野」、「手術日」、「術者」、「患者」などの項目別に検索可能なように整理してデータベース化されてよい。記憶部70は、医療デバイス1に具備されていてもよいし、外部サーバを利用してもよい。
[動作]
次に、図3~6を参照しながら本実施形態に係る医療デバイス1の動作例について説明する。なお、以下に説明する動作については、例示的な順序でステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
図3~図5には治療工程または動作モードに応じた術者の動作を模式的に示されており、図6には経皮的冠動脈形成術(PCI)の治療工程に沿った動作例が示されている。
図6に示すように、PCIの治療工程として、主に「ガイディングカテーテル操作工程:S1」、「ガイドワイヤ操作工程:S2」、「アテレクトミーデバイス操作工程S3」、「バルーンカテーテル操作工程S4」が含まれる。なお、医療デバイス1を使用する際には、患者の血管内にイントロデューサー(シース)が留置された状態から開始されるため、この前処置が行われた状態(アクセスサイトが準備された状態)から動作説明を開始する。また、下記の動作説明では、治療開始から終了までの間の一連の手技における代表的な工程のみを切り出した説明となっている。
ステップS1は、ガイディングカテーテルの操作工程である。ステップS1では、Y型コネクタ200を介してガイディングカテーテルを挿通ルートRに沿ってセットし、ガイディングカテーテルを操作してその先端を冠動脈の入り口近傍まで送達させる。
ステップS2は、ガイドワイヤの操作工程である。ステップS2では、図3に示すように、術者は、ガイドワイヤを操作してガイディングカテーテルに沿ってガイドワイヤを冠動脈まで送達させ、病変部を通過させる。
ステップS3は、アテレクトミーデバイスを操作する工程である。ステップS3では、術者は、アテレクトミーデバイスが装着されたアテレクトミーカテーテルを操作して、アテレクトミーを病変部まで送達させて病変部の硬化した部分を削り取って腔を拡張させる。なお、ステップS3は、病変部の状態に応じて実施されるか否かが判断される。
ステップS4は、バルーンカテーテルの操作工程である。図4に示すように、バルーンカテーテルがラピッドエクスチェンジ型の場合、ステップS4において、術者は、ガイドワイヤをガイドワイヤポートから導出させてクリップなどで固定させた状態でバルーンカテーテルを操作し、バルーンをガイドワイヤに沿って病変部まで送達させ、バルーンを拡張して狭くなった病変部を拡張させる。以上のように、PCI治療工程における主な工程を経て、PCIの治療工程は終了する。
上記治療工程において、一例として、ステップS2のガイドワイヤ操作工程と、ステップS4のバルーンカテーテル操作工程にそれぞれ調整モードが設定され、ガイドワイヤ操作工程で設定された調整条件情報として「倍率:2倍」、バルーンカテーテル操作工程では設定された調整条件情報として「倍率:0.5倍」が設定されたとする。
この場合、ステップS2では、術者の操作量が計測部10で逐次計測され、制御部60において、計測された操作量情報に基づく動作量を2倍にするための調整実行情報を生成して駆動部20に出力する。駆動部20は、ガイドワイヤの動作量を操作量の2倍にして動作させる。
また、ステップS4では、術者の操作量が計測部10で逐次計測され、制御部60において、計測された操作量情報に基づく動作量を0.5倍にするための調整実行情報を生成して駆動部20に出力される。駆動部20は、制御部60から受け付けた調整実行情報に基づき、バルーンカテーテルの動作量を操作量の0.5倍にして動作させる。
なお、上記治療工程において、動作モードが手動モードから自動モードに切り替わったときは、図5に示すように、術者は、入力部50を操作してバルーンカテーテルを操作する。制御部60は、入力部50を操作したときの入力量に基づいて決定された動作量でカテーテル100を動作させるための動作実行情報を生成して駆動部20に出力する。駆動部20は、制御部60から受け付けた動作実行情報に基づき、カテーテル100を動作させる。
[作用効果]
以上説明したように、本実施形態に係る医療デバイス1は、患者の生体管腔内における処置対象部位に送達される長尺な医療器具であるカテーテル100を所定方向に動作させる駆動部20と、遠隔操作により駆動部20にカテーテル100を動作させる入力部50と、動作モードして、術者がカテーテル100を直接操作する手動モードと、入力部50でカテーテル100を遠隔操作して動作させる自動モードとが設定可能な設定部40と、動作モードの種別に応じて駆動部20を制御する制御部60と、を備えている。
このような構成とすることで、術者の手技レベルを一定の水準以上に保ちつつ、医療品質の更なる向上が図れる新規のデバイスを提供することができる。
また、本実施形態に係る医療デバイス1において、手動モードが設定されたときに、術者によって操作されたカテーテル100の操作量を計測する計測部10を備え、制御部60は、計測部10で計測された操作量に応じた操作量情報を動作履歴情報として取得する構成としてもよい。
このような構成とすれば、例えばインターベンション治療の手技経験が豊富な術者から取得した動作履歴情報を利用して、インターベンション治療の手技経験の浅い術者が治療を行う際に、調整条件情報を動作履歴情報に基づいて設定することで、手技経験の浅い術者であっても、経験豊富な術者と同様の治療を実現することが可能となる。また、動作履歴情報を、他の診療履歴情報と関連付けて記録することも可能となるため、看護記録などの医療記録を電子化させることが容易となると共に、医療記録の記入ミスによるヒューマンエラーを未然防止することができる。さらに、様々なインターベンション治療に基づく動作履歴情報が蓄積しておけば、動作履歴情報と、患者情報、デバイスの物性などを加味させながらインターベンション治療法におけるカテーテル100の動作制御をコンピュータに機械学習させることで、医療デバイス1によるインターベンション治療の全自動化を実現することも可能となる。また、動作記録情報を含めて医療記録を電子化させることで、患者情報などをふまえながら患者個々に応じた最適な治療計画を策定することも可能となり、患者毎に特化した個別化医療を提供することもできるようになる。
また、本実施形態に係る医療デバイス1において、制御部60は、操作量情報と、操作量に基づくカテーテル100の動作量を調整するために設定された調整条件情報とに基づいて駆動部20によるカテーテル100の動作量を調整させる調整実行情報を生成する制御情報生成部62を備え、駆動部20は、調整実行情報に従ってカテーテル100を動作させる構成としてもよい。
このような構成とすれば、術者のカテーテル100の操作量に対して動作量を補助的に調整することが可能となる。そのため、術者は、平時の操作を行うだけで、選択された動作モードに設定された調整条件に応じた動作量となるように、例えば進退方向に対するカテーテル100の移動速度、回転方向に対するカテーテル100の回転トルクが調整されるようになり、術者の手技レベルに因らず一定水準以上の品質で治療を行うことが可能となる。
また、本実施形態に係る医療デバイス1において、患者の拍動を検出してその波形情報を出力する拍動検出部80を備え、制御情報生成部62は、検出された波形情報に基づいてカテーテル100を動作させる調整実行情報を生成する構成としてもよい。
このような構成とすることで、術者は、例えば患者の拍動として心拍を確認しながら収縮期に合わせて手技を行わずとも、拍動検出部80によって検出された波形情報に基づき、心拍の収縮期に同期させてカテーテル100を動作させることができるため、医療の質を飛躍的に高めることが可能となる。
また、本実施形態に係る医療デバイス1において、カテーテル100の操作量に基づく動作量と、調整実行情報に基づく動作量との差で生じるカテーテル100の撓みを除去する撓み除去部30を備える構成としてもよい。
このような構成とすることで、手術中に生じ得るカテーテル100の絡まりを防止することができ、カテーテル100の操作をスムーズに行うことができる。特に、カテーテル100の操作量と駆動部20による動作量との差が比較的大きい場合には、撓みが生じ易くなるため、撓みが除去されることで操作性が向上される。
また、本実施形態に係る医療デバイス1において、動作モードは、術者がカテーテル100を直接操作しながら入力部50を操作して、術者が操作したカテーテル100の操作量に基づく動作量を入力部50による入力量に基づいて調整させるハイブリッドモードが含まれる構成としてもよい。
このような構成とすることで、手技レベルが比較的低い術者であっても、カテーテル100の操作を入力部50から操作しながら補助的に動作させることができるため、手技では調整が難しいミリ単位での精緻な位置制御が可能となり、治療の質を高めることができる。
[他の実施形態]
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下に示すように使用環境などに応じて適宜変更して実施することもできる。また、以下の変形例を本発明の要旨を逸脱しない範囲の中で任意に組み合わせて実施することもできる。
<変形例1>
変形例1は、上述した実施形態の医療デバイス1において、手動モードと自動モードが併用可能なハイブリッド方式である「ハイブリッドモード」が設定可能な形態である。図7に示すように、変形例1の医療デバイス1は、設定部40で動作モードとして「ハイブリッドモード」が設定されると、カテーテル100を把持して操作しながら入力部50で所定操作(例えば回転操作)を同時に行うことが可能である。
変形例1の医療デバイス1は、術者が操作するカテーテル100の操作量を計測部10で計測し、その操作量に基づく操作量情報を制御部60に出力する。また、変形例1の医療デバイス1は、入力部50の入力量に基づく入力量情報が制御部60に入力される。入力部50は、術者がカテーテル100を把持した状態で操作可能なように本体部2の近傍に設置されてよい。また、入力部50は、術者の手動操作によるカテーテル100の動作量の微調整が容易に行える入力機器(例えばジョイスティック、ロータリースイッチ)が好ましい。
そして、変形例1の医療デバイス1では、制御部60において、術者により操作されたカテーテル100の動作量に対して入力部50で操作された入力量に基づく入力量が反映されるように駆動部20を駆動させるための動作実行情報を駆動部20に出力する。
例えば、カテーテル100の進退方向への移動を術者が手動で直接操作し、回転動作については入力部50で操作したとする。このとき、制御部60は、入力部50が操作されたときの入力量に基づく回転量を決定し、駆動部20に動作実行情報を出力する。これにより、カテーテル100の動作は、術者が操作した操作量に応じて動作すると共に、入力部50で操作された入力量に基づく動作量が付加されて動作することとなる。
また、変形例1の医療デバイス1において、調整モードが設定された治療工程を実施する場合は、計測部10で計測された操作量情報と、設定部40で設定された調整条件情報に基づいて、カテーテル100の操作量に基づく動作量を所定条件で調整した調整実行情報が制御部60から駆動部20に出力される。これにより、カテーテル100は、調整実行情報に基づく動作量で動作する。
変形例1の医療デバイス1によれば、手技レベルが比較的低い術者であっても、カテーテル100の操作を入力部50からの操作により、手技では調整が難しいミリ単位での精緻な位置制御が可能となる。
<変形例2>
変形例2の医療デバイス1は、身体の拍動を検出し、拍動における所定タイミング(収縮時、弛緩時)に基づいてカテーテル100の動作量を調整する形態である。「拍動」は、一例として、心拍としてよい。
図8には、変形例2の医療デバイス1の構成において、拍動検出部80が心拍を検出した例が示されている。図8に示すように、拍動検出部80で検出された心電図波形において、心拍には、収縮期(R波の頂点からT波の終わり付近)と弛緩期(T波の終わり付近から次周期のR波まで)に区分けされる。心臓は拍動により絶えず変形しているため、心臓表面にある血管走行(例えば、屈曲状態)も絶えず変化している。同じ血管であっても、屈曲状態よってデバイスの通過の難易度が変化することは想像できる。この性質を活用し、術者が、この心臓の拍動を確認しながら心臓の血管走行に併せて手技を行うことがデバイス操作の効率化に繋がる可能性がある。
そこで、変形例2の医療デバイス1は、拍動検出部80を備え、拍動検出部80で患者の拍動である心拍を計測し、その心拍に基づく波形情報を制御部60に出力する。制御部60の制御情報生成部62は、入力された波形情報に基づいて心電図波形における所定のタイミング(例えば、図8におけるQRS波の頂点が検出されたタイミング)でカテーテル100を動作させるように調整実行情報を生成して駆動部20を制御する。
変形例2の医療デバイス1によれば、術者は、患者の心拍を確認しながら収縮期に合わせて手技を行わずとも、心拍の収縮タイミングに同期させてカテーテル100を動作させることができるため、治療工程を効率的に進めることができる。
<変形例3>
手術中にカテーテル操作以外の他の手技を行うような場面も想定され得るため、変形例3の医療デバイス1では、治療工程時における本体部2の姿勢から退避する方向へ移動可能な形態となっている。
図9に示すように、変形例3の医療デバイス1は、治療工程時における本体部2の姿勢を「治療姿勢」(図9(A)に示す略水平な姿勢)としたとき、他のデバイスを使用する際は、他のデバイスの操作に支障がない位置まで退避した姿勢となる「退避姿勢」(図9(B)に示すような基端部側が下方に傾斜した姿勢)としてよい。図9(B)に示すように、本体部2は、一例として、Y型コネクタ200が固定される台に対して先端側が下方に回動可能に軸支された構成としてよい。
変形例3の医療デバイス1によれば、手術中に他のデバイスを使用するような場面に遭遇したとしても、医療デバイス1の少なくとも一部が治療位置から退避位置まで移動可能となっているため、他のデバイスの使用を妨げることなく、効率的に治療を行うことができる。また、術者は、医療デバイス1を介さず手動でのカテーテル操作が必要となった緊急時であっても、大掛かりなデバイス自体を他の空きスペースまで移動させる必要がなく、簡便に操作位置から退避させることができるため、コンベンショナルな治療に即座に切り替えることができる。
なお、変形例3の医療デバイス1において、退避姿勢は、図9(B)に示すように基端部が下方となる姿勢に限定されず、他のデバイスが使用可能な位置まで本体部2が退避できればその姿勢は問わない。また、Y型コネクタ200は、他のデバイスを使用する際に患者の生体管腔内へのアクセス元となるため、医療デバイス1と一緒に退避せず固定されている方が好ましい。
さらに、変形例3の医療デバイス1において、退避させる部位は、本体部2に限定されず、例えば駆動部20が前後方向に摺動可能な構成とすれば、駆動部20のみを所定方向に移動させるだけで済む。
1 医療デバイス
2 本体部
3 カバー
10 計測部
11 進退操作量計測部
12 回転操作量計測部
20 駆動部
21 進退量調整駆動部(21a ローラ対、21b 駆動ローラ、21c 従動ローラ、21d 弾性部材)
22 回転量調整駆動部(22a 、22b 、22c )
30 撓み除去部
40 設定部
50 入力部
60 制御部(61 モード判断部、62 制御情報生成部、63 情報記録部)
70 記憶部
80 拍動検出部
100 カテーテル(医療器具)
200 Y型コネクタ
R 挿通ルート

Claims (5)

  1. 患者の生体管腔内における処置対象部位に送達される長尺な医療器具を所定方向に動作させる駆動部と、
    術者が前記医療器具を遠隔操作する際に入力された入力量に基づいて、前記駆動部に前記医療器具を動作させる入力部と、
    動作モードして、術者が前記医療器具を直接操作する手動モードと、前記入力部で前記医療器具を遠隔操作して動作させる自動モードとが設定可能な設定部と、
    前記動作モードの種別に応じて前記駆動部を制御する制御部と、
    前記手動モードが設定されたときに、術者によって操作された前記医療器具の操作量を計測する計測部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記計測部で計測された前記操作量に応じた操作量情報を動作履歴情報として取得し、前記操作量情報と、前記操作量に基づく前記医療器具の動作量を調整するために設定された調整条件情報とに基づいて前記駆動部による前記医療器具の動作量を調整させる調整実行情報を生成する制御情報生成部を備え、
    前記駆動部は、前記調整実行情報に従って前記医療器具を動作させる、医療デバイス。。
  2. 患者の拍動を検出してその波形情報を出力する拍動検出部を備え、
    前記制御情報生成部は、検出された前記波形情報に基づいて前記医療器具を動作させる調整実行情報を生成する、請求項に記載の医療デバイス。
  3. 前記医療器具の前記操作量に基づく動作量と、前記調整実行情報に基づく動作量との差で生じる前記医療器具の撓みを除去する撓み除去部を備える、請求項1または2に記載の医療デバイス。
  4. 患者の生体管腔内における処置対象部位に送達される長尺な医療器具を進退または回転方向に動作させる駆動部と、
    術者が前記医療器具を遠隔操作する際に入力された入力量に基づいて、前記駆動部に前記医療器具を動作させる入力部と、
    動作モードとして、術者が前記医療器具を直接操作する手動モードと、前記入力部で前記医療器具を遠隔操作して動作させる自動モードと、術者が前記医療器具を直接操作しながら入力部で進退または回転操作を同時に行うことが可能なハイブリッドモードと、が設定可能な設定部と、
    前記動作モードの種別に応じて前記駆動部を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記ハイブリッドモードにおいて、術者の前記医療器具への直接操作による前記医療器具の進退量または回転量を、前記術者の操作によって入力された前記入力部への入力量に基づいて調整する、医療デバイス。
  5. 前記入力部は、術者の手動操作によって、前記医療器具の進退量または回転量の微調整が行える入力機器を備える、請求項に記載の医療デバイス。
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