JP7447647B2 - 半導体封止成形用仮保護フィルム及びその製造方法、仮保護フィルム付きリードフレーム、封止成形体、並びに、半導体パッケージを製造する方法 - Google Patents

半導体封止成形用仮保護フィルム及びその製造方法、仮保護フィルム付きリードフレーム、封止成形体、並びに、半導体パッケージを製造する方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体封止成形用仮保護フィルム及びその製造方法、仮保護フィルム付きリードフレーム、封止成形体、並びに、半導体パッケージを製造する方法に関する。
半導体パッケージにおいて、リードフレームの半導体素子側のみに封止層が形成され、リードフレームの裏面が露出している構造が採用されることがある(特許文献1及び2)。この構造を有する半導体パッケージの製造において、封止成形時にリードフレーム裏面に封止樹脂が廻り込むことを防ぐために、リードフレームの裏面を、仮保護フィルムを貼り付けることにより仮保護することがある。仮保護フィルムは、封止層が形成された後でリードフレームから剥離される。
特開平5-129473号公報 特開平10-12773号公報
半導体パッケージを製造するためのアセンブリプロセスは、リフロー接続等のために400℃程度にまで達する高温での加熱が必要とされることがある。しかし、リードフレームに貼り付けられた仮保護フィルムがそのような高温での熱履歴を受けると、仮保護フィルムとリードフレーム及び封止層とが強固に接着し、仮保護フィルムをリードフレームから剥離することができない、又は残渣を残すことなく綺麗にリードフレームから剥離することが困難な場合があった。
本発明は、リードフレームに適度な接着力で貼り付けることが可能で、且つ、400℃程度の高温の熱履歴を受けた後に容易に剥離することが可能な、半導体封止成形用仮保護フィルムを提供する。
本発明の一側面は、支持フィルムと、前記支持フィルムの片面又は両面上に設けられた接着層と、を備える仮保護フィルムを提供する。この仮保護フィルムは、リードフレームのダイパッドに搭載された半導体素子を封止する封止層を形成する封止成形の間、前記リードフレームの前記半導体素子とは反対側の面を仮保護するために用いられる、半導体封止成形用仮保護フィルムである。前記接着層が、熱可塑性樹脂、及び分子量1000未満の低分子添加剤を含む。前記熱可塑性樹脂100質量部及び前記低分子添加剤10質量部からなるフィルムを、25℃から420℃まで加熱したときの重量減少率が、25℃における重量を基準として10%以上である。
本発明の別の一側面は、支持フィルムと、前記支持フィルムの片面又は両面上に設けられた接着層と、を備える仮保護フィルムを製造する方法を提供する。製造される仮保護フィルムは、リードフレームのダイパッドに搭載された半導体素子を封止する封止層を形成する封止成形の間、前記リードフレームの前記半導体素子とは反対側の面を仮保護するために用いられる、半導体封止成形用仮保護フィルムである。当該方法は、熱可塑性樹脂100質量部及び低分子添加剤10質量部からなるフィルムを、25℃から420℃まで加熱したときの重量減少率が、25℃における重量を基準として10%以上である低分子添加剤を選択することと、前記熱可塑性樹脂、及び選択された前記低分子添加剤を含む接着層を前記支持フィルムの片面又は両面上に形成することと、を含む。
本発明の更に別の一側面は、ダイパッドを有するリードフレームと、上記半導体封止成形用仮保護フィルムと、を備える、仮保護フィルム付きリードフレームを提供する。前記仮保護フィルムが、前記リードフレームの一方の面に、前記仮保護フィルムの接着層が前記リードフレームと接する向きで貼り付けられている。
本発明の更に別の一側面は、ダイパッドを有するリードフレームと、前記リードフレームの一方の面側において前記ダイパッドに搭載された半導体素子と、前記半導体素子を封止している封止層と、上記半導体封止成形用仮保護フィルムと、を備える、仮保護された封止成形体を提供する。前記仮保護フィルムが、前記リードフレームの前記半導体素子とは反対側の面に、前記仮保護フィルムの接着層が前記リードフレームと接する向きで貼り付けられている。
本発明の更に別の一側面は、ダイパッドを有するリードフレームの一方の面に、上記半導体封止成形用仮保護フィルムを、その接着層が前記リードフレームに接する向きで貼り付ける工程と、前記ダイパッドの前記仮保護フィルムとは反対側の面上に半導体素子を搭載する工程と、前記半導体素子を封止する封止層を形成して、前記リードフレーム、前記半導体素子及び前記封止層を有する、仮保護された封止成形体を得る工程と、前記封止成形体から前記仮保護フィルムを剥離する工程と、をこの順に備える、半導体パッケージを製造する方法に関する。
本発明の一側面によれば、リードフレームに適度な接着力で貼り付けることが可能で、且つ、400℃程度の高温の熱履歴を受けた後に容易に剥離することが可能な、半導体封止成形用仮保護フィルムが提供される。
仮保護フィルムの一実施形態を示す断面図である。 仮保護フィルムの一実施形態を示す断面図である。 半導体パッケージの製造方法の一実施形態を説明する断面図である。 半導体パッケージの製造方法の一実施形態を説明する断面図である。 半導体パッケージの一実施形態を示す断面図である。 リール体の一実施形態を示す斜視図である。 包装体の一実施形態を示す正面図である。 梱包物の一実施形態を示す正面図である。
以下、本発明のいくつかの実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。本明細書に記載される数値範囲の上限値及び下限値は、任意に組み合わせることができる。実施例に記載される数値も、数値範囲の上限値又は下限値として用いることができる。
仮保護フィルム
図1は、一実施形態に係る仮保護フィルムを示す断面図である。図1に示す仮保護フィルム10は、支持フィルム1と、支持フィルム1の片面上に設けられた接着層2と、から構成される。支持フィルム1の両面上に接着層が形成されていてもよい。図2も、一実施形態に係る仮保護フィルムを示す断面図である。図2の仮保護フィルム10’は、支持フィルム1と、支持フィルム1の一方の主面上に設けられた接着層2と、支持フィルム1の他方の主面上に設けられた非接着層3とを有する。これらの仮保護フィルムは、リードフレームのダイパッドに搭載された半導体素子を封止する封止層を形成する封止成形の工程において、リードフレームの裏面(半導体素子が搭載される面とは反対側の面)に貼り付けることで、リードフレームを封止成形の間、仮保護するための半導体封止成形用仮保護フィルムとして用いることができる。
接着層2は、熱可塑性樹脂、及び低分子添加剤を含有する。
熱可塑性樹脂は、芳香族ポリエーテルアミドイミド、芳香族ポリエーテルイミド、芳香族ポリエーテルアミド、芳香族ポリアミド、芳香族ポリエステル、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミドイミド、芳香族ポリエーテル、及び芳香族ポリエステルイミドからなる群より選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。耐熱性及び接着性の点から、熱可塑性樹脂は、芳香族ポリエーテルアミドイミド、芳香族ポリエーテルイミド及び芳香族ポリエーテルアミドからなる群より選択される少なくとも1種であってもよく、芳香族ポリエーテルアミドイミドであってもよい。
芳香族ポリエーテルアミドイミドは、芳香族トリカルボン酸又はその反応性誘導体を含む酸成分と、芳香族ジアミンを含むアミン成分とから形成された重縮合体であって、芳香族トリカルボン酸又は芳香族ジアミンのうち少なくとも一方が複数の芳香族基及び芳香族基同士を結合するオキシ基(-O-)を有する化合物を含む、重縮合体であることができる。芳香族ポリエーテルイミドは、芳香族テトラカルボン酸又はその反応性誘導体を含む酸成分と芳香族ジアミンを含むアミン成分とから形成された重縮合体であって、芳香族テトラカルボン酸又は芳香族ジアミンのうち少なくとも一方が複数の芳香族基及び芳香族基同士を結合するオキシを有する化合物を含む、重縮合体であることができる。芳香族ポリエーテルアミドは、芳香族ジカルボン酸又はその反応性誘導体を含む酸成分と芳香族ジアミンを含むアミン成分とから形成された重縮合体であって、芳香族ジカルボン酸及び芳香族ジアミンのうち少なくともいずれか1つが複数の芳香族基及び芳香族基同士を結合するオキシを有する化合物を含む、重縮合体であることができる。カルボン酸の反応性誘導体は、例えば、酸無水物、又は酸塩化物であってもよい。
芳香族ポリエーテルアミドイミド及び芳香族ポリアミドイミドは、トリメリット酸又はその反応性誘導体に由来する構成単位を含んでいてもよい。芳香族ポリイミド及び芳香族ポリエーテルイミドは、ピロメリット酸、多核芳香族テトラカルボン酸、又はこれらの反応性誘導体に由来する構成単位を含んでいてもよい。多核芳香族テトラカルボン酸の例は、ビスフェノールAビストリメリテート、及びオキシジフタル酸を含む。芳香族ポリアミドは、テレフタル酸、イソフタル酸、又はこれらの反応性誘導体に由来する構成単位を含んでいてもよい。
芳香族ポリエーテルアミドイミド、芳香族ポリエーテルイミド及び芳香族ポリエーテルアミドは、例えば、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、及び2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)]ヘキサフルオロプロパンから選ばれる、オキシ基を有する芳香族ジアミンに由来する構成単位を含んでいてもよい。芳香族ポリエーテルアミドイミド、芳香族ポリエーテルイミド及び芳香族ポリエーテルアミドは、オキシ基を有しない芳香族ジアミン(例えば4,4’-メチレンビス(2-イソプロピルアニリン))、シロキサンジアミン(例えば1,3-ビス(3-アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン)、及び、α,ω-ジアミノアルカン(例えば1,12-ジアミノドデカン、1,6-ジアミノヘキサン)から選ばれるその他のジアミンに由来する構成単位を更に含んでいてもよい。
芳香族ポリエーテルアミドイミド、芳香族ポリエーテルイミド及び芳香族ポリエーテルアミドにおいて、オキシ基を有する芳香族ジアミンに由来する構成単位の割合が、ジアミン成分に由来する構成単位の全量を基準として、40~100モル%、又は50~97モル%であってもよい。芳香族ポリエーテルイミド、芳香族ポリエーテルアミドイミド及び芳香族ポリエーテルアミドにおいて、ジアミン成分に由来する構成単位の全量を基準として、オキシ基を有する芳香族ジアミンに由来する構成単位の割合が60~89モル%、又は68~82モル%で、シロキサンジアミンに由来する構成単位の割合が1~10モル%、又は3~7モル%で、α,ω-ジアミノアルカンに由来する構成単位の割合が10~30モル%、又は15~25モル%であってもよく、オキシ基を有する芳香族ジアミンに由来する構成単位の割合が90~99モル%、又は93~97モル%で、シロキサンジアミンに由来する構成単位の割合が1~10モル%、又は3~7モル%であってもよく、オキシ基を有する芳香族ジアミンに由来する構成単位の割合が40~70モル%、又は45~60モル%で、オキシ基を有しない芳香族ジアミンに由来する構成単位の割合が30~60モル%、又は40~55モル%であってもよい。
低分子添加剤は、分子量1000未満の化合物であり、熱可塑性樹脂及び低分子添加剤からなるフィルムを加熱したときの重量減少の程度に基づいて、選択することができる。具体的には、熱可塑性樹脂100質量部及び低分子添加剤10質量部からなるフィルムを、25℃から420℃まで加熱したときの重量減少率が、25℃における重量を基準として10%以上である低分子添加剤が選択される。なお、25℃から420℃まで加熱するときの昇温速度は、10℃/分である。重量減少率を測定するためのフィルムの厚さは、20~50μmであってもよい。低分子添加剤が2種以上の化合物を所定の配合比で含む場合、当該重量減少率は、それら化合物を、接着層2における配合比と同じ配合比で、且つ、熱可塑性樹脂100質量部と、2種以上の化合物の合計で10質量部となる量の低分子添加剤とを含むフィルムを用いて測定される。本発明者の知見によれば、低分子添加剤を含む接着層が420℃まで加熱されたときの重量減少率の程度が、熱処理後の仮保護フィルムのリードフレームからの剥離性と関係する。これは、加熱により発生するガスの量が多いと、接着層とリードフレームとの界面の密着性が低下するためであると推察される。前記重量減少率が、11%以上、又は12%以上であってもよく、17%以下、又は15%以下であってもよい。なお、本明細書において、低分子添加剤は、後述のカップリング剤を含まない。
上記と同様の観点から、熱可塑性樹脂100質量部及び低分子添加剤10質量部からなるフィルムを、10℃/分の昇温速度で25℃から420℃まで加熱したときの重量減少率が、25℃における重量を基準として、300℃においてX%で、420℃においてY%であるとき、Y-Xが7%以上であってもよい。
低分子添加剤は、1以上のエポキシ基(又はグリシジルエーテル基)を有するエポキシ化合物を含んでいてもよい。エポキシ化合物が有するエポキシ基の数は5以下であってもよい。10%の重量減少率を示すフィルムを与えるエポキシ化合物の具体例としては、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、及びグルセロールポリグリシジルエーテルが挙げられる。
ソルビトールポリグリシジルエーテルは、ソルビトールの残基とこれに結合した2以上のグリシジルエーテル基とを有する化合物であり、グリシジルエーテル基の数が異なる2種以上の成分の混合物であってもよい。ソルビトールポリグリシジルエーテルのエポキシ当量が、例えば150~200g/eq.であってもよい。
ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルのエポキシ当量が、例えば200~400g/eq.、又は250~350g/eq.であってもよい。
グルセロールポリグリシジルエーテルは、グリセロールの残基とこれに結合した2以上のグリシジルエーテル基を有する化合物であり、グリシジルエーテル基の数が異なる2種以上の成分の混合物であってもよい。グリセロールポリグリシジルエーテルのエポキシ当量が、例えば120~160g/eq.であってもよい。
低分子添加剤の含有量が、400℃での熱履歴を受けた後のリードフレームからの剥離性の観点から、熱可塑性樹脂100質量部に対して5~20質量部、又は5~15質量部であってもよい。同様の観点から、ソルビトールポリグリシジルエーテルの含有量が、熱可塑性樹脂100質量部に対して5~20質量部、又は5~12質量部であってもよく、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルの含有量が、熱可塑性樹脂100質量部に対して5~20質量部、又は7~15質量部であってもよい。
接着層は、低分子添加剤とは別に、1種以上のカップリング剤を更に含有していてよい。カップリング剤はシランカップリング剤であってもよい。シランカップリング剤は、下記式(I):
Figure 0007447647000001

で表される化合物であってよい。式(I)中、R、R及びRは、それぞれ独立に炭素数1~3のアルコキシ基、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数6~12のアリール基を示し、Xは反応性官能基を含む基を示す。
、R又はRとしての炭素数1~3のアルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、及びプロポキシ基が挙げられる。R、R又はRとしての炭素数1~6のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、及びヘキシル基が挙げられる。R、R又はRとしての炭素数6~12のアリール基の例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基が挙げられる。
Xが有する反応性官能基は、例えばアミノ基、イソシアネート基、アミド基、又はエポキシ基であってもよい。Xが、下記式(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)、又は(IIe):
Figure 0007447647000002

で表される基であってよい。これら式中、R、R及びRは、炭素数1~6のアルキル基、炭素数6~12のアリール基又は水素原子を示す。*は炭素原子との結合部位を示す。
、R及びRは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、及びヘキシル基から選ばれる炭素数1~6のアルキル基、又は、フェニル基、トリル基、キシリル基、及びナフチル基から選ばれる炭素数6~12のアリール基であってもよい。
Xが式(IIa)で表される基であるシランカップリング剤の例としては、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3-フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3-フェニルアミノプロピルトリエトキシシラン、3-フェニルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-フェニルアミノプロピルメチルジエトキシシラン、3-メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、3-メチルアミノプロピルトリエトキシシラン、3-エチルアミノプロピルトリメトキシシラン、及び3-エチルアミノプロピルトリエトキシシランが挙げられる。
Xが式(IIb)で表される基であるシランカップリング剤の例としては、3-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3-(2-フェニルアミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-(2-フェニルアミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-(2-フェニルアミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-(2-メチルアミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-(2-メチルアミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-(2-エチルアミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、及びN-(2-エチルアミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシランが挙げられる。
Xが式(IIc)で表される基であるシランカップリング剤の例としては、3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、及び3-イソシアナトプロピルメチルジエトキシシランが挙げられる。
Xが式(IId)で表される基であるシランカップリング剤の例としては、3-ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3-ウレイドプロピルメチルジメトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3-ウレイドプロピルメチルジエトキシシラン、3-(3-フェニルウレイド)プロピルトリエトキシシラン、3-(3-メチルウレイド)プロピルトリエトキシシラン、3-(3-エチルウレイド)プロピルトリエトキシシラン、3-(3-プロピルウレイド)プロピルトリエトキシシラン、3-(3-ブチルウレイド)プロピルトリエトキシシラン、3-(3-ヘキシルウレイド)プロピルトリエトキシシラン、3-(3-フェニルウレイド)プロピルトリメトキシシラン、3-(3-メチルウレイド)プロピルトリメトキシシラン、3-(3-エチルウレイド)プロピルトリメトキシシラン、3-(3-プロピルウレイド)プロピルトリメトキシシラン、3-(3-ブチルウレイド)プロピルトリメトキシシラン、及び3-(3-ヘキシルウレイド)プロピルトリメトキシシランが挙げられる。
Xが式(IIe)で表される基であるシランカップリング剤の例としては、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、及び3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランが挙げられる。
カップリング剤の含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、1~40質量部であってもよい。シランカップリング剤の含有量が1質量%以上であると、熱処理後のリードフレームからの剥離性がより改善される傾向がある。カップリング剤の含有量が40質量%以下であると、接着層2を形成するためのワニスのゲル化、粘度低下等が起こりにくく、より容易に仮保護フィルムを製造できる。同様の観点から、カップリング剤の含有量が、熱可塑性樹脂100質量部に対して1~35質量部、2~35質量部、3~30質量部、5質量部超35質量部以下、5質量部超30質量%以下、又は5質量部超20質量部以下であってもよい。
接着層2は、フィラーを更に含んでもよい。フィラーの例は、セラミック粉、ガラス粉、銀粉、銅粉、樹脂粒子、及びゴム粒子を含む。フィラーの含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して0~30質量部、1~30質量部、又は5~15質量部であってもよい。
接着層2における、熱可塑性樹脂、低分子添加剤、及びカップリング剤の合計の含有量、又は、熱可塑性樹脂、低分子添加剤、カップリング剤及びフィラーの合計の含有量が、接着層2の質量を基準として90~100質量%であってもよい。
接着層2の厚さは、仮保護フィルムのカールがより一層抑制されやすくなる観点から、20μm以下、18μm以下、16μm以下、14μm以下、12μm以下、10μm以下、9μm以下、又は8μm以下であってよい。接着層2の厚さは、1μm以上、2μm以上、3μm以上、4μm以上、5μm以上、6μm以上、7μm以上、又は8μm以上であってよい。
支持フィルム1は、例えば、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミドイミド、芳香族ポリスルホン、芳香族ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、芳香族ポリエーテルケトン、ポリアリレート、芳香族ポリエーテルエーテルケトン及びポリエチレンナフタレートよりなる群から選ばれる少なくとも1種のポリマーのフィルムであってよい。支持フィルム1が、フィルム状の銅、アルミニウム、ステンレススティール又はニッケルであってもよい。支持フィルム1がポリマーのフィルムである場合、その表面が、アルカリ処理、シランカップリング処理等の化学処理、サンドマット処理等の物理的処理、プラズマ処理、及びコロナ処理等の方法により表面処理されていてもよい。
支持フィルム1の厚さが、例えば、5~100μm、又は5~50μm以下であってよい。支持フィルムの厚さTに対する接着層の厚さTの比T/Tが、0.5以下、0.3以下、又は0.2以下であってよい。
非接着層3は、リードフレームに対する接着性(又は感圧接着性)を0~270℃において実質的に有しない樹脂層である。非接着層は、高温で軟化しにくい樹脂層であってよく、例えば、高いガラス転移温度を有する樹脂層が、非接着層として機能することができる。
非接着層3としての樹脂層は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂(硬化物)又はこれらの組み合わせである樹脂を含む。熱可塑性樹脂は、アミド基、エステル基、イミド基、オキシ基又はスルホニル基を有していてもよい。熱硬化性樹脂は、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、又はビスマレイミド樹脂であってよい。熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とを組み合わせる場合、熱可塑性樹脂100質量部に対し、熱硬化性樹脂の量が5~100質量部、又は20~70質量部であってもよい。
非接着層3は、フィラー(例えばセラミック粉、ガラス粉、銀粉、銅粉、樹脂粒子、ゴム粒子)、カップリング剤等を含有してもよい。非接着層3におけるフィラーの含有量は、樹脂100質量部に対して1~30質量部、又は5~15質量部であってもよい。カップリング剤の含有量は、樹脂100質量部に対して1~20質量部、又は2~15質量部であってもよい。
非接着層3の真鍮製の金型に対する90度のピール強度が、25℃において、5N/m未満、又は1N/m以下であってよい。このピール強度は、非接着層3を真鍮製の金型に温度250℃、圧力8MPaで10秒間圧着した後に測定される。
非接着層3の厚さは、例えば、10μm以下、9μm以下、8μm以下、又は7μm以下であってよい。非接着層の厚さは、例えば、1μm以上、2μm以上、3μm以上、4μm以上、5μm以上、又は6μm以上であってよい。非接着層の厚さは、特に制限されないが、例えば、1~10μm、又は1~8μmであってもよい。
仮保護フィルムは、例えば、熱可塑性樹脂、エポキシ化合物及び溶剤を含むワニスを支持フィルムに塗布し、塗膜から溶剤を除去することにより接着層を形成する工程を含む方法によって製造することができる。非接着層も同様の方法で形成することができる。
半導体パッケージの製造方法
以上例示された実施形態に係る仮保護フィルムを用いて、半導体パッケージを製造することができる。製造される半導体パッケージは、例えば、リードフレーム及びこれに搭載された半導体素子と、リードフレームの半導体素子側で半導体素子を封止する封止層とを有し、リードフレームの裏面が外部接続用に露出している、Non Lead Type Packageであってもよい。その具体例としては、QFN(QuadFlat Non-leaded Package)、SON(Small Outline Non-leaded Package)が挙げられる。
図3及び4は、半導体パッケージを製造する方法の一実施形態を示す断面図である。図5は、図3及び4の製造方法によって得られる半導体パッケージの一実施形態を示す断面図である。以下、必要に応じて各図面を参照して、各工程を説明する。
図3及び図4に示される方法は、ダイパッド11a及びインナーリード11bを有するリードフレーム11の一方の面である裏面に、仮保護フィルム10をその接着層がリードフレーム11に接する向きで貼り付ける工程と、ダイパッド11aの仮保護フィルム10とは反対側の面上に半導体素子14を搭載する工程と、半導体素子14とインナーリード11bとを接続するワイヤ12を設ける工程と、半導体素子14及びワイヤ12を封止する封止層13を形成して、リードフレーム11、半導体素子14及び封止層13を有する、仮保護された封止成形体20を得る工程と、封止成形体20から仮保護フィルム10を剥離する工程と、をこの順に備える。仮保護された封止成形体は、封止成形体20及び仮保護フィルム10から構成される。
仮保護フィルム10をリードフレーム11に貼り付ける工程は、リードフレーム11上に配置された仮保護フィルム10を加熱及び加圧することを含んでいてもよい。加熱温度は150℃以上、180℃以上、又は200℃以上であってもよく、400℃以下であってもよい。圧力は0.5~30MPa、1~20MPa、又は3~15MPaであってもよい。加熱及び加圧の時間は0.1~60秒、1~30秒、又は3~20秒であってもよい。
リードフレーム11は、例えば、42アロイ等の鉄系合金、銅、又は銅系合金から形成されたものであってもよい。リードフレーム11が、銅又は銅系合金から形成された成形体と、その表面を被覆するパラジウム、金、銀等の被覆層とを有していてもよい。
半導体素子14は、通常、接着剤(例えば、銀ペースト)を介してダイパッド11aに接着される。半導体素子14をダイパッド11aに接着した後に、最大温度250~440℃、又は250~400℃の温度、及び1~30分間の条件で、リフロー接続(CuClip接続等)を行ってもよい。
ワイヤ12は、特に制限されないが、例えば、金線、銅線、又はパラジウム被覆銅線であってもよい。例えば、200~260℃、又は350~260℃で3~60分間加熱して超音波と押し付け圧力を利用して、半導体素子14及びインナーリード11bをワイヤ12と接合してもよい。
封止層13は、封止材を用いた封止成形によって形成される。封止成形によって、複数の半導体素子14及びそれらを一括して封止する封止層13を有する封止成形体20を得てもよい。封止成形の間、仮保護フィルム10が設けられていることにより、封止材がリードフレーム11の裏面側に回り込むことが抑制される。
封止層13を形成する間の温度(封止材の温度)は、140~200℃、又は160~180℃であってもよい。封止層を形成する間の圧力は、6~15MPa、又は7~10MPaであってもよい。封止成形の時間は、1~5分、又は2~3分であってもよい。
形成された封止層13を必要に応じて加熱硬化させてもよい。封止層13の硬化のための加熱温度は、150~200℃、又は160~180℃であってもよい。封止層13の硬化のための加熱時間は、4~7時間、又は5~6時間であってもよい。
封止材、例えば、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、ビフェニルジエポキシ樹脂、ナフトールノボラックエポキシ樹脂等のエポキシ樹脂を含んでいてもよい。封止材は、フィラー、ブロム化合物等の難燃性物質、ワックス成分等を含んでいてもよい。
封止層13を形成する封止成形の後、得られた封止成形体20のリードフレーム11及び封止層13から、仮保護フィルム10が剥離される。封止層13を硬化する場合、仮保護フィルム10を、封止層13の硬化の前又は後のいずれの時点で剥離してもよい。
封止成形体20から仮保護フィルム10を剥離する温度は、0~250℃、100~200℃、又は150~250℃であってもよい。
仮保護フィルム10をリードフレーム11から剥離した後、リードフレーム11及び封止層13上に接着層の一部が残留した場合、これを除去してもよい。残留した接着層を、機械的ブラッシング、又は溶剤によって除去してもよい。溶剤は、例えば、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、又はジメチルホルムアミドであってもよい。
リードフレームがダイパッド及びインナーリードを有する複数のパターンを含む場合、必要に応じて、封止成形体20を分割して、それぞれ1個の半導体素子を有する図5の半導体パッケージ100を複数得ることができる。すなわち、リードフレーム11が複数のダイパッド11aを有し、複数のダイパッド11aの各々に半導体素子14が搭載される場合、一実施形態に係る製造方法は、仮保護フィルム10(又は10’)を封止成形体20から剥離した後に封止成形体20を分割して、1個のダイパッド11a及び半導体素子14を有する半導体パッケージ100を得る工程を更に備えていてよい。
長尺の仮保護フィルムを巻芯に巻き取り、得られたリール体から仮保護フィルムを巻き出しながら、半導体パッケージを製造してもよい。この場合のリール体は、巻芯と、巻芯に巻き取られた上述の実施形態に係る仮保護フィルムとを有する。
図6は、リール体の一実施形態を示す斜視図である。図6に示すリール体30は、巻芯31と、巻芯31に巻き取られた仮保護フィルム10と、側板32と、を備える。巻芯31及び仮保護フィルム10の幅(巻取方向と直交する方向の長さ)は、例えば、0.001cm以上、0.005cm以上、又は0.008cm以上であってよく、0.03cm以下であってよい。巻芯31及び仮保護フィルム10の幅(巻取方向と直交する方向の長さ)は、例えば、0.001cm以上0.03cm以下、0.005cm0.03cm以下、又は0.008cm以上0.03cm以下であってよい。
上述の実施形態に係る仮保護フィルムは、リール体を包装袋に収容した包装体として提供されてもよい。図7は、包装体の一実施形態を示す。図7に示すように、包装体50は、リール体30と、リール体30を収容した包装袋40と、を備える。リール体30は、通常個別に包装袋に収容されるが、複数個(例えば、2~3個)のリール体30を一個の包装袋40に収容してもよい。
包装袋40は、樹脂フィルムから形成されていてよく、アルミニウム層を有する樹脂フィルムである複合フィルムから形成されていてもよい。包装袋40の具体例としては、アルミニウムコーティングされたプラスチック製の袋が挙げられる。樹脂フィルムの素材としては、ポリエチレン、ポリエステル、塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチックが挙げられる。リール体30は、例えば、真空パックされた状態で包装袋に収容されていてもよい。包装体50は、真空パックされたものに限られない。
包装袋40には、リール体30とともに、乾燥剤が収容されていてもよい。乾燥剤としては、例えば、シリカゲルが挙げられる。包装体50は、リール体30を収容した包装袋40を更に緩衝材で包んだものであってもよい。
包装体50は、梱包箱に収容された梱包物として提供されてもよい。図8は、梱包物の一実施形態を示す。図8に示すように、梱包物70は、包装体50と、包装体50を収容した梱包箱60と、を備える。梱包箱60には、一個又は複数個の包装体50が収容される。梱包箱60としては、例えば、段ボールを用いることができる。
一実施形態に係る仮保護フィルムを用いて製造される半導体パッケージは、高密度化、小面積化、薄型化等の点で優れており、例えば、携帯電話、スマートフォン、パソコン、タブレット等の電子機器に好適に利用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
1.仮保護フィルムの作製
実施例1
2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン270.9g(0.63モル)、及び1,3-ビス(3-アミノプロピル)-テトラメチルジシロキサン67.0g(0.27モル)と、無水トリメリット酸クロライド187.3g(0.89モル)とから形成された重縮合体である芳香族ポリエーテルアミドイミドを準備した。この芳香族ポリエーテルアミドイミド100質量部と、ソルビトールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス株式会社製、商品名:EX-614B、エポキシ当量:173g/eq.)7質量部と、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製、商品名:SH6040)3質量部とをN-メチルピロリドンに溶解して、接着層形成用のワニスを得た。
得られたワニスを、支持体フィルムの片面上に塗布した。支持体フィルムとして、化学処理を施した表面を有するポリイミドフィルム(厚さ:25μm、宇部興産株式会社製、商品名:ユーピレックスSGA)を用いた。支持フィルム上の塗膜を100℃で10分、及び200℃で10分間の加熱によって乾燥して、厚さ2μmの接着層を形成して、支持フィルム及び接着層を有する実施例1の仮保護フィルムを得た。
実施例2
ソルビトールポリグリシジルエーテルの量を芳香族ポリエーテルアミドイミド100質量部に対して10質量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、接着層形成用のワニス、及び仮保護フィルムを得た。
実施例3
ソルビトールポリグリシジルエーテルに代えて、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(共栄化学株式会社製、商品名:エポライト400E、エポキシ当量:264~290g/eq.)を用い、その量を芳香族ポリエーテルアミドイミド100質量部に対して10質量部としたこと以外は実施例1と同様にして、接着層形成用のワニス、及び仮保護フィルムを得た。
実施例4
ソルビトールポリグリシジルエーテルに代えて、グリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス株式会社製、商品名:EX-313、エポキシ当量:141g/eq.)を用い、その量を芳香族ポリエーテルアミドイミド100質量部に対して10質量部としたこと以外は実施例1と同様にして、接着層形成用のワニス、及び仮保護フィルムを得た。
比較例1
ソルビトールポリグリシジルエーテルに代えて、エチレングリコールジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス株式会社製、商品名:EX-810、エポキシ当量:113g/eq.)を用い、その量を芳香族ポリエーテルアミドイミド100質量部に対して10質量部としたこと以外は実施例1と同様にして、接着層形成用のワニス、及び仮保護フィルムを得た。
比較例2
ソルビトールポリグリシジルエーテルを用いなかったこと以外は実施例1と同様にして、接着層形成用のワニス、及び仮保護フィルムを得た。
2.熱重量分析
実施例1で用いた芳香族ポリエーテルアミドイミド100質量部と、10質量部のEX-614B、エポライト400E、EX-313、又はEX-810とからなるフィルム(厚さ:約30μm)を作成した。得られた各フィルムを、昇温速度10℃/分で常温から550℃まで加熱する熱重量分析によって分析した。25℃における重量を基準として、420℃まで加熱された時点までに減少した重量の割合を、重量減少率[%]として求めた。測定結果を表1に示す。
Figure 0007447647000003
3.ピール強度
(1)貼付後
仮保護フィルムを、温度235℃、圧力6MPa、時間10秒の条件で銅リードフレーム(50mm×200mm、AgCu)に、接着層が銅リードフレームに接する向きで貼り付けた。次いで、25℃における接着層とリードフレームとの90度ピール強度を、引き剥がし速度:毎分300mmの条件で測定した。
(2)熱処理後
仮保護フィルムを、温度235℃、圧力6MPa、時間10秒の条件で銅リードフレーム(50mm×200mm、AgCu)に、接着層が銅リードフレームに接する向きで貼り付けた。次いで、銅リードフレーム及びこれに貼り付けられた仮保護フィルムを、180℃で1時間、及びこれに続く400℃で2分間の加熱による熱処理に供した。熱処理後、200℃における接着層とリードフレームとの90度ピール強度を、引き剥がし速度:毎分300mmの条件で測定した。
Figure 0007447647000004
表2に貼付後及び熱処理後のピール強度の評価結果を示す。各実施例の仮保護フィルムは、貼付後の適度なピール強度を発現するとともに、熱処理後に十分低減されたピール強度を示した。実施例4及び比較例1の熱処理後のピール強度測定において、剥離後、接着層の一部がリードフレーム上に残る残渣の発生が認められた。
1…支持フィルム、2…接着層、3…非接着層、10,10’…仮保護フィルム、11…リードフレーム、11a…ダイパッド、11b…インナーリード、12…ワイヤ、13…封止層、14…半導体素子、20…封止成形体、30…リール体、31…巻芯、32…側板、40…包装袋、50…包装体、60…梱包箱、70…梱包物、100…半導体パッケージ。

Claims (7)

  1. 支持フィルムと、前記支持フィルムの片面又は両面上に設けられた接着層と、を備え、リードフレームのダイパッドに搭載された半導体素子を封止する封止層を形成する封止成形の間、前記リードフレームの前記半導体素子とは反対側の面を仮保護するために用いられる、半導体封止成形用仮保護フィルムであって、
    前記接着層が、熱可塑性樹脂、分子量1000未満の低分子添加剤、及び前記低分子添加剤とは別のカップリング剤を含み、
    前記熱可塑性樹脂100質量部及び前記低分子添加剤10質量部からなるフィルムを、25℃から420℃まで加熱したときの重量減少率が、25℃における重量を基準として10%以上であ
    前記熱可塑性樹脂が、芳香族ポリエーテルアミドイミド、芳香族ポリエーテルイミド、芳香族ポリエーテルアミド、芳香族ポリアミド、芳香族ポリエステル、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミドイミド、芳香族ポリエーテル、及び芳香族ポリエステルイミドからなる群より選ばれる少なくとも1種を含み、
    前記低分子添加剤が1以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物を含む、
    半導体封止成形用仮保護フィルム。
  2. 前記低分子添加剤の含有量が、前記熱可塑性樹脂100質量部に対して5~20質量部である、請求項1に記載の半導体封止成形用仮保護フィルム。
  3. 支持フィルムと、前記支持フィルムの片面又は両面上に設けられた接着層と、を備え、リードフレームのダイパッドに搭載された半導体素子を封止する封止層を形成する封止成形の間、前記リードフレームの前記半導体素子とは反対側の面を仮保護するために用いられる、半導体封止成形用仮保護フィルムを製造する方法であって、
    熱可塑性樹脂100質量部及び低分子添加剤10質量部からなるフィルムを、25℃から420℃まで加熱したときの重量減少率が、25℃における重量を基準として10%以上である低分子添加剤を選択することと、
    前記熱可塑性樹脂、選択された前記低分子添加剤、及び前記低分子添加剤とは別のカップリング剤を含む接着層を前記支持フィルムの片面又は両面上に形成することと、
    を含
    前記熱可塑性樹脂が、芳香族ポリエーテルアミドイミド、芳香族ポリエーテルイミド、芳香族ポリエーテルアミド、芳香族ポリアミド、芳香族ポリエステル、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミドイミド、芳香族ポリエーテル、及び芳香族ポリエステルイミドからなる群より選ばれる少なくとも1種を含み、
    前記低分子添加剤が1以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物を含む、
    方法。
  4. ダイパッドを有するリードフレームと、
    請求項1又は2に記載の半導体封止成形用仮保護フィルムと、
    を備え、
    前記仮保護フィルムが、前記リードフレームの一方の面に、前記仮保護フィルムの接着層が前記リードフレームと接する向きで貼り付けられている、仮保護フィルム付きリードフレーム。
  5. ダイパッドを有するリードフレームと、
    前記リードフレームの一方の面側において前記ダイパッドに搭載された半導体素子と、
    前記半導体素子を封止している封止層と、
    請求項1又は2に記載の半導体封止成形用仮保護フィルムと、
    を備え、
    前記仮保護フィルムが、前記リードフレームの前記半導体素子とは反対側の面に、前記仮保護フィルムの接着層が前記リードフレームと接する向きで貼り付けられている、仮保護された封止成形体。
  6. ダイパッドを有するリードフレームの一方の面に、請求項1又は2に記載の半導体封止成形用仮保護フィルムを、その接着層が前記リードフレームに接する向きで貼り付ける工程と、
    前記ダイパッドの前記仮保護フィルムとは反対側の面上に半導体素子を搭載する工程と、
    前記半導体素子を封止する封止層を形成して、前記リードフレーム、前記半導体素子及び前記封止層を有する、仮保護された封止成形体を得る工程と、
    前記封止成形体から前記仮保護フィルムを剥離する工程と、
    をこの順に備える、半導体パッケージを製造する方法。
  7. 前記リードフレームが複数の前記ダイパッドを有し、前記複数のダイパッドの各々に前記半導体素子が搭載され、
    当該方法が、前記仮保護フィルムを前記封止成形体から剥離した後に前記封止成形体を分割して、1個の前記ダイパッド及び前記半導体素子を有する半導体パッケージを得る工程を更に備える、請求項に記載の方法。
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