JP7443896B2 - 加圧防排煙設備、建物及び加圧防排煙設備の設計方法 - Google Patents

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Description

本発明は、加圧防排煙設備、建物及び加圧防排煙設備の設計方法に関する。
火災により発生する煙を制御するシステムの一つとして、加圧防排煙設備が知られている。加圧防排煙設備は、火災が発生した一般室(居室等)又は隣接室(廊下等)を排気するとともに、避難階段に隣接する避難階段附室に外気を給気し避難階段附室から隣接室へ向かう空気の流れを形成することで、避難階段附室への漏煙を防止する(例えば、特許文献1参照)。
図7に示すように、加圧防排煙設備の一例として、建物1の一般室2や隣接室3を強制的に排気する排煙装置101と、避難階段附室4に給気を行う給気装置102とを備えるものがある。以下に、火災発生時に行われるべき避難及び煙制御を段階別に示す。
火災初期段階1:火災110が発生した一般室2を含む火災階から避難者が避難する。また、排煙装置101が起動して一般室2の機械排煙が開始される。
火災初期段階2:火災階に加え非被災階から避難者が避難する。このとき、煙が避難階段側へ流出しないように、一般室2の機械排煙が継続される。一般室2が高温になることで一般室2からの排煙が停止し、隣接室3へ煙が漏れ出た場合には、隣接室3から機械排煙が行われる。
火災中期段階:火災110が進み、非火災階の避難者が避難する。このとき、避難階段への漏煙を防止するため給気装置102が起動する。なお、「火災初期段階2」や「火災中期段階」においては消防隊による消火活動が適宜行われる。
特開2014-145539号公報
しかし、近年の建物では気密性が高いために、「火災初期段階1」及び「火災初期段階2」において機械排煙を行うことにより一般室2や隣接室3側の圧力が低下し、避難階段附室4と隣接室3との間の出入口25に設けられた遮煙開口部26を挟んで圧力差が生じる。避難階段附室4への遮煙開口部26は、避難方向である避難階段附室4側に押し開くタイプのものであるため、避難階段附室4の圧力が隣接室3の圧力に比べ過度に高いと、遮煙開口部26が開放できない障害(開放障害)が発生する可能性がある。遮煙開口部26の開放障害が生じると、火災階の避難者100が避難階段に辿り着けない事象や、消防隊が避難階段附室4から隣接室3へ突入できない事象等が発生し、避難行動や消火活動が妨げられるおそれがある。
本発明は、上記問題点を解決するものであり、その目的は、火災発生時に遮煙開口部の開放障害を抑制することを可能とする加圧防排煙設備、建物及び加圧防排煙設備の設計方法を提供することにある。
上記課題を解決する加圧防排煙設備は、避難階段附室に接続する接続室と、前記避難階段附室と前記接続室とを遮る壁に設けられた前記避難階段附室側に開く扉からなる前記遮煙開口部と、前記接続室に設けられた機械排煙口と、前記接続室に設けられ、前記避難階段附室から流れる空気を自然排気式で排出する自然排煙口とを備える建物における加圧防排煙設備であって、前記接続室に設けられた前記機械排煙口から前記接続室内の煙を前記建物外へ強制的に排出する排煙装置と、前記避難階段附室に設けられた給気口から前記避難階段附室に外気を強制的に供給する給気装置と、を備え、前記排煙装置が作動しているときに前記自然排煙口を開放して外気を前記接続室に供給する。
上記構成によれば、空気を排出するための自然排煙口を、排煙装置が作動しているときに開放することで外気の流入経路として利用することができる。これにより、排煙装置の起動後であって給気装置が起動する以前においても給気経路が確保されるので、接続室が過度に減圧されない。よって、遮煙開口部の開放障害の発生が抑制されるため、避難者を避難階段に確実に辿り着けるようにすることができる。また、消防隊が避難階段附室から接続室へ突入しやすいので消火活動を円滑に行うことができる。
上記加圧防排煙設備について、前記排煙装置の起動に連動して、前記自然排煙口及び前記機械排煙口を開放する制御装置をさらに備えることが好ましい。
上記構成によれば、圧力センサ等の新たな装置を設けることなく、適切なタイミングで自然排煙口を開放することができる。
上記課題を解決する建物は、避難階段附室と、前記避難階段附室に接続する接続室と、前記避難階段附室と前記接続室とを遮る壁に設けられた前記避難階段附室側に開く扉からなる前記遮煙開口部と、前記接続室に設けられた機械排煙口と、前記接続室に設けられ、前記避難階段附室から流れる空気を自然排気式で排出する自然排煙口とを備える建物であって、前記接続室に設けられた前記機械排煙口から前記接続室内の煙を前記建物外へ強制的に排出する排煙装置と、前記避難階段附室に設けられた給気口から前記避難階段附室に外気を強制的に供給する給気装置と、を備え、前記排煙装置が作動しているときに前記自然排煙口を開放して外気を前記接続室に供給する。
上記課題を解決する加圧防排煙設備の自然排煙口の設計方法は、加圧防排煙設備の自然排煙口の設計方法であって、避難階段附室に接続する接続室と、前記避難階段附室と前記接続室とを遮る壁に設けられた前記避難階段附室側に開く扉からなる前記遮煙開口部と、前記接続室に設けられた機械排煙口と、前記接続室に設けられ前記避難階段附室から流れる空気を自然排気式で排出する自然排煙口とを備える加圧防排煙設備における前記自然排煙口の設計方法であって、前記遮煙開口部の設計値と前記遮煙開口部を支障なく開放できる開放力とに基づいて、前記遮煙開口部の開放障害を抑制するための圧力差を算出する工程と、前記圧力差と前記排気装置の排気風量とに基づき、有効開口面積を算出する工程と、を含む。
上記構成によれば、遮煙開口部の設計値と遮煙開口部を支障なく開放できる開放力とを用いて、自然排煙口の有効開口面積を算出するため、遮煙開口部の開放障害をより確実に防ぐことができる。
上記設計方法について、予め規定された有効開口面積と、前記圧力差と前記排気装置の排気風量とに基づき算出した有効開口面積とのうち大きい面積を有効開口面積とする工程をさらに備える。
上記構成によれば、予め規定された有効開口面積と、遮煙開口部の設計値と遮煙開口部を支障なく開放できる開放力とを用いて算出した有効開口面積とのうち大きい面積を有効開口面積とする。このため、遮煙開口部の開放障害をより確実に防ぐことができる。
本発明によれば、火災発生時に遮煙開口部の開放障害を抑制することが可能となる。
本発明の一実施形態における加圧防排煙設備が採用された建物の概略を示す平面図。 同実施形態における建物を模式的に示す断面図。 同実施形態の火災初期段階1の加圧防排煙設備の動作を示す模式図。 同実施形態の火災初期段階2の加圧防排煙設備の動作を示す模式図。 同実施形態の火災中段階の加圧防排煙設備の動作を示す模式図。 同実施形態の加圧防排煙設備が動作したときの風量変化及び温度変化を示すグラフ。 従来の加圧防排煙設備の動作を示す模式図。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
図1に示すように、建物1は、一般室2、隣接室3、避難階段室5及び避難階段附室4を備えている。一般室2は、避難者が使用する事務室や店舗等である。一般室2は、図中破線で示す壁20で区切って使用することもできる。隣接室3は、一般室2と避難階段附室4との間に設けられた廊下等である。一般室2と隣接室3との間の開口21には扉22が設けられている。扉22は、図1に示すように一般室2側に開く。なお、一般室2と隣接室3との区画は防火区画されている。
隣接室3と避難階段附室4との間の出入口25には、避難階段附室4側に開く扉からなる遮煙開口部26が設けられている。避難階段附室4は、消火活動拠点として用いられる。避難階段附室4と避難階段室5との間には、避難階段室5側に開く扉27が設けられている。本実施形態の建物1では、一般室2及び隣接室3が、避難階段附室4に出入口25を介して接続する接続室6に対応する。
次に、建物1に設けられた加圧防排煙設備30について説明する。加圧防排煙設備30は、機械排煙口33,35、排煙用風道34及び排煙装置36を備える。機械排煙口33は、一般室2内に設けられる。排煙装置36は、ファン等の機械排煙を行うものであって、火災が発生した場合に作動して、一般室2の煙を排煙用風道34を介して吸引し、建物1の外部に強制的に排出する。また、隣接室3に設けられた機械排煙口35は、排煙用風道34に接続している。排煙用風道34の途中には、防火ダンパー37が設けられている。一般室2からの排煙空気が高温になった場合には防火ダンパー37が作動し、機械排煙口33からの排煙は停止し、機械排煙口35から排煙する経路に切り替わる。
また、加圧防排煙設備30は、給気装置38、給気用風道39及び給気口41を備える。給気装置38は、建物1の外部から吸入した新鮮空気である外気を、給気用風道39を介して給気口41から避難階段附室4に供給する。
さらに隣接室3には、避難階段附室4から流れる空気を、ファン等を用いず、自然排気式で排出する自然排煙口40が設けられている。自然排煙口40は、隣接室3の壁に設けられていてもよいし、天井に設けられていてもよい。自然排煙口40は、排煙装置36の起動とともに開かれるものであって、その状況以外は閉じている。なお、避難階段附室4から流れる給気空気を排出する方法として別途機械排煙による方法を用いてもよい。
図2に示すように、加圧防排煙設備30は、制御装置50を備える。制御装置50は、排煙装置36及び給気装置38を作動させる。また、制御装置50は、自然排煙口40を開放する。また、制御装置50は、一般室2や隣接室3に設置された煙感知器43から出力された煙の検知信号を入力する。制御装置50は、煙感知器43から検知信号を受信すると、排煙装置36を作動させる。防火ダンパー37は、一般室2から吸入される空気が所定温度以上となると、一般室2の機械排煙口33から排煙装置36に向かう経路を自動的に閉鎖する。そののち、隣接室3側に煙が漏れ出れば、隣接室3の機械排煙口35が開放され、機械排煙口35から排煙装置36に向かう経路を開放する。なお、接続室として一般室2と隣接室3が計画される場合には、自然排煙口40は隣接室3に設けることが好ましく、機械排煙口33は一般室2と隣接室3の何れかの室に設けても、両室に設けても良いが、一般室2の排煙量を隣接室3の排煙量よりも多くする方が火災初期の隣接室3への漏煙量を低減できるため望ましい。
また、隣接室3と避難階段附室4との間の壁には圧力調整装置42が設けられている。圧力調整装置42は、鎧窓や圧力調整ダンパーを備え、避難階段附室4の過度な圧力上昇を調整する。なお、圧力調整装置42は、遮煙開口部26に設けられていてもよい。
次に図3~図5を参照して、加圧防排煙設備30の動作について、火災発生時の各段階別に説明する。
(火災初期段階1)
図3に示すように、一般室2で火災110が発生すると、煙感知器43が煙の発生を感知して制御装置50に検知信号を出力する。制御装置50は、検知信号を入力すると、排煙装置36に起動信号を出力して排煙装置36を作動させ、一般室2の機械排煙口33からの排煙を開始する。
制御装置50は、排煙装置36の起動に連動して自然排煙口40を開放する。つまり制御装置50は、排煙装置36の起動信号の出力とともに自然排煙口40を開放してもよいし、排煙装置36の排煙動作を検知してから自然排煙口40を開放してもよい。排煙が行われることにより隣接室3は減圧されるため、自然排煙口40からは外気が供給される。これにより、隣接室3及び一般室2側の圧力が極端に低下せず、遮煙開口部26に過度な圧力差がかからないため、遮煙開口部26の開放障害が発生することを抑制することができる。その結果、避難者100は、遮煙開口部26を開放し避難階段附室4を経由して、避難階段室5に移動することが可能となる。
(火災初期段階2)
図4に示すように、一般室2の空間温度が所定温度(例えば280℃)になると、防火ダンパー37が機械排煙口33側の経路を閉鎖し、隣接室3側の機械排煙口35から排煙が行われる。自然排煙口40は、開放状態を維持する。これにより、排煙が行われている隣接室3の圧力が極端に低下しないため、この段階においても遮煙開口部26の開放障害を抑制することができる。
(火災中期段階)
図5に示すように、消防隊(図示略)が建物1に到着し、給気装置38の手動起動装置(図示略)が操作される。この場合、制御装置50は、給気装置38を起動して、避難階段附室4に外気を供給する。避難階段附室4に供給された外気は、出入口25を介して隣接室3に供給され、自然排煙口40、若しくは自然排煙口40及び機械排煙口35から排出される。このため、避難階段附室4と隣接室3との間に、避難階段附室4に煙を漏出させないための圧力差が生じる。なお、このとき、一般室2側が高温となり空気が膨張して圧力が高くなるとともに、遮煙開口部26が閉鎖された場合には圧力調整装置42が圧力差を緩和するので、遮煙開口部26の開放障害は生じない。消防隊は避難階段附室4又は隣接室3にて、消火設備44等を用いて放水等の消火活動を行う。
図6は、火災の「発生前」から「火災中期段階」に至る過程の風量の変化及び温度変化を示す。排煙曲線51は、排煙装置36が排出する排煙風量(m/分)、給気曲線52は、給気装置38が供給する給気風量(m/分)の変化を示す。また、温度曲線53は、火災が発生した一般室2(火災室)の温度変化を示す。「発生前」において、排煙装置36及び給気装置38は作動していない。「火災初期段階1」及び「火災初期段階2」を含む火災初期段階では、排煙装置36だけが作動するため、排煙曲線51に示すように排煙風量のみが上昇するが、自然排煙口40が開放されることにより出入口25に設けられた遮煙開口部26の内側と外側で過度な圧力差が発生することが抑制される。「火災中期段階」で給気装置38が作動すると、給気曲線52に示すように給気風量が上昇する。このとき、図6中、排煙風量と吸気風量との間に風量差54があるが、一般室2が高温であり空気が膨張しているため、圧力差は小さく、均衡に近い状態となる。
次に、自然排煙口40の設計方法について説明する。遮煙開口部26の開放障害を抑制するためには、自然排煙口40から適切な風量の空気を供給する必要がある。自然排煙口40から適切な風量の空気を供給するためには、自然排煙口40の有効開口面積を適切に算定する必要がある。この有効開口面積の算定方法について詳述する。
まず、遮煙開口部26の設計値、及び避難者や消防隊員が遮煙開口部26を支障なく開放できる開放力から、遮煙開口部26の開放障害を抑制可能な圧力差ΔPを算定する。
「B」は遮煙開口部26の幅(m)、「H」は遮煙開口部26の高さ、「d」はドアノブから遮煙開口部26の回動端であるヒンジまでの距離(m)である。「F」は、避難者や消防隊員が遮煙開口部26を支障なく開放できる開放力を示す。「M」は、ドアクローザーのトルク(N・m)を示す。
次に、遮煙開口部26にかかる圧力差を「ΔP」とした場合に必要な有効開口面積αAを、排気風量に基づき以下の式(2)を用いて算定する。
「α」は流量係数を示す。「Ve」は火災時に一般室2および隣接室3で開放される(同時開放も含む)機械排煙風量の最大値(CMH)、「ρ」は空気密度(kg/m)である。
さらに、式(3)のように建築基準法において加圧防排煙設備の自然排煙口として規定されている有効開口面積と、有効開口面積αAとのうち大きいものを有効開口面積αAeとして特定する。
「0.7」は、出入口25を単純開口した場合の流量係数である。Aは、建建築基準法において加圧防排煙設備の空気逃し口(自然排煙口)として規定されている数値である。このように大きい方の有効開口面積を、自然排煙口40の有効開口面積とするので、より確実に遮煙開口部26の開放障害を抑制することができる。
以上説明したように、上記実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)自然排煙口40を、排煙装置36が排煙動作をしているときに開放することで外気の流入経路として利用することができる。これにより、一般室2及び一般室2に接続する隣接室3が過度に減圧されないため、遮煙開口部26の開放障害の発生を抑制することができる。このため、避難者が避難階段室5に確実に辿りつけるようにすることができる。また、消防隊が避難階段附室4から隣接室3側へ突入しやすいので消火活動を円滑に行うことができる。
(2)制御装置50は、排煙装置36の起動とともに、閉鎖された自然排煙口40を開放するため、遮煙開口部26の前後の圧力差を判定するための圧力センサ等を新たに設置することなく、適切なタイミングで自然排煙口40を開放することができる。
(3)一般室2からの排煙を開始したときに自然排煙口40が開放される。つまり、火災直後から自然排煙口40を介して外気が隣接室3に供給されるため、遮煙開口部26の開放障害を早期の段階で抑制することができる。
(4)遮煙開口部26の設計値と遮煙開口部26を支障なく開放できる開放力とを用いて圧力差を算出し、その圧力差を用いて自然排煙口40の有効開口面積を算出するため、自然排煙口40の規定値を一律に適用する場合に比べて、その建物1に合わせた有効開口面積とすることができる。このため、遮煙開口部26の開放障害をより確実に防ぐことができる。
(5)予め規定された有効開口面積と、遮煙開口部26の設計値と遮煙開口部26を支障なく開放できる開放力とを用いて算出した有効開口面積とのうち大きい面積を有効開口面積とする。このため、遮煙開口部26の開放障害をより確実に防ぐことができる。
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、排煙装置36の起動とともに自然排煙口40を開放した。これに代えて、排煙装置36が起動してから所定時間経過後又は一般室2の扉22が開放されたことに連動して自然排煙口40を開放するようにしてもよい。又は、煙感知器43から出力された検知信号を制御装置50が入力したときに自然排煙口40を開放するようにしてもよい。
・上記実施形態では、自然排煙口40は、制御装置50の制御によって開放されるようにした。これに代えて、排煙装置36の作動に連動して自然排煙口40を開放する機構を設けるようにしてもよい。要は、排煙装置36が排煙動作をしているときに自然排煙口40を開放して外気を隣接室3に供給できればよい。
・排煙装置36を作動させる制御装置と、自然排煙口40を開閉する制御装置は異なる装置であってもよい。この態様では、排煙装置36を作動させる制御装置から、自然排煙口40を開閉する制御装置に、自然排煙口40を開放する指令が出力される。
・隣接室3に設けられる機械排煙口35は、火災初期段階で機械排煙を行うための機能に加え、火災中期段階において加圧吸気が行われる際に、給気空気を排出する空気逃し口として機能させてもよい。この場合、給気空気は、自然排煙口40及び機械排煙口35から排出される。
・上記実施形態では、排煙用風道34に、排煙空気が高温になった場合に自動的に閉鎖する防火ダンパー37を備えた。防火ダンパー37に代えて、排煙空気が高温になった場合にも閉鎖しないモーターダンパーを用いてもよい。モーターダンパーが用いられる場合には、火災中期段階において加圧吸気が行われる際にモータダンパーを作動させて、機械排煙口33を介して給気空気を排出してもよい。つまり、機械排煙口33は、空気逃し口を兼ねてもよい。また、例えば加圧防排煙設備30を防火区画以外に設置する場合等には、排煙用風道34には、防火ダンパー37等のダンパーが設置されていなくてもよい。
・上記実施形態では、加圧防排煙設備30は、排煙装置36を1つ設ける構成とした。これに代えて、一般室2からの排煙を行う排煙装置と、隣接室3からの排煙を行う排煙装置とを1つずつ(又は複数)設けるようにしてもよい。そして、一般室2から吸入される空気の温度が所定温度に到達した場合に、一般室2の排煙を行う排煙装置を停止するか又はダンパーを閉鎖し、隣接室3の排煙を行う排煙装置を作動させるようにしてもよい。
・上記実施形態では、一般室2の扉22は、一般室2側に開かれるものであるとした。これに代えて、扉22は、隣接室3側に開かれるものであってもよい。この態様において、一般室2の扉22の開放障害を抑制するために、一般室2に自然排煙口40を設けるようにしてもよい。
・上記実施形態では、加圧防排煙設備30を適用する建物1を、一般室2と、一般室2に隣接する隣接室3とを備える構造とし、隣接室3と避難階段附室4とを接続させた。これに代えて、隣接室3を設けず、一般室2と避難階段附室4とを接続させた建物に、加圧防排煙設備30を適用してもよい。この場合、一般室2が、避難階段附室4に出入口25を介して接続する接続室に対応し、一般室2に自然排煙口40が設けられる。
1…建物、2…一般室、3…隣接室、4…避難階段附室、5…避難階段室、6…接続室、20…壁、21…開口、22…扉、25…出入口、26…遮煙開口部、27…扉、30…加圧防排煙設備、33…機械排煙口、34…排煙用風道、35…機械排煙口、36…排煙装置、37…防火ダンパー、38…給気装置、39…給気用風道、40…自然排煙口、41…給気口、42…圧力調整装置、43…煙感知器、50…制御装置、51…排煙曲線、52…給気曲線、53…風量差、53…温度曲線、100…避難者、101…排煙装置、102…給気装置。

Claims (2)

  1. 避難階段室に隣接する避難階段附室と、
    前記避難階段附室に隣接する接続室と、
    前記避難階段附室と前記接続室とを区画する壁に設けられ且つ前記接続室からの避難方向である前記避難階段附室側に開く扉と
    前記接続室に設けられた機械排煙口と、
    前記接続室に設けられ、前記避難階段附室から流れる空気を自然排気式で排出する自然排煙口とを備える建物における加圧防排煙設備であって、
    前記接続室に設けられた前記機械排煙口から前記接続室内の煙を前記建物外へ強制的に排出する排煙装置と、
    前記避難階段附室に設けられた給気口から前記避難階段附室に外気を強制的に供給する給気装置と、
    前記排煙装置の起動に連動して、前記自然排煙口及び前記機械排煙口を開放する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記排煙装置が作動しているときに前記自然排煙口を開放して外気を前記接続室に供給し、前記扉の内側と外側との圧力差を小さくすることにより前記扉の開放障害を抑制する、加圧防排煙設備。
  2. 避難階段室に隣接する避難階段附室と、
    前記避難階段附室に隣接する接続室と、
    前記避難階段附室と前記接続室とを区画する壁に設けられ且つ前記接続室からの避難方向である前記避難階段附室側に開くと、
    前記接続室に設けられた機械排煙口と、前記接続室に設けられ且つ前記避難階段附室から流れる空気を自然排気式で排出する自然排煙口とを備える建物であって、
    前記接続室に設けられた前記機械排煙口から前記接続室内の煙を前記建物外へ強制的に排出する排煙装置と、
    前記避難階段附室に設けられた給気口から前記避難階段附室に外気を強制的に供給する給気装置と、
    前記排煙装置の起動に連動して、前記自然排煙口及び前記機械排煙口を開放する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記排煙装置が作動しているときに前記自然排煙口を開放して外気を前記接続室に供給し、前記扉の内側と外側との圧力差を小さくすることにより前記扉の開放障害を抑制する、建物。
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JP2003334261A (ja) 2002-05-21 2003-11-25 Taisei Corp アトリウムの防災システム

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