JP7439517B2 - 送風装置及び送風システム - Google Patents

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Description

この発明は、送風装置及び送風システムに関するものである。
空気調和機の室内機と室内空気を室外に排気する排気口とを建造物の壁面に設けるシステムにおいて、排気口を室内機が設置される壁面と対向する壁面の下部に配置し、冷媒漏洩時に室内機の送風ファンを運転することで、室内機から吹き出される空気によって生じる対流を利用して、室内機からの漏洩冷媒を排気口から排出するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001-012763号公報
しかしながら、特許文献1に示されるような技術においては、室内空気に対流を起こし、この対流を利用して壁面の下部の排気口から漏洩冷媒を排出しようとするため、対流のうちの上昇気流により上昇してしまった漏洩冷媒が壁面の下部の排気口にまで到達するのに時間がかかり、漏洩冷媒の室外への排出に必要な時間が長くなるおそれがある。
この発明は、このような課題を解決するためになされたものである。その目的は、室内に漏洩した冷媒の室外への排出を促進して、室内における漏洩冷媒の濃度低下を図り、室内に漏洩冷媒が滞留して冷媒濃度が上昇してしまうことを抑制できる送風装置及び送風システムを提供することにある。
この発明に係る送風装置は、室内に空気を送り出して気流を生成する送風手段と、前記室内における冷媒の漏洩に関する情報を取得する漏洩情報取得手段と、を備え、前記室内又は前記室内に通じる空間内には、前記冷媒が流通する冷媒回路の一部又は全部が存在し、前記送風手段は、前記漏洩情報取得手段が前記冷媒の漏洩を検知した情報を取得すると、前記室内の外部に通じる開口に向けた気流を生成し、前記送風手段は、送風する風向を変更可能であり、前記室内には、外部に通じる開口が複数存在し、前記漏洩情報取得手段が冷媒の漏洩を検知した情報を取得すると、複数の前記開口のうちから1つを選択する選択手段をさらに備え、前記送風手段は、前記漏洩情報取得手段が冷媒の漏洩を検知した情報を取得すると、前記選択手段が選択した前記開口に向けた気流を生成し、前記選択手段は、冷媒漏洩が検知されてからの経過時間に応じて、選択する前記開口を決定する。
または、この発明に係る送風装置は、室内に空気を送り出して気流を生成する送風手段と、前記室内における冷媒の漏洩に関する情報を取得する漏洩情報取得手段と、を備え、前記室内又は前記室内に通じる空間内には、前記冷媒が流通する冷媒回路の一部又は全部が存在し、前記送風手段は、前記漏洩情報取得手段が前記冷媒の漏洩を検知した情報を取得すると、前記室内の外部に通じる開口からの排気量が増加する気流を生成し、前記送風手段は、送風する風向を変更可能であり、前記室内には、外部に通じる開口が複数存在し、前記漏洩情報取得手段が冷媒の漏洩を検知した情報を取得すると、複数の前記開口のうちから1つを選択する選択手段をさらに備え、前記送風手段は、前記漏洩情報取得手段が冷媒の漏洩を検知した情報を取得すると、前記選択手段が選択した前記開口からの排気量が増加する気流を生成し、前記選択手段は、冷媒漏洩が検知されてからの経過時間に応じて、選択する前記開口を決定する。
この発明に係る送風システムは、室内に第1位置から空気を送り出して気流を生成する第1送風手段を有する第1送風装置と、前記室内に第2位置から空気を送り出して気流を生成する第2送風手段を有する第2送風装置と、前記室内における冷媒の漏洩に関する情報を取得する漏洩情報取得手段と、を備え、前記室内又は前記室内に通じる空間内には、前記冷媒が流通する冷媒回路の一部又は全部が存在し、前記第1送風装置及び前記第2送風装置は、前記漏洩情報取得手段が冷媒の漏洩を検知した情報を取得すると、前記第1送風手段及び前記第2送風手段から同時に送風することで、前記室内の外部に通じる開口に向けた気流を生成し、前記第1送風装置及び前記第2送風装置は、送風する風向を変更可能であり、前記室内には、外部に通じる開口が複数存在し、前記漏洩情報取得手段が冷媒の漏洩を検知した情報を取得すると、複数の前記開口のうちから1つを選択する選択手段をさらに備え、前記第1送風装置及び前記第2送風装置は、前記漏洩情報取得手段が冷媒の漏洩を検知した情報を取得すると、前記第1送風手段及び前記第2送風手段から同時に送風することで、前記選択手段が選択した前記開口に向けた気流を生成し、前記選択手段は、冷媒漏洩が検知されてからの経過時間に応じて、選択する前記開口を決定する。
この発明に係る送風装置及び送風システムによれば、室内に漏洩した冷媒の室外への排出を促進して、室内における漏洩冷媒の濃度低下を図り、室内に漏洩冷媒が滞留して冷媒濃度が上昇してしまうことを抑制できるという効果を奏する。
この発明の実施の形態1に係る送風装置である空気調和機が備える冷媒回路の構成概略を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る送風装置である空気調和機の室内機の構成を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る送風装置である空気調和機の室内機の構成を示す断面図である。 この発明の実施の形態1に係る送風装置である空気調和機の室内機が設置された室内の構成を模式的に示す図である。 この発明の実施の形態1に係る送風装置の制御系統の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1に係る送風装置の動作例を説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る送風装置の動作例を説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る送風装置の動作例を説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る送風装置及び送風システムの動作例を説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る送風装置及び送風システムの動作例を説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る送風装置の動作の一例を示すフロー図である。
この発明を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一又は相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化又は省略する。以下の説明においては便宜上、図示の状態を基準に各構造の位置関係を表現することがある。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、各実施の形態の自由な組み合わせ、各実施の形態の任意の構成要素の変形、又は各実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
実施の形態1.
図1から図11を参照しながら、この発明の実施の形態1について説明する。図1は送風装置である空気調和機が備える冷媒回路の構成概略を示す図である。図2は送風装置である空気調和機の室内機の構成を示す斜視図である。図3は送風装置である空気調和機の室内機の構成を示す断面図である。図4は送風装置である空気調和機の室内機が設置された室内の構成を模式的に示す図である。図5は送風装置の制御系統の構成を示すブロック図である。図6から図8は送風装置の動作例を説明する図である。図9及び図10は送風装置及び送風システムの動作例を説明する図である。そして、図11は送風装置の動作の一例を示すフロー図である。
以下においては、この実施の形態に係る送風装置が、送風とともに空気調和を行うことができる空気調和機である場合を例に挙げて説明する。ただし、この発明に係る送風装置は、空気調和を必ずしも行えなくともよく、少なくとも送風できる装置であれば適用可能である。
図1に示すように、この実施の形態に係る送風装置である空気調和機は、室内機1と室外機2とを備えている。室内機1は、空気調和の対象となる室の内部すなわち室内に設置される。室外機2は、当該室の外部すなわち室外に設置される室内機1は、室内熱交換器3と室内ファン5とを備えている。室外機2は、室外熱交換器4、室外ファン6、圧縮機7、膨張弁8及び四方弁9を備えている。
室内機1と室外機2とは冷媒配管10で接続されている。冷媒配管10は、室内機1の室内熱交換器3と室外機2の室外熱交換器4との間で循環的に設けられている。冷媒配管10内には冷媒が封入されている。冷媒配管10内に封入される冷媒は、地球温暖化係数(GWP)の小さいものを用いることが望ましい。冷媒として例えば、空気よりも平均分子量が大きいものを用いる。この場合の冷媒は、空気よりも密度が大きく大気圧下で空気より重い。したがって、この場合の冷媒は、空気中では重力方向(鉛直方向)の下方へと沈んでいく性質を持っている。
このような冷媒として、具体的に例えば、テトラフルオロプロペン(CF3CF=CH2:HFO-1234yf)、ジフルオロメタン(CH2F2:R32)、プロパン(R290)、プロピレン(R1270)、エタン(R170)、ブタン(R600)、イソブタン(R600a)、1.1.1.2-テトラフルオロエタン(C2H2F4:R134a)、ペンタフルオロエタン(C2HF5:R125)、1.3.3.3-テトラフルオロ-1-プロペン(CF3-CH=CHF:HFO-1234ze)、二酸化炭素(CO2:R744)等の中から選ばれる1つ以上の冷媒からなる(混合)冷媒を用いることができる。
冷媒配管10は、室内熱交換器3、四方弁9、圧縮機7、室外熱交換器4及び膨張弁8を環状に接続している。したがって、室内熱交換器3と室外熱交換器4との間で冷媒が循環する冷媒回路が形成されている。
圧縮機7は、供給された冷媒を圧縮して当該冷媒の圧力及び温度を高める機器である。圧縮機7は、例えば、ロータリ圧縮機、スクロール圧縮機、レシプロ圧縮機等を用いることができる。膨張弁8は、凝縮器12で凝縮された冷媒を膨張させ、当該冷媒を減圧する。ここで説明する構成例では、膨張弁8は、リニア電子膨張弁(LEV:Linear Electric expansion Valve)である。したがって、膨張弁8を閉じることで、冷媒の流通を阻止できる。
室内熱交換器3は、室内熱交換器3に流入した冷媒と室内熱交換器3の周囲の空気との間で熱を交換させる。室内ファン5は、室内の空気が室内熱交換器3の周囲を通過するように送風し、室内熱交換器3における冷媒と空気との間での熱交換を促進するとともに、熱交換により加熱又は冷却された空気を再び室内に送り出す。室外熱交換器4は、室外熱交換器4に流入した冷媒と室外熱交換器4の周囲の空気との間で熱を交換させる。室外ファン6は、室外の空気が室外熱交換器4の周囲を通過するように送風し、室外熱交換器4における冷媒と空気との間での熱交換を促進する。
このようにして構成された冷媒回路は、室内熱交換器3及び室外熱交換器4のそれぞれにおいて冷媒と空気の間で熱交換を行うことにより、室内機1と室外機2との間で熱を移動させるヒートポンプとして働く。この際、四方弁9を切り換えることにより、冷媒回路における冷媒の循環方向を反転させて空気調和機の冷房運転と暖房運転とを切り換えることができる。
次に、図2及び図3を参照しながら、室内機1の構成例について、さらに説明する。ここで説明する構成例の空気調和機は、いわゆるルームエアコンである。室内機1は、室内の壁面又は天井面に設置されている。ここでは、室内機1は、室内の壁面に設置されているとする。
図2及び図3に示すように、室内機1は、筐体110を備えている。室内機1の筐体110は、横長で前面から下面にかけては滑らかな曲面となった略直方体状に形成されている。筐体110の上面部には、吸込口111が形成されている。吸込口111は、外部から筐体110の内部に空気を取り込むための開口である。筐体110の前面下部には、吹出口112が形成されている。吹出口112は、筐体110の内部から外部へと空気を排出するための開口である。筐体110の前面上部は、前面パネル113に覆われている。
吹出口112には、上下風向板131、132、141、142が設けられている。これらの上下風向板は、吹出口112から吹き出す空気の上下方向の吹き出し角度を調整するためのものである。
上下風向板は、室内機1の正面に向かって手前側と奥側とにそれぞれ設置されている。また、手前側と奥側の各上下風向板は、それぞれ左右に分割されている。すなわち、手前側の上下風向板は、室内機1の正面に向かって左側の左手前側上下風向板131と、右側の右手前側上下風向板132とに分割されている。また、奥側の上下風向板は、室内機1の正面に向かって左側の左奥側上下風向板141と、右側の右奥側上下風向板142とに分割されている。
それぞれの上下風向板が左右に分割される位置は、室内機1の長手方向(吹出口112の左右方向)のほぼ中央である。左手前側上下風向板131と右手前側上下風向板132との間には、僅かな隙間が形成されている。同様に、左奥側上下風向板141と右奥側上下風向板142との間にも、僅かな隙間が形成されている。
左手前側上下風向板131、右手前側上下風向板132、左奥側上下風向板141及び右奥側上下風向板142は、それぞれ、吹出口112の左右方向に細長く延びた板状の部材である。また、これらの上下風向板131、132、141、142は、それぞれ、長手方向に垂直な断面が円弧状となるように湾曲している。
上下風向板131、132、141、142は、それぞれが図示しない支持腕を介して筐体110に取り付けられている。それぞれの支持腕は筐体110に対して回転可能に取り付けられている。各支持腕が筐体110に対して回転することで、それぞれの上下風向板の向きを変えることができるようになっている。そして、上下風向板の向きを変えることで、室内機1は、送風方向を上下に変更可能である。
上下風向板のそれぞれの支持腕は、図示しない上下風向板用ステッピングモータの駆動により互いに独立して角度を変更できるように設けられている。このため、吹出口112の左側から吹き出す空気の上下方向の吹き出し角度(送風方向)と、吹出口112の右側から吹き出す空気の上下方向の吹き出し角度(送風方向)とを、別々に調整できる。
吹出口112における上下風向板131、132、141、142の奥側には、左右風向板150が設けられている。左右風向板150は、吹出口112から吹き出す空気の左右方向の吹き出し角度を調整するためのものである。左右風向板150は、室内機1の正面に向かって長手方向(吹出口112の左右方向)にわたって並べられた複数の板材により構成されている。
複数の左右風向板150は、図示しない左右風向板用ステッピングモータの駆動により角度を調節できるようにして取り付けられている。この際、吹出口112の左側の左右風向板150と、吹出口112の右側の左右風向板150とは、上下風向板131、132、141、142と同様に独立して角度を変更できるように設けられている。したがって、この構成例の室内機1では、吹出口112からの左側及び右側のそれぞれの送風方向を、上下方向のみならず左右方向についても、別々に調整できる。
筐体110の内部には、吸込口111から吹出口112へと通じる風路が形成されている。風路における吸込口111の風下側には、室内熱交換器3が配置されている。室内熱交換器3は、風路を流れる空気を加熱又は冷却することで、当該空気の温度、湿度等を調整し、調和空気を生成する。なお、暖房運転時には調和空気として温風が生成され、冷房運転時には調和空気として冷風が生成される。
風路における室内熱交換器3の風下側には、室内ファン5が設置されている。室内ファン5は、吸込口111から吹出口112へと向かう空気流を風路中に生成するためのものである。
室内ファン5が動作すると、吸込口111から吹出口112へと向かう空気流が風路中に生成され、吸込口111から空気が吸い込まれ、吹出口112から空気が吹き出される。吸込口111から吸い込まれた空気は、室内機1の内部の風路を、室内熱交換器3、室内ファン5の順に通過する空気流となり、吹出口112から吹き出す。この際、室内ファン5の風下側に配置された上下風向板131、132、141、142及び左右風向板150により、吹出口112から吹き出される風の方向(送風方向)が調整(変更)される。
以上のように構成された室内機1の、室内ファン5と、上下風向板131、132、141、142、及び、左右風向板150と、これらの風向板の向きを変えるためのステッピングモータとは、吹出口112から室内に空気を送り出して、室内に気流を生成する送風手段を構成している。そして、この構成例における送風手段は、吹出口112から吹き出す調和空気の風向を変更可能である。
室内機1の前面中央には、赤外線センサ170が取り付けられている。ただし、赤外線センサ170の取付位置は、室内機1の前面中央に限られない。赤外線センサ170を、例えば、筐体110の左側又は右側の端部等に取り付けるようにしてもよい。
赤外線センサ170は、例えば、上下方向に並べた複数の赤外線受光素子を備えている。複数の赤外線受光素子のそれぞれは、赤外線の受光及び温度の検出を個別に実行可能な検出素子である。これらの赤外線受光素子は、例えば、円筒状の金属缶の内部に上下方向に直線状に並んで配置されている。これにより、赤外線センサ170は、室内の温度を互いに高さが異なる複数のエリアに区分して検出する機能を備えている。
これら複数の赤外線受光素子のそれぞれの検出範囲は、互いに大きさが等しい四角形状のエリアとして設定されている。また、1個の赤外線受光素子の配光視野角は、例えば上下方向における縦配光視野角が7°に設定され、左右方向の横配光視野角が8°に設定されている。
それぞれの赤外線受光素子の配光視野角を合わせた赤外線センサ170全体の配光視野角は、上下方向に細長いエリアとして設定されている。なお、それぞれの赤外線受光素子の配光視野角(検出範囲)は、同じ形状、同じ大きさでなくともよい。また、縦配光視野角及び横配光視野角の具体的な値についても、前述した例示に限定されるものではない。
そして、赤外線センサ170は、図示しないセンサ用ステッピングモータにより上下に並んだ複数の赤外線受光素子を、予め設定された角度範囲内において左右に向きを変えることができる。このようにすることで、上下に並んだ複数の赤外線受光素子のそれぞれを左右方向に走査させて、室内機1前方の予め設定された検出範囲(以下、「温度検出対象範囲」という)内について表面温度を検出することができる。
赤外線センサ170は、このような構成により、温度検出対象範囲内を走査して当該範囲内の表面温度分布(熱画像)を非接触で取得する。このような赤外線センサ170の検出結果は、赤外線センサ170により取得した表面温度分布(熱画像)データである。
なお、赤外線センサ170の左右方向における検出範囲は、例えば、センサ用ステッピングモータ172により赤外線センサ170を完全に1回転させることができるように構成し、検出範囲を360°に設定してもよい。また、赤外線センサ170を他のステッピングモータ等により上下方向にもスイングさせるようにしてもよい。赤外線センサ170の向きを上下方向にも変えることができるようにすることで、水平方向だけでなく上下方向についても詳細な熱画像データを取得することができる。
なお、赤外線センサ170は、他の検出機器を併用する構成としてもよいし、赤外線センサ170に代えて他の検出機器を使用してもよい。具体例を挙げると、赤外線センサ170とともにカメラ、超音波センサ等を用いて対象物の位置、形状及び対象物までの距離を検出してもよい。このようにすることで、赤外線センサ170による対象物の位置及び距離の検出精度を向上できる。
次に、以上のように構成された室内機1が設置された室内の一例を、図4を参照しながら説明する。同図に示す例では、室内機1が室内の壁面に設置されている。前述したように、送風装置である室内機1は、吹出口112から室内に空気を送り出して気流を生成する送風手段を備えている。また、同じく前述したように、室内機1の内部には室内熱交換器3が収容され、室内熱交換器3に接続する冷媒配管10の一部も室内機1の内部にある。したがって、室内機1が設置された室内には、冷媒が流通する冷媒回路の一部が存在している。なお、例えば冷蔵庫のような冷媒回路の全体が収容されている装置が室内に設置されることで、室内に冷媒回路の全部が存在していてもよい。
また、室内そのものでなく、室内に通じる空間内に冷媒が流通する冷媒回路の一部又は全部が存在してもよい。その一例として、いわゆるパッケージエアコンの室内機のように天井裏等に設置された装置の筐体内に冷媒回路の一部又は全体が収容されている場合が挙げられる。この場合、当該装置の筐体内の空間が、室内に通じる空間である。
この室内には、当該室の外部に通じる開口20が形成されている。ここでは、室の外部に通じる開口20として、給気口21、換気扇22、窓23及び扉24が設けられている。給気口21は常時開いている。換気扇22は、換気口に設けられた換気ファン22aを備えている。窓23は開閉可能である。扉24も開閉可能であるが、扉24の開閉状態に関わらず下部に隙間が形成されている。これらの給気口21、換気扇22、窓23及び扉24を区別せずに総称する場合には、開口20と呼ぶ。このように、ここで説明する構成例では、室内の外部に通じる開口20が複数存在している。
この実施の形態に係る送風装置である空気調和機の制御系統の構成を図5に示す。同図に示すように、この実施の形態の送風装置は、冷媒漏洩センサ11を備えている。冷媒漏洩センサ11は、例えば、室内機1の筐体110の内部に設置されている。冷媒漏洩センサ11は、少なくとも、冷媒配管10に封入されたものと同種の冷媒を検知可能である。冷媒漏洩センサ11は、例えば、接触燃焼式、半導体式、熱伝導式、低電位電解式及び赤外線式などの各方式のセンサを用いることができる。
また、冷媒漏洩センサ11として酸素センサを用いることもできる。酸素センサを用いた場合には、センサ出力に基づいて酸素濃度を求め、酸素濃度の低下分は流入ガスによるものであるとして流入ガスの濃度を逆算することで、流入ガスすなわち冷媒の濃度を間接的に検出することができる。酸素センサとしては、例えば、ガルバニ電池式、ポーラロ式及びジルコニア式等の各方式を用いることができる。
この実施の形態の送風装置である空気調和機は、冷媒漏洩センサ11の検知結果を利用して、室内における冷媒の漏洩の発生を検知する。なお、冷媒漏洩センサ11の設置箇所は、前述した室内機1の筐体110の内部に限られない。室内に漏洩した冷媒を検知できるのであれば、冷媒漏洩センサ11は、室内機1以外の任意の箇所に設置可能である。
また、図5に示すように、この実施の形態に係る空気調和機は、漏洩検知部51、記憶部52、報知部55、制御部53及び選択部54を備えている。これらの各部は、例えば、送風装置である空気調和機の制御装置に搭載された回路により構成される。
漏洩検知部51は、冷媒漏洩センサ11の検知結果に基づいて、室内における冷媒の漏洩の発生を検知する。前述したように、冷媒漏洩センサ11は、直接的又は間接的に冷媒配管10に封入された冷媒を検知可能である。そして、冷媒漏洩センサ11は、検知した冷媒の濃度に応じた検知信号を出力する。
冷媒漏洩センサ11から出力された検知信号は、漏洩検知部51に入力される。漏洩検知部51は、冷媒漏洩センサ11からの検知信号の示す冷媒濃度が漏洩判定基準値以上であるか否かを判定する。漏洩判定基準値は、予め設定された値である。予め設定された漏洩判定基準値は、記憶部52に記憶されている。漏洩検知部51は、記憶部52から取得した漏洩判定基準値と冷媒漏洩センサ11からの検知信号の示す冷媒濃度とを比較して判定を行う。
そして、冷媒漏洩センサ11からの検知信号の示す冷媒濃度が漏洩判定基準値以上である場合、漏洩検知部51は、制御部53へと冷媒漏洩検知信号を出力する。冷媒漏洩検知信号は、室内での冷媒漏洩を検知した旨の信号である。このように、冷媒漏洩センサ11及び漏洩検知部51は、室内における冷媒の漏洩を検知可能な漏洩検知手段を構成している。
漏洩検知手段は、室内熱交換器3へ流入する空気の温度と、室内熱交換器3から流出する空気の温度との差を用いるものとすることもできる。この場合には、室内熱交換器3を通過する前後の空気の温度を検出する温度センサを設ける。そして、漏洩検知部51は、空気調和機が冷房運転又は暖房運転中であるにも関わらず、室内熱交換器3を通過する前後の空気の温度差が予め設定した基準値よりも小さい場合に、漏洩により冷媒回路中の冷媒量が減少しているとして、冷媒漏洩検知信号を出力する。
なお、冷媒漏洩センサ11及び漏洩検知部51は、送風装置(空気調和機)に設けられていなくともよい。つまり、冷媒漏洩センサ11及び漏洩検知部51は、送風装置の外部に設けられていてもよい。この場合、送風装置である空気調和機は、冷媒漏洩センサ11及び漏洩検知部51に代えて、漏洩情報取得部を備えている。送風装置の外部の漏洩検知部51から出力された冷媒漏洩検知信号は、送風装置の漏洩情報取得部に入力される。この冷媒漏洩検知信号は、室内における冷媒の漏洩に関する情報の一例である。そして、漏洩情報取得部は、室内における冷媒の漏洩に関する情報を取得する漏洩情報取得手段である。
一方、送風装置が冷媒漏洩センサ11及び漏洩検知部51を備えている場合、冷媒漏洩センサ11及び漏洩検知部51は、室内における冷媒の漏洩に関する情報である冷媒漏洩検知信号を、これら自身により取得するという意味で、漏洩情報取得手段であるともいえる。したがって、冷媒漏洩センサ11及び漏洩検知部51が、送風装置に設けられる場合、及び、送風装置の外部に設けられる場合のいずれであっても、送風装置は漏洩情報取得手段を備えている。そして、漏洩情報取得手段により取得された室内における冷媒の漏洩に関する情報である冷媒漏洩検知信号は、制御部53に入力される。
制御部53は、送風装置である空気調和機が備えるアクチュエータを制御することで、空気調和機の動作全般を制御する。制御部53の制御対象には、図5に明示的に記載した室内ファン5、左手前側上下風向板131、右手前側上下風向板132、左奥側上下風向板141、右奥側上下風向板142及び左右風向板150、すなわち前述の送風手段の他に、例えば、室外ファン6、圧縮機7、四方弁9等が含まれる。
制御部53は、漏洩検知部51から冷媒漏洩検知信号が入力された場合、すなわち、前述の漏洩情報取得手段が冷媒の漏洩を検知した情報を取得した場合、送風装置である空気調和機の運転モ-ドを、「通常モ-ド」から「冷媒排出モ-ド」に移行させる。「冷媒排出モ-ド」では、制御部53は、予め設定された冷媒漏洩検知時動作を行う。冷媒漏洩検知時動作は、基本的には、前述の送風手段により、吹出口112から室内の外部に通じる開口20に向けた気流、又は、開口20からの排気量を増加させる気流を、室内に生成する動作である。次に、この実施の形態の冷媒漏洩検知時動作の例について、図5と図6から図10を参照しながら説明する。
まず、図6に示すのは、冷媒漏洩検知時動作の第1の例である。この第1の例においては、冷媒漏洩検知信号が入力された制御部53は、選択部54に指令を出す。選択部54は、制御部53からの指令を受けると、複数の開口20のうちから1つを選択する。選択部54は、前述の漏洩情報取得手段が冷媒の漏洩を検知した情報を取得すると、複数の開口20のうちから1つを選択する選択手段である。図6に示す例では、選択部54は換気扇22を選択している。
選択部54は、例えば、冷媒漏洩が検知されてからの経過時間に応じて、複数の開口20のうちから1つを選択する。室内機1の冷媒回路から冷媒が漏洩した場合、冷媒漏洩が検知されてから時間があまり経過していなければ、漏洩冷媒30はまだ室内機1の近くに多く存在すると考えられる。そこで、選択部54は、室内機1に近い換気扇22を選択する。冷媒漏洩が検知されてから時間が経過するにつれて、漏洩冷媒30は室内を沈降していく。そこで、選択部54は、冷媒漏洩検知後の経過時間の長さに応じて、室内のより低い位置にある給気口21又は扉24を選択する。
他の例として、選択部54は、室内における漏洩冷媒30の濃度差に応じて、複数の開口20のうちから1つを選択してもよい。この場合には、例えば、室内の複数箇所に冷媒漏洩センサ11を設置しておく。そして、室内において漏洩冷媒30の濃度が高い箇所に近い開口20を選択部54は選択する。
また、他の例として、選択部54は、それぞれの開口20の内外の圧力差に応じて、複数の開口20のうちから1つを選択してもよい。この場合には、それぞれの開口20には、当該開口20の室内側の圧力と室外側の圧力との差を検出するセンサが設けられる。そして、室内側の圧力が室外側の圧力より高い開口20を選択部54は選択する。この際、室内側の圧力が室外側の圧力より高い開口20が複数ある場合には、室内側と室外側との圧力差が最も大きい開口20を選択するとよい。
また、開口20が屋外に通じるのか屋内に通じるのかによって、それぞれの開口20が選択される優先度を設定してもよい。すなわち、室内から屋外に通じる開口20は、室内から屋内(別の室内、廊下等)に通じる開口20よりも、優先度が高く設定される。これにより、屋外に通じる開口20の方が、屋内に通じる開口20よりも優先的に選択される。図示の例では、給気口21、換気扇22、換気ファン22a及び窓23は、屋外に通じる開口20である。これに対し、扉24は屋内に通じる開口20である。
漏洩冷媒30つまり冷媒回路を流通する冷媒の種類・性質等に応じて、それぞれの開口20が選択される優先度を設定してもよい。この場合、例えば、漏洩冷媒30の密度が空気よりも大きい場合、複数の開口20のうちで設置位置が低いものほど優先的に選択されるように優先度を設定する。そして、漏洩冷媒30の密度が空気と同程度か小さい場合、複数の開口20のうちで設置位置が高いものほど優先的に選択されるように優先度を設定する。
以上で説明した例では、選択部54は、複数の開口20のうちから1つを選択する際にそれぞれの開口20の位置に関する情報を使用する。ここでは、各開口20の位置情報の取得方法として2つの例を挙げる。まず、1つめの例は、記憶部52に複数の開口20のそれぞれの位置を予め記憶しておくものである。この例では、記憶部52は、複数の開口20の位置を予め記憶する記憶手段に相当する。
また、2つめの例は、赤外線センサ170の検出結果、すなわち、赤外線センサ170により取得した表面温度分布(熱画像)データを用いて複数の開口20のそれぞれの位置を特定するものである。室内の外部に通じる開口20内は、室外の空気の影響で室内とは異なる温度であることが多いと考えられる。そこで、赤外線センサ170により取得した表面温度分布データにより、例えば、周囲の室内壁面とは温度が異なる領域を特定し、この特定した領域を開口20の位置として検出する。この例では、赤外線センサ170は、複数の開口20の位置を検出する開口検出手段に相当する。また、他に例えば、各開口20の一部又は全部に特定周波数の赤外線を発する赤外線発信機を備え、赤外線センサ170で赤外線発信機から発せられた特定周波数の赤外線を検出することで、開口20の位置を検出してもよい。
前述したように、室内機1が備える送風手段は、吹出口112から送風する風向を変更可能である。制御部53は、選択部54が選択した開口20に風向が向くように、送風手段の特に左手前側上下風向板131、右手前側上下風向板132、左奥側上下風向板141、右奥側上下風向板142及び左右風向板150の向きを必要があれば変更する。この各風向板の向きの変更は、各風向板用のステッピングモータの動作を制御することで行われる。そして、制御部53は、室内ファン5を動作させる。この際の室内ファン5の回転数は、予め設定された許容範囲内で最大にするとよい。
これにより、吹出口112から前述の選択手段が選択した開口20に向けた気流が室内に生成される。したがって、室内機1が備える前述の送風手段は、前述の漏洩情報取得手段が冷媒の漏洩を検知した情報を取得すると、吹出口112から前述の選択手段が選択した開口20に向けた気流を室内に生成する。そして、前述の選択手段が選択した開口20に向けた気流が室内に生成されることで、この開口20からの排気量は増加する。つまり、換言すれば、室内機1が備える前述の送風手段は、前述の漏洩情報取得手段が冷媒の漏洩を検知した情報を取得すると、吹出口112から前述の選択手段が選択した開口20からの排気量が増加する気流を生成している。
ここで、図11のフロー図を参照しながら、以上で説明した動作例における空気調和機の動作の流れについて、今一度説明する。まず、ステップS1において、漏洩検知部51は、冷媒漏洩センサ11が前述した漏洩判定基準値以上の冷媒濃度を検知したか否かを判定する。そして、漏洩判定基準値以上の冷媒濃度が検知されれば、ステップS2で制御部53は圧縮機7の動作を停止させる。
ステップS2の後はステップS3の動作が行われる。ステップS3では、選択部54が複数の開口20のうちから1つを選択する。ステップS3の後はステップS4の動作が行われる。ステップS4では、制御部53が室内機1の送風手段の風向及び風量を調整して室内ファン5を運転し、ステップS3で選択部54が選択した開口20に向けて吹出口112から送風する。
続くステップS5で、冷媒漏洩センサ11が漏洩判定基準値以上の冷媒濃度を検知しているか否かを漏洩検知部51が判定する。まだ漏洩判定基準値以上の冷媒濃度が検知されている場合には、ステップS4の室内ファン5の運転を継続し、選択部54が選択した開口20に向けた吹出口112からの送風を続ける。そして、冷媒漏洩センサ11が漏洩判定基準値以上の冷媒濃度を検知しなくなったら、ステップS6で制御部53は室内ファン5を停止させる。これで一連の動作は完了となる。
なお、ステップS5及びステップS6は、必ずしも行わなくともよい。すなわち、例えば保守員等の操作により停止されるまで、選択部54が選択した開口20に向けて吹出口112から送風するステップS4の動作を継続するようにしてもよい。
以上においては、室内における冷媒の漏洩を検知した場合に、吹出口112から選択部54が選択した開口20に向けた気流を室内に生成する場合について説明した。しかし、吹出口112からの送風を向ける先となる開口20を、複数の開口20から選択部54が選択しなくともよい。すなわち、室内での冷媒の漏洩が検知された場合に、室内機1の前述した送風手段により、吹出口112から予め決められた開口20に向けた気流を室内に生成してもよい。この場合には、室内機1が備える送風手段は、吹出口112から送風する風向を変更可能でなくともよい。つまり、この場合には、室内機1の吹出口112から送風する風向が、予め特定の開口20に向けて固定されていてもよい。また、室内の外部に通じる開口20は、複数でなくともよく、少なくとも1つあればよい。
以上で説明したように、この実施の形態における送風装置である空気調和機では、前述の漏洩情報取得手段が冷媒の漏洩を検知した情報を取得すると、室内機1の前述した送風手段により、吹出口112から室内の外部に通じる開口20に向けた気流を室内に生成する。換言すれば、前述の送風手段は開口20からの排気量が増加する気流を生成する。このため、室内の漏洩冷媒30の開口20を通じた室外への排出を促進して、室内における漏洩冷媒30の濃度低下を図り、室内に漏洩冷媒30が滞留して冷媒濃度が上昇してしまうことを抑制できる。
この際に、吹出口112からの送風を向ける先となる開口20を選択部54が選択することで、冷媒漏洩の段階及び状況に応じて、複数の開口20のうちから、より効率的に漏洩冷媒30を排出できる開口20を選んで送風できる。このため、開口20を通じた漏洩冷媒30の室外への排出をさらに促進し、室内における漏洩冷媒30のさらなる濃度低下を図ることが可能である。
次に、図7に示すのは、冷媒漏洩検知時動作の第2の例である。この例においても、室内機1は、室内での冷媒漏洩が検知された場合に、吹出口112から室内の外部に通じる開口20に向けた気流を室内に生成する。この際、室内機1の前述した送風手段は、前述の漏洩情報取得手段が冷媒の漏洩を検知した情報を取得すると、吹出口112より下向きに送風する。同図の例では、吹出口112から扉24の下部の隙間に向けて送風している。
前述したように、室内にその一部が存在する冷媒回路を流通する冷媒は、大気圧下で空気より重い。このため、冷媒回路から漏洩した冷媒は、鉛直下方に沈降して室内の床面付近に滞留する。そこで、吹出口112より下向きに送風することで、室内の床面付近に滞留した漏洩冷媒30に効率よく風を当てて、室内の漏洩冷媒30の開口20を通じた室外への排出をさらに促進できる。よって、室内における漏洩冷媒30のさらなる濃度低下を図ることが可能である。
次に、図8を参照しながら、冷媒漏洩検知時動作の第3の例を説明する。前述したように、室内機1の送風手段は、吹出口112からの左側及び右側のそれぞれの送風方向を、上下方向及び左右方向について独立して変更できる。そこで、室内での冷媒漏洩が検知された場合に、吹出口112から2つの開口20のそれぞれに向けた気流を同時に室内に生成することもできる。同図の例では、吹出口112から同時に換気扇22と扉24の下部の隙間の2つの開口20に向けて送風している。
なお、ここでは吹出口112の左側及び右側を別々して2方向に同時に送風可能な場合について説明したが、吹出口112から3方向以上に同時に送風できるようにしてもよい。すなわち、室内機1の前述した送風手段は、前述の漏洩情報取得手段が冷媒の漏洩を検知した情報を取得すると、吹出口112から2つ以上の開口20のそれぞれに向けた気流を同時に室内に生成する。換言すれば、前述の送風手段は、2つ以上の開口20のそれぞれからの排気量が増加する気流を同時に室内に生成する。このようにすることで、室内の広い範囲に漏洩冷媒30が拡散した場合であっても、効率よく室内の漏洩冷媒30を開口20を通じて室外へ排出できる。
また、この場合において、吹出口112からの気流を向ける2つ以上の開口20を、選択部54により選択してもよい。また、吹出口112からの気流を向ける2つ以上の開口20のうちの一部を予め定めたものに固定し、残りを選択部54により選択したものとしてもよい。
図9に示すのは、冷媒漏洩検知時動作の第4の例である。同図の例では、窓23を開閉する開閉装置23aがさらに設けられている。開閉装置23aは、送風装置である空気調和機の例えば制御部53と通信可能に設けられている。この際の通信方式は、無線方式であっても有線方式であってもよい。そして、送風装置である空気調和機と開閉装置23aとを含む送風システムが構成されている。
この送風システムにおいては、冷媒漏洩検知信号が入力された制御部53は、開閉装置23aに制御信号を送信する。制御部53からの制御信号を受信した開閉装置23aは、窓23を開く。そして、制御部53は、室内機1の送風手段を制御して、吹出口112から窓23に向けて送風を行わせる。開閉装置23aにより窓23を開くことで、一定時間内に窓23を通過可能な空気量つまり排気量を増加させることができる。
以上のように構成された開閉装置23aは、前述の漏洩情報取得手段が冷媒の漏洩を検知した情報を取得すると、開口20である窓23からの排気量を増加させる排気増加手段の一例である。すなわち、排気増加手段としての開閉装置23aは、閉じている窓23を開くことで、あるいは、開いている窓23の開度を増加させることで、窓23からの排気量を増加させる。
換気ファン22aを、開口20である換気扇22から排気量を増加させる排気増加手段として用いることもできる。排気増加手段としての換気ファン22aは、停止した状態から回転を開始することで、あるいは、既に回転中であれば回転数を増加することで、開口20である換気扇22からの排気量を増加させることが可能である。なお、選択部54が選択した開口20に向けて吹出口112から送風する場合には、排気増加手段は、選択部54により選択された開口20の排気量を増加させるようにすればよい。
この第4の例のように、室内で冷媒漏洩が検知された場合に、開口20からの排気量を増加させる排気増加手段を備えた送風システムにすることで、開口20を通じた室内の漏洩冷媒30の排出をさらに促進できる。そして、室内における漏洩冷媒30のさらなる濃度低下を図り、室内に漏洩冷媒30が滞留して冷媒濃度が上昇してしまうことを抑制できる。
次に、図10を参照しながら、冷媒漏洩検知時動作の第5の例を説明する。これまでに説明してきた例では、室内に送風装置が1台の場合であった。しかし、この実施の形態における送風装置の台数は1台に限られず、2台以上の送風装置を連携させて室内に開口20へと向かう気流を生成してもよい。図10に示すのは、送風装置が2台ある例である。同図の例では、室内に第2送風装置60がさらに設置されている。
第2送風装置60は、例えば、空気清浄機、扇風機、サーキュレータ等である。また、第2送風装置60は、冷媒回路を有する空気調和機であってもよい。第2送風装置60には、第2吹出口61が形成されている。第2送風装置60は、図示しない第2送風手段を備えている。第2送風手段は、室内に第2吹出口61から送風する手段である。
このような第2送風装置60に対し、これまでに説明した室内機1及び室外機2を含む空気調和機は、第1送風装置に相当する。また、室内機1の吹出口112は第1吹出口に相当する。そして、室内機1の室内ファン5、左手前側上下風向板131、右手前側上下風向板132、左奥側上下風向板141、右奥側上下風向板142及び左右風向板150は、第1送風手段に相当する。
ここで、第1吹出口である室内機1の吹出口112が配置された位置を第1位置と呼ぶことにする。第1送風装置である空気調和機は、室内に第1位置から空気を送り出して気流を生成する第1送風手段を備えている。同様に、第2吹出口61が配置された位置を第2位置と呼ぶ。第2送風装置60は、室内に第2位置から空気を送り出して気流を生成する第2送風手段を備えている。
第2送風装置60は、第1送風装置である空気調和機の例えば制御部53と通信可能に設けられている。この際の通信方式は、無線方式であっても有線方式であってもよい。そして、第1送風装置である空気調和機と第2送風装置60とを含む送風システムが構成されている。
この送風システムにおいては、冷媒漏洩検知信号が入力された制御部53は、例えば、第2送風装置60に制御信号を送信する。制御部53からの制御信号を受信した第2送風装置60は、前述の第2送風手段を制御して、第2吹出口61から送風する。また、同時に、制御部53は、室内機1の第1送風手段を制御して、吹出口112から送風を行わせる。この際の第1送風手段の風向及び風量と、第2送風手段の風向及び風量は、吹出口112及び第2吹出口61からの送風により、室内の外部に通じる開口20に向けた気流が室内に生成されるように調整される。図10の例では、吹出口112及び第2吹出口61からの送風により、換気扇22に向けた気流が室内に生成されている。
このときの室内に生成される気流の向かう先である開口20は、予め定められた固定されているものであってもよいし、選択部54により選択されたものであってもよい。また、第1送風手段の風向及び第2送風手段の風向の一方又は両方が直接に開口20に向いていなくとも、第1送風手段及び第2送風手段から同時に送風することで最終的に生成される気流が開口20に向かうものであればよい。第1送風手段及び第2送風手段の一方又は両方は、風向が変更できないものであってもよい。さらに、送風システムは、冷媒漏洩検知時動作の第4の例として説明した排気増加手段を備えてもよい。
以上のような第5の例に係る送風システムは、第1送風装置及び第2送風装置60を備えている。そして、前述の漏洩情報取得手段が冷媒の漏洩を検知した情報を取得すると、第1送風手段及び第2送風手段から同時に送風することで、室内の外部に通じる開口20に向けた気流を室内に生成する。このような送風システムによっても、室内に送風装置が1台だけである場合と同様に、開口20を通じた室内の漏洩冷媒30の排出を促進できる。そして、室内における漏洩冷媒30のさらなる濃度低下を図り、室内に漏洩冷媒30が滞留して冷媒濃度が上昇してしまうことを抑制できる。
また、1台の送風装置では風を届けることが難しい室内の隅角部等にも、2台以上の送風装置を連携させることで風を送ることができる。特に、空気調和機の室内機1は室内に固定されているため、設置位置によって風が届き難い領域ができやすいところ、複数台の送風装置を連携させることにより、送風の死角を減らすことができる。したがって、室内に滞留する漏洩冷媒30の量を減少させることが可能である。
なお、以上のいずれの動作例においても、漏洩検知部51から冷媒漏洩検知信号が出力されると、すなわち、前述の漏洩情報取得手段が冷媒の漏洩を検知した情報を取得すると、報知部55は、その旨を利用者、作業者又は保守員等に報知し、修理等の実施を促すようにするとよい。この報知部55は、室内における冷媒漏洩の発生を検知した旨を、音で報知するためのスピーカ又は光で報知するためのLED等を備えている。報知部55は、例えば、室内機1の筐体110、空気調和機のリモコン等に設けられる。
1 室内機
2 室外機
3 室内熱交換器
4 室外熱交換器
5 室内ファン
6 室外ファン
7 圧縮機
8 膨張弁
9 四方弁
10 冷媒配管
11 冷媒漏洩センサ
110 筐体
111 吸込口
112 吹出口
113 前面パネル
131 左手前側上下風向板
132 右手前側上下風向板
141 左奥側上下風向板
142 右奥側上下風向板
150 左右風向板
170 赤外線センサ
20 開口
21 給気口
22 換気扇
22a 換気ファン
23 窓
23a 開閉装置
24 扉
30 漏洩冷媒
51 漏洩検知部
52 記憶部
53 制御部
54 選択部
55 報知部
60 第2送風装置
61 第2吹出口

Claims (10)

  1. 室内に空気を送り出して気流を生成する送風手段と、
    前記室内における冷媒の漏洩に関する情報を取得する漏洩情報取得手段と、を備え、
    前記室内又は前記室内に通じる空間内には、前記冷媒が流通する冷媒回路の一部又は全部が存在し、
    前記送風手段は、前記漏洩情報取得手段が前記冷媒の漏洩を検知した情報を取得すると、前記室内の外部に通じる開口に向けた気流を生成し、
    前記送風手段は、送風する風向を変更可能であり、
    前記室内には、外部に通じる開口が複数存在し、
    前記漏洩情報取得手段が冷媒の漏洩を検知した情報を取得すると、複数の前記開口のうちから1つを選択する選択手段をさらに備え、
    前記送風手段は、前記漏洩情報取得手段が冷媒の漏洩を検知した情報を取得すると、前記選択手段が選択した前記開口に向けた気流を生成し、
    前記選択手段は、冷媒漏洩が検知されてからの経過時間に応じて、選択する前記開口を決定する送風装置。
  2. 室内に空気を送り出して気流を生成する送風手段と、
    前記室内における冷媒の漏洩に関する情報を取得する漏洩情報取得手段と、を備え、
    前記室内又は前記室内に通じる空間内には、前記冷媒が流通する冷媒回路の一部又は全部が存在し、
    前記送風手段は、前記漏洩情報取得手段が前記冷媒の漏洩を検知した情報を取得すると、前記室内の外部に通じる開口からの排気量が増加する気流を生成し、
    前記送風手段は、送風する風向を変更可能であり、
    前記室内には、外部に通じる開口が複数存在し、
    前記漏洩情報取得手段が冷媒の漏洩を検知した情報を取得すると、複数の前記開口のうちから1つを選択する選択手段をさらに備え、
    前記送風手段は、前記漏洩情報取得手段が冷媒の漏洩を検知した情報を取得すると、前記選択手段が選択した前記開口からの排気量が増加する気流を生成し、
    前記選択手段は、冷媒漏洩が検知されてからの経過時間に応じて、選択する前記開口を決定する送風装置。
  3. 複数の前記開口の位置を予め記憶する記憶手段をさらに備えた請求項1又は請求項に記載の送風装置。
  4. 複数の前記開口の位置を検出する開口検出手段をさらに備えた請求項1又は請求項に記載の送風装置。
  5. 前記冷媒回路をさらに備えた請求項1から請求項のいずれか一項に記載の送風装置。
  6. 前記冷媒は、大気圧下で空気より重く、
    前記送風手段は、吹出口から送風して気流を生成するとともに、前記漏洩情報取得手段が冷媒の漏洩を検知した情報を取得すると、前記吹出口より下向きに送風する請求項1から請求項のいずれか一項に記載の送風装置。
  7. 前記漏洩情報取得手段が前記冷媒の漏洩を検知した情報を取得すると、前記冷媒の漏洩が発生したことを報知する報知手段をさらに備えた請求項1から請求項のいずれか一項に記載の送風装置。
  8. 請求項に記載の送風装置と、
    前記漏洩情報取得手段が前記冷媒の漏洩を検知した情報を取得すると、前記選択手段が選択した前記開口からの排気量を増加させる排気増加手段と、を備えた送風システム。
  9. 室内に第1位置から空気を送り出して気流を生成する第1送風手段を有する第1送風装置と、
    前記室内に第2位置から空気を送り出して気流を生成する第2送風手段を有する第2送風装置と、
    前記室内における冷媒の漏洩に関する情報を取得する漏洩情報取得手段と、を備え、
    前記室内又は前記室内に通じる空間内には、前記冷媒が流通する冷媒回路の一部又は全部が存在し、
    前記第1送風装置及び前記第2送風装置は、前記漏洩情報取得手段が冷媒の漏洩を検知した情報を取得すると、前記第1送風手段及び前記第2送風手段から同時に送風することで、前記室内の外部に通じる開口に向けた気流を生成し、
    前記第1送風装置及び前記第2送風装置は、送風する風向を変更可能であり、
    前記室内には、外部に通じる開口が複数存在し、
    前記漏洩情報取得手段が冷媒の漏洩を検知した情報を取得すると、複数の前記開口のうちから1つを選択する選択手段をさらに備え、
    前記第1送風装置及び前記第2送風装置は、前記漏洩情報取得手段が冷媒の漏洩を検知した情報を取得すると、前記第1送風手段及び前記第2送風手段から同時に送風することで、前記選択手段が選択した前記開口に向けた気流を生成し、
    前記選択手段は、冷媒漏洩が検知されてからの経過時間に応じて、選択する前記開口を決定する送風システム。
  10. 前記第1送風装置及び前記第2送風装置の一方又は両方は、前記冷媒回路をさらに備えた請求項に記載の送風システム。
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