JP7439343B2 - 変速装置 - Google Patents

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Description

本発明は、変速装置に関する。
スクータ等のスイングユニットに用いられるVベルト式無段変速機において、駆動プーリをアクチュエータで駆動する電子制御式CVT(Continuously Variable Transmission)とした変速装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2019-27513号公報
ところで、上記従来のVベルト式無段変速機では、プーリの可動傘体を軸方向移動させるための送りねじ機構として、ボールねじを用いることが一般的であった。しかし、ボールねじはコストが高く、ボールねじに代わり台形ねじや角ねじといった通常ねじを用いることが検討されている。この場合、単にボールねじを通常ねじに置換するのみでは、可動傘体の軸方向の推力が高まった際に送りねじ機構のフリクションが増大してしまう。このため、プーリをアクチュエータで駆動する場合、アクチュエータの出力にフリクション分を上乗せする必要が生じ、変速装置の制御性(荷重コントロール性)に影響を与えるという課題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、コストを抑えた上で装置全体の制御性を高めることができる変速装置を提供する。
本発明の第一の態様は、軸方向に固定された固定傘体(13,17)と、前記固定傘体(13,17)に対して軸方向に移動可能な可動傘体(14,18)と、を備える傘体対(11,15)と、前記傘体対(11,15)に巻き掛けられ、前記固定傘体(13,17)と前記可動傘体(14,18)との間に挟持される無端部材(19)と、前記可動傘体(14,18)を軸方向に移動させる動力装置(31,41)と、を備える変速装置(10A)において、前記動力装置(31,41)と前記可動傘体(14,18)とは、螺合部(39,49)を介して接続され、前記動力装置(31,41)は、前記可動傘体(14,18)を前記固定傘体(13,17)に近付く側に押す方向の力と、前記可動傘体(14,18)を前記固定傘体(13,17)から離れる側に戻す方向の力と、を予め定めた周期で交互に付与する押し戻し制御を実施することを特徴とする。
この構成によれば、可動傘体を軸方向に移動させて無端部材の巻き掛け径を変化させる変速制御において、押し戻し制御によって戻し方向の力を可動傘体に周期的に付与することで、フリクションを抜くことが可能となる。すなわち、無端部材および傘体対の間のフリクションを周期的に除去しつつ、かつ可動傘体を軸方向移動させるための送りねじ機構のフリクションも周期的に除去しつつ、可動傘体を軸方向移動させて巻き掛け径を変化させることが可能となる。したがって、可動傘体を軸方向移動させる送りねじ機構にボールねじ以外の通常ねじ(台形ねじ、角ねじ等)を用いた上、アクチュエータの容量を削減してコストダウンを図った上で、変速動作をスムーズに行うことができ、アクチュエータを含む装置全体の制御性を高めることができる。
本発明の第二の態様は、上記第一の態様において、前記押し戻し制御は、前記可動傘体(14,18)を前記固定傘体(13,17)側に押す時間(t1)が、前記可動傘体(14,18)を前記固定傘体(13,17)と反対側に戻す時間(t2)よりも長いことを特徴とする。
この構成によれば、可動傘体は無端部材の張力により固定傘体から離れる側(戻し側)に付勢されるが、可動傘体の戻し時間を押し時間よりも短く抑えることで、可動部材が戻り過ぎることを抑制し、変速への影響を抑えることができる。
本発明の第三の態様は、上記第一又は第二の態様において、前記螺合部(39,49)には、台形ねじ、角ねじおよび三角ねじの何れかが用いられることを特徴とする。
この構成によれば、押し戻し制御により送りねじ機構のフリクションを抜くことで、ボールねじに代わり台形ねじ等の通常ねじを用いた場合にも、ねじロックの懸案を抑えることができる。このため、通常ねじの採用によるコストダウンを図った上で、変速動作をスムーズに行うことができる。
本発明の第四の態様は、上記第一から第三の態様の何れか一つにおいて、前記押し戻し制御における前記可動傘体(14,18)を戻す方向の力は、前記螺合部(39,49)のフリクションを規定量だけ越える値に設定され、かつ前記規定量は一定に設定されることを特徴とする。
この構成によれば、可動傘体は無端部材の張力により固定傘体から離れる側(戻し側)に付勢されるが、可動傘体を戻す力を螺合部のフリクションを規定量越える程度で一定に保つことで、可動傘体が戻り過ぎることを抑制し、変速への影響を抑えることができる。
本発明の第五の態様は、上記第一から第四の態様の何れか一つにおいて、前記可動傘体(14,18)を押す方向の力は、前記傘体対(11,15)への要求負荷に応じて可変であることを特徴とする。
この構成によれば、アクセル開度等に基づく要求負荷(推力)に応じて、可動傘体を押す力を可変とし、変速動作をスムーズかつ迅速に行うことができる。
本発明の第六の態様は、上記第一から第五の態様の何れか一つにおいて、一対の前記傘体対(11,15)に渡って前記無端部材(19)が巻き掛けられて無段変速機(10)が構成され、一対の前記傘体対(11,15)の一方は、入力装置(3)から動力が入力されるとともに、前記無段変速機(10)のレシオ制御を行い、一対の前記傘体対(11,15)の他方は、出力装置(25)に動力を出力するとともに、前記無段変速機(10)の荷重制御を行い、前記押し戻し制御は、前記荷重制御を行う側の前記傘体対(15)で行うことを特徴とする。
この構成によれば、アクセル開度等に基づき要求負荷(推力)が頻繁に変化する荷重制御側に対し、押し戻し制御を組み込むことで、可動傘体の送りねじ機構にボールねじではない通常ねじを用いた場合にも、ねじロックの発生を抑制することができる。
本発明の変速装置によれば、コストを抑えた上で装置全体の制御性を高めることができる。
実施形態のパワーユニットの側面図である。 図1のII-II断面図であり、上記パワーユニットの主要軸に沿う断面図である。 実施形態の変速装置の構成図である。 上記変速装置の制御パラメータの変化を示すタイムチャートである。 上記変速装置の作用を示すグラフである。 上記変速装置の制御の要部を示すフローチャートである。 上記変速装置の制御の応用例を示すフローチャートである。
<パワーユニット>
図1、図2は、例えばスクータ型の自動二輪車に搭載されるスイング式のパワーユニット1を示している。パワーユニット1は、前部が車体フレーム(不図示)に上下揺動可能に支持され、後部がリアクッション(不図示)を介して車体フレームに支持される。パワーユニット1の後部には、駆動輪である後輪2が一体揺動可能に支持される。なお、以下の説明に用いる図面において、矢印FRは車両前方、矢印UPは車両上方、矢印LHは車両左方をそれぞれ示している。
パワーユニット1は、内燃機関であるエンジン3を駆動源とする。エンジン3の後部左側には、Vベルト式無段変速機10を収容する伝動ケース7が一体に設けられている。以下、Vベルト式無段変速機10を単に変速機10ということがある。
エンジン3は、クランク軸4を左右方向(車幅方向)に沿わせた単気筒エンジンである。エンジン3は、クランク軸4を収容するクランクケース5と、クランクケース5の前端部から前方に向けて前上がりに突出するシリンダ6と、を備えている。クランクケース5の左側部から後方に向けて、伝動ケース7が設けられている。
伝動ケース7の後部の車幅方向内側には、減速ギア機構8が一体的に取り付けられている。減速ギア機構8は、減速ギア群8aと、減速ギア群8aを収容するギアケース8bと、を備えている。ギアケース8bの右方(車幅方向内側)には後輪車軸2aが突出し、この後輪車軸2aに後輪2が一体回転可能に支持されている。
エンジン3のクランク軸4の回転動力は、Vベルト式無段変速機10に入力され、Vベルト式無段変速機10で変速がなされる。Vベルト式無段変速機10で変速後の回転動力は、遠心クラッチ23および減速ギア機構8を介して、後輪車軸2aひいては後輪2に出力される。以下、遠心クラッチ23および減速ギア機構8をVベルト式無段変速機10の出力装置25と総称することがある。Vベルト式無段変速機10の入力装置はエンジン3である。
<Vベルト式無段変速機>
Vベルト式無段変速機10は、駆動力伝達とともに変速を行う。Vベルト式無段変速機10は、変速を制御する駆動プーリ(傘体対)11と、ベルト推力を制御する従動プーリ(傘体対)15と、に渡って無端状のVベルト(無端部材)19を巻き掛ける。従動プーリ15には、遠心クラッチ23が連結されている。従動プーリ15の回転数が上昇すると、遠心クラッチ23が接続状態となり、後輪2側に駆動力を伝達可能とする。エンジン3のアイドリング時等の低回転時には、遠心クラッチ23が切断状態となり、後輪2側への駆動力の伝達を遮断する。
Vベルト19は、駆動プーリ11の一対のプーリ半体13,14の間のV溝11aと、従動プーリ15の一対のプーリ半体17,18の間のV溝15aと、のそれぞれに挟み込まれる。Vベルト19は、断面台形状をなし(図2参照)、Vベルト19両側の傾斜した一対のベルト側面19aを、駆動プーリ11および従動プーリ15の各V溝11a,15aに臨むプーリ円錐面13a,14a,17a,18aに摩擦接触させる。これにより、Vベルト19が空滑りすることなく、駆動プーリ11および従動プーリ15の間で駆動力を伝達可能とする。
Vベルト式無段変速機10は、クランク軸4の左端部と同軸に配置され、クランク軸4の左方に一体に連なる駆動軸12に支持される駆動プーリ(一次プーリ)11と、駆動軸12と平行かつ駆動軸12の後方に離間した従動軸16と同軸に配置され、従動軸16に支持される従動プーリ(二次プーリ)15と、駆動プーリ11および従動プーリ15に渡って巻き掛けられる無端状のVベルト19と、を備えている。従動軸16の車幅方向内側には、Vベルト式無段変速機10の出力軸21が一体に連なっている。
駆動プーリ11は、車幅方向外側に位置する固定プーリ半体(固定傘体)13と、車幅方向内側に位置する可動プーリ半体(可動傘体)13と、を備えている。固定プーリ半体13は、駆動軸12に対して軸方向移動不能に支持されている。可動プーリ半体14は、駆動軸12に対して軸方向移動可能に支持されている。
固定プーリ半体13は、軸方向で可動プーリ半体14側を向く側面に、外周側ほど可動プーリ半体14から離間するように傾斜した固定プーリ円錐面13aを有している。
可動プーリ半体14は、軸方向で固定プーリ半体13側を向く側面に、外周側ほど固定プーリ半体13から離間するように傾斜した可動プーリ円錐面14aを有している。
従動プーリ15は、車幅方向内側に位置する固定プーリ半体(固定傘体)17と、車幅方向外側に位置する可動プーリ半体(可動傘体)18と、を備えている。固定プーリ半体17は、従動軸16に対して軸方向移動不能に支持されている。可動プーリ半体18は、従動軸16に対して軸方向移動可能に支持されている。
固定プーリ半体17は、軸方向で可動プーリ半体18側を向く側面に、外周側ほど可動プーリ半体18から離間するように傾斜した固定プーリ円錐面17aを有している。
可動プーリ半体18は、軸方向で固定プーリ半体17側を向く側面に、外周側ほど固定プーリ半体17から離間するように傾斜した可動プーリ円錐面18aを有している。
実施形態のVベルト式無段変速機10は、電子制御式CVT(Continuously Variable Transmission)として構成されている。電子制御式CVTは、アクセル開度に対するレシオ(変速比)を任意に決定する等の自由度があり、例えば走行モードを切り替え可能としたり、マニュアルモードによる疑似的な有段変速を可能としたりすることができる。
<変速装置>
図2、図3を参照し、実施形態の変速装置10Aは、Vベルト式無段変速機10と、駆動プーリ11を駆動する一次側アクチュエータ(動力装置)31と、従動プーリ15を駆動する二次側アクチュエータ(動力装置)41と、各アクチュエータ31,41の駆動に係る各種情報を検出するセンサー類51と、センサー類51の検出情報に基づき各アクチュエータ31,41を駆動制御する変速制御部61と、を備えている。
図2を参照し、一次側アクチュエータ31は、駆動源となる電気モータ32と、電気モータ32が出力する回転動力を減速する減速ギア機構33と、を備えている。減速ギア機構33は、電気モータ32の駆動軸32aに一体に設けられる駆動ギア33aと、駆動ギア33aが噛み合う第一アイドルギア33bと、第一アイドルギア33bと同軸の第一小径ギア33cと、第一小径ギア33cが噛み合う第二アイドルギア33dと、第二アイドルギア33dと同軸の第二小径ギア33eと、各ギア33a~33eを収容するギアケース33fと、を備えている。例えば、第二アイドルギア33dおよび第二小径ギア33eを支持する中継軸33e1の端部に、後述する角度センサー53が取り付けられている。
減速ギア機構33の最終ギア(出力ギア)である第二小径ギア33eには、駆動プーリ11と同軸に配置された比較的大径の被動ギア34が噛み合う。被動ギア34は、駆動プーリ11の車幅方向内側に離間して配置されている。可動プーリ半体14には、駆動軸12を挿通する円筒状のハブ部14bが一体に備えられている。被動ギア34には、同じく駆動軸12を挿通する円筒状の支持壁34aが一体に備えられている。被動ギア34の支持壁34aと可動プーリ半体14のハブ部14bとは、互いに径方向でオフセットし、かつ互いに軸方向位置をラップさせている。支持壁34aとハブ部14bとは、ラジアルボールベアリング35を介して互いに相対回転可能に連結されている。
ラジアルボールベアリング35は、可動プーリ半体14がV溝11aを広げる側(車幅方向内側)に押される方向の軸方向荷重を支持可能である。逆に、ラジアルボールベアリング35は、被動ギア34が車幅方向外側に移動することによる軸方向荷重を可動プーリ半体14に伝達可能である。被動ギア34には、駆動軸12を挿通する円筒状のカラー壁36が一体に備えられている。カラー壁36の内周側には、同じく円筒状の内周側カラー壁37が配置されている。内周側カラー壁37は、例えば伝動ケース7に支持されている。内周側カラー壁37は、駆動軸12を挿通し、ラジアルボールベアリング38を介して駆動軸12を支持している。
内周側カラー壁37の外周には、雄ねじ山(不図示)が形成されている。この雄ねじ山に螺合する雌ねじ山(不図示)が、被動ギア34のカラー壁36の内周に形成されている。これら両カラー壁36,37の間に、被動ギア34の回転動を可動プーリ半体14の軸方向移動に変換する一次側送りねじ機構39が構成されている。一次側送りねじ機構39の各ねじ山は、ボールねじ以外の通常ねじであり、例えば一条または複数条の台形ねじが好適であるが、台形ねじに代わり角ねじおよび三角ねじでもよい。被動ギア34側に雄ねじ山が形成され、可動プーリ半体14側に雌ねじ山が形成されてもよい。
なお、図2では、減速ギア機構33の出力ギア(第二小径ギア33e)が被動ギア34の噛み合い位置を軸方向で移動可能としている。被動ギア34は、送りねじ機構39の作用により軸方向移動可能な移動体34bを構成している。移動体34bは、カラー壁36の外周を巻回するコイルバネ34cによって、V溝11aを狭める側(車幅方向外側)に付勢されている。
一方、図3に模式的に示すように、被動ギア34と別体の移動体34bを備え、この移動体34bが送りねじ機構39の作用により軸方向移動する構成でもよい。移動体34bには、支持壁34aと、カラー壁36と、が一体に備えられている。被動ギア34は軸方向で不動であり、この被動ギア34に内周側カラー壁37が一体に備えられている。両カラー壁36,37の間に、送りねじ機構39が構成されている。移動体34bは、被動ギア34に対し、コイルバネ34cによってV溝11aを狭める側(車幅方向外側)に付勢されている。
図2に戻り、二次側アクチュエータ41は、駆動源となる電気モータ42と、電気モータ42が出力する回転動力を減速する減速ギア機構43と、を備えている。減速ギア機構43は、電気モータ42の駆動軸42aに一体に設けられる駆動ギア43aと、駆動ギア43aが噛み合う第一アイドルギア43bと、第一アイドルギア43bと同軸の第一小径ギア43cと、第一小径ギア43cが噛み合う第二アイドルギア43dと、第二アイドルギア43dと同軸の第二小径ギア43eと、各ギア43a~43eを収容するギアケース43fと、を備えている。例えば、第二アイドルギア43dおよび第二小径ギア43eを支持する中継軸43e1の端部に、後述する角度センサー55が取り付けられている。
減速ギア機構43の最終ギア(出力ギア)である第二小径ギア43eには、従動プーリ15と同軸に配置された比較的大径の被動ギア44が噛み合う。被動ギア44は、従動プーリ15の車幅方向外側に離間して配置されている。可動プーリ半体18には、従動軸16を挿通する円筒状のハブ部18bが一体に備えられている。被動ギア44には、同じく従動軸16を挿通する円筒状の支持壁44aが一体に備えられている。被動ギア44の支持壁44aと可動プーリ半体18のハブ部18bとは、互いに径方向でオフセットし、かつ互いに軸方向位置をラップさせている。支持壁44aとハブ部18bとは、ラジアルボールベアリング45を介して互いに相対回転可能に連結されている。
ラジアルボールベアリング45は、可動プーリ半体18がV溝15aを広げる側(車幅方向外側)に押される方向の軸方向荷重を支持可能である。逆に、ラジアルボールベアリング45は、被動ギア44が車幅方向内側に移動することによる軸方向荷重を可動プーリ半体18に伝達可能である。被動ギア44には、従動軸16を挿通する円筒状のカラー壁46が一体に備えられている。カラー壁46の内周側には、同じく円筒状の内周側カラー壁47が配置されている。内周側カラー壁47は、例えば伝動ケース7に支持されている。内周側カラー壁47は、従動軸16を挿通し、ラジアルボールベアリング48を介して従動軸16に支持されている。
内周側カラー壁47の外周には、雄ねじ山(不図示)が形成されている。この雄ねじ山に螺合する雌ねじ山(不図示)が、被動ギア44のカラー壁46の内周に形成されている。これら両カラー壁46,47の間に、被動ギア44の回転動を可動プーリ半体18の軸方向移動に変換する二次側送りねじ機構49が構成されている。二次側送りねじ機構49の各ねじ山は、ボールねじ以外の通常ねじであり、例えば一条または複数条の台形ねじが好適であるが、台形ねじに代わり角ねじおよび三角ねじでもよい。被動ギア44側に雄ねじ山が形成され、可動プーリ半体18側に雌ねじ山が形成される構成でもよい。
なお、図2では、減速ギア機構43の出力ギア(第二小径ギア43e)が被動ギア44の噛み合い位置を軸方向で移動可能としている。被動ギア44は、送りねじ機構49の作用により軸方向移動可能な移動体44bを構成している。移動体44bは、カラー壁46の外周を巻回するコイルバネ44cによって、V溝15aを狭める側(車幅方向内側)に付勢されている。
一方、図3に模式的に示すように、被動ギア44と別体の移動体44bを備え、この移動体44bが送りねじ機構49の作用により軸方向移動する構成でもよい。移動体44bには、支持壁44aと、カラー壁46と、が一体に備えられている。被動ギア44は軸方向で不動であり、この被動ギア44に内周側カラー壁47が一体に備えられている。両カラー壁46,47の間に、送りねじ機構49が構成されている。移動体44bは、被動ギア44に対し、コイルバネ44cによってV溝15aを狭める側(車幅方向内側)に付勢されている。
図3を参照し、センサー類51は、例えば駆動プーリ11の回転数を検出する第一回転数センサー52(実施形態ではエンジン回転数センサーでもある)、可動プーリ半体14の軸方向位置を検出する第一プーリ位置センサー53(実施形態では中継ギアの回転角度を検出する角度センサー)、従動プーリ15の回転数を検出する第二回転数センサー54、可動プーリ半体18の軸方向位置を検出する第二プーリ位置センサー55(実施形態では中継ギアの回転角度を検出する角度センサー)、車速を検出する車速センサ―56(出力軸21の回転数を検出する回転数センサーでもよい)、アクセル開度を検出するアクセル開度センサー57(エンジン3が内燃機関の場合はスロットル開度センサー)、等を備えている。なお、センサー類51には、走行モードスイッチおよびマニュアル変速スイッチ等のスイッチ類58を含む。
センサー類51の検出情報は、ECU(Electronic Control Unit)である変速制御部61に入力される。変速制御部61は、制御項目を決定して各アクチュエータ31,41の電気モータ32,42を駆動させ、駆動プーリ11および従動プーリ15の各可動プーリ半体14,18の軸方向位置とその変化速度を制御する。
変速制御部61の制御により、一次側アクチュエータ31および二次側アクチュエータ41の各電気モータ32,42に制御電流が流れ、各電気モータ32,42が回転駆動する。各電気モータ32,42のトルクは、それぞれ減速ギア機構33,43を介して、対応する可動プーリ半体14,18と同軸の被動ギア34,44まで伝達される。このトルクは、被動ギア34,44と可動プーリ半体14,18との間に構成された送りねじ機構39,49を介して、軸方向荷重に変換される。この軸方向荷重により、可動プーリ半体14,18が軸方向移動して変速を実施する。
Vベルト式無段変速機10は油脂による潤滑がないため、送りねじ機構49のフリクションを低下させることは、Vベルト式無段変速機10の作動性を向上させる点で効果が高い。一方、フリクション低下のためにボールねじを用いると、コストアップになるという課題がある。
実施形態では、送りねじ機構39,49に台形ねじを用いてコストアップを抑える一方、後述する変速制御により二次側アクチュエータ31,41を駆動させることで、可動プーリ半体14,18の推力とモータ電流との相関に一意性を持たせている。これにより、パワーユニット1を搭載する車両の走行性能および燃費の維持を図っている。
台形ねじは、雄ねじ山と雌ねじ山との間にクリアランスがあり、外力によって両ねじ山の軸心に傾きが生じることがある。この状態で送りねじ機構39,49を回転させると、両ねじ山同士が噛み込んでロック(固着)する虞がある。実施形態では、後述する変速制御により送りねじ機構39,49のフリクションを抜きながら回転させることが可能であり、送りねじ機構39,49のロックの懸念を抑えている。
以下、変速装置10Aの基本的な制御について説明する。
まず、アクセル開度およびその変位速度と、ドリブン回転数(ひいては車速)と、に基づき、目標ドライブ回転数を算出する。次に、目標ドライブ回転数と現在のドライブ回転数との差分を求め、一次側アクチュエータ31のモータ制御指令値(DUTY)を決定する。これにより、レシオ制御用である駆動プーリ11を作動させて、車両の加減速を制御する。
駆動プーリ11の可動範囲を判定するため、駆動プーリ11には、可動プーリ半体14の軸方向位置を検出するプーリ位置センサー53が設けられている。同様に、従動プーリ15には、可動プーリ半体18の軸方向位置を検出するプーリ位置センサー55が設けられている。
なお、選択された変速モードに最適化した燃料噴射および点火制御を行うため、変速制御部61から不図示のエンジンコントロール部に対して現在の変速モードを通知してもよい。
車両の発進時にエンジン回転数を上昇させると、従動プーリ15側の遠心クラッチ23が接続状態に変化し、後輪2に駆動力が伝達される。このとき、遠心クラッチ23が半クラッチを経ることで、車両をスムーズに発進させる。遠心クラッチ23が接続し始める回転数では、Vベルト19は、駆動プーリ11の最も内周側に巻き掛けられ、かつ従動プーリ15の最も外周側に巻き掛けられた状態にある。駆動プーリ11は、可動プーリ半体14が固定プーリ半体13から離れてV溝11a幅を広げ、ベルト巻き掛け径を小さくしている。従動プーリ15は、可動プーリ半体18が固定プーリ半体17に近付いてV溝15a幅を狭め、ベルト巻き掛け径を大きくしている。以上により、Vベルト式無段変速機10の減速比は最も大きく(低速側)となる。
エンジン回転数が上昇を続けると、一次側アクチュエータ31の作動により駆動プーリ11の可動プーリ半体14が軸方向移動し、可動プーリ半体14と固定プーリ半体13とを互いに接近させて、Vベルト19の巻き掛け位置を外周側に変化させる。Vベルト19の長さは一定のため、駆動プーリ11側のベルト巻き掛け径が大きくなると、従動プーリ15側のベルト巻き掛け径が小さくなる。従動プーリ15では、二次側アクチュエータ41の作動により可動プーリ半体18が軸方向移動し、可動プーリ半体18と固定プーリ半体17とを互いに離間させて、Vベルト19の巻き掛け位置を内周側に変化させる。以上により、Vベルト式無段変速機10の減速比は車両発進時よりも小さくなる(高速側となる)。
エンジン回転数がさらに上昇すると、一次側アクチュエータ31の作動により駆動プーリ11の可動プーリ半体14がさらに軸方向移動し、可動プーリ半体14と固定プーリ半体13とをさらに接近させて、Vベルト19の巻き掛け位置を最も外周側に向けて変化させる。従動プーリ15では、二次側アクチュエータ41の作動により可動プーリ半体18がさらに軸方向移動し、可動プーリ半体18と固定プーリ半体17とをさらに接近させて、Vベルト19の巻き掛け位置を最も内周側に向けて変化させる。以上により、Vベルト式無段変速機10の減速比はより一層小さくなる(高速側となる)。
なお、Vベルト19は、高温時には低温時よりも摩耗しやすくなるので、Vベルト式無段変速機10では、Vベルト19を冷却するために、例えば伝動ケース7の前部に外気を取り入れるダクトを備えている。また、例えば駆動プーリ11の側面部に冷却ファン13bを備え、駆動プーリ11の回転に伴いケース内で外気を循環可能としている。ケース内に取り入れた外気は、ケース内を循環してVベルト19等を冷却する。ケース内で熱を帯びた外気は、例えば伝動ケース7の後部に備えた排気口よりケース外に排出される。
Vベルト式無段変速機10では、一対のベルト側面19aと各プーリ円錐面13a,14a,17a,18aとが互いに摩擦接触することで、駆動プーリ11および従動プーリ15間の動力伝達を可能とする。一方、Vベルト19と各プーリ11,15との間には、Vベルト19の巻き取り位置および繰り出し位置の各々で、Vベルト19と各プーリ11,15とが摺動することによる摩擦抵抗が生じる。また、変速時にベルト巻き掛け径が変化する際にも、Vベルト19と各プーリ11,15とが摺動することによる摩擦抵抗が生じる。したがって、各プーリ11,15の推力(Vベルト19への押し付け力)を適切に調整することは、走行性能を良好に維持し、かつ燃費を良好に維持することへの影響が大きい。
次に、実施形態の変速制御の要部について説明する。この制御は従動プーリ15において行うが、駆動プーリ11において行うことも可能である。
従動プーリ15は、主にレシオ制御用の駆動プーリ11に対し、Vベルト19に対する軸方向荷重(推力、押し付け力)を制御する。この制御により、Vベルト19の張力およびフリクションが調整されるとともに、Vベルト19のスリップが抑制される。
実施形態では、従動プーリ15の推力調整時に、正逆方向の動作を交互にかつ周期的に実行させる(以下、押し戻し制御という)。これにより、従動プーリ15のVベルト19の巻き掛け位置を変化させる際、得に被動時(プーリ戻し時)におけるヒステリシスを除去し、従動プーリ15の推力をモータ電流で制御しやすくする。
図4のタイムチャートは、実施形態の変速制御における各部の動作状態等を示す。
図中上段のタイムチャートにおいて、線Bdrは駆動プーリ11の推力、線Bdnは従動プーリ15の推力をそれぞれ示す。駆動プーリ11および従動プーリ15の各推力は、線Bdr,Bdnの細かな起伏に多少のズレはあるものの、概ね同様に変化している。線Bdr,Bdnの比較的緩やかな起伏は、前記押し戻し制御に伴う起伏である。
図中二段目のタイムチャートにおいて、線Cは軸回転レシオ(従動プーリ15の回転数/駆動プーリ11の回転数)、線Edrは駆動プーリ11のベルト巻き掛け径、線Ednは従動プーリ15のベルト巻き掛け径をそれぞれ示す。実施形態において、ベルト巻き掛け径を「PCD」と称することがある。駆動プーリ11のベルト巻き掛け径は、概ね一定に推移するが、従動プーリ15のベルト巻き掛け径は、従動プーリ15の推力の起伏に伴い、緩やかな起伏を繰り返す。線Ednの右上がり部分e1は、押し戻し制御の押し動作(LOW側(低速側)への動作)に対応する。線Ednの右下がり部分e2は、押し戻し制御の戻し動作(TOP側(高速側)への動作)に対応する。軸回転レシオも同様に、従動プーリ15の推力の起伏に伴い、同様の起伏を繰り返す。
図中三段目のタイムチャートにおいて、線Gdrは一次側アクチュエータ31のモータ電流、線Gdnは二次側アクチュエータ41のモータ電流をそれぞれ示す。一次側アクチュエータ31のモータ電流は、駆動プーリ11の推力の起伏に伴い、緩やかな起伏を繰り返す。二次側アクチュエータ41の電気モータ42には、押し側電流g1と戻し側電流g2とが交互に付与される。押し側電流g1とは、可動プーリ半体18を固定プーリ半体17に近付ける側に押す方向(LOW方向)の推力を発生させる電流である。戻し側電流g2とは、可動プーリ半体18を固定プーリ半体17から離す側に戻す方向(TOP方向)の推力を発生させる電流である。
押し側電流g1と戻し側電流g2とは、予め定めた時間t1,t2ずつ交互に付与される。押し側の時間t1は、戻し側の時間t2よりも長く設定されている。押し側電流g1と戻し側電流g2との切り替え時には、モータ電流を目標値に対してオーバーシュートさせている。
図中四段目のタイムチャートにおいて、線Hdrは駆動プーリ11のモータDUTY、線Hdnは従動プーリ15のモータDUTYをそれぞれ示す。駆動プーリ11のモータDUTYは、駆動プーリ11の推力の起伏に伴い、緩やかな起伏を繰り返す。従動プーリ15のモータDUTYは、二次側アクチュエータ41のモータ電流と同様、押し側パルス(押し側電流g1を出力させる信号)p1と戻し側パルス(戻し側電流g2を出力させる信号)p2と、が交互に出力される。押し側パルスp1と戻し側パルスp2とは、前記時間t1,t2ずつ交互に出力されながら周期的に繰り返す。実施形態の従動プーリ15では、固定DUTY制御(押し側15%、戻し側12%)がなされる。押し量および戻し量は互いに同一ではないが、これらが互いに同一であってもよい。
図5のグラフは、前述の変速制御におけるモータ電流と従動プーリ15の推力(ドリブン推力)との相関を示す。図中縦軸はモータ電流、横軸はドリブン推力をそれぞれ示す。図5の値は前述の変速制御をテストした際の実測値を示す。
前述の変速制御では、従動プーリ15の駆動時(押し側作動時)と被動時(戻し側作動時)との間でヒステリシスはほぼ無くなり、ドリブン推力をモータ電流で検知することが可能となる。
従動プーリ15の推力を周期的に正逆方向で入れ替える前記押し戻し制御を行うことで、以下の作用がある。すなわち、従動プーリ15の推力を受ける部分(加重される部分)を周期的に抜重することで、従動プーリ15のヒステリシスを実質的に除去することが可能となる。このため、図5に示すように、モータ電流とドリブン推力との相関線は、駆動時と被動時とでほぼ重なる。したがって、駆動時および被動時の何れのドリブン推力もモータ電流で検知することが可能となる。例えば、可動プーリ半体18を押す方向のドリブン推力を発生させるモータ電流を検出してこれを平均化する。このモータ電流に基づき、可動プーリ半体18を戻す方向のドリブン推力を導出することが可能となる。送りねじ機構49のフリクションは、ドリブン推力ひいてはモータ電流から一意的に求めることが可能となる。
次に、変速制御部61で実行される処理について図6、図7のフローチャートを参照して説明する。これらの処理は電源がON(車両のメインスイッチがON)の場合に所定の周期で繰り返し実行される。
図6を参照し、基本的な制御として、まず、要求ドリブン推力を算出し(ステップS11)、算出したドリブン推力を二次側アクチュエータ41に出力させる(ステップS12)。二次側アクチュエータ41には、ステップS11で算出したドリブン推力に相当するモータ電流が供給される。
図7を参照し、より高効率な制御として、まず、変速機10のスリップ率を算出する(ステップS21)。このスリップ率は、例えば以下の式1で算出される。

スリップ率(%)=(1-(PCDレシオ)/(軸回転数レシオ))×100
・・・式1

上記「PCD」は、従動プーリ15におけるベルト巻き掛け径を示す。
ベルトスリップ時には、従動プーリ15の軸上において、Vベルト19の回転速度に対して従動プーリ15の回転速度が遅れる。すなわち、動力伝達している従動プーリ15の回転数のレシオ(軸回転数レシオ)に対して、Vベルト19の回転数のレシオがハイレシオになる。このとき、従動プーリ15のPCD(ベルト巻き掛け径)が内周側に変化(減少)している。そこで、従動プーリ15の軸回転数レシオとVベルト19のPCDレシオとを検出し、これらを比較することによって、変速機10のスリップ率を検出することができる。そして、スリップ率とドリブン推力との関係は一意に定まるため、スリップ率を用いたドリブン推力のフィードバック制御が可能となる。
図7のステップS22では、スリップ率が目標スリップ率を越えたか否かを判定する。ステップS22でNO(スリップ率が目標値を越えていない)の場合、ステップS23に移行し、ドリブン推力(DUTY)を加算する制御を行う。ステップS22でYES(スリップ率が目標値を越えている)の場合、ステップS24に移行し、ドリブン推力(DUTY)を減算する制御を行う。
このように、実施形態のドリブン荷重制御では、車速に対するアクセル開度から要求推力を算出し、この要求推力からモータ電流を算出することができる。
以上説明したように、実施形態における変速装置10Aは、軸方向に固定された固定プーリ半体17と、前記固定プーリ半体17に対して軸方向に移動可能な可動プーリ半体18と、を備える従動プーリ15と、従動プーリ15に巻き掛けられ、固定プーリ半体17と可動プーリ半体18との間に挟持されるVベルト19と、可動プーリ半体18を軸方向に移動させる二次側アクチュエータ41と、を備え、二次側アクチュエータ41は、可動プーリ半体18を固定プーリ半体17に近付く側に押す方向の力と、可動プーリ半体18を固定プーリ半体17から離れる側に戻す方向の力と、を予め定めた周期で交互に付与する押し戻し制御を実施する。
この構成によれば、可動プーリ半体18を軸方向に移動させてVベルト19の巻き掛け径を変化させる変速制御において、押し戻し制御によって戻し方向の力を可動プーリ半体18に周期的に付与することで、摺動部分のフリクションを抜くことが可能となる。すなわち、Vベルト19および従動プーリ15の間のフリクションを周期的に除去しつつ、かつ可動プーリ半体18を軸方向移動させるための送りねじ機構49のフリクションも周期的に除去しつつ、可動プーリ半体18を軸方向移動させて巻き掛け径を変化させることが可能となる。したがって、可動プーリ半体18を軸方向移動させる送りねじ機構49にボールねじ以外の通常ねじ(台形ねじ、角ねじ等)を用いた上、アクチュエータの容量を削減してコストダウンを図った上で、変速動作をスムーズに行うことができ、アクチュエータを含む装置全体の制御性を高めることができる。なお、実施形態では従動プーリ15に押し戻し制御を実施するが、駆動プーリ11に押し戻し制御を実施してもよい。
上記変速装置10Aにおいて、前記押し戻し制御は、可動プーリ半体18を固定プーリ半体17側に押す時間t1が、可動プーリ半体18を固定プーリ半体17と反対側に戻す時間t2よりも長い。
この構成によれば、可動プーリ半体18はVベルト19の張力により固定プーリ半体17から離れる側(戻し側)に付勢されるが、可動プーリ半体18の戻し時間を押し時間よりも短く抑えることで、可動部材が戻り過ぎることを抑制し、変速への影響を抑えることができる。
上記変速装置10Aにおいて、二次側アクチュエータ41と可動プーリ半体18とは、送りねじ機構49を介して接続され、送りねじ機構49には、台形ねじ、角ねじおよび三角ねじの何れかが用いられる。
この構成によれば、押し戻し制御により送りねじ機構49のフリクションを抜くことで、ボールねじに代わり台形ねじ等の通常ねじを用いた場合にも、ねじロックの懸案を抑えることができる。このため、通常ねじの採用によるコストダウンを図った上で、変速動作をスムーズに行うことができる。
上記変速装置10Aにおいて、前記押し戻し制御における可動プーリ半体18を戻す方向の力は、送りねじ機構49のフリクションを規定量だけ越える値に設定され、かつ前記規定量は一定に設定される。
この構成によれば、可動プーリ半体18はVベルト19の張力により固定プーリ半体17から離れる側(戻し側)に付勢されるが、可動プーリ半体18を戻す力を螺合部のフリクションを規定量越える程度で一定に保つことで、可動プーリ半体18が戻り過ぎることを抑制し、変速への影響を抑えることができる。
上記変速装置10Aにおいて、可動プーリ半体18を押す方向の力は、従動プーリ15への要求負荷に応じて可変である。
この構成によれば、アクセル開度等に基づく要求負荷(推力)に応じて、可動プーリ半体18を押す力を可変とし、変速動作をスムーズかつ迅速に行うことができる。
上記変速装置10Aにおいて、駆動プーリ11および従動プーリ15に渡って前記Vベルト19が巻き掛けられてベルト式無段変速機10が構成され、駆動プーリ11は、入力装置(エンジン3)から動力が入力されるとともに、Vベルト式無段変速機10のレシオ制御を行い、従動プーリ15は、出力装置25に動力を出力するとともに、Vベルト式無段変速機10の荷重制御を行い、前記押し戻し制御は、荷重制御を行う側の従動プーリ15で行う。
この構成によれば、アクセル開度等に基づき要求負荷(推力)が頻繁に変化する荷重制御側に対し、押し戻し制御を組み込むことで、可動プーリ半体18の送りねじ機構49にボールねじではない通常ねじを用いた場合にも、ねじロックの発生を抑制することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、実施形態のパワーユニット1は、スクータ型の自動二輪車以外にも鞍乗り型車両全般に搭載可能である。前記鞍乗り型車両には、運転者が車体を跨いで乗車する車両全般が含まれ、自動二輪車(原動機付自転車及びスクータ型車両を含む)のみならず、三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)又は四輪(四輪バギー等)の車両も含まれる。また、原動機に電気モータを含む車両も含まれる。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
1 パワーユニット
3 エンジン(入力装置)
10 Vベルト式無段変速機(無段変速機)
10A 変速装置
11 駆動プーリ(傘体対)
13 固定プーリ半体(固定傘体)
14 可動プーリ半体(可動傘体)
15 従動プーリ(傘体対)
17 固定プーリ半体(固定傘体)
18 可動プーリ半体(可動傘体)
19 Vベルト(無端部材)
25 出力装置
31 一次側アクチュエータ(動力装置)
39 送りねじ機構(螺合部)
41 二次側アクチュエータ(動力装置)
49 送りねじ機構(螺合部)
t1 押す時間
t2 戻す時間

Claims (6)

  1. 軸方向に固定された固定傘体(13,17)と、前記固定傘体(13,17)に対して軸方向に移動可能な可動傘体(14,18)と、を備える傘体対(11,15)と、
    前記傘体対(11,15)に巻き掛けられ、前記固定傘体(13,17)と前記可動傘体(14,18)との間に挟持される無端部材(19)と、
    前記可動傘体(14,18)を軸方向に移動させる動力装置(31,41)と、を備える変速装置(10A)において、
    前記動力装置(31,41)と前記可動傘体(14,18)とは、螺合部(39,49)を介して接続され、
    前記動力装置(31,41)は、前記可動傘体(14,18)を前記固定傘体(13,17)に近付く側に押す方向の力と、前記可動傘体(14,18)を前記固定傘体(13,17)から離れる側に戻す方向の力と、を予め定めた周期で交互に付与する押し戻し制御を実施することを特徴とする変速装置。
  2. 前記押し戻し制御は、前記可動傘体(14,18)を前記固定傘体(13,17)側に押す時間(t1)が、前記可動傘体(14,18)を前記固定傘体(13,17)と反対側に戻す時間(t2)よりも長いことを特徴とする請求項1に記載の変速装置。
  3. 前記螺合部(39,49)には、台形ねじ、角ねじおよび三角ねじの何れかが用いられることを特徴とする請求項1又は2に記載の変速装置。
  4. 前記押し戻し制御における前記可動傘体(14,18)を戻す方向の力は、前記螺合部(39,49)のフリクションを規定量だけ越える値に設定され、かつ前記規定量は一定に設定されることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の変速装置。
  5. 前記可動傘体(14,18)を押す方向の力は、前記傘体対(11,15)への要求負荷に応じて可変であることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の変速装置。
  6. 一対の前記傘体対(11,15)に渡って前記無端部材(19)が巻き掛けられて無段変速機(10)が構成され、
    一対の前記傘体対(11,15)の一方は、入力装置(3)から動力が入力されるとともに、前記無段変速機(10)のレシオ制御を行い、
    一対の前記傘体対(11,15)の他方は、出力装置(25)に動力を出力するとともに、前記無段変速機(10)の荷重制御を行い、
    前記押し戻し制御は、前記荷重制御を行う側の前記傘体対(15)で行うことを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の変速装置。
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