以下、代金未払いのまま立ち去る決済者の不正を防止できる決済装置の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、この実施形態では、スーパーマーケット等の小売店に導入されたセミセルフ方式のチェックアウトシステムにおける決済装置を例示する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態におけるチェックアウトシステム10の模式図である。チェックアウトシステム10は、複数台の登録装置11と、登録装置11よりも台数の多い決済装置12とを含む。登録装置11及び決済装置12は、店舗のチェックアウトレーン毎に配置される。
図1においては、2台の登録装置11(11-1,11-2)と6台の決済装置12(12-1,12-2,12-3,12-4,12-5,12-6)とを2つのチェックアウトレーンに配置した場合を示している。一方のチェックアウトレーンには、1台の登録装置11(11-1)と3台の決済装置12(12-1,12-2,12-3)とが配置されている。そして、登録装置11(11-1)に対し、同じチェックアウトレーンに配置されている3台の決済装置12(12-1,12-2,12-3)がグルーピングされている。同様に、他方のチェックアウトレーンには、1台の登録装置11(11-2)と3台の決済装置12(12-4,12-5,12-6)とが配置されている。そして、登録装置11(11-2)に対し、同じチェックアウトレーンに配置されている3台の決済装置12(12-4,12-5,12-6)がグルーピングされている。
なお、チェックアウトシステム10が、登録装置11及び決済装置12をそれぞれ何台含むかは任意である。また、チェックアウトレーンに配置される登録装置11と決済装置12との台数の比も任意である。
登録装置11は、チェッカと呼ばれる役割を担った店員21がその操作者、いわゆる登録者なる。決済装置12は、店舗で販売される商品を購入する買物客22がその操作者、いわゆる決済者となる。ただし店員が決済者となる場合もある。
登録装置11は、図1においては、作業テーブル23に取り付けられる。作業テーブル23は、矩形の天板を有する。複数の作業テーブル23が、天板の長手方向がほぼ並行するように配置されることにより、買物客22用の通路(チェックアウトレーン)が形成される。
登録装置11は、販売商品の登録、会計データの生成及び会計データの決済装置12への転送、ならびに決済処理の各機能を備える。販売商品の登録とは、買物客22が購入する商品を販売商品として登録装置11に登録することである。例えば、商品に付されたバーコードをスキャナでスキャンすることにより、当該商品が販売商品として登録装置11に登録される。会計データとは、1つの取引として登録された販売商品の会計に係るデータである。販売商品の識別コードである商品コード、商品名、単価、個数、金額等が会計データに含まれる。決済処理とは、会計データを基に商品売買行為である取引の代金を決済することである。代金は、例えば買上商品の合計金額である。買上商品が1品の場合にはその商品の価格が代金となり得る。また、合計金額に対して値引又は割引がある場合、代金はその値引又は割引された後の金額となる。決済には、現金、クレジットカード、電子マネー等が代金として利用される。
決済装置12は、決済処理の機能を備える。すなわち決済装置12は、登録装置11から会計データが転送された場合に、その会計データを基に取引代金の決済を処理する。
図2は、登録装置11及び決済装置12の主要な回路構成を示すブロック図である。登録装置11及び決済装置12は、いずれもネットワークであるLAN(local area network)13に接続されている。LAN13には、図示しないが、サーバが接続されている。サーバには、各商品の商品コードに関連付けて、商品名、単価等の商品情報が設定された商品データベースがある。
登録装置11及び決済装置12は、LAN13を介して情報を授受する。なお、ネットワークは、LAN13に代えて、インターネットや無線LANなどの別の通信網を用いてもよい。また、登録装置11と決済装置12との間でサーバを介して情報を授受する構成としてもよい。
登録装置11は、CPU(central processing unit)11a、ROM(read-only memory)11b、RAM(random-access memory)11c、補助記憶ユニット11d、ドロワ開放ユニット11e、スキャナ11f、2つのタッチパネル11g1,11g2、プリンタ11h、カードリーダライタ11i、通信ユニット11j及び伝送システム11kを含む。
CPU11aは、ROM11b、RAM11c及び補助記憶ユニット11dと伝送システム11kを介して接続されて、コンピュータを構成する。
CPU11aは、上記コンピュータの中枢部分に相当する。CPU11aは、ROM11b及びRAM11cに記憶されたオペレーティングシステム、ミドルウェア及びアプリケーションプログラムに基づいて、登録装置11としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
ROM11bは、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。ROM11bは、上記オペレーティングシステムを記憶する。ROM11bは、上記ミドルウェア又はアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。ROM11bは、CPU11aが各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する場合もある。
RAM11cは、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。RAM11cは、CPU11aが各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する。またRAM11cは、CPU11aが各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとしても利用される。
補助記憶ユニット11dは、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶ユニット11dは、CPU11aが各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはCPU11aでの処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶ユニット11dとしては、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disk drive)、あるいはSSD(solid state drive)などを使用できる。
ROM11b又は補助記憶ユニット11dに記憶されるアプリケーションプログラムには、登録装置11で実行される情報処理に関して記述した制御プログラム、例えば登録プログラムを含む。登録装置11の譲渡は一般的に、制御プログラムがROM11b又は補助記憶ユニット11dに記憶された状態にて行われる。しかし、制御プログラムがROM11b又は補助記憶ユニット11dに記憶されない状態で、登録装置11が譲渡される場合もある。この場合には、制御プログラムは、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して譲渡される。あるいはネットワークを介して制御プログラムが譲渡され、この制御プログラムが上記の別途に譲渡された登録装置11の補助記憶ユニット11dに書き込まれてもよい。
ドロワ開放ユニット11eは、貨幣を収容するためのドロワを自動的に開放する。
スキャナ11fは、商品に付されたバーコードを読み取って、当該商品の商品コードを得る。スキャナ11fとしては、周知の種々のタイプのものをそのまま利用できる。スキャナ11fは、周知の種々のタイプうちの1つのみに対応していてもよいし、複数のタイプに対応していてもよい。すなわちスキャナ11fは、固定式又はハンディ式の2次元コードスキャナを含み得る。またスキャナ11fは、商品の画像から画像認識技術を利用して商品を識別するタイプのスキャナを含み得る。
2つのタッチパネル11g1,11g2のうち、一方のタッチパネル11g1は店員用であり、他方のタッチパネル11g2は客用である。タッチパネル11g1,11g2は、いずれも表示デバイス及びタッチセンサを含む。表示デバイスは、その表示画面を、GUI画面などの任意の画面とする。表示デバイスとしては、例えばカラーLCD等の周知のデバイスを利用できる。タッチセンサは、表示デバイスの表示面に重ねて配置されている。タッチセンサは、表示デバイスの表示面への操作者のタッチ位置を検出し、その位置情報をCPU11aへと送る。タッチセンサとしては、周知のデバイスを利用できる。
プリンタ11hは、レシート用紙に対して各種の文字列又は画像などを印刷することにより、レシートを発行する。この種のプリンタ11hとしては、例えばサーマルプリンタ又はドットインパクトプリンタなどを利用できる。
カードリーダライタ11iは、カードに記録されたデータを読み取る機能と、上記カードへデータを書き込む機能とを有する。カードは、クレジットカード、電子マネーカードなどの決済用カードの他に、メンバーズカードやポイントカードなどと称される会員カードを含み得る。
通信ユニット11jは、LAN13を介して接続される複数の決済装置12とデータ通信を行う。通信ユニット11jは、他の登録装置11とLAN13を介してデータ通信を行うこともできる。
伝送システム11kは、CPU11a、ROM11b、RAM11c、補助記憶ユニット11d、ドロワ開放ユニット11e、スキャナ11f、タッチパネル11g1,11g2、プリンタ11h、カードリーダライタ11i及び通信ユニット11jの間で授受されるデータを伝送する。伝送システム11kは、システムバスなどの各種のバスと、これらのバスと各部とを接続する各種のインタフェース回路とを含む周知のものが利用できる。
このような登録装置11のハードウェアとしては、例えば既存のPOS端末を利用することが可能である。
決済装置12は、CPU12a、ROM12b、RAM12c、補助記憶ユニット12d、自動釣銭機12e、スキャナ12f、タッチパネル12g、プリンタ12h、カードリーダライタ12i、通信ユニット12j及び伝送システム12kを含む。
自動釣銭機12eは、硬貨投入口、硬貨払出口、紙幣投入口及び紙幣払出口をそれぞれ別々に設ける。そして自動釣銭機12eは、硬貨投入口及び紙幣投入口から投入される硬貨及び紙幣を収受する。また自動釣銭機12eは、釣銭としての硬貨及び紙幣を硬貨払出口及び紙幣払出口から排出する。
その他のCPU12a、ROM12b、RAM12c、補助記憶ユニット12d、スキャナ12f、タッチパネル12g、プリンタ12h、カードリーダライタ12i、通信ユニット12j及び伝送システム12kの機能は、登録装置11のCPU11a、ROM11b、RAM11c、補助記憶ユニット11d、タッチパネル11g1,11g2、プリンタ11h、カードリーダライタ11i、通信ユニット11j及び伝送システム11kと同等である。
すなわちCPU12aは、ROM11b、RAM11c及び補助記憶ユニット11dと伝送システム11kを介して接続されて、コンピュータを構成する。そしてCPU12aは、ROM12b及びRAM12cに記憶されたオペレーティングシステム、ミドルウェア及びアプリケーションプログラムに基づいて、決済装置12としての各種の動作を実現するべく各部を制御する。
ROM12b又は補助記憶ユニット12dに記憶されるアプリケーションプログラムには、決済装置12で実行される情報処理に関して記述した制御プログラム、例えば決済プログラムを含む。決済装置12の譲渡は一般的に、制御プログラムがROM12b又は補助記憶ユニット12dに記憶された状態にて行われる。しかし、制御プログラムがROM12b又は補助記憶ユニット12dに記憶されない状態で、決済装置12が譲渡される場合もある。この場合には、制御プログラムは、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して譲渡される。あるいはネットワークを介して制御プログラムが譲渡され、この制御プログラムが上記の別途に譲渡された決済装置12の補助記憶ユニット12dに書き込まれてもよい。
このような決済装置12のハードウェアとしては、例えば既存のセルフ方式に対応したPOS端末を利用することが可能である。
図3は、決済装置12を正面上方から見た状態の外観を示す斜視図である。決済装置12は、スキャナ12f、タッチパネル12g等を備えた第1筐体121と、自動釣銭機12e等を備えた第2筐体122とを備えている。第1筐体121は、第2筐体122の上部に、当該第2筐体122と一体的に設けられている。
第2筐体122には、硬貨投入口123、硬貨払出口124、紙幣投入口125及び紙幣払出口126が形成されている。すなわち、硬貨投入口123が設けられた奥側から手前側に向けて、硬貨払出口124と紙幣払出口126と紙幣投入口125とが順に階段状に設けられている。具体的には、硬貨投入口123が設けられている面が上段、硬貨払出口124が設けられている段が上段よりも下方に位置する中段、紙幣払出口126と紙幣投入口125とが設けられている段が中段よりも下方に位置する下段である。そして中段に位置する硬貨払出口124は、上段に位置する硬貨投入口123よりも第2筐体122の奥行き方向手前側に位置している。また、下段に位置する紙幣払出口126と紙幣投入口125とは、中段に位置する硬貨払出口124よりも第2筐体122の奥行き方向手前側に位置している。このように硬貨投入口123、硬貨払出口124、紙幣投入口125及び紙幣払出口126を階段状に配置することにより、奥側から手前側に向けて全ての投入口や排出口を見渡すことができる。
かかる構成の登録装置11と決済装置12とを含むチェックアウトシステム10は、図4に示すデータメモリ領域31及び32を、登録装置11及び決済装置12のRAM11c、12cにそれぞれ形成する。
データメモリ領域31は、1取引における販売商品のデータを記憶するための領域である。データは、商品コード、商品名、単価、個数、金額の各項目を含む。商品コードは、各商品を個々に識別するための固有のコードである。各商品には、例えばバーコードによって表された商品コードが付されており、スキャナ11fでバーコードをスキャンすることにより、登録装置11は商品コードを取得できる。商品名及び単価は、対応する商品コードにより識別される商品の名称及び1点当たりの価格である。個数は、同商品の販売個数であり、金額は、その販売個数分の金額(販売金額)である。以下、データメモリ領域31を取引メモリと称する。そして登録装置11のものを取引メモリ31aで表わし、決済装置12のものを取引メモリ31bで表わす。
データメモリ領域32は、合計個数と合計金額とを記憶するための領域である。合計個数は、取引メモリ31に記憶された販売個数の合計である。合計金額は、取引メモリ31に記憶された販売金額の合計である。以下、データメモリ領域32を合計メモリと称する。そして登録装置11のものを合計メモリ32aで表わし、決済装置12のものを合計メモリ32bで表わす。
また、チェックアウトシステム10は、図5に示すデータメモリ領域41を登録装置11のRAM11cに形成し、データメモリ領域42を登録装置11の補助記憶ユニット11dに形成する。
データメモリ領域41は、1つの販売商品の商品コード、商品名、単価、個数及び金額を一時的に格納するための領域である。以下、データメモリ領域41を一時バッファ41と称する。
データメモリ領域42は、“1”から始まる一連のリスト番号(会計データ転送順位)に関連付けて決済装置IDと識別名称とを記憶する。決済装置IDは、各決済装置12を個々に識別するために決済装置12毎に割り当てられ、例えばROM12bに記憶された固有のIDである。因みに、各登録装置11についても同様の登録装置IDがROM11bに記憶されている。識別名称は、各決済装置12に対して個々に設定された固有の名称である。登録装置11の操作者は、識別名称からどの決済装置12を示しているのかを判別することができる。以下、データメモリ領域42をリストテーブル42と称する。
リストテーブル42のリスト番号“1”には、登録装置11に対して最も近い場所に設置されている決済装置12の決済装置IDと識別名称とが予め設定されており、リスト番号“2”には、登録装置11に対して2番目に近い場所に設置されている決済装置12の決済装置IDと識別名称とが予め設定されている。このように、会計データの転送順位は、登録装置11からの距離が近い順に設定される。なお、このような設定は一例であり、必ずしも転送順位が登録装置11からの距離が近い順に設定されていなくてもよい。
図6及び図7は、登録装置11のCPU11aが、登録プログラムにしたがって実行する情報処理の主要な手順を示す流れ図である。図8は、決済装置12のCPU12aが、決済プログラムにしたがって実行する情報処理の主要な手順を示す流れ図である。図9乃至図11は、図8の流れ図で示す情報処理中の会計処理の手順を具体的に示す流れ図である。図12乃至図15は、決済装置12のタッチパネル12gに表示される種々の画像例を示す模式図である。以下、これらの図を用いて、チェックアウトシステム10の動作について説明する。なお、以下に説明する処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
登録装置11は、動作モードの1つとして登録モードを有する。この登録モードで登録装置11が起動すると、CPU11aは、図6の流れ図に示す手順の制御処理を開始する。先ずCPU11aは、RAM11cの初期化を行う(Act1)。この初期化により、取引メモリ31a、合計メモリ32a及び一時バッファ41がクリアされる。
次いでCPU11aは、タッチパネル11gの画面を登録画面とする(Act2)。登録画面は、一時バッファ41、取引メモリ31a及び合計メモリ32aの内容を表し、登録処理の実施状況を店員21に確認させるものである。
店員21は、タッチパネル11gに登録画面が表示されていることを確認したならば、買物客22が買い上げる商品の登録が可能であると認識する。そして、買物客22が買上商品を持って作業テーブル23まで来たならば、店員21は、例えばスキャナ11fや商品ボタンを操作して、その商品の商品コードを順次入力する。そして、全ての商品の商品コードを入力し終えると、店員21は、小計ボタンにタッチする。以上の操作により、一人の買物客が買い上げる商品の登録(1取引の販売登録)が終了する。
このような登録操作に対し、登録装置11のCPU11aは、次のような情報処理を実行する。先ず、登録画面を表示させたCPU11aは、商品コードの入力を待ち受ける(Act3)。スキャナ11f又は商品ボタンを介して商品コードが入力されると(Act3にてYES)、CPU11aは、その商品コードに関連付けられて商品データベースに設定されている商品名、単価等の商品情報を取得する。またCPU11aは、この単価に個数を乗算して個数分の金額を算出する。個数は、商品コードが入力される前にテンキー等によって置数されている場合にはその数値であり、置数されていない場合には“1”である。こうしてCPU11aは、商品コード、商品名、単価、個数及び金額を含む商品販売データを生成したならば、この商品販売データを一時バッファ41に格納する(Act4)。このとき、既に一時バッファ41に商品販売データが記憶されていた場合には、CPU11aは、その記憶されていた商品販売データを取引メモリ31に移動させてから、新たな商品販売データを一時バッファ41に格納する。
CPU11aは、一時バッファ41に記憶された個数及び金額を合計メモリ32aに加算する。そしてCPU11aは、一時バッファ41と合計メモリ32aの内容が表示エリアR1に表示され、取引メモリ31aの内容が表示エリアR2に表示されるように、登録画面を更新する(Act5)。
登録画面を更新した後、CPU11aは、次の商品コードが入力されたか否かを確認する(Act6)。商品コードが入力されていない場合(Act6にてNO)、CPU11aは、小計ボタンがタッチされたか否かを確認する(Act7)。小計ボタンがタッチされていない場合(Act7にてNO)、CPU11aは、再び商品コードが入力されたか否かを確認する(Act6)。かくしてCPU11aは、Act6及びAct7として、商品コードが入力されるか、小計ボタンがタッチされるのを待ち受ける。なおCPU11aは、この待ち受け状態において、他の操作が行われるなどの他の事象の発生を確認した場合、その発生事象に応じた処理に移行する。このような動作は、他の待ち受け状態においても同様である。
Act6及びAct7の待ち受け状態において、商品コードが入力されると(Act6にてYES)、CPU11aは、Act4の処理に進む。そしてCPU11aは、それ以降の処理を前述したのと同様に繰り返す。
Act6及びAct7の待ち受け状態において、小計ボタンがタッチされたならば(Act7にてYES)、CPU11aは、Act8及びAct9の処理を実行する。なお、Act8とAct9との処理手順は、この順序に限定されるものではない。順序が入れ替わってもよい。
Act8では、CPU11aは、一時バッファ41に格納されている商品販売データを取引メモリ31に移動させる。そしてCPU11aは、取引メモリ31aのデータと合計メモリ32aのデータとで会計データを生成する。Act9では、CPU11aは、タッチパネル11gの画面を会計確認画面とする。会計確認画面は、合計メモリ32aの合計個数及び合計金額等を表示する。会計確認画面は、戻るボタン及び会計ボタンを含むボタン画像を表示する。戻るボタンは、タッチパネル11gの画面を登録画面に戻すことを店員21が指定するためのボタン画像である。会計ボタンは、1つの取引に対する商品の登録が終了し会計への移行を店員21が指示するためのボタン画像である。
会計確認画面を表示させたCPU11aは、会計ボタンが入力されたか否かを確認する(Act10)。会計ボタンが入力されていない場合(Act10にてNO)、CPU11aは、戻るボタンが入力されたか否かを確認する(Act11)。戻るボタンが入力されていない場合(Act11にてNO)、CPU11aは、再び、会計ボタンが入力されたか否かを確認する(Act10)。かくしてCPU11aは、Act10及びAct11として、会計ボタンが入力されるか、戻るボタンが入力されるのを待ち受ける。
会計確認画面を確認した店員21は、買物客22が買い上げた商品の登録が残っているか否かを確認する。残っている場合、店員21は、戻るボタンにタッチする。残っていない場合、店員21は、会計ボタンにタッチする。
Act10及びAct11の待ち受け状態において、戻るボタンが入力されると(Act11にてYES)、CPU11aは、タッチパネル11gの画面を登録画面に戻す(Act12)。その後、CPU11aは、Act6の処理に進み、以降の処理を前述と同様に繰り返す。
Act10及びAct11の待ち受け状態において、会計ボタンがタッチされた場合(Act10にてYES)、CPU11aは、図7のAct13の処理に進む。すなわちCPU11aは、リストテーブル42から、決済装置12のID及び識別名称のリストを読み込む(Act13)。次いでCPU11aは、リストテーブル42からリスト番号“1”の決済装置IDを検出する(Act14)。そしてCPU11aは、リスト番号“1”の決済装置IDを宛先として、Act8の処理で生成した会計データとAct13の処理で取得したリストデータとを送信するように通信ユニット11jに指令する(Act15)。この指令を受けて、通信ユニット11jは、リスト番号“1”の決済装置IDを宛先とし、ROM11bで記憶する登録装置IDを送信元とする「会計データ+リストデータ」を、LAN13上に送信する。この「会計データ+リストデータ」は、宛先とする決済装置IDがROM12bで記憶する決済装置IDと一致する決済装置12にて受信される。
各決済装置12のCPU12aは、通信ユニット12jを介して「会計データ+リストデータ」を受信すると、送信先として当該データに付加される決済装置IDが、ROM12bで記憶する決済装置IDと一致するか確認する。そして一致しない場合、CPU12aは、「会計データ+リストデータ」を破棄する。一致する場合には、CPU12aは、「会計データ+リストデータ」を取り込む。そしてCPU12aは、図8に具体的に示す受信割込み処理を開始する。
受信割込み処理が開始されると、CPU12aは先ず、ビジィフラグFをチェックする(Act21)。ビジィフラグFは、CPU12aが会計データを基に取引の決済を処理している間“1”にセットされ、処理が終了すると“0”にリセットされる1ビットデータであって、RAM12cに記憶されている。このように、ビジィフラグFがセットされている間は、決済装置12は取引の決済を実行中である。このため決済装置12は、新たな取引の決済を行うことはできない。
ビジィフラグFがリセットされている場合、すなわち決済装置12が取引の決済を実行可能な状態である場合には(Act21にてYES)、CPU12aは、Act22、Act23及びAct24の処理を実行する。なお、Act22、Act23及びAct24の処理手順は、この順序に限定されるものではない。順序が入れ替わってもよい。
Act22では、CPU12aは、ビジィフラグFを“1”にセットする。
Act23では、CPU12aは、データ送信元の登録装置11に対して会計可能応答のコマンドデータを送信するように通信ユニット12jに指令する。この指令を受けて、通信ユニット12jは、「会計データ+リストデータ」の送信元に設定された登録装置IDを宛先とし、ROM12bで記憶する決済装置IDを送信元とする会計可能応答のコマンドデータをLAN13上に送信する。このコマンドデータは、宛先とする登録装置IDがROM11bで記憶する登録装置IDと一致する登録装置11にて受信される。
Act24では、CPU12aは、受信した会計データを基に会計処理を実行する。会計処理については、後で説明する。CPU12aは、会計処理が終了すると、ビジィフラグFを“0”にリセットする(Act25)。
以上で、ビジィフラグFがリセットされている状態での「会計データ+リストデータ」の受信割込み処理が終了する。
一方、ビジィフラグFがセットされている場合、すなわち決済装置12が取引の決済を実行不可能な状態である場合には(Act21にてNO)、CPU12aは、受信したリストデータを検索する(Act26)。そしてCPU12aは、ROM12bで記憶する決済装置IDがリストデータの最終リスト番号に関連付けられているか否かを確認する(Act27)。
決済装置IDが最終リスト番号に関連付けられていない場合(Act27にてNO)、CPU12aは、リストデータから、ROM12bで記憶する決済装置IDが関連付けられているリスト番号に“1”を加算したリスト番号に関連付けられている決済装置IDを検出する(Act28)。そしてCPU12aは、この検出された決済装置IDを宛先として、「会計データ+リストデータ」を送信するように通信ユニット12jに指令する(Act29)。この指令を受けて、通信ユニット12jは、検出された決済装置IDを宛先とし、送信元を示す登録装置IDはそのままとして、「会計データ+リストデータ」をLAN13上に送信する。この「会計データ+リストデータ」は、宛先とする決済装置IDがROM12bで記憶する決済装置IDと一致する決済装置12にて受信される。
これに対し、決済装置IDが最終リスト番号(リスト番号の最大値)に関連付けられている場合には(Act27にてYES)、CPU12aは、データ送信元の登録装置11に対して会計不可応答のコマンドデータを送信するように通信ユニット12jに指令する(Act30)。この指令を受けて、通信ユニット12jは、「会計データ+リストデータ」の送信元に設定された登録装置IDを宛先とし、ROM12bで記憶する決済装置IDを送信元とする会計不可応答のコマンドデータをLAN13上に送信する。このコマンドデータは、宛先とする登録装置IDがROM11bで記憶する登録装置IDと一致する登録装置11にて受信される。
以上で、ビジィフラグFがセットされている状態での「会計データ+リストデータ」の受信割込み処理が終了する。
図7のAct15にて「会計データ+リストデータ」を送信した登録装置11のCPU11aは、決済装置12からの応答を待機する(Act16)。通信ユニット11jを介して応答を示すコマンドデータが受信されると(Act16にてYES)、CPU11aは、そのコマンドデータが会計可能応答なのか会計不可応答なのかを識別する(Act17)。
会計可能応答の場合(Act17にてYES)、CPU11aは、リストテーブル42を検索し、当該コマンドデータの送信元である決済装置IDに関連付けられて記憶されている識別名称を読み出す。そしてCPU11aは、会計確認画面の一部の領域に、この識別名称の決済装置12にて会計の準備が整ったことを示すメッセージを表示させる(Act18)。このメッセージを確認した店員は、識別名称から特定される決済装置12にて会計を行うように買物客に告知する。
一方、会計不可応答の場合には(Act17にてNO)、CPU11aは、会計確認画面の一部の領域に、会計データを送信できなかったことを示すメッセージを表示させる(Act19)。その後、CPU11aは、送信不可処理を実行する。
送信不可処理は、例えば会計ボタンが再度入力されるのを待機し、入力されたならば、Act13以降の処理を再度実行する。この場合、メッセージを確認した店員は、会計ボタンにタッチする。
送信不可処理は、例えば会計データに一意の識別コードを付してサーバ宛に送信するとともに、プリンタ11hを駆動して、当該識別コードを示すバーコードが印刷された会計券を発行する。この場合、メッセージを確認した店員は、会計券を買物客に渡す。買物客は、例えばチェックアウトレーンとは別の場所に用意された決済装置12のスキャナ12fで会計券のバーコードを読み取らせる。そうすると、決済装置12のCPU12aは、バーコードから得られる識別コードで付された会計データをサーバから取得する。そしてCPU12aは、この会計データを基に、図8のAct22、Act24及びAct25の処理を実行する。
このように店員21は、登録装置11に対して買物客22が買い上げる商品を登録する。そして登録を終えると、店員21は、会計確認画面上の会計ボタンにタッチする。そうすると、この買物客22との取引の決済に必要な会計データが、リストテーブル42のリストデータとともに送信される。この「会計データ+リストデータ」の送信先は、リスト番号“1”の決済装置IDで識別される決済装置12(決済装置12-1とする)である。
ここで、決済装置12-1が取引の決済を実行可能であるならば(ビジィフラグF=0)、決済装置12-1から登録装置11に対して会計可能応答のコマンドデータが送信される。その結果、登録装置11の会計確認画面には、決済装置12-1を表す識別名称とともに会計の準備が整ったことを示すメッセージが表示されるので、店員21は、買物客22に対して決済装置12-1で会計を行うように告知する。
これに対し、決済装置12-1が取引の決済を実行不可能であるならば(ビジィフラグF=1)、決済装置12-1から他の決済装置12に「会計データ+リストデータ」が転換される。その転換先は、リスト番号“2”の決済装置IDで識別される決済装置12(決済装置12-2とする)である。
ここで、決済装置12-2が取引の決済を実行可能であるならば(ビジィフラグF=0)、決済装置12-2から登録装置11に対して会計可能応答のコマンドデータが送信される。その結果、登録装置11の会計確認画面には、決済装置12-2を表す識別名称とともに会計の準備が整ったことを示すメッセージが表示されるので、店員21は、買物客22に対して決済装置12-2で会計を行うように告知する。
これに対し、決済装置12-2が取引の決済を実行不可能であるならば(ビジィフラグF=1)、決済装置12-2から他の決済装置12に「会計データ+リストデータ」がさらに転換される。その転換先は、リスト番号“3”の決済装置IDで識別される決済装置12(決済装置12-3とする)である。
ここで、決済装置12-3が取引の決済を実行可能であるならば(ビジィフラグF=0)、決済装置12-3から登録装置11に対して会計可能応答のコマンドデータが送信される。その結果、登録装置11の会計確認画面には、決済装置12-3を表す識別名称とともに会計の準備が整ったことを示すメッセージが表示されるので、店員21は、買物客22に対して決済装置12-3で会計を行うように告知する。
これに対し、決済装置12-3が取引の決済を実行不可能であるならば(ビジィフラグF=1)、3台の決済装置12-1,12-2,12-3の全てで取引の決済が不可能である。この場合、決済装置12-3から登録装置11に対して会計不可応答のコマンドデータが送信される。その結果、登録装置11の会計確認画面には、送信不可のメッセージが表示されるので、店員21は、会計ボタンに再度タッチする。あるいは送信不可のメッセージとともに会計券が発券されるので、店員21は、会計券を買物客22に渡す。
店員21からいずれかの決済装置12で会計を行うように告知された買物客22は、その決済装置12の場所まで移動する。このとき決済装置12では、決済プログラムに従って会計処理が開始される。会計処理が開始されると、決済装置12のCPU12aは、タッチパネル12gの画面を支払手段選択画面SC1(図12を参照)とする(Act31)。
図12は、支払手段選択画面SC1の一例である。支払手段選択画面SC1は、表示エリアR1、R2及びボタンB1、B2を含む。表示エリアR1は、決済装置12を操作する決済者(通常は買物客22)に対する操作ガイダンスを表示する。表示エリアR2は、合計メモリ32bに格納された合計個数と合計金額とを表示する。合計メモリ32bに記憶される合計個数と合計金額は、登録装置11と同様に、会計データに含まれる販売商品の単価,個数、金額に基づいて決済装置12で算出された値である。なお、登録装置11で算出された値をそのまま用いてもよい。ボタンB1は、複数の支払手段のなかからいずれかの支払手段を決済者が選択するための支払ボタンB1である。
支払ボタンB1は、支払手段が現金であるとき決済者が操作する現金ボタンB11と、支払手段がクレジットカードであるとき決済者が操作するクレジットボタンB12と、支払手段が電子マネーであるとき決済者が操作する電子マネーボタンB13とを含む。ボタンB2は、店員21を呼び出すとき決済者が操作する店員呼出ボタンB2である。
支払手段選択画面SC1を確認した決済者は、代金の支払手段を決定し、その支払手段に対応した支払ボタンB1にタッチする。
支払手段選択画面SC1を表示させたCPU12aは、現金ボタンB11がタッチされたか否かを確認する(Act32)。現金ボタンB11がタッチされていない場合(Act32にてNO)、CPU12aは、クレジットボタンB12がタッチされたか否かを確認する(Act33)。クレジットボタンB12がタッチされていない場合(Act33にてNO)、CPU12aは、電子マネーボタンB13がタッチされたか否かを確認する(Act34)。電子マネーボタンB13がタッチされていない場合(Act34にてNO)、CPU12aは、再び現金ボタンB11がタッチされたか否かを確認する(Act32)。かくしてCPU12aは、Act32乃至Act34として、現金ボタンB11、クレジットボタンB12及び電子マネーボタンB13のうちの何れかがタッチされるのを待ち受ける。
本実施形態においては、支払手段として現金、クレジットカード及び電子マネーを例示する。クレジットカード又は電子マネーによる代金支払い時は、カードリーダライタ12iを介してクレジットカード又は電子マネーカードのカードデータが読み取られる。これらのカードデータが読み取られることにより、カード所有者である決済者の個人情報が決済装置12に取り込まれる。ここに、クレジットカード又は電子マネーによる支払手段は、第1の支払手段に相当する。一方、現金による支払い時には、決済者は現金を紙幣投入口125又は硬貨投入口123に投入する。そして現金による決済が完了し釣銭がある場合には、釣銭としての紙幣は紙幣払出口126から払い出され、硬貨は硬貨払出口124から払い出される。ここに、現金による支払手段は第2の支払手段に相当する。
したがってCPU12aを主体とするコンピュータは、タッチパネル12gと協働してAct32、Act33及びAct34の処理を実行することにより、代金を第1の支払手段で支払うか第2の支払手段で支払うかの宣言を受け付けていることとなる。すなわち、第1の受付手段が実現される。
CPU12aは、Act32乃至Act34の待ち受け状態において、電子マネーボタンB13がタッチされたことを検知すると(Act34、YES)、タッチパネル12gの画面を電子マネー受付画面SC2(図13を参照)とする(Act35)。
図13は、電子マネー受付画面SC2の一例である。電子マネー受付画面SC2は、支払手段選択画面SC1と同様の表示エリアR1、R2及び店員呼出ボタンB2に加えて、ボタンB3を含む。ボタンB3は、直前の操作を取り消して1つの前の画面に戻すとき決済者が操作する戻るボタンB3である。
電子マネー受付画面SC2を確認した決済者は、電子マネーでの支払いを継続する場合、電子マネーカードのデータをカードリーダライタ12iに読み取らせる。これに対し、電子マネーによる支払いを中止する場合には、決済者は、戻るボタンB3にタッチする。また、店員を呼び出す場合には、決済者は、店員呼出ボタンB2にタッチする。
電子マネー受付画面SC2を表示させたCPU12aは、戻るボタンB3がタッチされたか否かを判断する(Act36)。戻るボタンB3がタッチされていない場合(Act36、NO)、CPU12aは、店員呼出ボタンB2がタッチされたか否かを判断する(Act37)。店員呼出ボタンB2がタッチされていない場合(Act37、NO)、CPU12aは、電子マネーによる支払データが入力されたか否かを判断する(Act38)。電子マネーの支払データとは、電子マネーカード等の電子マネー記録媒体に記録された電子マネーの残高データである。その支払データの入力とは、電子マネー記録媒体に記録された電子マネーの残高データがカードリーダライタ12iで読み取られた状態である。電子マネーによる支払データが入力されていない場合(Act38、NO)、CPU12aは再び、戻りボタンB3がタッチされたか否かを確認する(Act36)。かくしてCPU12aは、Act36乃至Act38として、戻るボタンB3又は店員呼出ボタンB2がタッチされるか、電子マネーによる支払データが入力されるのを待ち受ける。
CPU12aは、Act36乃至Act38の待ち受け状態において、戻るボタンB3がタッチされたことを検知すると(Act36、YES)、Act31の処理に戻る。すなわちCPU12aは、タッチパネル12gの画面を電子マネー受付画面SC2から支払手段選択画面SC1に戻す。
したがってCPU12aを主体とするコンピュータは、タッチパネル12gと協働してAct36の処理を実行することにより、第1の受付手段で代金を第1の支払手段の一種である電子マネーで支払う宣言を受け付けた場合に、代金を第1の支払手段で支払うか第2の支払手段で支払うかの宣言を受け付ける状態に戻す指示を受け付けているこことなる。
またCPU12aを主体とするコンピュータは、Act36及びAct31の処理を実行することにより、第1の受付手段で代金を第1の支払手段の一種である電子マネーで支払う宣言を受け付けた後に、その宣言を受け付ける状態に戻すこととなる。すなわち、戻し手段が実現される。
さてCPU12aは、Act36乃至Act38の待ち受け状態において、店員呼出ボタンB2がタッチされたことを検知した場合には(Act37、YES)、店員呼出信号を登録装置11に送信するように通信ユニット12jを制御する(Act39)。この制御により、通信ユニット12jからLAN13を介して登録装置11に店員呼出信号が送信される。この店員呼出信号を受信した登録装置11においては、例えば店員側のタッチパネル11g1に、店員呼出中の決済装置12をオペレータに知らしめるためのメッセージが表示される。
店員呼出信号の送信を制御したCPU12aは、タッチパネル12gの画面を店員呼出画面とする(Act40)。店員呼出画面は、例えば店員を呼び足していることを決済者に通知するためのメッセージなどを含む。以上で、CPU12aは、会計処理を終了する。
またCPU12aは、Act36乃至Act38の待ち受け状態において、カードリーダライタ12iにより電子マネーカード等の電子マネー記録媒体に記録された電子マネーの残高データが読み取られたことを検知すると、電子マネーによる支払データが入力されたと判断する。電子マネーによる支払データが入力されたと判断すると(Act38、YES)、CPU12aは、電子マネーの支払い処理を実行する(Act41)。この処理は、電子マネーの残高から取引の代金を引去る周知の処理であるので、詳細な説明は省略する。
したがってCPU12aを主体とするコンピュータは、カードリーダライタ12iと協働してAct38の処理を実行することにより、第1の受付手段で代金を第1の支払手段の一種である電子マネーで支払う宣言を受け付けた場合には、電子マネーによる支払データの入力を受け付けていることとなる。すなわち、第2の受付手段の一部が実現される。
またCPU12aを主体とするコンピュータは、Act41の処理を実行することにより、第2の受付手段で第1の支払手段の一種である電子マネーによる支払データの入力を受け付けた場合に、当該電子マネーによる支払データを基に代金を決済することとなる。すなわち、決済手段の一部が実現される。
こうして、電子マネー支払い処理が終了すると、CPU12aは、タッチパネル12gの画面を支払終了画面とする(Act42)。支払終了画面は、代金の支払いが終了したことを決済者に通知するためのメッセージなどを含む。以上で、CPU12aは、会計処理を終了する。
CPU12aは、Act32乃至Act34の待ち受け状態において、クレジットボタンB12がタッチされたことを検知すると(Act33、YES)、図10のAct51に進む。すなわちCPU12aは、タッチパネル12gの画面をカード受付画面とする(Act51)。カード受付画面は、電子マネー受付画面SC2と表示エリアR1のメッセージが異なる以外は同一である。電子マネー受付画面SC2の場合は、表示エリアR1に例えば「電子マネーを読取部に読み取らせてください」とのメッセージが表示されるが、カード受付画面の場合は、例えば「クレジットカードのデータを読取部に読み取らせてください」とのメッセージが表示される。カード受付画面は、店員呼出ボタンB2に加えて、戻るボタンB3が表示されている点も、電子マネー受付画面SC2と同一である。
カード受付画面を確認した決済者は、クレジットカードによる支払いを継続する場合、クレジットカードのデータをカードリーダライタ12iに読み取らせる。これに対し、クレジットカードによる支払いを中止する場合には、決済者は、戻るボタンB3にタッチする。また、店員を呼び出す場合には、決済者は、店員呼出ボタンB2にタッチする。
カード受付画面を表示させたCPU12aは、戻るボタンB3がタッチされたか否かを判断する(Act52)。戻るボタンB3がタッチされていない場合(Act52、NO)、CPU12aは、店員呼出ボタンB2がタッチされたか否かを判断する(Act53)。店員呼出ボタンB2がタッチされていない場合(Act53、NO)、CPU12aは、クレジットカードのデータが入力されたか否かを判断する(Act54)。クレジットカードのデータが入力されていない場合(Act54、NO)、CPU12aは再び、戻りボタンB3がタッチされたか否かを確認する(Act52)。かくしてCPU12aは、Act52乃至Act54として、戻るボタンB3又は店員呼出ボタンB2がタッチされるか、クレジットカードのデータが入力されるのを待ち受ける。
CPU12aは、Act52乃至Act54の待ち受け状態において、戻るボタンB3がタッチされたことを検知すると(Act52、YES)、Act31の処理に戻る。すなわちCPU12aは、タッチパネル12gの画面をカード受付画面から支払手段選択画面SC1に戻す。
したがってCPU12aを主体とするコンピュータは、タッチパネル12gと協働してAct52の処理を実行することにより、第1の受付手段で代金を第1の支払手段の一種であるクレジットカードで支払う宣言を受け付けた場合に、代金を第1の支払手段で支払うか第2の支払手段で支払うかの宣言を受け付ける状態に戻す指示を受け付けていることとなる。
またCPU12aを主体とするコンピュータは、Act52及びAct31の処理を実行することにより、第1の受付手段で代金を第1の支払手段の一種であるクレジットカードで支払う宣言を受け付けた後に、その宣言を受け付ける状態に戻すこととなる。すなわち、戻し手段が実現される。
さてCPU12aは、Act52乃至Act54の待ち受け状態において、店員呼出ボタンB2がタッチされたことを検知した場合には(Act53、YES)、前述したAct39の処理と同様に、店員呼出信号を登録装置11に送信するように通信ユニット12jを制御する(Act55)。またCPU12aは、前述したAct40の処理と同様に、タッチパネル12gの画面を店員呼出画面とする(Act56)。以上で、CPU12aは、会計処理を終了する。
またCPU12aは、Act52乃至Act54の待ち受け状態において、カードリーダライタ12iによりクレジットカードのデータが読み取られたことを検知すると、クレジットカードによる支払データが入力されたと判断する。クレジットカードによる支払データとは、クレジットカードに記録された認証用のデータである。クレジットカードによる支払データが入力されたと判断すると(Act54、YES)、CPU12aは、クレジットカードの支払い処理を実行する(Act57)。この処理は、クレジットカードの認証を含む周知の処理であるので、詳細な説明は省略する。
したがってCPU12aを主体とするコンピュータは、カードリーダライタ12iと協働してAct54の処理を実行することにより、第1の受付手段で代金を第1の支払手段の一種であるクレジットカードで支払う宣言を受け付けた場合には、クレジットカードによる支払データの入力を受け付けていることとなる。すなわち、第2の受付手段の一部が実現される。
またCPU12aを主体とするコンピュータは、Act57の処理を実行することにより、第2の受付手段で第1の支払手段の一種であるクレジットカードによる支払データの入力を受け付けた場合に、当該クレジットカードによる支払データを基に代金を決済することとなる。すなわち、決済手段の一部が実現される。
こうして、クレジットカード支払い処理が終了すると、CPU12aは、タッチパネル12gの画面を支払終了画面とする(Act58)。支払終了画面は、代金の支払いが終了したことを決済者に通知するためのメッセージなどを含む。以上で、CPU12aは、会計処理を終了する。
CPU12aは、Act32乃至Act34の待ち受け状態において、現金ボタンB11がタッチされたことを検知すると(Act32、YES)、図11のAct61に進む。すなわちCPU12aは、タッチパネル12gの画面を現金受付画面SC3(図14を参照)とする(Act61)。
図14は、現金受付画面SC3の一例である。現金受付画面SC3は、支払手段選択画面SC1と同様の表示エリアR1に加えて、表示エリアR3と、店員呼出ボタンB2とを含む。ただし、電子マネー受付画面SC2またはクレジットカード受付画面で表示されていた戻るボタンB3は表示されていない。表示エリアR3は、合計金額、投入金額及び釣銭額を表示するためのエリアである。
現金受付画面SC3を確認した決済者は、現金での支払いを継続する場合、自動釣銭機12eの紙幣投入口125又は硬貨投入口123に現金を投入する。これに対し、現金による支払いを中止する場合、あるいは店員を呼び出す場合には、決済者は、店員呼出ボタンB2にタッチする。
現金受付画面SC3を表示させたCPU12aは、店員呼出ボタンB2がタッチされたか否かを判断する(Act62)。店員呼出ボタンB2がタッチされていない場合(Act62、NO)、CPU12aは、自動釣銭機12eに現金が投入されたか否かを判断する(Act63)。現金が投入されていない場合(Act63、NO)、CPU12aは再び、店員呼出ボタンB2がタッチされたか否かを確認する(Act62)。かくしてCPU12aは、Act62及びAct63として、店員呼出ボタンB2がタッチされるか、現金が投入されるのを待ち受ける。
CPU12aは、Act62及びAct63の待ち受け状態において、店員呼出ボタンB2がタッチされたことを検知した場合には(Act62、YES)、前述したAct39及びAct55の処理と同様に、店員呼出信号を登録装置11に送信するように通信ユニット12jを制御する(Act69)。またCPU12aは、前述したAct40及びAct56の処理と同様に、タッチパネル12gの画面を店員呼出画面とする(Act70)。以上で、CPU12aは、会計処理を終了する。
因みに、呼び出された店員は、決済装置12の動作モードを店員モードに切り替えた後に、所定の戻し操作を行うことによってタッチパネル12gの画面を支払手段選択画面SC1に戻すことができる。すなわち決済装置12は、戻し手段とは異なる第2戻し手段を有している。したがって、現金による支払いを中止した決済者は、店員を呼び出すこと如って他の支払手段、例えばクレジットカードまたは電子マネーで代金を支払うことができる。なお、戻し手段は、決済者であれば誰でもタッチパネル12gの画面を支払手段選択画面SC1に戻すことができる手段である。一方、第2戻し手段は、店員等、限られた者しか戻すことができない手段である。
CPU12aは、Act62及びAct63の待ち受け状態において、自動釣銭機の紙幣投入口125又は硬貨投入口123に紙幣又は硬貨が投入されたことを検知すると、現金による支払データが入力されたと判断する。現金による支払データが入力されたと判断すると(Act63、YES)、CPU12aは、入金額を算出する(Act64)。そしてCPU12aは、入金額が支払金額以上になったか否かを判断する(Act65)。入金額が支払金額に満たない場合(Act65、NO)、CPU12aは、Act62及びAct63の待ち受け状態に戻る。したがって、現金がさらに入力された場合には(Act63、YES)、入金額が加算される。そしてCPU12aは、入金額が支払金額以上になったことを確認すると(Act65、YES)、タッチパネル12gの画面を会計待ち画面SC4(図15を参照)とする(Act66)。
図15は、会計待ち画面SC4の一例である。会計待ち画面SC4は、現金受付画面SC3に、会計ボタンB4を追加した画面である。
したがってCPU12aを主体とするコンピュータは、自動釣銭機12eと協働してAct63の処理を実行することにより、第1の受付手段で代金を第2の支払手段の一種である現金で支払う宣言を受け付けた場合に、現金による支払データの入力を受け付けていることとなる。すなわち、第2の受付手段の一部が実現される。一方、CPU12aを主体とするコンピュータは、第1の受付手段で代金を第2の支払手段である現金で支払う宣言を受け付けた場合には、代金を第1の支払手段で支払うか第2の支払手段で支払うかの宣言を受け付ける状態に戻す指示を受け付けない。
会計待ち画面SC4を確認した決済者は、現金での支払いを完了する場合、会計ボタンB4にタッチする。これに対し、店員を呼び出す場合には、決済者は、店員呼出ボタンB2にタッチする。
会計待ち画面SC4を表示させたCPU12aは、店員呼出ボタンB2がタッチされたか否かを判断する(Act67)。店員呼出ボタンB2がタッチされていない場合(Act67、NO)、CPU12aは、会計ボタンB4がタッチされたか否かを判断する(Act68)。会計ボタンB4がタッチされていない場合(Act68、NO)、CPU12aは再び、店員呼出ボタンB2がタッチされたか否かを確認する(Act67)。かくしてCPU12aは、Act67及びAct68として、店員呼出ボタンB2がタッチされるか、会計ボタンB4がタッチされるのを待ち受ける。
CPU12aは、Act67及びAct68の待ち受け状態において、店員呼出ボタンB2がタッチされたことを検知した場合には(Act67、YES)、店員呼出信号を登録装置11に送信するように通信ユニット12jを制御する(Act69)。またCPU12aは、タッチパネル12gの画面を店員呼出画面とする(Act70)。以上で、CPU12aは、会計処理を終了する。
一方、CPU12aは、Act67及びAct68の待ち受け状態において、会計ボタンB4がタッチされたことを検知した場合には(Act68、YES)、現金支払い処理を実行する(Act71)。この処理は、紙幣投入口125又は硬貨投入口123から投入された現金である入金額から支払金額を減じて釣銭額を算出する周知の処理である。なお、釣銭額の相当する現金は、自動釣銭機12eの紙幣払出口126又は硬貨払出口124から払い出される。また、プリンタ12hが駆動し、レシートが印字されて発行される。
したがってCPU12aを主体とするコンピュータは、Act71の処理を実行することにより、第2の受付手段で第2の支払手段の一種である現金による支払データの入力を受け付けた場合に、当該現金による支払データを基に代金を決済することとなる。すなわち、決済手段の一部が実現される。
こうして、現金支払い処理が終了すると、CPU12aは、タッチパネル12gの画面を支払終了画面とする(Act72)。支払終了画面は、代金の支払いが終了したことを決済者に通知するためのメッセージなどを含む。以上で、CPU12aは、会計処理を終了する。
このように本実施形態の決済装置12によれば、決済者が支払手段選択画面SC1において支払手段としてクレジットカード又は電子マネーを選択した場合には、タッチパネル12gの画面がクレジット受付画面または電子マネー受付画面SC2となる。このクレジット受付画面または電子マネー受付画面SC2には、戻るボタンB3が表示されている。したがって決済者は、戻るボタンB3にタッチすることで、タッチパネル12gの画面を支払手段選択画面SC1に戻すことができる。
一方、決済者が支払手段として現金を選択した場合には、タッチパネル12gの画面が現金受付画面SC3となるが、この現金受付画面SC3には戻しボタンB3が表示されない。したがって決済者は、タッチパネル12gの画面を支払手段選択画面SC1に戻すことはできない。つまり、決済者が支払手段として現金を選択し、代金よりも少ない現金を投入した後で「戻る」ボタンを操作して、代金未払いのまま立ち去る不正を行おうとしても実行することはできない。したがって、支払手段として現金を利用した場合の代金未払いの不正を未然に防ぐことができる。
一般に、このような不正は、支払データを入力するための媒体、つまりは現金の投入口(硬貨投入口123、紙幣投入口125)と当該支払データの入力に関連する媒体、つまりは釣銭の払出口(硬貨払出口124、紙幣払出口126)とが異なるために店員が気付きにくいものとなっている。本実施形態によれば、上述したように現金受付画面SC3には戻しボタンB3が表示されないので、この種の不正は確実に阻止できる。
なお、支払データを入力するための媒体は、現金支払いの場合には現金であり、クレジット支払いの場合にはクレジットカードであり、電子マネー支払いの場合には電子マネーカード等の電子マネー記録媒体である。そして、当該支払データの入力に関連する媒体は、現金支払いの場合には釣銭や投入した金額と同額の金銭であり、クレジット支払いの場合には投入したクレジットカードであり、電子マネー支払いの場合には、投入した電子マネー記録媒体である。
一方、支払手段としてのクレジットカードや電子マネーは、カード所有者である決済者の情報を決済装置12で取得することができる。決済者の情報とは例えば、氏名や住所、電話番号等である。したがって、決済者が現金のときと同様に戻るボタンB3を悪用して代金未払いのまま立ち去る不正を行う可能性は低い。このため、クレジット受付画面または電子マネー受付画面SC2に戻るボタンB3を表示させても支障がないので、支払手段としてクレジットカード又は電子マネーを選択した決済者は、店員を呼び出すことなく別の支払手段に変更することができる。また、現金支払いの場合であっても、決済者の情報を取得可能であれば、戻るボタンを表示してもよい。例えば決済者の情報が取得可能な会員カードを決済装置12で取得した後には、戻るボタンを表示してもよい。
なお、この取得した決済者の情報は、取引を識別する識別子に対応付けて補助記憶ユニット11dに保存される。
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、決済者が支払手段として現金を選択した場合にタッチパネル12gに表示される現金受付画面SC3に、戻るボタンB3を表示させないようにした。しかしながら、支払手段として現金を選択した後で現金を投入する前に別の支払手段に変更したいという決済者がいることは想定される。現金を投入する前であれば、戻るボタンを操作しても自動釣銭機12eの紙幣払出口126又は硬貨払出口124から現金が払い出されないので、代金未払いのまま立ち去る不正は起こり得ない。
そこで、支払手段として現金が選択された場合、現金が投入されるまでは支払手段選択画面SC1に戻すボタンB3を表示させて、支払手段選択画面SC1に戻すことを可能にした第2の実施形態について、図16及び図17を用いて説明する。なお、第1の実施形態で説明した図1乃至図11と、図12、図13及び図15については、第2の実施形態でもそのまま利用するものとし、ここでの説明は省略する。
図16は、図9のAct32において現金ボタンB11がタッチされた後に、決済装置12のCPU12aが、決済プログラムにしたがって実行する情報処理の主要な手順を示す流れ図である。なお、以下に説明する処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
CPU12aは、Act32乃至Act34の待ち受け状態において、現金ボタンB11がタッチされたことを検知すると(Act32、YES)、図16のAct81に進む。すなわちCPU12aは、タッチパネル12gの画面を現金受付画面SC5(図17を参照)とする(Act81)。
図17は、現金受付画面SC5の一例である。現金受付画面SC5は、第1の実施形態の現金受付画面SC3に戻るボタンB3を追加した画面となっている。
現金受付画面SC5を確認した決済者は、現金での支払いを継続する場合、自動釣銭機12eの紙幣投入口125又は硬貨投入口123に現金を投入する。これに対し、現金による支払いを中止する場合には、決済者は、戻るボタンB3にタッチする。また、店員を呼び出す場合には、決済者は、店員呼出ボタンB2にタッチする。
現金受付画面SC5を表示させたCPU12aは、戻るボタンB3がタッチされたか否かを判断する(Act82)。戻るボタンB3がタッチされていない場合(Act82、NO)、CPU12aは、店員呼出ボタンB2がタッチされたか否かを判断する(Act83)。店員呼出ボタンB2がタッチされていない場合(Act83、NO)、CPU12aは、自動釣銭機12eに現金が投入されたか否かを判断する(Act84)。現金が投入されていない場合(Act84、NO)、CPU12aは再び、戻りボタンB3がタッチされたか否かを確認する(Act82)。かくしてCPU12aは、Act82乃至Act84として、戻るボタンB3又は店員呼出ボタンB2がタッチされるか、現金による支払データが入力されるのを待ち受ける。
CPU12aは、Act82乃至Act84の待ち受け状態において、戻るボタンB3がタッチされたことを検知すると(Act82、YES)、Act31の処理に戻る。すなわちCPU12aは、タッチパネル12gの画面を現金受付画面SC5から支払手段選択画面SC1に戻す。
一方、CPU12aは、Act82乃至Act84の待ち受け状態において、店員呼出ボタンB2がタッチされたことを検知した場合には(Act83、YES)、店員呼出信号を登録装置11に送信するように通信ユニット12jを制御する(Act95)。またCPU12aは、タッチパネル12gの画面を店員呼出画面とする(Act96)。以上で、CPU12aは、会計処理を終了する。
またCPU12aは、Act82乃至Act84の待ち受け状態において、自動釣銭機の紙幣投入口125又は硬貨投入口123に紙幣又は硬貨が投入されたことを検知すると、支払データとして現金が入力されたと判断する。現金が入力されたと判断すると(Act84、YES)、CPU12aは、現金受付画面SC5から戻るボタンB3を消去する(Act85)。またCPU12aは、入金額を算出する(Act86)。そしてCPU12aは、入金額が支払金額以上になったか否かを判断する(Act87)。入金額が支払金額に満たない場合(Act87、NO)、CPU12aは、店員呼出ボタンB2がタッチされたか否かを判断する(Act88)。店員呼出ボタンB2がタッチされていない場合(Act88、NO)、CPU12aは、自動釣銭機12eに現金が投入されたか否かを判断する(Act89)。現金が投入されていない場合(Act89、NO)、CPU12aは再び、店員呼出ボタンB2がタッチされたか否かを確認する(Act88)。かくしてCPU12aは、Act88及びAct89として、店員呼出ボタンB2がタッチされるか、現金による支払データが入力されるのを待ち受ける。
CPU12aは、Act88及びAct89の待ち受け状態において、店員呼出ボタンB2がタッチされたことを検知した場合には(Act88、YES)、前述したAct95及びAct96の処理を実行する。
またCPU12aは、Act88及びAct89の待ち受け状態において、現金による支払データが入力されたことを検知した場合には、前述したAct86及びAct87の処理を実行する。したがって、現金がさらに入力された場合には(Act89、YES)、入金額が加算される。そしてCPU12aは、入金額が支払金額以上になったことを確認すると(Act87、YES)、タッチパネル12gの画面を会計待ち画面SC4とする(Act90)。
以後、CPU12aは、Act91乃至Act96として、第1の実施形態のAct67乃至Act72と同様の処理を実行する。
したがってCPU12aを主体とするコンピュータは、タッチパネル12gと協働してAct81乃至Act89の処理を実行することにより、第1の受付手段で代金を第2の支払手段である現金で支払う宣言を受け付け、かつ、第2の受付手段で現金による支払データの入力を受け付けた場合には上記宣言を受け付ける状態に戻す指示を受け付けないこととしている。
このように第2の実施形態においては、現金ボタンB11がタッチされて支払手段として現金が選択された場合には、その後に表示される現金受付画面SC5に戻るボタンB3が表示されている。そして戻るボタンB3は、自動釣銭機12eに現金が投入された時点で、現金受付画面SC5から消去される。したがって、決済手段として現金を選択した決済者は、現金を投入する前であれば、戻るボタンB3にタッチすることで、タッチパネル12gの画面を支払手段選択画面SC1に戻すことができる。
一方、現金が投入されると戻るボタンB3が消去されるので、決済者は戻るボタンB3を操作することができない。したがって、第2の実施形態においても、代金未払いのまま立ち去る不正を未然に防止することができる。
以下、他の実施形態について説明する。
第1の実施形態では、現金受付画面SC3に戻るボタンB3を表示させない第1の運用を例示し、第2の実施形態では、戻るボタンB3を含む現金受付画面SC3を表示させた状態で現金が投入されると戻るボタンB3を消去する第2の運用を例示した。他の実施形態としては、第1の運用と第2の運用とを、決済装置12のオプションとして選択可能とする。そうすることにより、決済装置12を導入する店舗において、第1の運用を採用するか第2の運用を採用するかを容易に選択することができる。
第1及び第2の実施形態では、支払手段として現金、クレジットカード及び電子マネーを例示したが、支払手段はこれらに限定されるものではない。他の支払手段が加えられてもよい。また、いずれかの支払手段が省略されてもよい。
その場合において、第1の支払手段は、クレジットカード及び電子マネーに限定されるものではない。同様に、第2の支払手段は現金に限定されるものではない。要は、戻すボタンB3の操作によって代金未払いのまま立ち去る不正が起こり得る支払手段については第2の支払手段とし、それ以外の支払手段については第1の支払手段とすればよい。
第1及び第2の実施形態では、登録装置11が決済装置12に「会計データ+リストデータ」を送信するタイプのセミセルフ式チェックアウトシステムを例示したが、決済装置12を適用可能なセミセルフ式チェックアウトシステムは、これに限定されるものではない。例えば登録装置11は、予め設定された1台の決済装置12に会計データを送信する。決済装置12は、決済可能であればその会計データに基づいて決済処理を行うが、決済不可能な場合には予め設定された他の決済装置に会計データを送信する。このようなタイプのセミセルフ式チェックアウトシステムであってもよい。また、例えば登録装置11において店員により選択された1台の決済装置12に会計データを送信するタイプのセミセルフ式チェックアウトシステムであってもよい。要は、セミセルフ式チェックアウトシステムのタイプは特に制限を受けるものではない。また、例えば代金の算出に必要な登録操作までも店員でない決済者が行うセルフ式チェックアウトシステムの決済装置に対しても、本実施形態と同様の構成を適用することができる。
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]代金を第1の支払手段又は第2の支払手段の少なくとも2つの支払手段の中から一の支払手段で支払う宣言を受け付ける第1の受付手段と、前記第1の受付手段で前記代金を前記第1の支払手段で支払う宣言を受け付けた場合には前記第1の支払手段による支払データの入力を受け付け、前記第1の受付手段で前記代金を前記第2の支払手段で支払う宣言を受け付けた場合には前記第2の支払手段による支払データの入力を受け付ける第2の受付手段と、前記第2の受付手段で前記第1の支払手段による支払データの入力を受け付けた場合には当該第1の支払手段による支払データを基に前記代金を決済し、前記第2の受付手段で前記第2の支払手段による支払データの入力を受け付けた場合には当該第2の支払手段による支払データを基に前記代金を決済する決済手段と、前記第1の受付手段で前記代金を前記第1の支払手段で支払う宣言を受け付けた後に、前記宣言を受け付ける状態に戻す戻し手段と、を具備し、前記第1の受付手段で前記代金を前記第2の支払手段で支払う宣言を受け付けた後は、前記戻し手段により前記宣言を受け付ける状態には戻せない、決済装置。
[2]前記第1の受付手段で前記代金を前記第2の支払手段で支払う宣言を受け付けた後に、前記宣言を受け付ける状態に戻す、前記戻し手段とは異なる第2戻し手段、をさらに具備する付記[1]記載の決済装置。
[3]代金を第1の支払手段又は第2の支払手段の少なくとも2つの支払手段の中から一の支払手段で支払う宣言を受け付ける第1の受付手段と、前記第1の受付手段で前記代金を前記第1の支払手段で支払う宣言を受け付けた場合には前記第1の支払手段による支払データの入力を受け付け、前記第1の受付手段で前記代金を前記第2の支払手段で支払う宣言を受け付けた場合には前記第2の支払手段による支払データの入力を受け付ける第2の受付手段と、前記第2の受付手段で前記第1の支払手段による支払データの入力を受け付けた場合には当該第1の支払手段による支払データを基に前記代金を決済し、前記第2の受付手段で前記第2の支払手段による支払データの入力を受け付けた場合には当該第2の支払手段による支払データを基に前記代金を決済する決済手段と、前記第1の受付手段で前記代金を前記第1の支払手段で支払う宣言を受け付けた後に、又は前記第1の受付手段で前記代金を前記第2の支払手段で支払う宣言を受け付けた後でかつ前記第2の受付手段で前記第2の支払手段による支払データの入力を受け付けるまでの間に、前記宣言を受け付ける状態に戻す戻し手段と、を具備し、前記第1の受付手段で前記代金を前記第2の支払手段で支払う宣言を受け付けた後でかつ前記第2の受付手段で前記第2の支払手段による支払データの入力を受け付けた後は、前記戻し手段により前記宣言を受け付ける状態には戻せない、決済装置。
[4]前記第1の受付手段で前記代金を前記第2の支払手段で支払う宣言を受け付けた後でかつ前記第2の受付手段で前記第2の支払手段による支払データの入力を受け付けた後に、前記宣言を受け付ける状態に戻す、前記戻し手段とは異なる第2戻し手段、をさらに具備する付記[3]記載の決済装置。
[5]前記第1の支払手段は、前記代金を支払う決済者の情報を取得可能な支払手段である、付記[1]乃至[4]のうちいずれか1項記載の決済装置。
[6]前記第2の支払手段は、前記支払データを入力するための媒体の投入口と当該支払データの入力に関連する媒体の払出口とが異なる支払手段である、付記[1]乃至[4]のうちいずれか1項記載の決済装置。
[7]前記第2の支払手段は、現金を用いる支払手段である、付記[1]乃至[4]のうちいずれか1項記載の決済装置。
[8]代金の支払い宣言を受け付ける第1の受付手段と、前記第1の受付手段で前記支払い宣言を受け付けた場合には支払データの入力を受け付ける第2の受付手段と、前記第2の受付手段で前記支払データの入力を受け付けた場合には当該支払データを基に前記代金を決済する決済手段と、前記第1の受付手段で前記支払い宣言を受け付けた後に、前記支払い宣言を受け付ける状態に戻す戻し手段と、を具備し、前記第1の受付手段で前記支払い宣言を受け付けた後でかつ前記第2の受付手段で前記支払データの入力を受け付けた場合には、前記戻し手段により前記支払い宣言を受け付ける状態には戻せない、決済装置。
[9]コンピュータを、代金の支払い宣言を受け付ける第1の受付手段、前記第1の受付手段で前記支払い宣言を受け付けた場合には支払データの入力を受け付ける第2の受付手段、前記第2の受付手段で前記支払データの入力を受け付けた場合には当該支払データを基に前記代金を決済する決済手段、及び、前記第1の受付手段で前記支払い宣言を受け付けた後に、前記支払い宣言を受け付ける状態に戻す戻し手段、として機能させ、さらに、前記第1の受付手段で前記支払い宣言を受け付けた後でかつ前記第2の受付手段で前記支払データの入力を受け付けた場合には、前記戻し手段により前記支払い宣言を受け付ける状態には戻せないように機能させる決済プログラム。