JP7431575B2 - 耐火外壁構造 - Google Patents

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Description

本発明は、耐火外壁構造に関し、より詳細には、外壁材の屋内側に耐火性シートが設けられた耐火外壁構造に関する。
従来、壁材と離間された下地材に耐火性シートが保持されている。
例えば、特許文献1には、基材層(下地材)にネジや釘等の金属製接合具で固定された発泡性耐火性シート(耐火性シート)と、保護層(壁材)との間に胴縁を設けることで隙間が形成された耐火壁構造が開示されている。特許文献1の耐火性シートは、未発泡の状態で金属製接合具の頭部と接しており、耐火性シートが火災等で加熱されると、前記隙間内で耐火性シートが発泡して断熱層が形成される。そして、この断熱層が金属製接合具に引っかかることによって、断熱層の自重によって下方にズレたり、脱落するのを防いでいる。
特開2011-094350号公報
しかし、特許文献1の場合、金属製接合具の頭部が大きく、また未発泡の耐火性シートと接する位置にあるため、火災等の加熱時に保護層が変形して屋内側に湾曲したり、頭部が耐火性シートを押さえたままとなると、基材層と保護層との間にある自由な発泡に必要な空間の体積が抑制されやすく、耐火性シートの発泡が十分に行われにくい。このため、火災時に耐火性シートが発泡して断熱層が形成されても、金属製接合具付近の部分では断熱層の厚みが小さくなったり、発泡が阻害されたりしやすく、これにより、耐火性能が低下しやすくなる。
本発明の目的は、火災等の加熱時に耐火性シートの発泡に必要な発泡空間を確保でき、耐火性シートの発泡後に良好な耐火性能を得やすい耐火外壁構造を提供することである。
本発明に係る一態様は、耐火外壁構造1であって、外壁材2と、下地材3と、前記下地材3の表面に設けられて加熱時に発泡する耐火性シート4と、前記外壁材2と前記耐火性シート4との間に介在し、前記耐火性シート4の発泡開始温度以下で軟化又は溶融するスペーサー5と、前記外壁材2及び前記耐火性シート4を貫通して、前記外壁材2を前記下地材3に固定する外壁材固定具6と、を備える。
本発明に係る上記態様によれば、火災等の加熱時の自由な発泡に必要な発泡空間Sを確保でき、耐火性シート4の発泡後に良好な耐火性能を得やすい。
図1は、第1実施形態に係る耐火外壁構造を示す概略斜視図である。 図2Aは、同上の耐火外壁構造の開口部付近を示す概略斜視図である。図2Bは、図2Aの概略縦断面図である。 図3Aは、同上の耐火外壁構造の軒天部付近を示す概略斜視図である。図3Bは、図3Aの概略縦断面図である。 図4Aは、第2実施形態に係る耐火外壁構造を示す概略正面図である。図4Bは、図4Aの概略横断面図である。図4Cは、同上の耐火外壁構造に用いられる長尺の留め具の一例を示す概略斜視図である。図4Dは、図4Cの概略縦断面図である。 図5は、第3実施形態に係る耐火外壁構造を示す概略斜視図である。 図6は、図5の概略縦断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
(第1実施形態)
まず、外壁材2の屋内側に耐火性シート4が設けられた耐火外壁構造1について、図1を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る耐火外壁構造1は、室内側から室外側に向かって、内側耐火ボード7、金属製の支持材8、下地材3(外側耐火ボード31)、耐火性シート4、及び発泡空間Sを介して外壁材2を順次配置する。
内側耐火ボード7及び外側耐火ボード31は、不燃性の平板状である。例えば、正面視で矩形状であり、石膏ボード及び珪酸カルシウム板などが使用される。内側耐火ボード7及び外側耐火ボード31の厚みは、例えば、5mm以上30mm以下にすることができ、好ましくは9mm以上21mm以下にすることができるが、これに限定されない。内側耐火ボード7及び外側耐火ボード31は、建築基準法第68条の26第1項の規定に基づき、同法第2条第九号及び同法施行令第108条の2(不燃材料)の規定に適合するものであることについて、国土交通大臣の認定を受けているものが好ましい。
金属製の支持材8は、縦支持材801と、ランナー(図示省略)と、内側縦支持材802(スタッド)とを備える。縦支持材801は、本実施形態ではC形鋼を用いているが、これに限られることなく各種の断面形状の形鋼が使用でき、例えば、角型鋼管、溝形鋼などが挙げられる。なお本実施形態では、縦支持材801を用いて外壁材2を横張りに施工する場合について説明するが、横支持材を用いて外壁材2を縦張りに施工するものであってもよい。
ランナーは、縦支持材801よりも室内側に位置する。ランナーは上ランナー(図示省略)と下ランナーとを備えている。上ランナーは天井面に配置されている。下ランナーは床面に配置されている。上ランナーは下方に開口する断面略コ字状のチャンネル材(レール材)で形成される。下ランナーは上方に開口する断面略コ字状のチャンネル材(レール材)で形成されている。各ランナーは、耐火外壁構造1の室内側面又は室外側面を正面視した場合の左右方向(略水平方向)に長く形成されている。なお、上ランナーは天井面に固定してもよく、また、縦支持材801に固定してもよい。下ランナーは床面に固定してもよく、また、縦支持材801に固定してもよい。
内側縦支持材802は複数あって、各内側縦支持材802は側方に開口する断面略コ字状のチャンネル材(レール材)で形成されている。各内側縦支持材802は上下方向(略鉛直方向)に長く形成されている。各内側縦支持材802はランナーに端部が保持されている。各内側縦支持材802の上端部は上ランナーに挿入されて保持されている。各内側縦支持材802の下端部は下ランナーに挿入されて保持されている。なお、内側縦支持材802は断面略ロ字状であってもよい。
耐火性シート4は、複数のシート部材により形成することができる。シート部材は、例えば、正面視で矩形状の発泡性を有する耐火性シート4で形成することができ、この場合、合成樹脂、多価アルコール、及び難燃性発泡剤などを含有するものが好ましい。また、シート部材は、下地材3(外側耐火ボード31を含む)に設けられた状態で、外壁材2と対向する面に合成樹脂の層を有することが好ましい。合成樹脂は、合成樹脂の層だけでなく、他の層にも配合されてもよい。合成樹脂は、例えば、多価アルコール及び難燃性発泡剤と混合されてもよい。シート部材のサイズとしては、外側耐火ボード31の外形寸法よりも一回り大きく、縦辺及び横辺の重ね合わせが可能であればよいが、これに限定されることはない。
合成樹脂としては、例えば、メラミン樹脂、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン/酢ビ樹脂、酢酸ビニル/バーサチック酸ビニルエステル共重合樹脂、酢酸ビニル/ポリオレフィン樹脂、酢酸ビニル/バーサチック酸/アクリル樹脂、酢酸ビニル/アクリル共重合樹脂、アクリル/スチレン共重合樹脂、ポリブタジエン樹脂等を挙げることができる。なお、ポリオレフィンとしてはポリエチレン等が挙げられる。
多価アルコールとしては、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール等が例示される。
難燃性発泡剤としては、リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、リン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸アルミニウム、ポリリン酸マグネシウムリン酸塩等のリン酸塩が好適に用いられるが、スルファミン酸塩(スルファミンアンモニウム等)、ホウ酸塩(ホウ酸アンモニウム等)、膨張性黒鉛等を例示することができる。
耐火性シート4における合成樹脂、多価アルコール、難燃性発泡剤の含有比率は、合成樹脂100質量部に対して、多価アルコールが10質量部以上50質量部以下、難燃性発泡剤が50質量部以上200質量部以下であることが好ましい。耐火性シート4の厚みは、0.1mm以上5mm以下であることが好ましくは、0.3mm以上3mm以下であることがより好ましく、さらに0.4mm以上1mm以下が好ましい。
発泡層による耐火性能を高めるため、耐火性シート4は未発泡時の体積に比べて発泡後の体積が10~30倍の発泡倍率であることが好ましい。例えば、外壁材2と下地材3との間の距離が15mmの発泡空間Sに、厚み0.6mmのシート状の耐火性シート4を用いることによって、発泡倍率が25倍となり、比較的安価に耐火性能を高められる。また耐火性能を高める部位には、例えば、1.2mmのシート状の耐火性シートを用いて発泡倍率12.5倍として使用すると更に耐火性能が高まる。
発泡空間Sは、火災発生の際に、耐火性シート4が加熱されて発泡して膨張するための空間であり、通常時は通気層として機能する。
外壁材2は、例えば、窯業系サイディングである。窯業系サイディングは、セメントを含む水硬性材料の硬化物である。外壁材2は、略平板状に形成されるが、その表面に凹凸模様や塗膜を備えて意匠性を有してもよい。外壁材2の厚みは、例えば、10mm以上30mm以下に形成されるが、これに限定されるものではない。外壁材2の形状も任意であるが、例えば、正面視(外壁材2の厚み方向に沿って見た場合)で矩形板状に形成される。外壁材2は実を有している。外壁材2の上端部には実凹部201が設けられている(図6参照)。外壁材2の下端部には実凸部202が設けられている。上下に隣接して施工される外壁材2は実凹部201と実凸部202とが嵌合することにより接続される。なお、外壁材2としては、金属板を成形して得られる金属系サイディング材であってもよい。
本実施形態の耐火外壁構造1は、複数の縦支持材801が基礎9の上側に土台10を介して設けられている。複数の縦支持材801は一つずつ所定の間隔を介して左右方向に並べられている。複数の縦支持材801の前方(室外側)には複数の外側耐火ボード31が取り付けられる。複数の外側耐火ボード31は上下方向及び左右方向に並べて配置されている。上下方向に隣接する外側耐火ボード31は、上側の外側耐火ボード31の下端と下側の外側耐火ボード31の上端とが突付けて取り付けられている。また左右方向に隣接する外側耐火ボード31は、右側の外側耐火ボード31の左端と左側の外側耐火ボード31の右端とが突付けて取り付けられている。各外側耐火ボード31はビスや釘などの固定具で縦支持材801に取り付けて固定される。
左右方向に並ぶ外側耐火ボード31は縦辺同士を縦支持材801の前方で突付けて設けることが望ましい。これにより、火災時に外側耐火ボード31が変形し、突付け部分に隙間が生じても、縦支持材801により塞がれているため、耐火性能を損ないにくくすることができる。なお、本実施形態では、矩形状の外側耐火ボード31を横長に施工しているが、縦長に施工してもよい。縦支持材801に固定した外側耐火ボード31の室外側には、耐火性シート4が配置される。耐火性シート4は上下左右に並べて配置される。耐火性シート4はタッカーなどの固定具で外側耐火ボード31に固定される。ここで、耐火性シート4の表面には、マークが設けられていることが好ましい。これにより、耐火性シート4を外側耐火ボード31に取り付ける際の目安になる。
上下に隣接する外側耐火ボード31の横辺同士の突付け部分において、上下に位置する耐火性シート4の横辺端部401同士を重ね合わせるのが好ましい。また、左右に隣接する外側耐火ボード31の縦辺同士の突付け部分において、左右に位置する耐火性シート4の縦辺端部402同士を重ね合わせるのが好ましい。
矩形状の外側耐火ボード31の長辺と矩形状の耐火性シート4の長辺とは一致しておらず、矩形状の耐火性シート4の上下の長辺がそれぞれ、矩形状の外側耐火ボード31の上下の長辺から上下に略同寸法はみださせることができる。この場合、矩形状の耐火性シート4の上端部が矩形状の外側耐火ボード31の上側の長辺よりも上方に位置し、矩形状の耐火性シート4の下端部が矩形状の外側耐火ボード31の下側の長辺よりも下方に位置する。
なお、最下部の矩形状の耐火性シート4を施工する場合は、矩形状の外側耐火ボード31の下側の長辺は、矩形状の耐火性シート4の下側の長辺と一致させて、矩形状の耐火性シート4を矩形状の外側耐火ボード31の上側の長辺よりも上方にのみはみださせてもよい。また最下部の耐火性シート4の室外側には、土台水切り11を配置し、耐火性シート4及び土台水切り11の室外側に、防水性シート12がタッカーなどの固定具で固定して配置される。
矩形状の耐火性シート4は、下段から上方に施工していくことで、はみだし部分を前方(表面側)に重ねることができ、特に上下に隣接する外側耐火ボード31の縦辺同士の突付け部分の耐火性を向上することができる。また、本実施形態では、矩形状の外側耐火ボード31の短辺の突き付け部分と矩形状の耐火性シート4の短辺の突付け部分を左右方向に位置ずれさせたが、これに限らず、それぞれの突き付け部分を前後方向で略一致させても良い。
耐火性シート4を下地材3に全面にわたって取り付けた後、防水性シート12を耐火性シート4の室外側に取り付ける。防水性シート12は水滴を通さないシートである。防水性シート12もタッカーなどの固定具で取り付けられる。防水性シート12は複数の耐火性シート4の全面にわたって取り付けられる。防水性シート12の室外側には複数の留め具13が配置される。留め具13は防水性シート12の室外側に配置され、ビスなどの固定具1301で縦支持材801に固定される。
外壁材2は留め具13により防水性シート12の室外側に取り付けられる。外壁材2は複数配置され、各外壁材2が複数の留め具13に保持される。外壁材2の上端はその外壁材2の上側に配置される留め具13に引っ掛けられて保持され、外壁材2の下端はその外壁材2の下側に配置される留め具13に引っ掛けられて保持される。また上下に隣接する外壁材2は実凸部202と実凹部201との実接合で接続される(図6参照)。また、左右方向に隣接する外壁材2の間には目地材14が配置されている。目地材14の室外側にはシーリング材15が設けられている。また最も下側の外壁材2の下方には土台水切り11が設けられている。そして、外壁材2の室内側には通気層(発泡空間S)が形成されている。外壁材2の後面(室内側面)と防水性シート12の前面(室外側面)との間に通気層(発泡空間S)が形成される。
上下方向に隣接する外壁材2の隣接部分の位置と、上下方向に隣接する外側耐火ボード31の隣接部分の位置とが、正面視において、重ならないようにずらすことが好ましい。また左右方向に隣接する外壁材2の間のシーリング材15の位置と、左右方向に隣接する外側耐火ボード31の隣接部分の位置とが、正面視において、重ならないようにずらすことが好ましい。この場合、隣接する外壁材2の目地に室外側から炎が侵入しても、その炎が隣接する外側耐火ボード31の隣接部分に直接侵入しにくくなって、耐火性を向上させることができる。なお、左右方向に隣接する外壁材2の目地と、左右方向に隣接する外側耐火ボード31の突付け部分は、正面視において、縦支持材801に一致させることが好ましく、前記目地と前記突付け部分とを同じ縦支持材801に一致させてもよく、また前記目地と前記突付け部分とを異なる縦支持材801に一致させてもよい。
縦支持材801の室内側には、ランナーと複数の内側縦支持材802とが配置される。ランナーのうち、上ランナーは天井面に配置され、下ランナーは床面に配置される。各内側縦支持材802の上端部は上ランナーに挿入されて保持されている。各内側縦支持材802の下端部は下ランナーに挿入されて保持されている。そして、ランナーと複数の内側縦支持材802との少なくとも一方に、気密性シート19を介して複数の内側耐火ボード7がビス又は釘などの固定具で固定される。複数の内側耐火ボード7は上下方向及び左右方向に並べて配置される。上下方向及び左右方向に隣接する内側耐火ボード7は端部同士が突付けて配置される。なお、上ランナーは天井面に固定してもよく、また、縦支持材801に固定してもよい。下ランナーは床面に固定してもよく、また、縦支持材801に固定してもよい。
上記のように形成される耐火外壁構造1では、耐火性シート4を備えることにより、火災発生の際に、外壁材2の屋外側から加熱されて、耐火性シート4が発泡して膨張することにより通気層(発泡空間S)内で発泡層が形成される。通気層は耐火性シート4が発泡して膨張するための発泡空間Sとして利用される。これにより、発泡膨張した耐火性シート4の遮熱効果や遮炎効果により、火炎及び熱が屋外から屋内へと侵入するのを低減することができ、したがって、耐火性を向上させることができると共に、発泡膨張した耐火性シート4によって外壁材2と外側耐火ボード31との間に上下に連通する空間が形成されにくく、熱がこれら外壁材2と外側耐火ボード31との間で上下方向に移動するのを抑制することができる。また外壁材2の後方に耐火性シート4を設けることにより、耐火性シート4に高い耐候性や耐水性は要求されず、耐火性を向上させることができる。また耐火性シート4は、火災がなければ薄い材料なので、通常時は通気層(発泡空間S)を阻害せず、また、耐火外壁構造1の前後方向の寸法(外壁材2から外側耐火ボード31までの寸法)は、従来のものと比べても大きくなりにくい。また、耐火性シート4は、外側耐火ボード31に比べて比較的軽量なため、施工時の負担を軽減することができる。また、耐火外壁構造1では、耐火性シート4を備えることにより、火災発生の際に、内側耐火ボード7の屋内側から加熱されて、耐火性シート4が発泡して膨張することにより通気層(発泡空間S)内で発泡層が形成される。これにより、発泡膨張した耐火性シート4の遮熱効果や遮炎効果により、火炎及び熱が屋内から屋外へと放出されるのを低減することができ、したがって、耐火性を向上させることができる。
なお、本実施態様は、断熱材を用いない構造として説明したが、必要に応じて内側耐火ボード7と外側耐火ボード31の間に断熱材を設けてもよい。
更に建物全体にわたって耐火性を向上させることができる耐火外壁構造1を、図2A~図3Bを参照して説明する。
図2A及び図2Bは、開口部付近の耐火外壁構造1を示す。開口部は、建物の壁などにおける切り抜かれた部分である。開口部は、採光、及び換気などの役割を果たす。例えば、開口部には、窓などが含まれる。
一方、図3A及び図3Bは、軒天部付近の耐火外壁構造1を示す。軒天部は、軒部分の天井である。
以下に述べるように、本実施形態に係る耐火外壁構造1は、開口部の箇所、及び軒天部の箇所に特に好適である。
上述の図1に示す耐火外壁構造1では、外壁材2は、留め具13を用いて取り付けられている。しかしながら、図2A及び図2Bに示すような開口部付近、及び図3A及び図3Bに示すような軒天部付近などにおいては、留め具13を用いることができない場合があり得る。
例えば、図2A及び図2Bに示すような開口部付近においては、サッシ17などの開口部の外周に沿って、外壁材2を切断しなければならない場合がある。このような場合には、外壁材2に設けられていた実凹部201又は実凸部202が、切断に伴って無くなってしまうおそれがある。このように、実凹部201又は実凸部202が無くなると、留め具13を用いることができなくなる。
同様に、図3A及び図3Bに示すような軒天部付近においては、軒天井18に当たらないように、外壁材2の上部を切断しなければならない場合がある。このような場合には、外壁材2に設けられていた実凹部201が、切断に伴って無くなってしまうおそれがある。このように、実凹部201が無くなると、留め具13を用いることができなくなる。なお、図3A及び図3Bにおいて、1801は天井野縁である。
そこで、本実施形態では、留め具13を用いなくても、以下のようにして、外壁材2を下地材3に取り付けられるようにしている。しかも、火災等の加熱時の発泡に必要な発泡空間Sを確保した上で、外壁材2の取付けを行うことができる。
図2A~図3Bに示すように、本実施形態に係る耐火外壁構造1は、外壁材2と、下地材3と、耐火性シート4と、スペーサー5と、外壁材固定具6と、を備える。
ここで、本実施形態の外壁材2は、図1の外壁材2と同様である。なお、本実施形態の外壁材2は、上述のように、必要な大きさに切断されることがあり得る。例えば、実凹部201又は実凸部202が切り落とされる。
本実施形態の下地材3及び耐火性シート4は、図1の下地材3及び耐火性シート4と同様である。なお、耐火性シート4の屋外側に防水性シート12が設けられている場合も、耐火性シート4として説明する。
スペーサー5は、板状をなす部材である。スペーサー5は、外壁材2と耐火性シート4との間に介在する。スペーサー5の屋外側面は、外壁材2の裏面と接触している。スペーサー5の屋内側面は、耐火性シート4の表面と接触している。このように、スペーサー5は、通常時において、外壁材2と耐火性シート4との間に通気層(発泡空間S)を形成する機能を有する。なお、スペーサー5は、外壁材2を取り付ける際に、適宜の方法(例えば接着)で耐火性シート4の表面に仮留めされてもよい。
またスペーサー5は、耐火性シート4の発泡開始温度以下で軟化又は溶融する材料から構成される。ただし、スペーサー5は、通常時の温度(例えば夏場の気温)では軟化等しない。これにより、通常時の温度では、スペーサー5は、外壁材2と耐火性シート4との間に通気層(発泡空間S)を確保し続ける。発泡開始温度以下で軟化又は溶融する材料として、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、及びポリエチレンテレフタレート等のプラスチック、低融点金属が挙げられる。低融点金属として、例えば、はんだに利用される各種金属、及びこれらの合金が挙げられる。
火災等で高温となり、スペーサー5が軟化又は溶融した後に、耐火性シート4が発泡して発泡層が形成される。これにより、スペーサー5付近に発泡層の厚みが小さくなった部分が生じにくくなり、耐火性能がより安定しやすくなる。なお、図2A~図3Bでは、スペーサー5の形状は正面視矩形状であるが、スペーサー5の正面視の形状及び大きさは、特に限定されない。
外壁材固定具6は、外壁材2を下地材3に固定する。すなわち、外壁材固定具6は、外壁材2を直に下地材3に留めるための固定具(直留め用固定具)である。外壁材固定具6には、ビス及び釘などが含まれる。外壁材固定具6は、外壁材2、スペーサー5、及び耐火性シート4を貫通している。外壁材固定具6の先端は、下地材3に突き刺さっている。なお、外壁材固定具6の先端は、縦支持材801に突き刺さっていてもよい。外壁材固定具6は、外壁材2の表面(屋外側面)から打ち込まれる。外壁材固定具6が打ち込まれる箇所の、外壁材2の裏側にスペーサー5が存在する。このように、スペーサー5は、外壁材固定具6を外壁材2の表面から打ち込む際に、外壁材2が屋内側に傾くことを抑制し、外壁材2を支持する機能も有する。
本実施形態においては、外壁材2が切断されて使用される箇所であっても、火災等の加熱時に耐火性シート4の発泡に必要な発泡空間Sを確保でき、耐火性シート4の発泡後に良好な耐火性能を得やすい。すなわち、火災発生の際に、スペーサー5が軟化又は溶融することで、もともとスペーサー5が存在していた箇所にも、発泡層が形成される。つまり、火災等の加熱時において、スペーサー5は、耐火性シート4の発泡による膨張を妨げないので、十分な厚みの発泡層が形成される。一方で、外壁材固定具6は、外壁材2が変形しても、外壁材2を下地材3に固定し続けて、外壁材2と下地材3との間に発泡空間Sを保持し得る。
なお、本実施形態に係る耐火外壁構造1は、開口部付近の箇所(図2A及び図2B参照)、及び軒天部付近の箇所(図3A及び図3B参照)に形成される場合に、特に有効であるが、その他の箇所に形成される場合も有効である。なお、パラペット部等においても同様に好適である。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る耐火外壁構造1を、図4A~図4Cを参照して説明する。本実施形態では、第1実施形態と共通する構成については、図面に同じ符号を付して詳細な説明を省略する場合がある。図4A~図4Cに示す耐火外壁構造1は、比較的高層の建物の壁などに好適である。
上述の図1に示す耐火外壁構造1では、外壁材2は、ピース状の小さな留め具13を多数用いて取り付けられている。しかしながら、高層の建物の場合、上階になるほど外壁材2に生じる風圧の変動が大きいため、外壁材2をより強固に取り付けることが必要となる。
例えば、図4Cに示すような長尺の留め具1302を用いることができる。この長尺の留め具1302は、外壁材2と同等の長さを有しており、外壁材2の実凹部201及び実凸部202の略全長にわたって支持することができる。また一つの建物において、ピース状の小さな留め具13と長尺の留め具1302とを併用してもよく、建物の下階では、ピース状の小さな留め具13を用い、建物の上階では、長尺の留め具1302を用いてもよい。
また建物のより上階においては、図4A及び図4Bに示すように、更に、スペーサー5を用いてもよい。スペーサー5は外壁材2の上下幅の中央付近に位置するように設けられており、外壁材固定具6により、外壁材2、スペーサー5、及び耐火性シート4を貫通して、下地材3又は縦支持材801に固定される。このように、スペーサー5は、外壁材固定具6を外壁材2の表面から打ち込む際に、外壁材2が屋内側に傾くことを抑制し、外壁材2を支持する機能も有するとともに、上階の外壁材2に生じる大きな風圧の変動から、外壁材2を保護する機能を有する。
なお、第1実施形態と同様に、本実施形態においては、外壁材2が上階で使用される箇所であっても、火災等の加熱時に耐火性シート4の発泡に必要な発泡空間Sを確保でき、耐火性シート4の発泡後に良好な耐火性能を得やすい。すなわち、火災発生の際に、スペーサー5が軟化又は溶融することで、もともとスペーサー5が存在していた箇所にも、発泡層が形成される。つまり、火災等の加熱時において、スペーサー5は、耐火性シート4の発泡による膨張を妨げないので、十分な厚みの発泡層が形成される。一方で、外壁材固定具6は、外壁材2が変形しても、外壁材2を下地材3に固定し続けて、外壁材2と下地材3との間に発泡空間Sを保持し得る。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る耐火外壁構造1を、図5及び図6を参照して説明する。本実施形態では、第1実施形態及び第2実施形態と共通する構成については、図面に同じ符号を付して詳細な説明を省略する場合がある。
本実施形態に係る耐火外壁構造1は、図5及び図6のように、上述のスペーサー5(第1のスペーサー)以外に、複数の第2のスペーサー501を更に備える。
複数の縦支持材801は、基礎9の上側に土台10を介して設けられている。複数の縦支持材801は一つずつ所定の間隔を介して左右方向に沿って並べられている。また、2以上の縦支持材801を組み合わせてもよい。
縦支持材801の屋外側には下地材3が配置される。下地材3の屋外側には耐火性シート4が配置される。耐火性シート4は、タッカー等により下地材3に固定される。
スペーサー5は外壁材2の上下幅の中央付近に位置するように設けられており、外壁材固定具6により、外壁材2、スペーサー5、及び耐火性シート4を貫通して、下地材3又は縦支持材801に固定される。
第2のスペーサー501は外壁材2の上下幅の上部及び下部に位置するように設けられており、スペーサー5を補助する。第2のスペーサー501は、例えば2枚の円板を支柱で連結した形状を有し(図6参照)、耐火性シート4に接着剤により取り付けられる。すなわち、スペーサー5のように外壁材固定具6により固定されるものではないので、取り付け位置を任意に選択することができる。
外壁材2は留め具13により耐火性シート4の屋外側に取り付けられる。外壁材2は複数配置され、各外壁材2が複数の留め具13に保持される。すなわち、外壁材2の上端はその上側に配置される留め具13に引っ掛けられて保持され、外壁材2の下端はその下側に配置される留め具13に引っ掛けられて保持される。また上下に隣接する外壁材2は実凸部202と実凹部201の実接合で接続される(図6参照)。また、外壁材固定具6により、外壁材2、スペーサー5、及び耐火性シート4を貫通して、下地材3又は縦支持材801に固定される。このように、スペーサー5は、外壁材固定具6を外壁材2の表面から打ち込む際に、外壁材2が屋内側に傾くことを抑制し、外壁材2を支持する機能も有するとともに、上階の外壁材2に生じる大きな風圧の変動から、外壁材2を保護する機能を有する。更に、スペーサー5を固定し難い箇所に第2のスペーサー501を取り付けることで、より外壁材2を保護する機能を向上することができる。
なお、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、本実施形態においては、外壁材2が上階で使用される箇所であっても、火災等の加熱時に耐火性シート4の発泡に必要な発泡空間Sを確保でき、耐火性シート4の発泡後に良好な耐火性能を得やすい。すなわち、火災発生の際に、スペーサー5及び第2のスペーサー501が軟化又は溶融することで、もともとスペーサー5及び第2のスペーサー501が存在していた箇所にも、発泡層が形成される。つまり、火災等の加熱時において、スペーサー5及び第2のスペーサー501は、耐火性シート4の発泡による膨張を妨げないので、十分な厚みの発泡層が形成される。一方で、外壁材固定具6は、外壁材2が変形しても、外壁材2を下地材3に固定し続けて、外壁材2と下地材3との間に発泡空間Sを保持し得る。
1 耐火外壁構造
2 外壁材
3 下地材
4 耐火性シート
5 スペーサー
6 外壁材固定具

Claims (4)

  1. 外壁材と、
    下地材と、
    前記下地材の表面に設けられて加熱時に発泡する耐火性シートと、
    前記外壁材と前記耐火性シートとの間に介在し、前記耐火性シートの発泡開始温度以下で軟化又は溶融するスペーサーと、
    前記外壁材及び前記耐火性シートを貫通して、前記外壁材を前記下地材に固定する外壁材固定具と、
    を備える、
    耐火外壁構造。
  2. 前記外壁材固定具は、加熱時に前記外壁材を支持して前記耐火性シートの発泡空間を確保する、
    請求項1に記載の耐火外壁構造。
  3. 前記スペーサーは、未発泡の前記耐火性シートを前記下地材に押し付けて支持する、 請求項1又は2に記載の耐火外壁構造。
  4. 前記外壁材固定具は、更に前記スペーサーを貫通している、
    請求項1乃至3のいずれかに記載の耐火外壁構造。
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