JP7431523B2 - 水処理用不織布シート及びその製造方法 - Google Patents

水処理用不織布シート及びその製造方法 Download PDF

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本発明は、水処理膜またはその支持体として使用される水処理用不織布シート及びその製造方法に関する。
海水を淡水化する手法として、逆浸透膜(RO膜)を用い、浸透圧より高い圧力をかけて海水を濾過することにより純水を得る逆浸透法がある。逆浸透法で用いられる逆浸透膜は、例えば、不織布等の支持体の表面に不純物を取り除くための緻密層を設けることによって構成されている。例えば、特許文献1には、海水を淡水化するための半透膜に用いられる半透膜支持体として、合成繊維を湿式抄紙し、第1層及び第2層を加熱加圧処理により積層させて得たシートが記載されている。特許文献1に記載の半透膜支持体においては、第1層と第2層とを貼り合わせるために、ポリエステル未延伸繊維をバインダー繊維として用いることが記載されている。
また、近年、排水を浄化する手法として、活性汚泥法と膜濾過とを組み合わせた膜分離活性汚泥法(MBR法)と呼ばれる技術が知られている。膜分離活性汚泥法では、排水を活性汚泥で処理した後、処理水と活性汚泥とを平膜等の分離膜を用いて分離する。
特許第5875769号公報
近年、特許文献1に記載されるような逆浸透膜に対して従来よりも高い水圧をかけながら濾過を行う水処理手法(DTRO法)が開発されている。DTRO法は浸出液処理の一般的な逆浸透システムの欠点を克服し、逆浸透システムの安定性を高め、運転コストを低減することが期待できる。また、膜分離活性汚泥法では、分離膜の閉塞を防止するために、濾過時と逆方向に高い水圧をかけて分離膜の洗浄を行う。
上述したDTRO法による水処理時や膜分離活性汚泥法における分離膜の洗浄時には、従来の水処理手法に比べて、水処理膜により高い圧力が掛かる。しかし、特許文献1に記載されている主体繊維(ポリエステル系延伸繊維)を主成分とし、湿式抄紙工程で積層させるシートでは、繊維間の熱融着性が低く、強度が不足する課題があった。
したがって、DTRO法や膜分離活性汚泥法に用いられる水処理膜またはその支持体として用いられるシートには、高い水圧をかけても破断しないように、より高い強度が求められている。
それ故に、本発明は、強度に優れた水処理用不織布シートを提供することを目的とする。
本発明は、2枚の湿式不織布が積層された水処理用不織布シートであって、湿式不織布の樹脂繊維が、鞘部が低融点ポリエステル系樹脂からなる芯鞘型複合繊維40.0~50.0質量%と、ポリエステル系延伸繊維35.0~55.0質量%、ポリエステル系未延伸繊維5.0~15.0%から構成され、低融点ポリエステル系樹脂からなる芯鞘型複合繊維とポリエステル系未延伸繊維がポリエステル系延伸繊維より多く含まれ、ポリオレフィン系繊維を含まないものである。
また、本発明は、2枚の湿式不織布が積層された水処理用不織布シートの製造方法であって、湿式不織布の樹脂繊維が、鞘部が低融点ポリエステル系樹脂からなる芯鞘型複合繊維40.0~50.0と、ポリエステル系延伸繊維35.0~55.0質量%、ポリエステル系未延伸繊維5.0~15.0%から構成され、低融点ポリエステル系樹脂からなる芯鞘型複合繊維とポリエステル系未延伸繊維がポリエステル系延伸繊維より多く含まれ、ポリオレフィン系繊維を含まず、2枚の湿式不織布が1組以上の金属ロールと弾性ロールの組み合わせを用いたカレンダー工程で積層され、カレンダー工程の金属ロールの温度が150~250℃であるものである。
本発明によれば、強度に優れた水処理用不織布シートを提供できる。
本発明の実施形態に係る水処理用不織布シートとは、2枚の湿式不織布を積層したものである。
湿式不織布は、主原料に合成繊維を用いて、製紙過程と同様に水に分散させた原料を抄紙機により抄紙することにより製造された不織布である。本実施形態に係る湿式不織布は、主原料として、鞘部が低融点ポリエステル系樹脂からなる低融点ポリエステル系芯鞘型複合繊維(以下、「芯鞘型複合繊維」という)と、ポリエステル系延伸繊維とを含む。
芯鞘型複合繊維とは、繊維の構造が芯鞘構造を有する繊維をいう。本実施形態における芯鞘型複合繊維としては、芯部の材質がポリエステル系延伸繊維であり、鞘部の材質が低融点ポリエステル系樹脂である繊維を使用できる。ポリエステル系芯鞘型複合繊維を構成するポリエステル系樹脂は、基本的に多価カルボン酸とポリアルコールの重縮合体である。ポリエステル系樹脂として、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリトリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネートが挙げられる。ポリ乳酸は、L-乳酸、D-乳酸のいずれかの乳酸単位の縮合体、または、それらの縮合体の混合物を指す。これらのなかでもポリエチレンテレフタレートが好ましい。鞘部を構成する低融点ポリエステル系樹脂は、ポリエステル系樹脂を変性させることで融点を低下させたものである。低融点ポリエステル系樹脂として、変性ポリエチレンテレフタレートを使用することができる。変性ポリエチレンテレフタレートは、例えば、共重合ポリエチレンテレフタレートである
芯鞘型複合繊維は、2枚の湿式不織布を熱融着させるためのバインダーとしての機能を有する。したがって、芯鞘型複合繊維の鞘部の融点は、90℃以上140℃以下であることが好ましい。また、芯鞘型複合繊維の芯部の融点は、200℃以上260℃以下であることが好ましい。鞘部及び芯部の融点が前記範囲であることで、加熱による繊維間の接着強度が向上し、引張強度を向上することができる。
鞘型複合繊維の繊度は、1.1~2.2dtexであることが好ましく、ポリエステル系芯鞘型複合繊維の平均繊維長は、3.0~10.0mmであることが好ましい。
芯鞘型複合繊維の含有量は、湿式不織布を構成する樹脂繊維の30.0~80.0質量%である。芯鞘型複合繊維の含有量が30.0質量%を下回ると、2枚の湿式不織布の熱融着時における接着性が低下し、得られる不織布シートの強度が低下する。また、芯鞘型複合繊維の含有量が80.0質量%を超えると、2枚の湿式不織布の熱融着時における接着性が強くなりすぎ、カレンダーロールに貼り付いて生産性を低下させる。上記範囲内でも、芯鞘型複合繊維の含有量は、湿式不織布を構成する樹脂繊維の40.0~60.0質量%であることがより好ましい。この場合、カレンダー工程におけるカレンダーロールへの貼り付きを抑制し、強度に優れた不織布シートを効率的に生産することができる。
ポリエステル系延伸繊維は、紡糸した未延伸糸を延伸機にて数倍に延伸させ巻き取った繊維をいう。ポリエステル系延伸繊維を構成するポリエステル系樹脂には、芯鞘型複合繊維で挙げたものを使用することができる。ポリエステル系延伸繊維を構成するポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。湿式不織布がポリエステル系延伸繊維を含有することにより、厚さのバラツキ(標準偏差)を低減でき、不織布シートにした際に、カレンダー工程での外観不良を抑制することができる。
ポリエステル系延伸繊維の融点は、200℃以上260℃以下であることが好ましい。また、ポリエステル系延伸繊維の結晶化度は、10%以上40%以下であることが好ましい。ポリエステル系延伸繊維の軟化点及び結晶化度が前記範囲であることで、カレンダー工程での不織布同士の接着強度を高め、不織布シートの外観不良を抑制することができる。
ポリエステル系延伸繊維は、酸化チタン等の添加物を含んでもよく、吸湿性向上等の機能性付与のために修飾基により改質したものも使用できる。ポリエステル系延伸繊維は、単繊維単位の断面形状も特に限定されず、丸形、三角、八葉、扁平、Y型に代表される様々な異形断面糸も使用できる。また、ポリエステル系延伸繊維として、原糸に仮撚加工を施した仮撚加工糸を用いても良い。
ポリエステル系延伸繊維の繊度は、0.1~2.2dtexであることが好ましく、ポリエステル系延伸繊維の平均繊維長は、3.0~10.0mmであることが好ましい。
湿式不織布を構成する樹脂繊維中のポリエステル系延伸繊維の含有量は、上記の芯鞘型複合繊維の含有量に応じて適宜設定することができる。
湿式不織布を構成する樹脂繊維は、上述した芯鞘型複合繊維及びポリエステル系延伸繊維に加えて、ポリエステル系未延伸繊維を更に含有していても良い。ポリエステル系未延伸繊維は、紡糸した未延伸糸のフィラメントをいう。ポリエステル系未延伸繊維を構成するポリエステル系樹脂としては、芯鞘型複合繊維で挙げたものを使用することができる。湿式不織布がポリエステル系未延伸繊維を含有することにより、2枚の湿式不織布を熱融着させて不織布シートを形成した際に、湿式不織布間の接着強度を向上することができる。
ポリエステル系未延伸繊維の軟化点は、90℃以上140℃以下であることが好ましい。また、ポリエステル系未延伸繊維の結晶化度は、10%以下であることが好ましい。ポリエステル系未延伸繊維の軟化点及び結晶化度をこれらの範囲内とすることにより、2枚の湿式不織布間の接着強度の向上を図ることができる。
ポリエステル系未延伸繊維の繊度は、0.2~2.0dtexであることが好ましく、ポリエステル系未延伸繊維の平均繊維長は、3.0~10.0mmであることが好ましい。
ポリエステル系未延伸繊維の含有量は、湿式不織布を構成する樹脂繊維の0~30.0質量%であることが好ましく、5.0~15.0質量%であることがより好ましい。ポリエステル系未延伸繊維の含有量をこれらの範囲とすることにより、2枚の湿式不織布間の接着強度の向上を図ることができ、風合い(柔らかさ)も維持することができる。
尚、湿式不織布の樹脂繊維は、その他の繊維として、ポロプロピレン系芯鞘型複合繊維、レーヨン・ポリノジック・キュプラ等の再生繊維、アセテート・トリアセテート・プロミックス等の半合成繊維を含有しても良い。また、湿式不織布の原料には、例えば、顔料、界面活性剤、ワックス、サイズ剤、填料、防錆剤、導電剤、消泡剤、分散剤、粘性調整剤、凝集剤、凝結剤、紙力向上成分、歩留まり向上剤、紙粉脱落防止剤、嵩高剤、増粘剤等の内添剤を適宜内添させることができる。
湿式不織布の積層は、例えば、ハードニップカレンダー、ソフトカレンダー、スーパーカレンダー等のカレンダー設備を用いて行うことができる。最終の積層工程に金属ロールと弾性ロールを組み合わせたカレンダー設備で湿式不織布の積層を行っても良い。金属ロールとは、鋳鋼製であり、加熱されるカレンダーロールのことである。弾性ロールとは、コットン、エポキシ樹脂、特殊ポリエステル、アラミド等の材質からなり、非加熱側のカレンダーロールのことである。弾性ロールのショア硬さは、D80以上D95以下が好ましい。D80未満であると、加圧時のニップ幅が広く圧力が分散するため、積層不織布同士の接着性が低下する可能性がある。D95超えると、弾性ロールそのものが熱を保持しやすく、不織布シートが剥離し難くなり外観不良になる可能性がある。
カレンダー工程の線圧は、50kg/cm以上350kg/cm以下であることが好ましい。不織布シートの厚さの均一性を向上させる観点から、カレンダー工程の線圧は120kg/cm以上180kg/cm以下がより好ましい。カレンダー工程の線圧が50kg/cm未満であると不織布同士が積層出来ない可能性がある。また、350kg/cmを超えると不織布シートの繊維間の接合が破壊され、引裂強度の低下が大きくなり、更に外観不良となる可能性がある。
カレンダー工程の金属ロールの表面温度(加熱温度)は、120℃以上250℃以下であることが好ましい。不織布シートの引裂強度の低下を抑える観点から、カレンダー工程の金属ロールの表面温度は、150℃以上200℃以下であることがより好ましい。金属ロールの表面温度が120℃未満であると、不織布同士が積層出来ない可能性がある。また、250℃を超えると、不織布シートが外観不良となる可能性がある。
本実施形態に係る不織布シート(積層後)の坪量(米坪)は、40.0~150.0g/mであり、70.0~100.0g/mであることが好ましい。尚、不織布シートの坪量は、「紙及び板紙-坪量の測定方法」JIS P8124(2011)に準拠して測定した数値である。坪量が、40.0g/m未満の場合、水処理用不織布シートに求められる強度を得ることができない。一方、坪量が150.0g/mを越える場合、2枚の不織布の厚みが大きくなり、カレンダー工程で不織布層間の熱融着が困難となる。尚、不織布シートの坪量は、2枚の湿式不織布の坪量の組み合わせで調整することが可能である。また、積層前の1層の坪量としては、20.0~75.0g/mが好ましく、30.0~70.0g/mのものがより好ましい。
本実施形態に係る不織布シートの横方向における引張強度Sは、3.0kN/m以上であることが好ましい。尚、不織布シートの引張強度は、「紙及び板紙-引張特性の試験方法」JIS P 8113(2006)に基づいて測定した数値である。不織布シートの横方向における引張強度Sを3.0kN/m以上とすることにより、不織布シートを水処理用濾過膜の支持体や分離膜としての使用時に、高い水圧が加えられても破断を抑制することができる。
また、本実施形態に係る不織布シートの横方向における引張強度Sと縦方向における引張強度Sの比S/S(「横縦比」ともいう)は、0.25以上であることが好ましく、0.50以上であることがより好ましい。S/Sの値が0.25以上であれば、水処理用濾過膜の支持体や分離膜としての使用時に十分な強度を発揮することができる。S/Sの値が高くなるほど、不織布シートの繊維間に空隙が生じやすく、通気度を高くすることができる。また、強度の均等性を保つことができ、高圧処理時にも破れ難くすることができる。
また、積層前における2枚の湿式不織布のそれぞれの通気度が0.7cm/cm/sec以上であることが好ましく、1.0cm/cm/sec以上であることがより好ましい。積層前の湿式不織布の通気度が0.7cm/cm/sec以上であれば、逆浸透膜の支持体として用いた場合に、緻密層を形成するための芳香族ポリアミド等の塗工液の浸透性を向上させることができる。
以上説明したように、本実施形態に係る水処理用不織布シートは、バインダーとして、鞘部が低融点ポリエステル系樹脂からなる芯鞘型複合繊維を用い、2枚の湿式不織布を積層することによって構成されている。湿式不織布の強度を高くするためには、目付をある程度多くする必要がある。しかしながら、一般に、湿式不織布の目付を多くして1回で抄紙した場合、フロックやピンホール等が生じやすく、地合が安定しないという問題がある。本実施形態では、不織布シートを1回で抄紙するのではなく、別個に抄紙した2枚の湿式不織布を積層することにより構成される。したがって、積層前の湿式不織布の目付を少なくして地合を安定させることができ、積層により得られた不織布シートの地合を更に向上させることができる。また、鞘部に低融点ポリエステル系樹脂を有する芯鞘型複合繊維をバインダーとして用いることで、2枚の湿式不織布の接着強度を高くすることができる。このように、2枚の湿式不織布の接着強度を高くし、地合を安定させることにより、水処理膜またはその支持体として不織布シートを用いた場合の強度を向上させることができる。したがって、本実施形態に係る水処理用不織布シートは、逆浸透膜の支持体や膜分離活性汚泥法で用いる分離膜のような、高い水圧が加わる水処理用不織布シートとして好適である。
以下、本発明に係る不織布シート及びその製造方法を具体的に実施した実施例を説明する。但し、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
2種類の低融点ポリエステル系芯鞘型複合繊維(繊度1.7dtex・繊維長5mmを25質量%、繊度2.2dtex・繊維長5mmを25質量%)、2種類のポリエステル系延伸繊維(繊度0.6dtex・繊維長5mmを30質量%、繊度1.7dtex・繊維長5mmを10質量%)、ポリエステル系未延伸繊維(繊度0.2dtex・繊維長3mmを10質量%)を混合して、各種添加剤を添加して原料スラリーを得た。
原料スラリーを円網に供給し、米坪40.0g/mの湿式不織布Aを得た。湿式不織布Aの原料配合、抄紙方法と同様にして米坪40.0g/mを別の湿式不織布Bを得た。得られた2枚の湿式不織布A、Bを金属ロールと弾性ロール(ショア硬さD90)の組み合わせを用いた1組のカレンダー工程にて積層し、水処理用不織布シートを得た。カレンダー工程においては、金属ロールの温度を200℃、線圧を150kg/cmの条件とした。
(実施例2~11、比較例1~6)
表1に示す原料繊維の組み合わせで、実施例2~11及び比較例1~6の水処理用不織布シートを得た。なお、カレンダー工程は、実施例1と同じ条件で行った。表1における層構成の「2層」は、2枚の湿式不織布を実施例1と同様に積層した不織布シートを指し、「1層」は、1回の抄紙で作成した単層の不織布シートを指す。
(地合の評価方法)
得られた水処理用不織布シートを遮光に透かし、目視にて以下のように評価した。
◎:シートに、結束繊維、穴、ムラなどの欠点がなく、地合が優れており、水処理用不織布シートとして、問題なく使用できる。
○:シートに、結束繊維、穴、ムラなどの欠点がほとんどなく、水処理用不織布シートとして、使用できる。
△:シートに、結束繊維、穴、ムラなどの欠点があるが、水処理用不織布シートとして、使用できるレベルである。
×:シートに、結束繊維、穴、ムラなどの欠点が目立ち、水処理用不織布シートとして、使用できない。
Figure 0007431523000002
実施例1~11に係る不織布シートは、2枚の湿式不織布が積層して構成されたものであり、かつ、低融点ポリエステル系芯鞘型複合繊維を原料繊維全体の30.0質量%以上80.0質量%以下の割合で含有しているため、地合が水処理用不織布シートとして使用可能なレベル以上であり、水処理用不織布シートとして必要な横方向の引張強度も3.0kN/m以上の値を示した。また、実施例1~11に係る不織布シートは、通気度にも優れるため、逆浸透膜の支持体として使用した際に緻密層を形成するための塗工液の浸透性にも優れる。
更に、実施例1~11に係る不織布シートは、横方向における引張強度Sが3.0kN/m以上であることに加え、横方向における引張強度Sと縦方向における引張強度Sとの比である横縦比S/Sが0.25以上であるため、縦方向における引張強度Sも十分に高くなり、水処理用濾過膜の支持体や分離膜としての使用時に十分な強度を発揮することができる。
これに対して、比較例1に係る不織布シートは、湿式不織布の目付を多くして1回で抄紙を行ったため、得られた不織布シートに、結束繊維、穴、ムラなどの欠陥が、水処理用不織布シートとして使用できない程度に多く発生した。また、横方向の引張強度Sが3.0kN/m未満であった。
比較例2及び3に係る不織布シートは、原料繊維として低融点ポリエステル系芯鞘型複合繊維を含有しないため、横方向の引張強度Sが3.0kN/m未満であった。
比較例4に係る不織布シートは、低融点ポリエステル系芯鞘型複合繊維の含有割合が原料繊維全体の30.0質量%未満であるため、横方向の引張強度Sが3.0kN/m未満であった。
比較例5に係る不織布シートは、単層であるため、横方向の引張強度Sが3.0kN/m未満であった。
比較例6に係る不織布シートは、低融点ポリエステル系芯鞘型複合繊維の含有割合が原料繊維全体の80.0質量%を超えるため、加熱圧着時の接着力が強くなりすぎ、不織布がカレンダーロールに貼り付くため、カレンダー工程を行うことができなかった。
本発明に係る不織布シートは、半透膜層を積層させた水処理膜またはその支持体、あるいは、処理水を濾過する分離膜として利用できる。

Claims (6)

  1. 枚の湿式不織布が積層された水処理用不織布シートであって、
    前記湿式不織布の樹脂繊維が、鞘部が低融点ポリエステル系樹脂からなる芯鞘型複合繊維40.0~50.0質量%と、ポリエステル系延伸繊維35.0~55.0質量%、ポリエステル系未延伸繊維5.0~15.0%から構成され、前記低融点ポリエステル系樹脂からなる芯鞘型複合繊維と前記ポリエステル系未延伸繊維が前記ポリエステル系延伸繊維より多く含まれ、ポリオレフィン系繊維を含まない、水処理用不織布シート。
  2. JIS P 8113:2006に基づいて測定した前記水処理用不織布シートの横方向における引張強度Sが3.0kN/m以上である、請求項1に記載の水処理用不織布シート。
  3. 前記水処理用不織布シートの横方向における引張強度Sと縦方向における引張強度Sとの比S/Sが0.25以上である、請求項1または2に記載の水処理用不織布シート。
  4. 前記2枚の湿式不織布のそれぞれの通気度が0.70cm/cm/sec以上である、請求項1~3のいずれかに記載の水処理用不織布シート。
  5. 前記2枚の湿式不織布の積層後における前記水処理用不織布シートの坪量が40.0~150.0g/mである、請求項1~4のいずれかに記載の水処理用不織布シート。
  6. 枚の湿式不織布が積層された水処理用不織布シートの製造方法であって、
    前記湿式不織布の樹脂繊維が、鞘部が低融点ポリエステル系樹脂からなる芯鞘型複合繊維40.0~50.0質量%と、ポリエステル系延伸繊維35.0~55.0質量%、ポリエステル系未延伸繊維5.0~15.0%から構成され、前記低融点ポリエステル系樹脂からなる芯鞘型複合繊維と前記ポリエステル系未延伸繊維が前記ポリエステル系延伸繊維より多く含まれ、ポリオレフィン系繊維を含まず、
    前記2枚の湿式不織布が1組以上の金属ロールと弾性ロールの組み合わせを用いたカレンダー工程で積層され、カレンダー工程の金属ロールの温度が150~250℃である、水処理用不織布シートの製造方法。
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