JP7431205B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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Description

本発明は、使い捨ておむつや生理用ナプキンなどの各種の吸収性物品に関する。
使い捨ておむつを始めとする各種の吸収性物品において、防漏カフあるいは立体ギャザーなどと呼ばれる漏れ出し防止部材を具備するものが知られている。かかる部材は、便などの***物を堰き止めて漏れ出しを防止する目的で、吸収性物品の肌対向面側に設けられる。
例えば便が防漏カフに堰き止められた場合には、便が防漏カフに付着することから、付着した便が防漏カフ越しに透けて見えることがある。このような状況は、脚周りにおける漏れ出しに対する不安を着用者に抱かせる一因となる場合があり、着用者の精神的な負担となることがある。
特に、***量が多い場合には、便が防漏カフを乗り越えて外部へ漏れ出すことがあり、また乗り越えによる漏れ出しが起こらない場合であっても、防漏カフと接していた便が防漏カフの外側へ滲み出してしまうことがある。これらの状況においては、外部から便が一層視認されやすくなるので漏れ出しに対する精神的な不安を着用者に一層与えるばかりでなく、便が漏れることによる衣類汚れへの対応が必要になるなど肉体的な負担も大きくなる。
特許文献1には、着用者の脚周りに配されるバリアレッグカフにグリセロールトリステアラートが含まれている吸収性物品が記載されている。この吸収性物品によれば、低表面張力液体に対するバリアレッグカフの裏抜けが起こりづらいと同文献には記載されている。
特表2016-511109号公報
しかし、本発明者の検討の結果、特許文献1に記載のバリアレッグカフを用いた場合であっても、***物の滲み出しを防止するには不十分であることが判明した。
したがって本発明の課題は、***物の滲み出しを防止し得る防漏カフを備えた吸収性物品を提供することにある。
本発明は、横方向の両側部域それぞれに縦方向に沿って延びる防漏カフを備え、
前記防漏カフは、不織布を少なくとも含む防漏カフ形成用シートから構成されており、
前記不織布の構成繊維はトリグリセリドを含み、
前記トリグリセリドが、
(a)炭素原子数16の脂肪酸に由来する基を一分子内に少なくとも含むトリグリセリドと、炭素原子数18の脂肪酸に由来する基を一分子内に少なくとも含むトリグリセリドとの混合物、又は
(b)炭素原子数16の脂肪酸に由来する基及び炭素原子数18の脂肪酸に由来する基を一分子内に少なくとも含むトリグリセリド、である吸収性物品を提供するものである。
本発明の吸収性物品によれば、防漏カフからの***物の滲み出しを抑制することができる。
図1は、本発明の吸収性物品の展開且つ伸長状態における股下部の横方向に沿う厚み方向断面図である。 図2は、図1において防漏カフが起立した状態を模式的に示す断面図である。 図3は、本発明の吸収性物品の別の実施形態を示す断面図(図1相当図)である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明の吸収性物品は一般に、着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる方向に相当する縦方向とこれに直交する横方向とを有する縦長の形状をしている。吸収性物品は、着用者の股間部に配される股下部並びにその前後に延在する腹側部及び背側部を有する。股下部は、吸収性物品の着用時に着用者の***部に対向配置される***部対向部を有しており、該***部対向部は通常、吸収性物品の縦方向の中央部又はその近傍に位置している。
吸収性物品は一般に、着用者の肌対向面側に位置する表面シートと、非肌対向面側に位置する裏面シートと、両シート間に介在配置された吸収体とを備える。表面シートとしては、液透過性を有するシート、例えば不織布や穿孔フィルムなどを用いることができる。表面シートは、その肌対向面側が凹凸形状になっていてもよい。例えば表面シートの肌対向面側に、散点状に複数の凸部を形成することができる。あるいは、表面シートの肌対向面側に、一方向に延びる畝部と溝部とを交互に形成することができる。そのような目的のために、2枚以上の不織布を用いて表面シートを形成することもできる。
一方、裏面シートとしては、例えば液難透過性のフィルムやスパンボンド-メルトブローン-スパンボンド積層不織布などを用いることができる。液難透過性のフィルムに、複数の微細孔を設け、該フィルムに水蒸気透過性を付与してもよい。吸収性物品の肌触り等を一層良好にする目的で、裏面シートの外面に不織布等の風合いの良好なシートを積層してもよい。
吸収体は、吸収性コアを備えている。吸収性コアは例えばパルプを始めとするセルロース等の親水性繊維の積繊体、該親水性繊維と吸収性ポリマーとの混合積繊体、吸収性ポリマーの堆積体、2枚の吸収性シート間に吸収性ポリマーが担持された積層構造体などから構成される。吸収性コアは、少なくともその肌対向面が液透過性のコアラップシートで覆われていてもよく、肌対向面及び非肌対向面を含む表面の全域がコアラップシートで覆われていてもよい。コアラップシートとしては、例えば親水性繊維からなる薄葉紙や、液透過性を有する不織布などを用いることができる。
上述の表面シート、裏面シート及び吸収体に加え、吸収性物品には、肌対向面側の縦方向に沿う両側部に、縦方向に沿って延びる防漏カフが配される。防漏カフは一般に、基端部と自由端部とを備えている。防漏カフは、吸収性物品の肌対向面側に基端部を有し、肌対向面側から起立している。後述するとおり、防漏カフは、液抵抗性の防漏カフ形成用シートから構成されている。また、後述するとおり、防漏カフの自由端部又はその近傍には弾性部材を伸長状態で配してもよい。吸収性物品の着用状態においてこの弾性部材が収縮することによって、防漏カフが着用者の身体に向けて起立するようになり、表面シート上に***された液が、表面シート上を伝い吸収性物品の横方向外方へ漏れ出すことが効果的に阻止される。防漏カフの詳細については後述する。
本明細書において「漏れ出し」とは、表面シート上に***された***物が防漏カフを乗り越えて横方向の外方へ流出することをいう。
吸収性物品は、その具体的な用途によっては、非肌対向面の表面に粘着剤層を有していてもよい。粘着剤層は、吸収性物品の着用状態において、該吸収性物品を、下着や別の吸収性物品に固定するために用いられる。
以上の構成を有する吸収性物品としては、例えば展開型の使い捨ておむつ、パンツ型の使い捨ておむつ、生理用ナプキン、失禁パッド、パンティライナ等が挙げられるが、これらに限られない。
上述したとおり、防漏カフは防漏カフ形成用シート(以下、単に「防漏カフシート」ともいう。)から構成されている。防漏カフシートは少なくとも不織布を含んでいる。防漏カフシートは不織布のみから構成されていてもよく、あるいは、不織布及びそれ以外のシート材料を含む積層シートから構成されていてもよい。積層シートとしては例えば不織布及び樹脂フィルムを含む積層シートが挙げられる。防漏カフに通気性を付与する観点からは、防漏カフシートは不織布のみから構成されていることが好ましい。特に、防漏カフシートは撥水性の不織布のみから構成されていることが好ましい。
防漏カフシートを形成する不織布としては、各種の方法で製造されたものを用いることができる。不織布の製造方法には例えばメルトブローン法、スパンボンド法、エアスルー法、エアレイド法、スパンレース法、ニードルパンチ法、エレクトロスピニング法、ケミカルボンド法及びサーマルボンド法など様々なものが知られているところ、本発明の不織布は、これらの方法で製造されたものを包含する。尤も、これらに限られず、これら以外の方法で製造された不織布や、これらの不織布を2種以上組み合わせた積層不織布を用いることもできる。例えばスパンボンド-メルトブローン不織布(以下「SM不織布」ともいう。)、スパンボンド-メルトブローン-スパンボンド不織布(以下「SMS不織布」ともいう。)、スパンボンド-メルトブローン-メルトブローン-スパンボンド不織布(以下「SMMS不織布」ともいう。)などは、液抵抗性が高いことから、防漏カフシートを構成する不織布として好適である。
特に、防漏カフシートを構成する不織布は、メルトブローン不織布を含むことが、液抵抗性を高める観点から好ましい。例えば防漏カフシートは、メルトブローン不織布のみから構成されているか、あるいはメルトブローン不織布を含む不織布、例えばSM不織布、SMS不織布、SMMS不織布などから構成されていることが好ましい。
メルトブローン不織布は、その製造方法に起因して、その構成繊維の繊維径が小さいことから高い液抵抗性を示す。メルトブローン不織布の構成繊維の繊維径は、好ましくは0.1μm以上10μm以下であり、更に好ましくは0.3μm以上7μm以下であり、一層好ましくは0.5μm以上5μm以下である。
メルトブローン不織布の構成繊維の繊維径は次の方法で測定される。メルトブローン不織布から小片サンプルを採取し、該サンプルに金蒸着を2分行った後、走査型電子顕微鏡を用い、無作為に選出した70本の繊維を対象として繊維径を直接測定する。測定値の平均値(有効数字2桁)をメルトブローン不織布の構成繊維の繊維径とする。防漏カフシートが、SM不織布、SMS不織布及びSMMS不織布などのメルトブローン不織布を含む不織布から構成されている場合、それら不織布の製造段階のうち、メルトブローン不織布から採取可能な段階で前記小片サンプルを採取する。あるいは可能な場合には、SMS不織布等をその表面から走査型電子顕微鏡観察し、メルトブローン不織布の繊維を直接観察してその繊維径を測定してもよい。
防漏カフシートを構成する不織布が、メルトブローン不織布のみから構成されている場合、並びにSM不織布、SMS不織布及びSMMS不織布などのメルトブローン不織布を含む不織布から構成されている場合のいずれであっても、メルトブローン不織布の坪量は、防漏カフ3の液抵抗性を高める観点から、1g/m以上であることが好ましく、1.5g/m以上であることが更に好ましく、2g/m以上であることが一層好ましい。また、メルトブローン不織布の坪量は、防漏カフ3の肌触りや柔軟さを良好にする観点から、10g/m以下であることが好ましく、7g/m以下であることが更に好ましく、5g/m以下であることが一層好ましい。これらの観点を勘案すると、メルトブローン不織布の坪量は、1g/m以上10g/m以下であることが好ましく、1.5g/m以上7g/m以下であることが更に好ましく、2g/m以上5g/m以下であることが一層好ましい。
メルトブローン不織布の坪量は、該不織布から採取した少なくとも10mm角の測定片5枚を対象として測定された質量の平均値を、該測定片の面積で除すことで算出される。防漏カフシートが、SM不織布、SMS不織布及びSMMS不織布などのメルトブローン不織布を含む不織布から構成されている場合、それら不織布の製造段階のうち、メルトブローン不織布から採取可能な段階で前記測定片を採取する。あるいはSMS不織布を、剥離するなどの手段を用いて各層を分離し、メルトブローン不織布の坪量を測定してもよい。
防漏カフシートを構成する不織布が、少なくともスパンボンド不織布とメルトブローン不織布とを含む積層不織布である場合、不織布の全質量に対するスパンボンド不織布の質量比率は50質量%以上95質量%以下であることが、***物の滲み出し防止性の向上の点から好ましい。この利点を一層顕著なものとする観点から、不織布の全質量に対するスパンボンド不織布の質量比率は50質量%以上92.5質量%以下であることが更に好ましく、50質量%以上90質量%以下であることが一層好ましい。
一方、不織布の全質量に対するメルトブローン不織布の質量比率は5質量%以上50質量%以下であることが、***物の滲み出し防止性の向上の点から好ましい。この利点を一層顕著なものとする観点から、不織布の全質量に対するメルトブローン不織布の質量比率は7質量%以上50質量%以下であることが更に好ましく、10質量%以上50質量%以下であることが一層好ましい。
防漏カフシートを構成する不織布がどのような方法で製造されたものであっても、該不織布を構成する繊維は、繊維形成能を有する熱可塑性樹脂と、後述するトリグリセリドとを含んでいる。繊維形成能を有する熱可塑性樹脂としては様々なものが当該技術分野において知られているところ、本発明においては熱可塑性樹脂としてポリオレフィン樹脂を用いることが、***物の滲み出し防止性が高い不織布を得る観点から好ましい。
前記ポリオレフィン樹脂としては、例えばエチレンやプロピレンなどの低級オレフィンの単独重合体や共重合体を用いることができる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン及びエチレン-αオレフィン共重合体などが挙げられる。
ポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン及び直鎖状低密度ポリエチレンなどが挙げられる。
ポリプロピレンとしては、アイソタクチックポリプロピレン及びシンジオタクチックポリプロピレンなどが挙げられる。またポリプロピレンとして、低立体規則性ホモポリプロピレンを用いることもできる。低立体規則性ホモポリプロピレンは、立体規則性の指標である、13C-NMRで測定されるメソペンタッド分率(mmmm[%])が90%以下であるホモポリプロピレンのことである。
エチレン-αオレフィン共重合体としては、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン及び1-ヘキセン等のαオレフィンと、エチレンとの共重合体が挙げられる。共重合体の態様としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体及びグラフト共重合体などが挙げられる。特にエチレンとプロピレンとのランダムコポリマー(以下「ランダムプロピレンコポリマー」ともいう。)を用いることが好ましい。
ランダムプロピレンコポリマーにおけるエチレンの割合は、不織布の液体に対するバリア性を高くする観点から、2質量%以上70質量%以下であることが好ましく、4質量%以上60質量%以下であることが更に好ましく、6質量%以上50質量%以下であることが一層好ましい。
これらのポリオレフィン樹脂のうち、繊維形成能の高さや、得られる不織布の液体に対するバリア性の高さの観点から、ポリプロピレン、及びプロピレンを共重合成分として含むポリオレフィンを用いることが好ましい。
また、ポリオレフィン樹脂は、ホモポリプロピレンと、ランダムプロピレンコポリマー又は低立体規則性ホモポリプロピレンとのブレンド物であることも好ましい(以下、特に断らない限り、低立体規則性ホモポリプロピレン以外のホモポリプロピレンのことを単に「ホモポリプロピレン」という。)。特に、不織布の液体に対するバリア性の高さの観点から、ポリオレフィン樹脂は、ランダムプロピレンコポリマーと、ホモポリプロピレンとのブレンド物であることが好ましい。
ランダムプロピレンコポリマー又は低立体規則性ホモポリプロピレンの割合は、不織布を構成する繊維(不織布が、後述するとおりメルトブローン不織布を有する場合には、該メルトブローン不織布を構成する繊維)に対して5質量%以上であることが、不織布の液体に対するバリア性を一層高くする観点から好ましく、バリア性を更に一層高くする観点から更に好ましくは7質量%以上、一層好ましくは9質量%以上、更に一層好ましくは15質量%以上である。
また前記割合は、60質量%未満であることが、繊維の紡糸性を高める観点から好ましく、紡糸性を更に一層高める観点から更に好ましくは45質量%以下、一層好ましくは30質量%以下である。
防漏カフシートの一部をなす不織布は、上述のとおり、その構成繊維にトリグリセリドが含まれていることが好ましい。トリグリセリドを含有する繊維を含む不織布から構成される防漏カフシートを用いて防漏カフを形成することで、該防漏カフは***物、特に便に対する隠蔽性が高くなり且つ***物に対する滲み出し防止性も高くなる。
本明細書において、繊維にトリグリセリドが含まれているとは、繊維を構成する樹脂中にトリグリセリドが練り込まれている場合、及び繊維の表面にトリグリセリドが付着している場合の双方を意味する。
トリグリセリドは、不織布を構成するすべての種類の繊維に含まれていてもよく、不織布を構成する繊維のうち、特定の種類の繊維にのみ含まれていてもよい。例えば不織布が繊維A及び繊維Bの2種類の繊維から構成されている場合、繊維A又は繊維Bにのみトリグリセリドが含まれていてもよく、あるいは繊維A及び繊維Bの双方にトリグリセリドが含まれていてもよい。
便に対する防漏カフ3の隠蔽性を高くし且つ***物に対する防漏カフ3の滲み出し防止性を高くする観点から、不織布におけるトリグリセリドの配合量は、不織布中に1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることが更に好ましく、5質量%以上であることが一層好ましい。
また、不織布強度の担保の観点から、トリグリセリドの配合量は、不織布中に30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることが更に好ましく、20質量%以下であることが一層好ましい。
以上を総合すると、トリグリセリドの配合量は、不織布中に1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、3質量%以上25質量%以下であることが更に好ましく、5質量%以上20質量%以下であることが一層好ましい。
本明細書にいう不織布におけるトリグリセリドの配合量とは、不織布が単一層の不織布から構成されている場合には当該単一層の不織布を対象とするものである。
不織布が2層以上の不織布の積層構造からなり、いずれか1層がトリグリセリドを含む繊維から構成される不織布である場合には、積層構造を有する不織布全体を対象とすることができるが、望ましくはトリグリセリドが含まれる層のみを対象とする。例えば不織布がスパンボンド-メルトブローン-スパンボンド不織布から構成され、メルトブローン層を構成する繊維にのみトリグリセリドが含まれている場合には、SMS不織布を、剥離するなどの手段を用いて各層を分離し、メルトブローン層の質量を基準として、トリグリセリドの配合量を算出する。
本発明で用いられるトリグリセリドは、下記の式(1)で表されるものであることが好ましい。
Figure 0007431205000001
式中、RからRは同一の又は異なる炭化水素基を表す。RからRのうちの少なくとも1つは、炭素原子数16以上22以下である脂肪酸に由来する基であり、当該基は不飽和結合及び置換基を有さない炭化水素基である。なお、炭素原子数16の脂肪酸であるパルミチン酸のアルキル基の炭素数は15である。
「不飽和結合を有さない炭化水素基」とは、炭素-炭素の二重結合及び三重結合のいずれも有さない炭化水素基のことである。つまりアルキル基のことである。また「置換基を有さない炭化水素基」とは、炭化水素基に含まれる水素原子が、他の原子又は原子団(例えば水酸基)によって置換されていないことをいう。したがって、「不飽和結合及び置換基を有さない炭化水素基」とは、無置換のアルキル基と同義である。
以下の説明では、本発明で用いられるトリグリセリドのことを便宜的に「本発明のトリグリセリド」ともいう。
式(1)で表されるトリグリセリドにおいては、***物に対する防漏カフの隠蔽性を高くする観点、及び***物に対する防漏カフの滲み出し防止性を高くする観点から、RからRのうちの少なくとも1つは、炭素原子数16以上22以下である脂肪酸に由来する基であり、当該基は不飽和結合及び置換基を有さない炭化水素基であることが好ましく、炭素原子数16以上18以下である脂肪酸に由来する基であり、当該基は不飽和結合及び置換基を有さない炭化水素基であることが更に好ましい。
また、式(1)で表されるトリグリセリドにおいて、RからRのうちのいずれか1つ又は2つが、炭素原子数16以上22以下である脂肪酸に由来する基(当該基は不飽和結合及び置換基を有さない炭化水素基である。)以外の基である場合、当該基は脂肪酸に由来する基であればその種類に特に制限はないが、***物に対する防漏カフの隠蔽性を高くする観点、及び***物に対する防漏カフの滲み出し防止性を高くする観点から、当該基は不飽和結合及び置換基を有していないことが好ましい。
本発明のトリグリセリドは、脂肪酸残基の炭素数が調整されたものであることが好ましい。脂肪酸残基の炭素数を調整することで、トリグリセリドの結晶がより細かくなり、防漏カフの滲み出し防止性が向上する。詳細には、トリグリセリドとして以下の(a)又は(b)であることが好ましい。
(a)炭素原子数16の脂肪酸(すなわちパルミチン酸)に由来する基(当該基は不飽和結合及び置換基を有さない炭化水素基である。)を一分子内に少なくとも含むトリグリセリドと、炭素原子数18の脂肪酸(すなわちステアリン酸)に由来する基(当該基は不飽和結合及び置換基を有さない炭化水素基である。)を一分子内に少なくとも含むトリグリセリドとの混合物を含むトリグリセリド。
(b)炭素原子数16の脂肪酸に由来する基及び炭素原子数18の脂肪酸に由来する基を一分子内に少なくとも含むトリグリセリドを含むトリグリセリド。
(a)の場合のように、本発明のトリグリセリドが複数種のトリグリセリドを含む場合、少なくとも1種のトリグリセリドは、炭素原子数16の飽和脂肪酸に由来する基を一分子内に少なくとも1個含んでいる(このトリグリセリドのことを「トリグリセリド16」ともいう。)ことが好ましい。トリグリセリド16は、炭素原子数16の飽和脂肪酸に由来する基を一分子内に1個含んでいてもよく(このトリグリセリドのことを「トリグリセリドP」ともいう。)、2個含んでいてもよく(このトリグリセリドのことを「トリグリセリドPP」ともいう。)、あるいは3個含んでいてもよい(このトリグリセリドのことを「トリグリセリドPPP」ともいう。)。
なお、トリグリセリドP及びトリグリセリドPPにおける残りの脂肪酸残基の種類に特に制限はなく、例えば炭素数12以上24以下の飽和脂肪酸の残基であり得る。
トリグリセリド16は、トリグリセリドPのみから構成されていてもよく、トリグリセリドPPのみから構成されていてもよく、あるいはトリグリセリドPPPのみから構成されていてもよい。
トリグリセリド16は、トリグリセリドP、トリグリセリドPP及びトリグリセリドPPPから選択される2種以上の組み合わせであってもよい。例えばトリグリセリド16は、トリグリセリドPとトリグリセリドPPとの組み合わせ、トリグリセリドPとトリグリセリドPPPとの組み合わせ、トリグリセリドPPとトリグリセリドPPPとの組み合わせ、あるいはトリグリセリドPと、トリグリセリドPPとトリグリセリドPPPとの組み合わせであり得る。
(a)の場合のように、本発明のトリグリセリドが複数種のトリグリセリドを含む場合、少なくとも1種のトリグリセリドは、炭素原子数18の飽和脂肪酸に由来する基を一分子内に少なくとも1個含んでいる(このトリグリセリドのことを「トリグリセリド18」ともいう。)ことも好ましい。トリグリセリド18は、炭素原子数18の脂肪酸に由来する基を一分子内に1個含んでいてもよく(このトリグリセリドのことを「トリグリセリドS」ともいう。)、2個含んでいてもよく(このトリグリセリドのことを「トリグリセリドSS」ともいう。)、あるいは3個含んでいてもよい(このトリグリセリドのことを「トリグリセリドSSS」ともいう。)。
なお、トリグリセリドS及びトリグリセリドSSにおける残りの脂肪酸残基の種類に特に制限はなく、例えば炭素数12以上24以下の飽和脂肪酸の残基であり得る。
トリグリセリド18は、トリグリセリドSのみから構成されていてもよく、トリグリセリドSSのみから構成されていてもよく、あるいはトリグリセリドSSSのみから構成されていてもよい。
トリグリセリド18は、トリグリセリドS、トリグリセリドSS及びトリグリセリドSSSから選択される2種以上の組み合わせであってもよい。例えばトリグリセリド18は、トリグリセリドSとトリグリセリドSSとの組み合わせ、トリグリセリドSとトリグリセリドSSSとの組み合わせ、トリグリセリドSSとトリグリセリドSSSとの組み合わせ、あるいはトリグリセリドSと、トリグリセリドSSとトリグリセリドSSSとの組み合わせであり得る。
(a)の場合においては、本発明のトリグリセリドは、トリグリセリド16及びトリグリセリド18のみから構成されていてもよく、あるいはトリグリセリド16及びトリグリセリド18に加えて他のトリグリセリドを含んで構成されていてもよい。他のトリグリセリドとしては、炭素原子数12以上24以下の脂肪酸に由来する基を全く有さないトリグリセリド、及び炭素原子数12以上24以下である脂肪酸に由来する基を含むトリグリセリド(ただしトリグリセリド16及びトリグリセリド18を除く)が挙げられる。
炭素原子数16の飽和脂肪酸に由来する基を「P」とし、炭素原子数18の飽和脂肪酸に由来する基を「S」とし、炭素原子数16の飽和脂肪酸及び炭素原子数18の飽和脂肪酸以外の脂肪酸に由来する基を「X」及び「Y」とした場合、本発明のトリグリセリドを構成する脂肪族基の組み合わせとして、例えばPPP、SSS、PPX、SSX、PXY、SXY、PPS、PSS及びPSXが挙げられる。PPX、SSX、PXY、SXY及びPSXで表されるトリグリセリドの構造は以下の(A)ないし(M)である。なお、PPS及びPSSの構造は示していないが、PPSの構造はPPXの構造に準じ、PSSの構造はSSXの構造に準じる。
Figure 0007431205000002
Figure 0007431205000003
Figure 0007431205000004
Figure 0007431205000005
Figure 0007431205000006
本発明のトリグリセリドは、上述した各種のトリグリセリドを単独で用いることができる。例えば、(b)の場合では、本発明のトリグリセリドは、上述した各種のトリグリセリドを単独で用いることができる。例えば本発明のトリグリセリドは、一分子内に、炭素原子数16の飽和脂肪酸に由来する基を少なくとも1個含み、炭素原子数18の飽和脂肪酸に由来する基を少なくとも1個含み、且つそれら以外の脂肪酸に由来する基を含まないものから構成されていてもよい。あるいは、本発明トリグリセリドは、炭素原子数16の飽和脂肪酸に由来する基を1個含み、炭素原子数18の飽和脂肪酸に由来する基を1個含み、且つその他の脂肪酸に由来する基を1個含むトリグリセリドから構成されていてもよい。
本発明のトリグリセリドは、上述した各種のトリグリセリドの2種以上の組み合わせであってもよい。例えば本発明のトリグリセリドは、上述した(a)と(b)の組み合わせでもよい。あるいは2種以上の(b)の組み合わせでもよい。
更に、本発明のトリグリセリドは、上述した1種又は2種以上のトリグリセリドと、その他のトリグリセリドとの組み合わせであってもよい。その他のトリグリセリドとしては、例えば、炭素原子数12以上24以下である脂肪酸に由来する基を含むトリグリセリド(ただしトリグリセリド16及びトリグリセリド18を除く)が挙げられる。
本発明においては、上述した各種のトリグリセリドを単独で用いるか、又は上述した各種のトリグリセリドのみの2種以上の組み合わせを用いることが、便に対する防漏カフ3の隠蔽性を高くし且つ***物に対する防漏カフ3の滲み出し防止性を高くする観点から好ましい。
防漏カフシートを構成する不織布の繊維に含まれるトリグリセリドは、すべてのトリグリセリドに含まれる脂肪酸に由来する基の総量に対して、5質量%以上90質量%未満、特に5質量%以上75質量%以下、とりわけ35質量%以上70質量%以下、特に50質量%以上70質量%以下、更に55質量%以上65質量%以下が、炭素原子数18個の脂肪酸に由来する基(当該基は不飽和結合及び置換基を有さない炭化水素基である。)であることが、***物に対する防漏カフの隠蔽性を高くする観点、及び***物に対する防漏カフの滲み出し防止性を高くする観点から好ましい。前記と同様の観点から、防漏カフシートを構成する不織布の繊維に含まれるトリグリセリドは、すべてのトリグリセリドに含まれる脂肪酸に由来する基の総量に対して、1質量%以上55質量%未満、特に10質量%以上50質量%以下、とりわけ20質量%以上50質量%以下、特に25質量%以上45質量%以下が、炭素原子数16個の脂肪酸に由来する基(当該基は不飽和結合及び置換基を有さない炭化水素基である。)であることが、***物に対する防漏カフの隠蔽性を高くする観点、及び***物に対する防漏カフの滲み出し防止性を高くする観点から好ましい。ただし、炭素原子数18個の脂肪酸に由来する基の割合と炭素原子数16個の脂肪酸に由来する基の割合との合計は100質量%を超えないことを条件とする。
すべてのトリグリセリドに含まれる、脂肪酸に由来する基の総量を基準とした、炭素原子数16の脂肪酸に由来する基及び炭素原子数18の脂肪酸に由来する基のそれぞれ割合は以下の方法で測定される。
トリグリセリドの良溶媒、例えばトルエンを用いて繊維に含まれるトリグリセリドを抽出する。
抽出されたトリグリセリドにおけるエステル結合をアルカリで加水分解させ、メチルエステル化した脂肪酸をガスクロマトグラフィーで定量分析する。
なお、トリグリセリドの一分子中に異なる炭素数を有するアルキル鎖が存在しているか否かはTOF-MS(飛行時間型質量分析法)で判断できる。詳細には、トリグリセリドの分子量分布をTOF-MSによって測定し、一分子の分子量から分子内に異なる炭素数を有するアルキル基が含まれているか否かを判別する。分子量が同じ化合物で、一分子中に異なる炭素数を有するアルキル鎖が存在しているか否かは、質量分析計としてタンデム質量分析計(MS/MS)で判断できる。1つ目の質量分離部で特定のイオンを選択し、不活性化ガスと衝突させることで生じたフラグメントイオンを2つ目の質量分離部で分離し検出することで判別する。
本発明のトリグリセリドは、不飽和脂肪酸に由来する基を含まないことが、***物に対する防漏カフの隠蔽性を一層高くする観点、及び***物に対する防漏カフの滲み出し防止性を一層高くする観点から好ましい。不飽和脂肪酸に由来する基を含まないとは、不飽和脂肪酸に由来する基を全く含まない場合、及び不可避的に少量の不飽和脂肪酸が含まれる場合の双方を包含する。不可避的に少量の不飽和脂肪酸が含まれる場合とは、例えば、不織布を構成する繊維に含有されるすべてのトリグリセリドに含まれる、脂肪酸に由来する基の総量を基準として、不飽和脂肪酸に由来する基の割合が2質量%以下である場合である。
前記と同様に、本発明のトリグリセリドは、水酸基を有する脂肪酸に由来する基を含まないことが、***物に対する防漏カフの隠蔽性を一層高くする観点、及び***物に対する防漏カフの滲み出し防止性を一層高くする観点から好ましい。水酸基を有する脂肪酸とは、脂肪酸の炭化水素基における少なくとも1個の水素原子が水酸基で置換された脂肪酸のことである。水酸基を有する脂肪酸に由来する基を含まないとは、水酸基を有する脂肪酸に由来する基を全く含まない場合、及び水酸基を有する脂肪酸に由来する基を不可避的に少量含む場合の双方を包含する。水酸基を有する脂肪酸に由来する基を不可避的に少量含む場合とは、例えば、不織布を構成する繊維に含有されるすべてのトリグリセリドに含まれる、脂肪酸に由来する基の総量を基準として、水酸基を有する脂肪酸に由来する基の割合が2質量%以下である場合である。
不織布を構成する繊維には、グリセリドとしてトリグリセリドのみが含まれていてもよく、あるいは本発明の所期の効果が奏される範囲においてトリグリセリドに加えてモノグリセリド及び/又はジグリセリドが含まれていてもよい。
本発明のトリグリセリドは、その結晶が細かいという特徴を有し、そのことに起因して、防漏カフの滲み出し防止性を高めるだけでなく、乱反射を起こしやすいという利点を有する。その結果、本発明のトリグリセリドを含有する繊維を含んで構成される不織布は、***物に対する高い隠蔽性を有する。不織布の隠蔽性は、例えば色差ΔE*ab及び色差係数によって光学的に評価できる。
色差ΔE*abに関しては、この値が38以下であることが、***物の隠蔽性を高める観点から好ましく、この利点を一層顕著なものとする観点からΔE*abの値は35以下であることが更に好ましく、33以下であることが一層好ましい。色差ΔE*abは、その下限値に特に制限はなく、ゼロに近ければ近いほど好ましい。
一方、色差係数に関しては、この値が490以下であることが好ましく、450以下であることが更に好ましく、400以下であることが一層好ましい。色差係数は、その下限値に特に制限はなく、ゼロに近ければ近いほど好ましい。
色差ΔE*ab及び色差係数の測定方法については後述する実施例において説明する。
なお、後述する図3に示すとおり、不織布からなる防漏カフシートが二つ折りされて、防漏カフが二枚重ねの構造になっている場合であっても、上述した色差ΔE*ab及び色差係数は、二つ折りする前の状態の不織布を対象として測定される。
図1には、本発明のトリグリセリドを含有する繊維を含む不織布から構成される防漏カフシートを備えた防漏カフを有する吸収性物品の一例が示されている。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。図面は基本的に模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なる場合がある。
図1に示す吸収性物品1は、着用者の前後方向、すなわち腹側から股間部を介して背側に延びる方向に対応する縦方向(図1中、紙面と直交する方向)と、これに直交する横方向Yとを有する。吸収性物品1は、着用時に着用者の股間部に配される股下部と、該股下部より縦方向の前方すなわち着用者の腹側に配される腹側部と、該股下部より縦方向の後方すなわち着用者の背側に配される背側部とを有する。図1は、吸収性物品1の股下部における横方向Yに沿う厚み方向断面図である。
吸収性物品1は、吸収体23を具備する吸収性本体2を具備する。また吸収性物品1は、横方向Yの両側部域それぞれに、該横方向Yに距離を隔てて配置され且つ縦方向に沿って延びる一対の防漏カフ3,3を具備する。防漏カフ3,3は、吸収性本体2の肌対向面に離間部39を設けて配置されている。
吸収性本体2は、吸収体23と、該吸収体23の肌対向面側に配された表面シート21と、該吸収体23の非肌対向面側に配された裏面シート22とを具備し、これらが接着剤等の公知の接合手段により一体化されて構成されている。吸収体23は、表面シート21と裏面シート22との間に介在配置されており、吸水性材料を含む液保持性の吸収性コア24と、該吸収性コア24の外面(肌対向面及び非肌対向面)を被覆するコアラップシート25とを含んで構成されている。本実施形態の吸収性本体2は平面視長方形形状を有し、腹側部から背側部までの縦方向Xに延在し、その長手方向が縦方向Xに一致している。
吸収性物品1は、吸収体23の縦方向に沿う両側縁23S,23Sから横方向Yの外方に延出する部材を含んで構成される一対のサイドフラップ部4,4を具備する。詳細には、表面シート21は吸収体23の肌対向面の全域を被覆し、裏面シート22は吸収体23の非肌対向面の全域を被覆し、両シート21,22は更に、吸収体23の両側縁23S,23Sから横方向Yの外方に延出し、後述する防漏カフシート30とともにサイドフラップ部4を構成している。このように、サイドフラップ部4は、吸収体23の非配置部に位置し、表面シート21、裏面シート22及び防漏カフシート30を含んで構成されている。サイドフラップ部4を構成するこれら複数の部材は、接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段によって互いに接合されている。
サイドフラップ部4,4の着用者の脚周りに対応する部位のそれぞれにはレッグカフ41が形成されている。レッグカフ41は、サイドフラップ部4の一部であり、少なくとも防漏カフシート30と、該シート30に伸縮可能な状態で固定されたレッグカフ形成用弾性部材42とを含んで構成されている。図1に示すとおり、レッグカフ41は裏面シート22も含んでいる。
図1に示すとおり、レッグカフ41,41には、縦方向に延びる複数本の糸状のレッグカフ形成用弾性部材42が、横方向に並べて配置されている。各レッグカフ形成用弾性部材42は、少なくとも股下部の縦方向の全長にわたって縦方向に伸縮可能な状態で延在している。斯かる構成によって、吸収性物品1の着用時には、レッグカフ形成用弾性部材42の収縮力によってレッグカフ41が収縮し、着用者の脚周りにフィットし得るようになっている。
レッグカフ41よりも横方向Yの内方の位置には防漏カフ3が設けられている。防漏カフ3は、防漏カフシート30を含んで構成され且つ該シート30が他の部材に固定された基端部31と、該基端部31を起点として該シート30が着用者側に起立する起立部32とを横方向Yに有する。起立部32の先端は自由端部32aとなっている。
防漏カフシート30は、吸収性本体2の肌対向面における縦方向に沿う両側部に一対配置されており、その一対の防漏カフ形成用シート30,30どうしの間には離間部39が設けられている。離間部39は、吸収性本体2の横方向Yの中央部に位置する。各防漏カフ形成用シート30は、吸収体23の側縁23Sを横方向Yに跨ぐように配され、平面視において吸収体23と重複する部分と、吸収体23よりも横方向Yの外方に位置する部分とを横方向Yに有する。
基端部31は、吸収性物品1の着用時に起立部32が着用者の肌側に向かって起立する際の起立起点となる部分である。より具体的には、基端部31は、防漏カフシート30の「他の部材」との固定部における、起立部32と横方向Yにおいて隣接する部分であり、換言すれば、該固定部における横方向Yの最内方に位置する部分である。また、前記「他の部材」は、吸収性物品1の構成部材のうちで防漏カフシート30以外のものであり、典型的には、該シート30の非肌対向面側に該シート30と接触可能に配された部材であり、例えば図2に示すように表面シート21である。
基端部31は、前述したとおり、防漏カフシート30と他の部材との固定部であり、典型的には、ホットメルト等の接着剤、熱融着等の公知の接合手段によって形成されている。基端部31は、吸収性物品1の平面視において直線状をなし、防漏カフシート30の縦方向の略全長にわたって縦方向に延在している。また、基端部31は、吸収体23の側縁23Sよりも横方向Yの外方で且つ該側縁23Sの近傍に位置している。吸収性物品1の平面視での基端部31の形状は特に限定されず、直線の他、例えば、波線、湾曲線、ジグザグ線などでもよく、また、基端部31は縦方向に連続していなくてもよく、防漏カフ形成用シート30と他の部材との固定部と非固定部とが縦方向に交互に配置された構成の破断線でもよい。
起立部32は、防漏カフシート30における他の部材との非固定部である。起立部32の防漏カフシート30は、図1に示すとおり縦方向に延びる折り曲げ部33において折り曲げられている。その結果、起立部32は、基端部31から折り曲げ部33にわたる第1起立部34と、折り曲げ部33から起立部32の自由端部32aにわたり、第1起立部34よりも着用者の肌に近い側に位置する第2起立部35とを含んで構成されている。すなわち、起立部32の起立状態において、第1起立部34は基端部31側に位置し且つ第2起立部35は自由端部32a側に位置している。第2起立部35は、その表面が、おむつ1の着用時に着用者の肌と接触し得るように、横方向Yの外方に延出している。
第1起立部34は、基端部31から折り曲げ部33に向かって横方向Yの内側に延び、第2起立部35は、折り曲げ部33から横方向Yの外側に延びている。折り曲げ部33は、起立部32においておむつ1の横方向Yの中央に最も近い部位であり、吸収性物品1の展開且つ伸長状態において、縦方向に延びる直線状をなしている。一対の防漏カフ3,3どうしの離間部39は、一方の防漏カフ3の折り曲げ部33と他方の防漏カフ3の折り曲げ部33とに挟まれた領域である。
本明細書において、吸収性物品1の「展開且つ伸長状態」とは、吸収性物品1を展開状態とし、その展開状態の吸収性物品1を各部の弾性部材を伸長させて設計寸法(弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に拡げたときの寸法と同じ)となるまで拡げた状態をいう。
図1に示すとおり、第2起立部35は、1枚の防漏カフシート30が、横方向Yに二つに折られて二枚重ねとなった部位を含んで構成されている。つまり防漏カフ3は、防漏カフシート30が二枚重ねになっている部位を有し、当該部位は第2起立部35の一部をなしている。起立部32の自由端部32aは、防漏カフ形成用シート30における二つ折りの折り目に位置している。
一方、第1起立部34は、1枚の防漏カフシート30を折り曲げることなく該防漏カフシート30がそのままの状態で用いられている。
防漏カフシート30が横方向Yに二つに折られて二枚重ねとなった部位には、該シート30,30間に、糸状の複数本の弾性部材36が縦方向に伸縮可能な状態で横方向Yに並べて配されている。これによって第2起立部35が形成されている。弾性部材36が配された第2起立部35は縦方向に伸縮性を有している。弾性部材36は糸状が好ましいが、これに代えて帯状であってもよい。
起立部32は、吸収性物品1の少なくとも股下部に存在することが好ましい。吸収性物品1において***物が集中し漏れ出しが特に問題となる部位は股下部であるからである。起立部32は、股下部の縦方向の全長にわたり存在し、更に腹側部及び背側部の双方に延出していることが好ましい。
吸収性物品1の着用時には、防漏カフ3の第1起立部34及び第2起立部35が、第2起立部35に配された弾性部材36の収縮力によって、図2に示すとおり基端部31を起立基端として起立する。これによって、少なくとも股下部における吸収性本体2の肌対向面の縦方向に沿う両側部に、起立部32からなる防漏壁が形成される。この一対の防漏壁は、おむつ1の肌対向面に***された尿や便等の***物を堰き止め、***物がおむつ1の横方向Yの外方に漏れ出すことを防止する。特に図1及び図2に示す形態の防漏カフ3は、第2起立部35の自由端部32aが折り曲げ部33よりも横方向Yの外方に位置するように防漏カフシート30が折り曲げられて形成されていることから、吸収性物品1の着用状態において、第2起立部35の上面が着用者の肌に面で以て当接しやすく、そのことに起因して***物の漏れ出しが一層効果的に防止される。以下、図1及び図2に示す防漏カフシート30の折り曲げ態様のことを「外折り」ともいう。
外折りによって形成された第2起立部35を有する吸収性物品1においては、該吸収性物品1の展開且つ伸長状態において、股下部における、第2起立部35における横方向Yに沿う長さ35L(図1参照)の総和(すなわち35L+35L)が、横方向Yに沿う防漏カフ3,3間の距離39L(図1参照)に対して20%以上50%以下であることが好ましい(以下、この値を「第2起立部比率」ともいう。)。横方向Yに沿う防漏カフ3,3間の距離39Lは、離間部39の横方向Yの長さと一致する。
第2起立部比率を上述の範囲に設定することによって、外折りによって形成された第2起立部35を有する防漏カフ3が漏れ出し防止性能に一層優れたものとなる。詳細には、第2起立部比率を20%以上に設定することによって、第2起立部35の防漏機能、すなわち尿や便などの***物のブロック機能が向上し、***物が起立状態の防漏カフ3を乗り越えて横方向Yの外方に漏れ出しにくくなる。また、第2起立部比率を50%以下に設定することで、第2起立部35が、サイドフラップ部4の縦方向に沿う側縁を越えて吸収性物品1の外方にはみ出しにくくなり、それによって、防漏カフ3による防漏作用の低下を抑制できる。
以上の観点から、第2起立部比率は、25%以上47.5%以下であることが更に好ましく、30%以上45%以下であることが一層好ましい。
以上の説明から明らかなとおり、吸収性物品1において、第2起立部比率が上述した範囲を満たす部分は、少なくとも股下部に存在することが好ましい。股下部が最も漏れ出しが懸念される部位であるからである。
第2起立部比率が前記の範囲内にあることによる利点をより一層顕著なものとする観点から、吸収性物品1の各部の寸法等は以下のように設定することが好ましい。
吸収性物品1の展開且つ伸長状態における第2起立部35の平面視での横方向Yの長さ35Lは、好ましくは7.5mm以上、より好ましくは10mm以上、そして、好ましくは17.5mm以下、より好ましくは15mm以下である。なお、一対の防漏カフ3,3うちの一方の第2起立部35についての長さ35Lと他方のそれとは、典型的には同じであるが、異なっていてもよい。
吸収性物品1の展開且つ伸長状態における離間部39の平面視での横方向Yの長さ39Lは、好ましくは60mm以上、より好ましくは70mm以上、そして、好ましくは90mm以下、より好ましくは80mm以下である。
離間部39の長さ39Lは、離間部39の縦方向の全長にわたって一定であってもよく、あるいは縦方向において一定でなくてもよい。後者の場合、長さ39Lは前記の好ましい範囲内で縦方向において変化することが好ましい。
吸収性物品1において、第2起立部比率が上述した範囲を満たす部分は、少なくとも股下部に存在することが好ましい。股下部が最も漏れ出しが懸念される部位であるからである。最も好ましい形態は、一対の防漏カフ3,3(一対の起立部32,32)を横方向Yに横断する任意の1本の仮想直線VLを引いた場合に、第2起立部/離間部比率が20%以上50%以下の範囲にある形態である。すなわち、一対の防漏カフ3,3(一対の起立部32,32)及びそれらに挟まれた離間部39の全体が前記特定部分であることが最も好ましい。
図3には、防漏カフ3の別の実施形態が示されている。先に説明した図1及び図2に示す実施形態では、防漏カフ3はその一部に、防漏カフシート30が二枚重ねになっている部位を有していたのに対し、図3に示す防漏カフ3は、防漏カフシート30が二つ折りされて、防漏カフ3の全体が、二枚重ねになっている防漏カフシート30から形成されている。防漏カフ3をこのように構成することで、防漏カフ3の液抵抗性を一層高めることができる。
図3に示すとおり、防漏カフ3は、基端部31と自由端部32aとの間の位置において、二枚重ねになっている防漏カフシート30どうしが接合されてなる接合部37を有している。接合部37は、二枚重ねになっている防漏カフシート30どうしが、例えば熱融着や、接着剤による接着などの各種の接合手段によって接合されている部位である。接合部37は、吸収性物品1の縦方向に沿って延びている。例えば接合部37は、基端部31と平行に、吸収性物品1の縦方向に沿って直線状に延びるように形成することができる。防漏カフ3に接合部37を設けることで、防漏カフ3の起立性を高めることができる。この利点を一層顕著なものとする観点から、接合部37は、防漏カフ3の起立部32のうち、第1起立部34に形成されていることが好ましく、特に第1起立部34のうち、基端部31寄りの位置に形成されていることが好ましい。
図3に示すとおり、二枚重ねになっている防漏カフシート30から全体が形成されている防漏カフ3においては、接合部37と自由端部32aとの間において、二枚重ねになっている防漏カフシート30どうしが非接合状態になっている非接合部38を有していることが好ましい。防漏カフ3が非接合部38を有することで、該防漏カフ3の液抵抗性が一層向上し、***物に対する防漏カフ3の隠蔽性が一層高くなり、更に***物に対する防漏カフ3の滲み出し防止性が一層高くなるので好ましい。この利点を更に一層顕著なものとする観点から、非接合部38は、防漏カフ3の起立部32のうち、第1起立部34に形成されていることが好ましい。第2起立部35に関しては、非接合部位は形成されていてもよく、あるいは形成されていなくてもよい。弾性部材36を防漏カフシート30に確実に固定する観点からは、第2起立部35は非接合部を有していないことが好ましい。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記の実施形態に制限されない。例えば図1ないし図3に示す実施形態においては、防漏カフシートのうち、基端部31よりも横方向Yの外方に位置する部位は、裏面シート22と接合されてサイドフラップ部4を形成していたが、これに代えて、防漏カフシートのうち、基端部31よりも横方向Yの外方に位置する部位を、横方向Yの内方に向けて折り曲げて、裏面シート22と吸収体23との間に配置してもよい。
また、図3に示す実施形態では、防漏カフシート30を二つ折りして二枚重ねの防漏カフ3を形成したが、これに代えて、互いに異なる2種の防漏カフシートを重ね合わせることで、二枚重ねの防漏カフを形成してもよい。
更に、図3に示す実施形態では、防漏カフシート30を二つ折りし、対向する2枚の防漏カフシート30の間に弾性部材36が配置されて第2起立部35が形成されていたが、これに代えて、二枚重ねになっている防漏カフの自由端部32aの近傍の領域を折り返して対向させ、対向したシート間に弾性部材36を配置して第2起立部を形成してもよい。したがってこの実施形態においては、第2起立部は合計4枚の防漏カフシートから構成されることになる。
上述した実施形態に関し、本発明は更に以下の吸収性物品を開示する。
<1>
横方向の両側部域それぞれに縦方向に沿って延びる防漏カフを備え、
前記防漏カフは、不織布を少なくとも含む防漏カフ形成用シートから構成されており、
前記不織布の構成繊維はトリグリセリドを含み、
前記トリグリセリドが、
(a)炭素原子数16の脂肪酸に由来する基を一分子内に少なくとも含むトリグリセリドと、炭素原子数18の脂肪酸に由来する基を一分子内に少なくとも含むトリグリセリドとの混合物、又は
(b)炭素原子数16の脂肪酸に由来する基及び炭素原子数18の脂肪酸に由来する基を一分子内に少なくとも含むトリグリセリド、である吸収性物品。
<2>
Figure 0007431205000007
前記トリグリセリドが式(1)で表され、式(1)中のRからRのうちの少なくとも1つが、炭素原子数16以上22以下である脂肪酸に由来する基であり、好ましくは当該基が不飽和結合及び置換基を有さない炭化水素基である、前記<1>に記載の吸収性物品。
<3>
前記式(1)中のRからRが、不飽和結合及び置換基を有さない、前記<2>に記載の吸収性物品。
<4>
前記トリグリセリドが、
(a)炭素原子数16の脂肪酸に由来する基を一分子内に少なくとも含むトリグリセリドと、炭素原子数18の脂肪酸に由来する基を一分子内に少なくとも含むトリグリセリドとの混合物を含むトリグリセリドを含有する、前記<1>ないし<3>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<5>
すべてのトリグリセリドに含まれる脂肪酸に由来する基の総量に対して、炭素原子数16の脂肪酸に由来する基の割合が1質量%以上55質量%未満であり、
すべてのトリグリセリドに含まれる脂肪酸に由来する基の総量に対して、炭素原子数18の脂肪酸に由来する基の割合が5質量%以上75質量%未満である、前記<1>ないし<4>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<6>
すべてのトリグリセリドに含まれる脂肪酸に由来する基の総量に対して、炭素原子数16の脂肪酸に由来する基の割合が20質量%以上50質量%以下であり、炭素原子数18の脂肪酸に由来する基の割合が50質量%以上70質量%以下である、前記<5>に記載の吸収性物品。
<7>
前記不織布に対する前記トリグリセリドの配合量が、1質量%以上30質量%以下であり、好ましくは3質量%以上25質量%以下であり、更に好ましくは5質量%以上20質量%以下である、前記<1>ないし<6>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<8>
前記不織布の繊維に含まれる前記トリグリセリドが、すべてのトリグリセリドに含まれる脂肪酸に由来する基の総量に対して、1質量%以上55質量%未満であり、好ましくは10質量%以上50質量%以下であり、更に好ましくは20質量%以上50質量%以下であり、一層好ましくは25質量%以上45質量%以下が、炭素原子数16個の脂肪酸に由来する基である、前記<1>ないし<7>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<9>
前記不織布の繊維に含まれる前記トリグリセリドが、すべてのトリグリセリドに含まれる脂肪酸に由来する基の総量に対して、5質量%以上90質量%未満であり、好ましくは5質量%以上75質量%以下、更に好ましくは35質量%以上70質量%以下であり、一層好ましくは50質量%以上70質量%以下であり、更に一層好ましくは55質量%以上65質量%以下が、炭素原子数18個の脂肪酸に由来する基である、前記<1>ないし<8>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<10>
前記トリグリセリドが、水酸基を有する脂肪酸に由来する基を含まない、前記<1>ないし<9>に記載の吸収性物品。
<11>
前記防漏カフは、前記防漏カフ形成用シートが二枚重ねになっている部位を有する、前記<1>ないし<10>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<12>
前記防漏カフは、基端部と自由端部とを有し、更に該基端部と該自由端部との間の位置において、二枚重ねになっている前記防漏カフ形成用シートどうしが接合されてなる接合部を有する、前記<11>に記載の吸収性物品。
<13>
前記防漏カフは、前記自由端部と前記接合部との間に、二枚重ねになっている前記防漏カフ形成用シートどうしが非接合状態になっている部位を有する、前記<12>に記載の吸収性物品。
<14>
前記防漏カフは、前記基端部側に位置する第1起立部と、前記自由端部側に位置し且つ前記横方向の外方に延出する第2起立部とを有する、前記<12>又は<13>に記載の吸収性物品。
<15>
前記接合部が第1起立部に形成されている、前記<14>に記載の吸収性物品。
<16>
前記接合部が、第1起立部のうち、前記基端部寄りの位置に形成されている、前記<15>に記載の吸収性物品。
<17>
前記防漏カフが、前記基端部側に位置する第1起立部と、前記自由端部側に位置し且つ前記横方向の外方に延出する第2起立部とを有し、
前記非接合状態になっている部位が第1起立部に形成されている、前記<13>に記載の吸収性物品。
<18>
第2起立部が、二枚重ねになっている前記防漏カフ形成用シートどうしが非接合状態になっている部位を有していない、前記<12>ないし<17>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<19>
前記吸収性物品の展開且つ伸長状態において、股下部における、前記各第2起立部の前記横方向に沿う長さの総和が、前記横方向に沿う前記防漏カフ間の距離に対して20%以上50%以下である、前記<11>ないし<18>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<20>
前記吸収性物品の展開且つ伸長状態において、股下部における、前記各第2起立部の前記横方向に沿う長さの総和が、前記横方向に沿う前記防漏カフ間の距離に対して25%以上47.5%以下であり、好ましくは30%以上45%以下である、前記<19>に記載の吸収性物品。
<21>
前記防漏カフ形成用シートは、色差ΔE*abが38以下であり且つ色差係数が490以下である、前記<1>ないし<20>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<22>
前記色差ΔE*abが38以下であり、好ましくは35以下であり、更に好ましくは33以下である、前記<1>ないし<21>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<23>
前記色差係数が490以下であり、好ましくは450以下であり、更に好ましくは400以下である、前記<1>ないし<22>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<24>
前記不織布がメルトブローン不織布を含む、前記<1>ないし<23>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<25>
前記メルトブローン不織布の坪量が1g/m以上である、前記<24>に記載の吸収性物品。
<26>
前記メルトブローン不織布の坪量が、1g/m以上10g/m以下であり、好ましくは1.5g/m以上7g/m以下であり、更に好ましくは2g/m以上5g/m以下である、前記<25>に記載の吸収性物品。
<27>
前記メルトブローン不織布の構成繊維の繊維径が、0.1μm以上10μm以下であり、好ましくは0.3μm以上7μm以下であり、更に好ましくは0.5μm以上5μm以下である、前記<24>ないし<26>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<28>
前記不織布の全質量に対する前記メルトブローン不織布の質量比率が5質量%以上50質量%以下である、前記<24>ないし<27>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<29>
前記メルトブローン不織布が、ポリオレフィン繊維を含み、
前記ポリオレフィン繊維が、ランダムプロピレンコポリマー又は低立体規則性ホモポリプロピレンと、ホモポリプロピレンとを含む、前記<24>ないし<28>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<30>
前記ポリオレフィン繊維が、ランダムプロピレンコポリマーと、ホモポリプロピレンとを含む、前記<29>に記載の吸収性物品。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を意味する。
〔実施例1〕
図1及び図2に示す吸収性物品1と基本構成が同様である展開型使い捨ておむつを作製した。具体的には、展開型使い捨ておむつとして、花王株式会社製のメリーズテープタイプSサイズ(登録商標、2019年製)を用意し、当該おむつの防漏カフの各部の寸法等を適宜調整して、本実施例の展開型使い捨ておむつを作製した。当該おむつの防漏カフは、外折りによって形成された第2起立部35を有するものであった。
防漏カフシート30として、以下の表1に示す繊維径及び坪量を有するポリプロピレンのメルトブローン不織布と、同表に示す坪量を有するスパンボンド不織布とからなるSMS不織布を用いた。
メルトブローン不織布は、以下の方法で作製した。
(1)マスターバッチの製造
プロピレンのホモポリマー(Lyondelbasel製、HP461Y、以下「ホモPP」という。)と、ランダムプロピレンコポリマー(Exxonmobil製、Vistamaxx8880、以下「ランダムPP」という。)と、トリグリセリドとが質量比で63/27/10となるようにこれらを計量し、二軸押出機(東洋精機製)に投入して混練し、マスターバッチを作製した。なお、ランダムPPにおけるエチレンの割合は8%であった。
トリグリセリドとして、パーム極度硬化油(植田製油株式会社製)を用いた。このトリグリセリドにおいては、該トリグリセリドに含まれる脂肪酸に由来する基の総量に対して、C14の脂肪酸に由来する基の割合は1%、C16の脂肪酸に由来する基の割合は42%、C18の脂肪酸に由来する基の割合は57%であった。また、脂肪酸に由来する基は、不飽和結合及び置換基を有していなかった。
(2)メルトブローン不織布の製造
得られたマスターバッチを原料に、メルトブローン不織布を製造した。
得られたメルトブローン不織布の目付及び構成繊維の繊維径は表1に示すとおりであった。
得られたメルトブローン不織布の各面に、表1に示すスパンボンド不織布を重ね合わせ、SM不織布又はSMS不織布を得た。
(3)防漏カフの作製
得られたSM不織布又はSMS不織布を用いて、表1に示す坪量を有する防漏カフを作製した。
防漏カフ3における第2起立部35の長さ35L、離間部39の距離39L、及び第2起立部比率〔(35L+35L)/39L×100〕は表1に示すとおりとした。
〔実施例2及び3〕
実施例1において、防漏カフ3を構成する防漏カフシートのSMS不織布におけるメルトブローン不織布の坪量を表1に示す値に変更した。それ以外は実施例1と同様にして展開型使い捨ておむつを作製した。
〔実施例4〕
実施例1において、防漏カフ3として図3に示す実施形態のものを用いた。この防漏カフ3には、第1起立部34における基端部31寄りの位置に接合部37が形成されており、該接合部37と第2起立部35との間においてはSMS不織布は接着剤によって接合状態になっていた。また、SMS不織布におけるスパンボンド不織布及びメルトブローン不織布の坪量を表1に示すとおりとした。それら以外は実施例1と同様にして展開型使い捨ておむつを作製した。
〔実施例5〕
実施例1において、防漏カフとして図3に示す実施形態のものを用いた。この防漏カフには、第1起立部における基端部寄りの位置に接合部が形成されており、該接合部と第2起立部との間においてはSMS不織布は非接合状態になっていた。また、SMS不織布におけるスパンボンド不織布及びメルトブローン不織布の坪量を表1に示すとおりとした。それら以外は実施例1と同様にして展開型使い捨ておむつを作製した。
〔実施例6〕
実施例1において、防漏カフ3を構成する防漏カフシートのSMS不織布に用いたトリグリセリドの種類を大豆極度硬化油に変更した。このSMS不織布の繊維径は表1に示すとおりであった。
このトリグリセリドにおいては、該トリグリセリドに含まれる脂肪酸に由来する基の総量に対して、C16の脂肪酸に由来する基の割合は11%、C18の脂肪酸に由来する基の割合は88%、C20の脂肪酸に由来する基の割合は1%であった。また、脂肪酸に由来する基は、不飽和結合及び置換基を有していなかった。
以上の点以外は実施例1と同様にして展開型使い捨ておむつを作製した。
〔比較例1〕
実施例5において、SMS不織布におけるメルトブローン不織布にはトリグリセリドを添加しなかった。このSMS不織布の坪量及び繊維径は表1に示すとおりであった。それら以外は実施例5と同様にして展開型使い捨ておむつを作製した。
〔比較例2〕
本比較例においては、比較例1のおむつにおいて、防漏カフを内折りにして第2起立部を形成した。内折りによって形成された第2起立部を有する防漏カフとは、防漏カフシート30に折り曲げ部33を形成せず、防漏カフシート30を、基端部31を起点としておむつの横方向の内方に向けて倒伏させ、且つ、防漏カフシート30の縦方向の前後端部域を表面シートに接合することで形成された防漏カフのことである。
以上の点以外は比較例1と同様にして展開型使い捨ておむつを作製した。
〔比較例3〕
本比較例においては、比較例1のおむつにおいて、接合部37と第2起立部35との間のSMS不織布を接着剤によって接合状態とした。それ以外は比較例1と同様にして展開型使い捨ておむつを作製した。
〔評価〕
実施例及び比較例で得られたおむつについて、防漏カフからの擬似軟便の滲み出し時間を以下の方法で測定した。また、防漏カフからの擬似軟便の乗り越え阻止の程度を以下の方法で評価した。それらの結果を以下の表1に示す。
〔防漏カフからの擬似軟便の滲み出し時間〕
おむつを展開して表面シートを上方に向けた状態で平面に静置した。次いでおむつの横方向と水平方向との角度が40°になるようにおむつを傾けた。この状態で、防漏カフの内側に擬似軟便を10g注入した。注入後、擬似軟便が防漏カフの外側へ滲み出してくるまでの時間を計測した。計測時間は300秒までとした。
擬似軟便は、以下の方法で調製した。
胆汁酸塩(Oxoid製)をイオン交換水に溶解させ、胆汁酸塩1g/イオン交換水100mLの濃度に調整した胆汁酸溶液を得た。この胆汁酸溶液を用いて擬似軟便を調製した。擬似軟便の組成は以下のとおりとした。
〔擬似軟便の組成〕
・ベントナイト鹿1級(関東化学株式会社製)22.5%
・界面活性剤(ポイズ530、固形分40%、花王株式会社製)0.5%
・エマルゲン130K(0.03%水溶液、花王株式会社製)1.5%
・胆汁酸溶液75.5%
〔防漏カフからの擬似軟便の乗り越え阻止の程度〕
***ポイントを設けた人形におむつを装着させた。人形を仰向けした状態で水平に載置し、その状態から横向きになるように人形を90°傾けた。この横向きの状態で、前記の***ポイントに10gの擬似軟便を注入した。注入後すぐに防漏カフに3kPaの加圧を5秒間行った。この加圧によって擬似軟便が防漏カフを乗り越えて横方向の外側に漏れ出るか否かを目視観察した。前記評価を、各水準2セット行い、以下の基準で乗り越え阻止の程度を評価した。
A:2セットとも乗り越えていない。
B:1セットだけ乗り越えが観察される。
C:2セットとも乗り越えが観察される。
Figure 0007431205000008
表1に示す結果から明らかなとおり、各実施例のおむつにおいては、防漏カフから擬似軟便が滲み出しにくいことが分かる。これに対して防漏カフにトリグリセリドが含まれていない比較例1ないし3のおむつでは、実施例に比べて繊維径が細く、且つ坪量が高いにもかかわらず、防漏カフからの擬似軟便の滲み出しが起こりやすいことが分かる。
特に実施例4と実施例5の対比から明らかなとおり、トリグリセリドを添加した不織布を二つ折りし、その対向面どうしを非接合状態とした防漏カフを用いると、対向面どうしを接合状態にしたときと比較して、擬似軟便の滲み出しが一層抑制されることが分かる。一方、比較例1と3の結果から、トリグリセリドを添加していない場合では、不織布を二つ折りにし、その対向面どうしを非接合状態とした場合でも、擬似軟便の滲み出しの抑制に対する変化は僅かであることが分かる。この理由は、トリグリセリドを添加していない場合では、擬似軟便が防漏カフに対して容易に染み出してしまうため、非接合状態にした利点が十分発揮されないからである。
〔参考例1〕
本参考例では、防漏カフシートとして、以下の表2に示す繊維径及び坪量を有するポリプロピレンのスパンボンド-メルトブローン不織布を用いた。
不織布の構成繊維の表面にトリグリセリドを付着させた。トリグリセリドの付着は、トリグリセリドが溶解されてなる1.25%の溶液に不織布を5秒間浸漬させた後、該溶液から不織布を引き上げ、その後自然乾燥させることで行った。トリグリセリドを付着させた不織布におけるトリグリセリドの付着量は5.3%であった。トリグリセリドの付着量(%)は、(トリグリセリドの付着後の不織布の質量-トリグリセリドの付着前の不織布の質量)/トリグリセリドの付着後の不織布の質量×100の式から算出した。
このようにして得られた不織布について以下の方法で色差ΔE*ab及び色差係数を測定した。それらの結果を表2に示す。
日本電色工業株式会社製の簡易型分光色差計NF333を用いた。測定センサーを試料に当接させ、外光の影響を受けない状態で測定を行った。
初めに、前記色差計に付属の白色標準板についてL*値、a*値及びb*値を測定した。次に黒色台紙上に不織布を載置し、前記と同様にしてL*値、a*値及びb*値を測定した。
白色標準板と不織布との色差ΔE*abは、下記式に基づき算出した。
ΔE*ab=[(ΔL*)+(Δa*)+(Δb*)1/2
(式中、L*は明度を示し、a*及びb*は色度を示す。)
色差ΔE*abは、その値が小さいほど測定対象が白色に近く、隠蔽性が高いことを意味する。
測定は1サンプルについて異なる部位で計5回測定し、その平均値を各不織布における色差ΔE*abとした。
色差ΔE*abは不織布の坪量によって変わることから、不織布の坪量の影響を加味する指標として、下記式で算出される色差係数を導入した。
色差係数=ΔE*ab×坪量(g/m
色差係数は、その値が小さいほど、隠蔽性が高いことを意味する。
〔参考例2〕
参考例1において、トリグリセリドの1.0%溶液を用いた。不織布はスパンボンド-メルトブローン-スパンボンド不織布を用い、坪量及び付着量は表2に示すとおりである。それ以外は参考例1と同様にして不織布を得た。
〔比較参考例1及び2〕
本比較参考例では、参考例1及び2で用いた不織布にトリグリセリドを付着させなかった。この不織布について色差ΔE*ab及び色差係数を測定した。それらの結果を表2に示す。
〔比較参考例3〕
本比較参考例では参考例1において用いたトリグリセリドに代えて、フッ素系撥水剤であるアサヒガードAG-E082(AGC株式会社製)を不織布に付着させた。付着量は表2に示すとおりである。それ以外は参考例1と同様にして不織布を得た。この不織布について色差ΔE*ab及び色差係数を測定した。それらの結果を表2に示す。
〔比較参考例4〕
本比較参考例では参考例1において用いたトリグリセリドに代えて、パルミチン酸トリグリセリドを不織布に付着させた。付着量は表2に示すとおりである。それ以外は参考例1と同様にして不織布を得た。この不織布について色差ΔE*ab及び色差係数を測定した。それらの結果を表2に示す。
〔比較参考例5〕
本比較参考例では参考例1において用いたトリグリセリドに代えて、ステアリン酸トリグリセリドを不織布に付着させた。付着量は表2に示すとおりである。それ以外は参考例1と同様にして不織布を得た。この不織布について色差ΔE*ab及び色差係数を測定した。それらの結果を表2に示す。
Figure 0007431205000009
表2に示す結果から明らかなとおり、トリグリセリドとしてパーム極度硬化油を用いた参考例1では、パーム極度硬化油の結晶が細かく光をより乱反射することに起因してΔE*ab値が小さく、不織布の坪量が低くても高い隠蔽性を有することが分かる。また、トリグリセリドを付着させていない不織布は目付が高くなると色差係数が増加する傾向にあるところ(比較参考例1及び2)、パーム極度硬化油を付着させた参考例1及び2は不織布の坪量が高い場合であっても色差係数が低い(つまり坪量当たりの隠蔽性が高い)ことが分かる。
また、比較参考例3の結果から、乱反射が起きないフッ素系撥水剤を付着させた場合では、トリグリセリドを添加した参考例1と比較してΔE*ab値が大きく、隠蔽性に劣ることが分かる。
また、参考例1と比較参考例4、5の結果から、脂肪酸残基の炭素数が調整させたトリグリセリドではより乱反射が起きるため、ΔE*ab値が小さく、不織布の隠蔽性が高いことが分かる。
1 吸収性物品
2 吸収性本体
21 表面シート
22 裏面シート
23 吸収体
3 防漏カフ
30 防漏カフ形成用シート
31 基端部
32 起立部
32a 自由端部
33 折り曲げ部
34 第1起立部
35 第2起立部
36 弾性部材
37 接合部
38 非接合部
4 サイドフラップ部
41 レッグカフ
42 レッグカフ形成用弾性部材
Y 横方向

Claims (8)

  1. 横方向の両側部域それぞれに縦方向に沿って延び、基端部と起立部と該起立部の先端に位置する自由端部とを有する防漏カフを備え、
    前記防漏カフは、不織布を少なくとも含む防漏カフ形成用シートから構成されており、
    前記起立部の前記防漏カフ形成用シートは、前記縦方向に延びる折り曲げ部において折り曲げられており、
    前記起立部は、前記基端部から前記折り曲げ部にわたる第1起立部と、前記折り曲げ部から前記自由端部にわたり、第1起立部よりも着用者の肌側に近い側に位置する第2起立部とを含んで構成され、
    前記防漏カフは、二枚重ねになっている前記防漏カフ形成用シートから全体が形成されており
    前記基端部は、二枚重ねになっている前記防漏カフ形成用シートが、他の部材に固定されて形成されており、
    前記防漏カフは、二枚重ねになっている前記防漏カフ形成用シートどうしが接合されてなる接合部を第1起立部に1か所のみ有し、
    前記接合部が、第1起立部のうち、前記基端部寄りの位置に形成されており、
    前記防漏カフは、二枚重ねになっている前記防漏カフ形成用シートどうしが非接合状態になっている非接合部を第1起立部に有し、
    前記不織布の構成繊維はトリグリセリドを含み、
    前記トリグリセリドが、
    (a)炭素原子数16の脂肪酸に由来する基を一分子内に少なくとも含むトリグリセリドと、炭素原子数18の脂肪酸に由来する基を一分子内に少なくとも含むトリグリセリドとの混合物、又は
    (b)炭素原子数16の脂肪酸に由来する基及び炭素原子数18の脂肪酸に由来する基を一分子内に少なくとも含むトリグリセリド、
    である吸収性物品。
  2. 前記吸収性物品の展開且つ伸長状態において、第1起立部は、前記基端部から前記折り曲げ部に向かって前記横方向の内側に延び、第2起立部は、前記折り曲げ部から前記横方向の外側に延びている、請求項に記載の吸収性物品。
  3. 第2起立部が、二枚重ねになっている前記防漏カフ形成用シートどうしが非接合状態になっている部位を有していない、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 前記吸収性物品の展開且つ伸長状態において、股下部における、前記各第2起立部の前記横方向に沿う長さの総和が、前記横方向に沿う前記防漏カフ間の距離に対して20%以上50%以下である、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  5. 前記防漏カフ形成用シートは、色差ΔE*abが38以下であり且つ色差係数が490以下である、請求項1ないし4のいずれか一項記載の吸収性物品。
  6. 前記不織布がメルトブローン不織布を含む、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  7. 前記メルトブローン不織布が、ポリオレフィン繊維を含み、
    前記ポリオレフィン繊維が、ランダムプロピレンコポリマー又は低立体規則性ホモポリプロピレンと、ホモポリプロピレンとを含む、請求項に記載の吸収性物品。
  8. 前記ポリオレフィン繊維が、ランダムプロピレンコポリマーと、ホモポリプロピレンとを含む、請求項に記載の吸収性物品。
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