JP7422301B2 - 蛍光標識剤、光線力学治療剤およびフタロシアニン - Google Patents

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Description

本発明は、蛍光標識剤および光線力学治療剤と、それに用いられるフタロシアニンに関する。
バイオイメージングは、タンパク質や細胞、組織などを可視化する技術であり、生体内分子・細胞機能の解明や創薬の研究等、生物学、医学の研究領域で幅広く活用されている。 中でも蛍光バイオイメージング法は、現象の動的な観察、多色観察、高感度観察が可能なイメージング法である。さらに、近年では、蛍光バイオイメージング法は非侵襲的に診断可能なイメージング法として注目されており、患者への負担が少ない画像診断や手術中のリアルタイム診断など臨床現場における応用が期待されている。
蛍光バイオイメージング法は、主に標的部位に吸着、あるいは、標的部位でのみ発光する蛍光色素を用い、その蛍光色素に紫外~近赤外領域の光を照射した際に色素が発する蛍光を検出することにより、標的を可視化する方法である。
蛍光バイオイメージング用の色素(蛍光標識剤)の多くは、可視光領域に吸収を有するものであるが、可視光はエネルギーが強いため、光の照射によって色素が劣化し易いという問題があった。また、可視光領域に吸収や蛍光を示す色素は、色素に由来する蛍光だけではなく、生体の内在物質からの蛍光(自家蛍光)も検出されてしまうため、良好な画質が得られないという問題があった。加えて、可視光はヘモグロビンなどの身体を構成する物質によっても吸収されてしまうため、体内の深部まで光が到達せず、生体が生きている状態で血管や臓器を観察することは困難であるという問題があった。
これに対して、700~1800nmの波長領域は、生体の窓と呼ばれる生体透過性の高い領域と言われている。現在は、生体の第1光学窓と言われる波長650~900nmに蛍光を発するインドシアニングリーンが、蛍光バイオイメージングの蛍光標識剤として用いられている。しかし、インドシアニングリーンのようなシアニン色素を用いた蛍光標識剤は、耐光性が低いため、光の照射によって蛍光標識剤が劣化し易いという問題があった(非特許文献1、2)。
他の蛍光色素としては、フタロシアニン色素は、優れた光学特性、高い蛍光強度、高い耐光性を有する色素として知られている。例えば、特許文献1には、フタロシアニン色素を含む蛍光標識剤が開示されている。しかしながら、いずれも蛍光波長が700nm程度であり、蛍光イメージングにおいて自家蛍光の影響が大きく、良好な画質が得られないという問題があった。したがって、蛍光イメージングにおいて、鮮明で安定したイメージングを行うために、より長波長領域に蛍光を示し、高い蛍光強度や光安定性を有する蛍光標識剤が求められている。
一方、光線力学療法(Photodynamic therapy;PDT)は、ポルフィリン等の光感受性物質が腫瘍組織や腫瘍血管に特異的に集積する特性を利用し、光感受性物質が集積した腫瘍組織に特定波長の光線を照射し、一重項酸素を発生させ腫瘍細胞を選択的に破壊する低侵襲のがん治療法である(非特許文献3)。光感受性物質としては、一重項酸素発生能が求められている。保険適用となったPDTの光感受性物質として、Porfimer sodium(商品名 Photofrin、ファイザー社)やTalaporfin sodium(商品名 Laserphyrin、Meiji Seikaファルマ社)がある。
特開2016-65205号公報
会澤英樹、外3名、「診断試薬用シリカナノ粒子の開発」、古河電工時報、古河電気工業株式会社、平成20年3月、第121号、p.17 BIOINDUSTRY 第34巻、第1号、通算394号、2017年1月12日発行 シーエムシー出版、p.29 H.Isago,et al.,J.Porphyrins Phthalocyanines,17(2013)763-771
本発明が解決しようとする課題は、800nm以上の波長領域において、蛍光標識剤および光線力学治療剤に適した蛍光強度、耐光性、一重項酸素発生能に優れた特性を有するフタロシアニンを提供することである。
本発明者らは、前記諸問題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、上記課題を解決するための優れた特性を有するフタロシアニンを見出し、本発明をなしたものである。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)または一般式(2)で表されるフタロシアニンを含むことを特徴とする蛍光標識剤に関する。
一般式(1)

(式中、R~Rは、それぞれ独立に、置換または無置換の芳香族炭化水素環、置換または無置換の芳香族複素環を表す。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換または無置換の脂肪族炭化水素基、-P(=O)R、-C(=O)R、-S(=O)10、-SiR111213を表す。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換のアルコキシル基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基を表す。Rは、水素原子、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。R10は、水酸基、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。R11~R13は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。Y は、アニオンを表す。)
一般式(2)

(R14~R17は、それぞれ独立に、置換または無置換の芳香族炭化水素環、置換または無置換の芳香族複素環を表す。R18は、水素原子、置換または無置換の脂肪族炭化水素基、-P(=O)R1920、-C(=O)R21、-S(=O)22、-SiR232425を表す。R19及びR20は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換のアルコキシル基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基を表す。R21は、水素原子、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。R22は、水酸基、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。R23~R25は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。)
また、本発明は、下記一般式(1)または一般式(2)で表されるフタロシアニンを含むことを特徴とする光線力学治療剤に関する。
一般式(1)

(式中、R~Rは、それぞれ独立に、置換または無置換の芳香族炭化水素環、置換または無置換の芳香族複素環を表す。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換または無置換の脂肪族炭化水素基、-P(=O)R、-C(=O)R、-S(=O)10、-SiR111213を表す。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換のアルコキシル基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基を表す。Rは、水素原子、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。R10は、水酸基、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。R11~R13は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。Y は、アニオンを表す。)
一般式(2)

(R14~R17は、それぞれ独立に、置換または無置換の芳香族炭化水素環、置換または無置換の芳香族複素環を表す。R18は、水素原子、置換または無置換の脂肪族炭化水素基、-P(=O)R1920、-C(=O)R21、-S(=O)22、-SiR232425を表す。R19及びR20は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換のアルコキシル基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基を表す。R21は、水素原子、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。R22は、水酸基、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。R23~R25は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。)
また、本発明は、下記一般式(1)で表されるフタロシアニンに関する。
一般式(1)

(式中、R~Rは、それぞれ独立に、置換または無置換の芳香族炭化水素環、置換または無置換の芳香族複素環を表す。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換または無置換の脂肪族炭化水素基、-P(=O)R、-C(=O)R、-S(=O)10、-SiR111213を表す。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換のアルコキシル基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基を表す。Rは、水素原子、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。R10は、水酸基、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。R11~R13は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。Y は、アニオンを表す。)
また、本発明は、下記一般式(2)で表されるフタロシアニンに関する。
一般式(2)

(R14~R17は、それぞれ独立に、置換または無置換の芳香族炭化水素環、置換または無置換の芳香族複素環を表す。R18は、水素原子、置換または無置換の脂肪族炭化水素基、-P(=O)R1920、-C(=O)R21、-S(=O)22、-SiR232425を表す。R19及びR20は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換のアルコキシル基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基を表す。R21は、水素原子、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。R22は、水酸基、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。R23~R25は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。)
本発明によって、800nm以上の長波長の波長領域において、蛍光標識剤および光線力学治療剤に適した蛍光強度、耐光性、一重項酸素発生能に優れた特性を有するフタロシアニンを提供することが可能となった。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の蛍光標識剤や光線力学治療剤に用いられるフタロシアニンは、一般式(1)~(2)で表される構造を有する。以下、一般式(1)~(2)に共通する基について説明する。
まず、R~RとR14~R17に共通する芳香族炭化水素環および芳香族複素環について説明する。これらはいずれも一般式(1)または一般式(2)で示されたフタロシアニン環と縮合する環を意味する。ここで、芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環、ナフタレン環等挙げられる。
また、芳香族複素環としては、イミダゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環等が挙げられる。
~RおよびR14~R17は、蛍光強度の観点から好ましくはベンゼン環、イミダゾール環であり、より好ましくはイミダゾール環である。
次に、R~R13とR18~R25に共通する基について説明する。
脂肪族炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基等が挙げられる。ここで、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。アルキル基の炭素数は、1~18であることが好ましい。
また、シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロオクタデシル基等が挙げられる。シクロアルキル基の炭素数は、3~18であることが好ましい。
芳香族炭化水素基としては、単環、縮合環、環集合およびこれらの組合せからなる芳香族炭化水素基が挙げられる。
ここで、単環芳香族炭化水素基としては、フェニル基、o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基、2,4-キシリル基、p-クメニル基、メシチル基等が挙げられる。単環芳香族炭化水素基の炭素数は、6~18であることが好ましい。
また、縮合環芳香族炭化水素基としては、1-ナフチル基、2-ナフチル基、1-アントリル基、2-アントリル基、9-アントリル基、1-フェナンスリル基、9-フェナンスリル基、1-アセナフチル基等が挙げられる。縮合環芳香族炭化水素基の炭素数は、10~18であることが好ましい。
また、環集合芳香族炭化水素基としては、o-ビフェニリル基、m-ビフェニリル基、p-ビフェニリル基等が挙げられる。環集合芳香族炭化水素基の炭素数は、12~18であることが好ましい。
アルコキシル基としては、直鎖状または分岐鎖状のアルコキシル基が挙げられる。具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、tert-ブトキシ基、ネオペンチルオキシ基、2,3-ジメチル-3-ペンチルオキシ基、n-へキシルオキシ基、n-オクチルオキシ基、ステアリルオキシ基、2-エチルへキシルオキシ基等が挙げられる。アルコキシル基の炭素数は1~6の範囲内であることが好ましい。
アリールオキシ基としては、単環または縮合多環のアリールオキシ基が挙げられる。具体例としては、フェノキシ基、p-メチルフェノキシ基、ナフチルオキシ基、アンスリルオキシ基等が挙げられる。アリールオキシ基は、単環のアリールオキシ基が好ましい。また、炭素数6~12のアリールオキシ基が好ましい。
、RおよびR18は、保存安定性の観点から、好ましくは脂肪族炭化水素、-OP(=O)R1617、-OS(=O)19、または-OSiR202122である。
は、一価のアニオンであり、特に限定されないが、ハロゲンイオン、水酸化物イオン、非求核性アニオン等が挙げられる。非求核性アニオンとしては、BF 、PF 、B(C 、B(C 等が挙げられるが、安定性の点でPF が好ましい。
上記で説明した、芳香族炭化水素環、芳香族複素環、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、アルコキシル基、アリールオキシ基は、さらに他の置換基によって置換されていても良い。そのような置換基としては、前述の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環、アルコキシル基、アリ-ルオキシ基や、ハロゲン原子や、シリル基、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、スルホ基等が挙げられる。その他、構造中の一部が、エーテル基(エーテル結合)やカルボニルオキシ基(エステル結合)等の原子団に置換されていても良い。例えば、置換芳香族複素環としては、以下のようなものを挙げることができる。


本発明のフタロシアニンは、中心配位元素としてリンを有することが特徴である。中心金属としてリンが導入されると、フタロシアニンの最低空軌道(LUMO)の軌道エネルギーレベルが、他中心金属よりも下降し、フタロシアニンの最低空軌道(LUMO)エネルギー準位の差(エネルギーギャップ)が小さくなるため、吸収および蛍光波長が長波長化する。
一般式(1)で表されるフタロシアニンは、公知の方法で合成された一般式(3)で表される無金属フタロシアニンに、オキシハロゲン化リンを反応した後、アルコールまたは酸性化合物と反応させ、更に、アルカリ金属塩と反応させることにより合成できる。
原料であるフタロニトリル誘導体が非対称の構造である場合、得られるフタロシアニンは置換基の位置が異なる異性体の混合物として得られる。本明細書においては、異性体の構造のうち一例を示す。
一般式(3)
(式中、R~Rは、それぞれ独立に、置換または無置換の芳香族炭化水素環、置換または無置換の芳香族複素環を表す。)
オキシハロゲン化リンとしては、オキシ塩化リン、オキシ臭化リン等が挙げられる。オキシハロゲン化リンの使用量は、一般式(3)で表される無金属フタロシアニン1モルに対し、1倍モル~50倍モル、好ましくは5倍モル~30倍モルである。反応温度は0~120℃、好ましくは10~100℃である。反応時間は10分~48時間、好ましくは5時間~30時間である。反応においては、溶媒を使用することが好ましい。反応に使用される溶媒としては、ピリジン、キノリン、トリエチルアミン、ジメチルアセトアミド(DMAC)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルイミダゾリジノン(DMI)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等が挙げられる。溶媒の使用量は一般式(3)で表される無金属フタロシアニンの1~300倍容量、好ましくは10~150倍容量である。
アルコールまたは酸性化合物の使用量は、一般式(3)で表される無金属フタロシアニン1モルに対し、5倍モル~5000倍モル、好ましくは10倍モル~3000倍モルである。反応温度は0~65℃、好ましくは10~40℃である。 反応時間は5分~10時間、好ましくは15分~2時間である。反応においては、溶媒を使用することが好ましい。反応に使用される溶媒としてはクロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒、或いはベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒が挙げられる。溶媒の使用量は、一般式(3)で表される無金属フタロシアニンの1~300倍容量、好ましくは5~200倍容量である。アルカリ金属塩の使用量は一般式(3)で表される無金属フタロシアニン1モルに対し、1 倍モル~10倍モル、好ましくは1倍モル~5倍モルである。反応温度は0~100℃、好ましくは10~40℃である。 反応時間は5分~24時間、好ましくは1時間~15時間である。
一般式(1)で表されるフタロシアニンの具体的な構造を下記に挙げる。
Figure 0007422301000017
一般式(2)で表されるフタロシアニンは、公知の方法で合成された一般式(3)で表される無金属フタロシアニンに、オキシハロゲン化リンを反応した後、水と反応させることにより合成できる。その後、アルコールまたは酸性化合物と反応させることで、軸置換基を導入することができる。
オキシハロゲン化リンとしては、オキシ塩化リン、オキシ臭化リン等が挙げられる。オキシハロゲン化リンの使用量は、一般式(3)で表される無金属フタロシアニン1モルに対し、1倍モル~50倍モル、好ましくは5倍モル~30倍モルである。反応温度は0~120℃、好ましくは10~100℃である。反応時間は10分~48時間、好ましくは5時間~30時間である。反応においては、溶媒を使用することが好ましい。反応に使用される溶媒としては、ピリジン、キノリン、トリエチルアミン、ジメチルアセトアミド(DMAC)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルイミダゾリジノン(DMI)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等が挙げられる。溶媒の使用量は一般式(3)で表される無金属フタロシアニンの1~300倍容量、好ましくは10~150倍容量である。
水の使用量は、一般式(3)で表される無金属フタロシアニン1モルに対し、5倍モル~5000倍モル、好ましくは10倍モル~3000倍モルである。アルコールまたは酸性化合物の使用量は、一般式(3)で表される無金属フタロシアニン1モルに対し、5倍モル~5000倍モル、好ましくは10倍モル~3000倍モルである。反応温度は0~65℃、好ましくは10~40℃である。 反応時間は5分~10時間、好ましくは15分~2時間である。反応においては、溶媒を使用することが好ましい。反応に使用される溶媒としてはクロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒、或いはベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒が挙げられる。溶媒の使用量は、一般式(3)で表される無金属フタロシアニンの1~300倍容量、好ましくは5~200倍容量である。
一般式(2)で表されるフタロシアニンの具体的な構造を下記に挙げる。
(蛍光標識剤)
本発明の蛍光標識剤は、一般式(1)または一般式(2)で表されるフタロシアニンを含んでなることを特徴とする。本発明の蛍光標識剤の用途は特に限定されないが、例えば、タンパク質や生体内の低分子化合物を蛍光ラベルすることで、生体内での挙動を可視化することが挙げられる。これらの用途の場合、水中で蛍光標識剤が蛍光を発光する必要があるが、蛍光標識剤を水溶性とするか、水中に分散させることが好ましい。例えば、フタロシアニンにスルホン酸ナトリウム基やポリエチレングリコール基などを導入することにより水溶性とすることができる。また、両親媒性物質とフタロシアニンを含む粒子を水中に分散させた分散体として使用することができる。
さらに、標的選択性を持たせるために、フタロシアニンを含む粒子に、ターゲット分子に結合する物質を修飾することが好ましい。ターゲット分子に結合する物質としては、ターゲット分子と特異的に結合する一次抗体、その一次抗体に結合する二次抗体、アビジン、ビオチンあるいは糖鎖などが挙げられる。
(両親媒性物質)
水系で非水溶性の有機色素を使用する場合、両親媒性物質等で可溶化する方法が知られている。両親媒性物質とは、一つの分子内に親水基と疎水基を有する分子の総称であり、代表的なものとして界面活性剤やリン脂質等がある。両親媒性物質は一種類のみを使用してもよく、二種類以上を混合して使用してもよい。本実施形態に関わる両親媒性物質としては、特に限定されることはなく、本発明のフタロシアニンを可溶化することができればいかなるものでもよい。
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤等を挙げることができる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、Tween(登録商標)20、Tween(登録商標)40、Tween(登録商標)60、Tween(登録商標)80等のポリオキシエチレンソルビタン系脂肪酸エステル、Cremophor(登録商標)EL、Cremophor(登録商標)RH60等のポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、Solutol(登録商標)HS 15等の12-ヒドロキシステアリン酸-ポリエチレングリコールコポリマー、Triton(登録商標)X-100、Triton(登録商標)X-114等のオクチルフェノールエトキシレート等を挙げることができる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化セチルピリジニウム等のアルキルピリジニウム塩、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、塩化ポリ(N,N’-ジメチル-3,5-メチレンピペリジニウム)等のアルキル四級アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモリホニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリエチレングリコール-ポリアルキル、ポリエチレングリコール-ポリ乳酸、ポリエチレングリコール-ポリカプロラクトン、ポリエチレングリコール-ポリグリコール酸、ポリエチレングリコール-ポリ(ラクチド-グリコリド)等のブロック共重合体等を挙げることができる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホネート、デシルベンゼンスルホネート、ウンデシルベンゼンスルホネート、トリデシルベンゼンスルホネート、ノニルベンゼンスルホネート並びにこれらのナトリウム、カリウム及びアンモニウム塩等が挙げられる。
本発明における蛍光標識剤は、本発明のフタロシアニンを含有していれば、必要に応じてその他の成分を含有していてもよい。その他の成分としては、例えば、水や両親媒性物質等が挙げられる。
(蛍光標識剤の作製方法)
本発明における蛍光標識剤の作製方法は、特に限定されないが、例えば、本発明のフタロシアニンと両親媒性物質を有機溶媒中に溶解した後、有機溶媒を留去し、水に再溶解させる方法、あるいは本発明のフタロシアニンと両親媒性物質を有機溶媒に溶解した溶液に水を注入し、有機溶媒を留去する方法等を挙げることができる。
前者の方法では、有機溶媒の留去が容易であり、本発明のフタロシアニンと両親媒性物質の濃度も比較的容易に見積もることができるといった利点がある。有機溶媒の留去には、エバポレーター等による減圧留去装置が好適に用いられる。溶媒留去時の温度は、15℃から有機溶媒の沸点温度の範囲内で任意に設定することができる。水に再溶解させるときは、プロペラ撹拌機、タービン撹拌機、ボルテックスミキサー、撹拌子を用いたマグネティックスターラーによる撹拌、あるいは超音波照射装置による分散等が好適に用いられる。また、コロイドミル等を併用してもよい。
後者の方法では、ミセル粒子を均一に調製し易いといった利点がある。有機溶媒に溶解した溶液に水を注入するとき、溶液は撹拌あるいは超音波照射した状態とし、水を短時間で注入することが好ましい。撹拌は上記と同様の装置で行うことができる。水注入時の温度は、15℃から有機溶媒の沸点より5℃低い温度の範囲内で任意に設定することができる。有機溶媒の留去は、撹拌あるいは超音波照射した状態で常圧の下に留去する方法、あるいはエバポレーター等により減圧留去する方法が好ましい。溶媒留去時の温度は、15℃から有機溶媒の沸点温度の範囲内で任意に設定することができる。
上記の作製方法で使用される有機溶媒としては、ヘキサン、シクロへキサン、およびヘプタン等の炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、エタノール、メタノール等のアルコール類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチル-2-ピロリドン等の非プロトン性極性溶媒類、ピリジン誘導体等を挙げることができる。これらの溶媒は、単独で使用してもよく、混合して使用してもよい。また、上記方法にて作製した蛍光標識剤を透析にかけることで、有機溶媒を除去してもよい。
上記の作製方法で使用される水としては、イオン交換水、蒸留水、あるいは超純水を挙げることができる。細胞を扱う場合は、生理条件に近づけるために水に塩を加えた生理食塩水、さらにリン酸緩衝剤を加えたリン酸緩衝生理食塩水等を好適に用いることができる。
(光線力学治療剤)
本発明の光線力学治療剤は、腫瘍、皮膚疾患、眼疾患、加齢黄斑変性等の光線力学治療用として好適であり、本発明のフタロシアニンを有効成分として含有する。光線力学治療剤は、カテーテル、静脈内、筋肉内注射等により投与でき、またその他非経口的な経路で投与できる。また、クリーム状の薬剤組成物としてもよく、これにより経皮的にも投与できる。その他、体内の深部の腫瘍組織へ直接に局所注入できる。
また、光線力学治療剤は、本発明のフタロシアニンを含有していれば、必要に応じてその他成分を含有していてもよい。その他成分としては、例えば、賦形剤が挙げられる。
賦形剤としては、例えば、固形物として、乳糖、カオリン、ショ糖、結晶セルロース、コーンスターチ、タルク、寒天、ペクチン、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、レシチン、および、塩化ナトリウム等が挙げられる。液状物として、グリセリン、落花生油、エタノール、ベンジルアルコール、プロピレングリコール等が挙げられる。
光線力学治療剤は、賦形剤以外にも、必要に応じて、基材、界面活性剤、保存剤、乳化剤、着色剤、矯臭剤、香料、安定剤、防腐剤、酸化防止剤、潤沢剤、抗菌剤、溶解補助剤、懸濁剤、結合剤、崩壊剤等を含有してもよい。
光線力学治療剤の使用形態としては、特に制限されず、例えば、錠剤、散財、顆粒剤、カプセル剤、トローチ剤、シロップ剤、乳液、軟ゼラチンカプセル、ゲル、ペースト、注射用製剤、クリーム、ジェル、ローション、貼付剤等の使用形態が挙げられる。
注射用製剤として調製する場合、本発明のフタロシアニンを含む水溶液もしくは分散体等の形に製剤化できる。液体担体としては、例えば、水、生理食塩水、エタノール、含水エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、植物油等が好ましい。
光線力学治療剤には、本発明のフタロシアニンとともに、ラクトース、スクロース、第二リン酸カルシウム、カルボキシメチルセルロース等の希釈剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク等の滑剤、デンプン、グルコース、糖蜜、ポリビニルピロリドン、セルロースおよびこれらの誘導体等の結合剤を含み得る。
本実施形態における一製剤当たりの有効成分の含量は、治療すべき対象や用法によって適宜とすることができる。
腫瘍の治療には、光線力学治療剤を投与した後、治療すべき部位に、本発明のフタロシアニンの吸収帯を含む光線を照射する。具体的には、600nm以上の光線照射により一重項酸素を発生して、目的の細胞毒性を発揮することができるが、好ましくは最大吸収波長の光の割合が高い光線を照射することである。
照射光源としては、LED(Light Emitting Diode)、レーザー、ハロゲンランプ等が用いられる。レーザーとしては、色素レーザー、半導体レーザー、アルゴンレーザー等、フタロシアニンの光励起に必要な波長の光線が得られるものであればよい。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例中「部」とは、「質量部」を表す。
<フタロニトリル誘導体1の製造方法>
4,5-ジアミノフタロニトリル5部をアセトニトリル480部に溶解させ、ベンズアルデヒド3.4部を添加後、30%過酸化水素水25部と濃塩酸10.9部を続けて添加した。25℃で2時間撹拌した後、水500部に炭酸水素ナトリウム11.9部を溶解した水溶液を添加し、析出した固体をろ取し、水100部で洗浄を行った。80℃で乾燥させ、収率80.4%で6.2部の表3に示すフタロニトリル誘導体1を得た。
<フタロニトリル誘導体2~51の製造方法>
フタロニトリル誘導体1の製造方法で使用したベンズアルデヒドを、表3に示すアルデヒド類に変更した以外は、フタロニトリル誘導体1の製造と同様にして、表3に示すフタロニトリル誘導体2~51をそれぞれ製造した。尚、アルデヒド類は、フタロニトリル誘導体1の製造におけるベンズアルデヒドと同モル量使用した。
<フタロニトリル誘導体52の製造方法>
4,5-ジアミノフタロニトリル1.5部と1,1’-カルボニルジイミダゾール2部、アセトニトリル8部を混合し、90℃で5時間撹拌した。反応液を25℃に冷却後、析出している固体をろ取し、水50部で洗浄を行った。80℃で乾燥させ、収率90%で1.6部の表4に示すフタロニトリル誘導体52を得た。
<フタロシアニン前駆体1の製造方法>
脱水ジメチルアセトアミド90部に水素化ナトリウム(パラフィン含有、純度60%)1.1部を添加し、25℃で15分間撹拌した。次に、フタロニトリル誘導体1を6部と脱水ジメチルアセトアミド10部の混合物を5℃で添加し、さらにヨウ化エチル7部を添加して、80℃で6時間撹拌を行った。その後、反応物を25℃まで冷却し、水を500部添加し、析出した固体をろ過後、水300部で洗浄を行った。80℃で乾燥し、収率90%で6部の表5に示すフタロシアニン前駆体1を得た。
<フタロシアニン前駆体2~51の製造方法>
フタロシアニン前駆体1の製造で使用したフタロニトリル誘導体1とヨウ化エチルを、表5に示すフタロニトリル誘導体とハロゲン類にそれぞれ変更した以外は、フタロシアニン前駆体1と同様にして、表5に示すフタロニトリル前駆体2~51をそれぞれ製造した。尚、表5のフタロニトリル誘導体とハロゲン類は、フタロシアニン前駆体1の製造におけるフタロニトリル誘導体1とヨウ化エチルと同モル量使用した。
<フタロシアニン前駆体52の製造方法>
脱水ジメチルアセトアミド14部に水素化ナトリウム(パラフィン含有、純度60%)0.7部を添加し、25℃で15分間撹拌した。次に、フタロニトリル誘導体52を1.5部と脱水ジメチルアセトアミド9部の混合物を5℃で添加し、さらにヨウ化メチル2.7部を添加して、80℃で6時間撹拌を行った。その後、反応物を25℃まで冷却し、水を100部添加し、析出した固体をろ過後、100部の水で洗浄を行った。80℃で乾燥し、収率92%で1.8部の表6に示すフタロシアニン前駆体52を得た。
<フタロシアニン前駆体53~63の製造方法>
フタロシアニン前駆体52の製造で使用したヨウ化メチルを、表6に示すハロゲン類にそれぞれ変更した以外は、フタロシアニン前駆体52と同様にして、表6に示すフタロニトリル前駆体53~63をそれぞれ製造した。尚、表6のハロゲン類は、フタロシアニン前駆体52の製造におけるヨウ化メチルと同モル量使用した。
<無金属フタロシアニン1の製造方法>
窒素雰囲気下、1-ペンタノール12部に表7に示すフタロシアニン前駆体64を1部溶解させ、ジアザビシクロウンデセンを0.6部添加し、130℃で10時間攪拌を行った。次に、反応物を25℃まで冷却し、メタノール45部を加え、25℃で3時間攪拌した後、析出した固体をろ過により取り出し、メタノール45部で洗浄を行った。60℃で乾燥し、収率15%で0.6部の表7に示す無金属フタロシアニン1を得た。
<無金属フタロシアニン2~100の製造方法>
無金属フタロシアニン1の製造で使用したフタロシアニン前駆体64を、表7に示すフタロシアニン前駆体に変更した以外は、無金属フタロシアニン1と同様にして、表7に示す無金属フタロシアニン2~100をそれぞれ製造した。尚、表7のフタロシアニン前駆体は、無金属フタロシアニン1の製造におけるフタロシアニン前駆体64と同モル量使用した。

[実施例1]
<リンフタロシアニン塩1の製造方法>
窒素雰囲気下、ピリジン60部に無金属フタロシアニン1を1部溶解させ、リン酸オキシブロミド5部を添加後、25℃で24時間攪拌を行った。次に、エバポレーターを用いてピリジンを除去し、メタノール60部とジクロロメタン60部を添加し、25℃で1時間攪拌した。その後、ヘキサフルオロリン酸カリウムを1部添加し、25℃で12時間攪拌した。ジクロロメタンとヘキサンを用いて再結晶を行い、収率71%で0.8部の表1に示すリンフタロシアニン塩1を得た。得られたリンフタロシアニン塩1の構造は、マススペクトル(ブルカーダルトニクス社製、AutoflexII)によって同定した。マススペクトルでは、m/z(positive)=951.27(理論値950.19)、m/z(negative)=143.98(理論値144.96)に分子イオンピークが検出され、表1に記載したリンフタロシアニン塩1の構造を有することを確認した。
[実施例2~17]
<リンフタロシアニン塩2~17の製造方法>
実施例1で使用した無金属フタロシアニン1、メタノール、およびヘキサフルオロリン酸カリウムを、それぞれ表8に示す、無金属フタロシアニン、アルコール、アルカリ金属塩に変更した以外は、実施例1と同様にして、表1に示すリンフタロシアニン塩2~17をそれぞれ製造した。尚、表8の無金属フタロシアニン、アルコール、アルカリ金属塩は、実施例1における無金属フタロシアニン1、メタノール、ヘキサフルオロリン酸カリウムと同モル量使用した。得られたリンフタロシアニン塩2~17の構造は、マススペクトルによって同定し、表1に示した構造を有することが確認された。表9にマススペクトルの分析結果を示す。
[実施例18]
<リンフタロシアニン塩18の製造方法>
窒素雰囲気下、ピリジン60部に無金属フタロシアニン18を1部溶解させ、リン酸オキシブロミド6部を添加後、25℃で24時間攪拌を行った。次に、エバポレーターを用いてピリジンを除去し、ジメチルスルホキシド60部に溶解させ、ジメチルリン酸1部を添加後、90℃で6時間反応を行った。その後、反応物を25℃まで冷却し、水250部を添加し、析出した固体をろ過後、水200部で洗浄を行った。その後、ヨウ化ナトリウムを1部添加し、25℃で12時間攪拌した。ジクロロメタンとヘキサンを用いて再結晶を行い、収率45%で0.8部の表1に示すリンフタロシアニン塩18を得た。得られたリンフタロシアニン塩18の構造は、マススペクトル(ブルカーダルトニクス社製、AutoflexII)によって同定した。マススペクトルでは、m/z(positive)=1241.21(理論値1240.13)、m/z(negative)=125.87(理論値126.91)に分子イオンピークが検出され、表1に記載したリンフタロシアニン塩18の構造を有することを確認した。
[実施例19~100]
<リンフタロシアニン塩19~100の製造方法>
実施例18で使用した無金属フタロシアニン18、ジメチルリン酸、ヨウ化ナトリウムを、それぞれ表8に示す、無金属フタロシアニン、酸性化合物、アルカリ金属塩に変更した以外は、実施例18と同様にして、表1に示すリンフタロシアニン塩19~100をそれぞれ製造した。尚、表8の無金属フタロシアニン、酸性化合物、アルカリ金属塩は、実施例18における無金属フタロシアニン18、ジメチルリン酸、ヨウ化ナトリウムと同モル量使用した。得られたリンフタロシアニン塩19~100の構造は、マススペクトルによって同定し、表1に示した構造を有することが確認された。表9にマススペクトルの分析結果を示す。表9中の「-」は、アニオンの分子量が小さく未検出であったことを示す。

[実施例101]
<リンフタロシアニン1の製造方法>
窒素雰囲気下、ピリジン60部に無金属フタロシアニン1を1部溶解させ、リン酸オキシブロミド5部を添加後、80℃で1時間攪拌を行った。次に、反応物を25℃まで冷却し、水200部を添加し、析出した固体をろ過後、水200部で洗浄を行った。その後、イオン交換水を200部添加し、2時間攪拌を行った。ろ過後、80℃で乾燥し、収率64%で0.7部の表2に示すリンフタロシアニン1を得た。得られたリンフタロシアニン1の構造は、マススペクトル(ブルカーダルトニクス社製、AutoflexII)によって同定した。マススペクトルでは、m/z(positive)=950.26(理論値143.45)に分子イオンピークが検出され、表2に記載したリンフタロシアニン1の構造を有することを確認した。
[実施例102~105]
<リンフタロシアニン2~5の製造方法>
実施例101で使用した無金属フタロシアニン1とイオン交換水を、表10に示す、アルコールに変更した以外は、実施例101と同様に製造して、表2に示すリンフタロシアニン2~5を得た。尚、それぞれ表10に示す、無金属フタロシアニン1とアルコールは、実施例101におけるイオン交換水と同モル量使用した。得られたリンフタロシアニン2~5の構造は、マススペクトルによって同定し、表2に示した構造を有することが確認された。表11にマススペクトルの分析結果を示す。
[実施例106]
<リンフタロシアニン6の製造方法>
窒素雰囲気下、ピリジン60部に無金属フタロシアニン17を1部溶解させ、リン酸オキシブロミド5部を添加後、80℃で1時間攪拌を行った。次に、反応物を25℃まで冷却し、水200部を添加し、析出した固体をろ過後、水200部で洗浄を行った。ジメチルスルホキシド60部に溶解させ、ジエチルホスフィン1部を添加後、90℃で6時間反応を行った。その後、反応物を25℃まで冷却し、水200部を添加し、析出した固体をろ過後、水200部で洗浄を行った。80℃で乾燥し、収率60%で0.7部の表2に示すリンフタロシアニン6を得た。得られたリンフタロシアニン6の構造は、マススペクトル(ブルカーダルトニクス社製、AutoflexII)、 によって同定した。マススペクトルでは、m/z(positive)=1346.08(理論値1345.01)に分子イオンピークが検出され、表2に記載したリンフタロシアニン6の構造を有することを確認した。
[実施例107~119]
<リンフタロシアニン7~19の製造方法>
実施例106で使用した無金属フタロシアニン17とジエチルホスフィンを、表10に示す、無金属フタロシアニンと酸性化合物に変更した以外は、実施例106と同様に製造して、表2に示すリンフタロシアニン7~19を得た。尚、それぞれ表10に示す、無金属フタロシアニンと酸性化合物は、実施例106における無金属フタロシアニン17とジエチルホスフィンと同モル量使用した。得られたリンフタロシアニン7~19の構造は、マススペクトルによって同定し、表2に示した構造を有することが確認された。表11にマススペクトルの分析結果を示す。

[実施例120]
<分散体K-1の作製>
リンフタロシアニン塩1を1部、両親媒性物質としてポリエチレングリコール(PEG)・ポリカプロラクトン(PCL)ブロック共重合体(シグマアルドリッチ社製、PEG分子量5000、PCL分子量5000)2631部をアセトン3381部に溶解した。得られたアセトン溶液を25℃で撹拌下、水23684部を滴下した。さらに、25℃で12時間撹拌することでアセトンを留去した後、0.45μmナイロン製メンブレンフィルターで濾過して、フタロシアニン塩1がPEG-PCLミセル内に可溶化された分散体を作製した。
[実施例121~238]
<分散体K-2~119の作製>
分散体K-1の作製で使用したリンフタロシアニン塩1を表12に示すリンフタロシアニン塩またはリンフタロシアニンに変更した以外は、分散体K-1の作製と同様にして、分散体K-2~119をそれぞれ作製した。尚、表12のリンフタロシアニン塩またはリンフタロシアニンは、分散体K-1の作製におけるリンフタロシアニン塩1と同モル量使用した。
[比較例1]
<分散体120の作製>
分散体K-1の作製で使用したリンフタロシアニン塩1をインドシアニングリーンに変更した以外は、分散体K-1の作製と同様にして、分散体K-120を作製した。インドシアニングリーンは、リンフタロシアニン塩1と同モル量使用した。
[比較例2]
<分散体121の作製>
分散体K-1の作製で使用したリンフタロシアニン塩1をリンフタロシアニン塩101に変更した以外は、分散体K-1の作製と同様にして、分散体K-121を作製した。リンフタロシアニン塩101は、リンフタロシアニン塩1と同モル量使用した。
リンフタロシアニン塩101
[比較例3]
<水溶液1の作製>
インドシアニングリーン(東京化成製)1部を水32部に溶解させ、20倍希釈することで水溶液1を調整した。
<蛍光強度評価>
各々の分散体について、蛍光光度計(日本分光株式会社製、FP-6500)を用いて蛍光スペクトルを測定し、蛍光波長700~900nmの範囲内での最大蛍光強度を求めた。各励起波長は表12に示す。比較例1の分散体の最大蛍光強度を1とした時の、各々の分散体または水溶液の蛍光強度の相対値を算出し、下記の基準に基づいて評価した。蛍光強度の相対値が4以上である場合、各リンフタロシアニン塩及びリンフタロシアニンは蛍光標識剤としての特性が良好であるといえる。結果を表12に示す。
△:蛍光強度1以上、4未満(不良)
〇:蛍光強度4以上、8未満(良好)
◎:蛍光強度8以上(極めて良好)
<耐光性評価>
各々の分散体または水溶液について、蛍光測定時の励起波長の光を、蛍光光度計(日本分光株式会社製、FP-6500)を用いて2時間照射し、励起光の照射前後の吸収スペクトルを分光光度計(株式会社日立ハイテクノロジーズ社製、U-4100)を用いてそれぞれ測定した。光照射前の最大吸収波長の吸光度をI、光照射後の最大吸収波長の吸光度をIを記録し、I/I値を耐光性の指標とした。結果を表12に示す。

◎:I/Iが0.9以上(優良)
〇:I/Iが0.8以上0.9未満(良好)
×:I/Iが0.8未満(不良)
<細胞の視認性評価>
HeLa細胞を96ウェルプレートに播種(5×10cell/well)し、10%Fetal Bovine Serum(FBS)および1%ペニシリン―ストレプトマイシンを含ませたMinimum Essential Media(MEM)を用いて、インキュベーター(37℃、5%CO含有Air、加湿環境)内で24時間培養した。その後、培地を取り除き、作製した各分散体または水溶液を水で10倍希釈したものを添加し、インキュベーター内に24時間静置した後、リン酸緩衝食塩水(PBS)で洗浄した。適切な波長の励起フィルターおよび蛍光フィルターを設置した蛍光顕微鏡(キーエンス社製、BZ-X800)を用いて、細胞の暗視野像と蛍光像を観察した。細胞の像が、明瞭に観察されれば良好であり、不明瞭であれば不良である。結果を表12に示す。
本発明のリンフタロシアニン塩及びリンフタロシアニンを用いて作製した分散体K-1~119(実施例120~238)は、分散体K-120(比較例1)、水溶液1(比較例3)よりも蛍光強度、耐光性が良好であった。さらに、これらが向上したことで細胞の視認性も明瞭であった。また、本発明のリンフタロシアニン塩及びリンフタロシアニンを用いて作製した分散体K-1~119(実施例120~238)は、分散体K-121よりも細胞の視認性が明瞭であった。蛍光波長が長波長化したことにより、自家蛍光の影響が少なくなったためである。
このことから、本発明のフタロシアニンは、優れた蛍光標識剤としての特性を有することが明らかとなった。
[実施例239~360]
<一重項酸素発生量の評価>
各々のリンフタロシアニン塩とリンフタロシアニンについて、光線力学治療剤の基本特性である一重項酸素発生量について評価を実施した。評価は、J.Am.Chem.Soc.,2017,139,13713-13719に記載されている方法を基にした。すなわち、フタロシアニンへの光照射により発生した一重項酸素が、3-Diphenylisobenzofuran(DPBF)と反応し、DPBFが消失する際の吸光度変化により一重項酸素発生能を評価した。500mlのN-メチル―2-ピロリドン(NMP)に2滴の水を入れ均一にし、このNMP溶液を用いて各々のフタロシアニンの濃度2.00×10-5MのNMP溶液とDPBFの濃度2.00×10-4MのNMP溶液をそれぞれ作製した。吸収スペクトルの測定直前に両者を同量(体積)混合し、その吸収スペクトルを分光光度計(株式会社日立ハイテクノロジーズ社製、U-4100)を用いて測定した。次に、蛍光光度計(日本分光株式会社製、FP-6500)に吸収スペクトルを測定した石英セルを入れ、表13に示した励起波長の光を3分30秒間照射し、光照射後の吸収スペクトルを分光光度計にて測定した。光照射前後のDPBFの吸光度の変化より発生した一重項酸素濃度(O)を算出した。また、リファレンスとしてローズベンガルの一重項酸素濃度(O)を測定した(励起波長として554nmの光を使用)。そして、OをOで割った値(O/O)を一重項酸素発生能とした。また、The Journal of Japan Society for Laser Surgery and Medicine,2017,28,122-128に記載されているインドシアニングリーンとPDTの光感受性物質Laserphyrinの一重項発生量と上記のインドシアニングリーンを用いた測定結果(励起波長として680nmの光を使用)からPDTの光感受性物質Laserphyrinの一重項発生能を算出し、本発明のフタロシアニンの一重項発生能と比較を行った。

△:一重項酸素発生能0.3未満(不良)
〇:一重項酸素発生能0.3以上、0.5未満(良好)
◎:一重項酸素発生能0.5以上(極めて良好)
以下、表13にその結果を示す。
本発明のリンフタロシアニン塩1~100(実施例239~338)とリンフタロシアニン1~19(実施例339~357)は、文献値より算出したLaserphyrinの一重項酸素発生能より高い一重項酸素発生能を有することが認められた。このことから、本発明のフタロシアニンは、優れた光線力学治療剤としての特性を有することが明らかとなった。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)または一般式(2)で表されるフタロシアニンを含むことを特徴とする蛍光標識剤。

    一般式(1)

    (式中、R~Rは、それぞれ独立に、置換または無置換の芳香族炭化水素環、置換または無置換の芳香族複素環を表す。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換または無置換の脂肪族炭化水素基、-P(=O)R、-C(=O)R、-S(=O)10、-SiR111213を表す。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換のアルコキシル基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基を表す。Rは、水素原子、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。R10は、水酸基、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。R11~R13は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。Y は、アニオンを表す。)

    一般式(2)

    (R14~R17は、それぞれ独立に、置換または無置換の芳香族炭化水素環、置換または無置換の芳香族複素環を表す。R18は、水素原子、置換または無置換の脂肪族炭化水素基、-P(=O)R1920、-C(=O)R21、-S(=O)22、-SiR232425を表す。R19及びR20は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換のアルコキシル基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基を表す。R21は、水素原子、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。R22は、水酸基、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。R23~R25は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。)
  2. 下記一般式(1)または一般式(2)で表されるフタロシアニンを含むことを特徴とする光線力学治療剤。

    一般式(1)

    (式中、R~Rは、それぞれ独立に、置換または無置換の芳香族炭化水素環、置換または無置換の芳香族複素環を表す。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換または無置換の脂肪族炭化水素基、-P(=O)R、-C(=O)R、-S(=O)10、-SiR111213を表す。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換のアルコキシル基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基を表す。Rは、水素原子、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。R10は、水酸基、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。R11~R13は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。Y は、アニオンを表す。)

    一般式(2)

    (R14~R17は、それぞれ独立に、置換または無置換の芳香族炭化水素環、置換または無置換の芳香族複素環を表す。R18は、水素原子、置換または無置換の脂肪族炭化水素基、-P(=O)R1920、-C(=O)R21、-S(=O)22、-SiR232425を表す。R19及びR20は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換のアルコキシル基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基を表す。R21は、水素原子、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。R22は、水酸基、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。R23~R25は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。)
  3. 下記一般式(1)で表されるフタロシアニン。

    一般式(1)

    (式中、R~Rは、それぞれ独立に、置換または無置換の芳香族炭化水素環、置換または無置換の芳香族複素環を表す。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換または無置換の脂肪族炭化水素基、-P(=O)R、-C(=O)R、-S(=O)10、-SiR111213を表す。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換のアルコキシル基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基を表す。Rは、水素原子、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。R10は、水酸基、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。R11~R13は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。Y は、アニオンを表す。)
  4. 下記一般式(2)で表されるフタロシアニン。

    一般式(2)

    (R14~R17は、それぞれ独立に、置換または無置換の芳香族炭化水素環、置換または無置換の芳香族複素環を表す。R18は、水素原子、置換または無置換の脂肪族炭化水素基、-P(=O)R1920、-C(=O)R21、-S(=O)22、-SiR232425を表す。R19及びR20は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換のアルコキシル基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基を表す。R21は、水素原子、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。R22は、水酸基、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。R23~R25は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。)

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