JP7421975B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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Description

本発明は腹漏れを防止する効果が高い吸収性物品に関する。特に、男性の着用者に適しており、陰茎巻きをすることが可能なパンツタイプの使い捨ておむつに関する。
吸収性物品の着用者から排出された体液(尿、下痢便、経血など。以下同じ)を吸収体で吸収しきれないことがあり、吸収されなかった体液が腹側から漏れ出てしまうことがある。このような現象を「腹漏れ」という。
従来は、この腹漏れを防ぐために、吸収性物品の内部に腹漏れ防止用のパッドを挿入したり、着用者が男性の場合にその着用者の陰茎周りに汎用のパッドを巻き付けたりしている。
しかしながら、前述の各パッドを用いる場合、就寝時に寝返りを頻繁に打ったり、着用者が比較的活発に活動すると、パッドがずれて、腹漏れの生じるおそれがあった。
本発明に関連する先行技術として、下記の特許文献1~3が開示されている。
特許文献1に係る男性用使い捨て吸収性物品は、吸収本体の表面側に、幅方向に伸縮可能な伸縮帯を有しており、この伸縮帯は伸縮自由部を有している。この伸縮自由部は吸収本体に接合されていないため、吸収本体と伸縮自由部との間に男性器を挿入可能となっている。
特許文献2に係る男性用パンツ型吸収性物品は、平面視における、吸収性パッドおよび吸収体の形状が、ともに、前方向端部から後方向端部にかけて幅方向の寸法が漸減する略凧型形状をなし、前記吸収性パッドと吸収体とが、それぞれの幅方向中央にて、前後方向中央にて、前後方向に細長く伸びる接着領域で接合されている。
特許文献3に係る成人男性用使い捨ておむつは、肌対向面側部材と、肌非対向面側部材と、両部材の間に挟着されている吸収体を備え、肌非対向面側部材は最表面にカバーシートを有し、吸収体の股間部当接領域に重畳するカバーシートには、1つ以上の折目構造が形成されている。
以上のように、男性用使い捨ておむつとして様々なものが開示されているが、着用者の陰茎の大きさに合わせて吸収体をフィットさせるものでないため、腹漏れを防止する効果が高いものではない。
特開2015-054136号公報 特開2019-208698号公報 特開2018-192009号公報
そこで本発明の主たる課題は、腹漏れ防止効果が高い吸収性物品を提供することにある。
上記課題を解決した吸収性物品は以下のとおりである。
<第1の態様>
前身頃および後ろ身頃を有する外装体と、
前記外装体の内面に前身頃から後ろ身頃にわたって設けられた内装体と、を有し
前記内装体の後ろ身頃は前記外装体の後ろ身頃に固定されており、
前記内装体の前身頃は前記外装体の前身頃に固定されておらず、または着脱可能に固定されており、
着用時において、前記内装体の前身頃は折り曲げられて体液の腹漏れを防ぐ遮断壁を形成するように構成されていること特徴とする吸収性物品。
(作用効果)
本発明に係る吸収性物品は内装体を有しており、その内装体の前身頃が外装体の前身頃に固定されていない、または着脱可能に固定されている。すなわち、内装体の前身頃は外装体の前身頃から遊離しているため、着用時において、内装体の前身頃を自由に折り曲げることができる。そして、内装体の押り曲げによって遮断壁を形成することにより、体液の腹漏れを防止することができる。なお、内装体の前身頃が外装体の前身頃に着脱可能に固定されている場合は、例えば、着用者が吸収性物品を着用する際に、内装体の前身頃を外装体の前身頃から引き剥がすことによって、内装体の前身頃を外装体の前身頃から遊離させた状態とすることができる。
<第2の態様>
前記吸収性物品の着用者は男性であり、
着用時において、前記内装体の前身頃の左前側部分が右後方向へ向かって内面側に折り返されるとともに、前記内装体の前身頃の右前側部分が左後方向へ向かって内面側に折り返され、
折り返された前記左前側部分と前記右前側部分の重ね合わせによって袋状の前記遮断壁が形成され、
前記袋状の遮断壁の内部に着用者の陰茎が挿入されるように構成されている第1の態様の吸収性物品。
(作用効果)
着用時に、内装体の前身頃のうちの左前側部分を右後方向へ向かって内面側に折り返す。それとともに、内装体の前身頃のうちの右前側部分を左後方向へ向かって内面側に折り返す。なお、折り返しの順序は特に限定されるものではなく、左前側部分を先に折り返してから次に右前側部分を折り返しても良いし、右前側部分を先に折り返してから次に左前側部分を折り返しても良い。このようにして折り返された部分を互いに重ね合わせることによって、吸収性物品の内部に袋状の遮断壁が形成される。そして、袋状の遮断壁の内部に着用者の陰茎を挿入することによって、着用者の陰茎が遮断壁に包まれた状態になるため、着用者が排尿した時に、腹漏れが生じにくくなる。すなわち、内装体の前身頃によって陰茎巻きをすることが可能になる。本発明は、従前の陰茎巻き用のパッドと吸収性物品が一体になったような構造をしているため、着用時に着用者が吸収性物品の内部で陰茎巻き用パッドの位置合わせに苦労しなくなるという利点がある。また、着用中に着用者が動くことで、吸収性物品の内部の陰茎巻き用パッドの位置がズレてしまい、その結果腹漏れがしやすくなるということも少ない。
<第3の態様>
前記内装体の前身頃の前記左前側部分または前記右前側部分の裏面側に第1着脱部材が設けられており、
着用時において、
前記左前側部分と前記右前側部分が重ね合わされた状態で、前記第1着脱部材は前記左前側部分と前記右前側部分の間に位置しており、
前記左前側部分と前記右前側部分が前記第1着脱部材によって一体となるように構成されている第2の態様の吸収性物品。
(作用効果)
第1着脱部材を用いて、内装体の前身頃の折り返された左前側部分と右前側部分を一体化することによって、遮断壁の袋形状が崩れにくくなる。その結果、たとえ吸収性物品の着用者が着用中に動いたとしても、着用者の陰茎は袋状の遮断壁の内部に収まったままとなり、腹漏れが発生しづらい。
<第4の態様>
前記内装体の前身頃の前記左前側部分および前記右前側部分の裏面側に第1着脱部材および第2着脱部材が設けられており、
着用時において、
前記左前側部分および前記右前側部分が重ね合わされた状態で、前記第1着脱部材は前記左前側部分と前記右前側部分の間に位置するとともに、前記第2着脱部材は重ね合わされた部分の裏面側に位置し、
前記左前側部分と前記右前側部分は前記第1着脱部材によって一体とされ、
一体になった前記左前側部分と前記右前側部分は前記第2着脱部材によって外装体の前身頃に接合されるように構成されている第2の態様の吸収性物品。
(作用効果)
第1着脱部材の作用効果については、前記第3の態様と同様である。
第4の態様においては、第2着脱部材を有する点に特徴がある。第2着脱部材を用いて、袋状の遮断壁を外装体の前身頃内面に固定することによって、袋状の遮断壁が吸収性物品の内部でズレ動くことが少なくなる。すなわち、袋状の遮断壁が吸収性物品の内部で動くことにより、着用者の陰茎が袋状の遮断壁の外に飛び出し、その結果、腹漏れが生じやすくなるという可能性を低くすることができる。
本発明によれば、腹漏れ防止効果が高い吸収性物品を提供することができる。
展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの平面図(内面側)である。 展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの平面図(外面側)である。 図1の4-4断面図である。 図1の5-5断面図である。 図1の6-6断面図である。 内装体の一部を破断した概略平面図(内面側)である。 内装体と外装体の固定部分と非固定部分を示した展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの概略平面図(内面側)である。 陰茎巻きをする前の状態を示した展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの概略平面図(内面側)である。 陰茎巻きの第一ステップが完了した状態を示した展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの概略平面図(内面側)である。 陰茎巻きの第二ステップが完了した状態を示した展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの概略平面図(内面側)である。 図10の3-3の概略断面図(外装体20は省略した)であり、袋状の遮断壁の内部に陰茎を挿入した状態を示したものである。 陰茎巻きをする場合とは異なる遮断壁を形成する前の状態を示した展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの概略平面図(内面側)である。 陰茎巻きをする場合とは異なる遮断壁を形成した後の状態を示した展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの概略平面図(内面側)である。 図13のX方向から見た概略断面図である。
以下、吸収性物品の一例としてのパンツタイプ使い捨ておむつについて、添付図面を参照しつつ詳説する。
図1~図14はパンツタイプ使い捨ておむつを示している。このパンツタイプ使い捨ておむつ(以下、単におむつともいう。)は、前身頃F及び後ろ身頃Bにわたる外装体20と、前身頃Fから後ろ身頃Bにわたるように外装体20の内面に固定された内装体10とを有している。内装体10は液透過性のトップシート11と液不透過性の裏面シート12との間に吸収体17が介在されてなるものである。製造に際しては、外装体20の内面(上面)に対して内装体10の後ろ身頃Bの裏面がホットメルト接着剤などの接合手段によって接合された後に、内装体10及び外装体20が前身頃F及び後ろ身頃Bの境界である前後方向(縦方向)中央で折り畳まれ、その両側部が相互に熱溶着又はホットメルト接着剤などによって接合されてサイドシール部21が形成されることによって、ウエスト開口及び左右一対の脚開口が形成されたパンツタイプ使い捨ておむつとなる。なお、内装体10の前身頃Fと後ろ身頃Bの境界位置は、外装体20の前身頃Fと後ろ身頃Bの境界位置と同じ又はほぼ同じであり、使い捨ておむつの前後方向WDの中央が前記境界位置となる。
(内装体の構造例)
内装体10は、図3~図5に示すように、トップシート11と裏面シート12との間に、吸収体17を介在させた構造を有しており、トップシート11を透過した***液を吸収体17により吸収保持するものである。内装体10の平面形状は特に限定されないが、図示形態のようにほぼ長方形とすることが一般的である。
吸収体17の表側(「肌当接面側」、「内面側」ともいう。)を覆うトップシート11としては、有孔又は無孔の不織布や多孔性プラスチックシートなどが好適に用いられる。不織布を構成する素材繊維は、ポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法のうち、スパンレース法は柔軟性、ドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法は嵩高でソフトである点で優れている。トップシート11に多数の透孔を形成した場合には、尿などが速やかに吸収される利点がある。図示形態では、トップシート11は、吸収体17の側縁部を巻き込んで吸収体17の裏側まで延在されている。
吸収体17の裏側(「非肌当接面側」、「外面側」ともいう。)を覆う裏面シート12は、ポリエチレン又はポリプロピレンなどの液不透過性プラスチックシートが用いられるが、近年はムレ防止の点から透湿性を有するものが好適に用いられる。この遮水・透湿性シートとしては、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に、炭酸カルシウム等の無機微粒子を溶融混練してシートを形成した後、一軸又は二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートを好適に用いることができる。図示形態では、裏面シート12は、トップシート11とともに吸収体17の幅方向両側で裏側に折り返されているが、このような構造に限定されず、公知の他の構造を採用することもできる。
内装体10の両側部には主に脚周りにフィットする立体ギャザーBGが形成されている。この立体ギャザーBGは、図4及び図5に示されるように、内装体10の裏面の側部に固定された固定部と、この固定部から内装体の側方を経て内装体の表面の側部まで延在する本体部と、本体部の前後端部が倒伏状態で内装体の表面の側部に固定されて形成された倒伏部分と、この倒伏部分間が非固定とされて形成された自由部分とが、折り返しによって二重シートとしたギャザーシート15により形成されており、二重シートの間には、自由部分の先端部等に細長状のギャザー弾性部材16が配設されている。そしてこのような構造により、立体ギャザーBGは、ギャザー弾性部材16の収縮により吸収体側縁部より突出する自由部分が、製品状態において図4に二点鎖線で示すように立ち上がるようになっている。ギャザーシート15としては撥水性とされた不織布が好適に用いられる。
ギャザー弾性部材16としては、通常使用されるスチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコーン、ポリエステル等の素材を用いることができる。また、外側から見え難くするため、太さは925dtex以下、テンションは150~350%、間隔は7.0mm以下として配設するのがよい。なお、ギャザー弾性部材16としては、図示形態のような糸状の他、ある程度の幅を有するテープ状のものを用いることもできる。
前述のギャザーシート15を構成する素材繊維もトップシート11と同様に、ポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工方法に得られた不織布を用いることができるが、特にはムレを防止するために坪量を抑えて通気性に優れた不織布を用いるのがよい。さらにギャザーシート15については、尿などの透過を防止するとともに、カブレを防止しかつ肌への感触性(ドライ感)を高めるために、シリコーン系、パラフィン金属系、アルキルクロミッククロライド系撥水剤などをコーティングした撥水処理不織布を用いるのが望ましい。
(外装体の構造例)
外装体20は、図3~図5にも示されるように、それぞれ不織布等からなる押さえシート20A及びバックシート20Bからなる2層構造とされ、押さえシート20Aとバックシート20Bとの間、及びバックシート20Bをウエスト開口の縁で内面側に折り返してなる折り返し部分20Cのシート間に弾性部材24~26、28が配設され、自然長状態で弾性部材の収縮力により外装体20が収縮することにより、外装体20に伸縮性が付与されている。平面形状は、中間両側部にそれぞれ脚開口を形成するために形成された凹状の脚周りライン29により、全体としてほぼ砂時計形状をなしている。
図示形態の外装体20においては、弾性部材として、図1および図2に示される展開形状において、ウエスト開口近傍23に配置されたウエスト弾性部材24と、前身頃F及び後ろ身頃Bに、縦方向に間隔をおいて幅方向に沿って配置された複数のウエスト下方弾性部材25とを有するとともに、前身頃F及び後ろ身頃Bのそれぞれにおいて、ウエスト下方弾性部材25の群とは別に、一方のサイドシール部21から一方の脚開口に沿って股間部分に向かい、股間部分を横断し、かつ他方の脚開口に沿って他方のサイドシール部21に至るパターンで湾曲しつつ延在する、互いに交差することなく間隔をおいて配置された複数本の湾曲弾性部材26,28を備えている。これら、弾性部材24~26、28は、それぞれその延在方向に沿って所定の伸長率で伸長された状態で固定されている。なお、本外装体20では、脚周りライン29に沿って前身頃Fのサイドシール部から後ろ身頃Bのサイドシール部まで連続する弾性部材は設けられていない。
ウエスト弾性部材24は、前身頃Fと後ろ身頃Bとが接合されたサイドシール部21の範囲の内、ウエスト開口の縁の近傍に縦方向に間隔をおいて配置された複数本の糸ゴム等の細長状の弾性部材であり、身体の胴周りを締め付けるように伸縮力を与えることによりおむつを身体に装着するためのものである。このウエスト弾性部材24は、図示例では糸ゴムを用いたが、例えばテープ状の伸縮部材を用いてもよい。また、図示形態のウエスト弾性部材24は、ウエスト部におけるバックシート20Bの折り返し部分20Cの不織布間に挟持されているが、押えシート20Aとバックシート20Bとの間に挟持しても良い。
ウエスト下方弾性部材25は、サイドシール部21を有する前後方向の範囲に、縦方向に間隔をおいて配置された糸ゴム等の細長状の弾性部材であり、前身頃F及び後ろ身頃Bの腰周り部分に夫々幅方向の伸縮力を与え、おむつを身体に密着させるためのものである。なお、ウエスト弾性部材24とウエスト下方弾性部材25との境界は必ずしも明確でなくてよい。例えば、前身頃F及び後ろ身頃Bに縦方向に間隔をおいて幅方向に配置された弾性部材の内、数は特定できなくても、上部側の何本かがウエスト弾性部材として機能し、残りの弾性部材がウエスト下方弾性部材として機能していればよい。
後ろ身頃Bにおいて、ウエスト下方弾性部材25とは別に配設された背側湾曲弾性部材26は、糸ゴム等の細長状の弾性部材であり、所定の曲線に沿って配置されている。背側湾曲弾性部材26は、一本であっても良いが複数本であるのが好ましく、図示例では4本の糸ゴム等の細長状の弾性部材であり、これら背側湾曲弾性部材26は互いに交差することなく、間隔をおいて配置されている。この背側湾曲弾性部材26は、2,3本程度の弾性部材を間隔を密にして実質的に一束として配置されるのではなく、所定の伸縮ゾーンを形成するように3~20mm、好ましくは6~16mm程度の間隔を空けて、3本以上、好ましくは4本以上配置される。
外装体20の前身頃Fにおいて、ウエスト下方弾性部材25とは別に配設された腹側湾曲弾性部材28は糸ゴム等の細長状の弾性部材であり、所定の曲線に沿って配置されている。腹側湾曲弾性部材28は、一本であっても良いが複数本であるのが好ましく、図示例では4本の糸状弾性部材であり、これら腹側湾曲弾性部材28は、互いに交差することなく、間隔をおいて配置されている。この腹側湾曲弾性部材28も、2,3本程度の弾性部材を間隔を密にして実質的に一束として配置されるのではなく、所定の伸縮ゾーンを形成するように3~20mm、好ましくは6~16mm程度の間隔を空けて、3本以上、好ましくは4本以上配置される。
なお、図2に示すように、前身頃F及び後ろ身頃Bに配置されたウエスト下方弾性部材25及び湾曲弾性部材26,28は、製造時に外装体20に対して連続的に固定した後に、吸収体17と重なる部分の幅方向中間部を、所定の切断パターンで細かく切断して収縮力が作用しない非収縮部分とし、この非収縮部分より側方に延在する部分を収縮力の作用する収縮部分(つまり、ウエスト下方弾性部材25及び湾曲弾性部材26,28が連続的に残された部分)とすることができる。これにより、内装体(特に吸収体17)の幅方向の不必要な収縮を防止することができる。もちろん、ウエスト下方弾性部材25及び湾曲弾性部材26,28を、内装体10を横切って連続的に配置することもできる。
上述した外装体20は、例えば特開平4-28363号公報や、特開平11-332913号公報記載の技術により製造することができる。また、湾曲弾性部材26,28を内装体10上で切断し不連続化するには、特開2002-35029号公報、特開2002-178428号公報及び特開2002-273808号公報に記載される切断方法が好適に採用される。
図示例とは異なり、湾曲弾性部材26,28を、前身頃F及び後ろ身頃Bのいずれか一方にのみ設けるだけでも良い。また、湾曲弾性部材26,28を、前身頃F及び後ろ身頃Bの両方に設ける場合、前身頃F側に配置された湾曲弾性部材28の群の一部又は全部と、後ろ身頃B側に配置された湾曲弾性部材26の群の一部又は全部とが交差する形態(図示せず)も採用できるが、図示例のように、前身頃F側に配置された湾曲弾性部材28の群と、後ろ身頃B側に配置された湾曲弾性部材26の群とは互いに交差することなく前後方向中間部、特に前身頃Fに若干偏った位置で縦方向に離間している形態が好適である。
弾性部材24~26、28の固定時の伸長率は適宜定めることができるが、通常の成人用の場合、ウエスト弾性部材24は160~320%程度、ウエスト下方弾性部材25は160~320%程度、湾曲弾性部材26,28は230~320%程度とすることができる。
(カバーシート)
図1及び図3にも示されるように、外装体20の内面上に取り付けられた内装体10の前後端部をカバーし、かつ内装体10の前後縁からの漏れを防ぐために、カバーシート50,60が設けられていても良い。図示形態についてさらに詳細に説明すると、前カバーシート50は、前身頃F内面のうちウエスト側端部の折り返し部分20Cの内面から内装体10の前端部と重なる位置まで幅方向全体にわたり延在しており、後カバーシート60は、後ろ身頃B内面のうちウエスト側端部の折り返し部分20Cの内面から内装体10の後端部と重なる位置まで幅方向全体にわたり延在している。外装体20をおむつ内面に折り返してなる折り返し部分20Cを、内装体10と重なる部分まで延在させて、図示例のカバーシート50,60と同等の部分を形成することもできる。
(吸収体)
図3等に示したように、吸収体17は一層構造になっているが、複数の層にしてもよい。吸収体17は、高吸収性ポリマー粒子を含み、好ましくはパルプ繊維及び高吸収性ポリマー粒子の混合集積物である。この吸収体17は形状及びポリマー保持等のため、必要に応じてクレープ紙等の液透過性及び液保持性を有する包装シート14によって包装することができる。
高吸収性ポリマー粒子としては、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、例えば500μmの標準ふるい(JIS Z8801-1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)でふるい上に残る粒子の割合が30重量%以下のものが望ましく、また、180μmの標準ふるい(JIS Z8801-1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)でふるい上に残る粒子の割合が60重量%以上のものが望ましい。
高吸収性ポリマー粒子は、特に限定されるものではないが、吸水速度が35~60秒で、吸水量50~70g/gのものを好適に用いることができる。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん-アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん-アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを好適に用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、製品に要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、吸収体17全体で100~350g/m2とすることができる。
吸収体17の形状は適宜定めることができ、それぞれ長方形状とすることもできるが、股間部にその前後両側よりも幅の狭い括れ部分13を有する形状とすることが好ましい。括れ部分13の寸法は適宜定めることができるが、その最も狭い部分の幅は全幅の40~60%程度とすることができる。
吸収体17のパルプ繊維に対する高吸収性ポリマー粒子の重量比率は適宜定めることができる。例えば、総目付け(パルプ及び高吸収性ポリマー粒子の合計)は250~350g/m2であることが好ましく、パルプ繊維に対する高吸収性ポリマー粒子の重量比率が100~200%程度、特に120~180%であることが好ましい。
(内装体の固定)
図7に、内装体10と外装体20の固定部分TC(幅方向に延びる点線で覆った部分)と非固定部分TN(斜線で覆った部分)を示した。この図7に示すように、内装体10の後ろ身頃Bの裏面は外装体20の後ろ身頃Bの内面に固定されており、内装体10の前身頃Fの裏面は外装体20の前身頃Fの内面に固定されていない。厳密には、内装体10の前身頃Fのうち、前後方向LD後側は外装体20に固定されているが、少なくとも前後方向LD前側は外装体20に固定されていない。本発明において、内装体10の前身頃Fが外装体20の前身頃Fに固定されていないという意味合いは、内装体10の前身頃Fのすべての部分が外装体20の前身頃Fに固定されていない場合に限定されるものではなく、図7のように、内装体10の前身頃Fのうち、前後方向LD後側は外装体20に固定されているが、少なくとも前後方向LD前側は外装体20に固定されていない場合を含むことをいう。具体的には、内装体10の前身頃Fが外装体20の前身頃Fに固定されていないという意味合いは、内装体10の前身頃Fの前後方向LDの全長を100%としたときに、内装体10の前身頃Fの固定されていない部分TNの前後方向LDの長さが10%以上あることをいう。このように内装体10の前身頃Fの非固定部分TNの長さを10%以上設けることにより、吸収性物品を着用する際に、着用者が前身頃Fの非固定部分TNを折り曲げて遮断壁70を形成することが容易になる。具体的には、内装体10の前身頃Fの非固定部分TNの長さは50mm~250mm程度とすることが好ましく、70mm~200mm程度とすることがより好ましい。なお、本発明においては、内装体10の前身頃Fの少なくとも前側部分が外装体20の前身頃Fに固定されていないのであるから、前身頃Fの前後方向LDの前側端部が、前記非固定部分TNの前後方向LDの長さを計測する際の起点となる。
また、内装体10の前身頃Fの少なくとも前側部分に非固定部分TNを設けるにあたっては、内装体10の前身頃Fの幅方向WDの全てを非固定にすることが好ましい。着用者が遮断壁70を形成しやすくなるからである。しかし、内装体10の前身頃Fの幅方向WDの一部分が外装体20の前身頃Fに固定されていてもよい。例えば、内装体10の前身頃Fの幅方向WDの中央部分を外装体20の前身頃Fに固定し、幅方向WDの左側部分および右側部分を非固定としてもよい。このような形態にしても、着用者の陰茎を内装体10の前身ごろFで覆う陰茎巻きが可能だからである。そのほか、例えば、内装体10の前身頃Fの幅方向WDの中央部分と左側部分を外装体20の前身頃Fに固定し、幅方向WDの右側部分を非固定としてもよい。この場合は陰茎巻きをすることは困難であるが、着用時に内装体10の前身頃Fの幅方向WDの右側部分を折り曲げることで、その右側部分に遮断壁70を形成することができるからである。同様の考え方を採ると、内装体10の前身頃Fの幅方向WDの中央部分と右側部分を外装体20の前身頃Fに固定し、幅方向WDの左側部分を非固定としてもよい。なお、内装体10の前身頃Fの幅方向WDの左側部分と右側部分を前身頃Fに固定し、幅方向WDの中央部分を非固定とする形態は好ましくない。内装体10の前身頃Fの幅方向WDの中央部分のみを折りたたんで遮断壁70を形成することは困難であるからである。すなわち、内装体10の前身頃Fの幅方向WDのうち、左側部分および右側部分の少なくとも一方の部分は、外装体20の前身頃Fと非固定にする必要がある。なお、内装体10の前身頃Fの幅方向WDの左側部分のみを非固定にする場合は、その非固定部分TNの幅方向WDの長さをある程度確保しなければらない。非固定部分TNの長さが短い場合、遮断壁70を少ししか形成することができず、体液の前漏れ防止効果を十分に確保することができないおそれがあるからである。具体的には、内装体10の前身頃Fの幅方向WDの全長を100%としたときに、内装体10の前身頃Fの左側の非固定部分TNの前後方向LDの長さを60%以上にすることが好ましく、70%以上にすることがより好ましい。例えば、内装体10の前身頃Fの左側に形成する非固定部分TNの長さは、内装体10の前身頃Fの左側端部を起点として右側へ80mm~150mm程度の長さとすることが好ましく、90mm~120mm程度とすることがより好ましい。以上の説明では、内装体10の前身頃Fの左側にのみ非固定部分TNを設ける場合について述べてきたが、内装体10の前身頃Fの右側にのみ非固定部分TNを設ける場合も同様のことがいえる。なお、前述の内装体10の前身頃Fの非固定部分TNの幅方向WDの長さを計測したり、%を算出したりする場合は、内装体10の前身頃Fの前後方向LDの前側端部を基準にする。
また、図7の実施形態において、内装体10の後ろ身頃Bも、厳密には、内装体10の後ろ身頃Bのすべての部分が外装体20の後ろ身頃Bに固定されているわけではない。具体的には、内装体10の後ろ身頃Bのうちの前後方向LD前側かつ幅方向WD外側の部分(外装体20の脚周りライン29の近傍部分)は、外装体20の後ろ身頃Bに固定されていない。ただし、内装体10の後ろ身頃Bの大部分は外装体20の後ろ身頃Bに固定されている。以上のように、本発明において、内装体10の後ろ身頃Bが外装体20の後ろ身頃Bに固定されているという意味合いは、内装体10の後ろ身頃Bのすべての部分が外装体20の後ろ身頃Bに固定されている場合に限定されるものではなく、図7のように、内装体10の後ろ身頃Bのうち、外装体20に固定されていない部分もあるが、内装体10の後ろ身頃Bの大部分は外装体20の後ろ身頃Bに固定されている場合も含むものである。具体的には、内装体10の後ろ身頃Bが外装体20の後ろ身頃Bに固定されているとは、内装体10の後ろ身頃Bの80%以上の面積が外装体20の後ろ身頃Bに固定されていることをいう。なお、内装体10の後ろ身頃Bのうちの80%以上の面積が外装体20の後ろ身頃Bに固定されていることが好ましく、90%以上の面積が外装体20の後ろ身頃Bに固定されていることがより好ましい。内装体10の後ろ身頃Bのうち、外装体20の後ろ身頃Bに固定されている面積が80%より小さいと、内装体10が外装体20から剥がれたり、装着時に外装体20がもたついたりするという問題が生じてしまう。
(着脱部材)
以上の説明では、製品状態で、内装体10の前身頃Fが外装体20の前身頃Fに固定されていない形態を述べた。本発明はこのような形態に限られるものではなく、製品状態で、内装体10の前身頃Fが外装体20の前身頃Fに一時的に固定(「着脱可能に固定」、「一時固定」などともいう。)されている形態であってもよい。例えば、図8に示すように、内装体10の前身頃Fの前側両側部の裏面に着脱部材80を設け、この着脱部材80を介して、内装体10の前身頃Fの裏面を外装体20の前身頃Fの内面にくっつけた状態にしてもよい。このように、製品状態で、内装体10の前身頃Fを外装体20の前身頃Fに一時的に固定しておくことで、内装体10の前身頃Fが吸収性物品の内部で不本意に折れ曲がった状態にならないため、販売時にパッケージ内に収納されている複数の吸収性物品の間に形態のバラつきが発生することを防止できる。着脱部材80は、内装体10の前身頃Fの裏面を外装体20の前身頃Fの内面にくっつけることができるが、一度くっついたら剥がせないというものではなく、着用者の手の力によって、くっついた状態から比較的容易に剥がすこともできる。このような着脱部材80としては、いわゆるメカニカルテープの雄材(「フック材」ともいう。)や、再接着性ホットメルトなどを用いることができる。なお、内装体10の前身頃Fの裏面に着脱部材80として前記フック材を設けた場合は、外装体20の前身頃Fの内面の前記フック材と対面する部分に雌材(「ループ材」ともいう。)を設けてもよいが、この雌材を設けなくてもよい。雌材を設けた場合、内装体10の前身頃Fと外装体20の前身頃Fの固定を強固にすることができるという利点があるが、部品点数が増えるため、製造コストが高くなるという不利益がある。また、後述のいわゆる陰茎巻きを行った際に、外装体20の前身頃に取り付けられた雌材が直接着用者の肌に当たり、着用者が不快感を覚えるおそれもある。
着脱部材80を設ける位置は特に限定されないが、製品状態において、内装体10の前身頃Fが不本意に折れ曲がることを防止する観点によると、内装体10の前身頃Fの前側端部に設けることが好ましい。例えば、内装体10の前身頃Fの前側端部の幅方向WDの中央部分に着脱部材80を一個または複数個設けてもよい。ただし、製品状態における内装体10の前身頃Fの不本意な折れ曲がりを防止する観点によれば、図8に示すように、内装体10の前身頃Fの前側両側部にそれぞれ着脱部材80を設けることが望ましい。
(陰茎巻き)
次に、着用時に着用者が内装体10の前身頃Fを折りたたんで、陰茎巻きを行う手順について説明する。図8は、陰茎巻きを開始する前の状態を示した展開図(概略図)である。この図8の状態では、着脱部材80によって、内装体10の前身頃Fの前側部分の裏面が外装体20の前身頃Fの内面に一時的に固定されている。この着脱部材80の一時固定を解くと(内装体10の前身頃Fを剥がすと)、内装体10の前身頃Fの前側部分が外装体20の前身頃Fから離れて、自由に折り曲げることができる状態となる。このような状態になった内装体10の前身頃Fの前側部分を自由部分という。図8においては、この自由部分となる領域に+の模様を付している。
以上のように、内装体10の前身頃Fの前側部分が自由部分となってから、まず第1の谷折り線L1に沿って、内装体10の前身頃Fの前側部分を谷折りする。すなわち、図8において(1)の矢印で示すように、内装体10の前身頃Fの左前側部分81を前後方向LD後側BSかつ幅方向WD右側RSへ向かって内面側に折り返す。図9に、内装体10の前身頃Fの左前側部分81を折り返した後の状態を示した。内装体10の前身頃Fの左前側部分81の内面が、内装体10の前身頃Fの折り返されていない部分の内面と対向した状態となっている。このような状態になると、折り返された内装体10の前身頃Fの左前側部分81は、体液の腹漏れを防止する遮断壁70になったといえる。なお、内装体10の前身頃Fの左前側部分81の裏面に取り付けられた着脱部材80(第1着脱部材80A)が、表側に露出した状態になっている。
図9の状態から、次に、(2)の矢印で示すように、第2の谷折り線L2に沿って、内装体10の前身頃Fの右前側部分82を前後方向LD後側BSかつ幅方向WD左側LSへ向かって内面側に折り返す(谷折り)。図10に、内装体10の前身頃Fの右前側部分82を折り返した後の状態を示した。内装体10の前身頃Fの右前側部分82の内面が、内装体10の前身頃Fの左前側部分81の裏面と対向した状態になっている。このような状態になると、折り返された内装体10の前身頃Fの右前側部分82も、体液の腹漏れを防止する遮断壁70になったといえる。そして、折り返された内装体10の前身頃Fの右前側部分82の内面は、第1着脱部材80Aによって、内装体10の前身頃Fの左前側部分81の裏面と繋がった状態になっている。すなわち、図11に示すように、断面視において、内装体10の前身頃Fの折り返されていない部分が下側に位置し、折り返された内装体10の前身頃Fの左前側部分81と右前側部分82が上側に位置し、全体として袋状の遮断壁70が形成される。そして、着用者が、この袋状の遮断壁70の内部に陰茎83を挿入することにより、陰茎巻きが完成する。袋状の遮断壁70を形成することにより、単なる遮断壁70を形成する場合に比べて、着用者の尿の腹漏れ防止効果を高めることができる。なお、内装体10の前身頃Fの右前側部分82の裏面に取り付けられた着脱部材80(第2着脱部材80B)が、表側に露出した状態になっている。
図9の状態から、次に、図10に(3)の矢印で示すように、内装体10の前身頃Fの左前側部分81と右前側部分82を前後方向WD前側に倒すようにすることが好ましい。そして、内装体10の前身頃Fの右前側部分82の裏面に設けられた第2着脱部材80Bを用いて、内装体10の前身頃Fの左前側部分81と右前側部分82を外装体20の前身頃Fの内面にくっつけて、着用者の***が変わったような場合でも、袋状の遮断壁70が吸収性物品の内部で動かないようにすることが好ましい。袋状の遮断壁70が動かないことで、着用者の尿の腹漏れ防止効果をより高めることができる。
(その他の遮断壁)
遮断壁70の形成方法は、前述の陰茎巻きに限られるものではない。例えば、図12~図14に示すように、内装体10の前身頃Fに、幅方向WDに略直線状に延びる山状の遮断壁70を設けることができる。
図12にこの遮断壁70を形成する前の状態を示した。遮断壁70を形成する際は、この図12の状態から、着用者が、内装体10の前身頃Fの左右両端部に設けられた第1着脱部材80Aと第2着脱部材80Bの一時固定を解く。すなわち、外装体20の前身頃Fから内装体10の前身頃Fを剥がす。そして、内装体10の前身頃Fの前側端部を前後方向LDの後方へ向かって移動させる。その際、内装体10の前身頃Fに、前後方向LDに間隔を空けて略平行に設けられた、幅方向WDに略直線状に延在する二本の谷折り線L3、L4の位置で、内装体10の前身頃Fを谷折りをする。そうすると、図13、図14に示すように、この二本の谷折り線L3、L4の間に、幅方向WDに略直線状に延びる山状の遮断壁70が形成される。このような遮断壁70を設けることにより、例えば着用者が排尿をした際に、尿が腹側へ移動することを防ぐことができるため、腹漏れの生じる可能性を低減することができる。なお、山状の遮断壁70を形成した後は、この遮断壁70の形状を維持するため、第1着脱部材80Aと第2着脱部材80Bを介して、内装体10の前身頃Fの裏面を外装体20の前身頃Fの内面に再び固定することが好ましい。
(谷折り線)
前述の谷折り線L1~L4を設ける位置は特に限定されない。図8において、谷折り線L1の前側部分が内装体10の前身頃Fの前側端縁まで伸びており、谷折り線L2の前側部分が谷折り線L1と交差する部分まで伸びている。この変形例としては、内装体10の前身頃Fの右側部分82を先に折り返し、次に内装体10の前身頃Fの左側部分81を折り返す場合は、谷折り線L2の前側部分を内装体10の前身頃Fの前側端縁まで伸ばし、谷折り線L1の前側部分を谷折り線L2と交差する部分まで伸ばすようにしてもよい。また、谷折り線L1とL2の交差する位置を幅方向WDの左側へ移動させたり、右側へ移動させたりしてもよい。ただし、陰茎巻きをしたときに尿漏れが生じることを防ぐため、内装体10の前身頃Fを折り畳んだときに、先端部分71(図10に示すように、平面視で、内装体10の前身頃Fを折り畳んだときに形成される三角形状の部分の先端部分)に吸収体17が存在することが好ましいため、谷折り線L1とL2の交差点を吸収体17が存在する位置に設けることが好ましい。谷折り線L1とL2の交差点を吸収体17が存在しない位置(すなわち、吸収体17の前側端縁よりも前側)に設けると、排尿した際に、先端部分71から尿が漏れてしまうおそれがあるからである。同様に、図12において、谷折り線L3、L4を設ける位置を前後方向LDに自由に変更することもできる。
なお、以上の実施形態では、製品状態で、内装体10の前身頃Fの谷折れ線L1~L4の位置に予めエンボスや溝部など(内面側から裏面側へ凹む形態のもの)を設けることによって、着用者に対して、内装体10の前身頃Fの折り曲げ位置を示し、その位置で折り曲げることを誘導している。しかし、このように誘導するための谷折れ線L1~L4を必ずしも設ける必要はない。すなわち、基本的に、内装体10の前身頃Fを着用者が自由に好きな位置で折り曲げることができる。着用者に対して陰茎巻きの方法などを教示したい場合は、製品のパッケージに製品の使用方法の説明を記載するなどしてもよい。
(着脱部材の省略)
前述の着脱部材80は必ずしも設ける必要はない。例えば、図10とは異なり、袋状に形成した遮断壁70を外装体20の内面に固定させないのであれば、第2着脱部材80Bを省略することができる。同様に、図10とは異なり、内装体10の前身頃Fの左前側部分81と右前側部分82を重ね合わせた状態を強固に保持しないのであれば、第1着脱部材80Aも省略することができる。
(その他)
前記遮断壁70は、着用者の体液が前後方向LD前側へ移動することを防止する壁面であり、内装体10の前身頃Fを折り曲げることによって形成される、着用者の肌面へ向かって膨らんだ部分をいう。したがって、図9のように、陰茎巻きが完成していなくても、内装体10の前身頃Fの左前側部分81だけを折り曲げるだけで、その左前側部分81は既に遮断壁70になっているといえる。
<明細書中の用語の説明>
明細書中で以下の用語が使用される場合、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
・「前後方向」とは図中に符号LDで示す方向(縦方向)を意味し、「幅方向」とは図中にWDで示す方向(左右方向)を意味し、前後方向と幅方向とは直交するものである。
・「展開状態」とは、収縮や弛み無く平坦に展開した状態を意味する。
・「伸長率」は、自然長を100%としたときの値を意味する。例えば、伸長率が200%とは、伸長倍率が2倍であることと同義である。
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を温度100℃の環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から、試料採取用の型板(100mm×100mm)を使用し、100mm×100mmの寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、100倍して1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
・「吸水量」は、JIS K7223-1996「高吸水性樹脂の吸水量試験方法」によって測定する。
・「吸水速度」は、2gの高吸収性ポリマー及び50gの生理食塩水を使用して、JIS K7224‐1996「高吸水性樹脂の吸水速度試験法」を行ったときの「終点までの時間」とする。
・各部の寸法は、特に記載が無い限り、自然長状態ではなく展開状態における寸法を意味する。
本発明は、上記例のようなパンツタイプ使い捨ておむつの他、テープタイプ、パッドタイプ等の各種使い捨ておむつ等、吸収性物品全般に利用できるものである。また、必ずしも男性用の吸収性物品に限られるものでもない。図8~図11に示すように、陰茎巻きを想定した形態では、男性がメインターゲットになるが、図12~図14のような遮断壁70を形成することもできるため、男女兼用とすることもできる。
10…内装体、11…トップシート、12…裏面シート、13…括れ部分、14…包装シート、15…ギャザーシート、16…ギャザー弾性部材、17…吸収体、20…外装体、20A…押さえシート、20B…バックシート、20C…折り返し部分、21…サイドシール部、23…ウエスト開口近傍、24…ウエスト弾性部材、25…ウエスト下方弾性部材、26…背側湾曲弾性部材,28…腹側湾曲弾性部材、26…背側湾曲弾性部材、28…腹側湾曲弾性部材、29…脚周りライン、50…前カバーシート、60…後カバーシート、70…遮断壁、80…着脱部材、80A…第1着脱部材、80B…第2着脱部材、81…左前側部分、82…右前側部分、83…陰茎、B…後ろ身頃、BG…立体ギャザー、F…前身頃、TC…固定部分、TN…非固定部分、TN…非固定部分、LD…前後方向、FS…前側、BS…後側、WD…幅方向、LS…左側、RS…右側、HD…厚み方向、TS…内側(表側)、ES…外側(裏側)

Claims (4)

  1. 前身頃および後ろ身頃を有する外装体と、
    前記外装体の内面に前身頃から後ろ身頃にわたって設けられた内装体と、を有し
    前記内装体は吸収体を有するものであり、
    前記内装体及び前記外装体が前記前身頃及び前記後ろ身頃の境界である前後方向中央で折り畳まれ、前記外装体の両側部が相互に接合されてサイドシール部が形成されるとともに、ウエスト開口及び左右一対の脚開口が形成され、
    前記サイドシール部は、前記外装体における前記内装体の幅方向の両側に延び出た部分の側部に設けられ、
    前記ウエスト開口は、前記外装体における前記内装体の前後方向の両側に延び出た部分の縁部により設けられた、パンツタイプ使い捨ておむつであって、
    前記内装体の後ろ身頃は前記外装体の後ろ身頃にホットメルト接着剤によって固定されており、
    前記内装体の前身頃の少なくとも前側部分は前記外装体の前身頃に着脱可能に固定された着脱領域となっており、
    着用時において、前記内装体の前身頃の着脱領域が前記外装体の前身頃から剥がされて自由部分になるとともに、この自由部分が折り曲げられて体液の腹漏れを防ぐ遮断壁を形成するように構成されていること特徴とする吸収性物品。
  2. 前記吸収性物品男性用の吸収性物品であり、
    前記着脱領域の左前側部分または右前側部分の裏面に第1着脱部材が設けられており、
    着用時において、前記自由部分の左前側部分が右後方向へ向かって内面側に折り返されるとともに、前記自由部分の右前側部分が左後方向へ向かって内面側に折り返され、
    折り返された前記左前側部分と前記右前側部分の重ね合わせによって袋状の前記遮断壁が形成され、
    前記袋状の遮断壁の内部に着用者の陰茎が挿入されるように構成され、
    前記左前側部分と前記右前側部分が重ね合わされた状態で、前記第1着脱部材は前記左前側部分と前記右前側部分の間に位置しており、
    前記左前側部分と前記右前側部分が前記第1着脱部材によって一体となるように構成されている請求項記載の吸収性物品。
  3. 前記左前側部分および前記右前側部分のうち、前記第1着脱部材を有しない方の裏面に第2着脱部材が設けられており、
    着用時において、
    前記左前側部分および前記右前側部分が重ね合わされた状態で、前記第1着脱部材は前記左前側部分と前記右前側部分の間に位置するとともに、前記第2着脱部材は重ね合わされた部分の裏面側に位置し、
    前記左前側部分と前記右前側部分は前記第1着脱部材によって一体とされ、
    一体になった前記左前側部分と前記右前側部分は、前記第2着脱部材が前記外装体の前身頃に対向するように前側に倒されるとともに、前記第2着脱部材によって外装体の前身頃に接合されるように構成されている請求項2記載の吸収性物品。
  4. 前記着脱領域の左前側端部および右前側端部の裏面に着脱部材がそれぞれ設けられており、
    着用時において、
    前記自由部分の前側端部を後方へ向かって移動しつつ、前記自由部分を前後方向に間隔を空けて略平行に設けられた幅方向に略直線状に延在する二本の谷折り線の位置で谷折りした状態で、前記自由部分の前側端部を前記着脱部材を介して前記外装体の前身頃に固定することによって、前記二本の谷折り線の間に幅方向に直線状に延びる山状の前記遮断壁を形成するように構成されている、請求項1記載の吸収性物品。

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